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「オスプレイが沖縄県名護市の安部の浅瀬に墜落」を考える。(3)-琉球新報社説(20161217)-

 標題について、「主権国家であること」の観点から考える。
 琉球新報は、2016年12月17日、「墜落現場過剰規制 米軍に国内法適用せよ 主権国家の務めを果たせ」、とその社説で主張した。
 まずは、これを要約する。


ⅰ.問題点の指摘
(1)日本側が捜査を申し入れても回答さえしない。報道陣には正当な理由もなく退去を求める。そこが民間地域であるにもかかわらずだ。米軍の傍若無人な振る舞いは到底認められない。
(2)主権を侵されても日本政府は問題にすらしない。独立国の誇りを捨てて米国を優先することで生じた歪(ひず)みが、沖縄県民の平穏な暮らしを脅かし続けているのである。
(3)名護市安部の海岸で発生したオスプレイ墜落事故は、2004年の沖国大米軍ヘリ墜落事故を受けて、日米が取り交わした基地外での米軍機事故に関するガイドライン(指針)が適用される事案だ。だがこの指針も事故機の管理や原因調査を米軍が優先的に行うことに変わりはない。民間地域での米軍の治外法権にお墨付きを与える屈辱的なものだ。オスプレイ墜落事故でも、その弊害が現れた。
 その一例が日本の捜査権が阻まれていることだ。第11管区海上保安本部は米軍側に捜査を申し入れたが、放置されている。事故原因解明に欠かせないフライトレコーダーは米軍が回収した。海保は航空危険行為処罰法違反で捜査に着手したが、捜査難航を懸念せざるを得ない。米軍は自らの非協力姿勢で「良き隣人」ではないことを示した。
(4)規制の在り方も問題だ。米軍が浜を分断する形で張り巡らせた規制線の中に置かれたオスプレイの残骸を機動隊が警備したことは、米軍の機密を守ることに主眼を置いているためだろう。住民の安全を確保する意思は一切感じられない。
 指針は「事故現場を可能な限り小さく設定」した上で規制することを求める。名護市議らの抗議で、米軍が規制範囲を縮小したことは、米軍が意のままに規制していることの表れだ。それを問題視しない日本政府は米軍の指針違反を容認していることになる。
(5)このような米軍優先は世界基準と大きく乖離(かいり)している。
(6)墜落現場では、米軍が報道陣に現場から離れるよう要求した。指針によれば、現場にいる県警が報道陣を含む「見物人」の「整理」を担当する。県警がいない場合は米軍が整理できるが、県警は今回、その場にいた。一時的であれ、指針を無視した米軍の退去要求は指針に明らかに反する。
(7)米軍だけではない。県警の対応にも問題はある。稲嶺進名護市長が現場に近づくことを制止したことだ。指針では、事故現場を行政上管轄する地方当局が必要な業務を適宜行うことを認めている。市長は事故現場を行政上管轄する地方当局のトップである。墜落事故の被害状況確認は市長にとって必要な業務だ。市民の安全に大きな責任を負う市長の業務を妨害することは、あってはならない。稲嶺市長は「地元の人たちも私も含めて現場に近寄れない。こんな不合理な世界があるのか。ここは沖縄か、名護市か」と憤った。当然である。


ⅱ.主張
(1)日本が国民の基本的人権を保障する真の法治国家ならば、米軍の治外法権を認める日米地位協定を破棄して米軍に国内法を適用し、厳しい規制の網をかけるべきだ。
(2)イタリア国内の全米軍基地は、イタリア軍司令官の下に置かれている。米軍は重要な行動をイタリア側に全て事前通告し、演習、軍事物資・兵員の輸送、事件・事故でもその発生を通告することが課せられている。米軍機事故の検証もイタリア側が主導権を持つ。
 これが主権国家としてあるべき姿である。米国を上位に置く日本とは対照的である。日本政府はイタリアを見習うべきだ。
(3)民間地域でありながら、過剰な規制によって市長でさえも正当な業務を阻まれる。こんな異常な状況をいつまでも放置してはならない。日本政府は主権国家としての務めを果たすべきだ。醜いまでの米国優先に終止符を打たねば、真の独立国とは言えない。



 琉球新報が指摘する墜落事故を受けての対応は、あきらかに日本という国の主権が侵害されている状況を示している。
 そしてさらに、このことの意味が、沖縄以外では取りあげられないことこそ、「構造的沖縄差別」の実態を曝け出している。


 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-19 14:02 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月18日

 安倍晋三首相は、「事故に関しては『遺憾なことだ。同時に原因が究明されるまでは運航をやめてもらいたいと米国側に要請した。米側は運航を【止めてくれ】といってもなかなか止めなかったが、日本においては運航を一時的に止めてくれた』と成果を強調した。」、と2016年12月16日の夜のテレビ番組で、披露した。
 よもや、19日にオスプレイノ運行を再開させることはないはず。


 2016年12月18日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「オスプレイ飛行再開許さず」 900人、辺野古で抗議集会-2016年12月18日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市安部に米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故を受けて、17日午後、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で『オスプレイ墜落事故糾弾! 飛行停止と撤収、海兵隊の撤退を求める緊急集会』(基地の県内移設に反対する県民会議主催)が開かれた。約900人(主催者発表)が参加し、オスプレイの配備撤回、辺野古への新基地建設反対、海兵隊の撤退などに向け、決意を新たにした。」
②「沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は『オスプレイについては何度も何度も配備撤回を求めてきたにもかかわらず飛行を続け、辺野古の新基地や高江ヘリパッドの建設が強行されている。新たな米軍施設の建設を止め、オスプレイを撤去させよう』と呼び掛けた。稲嶺進名護市長は『同様な事故はこれからも起こる可能性がある。オスプレイが配備撤回されるまで、新基地建設計画が撤回されるまで、諦めずに最後の最後まで頑張ろう』と述べ、辺野古の新基地建設反対の意思をあらためて強調した。登壇者らは米軍がオスプレイの墜落について『不時着』『「不時着水』と表現したことについて、『現場を見て誰一人として不時着と思っている人はいない』などと批判。飛行再開が打診されていることについては『オスプレイは構造的な欠陥がある。再開を許せば再び墜落事故が起きる』などとし、米軍と米軍の意向に追従する日本政府の姿勢に厳しい批判が相次いだ。」
③「参加者は『欠陥機は飛行を中止せよ』などとシュプレヒコールを上げた。」


(2)琉球新報-北部訓練場返還式典「祝う必要ない」 海外識者22人が批判声明-2016年12月18日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米国やオーストラリアなど海外の識者や市民運動家22人は17日、名護市で予定される米軍北部訓練場の過半の返還に伴う式典に対し『祝うことなどない』と題する共同声明を出した。声明は翁長雄志知事が東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設を止めるために、効果的な行動を起こさなかったと批判し『返還が周辺地域の軍事強化につながる限りは何も祝うことを見いださない』と強調した。」
②「共同声明を出したのはオーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授、国際平和ビューロー副会長のジョセフ・ガーソン氏、元米陸軍大佐で外交官も務めたアン・ライト氏ら。」
③「声明は日米両政府によるヘリパッド建設強行を批判し、市民らによる反対運動を支持すると表明。オスプレイ墜落事故で『沖縄の人々は危険性への恐怖感を新たにしている』と指摘した。県、県議会に対しても機動隊による実力行使を阻止するための効果的な対策を講じなかったと批判した。声明はオバマ大統領、安倍晋三首相、翁長雄志知事、新里米吉県議会議長宛て。」
④「声明を出した海外識者は次の通り。(敬称略、アルファベット順)」
▽ハーバート・ビックス(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授)
▽ピート・シマザキ・ドクター(「ハワイ・オキナワ・アライアンス」共同創立者)
▽アレクシス・ダデン(コネチカット大学歴史学教授)
▽マーク・イーリー(翻訳家)
▽ジョン・フェッファー(「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクター)
▽ノーマ・フィールド(シカゴ大学名誉教授)
▽ブルース・ギャグノン(「宇宙における兵器と核に反対するグローバルネットワーク」コディネーター)
▽ジョセフ・ガーソン(国際平和ビューロー副会長)
▽ローラ・ハイン(ノースウェスタン大学教授)
▽ポール・ジョバン(台湾国立中央研究院社会学研究所アソシエートリサーチフェロー)
▽エリン・ジョーンズ(研究家)
▽ジャン・ユンカーマン(ドキュメンタリー映画監督)
▽ピーター・カズニック(アメリカン大学歴史学教授)
▽ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授)
▽デイビッド・マクニール(上智大学非常勤講師)
▽キャサリン・ミュージック(海洋生物学者)
▽乗松聡子(「アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス」エディター)
▽スティーブ・ラブソン(ブラウン大学名誉教授)
▽マーク・セルダン(コーネル大学東アジア研究プログラム上級研究員)
▽ウェスリー・ウエウンテン(サンフラシスコ州立大学准教授)
▽デイビッド・バイン(アメリカン大学人類学准教授)
▽アン・ライト(元米陸軍大佐)


(3)沖縄タイムス-日本政府、オスプレイ飛行を容認 点検後に全面再開-2016年12月18日 08:40


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「在日米海兵隊のオスプレイが沖縄県名護市安部の海岸で墜落した事故で、日本政府が飛行再開を認める方針を固めたことが17日、分かった。オスプレイは13日の事故後、飛行停止している。米軍は伊江島補助飛行場に駐機している1機を点検のため米軍普天間飛行場へ飛行させたい意向を伝えており、所属機の点検が終わり次第全面的に再開するという。政府関係者が明らかにした。」
②「米側は訓練中に空中給油機のホースがオスプレイのプロペラに当たり損傷したとして、オスプレイの機体に問題はないとしていた。天候などが影響した訓練上のミスとみており、今後、空中給油時の対策を徹底する」。
③「関係者によると、13日午後11時45分ごろに、普天間飛行場内で着陸装置に故障を生じ胴体着陸した機体については、飛行中に操縦士が不具合を関知した。連絡を受けた消防車などが準備する間は、上空でホバリングするなどの手順を取った。政府は、制御可能な状態で緩やかな着陸が行われており、着陸装置の故障はオスプレイ特有の問題ではないと判断した。」
④「17日に墜落現場を視察した安慶田光男副知事は記者団に、県に対して正式に週明けに再開するという連絡はないとし、『事故原因が究明されるまでは再開しないようにと要請している。米軍、米国政府は、沖縄県民をはじめ日本国民、日本政府に真摯に応えていくべきじゃないか』と述べた。」


(4)琉球新報-海保が機体を撮影 オスプレイ墜落-2016年12月18日 14:11


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した名護市安部の浅瀬で18日午前9時49分ごろ、ゴムボートに乗った中城海上保安部の職員5人が海域に残されている機体などを撮影した。保安部は米軍関係者が海上に設置した油防止膜(オイルフェンス)の外側から、海面に飛び出たオスプレイの一部などを撮影した。現場海域にいたのは約10分程度だった。第11管区海上保安本部は米側に捜査協力を申し入れているが、18日正午時点で米側からの回答はない。同日は米軍によるオスプレイの回収作業は行われていない。」、と報じた。


(5)琉球新報-オスプレイ 「反対では負担減進まず」首相、知事をけん制-2016年12月18日 10:11


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「安倍晋三首相は16日夜のTBS番組で、オスプレイ墜落に関し『一歩一歩着実に負担を軽減していく。それが政治家に課せられた使命だと思う。ただこれは反対だと唱えてもらうと一歩も進まないわけだ』と述べ、政府にオスプレイの飛行中止、配備撤回を求めている翁長雄志知事を念頭にけん制した。同時に『いかに大きな問題かを理解してもらえたと思う。しかし大切なことは今ある普天間基地、住宅地に囲まれた市街地の真ん中にある普天間基地を固定化させてはならないということだ』とも述べ、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設予定地に近い同市安部に墜落したことには触れず、計画推進の必要性を主張した。」
②「事故につながった空中給油訓練で、オスプレイに給油していたKC130空中給油機を普天間から移駐し、自身の地元山口県の岩国基地が受け入れたと強調した。実際は移駐後もKC130が普天間にたびたび飛来し、今回の訓練も沖縄近海で行われていた。」
③「事故に関しては『遺憾なことだ。同時に原因が究明されるまでは運航をやめてもらいたいと米国側に要請した。米側は運航を【止めてくれ】といってもなかなか止めなかったが、日本においては運航を一時的に止めてくれた』と成果を強調した。」
④「稲田朋美防衛相が米側に求めたのは『安全が確認されるまでの飛行停止』で、安倍氏が言う事故の『原因究明までの運航停止』には踏み込んでいない。」
⑤米軍も墜落機の事故原因が不明な状態で飛行再開しているのが現状で、9月22日に本島東沖で墜落事故を起こしたAV8Bハリアー戦闘攻撃機は事故後飛行停止していたが、原因究明もなく事故から15日後に飛行再開した。」
⑥「米側はオスプレイも事故原因が不明なまま19日にも飛行させる考えを日本側に伝えている。」


(6)沖縄タイムス-オスプレイ墜落抗議集会、22日に名護で 翁長知事の出席を調整-2016年12月18日 12:26


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設に反対する政党や企業、市民団体などでつくる「オール沖縄会議」は17日、那覇市内で幹事会を開き、名護市での米軍オスプレイ墜落事故に抗議する集会の開催を決定した。」
②「22日午後6時半から名護21世紀の森屋内運動場で2千人以上の参加を目指し、抗議と同時にオスプレイの配備撤回を求める。事務局によると翁長雄志知事の出席も調整しているという。また、県と国の『辺野古違法確認訴訟』を巡り、最高裁判決が言い渡される20日の午後5時半に衆院第一議員会館で報告集会、21日正午に福岡高裁那覇支部前の城岳公園で抗議集会をそれぞれ開くことも決めた。」
③「玉城愛共同代表は幹事会後の会見で『オスプレイは欠陥機だと県民が指摘する中で墜落した。裁判では県が敗訴の方向となり、国は暴力的に辺野古反対の沖縄の声を踏みにじろうとしている』として各集会を開く意義を強調した。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-18 18:02 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シ「ナ人」発言を考える。(39)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 沖縄タイムスは2016年11月14日、「二重の差別意識が隠れている 精神科医・香山リカさん【インタビュー「土人」発言・18】」、とのインタビュー記事を掲載した。
 香山リカさんは、次のように語る。


