<   2016年 12月 ( 96 )   > この月の画像一覧

辺野古訴訟県敗訴を、沖縄タイムスの社説で考える。(2)

 最高裁は2016年12月20日、翁長雄志沖縄知事の名護市辺野古埋め立て承認取り消し処分を違法とする判断を下した。
この「辺野古訴訟沖縄県敗訴」について、琉球新報と沖縄タイムスの社説で考える。
 今回は、沖縄タイムスの主張を見てみる。
 沖縄タイムスは、驚くことに、「米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る問題は、この20年で最大かつ重大な局面を迎える。」、との位置づけの基に、このことについて社説の特集を組んで臨んだ。
 その見出しは、[県敗訴の構図]地方自治の精神ないがしろ、[民意の軌跡]差別的処遇への不満広がる、[環境と埋め立て]貴重生物の悲鳴が聞こえる、[新基地建設の行方]私たちの反対は変わらない、と分析されている。実は、こう並べてだけで、今回の最高裁判決を問題点と今後の沖縄の動向が窺えるものになっている。
 沖縄タイムスの社説を、一括して、まとめてみる。


Ⅰ.主張
(1)戦後70年余りも、米軍基地から派生する事件・事故の被害にさらされ続けている歴史を一顧だにしないばかりか、今後も基地負担を強いることを意味する中身だ。地方自治の否定もあからさまである。最高裁も沖縄の声を封じ込めた。
(2)辺野古違法確認訴訟の高裁判決に「新施設の建設に反対する民意には沿わないとしても、普天間飛行場などの基地負担の軽減を求める民意に反するとはいえない」と都合よく解釈した一文がある。新基地に反対する民意と基地負担の軽減を求める民意は一つだ。民意を無視した負担軽減もあり得ない。県民の揺らぐことのない意思は、人権や自己決定権をないがしろにされてきた歴史、しまくとぅばの復興など沖縄らしさを大切にする動きとも共鳴し合っている。一人一人の心の奥底から発せられる「新基地ノー」の声は簡単には変えらないし、戻ることもない。
(3)私たちが100年後の未来に残したいのは豊かな自然である。米軍基地建設のため「宝の海」を埋め立てるのは最もやってはいけない愚行だ。
(4)この問題を強権的暴力的に解決しようとすれば、嘉手納基地を含む基地撤去運動に発展するのは必至だ。政府は復帰前のコザ暴動から学ぶべきである。
(5)軍の論理だけを優先し、住民の不安をそっちのけに訓練を再開する米軍。住民を守る立場にありながら、米軍を引き留めるのではなく、訓練再開に理解を示した政府。両者に共通するのは、県民不在の態度だ。翁長知事がいつにも増して激しい口調で怒りをぶちまけたのは、こうした現実に対してである。その思いを多くの県民が共有しているといっていい。県民の失望と怒りを軽く見てはいけない。翁長知事を追い込んではならない。
(6)米兵による暴行事件に端を発した沖縄からの異議申し立てを受け、日米特別行動委員会(SACO)は1996年4月、在沖米軍基地の整理・統合・縮小計画を盛り込んだ中間報告を発表した。「新たな基地建設を伴う返還はしない」というのが防衛庁(当時)の基本的考えだった。普天間飛行場については、代替施設として「基地内」に「ヘリポート」を整備することが盛り込まれた。当初は辺野古などという話はなかったのである。
(7)政府は、負担軽減と危険性除去を強調する。普天間の固定化を防ぐために辺野古の代替施設が必要なのだと、政府は言う。その主張はあまり説得力がない。危険性除去を優先するのであれば、新基地建設を断念し、別の選択肢を探るのが近道だ。
(8)代替施設が完成するまで数年以上かかるといわれる。オスプレイの墜落事故を経験した住民に、それまで辛抱しなさいというのか。その間に事故が起きないことを政府は保障できるのか。米政府高官が指摘したように、沖縄への基地集中は異常である。あまりにも小さな島に、多くの卵を詰め込み過ぎる。戦後ずっとこの状況が変わらないというのは政府と国会の怠慢である。


