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沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月31日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「米NBCニュースは『オスプレイの着陸失敗は敵による襲撃とは関係がない』と報じた。」、と沖縄タイムスは、イエメンでのオスプレイの着陸失敗を報じる。
 また、「中央軍によると、作戦では、海軍特殊部隊シールズが同日未明にアルカイダの拠点を襲撃。激しい銃撃戦で1人が死亡、3人が負傷。米兵らの救出に派遣されたオスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。機体は着陸後に飛行不能となったため、意図的に破壊したという。複数の米軍事紙は、米軍筋による情報として『オスプレイによる負傷者は2人』などと伝えている。」、と沖縄タイムス平安名純代・米国特約記者は今何が行われているかを伝える。
 日本政府は、このオスプレイ墜落をきちんと把握し、その原因等を日本国民に知らせなけれなまらない。


 2017年1月31日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「危険と隣り合わせ」 那覇空港の空自機脱輪、足止めの乗客に疲労といら立ち-2017年1月31日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「航空自衛隊のF15戦闘機によるトラブルで約2時間にわたって滑走路が閉鎖された沖縄・那覇空港。欠航や目的地変更などで少なくとも7千人以上に影響を及ぼすなど、終日混乱した。出発ロビーは搭乗便の振り替えなどを求める観光客やビジネスマンらでごった返した。足止めとなった乗客からは那覇空港の軍民共用への疑問の声や、長引く待ち時間に疲れた表情を浮かべる姿も見られた。」
②「滑走路が閉鎖されて1時間以上が経過した午後2時20分ごろ、那覇空港の各航空会社のカウンター前には振り替え便を求める人が列をつくった。正午すぎの便で久米島に向かう予定だった清水せい子さん(67)=三重県=は『狭い機内で1時間以上も待たされ、頭がくらくらしパニック障害を起こす寸前だった』と疲れた表情を浮かべた。自衛隊機と民間機が共用する那覇空港については『危険と隣り合わせだ』と述べ、自衛隊や米軍基地など『戦争を連想させる全ての軍事機関に嫌悪感を覚える』と憤った。」
③「羽田から那覇に向かっていたJAL909便は、目的地を変更し米軍嘉手納基地に降り立ち、到着時刻が3時間半の遅延となった。出張で同便に搭乗していた20代の女性=東京都、会社員=によると、嘉手納基地に午後2時20分ごろ着陸した後、那覇空港から燃料が届くまで機内で2時間半以上待たされた。『空調も切れて暑かった。客室乗務員に【どうしてくれるのか】問い詰める客もいた』と述べた。また、石垣発那覇行きの一部の便は、那覇空港上空で引き返し石垣に戻った。那覇空港到着まで2時間近く遅れが出た。搭乗していた長嶺翔太さん(22)=那覇市、会社員=は『自衛隊のトラブルはよくある印象がある』と淡々と話した。」
④「宮古空港では午後2時半ごろ、那覇空港に着陸できなかった全日空機が目的地変更で着陸した。宮古空港管理事務所によると、一時5機分の駐機スペースが満杯になり、着陸した飛行機が誘導路で待たざるを得なかった。一方、国際線ターミナルでは突然の滑走路閉鎖に困惑する外国人観光客の姿も見られた。韓国・ソウルから約3時間遅れで那覇空港に到着したヤン・スンミさん(63)は『滑走路に故障機がある影響で降下許可が出ないと機内アナウンスがあり、空中でずっと待機していた。雪の影響で出発も遅れたのに到着も遅れるなんて、ついてない』と話した。」


(2)琉球新報-米軍オスプレイ墜落か イエメンで4人負傷、攻撃支援中-2017年1月31日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、28日、イエメン中部のバイダ州で、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが『ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)』し、負傷者が出た。」
②「航空ジャーナリストのブログ『The Aviationist』は事故を『墜落』と伝えた。米メディアによると事故による負傷者は4人。米軍は飛行不能となった事故機を破壊した。」
③「米中央軍は29日の声明で、『作戦を支援していた米軍機がハードランディングし、追加の負傷者が出た。航空機は飛行が不可能となり、その場所で意図的に破壊された』と発表した。『ハードランディング』した米軍機の機種については言及していない。」
④「事故は米軍が実施した奇襲攻撃の現場近くで起きた。奇襲攻撃ではヘリコプター部隊が武装勢力の拠点を襲撃し、武装勢力のメンバー14人と民間人16人、米兵1人が死亡した。ブログでは、事故を起こしたオスプレイは奇襲攻撃で負傷した兵士を搬送するためだったとしている。また飛行不能となったオスプレイを破壊したのは、最新のステルス戦闘機に使用されているレーダー塗料が使われているなど、敵に機体がわたるのを防ぐためだとした。」


(3)琉球新報-トランプ政権へ辺野古阻止要請へ 翁長沖縄知事が訪米向け出発-2017年1月30日 18:57


 琉球新報は、「沖縄県の翁長雄志知事と稲嶺進名護市長、辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の訪米団が30日午後、31日の米国への出発を前に那覇空港で出発式を開いた。翁長知事は、オール沖縄との出発式に先立つ会見で『米大統領が変わって新しいトランプ政権の下で、辺野古を造らせない、造れないということやオスプレイ配備反対を訴え、理解を得たい』と抱負を述べた。」、と報じた。
 また、「稲嶺名護市長は『基地問題はすぐれて人権問題であることを訴えたい。辺野古新基地建設問題は、強い意志で反対していることをしっかり伝えたい』と決意を語った。オール沖縄共同代表の呉屋守将氏は『沖縄の思いを世界に発信して共有してもらいたい』と訪米団の意義を語った。」、と報じた。
 さらに、「一行は31日に米国へ向けて出国し、2月5日に那覇に戻る。米連邦上下両院議員やその補佐官、有識者らと面談する予定。」、と伝えた。


(4)沖縄タイムス-オスプレイが着陸失敗 イエメンで米兵救出中に-2017年1月31日 07:37


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米国防総省は29日未明、米軍がイエメン中部で国際テロ組織アルカイダの掃討作戦を実施し、米兵1人が死亡、3人が負傷したと発表した。襲撃地点近くで米兵らの救出作戦に当たった米海兵隊の垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。」
②中央軍によると、作戦では、海軍特殊部隊シールズが同日未明にアルカイダの拠点を襲撃。激しい銃撃戦で1人が死亡、3人が負傷。米兵らの救出に派遣されたオスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。機体は着陸後に飛行不能となったため、意図的に破壊したという。複数の米軍事紙は、米軍筋による情報として「オスプレイによる負傷者は2人」などと伝えている。
③「米NBCニュースは『オスプレイの着陸失敗は敵による襲撃とは関係がない』と報じた。」
④「米中央軍によると、アルカイダの戦闘員14人も死亡した。」
⑤「トランプ大統領は28日、過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅に向けた戦略を30日以内に策定するよう命じる大統領令に署名している。」


(5)沖縄タイムス-辺野古新基地:「米軍いらない」ゲート前で抗議 長島付近で作業確認-2017年1月31日 13:06


 沖縄タイムスは、「31日午前8時50分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前で新基地建設反対を訴え座り込んでいた市民を約40人の機動隊員が排除した。その直後に工事車両5台が基地内に入り、最後尾の車両はパワーショベルを積んでいた。市民は同日午前6時半前から抗議を開始。正午までに約60人が集まり、ゲート前で『米軍いらない』『戦争させない』などと声を張り上げた。一方、辺野古沖の長島付近では、作業船がフロートの近くで作業をしている様子が確認された。」、と報じた。


(6)琉球新報-住民に配慮した騒音分布図を 中部市町村会が防衛局に要請-2017年1月31日 12:06


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「防衛省が進める米空軍嘉手納基地周辺の航空機騒音を示す騒音分布図(コンター)の見直しを受け、中部市町村会(会長・島袋俊夫うるま市長)は31日午前、嘉手納町の沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、住民意見に配慮したコンター見直し作業を行うよう要請した。中部市町村の首長や住民ら約800人が参加して25日に開かれた『住宅防音事業問題の解決に向けた住民総決起大会』(同実行委員会主催)で決議された要請文も手渡された。」
②「中部市町村会の要請文は(1)コンター見直し作業で基地周辺市町村と住民に配慮(2)(うるささ指数W値が)75以上の区域内の早急な建具復旧工事の実施(3)住宅防音予算の増額│を求めている。」
③「當山宏嘉手納町長は『(米軍は)騒音防止協定も土日も深夜も関係なく訓練し、嘉手納の騒音は激しくなっている。日常的な負担を基地周辺住民は負っている。コンター拡大はあっても縮小はあり得ない』と述べ、住民への配慮を求めた。」
④「中嶋局長は『関係自治体の意見を踏まえて適切に対処したい。防音工事を待っている方がいることも承知している。予算のことではあるが、重く受け止め対処したい』と話した。」
⑤「要請後、島袋市長は『(見直し後のコンターが)公表されてからでは遅い。事前に対策をとの思いで要請した。騒音のある所全てを住宅防音工事の対象にするべきだ』と話した。」





by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 16:58 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-福島第Ⅰ原発のメルトダウンまたはメルトスルーの実像。

