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沖縄の「決断」。「撤回」を考える。-沖縄タイムス20170326-(1)

 琉球新報電子版は2017年3月25日、翁長雄志沖縄県知事による「撤回」発言について、次のように報じた。


 「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設計画に反対する「違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会」(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれ、主催者発表で3500人超が参加した。
 出席した翁長雄志知事は新基地建設に必要な辺野古沖の埋め立て承認について「撤回を力強く、必ずやる」と述べ、埋め立て承認の撤回を初めて明言した。翁長知事が辺野古での市民集会に参加するのは就任以来初めて。」


 また、このことに対応して、沖縄タイムスは、「『撤回と訴訟』新基地阻止の切り札 表明に集会の場を選んだ知事」、と2017年3月26日に記事を掲載した。
 これを基に、沖縄の「決断」、この「撤回」を考える。
 まず、沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事は25日、埋め立て承認の撤回を表明する場として、県民集会の大舞台を選んだ。知事は国が岩礁破砕許可を得ずに新基地建設工事を進めた場合、工事の差し止め訴訟を提起する方針も示している。「新基地阻止」を実現できていない知事は、撤回と訴訟の二大カードをてこに、反転攻勢を期す構えだ。撤回と訴訟は早ければ4月中にも実現する可能性がある。4月はくしくも、辺野古で基地建設に反対する市民の座り込み行動から、千日を迎える節目。行政、市民とも、年度開け早々に闘争のヤマ場を迎える。」、と伝えた。
 また、この県民集会での翁長雄志沖縄県知事あいさつは次のように報じた。


(1)辺野古新基地阻止の闘争は、新たなステージに入っている。今日は山城博治さんの姿もあったようだ。今日を期して沖縄の新しい戦いが始まる、という意味で私も参加した。国のやり方は、米軍占領下を思い出す。銃剣とブルドーザーで家屋敷をたたき壊し、新しい基地を造って県民の住む場所を奪った。まったく同じ手法で、あの美しい大浦湾を埋め立てようとしている。
(2)米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因だ。本土の人はよく「あんたがたは基地で食べてるんでしょ」「だから基地を預かるのは当たり前じゃないか」と言う。では、抑止力のために菅義偉官房長官のふるさとである秋田県の十和田湖を埋めるのか。宮城県の松島を埋めるのか。びわ湖を埋めるのか。本州と四国を結ぶ橋は1本1兆円、九州の新幹線も1兆円だ。那覇空港の第2滑走路に関しては「沖縄が基地を預かっているから特別に造ってあげてるんだ」という話をする人がいる。四国も九州も、米軍基地を預かってるから橋を架け、新幹線を走らせるのか。こういう話はやめてほしい。
(3)私たちは心を一つにして包容力を持ち、新辺野古基地は絶対に造らせないとやっていきたい。国は岩礁破砕の許可も無視をして通り過ぎようとしている。私はあらゆる手法を持って、撤回を力強く、必ずやる。チバラナヤーサイ(頑張りましょう)、ナマカラルヤイビンドー(これからですよ)。


 こうした一連の翁長沖縄県知事の思惑について、次のように解説する。


Ⅰ.知事はなぜ、県民集会をこれほど重視したのか。


(1)今月16日。知事は工事差し止め訴訟の検討を表明した記者会見で、記者から「県が撤回権限を行使しないことに県民のいら立ちが募っている」と問われ、「いら立ちもあると思う。全部耳に入っている」と認めた。
(2)新基地建設を阻止する闘争で、知事が最重視するのは世論の支持だ。国の海上工事が進み、知事は有権者による不信の高まりを肌感覚でとらえていた。知事はもともと昨年末の最高裁敗訴を機に、基地建設の阻止闘争が「第2ステージに進む」と宣言し、周囲は「行政の長から政治家への軸足を移す」と解説。市民集会に積極的に参加する方向へかじを切っていた。工事の進捗(しんちょく)で知事の危機感はさらに高まり、集会への参加と撤回の表明に踏み切ることが必要だったのだ。
(3)国は早ければ4月下旬にも辺野古海域で護岸工事に着手する。撤回カードを切るタイミングを模索する県は、国が岩礁破砕許可を得ずに工事を進めたり、前知事が埋め立て承認した際に付した留意事項にある事前協議が不十分だったりする「信義則違反」の積み重ねを、撤回処分の根拠にすることを検討している。
(4)知事は集会で撤回に言及する直前、こう述べた。「(国は)いろんな申請を無視して通り過ぎようとしている。その一つ一つが私の胸に貯金として入っている」。
(5)「撤回と訴訟」新基地阻止の切り札 表明に集会の場を選んだ知事。


Ⅱ.知事発言の意味


(1)翁長雄志知事が辺野古の県民集会に初めて参加し、さらに埋め立て承認の撤回を明言した背景には、国による新基地建設工事が着々と進むことで低下した求心力を回復する狙いがある。行政の長としての立場と市民運動を区分してきた従来の姿勢を転換し、県民との一体感を重視することで、新基地建設の阻止闘争で国に対して後手に回ってきた印象を払拭(ふっしょく)したい考えだ。
(2)知事は2015年に那覇市のセルラースタジアムで新基地建設阻止を掲げる県民大会に参加したが、辺野古集会への出席には慎重な姿勢を保っていた。知事周辺はこれまで「建設現場の辺野古に赴き、県民の期待感を高めた後に基地建設が進んでしまえば、期待が失望に変わるリスクが大きい」と理由を解説してきた。ただ、昨年末の最高裁敗訴で埋め立て承認の取り消しを取り消さざるを得なくなり、国は2月に辺野古海域へコンクリートブロックを投入。海上工事に着手した。早ければ4月末にも護岸工事を始める見通しだ。
知事公約の一丁目一番地である新基地建設阻止で有効な手だてが打てず、25日の集会前、知事を支持する県民の間にもいら立ちが強まっていた。
(3)こうした世論の動きを知事は敏感に察知しており、辺野古集会への参加だけではなく、県民に待望論が強い撤回の表明が不可欠と判断した。焦点は撤回要件の確立と、処分へと踏み切る時期に移る。
(4)撤回カードを切ったとしても、国による代執行訴訟が待ち構えるのは確実。県は二の矢、三の矢を放つ中長期戦略を練る必要性にも迫られる。


 さて、新垣勉弁護士の説明によって、この「撤回」については、次のことを学んできた。


Ⅰ.最高裁判決は、前知事が行った埋立承認には「裁量権の逸脱」はなく許される一つの  政策判断であったと判断した。しかし、この司法判断は前知事が「適切な判断」を行  ったことを意味するものではない。単にそれが「違法・不当」ではなかったと判断し  たにとどまる。「違法・不当」でないということとそれが「適切な判断」であったか  どうかとは異なる。
Ⅱ.埋立承認に「違法・不当がないと判断された現在、残された課題は埋立承認を「今後  も維持するのか、撤回するのか」の判断である。
Ⅲ.埋立承認が「適切であったか否か」を問う最も直接的な法的対抗措置は、県民の民意  を根拠とする「撤回」処分ある。この撤回処分は、埋立承認後の新知事誕生に伴う政  策変更(民意)を理由とするものであり、法的に十分理由が存在するものである。
Ⅳ.この場合の「撤回」の法理は、「埋立承認を撤回することにより生じる国の不利益」  と「撤回して新基地建設を行わないことにより生じる県民の公益性」を比較考慮し、  公社の必要性が前者を上回ると評価できれば、法的に「撤回」を行うことができるこ  とを示す。また、「埋立承認は維持すべきでない」との判断の是非を司法の場で判断  してもらうためには、「撤回」処分が効果的であり有用である。
Ⅴ.知事の権限としての埋立承認の「撤回」権限に基づく「撤回」処分は、「埋立承認を  将来に向かって取り消す行政行為」である。また、この「撤回」処分は、「これまで  の一連の判決の影響を受けない「新しい処分」である。



 確かに、埋立承認の「撤回」は、沖縄県の判断である。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 07:34 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月27・28日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「菅義偉官房長官は27日の会見で、翁長雄志沖縄県知事が辺野古新基地建設に関する前知事の埋め立て承認の撤回に踏み切れば、翁長知事に対し損害賠償請求を行う可能性を示唆した。工事の継続に加え、心理的な対抗措置も取る構えだ。」、と沖縄タイムスは伝える。
 確かに、安倍晋三政権の、面目躍如だ。
 形どおりの「スラップ」。


 2017年3月27・28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-検察証拠に疑義、証人尋問延期 沖縄平和センター山城議長公判-2017年3月28日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設への抗議活動を巡り、威力業務妨害や公務執行妨害・傷害、器物損壊の罪に問われている山城博治・沖縄平和運動センター議長らの第2回公判が27日、那覇地裁(潮海二郎裁判長)であった。茂木潤子検事が開示・請求していた証拠の事実関係に疑義が生じ空転し、予定していた警察官への証人尋問が延期となる異例の事態となった。」
②「弁護団によると、公判では証拠となる映像を基に現場警備に当たった警察官を証人に尋問が行われる予定だった。尋問前に証拠映像が再生されたが、弁護団が事前に確認していた撮影者の映像と、異なる撮影者の映像の両方が盛り込まれていた。弁護側は説明を求め、公判は休廷。再開されたが、警察官への証人尋問は行われず閉廷となった。」
③「弁護団の金高望弁護士によると検察側からは『複数のカメラの映像が(公判で再生された映像に)紛れ込んでしまっている可能性がある。警察が(証拠を)整理している段階で生じたのだろう』との説明がなされたという。」
④「那覇地検は『どの映像がどのカメラによって撮影されたものかについて疑義が生じたと認識している』とし、事実関係を確認した上で対応する方針を示した。次回公判は4月17日で沖縄防衛局職員を証人に尋問が行われる予定だ。」


(2)琉球新報-無罪求め声上げる 山城さん公判前に市民300人が集会-2017年3月27日 13:38


 琉球新報は、「市民団体が主催する『山城議長たちの裁判勝利! 即時釈放! 政治弾圧を許さない事前集会』が27日正午、那覇市樋川の那覇地裁前で開かれ、市民ら約300人が参加した。名護市辺野古や東村高江の米軍基地建設反対運動を巡り、威力業務妨害などの罪で起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長の無罪や、勾留が続く添田充啓さんの早期釈放を求め、声を上げた。」、と報じた。
 また、「第2回公判を控えた山城議長も集会に駆け付け『ブロックを積んだのは県民の抵抗の心を表現する芸術だ。これが威力業務妨害なら、県民の存在自体が威力、威嚇だと言いかねない。追い込まれているのは政府だ。必ず潮目が変わる時が来る』とあいさつした。集会は政治弾圧を許さず不当逮捕者・勾留者を支援する会、基地の県内移設に反対する県民会議、山城博治さんたちの早期釈放を求める会、オール沖縄県民会議、平和フォーラムの5団体が主催した。」、と報じた、


(3)琉球新報-米国人女性ジャーナリストが伝える「沖縄」 県民集会取材-2017年3月27日 10:20


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「25日に開かれた米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対する県民集会には、外国人ジャーナリストの姿もあった。在沖米軍基地の実態と世界情勢が女性に与える影響などについて調査・報道している米国人女性ジャーナリスト、ソニア・ナランさん(37)は『闘いの最前線で声を上げる女性たちの声を生で聞きたい』と名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前を訪れた。」
②「米有力紙ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどが報じる沖縄の基地問題はごくわずかで、当事者である米国での関心の低さが気掛かりだ。『基地のプレゼンスについて賛否両論あるだろうが、無知でいること、見て見ぬ振りをすることが一番の罪だ』」
③「ナランさんは『自分に課せられた使命は世界に事実を広く伝えることだ』と話す。今回取材した情報や証言を今後、米公共ラジオ放送の番組『ザ・ワールド』で紹介する予定だ。」


(4)琉球新報-座り込み、今週末で1000日 広がる新基地建設反対-2017年3月27日 10:38


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場委の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で、米軍キャンプ・シュワブのゲート前に座り込みを始めてから、4月1日で千日を迎える。建設に反対する市民約30人は27日午前8時すぎから、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前で抗議活動を展開した。午前10時15分時点で、ダンプカーなどによる基地内への資材搬入は確認されていない。」
②「参加者はスクラムを組み『今こそ立ち上がろう』などを熱唱した。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は『辺野古での基地反対運動は20年以上前から続く。しかしまだ通過点にすぎない。新基地建設撤回へ向け、現場から闘いを続ける』と意気込んだ。」
③「名護市瀬嵩で民宿を経営し、車いすで辺野古に通う成田正雄さん(64)は20年以上前から辺野古の基地問題に関わってきた。『20年前は抗議活動の参加者は一部だった。今では全国から辺野古基地建設反対の支援者が応援に来て、民宿を利用してくれる』と全国への運動の広がりを語った。」
④「一方、大浦湾ではクレーン船が資材をつり上げる作業が行われた。午前10時15分時点でコンクリートブロックを投入するなどの作業は確認できていない。」