Ⅱ.判決の問題点
(1)最高裁は判決で、辺野古新基地の面積が普天間飛行場と比較して相当程度縮小されることや、環境保全対策が取られているなどとして、前知事の判断に「不合理な点はない」と認定した。高裁判決を踏襲するものだ。だが面積を減らせば基地の負担軽減につながるわけではない。辺野古新基地には2本の滑走路が設計され、普天間にはない強襲揚陸艦が接岸できる岸壁や弾薬搭載エリアが新設される。耐用年数200年といわれ、沖縄は半永久的に基地の島から逃れられない。
(2)県は辺野古新基地の建設を強行することは憲法92条の地方自治の本旨(沖縄県の自治権)を侵害し憲法違反として上告していた。最高裁は今月12日付で棄却している。国と地方公共団体との関係が「上下・主従」から「対等・協力」に大転換した1999年の地方自治法改正後、初めての訴訟である。最高裁が審理せずに棄却したのは改正の精神をないがしろにしていると言わざるを得ない。
(3)米軍基地は日米地位協定によって米軍の排他的管理権が認められ、国内法が及ばない。沖縄では米軍絡みの事件・事故では「憲法・国内法」の法体系が「安保・地位協定」によって大きな制約を受けているのが現実なのである。基地内の事故や環境調査もままならず、自治権が侵害されるケースは枚挙にいとまがない。米軍絡みでは民間地も同じだ。オスプレイが名護市安部に墜落した事故で、住民の生命や生活、人権を守る責務を負わされている名護市のトップである稲嶺進市長が現場に近づくことができず、県が水質検査をすることができたのは6日後である。2004年の普天間所属の大型ヘリコプターが沖縄国際大に墜落、炎上した事故で警察や行政が米軍が張り巡らせた規制線から排除されたことと何も変わっていない。
(4)最高裁が審理するのは憲法違反や法令・判例違反に限られることから、事実認定としては高裁判決が確定する。高裁判決は「普天間の被害を除去するには辺野古に新施設を建設する以外にない」としたり、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」をことさら取り上げ、射程外となるのはわが国では沖縄などごく一部などと国の主張をなぞるように「地理的優位性」を強調して批判を浴びた。最高裁判決はこれらに触れなかった。最高裁が弁論を開かず判決を言い渡すことを決めたからである。とても納得できるものではない。


Ⅲ.民意という事実
(1)2012年秋、県企画部が実施した県民意識調査で、在日米軍専用施設の約74%が沖縄に集中する現状に、7割を超える人たちが「差別的だ」と回答した。普天間飛行場にオスプレイが強行配備された時期と重なるこの調査以降、「差別」という言葉が沖縄の基地問題を語るキーワードとして頻繁に使われるようになった。
(2)同じころ実施されたNHK放送文化研究所の沖縄県民調査からも、基地の過重負担を問う民意を読み取ることができる。県民の基地に対する考え方を1992年と2012年で比較すると、「全面撤去」と答えた人が34%から22%に減った半面、「本土並みに少なく」は47%から56%に増えている。
(3)普天間飛行場の辺野古移設を巡って顕在化してきたのは、沖縄だけに基地を押しつける差別的処遇への怒りであり、日米安保の負担の適正化を求める声だった。新基地建設に反対する県民世論の基調は、10年ごろから変わっていない。
(4)本紙が朝日新聞と琉球朝日放送(QAB)と共同で実施した15年の県民意識調査では、辺野古移設は「反対」が66%を占め、「賛成」の18%を大きく上回った。「辺野古が唯一」だと繰り返す政府の説明の欺瞞(ぎまん)性を見抜き、基地と振興策をリンクさせる手法にも「ノー」を突き付け、不公平な負担の解消を求めてきたのだ。
(5)「新基地建設は許さない」との民意は、選挙でも示され続けた。端的に表れたのは14年の名護市長選、県知事選、衆院選沖縄選挙区、今年に入ってからの県議選、参院選沖縄選挙区だ。県知事選で保革双方から支持された翁長雄志氏が現職に10万票近い大差をつけて当選したのは、住民意識の変化を決定づけるものだった。