 標題について、毎日新聞は2017年1月31日、柳楽未来記者が次のように報じた。


(1)東京電力は30日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器の真下をカメラで撮影し、足場に何らかの堆積(たいせき)物があるのを確認、画像を公開した。6年前の東日本大震災による事故で溶融した核燃料の可能性があるとみて、詳細な分析を進める。炉心溶融は同原発1~3号機で起きたが、これが溶融燃料だとすると初の撮影になる。
(2)東電は、パイプ(長さ10・5メートル)の先端にカメラを取り付け、圧力容器を囲む原子炉格納容器の貫通口から挿入して内部を撮った。この結果、圧力容器の真下にあるグレーチング(格子状の足場)の複数箇所に黒や褐色に映った堆積物があった。グレーチングが無くなっている部分もあり、溶融燃料落下による損傷の可能性も含めて調べる。圧力容器下部に設置されている制御棒の駆動装置やケーブルなどに大きな損傷は見つからず、炉内に大半の燃料がとどまっているとする従来の解析結果と一致した。
(3)堆積物が溶融燃料ならその近くは放射線が特に強いとみられるが、挿入したパイプには線量計が付いていないため確認できていない。堆積物は圧力容器の保温材やケーブルの被覆材である可能性もあるという。東電は2月から、カメラなどを“尾”の部分に搭載した遠隔操作のサソリ型ロボットを投入し、本格的調査を始める。記者会見した東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は「今回の調査結果を、溶融燃料の取り出しに向けた基礎データにつなげたい」と語った。
(4)国の廃炉計画では、2018年度に1~3号機のいずれかで溶融燃料取り出しの具体的な工法を決定し、21年中に取り出しを開始する。


 また、朝日新聞は2017年1月31日、富田洸平・杉本崇記者が次のように報じた。


(1)東京電力福島第一原発2号機の原子炉直下で30日、黒い塊が初めて撮影された。東電はこの成果を、核燃料取り出しに向けた「大きな一歩」とする。溶け落ちた核燃料か、違うのかを確認するために、東電は来月、調査ロボット「サソリ」を投入。放射線量などを測定する。
(2)「今回の調査で、サソリの進路に大きな障害物がないとわかった。圧力容器の直下まで行けそうだ」。東電幹部は胸をなで下ろした。サソリは2台のカメラや線量計などを搭載して圧力容器の直下まで自走し、作業用の足場などに付着した塊の線量を計測するほか、圧力容器下部がどう壊れているかなどを調べる。
(3)調査で写った黒っぽい塊が、強い放射線を出していることが分かれば、溶け落ちた核燃料だと確認できる。塊の大きさや量、広がりなどは、今後、溶け落ちた核燃料を取り出す方法を決める際の重要な判断材料になるとみられる。一方、1、3号機の内部調査は難航している。東電は2015年、1号機の格納容器に調査ロボット2台を投入したが、途中で動けなくなり、核燃料そのものは確認できなかった。3号機は格納容器内の水位が高く、核燃料や圧力容器下部の様子を調べるには水中用ロボットが必要。東電などはロボットの開発を進めている段階だ。
(4)東電などは、ロボット調査などの結果をもとに核燃料の取り出し方法を決める方針。取り出しは21年から始める計画だが、計画は遅れが続いている。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 12:07 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第64回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「自衛隊配備と闘う母親たちの選挙 その結果は…」、と前回報告の宮古島の選挙の結果の報告。
三上さんは、市長選挙について、こう切り出す。


 陸上自衛隊のミサイル基地を容認した宮古島市長・下地敏彦候補に挑んだのは3人。保守1人、革新2人だ。今回の宮古島市長選挙、自衛隊配備問題が島を左右する大きな争点だというのに、それに反対する革新側が候補者を絞り切れなかった。それが敗因になることは誰だってわかっていた。このことは今更の話だ。「大人の事情」という子どもじみた人間関係のもつれが、いつだって大事な時に人間の結束を砕く。どこだってそうだ。主義主張が似ている者同士だからこそ、分かり合えなかった傷口は生々しく、感情のしこりは質が悪い。それはもう言うまい。


 よくわかるだけに、そうなのだなと頷いてしまう。
 三上さんは、この市長選挙の結果について、こう綴る。


 結果は現職が辛うじて逃げ切った。でも下地敏彦候補9587票に対し、2人出てしまった革新のうち奥平一夫候補が9212票まで迫った。人口5万5千人の宮古島市で375票差。本当の横一線の闘いだった。社民・社大が推した下地晃候補の4020票があったら楽勝だったとは、もう言うまい。最大の争点だった自衛隊問題だけで見たら、配備に反対していた2候補の得票13000人であり、今回投票した有権者の44%が確実に自衛隊配備に反対していることになる。これは大きい。


 そして、三上さんは、こうも続ける。


(1)保守から市政刷新を訴えて立候補した真栄城徳彦候補は、自衛隊配備は住民投票をしてから決めるべきだと主張した。「反対」と「民意を問うてから進めるべき」という人、つまり現市長の進め方を否定する2つの立場の合計は、19777票だから67%になる。今のまま配備ありきで進んでいいとしたのは、投票した人のわずか32%。そして投票率が68.28%と低かったため、自衛隊に積極的に賛成した人は、当日有権者数43401人のうちの22%に過ぎないのだ。
(2)この結果を受けても、さすがの狸おやじである。当選した下地敏彦現市長は即座にこういった。
 「配備の賛否が大きな争点となり、今回の選挙で市民が配備を認めると判断したと考えている。ある意味、今選挙は形を変えた住民投票だったと思う。住民のほとんどが参加し、結論を出した」
 市長選としては投票率は過去最低の68%だというのに、「ほとんどが参加した」と言い、全有権者の2割しか自衛隊配備に賛同していないのに「自衛隊配備を認めるという結論が出た」と断定した。片腹痛い。そして「住民投票は必要ない」と、ことあるごとに自衛隊問題の住民投票を否定してきたご本人が「これは住民投票だったと思う」という。明らかにこれは、今後、住民投票が提起されるのを牽制したものだ。住民投票が成立したら覆されるということを一番よくわかっているからこそ恐れているのだろう。
(3)しかし、数字をちゃんと見ずに短いニュースでコメントだけを聴く市民は、市長が結論が出ましたと言ったら、そうなのかと思ってしまう人もいる。宮古島の知人から何人も、残念だったね。でも賛成が多いならあきらめるしかないということさ、などと電話をもらった。ため息が止まらない。自衛隊配備反対をあきらめるような結果ではないはずなのだが。


 実は、三上さんの今回の報告は、これからが力が入る。
市長選挙と同時に行われた市議会議員選挙の補欠選挙について、語り出す。


(1)今回、わたしの新作ドキュメンタリー映画『標的の島~風かたか~』の主人公たちでもある宮古島の自衛隊配備に反対する若いお母さんたちのグループ「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」から共同代表の石嶺香織さんが、同時に行われた市議会議員の補欠選挙に出馬していたことは前回ここに詳しく書いた。選挙の終盤から投開票までの様子を今回動画にまとめたので、ぜひ時間のある時に見てほしい。
(2)基礎票もなく支援団体もない、地縁血縁さえない3人の子を持つママさん候補がどんな闘いをしたか。無謀といえば無謀。準備や下積みや秩序や慎重さを重視する当たり前な人たちの中には、暴走だ、無謀だと彼女たちにブレーキをかける人たちも多かった。正論だと思う。でも、既成の概念やがんじがらめの島の構図を突き抜けていく力というのは、常識派が目をむくような突拍子もないところから飛び出してくるのだろう。暗雲に覆われて窒息しそうな空の下、ほんの一瞬だけ刺す光にさっと手を伸ばし、「あそこに行こう!」と叫ぶ瞬発力と、すぐに「それいいね!」と躍り上がって続いていくノリ。多くの場合、それは若者の特権なのだろうが、今は若い人の方が常識の枠を気にしてスマホの中の世界にだけ居場所を求める風潮にある。香織さんの周りに集まってきたのは、決して若いと言えない人も大勢いたが、感性で生きる自由度の高い人々だったのだろう。少人数ながらハートのある、しかし呑気で票読みする人もいない、笑顔が絶えない、あまり見たことのない選挙戦だった。
(3)終ったから正直に言うが、わたしは石嶺香織さんという人には、ママさんグループの代表でいてほしかった面もある。市議になってしまえば市民全体に奉仕するのだから、一つのグループに首っ引きではいられないし、何より、信念をもって活動する市民の姿はドキュメンタリーになるが、市議の政治活動を撮影しても観客に面白がってもらえるかはわからない。でも、当選は無理でもきっと、彼女の選挙活動が自衛隊問題への関心を高めるだろうし、市長選自体が盛り上がるからいいだろう、そんな風にしか当初は思っていなかった自分がいた。まさか、街宣カーも準備できずに第一声を上げた素人候補者が、当選するとは思わないではないか。
(4)そう、彼女は当選したのだ。補選トップ当選の前里こうけん候補8374票、2位の石嶺香織候補は7637票で、次点に3000票差をつけた堂々たる結果だった。7600人もの人が彼女を見ていてくれた。3人の乳幼児を抱えて奮闘してきた姿を知っていてくれたのだ。資金も知名度もないけど正義感と情熱は人一倍ある、それでどす黒い雲が渦巻く政治の闇に飛び込み、雲間を広げたという快挙。
(5)人はみなオリンピックが大好きで、体操選手の宙返りのように自分には到底できない人類の技に歓声を上げ、拍手を送る。スゴイ人はスゴイものだと感動するのだろう。でも私にとっては、自分には到底できない事を次々にやってのける彼女たちの方が、インパクトがある。みんながあきらめている「政治」。変えられそうもない構造。開きそうもない古い扉。重くて醜い現実を直視することだけでも、普通は耐えられないのに、そこに正面から切り込んでいくというアイディア自体が、3回転半に挑戦するフィギュアスケート選手と同様にすごいと思う。
(7)私にはできない。あんなに人を信じられないし、自分の力をあそこまで認めていない。この状況が最悪であるということを認識する力は持っているが、彼女たちは認識して向き合う力だけでなく、打破することができると思い込むほどの強い信念の力を持って行動できてしまう。私は、映像を使って人々に知らせて、目覚めた国民を一人でも多く作ることで、大衆の力で状況を変えていこうと頑張っている。すごい遠回りで、手間暇かかっている。ところが彼女たちは「私が」乗り込んでいって変えよう! という。市議会にも、審議会にも、ヒロジさんが逮捕されている名護署の中にもどこにでも、その体ひとつ、いや、赤ちゃんを抱いて入っていって「まず話をしたいのです」と向き合う。みんな面食らうのだけれども、彼女らのその凛とした強さは、私にとっては月面宙返りより「すげえ!」ことなのだ。
(8)宮古島市議会は、議員26人中女性は石嶺香織さん一人。自衛隊に反対しているのはたったの3人。どれほどこれから苦労するだろうか。私はかわいい妹を猛獣の檻に放すくらい、心配でならない。自衛隊問題だけやっているわけにはいかないし、市議として猛勉強しつつ3人の子育ても佳境で、潰れるのではないかと凡庸な老婆心が動く。でも彼女は猛獣たちを恐れてはいない。獣の足にかみついたネズミは小さいかもしれないが、どんなに振り払っても噛み付いた正義の歯は猛獣のスネに深く刺さったまま。そう、彼女は相当しつこい。納得するまで諦めない黄金のネズミなのだ。