(1)9月に短い期間だったが高江に行った。地元住民が静かに粘り強く抗議する姿に、「これは政治闘争ではなく暮らしを守る闘いだ」と思った。しかし東京に戻ってこの話をしても、正直言って反応は鈍い。「大変なのはわかるが、ここは沖縄の人たちに我慢してもらって」と思っているのだ。自分で意識していない人もどこかで沖縄を見下している。これは沖縄に対する差別にほかならない。
(2)「土人」発言には、二重の差別意識があると思う。「権力者が決めたことなのだから建設計画に従うべき」という権力側にいる機動隊員として一般市民を見下す意識、さらに「特に沖縄は黙って受け入れるべきだ」と沖縄に対する差別が加わっている。そして残念ながら、後者の「沖縄への差別」は多くの人の意識の中に隠れていることは先に言った通りだ。
(3)人は真実を指摘されると、かえって否定して認めないことがある。「差別ではない」と取り繕う鶴保大臣らの態度にもそれを感じる。沖縄の人たちはひるむことなく、「差別するな」と声を上げてほしい。
(4)応援する人たちは本土にもたくさんいる。私たちは、もう決して沖縄を見捨てたりしない。そう心に決めたのは私だけではないはずだ。


 もしかしたら、「これは政治闘争ではなく暮らしを守る闘いだ」、と言いつくろう必要はないことなのかもしれない。
 しかし、「応援する人たちは本土にもたくさんいる。私たちは、もう決して沖縄を見捨てたりしない。そう心に決めたのは私だけではないはずだ。」、とする人の決意には繋がりたい。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-18 14:01 | 沖縄から | Comments(0)

「オスプレイが沖縄県名護市の安部の浅瀬に墜落」を各紙の社説・論説で考える。

 標題について、「47NEWS-社説・論説」から、2016年12月15日づけのものを取りあげる。
 その見出しは、次のものである。
(1)北海道新聞社説-オスプレイ事故 やはり起きてしまった
(2)信濃毎日新聞社説-オスプレイ事故 徹底した究明と公表を
(3)中日新聞社説-オスプレイ事故 家の上に落ちていたら
(4)福井新聞論説-オスプレイ不時着、大破 犠牲リスクさらに高まる
(5)神戸新聞社説-オスプレイ大破/沖縄県民の不安が現実に
(6)山陽新聞社説-オスプレイ事故 安全への不安が現実に
(7)高知新聞社説-【オスプレイ事故】国は毅然とした対応取れ
(8)佐賀新聞論説-オスプレイ事故 徹底的な原因究明求めよ
(9)南日本新聞社説-[オスプレイ大破] 総点検まで運用停止を
(10)琉球新報社説-オスプレイ墜落 海兵隊撤退しかない 訓練場返還式典は中止せよ
(11)沖縄タイムス社説-[オスプレイ墜落]海兵隊撤退へ舵を切れ
 また、全国紙2016年12月15日付けの社説は次のようになっている。
(12)朝日新聞社説-オスプレイ大破 懸念が現実になった
(13)東京新聞社説-オスプレイ事故 家の上に落ちていたら
 特徴的なのは、「墜落」という言葉を使用したのが、沖縄の二紙だったことだ。これは、二社の記者が現地を踏み、正確に伝えようとしたことの現れである。ただし、他社も、大本営発表の「着水」は使用していない。大本営発表をそのまま伝える「愚」からは逃れられている。
 「海兵隊撤退」と触れることができたのは琉球新報と沖縄タイムスだけであった。
 「訓練場返還式典の返還等」については、北海道新聞・中日新聞(東京新聞)と沖縄の二社が触れていた。
 「オスプレイの安全への不安」と「沖縄への配慮」及び「原因の徹底追究」をそれぞれの地方紙が取りあげている。
 地方紙と全国紙の二社の主張は、差異は少ない。
各新聞社の主張をまとめると次のようになる。


Ⅰ.北海道新聞社説
(1)重大事故への懸念が、日本国内で初めて現実になった。オスプレイは開発段階から墜落事故が相次いでおり、構造上の欠陥を指摘する声は根強い。危険性が拭えない米軍機を、普天間のような住宅密集地の中にある基地に配備すること自体、やはり根本的な問題がある。
(2)翁長知事は欠席の意向を事故前から表明している。県の抗議にもかかわらず、近くでオスプレイが危険な訓練を繰り返していることなどが理由だ。日米両政府は、式典よりも考えるべきことがあるのではないか。
(3)大切なのは沖縄における危険の除去である。普天間飛行場を名護市辺野古に移したところで、それは危険のたらい回しでしかない。

Ⅱ.信濃毎日新聞社説
(1)安全性への不安を募らせる事故だ。原因を徹底究明し、つぶさに公表する必要がある。
(2)日本政府は安全が確認されるまでの飛行停止を要請し、米側は運用を当面停止するとした。当然である。ケネディ駐日米大使は飛行再開についても日本政府と緊密に調整したいと述べている。政府は国民に対し状況を逐一、説明する必要がある。原因究明を米軍任せにはできない。地元の海上保安部は航空危険行為処罰法違反容疑で捜査に着手した。何があったのか、しっかり解明しなくてはならない。
(3)飛行の停止だけでなく、配備についても政府は米国側との交渉や再検討をすべきだ。沖縄県の翁長雄志知事は「直ちにオスプレイの飛行を中止して配備撤回を求めたい」と述べている。名護市や沖縄本島北部にある米軍訓練場の地元でも抗議の声が上がった。
(4)沖縄だけではない。米軍の定期整備拠点に選ばれた陸上自衛隊木更津駐屯地、経由地として頻繁に飛来している米軍岩国基地、陸自が導入する機体の配備を要請されている佐賀空港など、各地で動揺が広がっている。米空軍の訓練空域は長野県内を含め、全国に及ぶ。国民の間に不安を残したまま配備を進めれば反発が高まるだけだ。

Ⅲ.中日新聞社説(東京新聞)
(1)沖縄県名護市沖で米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが「不時着」した。起こるべくして起きた事故だ。米側は同機の飛行を一時停止すると表明したが、同機の国内配備そのものを見直すべきだ。
(2)米側は同機の安全性を確認するまで飛行の一時停止を表明したが、沖縄への配備そのものと、ヘリパッド建設を中止すべきだ。オスプレイは普天間飛行場に二十四機が配備され、東京の横田基地にも配備計画がある。日本は主権国家らしく米国に対峙(たいじ)すべきで、米国に黙って従い配備を続行するのは無謀でしかない。
(3)ヘリパッドの年内完成を急ぐ日米両政府は二十二日に北部訓練場の返還式典を予定しているが、翁長雄志知事は出席しないと表明した。オスプレイが重大事故を起こして何をことほぐのか。工事を即刻中止し、式典も中止すべきだ。

Ⅳ.福井新聞論説
(1)沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は配備撤回を要求している。17機を導入した陸上自衛隊は2019年度から佐賀空港に順次配備する計画で、住民らの不安が広がる。事故原因の徹底究明は当然だが、米軍の十分な情報提供がなされるかだ。早期の運行再開は許されない。
(2)あろうことか、米軍側は民家などを避けて被害を防いだ操縦士をたたえ、「感謝されるべきだ」などと高飛車な態度を取っている。日本を見下す姿勢がはからずも露呈した。那覇の海上保安本部は捜査を受け入れるよう米軍に申し入れている。決して事故を矮小(わいしょう)化させてはならない。
(3)日本政府は米側が飛行を一時停止し、再開についても話し合う意向を示したことを評価した。日米同盟の緊密な連携を強調する狙いだろうが、沖縄の抗議を無視して強行配備した責任は日本政府にもあるのだ。
(4)問題の根深さは日米安全保障条約に基づく日米地位協定の不平等条約にある。米軍の軍事機密がどれだけ提供されるのか。配備要請を受けている佐賀県など他の関係自治体、住民らの不安は強まる。日本人が犠牲になるリスクは高まった。

Ⅴ.神戸新聞社説
(1)現在使用中のMV22オスプレイは操縦が難しいとされ、開発段階から多くの事故を起こしている。米軍は今回の事故原因を徹底的に調査するとともに、積極的に情報を公開すべきだ。その上で、一貫して配備に反対してきた沖縄県民の声にしっかり向き合う必要がある。
(2)沖縄で事故を起こせば、ますます住民の反基地感情が高まることは明らかで、米軍も慎重に運用してきた。それでも事故は起きた。その事実は重い。さらに同じ日、別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸していたことも明らかになった。今の機種で本当に安全を確保できるのか、疑問と言うしかない。
(3)事故を受けて各地の米軍基地の地元で不安の声が広がる。オスプレイは陸上自衛隊も17機を導入し配備を進めている。日本政府は対応について再考すべきではないか。

Ⅵ.山陽新聞社説
(1)だが、別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸していたことも明らかになった。過剰な基地負担を強いられてきた沖縄が、一連の事故で態度を硬化させるのは当然だ。県は配備の撤回をあらためて求めた。米軍だけでなく、日本政府も厳しく受け止めねばならない。
(2)衝撃は全国各地に広がっている。オスプレイは東京、静岡などの米軍基地にたびたび飛来するほか、山口・岩国基地への26年までの配備が予定されている。輸送能力の高さが評価され、陸上自衛隊も19年度からの佐賀空港への配備を地元に要請中だ。こうした地域で理解を得ることは一層難しくなろう。だが、安全への懸念を払拭(ふっしょく)しないままの運用や配備は絶対にあってはならない。

Ⅶ.高知新聞社説
(1)在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官は「パイロットは県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と述べた。この傲岸(ごうがん)不遜さは何だろう。これではオスプレイの配備や運用、ひいては日米安保条約に基づく在日米軍の活動への理解など、到底得られるはずがない。
(2)日本政府も米側の「安全宣言」を受け入れ、沖縄への配備のほか陸上自衛隊への導入計画を進めている。それでも今回、国内では初となるオスプレイの重大事故が起きた。米側の説明を「うのみ」にしてきた政府の責任も問われよう。
(3)そもそも人為ミスによる事故が続発すること自体おかしい。ミスを誘発する機体の欠陥がありはしないか。そんな疑問も浮かんでこよう。
(4)安全を確認するには原因の究明が大前提だ。そのためには米軍の調査や発表に頼るだけではなく、日本側も主体的に事故の捜査に携わることが欠かせない。ところが現状では「米軍基地外での米軍機事故に関するガイドライン」によって、事故機の残骸や部品は米軍が管理する決まりとなっている。日本政府は合同調査を阻むこうした「壁」を、一つ一つ取り払っていかなければならない。
(5)9月には米攻撃機AV8ハリアーが沖縄本島沖に、今月もFA18戦闘攻撃機が本県沖に墜落した。米軍機事故で国民の命が脅かされている。脅威の根本には日本の空を自由に航行することを認めた日米地位協定がある。状況の打開へ地位協定の改定も見据えた、毅然(きぜん)とした対応が政府には求められる。 

Ⅷ.佐賀新聞論説
(1)米軍は今回の事故について「空中給油の訓練で、給油機の燃料ホースがオスプレイのプロペラで切れて、機体が不安定になった」と説明し、機体そのものが事故原因でないことを強調する。ただ、その程度のトラブルが事故につながるのならば、やはり、どこか構造上に問題があると考えるべきではないのか。米側は過去の事故で、いずれも「人為的なミスが主要因」と総括しているが、今回は十分な検証を求めたい。
(2) 日本も1機100億円超の大金で購入し、自衛隊機として使用する計画だ。今、しっかり安全性を調べておかないと、操縦する自衛隊員が危険にさらされるし、今後の事故も「人為的なミス」で片付けられる恐れさえある。
(3)気になるのは事故について、日米ともに「不時着」という言葉を使い続けている点だ。不時着とは、操縦者の制御がきく状態で、目的地以外に緊急着陸することを意味する。
機体が大破している状況を見れば、「墜落」ととれる。在沖縄米軍トップの「パイロットは県民に被害を与えないように不時着した。感謝されるべきだ」という説明には強い違和感を覚える。
(4)山口祥義知事が「原因がうやむやのままで、受け入れの判断をすることはありえない」と徹底的な究明を求めているが当然だろう。佐賀県の場合、住宅街に落ちるのも恐ろしいが、海に落ちてもノリ漁など漁業に甚大な被害を与える。安全性に不安を抱えた機体が国防に貢献するということは考えられない。

Ⅸ.南日本新聞社説
(1)米軍は事故を重く受け止め、原因究明を徹底してもらいたい。同時に、日本側に説明した「自発的着水」についても真相を明らかにするため、第11管区海上保安本部(那覇)の捜査を受け入れるべきだ。機体が大破しているのになぜ墜落ではないのか、国民が納得する説明が必要である。
(2)事故現場は、普天間飛行場の移設先である名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブからわずか湾一つ挟んだ所にある。移設に反対する沖縄県と名護市が「基地ができればオスプレイの危険度が増す」と、反発を強めるのは避けられまい。
(3)オスプレイは陸上自衛隊が17機の導入を計画するなど国内で増える恐れがある。その導入や鹿屋での訓練前に全機を総点検し、終わるまでは運用停止を求めたい。