Ⅳ.環境権からの指摘
(1)辺野古の大浦湾一帯は、琉球列島に広がるサンゴ礁生態系の中でも、特に生物多様性が豊かな地域である。埋め立てが進み新基地が建設されれば、私たち「島人(しまんちゅ)の宝」である美しい自然の一つを失うことになる。
(2)昨年7月、環境問題などの専門家からなる県の第三者委員会は、埋め立て承認までの手続きに「法的瑕疵(かし)があった」とする報告書をまとめた。翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しは、これを受けたものだ。131ページもの詳細な検証結果の半分以上をさいたのが「環境」の項目である。報告は国の埋め立て申請が辺野古の海の重要性を低く評価し、環境保全策が科学的に実効性あるものになっていないことなどを厳しく指摘する。
(3)国の天然記念物ジュゴンの保護策一つをとっても不備は明らかだ。国はジュゴンが「辺野古地先を利用する可能性は小さい」としたが、実際は環境団体によって多くの食(は)み跡が確認されている。海草藻場についても移植などによる保全措置を講じるとするが、その技術はいまだ確立されていない。
(4)そもそも辺野古アセスはオスプレイ配備を最終段階までふせるなど、専門家から「史上最悪」と言われるほど問題が多かった。2012年初め、沖縄防衛局が出したアセス評価書に対する仲井真弘多前知事の知事意見は579件にも及んだ。「評価書で示された措置では環境保全は不可能」と断じたのだ。翌年11月、補正後の評価書に対して県環境生活部が出した意見も48件に上った。現状では基地から派生する環境問題に日本側が対応できないことなども挙げ「懸念が払拭(ふっしょく)できない」と結論づけた。
(5)仲井真氏が埋め立てを承認したのは、それからわずか1カ月後。承認に至る経過は著しく透明性を欠き、正当性にも疑義が生じるものだった。
(6)新基地予定地は、県の自然環境保全指針で厳正な保護を図る「ランク1」に指定され、環境省の「重要海域」に選定された地域である。基地のない地域では自然を守ることが優先されるのに、沖縄では県や国の環境政策との整合性を保つことさえできない。


Ⅴ.沖縄県と国の今後の動向
(1)翁長知事は、埋め立て承認の取り消し処分を取り消す手続きに入る。だが、来年3月に期限が切れる埋め立てに必要な海底の岩礁破砕許可や、埋め立て区域内から区域外へ移植するサンゴの採捕許可、工事の設計・工法の変更に伴う審査など知事権限を最大限行使して新基地建設を阻止する考えだ。
(2)一方、国は今年3月、県と和解が成立して以来、工事がストップしていることから再開を急ぐ方針だ。菅義偉官房長官は「日本は法治国家である。確定判決に従い、県と協力して移設工事を進めていく」と語る。徹底抗戦の構えの翁長知事をけん制するが、対立が続くことは間違いない。
(3)日米両政府が米軍普天間飛行場の移設条件付き返還に合意してから今年で20年。新基地建設問題は大きな曲がり角を迎えている。最高裁で敗訴したことを受け、翁長雄志知事は週明けにも、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を取り消す意向を明らかにした。行政の長として最高裁判決を厳粛に受け止めるのは当然であるが、判決によって新基地建設問題に決着がついたわけではない。「ジ・エンド」(物事の終わり)だと考えるのは早計だ。
(4)この問題は最高裁の判決ですべてが解決するほど単純でも簡単でもない。翁長知事をはじめ多くの県民が新基地建設に反対し、公正・公平な基地負担を実現せよ、と道理にかなった主張を展開しているからだ。法的には仲井真弘多前知事の埋め立て承認が「適法」とされたが、政治的には依然として埋め立て承認「ノー」の民意が大勢を占める。


 さて、「県民の失望と怒りを軽く見てはいけない。翁長知事を追い込んではならない。」、という沖縄タイムスの主張こそ、植民者としての多くの日本人に向けた訴えである。
 まずは、日本人は自らの植民地主義を克服しなければならない、と。
 その上で、「軍の論理だけを優先し、住民の不安をそっちのけに訓練を再開する米軍。住民を守る立場にありながら、米軍を引き留めるのではなく、訓練再開に理解を示した政府。両者に共通するのは、県民不在の態度だ。」(沖縄タイムス)、という政治状況を変えなくてはならないということだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-22 12:05 | 沖縄から | Comments(0)

辺野古訴訟県敗訴を、琉球新報の社説で考える。(1)

 最高裁は2016年12月20日、翁長雄志沖縄知事の名護市辺野古埋め立て承認取り消し処分を違法とする判断を下した。
この「辺野古訴訟沖縄県敗訴」について、琉球新報と沖縄タイムスの社説で考える。
 最初に、琉球新報の主張を見てみる。
 まず、琉球新報は今回の最高裁判決の問題点について、次のように指摘する。


