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第3次嘉手納爆音訴訟(4)-沖縄タイムス・琉球新報社説より-

 琉球新報は2017年2月23日、第3次嘉手納爆音訴訟の判決について、「米軍嘉手納飛行場の周辺住民2万2048人が国を相手に、夜間・早朝の米軍機飛行差し止めや騒音被害に損害賠償を求めた第3次嘉手納爆音訴訟の判決が23日午前、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で言い渡された。藤倉裁判長は差し止めの訴えを退け、過去分の損害賠償の支払いのみを命じた。」、と報じた。
 第3次嘉手納爆音訴訟の判決結果を琉球新報と沖縄タイムスは、その社説で、「嘉手納爆音訴訟判決 夜間飛行容認許されぬ 差し止めぬなら基地撤去を」「[嘉手納爆音訴訟判決]日米の無策 司法が助長 」、とそれぞれ批判した。
 まずは、二紙の社説を要約する。


Ⅰ.判決の意味

(琉球新報)
(1)米軍機の飛行差し止めを回避する判決がまたも繰り返された。米軍基地運用に司法は口を挟めないという思考停止を脱しない限り、基地被害は永久に救済されない。第3次嘉手納爆音訴訟の那覇地裁沖縄支部判決は米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めを認めず、将来分の損害賠償も退けた。
(2)第2次訴訟で退けられた読谷村座喜味以北の原告への賠償が認められたことを「前進」とする声も原告団にある。しかし安眠を妨げる夜間・早朝の飛行差し止めに踏み込まない限り、爆音被害の抜本的な改善にはほど遠い。米軍基地の自由使用を容認する国策追従の判決と言わざるを得ない。

(沖縄タイムス)
(1)住民の健康に被害を及ぼすほどの爆音が発生しているのに、国や裁判所はそれを止められない-。第3次嘉手納爆音訴訟の判決を一言で説明するとこうなる。
(2)那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は、深夜・早朝の米軍機飛行差し止め請求を棄却する一方、原告2万2005人に対し損害賠償を認め、国に合計301億9862万円の支払いを命じた。かつてない巨額の賠償は、第1・第2次、普天間、厚木・横田などを含む過去の基地騒音訴訟の賠償総額をも大幅に上回った。
(3)判決は、高血圧症の発症など爆音による健康被害を普天間に続き認め、第2次訴訟では防衛省の騒音測定調査(コンター)外として対象外とされた読谷村座喜味以北の被害認定に踏み込んだ。騒音が子どもにより大きな影響を及ぼしている可能性を示唆し、戦争を経験した高齢者は爆音で戦争時の記憶をよみがえらせ大きな不安を与えるであろうことも認定した。米軍機が戦争PTSDに悪影響を及ぼす可能性に触れた形で、被害認定の前進と言える。


Ⅱ.残されたままの問題点

(琉球新報)
(1)最大の被害は米軍機の夜間飛行の爆音だ。最近でも昨年10月19日の午前2時半にF16機6機が離陸し最大100・2デシベルを計測した。住民が熟睡する深夜に「電車が通るガード下」に相当する爆音が基地周辺住民の安眠を奪う「殺人的な爆音」が日常化している。第2次訴訟の控訴審判決は「飛行差し止めの司法救済が閉ざされている以上、国は騒音改善の政治的な責務を負う」と国の騒音改善の責任を指摘した。しかし夜間飛行の横行は何ら改まっていない。今回の判決も「午後10時から午前6時の飛行制限が十分に履行されず、違法な被害が漫然と放置されている」と国の怠慢を厳しく批判している。
(2)であれば飛行差し止めに踏み込むべきではなかったか。国の無作為で夜間飛行が放置され、その実態を知りつつ、地裁判決は飛行差し止めを回避した。被害救済を放棄する国と司法の無作為、無責任の連鎖と言うしかない。
(3)厚木基地訴訟の2014年5月の横浜地裁判決は初めて自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じ、15年7月の東京高裁判決は将来分の賠償をも認める初判断を下した。しかし昨年12月の最高裁判決は自衛隊機の飛行差し止め、将来の賠償のいずれも退けた。それを受け那覇地裁も将来の賠償を退けた。住民保護に傾きかけた東京高裁判決から後退する司法の反動に那覇地裁も追従した。
(4)米軍機の飛行差し止めを回避する裁判所の論理は「国は米軍機運航を制限できない」とする「第三者行為論」と、その背後にある「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論である。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した1959年の「砂川事件」最高裁判決が源流だ。しかし同判決は近年、当時の最高裁長官が日米両政府の圧力を受けていたことが米公文書で判明している。