Ⅹ.朝日新聞社説
(1)米軍や政府は「不時着」だというが、翁長知事が示した「墜落」との認識こそふさわしい。
(2)許しがたいのは米軍側の態度である。日本国内でのオスプレイの運用を当面停止したのは当然だが、在沖米軍トップの四軍調整官は抗議した副知事に対し「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と話したという。占領者意識丸出しの暴言というほかない。政府は事実確認のうえ、発言の撤回と謝罪を強く求めるべきだ。
(3)この事故と暴言は、沖縄が直面している現実を、多くの人に改めて思いおこさせた。
墜落の恐怖、騒音の苦しみ、奪われる普通のくらし、重大な事故・事件をくり返しても反省しない米軍、県民より米国の顔色をうかがう日本政府……。
(4)オスプレイは12年秋から米軍普天間飛行場に順次配備され、いまは24機にまで増えた。事故機はその中の1機だ。同飛行場をめぐっては、オスプレイも含め、夜間早朝や人口密集地上空での飛行を制限する日米合意がある。だが県の測定によると、制限時間帯でも1日平均で10回を超える騒音が記録され、有名無実化している。先月あった爆音訴訟の判決で那覇地裁沖縄支部は「米軍と国によって、住民に対する違法な被害が漫然と放置されている」と、厳しく指摘した。また、本島中部の宜野座(ぎのざ)村では先日来、オスプレイが水タンクをつり下げて民家上空を飛行する訓練を行っている。地元の抗議を米軍は無視し、政府は有効な手を打てないでいる。
(5)来週20日に普天間飛行場の移設をめぐる辺野古訴訟の最高裁判決が予定され、22日には米軍北部訓練場の一部返還がある。返還といっても、オスプレイの離着陸帯の新設が条件になっており、基地機能の強化との受けとめが沖縄では支配的だ。そんなときに起きた事故である。政府が対応を誤れば、県との間の溝はさらに深まる。
(6)米軍に原因の究明と徹底した情報公開を迫るのはもちろん、同様の事故が起きたとき、日本側も調査に関与できる仕組みの導入を働きかけるなど、県民・国民を向いた対応を求めたい。
(7)沖縄の負担はもはや限界だ。これを軽減する道を、いま一度根底から問い直す。「墜落」をその契機にしてほしい。


 各紙の社説等をまとめると次のことが言える。
(1)「一貫して配備に反対してきた沖縄県民の声にしっかり向き合う必要がある。」(神戸新聞)
(2)「脅威の根本には日本の空を自由に航行することを認めた日米地位協定がある。状況の打開へ地位協定の改定も見据えた、毅然とした対応が政府には求められる。」(高知新聞)
(3)「米軍は今回の事故について『空中給油の訓練で、給油機の燃料ホースがオスプレイのプロペラで切れて、機体が不安定になった』と説明し、機体そのものが事故原因でないことを強調する。ただ、その程度のトラブルが事故につながるのならば、やはり、どこか構造上に問題があると考えるべきではないのか。米側は過去の事故で、いずれも『人為的なミスが主要因』と総括しているが、今回は十分な検証を求めたい。」(佐賀新聞)
(4)「米軍に原因の究明と徹底した情報公開を迫るのはもちろん、同様の事故が起きたとき、日本側も調査に関与できる仕組みの導入を働きかけるなど、県民・国民を向いた対応を求めたい。」(朝日新聞)

 特に、朝日新聞の「沖縄の負担はもはや限界だ。これを軽減する道を、いま一度根底から問い直す。『墜落』をその契機にしてほしい。」、ということに尽きる。


 以下、各紙の社説、論説の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-18 11:43 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月17日

 墜落したMV22オスプレイは、防護服を着込んだ米軍関係者らが機体を工具で切断し、解体して回収した
 海上保安本部は、航空危険行為処罰法違反での立件を目指し捜査に着手し、米軍に捜査協力を申し入れたが、日米地位協定の壁に阻まれ、捜査ができない事態となっている。
 2004年の沖国大米軍ヘリ墜落事故と同様に、日本という国は、主権を侵害されている。それでも、日本政府は、12月22日の「返還式典」を中止しようとはしない。
 あまりにも、愚かではないか。
 また、「オスプレイ週明け飛行」、と米軍が政府に伝達。
 重ねて言う。日本は、主権国家か。


 2016年12月17日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-北部着陸帯が完成 日米両政府が確認-2016年12月17日 07:30


 琉球新報は、「日米両政府は16日、米軍北部訓練場で建設してきたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の完成を確認した。米軍が現場入りし、同訓練場の過半の返還の条件とされる6ヘリパッド全てが完成したと確認した。日本政府側は前日15日で確認を終えていた。これらヘリパッドでは13日夜に名護市で墜落した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが運用される。ヘリパッドに近い東村高江集落などでは騒音被害の増大が予想され、県民の反発が続いている。22日には建設完了に伴う返還式典(政府主催)があるが、翁長雄志知事や新里米吉県議会議長は欠席を決めている。」、と報じた。
 また、「計画された6ヘリパッドは完成したが、政府は『G地区』と呼ばれるヘリパッドと国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ訓練道の整備については、最長で来年夏まで工事を継続する。」、と伝えた。


(2)琉球新報-防護服で機体解体 墜落のオスプレイ 海保の捜査困難に-2016年12月17日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落現場の名護市安部海岸で16日、防護服を着込んだ米軍関係者らが機体を工具で切断した。現場は浅瀬で海からも陸からも機体回収が困難だったため、部分解体して回収した。墜落事故を巡っては、第11管区海上保安本部(11管)が航空危険行為処罰法違反での立件を目指し捜査に着手し、米軍に捜査協力を申し入れたが、米軍は11管に回答しないまま証拠となる事故機を『米軍財産』と位置付け、回収を進めている形だ。」
②「2004年の沖国大米軍ヘリ墜落事故と同様に、日米地位協定の壁に阻まれ、捜査ができない事態となっている。16日はゴムボートで「竜」と書かれた尾翼部分などを回収し、墜落現場から約800メートル離れた浜に引き揚げ、トラックで運んだ。17日以降も解体作業を継続するとみられる。」


(3)琉球新報-オスプレイ週明け飛行 19日にも 米軍が政府に伝達-2016年12月17日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「墜落事故を受けて飛行が停止されている米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、米軍が伊江島補助飛行場に駐機しているオスプレイ1機を普天間飛行場に戻すために19日にも飛行させる考えを日本政府に伝えたことが16日分かった。関係者が明らかにした。県などは『欠陥機』だとして配備撤回を求めており、事故の原因究明前に飛行が再開されれば、反発はさらに広がりそうだ。」
②「政府はオスプレイ墜落事故を受け、安全性が確認されるまで飛行停止するよう要求している。原因究明や情報提供も求めているため飛行に難色を示しながらも、伊江島にある機体を普天間に戻すことは認める可能性がある。防衛省の武田博史報道官は16日の定例会見で『防衛省としては米側からそのような連絡もなく、事実関係は承知していない』としたが、米側から打診があるかについては明言を避けた。防衛省関係者は『飛行再開は一義的には米軍が発表するだろう』としている。」
③「一方、沖縄県は翁長雄志知事が15日、稲田朋美防衛相に対して事故への抗議とオスプレイの飛行中止、配備撤回を要請していた。米軍は9月22日に本島東沖で墜落事故を起こしたAV8Bハリアー戦闘攻撃機も事故後飛行停止していたが、原因究明がされないまま事故から15日後に飛行再開していた。」


(4)沖縄タイムス-「ノー!」米軍が記者締め出し 通そうとした警官と押し問答 オスプレイ現場-2016年12月17日 09:31


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部(あぶ)の海岸で16日朝、日本側が規制責任を負うエリアで米軍関係者が記者を締め出した。日米が取り決めた『ガイドライン』に違反する行為で、沖縄県警も米側に申し入れするなど2時間にわたり、混乱した。」
②「『ノー!』。午前7時半ごろ、墜落から2日間にわたり報道機関が取材した区域に記者が入ろうとしたところ、迷彩服姿の米軍関係者が行く手を防いだ。警察官が近づき、『プレス(記者だ)』と伝え、通行させようとしたが、米軍関係者は『ノー』との姿勢を崩さなかった。」
③「2004年の沖国大ヘリ墜落事故を受け、日米は米航空機事故直後の役割分担を『ガイドライン』としてまとめた。一般人の立ち入り制限では、事故現場に近いエリア『内周規制線』を日米が共同で規制し、その外側の『外周規制線』は日本側が規制を担う。『取り決め破り』とも取れる米軍関係者の行動に警察担当者は『規制範囲は日米が協議して決めるはずだ』と語気を強めて反論。米軍担当者は何度も携帯電話で指示を仰ぎ、2時間後にやっと通行を認めた。」
④「日米機関の調整役を担う黒川清彦沖縄危機管理官によると、米軍側は外周規制線エリア内での機体破片を収集するため、規制拡大を主張したという。一方的に往来を制限したことについては『現場担当者がガイドラインを理解していなかった可能性がある。今後の課題だ』との認識を示した。」
⑤「ヘリ基地反対協は16日、オスプレイ墜落現場周辺に出た抗議船の航行が米兵のゴムボートに妨害されたと抗議した。名護市辺野古のテントで記者会見した安次富浩共同代表らは『米軍が海上保安庁の仕事を奪い、海を支配している。(復帰前の)米軍植民地時代と何も変わらない』と批判した。反対協は15日午前、墜落機体周辺に船2隻とカヌー6艇を出し抗議。その際、米兵がゴムボート2隻で船を押して針路を無理に変え『下がれ』『駄目だ』などと主張したという。海保は遠巻きに見ているだけだったという。」


(5)沖縄タイムス-米軍ヘリパッド完成、市民ら「悔しい」 反対訴え続ける覚悟-2016年12月17日 10:19


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄防衛局と米軍関係者が東村高江周辺の米軍北部訓練場のヘリパッド完成を確認した16日、工事中止を求めてきた地元住民や市民は『工事を止められなかった』と悔しがり、早期完成を目指し急いだ工事の影響を懸念。建設現場で抗議した市民は『進入路は未完成。今後も工事は続く』と反対を訴え続ける覚悟だ。」
②「16日は、プレハブ小屋や仮設トイレを載せて、N1地区ゲートから出てくるトラックが確認された。高江区に住む東村議の伊佐真次さん(54)は『日米政府は返還式典のために“完成”という言葉が欲しいだけだ。今後、大雨や台風で工事を急いだ弊害が出てくるのではないか』と懸念した。」
③「抗議中、オスプレイ飛行再開打診との情報も入り、沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は『胴体着陸も含め、何一つ原因究明されていない。飛行は到底許されない』と声を荒らげた。」


(6)沖縄タイムス-米軍ヘリパッド完成 沖縄県が初の立ち入り調査-2016年12月17日 08:35


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県米軍北部訓練場の約4千ヘクタールの返還条件となっているヘリパッドと進入路の工事が16日、完了した。同日、沖縄防衛局や米軍の関係者が建設現場で状況を確認した。沖縄県環境部も15、16の両日、一部返還が予定されている米軍北部訓練場への立ち入り調査を行った。日米両政府が2015年に締結した「環境補足協定」運用後、返還前の米軍施設での立ち入り調査は初めて。同訓練場の自然環境や歴史・文化的環境の現況把握などを行った。」
②「やんばるの動植物などに詳しい専門家4人と県環境部の職員が、既存のヘリパッド(LZ21地区)や国立公園と隣接する安波ダム周辺を調査した。沖国大の宮城邦治名誉教授は『LZ21地区周辺で、2メートルほどのリュウキュウマツが確認できた。今回調査できなかったが、1980年ごろに米軍ヘリが落ちた場所の植生が回復してるかなど、さらなる確認が必要』と語った。」
③「県は専門家の意見をまとめ、今後、防衛局と行われる支障除去作業の協議の場で同局に助言していく方針。」
④「返還後の土地引き渡しには、土壌の原状回復など支障除去が必要。計画案では、通常の半分程度の1年~1年半で終わらせるとしている。」


(7)沖縄タイムス-オスプレイ事故で抗議集会 沖縄・高江、続く反発-2016年12月17日 09:48


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市の浅瀬に米軍の新型輸送機オスプレイが不時着した事故を受け、同機が訓練で飛来する米軍北部訓練場に近い同県東村高江で17日、住民らが抗議集会を開いた。約200人が集まり『県民は屈しない』などのプラカードを掲げ、反発の声を上げた。」、と報じた。
 また、「『ヘリパッドいらない住民の会』のメンバーで東村の農家宮城勝己さん(64)は『この小さな沖縄で、住宅の上を飛ばずにオスプレイの飛行訓練なんてできない。米軍は沖縄を植民地としか思っていない』と憤りをあらわにした。」、と報じた。


(8)琉球新報-残骸回収17日も続行 市民ら70人抗議 安部のオスプレイ-2016年12月17日 13:33


 琉球新報は、「名護市安部の海岸に墜落した米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの残骸を回収する作業が17日も続けられた。機体の残る墜落地点では午前10時20分ごろから、少なくとも5人のダイバーが潜水作業を開始した。電動ノコギリのようなものを準備している様子も確認された。約800メートル離れた浜に、午後0時15分までにゴムボート4隻分の残骸が運ばれ、トラックに積まれている。午後0時40分現在、浜では市民ら約70人が『米国は民主主義の国なのに、なぜ他国の民主主義は認めないんだ』などと抗議の声を上げている。浜は約15メートル四方を県警が規制している。」、と報じた。


