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辺野古の埋め立て承認について、沖縄県が「撤回」を検討。

 東京新聞は2017年1月14日、標題について次のように報じた。


(1)米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設を巡り、同県の謝花喜一郎知事公室長は十三日、辺野古の埋め立て承認の「撤回」処分を具体的に検討していることを明らかにした。昨年末の沖縄県の最高裁敗訴を受け、埋め立て承認の効力が回復。政府は辺野古で海上作業を進めており、県は対抗策の検討を急いでいる。
(2)翁長雄志(おながたけし)知事は二〇一五年十月、前知事の埋め立て承認には瑕疵があるとして「取り消し」処分を行った。承認前の事情を理由に行う取り消しに対し、撤回は承認後の事情の変化を理由に行使が可能とする。いずれも、同じ効力があるという。
(3)謝花氏は県庁で、早急な承認撤回を求める市民団体と面会。最高裁での敗訴を踏まえて「より効果的な方法で承認撤回を行う必要があるだろうと考え、検討している」と明言した。具体的には、県弁護団や県を支援する学識者から「事情変化」という撤回要件に関し情報収集すると説明した。
(4)翁長氏は最高裁敗訴後も、あらゆる知事権限を駆使して辺野古移設を阻止する考えを鮮明にした。撤回要件に関し、県は一三年十二月の承認後に沖縄の各選挙で辺野古反対の民意が示された事実を「事情変化」の一つとみなす。埋め立て承認の際に留意事項として付けた「事前協議」の手続きに、政府が応じていないのも「理由になり得る」(県幹部)との立場だ。ただ「撤回」の前例が乏しく、手続きの現実性を疑問視する声もあり「慎重に検討をしている」(謝花氏)という。


 今後の辺野古の新基地建設反対の中で、埋立処分「撤回」が中心課題の一つとなる。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-14 18:13 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月14日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 琉球新報の「米軍は2015年8月にも津堅沖でパラシュート降下訓練を無通知で実施した。その際も『事務的ミスがあった。謝罪したい』としていた。」との記事を今回の「在沖米海兵隊は13日、琉球新報の取材に『仮通知の手続きで日程のミスがあった』と説明した。」(琉球新報)の記事と一緒に読むと、ことの問題の本質が、米軍の姿が見える。まして、「沖縄防衛局は13日、県やうるま市など関係機関に、無通知の降下訓練実施について『通知の不備があった』と説明した。県などによると『不備』の具体的な内容の説明はなかった。」(琉球新報)、と続けると日本政府の姿が見える。
 だから、琉球新報はその社説(2017年1月14日)で、「通知なし降下訓練 責任は容認する政府にある」、と糾弾する。


 2017年1月14日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-突起物付き浮具を海上へ 辺野古新基地建設 市民約90人が抗議-2017年1月14日 11:11


琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は午前9時すぎ、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜に並べていた突起物付きの浮具(フロート)を作業船で海上に引き出す作業を始めた。突起物付きのフロートを引いた作業船は大浦湾内を移動した。一方、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前付近では午前7時から、新基地建設に反対する市民らが座り込んだ。参加人数は最大で約90人。市民らは大浦湾の一部が見渡せるキャンプ・シュワブの第3ゲートに移動して『カヌー隊頑張れ』『弾圧に負けるな』『沖縄防衛局は作業をやめろ』などと声を上げた。」、と報じた。


(2)琉球新報-米軍、誤った日程を伝達 うるま降下訓練、県が抗議-2017年1月14日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「うるま市津堅沖で12日に米軍が無通知でパラシュート降下訓練をした問題で、訓練区域を管理する在沖米海兵隊は13日、琉球新報の取材に『仮通知の手続きで日程のミスがあった』と説明した。米軍によると降下訓練を12日に実施する予定だったが、13、14日に実施すると日本側に誤って通知した。一方、県はSACO(日米特別行動委員会)最終報告に沿って、伊江島だけで降下訓練を実施するよう求めており、県の要求に反する形で訓練を強行していた。県は13日、池田竹州基地防災統括監が沖縄防衛局の伊藤晋哉企画部長に電話で抗議した。」
②「池田氏は抗議で『漁業者をはじめ県民の安全・安心を脅かすもので、無通知での降下訓練は大変遺憾だ』とし、原因究明と再発防災策の策定に努め、公表するよう求めた。その上で『降下訓練はSACO合意に沿って伊江島で行うよう配慮してもらいたい』と求めた。」
③「訓練を実施した米空軍は、訓練内容や伊江島で降下訓練を実施しない理由について、13日も琉球新報の質問に回答していない。」
④「沖縄防衛局は13日、県やうるま市など関係機関に、無通知の降下訓練実施について『通知の不備があった』と説明した。県などによると『不備』の具体的な内容の説明はなかった。県幹部は『降下訓練時には周辺を民間の船が通っていたと聞いた。通知の間違いでは済まない』と反発した。」
⑤「米軍は2015年8月にも津堅沖でパラシュート降下訓練を無通知で実施した。その際も『事務的ミスがあった。謝罪したい』としていた。沖縄防衛局は13日、中嶋浩一郎局長がうるま市役所を訪ね、島袋俊夫市長に陳謝した。県への訪問はなかった。¥


(3)沖縄タイムス-辺野古新基地:防衛局の海上作業確認 フロートに棒を固定-2017年1月14日 12:57


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設で14日午前、沖縄防衛局の作業船が辺野古沖で突起物の付いたフロートを砂浜から引き出す様子が確認された。またフロートに、棒のようなものが数メートルごとに固定された。一方、新基地建設に反対する市民らは午前7時ごろからキャンプ・シュワブゲート前に座り込み抗議行動を展開。午前9時半ごろには辺野古沖が見渡せる3ゲートに移動し、海上で抗議行動をしているカヌー隊のメンバーに『弾圧に負けるな』と激励した。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-米軍事件対策に地元意向反映 新協議機関、沖縄県が政府に要求へ-2017年1月14日 09:47


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍による重大な事件・事故が発生した際、再発防止などの対策に沖縄県の意見を反映させるため、翁長雄志知事が国に求める新たな協議の仕組みの骨格が13日、分かった。事故後、地元から聴取した意見や要望を政府と県の新たな協議会で検討、そこで作成した案を再び地元に投げ返しさらなる意見を求める。被害を受けた地元の意向が日米両政府の再発防止策などに、より明確に反映される仕組みを目指す。」
②「現在、米軍の事件・事故が発生した際の原因究明などに県が関与する仕組みはなく、実現すれば実効性ある再発防止策の構築や事故原因の検証への県の主体的な関与が期待できる。県は最終的な案の作成を急いでおり、2月上旬を目標に知事が上京し、政府に求める方針だ。」
③「県の案は、事件・事故が発生した際、当該市町村と県、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所、米軍が集まり、事件・事故の情報や原因を共有。『地元意見』をまとめた上で、首相官邸、外務、防衛などの関係省庁と県による新たな協議の場で再発防止や米軍への対応などを検討し、再び地元に案を示すという双方向の仕組みを目指す。」
④「米軍は昨年12月のオスプレイ墜落後、原因究明がなされないまま飛行と空中給油訓練を再開した。知事は再開を認めた日本政府を『安易に米側の説明を追認した』と批判。重大事故発生時には『沖縄が(間に)入らないと納得するのは難しい』として原因究明などの過程に県民の意見を反映させる仕組み作りの必要性を強調していた。」(大野亨恭)




by asyagi-df-2014 | 2017-01-14 17:46 | 沖縄から | Comments(0)

オスプレイ空中給油再開の暴挙は許されない。(2)-地方紙4紙から-

 米軍は2017年1月6日、安倍晋三政権の後押しの基に、オスプレイ空中給油再開を平然と行った。
 2017年1月6日及び7日付けの社説や論説でこの問題に触れた新聞社は、地方紙だけであった。
 沖縄県の2紙以外では、中国新聞は「オスプレイ空中給油、再開容認、納得できない」、茨城新聞は「空中給油訓練 再開容認は撤回すべきだ」、河北新報「オスプレイ運用再開/最優先すべきは住民の安全」、新潟日報は「空中給油再開 事故原因究明が先である」、とこの問題への米軍と政府の対応を批判的に論評した。
各紙の社説・論評から、「オスプレイ空中給油再開」を考える。
今回は、沖縄以外のこの四紙から見てみる。
各四紙の主張等は、次のとおりである。


Ⅰ.主張
(中国新聞)
(1)事故原因も調査中で特定されていない段階だ。十分に安全性が確保されたとは言い難い。反対する沖縄県民の声も無視した訓練の再開である。到底理解できない。
(2)政府が「安全に給油を実施する準備が整った」と強調しても、沖縄住民の納得は得られまい。最終的な原因理解を待たずに、訓練を強行する米軍と、いうがままに受け入れる日本政府の姿勢に疑問がある。そもそも日本側は、事故機の主要部分は米軍が回収したため、実際には見ていない。日米地位協定にも阻まれ、事故原因の究明に関与できていない。米側の説明だけを根拠にして、どうやって国民の安全に責任を負うのだろう。再開の判断を見直すべきである。
(3)普天間を拠点にする海兵隊のオスプレイは岩国基地(岩国市)に煩雑に飛来し、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地で定期整備も始まる。その陸自も17機を導入し、東京都の米軍横田基地には空軍が配備する計画だ。低空飛行訓練ルートは九州から四国、東北地方まで広範囲に設定されているとされる。安全性に疑問の残るオスプレイが、日本各地の空を飛び回るようになる現実を直視しなければならない。沖縄だけの問題で済ませてはならない。


(河北新報)
(1)まだ不時着事故の原因究明が終わっていないというのに、である。在日米軍はきのう、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の新型輸送機オスプレイによる空中給油訓練を再開させた。事故再発への不安はもちろん、訓練どころか配備自体に強く反対してきた沖縄県民の声を無視する日米両政府への怒りは爆発寸前だろう。翁長雄志知事は「米軍の要求を最優先する姿勢は信頼関係を損ねる」と憤りをあらわにした。当然である。なぜ今、そんなに急がなければならないのか、理解に苦しむ。
(2)残念ながら、日米地位協定が立ちはだかって、日本側は事故捜査や調査に関与できない。だからといって、米軍の主張をうのみにするだけでは無責任のそしりは免れない。事故防止のためにも協定の見直しに踏み込むべきだ。
(3)選挙期間中、日本に対して米軍駐留経費の負担増を唱えたトランプ次期米大統領の登場と無縁ではあるまい。給油訓練再開をのんだ背景には新政権を刺激するのは得策ではない、との官邸の思惑も働いただろうが、日本の態度はあまりにも腰が引けている。
(4)「沖縄に戦後71年も基地を押しつけて、まだ犠牲を強いるのか」-。このままでは県民の反基地感情が、手を付けられないほど燃え上がりかねない。オスプレイは本土も飛行している。最優先すべきは、住民の安全確保である。


(茨城新聞)
(1)事故原因の調査が終わってもいないのに、なぜ日本政府は訓練再開を認めたのか。到底受け入れられない決定である。米軍は昨年12月13日に、空中給油の訓練中に沖縄県名護市の沿岸に不時着、大破する重大事故を起こした新型輸送機オスプレイによる給油訓練を再開すると日本側に伝達、政府は容認した。事故からまだ1カ月もたっていない上、米側は「事故調査は継続中」としている。安倍晋三首相は先のハワイ・ホノルルでのオバマ米大統領との首脳会談で「安全確保と情報提供」を求めたはずだ。今回の対策説明で、何を根拠に政府が「安全に空中給油を再開する準備は整った」と判断したのか。大いに疑問だ。
(2)安倍首相は、国民の生命と財産を守るのが国家の役割だとしばしば強調する。だが見切り発車のような訓練再開の容認は国民の生命を軽視するものではないか。少なくとも事故原因の最終調査結果が出るまで再開容認を撤回すべきだ。
事故は沖縄本島沖の空域で、夜間の給油訓練中に発生した。だが米軍は事故からわずか6日後に飛行を全面再開し、日本政府はこれを容認した。そして今回の空中給油訓練の再開である。
(3)沖縄では米軍普天間飛行場の移設が計画される名護市辺野古沿岸部の埋め立てを巡り、承認を取り消した県側の敗訴が最高裁で確定した直後に政府は工事を再開した。沖縄県の意向を無視する対話なき強行策は対立を深めるばかりだ。