(沖縄タイムス)

(1)一方、飛行差し止め請求は従来通り門前払いした。静かな夜を勝ち取ろうと、原告が爆音による健康被害の立証に重きを置いた結果、裁判所は、被害の一部を認めざるを得なくなった。それにもかかわらず差し止めは請求できないという矛盾の理由はまたも、米軍の行為を国は制限できないとする「第三者行為論」である。
(2)日米安保条約と地位協定は国の権限を定めておらず、そのため国に飛行制限の手立てはないとする。そうであれば、この条約や協定にはそもそも不備があるのではないか。第三者行為論はこうした不備を司法が追認することに等しい。
(3)「対米訴訟」後初の本訴となる今回、原告は、米国への訴訟が退けられる中での第三者行為論が、裁判を受ける権利を侵害するとも主張した。裁判所は、棄却そのものが権利の行使であり、侵害には当たらないとする。米国に訴状を届けもせず棄却した事実をもって「裁判権を保障した」というのは暴論だ。
(3)騒音対策への国の対応について裁判所は、効果がないばかりか、努力の跡もみられないなど厳しく批判した。しかしそうした国の無策を助長しているのは、この間の司法判断ではないか。第三者行為論や対米訴訟で国や米国を免責しておきながら、爆音対策の履行を求めたとしても実現するとはとても思えない。


Ⅲ.主張

(琉球新報)

(1)終戦後の米国の影響下で日本の司法が歪(ゆが)められたのである。「国は米軍に口出しできない」「司法は高度の政治問題を判断できない」との論理は日本の主権と司法の独立の否定にほかならない。
(2)米軍が夜間飛行を続け国がこれを漫然と放置し、司法も救済しないのなら、爆音の発生源の基地撤去を求めるしか手だてはないのではないか。
(3)沖縄国際大学の友知政樹教授は、嘉手納基地返還後の跡地利用の「直接経済効果」を年間1兆4600億円と試算する。嘉手納基地は沖縄戦時に日本軍が飛行場を建設し、占領米軍が基地として接収した。故郷を奪われた住民は周辺に移り住み、今なお爆音禍に苦しみ爆音訴訟の原告に名を連ねている。基地撤去の要求を不当とは決して言えない。
(4)嘉手納基地の爆音被害を放置する政府と司法に対しては、基地撤去要求をも辞さない強い決意で爆音解消を訴え続けねばならない。全国の米軍基地、自衛隊基地の騒音訴訟原告団との連携も重要だ。政府の無作為を突き動かし、司法の「第三者行為論」を突き破る理論武装が必要だ。将来の基地撤去をも視野に置く、たゆまぬ裁判闘争を原告団に期待したい。

(沖縄タイムス)

(1)第1次訴訟の確定から19年が経過した。今判決では、遡(さかのぼ)ること1970年代には爆音が社会問題化していたと触れるが、国が真摯(しんし)に向き合った形跡はみられない。その結果、被害は蓄積して多くの住民の健康と生活の安心を奪い続け、賠償額はいまや300億円超となった。地位協定は米側が75%を負担すると定めるが、これまで国が米側に請求したことはない。全てに国税が充てられることを考えれば、国と司法の無策ほど高く付くものはない。