 三上さんは、64回の報告を、次の言葉で終わる。
 爽快さと力を感じさせる中で。


 香織さんはさっそく、当選証書授与式に0歳児のひなちゃんを伴って参加した。ひなちゃんは待機児童である。「仕事場に連れてくるな」と言うならば、保育所待機児童問題を解消せよ! と訴えるところから香織旋風の始まり始まりなのである。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第64回の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 08:59 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月30日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 石垣市への陸上自衛隊配備に反対する市民集会に800人が参加したという。
 また、「補償の問題ではない。命に関わる安全の問題だ」。琉球新報が伝える米軍ヘリ伊計不時着で作物被害者の心からの叫びである。
 今の日本の姿を見たとき、やはり、ともにこう叫ばざるを得ない。

 琉球新報は2017年1月30日 14:50付けで、「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、イエメン中部バイダ州で28日、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」し、負傷者が出たと報じた。航空ジャーナリストのブログ「The Aviationist」は事故を「墜落」と伝えた。米軍は事故機を破壊した。」、と報じている。


 2017年1月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-石垣陸自配備、800人抗議集会 市長の受け入れ糾弾-2017年1月30日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「石垣市への陸上自衛隊配備に反対する市民集会が29日、市総合体育館で開かれ、市内全域からこれまでで最大規模の約800人が集結した。中山義隆市長の陸自受け入れ表明を糾弾し配備阻止を訴える決議を採択して、最後に『ミサイル』『基地』の文字に×印を付けたボードを掲げ配備反対をアピールした。」
②「中山市長は配備の可否を判断する前に配備候補地周辺4地区から『意見を聞く』と発言しながら面談せずに、昨年12月26日に突然配備受け入れを表明した。これを受け、4地区も加入する『石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会』が主催し、市民集会を開催した。4地区の住民や戦争体験者、高校生ら10人が登壇し意見を発表した。」
③「4地区代表で発言した嵩田地区の中辻敦子さん(37)は『市長は自分の子どもが通う学校横への配備を受け入れるのか。私たちの地域にも人は住み、学校もある。話し合いもできなかったのはとても残念だ』と市長の対応を批判し『今まで通り静かで穏やかに農作業できる地域であってほしい』と求めた。」
④「戦争体験者で4地区内の川原に住む上原重次郎さん(79)は自身の体験から『基地があると必ず標的にされる。絶対に造らせてはならない』と語気を強めた。八重山農林高校3年の野原心さんも『勝手に配備計画を進めることは疑問だ。将来も安心して暮らせる島であってほしい』と願いを込めた。」


(2)琉球新報-「補償でなく命の問題」 米軍ヘリ伊計不時着で作物被害・上田さん-2017年1月30日 05:00


琉球新報は、標題について次のように報じた。



①「20日にうるま市与那城伊計に不時着した米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリが21日に農道から離陸した際、排気熱により畑の作物が焦げた。不時着現場の横で黄金イモを栽培している上田淳子さん(68)は『今回は葉だけの被害で、地中のイモには影響はなかったが、日中はこの場所で仕事をしている。もしその時に落ちてきたら怖い』と声を震わせた。」
②「沖縄防衛局から補償について連絡が来たが『補償の問題ではない。命に関わる安全の問題だ』と訴えた。不時着後も同型機やMV22オスプレイが1時間に何度も飛ぶ状態について『米軍はわが物顔だ。日本政府が許しているからではないのか』と指摘した。」
③「上田さんは伊計島内で2~3千坪の畑を手掛けている。『伊計の黄金イモは人気があり、年中収穫しているが今の季節が一番おいしい。今回負傷者がいなかったのは良かったが、高校生と植え付けたイモの葉が焼けてしまった』と肩を落とす。イモは島内のインターネットを使った通信制高校『N高等学校』の生徒らと3カ月前に植え、今週には収穫予定だという。」
④「上田さんは20日の米軍の演習について『普段とは違っていた。家の上空をヘリが飛んでいたので、どこかおかしいと不安に思っていた』と振り返る。その後、家から畑の中にヘリが降りていくのが見えたという。『いつかヘリが家に当たらないか、本当に怖い』。」
⑤「夫の清さん(69)は、24日に玉城正則自治会長が中嶋浩一郎沖縄防衛局長に署名を手渡す際も同席し、『伊計島は辺野古の基地からそれほど遠くなく、米軍機が飛ぶ回数も多い。米軍に対しては住民が感じる不安を強く訴え、指導してほしい』と話した。また、『不時着して以降、畑に規制線が張られたり、要請に行ったりと畑仕事ができなかった』と語った。」


(3)琉球新報-日米、尖閣に安保条約適用確認 2月の両国防衛相会談で-2017年1月29日 19:20


 琉球新報は、「2月に来日するマティス米国防長官が、稲田朋美防衛相との初会談で沖縄県・尖閣諸島について、米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だとする米政府の立場を確認することが分かった。複数の日米政府筋が29日明らかにした。強固な同盟関係を打ち出し、海洋進出を強める中国をけん制する狙い。安倍晋三首相とトランプ大統領が合意した2月10日のワシントンでの直接対話に向け安保分野で信頼醸成を図る。日米両首脳は28日深夜に電話会談し、日米同盟の重要性で一致。トランプ氏はマティス氏訪日に関し「一番信頼する閣僚を派遣する」とした。(ワシントン、東京共同)」、と報じた。
 
 

(4)沖縄タイムス-陸自配備反対「意見聞きたかった」 石垣・中山市長も集会に参加-2017年1月30日 08:01


 沖縄タイムスは、「会場後方には中山義隆市長も姿もあった。開会時から秘書と共に参加したといい、取材には「反対する皆さんの意見、どんな不安があるか聞きたかった。一人一人の持ち時間が少なかったが、踏み込んだ話、いい意見はあった」と述べるにとどめた。受け入れ表明の撤回を求める声について『難しい』としながら、可否判断前に聞くとしていた候補地近隣4地区の意見は『機会があれば聞きたい』と話した。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-「現場で闘い、国際社会に訴えていく」 辺野古ゲート前で抗議-2017年1月30日 13:46


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前では30日午前、新基地建設に反対する市民約50人が抗議行動し、『工事をやめろ』とシュプレヒコールを繰り返した。集会で、ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は『きょう、翁長雄志知事が訪米に出発する。トランプ政権に対峙(たいじ)していくにはわれわれが現場で闘い、国際社会に訴えていくしかない。県政をしっかり支えていこう』と呼び掛けた。午前8時40分ごろ、工事用ゲート前に座り込んでいた約20人の市民を機動隊員約40人が排除し、その間に工事車両3台が基地内に入った。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-那覇空港で滑走路閉鎖 空自F15が脱輪-2017年1月30日 14:34


 沖縄タイムスは、「30日午後1時19分、航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機1機が那覇空港から離陸しようとしたところ、前輪タイヤが脱輪した。滑走路は閉鎖され、ヘリ以外の離着陸ができない状態が続いている。那覇空港事務所は午後2時20分現在で、『再開のめどは立っていない』とコメントしている。同空港事務所によると、F15戦闘機は4機編隊の訓練で離陸しようとしたところ、最後の1機が滑走路南側で脱輪したと那覇基地から報告があった。空自は、燃料を一部抜き取り、機体を持ち上げた上で、代替タイヤなどを設置して移動する予定。」、と7報じた。
 また、「離着陸ができないため、那覇空港着の航空機は上空で待機中。同空港事務所は『今後は目的地変更の便も出てくる可能性もある』と話している。」、と伝えた。