(新潟日報)
(1)沖縄の不安は全く解消されていない。県民感情を踏みにじる行為と言わざるを得ない。
(2)米軍はプロペラがホースに接触した原因について「搭乗員の資質や乱気流、降雨などが影響した可能性を調べている」と説明するにとどまっている。米軍は機体に問題はないとして、事故の6日後に飛行を再開した。給油訓練については、パイロットの教育や、地上でのシミュレーションなどを完了し、再開準備が整ったとした。だが、事故の原因を完全に究明しなければ、再開の準備などできるはずがない。
(3)夜間の給油訓練は、機体同士の間合いの取り方などで、特に高い技能が必要だ。短期間で向上させることができたのか。米軍は今後も給油訓練は陸地の上空では実施しないとしている。だが、先月の訓練も洋上で行われたのに、人家への墜落という最悪の事態を招きかねなかった。洋上ならば安全とは言えないのだ。米軍がやらなければならないのは事故調査だ。そして再発防止策を講じ、県民に説明し、理解を得るのが筋である。それまで給油訓練をしないように求めたい。
(4)日本政府の容認判断は、看過することができない。菅義偉官房長官は「事故防止に有効と認められる対策を幅広く取っていると認められた」と、理由を述べた。しかし、在日米軍の法的な地位を定めた日米地位協定が壁となり、政府は主体的な事故調査をほとんどしていない。菅氏は給油訓練の実施状況について、米軍に照会する考えはないとした。これでは県民に対して、あまりにも無責任ではないか。
(5)対立をこれ以上深めないために、政府は沖縄県としっかりと向き合うべきである。


Ⅱ.問題点
(中国新聞)
(1)オスプレイノプロペラは大きい。水平にした固定翼モ-ドから垂直離着陸モ-ドにプロペラの向きを転換する際に、機体が不安定となるほど、空中給油時の危険性は一部の専門家から指摘されていた。米軍が主張するように、機体や装備に問題がなかったとしても、なぜホ-スとプロペラが接触するトラブルが起きたのか、という根本的な原因は明らかになっていない。操縦の難しさに加え、構造上の問題点も無視できないはずだ。
(2)米軍は「人的要因と乱気流などの環境要因、夜間の空中給油の複雑さが重なった可能性がある」と説明している。浦返せば、搭乗員のスキルや気象条件によっては、これからも事故は起きる可能性があるということではないか。
(3)稲田朋美防衛省は、米側の再発防衛策について「防衛省の専門的知見や経験と照らしても妥当だ」と評した。しかし、搭乗員の県連や陸上でのシュミュレ-ションなどを1カ月足らず繰り返しただけで、どれだけ安全性が担保できたのか疑問が残る。


(河北新報)
(1)「事故防止に有効と認められる対策を幅広く取っていると認められた」(菅義偉官房長官)というのが、政府が容認した理由だ。米軍による空中給油訓練に関する幅広い教育措置やシミュレーターを使った訓練が、それだという。しかし、肝心の事故原因は依然解明されていない。空中給油の際にオスプレイのプロペラが給油ホースに接触したことまでは分かっているが、根本的な原因は特定されず、米軍が現在精査中だ。搭乗員の資質や乱気流、降雨が影響している可能性を調べているという。しかし、強大なプロペラを持つが故に操縦が難しく、度々事故を起こすオスプレイに構造的な問題はないのだろうか。
(2)米軍は高圧的に映る。在沖縄米軍トップは今回の事故について、海への不時着によって惨事を避けられたことを捉えて、「操縦士は感謝されるべきだ」と言い放った。どれだけ沖縄県民の感情を逆なでしたことか。自国の軍事上のメリットには目をつぶり、「日本を守ってやっているのに、文句を言われる筋合いではない」と言わんばかりである。


(茨城新聞)
(1)問題点を三つ挙げたい。一つ目は、事故に対して日本独自の調査が行われなかったという点だ。海上保安庁は航空危険行為処罰法違反の容疑で捜査するため協力を申し入れたが、米軍は応じなかった。機体の主要部分は米軍が回収してしまった。米軍関連の事件事故では日米地位協定の下、同様の事態が繰り返される。周辺住民の不信や不安、基地への反発を一層募らせることになろう。
(2)二つ目は、米側の原因説明が納得できるものではないという点だ。事故は空中給油中にオスプレイのプロペラと給油ホースが接触して発生した。米側はオスプレイの機体に構造的、機械的な問題はなかったと説明。搭乗員間の意思疎通などの人的要因と、乱気流などの環境要因に、「夜間の空中給油の複雑さが重なり」事故が起きた可能性があるとしている。しかしこの説明では、人的、環境的な要因が重なれば今後も事故が起きる可能性があるということではないか。日本政府がなぜこの説明を受け入れたのか疑問だ。
(3)三つ目は、日米同盟を理由に米軍を優先する姿勢だ。米側は「搭乗員は空中給油の技能と練度を維持する必要がある」と説明したが、これは軍の都合にすぎない。
防衛省は「飛行の安全確保が大前提だが、空中給油の重要性を理解する」と訓練再開容認の理由を説明した。パイロットの教育や地上でのシミュレーションなど1カ月にも満たない対応策で十分だと認めたのは納得できない。


 確かに、地方紙四紙が主張する次の四点が重要になる。


Ⅰ.そもそも日本側は、事故機の主要部分は米軍が回収したため、実際には見ていない。日米地位協定にも阻まれ、事故原因の究明に関与できていない。米側の説明だけを根拠にして、どうやって国民の安全に責任を負うのだろう。再開の判断を見直すべきである。(中国新聞)
Ⅱ.普天間を拠点にする海兵隊のオスプレイは岩国基地(岩国市)に煩雑に飛来し、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地で定期整備も始まる。その陸自も17機を導入し、東京都の米軍横田基地には空軍が配備する計画だ。低空飛行訓練ルートは九州から四国、東北地方まで広範囲に設定されているとされる。安全性に疑問の残るオスプレイが、日本各地の空を飛び回るようになる現実を直視しなければならない。沖縄だけの問題で済ませてはならない。(中国新聞)
Ⅲ.残念ながら、日米地位協定が立ちはだかって、日本側は事故捜査や調査に関与できない。だからといって、米軍の主張をうのみにするだけでは無責任のそしりは免れない。事故防止のためにも協定の見直しに踏み込むべきだ。(河北新報)
Ⅳ.対立をこれ以上深めないために、政府は沖縄県としっかりと向き合うべきである。(茨城新聞)


 最後に、「沖縄に戦後71年も基地を押しつけて、まだ犠牲を強いるのか」(河北新報)、この問題の根本の一つは、ここにある。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-14 09:08 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月13日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 沖縄タイムスは、「オスプレイ事故1カ月 沖縄で不安が消えない3つの理由」を報じます。
 その理由を箇条書きすると次のようになります。

Ⅰ.住民悩ます夜間騒音
 1.夜10時以降もお構いなし
 ⅱ.住宅真上を何度も通過
 ⅲ.児童が不眠になり学校欠席
 ⅳ.ハワイでは死亡事故も
 ⅴ.エンジン出力が一時低下
 ⅵ.揚陸艦への着艦に失敗
Ⅱ.「異変」訴える声も
 ⅰ.ストレスか…胃に穴が空き子牛死ぬ
 ⅱ.飛行の翌朝、ぶよぶよの卵
 ⅲ.沖縄県が低周波音を調査
Ⅲ.他地域と異なる対応
 ⅰ.ハワイでは住民の声に配慮
 ⅱ.佐賀への訓練移転あっさり断念

 このようにその悲惨な実態や歪な政治手法がが明らかになっているにもかかわらず、沖縄の民意が無視されるのはなぜでしょうか。
 そこには、誰が考えても、日本の政府のあり方や日本の司法のあり方に問題があることは、明らかではないでしょうか。
 せめて、沖縄の地方行政者がその民意を守ろうとすることでしか、沖縄の現実は維持できていないのではないでしょうか。
 安倍晋三政権は、自らの過ちを補う地方行政者達を、むしろ大事に支えることこそが、本来の使命であるのです。
安倍晋三政権には、真摯な見直しが必要です。


 2017年1月13日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「山城議長の早期釈放を」 鎌田さん、落合さんら都内で訴え-2017年1月13日 07:30


 琉球新報は、「名護市辺野古への新基地建設や東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設への反対運動に絡み逮捕・起訴され、80日以上身体拘束が続く沖縄平和運動センターの山城博治議長らの釈放を求め、ルポライターの鎌田慧さん、作家の落合恵子さん、評論家の佐高信さんが12日、東京都内で記者会見を開いた。12月中旬から呼び掛けている署名は66カ国から1万6528筆が集まったことも紹介。署名を今月中に那覇地裁へ提出する。」、と報じた。
 また、「鎌田さんらは『こういう形でリーダーを長期勾留して運動をつぶす。これは絶対に認められない』と訴えた。署名はインターネットなどで運動を展開した。」、と伝えた。


(2)琉球新報-米空軍、うるま津堅沖で通知なく降下訓練 「伊江島集約」を無視-2017年1月13日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米空軍は12日午前11時すぎ、うるま市の津堅島訓練場水域で、県や市へ通知なくパラシュート降下訓練を実施した。落下物には兵士以外に黒い物資のような物も見られた。訓練水域周辺では民間の漁船などが航行する姿も確認された。県やうるま市は従来、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告に基づいて海域での訓練を伊江島に集約するよう求めてきたが、地元の要請は再び無視された。一方、米航空局は11日、米空軍嘉手納基地内で17日に複数の投下訓練の予定を公表したが、12日になって削除している。津堅島沖での降下訓練は2015年8月以来でSACO合意後8回目。」
②「午前11時7分、米空軍MC130特殊作戦機から七つのパラシュートの塊が降下した。そのうち兵士は6人、残る一つは黒い物資でパラシュートが二つ付いていた。その後、兵士らはボートに乗って、周辺海域を約3時間半航行した後、米軍ホワイトビーチに上陸した。黒い物資は兵士が乗るボートだったとみられる。米軍がこの訓練水域で訓練する場合は、沖縄防衛局に事前通知しなければならない。本紙は米海兵隊や米空軍に、通知しなかった理由や津堅島周辺海域で訓練した理由を尋ねたが、12日中に回答はなかった。
③「一方、米航空局は11日、サイト上で『米軍が17日に嘉手納基地で高度3千メートル以上の上空から複数の投下訓練を実施する。午前6時から9時、正午から午後2時までの間、嘉手納基地の2本の滑走路が降下訓練により制限される』と記載していた。だが12日午後7時現在、サイト上の記述はなくなっている。」
④「関係自治体は12日、沖縄防衛局を通じて訓練の確認を急いだが『詳細は分からない』との回答だった。」
(上江洲真梨子、清水柚里)


(3)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>工事完了は8月ごろ 返還式典から半年以上遅れる-2017年1月13日 08:37


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「東村高江周辺のヘリパッド建設で、G地区と宇嘉川河口部を結ぶ『歩行訓練ルート』を含む工事全体の完了時期について、沖縄防衛局が周辺自治体や高江区に、8月ごろになるとの見通しを伝えていたことが12日、分かった。政府は昨年内に工事を終えるとし、昨年12月に米軍北部訓練場の返還式典を行ったが、実際の工事完了時期は半年以上遅れる格好だ。」
②「一方、G地区への進入路に関し、防衛局は赤土防止対策の変更通知書を県に提出する構え。市民らによると、N1、G、H各地区の四つのヘリパッドは完成しているが、歩行訓練ルートやG地区進入路の整備が終わっていない。同進入路の両側には、いったん砂利が敷き詰められたが、返還式典後、赤土流出防止柵が設置された。市民側は敷き詰めた砂利を剥がし、工事をやり直すとみているが、防衛局は本紙の取材に『米軍の当面の運用に必要なので砂利を敷き詰めた。工事やり直しではなく、補強工事を行っている』と回答した。」
③「土木技術に詳しい男性は『式典に間に合わせるために、形だけ敷き詰めているのが明らか』とした。」