(1)行政法の学者は埋立法の要件を極めて緩やかに解する高裁判決の同法違反を指摘する。また「普天間飛行場の危険性除去には辺野古新基地建設以外にない」などとする暴論を、行政の政策判断に踏み込む「司法権の逸脱」と批判し、国側主張を丸写しした「コピペ」との批判を浴びせている。
(2)最高裁判決は問題の多い高裁判決を全面踏襲した。「辺野古新基地の面積は米軍普天間飛行場の面積より縮小する」などとして新基地建設を妥当と判断した。県が主張した新たな基地負担増の指摘は一顧だにされていない。
(3)海域の環境保全策も「現段階で採り得る工法、保全措置が講じられている」として高裁判断を踏襲した。乱開発を防ぐ公有水面埋立法の理念からかけ離れた判断だ。
 普天間飛行場を辺野古に移設する妥当性、海域埋め立ての公有水面埋立法との整合性など慎重な審理が求められたが、最高裁は口頭弁論も開かずに県の主張を一蹴した。
(4)最高裁判決の根底にあるのは国策への追従姿勢だ。日米安保条約、不平等な地位協定に基づく沖縄への基地集中、負担強化の国策をただす姿勢のない司法の自殺行為、堕落と言うしかない。


 この上で、琉球新報は最高裁判決について次のように主張する、


(1)司法の国策追従は目を覆わんばかりだ。国の主張を丸飲みして正義に背をそむけ、環境保護行政をも揺るがす不当判決である。
(2)最高裁は翁長雄志知事の名護市辺野古埋め立て承認取り消し処分を違法とする判断を下した。行政法、憲法など多くの学者が誤りを指摘する福岡高裁那覇支部判決を無批判に踏襲する内容だ。政府が強行する辺野古新基地建設の埋め立て工事に司法がお墨付きを与えた。法治主義、地方自治を否定し、司法の公平性に背いて基地建設の国策を優先した。司法が担う国民の生命、人権、環境保護の役割を放棄したに等しい。
(3)辺野古新基地の新たな基地負担に司法が加担した。最高裁の裁判官は過酷な沖縄の現実に正面から向き合ったと胸を張って言えるだろうか。基地負担の軽減を求める県民の願いを司法が踏みにじったのである。
(4)加速する基地建設の動きの最中にオスプレイが墜落した。国に司法が追従する基地負担強化に県民の怒りは燃え盛っている。
(5)厳しくとも新基地建設翁長知事は辺野古訴訟敗訴が確定しても辺野古新基地建設を「あらゆる手段で阻止する」としている。事態はに反対する民意は揺るがない。



 琉球新報は、高々と、「厳しくとも新基地建設翁長知事は辺野古訴訟敗訴が確定しても辺野古新基地建設を『あらゆる手段で阻止する』としている。事態はに反対する民意は揺るがない。」、と掲げる。
 実は、この決意を支えるのは、本土の人間の役割である。



 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-22 08:13 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月21日

 「いい正月になる」と自信ありげに笑った仲井真弘多前知事。
 「こういう形で年末を迎えるのは残念だ」と翁長雄志現知事。
 はっきりしているのは、安倍晋三政権下で基本的人権がないがしろにされているなかで、市民の大多数は困窮化に向かわされている以上、どこに立たなければならないかは、おのずから決まってしまう。
 「吹っ切れたような表情で初めて参加を表明した」(沖縄タイムス)、としたその姿は、人間の思いの大切さを未来に伝える。