(9)琉球新報-オスプレイと海兵隊撤退を要求 墜落で抗議集会-2016年12月17日 13:52


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市安部に米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故を受けて、17日午後1時、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で『オスプレイ墜落事故糾弾! 飛行停止と撤収、海兵隊の撤退を求める緊急集会』(基地の県内移設に反対する県民会議主催)が始まった。午後1時現在、約500人が参加した。開会のあいさつで沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は『許しがたい墜落事故が起こった。何度も配備撤回を求め、反対してきたにもかかわらず、オスプレイは飛行を続け、辺野古の新基地や高江のヘリパッドの建設が強行されている。私たちの力で新たな米軍施設の建設を止め、オスプレイを撤去させよう』と呼び掛けた。」
②「駆け付けた稲嶺進名護市長は『配備されて2年で墜落事故が起こった。米軍は墜落ではない不時着水だと繰り返した。あれが不時着水だと思っている人は誰一人いない。県民をばかにしているのか。政府は私たちの声を聞く耳はまったくない』と批判した。その上で『同様な事故はこれからも起こる可能性がある。諦めずにオスプレイが撤退されるまで、新基地建設計画が撤回されるまで、最後の最後まで頑張ろう。地元の市長として皆さんの支援に感謝している』と、辺野古の新基地建設に反対していく考えをあらためて強調した。」


(10)沖縄タイムス-沖縄で米軍属が酒気帯び運転の疑い 基準値3.5倍「飲んでない」-2016年12月17日 14:00


 琉球新報は、「沖縄県警浦添署は16日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、米海兵隊の軍属(29)を現行犯逮捕した。『酒は飲んでいない』と容疑を否認しているという。基準値の約3・5倍のアルコールが検出された。調べによると容疑者は16日午前3時42分ごろ、宜野湾市宇地泊の国道58号を酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転した疑い。浦添署員がパトロール中、浦添市内の国道58号をスピードを出して北上する車を発見し追跡。容疑者から酒の臭いがしたという。」、と報じた。


(11)沖縄タイムス-「米軍は何考えているんだ」 沖縄県、飛行再開打診に怒り 「認めれば日本は属国」-2016年12月17日 12:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「在日米軍がオスプレイの飛行再開を日本側に打診したことに、沖縄県関係者からは一斉に非難の声が上がった。県幹部の一人は、『墜落事故からわずか3日、米軍は何を考えているのか』と批判した。」
②「オスプレイは墜落に加え、着陸装置の不具合による胴体着陸と2回の事故を起こしている。幹部は『原因が究明されていない段階で飛行を再開するなどあり得ない』と非難。事故を受け、県民の間で不安が広がっているとし『自国で事故が起きても同じ対応をするのか。あまりにもばかげている』と強調した。別の幹部は、稲田朋美防衛相ら日本政府も安全が確認されるまでの飛行停止を求めていることに触れ『安全性は全く確認できていない。仮に政府が飛行再開を認めれば、まさに米国の属国としか言えない』と語気を強めた。」
③「名護市安部(あぶ)でのオスプレイ墜落事故を受け、同区の當山真寿美区長は15日、若宮健嗣防衛副大臣と区内で面談し『墜落現場の海水汚染調査』『住民への情報提供』『』周辺規制の早期解除』を求めた。米軍は16日、安部地区会館を訪ね、當山区長に作業の進捗(しんちょく)状況などを報告。當山区長は今後も随時、情報提供するよう求めた。當山区長は本紙取材に『「ここには人が暮らしている。事故後、毎日何が起こっているのか分からず区民は不安に思っている』と訴えた。」
④「東村高江区(仲嶺久美子区長)は18日に代議員会を開き、オスプレイ墜落事故への抗議決議案を採択することを決めた。同区周辺に新たに四つのヘリパッドが造られ、オスプレイの運用が見込まれることから仲嶺区長は『事故発生で区民は不安に思っている。しっかり声を上げたい』と話した。決議後、沖縄防衛局を訪れ抗議する予定。仲嶺区長は22日の米軍北部訓練場返還式典に出席し、政府関係者にオスプレイの運用に対する懸念を伝えるという。」


(12)琉球新報-「制御できずに墜落」 新たな構造欠陥指摘 オスプレイの元主任分析官のリボロ氏-2016年12月15日 13:18


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故について『航空機が制御できていた場合、機体の損傷を引き起こさずに水面に着陸できただろう。機体が激しい損傷を受けた事実はその航空機が制御不能であり、航空機を破壊するに十分な力で水面にぶつかったことを示唆している』と述べ、オスプレイが制御不能で墜落したことを強調した。」
②「墜落事故が空中給油をきっかけに起きたことに対しては『回転翼モードで補給することができない事実は、予期されなかった航空機の欠陥である』と述べ、オスプレイの新たな構造的欠陥であると指摘。同じような墜落事故が再び発生すると強調した。14日、本紙の取材に答えた。」
③「リボロ氏は『何が(事故)原因であれ、これは明らかに航空機が完全に破壊されたことによる墜落事故だ』とし、米軍が説明する『不時着』ではなく『墜落』と断定した。」
④「オスプレイによる空中給油については『夜間の空中給油は、どの航空機でも常に困難だ』と指摘。その上で『パイロットによる誤操作や乱気流発生のいずれかで、給油ホースがレシーバーと接触する可能性がある。(空中給油機の)給油パイプに非常に近いので、より深刻な状況になる』と指摘。その上で『オスプレイはコントロールするのが難しいため、回転翼モードでの飛行中に補給することはできない』と説明した。」
⑤「リボロ氏は在沖米軍トップのニコルソン在沖米四軍調整官が声明で、『県民や乗務員を守るために、意識的に浅瀬に着陸しようとした』と主張したことに対して『この声明は無意味でばかげている』と批判。『キャンプ・シュワブにはビーチがあり、ビーチ全体が緊急時に着陸可能であった。パイロットはどこにいても、墜落するしかなかった。私は問題の機密性を理解しているが、沖縄の人々と誠実に向き合うべきだ』と強調した。」


(13)琉球新報-残骸回収17日も続行 市民ら70人抗議 安部のオスプレイ-2016年12月17日 13:33


 琉球新報は、「名護市安部の海岸に墜落した米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの残骸を回収する作業が17日も続けられた。機体の残る墜落地点では午前10時20分ごろから、少なくとも5人のダイバーが潜水作業を開始した。電動ノコギリのようなものを準備している様子も確認された。約800メートル離れた浜に、午後0時15分までにゴムボート4隻分の残骸が運ばれ、トラックに積まれている。午後0時40分現在、浜では市民ら約70人が『米国は民主主義の国なのに、なぜ他国の民主主義は認めないんだ』などと抗議の声を上げている。浜は約15メートル四方を県警が規制している。」、と報じた。


(14)琉球新報-オスプレイと海兵隊撤退を要求 墜落で抗議集会-2016年12月17日 13:52


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市安部に米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故を受けて、17日午後1時、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で『オスプレイ墜落事故糾弾! 飛行停止と撤収、海兵隊の撤退を求める緊急集会』(基地の県内移設に反対する県民会議主催)が始まった。午後1時現在、約500人が参加した。」
②「開会のあいさつで沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は『許しがたい墜落事故が起こった。何度も配備撤回を求め、反対してきたにもかかわらず、オスプレイは飛行を続け、辺野古の新基地や高江のヘリパッドの建設が強行されている。私たちの力で新たな米軍施設の建設を止め、オスプレイを撤去させよう』と呼び掛けた。駆け付けた稲嶺進名護市長は『配備されて2年で墜落事故が起こった。米軍は墜落ではない不時着水だと繰り返した。あれが不時着水だと思っている人は誰一人いない。県民をばかにしているのか。政府は私たちの声を聞く耳はまったくない』と批判した。その上で『同様な事故はこれからも起こる可能性がある。諦めずにオスプレイが撤退されるまで、新基地建設計画が撤回されるまで、最後の最後まで頑張ろう。地元の市長として皆さんの支援に感謝している』と、辺野古の新基地建設に反対していく考えをあらためて強調した。」


(15)沖縄タイムス-沖縄で米軍属が酒気帯び運転の疑い 基準値3.5倍「飲んでない」-2016年12月17日 14:00


 沖縄タイムスは、「沖縄県警浦添署は16日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、米海兵隊の軍属(29)を現行犯逮捕した。『酒は飲んでいない』と容疑を否認しているという。基準値の約3・5倍のアルコールが検出された。調べによると容疑者は16日午前3時42分ごろ、宜野湾市宇地泊の国道58号を酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転した疑い。浦添署員がパトロール中、浦添市内の国道58号をスピードを出して北上する車を発見し追跡。容疑者から酒の臭いがしたという。」、と報じた。


(16)沖縄タイムス-「米軍は何考えているんだ」 沖縄県、飛行再開打診に怒り 「認めれば日本は属国」-2016年12月17日 12:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「在日米軍がオスプレイの飛行再開を日本側に打診したことに、沖縄県関係者からは一斉に非難の声が上がった。県幹部の一人は、『墜落事故からわずか3日、米軍は何を考えているのか』と批判した。」
②「オスプレイは墜落に加え、着陸装置の不具合による胴体着陸と2回の事故を起こしている。幹部は『原因が究明されていない段階で飛行を再開するなどあり得ない』と非難。事故を受け、県民の間で不安が広がっているとし『自国で事故が起きても同じ対応をするのか。あまりにもばかげている』と強調した。別の幹部は、稲田朋美防衛相ら日本政府も安全が確認されるまでの飛行停止を求めていることに触れ『安全性は全く確認できていない。仮に政府が飛行再開を認めれば、まさに米国の属国としか言えない』と語気を強めた。」
③「名護市安部(あぶ)でのオスプレイ墜落事故を受け、同区の當山真寿美区長は15日、若宮健嗣防衛副大臣と区内で面談し『墜落現場の海水汚染調査』『住民への情報提供』『周辺規制の早期解除』を求めた。米軍は16日、安部地区会館を訪ね、當山区長に作業の進捗(しんちょく)状況などを報告。當山区長は今後も随時、情報提供するよう求めた。當山区長は本紙取材に『ここには人が暮らしている。事故後、毎日何が起こっているのか分からず区民は不安に思っている』と訴えた。」
④「東村高江区(仲嶺久美子区長)は18日に代議員会を開き、オスプレイ墜落事故への抗議決議案を採択することを決めた。同区周辺に新たに四つのヘリパッドが造られ、オスプレイの運用が見込まれることから仲嶺区長は『事故発生で区民は不安に思っている。しっかり声を上げたい』と話した。決議後、沖縄防衛局を訪れ抗議する予定。仲嶺区長は22日の米軍北部訓練場返還式典に出席し、政府関係者にオスプレイの運用に対する懸念を伝えるという。」


by asyagi-df-2014 | 2016-12-17 20:20 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シ「ナ人」発言を考える。(38)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 沖縄タイムスは2016年11月12日、朝日新聞社「月刊Journalism2016年11月号」の「沖縄・高江での記者拘束問題を考える 「土人」暴言も飛び出す憎悪の現場」、との阿部岳記者の記事を掲載した。
読む者は、事の重要性をあらためて突きつけられる。
それは、安倍晋三英検の愚昧な強権政治が、「高江で、私たちは民主主義の危機を見ている。」、との状況を生みだしてきていることを知ることになる。
 実は、「戒厳令状態だ。」、と。
 阿部岳記者は沖縄・高江の現況について、、「高江には日本の本当の姿がある。本土から遠く、沖縄の中心地である那覇市からさえ遠い山の中で、むき出しの権力が行使されている。」、と告発する。
 記事は、「身をもって知った『書き続ける意義』」、事実の重みの報告をまず始める。


(1)「報道の自由って分かるよな?」と、沖縄タイムスの男性記者は何度も聞いた。「仕事で写真を撮っているだけです」と、琉球新報の女性記者は何度も伝えた。しかし、警察官たちは一言も発しない。ただ両腕をつかみ、背中を押した。そうやって、取材中の記者2人が拘束された。
(2)8月20日、東村高江。那覇空港から約80キロ、沖縄本島北部の山中で、この日も米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に対する抗議行動が続いていた。現場となったのは一本道の県道にかかる小さな橋。砂利を積んだダンプを止めようと、市民約50人が座り込んでいた。
(3)午前10時26分、機動隊が市民のごぼう抜きを始めた。すぐに、取材していたタイムス記者が機動隊員4人に囲まれた。背中を強くこづかれ、市民と一緒に「仮留置場」に放り込まれた。「後ろから背中を強く押された。機動隊員の顔も見ていない。あっという間の出来事だった」という。仮留置場は橋のすぐ南側につくられていた。機動隊のバス2台とガードレール、それに機動隊員の人垣が四方をふさいでいた。2012年、沖縄県警が編み出した手法だ。事故の多い新型輸送機オスプレイの配備強行に怒った市民が普天間飛行場のゲートを封鎖した時のこと。県警は強制排除した市民がまた座り込みに戻らないように、拘束し続けておくことを決めた。
(4)権力が「悪いことをするかもしれない」と判断しただけで市民の身体の自由を奪う。戦前の治安維持法で悪名高い予防拘禁と本質的に変わらない。だが、沖縄県警はそんな批判を意に介さず、名護市辺野古、そして高江で同じ手法を繰り返し使ってきた。
(5)タイムス記者はその場に15分ほど閉じ込められていた。社員証を示し、取材中であることを告げても、若い機動隊員たちはやはり何も答えなかった。そこへ、沖縄県警の腕章を着けた私服警官が通りがかった。「仕事にならない。出してほしい」と交渉し、ようやく解放される。だが、自由だったのはものの1~2分にすぎなかった。10時45分ごろ、現場の橋に戻ろうと歩いていくと、新報の記者が同じように連行されようとしているのを見た。思わず「新報の記者ですよ」と声を上げた。すると自分も再び捕まった。10時58分ごろまで、また約15分。2回でおよそ30分にわたって行動の自由を奪われた。
(6)外ではまだ市民の強制排除が続いていた。首を伸ばして現場を見ようとするが、機動隊員の列が邪魔で見えない。そうしている間に、自分がいる仮留置場に市民が運ばれてくる。「現場で何が起きているのか分からない。空白ができてしまった。読者に完全に伝えられなかったのが悔しかった」と振り返る。新報記者もいったん拘束されかけた後、何とか現場に戻り、機動隊員による強制排除の様子を撮っていたところだった。その場にいた機動隊幹部は「プレスの方ですよね」と確認し、特にとがめなかった。
 しかしその後、沖縄県警の私服警官がやってきた。「下がって。危ないですよ」。正面から向き合う形で両肩をつかんだまま無理やり下がらせた。最後は機動隊員2人が両腕をつかみ、別の1人は背中を押して、約40メートル移動させた。タイムス記者や市民と同じ仮留置場に押し込んだ。
(7)新報記者は移動させられる間、ずっと「新報です。何の権限があるんですか」と問い続けた。ここでも説明はない。拘束された約15分の間、ノートに書き殴っていた。「かんきんされた 不当かんきん」「なぜ弾圧されるのか おかしいよな 報(道)の自由を 表(現)の自由を犯している」「戦の足音がきこえる、というのは まちがっていない (機動隊員に理由を)きいてもこたえない」「この悔しさを忘れてはいけないと思って」書いた。記者2人が解放されたのは、全てが終わった後だった。