(4)沖縄タイムス-オスプレイ事故1カ月 沖縄で不安が消えない3つの理由-2017年1月13日 07:00


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、名護市安部の海岸で大破した事故から1カ月。原因が判明しないまま、事故につながった空中給油訓練が再開されました。飛行中止を求める県の訴えは届かず、地元の不安は高まるばかりです。これまでの事故や騒音被害など、オスプレイをめぐる沖縄タイムスの記事をまとめました。(沖縄タイムス+プラス編集部)

Ⅰ.住民悩ます夜間騒音

1.夜10時以降もお構いなし

 日米の航空機騒音防止措置では午後10時以降の飛行が制限されていますが、普天間飛行場周辺では2016年6月に3日連続でオスプレイなどが深夜に飛行。普天間中学校では6月8日午後10時46分ごろ、ゲームセンター店内に相当する最大88.5デシベルの激しい騒音を記録しました。

・普天間 オスプレイなど3日連続、夜10時以降の飛行(2016年6月12日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/4709
・オスプレイ夜間飛行2.3倍 前年度60回から137回に 防衛局調査(2015年10月8日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/19571

ⅱ.住宅真上を何度も通過

 沖縄県宜野座村城原区では、住宅上空を何度も飛行するオスプレイに悩まされています。2016年7月25日夜には、住宅真上を12回通過。「うるさくて眠れないし、無灯火で、墜落しないか不安だ」と住民。自宅のテーブルやいすも震え、「振動もひどい」と怒りの声を上げました。

・オスプレイ3機、夜間に低空飛行 沖縄・宜野座で100デシベル超(2016年7月25日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54745
・「正直怖かった…」オスプレイつり下げ訓練 現場にいた記者の視点(2016年12月10日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75145

ⅲ.児童が不眠になり学校欠席

 ヘリパッド周辺の騒音が激化する沖縄県東村高江。児童が睡眠不足になり学校を欠席するケースも出てきました。2016年6月20、21の両日には、オスプレイの低空飛行訓練が深夜11時近くまで行われ、「騒音がひどく子どもたちが寝付けない」と住民。村は沖縄防衛局に2度にわたって抗議しました。

・オスプレイ騒音で児童不眠、学校欠席も 沖縄・東村が抗議(2016年6月22日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/33290
・夜7時~朝7時の米軍機騒音、6月は383回も 沖縄・東村(2016年7月20日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54520

ⅳ.ハワイでは死亡事故も

 2015年5月、ハワイで訓練中のオスプレイが着陸に失敗して炎上。米海兵隊は「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」と公式発表しましたが、米主要メディアは「クラッシュ(墜落)」と報じました。乗員2人が死亡、20人が負傷しました。

・米でオスプレイ着陸失敗 1人死亡21人搬送(2015年5月19日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/14376
・オスプレイ事故、死者2人に ハワイ18人は退院(2015年5月22日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/14504
・オスプレイ事故、砂が原因? 米海兵隊が規則変更(2015年7月19日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/16676

ⅴ.エンジン出力が一時低下

 2014年10月、ペルシャ湾で米海兵隊オスプレイが強襲揚陸艦から離艦直後に一時的にエンジン出力が低下。パイロットが制御を回復し着艦しましたが、乗員2人が海へ脱出。うち1人が行方不明に。

・オスプレイ発艦直後に失速 ペルシャ湾1人不明(2014年10月3日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/44664
・「まれではない」オスプレイ失速でリボロ氏(2014年10月4日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/44680

ⅵ.揚陸艦への着艦に失敗

 2015年12月、米カリフォルニア州沖で輸送揚陸艦への着艦に失敗。機体の損傷が最も激しい「クラスA」の事故に分類されました。オスプレイは揚陸艦のふちに車輪が引っ掛かる形で止まり、「海に落ちかるかと思った」という乗組員の声も。

・オスプレイ 米で着艦事故 カリフォルニア州沖合で訓練中(2015年12月14日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/21916
・「海に落ちるかと…」 オスプレイ損傷は最大級2.4億円超(2015年12月15日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/21954


Ⅱ.「異変」訴える声も

ⅰ.ストレスか…胃に穴が空き子牛死ぬ

 2016年7月、沖縄県宜野座村の米軍ヘリパッド近くの牛舎で死んだ子牛。畜産農家は「約40年やっているが胃潰瘍で死んだのは初めて。原因はオスプレイの騒音以外に考えられない」と話します。区長も「養鶏場も産卵が少なくなり、早産で商品にならない」と指摘。区では、民間地に近いヘリパッドの使用禁止を米軍に求めることを決めました。

ストレスか…胃に穴が空き子牛死ぬ 沖縄・宜野座村(2016年12月27日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/77551

ⅱ.飛行の翌朝、ぶよぶよの卵

 同じ宜野座村の養鶏場。「オスプレイが夜飛ぶと、殻のないぶよぶよの卵が交じる」と経営者の男性は言います。ニワトリは音に敏感で、オスプレイが飛ぶと一斉に暴れだすとのこと。「動物は物を言えないけど、被害は大きいよ」

・飛行の翌朝、ぶよぶよの卵 沖縄・宜野座村の養鶏場(2013年8月6日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79402

ⅲ.沖縄県が低周波音を調査

 低周波音による健康への影響も懸念されるとして、2014年4月には沖縄県が普天間飛行場周辺と伊江島で調査。防衛局が示す環境保全の目標値を超過していることが確認されました。低周波音については明確な環境基準はありませんが、専門家は「影響は深刻で、問題視すべきだ」と指摘しました。

・オスプレイ低周波音 環境値超え「影響深刻」(2014年4月9日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/38596

Ⅲ.他地域と異なる対応

ⅰ.ハワイでは住民の声に配慮

 オスプレイ配備をめぐっては、沖縄と他地域との「二重基準」も指摘されています。ハワイでは2012年に米軍が住民の求めに応じ、2空港での訓練計画を取り下げました。遺跡や野生生物に配慮するためです。米軍は各地で公聴会を開き地域の不安に耳を傾けるなど、強行配備された沖縄との対応の違いが浮き彫りになりました。

・オスプレイ、ハワイ2空港での訓練計画中止 遺跡や野生生物に配慮(2012年8月13日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79401
・オスプレイ配備、住民の声に耳を傾けるハワイ 沖縄と際立つ差(2012年10月1日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79398

ⅱ.佐賀への訓練移転あっさり断念

 2015年10月、米軍普天間飛行場所属オスプレイの佐賀空港への訓練移転を取り下げました。地元の反対があったためです。「地元の了解得るのは当然」と菅官房長官。沖縄では2013年1月に全41市町村長がオスプレイ配備撤回を求める「建白書」を提出しましたが、一顧だにされませんでした。

・佐賀オスプレイ見送り報道 沖縄との差に知事あ然(2015年10月29日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/20283
・政府、佐賀への米軍オスプレイ訓練移転を断念(2015年10月30日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79419
・米オスプレイ:佐賀は地元反対で断念、沖縄は強行(2015年10月30日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/20309

(5)沖縄タイムス-「密約」で米施政権確認 復帰前の日米外交文書公開-2017年1月13日 07:57


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄の本土復帰前に、対沖縄援助の協議機関として設置された日米協議委員会の機能拡大が1965年4月に日米両政府で合意された際、サンフランシスコ平和条約第3条に基づく米国による施政権を変更するものではないとする不公表の覚書が交わされていたことが12日に公開された外交文書で明らかになった。覚書の内容は米側からの一方的な通報との形式で、日本政府は事前交渉で内容を承諾し、機能拡大の合意文書に付随する覚書として交わされた。」
②「機能拡大の合意文書は同年1月の佐藤栄作首相とジョンソン米大統領による共同声明の表現を引用。琉球諸島に対する経済援助にのみならず、『住民の安寧の向上を図るために日米両国が協力しうるほかの事項についても協議しうるよう拡大する』との文言で拡大範囲を定義しない表現で合意。その上で(1)合意は平和条約第3条による米国の権利を変更するものでないこと(2)協議委員会の議題は事前協議し、協議会の討議内容は両者が合意したものを除き秘密とする-の2点が米側から通報され、同文書は『極秘とし、外部には発表しない』ことが確認された。日本側は、討議内容ができるだけ広くすることに賛成の立場で、同委員会を施政権返還の交渉の場とする考えはないことを事前に米側に伝えていた。」
③3月30日の『極秘』文書では、交渉経過の報告を受けた佐藤氏も協議委の機能拡大に関して、『米国政府も日本政府の意見には率直に耳を傾けるべきだ』とし、県民の生活面の向上などへの一層の協力を求める考えを米側に伝えていた。」


(6)沖縄タイムス-オスプレイ墜落から1カ月 飛行再開に反発強まる-2017年1月13日 07:53


 沖縄タイムスは、「米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に墜落して13日で1カ月となった。米軍は事故原因の究明をしないまま、わずか6日後に飛行を再開。年明けの1月6日には墜落の直接的な原因となった空中給油訓練も再開した。日本政府は米側の説明を一方的に容認し、県内からは日米両政府に強い反発の声が上がっている。」、と報じた。
 また、「事故翌日の昨年12月14日、翁長雄志知事は政府に強く抗議し、飛行停止と配備撤回を求めた。飛行と訓練を強行的に再開した米軍と、追認した日本政府に知事は『国家権力が一地方自治体を無視する恐ろしさを感じる』と痛烈に批判した。」、と報じた。
 さらに、「県が中止を求めた米軍北部訓練場の返還式典を国は12月22日に予定通り実施。知事は式典を欠席し、同日開かれたオスプレイ事故の抗議集会に参加するなど、国への反発を強めている。」、と伝えた。


(7)沖縄タイムス-オスプレイ落雷 菅官房長官「事実関係を確認中」-2017年1月13日 05:00


 沖縄タイムスは、「2014年にオスプレイが落雷にあったのは普天間飛行場で駐機中とした当初の説明と異なり、宮崎県上空を飛行中だったことが明らかになったことについて、防衛省は発生場所を正確に把握していなかった。菅義偉官房長官は12日の会見で『事実関係を確認中で、米軍側に照会を行っている』と述べた。」
 また、「防衛省によると、米軍からは『着陸後、通常のメンテナンスをした際に、オスプレイが落雷にあったとみられる形跡がみつかった。日時の特定は難しい。落雷を受けても安全に運用できる構造になっている』との説明を受けていたが、米側から最終的な調査報告書は受けていなかったという。米側に報告書などの提供を求め、事実確認を急いでいる。」、と報じた。
 さらに、「名護市安部の海岸にオスプレイが墜落し、原因が究明されないまま飛行や空中給油訓練が再開されたことに沖縄からの不安や反発の声が根強い。菅氏は『(空中給油)訓練中にオスプレイのプロペラに空中給油機のホースが絡まったことが要因だった。さらに住宅上空では(空中給油)訓練は行わないなど、さまざまなことを確認しながら(関係自治体に)説明をしている』と述べた。」、と伝えた。


(8)沖縄タイムス-辺野古新基地:座り込み922日目 ブイの投げ込み確認-2017年1月13日 12:11


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設で、辺野古沖では13日午前、作業船を拠点に潜水したり、オレンジ色のブイ(浮標)を投げ込んだりする作業が確認された。海底のコンクリートブロックに目印を付ける作業とみられる。一方、米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、新基地建設に反対する市民ら約30人が集まり、雨が降り続く中で922日目の座り込みをした。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-日米地位協定の軍属範囲 政府間協定、来週署名へ-2017年1月13日 11:06