(5)琉球新報-「年内に決着したい」と翁長知事 北部の基幹病院整備要請団に明言-2017年3月27日 15:03


 琉球新報は、「『北部地域基幹病院整備推進会議』(会長・高良文雄・本部町長)の稲嶺進副会長(名護市長)ら代表47人が27日午後、県庁に翁長雄志知事を訪ね、県立北部病院と北部地区医師会病院の統合・再編を進め、基幹病院を早急に整備するよう求めた。これに対し、翁長知事は統合に関する課題を集約しているとして『この問題は必ず北部の皆さん方の思いが遂げられるよう頑張っていきたい』と述べ、前向きな姿勢を示し『ことしいっぱいに決着をつけたい』と年内解決を目指すことを明言した。」、と報じた。
 また、「翁長知事が基幹病院整備に関する方針決定に期限を区切るのは初めて。要請後、稲嶺名護市長は『決起大会を開き、きょう要請に来て良かった。年内の解決に向けて期待している』と話した。要請団は北部市町村の首長、議会議長、女性団体代表、医療関係者らで構成される。24日に開催された『北部12市町村住民総決起大会』で決議された『北部地域における基幹病院の整備を求める決議』と北部病院の整備を求める11万1039人の署名を手渡した。」


(6)沖縄タイムス-菅官房長官、翁長知事に賠償請求も 辺野古承認撤回受け-2017年3月28日 07:50


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「菅義偉官房長官は27日の会見で、翁長雄志沖縄県知事が辺野古新基地建設に関する前知事の埋め立て承認の撤回に踏み切れば、翁長知事に対し損害賠償請求を行う可能性を示唆した。工事の継続に加え、心理的な対抗措置も取る構えだ。」
②「菅氏は、翁長知事が撤回した場合、一般論とした上で『行政の長が法令によって与えられた権限を、その法令とは異なる目的で行使することは、権限の乱用であり、違法である。国としては損害賠償請求権の行使を含めて法令に基づく所要の措置を講じていくことはあり得る。当然である』と述べた。」
③「政府は県が撤回すれば直ちに裁判所への執行停止を求め、無効確認や代執行訴訟など複数提訴することを検討している。判決確定までに時間を要するため、まずは、早期の工事再開へ執行停止を求める考え。政府関係者によると数週間は中断する見通し。」
④「工事を止めている間にも、警備や機材などの維持管理費の支出は1日数千万円かかる。中断される期間にもよるが、請求額は総額1億円を上回る可能性がある。」
⑤「政府は最高裁判決や『互いに協力して誠実に対応する』とした和解条項に従わず、さらに事情の変更がないにもかかわらず『移設阻止』のため撤回する翁長知事の行為が、公権力の違法な行使に当たるとし、国家賠償法上の求償権に基づいて請求する考えだ。菅氏は『最高裁の判断は覆らないと思う』と承認撤回をけん制した。」
⑥「知事は25日に、米軍キャンプ・シュワブゲート前での新基地建設に反対する県民集会に参加し『撤回を力強く、必ずやる』と述べ、県民に新基地建設の阻止に向けた結束を呼び掛けた。撤回を明言したのは初めてだった。」



(7)沖縄タイムス-翁長知事、撤回明言にリスク 米官僚「敵に手の内見せた」[平安名純代の想い風]-2017年3月27日 10:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事が就任後に初めて参加した県民集会で、前知事の埋め立て承認の『撤回を力強く必ずやる』と明言した翌日、米政府官僚から、『県知事の撤回表明は敵に手の内を見せたに等しいのに、沖縄ではなぜ評価されるのか』との質問を受けた。」
②「同官僚によると、米側には知事が撤回した場合の展開を想定したシナリオがすでに幾つかあるらしい。『知事が撤回した場合、日本政府がすぐにそれを取り消す代執行訴訟を起こして終止符が打たれるというのが理想だが』と前置きした上で、『しかし実際には、防衛省が国土交通相に行政不服審査請求と撤回の効力の一時停止を申し立て、一昨年(取り消しの取り消しの場合)と同じように長い法廷闘争が始まることになるだろう』と説明した。そしてその長い法廷闘争に再び突入する可能性を回避する幾つかのオプションが日本政府側にはあるらしいと指摘した上で、『知事の【撤回表明】は日本政府に入念に準備する時間を与えたに等しい。沖縄に有利にならないはずなのになぜだ』と首をかしげた。」
③「同官僚によると、知事が辺野古集会に参加するとの事前情報を受け、米政府内では集会の前日に知事が埋め立てを撤回し、集会の場で県民に報告するのではないかとの予想もあったそうだ。『しかし、実際にはアクションのない宣言だけで拍子抜けした。これは法律の専門家らの目にはリスクの大きい行為と映るのではないか』と述べ、『知事が撤回を表明したのは、呉屋守將氏からのプレッシャーが働いたからではないか』とも分析した。」
④「新基地建設を巡っては、サンフランシスコで15日に開かれた沖縄ジュゴン訴訟で裁判が振り出しに戻るかもしれない可能性が示唆されたため、米有力議員がこれを問題視。米政府は慌てて議会対策を始めたらしいが、前述の米政府官僚は『知事が事前に撤回を表明してくれたおかげで、これは余裕をもって議会対策ができそうだ』と打ち明けた。」
⑤「知事が県民集会の場で撤回を表明した理由は何だったのか。米官僚が指摘するようなリスクはないのか。大浦湾を守るために必要なのは、『辺野古を止める』と繰り返すだけでなく、実際に止める一歩を踏み出すことだ。知事は集会で『あらゆる手段を通じて』と改めて強調していたが、本当に必要なのは、新基地建設計画を確実に止める一つの有効な手段なのではないか。」


(8)沖縄タイムス-辺野古新基地:ゲート前座り込み続く 工事車両22台がシュワブ内に-2017年3月28日 12:31


 沖縄タイムスは、「午前9時前、ゲート前に座り込む市民を機動隊が排除した後、砕石を積んだトラックやクレーン車など工事関係車両22台がシュワブ内に入った。一方、シュワブ沖ではコンクリートブロックが少なくとも2個投下された。市民らは船やカヌーを出して作業に抗議した。」、と報じた。


(9)琉球新報-海保がカヌー9隻拘束 辺野古新基地建設-2017年3月28日 11:11


 琉球新報は、『米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で28日午前、10時10分ごろにカヌーで抗議していた9人全員が立ち入り制限区域を示す浮具(フロート)を超え、海上保安庁に拘束された。工事準備が進められる大浦湾では大型コンクリートブロックの投下作業が続き、市民らが船3隻、カヌー9艇で抗議する中、午前10時50分までにブロック二つが投下された。」、と報じた。
 また、「工事車両の入り口となる米軍キャンプ・シュワブゲート前では午前9時ごろ、約20台の工事関係車両が基地内に入った。10時50分現在、ゲート前には約40人の市民が集会を開き、工事車両の進入を警戒した。」、と報じた。


(10)琉球新報-国、翁長知事に賠償請求検討 辺野古承認の「撤回」に対抗策 「スラップ訴訟」の批判も-2017年3月28日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「菅義偉官房長官は27日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、移設阻止に向け翁長雄志沖縄県知事が埋め立て承認を撤回した場合、知事個人に損害賠償を求めることが『あり得る』と明言した。国が知事を相手に損害賠償を請求する考えを示したのは初めて。知事権限として認められている『撤回』を検討する知事を相手に、国が損害賠償をほのめかして知事個人を抑圧するもので、識者からは抵抗する市民の萎縮を狙った『スラップ訴訟』との批判の声も上がる。」
②「菅氏は同時に、撤回による工事の影響について『粛々と進めていきたい』と述べ、知事から『上から目線』と指摘されて2015年4月から会見で使わなかった『粛々』という言葉を使って強調した。」
③「菅氏は和解条項で裁判の判決に従うことが明記されていたとして、昨年12月の新基地建設を巡る違法確認訴訟で国が勝訴したことなどから『権限の乱用であって、違法であれば損害賠償請求権の行使を含めて法令に基づく措置を講じることはあり得る』と指摘した。国は国家賠償法などに基づき、知事が権限を乱用して撤回などを行って工事が中断した場合、損害賠償を請求することなどを想定する。国は撤回への対抗策として執行停止を裁判所に申し立てる予定で、認められるまでの間は工事が中断される見込み。そのため、人件費や機材リース代、警備費用などの賠償を求める考えだ。」
④「県内では、米軍北部訓練場の過半返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対して抗議行動に参加する市民を通行妨害禁止で訴え、スラップ訴訟だと問題視されていた。菅氏は同時に、撤回による工事の影響について『粛々と進めていきたい』と述べ、知事から「上から目線」と指摘されて2015年4月から会見で使わなかった『粛々』という言葉を使って強調した。」
⑤「菅氏は和解条項で裁判の判決に従うことが明記されていたとして、昨年12月の新基地建設を巡る違法確認訴訟で国が勝訴したことなどから『権限の乱用であって、違法であれば損害賠償請求権の行使を含めて法令に基づく措置を講じることはあり得る』と指摘した。」
⑥「国は国家賠償法などに基づき、知事が権限を乱用して撤回などを行って工事が中断した場合、損害賠償を請求することなどを想定する。国は撤回への対抗策として執行停止を裁判所に申し立てる予定で、認められるまでの間は工事が中断される見込み。そのため、人件費や機材リース代、警備費用などの賠償を求める考えだ。」
⑦「県内では、米軍北部訓練場の過半返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対して抗議行動に参加する市民を国が通行妨害禁止で訴え、スラップ訴訟だと問題視されていた。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-28 16:55 | 沖縄から | Comments(0)

共謀罪」を考える。(7)-東京新聞20170210より-

 東京新聞は2017年1月6日、「安倍晋三首相は五日、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十日召集の通常国会に提出する方針を固めた。」、と報じた。
また、この背景を、「菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、『共謀罪』法案の通常国会への提出に関して、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策の強化が必要だと主張し『テロを含む組織犯罪を防ぐことは、国民も望んでいる。これまでの国会審議の意見を踏まえ、最終検討している』と述べた。」、とも伝えた。
 政府は2017年3月21日、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を閣議決定した。

 緊急かつ重大な課題である『共謀罪』について考える。

 東京新聞は、2017年2月10日、「政府の『共謀罪』創設理由を疑問視 『現行法でテロ対応可能』」、と次のように報じた。


(1)「共謀罪」と趣旨が同じ「テロ等準備罪」の必要性を巡り、政府が現行法で対応できないテロ対策の穴として示した三事例について、元東京地検検事の落合洋司弁護士は九日、「共謀罪がなければ不十分というわけではなく、取り締まりに穴が生じる状況にもない」と述べ、現行法や法改正で対応できるという見解を示した。民進党法務部門会議で有識者として、共謀罪法案の問題点を指摘した。
(2)落合弁護士は、東京地検公安部に在籍した一九九五年ごろにオウム真理教関連の事件捜査を担当。当時、捜査機関が事前に発生を察知することができなかった経験から「テロは情報がなければ防止できない。共謀罪ができればテロを防げるというのは無理がある」と述べた。政府が、共謀罪創設の必要性として示す三事例のうち、地下鉄サリン事件を想起させる化学薬品テロについて「(殺傷能力の高い化学薬品の原料の一部を)入手した段階で殺人予備罪が適用できる」とみる。他の二事例についても「ハイジャックは殺人予備罪やハイジャック防止法の予備罪などが成立する。サイバーテロは、現行法の改正で対処できる」などと述べた。
(3)政府側が新たな案について「合意に加えて実行のための準備行為があって初めて処罰される」とこれまでの共謀罪との違いを強調するのに対し、「共謀だけで処罰は困難だが、共謀や準備行為らしきものがある段階で捜索や逮捕の令状は発付できる。従来の共謀罪と大きな差はない」と解説。「公安事件は関係先を捜索したり、アジトに入って情報収集したりするなど動くことに意味がある。動くためには事件を探して作らないといけない。共謀罪ができると、起訴は難しくても捜査できる範囲は広がる」と危ぶむ。
(4)テロ対策については「オウム真理教関連事件では情報を入手して生かす体制が不十分だった。東京五輪に向けては、共謀罪ではなく、複数の機関が連携して情報を共有し、生かすことが急務だ」との見方を示した。


 また、東京新聞は同記事で、その関係を次のように図で示した。




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by asyagi-df-2014 | 2017-03-28 07:55 | 共謀罪 | Comments(0)