 この判決を、まさしく言い当てているのは、「騒音対策への国の対応について裁判所は、効果がないばかりか、努力の跡もみられないなど厳しく批判した。しかしそうした国の無策を助長しているのは、この間の司法判断ではないか。第三者行為論や対米訴訟で国や米国を免責しておきながら、爆音対策の履行を求めたとしても実現するとはとても思えない。」、との沖縄タイムスの批判であろう。
 また、「国が真摯(しんし)に向き合った形跡はみられない。その結果、被害は蓄積して多くの住民の健康と生活の安心を奪い続け、賠償額はいまや300億円超となった。地位協定は米側が75%を負担すると定めるが、これまで国が米側に請求したことはない。全てに国税が充てられることを考えれば、国と司法の無策ほど高く付くものはない。」、との沖縄タイムスの指摘は、思いのほか重要である。
 最後に、琉球新報は「将来の基地撤去をも視野に置く、たゆまぬ裁判闘争を原告団に期待したい。」、とその社説を結ぶ。
 そこに、沖縄の荒ぶる情念と前を見つめる剛さを思う。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-03 07:11 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月2日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 南西諸島への陸上自衛隊配備が抑止力のためとするなら、「日米共同で離島奪還の訓練を進める」ことは、辻褄が合わない。
 政府は、抑止力云々を持ち出す以上、少なくとも、政府が避難計画を策定し、それを住民に説明することが必要である。


 2017年3月2日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-陸自配備の矛盾指摘 市民団体が政府交渉-2017年2月28日 17:34


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「南西諸島への陸上自衛隊配備に反対する市民団体は28日、国会内で配備撤回などを求める政府交渉を開いた。市民団体は駐屯地が建設された場合の法的位置付け、抑止力のために配備するとしながら、日米共同で離島奪還の訓練を進める政府の矛盾を指摘し避難計画策定の必要性を訴えた。政府は避難計画策定は地元の自治体が行うとして明言しないなど、市民からの質問の多くに明言を避けた。」
②「外務省や防衛省、国土交通省の担当者が説明した。外務省の担当者は陸自駐屯地の国際法的な位置付けについて、軍事目標に該当するかは「平時においては軍事目標ではない』と主張する従来の政府見解を重ね、危険性の明示を避けた。宮古島から訪れた石嶺香織市議らは『そうなると、今は日本に軍事目標はないのか。具体的に示してほしい』と指摘した。市民側からは『抑止力ができれば、離島奪還作戦は必要ない』などと指摘した。自衛隊法で市民に対して業務従事命令を出す計画ではないかと疑問視した。防衛省担当者は『実際の場面ではないのでお答えできない』として、明言を避けた。」
②「政府交渉を開いたのは、宮古島市民会議、南西諸島ピースネット、八重山大地会、てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会。」


(2)沖縄タイムス-基地反対リーダー、17日に初公判 保釈の見通し立たず-2017年3月2日 07:31


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍基地建設への反対運動で、公務執行妨害や威力業務妨害などで逮捕・起訴され、勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)の初公判が、17日午前10時から那覇地裁で開かれることが1日、分かった。訴訟関係者が本紙取材に明らかにした。昨年10月17日に器物損壊容疑で逮捕されて以来、5カ月で初公判が開かれることになる。」
②「訴訟関係者によると、初公判の日程は決まったが、保釈の見通しは立っていないという。関係者は『初公判をめどとして保釈される可能性はあるのではないか』とした。初公判は、山城議長と同様に勾留が続いている男性2人とともに併合して行われるという。」
③「那覇地検は昨年11月11日、同10月に東村高江周辺の米軍北部訓練所内の有刺鉄線1本を切ったとして山城議長を器物損壊の罪で起訴。同議長は同8月25日、フェンスを設置していた沖縄防衛局職員を工事用道路上に設置されたテント内に共謀して押し込んで転倒させたなどとして、公務執行妨害と傷害の罪にも問われている。山城議長は同12月、名護市辺野古の新基地建設を阻止しようと、米軍キャンプ・シュワブゲート前にコンクリートブロック1486個を積み上げたなどとして、威力業務妨害罪でも起訴された。」


(3)琉球新報-座り込み市民排除し、砂利搬入 辺野古新基地建設-2017年3月2日 11:27


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で2日午前、工事に反対する約70人が米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前に座り込んで抗議の声を上げた。工事用車両の搬入時には機動隊約40人が座り込む人たちの体を抱えて強制排除した。機動隊が強制排除してる間に、砂利などを積んだ大型車両7台がゲート内に入った。大浦湾では汚濁防止膜の海底基礎となる大型コンクリートブロックを投下する準備が進められている。工事に反対する人たちは抗議船3隻、カヌー9艇を出して抗抗議している。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-「ペンタゴンを説得できなかった」 沖縄の基地減で元高官が証言  1995年暴行事件で米政府内が対立-2017年3月2日 07:46