 沖縄タイムスは、「元米海兵隊員で軍属による暴行殺害事件を受け、日米両政府が見直しを進めている日米地位協定上の軍属の範囲の明確化について、岸田文雄外相は13日の記者会見で、来週に法的拘束力のある政府間協定に日米が署名する見通しであることを明かした。」、と報じた。
 また、「岸田氏は『軍属に関する補足協定について来週早々にも署名をできるように鋭意調整中。軍属の範囲をより明確化することによって、軍属に対する米側の管理・対応も明らかになる』と説明。『結果として、沖縄における軍属などが絡む事件の発生の抑制につながることを期待したい』と述べた。軍属の中でも、技術アドバイザーやコンサルタントなどとして軍と契約した業者の従業員について、高度な知識を持つ者に限定するよう日米間で協議している。」、と報じた。


(10)沖縄タイムス-1970年、沖縄の復帰準備 民意反映は「誤解を与える」米側指摘で修正-2017年1月13日 14:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「1970年2月13日に開かれた第18回日米協議委員会で、沖縄に設置する復帰準備委員会についての発表試案では『沖縄住民の民意を十分に反映させる』「『球政府行政主席の意見を最大限に尊重する』との文言があったが米側の『誤解を与える』と指摘し、修正されたことが分かった。」
②「2月6日の事務レベル協議を記した文書に、米側の書記官が『沖縄住民にmisleadingやmisunderstanding(誤解)を与える恐れがある』と述べたと記されている。最終的には『行政主席が沖縄住民の意向を委員会に助言する』とされた。」
③「在沖米軍による軍雇用員の大量解雇問題では、日本側が基地の円滑な運用と日米関係の維持のため、沖縄に理解される対策を求めた。外交ルートで検討することで合意したが、マイヤー駐日米大使が『米議会筋などを不必要に刺激しないよう配慮することが肝要』と発言し公表しないよう申し合わせた。だが、山中貞則総務長官が記者会見で『間接雇用への切り替えなどの問題を外交ルートで話し合うことに合意した』と発表。愛知揆一外相は在米大使などへ『関連の問い合わせは否定する』との電信を送った。」
④「また、対沖縄援助額では、米側が前年比で1千万ドル以上削減したことを日本側が問題視。発表案では、返還までは米側も沖縄の福祉向上に支援するよう日本側の指摘があったが、米側が減額に触れないよう求めた。日本側は『世論は急激な削減に批判的であり、言及する必要がある』と受け入れなかった。委員会で、別に高等弁務官資金で琉球政府に援助を行う計画であると伝えられ、発表では『米国は引き続きできる限りの財政援助を行うよう希望する』にとどめた。」
 【ことば】日米協議委員会 米国の施政権下に置かれた沖縄に対する日本政府からの経済援助を調整するために1964年4月に設置された日米両政府間の協議体。71年1月まで計21回開催された。65年4月に機能を拡大。住民への旅券発給事務や、沖縄の船舶による日の丸掲揚の問題などを協議した。


(11)沖縄タイムス-[解説]日米協議委員会 沖縄の意向反映されず-2017年1月13日 14:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「1970年2月の日米協議委員会で、施政権返還を円滑に行うため日米が沖縄に設置した準備委員会について、沖縄の関与を薄めるような文言修正がされていた。削除するよう求める米側に対し、日本は『政治的に重要』と強調、変更で折り合いをつけた。日米ともに面目を保つことができたが、当事者である沖縄の意向は反映されにくくなった。」
②「協議委は、沖縄に対する経済援助について議論する場だった。65年に機能拡大を決めた会合では、佐藤栄作首相による返還発言や沖縄訪問などに嫌悪感を抱いた米側が立場の明確化を提案。米国の権利に影響を及ぼさないことを確認する取り決めを陰で結んだ。
69年に沖縄返還が決まり、協議委が復帰準備作業に対する全般的責任を負うことになった。70年に日本が作成した発表試案では沖縄での準備委について『沖縄住民の民意を十分に反映せしめる』などの文言が盛り込まれていたが、米側は『誤解を与える恐れがある』と削除を求めた。」
③「何が誤解なのか。当時、佐藤首相は『核抜き、本土並み』と公言していた。復帰に期待を寄せる沖縄住民に言質を与えては、米軍基地の維持など政府間交渉が難解または不利になるとの判断が働いたとみられる。最終的には『琉球行政主席が沖縄住民の意向につき委員会に助言する』となった。」
④「協議メンバーには沖縄も加わるが、実際の日米交渉に沖縄の民意が反映されにくい制度は復帰後も続く。たとえば米軍関係者の事件・事故の再発防止策について話し合うワーキングチームだ。沖縄が日米地位協定の抜本改定を求めても交渉の議題にすらのぼらない。
協議委では、日米関係や米軍基地の維持のためには沖縄の理解が必要との認識も示されていた。安全保障維持のためには、沖縄県民の協力が必要なのは現在も変わらない。復帰から45年という年月を経ても、米軍施政権下時と変わらず沖縄の意向は蚊帳の外だ。」
(東京報道部・上地一姫)




by asyagi-df-2014 | 2017-01-13 17:44 | 沖縄から | Comments(0)

オスプレイ空中給油再開の暴挙は許されない。(1)-沖縄の2紙から-

 米軍は2017年1月6日、安倍晋三政権の後押しの基に、オスプレイ空中給油再開を平然と行った。
 2017年1月6日及び7日付けの社説や論説でこの問題に触れた新聞社は、地方紙だけであった。
 沖縄県の2紙以外では、中国新聞は「オスプレイ空中給油、再開容認、納得できない」、茨城新聞は「空中給油訓練 再開容認は撤回すべきだ」、河北新報「オスプレイ運用再開/最優先すべきは住民の安全」新潟日報は「空中給油再開 事故原因究明が先である」、とこの問題への政府の対応を批判的に論評した。
各紙の社説・論評から、「オスプレイ空中給油再開」を考える。
今回は、沖縄の二紙から見てみる。
 琉球新報は、「オスプレイ空中給油 訓練再開は言語道断 危険の押し付け許されぬ」、と断罪する。
 沖縄タイムスは、「[空中給油訓練再開]県民軽視は容認できぬ」(2017年1月6日)、[空中給油訓練強行]県民無視が常態化した」(2017年1月7日)、と徹底批判する。
 この二紙の論評は次のとおりである。


Ⅰ.主張
(琉球新報))
(1)「安全に空中給油を実施する準備が整ったものであると考えられる」との容認理由は到底受け入れられない。米側の事故調査は終わっていない。にもかかわらず、危険な訓練を再開するのである。これ以上、県民が日米同盟の犠牲になるのはごめんだ。空中給油訓練だけでなく、専門家が欠陥機と指摘するオスプレイ自体を撤去すべきだ。
(2)防衛省は、米側から「空中給油が日本の防衛とアジア・太平洋地域の平和と安定にとって欠くことのできない活動」などと説明を受け「飛行の安全が確保されることが大前提ではあるが、空中給油の重要性を理解する」とした。つまり、安全確保より「空中給油の重要性」を優先させたということである。
(3)防衛省のオスプレイ訓練優先姿勢は、防衛相の「対策は妥当」とのコメントと明らかに矛盾する。許し難いのは、日本やアジア・太平洋地域のために、沖縄が犠牲になるのは当然と読める点だ。県民を愚弄(ぐろう)するにも程がある。安倍晋三首相は空中給油訓練の再開容認を受けて「米軍機の飛行安全の確保は円滑な米軍駐留の大前提だ」と述べた。首相は自身の発言に反する防衛省の見解を否定し、空中給油訓練の再開容認を撤回させるべきである。
(4)防衛省の米軍優先姿勢はまだある。陸上自衛隊が導入するオスプレイの佐賀配備で、同省は「陸自オスプレイの配備は安全の確保が大前提」とし、佐賀での空中給油訓練は実施しないとしている。米軍と陸自の違いはあれ、国民の安全を守るのは政府の責務である。政府が大前提とする「安全の確保」を沖縄に適用せず、危険を押し付けることは許されない。県民の安全を第一に考えるべきだ。
(沖縄タイムス)
(1)事故からわずか6日後の飛行再開に続く空中給油訓練の再開は、県民を愚弄(ぐろう)するものだ。到底受け入れられない。沖縄の怒りの声を無視して訓練を強行する米軍と、それを追認するだけの日本政府に強く抗議する。
(2)米軍は直後に空中給油中のトラブルによる事故だと発表している。機体構造自体に問題はなく、訓練中にオスプレイのプロペラと給油機の給油ホースが接触し、損壊して飛行が不安定になったという説明だ。空中給油訓練再開に当たり米軍は、搭乗員や整備員を対象に幅広い教育措置を講じ、シミュレーターによる空中給油訓練も十分に行ったことから準備は整った、と日本政府に説明している。菅義偉官房長官は「事故防止に有効と認められる対策を幅広く取っている」と理解を示した。だが、県民からすればとんでもない話である。そもそも、米軍は現在も事故の調査を継続中だ。最終的な結果を待たずに再開するのは、県民軽視に他ならない。
(3)沖縄側への報告もすべてが決まった後、前日になってアリバイ的に伝えただけだ。県の意見を聞く場も持たれなかった。翁長雄志知事が「怒りを禁じ得ず、強い憤りを感じる」と批判したのも当然である。
(4)事故が起きるたびに、米軍は再発防止策を講じたと一方的に宣言し、訓練が再開され、再び事故が起きる。その繰り返しだ。日本政府は常に追認するばかりで、米軍に従属しているとしか思えない。沖縄の住民の姿は見えているのだろうか。
(5)安倍晋三首相は2015年4月、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、安保法制を「夏までに必ず実現します」と米議会で約束し、「米国のリバランス(再均衡)を徹頭徹尾支持します」と明言した。リバランス政策とは外交・軍事の軸足をアジア・太平洋地域に移す政策のことである。
 首相演説は、米軍をこの地域にとめ置くため、負担の肩代わりや訓練環境の整備など、あらゆる協力を惜しまない、と宣言したのに等しい。従属的な姿勢を示しつつ、抱きついて米軍を離さない。そのようないびつな「抱きつき政策」のしわ寄せをもろに受けているのが沖縄である。米軍は、県民の生活や権利を守る義務を負っていない。その義務を負っているのは日本政府だ。だが、政府の基地政策は著しく公平・公正に欠ける。
(6)行政協定は現在の地位協定に引き継がれ、地位協定は復帰後、沖縄にも適用されたが、中身の基本は行政協定とほとんど変わっていない。地位協定や関連取り決めによって保障された基地特権、狭い島での海兵隊による激しい訓練、嘉手納基地という巨大な空軍基地の存在。世界の先進国の中で、沖縄ほど外国軍隊の駐留に伴う平時の「複合過重負担」を背負っている地域はない。一体、誰が沖縄の人々の尊厳を守り、権利を保障するのか。政府が守れなければ住民は抵抗権を行使して理不尽な政策にあらがうしかない。