 こうした一連の警察の対応を暴く。


(1)沖縄県警は記者だとは分からなかった、と主張した。県議会で追及された池田克史本部長は「腕章をしておらず、抗議参加者と見分けがつかない状況だったこともあり、抗議参加者との認識で移動させた。記者だと名乗ることもなかった。狙い撃ちで行動を制限しているものではなく、また取材中の記者と認識した上で規制することもない」と答弁した。だが、これは事実に反している。
(2)確かにタイムス記者は腕章をしていなかったが、顔写真入りの社員証を示し、何度も記者だと伝えている。新報記者は肩から提げたカメラのストラップに腕章を付けていたが、それを警官の顔の高さまで上げて示し、繰り返し「新報です」と声を上げた。
(3)池田本部長は「報道各社に腕章を識別できるよう、腕への装着を徹底することを申し入れた」と記者側の問題にすり替えようとした。だが、公道上で腕章をするかどうか、どこに着けるかは個人の選択だ。腕に着けなかった結果、記者だとすぐ分かってもらえず、排除されかけたとしてもそれはいい。問題は、記者と認識した後も拘束を続けたことにある。その説明はなかった。


 この後の抗議の動きは次のものだった。


(1)事件を受け、タイムスは石川達也編集局長が声明を出した。「本紙記者は市民らの抗議活動を通常通りに取材し、県民の知る権利に応えようとしていたもので、こうした警察権力による妨害は、憲法で保障された報道の自由を侵害するものであり、断じて許すことはできない」
(2)新報は普久原均編集局長名で抗議の談話を発表した。「現場には県民に伝えるべきことがあった。警察の妨害によって、その手段が奪われたことは大問題だ。警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する」
(3)本土メディアでは神奈川新聞の記者が拘束が起きた直後の現場を取材した。新報記者の「私たちが取材しなかったら、高江の人々の声が伝わらない。何もなかったかのようにされてしまう」という話を、連載の中で紹介した。
(4)力ずくの記者排除は「遠い国での出来事とばかり思っていた」と書いたのは北海道新聞のコラム。信濃毎日新聞の社説は「政府に対して批判的な報道を続ける地元紙に対する政府、自民党の敵意が隠れていないか」と懸念した。高知新聞の社説は「記者と分かっても解放しなかった理由、再発防止策も示さなければならない」と要求した。東京新聞は「警察の権限を強化しようとする大きな動きがある」との識者の見方を紹介した。ほかに知る限り朝日新聞、毎日新聞、共同通信が事実関係を報じた。
(5)労働組合も一斉に抗議した。新聞労連は「実力行使で報道を妨害する行為は、絶対に認めるわけにはいかない」、放送局を含む沖縄の報道機関労組でつくる沖縄県マスコミ労働組合協議会は「国家権力が都合の悪いことを隠す行為だ」と批判した。


 この事件前にも「高江では以前から取材規制」が行われていた。この実態について。
また、「警官個人の裁量が幅を利かせる。そんな状態は今も続いている。」、と。


(1)8月20日の記者拘束は、最悪のケースだった。だが、ここまで発展しないまでも、これに類する取材規制は高江で日常的に起きてきた。一番多いのは、県道封鎖だ。ダンプが砂利を運んでいる時間帯、現場手前の2キロ弱の区間を警察が毎日のように通行止めにしている。抗議の市民を近づけないためだが、通りすがりの市民も記者も同様に規制される。車を置いて徒歩なら規制区間に入れる日もあるし、それすら許されない日もある。ここでも警察は何のための規制か、いつまで続くのかなど、一切説明しない。
(2)ヘリパッド建設工事が再開された初日、7月22日の現場はさらに混乱していた。県道から建設予定地に続く工事用道路の出入り口前。日付が変わる前から集まっていた市民約200人は、午前6時半ごろまでには約500人の警察官によってほとんど排除されていた。残るのは出入り口をふさぐ形で止めた2台の車と、その屋根の上に陣取った市民15人ほど。機動隊員が引きずり下ろそうとしていて、さらなる混乱が予想された。その場にいた私を含む記者は、警官から繰り返し退去を求められた。一部の機動隊員は別の記者の背中を押した。だが、抵抗すると引き下がった。結局、記者はそれぞれの持ち場に食らいついて、車の屋根の上から、道の反対側から、強制排除の様子を見届けた。肋骨を折る市民まで出た荒れた現場。警官が市民にパンチを繰り出すニュース映像を見た人もいるのではないか。この日は全国メディアも多数集まっていて、実情が広く報道された。夕方になっても混乱は尾を引いていた。午後4時、交代の時間になっても同僚が来てくれない。現場は山の中で、商店はおろか、自動販売機すらない。食料も水も底を突いた。現場に午前0時前に集合した取材班のうち、最後まで残っていた私と同僚の2人は疲労がピークに達していた。聞くと、交代要員の同僚は現場の手前で警察に止められていた。警官は「出ることはできるが、入ることはできない」と主張しているという。この日は、道路管理者の県職員まで警官に追い返されていた。私たちが出てしまうと、タイムスの記者が現場に誰もいなくなってしまう。7月の沖縄の太陽が照りつけていた。目まい、頭痛、手のしびれ、と熱中症の症状を自覚しながら、規制が解除されるまで1時間以上、ただ待つしかなかった。この日の規制は連続11時間に及んだ。
(3)翌23日は、現場の手前で検問に出くわした。「どこに行くんですか?」「何をしに?」と尋ね、免許証を提示させて住所や名前を書き留める。抗議行動から人を遠ざけようとする嫌がらせなのは明らかだった。車から降り、写真撮影を始める。機動隊員が「ここに車を止めないでください」と取材を妨害しにきた。「駐車禁止じゃないでしょう。何でですか」「とにかく危ないから止めないでください」の繰り返し。現場責任者は最後には「あなたの会社に連絡しますよ!」と激高したが、「どうぞお願いします」と返すと変な顔をして黙ってしまった。
(4)警察は沖縄を含む7都府県の混成部隊だ。沖縄県警のある警官は漏らした。「誰が誰だか、警官同士でも分からない。どこで何をしているのかも把握できない。後になって、警察がそんなことをしたのか、と驚くことも多い」。責任を持って説明できる者がいないまま、警官個人の裁量が幅を利かせる。そんな状態は今も続いている。


 阿部 岳記者は、この事件の本質である新基地建設について、「新施設建設が返還条件 小中学生が眠れず学校を休む事態も」、と語りかける。
 それは、民主主義の危機について。


(1)ここであらためてヘリパッド建設問題について説明したい。舞台は国頭村と東村の山岳地帯にまたがる北部訓練場。米軍にとって世界で唯一のジャングル戦闘訓練センターだ。面積は7824ヘクタールと沖縄で最も大きい。そのうち半分をやや上回る3987ヘクタールを返還することになっている。
(2)1995年、米兵3人による暴行事件をきっかけに、積年の基地被害への県民の怒りが噴き出した。沖縄の基地維持に危機感を抱いた日米両政府は日米特別行動委員会(SACO)を設置、最終報告で普天間飛行場の全面返還などと共に、北部訓練場の一部返還をうたった。返還面積を膨らませる狙いがあった。
(3)問題は普天間と同様、新たな施設の建設が条件とされたこと。北部訓練場の場合は、返還する部分にあるヘリパッド7カ所から1つ減らし、継続使用する部分に6カ所建設することになった。この6カ所は、高江集落を取り巻くように配置された。途中からオスプレイが使うことも明らかになった。人口140人ほどの小さな集落は、反対に立ち上がった。理由はシンプルだった。危ないし、うるさいから。2度、反対決議をしている。
(4)2007年に工事が始まると、現場で抗議行動が展開された。当初09年の完成予定だったが遅れに遅れ、14年7月に2カ所が完成したにとどまる。完成した2カ所では今年6月、オスプレイが連日午後11時すぎまで低空飛行し、小学生や中学生が眠れずに学校を休む事態があった。母親は「通り過ぎた後も、子どもたちは胸がバクバクして眠れない。落ちてくるのでは、と思うと怖い」と訴えた。親子は一時、隣の国頭村に「疎開」を余儀なくされた。こんな地域が、日本のどこにあるだろう。
(5)沖縄防衛局は今年7月、2年間の中断を経て、残るヘリパッド4カ所の工事に着手した。以来連日、2紙の記者は現場に張り付いている。高江は私が勤める北部報道部の管轄だが、4人の記者ではとても足りない。政治、経済、文化、あるいは遠く本島南部地域の担当記者も交代で来てくれる。さかのぼれば14年7月、辺野古新基地建設が始まった時からずっとこの態勢が続いている。辺野古の工事が止まり、高江が始まったので、行き先が変わったわけだ。
(6)高江で、私たちは民主主義の危機を見ている。防衛局が最初に動いたのは7月11日の早朝午前6時。建設予定地近くの北部訓練場に資材を運び込んだ。前日10日は参院選。沖縄選挙区では、辺野古や高江の新基地建設に反対する候補が自民党の現職大臣に大勝していた。投票箱のふたが閉まってからわずか10時間。全国ではまだ開票が続いていた。政府が見ていたのは民意の行方ではなかった。投票さえ終わってしまえば何でもできる、とただただ時計の針を見つめていたのだろう。
(7)高江では、法治主義が揺らぐさまも目撃している。政府は自身を縛る法律という鎖を引きちぎり、意のままに振る舞っている。一言で言えば、戒厳令状態だ。例えば、工事用道路の出入り口、県道の路肩に市民が立てた監視テントがある。座り込みが始まって以来9年間、活動の拠点にしていた。それを防衛局は7月22日、工事再開と同時に撤去した。防衛局は事前に「要請」と題した紙をテントに貼り付け、19日までに撤去しない場合「所有権が放棄されたものとみなします」と主張してはいた。だが、勝手にみなしてはいけない。そもそも、テントが立っていたのは沖縄県が管理する県道用地だ。弁護士は「防衛局には何の権限もない。窃盗だ」と指摘した。
(8)経済産業省の敷地内という明らかな国有地に立つ脱原発テントを撤去する時でさえ、政府は司法に訴える必要があったのだ。そのために約5年がかかった。最終的に撤去したのは東京地裁の執行官だった。高江では、行政の一員にすぎない防衛局職員が数時間で持ち去った。東京の都心と沖縄の山中では、法の保護にもこれだけの差がある。テント撤去の法的根拠を問われた稲田朋美防衛相は、防衛省設置法を持ち出した。米軍基地提供を省の仕事と定めた規定がある、と。だが、規定は単なる「お仕事リスト」にすぎない。設置法は国民の権利を制限できる行政作用法ではなく、単なる行政組織法にすぎない。弁護士である稲田氏自身が、よく知っているはずだった。ところが、この設置法が9月13日、再び登場する。陸上自衛隊のCH47大型輸送ヘリが、トラックや重機をつり下げ、工事現場まで運んだ。今度はその根拠に使われたのだ。トラックなどは本来自走すればいいのだが、市民の抗議に加え、地元東村の村長が工事に村道を使わないよう申し入れていた。万策尽きた防衛局が民間ヘリで空輸し、それでも重すぎて運べない物を陸自ヘリで運ばせた。自衛隊法は自衛隊が行動できる場合を列挙し、厳密に縛りをかけている。岡部俊哉陸上幕僚長は空輸について「自衛隊法にうたわれている任務ではない」と認めざるを得なかった。言うまでもなく、自衛隊は究極の実力組織である。それを根拠もあいまいなまま、「大臣命令だから」というだけで市民の反対がある事業に差し向けたのだ。