「共謀罪」の閣議決定、国会提出を考える。(3)-地方紙の社説・論説20170322-

 東京新聞は2017年3月22日、「政府は計画段階での処罰を可能とする『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十一日に閣議決定し、国会に提出した。法案では、処罰対象となる団体や合意の方法、処罰の前提となる『準備行為』の定義がいずれも曖昧で、捜査機関の裁量で、テロと関係のない市民団体などにも適用され、日常的な行為が準備行為と認定される恐れがある。実行後の処罰を原則としてきた刑法体系は大きく変わる。」、と報じた。 
 このことを考える。
 まず、地方紙の社説・論説の見出しは、次のようになっている。


(1)北海道新聞社説-「共謀罪」提案 危険な本質 容認できぬ
(2)河北新報社説-「共謀罪」閣議決定/「監視社会」に向かう危険性
(3)東奥日報社説-基本的人権との摩擦生む/「共謀罪」法案
(4)岩手日報論説-「共謀罪」提出 数で押すのは許されぬ
(5)茨城新聞論説-共謀罪法案 基本的人権と摩擦生む
(6)信濃毎日新聞社説-共謀罪法案 危うさを見極めねば
(7)新潟日報社説-「共謀罪」法案 なぜ必要か疑問に答えよ
(8)京都新聞社説-「共謀罪」法案  内心の自由危うくする
(9)神戸新聞社説-「共謀罪」法案/テロ防止に必要と言うが
(10)山陰中央新報論説- 共謀罪法案/監視の網が広がる恐れも
(11)愛媛新聞社説-「共謀罪」閣議決定 人権脅かす危険法案に反対する
(12)高知新聞社説-【「共謀罪」法案】 国民の不安を拭えるのか
(13)西日本新聞社説-「共謀罪」閣議決定 国会で徹底審議が必要だ
(14)宮崎日日新聞社説-「共謀罪」法案提出
(15)佐賀新聞論説-「共謀罪」が閣議決定 人権侵害の恐れないか
(16)南日本新聞社説-[「共謀罪」提出] 人権を抑圧する武器になりかねない


 上記の各紙はいずれも、社説・論説の見出しに、[共謀罪]を掲げている。このことからも、「テロ準備罪法案 政府は堂々と意義を主張せよ」と「共謀罪」という表現さへ使用しない読売新聞の異様さが際立っている。
 各紙の見出しを次のように並べてみただけで、「共謀罪」法案の問題点が明らかになる。
 「「共謀罪」提案 危険な本質 容認できぬ」、「「監視社会」に向かう危険性」、「基本的人権との摩擦生む」、「数で押すのは許されぬ」、「危うさを見極めねば」、「なぜ必要か疑問に答えよ」、「内心の自由危うくする」、「テロ防止に必要と言うが」、「国民の不安を拭えるのか」、「国会で徹底審議が必要だ」。
 さて、この十六社の社説・論説の主張は次のものである。

Ⅰ.北海道新聞
(1)共謀罪は個人の内心を処罰対象とし、犯罪実行前の幅広い摘発を可能にするものだ。実行後の処罰を原則としてきた刑法の体系を大きく変え、捜査当局の恣意(しい)的な運用を許す恐れが拭えない。改正案が過去3度廃案になったのも、問題が多すぎたからだ。多少の修正を経ても本質は変わらない。国会は徹底審議し、危険性を浮き彫りにすべきである。
(2)政府が意図しなくても、やがては国民生活の隅々に警察の一層の監視の目が光る。そんな社会の到来を許してはならない。


Ⅱ.河北新報
(1)過去に3度も廃案になった法案と比べると、「テロ等準備罪」へと名称や構成要件が変わり、適用は「組織的犯罪集団」に限られたが、一般人も影響を受けかねない危険な性格は依然残っている。法案も提出されたのだから、国会で徹底的に問題点を議論すべきだ。法案の内容に加え、今後予想される捜査手法についても、歯止め策の検討などが不可欠になる。
(2)共謀(計画)と準備の段階で立件しようとすれば、常識的には私的な通信の傍受や追跡といった捜査が必要。政府内には「通信傍受の対象外」との声があるものの、公権力による監視社会に陥りかねない危険性をはらむことにも十分注意しなければならない。
(3)結局、今回の法案でも国際的なテロ組織の取り締まりに特化しているわけではなく、一般国民に適用されることがないと言い切ることは困難。むしろ導入による「副作用」が心配になる。計画と準備のみで犯罪を摘発しようとすれば、電話やメールの傍受に頼ることになりかねないし、広範囲に移動を監視する必要も出てくる。通信傍受は今やかなりの犯罪で可能だし、衛星利用測位システム(GPS)の端末をひそかに車に取り付ける捜査も実際に行われている。傍受や監視は、容疑者と目される人物の周辺まで及ぶことも十分あり得るだろう。もちろん本人は何も知らないうちに。共謀罪の議論に当たっては、人権やプライバシーが危機にひんしかねないことも決して忘れてはならない


Ⅲ.東奥日報
(1)通信傍受で電話やメールの内容に目を光らせたり、隠し撮りしたり。屋内に送信機を仕掛け日常会話を拾う会話傍受など新たな捜査手法の導入も警察内で検討課題になっている。プライバシーの領域に立ち入ることなしに「内心」を探ることはできず、憲法が保障する基本的人権との摩擦を生むのは避けられない。
(2)政府は閣議決定した法案から「共謀」の2文字を完全に消した。「内心の自由」を侵すと批判を招き、日の目を見なかった過去の共謀罪法案と異なることを強調するためだ。共謀罪ではなく「テロ等準備罪」という罪名を持ち出し、テロ対策を前面に掲げた。
 しかし、いくら字面をいじっても共謀を罰するという本質は変わらない。組織的犯罪集団は「重大な犯罪を実行するために結合する団体」と定義されるが、常習性や反復継続性などの要件はなく、市民団体や会社も対象になるとの懸念は根強い。


Ⅳ.岩手日報
(1)言論弾圧の後ろ盾となった戦前の治安維持法も、国は当初「一般国民は無関係」などと説明していた。なぜ今、法案が必要なのか。「五輪があるから」は説明ではない。野党が有力な学説を引きつつ現行法でもテロ対応は可能と訴えても、政府は「必要」を繰り返すばかり。国際条約加盟に必要―との説明に日弁連などが疑義を挟んでも、まともな反論もない。
(2)法案は人権の問題に直結する。成立すれば「未遂が処罰されず、計画段階で処罰される犯罪が出てくる」との指摘もある。犯罪の実行を処罰対象とする刑事法の原則に関わる重大な局面を政権が厳粛に受け止めるなら、数の力で押すのは決して許されない。


Ⅴ.茨城新聞
(1)通信傍受で電話やメールの内容に目を光らせたり、隠し撮りしたり。屋内に送信機を仕掛け日常会話を拾う会話傍受など新たな捜査手法の導入も警察内で検討課題になっている。プライバシーの領域に立ち入ることなしに「内心」を探ることはできず、憲法が保障する基本的人権との摩擦を生むのは避けられない。
(2)このため「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と適用対象でテロに言及した。しかし、いくら字面をいじっても、共謀を罰するという本質は変わらない。しかも組織的犯罪集団は「重大な犯罪を実行するために結合する団体」と定義されるが、常習性や反復継続性などの要件はなく、市民団体や会社も対象になるとの懸念は根強い。
(3)また犯罪の計画について現実的、かつ具体的でなければならないと政府は繰り返し説明しているものの、条文にそのような記述はない。下見のほか資金や凶器の用意などが例示される準備行為にしても、あいまいだ。


Ⅵ.信濃毎日新聞
(1)「共謀罪と呼ぶのは全くの間違いだ」「一般の人が対象になることはあり得ない」…。政府が国会で繰り返してきた説明は、いずれも論拠を欠いている。本質にある危うさを見極め、法案の審議に厳しい目を向けていかなくてはならない。
(2)内心の動きではなく行為を罰する刑法の基本原則から逸脱し、処罰の枠組みを一気に押し広げる。捜査機関の権限が歯止めなく拡大することになりかねない。
(3)共謀罪の導入は、逮捕や捜索、差し押さえなど強制力を伴う捜査を、早い段階から可能にする。立件はされなくても、権限が乱用され、プライバシーや人身の自由が侵される恐れは高まる。
(4)戦前、治安維持法が制定された際にも、一般の人に累は及ばないと政府は強調した。その後、広範な人々の思想・言論弾圧につながったことは歴史が示している。
(5)憲法は、刑罰権の乱用を防ぐため、刑事手続きについて諸外国に例を見ないほど詳細な規定を置いた。捜査・治安当局の横暴によって著しく人権が侵害された反省を踏まえたものだ。そのことに立ち戻って考えれば、廃案にすべき法案である。政府与党が強引に審議を進めることがあってはならない。


Ⅶ.新潟日報社
(1)政府は「立証には高いハードルがあり乱用する恐れはない」と強調するが、これまでの議論で懸念が払拭(ふっしょく)されたとは言い難い。
(2)政府は当初、条約の規定に基づいて676の犯罪を対象とする方針だったが、公明党などの批判を受け277に絞り込んだ。過去には「犯罪の内容によって選別できない」との答弁書を閣議決定しており、整合性も問われるのではないか。
(3)なぜ「共謀罪」が必要なのか、政府には十分な説明が求められる。「数の力」で採決を強行するようなことがあってはならない。


Ⅷ.京都新聞社
(1)古来、アリの穴から堤も崩れるという。法案に反対である。
(2)安倍政権は今国会での法案成立をめざすが、さまざまな疑問に答えられるのか。国民は議論の行方を注視する必要がある。
(3)これでは歯止めがきかない。思想の自由やプライバシーなどが脅かされる監視社会にならないか。
(4)日弁連は、新たな共謀罪なしでも、日本には条約締結できる法制度があると指摘する。組織犯罪集団による犯罪を未遂前に取り締まれる予備罪・共謀罪が計58あり、刑法の共謀規定も含め実際には広く共謀処罰が可能だという。
 なぜ、それ以上に新たな共謀罪が必要なのか。怖さを感じる。


Ⅸ.神戸新聞社
(1)なぜ必要なのか、よく分からない。同じ思いの人も多いだろう。
(2)政府は、国連の国際組織犯罪防止条約締結のために「共謀罪」を新設する必要があると主張する。だが、日本はもともと「予備罪」や「準備罪」などの形で、犯罪の準備行為を処罰の対象にしてきた。法学者からは、これらの法律を活用すれば条約締結は可能で新たな法整備は必要ない、との指摘がある。そもそも、この条約はマフィアなどの経済的な犯罪の撲滅を目指すもので、テロ対策のために採択されたものではない。国際的なテロへの取り組みでは「テロ資金供与防止条約」などがあるが、日本はすべて締結している。法的な“武器”は相当整備されているのに、政府はさらに強力なものを求めていると映る。
(3)もとより議論を尽くすことなく、与党が採決を強行するようなことはあってはならない。


Ⅹ.山陰中央新報
(1)プライバシーの領域に立ち入ることなしに「内心」を探ることはできず、憲法が保障する基本的人権との摩擦も予想される。
(2)政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策を強化するのに不可欠とする。過去に批判を浴び、法案が3度も廃案になったときの共謀罪と全く違い、構成要件が厳格で一般の人が対象になることはあり得ないと言う。だが法案の条文から、それは読み取れない。
(3)また犯罪の計画について現実的、かつ具体的でなければならないと政府は繰り返し説明しているものの、条文にそのような記述はない。下見のほか資金や凶器の用意などが例示される準備行為にしても、あいまいだ。


ⅩⅠ.愛媛新聞
(1)「共謀罪と呼ぶのは全くの間違い」「(改正案を成立させ国際組織犯罪防止条約を締結できなければ)東京五輪を開けないといっても過言ではない」。安倍晋三首相は声高に繰り返したが、改正案を見る限りその認識こそ「全くの間違い」と断じざるを得ない。国民にとって極めて危険で、にもかかわらず疑問だらけのずさんな法案を強硬に成立させることは許されない。なぜ今必要なのか、徹底論議と抜本見直しを国会に求めるとともに、何度でも強く反対する。
(2)適用対象や要件を狭めたように見せて、恣意(しい)的な運用や拡大解釈の余地は残ったまま。広く一般人、つまりは捜査機関が怪しいとにらんだ相手なら誰でも、心の動きを罪とした逮捕が可能になる。監視強化や、政府方針と異なる意見を持つ国民の萎縮は避けられず、新設に前のめりな国の本音を危惧する。
(3)国民の人権を揺るがす法案の重大性に比して、政府の説明はあまりに拙速かつ稚拙。やはり容認はできない。諦めず、反対の声を上げ続けねばならない。