Ⅱ.問題点
(琉球新報)
(1)防衛省によると、米側は人的要因と乱気流などの環境要因に、夜間の空中給油の複雑さが重なり、ホースとプロペラが接触した可能性があると説明している。人的要因、環境要因、それと空中給油の難しさが重なった末の墜落である。その一つ一つの危険要因を、墜落から1カ月もたたずに除去することは不可能だろう。
(2)米側が実施した対策は、抜本的対策には程遠い。オスプレイの全搭乗員に対して、天候や飛行条件を事故発生時と同じに設定し、空中給油の手順を確認し、陸上でのシミュレーションなどを完了したとする。だが、その具体的な成果については言及がない。「平時および緊急時において搭乗員の安全と効率性を最大化することを確認」「詳細な教育が行われた」などと自画自賛に終始している。安全が担保されたとはとても認められない。
(3)防衛省の訓練再開容認も理解できない。米側の説明をうのみにし「搭乗員同士および航空機同士の連携を向上させた」「緊急事態への対応を改善した」ことなどを理由に挙げたが、その根拠は米側の説明以外に見当たらない。最終的には「米側は接触を引き起こした可能性があるとして指摘された要因に対し、有効であると思われる対策を幅広くとっているものと考えられる」と結論付けた。だが、安全が保証されたと言い切ってはいない。「思われる」「考えられる」との表現は、安全面への不安の表れである。
(4)稲田朋美防衛相は「防衛省・自衛隊の専門的知見や経験に照らしても(対策は)妥当だ」とのコメントを発表した。だがこれも、空中給油訓練の安全を宣言してはいない。
(沖縄タイムス)
(1)米軍はこれまでも、オスプレイの機体構造には問題がないと安全性をアピールしてきた。しかし、飛行中にプロペラの向きを転換する際の機体の不安定さや、構造の複雑さに伴う操縦の難しさ、空中給油時の危険性は、かねて専門家から指摘されてきた。今回の事故について米軍は、夜間の運用に加え、搭乗員間の意思疎通などの人的要因と、風や乱気流などの環境要因が複合的に重なり、発生した可能性があるとみている。ということは、搭乗員の技量や気象条件によって、事故は今後も起こり得るということだ。
(2)リスクの高い条件下で実戦に備えるという軍事訓練の性格上、この程度の対策で「安全は確保された」と言われても、納得できるはずがない。住民が求める安心・安全と、軍隊の論理に基づく「安全」は、あまりにも乖離(かいり)している。
(3)県のまとめでは、1972年の本土復帰後、県内で発生した米軍機墜落事故は47件に上る。単純に計算すると年1回を超えるペースだ。狭い沖縄で生活圏と基地が隣り合わせの状況が続く限り、どこに落ちても不思議ではない。


Ⅲ.疑問
(沖縄タイムス)
(1)事故原因にかかわる最終調査も終わっていないのに防衛省は、6日以降、垂直離着陸機MV22オスプレイの空中給油訓練を再開する、と発表した。ところが、米軍はその日、実際に実施したかどうかさえ明らかにしなかった。
 米軍と政府は住民の不安解消と再発防止に責任を持たなければならない。にもかかわらず県に対し、再開したかどうかの連絡すらなかったという。政府サイドから訓練再開の情報が漏れ伝わったのは夜も遅くなってからである。なぜ米軍はこれほどまでにかたくななのか。なぜ政府は住民には向き合わず米軍の意向ばかり優先するのか。
(2)住民の主張と米軍の論理が対立する場面では、政府の基地政策はおおむね、米軍寄りの対応に終始してきた。なぜ、政府は米軍に対して従属的な対応を取り続けるのか。
 その理由の一つが「抱きつき政策」にあることは、先に触れた。さらに、もっと根の深い事情もある。国際問題研究家の新原昭治さんが米解禁文書をもとに明らかにしたところによると、今からちょうど60年前の1957年2月、東京のアメリカ大使館から国務省あてに、在日米軍基地に関する次のような報告がもたらされた。「日本での米国の軍事活動の規模の大きさに加えて、きわだつもう一つの特徴は、米国に与えられた基地権の寛大さにある」。「行政協定のもとでは、新しい基地についての要件を決める権利も、現存する基地を保持し続ける権利も、米軍の判断にゆだねられている」


 「地位協定」が根本的な問題を孕んでいるにもかかわらず、日本政府から米国への働きかけがなんら行われていない。
 実は、戦後の米国と日本の間の関係を規定したのが、「行政協定」である。この「行政協定」は、「行政協定のもとでは、新しい基地についての要件を決める権利も、現存する基地を保持し続ける権利も、米軍の判断にゆだねられている」(国際問題研究家の新原昭治)という性格を持つものであるが、この行政協定は現在の地位協定に引き継がれ、「地位協定は復帰後、沖縄にも適用されたが、中身の基本は行政協定とほとんど変わっていない。」(沖縄タイムス)、というのが実態である。
 このことが、沖縄タイムスの「住民の主張と米軍の論理が対立する場面では、政府の基地政策はおおむね、米軍寄りの対応に終始してきた。なぜ、政府は米軍に対して従属的な対応を取り続けるのか。その理由の一つが『抱きつき政策』にあることは、先に触れた。さらに、もっと根の深い事情もある。国際問題研究家の新原昭治さんが米解禁文書をもとに明らかにしたところによると、今からちょうど60年前の1957年2月、東京のアメリカ大使館から国務省あてに、在日米軍基地に関する次のような報告がもたらされた。『日本での米国の軍事活動の規模の大きさに加えて、きわだつもう一つの特徴は、米国に与えられた基地権の寛大さにある』。『行政協定のもとでは、新しい基地についての要件を決める権利も、現存する基地を保持し続ける権利も、米軍の判断にゆだねられている』」、という根本的な指摘に結びつくのである。
 さて、沖縄タイムスは、沖縄と安倍晋三政権の位置関係を「米軍をこの地域にとめ置くため、負担の肩代わりや訓練環境の整備など、あらゆる協力を惜しまない、と宣言したのに等しい。従属的な姿勢を示しつつ、抱きついて米軍を離さない。そのようないびつな『抱きつき政策』のしわ寄せをもろに受けているのが沖縄」、と鋭く指摘する。
 今回のオスプレイの空中給油再会は、「安全確保より『空中給油の重要性』を優先させた」(琉球新報)、ことでしかない。結局、日本国民の命の重さを軽んじたのである。
 一方、このことは、沖縄県民にとって、「 許し難いのは、日本やアジア・太平洋地域のために、沖縄が犠牲になるのは当然と読める点だ。県民を愚弄するにも程がある。」(琉球新報)、というものでしかない。
 このことに加えて、「陸上自衛隊が導入するオスプレイの佐賀配備で、同省は『陸自オスプレイの配備は安全の確保が大前提』とし、佐賀での空中給油訓練は実施しないとしている。」(琉球新報)、との二重基準は、到底許されるものではない。
 安倍晋三政権は、「事故が起きるたびに、米軍は再発防止策を講じたと一方的に宣言し、訓練が再開され、再び事故が起きる。その繰り返しだ。日本政府は常に追認するばかりで、米軍に従属しているとしか思えない。沖縄の住民の姿は見えているのだろうか。」(沖縄タイムス)、との「声」を真摯に受けとめなくてはならない。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-13 08:43 | 沖縄から | Comments(0)

神奈川労働局藤沢労働基準監督署は、三菱電機と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検。

 電通に続き、大手企業の違法性が明らかになる。
 このことは、企業の無法ぶりだけでなく、実は、日本の労働行政が、労働者の命や生活を守るのでなく、逆に企業の利潤追求のための手段となってきたのかを物語っている。

 毎日新聞は2017年1月11日、「大手電機メーカー三菱電機が新入社員だった男性(31)に労使協定で定めた上限を超える違法な長時間残業をさせたとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署は11日、法人としての同社と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検した。広告大手の電通も昨年末に違法な長時間労働を理由に送検されたばかりで、男性は取材に『これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい』と話した。」、と報じた。また、「書類送検容疑は、2014年1月16日~2月15日、神奈川県鎌倉市の同社研究所で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当していた男性に、上限(月60時間)を超える時間外労働をさせたとしている。藤沢労基署は昨年11月に適応障害を発症した男性の労災を認めた際、月100時間超の残業があったとしたが、今回は証拠に基づき時間外労働は約78時間と認定したという。」、と報じた。
 毎日新聞は、このことについて、2016年11月26日に「元社員の労災認定『月160時間残業』 上司命令で過少申告」、として次のように伝えていた。


(1)入社2年目の三菱電機の男性(31)が違法な長時間残業を強いられて適応障害を発症したとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署が24日、労災と認定した。東京都内で25日に記者会見した男性によると、「過労死ライン」とされる80時間の2倍に当たる約160時間の残業をした月もあったが、上司の命令で少なく申告させられていた。
(2)男性は「不眠と意欲低下で『早く死んで楽になりたい』『逃げたい』とばかり考えた。過労自殺した電通の新入社員と自分は紙一重」と話した。男性は休職期間満了後の今年6月に解雇され、現在はうつ病と診断されて療養中。今後、三菱電機に解雇撤回を求めるという。
(3)認定などによると、男性は2013年4月に入社し、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当した。14年1月以降に月100時間超の残業を強いられ、同年4月上旬ごろに適応障害を発症した。同社の入退室記録によると、繁忙期の同年1月16日から1カ月間の残業は約160時間に及んだ。しかし上司の命令に応じて59時間半と過少申告した。
(4)同社広報部は「労基署の判断を確認のうえ、対応を検討する」とコメントした。


 被害者の男性は、「これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい」、と話している。
 安倍晋三政権が、今最も受けとめなくてはならないことの一つが、この訴えにある。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 20:01 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月12日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 驚くべきことだ。
 沖縄タイムスは2017年1月12日、「米軍オスプレイが2014年6月、落雷に遭った事故が当初の『駐機中』との説明とは異なり、宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていたことが分かった。」、と報じたのである。
 この米軍の行為は、悪意ある改竄である。
 沖縄タイムスは、こう続ける。
「悪天候の中で飛行が許可された理由は、海軍安全センターが報告書の公開にあたって削除した。『公表すれば、事故原因調査に支障が出る』と説明している。」
「当初、センターの公表リストでは最も重大なクラスA(200万ドル以上)に分類されていたが、最も低いクラスC(5万ドル~50万ドル)に分類し直された。」
 沖縄タイムスは、「普天間所属のオスプレイは昨年12月にも乱気流、強風の中で夜間の空中給油訓練を実施し、名護市安部の海岸に墜落した。13日で事故から1カ月を迎えるが、正確な事故原因が公表されないまま飛行は再開されている。」、と報告を締める。
 このことは、極めて命に関わる問題だ。
 さらに、沖縄タイムスは、「報告書に記された緯度経度によると、実際の発生場所は宮崎県小林市の上空。高度は不明だが、付近には県立高校や市役所がある。」、と指摘する。
 そうなのだ、私たちの上空をオスプレイは飛んでいるのだ。沖縄の日常の恐怖と同様に。
 確かに、「人命より、米軍の都合が優先されていることが改めて分かった」、ことを確認した。


 2017年1月12日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-突起付き浮具設置か 辺野古新基地 市民、危険と批判-2017年1月12日 08:30


 沖縄タイムス、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜に、突起物の付いた新たなフロートが並べられているのが11日午後、確認された。新たなフロートは12日以降、海上に設置される可能性がある。新基地建設に反対する市民は『カヌーや抗議船が乗り越えられないようにする対策ではないか。とがっているようにも見え危険だ』などと怒りの声を上げた。」
②「新たなフロートは通常のフロートの『浮き玉』に棒と四角い板が取り付けられた形状をしている。抗議船船長を務めるヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局長(68)は『フロートを乗り越える抗議行動をけん制したものかもしれない。そこまでやるかという感じだ』と指摘した。」
③「沖縄防衛局はこの日、米軍キャンプ・シュワブ沖合で海底に沈めたコンクリートブロックと『浮き玉』をワイヤで結び付ける潜水作業を行った。海上では建設に反対する市民らが抗議船2隻、カヌー17艇、ゴムボート1艇で抗議行動を実施。カヌーの11人が一時拘束されたがすぐに解放された。」