 2016年12月21日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-知事「踏ん張りどころ」 最高裁の沖縄県敗訴 岩礁破砕で再び法廷闘争も-2016年12月21日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古の埋め立てを巡る裁判で最高裁が20日、沖縄県敗訴の判決を出した。判決により、翁長雄志知事による辺野古の埋め立て承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決は仲井真弘多前知事による埋め立て承認は妥当性を欠いたものではなく、『不合理な点はうかがえない』と結論付けた。翁長知事は『辺野古新基地は造らせない公約実現に向け、全力で取り組む』考えで、今後のかじ取りが注目される。」
②「『最高裁の判決は出たが、この闘いというか新辺野古基地は造らせない、オスプレイの配備撤回というのは、今まさに新しいスタートに立ったと思う。これからが私たち県民の踏ん張りどころ、力の出しどころだ』。県敗訴を受けて20日夜に開いた記者会見で翁長知事は、今後も辺野古新基地建設阻止に向けた行動を続けると表明した。知事は『米軍統治時代、苛烈(かれつ)を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強く闘った県民は、日米両政府が辺野古新基地建設を断念するまで闘い抜くと信じている。私も県民と公約実現に向けて全力で取り組む』と読み上げ、“県民運動”として建設阻止に臨む考えを示した。」
③「知事自身、自らの行政権限行使だけでは今後厳しい流れが待ち受けることが予想される判決だった。県弁護団の松永和宏弁護士は、最高裁が一度も口頭弁論を開かずに判決を出した点を指摘。『判決に政策的なことは書いていないが、非常に政策的な判決だ。本当に判断を示すなら2カ月ではできない』と、中断している新基地建設工事を早期に再開したい政府に配慮したスピード判決ではないかと、不信感をあらわにした。」
④「原審の福岡高裁那覇支部の判決は、沖縄の『地理的優位性』などに触れ、軍事的にも『辺野古が唯一の解決策』とする政府の主張までも認めていた。だが最高裁は判決で、高裁判決のこの部分は内容を書き換えた。司法が判例として『辺野古唯一』を認定することを懸念し、判決文の内容も気にしていた県は、『司法の良識というよりも常識が示された。高裁判決は行政法の専門家からも批判を集めていたから』(幹部)と高裁判決を皮肉った。
ただ政府側の受け止めは『全面勝訴』に近い。最高裁は判決で、前知事による埋め立て承認について、環境保全や防災対策に特段不合理な点はなかったと判断した。防衛省関係者はこの点に着目する。『知事は今後も権限を使い工事を止めようとするだろう。だが最高裁が環境対策も防災対策も不合理はないと判断した。県が今後権限行使をする際は、裁判で主張したもの以外の理由を探すはずだが、ろくな理屈はもう探せないはずだ』。
⑤「県と政府が次の綱引きとして想定するのは、来年3月に期限切れを迎える岩礁破砕許可の更新申請だ。県はこの更新を認めない場合、政府は再び工事を中断した上で県と法廷闘争する必要がある。ただ、この最高裁判例で、国側は環境対策などの論点で『司法のお墨付き』(防衛省関係者)を得たことで、政府は今後もスピード判決の連続で県の権限を次々に奪えるとの期待をにじませる。」
①「敗訴を受け、県は26日にも埋め立て承認取り消しを取り消す。ことし3月から中断してきた工事は再び動き出す。」


(2)琉球新報-年内に工事再開へ 辺野古訴訟で沖縄敗訴 最高裁、「唯一の解決策」は認めず 県は26日にも「取り消し」-2016年12月21日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、県の上告を棄却した。承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の県敗訴の判決が確定した。最高裁は県の上告受理申し立てを受理した各争点の高裁那覇支部の判断について『結論において是認することができる』として踏襲した。高裁判決が安全保障や『地理的優位性』の観点からも辺野古新基地建設が普天間飛行場の危険性除去の唯一の解決策だと断定した点は、一切触れなかった。県は敗訴を受け、26日にも承認取り消しを取り消す。沖縄防衛局は埋め立て承認の効力が戻り次第、早ければ同日に埋め立て本体工事を再開する。」
②「防衛局はまず工事区域への浮具(フロート)設置を進める予定。年明けから本格的な工事を始める。」
③「判決は裁判官4人全員の一致で、個別意見はなかった。仲井真弘多前知事の埋め立て承認に違法や不当がない場合は『承認取り消しは違法となる』と結論付けた。その上で埋め立ての必要性・合理性の判断では、新基地は普天間飛行場の面積から縮小し、米軍機が住宅地上空の飛行が回避されるなどとの前知事の判断について『事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くものであるという事情は認められない』とした。環境保全策などへの十分な配慮についても、『(前知事の)判断過程および判断内容に特段不合理な点があるとはうかがわれない』と判断した。」
④「承認取り消しを取り消すよう国が県に求めた『是正の指示』については、承認取り消しが違法であるため、要件を満たしており適法だとした。是正の指示に従わなかったことは『違法な』不作為ではないとする県の主張に対しては、是正の指示が出された1週間後には、是正の指示に従う『相当の期間が経過している』との見解を示した。県・国双方に協議を求めた国地方係争処理委員会の決定を受けて県が協議を申し入れたことについても『結論を左右しない』とした。」