 ここで、高江で横行しているのは圧倒的な強制力について言及する。


(1)もう一つ、高江で横行しているのは圧倒的な強制力だ。工事再開に先立ち、東京、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡の6都府県から派遣された機動隊員は約500人。沖縄県警と合わせて約800人が投入された。高江の人口約140人の5倍以上に上る。市民がいくら集まっても、力の差は歴然としている。けが人が相次いでいる。87歳の女性は、右手小指を5針縫うけがを負った。仮留置場に入れられそうになり、車いすに座ったまま機動隊バスにしがみついていた。後ろから機動隊員が「触るな!」と怒鳴りながら右腕をつかみ、強く振り下ろした。右手がバスのどこかに当たり、深く裂けた小指から血が流れた。「骨が見えた」という。
(2)抗議行動中の逮捕も多い。防衛局が工事の準備に着手した7月11日から3カ月の間に6人。「車を急発進させて警官をのけぞらせた」という公務執行妨害容疑など、軽微なものが大半だ。6人中5人は検察が初めから勾留を請求しないか、請求しても裁判所に却下され、すぐに釈放されている。弁護士によると2014年、全国で勾留が認められた率は86%。高江では6人中1人で17%。「統計的にも高江で不当逮捕が行われていることは明らかだ」と批判する。
(3)暴言は全国ニュースになった。10月18日、大阪府警の機動隊員が市民に対して「どこつかんどんじゃボケ。土人が」と言い放った。本土による沖縄差別の長い歴史を呼び覚ます言葉だ。同じ日、大阪府警の別の機動隊員は「黙れ、こら、シナ人」と威嚇した。松井一郎・大阪府知事が「売り言葉に買い言葉」と擁護したことと合わせ、沖縄では怒りと失望が広がった。
(4)二つの発言はたまたまビデオ撮影されていたから警察庁長官が遺憾を表明し、発言者も処分された。だが、カメラのない所での暴言は日常茶飯事だ。私自身、警官が目の前で市民に「ばか」と3回続けて言うのを聞いたことがある。強制力を行使する警官が差別や怒りの感情に支配されている。率直に言って恐ろしい。要するに、高江には日本の本当の姿がある。本土から遠く、沖縄の中心地である那覇市からさえ遠い山の中で、むき出しの権力が行使されている。だからこそ、それを監視し、記録し、発信するジャーナリズムの目が必要だ。政府にとっては邪魔な存在であり、その目をふさぎたいと考えるのも必然だと言えるだろう。
(5)それにしても、記者の体に直接手を掛け、拘束し続けるというのは完全に一線を越えている。たがが外れたと言うべきか。報じられたら不都合なことをしている自覚があって、しかもそのことについて批判を受け止める気がない。だから報道されるのを実力で阻止する。異常事態の上にまた異常事態を塗り重ねている。当然ながら、記者が特別なわけではない。市民の拘束も同じように問題だ。ただ、記者が拘束されれば、市民が拘束されてもそれを広く知らせる者がいなくなる。知る権利に応えることができなくなってしまう。
(6)最近では誰もがカメラやスマートフォンを持ち、会員制交流サイト(SNS)で即座に発信できるようになった。記者がいなくても、「なかったこと」にはできないだろう。だが、少なくともダメージは小さく抑えられる。記者が少ない高江ならばできる。沖縄の2紙相手ならば構わない。政府はそう考えたのではないか。


 実は、沖縄県の琉球新報と沖縄タイムスは、自らの歴史の検証の結果、その責任において常に「決意」を求められている。
 だからこそ、今回も、「住民に背中を押された歴史 手遅れにならないために書く」、と決意表明する。


(1)沖縄2紙は「偏向」していると批判されることが多い。私はいつも「昔は米軍寄りだったんですよ」と説明することにしている。敗戦後、本土から切り離された沖縄で、米軍は絶対の権力者だった。琉球新報は米軍の準機関紙として出発した。沖縄タイムスは民間の新聞だったが、やはり紙やインクの供給を米軍に握られ、検閲されていた。1959年、米軍機が石川市(現うるま市)の住宅地に突っ込み、児童と市民17人(後に後遺症で1人)が死亡する宮森小ジェット機墜落事故が起きた。パイロットはパラシュートで脱出して無事だった。この時のタイムス社説は「不可抗力なできごととはいえ(略)残念なことといわなければなるまい」と腰が引けている。民間地上空での訓練中止に触れ「万止むを得ない場合を除いて(略)配慮してもらえば」。敗戦から14年もたって、戦後最大の米軍機事故に直面しても、ここまでしか書けなかった。
(2)2紙の論調が米軍に厳しくなるのは、あまりにも多い事件や事故に住民が怒り、背中を押されたからだった。60年代に入ると復帰運動が高まり、住民が本土渡航の自由、行政主席の選挙など一つ一つ権利を勝ち取っていく中で、表現の自由も一緒に押し広げてきた。日本国憲法施行と共に表現の自由が空から降ってきた本土とは、成り立ちが根本から違う。だから、それを脅かす動きには常に敏感でいたいと思っている。
(3)反ナチ運動の指導者マルティン・ニーメラー牧師の有名な言葉がある。ナチが共産主義者を襲った時、自分は共産主義者ではないので何もしなかった。社会主義者、学校、新聞、ユダヤ人が襲われた時も同じだった。そして教会が攻撃された時、初めて立ち上がった。「しかしその時にはすでに手遅れであった」。沖縄2紙の次は本土のメディアが標的になるかもしれない。
(4)いつも真っ先に沖縄が狙われるのは差別だと言わなければならない。だが、いずれ本土でも周回遅れで同じ事態が起きるのではないか。改憲で新設が議論される緊急事態条項は、緊急事態を名目に権限を内閣に集中させ、人権の制限を可能にする。
(5)記者の拘束も、政府は正当化している。国会議員の質問主意書を受け、「現場の混乱や交通の危険防止のための必要な警備活動」として追認したのだ。この答弁書は閣議決定されている。理論的には、全国どこで「現場の混乱や交通の危険」があっても、記者の拘束があり得ることになる。きょうの沖縄はあすの本土。そんな懸念も現場から伝えたい。
(6)拘束された沖縄タイムスの男性記者は「政府は本当に何でもやるんだな」と、実感したという。市民への暴力も続いている。「次は見逃さない。萎縮もしない」と語る。拘束が批判された後、現場では取材中の行動の自由が確保されるようになった。琉球新報の女性記者は「警察が拘束は間違っていたと認めたようなもの。逆に黙っていたら、拘束が今も繰り返されていたのではないか」とみる。「沖縄ではこれからも攻防は生まれる。闘う姿勢を忘れちゃいけない。書かなくちゃいけない。そのことを身をもって知った」


 私たちは、今回の事件で、知らなけねばならないことは次のことである。


「いつも真っ先に沖縄が狙われるのは差別だと言わなければならない。だが、いずれ本土でも周回遅れで同じ事態が起きるのではないか。改憲で新設が議論される緊急事態条項は、緊急事態を名目に権限を内閣に集中させ、人権の制限を可能にする。」
「記者の拘束も、政府は正当化している。国会議員の質問主意書を受け、『現場の混乱や交通の危険防止のための必要な警備活動』として追認したのだ。この答弁書は閣議決定されている。理論的には、全国どこで『現場の混乱や交通の危険』があっても、記者の拘束があり得ることになる。きょうの沖縄はあすの本土。」


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-17 17:27 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-厚生労働省は、福島第一原発事故で放射線に被ばくした四十代の東電社員の男性を労災と初めて認定。

 東京新聞は2016年12月17日、標題について次のように報じた。


(1)厚生労働省は十六日、東京電力福島第一原発事故で放射線に被ばくし、甲状腺がんを発症した四十代の東電社員の男性を労災と認定した。甲状腺がんが被ばくによる労災と認められたのは初めて。同省は今回の認定のために、甲状腺がんを認定するための目安を新たに策定したと発表した。
(2)関係者によると、男性は二〇一二年まで二十年間、放射線業務に従事。第一原発3、4号機の運転員も務め、1、3号機の水素爆発にも遭遇していた。国が原発事故後の過酷な状況での被ばくと、がん発症との間に関連があることを認めた。
(3)厚労省の担当者は「医学的因果関係は明らかでないが、労働者救済の観点から認定した」としている。策定した目安は(1)被ばく量が一〇〇ミリシーベルト以上(2)発症まで五年以上(3)他の要因も考慮する-との内容。
(4)男性は一九九二年から一二年まで原子炉の運転・監視業務に従事。一一年三月から一二年四月までは第一原発事故の収束作業にも携わった。二十年間の被ばく量一四九・六ミリシーベルトのうち一三九・一二ミリシーベルトは事故後に浴びていた。一四年四月に甲状腺がんと診断されたが既に甲状腺を切除、東電の別の職場に復帰している。
(5)東電によると、一一年三月から一二年四月までに第一原発事故による被ばく量が一〇〇ミリシーベルトを超えた社員らが百七十四人いる。継続的な健康状態の把握が求められる。
(6)甲状腺がんは、原発事故で放出される放射性ヨウ素が喉の甲状腺にたまって発症するとされる。東電は「引き続き作業環境の放射線量の低減に取り組み、作業者の被ばく管理を徹底していく」とコメントした。


 労災認定された労働者の二〇年間の被曝量が149.6ミリシーベルトのうち、139.12ミリシーベルトが事故後であることを、あらためて確認する。
 東電には、100ミリシーベルトを超える社員が174人いるという。この労働者の健康状態の把握をきちっと継続して行わなければならない。


 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-17 12:05 | 書くことから-原発 | Comments(0)

「オスプレイが沖縄県名護市の安部の浅瀬に墜落」を琉球新報及び沖縄タイムスの社説で考える。

 標題について、考える。
今回の「墜落」の構図を、琉球新報は次のように指摘する。


「墜落の要因は激しい訓練にもある。高江ヘリ着陸帯への離着陸の頻度は増し、宜野座村や金武町の抗議をよそに、騒音防止協定に抵触する深夜まで両町村の住宅地上空で物資宙づり訓練が続いている。そして、今回の墜落は風速が強い暗闇の中での空中給油訓練中に起きた。練度向上を最優先し、民意を無視して危険な訓練を強行する海兵隊の組織体制、人権意識の希薄さが引き起こしたのだ。同じ日の夜、配備先の普天間飛行場に別のオスプレイが胴体着陸していたことも明らかになった。」


 あわせて、琉球新報と沖縄タイムスは、米国の軍事植民主義に基づく「軍隊の論理」での対応のあり方に、次のように強く抗議する。


「駐留する地の住民感情を全く認識していない。この人の思考回路はどうなっているのか。米軍統治下に逆戻りしたかと錯覚する。安慶田光男副知事の抗議に対し、在沖海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は『操縦士は住宅、住民に被害を与えなかった。県民に感謝されるべきだ。表彰ものだ』とのたまい、抗議されること自体に不満を示した。机をたたき「政治問題にするのか」と開き直る場面もあった、という。沖縄を見下す『植民地意識丸出し』(安慶田副知事)の暴言だ。トップの姿勢が軍隊組織に悪影響を及ぼす。海兵隊は沖縄社会と到底相いれない異物と化している。一刻も早く姿を消してもらいたい。」(琉球新報)

「安慶田光男副知事の抗議を受けた在沖米海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は『遺憾に思う』としながらも、かなり興奮した様子で、『パイロットは住民にも住宅にも被害を与えなかった。パイロットのすばらしい行動は感謝されるべきだ』とテーブルをたたいてまくし立てた、という。この発言に見られるのは、典型的な『軍人の論理』『軍隊の論理』である。県を代表して抗議した安慶田副知事に逆ギレしたということは、四軍調整官としての資質に著しく欠けることを自ら暴露したようなものだ。」


 さて、両紙の主張のまとめは次のようになる。

Ⅰ.琉球新報
(1)この危険で不気味な灰色の機体が飛ぶ限り、どこに落ちてもおかしくない。県民の命と尊厳を守り、犠牲者を出さないためになすべきことが一層鮮明になった。それは危険機種の撤収にとどまらない。欠陥機を運用する在沖米海兵隊の全面撤退と辺野古新基地、高江ヘリ着陸帯の建設断念を強く求める。
(2)海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが13日夜、名護市安部の海岸に墜落した。多くの県民が「落ちるべくして落ちた」と背筋が凍る恐怖感を味わっている。沖縄配備を強行した上、危険な訓練を放置する日米両政府への強い怒りが基地の島に充満している。
(3)日米両政府は北部訓練場の過半返還の記念式典を22日に催す予定だが、東村高江のヘリ着陸帯建設を急ぐ強権的対応が強い反発を招く中、墜落事故まで起きた。式典強行は県民感情を逆なでする。翁長雄志知事は式典中止を要求した。北部訓練場は返還を前に基地機能強化が際立ち、安倍政権が口にする「負担軽減」は虚飾に満ちている。安倍政権で「基地負担軽減」を担う菅義偉官房長官は式典中止を決断すべきだ。
(4)海兵隊によると、事故機は空中給油を受ける訓練中に切れた給油管がプロペラを破損し、不安定になったという。制御できなくなったから海に落ちたのだ。墜落の衝撃で機体はバラバラになって波間に漂った。それでも海兵隊と日本政府は「不時着」と言い張る。オスプレイが使う辺野古新基地計画などへの影響を抑えようとする矮小化は見苦しい。
(5)海兵隊の安全管理は全く機能していない。オスプレイを巡り、2012年に全41市町村長と議長が建白書に署名し、「オール沖縄」で配備に反対した。今も建白書は生きている。翁長県政は海兵隊撤退にこぎ着ける包括的基地施策を立案し、日米政府との折衝力を高めてもらいたい。
(6)県内での米軍機墜落は今年2件目で日本復帰後48件目だ。年に1度以上、米軍機が落ちる都道府県がどこにあるのか。オスプレイは試作段階を含めて墜落事故が相次ぎ、37人が犠牲になっている。この欠陥機が飛び続ければ、墜落などの重大事故は避けられない。安全対策を尽くすといっても新たな犠牲を防ぐ担保にはならない。沖縄の空から消えてもらうしかないのである。
(7)海上保安庁の合同検証要求に対する米軍の返答はなく、現場から報道陣を遠ざけるよう県警に規制を促す場面もあった。日本の主権が発揮できない現場統制、日米地位協定の欠陥も正さねばならない。