(2)琉球新報-番組で沖縄ヘイト 東京MXテレビ基地問題特集-2017年1月12日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東京ローカルのテレビ局が2日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例える内容の番組を放送した。番組の発言者らは、建設に反対する市民らについて『何らかの組織に雇われている』と指摘、背後の組織についてヘイトスピーチ(憎悪表現)やレイシズム(差別主義)に反対する団体『のりこえねっと』(東京都)を挙げ、共同代表で在日3世(韓国籍)の辛淑玉(シンスゴ)氏を名指しで批判した。これに対し辛氏は『沖縄ヘイトは植民地の遺産だ。番組は沖縄に何をしてもいいというお墨付きを与えた。罪深い』と話している。辛氏は、放送倫理・番組向上機構(BPO)や法務省、国連に人権救済を申し立てる考えだ。」
②「問題の番組は『東京メトロポリタンテレビジョン(通称・東京MXテレビ)』(東京都千代田区)が2日に放送した『ニュース女子』。沖縄の米軍基地問題を特集し、軍事ジャーナリストの井上和彦氏が沖縄を訪れた場面を報じた。スタジオでは、東京新聞・中日新聞の長谷川幸浩論説副主幹が司会を務め、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏、元経済産業省の岸博幸氏らが意見を交わした。番組のテロップでは反対市民について『過激派デモの武闘派集団【シルバー部隊】『 逮捕されても生活の影響もない65~75歳を集めた集団』とし『過激デモに従事させている』と解説した。『敵意をむき出しにされた』とし、取材交渉を断念したと説明し、市民らの声は取り上げなかった。」
③「井上氏は『(反対市民が)救急車も止めたとの話がある』『テロリストみたいだ』『カメラを向けると(市民は)凶暴化する、襲撃されると言われた』と発言した。普天間基地周辺で男性の名前とみられる『光広』や『2万円』と書かれた茶封筒が見つかったとして『反対派の人たちは何らかの組織に雇われているのか』とのナレーションが流れた。日当の根拠についての説明はなかったが、井上氏は『韓国人はいるわ、中国人はいるわ、何でこんなやつらが反対運動やっているんだと地元の人は怒り心頭』『大多数の人は米軍基地に反対とは聞かない』と決め付けた。」
③「スタジオの発言者は辛氏の反差別運動などの取り組みを挙げ『隙間産業。何でもいいんです盛り上がれば』『親北派だから反対運動している』などと批判した。」
④「番組に対し、のりこえねっとは『辛淑玉を誹謗(ひぼう)中傷する虚偽報道に対する抗議声明』を発表した。辛氏は『一切取材を受けていない。番組は、金でしか動かない人たちから見た沖縄観の典型だ。正義や道徳、思いで動く人たちが理解できないのだろう。沖縄ヘイトの内容を公共放送で流した点は罪深い』と話している。」
⑤「東京MXテレビは琉球新報の取材に対し『状況確認および回答の可否も含めて、結論が出ておりません』と回答した。」


(3)沖縄タイムス-オスプレイ、宮崎で落雷 市街地上空 プロペラ破損 2014年-2017年1月12日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍オスプレイが2014年6月、落雷に遭った事故が当初の『駐機中』との説明とは異なり、宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていたことが分かった。右側のプロペラ3枚のうち2枚が破損したほか、複数の制御機器にトラブルが発生していた。本紙が情報公開請求で米海軍安全センターの調査報告書を入手した。」
②「報告書によると事故機は14年6月26日午前10時51分、岩国基地(山口県)を離陸。普天間飛行場に向けて飛行していた午前11時43分、雷に打たれた。乗員は明るい閃光(せんこう)と乱気流を感じたという。乗員3人にけがはなく、そのまま普天間に着陸した。事故は当初、海軍安全センターの公表リストに掲載されたが、その後説明がないまま消去されていた。米軍は本紙や県などの問い合わせに『飛行中に落雷の兆候はなかった』『普天間に駐機中だった』などと説明していた。報告書に記された緯度経度によると、実際の発生場所は宮崎県小林市の上空。高度は不明だが、付近には県立高校や市役所がある。また、当日は飛行前から悪天候が予想されていたことも判明した。出発地の岩国と航路に近い鹿児島空港の気象観測では雷雨やあられ、乱気流の警報が出ていた。ところが、事前の飛行計画にはこれらの警報の記載がなかった。何らかの理由で乗員に伝えられなかった可能性がある。」
③「悪天候の中で飛行が許可された理由は、海軍安全センターが報告書の公開にあたって削除した。『公表すれば、事故原因調査に支障が出る』と説明している。ただ、事故機の飛行計画がずれ込んでいたことは分かった。事故機は別のオスプレイと計2機で6月24日、兵器と兵員の輸送のため普天間から韓国の米軍烏山(オサン)基地に飛行。当初はその日のうちに引き返す予定だったが、荷物の積み降ろしに時間がかかった。翌25日、給油のため岩国に飛行した時も、悪天候のために一時待機を強いられていた。」
④「落雷事故による被害総額は28万6627ドル(約3300万円)。当初、センターの公表リストでは最も重大なクラスA(200万ドル以上)に分類されていたが、最も低いクラスC(5万ドル~50万ドル)に分類し直された。」
⑤「普天間所属のオスプレイは昨年12月にも乱気流、強風の中で夜間の空中給油訓練を実施し、名護市安部の海岸に墜落した。13日で事故から1カ月を迎えるが、正確な事故原因が公表されないまま飛行は再開されている。」


(4)琉球新報-沖合で潜水作業進む 辺野古新基地建設 市民80人が抗議-2017年1月12日 11:47


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は12日午前、沖合に沈められている大型ブロックと新たに運んだ大型の「浮き玉」をワイヤで結びつける潜水作業を複数カ所で行った。この作業は11日に続いて2日目。米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜では浮具(フロート)とフロートに取り付ける突起物がそれぞれトラックで運ばれた。フロートに突起物を取り付ける作業が行われる。沖合と砂浜での作業の準備が済み次第、沖合に設置した大型の「浮き玉」を目印に「臨時制限区域」を示すフロートや油防止膜(オイルフェンス)が設置されるとみられる。」
②「新基地建設に反対する市民は抗議船3隻、ボート1隻、カヌー12艇で抗議行動をしている。海上保安庁はゴムボートを少なくとも10艇を出し、市民の動きを警戒している。」
③「米軍キャンプ・シュワブのゲート前では建設に反対する市民約60人が12日午前7時ごろから集会を始めた。午前10時半現在、市民ら約80人が集まり、「新基地反対」と声を上げながらテント前からシュワブ沿岸が見えるゲートの付近まで行進しシュプレヒコールを上げている。」


(5)琉球新報-「番組はヘイトスピーチそのもの」 東京MXテレビに市民が抗議-2017年1月12日 11:35


 琉球新報は、「東京ローカルテレビ局の東京MXが2日に放送した番組『ニュース女子』で本島北部のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなど攻撃する内容を放送した問題で、東京の市民ら有志は12日午前、千代田区の東京MX社の前で抗議行動をした。フリーの雑誌編集者川名真理さんがSNSで呼び掛け、17人が集まり『番組はヘイトスピーチそのもの』『謝罪・訂正して検証番組を放送せよ』などと声を上げた。」、と報じた。
 また、「川名さんはマイクを手に『現場で座り込みをしている市民が日当をもらっているなどあり得ない。うその内容を公共放送を使って流したことは大きな問題だ』と主張した。『人間の尊厳を懸けた闘いをあざけ笑った。ヘイトスピーチだ。そもそも本土に住んでいる私たちが沖縄に基地を押し付けている。それを自覚してほしい』などと訴えた。」、と伝えた。


(6)沖縄タイムス-オスプレイ飛行中落雷、なぜ米軍は隠していたのか-2017年1月12日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍の隠蔽(いんぺい)体質が改めて浮き彫りになった。『普天間飛行場に駐機していたオスプレイに落雷した』と発表された2014年6月の事故は、実は宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていた。重大事故の隠蔽に、沖縄県内の訴訟団や市民団体は怒りをあらわにした。」
②■頼和太郎さん(リムピース編集長):「落雷に遭ったのが駐機中ではなく、宮崎県の市街地上空で飛行中だったことをなぜ隠していたのか。これは国内でオスプレイ配備に反対の声が根強い中で、事故の重大性を小さく見せたかったのだろうと考える。当初、米軍側が被害クラスAとしていたものをクラスCに分類し直したことからも、日本国内の世論を気にしてオスプレイの事故率を上げたくないという米軍側の思惑が見える。
 航空機が落雷に遭うのはよくあることだがプロペラの破損や制御機器のトラブルなど、重大な問題が発生しているのであれば安全な場所に不時着するべきだった。市街地上空で大きな事故を招く危険性もある中、そのまま普天間飛行場まで飛行を続けたことは考えられない。オスプレイ以外の米軍機でも同じような事案が繰り返され、隠されている事実がもっとあるはずだ。(談)」

プロペラ破損したまま普天間へ戻る
③「『あまりにもひどい』。普天間爆音訴訟団の島田善次団長は、落雷でプロペラが破損したままのオスプレイが、そのまま普天間飛行場まで飛行していたことに怒りの言葉を何度も口にした。『政府や米軍が繰り返す安全性は、全くのうそだ。ひどいという言葉しか頭に浮かばない』と吐き捨てるように言った。
 同訴訟団の石川元平副団長は『県民だまし、国民だまし。みんなだまされ続けている。オスプレイの問題だけでなく、米軍絡みのあらゆる事件事故に通じる』と強調。『オスプレイは“空飛ぶ棺おけ”。本土に住む人たちも早く気付くべきだ』と声を荒らげた。」
④「『米軍の説明はごまかしばかりで全く信用できない』。第3次嘉手納爆音訴訟原告団の新川秀清団長は、米軍が昨年12月の同機墜落を『不時着水』と矮小化していることを挙げ、『事故を小さく見せかける米軍のやりたい放題に対し、政府は何も言えない。植民地と変わらない。怒りの沸点を超え、ワジワジーという言葉では全く足りないくらいだ』と憤った。」
⑤「県統一連の瀬長和男事務局長は『事故率を低く見せ、安全だと示したい思いがあるかもしれない』と不信感を示した。宮崎県の市街地上空での落雷については『そもそもオスプレイに反対だが、市街地上空を飛ぶこと自体が問題』と指摘。悪天候が予想された中での飛行実施について『人命より、米軍の都合が優先されていることが改めて分かった』と語気を強めた。」


(7)琉球新報-沖縄の米施政権に「影響なし」要求 65年覚書で米が日本にくぎ刺す-2017年1月12日 10:53


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「外務省は12日、外交文書24冊を一般公開した。沖縄関係は1冊。米施政権下の沖縄への経済援助などを話し合う日米協議委員会の機能拡大を図る日米間の交渉で、1965年に公文を交換する際、米側がサンフランシスコ講和条約第3条を根拠に「琉球諸島に対する合衆国の権利に影響を及ぼさない」と記した不公表覚書を出していたことが分かった。米側の施政権に変更を及ぼさないよう日本側にくぎを刺す狙いがあったとみられる。」
②「佐藤栄作首相も65年3月24日に、外務省から交渉状況の報告を受け『チャレンジする気はない』と述べ、米側の施政権を変更する意志がないことを示していた。これを受け外務省は翌日の3月25日、駐日米大使館のエマーソン公使に佐藤首相の意向を伝えていたことが極秘公文で分かった。」
③「沖縄の日本への返還が約束され、復帰に向けた話し合いが進む70年、施設の縮小などを理由とした米軍基地従業員の大量解雇を巡っては、米側が日米協議委員会の議題として取り上げられることを避けていたことが分かった。同年の第18回会合に向けた事務折衝で米側が出した議題案に盛り込まれておらず、外務省の極秘メモに『正式の議題としては取り上げられたくないとの意向』と記されている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 18:07 | 沖縄から | Comments(0)

「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」

 西日本新聞は2016年1月3日、標題について次のように報じた。


(1)日本の外務省が1987年、米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む50年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していたことが、西日本新聞が米情報自由法に基づき入手した米公文書で明らかになった。密約などについて米側は要請通り非公開としていた。米公文書公開への外務省の介入実態が判明したのは初めて。