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「1995年の米兵による暴行事件を受け、沖縄の米軍基地負担軽減をめぐり、米政府内で見解が分かれていたことが1日までに分かった。国務省が県内すべての米軍基地や施設の必要性に疑問を呈し、在沖米軍のプレゼンスの見直しに着手したものの、国防総省側が協議に応じず、在沖米軍の駐留維持を前提とした日米特別行動委員会(SACO)が設置された。」
②「ロード氏は95年の事件について『長期化している基地施設の整理縮小という課題への真剣な取り組みが示せなければ、米軍全体のプレゼンスが影響を受ける恐れがあった』と述べ、在日米軍だけではなく、日米関係そのものをおびやかしかねなかったと当時の衝撃と事件に対する県民の怒りの大きさを回顧した。その上で国務省側が『沖縄の米軍のプレゼンスの見直しに着手した。沖縄県内のすべての米軍基地や施設は本当に必要なのかどうかを協議していた』と述べ、県道104号線越え実弾砲兵射撃演習や騒音を伴う夜間訓練の必要性などを検証した過程に言及。国務省内で包括的な見直しを始めたものの、『われわれ(国務省)は緊張感のないペンタゴン(国防総省)を説得できなかった』と指摘。国防総省(米軍)が米政府内の協議を主導し、県内駐留維持を前提に軽減策を検討する日米両政府が特別行動委員会(SACO)が設置されたとしている。」
②「ロード氏は、当時のペリー国防長官が橋本龍太郎首相から普天間移設と引き換えに代替施設を提供するとの合意を得ようと交渉していたとし、『米軍基地の維持(移設または統合)は、米国だけではなく、日本の国益でもあると示される必要があると強調していた』と指摘した。ペリー元国防長官は昨年6月の本紙インタビューで、『基地の提供地をどこにするかを決めるのは日本だが、私自身も(普天間の移設先は)県内が最適と捉えていた』と証言していた。」





by asyagi-df-2014 | 2017-03-02 16:57 | 沖縄から | Comments(0)

「原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。」、と中日新聞。

 中日新聞は2017年2月27日、「原発処理費、40兆円に拡大 本紙集計、国民負担重く」、と標題について次のように報じた。


(1)東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から間もなく六年。福島第一をはじめとする廃炉や使用済み燃料再利用など原発の後始末にかかる費用が膨張している。本紙が政府推計や予算資料を集計したところ国内の原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。原発のある自治体への補助金などの税金投入も一九七〇年代半ばから二〇一五年度までに十七兆円に達した。すでに国民が税などで負担した分を除き、増大する費用は電気代や税で国民が支払わねばならず、家計の重荷も増している。
(2)四十兆円は国民一人当たり三十二万円に上る。原子炉や核燃料処理費がかさむのは危険な核物質を処理する必要があるため。自治体補助金も「迷惑料」の色彩が強い。原発の建設・運営費も事故後は安全規制強化で世界的に上昇している。
(3)政府は福島事故処理費を一三年時点で十一兆円と推計したが、被害の深刻さが判明するにつれ、二十一兆五千億円と倍増。本来は東電が負担すべきものだが政府は原則を曲げ、電気代上乗せなど国民負担の割合を広げている。
(4)被災者への賠償金は、新電力会社の利用者も含め全国民の電気代に転嫁され、福島原発廃炉費も東電管内では電気代負担となる方向だ。除染も一部地域について一七年度から税金投入(初年度三百億円)する。
(5)一兆円を投入しながら廃止が決まった高速増殖炉「もんじゅ」については、廃炉費用や別の実験炉「常陽」の稼働費用を足し合わせると計一兆六千億円になる見通し。政府は昨年末にもんじゅ後継機の研究継続を決定しており、税金投入はさらに膨らむ方向だ。
(6)青森県の再処理工場などもんじゅ以外の核燃料サイクル事業にも本紙集計では税金などで十兆円が費やされた。核燃料全般の最終処分場の建設費も三兆七千億円の政府見込みを上回る公算だ。
(7)福島第一以外の廃炉費用(予定より廃止を早める原発の廃炉費を除く)は、二兆九千億円になると政府が推計している。
(8)自治体への補助金も電気代に上乗せする電源開発促進税が主な財源。多くの原発が非稼働の現在も約千四百億円(一五年度)が予算計上されている。
(9)大島堅一立命館大教授によると一キロワット時当たりの原発の発電費は安全対策強化で上昇した原発建設費も算入すると一七・四円となり、水力(政府試算一一・〇円)を六割、液化天然ガス火力(同一三・七円)を三割上回る。原発を進める理由に費用の安さを挙げてきた政府の説明根拠も問われている。