ⅩⅡ.高知新聞
(1)今回の改正案は「組織的犯罪集団」に適用すると規定し、対象となる犯罪も絞った。とはいえ、根強い懸念を解消できるのか。国会審議を通じ、問題点を浮き彫りにしなければならない。
(2)政府は適用対象を「組織的犯罪集団」と位置付けるが、一方では「正当な活動をする団体も目的が一変すれば組織的犯罪集団となる」と説明している。「一変」したかどうかの基準も「具体的な事情を考慮して総合的に判断する」(金田法相)という曖昧さだ。捜査機関側がいかようにも判断しかねない。
(3)構成要件とする犯罪の準備行為にしても、同様の懸念が浮かぶ。現場の下見や資金調達などを挙げるが、犯罪の準備とどう認定するのか。拡大解釈の余地があれば、乱用の歯止めになるまい。市民による集会やデモへの抑圧につながらないか。
(4)政府の前のめり姿勢とは裏腹に、国民が抱える懸念を表しているといってよい。現行法や個別の犯罪に関する予備罪などの検討で、なぜ対応できないのか。国民の人権に大きく関わる問題だけに、数の力で押し切ることは許されまい。国民が納得できるだけの説明を求める。


ⅩⅢ.西日本新聞
(1)私たちは慎重な対応を繰り返し政府に求めてきたが、政府はまず制定ありきの姿勢を崩さず法案づくりを優先させた。拙速で泥縄式の対応と言わざるを得ない。
(2)政府は国際組織犯罪防止条約の締結に必要とも説明するが、現行法で対応できるとの意見は根強い。対象犯罪の絞り込みが適正なのか、納得のいく説明もない。
(3)この世論を肝に銘じて、国会は審議を尽くしてほしい。


ⅩⅣ.宮崎日日新聞
(1)捜査機関は計画段階の犯罪をあぶり出すため、社会に監視の網を広げようとするだろう。プライバシーの領域に立ち入ることなしに「内心」を探ることはできず、憲法が保障する基本的人権との摩擦を生むのは避けられない。
(2)過去に批判を浴び、法案が3度も廃案になったときの共謀罪と違い、構成要件が厳格で一般の人が対象になることはあり得ないと政府は言う。だが法案の条文から、そうしたことは読み取れない。
(3)このため「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と適用対象でテロに言及した。しかし字面をいじっても、共謀を罰するという本質は変わらない。
(4)そもそもなぜ、この法案が必要なのか。政府は「テロの未然防止」を強調。航空機乗っ取りなどの事例をいくつか挙げて「現行法では的確に対処できない」とする。野党が有力な学説を引き「ハイジャック防止法の予備罪を適用できる」と指摘しても「予備罪に当たらないこともある」と繰り返すばかりだ。具体的に現行法のどこに不備があるのか説明しない。どこまでいっても、この法案にはあいまいさと危うさがつきまとう。


ⅩⅤ.佐賀新聞
(1)過去に廃案となった「共謀罪」を取り入れた組織犯罪処罰法改正案が閣議決定され、今国会に提出された。政府は東京五輪を控えてのテロ対策を強調するが、法が恣意(しい)的に運用されれば、国民のあらゆる行為に捜査の目が向けられる恐れがある。基本的人権を侵害することはないのか、慎重な法案審議が求められる。
(2)テレビの取材で女性が「まだ起きていない犯罪に、自分が関与していないことをどう証明できるのか」と話したが、詳細に検証しないと不安が尽きない法案だ。
(3)国会は今、政治家の関与が疑われている森友学園への国有地払い下げ問題で揺れている。自民党は全容を知る官僚の国会招致を拒み続ける。政官癒着の疑惑解明を棚上げして、権力による監視で国民の萎縮を招く恐れがある「共謀罪」の審議をすることは許されるのか。混乱に乗じて法案を成立させようという意図も感じられる。
(4)基本的人権は一度後退すれば、元に戻すのは簡単ではない。後悔をしないためにも、法案審議は時間にとらわれず、慎重に進めるべきだ。


ⅩⅥ.南日本新聞
(1)日本を監視社会に変え、市民生活を息苦しくするようなことはないのか。政府の意に沿わない市民活動などにも幅広く法の網をかけ、取り締まることはないのか。人権や自由を侵害する恐れが解消されない中での見切り発車と言わざるを得ない。
(2)テロは断じて容認できない。だが、法整備の必要性を十分に説明できないまま、国民生活に重大な影響を及ぼしかねない法案の成立を急ぐことは到底許されない。国会は「成立ありき」ではなく慎重に論議すべきだ。
(3)というのも、政府は一般の団体が組織的犯罪集団に「一変した」と認定すれば処罰対象になると説明しているからだ。だが、どこで「一変した」かを見極めるのは極めて難しい。一変したと認めるためには、それ以前からの監視が必要ではないか。誰が、いつ、どこで何を企てるのか。そのために監視や盗聴、密告などが横行する恐れが懸念されている。
(4)政府は過去に、条約の規定を理由に、共謀罪の対象範囲は減らせないとの答弁書を閣議決定している。今回の改正案との整合性はどうとるのか。納得できる説明が求められる。野党などは現行法でテロ対策は可能と主張している。政府がそれでは不十分というなら、国民に丁寧に説明する必要がある。できなければ、問題のある法案は撤回すべきだ。
(5)日弁連は「未遂はおろか予備にすら至っていない段階で犯罪が成立することになり、刑法体系を根底から変容させるものとなる」と危惧している。そのことも忘れてはならない。


 やはり、南日本新聞が自問自答しているように、「日本を監視社会に変え、市民生活を息苦しくするようなことはないのか。政府の意に沿わない市民活動などにも幅広く法の網をかけ、取り締まることはないのか。」、と問わなくてはならない。
 なぜなら、依然として、「なぜ必要なのか、よく分からない。同じ思いの人も多いだろう。」(神戸新聞)、というのが実態だから。
 ここでは、愛媛新聞の主張を再掲する必要があるだろう。。


(1)「共謀罪と呼ぶのは全くの間違い」「(改正案を成立させ国際組織犯罪防止条約を締結できなければ)東京五輪を開けないといっても過言ではない」。安倍晋三首相は声高に繰り返したが、改正案を見る限りその認識こそ「全くの間違い」と断じざるを得ない。国民にとって極めて危険で、にもかかわらず疑問だらけのずさんな法案を強硬に成立させることは許されない。なぜ今必要なのか、徹底論議と抜本見直しを国会に求めるとともに、何度でも強く反対する。
(2)適用対象や要件を狭めたように見せて、恣意(しい)的な運用や拡大解釈の余地は残ったまま。広く一般人、つまりは捜査機関が怪しいとにらんだ相手なら誰でも、心の動きを罪とした逮捕が可能になる。監視強化や、政府方針と異なる意見を持つ国民の萎縮は避けられず、新設に前のめりな国の本音を危惧する。
(3)国民の人権を揺るがす法案の重大性に比して、政府の説明はあまりに拙速かつ稚拙。やはり容認はできない。諦めず、反対の声を上げ続けねばならない。


 私たちは、「政府が意図しなくても、やがては国民生活の隅々に警察の一層の監視の目が光る。そんな社会の到来を許してはならない。」(北海道新聞)。
 確かに、この法案は、「憲法は、刑罰権の乱用を防ぐため、刑事手続きについて諸外国に例を見ないほど詳細な規定を置いた。捜査・治安当局の横暴によって著しく人権が侵害された反省を踏まえたものだ。そのことに立ち戻って考えれば、廃案にすべき法案」
(信濃毎日新聞)に違いない。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-27 06:49 | 共謀罪 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月26日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 沖縄県の自民党は、「現状の『辺野古移設を含むあらゆる可能性を追求』するとの内容から『辺野古移設を容認し、(普天間の)早期返還の実現を図る』とする内容へと変更する方針を固めた。4月8日の県連大会で正式に決定する。」(琉球新報)、と方針を変更するという。
 ここでは、立ち止まって、姑息と言われようとじっと様子をうかがう時ではないか。
 安倍晋三政権の手法が、未来永劫に続くわけではないではないか。
 政治こそ、したたかさが必要ではないか。
 沖縄の強さは、そこにもあったのではないか。


 2017年3月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-自民沖縄県連が辺野古「容認」 普天間の早期返還へ政策変更-2017年3月26日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「自民党の沖縄県連(照屋守之会長)は25日までに、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に対する県連の政策について、現状の『辺野古移設を含むあらゆる可能性を追求』するとの内容から『辺野古移設を容認し、(普天間の)早期返還の実現を図る』とする内容へと変更する方針を固めた。4月8日の県連大会で正式に決定する。」
②「翁長雄志知事が仲井真弘多前知事の埋め立て承認を撤回する考えを表明し政府との対決姿勢を強める中で、県連が県政との対立軸を鮮明にし『辺野古が唯一の解決策』とする政府方針に沿った立場を明確に打ち出す格好だ。」
③「これまでの政策で県連は、普天間飛行場の危険性除去や早期返還実現に向け『辺野古移設を含むあらゆる可能性を追求し米軍普天間飛行場の固定化阻止に全力で取り組む』と掲げ、辺野古移設を認めつつ、それ以外の選択肢についても含みを持たせる表現にしていた。だが2016年12月に国が県を訴えた違法確認訴訟の最高裁判決で県が敗訴したことなどを受け、県連内でも方針を明確に打ち出すよう求める声が上がり、変更するに至った。」


(2)琉球新報-辺野古、承認撤回の時期焦点 翁長知事、求心力の回復狙う-2017年3月26日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれた県民集会で、翁長雄志知事が辺野古の埋め立て承認を『撤回する』と初めて明言した。最高裁で勝訴した政府は辺野古新基地建設を『終わった問題』(政府高官)と主張し、工事を着々と続けてきた。県民に諦め感や息切れ感、次の権限行使に踏み切らない知事への不信感も一部でくすぶり始めていた中、知事本人が『工事の入り口』(県幹部)である基地ゲート前で、改めて承認撤回という強い権限行使を表明したことで、新基地建設阻止に向けた求心力の回復を狙った形だ。」
②「就任後初めて基地ゲート前の集会に参加した翁長知事。撤回表明は集会を主催した『オール沖縄会議』側にも事前に知らされておらず、同団体幹部は『県民の思いに応えてくれた。よく言ってくれた』と驚いた。」
③「工事車両の出入りなどに対峙(たいじ)してきた抗議運動の“舞台”を訪れることには一定の混乱も予想された。知事の参加に当たって県は主催者と協議し、集会は『整然と行う』点を確認。翁長知事が『行政の長』として集会に参加できる状況を整えた。」
③「知事周辺は『新基地建設が佳境を迎える中、多くの県民は今、行政の長だけではなく、政治家・翁長雄志を求めている』と話す。県幹部は集会前、『知事は諦めない、今後も権限行使を続けると県内外に伝える。それを力強く発信するのに、ゲートを背にすることが重要だ』と力を込めていた。」
④「政府が進める工事に対し、知事は今月末に期限を迎える岩礁破砕許可の更新に応じないことで再び工事を止めることも視野に入れていた。だが政府は名護漁協に、工事に伴う漁業補償を支払ったことで現場海域の漁業権は消滅したと主張し、これにより知事への岩礁破砕許可申請は必要ないと主張する『新見解』を突如示す手段に出た。\『』「知事権限封じ』を図ることで、新基地建設阻止を掲げる知事を飛び越え、工事強行を図ろうとする政府。そうした状況への県民のいらだちを察知した知事は、ゲート前の集会で撤回を表明することで『座視していない』とのメッセージを込めたとみられる。」
⑤「とはいえ県が行政機関である以上、実際に撤回に踏み切るには法的に妥当な根拠に基づくことが必要条件だ。この日のあいさつで、政府による岩礁破砕許可の不申請などの行為が『一つ一つ貯金として入っている』と知事が表現したことはその象徴と言える。県は一定の積み重ねを経て『違法性』に基づく撤回に踏み切る算段を描く。」
⑥今後の焦点となるのは、知事がどのタイミングで撤回に踏み切るかだ。政府は知事が埋め立てを阻止する次の有力手段として『撤回』に踏み切ることを“織り込み済み”とみて、代執行や執行停止などの法的対抗策を検討している。一方、政府は4月中にも辺野古の埋め立て工事を本格開始する見込みで、知事サイドはその“節目”の日程をにらむ必要もある。防衛省関係者は、知事が埋め立て承認の『留意事項違反』だけを理由に早期に埋め立て承認の撤回に踏み切れば、それを正当化する法的な『材料』は乏しいとみて、裁判になれば『圧勝』し、県に損害賠償を求める根拠にもなるとみる。そのため国は、県が『材料不足』の状態で撤回するのを待ち構えているとも言え、神経戦が予想される。」
⑦「昨年12月の承認取り消しを巡る最高裁判決で勝訴したことから、政府関係者は知事の撤回表明に『支持者向けのパフォーマンスだろう。裁判に負けることはない』と自信を見せる。ただ岩礁破砕への対抗措置や撤回などのタイミング次第で、工事の遅れや名護市長選の人選作業などにも影響するとみて、県の動向を見極めながら対抗策を最終決定する考えで『後は知事がいつ撤回するかだ』と警戒感をにじませた。」