 「際限ない」米側不快感示す
(2)文書は87年4月、米公文書の機密解除審査部門責任者の一人、故ドワイト・アンバック氏が作成した「機密解除に関する日本の申し入れ書」。作成から30年たち機密解除の審査対象となる50年代の米公文書について、在米日本大使館は87年1、3月、機密を解除して国務省刊行の外交史料集に収録しないよう同省東アジア太平洋局に文書で申し入れており、同局とアンバック氏が対応を協議した3ページの記録だ。申し入れは米歴史学者の調査で判明していたが内容は不明だった。
(3)文書によると、日本側が非公開を求めたテーマは(1)「核兵器の持ち込み、貯蔵、配置ならびに在日米軍の配置と使用に関する事前協議についての秘密了解」(2)「刑事裁判権」(3)「ジラード事件」(57年、群馬県で在日米軍兵士が日本人主婦を射殺した事件)(4)「北方領土問題」(5)「安保改定を巡る全般的な討議」。(1)(2)については「引き続き(公開)禁止を行使する」との結論が明記されていた。
(4)日米外交史に詳しい菅英輝・京都外国語大教授は(1)について安保改定時の「米核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核持ち込み容認の密約」だと指摘。今も関連文書の一部は非公開だ。(2)は53年の日米行政協定(現在の日米地位協定)の改定時に、米兵らの公務外犯罪のうち重要事件以外は日本政府は裁判権を放棄したとされる問題とみられるという。一方、(3)(4)(5)については事実上、要請を拒否する方針が記されていた。
(5)文書によると、アンバック氏は「われわれは広範囲にわたる際限のない非公開要請には同意できない」と強調。外交史料集刊行などに「深刻な問題を引き起こす」と警告し、全て受け入れれば関係する二つの巻のうち1巻は全体の約3分の1、残る1巻は60%以上の分量が影響を受けると懸念。「これは米政府による情報公開を外国政府が統制できるのかという根源的な問いを提起している。答えは明らかにノーだ」と強い不快感を示していた。


 また、松永勝利さんのFBでこのことが次のように紹介されています。


 西日本新聞が新年早々の1月3日、調査報道による特ダネ記事を掲載しました。
 日本の外務省が1987年、米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む50年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非開示を要請していたことを西日本新聞が米情報自由法(FOIA)に基づいて入手した米公文書で明らかにしました。
 日本側の要請に対して、米側は核持ち込みの密約など一部については同意したものの、そのほかの公文書については要請を拒否する方針を示したようです。
 その理由について米公文書の機密解除審査部門責任者の一人故ドワイト・アンバック氏はこう説明しています。
「これは米政府による情報公開を外国政府が統制できるのかという根源的な問いを提起している。答えは明らかにノーだ」
 米海兵隊のオスプレイ沖縄配備についても日本側が情報隠しをしていたことが分かっています。米側は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案で、オスプレイの沖縄配備を明記していたにも関わらず、当時の防衛庁の高見沢将林運用課長が文言の削除を求めたため記述が消されました。沖縄県民に知らせないためです。
 その後、日本政府は沖縄側からオスプレイ配備の可能性を問われても、一貫して「知らぬ」としらを切り続け、配備を公に認めたのは、それから15年後の2011年12月のことでした。配備10カ月前のことです。
 西日本新聞が突き止めた事実は、日本政府が米国との交渉で、米国にとっては自国民に公表しても構わないと判断できる事柄についてさえ、日本国民に伝えてもらっては困ると考えるような外交を繰り返してきたことを白日の下にさらしました。
 この事実を突きつけられた外務省は西日本新聞の取材に対して
 「外交上のやりとりにつき、お答えは差し控えさせていただきます」と答えています。
 この姿勢について西日本新聞は関連記事でこう締めくくりました。「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」
 琉球新報としてもすぐに追いかけ取材するべきですが、公文書を入手する作業などが必要です。さらに報道まで日数を要するでしょう。
 3日夕のデスク会議で「すぐにでも沖縄の読者に伝える必要がある記事だ」と判断し、友好関係にある西日本新聞に記事の転載をお願いし、快諾していただきました。
 琉球新報の4日朝刊1面に本記、3面に関連記事を掲載させていただきました。記事冒頭に「西日本新聞提供」と断り書きを入れさせていただきました。感謝申し上げます。
 下記で西日本新聞の記事を読むことができます。
 今後も新聞連携を深めていきたいと思います。

外務省が「核密約」非公開要請 米公文書で裏付け 介入実態が判明したのは初(西日本新聞)


 松永勝利さんは、「西日本新聞が突き止めた事実は、日本政府が米国との交渉で、米国にとっては自国民に公表しても構わないと判断できる事柄についてさえ、日本国民に伝えてもらっては困ると考えるような外交を繰り返してきたことを白日の下にさらしました。」、と指摘します。
 確かに、「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」、との西日本新聞の結論は、まさに今を言い当てている。


 以下、西日本新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 09:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月11日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 伊江島で、米兵がパラシュート訓練中に、葉タバコ畑に降下。
 これが、沖縄伊江島の日常の中のこと。
 自分の住む家屋の目の前にパラシュートが落ちてくることを想像するなら、これが如何に異常であるかがわかる。


 2017年1月11日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-米兵、葉タバコ畑に降下ミス 伊江島でパラシュート訓練中-2017年1月11日 07:30


 琉球新報は、「伊江村によると10日午前10時43分、米軍伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練中だった米陸軍所属の米兵1人が、フェンスを越えて村西江前の民間地に着地した。米兵にけがはない。落下地点はフェンスから約50メートルの葉タバコ畑だった。農作物や一般の人に被害はない。」、と報じた。
 また、「沖縄気象台によると、伊江島に最も近い観測地点・名護の風速は同日午前11時で北の風3・5メートルだった。同様の事故は昨年12月7日以来で、2016年度では2回目。」、と報じた。
 さらに、「現場を目撃していた名嘉實村議によると、午前10時半に離陸したオスプレイ2機が縦列で飛行し、前方の機体から計6人が降下した。フェンス外に着地した米兵は自力でパラシュートを畳み、迎えに来た他の米兵らと共に基地内に戻ったという。名嘉村議は『目標地点の真上を飛んでいた。風向きを考えるともっと西側から降下するべきだった』と話した。」、と伝えた。


(2)沖縄タイムス-辺野古新基地:週内に国内最大級掘削船を投入 沖縄防衛局-2017年1月11日 07:48


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設工事で、沖縄防衛局が海底ボーリング調査のために国内最大級の掘削調査船を週内に大浦湾へ投入することが10日、分かった。政府関係者が明らかにした。防衛局は早ければ2月中にも調査を終わらせ、早急に本体工事に着手したい考えだ。また、防衛省は全24カ所中、いったんは作業を終えたとしていた23カ所のうちの複数箇所で再掘削し、追加データを得る予定だという。」
②「政府関係者によると、導入する調査船は、これまでボーリング調査で使用してきた作業船の規模を大きく上回り、主に海底資源調査などに使われるという。海面から3千メートル下までの掘削調査が可能で、船体が大きいことから波の影響なども受けにくく、防衛省関係者は『海が荒れる冬場でも短期間で調査が終えられる』としている。」
③「防衛局は2014年8月にボーリング調査に着手。しかし、台風のほか県知事選などの選挙、国と県の『集中協議』などの政治日程で中断に追い込まれ、14年11月に終える予定が大幅に遅れた。国は昨年3月の訴訟の和解を受け作業を中断していたが、埋め立て承認の復活を受け早急に調査を再開する方針を示していた。」


(3)沖縄タイムス-東京MXテレビが沖縄ヘイト 高江抗議に「日当」「暴力」 辛淑玉さん、BPO申し立てへ-2017年1月11日 07:35


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「東京の地上波テレビ局が2日に放映した番組が、米軍ヘリパッド建設に対する抗議行動を『カメラを向けると凶暴化する』『韓国人はいるわ中国人はいるわ』などと紹介し、沖縄をはじめマイノリティーに対するヘイトスピーチだと批判されている。番組中で名指しされた在日3世で人材育成コンサルタントの辛淑玉(シンスゴ)さんは近く放送倫理・番組向上機構(BPO)に人権侵害を申し立てる。(北部報道部・阿部岳)」
②「『反対派は日当をもらっている?』と伝えたのも、『証拠』は出どころ不明の茶封筒に書かれた『光広』『2万』の文字だけ。実際、市民団体では少数の固定メンバーが実費の一部を受け取っているにすぎない。さらに、『反対派の暴力行為により近寄れない』とリポート。『トンネルの向こうは現場』『足止めを食っている』として、残念そうに『ロケ断念』を発表した場所は、高江の現場から直線距離でも25キロ、車で行くと約1時間はかかる名護市の『二見杉田トンネル』前だった。結局、抗議する市民の声は1人も紹介されなかった。」
③「ヘイトスピーチに対抗する団体『のりこえねっと』が本土からの交通費5万円を支給し、高江に『市民特派員』を派遣したことも取り上げた。公開された要項にも財源はカンパだと書いてあるのに、あえて『分からない』と強調。共同代表の辛さんを取り上げ、『反対運動を扇動する黒幕の正体は?』とテロップを流した。」
④「辛さんによると、同局から取材は一切なかったという。『本土の無知につけ込み、沖縄の運動に中国、北朝鮮のカネが入っているなどというネットのデマを地上波が垂れ流した。在日に対する差別を利用し、沖縄とセットでたたこうとする悪質なヘイトスピーチだ』と批判する。」
⑤「MXテレビは本紙の取材に対し、『状況確認や回答の可否を含めて結論が出ていない』と述べた。番組を制作したDHCシアターからは回答がなかった。」
⑦「東京MXテレビ 東京で6局目の民放、初のローカル局として1995年に開局。当初は受信に専用アンテナが必要なUHF放送だったが、2003年のデジタル放送開始で他のキー局と同様に見られるようになった。エフエム東京、中日新聞社、東京都などが株主。」


(4)琉球新報-オイルフェンス並べる準備進む 辺野古新基地建設-2017年1月11日 11:37


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は11日午前、米軍キャンプ・シュワブ沿岸で浮具(フロート)と汚濁防止膜(オイルフェンス)を砂浜のより海に近い側にクレーンで並べる作業を行っている。沖合では沈められたままの状態になっている大型ブロックにワイヤを備え付ける潜水作業が行われているとみられる。双方の作業が済み次第、フロートやオイルフェンスを海上に運んで、大型ブロックとつなげる作業が行われる見通し。工事が中断される前の状態までフロートで囲う範囲が広げられる。」
②「海上では建設に反対する市民らが抗議船2隻、カヌー17艇、ゴムボート1艇で抗議行動をしている。海上保安庁のゴムボートは少なくても5艇が海上で市民らの動きを警戒している。一方、米軍キャンプ・シュワブのゲート前では新基地建設に反対する市民ら約100人が座り込んでいる。11日午前10時現在、資材搬入は確認されていない。市民らは交代でマイクを持ち、『絶対に新基地建設を阻止しよう』などと訴えたり、歌ったりして抗議の意志を表している。」


(5)琉球新報-安全な生活確保を 名護市区長会 沖縄防衛局へ抗議 宜野座松田区も-2017年1月11日 13:50


 琉球新報は、「名護市の全55区でつくる名護市区長会(会長・山城輝雄為又区長)は11日午前11時、嘉手納町の沖縄防衛局に池田眞人企画部次長を訪ね、昨年12月末に墜落したオスプレイに対する抗議決議を手交した。山城会長は『住民らが不安な生活を強いられていることは、納得がいかない』と安全な住民生活の確保を訴えた。」、と報じた。
 また、「名護市安部区でのオスプレイ墜落を受け、同市区長会は、市内5支部の代表で構成する代議員会を開き、オスプレイの配備撤回を求める抗議決議を全会一致で可決している。同日午前10時には、宜野座村松田区の松田正雄区長らも同局を訪れ、抗議決議を手渡した。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-「私たちが諦めなければ基地できない」 辺野古で200人抗議-2017年1月11日 11:31