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(中日新聞20170227-原発費用のための費用)


 「国内の原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。」とは、「増大する費用は電気代や税で国民が支払わねばならず、家計の重荷も増している。」、というのが、日本という国の指し示す「構図」。
 コスト評価という言い訳も、「大島堅一立命館大教授によると一キロワット時当たりの原発の発電費は安全対策強化で上昇した原発建設費も算入すると一七・四円となり、水力(政府試算一一・〇円)を六割、液化天然ガス火力(同一三・七円)を三割上回る。原発を進める理由に費用の安さを挙げてきた政府の説明根拠も問われている。」(中日新聞)、という事実が打ちのめす。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-02 07:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月1日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


「米軍北部訓練場の一部返還の条件だったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業で、沖縄防衛局が発注後に契約を変更し、工事費がN1地区で約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に、G地区で約2億1千万円が約11億3千万円と5・4倍に膨らんだことが28日分かった。抗議活動に対応する警備業務の追加や、工期短縮のためのヘリコプターでの資材空輸などを主な要因としている。」、と沖縄タイムスは伝えた。
 これに対して、専門家の反論は、「5倍、6倍に膨らむのは考えられない。契約をやり直すべきだ」「沖縄総合事務局の調整官として沖縄振興の公共事業でダムや空港、道路の整備に関わってきたが8~9回の契約変更や、5~6倍の工事費増というのはあり得ない。異常事態だ。会計検査の対象になるだろう。」「増額を伴う契約変更の繰り返しは「国策」や「住民の反対」とは別に、公共事業の執行の適正化という観点から違和感を持つ」、ということ。
 まさしく、「異常事態だ」。


 2017年3月1日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-1億9千万円が11億6千万円に 高江ヘリパッド工事費、増えた理由は-2017年3月1日 07:20


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場の一部返還の条件だったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業で、沖縄防衛局が発注後に契約を変更し、工事費がN1地区で約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に、G地区で約2億1千万円が約11億3千万円と5・4倍に膨らんだことが28日分かった。抗議活動に対応する警備業務の追加や、工期短縮のためのヘリコプターでの資材空輸などを主な要因としている。」
②「同事業では、二つのヘリパッドと進入路などを整備するN1地区で9回、一つのヘリパッドを建設するG地区で8回、契約を変更。事業は続いているため、さらに増える可能性がある。平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で資料を入手した。いずれも一般競争入札。N1地区では2014年1月に1億8900万円、落札率96・8%で北勝建設、G地区では15年1月に2億520万円、落札率92・1%で仲程土建と契約した。」
③「東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッドを建設する事業の一環で、県内外から反対する市民らが集まり、抗議活動を展開。着工できない状態が続いたが、政府は昨年7月、最大800人の警察機動隊を動員し、工事を強行した。N1地区では昨年8月に警備業務の追加で、約6億円、同10月に歩行訓練ルート整備やヘリコプターでの資材運輸31回で約3億2千万円を増額した。G地区では同8月に警備業務で約2億8千万円、同10月に資材空輸24回などで約6億2千万円を増額した。」
④「防衛局は沖縄タイムスの取材に、反対する市民のテントや車両が放置され、通行困難な状態が続いたことから契約変更が必要となったと説明している。北上田さんは『5倍、6倍に膨らむのは考えられない。契約をやり直すべきだ』と指摘。昨年12月の北部訓練場の過半返還を急いだため、警備強化、ヘリでの搬入が必要だったと批判し、『許し難いとしか言いようがない』と語った。H地区では2億1800万円で契約し、昨年12月に契約変更したが、151万円の小幅な増額にとどまっている。」
⑤宮田裕沖国大・沖大特別研究員の話:「沖縄総合事務局の調整官として沖縄振興の公共事業でダムや空港、道路の整備に関わってきたが8~9回の契約変更や、5~6倍の工事費増というのはあり得ない。異常事態だ。会計検査の対象になるだろう。積算根拠を含め合理的な説明が必要だ。そもそも公共事業で、警備予算を上積みするのが考えられない。増額を伴う契約変更の繰り返しは「国策」や「住民の反対」とは別に、公共事業の執行の適正化という観点から違和感を持つ。