(3)琉球新報-政府、ミサイル防衛の増強提示へ 日米2プラス2で-2017年3月26日 02:00


 琉球新報は、「政府は4月下旬からの大型連休にも開く外務・防衛担当閣僚の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、北朝鮮に対処する弾道ミサイル防衛(BMD)体制の増強を図ることを最優先課題として提示する方向で調整に入った。日米同盟強化に向けた自衛隊の役割拡大策と位置付ける。弾道ミサイル発射前に拠点を破壊する『敵基地攻撃能力』保有の是非を含め、自衛隊と米軍の役割分担の方向性も話し合う可能性がある。政府筋が25日明らかにした。政府はトランプ政権下で初めての2プラス2で、最重要のテーマとしてBMDを明示し『北朝鮮の脅威は新たな段階に入った』との認識を重ねて共有したい意向だ。」、と報じた。


(4)琉球新報-品格なき民主主義 新基地建設を批判 沖縄問題シンポ-2017年3月26日 11:37


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会は25日、東京都の青山学院大学で『沖縄問題とは何か』をテーマに第5回公開シンポジウムを開いた=写真。基調講演した白井聡京都精華大学専任講師は、行政や財界など日本全体が総じて『ネトウヨのような筋が通らない右傾化が進んでいる』と指摘。翁長雄志知事が辺野古新基地問題で『日本の民主主義の品格が問われている』と言ったことを挙げ『(それに対する)答えは品格がないということだ』と強調した。」
②「白井氏は『保守を名乗る人の間で、反米なのか、親米なのかよく分からない状態があるが、彼らのそんな精神状態の分裂が統一する時はアジア諸国民をヘイトする時だ。【自分たちはあなたたちと違う、欧米並みの国なんだ】と。そのヘイトが中国、韓国・朝鮮人だけでなく、沖縄にも向けられている。今後それが活発化するのを大変危惧している』と語った。」
③「このほか、作家の佐藤優氏が『沖縄アイデンティティーと日本』と題して話した。松島泰勝龍谷大教授はアジアや西洋の国際関係の中で琉球独立論を位置付けた。高良鉄美琉球大教授は憲法の視点から東アジアの中の『琉球』について報告した。」
④「約130人が会場に詰め掛け、熱心に話を聞いた。」


(5)琉球新報-「強行は民主主義、人権損なう」 在米県系人も辺野古反対署名-2017年3月26日 10:17


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米国在住の県系人が、名護市辺野古での新基地建設工事の即時中止を日米両政府に求める声明への署名を呼び掛けている。現地時間24日までに48人が署名。カリフォルニア州バークレー市議会の平和と正義委員会などが活動に賛同し、2015年9月に辺野古への新基地建設反対の決議を可決した同市議会やカリフォルニア州の下院議員らに活動への支援を促している。」
②「声明を呼び掛けたのは、サンフランシスコ州立大学でアジア系アメリカ人の研究を続けるハワイ出身県系3世のウェスリー・上運天准教授、同大で博士課程を修了した池原えりこさん、ベン・コバシガワ同大名誉教授、ハワイ・オキナワ・アライアンスのピート・ドクターさんら。」
③「声明は『工事の強行が環境や民主主義、人権に回復困難な損害を与え、アメリカに住むウチナーンチュとしてのアイデンティティーと相いれない』などと指摘。『新基地建設は、沖縄以外の日本のために沖縄を犠牲にする日本政府の真の態度を示している』と批判している。米政府に対しては『故郷への破壊行為に不信と怒り、偽善的な態度に憤りを感じる』としている。」
④「『【沖縄は本当にこれでいいのか】と(世界のウチナーンチュに)問いたい』と語る上運天准教授。『沖縄で【イーヤーサーサー】と言うと【ハーイーヤ】と返ってくるように、この声明が世界中のウチナーンチュが反応するきっかけになってほしい】と期待を寄せている。」


(6)沖縄タイムス-2月の辺野古海上工事後、大浦湾にジュゴンの姿なし 防衛省調査-2017年3月26日 10:03


 沖縄タイムスは、「防衛省の調査で、2月に辺野古新基地建設の海上工事を始めて以降、大浦湾で国の天然記念物ジュゴンの姿が確認されていないことが24日、明らかになった。防衛省の山本達夫審議官が、衆院環境委員会で玉城デニー議員(自由)に答えた。」、と報じた。
 また、「山本審議官は『埋め立てにかかる海上工事を開始した2月以降に5日間調査し、嘉陽沖で(個体Aを)4回、古宇利島沖で(個体Bを)3回確認している』と答えた。一方、子どもの個体と思われるジュゴンの確認報告はないという。防衛省は、ジュゴンの生息位置を調査するため、2014年から大浦湾や嘉陽沖、古宇利島沖をヘリや船舶、陸上から目視確認をしている。アンカーブロックを設置した15年1月以降、調査で嘉陽沖や古宇利島沖ではジュゴンの姿が確認されているが、大浦湾では確認されておらず、今回の調査でも確認されなかった。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-米軍基地返還で生まれ変わった沖縄県・読谷村 商業施設も続々オープン-2017年3月26日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「嘉手納町から国道58号を北上した読谷村の玄関口・大湾交差点から北東側に広がる『大湾東地区』。米軍嘉手納弾薬庫地区の一部返還から18年がたち、25・4ヘクタールの新しい街が、その姿を見せ始めた。拠点となる大型商業施設の立地は昨年4月から本格化。約2千人の居住が見込まれる住宅建築に向けた手続き第1号も今月決定された。上下水道や道路の整備と並行して街づくりが加速する。(中部報道部・溝井洋輔)」
② 同地区の区画整理事業は地権者156人でつくる大湾東土地区画整理組合(松田武夫理事長)を主体に2009年度に始まり、このほど宅地造成をほぼ終えた。区域全体のインフラ整備はこれからだが、先行する主要道路の近くで企業立地の動きが表面化している。
組合によると、総事業費は45億円程度。うち約半分が国庫補助で、県と村の補助もある。文化財調査の課題や、4本の幹線道路全てを電線地中化する追加工事があるため、完了は当初計画から3年遅れて21年度となる見通し。」
③「県内の米軍基地返還地の主要道路全てで、電線地中化が実施されるのは初のケースという。同地区のアピール点の一つに交通アクセスの良さが挙げられる。同じく嘉手納弾薬庫地区返還地で06年4月に開通した読谷村牧原線が同地区南側を通る。県道74号の『道の駅かでな』付近と国道58号大湾交差点を結び、さらには沖縄自動車道へとつながる。比謝川につながる長田川が地区内を流れ、『水と緑に包まれた住宅地』も売りの一つ。三つの公園を造り、ウオーキングができる健康をテーマにした街づくりも掲げる。日本で最も人口が多い村の読谷村は現在4万1千人余。利点をPRしつつ、村や組合は同地区で650世帯、2080人の人口増を見込む。」
④「組合は今月、造成工事を終えた住宅地を地権者に返す『使用収益の開始』1号を決定した。4階建てのアパート建築が年内にも動きだす。全体の住宅工事が本格化するのは2~3年後の見通しという。住宅に先行する形で活発化するのは、インフラが整備された国道58号沿いへの商業施設の立地。その第1号が16年4月の『シナジースクエア』だ。」
⑤「『シナジースクエア』は飲食店やコンビニ、歯科医院など11店舗が入居する複合型商業施設。約1年後の17年3月にはトヨタカローラ沖縄が『トヨタウン読谷店』が開店した。今夏には床面積1万平方メートルのサンエー大湾シティがオープンを控える。」
⑥「組合の謝花高志事務局長は『シナジースクエアは夜ににぎわいが出てきた。トヨタカローラ沖縄、サンエーとどんどん広がり、住宅もスタートを切ろうとしている』と現状を説明する。国道58号沿いには年末から年明けにかけて、さらに商業施設がオープンする計画もある。」


(8)沖縄タイムス-辺野古で「なまからるやんどー」 沖縄・翁長知事、闘う宣言-2017年3月26日 12:30


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設先に名護市辺野古が浮上して20年余り、初めて沖縄県知事が新基地建設に抗議する市民の座り込み現場に足を運んだ。25日の県民集会で、翁長雄志知事は『撤回を力強く、必ずやります』。キャンプ・シュワブのゲート前でマイクを握り、宣言した。さらに声を張って『なまからるやんどー、なまからるやんどー(今からが本番ですよ、今からが)』。ゲート前で座り込みが始まって993日目。今か今かと待ち望んだ知事の姿に、ゲート前はこの日一番の喝采に包まれた。」
②「『これから沖縄の新しい闘いが始まる』。朝から降り続いていた雨は午前11時50分、知事がマイクを手にする頃にはやんでいた。2014年の県知事選当選直後、正式就任前に訪れてから、約2年半ぶりのゲート前。やや緊張した表情で車を降りたものの、待ち受けた市民に握手を求められると、すぐに頬を緩ませた。影響力の大きさから自らの発言に細心の注意を払い、最近は『準備した原稿を読み上げるスタイル』(知事周辺)が定着していたという知事。だがこの日ばかりは、事前に用意していた原稿を読み上げることなく、会場の空気に委ねて思うがまま言葉を重ね、思い入れの強さをにじませた。話題は縦横無尽に広がり、インターネット上で流れる知事にまつわるデマにまで言及してみせた。」
③「『心』と口にするときは胸に、『決意』を示すときは上空に手をかざし、興奮ぎみに自らの思いをぶつけた。3千人余りの市民を前に『皆さんの顔を見て改めて決意を固めた』と力を込め、埋め立て承認の『撤回』表明に一気に踏み込んだ。」
④「辺野古違法確認訴訟の最高裁で県が国に敗訴して以降、知事の目には座り込みの市民が『若干元気がなくなっていた』ように映っていたという。だが、集会を終えて記者団に心境をこう明かした。『一人一人の拍手をみて、しっかり元に戻ったなという感じを受けた。新基地を造らせない先頭に立つのは知事だ』」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-26 20:56 | 沖縄から | Comments(0)

「共謀罪」の閣議決定、国会提出を考える。(2)-朝日・毎日・東京・読売日経の各社説20170322-

 東京新聞は2017年3月22日、「政府は計画段階での処罰を可能とする『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十一日に閣議決定し、国会に提出した。法案では、処罰対象となる団体や合意の方法、処罰の前提となる『準備行為』の定義がいずれも曖昧で、捜査機関の裁量で、テロと関係のない市民団体などにも適用され、日常的な行為が準備行為と認定される恐れがある。実行後の処罰を原則としてきた刑法体系は大きく変わる。」、と報じた。
 このことを考える。
 朝日新聞は「『共謀罪』法案 疑問尽きない化粧直し」、毎日新聞は「『共謀罪』法案 説明の矛盾が多過ぎる」、東京新聞は「『共謀罪』閣議決定 刑法の原則が覆る怖さ」、読売新聞は「テロ準備罪法案 政府は堂々と意義を主張せよ」、日本経済新聞は「十分な審議が必要な『共謀罪』」、とそれぞれ見出しを掲げている。
 今回の組織的犯罪処罰法の改正案について、「共謀罪」と位置づけることができるかが、重要な観点であるが、この四社の中では、読売新聞だけが、この位置づけをしていない。 いつものこととは言え、読売の突出ぶりがよく見える。逆に、この法案を[共謀罪]として認識できない理由は何なのだろうか、と疑念を抱かざるを得ない。
 さて、この五社の社説の要約は次のものである。


Ⅰ.主張
(朝日新聞)
(1)かつて3度廃案になった「共謀罪」を創設する法案が、化粧直しをして組織的犯罪処罰法改正案として閣議決定された。先立つ与党審査では、当初案になかった「テロリズム集団」という言葉を条文に書きこむ修正がされた。テロ対策の法案だと世間にアピールするのが狙いで、法的に特段の意味はない。
 化粧直しのポイントは、
ⅰ.取り締まる団体を「組織的犯罪集団」に限定する
ⅱ.処罰できるのは、重大犯罪を実行するための「準備行為」があった場合に限る
ⅲ.対象犯罪を組織的犯罪集団のかかわりが想定される277に絞る
――の三つだ。
 だが、いずれにもごまかしや疑問がある。
(2)犯罪が実行されて初めて処罰するという、刑法の原則をゆるがす法案である。テロ対策の名の下、強引に審議を進めるようなことは許されない。