(3)沖縄タイムス-オスプレイのエンジン回収 米軍、主な部分はすべて撤去-2016年12月21日 16:52


 沖縄タイムスは、「MV22オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸では21日、浅瀬に取り残されたままだったエンジン部分を米軍がサルベージ船で回収した。これで、オスプレイの残骸の主な部分はすべて回収された。午後2時25分ごろから、浮具が付けられたエンジン部分をサルベージ船が回収。午後4時までに撤去し終えた。作業の間、米軍関係者がドローンを使って墜落現場付近や作業の様子を撮影する姿も見られた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-募る憂慮、闘う決意 辺野古訴訟で最高裁判決 翁長知事の対決姿勢鮮明に-2016年12月21日 12:15


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『こういう形で年末を迎えるのは残念だ』。最高裁判決を受けた20日の記者会見。翁長雄志知事は判決に加え、1週間前に相次いで起きたオスプレイ墜落や胴体着陸事故、2日後に迫った米軍北部訓練場一部返還式典など、難題が重なる年の瀬を嘆いた。3年前、辺野古埋め立て承認を前に「いい正月になる」と笑った仲井真弘多前知事とは対照的な師走の会見となった。」
②「『法の番人として充実した審理を経た上の判断を期待したが、あたかも前知事の埋め立て承認が全てであるかのような判断を示し、問題点の多い高裁判決を容認した。深く失望し、憂慮している』」と批判。県民に対する差別や民意を無視する政府を追認した最高裁に対し、『民主主義の問題として禍根を残す』。わずかに下唇をかみ、悔しさをにじませた。」
③「22日のオスプレイ墜落に抗議する名護市での県民集会への対応を問われると、『一つの区切りがついた』と顔を上げた。『私も出席して県民の心が大きく一つになれるよう、資することを考えている』。吹っ切れたような表情で初めて参加を表明した。」
④「北部訓練場の返還式典に対しては『いかにいびつな形で返されるかを米国、日本国民に見てもらいたい』と、県庁職員の欠席を明言。質問がオスプレイの飛行再開に及ぶと、やや早口になり『辺野古に新基地は造らせない。オスプレイ配備撤回をしっかりやる。あらゆる手法を尽くす』と、国との対決姿勢を改めて鮮明にした。」
⑤「県側代理人の松永和宏弁護士が『判決は、都道府県知事の権限を非常に広く認めた。今後、知事が権限を行使した場合、国はその判断を尊重しなければならないということ』と説明すると、知事は口を横で真一文字に結び、正面を見つめたまま何度もうなずいた。」


(5)沖縄タイムス-米軍、オスプレイ飛行再開前にも最重大事故 嘉手納基地で哨戒機が胴体破損-2016年12月21日 12:21


 沖縄タイムスは、「米軍嘉手納基地内で19日午前6時ごろ、同基地所属で米海軍のP8対潜哨戒機が胴体下部と前輪を破損する重大事故を起こしていたことが21日、分かった。米海軍によると、事故の規模は4段階で最も重大な『クラスA』。13日に墜落したオスプレイが19日に飛行再開する直前に、重大な事故を起こしたことになる。」、と報じた。
 また、「沖縄防衛局は嘉手納町に20日夕、『P8がけん引を伴う通常整備を実施中に前輪と胴体下部に小さな破損が生じる事案があった』『負傷者はおらず、現在、この軽微な事案に対する調査が行われている』と連絡した。嘉手納基地では21日正午ごろ、P8対潜哨戒機6機が並び、うち1機の胴体の下に米軍関係者が集まり、作業をしているのが確認された。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-オスプレイ墜落:名護市議会が米軍に抗議 配備撤回と辺野古新基地の中止を要求-2016年12月21日 13:07


 沖縄タイムスは、「オスプレイの墜落事故を受けて、名護市議会(屋比久稔議長)は21日午前、米軍キャンプ・フォスターを訪れ、オスプレイの配備撤回と辺野古新基地建設の中止・撤回を求めた。屋比久議長らは空中給油の訓練中止なども求めたが、対応した米海兵隊のスコット・コンウェイ大佐は『リスクを負ってでもやらないといけない必要な訓練。グレードを落とせない』と答えたという。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-「不当判決に負けない」 オール沖縄会議、集会で怒り-2016年12月21日 13:22