(7)琉球新報-山城さんの早期釈放訴え 乗松さん、アムネスティ声明朗読 那覇地裁前に70人超-2017年1月30日 15:02


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設の抗議行動で、中心的役割を果たしていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が威力業務妨害容疑などで逮捕・起訴され、100日以上勾留が続いていることを受け、『山城博治さんたちの早期釈放を求める会』は30日午後、那覇市の那覇地方裁判所前で緊急集会を開いた。『アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス』エディターの乗松聡子さん(51)は国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が26日に発表した山城さんらの即時釈放要求の原文(英語)を読み上げ『国際人権規約の批准国として、不当勾留を直ちに解消せよ』と訴えた。」
②「雨が降りしきる中、裁判所前には70人以上の市民が集まり、シュプレヒコールを上げた。乗松さんがブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソンさんらと共に、山城さんらが政府の弾圧を受け、不当に長期勾留されている実情をアムネスティ・インターナショナルに伝え働き掛けたことで、今回の緊急要請文書をはじめとする国際的なキャンペーンが始動した。」
③「乗松さんは『人権運動の権威であるアムネスティ・インターナショナルだけでなく、世界の多くの主要紙が日本政府の沖縄いじめと弾圧を問題視している』と述べ、日本政府の非人道的な市民運動抑制策に警鐘を鳴らした。声明文を読み上げた後、乗松さんは同会の仲宗根勇共同代表と那覇地裁にアムネスティ・インターナショナルの原文を提出した。」


(8)琉球新報-オスプレイ墜落か イエメンで飛行 米軍が機体破壊-2017年1月30日 14:50


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、イエメン中部バイダ州で28日、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」し、負傷者が出たと報じた。航空ジャーナリストのブログ「The Aviationist」は事故を「墜落」と伝えた。米軍は事故機を破壊した。」
②「米中央軍は29日の声明で『作戦を支援していた米軍機がハードランディングし、追加の負傷者が出た。航空機は飛行が不可能となり、その場所で意図的に破壊された』と発表した。『ハードランディング』した米軍機の機種については言及していない。」
③「事故は米軍が実施した急襲攻撃の現場近くで起きた。奇襲攻撃ではヘリコプター部隊が武装勢力の拠点を襲撃し、武装勢力のメンバー14人と民間人16人、米兵1人が死亡した。」



by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 16:45 | 沖縄から | Comments(0)

日米両政府は、1996年にオスプレイの危険性言及していた。しかし、直後に表記を削除。

 毎日新聞は2017年1月30日、標題について次のように報じた。


(1)米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還を明記した1996年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の合意直前、米側が内部資料で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの危険性に触れ、その直後、SACO最終報告からオスプレイの表記を削除していたことが分かった。合意2カ月前の日米協議では、普天間の代替施設を巡り日本側が国内向けの説明の仕方を尋ねたのに対し、米側がオスプレイには直接触れない回答例を示していたことも判明した。
(2)琉球大の我部政明教授(国際政治)が文部科学省の科学研究費補助金の成果報告書としてまとめた米側資料のうち、米軍が作成し当時の防衛庁と交わした96年11月27日付の文書「防衛施設局のための沖縄県及び地域社会説明の想定問答集」に、オスプレイを巡る13の論点が示されていた。米軍は90年代からオスプレイの沖縄配備を検討していたとされ、問答集では「オスプレイの構造は既存のヘリコプターより複雑」「飛行試験中に事故が報告され、開発計画は一時中止されかけた」などと言及。「既存のヘリと比べ安全か?」とする想定質問があった(回答はなし)。
(3)普天間返還を巡る同年10月22日の日米協議の「議事録」では、日本側が代替施設の滑走路の長さを沖縄県側へどう説明するか助言を要請。回答例として「オスプレイには触れない」「具体的に言及する」「既存機種に合わせて(滑走路を)建設し、後に米政府がオスプレイ配備を発表したら延長する」の3案が併記されていた。その後、11月の想定問答集で米側は「防衛庁の望ましい回答」として「代替の海上施設は普天間に配備されたヘリの移転先でありヘリポートである」と記し、オスプレイに直接触れないことを「模範解答」としていた。
(4)こうした経緯の中、同年11月22日に作成され「海上施設はヘリコプターとオスプレイ部隊の駐留を支援するよう設計される」と記載されたSACO最終報告の「草案」から、12月2日の最終報告では「オスプレイ」の文言が削られていた。当時オスプレイは開発段階で、91年6月に試作機が墜落。92年7月には着陸直前にエンジンから出火して落下、海兵隊員ら7人が死亡している。【鈴木美穂】
(5)日米協議に携わった政府高官の話:「米側からオスプレイ配備の可能性はあるとの説明はあったが、当時はまだ開発途上のため正式な話ではなく、削除したというような経緯ではない。資料は米側の視点で書かれた内部文書で、コメントするのは適当でない。」
(6)我部政明・琉球大教授(国際政治)の話:「96年当時、オスプレイの沖縄配備計画は米側ではオープンとなっていたが、91、92年に重大事故を起こし、沖縄の反発を恐れる日本政府の思惑もあってSACO最終報告に明記されなかった。その過程で米政府は『沖縄の住民に対する説得は日本政府の責任』と強調する一方、日本政府は責任を負いたくない姿勢を見せていた。お互いの責任のなすりつけ合いの結果と言える。」


 恐らく、「96年当時、オスプレイの沖縄配備計画は米側ではオープンとなっていたが、91、92年に重大事故を起こし、沖縄の反発を恐れる日本政府の思惑もあってSACO最終報告に明記されなかった。その過程で米政府は『沖縄の住民に対する説得は日本政府の責任』と強調する一方、日本政府は責任を負いたくない姿勢を見せていた。お互いの責任のなすりつけ合いの結果と言える。」(我部政明・琉球大教授)、というのが真実なのであろう。
 そこに見えるものは、主体性の欠如という日本という国の未熟さであるし、「沖縄ならやむなし」との差別感ではないか。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 12:13 | 米軍再編 | Comments(0)

ちょっといい話。東京MX「ニュース女子」があっただけに。

 こんな記事を読むと、前を見つめて行きたくなります。
 沖縄タイムスは、2014年1月30日の[大弦小弦]で、阿部岳記者の「問題を見逃せばあすも仲良く付き合える。書けば嫌われる…」を掲載しました。
 この[大弦小弦]を全文引用します。


 問題を見逃せばあすも仲良く付き合える。書けば嫌われる。記者も人間、よく悩む。徳島新聞の土井良典さん(34)の答えはシンプルだ。「記者は嫌われてなんぼです」
▼ITのまちづくりで脚光を浴びる神山町の担当。町長と議員が公費で上京する日程に浅草観光があると報じた。怒った町長は役場、学校にまで取材拒否を指示した。土井さんはそれも報じ、撤回に追い込んだ
▼役場によく通う記者は地元紙の土井さんの他にいない。だからこそ「うちが最後のとりで。見逃せばそのままだ」と踏ん張った。一連の報道は新聞労連の疋田桂一郎賞を受賞した
▼日米両政府を批判するのは派手に映るかもしれない。実は、日ごろ顔を合わせる身近な権力を批判する方が難しく、真価を問われる。最近の沖縄では、副知事「口利き」の報道がある
▼土井さんは、あれだけ批判した町長に「記者魂を発揮したな」と声を掛けられたという。誠実な取材姿勢は伝わっていた。最高の褒め言葉だったはずだ
▼本紙の高江報道も、土井さんと同時に新聞労連の賞を受けた。それを知った建設会社の知人から電話があった。「人を食い物にして賞をもらって、上等だねぇ」。確かに強く批判した。口ごもっていると、「おめでとさん」と祝福され電話は切れた。どきどきするが、これだから記者はやめられない。(阿部岳)


 こちらこそ、これだから前に行ける。



by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 10:49 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(6)-辛淑玉さんの見解より-

 琉球新報は2017年1月27日、東京MX「ニュース女子」に対する辛淑玉さんの見解を掲載した。
 このことから、あらためてこの問題を考える。


 辛淑玉さんは、「1月2日に放送されたTOKYO MX『ニュース女子』は、とにかく酷(ひど)かった。」、とまず切り出す。
 そして辛淑玉さんはその思いをこう吐露する。


 「見ていて、こみ上げる怒りを抑えるのがこれほど難しかった経験はかつてなかった。胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何気ない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。私が、この番組の放つ悪意に冷静に向き合えるようになるまでには、時間が必要だった。友人や報道陣からの問い合わせに簡単な返信すらできなかったことを、この場を借りてお詫(わ)びしたい。」