(毎日新聞)
(1)政府はかつて「共謀罪」新設の関連法案を3度提出したが、廃案になった。名称を変えた今回の法案も、組織犯罪が計画段階で幅広く処罰可能となる本質は変わらない。
(2)法整備は、国際組織犯罪防止条約の締結に欠かせないと政府はいう。確かに条約締結には意義がある。国際社会が手を結ぶことは必要だ。
 最大の焦点は、締結のためにテロ等準備罪の創設が必要かどうかだ。
(3)条約は、重大な犯罪の合意(共謀)を処罰できる法整備を締結国に求めている。だが、こうした処罰の規定は人の内心に踏み込む。捜査側の対応次第で国民生活も脅かされる。日本の刑法は、犯罪行為に着手した時点で処罰の対象とするのが原則だ。例外的に殺人の予備や内乱の陰謀など重大な犯罪では未遂以前の行為を罰せられる。だが、その数は70程度に限られている。今回の法案は従来の原則からかけ離れている。
(4)条約は各国の国内法の原則に従って法整備することを認めている。ならば現行法で条約締結は可能だというのが民進党など野党の主張だ。一方、政府はそれでは締結に不十分だという。政府が国会に提出した資料では、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国のうち、条約締結時に共謀罪などを新設したのは4カ国で、残りはもともとの国内法で対応した。これをどう見るか。なぜ法整備が条約締結のための必要条件なのか。法学者ら専門家の見解も分かれる。まずは政府が丁寧に説明し、議論の土台とすべきだ。
(5)共謀罪から絞り込んだ要件にも懸念が出ている。組織的犯罪集団に市民が入る余地はないのか、といった点などだ。政府は「共謀罪とは別物だ」との説明を繰り返してきたが、明らかに共謀罪の延長線上にある。


(東京新聞)
(1)政府が閣議決定した組織犯罪処罰法改正案の本質は「共謀罪」だ。二百七十七もの罪を準備段階で処罰できる。刑事法の原則を覆す法案には反対する。
(2)盗みを働こうと企(たくら)む二人組がいたとしよう。だが、人間というのは犯罪を共謀したからといって、必ず実行に移すとは限らない。現場を下見に行ったとしても、良心が働いて「やっぱり悪いことだからやめよう」と断念する、そんなことはいくらでもある。共謀罪が恐ろしいのは、話し合い合意するだけで罰せられることだ。この二人組の場合は共謀し、下見をした段階で処罰される。そんな法案なのだ。何も盗んではいないのに…。
(3)共謀罪の考え方は、日本の刑事法の体系と全く相いれない。日本では既遂を処罰する、これが原則である。心の中で考えただけではむろん犯罪たり得ない。犯罪を実行して初めて処罰される。未遂や予備、陰謀などで処罰するのは、重大事件の例外としてである。
だから、この法案は刑事法の原則を根本からゆがめる。しかも、二百七十七もの罪に共謀罪をかぶせるというのは、対象犯罪を丸暗記していない限り、何が罰せられ、何が罰せられないか、国民には理解不能になるだろう。
(4)「五輪が開けない」とは国民に対する明白な誤導である。本質は共謀罪の創設なのだ。
(5)危惧するのは、この法案の行く末である。犯罪組織の重大犯罪を取り締まるならともかく、政府は普通の市民団体でも性質を変えた場合には適用するとしている。米軍基地建設の反対運動、反原発運動、政府批判のデモなどが摘発対象にならないか懸念する。
(6)専門家によれば、英米法系の国ではかつて、共謀罪が労働組合や市民運動の弾圧に使われたという。市民団体の何かの計画が共謀罪に問われたら…。全員のスマートフォンやパソコンが押収され一網打尽となってしまう。もはや悪夢というべきである。
 実は捜査当局が犯行前の共謀や準備行為を摘発するには国民を監視するしかない。通信傍受や密告が横行しよう。行き着く先は自由が奪われた「監視社会」なのではなかろうか。


(読売新聞)
(1)テロ対策の要諦は、事前に犯行の芽を摘むことである。政府は、法案の早期成立に万全を期さねばならない。
(2)2020年東京五輪を控え、テロ対策は喫緊の課題だ。改正案が成立すれば、国際組織犯罪防止条約への加入が具体化する。締約国間で捜査共助や犯罪人の引き渡しが円滑にできるようになるなど、メリットは計り知れない。
(3)今国会の審議では、共謀罪法案との違いを際立たせようと腐心する政府の姿勢が目立つ。共謀罪法案を3度も提出したのは、必要性が高かったからだろう。差異を付けることを優先するあまり、今回の改正案が捜査現場にとって使い勝手の悪いものになっては、本末転倒である。


(日本経済新聞)
(1)今回の法案では、適用の対象を「組織的犯罪集団」に限定した。処罰するためには重大な犯罪を計画したことに加え、現場の下見といった準備行為が必要となるような見直しも行った。法律の乱用を防ぐといった観点から、こうした修正は評価できる。しかしこの法案の必要性や意義について、そもそも国民の間に理解が深まっているとは言いがたい。国会審議の場では成立を急ぐことなく、十分な時間をかけて議論を尽くす必要がある。
(2)テロも組織犯罪の一形態とは言えるが、国会審議ではまず、資金洗浄や人身売買、薬物取引など条約がうたう「本来」の組織犯罪対策のあり方などについて十分に議論すべきではないか。現に日本は暴力団犯罪など組織犯罪の脅威にさらされている。
(2)テロ対策も2020年の東京五輪をにらんで欧米並みに取り組むのであれば、この条約に便乗するだけでは中途半端に終わってしまいかねない。テロを正面から定義することからはじめ、海外と比べて法制度や捜査手法の面でどのような問題、課題があるのかを分析し、国民に問うていく。こうした作業が必要なはずだ。





Ⅱ.疑問点等
(朝日新聞)
(1)旧来の共謀罪についても、政府は「組織的な犯罪集団に限って成立する」と言ってきた。だとすればⅰ.は新たな縛りといえない。安倍首相の「今度は限定している。共謀罪との大きな違いだ」との国会答弁は、国民を誤導するものに他ならない。
(2)ⅱ.の「準備行為」も何をさすのか、はっきりしていない。
(3)殺人や放火などの重大犯罪には「予備をした者」を罰する規定が既にあるが、これと「準備行為」はどこがどう違うのか。準備行為である以上、犯罪が実際に着手される前に取り押さえることになるが、それまでにどんな捜査が想定されるのか。わかりやすい説明が必要だ。
(4)共謀罪は組織犯罪防止の国際条約に加わるために必要とされた。そして条約の解釈上、重い刑が科せられる600超の犯罪に一律に導入しないと条件を満たせないというのが、政府の十数年来の主張だった。ⅲ.はこれを一転、半減させるというものだ。融通無碍(むげ)、ご都合主義とはこのことだ。
(5)現時点で政府が「市民生活に影響は及ばない」と説いても、状況次第で法律の解釈適用をいかようにも変えられると、身をもって示しているに等しい。
(6)そもそも条約をめぐっては、これほど大がかりな立法措置を求めておらず、現行法のままで加盟可能との異論も以前からある。何らかの手当てが必要だとしても、277の罪が妥当かの精査は当然必要となろう。条約を締結できないことで、これまでにどんな支障が生じ、締結したらいかなるメリットがあるのか。この点についても、政府から説得力のある具体的な説明はなされていない。

 犯罪が実行されて初めて処罰するという、刑法の原則をゆるがす法案である。テロ対策の名の下、強引に審議を進めるようなことは許されない。


(毎日新聞)
(1)それにしても、これまでの政府の説明には矛盾が目立つ。
(2)最大のほころびは対象犯罪数だ。条約が法整備を求める4年以上の懲役・禁錮の刑を定める犯罪数は676あり、選別はできないと政府は説明してきた。だが、公明党の意見をいれ、今回の法案では対象犯罪を277に絞り込んだ。これでは過去の説明と整合しない。法案の再提出に当たり、唐突にテロ対策の看板を掲げたことも理解できない。条約はマフィアによる犯罪収益の洗浄などへの処罰を目的としたものだ。
(3)安倍晋三首相が、東京五輪・パラリンピックのテロ対策を理由に「法整備ができなければ開催できないと言っても過言ではない」などと発言するに至っては、まさに首相が批判する印象操作ではないか。


(東京新聞)
(1)今回の法案では二人以上の計画と準備行為の段階で摘発できる。準備行為とは「資金または物品の手配、関係場所の下見その他」と書いてある。ずいぶん漠然としてはいないか。「その他」の文字が入っているから、捜査当局にどのように解釈されるか分からない心配もある。
(2)犯行資金をATMで下ろすことが準備行為に該当すると政府は例示するが、お金を引き出すというのはごく日常的な行為である。それが犯罪なのか。どう証明するのか。疑問は尽きない。
(3)安倍晋三首相は国会答弁で「東京五輪のために必要な法案だ」という趣旨の発言をした。これは明らかな詭弁(きべん)というべきである。そもそも日本はテロに対して無防備ではない。テロ防止に関する十三もの国際条約を日本は締結している。ハイジャック防止条約、人質行為防止条約、爆弾テロ防止条約、テロ資金供与防止条約、核テロリズム防止条約…。同時に国内法も整備している。例えば爆発物に関しては脅迫、教唆、扇動、共謀の段階で既に処罰できる。サリンなど化学物質などでも同じである。
 むしろ、政府は当初、「テロ等準備罪」の看板を掲げながら、条文の中にテロの定義も文字もなかった。批判を受けて、あわてて法案の中に「テロリズム集団」という文字を入れ込んだ。本質がテロ対策でない証左といえよう。
(4)確かに国連の国際組織犯罪防止条約の締約国は百八十七カ国・地域にのぼる。だが、そのために共謀罪を新設した国はノルウェーやブルガリアなどだけだ。むしろ国連は「国内法の基本原則に従って必要な措置をとる」ことを求めている。「共謀罪がなくとも条約の締結は可能だ」とする日弁連の意見に賛同する。
 そもそもこの条約は国境を越えて行われるマフィアの犯罪がターゲットだ。麻薬やマネーロンダリング(資金洗浄)、人身売買などで、テロ対策の条約ではない。少なくともこの条約締結のために、刑事法の大原則を覆してしまうのは本末転倒である。


Ⅲ.メリット及び課題


(読売新聞)
(1)法案化の過程で、対象となる「組織的犯罪集団」が「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」に修正された。テロの文言がなく、与党の批判を招いたためだ。組織的犯罪集団は「共同の目的が一定の犯罪を実行することにあるもの」と定義される。修正により、テロ対策という立法の趣旨は、より明確になったと言える。
(2)「その他」に想定されるのは、暴力団や振り込め詐欺集団だ。犯罪の抑止効果が期待できよう。テロ等準備罪の成立には、犯行計画に加え、資金調達などの準備行為の存在が不可欠だ。要件を満たさない限り、裁判所は捜索や逮捕に必要な令状を発付しない。
(3)適用範囲が恣意しい的に拡大される、といった民進党などの批判は当たるまい。「一般市民も対象になりかねない」という指摘も殊更、不安を煽あおるものだ。対象犯罪について、政府は当初の676から、組織的犯罪集団の関与が現実的に想定される277に絞り込んだ。「対象の団体を限定した結果、犯罪の絞り込みも可能になった」との見解を示す。公明党が「対象犯罪が多すぎる」と主張したことにも配慮した。理解を広げるために、一定の絞り込みは、やむを得ない面もある。政府は過去に「条約上、対象犯罪を限定することは難しい」と説明している。これとの整合性をどう取るかが課題だ。
(4)金田法相の答弁は不安材料だ。要領を得ない受け答えが多く、「成案を得てから説明する」と繰り返してきた。緊張感を持って、審議に臨んでもらいたい。


(日本経済新聞)
 共謀罪の制定は、国際組織犯罪防止条約を締結するため各国に課せられた義務の一つである。だが廃案が続いたこともあり、今回政府は国民が理解しやすいテロを前面に出して必要性を訴えてきた。当初の法案の中に「テロ」の文言がなく、与野党から指摘を受け慌てて盛り込むことになった背景にもこうした事情がある。


 さて、日本経済新聞は、「この法案の必要性や意義について、そもそも国民の間に理解が深まっているとは言いがたい。国会審議の場では成立を急ぐことなく、十分な時間をかけて議論を尽くす必要がある。」、と主張する、
 ごく当たり前の考え方である。まず、必要なことである。
 最後に、東京新聞はこのように投げかけている。深く心臓部を抉る。