(2)沖縄タイムス-「貧乏退散」シール、入居窓口から見える位置に 沖縄県住宅供給公社-2017年3月1日 07:51


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県住宅供給公社(那覇市旭町)で、公営住宅の入居申請などを受け付ける窓口カウンター内に『貧乏退散』と書かれたシールが貼られていたことが28日、分かった。2月上旬に外部からの指摘を受け、公社は『不適切だった』と謝罪。シールを剥がしたが、生活困窮者の支援者は『貧困を、自分たちが生きる社会の問題として考えていない証拠だ』と厳しく批判している。」(社会部・島袋晋作)
②「シールは、カウンター越しにあるキャビネットに貼られ、来訪者から見える状態だった。そばには『どん底』『人生強気』と書かれたシールも貼られていた。」
③「2月上旬、団地への入居継続を希望する男性の付き添いで公社を訪れた司法書士の安里長従さんが発見。問題を職員に指摘し、経緯や趣旨の説明を求めた。指摘を受けた公社はシールを剥がすとともに、職員や退職者を含む歴代の担当者から聞き取り調査をしたが、住宅部の崎浜秀人部長は『時間が経過し、経緯が確認できなかった』『指摘を受けるまで誰も気付かなかった』と説明。いつから貼られていたかも不明という。シールは『駄菓子の景品』であり、『何げなく貼ったと推測され、意図したことはないと考えている』との見解を示した。その上で『窓口に来られた県営住宅の入居者らに対して、不快な思いをさせたことに心よりおわびする。配慮が足りなかった』と謝罪。全職員に対して注意喚起したと説明した。」
④「沖縄憲法25条を守るネットワーク(沖縄25条の会)の事務局長も務める安里さんは『生活困窮者も訪れる場所。長期間貼られていても、そこに想像力が及ばなかったことこそが問題だ』と批判。『行政がそういう感覚でいれば、市民による貧困の自己責任論やバッシングにもつながりかねない』と警鐘を鳴らした。」
⑤「県住宅供給公社の窓口カウンター内に『貧乏退散』と書かれたシールが貼られていたことに対し、県営住宅の住民は不信感と怒りをあらわにした。『「何、これ、私たちを差別しているの』。那覇市古波蔵の県営住宅に住んで25年になるという女性(52)は、記者からシールの写真を見せられて驚きの声を上げた。『何の目的で、どういう意味で貼っていたのか知りたい。嫌な気持ちになった』と険しい表情で話した。両親と一緒に入居する女性(36)は『約30年住んでいるが、両親は申請のたびに【すみません】との思いで頭を下げている。気持ちが苦しい』と語った。」
⑥「小学生の子どもを含め、家族5人で住んでいる男性(37)は『こんなシールが貼られているのに、職員の誰一人と気付かなかったことが許せない。そういう目で入居申請する人を見ているのだろう』とあきれた。同市壺川の県営住宅に住む男性(50)は、姉と母親の3人暮らし。『ぎりぎりの生活をしている自分たちに向けて言われているみたいで涙が出る』と悲しげな表情。『もしステッカーを見つけていたら、その場で剥がしてやりたい。悔しい』と憤った。」


(3)琉球新報-宮古島でもサンゴ死滅 高水温原因、八重干瀬で68%-2017年3月1日 05:00


 琉球新報は、「環境省は28日、宮古島周辺でもサンゴの白化が進み、約3割が死滅したと発表した。特に池間島北部にあるサンゴ礁群「八重干瀬」の平均サンゴ死滅率が68%に上り、同省が本格調査を始めた2004年以降、初めて60%を超えたと発表した。前年度の死滅率は0%だった。同省自然環境局生物多様性センターの担当者は昨夏の長期的な高海水温が原因だと指摘した上で『国内有数の貴重なサンゴ礁にとって大きな打撃となった』と述べた。」、と報じた。
 また、「同海域は平均サンゴ被度も前年度比26ポイント減の9%で他の海域と比較して影響が大きかった。また、同海域周辺では感染症の一種で、サンゴが白っぽくなる『ホワイトシンドローム』という病気の発生も確認された。」、と報じた。