 だから、「いま、可能な限り、私の思いを言葉にして綴(つづ)りたいと思う。」、と。
 ここで、辛淑玉さんの見解を要約する。


Ⅰ.東京MX「ニュース女子」の問題点。


(1)「ニュース女子」の手口は、基地反対運動について、徹底的にニセの情報を流すというものだ。
(2)現場にも行かず、当事者にも取材をしない一方で、反基地運動によって迷惑をこうむっているというニセの「被害者」を登場させる。そして、「沖縄の反基地運動はシンスゴという親北派の韓国人が操っている。参加者はカネで雇われたバイトで、その過激な行動で地元の沖縄人は迷惑している」というデマを流して視聴者の意識を操作する。
(3)これは、沖縄の人々の思いを無視し、踏みにじる差別であり、許しがたい歪曲(わいきょく)報道である。また、権力になびく一部のウチナンチュを差別扇動の道具に利用して恥じない「植民者の手法」でもある。
(4)多くの報道で、「ニュース女子」が取材もせずに番組を作ったことが指摘されていたが、彼らは取材能力がないためにネトウヨ情報を検証もせずに垂れ流してしまったのではない。この番組は、「まつろわぬ者ども」を社会から抹殺するために、悪意をもって作られ、確信犯的に放送されたのだ。


Ⅱ.東京MX「ニュース女子」の背景


(1)為政者にとって、自分になびかない者の存在は、自らの優越性を否定されるため最も憎い存在であり、だから国家体制を批判する者には「非国民」のレッテルを貼り、他の国民が寄ってたかって攻撃するよう仕向ける。その手先としてメディアを使う。そこにあるのは「愚かな国民など、この程度のことを吹聴しておけば簡単に騙(だま)せる」という国民蔑視だ。
(2)国家権力の素顔を見抜き、闘いを挑んでくる「生意気な非国民ども」に対しては、ただ潰(つぶ)すだけでは飽き足らず、嘲笑(ちょうしょう)して力の差を見せつけた上で、屈辱感を味わわせようとする。「ニュース女子」が、年始特番の、しかも冒頭で私を名指しして嘲笑したのは、私が怒って抗議してくると想定した上でのことだろう。感情的になって抗議してくればそれを笑い飛ばす、抗議してこなければ、「抗議してこないのは、報道内容が正しかったからだ」と宣伝材料に利用できる。どっちにころんでも美味(おい)しいというわけだ。


Ⅲ.辛淑玉である私について


(1)私はなぜ、在日への差別だけでなく、さまざまな差別に声を上げるのだろうか…。
時に、自分でも不思議に感じる時がある。お金も、時間も、体力も、あらゆるものを犠牲にして、どうしてここまでやるのかと。もっと楽な生き方ができたはずなのにと言われたことも、一度や二度ではない。
(2)確かなのは、被差別の歴史に共感する胸の痛みがあるということだ。
(3)歴史や文化は異なっているが、ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本の国家体制によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた。
(3)ウチナンチュは日本国籍を付与された一方で島ごと奪われ、沖縄戦では「国体」や本土の日本人を守るための捨て石にされた。敗戦後は膨大な米軍基地を押し付けられ、いまも命・生活・人間の尊厳など多くを奪われ、抑圧されている。
(4)朝鮮人は、頼んでもいないのに帝国臣民にされ、日本兵の下請け・弾よけとして最も危険できつい労役につかされた挙げ句、敗戦後は日本国籍を一方的に剥奪(はくだつ)され、国籍がないことを理由に戦後補償の対象から外され、「外国人」として排除、差別を受けてきた。
(5)経緯に違いはあっても、植民地支配の対象とされてきた点では同じ位置に立たされている。
(6)そして、私は「殺せ」と言われ、沖縄の友人たちは「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」「土人」と言われ、まとめて「反日・非国民」とくくられている。沖縄で起きていることは、私にとって他人事ではないのだ。
(7)彼らの痛みは私の痛みでもある。在日としてこの国に生を受けた以上、見て見ぬふりは許されないと私は思っている。


Ⅳ.「在日」と「オキナワ」が闘うことの意味


(1)「どんな発言にも表現の自由はある」と「中立公平」を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、「在日」も「オキナワ」も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。
(2)差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。
(3)新しい基地を作らせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。


Ⅴ.決意


(1)いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。
(2)デマを流し、政権の尖兵(せんぺい)として憎悪扇動を行うこの番組を、決して許してはならない。あらためて、それだけは言っておきたい。


 こうした辛淑玉さんの「訴え」に震える。
 「どんな発言にも表現の自由はある」と『中立公平』を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、『在日』も『オキナワ』も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。』、とする辛淑玉さんの主張は、すべてのものを撃つ。
 だから、「差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。」、との念いが、「新しい基地を作らせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。」、との主張と共鳴する。


 そして、「いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。」、と「幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。私」から私たちは、熱い想いを受け取る。


 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 09:07 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月28・29日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 東京MX「ニュース女子】による人権侵害は、「民間放送連盟に対し、放送法違反や人種差別撤廃施策を推進する法律違反を理由に、東京MXを除名処分にすることなどを求める共同声明を発表した。」(琉球新報)とされるが、辛淑玉さんの「基地反対の人をたたくために偽の情報を徹底的に流すやり方だ。公共電波のMXテレビが、偽情報をそのまま流したのは放送局としての体をなしていない」(沖縄タイムス)、との指摘がまさしく物語る。
 東京MXは、「朝鮮人をたたく時は朝鮮人を出し、ウチナーンチュをたたく時はウチナーンチュを出し、それを見て笑っている。偽の被害者を出し、とても手口が汚い」との辛淑玉さんの言葉を重く受けとめよ。


 2017年1月28・29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-虚偽報道で人権侵害 MX「ニュース女子」 辛淑玉さんBPO申し立て-2017年1月28日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東京ローカルテレビ局・東京MXの番組『ニュース女子』が米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなどし、市民団体『のりこえねっと』共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんの反差別運動を攻撃する内容を放送した問題で『のりこえねっと』」と沖縄の有志は27日、東京都の衆院議員会館と那覇市の県庁で「東京・沖縄合同記者会見」を開いた。辛さんの代理人弁護士は同日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に訂正放送や謝罪など人権救済を申し立てたと報告した。番組は『【反対住民はテロリスト】などの虚偽を前提に辛さんの人権を著しく汚した』と指摘した。」
②「一方、沖縄の有志からは『基地を押し付けておいて悪質なデマを流すのは許せない』『「名誉毀損(きそん)が公共放送でまかり通るのか』などの批判が相次いだ。」
③「BPOへの申し立ては『反対派が救急車を止めた』など事実と異なる内容を列挙した。辛さんについて『反対運動を扇動している黒幕』『反対運動参加者に【日当】を出して【雇い入れ】ている』【親北派】などの内容を流したことで、辛さんの『名誉が毀損された』としている。」
④「法務省の人権擁護機関への人権救済を申し立てることも予定しているという。今後、メディア関係者に事実の報道を働き掛けていく考え。」
⑤「東京MXは26日、辛さんの代理人弁護士にファクスで『様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送致しました』とする16日公表の見解と同様の内容を回答した。番組では『のりこえねっと』が5万円の旅費を支援して現場に派遣した『高江市民特派員』について、番組は『日当』を支給しているかのように報じたが、会見では『そのような実態はない』と強調。実際に派遣された2人が現地に行った経緯や感想を述べた。」
⑥「東京・沖縄の合同会見では、民間放送連盟に対し、放送法違反や人種差別撤廃施策を推進する法律違反を理由に、東京MXを除名処分にすることなどを求める共同声明を発表した。」


(2)琉球新報-アムネスティが即時釈放要求 山城さん長期勾留 国際運動を開始-2017年1月28日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は26日、名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設への抗議行動で、威力業務妨害容疑などで逮捕・起訴され、長期勾留が続いている沖縄平和運動センター議長の山城博治さんの即時釈放を求める国際的なキャンペーンを始めた。賛同者に安倍晋三首相や西川克行検事総長に対し、山城さんの即時釈放や適切な医療提供、家族との面会など求める書簡などを送るよう呼び掛けている。」
②「思想信条を理由に拘禁された『良心の囚人』に山城さんを認定することも検討している。日本の人権意識が国際社会で問われる異例の事態となっている。アムネスティは悪性リンパ腫の治療を続ける山城さんの健康状態が悪化している点を指摘。裁判所が2月20日までの勾留期間を延長する可能性と、家族との面会が許されていない現状を問題視した。」
③「日本全国の刑事法研究者が「正当な理由のない拘禁であり、速やかに釈放されねばならない」との声明を発表したことも紹介。国際人権規約にある勾留は『合理性』や『必要性』『比例性』の有無で、勾留が妥当か検討しなければならないとし、国際人権法を順守するよう求めた。また日本政府は県民の強い反対にもかかわらず、米軍基地の建設を続けており、山城さんの逮捕は、抗議活動を萎縮させているとの見方を示した。」
④「アムネスティは『緊急行動』と題して(1)公判までの釈放を適用すべきでないと証明されない限り、即時に釈放(2)速やかに適切な医療提供、家族との面会を保証(3)表現の自由、平和的集会などの権利や拘禁者の人権を尊重-の3点を安倍首相や西川検事総長宛てに書簡やフェイスブック、短文投稿サイト『ツイッター』で求めるよう求めている。」
⑤「アムネスティが認定を検討している『良心の囚人』は、これまでミャンマー民主化指導者のアウン・サン・スー・チーさんらが認定されている。」