Ⅰ. この法案は「キメラ」のようでもある。
Ⅱ.「五輪が開けない」とは国民に対する明白な誤導である。本質は共謀罪の創設なのだ。
Ⅲ.行き着く先は自由が奪われた「監視社会」なのではなかろうか。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-26 10:59 | 共謀罪 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月25日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれた「違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会」に、3500人が参加した。
 辺野古の市民集会に初めて参加した翁長雄志沖縄県知事は、「撤回を力強く、必ずやる」、と明言。


 2017年3月25日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-<速報>新基地阻止へ一丸 県民集会 国の強行抗議-2017年3月25日 11:44


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対する『違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会』(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日午前11時、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で始まった。翁長雄志知事は就任して以来、辺野古での集会に初めて参加し、新基地建設阻止を訴える。3千人規模を目指す集会に参加しようと、ゲート前には開始前の午前10時ごろから多くの人が集まった。」、と報じた。


(2)琉球新報-埋め立て承認撤回「必ずやる」と翁長知事明言 辺野古新基地建設-2017年3月25日 12:47


 琉球新報は、「翁長雄志知事は25日午前、名護市辺野古の新基地建設で辺野古沖の埋め立て承認の撤回について『撤回を力強く、必ずやる』と明言した。米軍キャンプ・シュワブのゲート前集会で明らかにした。従来『撤回』について翁長知事は『常に視野に入っている』などと述べていたが、この日の発言で『必ずやる』と踏み込んだ。撤回の時期については言及しなかった。」、と報じた。


(3)琉球新報-新基地反対集会に3500人超 名護市辺野古 知事が埋め立て承認の撤回明言-2017年3月25日 17:59


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設計画に反対する『違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会』(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれ、主催者発表で3500人超が参加した。」、と報じた。
 また、「出席した翁長雄志知事は新基地建設に必要な辺野古沖の埋め立て承認について『撤回を力強く、必ずやる』と述べ、埋め立て承認の撤回を初めて明言した。翁長知事が辺野古での市民集会に参加するのは就任以来初めて。」、と報じた。


(4)琉球新報-沖縄の米軍基地面積、東京都心に匹敵 翁長知事、講演で指摘-2017年3月25日 12:42


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事は24日、都内で開かれた共同通信加盟社論説研究会で講演し、沖縄県内にある米軍専用施設の総面積が1万8609ヘクタールで、東京23区のうちの都心部13区(1万8701ヘクタール)とほぼ同じ面積だと説明した。県外出身者でも基地負担の重さを想像しやすいように具体例を示した。」
②「講演後、記者団に『辺野古への気持ちはいつもある』と強調。県民の民意を顧みず、法治国家、地方自治の原則をないがしろにする政府の姿勢を『国の大きな権力でゆがめてでも前に進めている』と批判した。」
③「知事は講演で、戦後の沖縄で土地が米軍に強制接収されて基地建設が進んだことや米軍基地関連収入の大幅な減少、沖縄関係予算が地方交付税など通常の予算とは全く別枠で計上されていると誤解されていることなどを説明した。同時に新基地建設予定地の辺野古沖・大浦湾が5800種以上の生物が生息し、世界自然遺産の屋久島や小笠原諸島よりも数が多いことを例示。貴重な自然を破壊して基地が建設される心情を『十和田湖を埋め立てるか。宮城県の松島湾を埋め立てるか。琵琶湖を埋め立てるか。みなさんが想像もできないような発想だ』と指摘した。」


(5)琉球新報-辺野古基地建設阻止で結集 シュワブゲート前で県民集会 翁長知事、山城議長も登壇-2017年3月25日 11:04


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対する『違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会』(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日午前11時、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で始まった。翁長雄志知事は就任して以来、辺野古での集会に初めて参加し、新基地建設阻止を訴える。3千人規模を目指す集会に参加しようと、ゲート前には開始前の午前10時ごろから多くの人が次々と集まった。」
②「集会の決議文は『沖縄県民と全国の多くの仲間の総意をして【違法な埋立工事の即時中止と辺野古新基地建設の断念】を強く日米両政府に求める』」と記した。
③「米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する抗議行動中に逮捕され、約5カ月の勾留後の18日に保釈された沖縄平和運動センターの山城博治議長も開会前にゲート前を訪れ、支援への感謝を述べた」。
④「大規模な県民集会は昨年12月22日の名護市安部区へのオスプレイ墜落に抗議する県民集会以来。辺野古移設阻止やオスプレイ配備撤回などを求めた建白書の実現を訴え、新基地建設反対の県民世論が高まっていることをあらためて県内外に訴えた。」


(6)沖縄タイムス-米有力議員、ジュゴン訴訟を注視「裁判やり直しも」-2017年3月25日 16:40


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米上院軍事委員会の有力議員は23日、本紙の取材に対し、日米の環境団体などが米国防総省を相手に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の中止などを求めた沖縄ジュゴン訴訟について、『裁判の結果によっては代替施設の工事が再び停滞する可能性も生じる』との見解を示し、今後の動向を注視していることを明らかにした。」
②「同議員は、15日にカリフォルニア州サンフランシスコの第9巡回控訴裁判所で結審した口頭弁論について、『この裁判は終わったものだと思っていたが、訴えを差し戻して裁判をやり直す可能性も示唆されたとの報告を受けた』と指摘。」
③「在沖米海兵隊のグアム移転受け入れに伴う実弾射撃訓練場の建設地を巡り、環境団体らが起こした訴訟で原告の主張が認められ、環境影響評価(アセスメント)がやり直された経緯に言及した上で、『ジュゴン裁判がやり直しとなれば、動き始めた辺野古の工事が再び停止する可能性も出てくる。米国防総省の見解を聞いた上で、議会でも対応を検討していきたい』と述べた。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-25 22:13 | 沖縄から | Comments(0)

「共謀罪」の閣議決定、国会提出を考える。(1)-沖縄タイムス及び琉球新報社説20170322-

 東京新聞は2017年3月22日、「政府は計画段階での処罰を可能とする『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十一日に閣議決定し、国会に提出した。法案では、処罰対象となる団体や合意の方法、処罰の前提となる『準備行為』の定義がいずれも曖昧で、捜査機関の裁量で、テロと関係のない市民団体などにも適用され、日常的な行為が準備行為と認定される恐れがある。実行後の処罰を原則としてきた刑法体系は大きく変わる。」、と報じた。
 このことを考える。
沖縄タイムスと琉球新報は2017年3月22日にそれぞれ、「『共謀罪』閣議決定人権軽視の懸念拭えず」、「『共謀罪』国会提出 無用で害悪、即刻廃案に」、と論評した。
 この二社の社説の要約は次のものである。


Ⅰ.主張


(沖縄タイムス)
(1)犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が閣議決定された。看板は変わっても、過去3度廃案になった共謀罪と本質的に変わりはない。内心の自由や表現の自由を脅かしかねず、強く反対する。
(2)戦時中に戻るような嫌な空気が漂うのは、国家が国民の心の中に踏み込む「監視の網」が広がろうとしているからだ。
(3)特定秘密保護法の制定と通信傍受の拡大を柱とした改正刑事訴訟法の成立、今回の共謀罪は密接に関係している。民主主義社会の根幹である基本的人権を軽視し、市民生活に深刻な影響を及ぼす法律をつくる必要はない。


(琉球新報)
(1)無駄なことの例えに「屋上屋を重ねる」という言葉がある。政府が国会に提出した組織犯罪処罰法改正案、いわゆる「共謀罪」法案はまさにその典型だ。現在ある法に基づいて対応できるのに、なぜ無用の法を加える必要があるのか。
(2)捜査機関の恣意(しい)的な運用で市民監視社会に道を開きかねない悪法でもある。無駄どころか害悪でしかない。

(3)東村高江でのヘリパッド建設に対する抗議活動で本来なら立件すら疑わしい事案を公務執行妨害などとして起訴し、政権批判を封じるのが現政権の体質であり、司法も追認する。犯罪集団と認定される危険性は誰にでもあるが、現政権で歯止めはないに等しい。市民社会の自由が奪われる前に即刻廃案にすべきだ。


Ⅱ.法案の疑問点


(沖縄タイムス)
(1)政府は2020年の東京五輪に向けた「テロ対策」として法案の必要性を強調している。適用対象はテロ組織や暴力団など「組織的犯罪集団」で、2人以上で犯罪を計画し、うち1人でも資金の手配や関係場所の下見など「準備行為」をしたときに、計画に合意した全員が処罰される。対象となる犯罪を当初の半分以下の277に絞り込んだとはいえ、範囲は広い。
 話し合っただけで処罰されるというのは、犯罪実行後の「既遂」を原則としてきた日本の刑法体系を根本から覆す。思想及び良心の自由を保障した憲法にも反する。
(2)とりわけ世論の批判が強いのは、市民がその対象となり、監視社会への道を開く恐れである。政府は「一般市民が対象となることはない」と繰り返し説明する。しかし組織的犯罪集団の概念はあいまいで、「正当な活動をする団体でも目的が一変すれば処罰の対象となる」との見解を示している。一変したかどうかを見極める捜査機関の恣意(しい)的な運用への懸念が消えない。
(3)改正案が反基地運動を展開する市民をターゲットにしているのではとの批判の声も根強い。米軍基地周辺での抗議行動が刑事特別法の「軍用物などの損壊」の下見と見なされたり、座り込みなどの呼び掛けが組織的威力業務妨害罪の「共謀」とされる可能性の指摘だ。
 法律の拡大解釈や過剰な取り締まりは、市民運動を萎縮させる。
(4)反基地運動のリーダーが微罪にもかかわらず約5カ月にもわたって勾留されたことと背景が似ている。自分たちにとって不都合な声を封じ、排除しようとするのが安倍政権のやり方なのか。
(5)政府は共謀罪ではなく「テロ等準備罪」との罪名を持ち出しテロ対策を前面に掲げるが、当初与党に示した案には「テロ」の表記がなかった。もちろんテロを未然に防ぐことは重要である。だがすでに一定の重大な犯罪には共謀罪、予備罪などが整えられている。政府が法改正の根拠とする国際組織犯罪防止条約も現行法のままで締結できる。


(琉球新報)
(1)法案の柱は犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の新設だ。現行刑法は犯罪の結果である「既遂」に対する処罰を原則としている。犯罪の前段階である「未遂」「予備」「陰謀」は、それぞれ殺人や内乱など引き起こされる結果の重大性によって厳密に適用される範囲が定められている。計画段階での処罰を可能にすることは「既遂」を原則とする刑法の体系をも根幹から揺るがす。
(2)政府は「共謀罪」の必要性に関してテロ防止を前面に掲げ、法案成立を急務とする。だが化学兵器や病原体などの使用、犯罪による収益に関する事実の隠匿など、テロ行為につながる準備段階の行為は、現行法でも処罰できる。
(3)テロ防止が目的だとしても、犯罪行為を計画段階で察知するには、捜査機関にさらなる権限を与えることが予想される。手段としては盗聴、尾行、潜入(おとり)捜査などが考えられる。これらが日常的に実行されれば、まさに警察による監視社会の実現だ。
(4)米軍基地周辺で行われる抗議活動が兵器や弾薬などの損壊行為に向けた下見と見なされ、「共謀罪」の適用対象になるという懸念は与野党にかかわらず存在する。
(5)安倍晋三首相は1月の国会答弁で、処罰対象は「そもそも犯罪を犯すことを目的とする集団」としていたが、2月には「そもそもの目的が正常でも、一変した段階で一般人であるわけがない」と説明を変えた。労働組合など正当な目的の団体であっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」として認定すれば処罰対象にすると受け止められる。


 さて、沖縄タイムスと琉球新報の指摘だけでも、この法案は次の問題点が挙げられる。


Ⅰ.思想及び良心の自由を保障した憲法にも反する。
Ⅱ.現在ある法に基づいて対応できるのに、なぜ無用の法を加える必要があるのか。
Ⅲ.捜査機関の恣意(しい)的な運用で市民監視社会に道を開きかねない悪法でもある。無駄どころか害悪でしかない。
Ⅳ.計画段階での処罰を可能にすることは「既遂」を原則とする刑法の体系をも根幹から揺るがす。
Ⅴ.法律の拡大解釈や過剰な取り締まりは、市民運動を萎縮させる。


 確かに、「市民社会の自由が奪われる前に即刻廃案にすべきだ。」(琉球新報)が正しい判断だ。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-25 07:43 | 共謀罪 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月24日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 『バクレー監督と行く沖縄』の福島県からの参加者の「事件や事故の賠償に日本の税金が使われているとは知らなかった」との声は、私も含めた多くの「本土」の人間の知識である。
したがって、「確定している過去の米軍機騒音訴訟の損害賠償を巡り、米側から賠償金が支払われていない問題で、岸田文雄外相は23日の参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約に基づく訓練から発生する騒音については、米側が賠償を負担しないと主張していることを明らかにした。」との沖縄タイムスの記事は、日本の主権国家ではない「姿」と沖縄が置かれてきた「現実」を暴露する。