Ⅱ.沖縄タイムス
(1)外務省や防衛省は、沖縄で「住民第一」ではなく「米軍ファースト」の基地政策を取り続けている。その結果、米軍の権利主張が強まり、過重負担の解消を求める県民の取り組みに露骨な敵意を示すようになった。安全が確認されるまでオスプレイの飛行を停止する、と米軍は言う。機体の欠陥や故障などが原因でないとすれば、どういう方法で安全を確認するのか。住民生活への影響なしに、この狭い島で訓練を繰り返すことはおよそ不可能であり、墜落の危険と不安は絶えずつきまとう。もはやオスプレイの配備撤回と海兵隊撤退を求め舵を切る以外に、抜本的な解決の道は見いだせない。
(2)海兵隊撤退によって安全保障上の不安が高まるのであれば、本土側が引き取るか、グアム、ハワイを含むアジアへの分散配備をもっと進めるべきだ。沖縄に犠牲と負担を押しつけ続ける安全保障政策は維持できない。まず成すべきことは、米軍普天間飛行場の一日も早い運用停止に向け、早急に日米協議を開始することである。
(3)当面の緊急措置としては、宜野座村城原区に隣接するキャンプ・ハンセンのヘリパッドや、東村高江を取り囲むように設置された北部訓練場のヘリパッドを使ったオスプレイ訓練を中止することだ。
(4)犠牲者を出してからでは遅い。
(5)政府は22日、北部訓練場の約半分の返還に合わせ、記念式典を開く。負担軽減をアピールする狙いがあるのだろう。だが、面積を減らすことが直ちに負担軽減につながるわけではない。高江の人々からすればヘリパッドの移設は、被害の拡大にほかならない。オスプレイの墜落事故が起き、宜野座村城原区や東村高江の人々がオスプレイ訓練に悲鳴を上げているこのときに、ほんとうに式典を開くつもりなのか。「政治ショー」を中止し、両地域の被害をなくすことに傾注すべきである。


 今回の「墜落」事故を受けて、基本にならなけねばならないのは、「犠牲者を出してからでは遅い。」、ということである。
 それは、沖縄タイムスの「もはや悠長なことを言ってはいられない。政府や米軍が事態の沈静化を優先し、その場しのぎの対応に終始するのであれば、犠牲者を出す前に、私たち自身が強い意思と覚悟をもって対処していかなければならない。」、ということでもある。
 具体的には、琉球新報の「危険機種の撤収にとどまらない。欠陥機を運用する在沖米海兵隊の全面撤退と辺野古新基地、高江ヘリ着陸帯の建設断念を強く求める。」、
沖縄タイムスの「もはやオスプレイの配備撤回と海兵隊撤退を求め舵を切る以外に、抜本的な解決の道は見いだせない。」、ということである。


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-17 09:31 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月16日

 墜落事故後も政府関係者は辺野古推進に執拗に拘泥する。
 「墜落」事故を受けて、まず、考えなくてはいけないことは、「犠牲者を出さない」、ということにあるにもかかわらず。


 2016年12月16日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-翁長知事「欠陥機 撤回を」 オスプレイ墜落 国、返還式の中止拒否-2016年12月16日 11:03


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「オスプレイ墜落を受け、翁長雄志知事は15日、防衛省に稲田朋美防衛相を訪ね、胴体着陸などトラブルが相次ぐ同機を『欠陥機だ』と指摘し『県民が配備に強く反対してきたオスプレイがこのような事故を起こしたことに怒りを禁じ得ず、直ちに飛行中止と配備撤回を強く要請し、強く抗議したい』と改めて配備撤回を求めた。稲田氏は『防衛省としても情報収集、その公表、安全確認にしっかり取り組みたい』と述べるにとどめた。一方、県庁で同日、安慶田光男副知事と会談した若宮健嗣防衛副大臣は配備撤回要求を事実上拒否した。若宮氏は宜野湾市に佐喜真淳市長を訪ね『普天間の危険性除去を第一に考えている。そのために辺野古移設を最優先して前に進めたい』と述べた。墜落事故後、政府関係者が辺野古推進に言及するのは初めて。」
②「翁長知事はオスプレイが訓練するヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設が条件となっている米軍北部訓練場の過半返還を巡り、22日に予定されている式典の自粛も求めた。首相官邸で翁長知事と面談した杉田和博官房副長官は自粛要請を拒否し『開催したい』と明言した。翁長知事が会談後、記者団に明らかにした。翁長知事は外務省で小田原潔政務官にも同様に抗議した。政府の対応について翁長知事は『今までの政府のやり方と全く一緒だが、今回(の事故)は違うよということはしっかり受け止めてほしい』とくぎを刺した。」
③「一方、若宮氏は安慶田副知事との面談で県が求める配備撤回については『東アジアの不安定な安全保障環境で、欠くべかざる装備になっている』と否定した。面談後、若宮氏は記者団に『安全性を高めるという意味でも大きな意義があると思う。辺野古移設を極力、一歩でも早く前に進めていきたい』と辺野古移設を進める意向を示した。」
④「また宜野湾市では、佐喜真市長が『何よりも重要なのは市民、県民の命だ。20年間も我慢してきた市民にとって何を優先すべきかということを真剣に考え、普天間の一日も早い返還を実現してほしい』と訴えたことに対し、『省庁を超えて安倍政権としてできることは全て行う』と応じた。」


(2)琉球新報-オスプレイ解体作業始まる-2016年12月16日 13:59


 琉球新報は、「普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故現場の名護市安部海岸で16日午後1時半ごろ、オスプレイ本体部分を米兵らがチェーンソーとみられる工具で切断をはじめた。本体部分の解体作業が始まったとみられる。現場は浅瀬で船からも陸からも本体を運ぶことが困難とみられることから、部分解体して機体を運ぶとみられる。」、と報じた。
 また、「事故について、航空危険行為処罰法違反での立件を目指し捜査に着手した第11管区海上保安本部(11管)は、米側に口頭で捜査協力を申し入れているが、16日午後1時半現在、米側から回答はない。2004年の沖国大米軍ヘリ墜落事故のように、日米地位協定に阻まれ、十分な捜査ができないまま事件送致する事態への懸念が高まっている。」、と伝えた。


(3)琉球新報-「人けない所に落ちた」 墜落現場で防衛副大臣 沖縄・名護海岸のオスプレイ事故、視察7分、「不幸中の幸い」とも-2016年12月16日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「13日夜に米軍輸送機オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸に15日、若宮健嗣防衛副大臣が訪れ、黒川清彦内閣官房沖縄危機管理官から上空写真などを見ながら説明を受けた。現場から約1キロ離れた浜から双眼鏡で墜落現場を眺めるなどし『(パイロットの)判断で人けがない場所に落ちたんですね』とやりとりする場面があった。近くに集落もあり危険性が高い墜落事故にもかかわらず、操縦士をほめるかのような米軍寄りの発言が目立った。滞在時間は記者団とのやりとりを合わせてわずか7分間足らず。墜落現場までは歩いて約15分の距離だが、時間の無さを理由に目の前で墜落した機体を見ることはなかった。」
②「『人けのない所に落ちた』という発言について、当日はイザリ漁をしようとしている人もいて被害が出た可能性を指摘されると『米軍から情報を聞き取りたい』と答えた。それに先立ち同日、若宮副大臣は県庁での安慶田光男副知事との会談後、記者団に事故について『陸地部分では大きな事故につながるが、パイロットが洋上に出て、なんとか浅瀬で着水できた。不幸中の幸いだ』と述べた。発言の真意について若宮副大臣は『できるだけ事故は最小限にするのは当然だ。ひとかたもお亡くなりになられた方がいなかったということが、不幸中の幸いではなかったのかなという意味だ』と説明した。」


(4)沖縄タイムス-「一歩間違えば大惨事」今帰仁村議会がオスプレイ事故抗議決議 賛成多数で可決-2016年12月16日 15:26


 沖縄タイムスは、「今帰仁村議会(東恩納寛政議長)は16日の村議会定例会で、MV22オスプレイ墜落に抗議する意見書・決議両案を賛成多数(賛成8、反対1、退席1)で可決した。意見書・決議両案では『一歩間違えば人命にかかわる大惨事になりかねない重大な事故』として強く抗議。①オスプレイの配備撤回②辺野古新基地建設の中止・撤回―を求めている。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-オスプレイ墜落 国頭村議会が配備撤回の意見書案、全会一致で可決-2016年12月16日 16:09


 沖縄タイムスは、「国頭村議会(金城利光議長)は16日、オスプレイの墜落事故を受け同機種の配備撤回を求める意見書を全会一致で可決した。意見書では、これまで村民が米軍の伊部岳実弾射撃演習やハリアーパッド建設の阻止など、やんばるの自然を守る闘いをしてきたとし『豊かな自然環境を次世代に継承させるのも村民に課せられた重大な責務』と記している。宛先は内閣総理大臣ら。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>米軍らしき車両がゲート内に 完成確認作業か-2016年12月16日 14:44


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺で進む米軍北部訓練場のヘリパッド工事で16日正午すぎ、N1地区に続くゲートから、プレハブ小屋や仮設トイレを載せて出てくるトラックや工事車両が確認された。同日午前、沖縄防衛局と米軍らしき車両6台がヘリパッドに続くゲート内に入ったことが確認された。予定されていたヘリパッドの完成確認作業とみられる。」、と報じた。


(7)琉球新報-宜野座村議会 夜間飛行とつり下げ訓練に抗議決議-2016年12月16日 12:11


 琉球新報は、「宜野座村議会(小渡久和議長)は16日午前、米海兵隊とオスプレイによるつり下げ訓練や夜間飛行に伴う騒音被害に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。宛先は抗議決議が在日米国大使や在米米軍司令官など、意見書が安倍晋三内閣総理大臣や外務大臣、防衛大臣、沖縄防衛局長など。同議会は同日午後4時、沖縄防衛局を訪れ、両文を手交する予定だ。」、と報じた。
 また、「議会は夜間飛行やつり下げ訓練に関して『村民に騒音被害を与え、恐怖と不安に陥れたことは戦場さながらの状況で断じて許されない』と抗議。決議文と意見書の中で『民間地上空における米軍機の飛行訓練の即時中止すること』『米軍機の夜間飛行訓練の即時中止』が書かれている。加えて、意見書では騒音被害があった場所については、新たに総音速的を設置することを求めている。」、と伝えた。


(8)琉球新報-オスプレイ墜落 6市町村議会が抗議決議 宜野座、今帰仁は配備撤回も-2016年12月16日 12:34


 琉球新報は、「オスプレイ墜落を受け、県内6市町村議会は16日正午までに、事故発生のほか、同じ日に事故機とは別のオスプレイが米軍普天間飛行場に胴体着陸していたことや、事故に関する在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官の発言などに対する抗議決議や意見書を全会一致で可決した。その上で宜野座村と今帰仁村の両議会はオスプレイの配備撤回を要求した。」、と報じた。
 また、「宜野座村、嘉手納町、南風原町、今帰仁村の4町村議会は抗議決議と意見書を可決。石垣市議会は抗議決議、国頭村は意見書を可決した。宜野座村議会は(1)墜落事故の原因を徹底的に究明し、結果を速やかに公表する(2)オスプレイの即時撤去―を要請。今帰仁村議会は配備撤回のほか、辺野古新基地建設を直ちに中止・撤回するよう求めた。そのほかの議会もそれぞれ原因究明まで飛行停止することや普天間飛行場の早期閉鎖、過重な米軍基地負担、訓練を見直すことなどを要請する文言を盛り込んだ。」、と伝えた。


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-16 18:09 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の「負担軽減」を考える。(3)-SACO合意20年-

 沖縄県の米軍北部訓練場7824ヘクタールの約半分が、2016年12月22日に返還される。
 このことを、安倍晋三政権は、沖縄の「負担軽減」の実現と最大限利用することになる。その背後には、米軍基地機能強化と自衛隊の共同利用という新たな「沖縄の負担拡大」がすでに用意されているにもかかわらずである。
 ここで、沖縄の「負担軽減」を考える。
今回は、SACO合意20年と沖縄の「負担軽減」を考える。
2016年2月2日で、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告から20年を迎えた。 問題の核心は、このSACO合意で沖縄の「負担軽減」はどの程度改善されたのかということである。いやむしろ、SACO合意とは何だったのかを明確にする必要がある。

沖縄タイムスは2016年12月2日、「きょうSACO合意20年 沖縄への基地集中変わらず」とSACO20年の実態を次のように掲載した。


(1)日米特別行動委員会(SACO)の最終報告から2日で、20年になった。22日には沖縄県米軍北部訓練場で建設している四つのヘリパッドが完成し、3987ヘクタールが返還される。最大の懸案だった普天間間飛行場は、名護市辺野古への移設を巡り国と沖縄県が法廷闘争中。沖縄県内では新型輸送機オスプレイが飛来するなど基地機能が強化されている。
(2)返還が盛り込まれた施設・区域のうち全面返還は読谷補助飛行場など4施設で、大部分返還は瀬名波通信施設の1施設、一部返還はキャンプ桑江など3施設。普天間飛行場と牧港補給地区の土地計7ヘクタールは2017年度中の返還を目指すことで日米両政府が合意。15年に約51ヘクタールが返還された西普天間住宅地区の利便性向上のため、キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドーの一部を日米で共同使用する。
(3) 1972年の沖縄返還後、日本政府は県内の83施設を在日米軍施設・区域として提供した。県民生活に影響を及ぼし振興に制約となっているとして、西銘順治元知事は2度訪米し、普天間飛行場など7施設・区域の返還リストを提出。県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は13施設20事案の返還を求めた。
 日米両政府は、90年に日米合同委員会で知事要望の3事案と、日米安全保障協議委員会(安保協)で了承された整理統合計画のうち未実施の9事案、軍転協の8事案、米側が返還可能とした3事案を加え、いわゆる23事案(17施設・約千ヘクタール)について返還に向けた手続きを進めることで合意。そのうち、96年3月までに12事案が返還された。日米両政府は、23事案から引き続き検討とされ沖縄から返還要望の強かった普天間飛行場と那覇港湾施設が、96年に代替施設の完成後返還するなどの条件をつけることで合意しSACOに全面返還を含んだ。
(4)米軍再編では辺野古移設と嘉手納より南の基地返還がパッケージとされたが、2012年の民主党政権で見直された。13年には統合計画で大まかな返還時期が示されたが「22年度またはその後」とされた普天間をはじめ見通しは立っていない。