(3)沖縄タイムス-運転代行、米軍基地内もGO 米兵の飲酒対策で全国初-2017年1月29日 09:59


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「全国運転代行協会沖縄県支部(JDA、新崎勝吉会長)が、米兵を基地の中まで送る運転代行サービスを2月1日から沖縄本島全域で始めることが28日までに分かった。基地内のレストランなどサービス部門を運営するAAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジサービス)から『米兵の飲酒運転を減らしたい』と昨年10月に相談があり、独占契約につながった。基地の中まで送る運転代行サービスは全国初。AAFESは米軍基地のある全国の自治体にサービスを広げたい考えで、神奈川でも調整を進めている。(政経部・平島夏実)」
②「県支部に加入する15社のうち、従業員の基地内パス申請などを済ませた6社約30台が県内すべての米軍基地内を対象に米兵を送り届ける。契約は5年更新。2月中に残りの9社が加わり、全部で約70台態勢にする。増車も検討する。」
③「県支部は、自費で米兵専用の運転代行ダイヤルを2回線設置した。午後8時から午前5時までオペレーターが英語で依頼を受け、同支部の共同無線で配車する。運転代行ダイヤルはAAFESを通じて県内の全米軍基地に周知した。料金は県支部加盟社で統一し、2キロまで1600円(加算運賃は1キロ当たり200円)。原則的に日本円での支払いを求めるが、ドルにも対応できるよう日々の為替レートを確認する。将来的にクレジットカードの決済システムやドライブレコーダーも導入する方針。売り上げは米軍側に毎月報告し、タクシーと同様、一定額の入域料を支払う。」
④「サービスを始める6社の代表者は11日、米軍嘉手納基地内でオリエンテーションを受け、信号機がなく制限速度が厳しい基地内特有の交通ルールを学んだという。新崎会長(56)は『代行運転業者が全国一多い沖縄だが、協会加入率は低い。基地内サービスをきっかけに加入社を増やし、白タク行為をしないなどの適正営業を徹底させたい』と話している。」


(4)沖縄タイムス-「うそと妄想とデマ」辛さん、「ニュース女子」を断罪 高江抗議報道-2017年1月28日 09:53


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「27日、東京・永田町の衆院第2議員会館で記者会見した辛淑玉(シンスゴ)さんは東京MXテレビの番組「ニュース女子」による米軍ヘリパッド建設に関する放送内容を「うそと妄想とデマで固められている」と断罪した。自らとともに侮蔑(ぶべつ)された沖縄県民の思いをおもんぱかり、悔しさと憤りをにじませた。代理人の弁護士は法務省の人権擁護機関への救済申し立てを予定していることも明らかにした。」
②「番組では、抗議行動への参加者らを『テロリスト』『犯罪者』などと表現し、侮辱した。辛さんは、自らがこうした抗議行動を扇動する黒幕とされたことを説明しながら、『基地反対の人をたたくために偽の情報を徹底的に流すやり方だ。公共電波のMXテレビが、偽情報をそのまま流したのは放送局としての体をなしていない』と痛烈に批判した。」
③「『反対派が救急車を止めた』や『大多数が基地に反対とは聞かない』などとの虚偽・不正な報道内容を念頭に、『朝鮮人をたたく時は朝鮮人を出し、ウチナーンチュをたたく時はウチナーンチュを出し、それを見て笑っている。偽の被害者を出し、とても手口が汚い』と不快感をあらわにした。」
④「放送翌日から放送倫理・番組向上機構(BPO)に提出する資料まとめに追われた。『寝る時間、親しい友人や家族と過ごす時間を全て奪われた。沖縄で闘っている友人たちは生活の全てを奪われている』。反証することの大変さとやるせなさを吐露。それでも、行動し声を上げ続ける意義を強調した。」
⑤「代理人の金竜介弁護士は『高江に集まっている人々はテロリストで犯罪者、不法行為者、黒幕としてお金を集めて送っているのが辛さんだとの虚偽の内容だ。辛さんの人権を侵害し、日常生活を脅かす報道だ』と指摘した。」


(5)琉球新報-知事訪米前に埋め立て承認撤回を トランプ政権発足で沖縄の識者が緊急シンポ-2017年1月29日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「トランプ米政権発足を踏まえ、沖縄が基地問題にどう対処するかについて討議する緊急シンポジウム『沖縄はどうすべきか-安倍政権の対沖縄政策に対抗するために』(主催・沖縄対外問題研究会=代表・我部政明琉球大教授)が28日午後、那覇市の沖縄大学で開かれ、約200人が参加した。翁長雄志知事に対し、辺野古埋め立て承認を撤回し立場を明確にして30日からの訪米に臨むべきだとの声が上がった。」
②「このほか具体的な取り組みとして(1)県土保全条例で国が免除されている県知事の許認可条項の改正(2)国交省に提出される米軍機の飛行計画の事前公開義務化(3)新たな日米地位協定改定案(4)包括的な沖縄の米軍基地の返還計画の策定(5)基地被害をまとめた白書作成-などの必要性が指摘された。」
③「『ジャパンフォーカス』エディターの乗松聡子氏は知事訪米について『撤回せずに行ったら、工事再開を許したことに礼を言われるだけだ』と指摘し、すぐさま承認を撤回すべきだとの見解を強調した。前県商工会連合会会長の照屋義実氏は経済界の立場から、嘉手納より南の返還時期が現行の沖縄振興計画から外れていることを挙げ『軍用地の返還とワンパッケージでないと沖縄振興法も使い勝手がよくない』と指摘した。その上で自立経済の確立には製造業の成長が鍵だとの認識を示した。」
④「研究会の宮里政玄顧問が冒頭、トランプ政権の誕生を受けて沖縄から何をすべきか基調提起をした。このほか我部教授や桜井国俊沖縄大名誉教授、琉球新報の松元剛報道本部長、沖縄タイムスの長元朝浩論説委員が登壇した。」


(6)琉球新報-辺野古破砕許可の再申請回避も 政府、埋め立て早期実施へ検討 沖縄知事の権限無力化狙う-2017年1月29日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う同県名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、3月末に期限が切れる埋め立て工事のための沖縄県による岩礁破砕許可について、政府が翁長雄志知事の知事権限を無力化するため、再申請の回避を検討していることが28日までに分かった。政府関係者が明らかにした。」
②「沖縄防衛局は2014年7月に岩礁破砕申請を県に提出し、仲井真弘多前知事が同年8月、県漁業調整規則に基づいてこれを許可した。岩礁破砕については、県漁業調整規則で漁業権の設定されている漁場内で海底の地形を変更する際、知事の許可を得る必要がある。沖縄防衛局は2013年、漁業補償を結ぶ際に名護漁業協同組合から埋め立ての同意を得た。これを理由に埋め立て予定地に漁業権の設定はないと解釈し、知事の許可回避を狙っている。ただ、防衛省幹部は『検討しているうちの一つ』としており、政府方針として再申請を回避するか決定していない。一般的な解釈として漁業権は護岸で囲い込み、海水の出入りがなくなることが確認されなければ消失したとみなされない。そのため、通常通り3月末の期限切れ前に再申請することも排除しておらず、その際は詳細な計画を示して知事の許可を得る考えだ。」
③「政府は知事が『不当』に権限を行使し、岩礁破砕を許可しなかった場合は『権限の乱用』を主張する構え。岩礁破砕を巡り、県と政府の対立が再燃する見通しとなっている。」
④「許可がなければ沖縄防衛局は海底地形の改変を伴う作業はできず、埋め立て工事は滞る。県側が岩礁破砕許可の更新を認めるかどうかが、承認撤回の行方を左右するとみられていた。」


(7)琉球新報-米国で辺野古新基地阻止訴え オール沖縄訪米団が会見 オスプレイ撤回も-2017年1月28日 12:00


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事の訪米に合わせて米国で辺野古新基地建設反対などを訴える『辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議』の訪米団(団長・呉屋守将共同代表)が28日午前、那覇市内で会見し、米国で(1)辺野古新基地断念(2)普天間基地の閉鎖・撤去(3)米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行中止、配備撤回―の3点を訴えると発表した。」
②「呉屋団長は3点の要請項目を挙げ『これらをやらないと、残りの米軍基地も大変な状況になると危惧を持っている。率直に沖縄の声に耳を傾け解決につなげてほしい。沖縄の団結をしっかりして世界の人々に発信するのが大事だ』と抱負を述べた。」
③「訪米団は連邦上下両院議員やその補佐官、シンクタンク関係者ら約30の会談先の予定が入っているという。翁長知事や稲嶺進名護市長らとも一部行動を共にする。呉屋団長を筆頭に、渡久地修県議が副団長を務める。」


(8)琉球新報-放送を中止、保留 「ニュース女子」宮城、佐賀の2局-2017年1月28日 10:52


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東京ローカルの地上波放送局『東京メトロポリタンテレビジョン』(東京MX)が米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民を誹謗(ひぼう)中傷する内容の番組を放送した問題で、宮城県の地方局ミヤギテレビが27日までに同番組を放送しないことを決めた。社内の番組審査で放送基準に照らし合わせ『事実を曲げている』と判断した。佐賀県のサガテレビも同回の放送を保留している。」
②「ミヤギテレビは11日から今回問題となった番組『ニュース女子』の放送を開始。過去の放送から選んで順次放送する予定だったという。同社コンテンツ審査室は『現地取材をしながら(ヘリパッド建設に)反対する側の声がない』と説明した。8日から放送を始めているサガテレビは『事実関係や制作者側の見解、世の中の動きを総合的に勘案し、放送を保留している』と説明した。」
③「ニュース女子は化粧品・健康食品大手DHCの子会社DHCシアター(東京都)と番組制作会社ボーイズ(大阪府)が制作。放送局関係者によると、広告代理店を通じて番組の売り込みがあり、地方局の一部が放送しているという。千葉テレビ、さくらんぼテレビ(山形県)、福井テレビ、石川テレビ、山陰中央テレビ(島根県)は、問題となっている回の次の回から取り扱っており、放送はなかった。」