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する市民らは11日午前、米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議集会を続けた。最大約200人が集まった。市民らは早朝からシュワブの工事車両用ゲート前に座り込んだ。また、新ゲート前までデモ行進し『「平和を守ろう』『新基地反対』とシュプレヒコールを繰り返した。県統一連の瀬長和男事務局長は『先は長いが、私たちが諦めなければ新基地ができることは絶対にない』と呼び掛けた。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-辺野古反対、那覇で訴え続ける97歳と90歳「戦争二度と・・・」-2017年1月11日 16:00


 沖縄タイムスは、「『年も年。辺野古や高江までは行けないが、できる範囲で声を上げていきたい』。『安里・大道・松川 島ぐるみの会』のメンバーで、共に那覇市の宮﨑禎治さん(97)と儀間昭男さん(90)は『再びあの戦は繰り返させない』と毎週月曜日午前8時から30分間、安里十字路に立ち、道行く車に辺野古新基地建設反対を訴えている。」、と報じた。
 また、「同会は『翁長雄志知事と共に、辺野古新基地ストップを』を掲げて昨年5月に結成。9月からスタンディング行動を始め、宮﨑さんは10月、儀間さんも11月から毎週足を運んでいる。第2次世界大戦中、フィリピンでの戦いに2年間出兵し、生き残った宮﨑さんは『基地があるから相手は攻めてくる。なぜ政府は沖縄に基地を造るのか。戦争の続きをしようとしている』と、この国の行方を危惧する。儀間さんは鉄血勤皇隊として沖縄戦に動員され、摩文仁で捕虜となり生き残った。立ち続ける理由は『亡くなった人々のためにも基地撤去を訴え続ける。これが生き残った人の役目だと思う』と語った。」





by asyagi-df-2014 | 2017-01-11 18:03 | 沖縄から | Comments(0)

2017年1月1日、社説・論説を読む。(7)-日本国憲法から-

 2017年が明けた。
 さて、どのような事態にどのように立ち向かうことになるのか。
まずは、窮乏化する同じ大地に立つこと。
そして、反撃の術を見極めること。
各紙の2017年1月1日の社説及び論説を読む。


 神戸新聞、朝日新聞で、日本国憲法から2017を俯瞰する。
 神戸新聞は、「憲法が誕生して70年。その精神は戦後日本の繁栄と安定を支えてきた。だが、人間でいえば古希を迎え、新しい憲法を目指す動きは急だ。改正に賛同する勢力は衆参両院で国会発議に必要な3分の2を超え、機能停止状態だった両院の憲法審査会も再開された。議論が新しい段階に入った憲法について考えたい。」、とする。
 朝日新聞は、「世界は、日本は、どこへ向かうのか。トランプ氏の米国をはじめ、幾多の波乱が予感され、大いなる心もとなさとともに年が明けた。保守主義者として知られる20世紀英国の政治哲学者、マイケル・オークショットは、政治という営みを人々の航海に見立てている。海原は底知れず、果てしない。停泊できる港もなければ、出航地も目的地もない。その企ては、ただ船を水平に保って浮かび続けることである――。今年の世界情勢の寄る辺なさを、予見したかのような言葉として読むこともできるだろう。と同時にそれは本来、政治にできることはその程度なのだという、きわめて控えめな思想の表現でもある。」、と端緒を開く。
 二紙の主張を要約する。


Ⅰ.事実、問題点の指摘
(神戸新聞)
(1)兵庫過労死を考える家族の会共同代表の西垣迪世(みちよ)さん(72)は、11年前に亡くなった息子のことを思い浮かべながら、その死に胸を痛めた。
 広告大手電通の新入社員だった高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺していたことが昨秋に明らかになった。高橋さんは「もう体も心もズタズタだ」と会員制交流サイト(SNS)などに記していた。
 西垣さんの長男和哉(かずや)さん=当時(27)=は大手IT企業でシステムエンジニアとして働き、長時間労働からうつ病を発症、大量の薬を服用して死亡した。
 2人には、ネットでSOSを発信していた点、母子家庭で育った点など共通する部分が少なくない。高橋さんらに違法な残業をさせていたとして労働局は年末、労働基準法違反の疑いで電通と幹部を書類送検した。社長は辞任を表明した。和哉さんも37時間連続など過酷な勤務だった。「もっと楽しいことがしたい。もっと健康的に生きたい」。ブログの言葉が痛々しい。
(2)悲劇を繰り返さないため、西垣さんは全国の遺族らとともに署名集めなどの運動を続け、2014年に過労死等防止対策推進法が成立した。それから2年余り。法施行後も過労死は絶えない。「日本人って何でこんなに働くのでしょうかね」と和哉さんが書いていたのを思い出し、西垣さんはむなしさを募らせる。中学校で習った憲法には「国民の命は守られるべき」とうたわれていたはずだ。
(3)13条は「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は公共の福祉に反しない限り「最大の尊重を必要とする」とある。25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、国に「生存権」の実現に努力する義務を課していた。人間らしく働く権利を保障する27条もある。
(4)こうした条文が守られていれば過労死など起こらないだろう。人間らしく生きることを国に求める権利は社会権と呼ばれる。中でも生存権を保障する25条は重要だ。
(5)憲法は空気のようなものだという。生きていく上で欠かせないのに、普段は存在を意識することは少ない。だが、個人の自由や権利、そして生命が危うくなる事態に陥ったときこそ、憲法の出番であろう。
 過労死で息子を亡くした西垣さんは2009年、労災認定を求めて国を相手に訴訟を起こした。死者の尊厳を求めた裁判で、立ちはだかったのは国だ。勝訴したが、西垣さんには納得しがたい気持ちが残った。「国民を守ってくれるはずの国がなぜ壁になるのか」
 命を守る国になってほしいとの思いで過労死根絶の活動を続ける。それは憲法が保障する権利を守るための運動ともいえる。


(朝日新聞)
(1)不穏な世界にあって、日本は今年5月、憲法施行70年を迎える。憲法もまた、政治の失調に対する防波堤として、大切な役割を担ってきた。その貢献の重みを改めて銘記したい。
(2)「立憲主義」という言葉の数年来の広がりぶりはめざましい。政治の世界で憲法が論じられる際の最大のキーワードだ。中学の公民の教科書でも近年、この言葉を取り上げるのが普通のことになった。公の権力を制限し、その乱用を防ぎ、国民の自由や基本的人権を守るという考え方――。教科書は、おおむねこのように立憲主義を説明する。それは人々の暮らしの中で具体的にどう働くのか。例えば、政党機関紙を配った国家公務員が政治的な中立を損なったとして起訴されたが、裁判で無罪になった例がある。判断の背景には、表現の自由を保障した憲法の存在があった。
(3)立憲主義は、時に民主主義ともぶつかる。民主主義は人類の生んだ知恵だが、危うさもある。独裁者が民主的に選ばれた例は、歴史上数多い。立憲主義は、その疑い深さによって民主主義の暴走への歯止めとなる。
(4)根っこにあるのは個人の尊重だ。公権力は、人々の「私」の領域、思想や良心に踏み込んではならないとする。それにより、多様な価値観、世界観を持つ人々の共存をはかる。ただ、こうした理念が、日本の政界にあまねく浸透しているとは到底いえない。自民党は立憲主義を否定しないとしつつ、その改憲草案で「天賦人権」の全面的な見直しを試みている。例えば、人権が永久不可侵であることを宣言し、憲法が最高法規であることの実質的な根拠を示すとされる現行の97条を、草案は丸ごと削った。立憲主義に対する真意を疑われても仕方あるまい。
(5)立憲主義にかかわる議論は、欧米諸国でも続く。一昨年のパリ同時多発テロを経験したフランスでは、非常事態宣言の規定を憲法に書き込むことが論じられたが、結果的に頓挫した。治安当局の権限拡大に対する懸念が強かった。同じくフランスの自治体が、イスラム教徒の女性向けの水着「ブルキニ」を禁止したことに対し、行政裁判の最高裁に当たる国務院は「信教と個人の自由を明確に侵害する」という判断を示した。


Ⅱ.主張
(神戸新聞)
(1)憲法の制定過程を振り返ってみたい。25条1項は当初の連合軍総司令部(GHQ)案にはなく、戦後、国会での修正協議で加えられた。1946年8月、衆議院の憲法改正の小委員会で社会党だった森戸辰男氏らが発案した。森戸氏は民間の憲法研究会のメンバーでもあった。戦前、ドイツ留学でワイマール憲法を学び、その生存権思想を採り入れたとされる。だが、何より森戸氏を動かしたのは、故郷の広島で原爆の災禍に苦しむ人々の姿、各地で生活に困窮する国民の姿だった。
(2)憲法は「米国の押しつけ」の側面が強調されがちだ。しかし、9条と並ぶ重要な支柱ともいわれる25条は、論議を重ねた末に日本が独自に加えたことを記憶しておきたい。
25条に基づき生活保護法などの法律があり、年金や医療などの社会保障制度が整備されている。
(3)憲法学者の故奥平康弘さんはこんなふうに述べていた。「憲法というものは世代を超えた国民が、絶えず未完成の部分を残しつつその実現を図っていくコンセプト(概念)である」。
(4)国民が自らの権利を保障するために国家という仕組みの運用のありようを定めたものが憲法だ。条文は抽象的な文言もあるが、国民が憲法に向き合い、活用していく中で、その精神が力を発揮する。今、憲法は暮らしにどう生かされているのだろうか。改憲の機運が高まる中、兵庫の現場から見つめ直してみたい。より幅広く、より深い議論につなげるために。


(朝日新聞)
(1)昨今、各国を席巻するポピュリズムは、人々をあおり、社会に分断や亀裂をもたらしている。民主主義における獅子身中の虫というべきか。オークショットのように抑制的で人気取りとは縁遠い政治観は、熱狂や激情に傾きがちな風潮に対する防波堤の役割を果たす。
(3)衆参両院の憲法審査会は昨年、立憲主義などをテーマに討議を再開したが、議論の土台の共有には遠い。どんな立場を取るにせよ、憲法を論じるのなら、立憲主義についての真っ当な理解をより一層深めることが前提でなければならない。
(4)個人、とりわけ少数者の権利を守るために、立憲主義を使いこなす。それは今、主要国共通の課題といっていい。環境は厳しい。反移民感情や排外主義が各地で吹き荒れ、本音むき出しの言説がまかり通る。建前が冷笑されがちな空気の中で、人権や自由といった普遍的な理念が揺らぐことはないか、懸念が募る。
(5)目をさらに広げると、世界は立憲主義を奉じる国家ばかりではない。むしろ少ないだろう。憲法学者の長谷部恭男・早稲田大教授は「立憲主義の社会に生きる経験は、僥倖(ぎょうこう)である」と書いている。であればこそ、立憲主義の理念を、揺らぎのままに沈めてしまうようなことがあってはならない。
(6)世界という巨大な船が今後も、水平を保って浮かび続けられるように。


 「立憲主義の社会に生きる経験は、僥倖(ぎょうこう)である」(長谷部恭男・早稲田大教授)であるとするなら、それでもやはり、「立憲主義の社会に生きる」という高い理念に向けて、世界の人たちとともに進んで行く、こんな2017年にしなければならない。
また、「憲法12条の不断の努力」を常に自分の側に置いておかなけねばならない。
 神戸新聞は、「13条は『生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利』は公共の福祉に反しない限り『最大の尊重を必要とする』とある。25条1項は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』とし、国に『生存権』の実現に努力する義務を課していた。人間らしく働く権利を保障する27条もある。こうした条文が守られていれば過労死など起こらないだろう。人間らしく生きることを国に求める権利は社会権と呼ばれる。中でも生存権を保障する25条は重要だ。憲法は空気のようなものだという。生きていく上で欠かせないのに、普段は存在を意識することは少ない。だが、個人の自由や権利、そして生命が危うくなる事態に陥ったときこそ、憲法の出番であろう。」、と説いている。


「個人の自由や権利、そして生命が危うくなる事態に陥ったときこそ、憲法の出番」。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-11 08:05 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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