(4)琉球新報-サンゴの7割死滅、過去最悪 沖縄・八重山の石西礁湖、白化が深刻-2017年2月20日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大規模のサンゴ礁『石西礁湖』の再生に向けた取り組みを話し合う『石西礁湖自然再生協議会』が19日、石垣市の八重山商工高校で開かれた。専門家や関係者ら約50人が参加し、昨年発生した大規模白化で約7割の群体が死滅した状況などを確認。報告では過去の大規模白化と比べても深刻であることが指摘され、今後の対策などについて意見交換した。」
②「琉球大学海洋自然科学科の中村崇准教授は環境省とともに昨年9月に調査しサンゴの種別でまとめた白化現象について報告。35地点で約6400群体を調べ、11種別の白化率などを分析した。結果コブハマサンゴを除く10種類で98%以上が白化、うち4種類は100%だったことを説明した。その上で『一度大規模な白化現象が起こると、地形の複雑さが失われ、多様性をつくる環境にも影響を与える。藻類の繁茂で元に戻りにくくなる』と指摘し『原因が分からないと対策もできない。どの種のサンゴが残り、どこの被害がひどいのかなど把握し分析するため継続的なモニタリングが重要だ』と提起した。」
③「そのほか昨年の海水温の状況やサンゴの病気などに関する報告もあった。同協議会は2006年に設置。今回で20回目。」


(5)沖縄タイムス-高江ヘリパッドに抗議、継続誓う シュワブ前で集会-2017年3月1日 13:15


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントで1日、東村高江周辺のヘリパッド工事への抗議継続を誓うアピール集会が開かれた。約250人が参加。ノグチゲラの営巣期に当たる3~6月の工事中断期間が始まったことに合わせた。
高江の住民が、米軍機事故を恐れて地域を離れる人が出ていると報告した。工事現場を調査した土木技術者は、すでにのり面が崩れかけ、芝生を敷いただけの実態を説明。『ずさんな工事に多額の税金が使われている。再整備でさらに額が膨らむ可能性がある』と批判した。」、と報じた。
 また、「一方、新基地建設に向けた作業が続くシュワブ沖の海上では、大型作業船がコンクリートブロック6個をクレーンで海中に投下した。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-嘉手納基地の旧海軍駐機場、今後も使用か 米総領事が示唆「外来機が飛来した場合」-2017年3月1日 13:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「北谷町と嘉手納町、沖縄市でつくる嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は28日、旧海軍駐機場を米空軍機が使ったことに対し、ジョエル・エレンライク駐沖米総領事に抗議した。三連協によると、エレンライク総領事は駐日米大使や本国、米軍に要請を伝え、両国間の協議は続けるとしながらも『嘉手納基地に外来機が飛来した場合のバランスを持たないといけない』と述べ、米軍の意向として旧駐機場を今後も使う可能性に含みを持たせた。」
②「三連協副会長の當山宏嘉手納町長は、発言に対し『外来機の飛来が増えているのは米軍の都合であり、海軍だけが使っていた旧駐機場を外来機が使っていいとはならない。負担軽減として移転を長年待っていた住民への裏切りだ』と抗議、騒音が発生する使い方をしないよう強く求めた。」
③「三連協は、旧駐機場の使用は1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に違反すると問題視。抗議の文章を事前に駐沖米総領事に送っていたが、米軍だけでなく国務省ルートでも改善につなげようと直接、総領事に面談して要請した。」
④「エレンライク総領事は、昨年10月に米本国のF16戦闘機が未明に連日離陸し、100デシベル前後の爆音が測定されたことの再発防止策にも言及。『在沖米軍第18航空団司令官が上層部と掛け合い、外来機の深夜の離陸をしない方針を決めた』と話したという。」
⑤「嘉手納町屋良側にあった旧駐機場は昼夜を問わないエンジン調整音や悪臭があり、住民は被害を受け続けてきた。SACO合意に基づき、ことし1月中旬に滑走路を挟んで反対側となる沖縄市側に移ったが、直後に空軍機が旧駐機場を使用したことで住民の反発が高まった。新しい駐機場を造るために日本の税金157億円が使われている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-01 16:41 | 沖縄から | Comments(0)