 また、SACO合意の具体的項目について現状報告(沖縄タイムス-2016年12月2日)をしている。


(1)【辺野古】司法、国の主張追認
①「5~7年以内に十分な代替施設が完成し運用可能になった後、全面返還とされ目玉だった米軍普天間飛行場。移設先はキャンプ・シュワブ沖合で事実上合意されていたが、最終報告では『沖縄本島東海岸沖』へ海上施設を建設するとの方針を示すだけにとどまっていた。」
②「2006年、シュワブ沿岸部を埋め立てV字形滑走路を備える飛行場を造る現行計画に、日米両政府が合意した。13年12月に仲井真弘多知事(当時)が埋め立てを承認。条件として提案した『5年以内の運用停止』に政府は前向きに返答したが、14年12月に新基地建設に反対する翁長雄志知事が誕生し態度を硬化させた。翁長知事は15年10月に埋め立て承認を取り消し、国と県は法廷闘争に入った。ことし9月には辺野古違法確認訴訟で福岡高裁那覇支部が国の主張を全面的に認める判決を出した。県は上告している。」
③「3月の和解により、新基地建設を巡る工事は全て止まっていたが、11月25日の和解条項について協議する『政府・沖縄県協議会』の作業部会で、県はキャンプ・シュワブ陸上部分の隊舎2棟に限り工事の再開を容認。防衛省は月内にも工事を始めるよう調整している。」
(2)【北部訓練場】ヘリパッド移設を強行
①「北部訓練場は2002年度末をめどに、約7500ヘクタールのうち、海への出入りを確保した上で約4千ヘクタールを返還するとしていた。返還されない部分に七つのヘリパッドを移設することが条件。06年にヘリパッドは六つ、造成規模は直径75メートルから45メートルに変更された。」
②「07年に環境影響評価図書が公表され、工事が始まった。15年にN4地区の二つが米側に提供されたが、反対住民による抗議行動などで工事は2年近く止まっていた。沖縄防衛局は16年7月の参議院選が終わった翌朝から資機材を搬入するなど工事を再開させた。
③「日米両政府は過半を返還できることから、基地負担の軽減に取り組む姿勢をアピールする。全国から機動隊員約500人を動員し、資機材を空輸するために陸上自衛隊のヘリを投入し、12月22日の完成・提供・返還に向け工事を進める。一方、翁長雄志知事は新型輸送機オスプレイの配備撤去を求めており、07年の環境影響評価でもオスプレイによる低周波音や排ガスの風圧などの影響が勘案されていないことから、四つのヘリパッドの本格的な運用が開始される前に再評価を求めている。」
(3)【那覇軍港】浦添への移設 足踏み  
①「那覇軍港(56ヘクタール)は復帰直後の1974年に日米間で返還が合意されたが実現せず、96年のSACO合意で浦添埠頭(ふとう)地区への移設で再合意された。しかし移設は進まず、2006年の「再編実施のための日米のロードマップ」を経て、13年4月の嘉手納以南の返還時期を定めた「統合計画」に引き継がれた。」
②「現在、返還時期は28年度、またはその後とされているが、返還条件の浦添移設はめどが立っていない。軍港移設問題は、浦添市が進める西海岸開発計画と密接に関わり、歴代市長は市政の重要課題として取り組んできた。」
③「13年の市長選で移設反対を掲げて当選した現職の松本哲治浦添市長は15年2月に米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)沖を埋め立てて港湾施設やリゾート地を整備する西海岸開発計画を発表した。その2カ月後の4月、反対から受け入れに転じた。だが、移設位置を巡り、市と那覇港管理組合で意見が割れている。ことし4月には防衛省が複数の移設案を提示。夏ごろの合意形成を目指し断続的に県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合の担当者らが協議を進めてきたが、議論は今もなお、平行線をたどっている。」
(4)【日米地位協定】米側の運用に左右
①「最終報告では、米軍施設・区域への立ち入り手続きや米軍航空機事故調査報告の日本政府への公表など日米地位協定の運用改善もまとめられた。米軍基地への立ち入りは、地域社会との友好関係を維持する必要性を認識して定められた。米軍の運用を妨げることがないことが前提。ヘリパッド建設が進む米軍北部訓練場内の現状確認のために国会議員らが申請して却下されるなど、米側の裁量に左右される。」
②「米軍機事故については、沖縄国際大学へのヘリ墜落時には原因調査や捜査をめぐって米軍側が県警の現場検証を拒否した。日本政府に報告書が公表されても、両政府間の協議は伏せられるなど県民が検証するためには十分でない。」               ③「米軍関係者が公務外で事故を起こした場合に、加害者に支払い能力がなく米国政府の支払いが裁判判決額に満たない場合は、日本側が差額を埋める見舞金制度ができた。請求者に対して提示する示談書には、米国政府や加害者、日本政府を免責するなどの文言が示されていた。2015年7月以降からは、被害者らに配慮して日本政府を免責するという文言は削除された。」


 こうした現状を受けて、沖縄タイムスは、柳沢協二氏(元内閣官房副長官補)の「20年たっても返還が進んでいない背景には計画に根本的な矛盾があるからだ」、とする次のような談話を掲載した。


「20年たっても返還が進んでいない背景には計画に根本的な矛盾があるからだ。
 20年前に普天間飛行場の返還を決めたのは米軍の戦略だ。冷戦終結後、ヨーロッパと東アジアの10万人の米軍駐留兵力を維持する方針があり、沖縄は一番大きな拠点地だった。沖縄の基地を安定的に維持するには過重な負担を軽減する必要があり、問題が多かった普天間が対象となった。その戦略の前提が今、崩れている。米軍は前方展開のプレゼンスを減らす方向にかじを切った。だが、日本政府は20年前と同じ発想で政策を維持している。
 20年前と比べ中国が海洋進出を強めているが、あくまでも海洋秩序を巡る対立で、基本的なプレーヤーは海、空軍だ。海兵隊の出番はない。つまり中国の海洋進出を止める抑止力は、海兵隊にはない。
 日米ガイドラインでも離島防衛は自衛隊の任務と明記している。2018年度には陸上自衛隊に水陸機動団をつくり、海兵隊機能を持つ。九州北部から尖閣をにらむ部隊ができる。ますます米海兵隊が沖縄にいる理由はなくなる。
 このように前提が変わったにもかかわらず日本政府が名護市辺野古への新基地建設計画を維持するのは、歴代政権の流れをいまさら変えられないというのが本音だ。計画を変更するには政治のリードが必要だが相当なエネルギーが必要で、米側から発信しない限り日本から変わることはない。その意味で沖縄が直接米側に訴えかける意味はある。
 米大統領選で勝利したトランプ氏が言う世界の警察をやめるという意味は、軍事紛争に介入しないということだ。仮に日中間で尖閣諸島を巡り衝突が起きても巻き込まれたくないというのが米国の本音だ。基地反対の意見が多い沖縄で基地を存続させることは米国にとっても合理的ではない。基地への怨念がアジア政策の要の嘉手納飛行場まで波及すれば、日米同盟の危機につながる。トランプ氏の当選で、これまでの計画などを変える条件が出てきたのは事実だ。だが、明るい展望が開けるという期待を持ってはいけない。今まで以上に冷淡で沖縄に目を向けない可能性がある。沖縄から声を上げ続けることが重要だ。」


 あわせて、沖縄タイムスは、「SACO20年」を「『日米同盟強化』が進んだ20年」と、次のように解説した。


(1)SACO最終報告は、米軍普天間飛行場など11施設の返還が明記され「負担軽減」が強調された。実態は県内移設が条件でスムーズな返還とはいかなかった。新型輸送機オスプレイの運用など機能強化も明らかになり、もう一つの側面だった「日米同盟の強化」が進んだ20年だった。
(2)最終報告に示された返還総面積5002ヘクタールのうち、米軍北部訓練場の3987ヘクタールは約8割を占める。返還条件のヘリパッドは、宇嘉川の河口部に設けた訓練区域と連動する形で、上陸訓練を実施する。辺野古も全長271・8メートルで大型艦船の接岸できる「係船機能付き護岸」や「弾薬搭載エリア」など、普天間飛行場にはない新たな機能を加える。
(3)米兵暴行事件や大田昌秀元知事による代理署名拒否、県民大会などを受け、日米両政府は基地の整理・統合・縮小と日米地位協定の運用改善をせざるを得なくなった。県道104号越え実弾砲兵射撃訓練は県外で実施。「移駐完了」後も普天間に再飛来する空中給油機は岩国飛行場へ移った。
(4)計画全てが実施されても、在日米軍専用施設・区域の約7割が残る。沖縄に集中する構図は変わらず、当時からの願いである「国民全体での負担」にはほど遠い。

 【SACO合意とは】 1995年に沖縄で起きた暴行事件を機に、日米両政府が沖縄に関する特別行動委員会(SACO)を設置。96年12月の最終報告には、「請求に対する支払い」など日米地位協定の運用改善が盛り込まれた。


 一方、琉球新報は2016年12月2日、「SACO合意」について、「SACO20年 県民不在の合意破綻した 政府は対米交渉やり直せ」、と社説で出張した。
 琉球新報は、このように結論を切り出している。


「県民不在の日米合意に固執し続ける限り、沖縄は米軍基地の呪縛から逃れることはできない。代替施設を県内に求める「負担軽減策」はしょせん虚妄にすぎない。
 日米特別行動委員会(SACO)最終報告の合意から20年になる。その本質は負担軽減に名を借りた米軍基地の固定化・機能強化にほかならない。
 その合意が完全に破綻したことは辺野古新基地建設や米軍北部訓練場におけるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡る混乱を見ても明らかだ。
 県民不在の合意に拘泥してはならない。日米両政府は抜本的な負担軽減策に向け再交渉すべきだ。」


 琉球新報は、この結論の理由を二点にわたって次のように指摘する。


Ⅰ.沖縄の意思反映されず
(1)そもそも1996年12月のSACO最終報告に向けた日米両政府の交渉に沖縄側が参画する場面はなかった。基地の重圧に苦しむ当の沖縄が自らの意思を交渉に反映させる道は閉ざされていた。その帰結が「移設条件付き」という県民意思とは懸け離れた合意内容であった。「基地たらい回し」「頭越し合意」という批判が上がったのも当然だ。
(2)SACO合意で返還が決まった11施設5075ヘクタールのうち、現時点で実際に返還されたのは454ヘクタールにとどまる。面積でいえば約9%だ。県内移設という条件が進ちょくを妨げてきた。仮に合意に基づく返還が全て実現した場合でも、在日米軍専用施設面積に占める在沖米軍基地の割合は5ポイント程度下がるだけだ。
(3)米軍再編に伴う嘉手納より南の米軍施設の返還・統合を実施したとしても、最終的には在日米軍専用施設面積の68・6%が沖縄に集中し続ける。到底、沖縄が基地の重圧から脱するとは言えない。
(4)逆に代替施設の建設によって新たな基地負担を強いるSACO合意に県民は翻弄(ほんろう)されてきた。辺野古新基地建設を巡る県と国の係争や海上における過剰警備、ヘリパッド建設に反対する市民運動の弾圧など、さまざまな混乱によって、多くの県民が苦悩し、傷付いてきた。その元凶がSACO合意なのだ。
(5)これまで県民が県内移設を拒んできたのは、本質的な基地負担軽減にはならないという事実と、自らの痛みを他に押し付けることはできないという心情からであった。その沖縄で基地の県外移設を訴え、受け入れを日本本土に求める動きが顕在化している。背景には沖縄の現状を直視しない日本政府の無策とそれを半ば黙認する国民全体に対する不信と憤りがある。日本政府、本土国民は県外移設を訴える県民が抱える危機感を軽視してはならない。
Ⅱ.オスプレイ配備隠ぺい
(1)SACO合意に基づき、104号超え砲撃訓練の分散移転、楚辺通信所やギンバル演習場の返還などの返還が実現した。読谷補助飛行場の返還で、村おこしの施策が進むなど一定の成果もあった。しかし、大半の県民は負担軽減を肌で実感しているわけではない。
(2)今月末、北部訓練場の過半部分が返還される。しかし、ヘリパッド完成後の訓練激化によって、住環境やノグチゲラなど貴重な動植物に重大な悪影響を与えることが懸念されている。既にMV22オスプレイの夜間訓練によって睡眠不足に陥った児童が学校を欠席する事例が報告されている。
(3)ヘリパッド建設を明記したSACO最終報告の草案段階で米側はオスプレイ配備を記載したのに、沖縄の反発を恐れた日本側が削除させたことが判明している。負担軽減策を隠れみのにして、基地機能強化を進めたのだ。沖縄に混乱をもたらし続ける政府の隠ぺい体質を許すわけにはいかない。
(4)ヘリパッド建設に対する姿勢を明確にしてこなかった翁長雄志知事もSACO合意の虚構と不条理を厳しく問い続けなければならない。在沖米軍の抑止力に固執する政府の頑迷を打破しない限り、沖縄の抜本的な基地負担の軽減はあり得ない。


 確かに、SACO合意は、「20年たっても返還が進んでいない背景には計画に根本的な矛盾があるからだ」、という構造的矛盾を孕んでいた。
それは、「オスプレイ配備隠蔽」を含めて、「沖縄の意思が反映されない」ということにある。
 したがって、SACO合意によっては、沖縄の「負担軽減」は達成でない。


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-16 11:21 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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