(9)琉球新報-「基地押し付け、デマまで流すのか」 東京MX「ニュース女子」に沖縄で有志が抗議-2017年1月28日 10:35


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の『ニュース女子』の内容に抗議する『のりこえねっと』の会見は、インターネットでつないだ沖縄会場も設けられ、東京会場と双方向で進行した。沖縄会場となった県庁の県政記者クラブには『ヘイト放送に抗議する沖縄有志一同』の代表として作家の目取真俊さん、弁護士の池宮城紀夫さん、平和市民連絡会の岡本由希子さん、一般市民の安慶名奈々さんの4人が参加した。『絶対に許してはいけない』と強い抗議の意志を示した。」
②「基地建設への抗議行動に連日参加していた目取真さんは『これまで一銭ももらったことはない』と放送内容を否定。『ただでさえ沖縄に基地を押し付け、迷惑を掛けておきながら、悪質な差別意識に満ちあふれたデマまで流すのか。県民として許せない』と、現場を取材せずに一方的な中傷を流した放送局の姿勢を糾弾した。」
③「反対運動をおとしめる人々の心理について『裏を返せば、心の底に沖縄に基地を押し付けて負担を強いていることに対する後ろめたさを解消したいのだと思う』と分析した。『振興費をもらい、基地があるが故に得をしていると思い込むのも、同じような心理構図だ。沖縄への負担強要から目をそらすのではなく、ちゃんと目を向けてほしい』と訴えた。」
④「抗議行動に参加する安慶名さんは『番組内で軍事ジャーナリストが【沖縄の人たちは米軍基地に反対している人はいない】と言い切った。残酷で許せない一言だ』と抗議する仲間の気持ちを代弁した。」


(10)沖縄タイムス-辺野古基金への賛同団体、福島県が最多 「国策の犠牲」と共感-2017年1月29日 14:40


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する運動を支える『辺野古基金』の賛同団体が全国に広がっている。都道府県別では福島県が最も多い。国が推進した原子力行政の被害者として、米軍基地が集中する沖縄に対し『国策の犠牲』との共感が背景にあるようだ。」
②「基金は『沖縄の声』を意見広告などで国内外に発信しようと地元経済人や県議らが2015年4月に設立。アニメ映画監督の宮崎駿氏や元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏らが共同代表を務める。総額は6億円を超え、反対運動を展開する団体の活動費も援助する。」
③「寄付金集めなどにも協力する賛同団体は今年1月27日時点で1283団体。全国活動する団体を除くと福島の215団体が最多で東京都175、佐賀県97、福岡県78、広島県52と続く。労働組合や平和団体が多い。」
④「脱原発運動に取り組む福島県平和フォーラムの湯野川守事務局次長は『東京電力福島第1原発の事故で故郷に戻れない人が何万人もいる。【国策】に苦しめられている点で沖縄と同じだ』と賛同の理由を説明する。
⑤「基金の運営委員を務める比嘉京子沖縄県議は『福島の方々が私たちと【痛み】を共有してくれていると感じる。心強い。連携を強め、迷惑施設を押し付ける国に立ち向かいたい』と話した。(共同通信記者 岡田圭司)





by asyagi-df-2014 | 2017-01-29 17:06 | 沖縄から | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論が、2017年1月26日、第1回口頭弁論と同様に、大分地方裁判所の第1号法廷で開かれました。
今回も傍聴席に座ってきました。あわせて、弁護士会館で開かれた「報告集会」にも参加しました。 
 今回の口頭弁論では、原告団長の一人でもある中山田さつきさんが陳述を行いました。
 中山田さんは、生活の現場から必然的に起こる疑問や怒りから見た伊方原発の有り様について、説得力のある意見陳述を行いました。この中で、自分自身の「故郷の里山の生活」について、自らが「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発を差し止める意味を、訴えてくれました。
 私の方からは、この意見陳述について、いくつかの感想的なことを報告します。


 中山田さんは、故郷である里山の生活を守りたいと、自らの里山の今を次のように描いてくれました。


 「国東半島は、2013年にクヌギ林とため池による農林業が世界農業遺産に認定された地域です。私たち夫婦も、ため池の水で稲を栽培し、クヌギを原木として椎茸栽培をしています。この地域の農民が代々維持管理してきた里山の恩恵に与っての現在の営みです。いま、私たちも、この後を引き継ぐ人たちへとバトンを渡す役目を担いながら暮らしています。」
 「山里の暮らしは豊です。薪ストーブで暖を取り、お風呂も薪で焚きます。晴には山菜や筍、夏には林の間を流れる涼しい風が吹き、家の前で蛍が飛びます。秋には柿の実や栗が手を伸ばせばそこにあり、夫が山で掘ってくる自然薯の味わいは格別です。稲刈りの時期には刈り取った稲の掛け干しを孫たちが来て手伝ってくれます。そんなひとときは私たち夫婦にとっても幸せな時間です。」


 また、「集落の高齢者は、80歳はもちろん、90最近くになっても、自宅前の畑で野菜をつくり、近所の人たちと散歩をしながら、元気に穏やかに暮らしています。私たちの老後が見えて、何だかほっとします。」、と里山の生活が、地域に生きる人たちにとっていかに大事なものかということを語りかけ、「私はこの暮らしを大事にして、ここで生きていこうと決めています。」、と自分の決意を訴えたのでした。


 次に、中山田さんは、福島に3回行ったと陳述します。
恐らく、中山田さんと同様の里山生活を送っていたはずの福島の人たちの様子をこのように述べます。


 「ゴーストタウンとなった町を、除染の作業車だけが行き交い、途方もない数の除染物を詰めたフレコンバックの山があちこちにありました。街灯だけが灯り、家々の灯がまったく無い夜の村の風景の異様さと寂しさは何と表現していいかわかりません。」
 「楢原町に住んでいた母親を避難させた女性は、『人って壊れるんですよ。母は親しい友人や住み慣れた地域から引きはがされて、認知症が進んだというよりも、壊れちゃったんですよ。』と話してくれました。」
 「山縣に非難した中学生は、親友が通う川俣町の学校に通いたいと、親が決めた避難先の学校に通うことを一年間拒み続けたといいます。」


 この上で、中山田さんは、毅然と、「福島に行き、自分の目で見て、話を聞いて、『原発事故とはこういうことなんだ。暮らしのすべてが根こそぎ奪われるんだ。」と実感しました。放射能を無毒にする方法を持ち得ない限り、『厳罰は絶対にだめだ!』と心底思いました。」、と自分の立ち位置を明確にしたのでした。


 中山田さんは、「故郷の里山の生活」と「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発再稼働を差し止めしなくてはならない理由を、この意見陳述で、根本的な生活者としての視点から。次のように明らかにしました。


(1)転載を机の上で計算して安全対策は万全とすることに、私は大きな違和感を覚えます。自然の驚異が人間の都合の枠に収まるものでしょうか。そして事故の原因は転載だけではありません。人の操作ミス、機械の故障も大事故に繋がります。
(2)非難すれば、何年も何十年も、もしかしたら一生、ふるさとに帰れない避難になるのです。福島第1原発の地元、双葉町の当時の町長だった井戸川克隆さんは『避難した後の避難生活の計画は避難計画にはまったく無い。避難すべきは原発なんだ。生活圏にあってはならない。』と反省を込めて言われました。
(3)伊方原発で過酷事故が起き、風向きが大分方向だったら、福島の現実は、大分県に住む私たちの現実になります。


 中山田さんは、前回陳述の徳田弁護士と同じように、「福島原発事故から、『チェルノブイリのような万が一はそんなに起きないだろうと思ってはいなかったか?本当に真剣に原発事故を起こさないためにやれることを全部やってきたのか?』と自分のこれまでの姿勢を問われました。」、とまずは、真摯に自分に向き合っています。
 そして、意見陳述の最後に、裁判官にこう言葉を届けました。
 実は、報告集会で、新聞社の記者に「何が一番言いたかったのか」、と聞かれた中山田さんは、この最後の言葉を裁判官に届けたかったと回答していました。


「政治を嘆いているだけでは、動き始めた危険な原発は止められません。再び事故を起こさせないために自分ができることが裁判でした。司法が、私たちが安全に生きる権利を定めた憲法の下、差止判決を出すことを信じて、この裁判を起こしました。裁判官の皆さん、現在と未来を脅かすことにない、脱原発社会を切りひらく司法判断をして下さい。」