「働き方改革」を考える。(2)-日本労働弁護団「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」より-

 朝日新聞は2017年2月23日、「政府の働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)が22日開かれた。焦点の『残業時間の上限規制』を巡る突っ込んだ議論はなかったが、会議後、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長はそれぞれ記者団に対し、できるだけ早くトップ会談の場を設けて合意形成を目指す考えを明らかにした。」、と報じた。
 安倍晋三政権による「働き方改革」がいよいよ正念場を迎える。
 このことを考える。
 2017年2月10日に行われた「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会」で出されたアピールには、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、と提起されている。
 安倍晋三政権の「働き方改革」を捉えることは、この政策がこの提起をどれぐらい踏まえることができているかということを基準に考えることである。
今回は、2016年11月12日の日本労働弁護団第60回全国総会で採択された「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」から、政府の方針と非正規雇用問題や同一労働同一賃金問題を考える。
 日本労働弁護団は、安倍晋三政権のこのことに関する政策について、「安倍政権は、2016年6月2日に閣議決定した一億総活躍プランにおいて、『働き方改革』の一つとして、『同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善』をあげた。同プランは、我が国労働者の 4割を占める非正規労働者の賃金水準が低い現状を示したうえで、『再チャレンジ可能な社会をつくるためにも、正規か非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一賃金の実現に踏み込む』 とする。」、と説明する。
 日本労働弁護団は、この政策について、次のように反論する。


(1) 雇用が不安定で賃金などの待遇も著しく低い非正規雇用労働者が我が国の労働者の約4割を占めるようなったのは、自公政権が非正規雇用を拡大する政策を取り続けてきたからである。
(2)安倍政権も、2015年9月の国会で労働者派遣法改正法を強行採決し成立させたが、 同改正法は、派遣労働者さえ入れ替えれば同一事業所で事実上無期限に派遣労働を使い続けることを可能とするものであり、「常用代替禁止」 の理念を放棄するものであった。
(3)非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない・減らすことが必要であるが、安倍政権にそのような観点はない。
(4)今こそ、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
(5)非正規雇用労働者の低処遇の問題についても、安倍政権は、やはり昨年9月、野党から提出されていた、いわゆる「同一労働・同一賃金推進法」を骨抜きにして成立させ、派遣労働者と正規雇用労働者との待遇格差を放置する立法政策を取った。非正規雇用労働者の待遇改善と真逆の態度をとってきたのである。現在議論されている労働契約法20 条等の改正についても、いわゆる「人材活用の仕組み」による「労働条件の相違の合理性」肯定の余地が残される恐れがある。非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本とすべきである。
(6)その他、労働条件の相違に合理性があることについての立証責任が使用者側にあることを明記するなどの実効性ある措置も必要となる。


 この上で、日本労働弁護団は、「非正規雇用問題の真の解決のために、非正規雇用の入口規制、実効性ある不利益取扱い禁止を内容とする非正規雇用の『入口規制』と『不利益取扱い禁止』に関する立法提言骨子案」を2016年10月7日に発表した。当弁護団は、真の非正規雇用の問題解決のため、さらには男女賃金等の差別是正のために、今後とも取り組みを強める決意である。」、と宣言している。


 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない、減らすことが必要であるが、安倍晋三政権にその観点はない。
Ⅱ.非正規雇用労働者を増やさない、減らす施策が必要である。そのために、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
Ⅲ.非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本としなければならない。


なお、日本労働弁護団は、同一労働同一賃金問題について、次のように押さえている。


「そもそも、同一価値労働同一賃金原則は、日本も1967年に批准しているILO100号条約「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」1951年採択)で明記されているように、本来は男女賃金等の差別是正のための原則である。安倍政権が、同一労働同一賃金を言うのであれば、現在も蔓延る男女の賃金格差も直視し、性による賃金などの差別禁止を実効のある法制度を検討しなければならない。」


 つまり、安倍晋三政権の同一労働同一賃金とは、常套手段であるスローガン主義に過ぎず、本質論とはほど遠いものである。


 以下、日本労働弁護団の決議の引用。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-01 07:52 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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