 2017年3月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「集団自決」現行記述にとどまる 米軍再編に検定意見 2016年度教科書検定-2017年3月24日 14:55


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「文部科学省は24日、小学校道徳と主に高校2年生が使用する教科書の2016年度検定結果を公表した。高校日本史教科書8冊中6冊が沖縄戦の『集団自決』(強制集団死)を取り上げたが、『日本軍による命令』『軍命』を明記した教科書はなく、現行本と同様の記述にとどまった。」
②「『集団自決』を巡る記述について、06年度検定意見は日本軍の命令や強制の有無を断定的に記述するのは避けるよう求めている。県内からは検定意見の撤回を求める声が上がっているが、文科省の担当者は『審議会の専門的な審議結果によるものであり、撤回ということは考えていない』と説明した。」
①「米軍再編の目的について、実教出版社の1冊の『沖縄の基地負担軽減それ自体が目的ではなく、世界規模での米軍再編の一環』との記述に関し『生徒が誤解するおそれのある表現』との検定意見が付いた。文科省は『米軍再編には沖縄の基地負担を軽減する目的も含まれている』などとして、記述の変更を求めたことを明らかにした。」


(2)琉球新報-「思いやり予算」現場巡る バクレー監督ら あす上映会-2017年3月24日 12:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「在日米軍駐留経費・思いやり予算の在り方を問うドキュメンタリー映画『ザ・思いやり』のリラン・バクレー監督=神奈川県=らが23日、本島中部地域を訪れて米軍普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧など米軍施設周辺を巡った。富士国際旅行社が22日から3泊4日で実施するツアー『バクレー監督と行く沖縄』の一環で、県外から5人が参加している。」
②「バクレー監督は『思いやり予算がどう使われているか見れば驚くはずだ。参加者に知ってほしい』」と述べた。次作『ザ・思いやりパート2』も製作中で、ツアーでは作品に登場する人たちを訪ねる。」
③「一行は23日、北谷町北前の米軍キャンプ瑞慶覧第5ゲート(北前ゲート)前を訪れ、米軍人・軍属による事件被害者の会の村上有慶さん(67)=北谷町=の話に耳を傾けた。福島県から参加した八幡隆英さん(67)は『事件や事故の賠償に日本の税金が使われているとは知らなかった』と語った。」
④「25日午後2時から那覇市若狭の不屈館で「ザ・思いやり」を上映する。問い合わせは事務局佐藤契さん(電話)090(2625)8775。」


(3)沖縄タイムス-米軍機騒音訴訟の損害賠償金 「米側は負担しないと主張している」と岸田外相-2017年3月24日 15:17


 沖縄タイムスは、「確定している過去の米軍機騒音訴訟の損害賠償を巡り、米側から賠償金が支払われていない問題で、岸田文雄外相は23日の参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約に基づく訓練から発生する騒音については、米側が賠償を負担しないと主張していることを明らかにした。伊波洋一氏(沖縄の風)への答弁。」、と報じた。
 また、「岸田氏は、日米間の協議で妥結をみない理由として『米側は、日本側から提供された施設区域を使用し、日米安保条約の目的達成のために所要の活動を行っており、発生した騒音問題は、米側が賠償すべきものではないとの立場を取っている』と答えた。その上で、日本政府としては日米地位協定第18条に基づき、米国政府に対して騒音訴訟に伴う損害賠償金の分担を求めると説明した。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古で抗議の市民、機動隊が強制排除 工事車両31台入る-2017年3月24日 11:37


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では24日午前、新基地建設に反対する市民らが最大で約50人集まり『辺野古を守ろう』と声をあげた。午前8時45分後ごろ、約40人の機動隊員による強制排除が始まり、市民ら約25人がごぼう抜きにされた。9時5分までの間に大型ミキサー車や砂利を積んだ大型ダンプカーなど車両31台がゲート内に進入した。」、と報じた。
 また、「海上では大型作業船3隻がクレーンを上げて作業を進め、そのうち1隻がボーリング調査などで使われるスパッド台船を組み立てた。市民らがカヌー8隻と監視船2隻で抗議を続けている。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-「住民に恐怖感与える訓練は問題」と国は言うけれど… 沖縄・宜野座村議会、米軍つり下げ事故に抗議-2017年3月24日 13:08


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県宜野座(ぎのざ)村議会の小渡久和議長ら全議員12人は23日午後、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、米海兵隊UH1Yヘリのつり下げ物資の落下事故に抗議した。提供施設外上空での米軍機の飛行訓練の即時中止や、集落に近い着陸帯『ファルコン』」の即時撤去などを求めた。」
②「中嶋浩一郎局長は『住民に恐怖感を与える訓練は問題である』と述べ、施設外で訓練しないことなど米側に求めていく考えを示した。」
③「米海兵隊の太平洋基地政務外交部長のスコット・コンウェイ大佐は昨年12月、つり下げ訓練について『宜野座村の住宅地上空では今後しない』としていた。」
④「議員団は発言がほごにされたことに反発。村民の生命や安全、平穏な生活を求める意見が相次いだ。村議からは『何回抗議しても変わらないのは何が原因か』『抗議した後の米軍とのやりとりを議会に報告してほしい』などの声が続いた。」


(6)沖縄タイムス-住宅建設現場から米国製5インチ艦砲弾1発 沖縄・南城市であす不発弾処理-2017年3月24日 10:35


 沖縄タイムスは、「沖縄県南城市大里嶺井の住宅建設現場で発見された米国製5インチ艦砲弾1発の不発弾処理作業が25日午前9時から行われる。交通規制が同9時半から同11時半ごろまで、周辺の市道などで行われる。処理現場から半径88メートルが立ち入り禁止で、避難対象は32世帯94人。避難所と現地対策本部が嶺井公民館に置かれる。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-24 17:11 | 沖縄から | Comments(0)

共謀罪」を考える。(6)-「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」より-

 東京新聞は2017年1月6日、「安倍晋三首相は五日、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十日召集の通常国会に提出する方針を固めた。」、と報じた。
また、この背景を、「菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、『共謀罪』法案の通常国会への提出に関して、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策の強化が必要だと主張し『テロを含む組織犯罪を防ぐことは、国民も望んでいる。これまでの国会審議の意見を踏まえ、最終検討している』と述べた。」、とも伝えた。
 政府は2017年3月21日、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を閣議決定した。

 緊急かつ重大な課題である『共謀罪』について考える。


 共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者が、2017年2月1日、呼びかけ人7名と賛同者130名の計137名で、「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」を発表しました。
 この「声明」についてまとめてみます。


Ⅰ.主張
(1)この立法は以下に述べるように、犯罪対策にとって不要であるばかりでなく、市民生活の重大な制約をもたらします。
(2)こうした多くの問題にかんがみ、私たちは、「テロ等準備罪」処罰を名目とする今般の法案の提出に反対します。


Ⅱ.反対の根拠


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。
Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。
Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。
Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする   必要ない。
Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、   有効なテロ対策。


Ⅲ.反対の根拠の詳細


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。

 テロ対策の国際的枠組みとして、「爆弾テロ防止条約」や「テロ資金供与防止条約」を始めとする5つの国連条約、および、その他8つの国際条約が採択されています。日本は2001年9月11日の同時多発テロ後に採択された条約への対応も含め、早期に国内立法を行って、これらをすべて締結しています。


Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。

(1)2000年に採択された国連国際組織犯罪防止条約は、国際的な組織犯罪への対策を目的とし、組織的な犯罪集団に参加する「参加罪」か、4年以上の自由刑を法定刑に含む犯罪の「共謀罪」のいずれかの処罰を締約国に義務づけているとされます。しかし、条約は、形式的にこの法定刑に該当するすべての罪の共謀罪の処罰を求めるものではありません。
(2)本条約についての国連の「立法ガイド」第51項は、もともと共謀罪や参加罪の概念を持っていなかった国が、それらを導入せずに、組織犯罪集団に対して有効な措置を講ずることも条約上認められるとしています。
(3)政府は、同条約の締約国の中で、形式的な基準をそのまま適用する共謀罪立法を行った国として、ノルウェーとブルガリアを挙げています。しかし、これらの国は従来、予備行為の処罰を大幅に制限していたり、捜査・訴追権限の濫用を防止する各種の制度を充実させたりするなど、その立法の背景は日本とは相当に異なっています。ほとんどすべての締約国はこのような立法を行わず、条約の目的に沿った形で、自国の法制度に適合する法改正をしています。
(4)国内法で共謀罪を処罰してきた米国でさえ、共謀罪の処罰範囲を制限する留保を付した上で条約に参加しているのです。このような留保は、国会で留保なしに条約を承認した後でも可能です。
(5)日本の法制度は、もともと「予備罪」や「準備罪」を極めて広く処罰してきた点に、他国とは異なる特徴があります。上記のテロ対策で一連の立法が実現したほか、従来から、刑法上の殺人予備罪・放火予備罪・内乱予備陰謀罪・凶器準備集合罪などのほか、爆発物取締罰則や破壊活動防止法などの特別法による予備罪・陰謀罪・教唆罪・せん動罪の処罰が広く法定されており、それらの数は70以上にも及びます。一方、今般検討されている法案で「共謀罪」が新設される予定の犯罪の中には、大麻栽培罪など、テロとは関係のない内容のものが多数あります。そもそも、本条約はテロ対策のために採択されたものではなく、「共謀罪」の基準もテロとは全く関連づけられていません。本条約は、国境を越える経済犯罪への対処を主眼とし、「組織的な犯罪集団」の定義においても「直接又は間接に金銭的利益その他の物質的利益を得る」目的を要件としています。


Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。

(1)政府は、現在検討している法案で、(1)適用対象の「組織的犯罪集団」を4年以上の自由刑にあたる罪の実行を目的とする団体とするとともに、共謀罪の処罰に(2)具体的・現実的な「合意」と(3)「準備行為」の実行を要件とすることで、範囲を限定すると主張されています。しかし、(1)「目的」を客観的に認定しようとすれば、結局、集団で対象犯罪を行おうとしているか、また、これまで行ってきたかというところから導かざるをえなくなり、さしたる限定の意味がなく、(2)概括的・黙示的・順次的な「合意」が排除されておらず、(3)「準備行為」の範囲も無限定です。
(2)「共謀罪」の新設は、共謀の疑いを理由とする早期からの捜査を可能にします。およそ犯罪とは考えられない行為までが捜査の対象とされ、人が集まって話しているだけで容疑者とされてしまうかもしれません。
(3)大分県警別府署違法盗撮事件のような、警察による捜査権限の行使の現状を見ると、共謀罪の新設による捜査権限の前倒しは、捜査の公正性に対するさらに強い懸念を生みます。これまで基本的に許されないと解されてきた、犯罪の実行に着手する前の逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制捜査が可能になるためです。とりわけ、通信傍受(盗聴)の対象犯罪が大幅に拡大された現在、共謀罪が新設されれば、両者が相まって、電子メールも含めた市民の日常的な通信がたやすく傍受されかねません。将来的に、共謀罪の摘発の必要性を名目とする会話盗聴や身分秘匿捜査官の投入といった、歯止めのない捜査権限の拡大につながるおそれもあります。実行前の準備行為を犯罪化することには、捜査法の観点からも極めて慎重でなければなりません。


Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする   必要ない。

(1)公式統計によれば、組織犯罪を含む日本の過去15年間の犯罪情勢は大きく改善されています。日本は依然として世界で最も治安の良い国の1つであり、膨大な数の共謀罪を創設しなければならないような状況にはありません。今後犯罪情勢が変化するかもしれませんが、具体的な事実をふまえなければ、どのような対応が有効かつ適切なのかも吟味できないはずです。具体的な必要性もないのに、条約締結を口実として非常に多くの犯罪類型を一気に増やすべきではありません。
(2)そればかりでなく、広範囲にわたる「共謀罪」の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。


Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、   有効なテロ対策。

 イスラム国などの過激派組織は、米国と共に武力を行使する国を敵とみなします。すでに、バングラデシュでは日本人農業家暗殺事件と、日本人をも被害者とする飲食店のテロ事件がありました。シリアではジャーナリストの拘束がありました。安保法制を廃止し、武力行使をしない国であると内外に示すことこそが、安全につながる方策です。


 確かに、今回の共謀罪法案は、「広範囲にわたる『共謀罪』の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。」、というものです。
 この「声明」は、共謀罪法案の問題点を確認させます。
 あらためて、次の理由により共謀罪法案に強く反対します。


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。
Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。
Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。
Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする必要ない。
Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、有効なテロ対策。


 以下、「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」の引用。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-24 11:48 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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