 さて、報告集会で、最も参加者をあっと言わせた報告は、仮処分で裁判官にプレゼンをした小森弁護士の「『わりきり』と『えいやあー』でものごとを決めている」、というものでした。
 この言葉は、日本の原子力行政だけでなく、日本という国の薄っぺらな人権感覚を如実に表しています。
 最後に、3月末にもと噂されていた大分の仮処分決定ですが、5月11日に4回口頭弁論が開かれることになったとの報告がありました。この辺の経過については、「よくわからない」、との報告があわせてなされました。


by asyagi-df-2014 | 2017-01-29 13:04 | 書くことから-原発 | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(5)-沖縄タイムス「在京メディアの『沖縄ヘイト』が許容される背景」より-

 今回の問題について、沖縄タイムスは2017年1月21日、渡辺豪さん(以下、渡辺とする)の「在京メディアの『沖縄ヘイト』が許容される背景」、との記事を掲載した。
 渡辺は、「東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の番組『ニュース女子』(1月2日放送分)に、在京メディアの危うい一面を見せつけられる思いがした。」、と始める。
 渡辺の指摘を要約する。


Ⅰ.『ニュース女子』(1月2日放送分)への思い。


(1)番組では、東村高江での市民の抗議行動を背景に、ナレーターが「反対派の過激デモを支えるのが彼らシルバー部隊。万一逮捕されても生活に影響の少ない65歳以上のお年寄りを集め過激デモ活動に従事させているという」と解説する。同時に、「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』 逮捕されても生活の影響もない65歳~75歳を集めた集団」とテロップが映し出される。
(2)スタジオでは出演者たちの罵りと嘲笑が繰り返される。沖縄戦や戦後の基地被害を肌身で体験し、「子や孫のために」とやむにやまれぬ思いで反対運動に加わる沖縄の高齢者の思いを代弁する者は、スタジオには一人もいない。顔にモザイクをかけた画像を何度も流し、「テロリスト」呼ばわりしてはやし立てる構成は、「ニュースショー」というより集団リンチのように映った。禁止された玩具を幼児が弄ぶように、と表現すれば言葉がきついだろうか。政治的な立場や意見が違うにせよ、からだを張って路上で抵抗する人々を、娯楽として「消費」するかのような精神性は、正視に耐えなかった。


Ⅱ.ヤマトノ実態。または、客観報道とは。


(1)それでもネット上では、今回の番組とそれに対する批判をごちゃ混ぜにし、どっちもどっちとする「論」もあった。このように、日本(ヤマト)社会では、極端な思想をもつ「ネトウヨと左翼の喧嘩」といった程度の認識の人が多いのではないかと危惧している。
(2)1月18日付で『朝日新聞』が(Media Times)というワッペン記事でこの問題を取り上げた。電子版の見出しはこうだった。
 「『虚偽・ヘイト放送』沖縄で反発 MXテレビ『ニュース女子』」
 「客観的」な表現だと思った。
(3) 20日付『毎日新聞』は「MX『偏見報道』に波紋」の見出しで伝え、「政治的意見はあってもいいが、一方的な決めつけをしているなら問題だ」とする識者談話を掲載した。本文の記事で「一方的な決めつけ」をしているのかどうかについて独自、主体的に検証しているわけではないので、内実に詳しいわけではない識者の弁としてはこれが限界なのだろう。それが「客観報道だ」という判断もあったのかもしれない。
(4)沖縄の反対運動も、地元紙のトーンも、知事のスタンスも無論不変ではない。沖縄の多数世論とかい離すれば受け入れられなくなり、継続稼働は困難になる。これらは常にバランスを模索する、合わせ鏡のような関係にある。反対運動に参加する市民や沖縄の地元紙のトーンが「先鋭化している」との認識があるのであれば、何がそうさせているのかということに目を向けるのが、本来の「客観報道」ではないか。


Ⅲ.異質なMXテレビの問題からメディアのあり方。


 渡辺は、在京メディアに対して、「辺野古新基地建設が本格化する前、私はこう書いた。『物理的に米軍の基地運用に支障を及ぼせば、【違法行為】と判じられるかもしれない。このときもなお、大手メディアは【沖縄を追い詰めた当事者】という自覚を欠いたまま、【客観報道】に徹することだろう」(『Journalism』2013年4月号)。沖縄の米軍基地反対運動を見る在京メディアのまなざしは今、そうなっていないか。」、と問いかける。
 そして、メディアのあり方をこのように記す。


(1)沖縄の民意を踏みにじり、基地政策を無理やり強行すれば反対運動が激化するのは目に見えていた。「沖縄を追い詰める当事者」は政府というより、そうした政府の姿勢を支え、肯定し続ける日本(ヤマト)社会である。大手メディアの「沖縄に寄り添う報道」が、あくまでこうした日本(ヤマト)社会の価値判断や利害と一致する範囲内においてである限り、本当の意味で「沖縄に寄り添う報道」は成立し得ないことを指摘したつもりだ。
(2)これは、基地問題をめぐって沖縄と日本(ヤマト)の利害が一致しない、という前提に基づいた場合の見解である。ただ、今回のMXテレビの問題は「日本(ヤマト)VS沖縄」の次元で語られるべき事案ではないように思う。無論、「保守VSリベラル」の構図でもない。
(3)中国の軍事的脅威を踏まえ、日本の国益を第一に考えれば、沖縄は今後も軍事の要衝地として、あるいは日米同盟の要としての役割を担ってもらわなければならない。そうした立場から見た場合にも、反対運動に参加する人たちを一括りに「過激派」あるいは「テロリスト」扱いし、日本社会に偏見や差別を植え付け、排除していくような「報道」はマイナスにしか作用しない。
(4)反対運動の消長は沖縄世論の動向とシンクロしている。抗議行動に参加していない沖縄の多数の人たちの支持や共感が得られなければ、反対運動はたちまち衰潮するだろう。運動を取り締まる側も、沖縄世論を「敵」に回さないよう留意しているのが実情だ。そうした中、反対運動が「先鋭化」しているのだとすれば、それは沖縄社会の何を反映し、意味しているのか。そのことをより慎重に検討、分析し、日本(ヤマト)社会で共有しなければならないときに、ネット上のデマや偏見と変わらない「情報」を裏付けもなく報じるのは、国家統合や国民統合を毀損しかねない危うさもはらむのではないか。
(5)ローカル局とはいえ、東京都も出資するテレビ局が、事実に基づかない「沖縄ヘイト」ともとれる番組を放送したとの報道は、地元紙で丁寧かつ詳細に報じられている。番組はネットにアップされており、誰でも視聴できる。これが沖縄世論にどのような作用を及ぼすのかは自明だろう。
(6)リアル政治に携わる政治家や官僚はそうした点に特に敏感だ。と言いたいのだが、近年は怪しいのが実情だ。私の実感では沖縄を懐柔する「老獪さ」すら影を潜め、永田町周辺の政治家、官僚、大手メディア関係者からも、オフレコの場であればなおさら露骨に沖縄の地元紙を小馬鹿にしたり、翁長雄志知事を罵倒したりする「本音」を聞くのが常態化している。とはいえ、個別にじっくり話すと、露骨なゴリ押ししかできない政権の沖縄政策の脆さや、それを黙認する全国世論の危うさに気付いている有識者や大手メディア関係者も少なくない。だがそれに気付きながらも、組織内あるいは公の場では沈黙を保つ人が多いのが現状のように思う。そうしたエスタブリッシュメント内部の「空気」こそ、「ヘイト番組」の供給を支えているのではないか。


Ⅳ.渡辺の主張。


(1)MXテレビは1月16日の番組終了後、こんなメッセージを流した。「1月2日に放送しました沖縄リポートは、様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送致しました。今後とも、様々な立場の方のご意見を公平・公正にとりあげてまいります。」。今後ともこうした内容の番組放送を続けるという意味である。これを看過するのであれば、日本社会の分断と劣化は歯止めが利かなくなるだろう。
(2)19日、MXテレビ前に集まった市民有志はこう訴えた。
 「噓は『意見』ではないし、誹謗中傷は『議論』ではありません。貴社自身の番組放送の基準にたち返り、良心が残っていることを示してほしい」
 このとき、向かいの歩道で警戒中の警察関係者にガードされた中年女性が「MXガンバレー」「活動家だらけだ、沖縄は」などと叫んだ。
(3)どちらの「声援」に耳を傾けるのがメディア機関としての本務なのかは明白だろう。


 渡辺は次の投げかけを残した。


(1)「政治的な立場や意見が違うにせよ、からだを張って路上で抵抗する人々を、娯楽として『消費』するかのような精神性」の問題点。
(2)「反対運動に参加する市民や沖縄の地元紙のトーンが『先鋭化している』との認識があるのであれば、何がそうさせているのかということに目を向けるのが、本来の『客観報道』ではないか。」との視点の重要性。
(3)「個別にじっくり話すと、露骨なゴリ押ししかできない政権の沖縄政策の脆さや、それを黙認する全国世論の危うさに気付いている有識者や大手メディア関係者も少なくない。だがそれに気付きながらも、組織内あるいは公の場では沈黙を保つ人が多いのが現状のように思う。そうしたエスタブリッシュメント内部の『空気』こそ、『ヘイト番組』の供給を支えているのではないか。」、とのメディアのあり方の指摘。


 また、渡辺は、「どちらの『声援』に耳を傾けるのがメディア機関としての本務なのかは明白だろう。」、と決意を表明する。


 この渡辺の投げかけと決意に深く共感する。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-28 08:26 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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