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設に反対する政党、経済界、市民団体などでつくる「オール沖縄会議」は21日、『辺野古違法確認訴訟』で県の敗訴が確定した最高裁判決に抗議する集会を福岡高裁那覇支部前の城岳公園で開いた。700人(主催者発表)が参加し、十分な審理がないままの判決に怒りの声を上げた。」
②「共同代表の稲嶺進名護市長は『ウチナーンチュは満身創痍で流す血がないくらい、国に裏切られ司法にまで見放された。不当判決に屈せず、今日から新しい闘いに入ろう』と新基地建設の阻止に向けた団結を呼び掛けた。」
③「オール沖縄会議は22日午後6時半にも名護21世紀の森で米軍のオスプレイ墜落事故に対する抗議集会を開く。翁長雄志知事も出席を予定し、2千人以上の参加を目指す。」


(8)琉球新報-菅氏、翁長知事に不快感 北部訓練場返還の式典欠席-2016年12月21日 13:57


 琉球新報は、「菅義偉官房長官は21日の記者会見で、沖縄県の翁長雄志知事が政府による22日の米軍北部訓練場の部分返還式典を欠席する一方で、オスプレイ不時着事故の抗議集会に出席する対応に不快感を示した。菅氏が10月に同訓練場の年内返還方針を伝えた際、翁長氏が『歓迎したい』と述べ、数日後に発言を修正した経緯にも触れ『そんなに軽い話ではない』と批判した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、翁長氏が今後も抵抗を続ける方針を示していることには『訴訟が確定したらその趣旨に従って誠実に対応するということに尽きる』とけん制した。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-700人が最高裁判決に抗議 沖縄敗訴 「不当判決に屈しない」-2016年12月21日 14:13


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で、県敗訴とした最高裁判所の判決に抗議する『最高裁不当判決糾弾! 審理のやり直しを求める緊急抗議集会』が21日、那覇市の城岳公園で開かれた。『辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議』主催。登壇者たちは『不当判決に屈することなく、新基地は絶対に造らせないという決意で、新しい闘争に入ろう』などと訴えた。」
②「主催者発表で700人が参加した。共同代表の稲嶺進名護市長は『沖縄の事情を全く無視し、全国的に許される範囲という旨の判決になった。いつになったら、沖縄は平和憲法の中で日本国民として守られるのだろう』と訴えた。同じく共同代表の玉城愛さんも『不当判決が出て、日本の三権分立がいかに後退しているのか分かった。ウチナーンチュとして、学生として、1人の市民として、皆さんと一緒に頑張っていきたい』と呼び掛けた。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-21 18:11 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シ「ナ人」発言を考える。(40)

 沖縄タイムスは2016年11月16日、「沖縄相 当事者意識欠く 評論家・荻上チキさん【インタビュー「土人」発言・19】」、とのインタビュー記事を掲載した。
 荻上チキさんは、次のように語る。


(1)差別を考える時、語り手の意図をもって「差別か否か」を判断してはいけない。語り手にその意図がない言葉でも、差別として機能することはある。
(2)差別発言の機能を二つに分けてみよう。「直接的な効果」と「間接的な効果」だ。前者は、当事者を侮蔑することで相手の尊厳を傷つける行為だ。今回は当事者も翁長雄志知事も、機動隊員の発言を問題視していることから直接的な差別があったと言える。
 後者は、発言とそれの対応が持つ社会的影響力の問題だ。今回は、ユーチューブなどのメディアを通じて機動隊員の具体的な発言が知れ渡った。そうした発言に人々が触れた折に、差別意識を誤って学習しない環境づくりが必要となる。だから菅義偉官房長官らも不適切だと即座に認めた。鶴保庸介沖縄北方担当相は曖昧な態度をとるべきではない。
(3)今回は、権力を持つ警察側の発言だった。差別的な認識が警察官に広がると、差別感情を前提とした捜査が行われる土壌などを生み出す。だから鶴保担当相は本来、対話を阻害するなと警察庁に申し入れるべき立場だ。「第三者」と繰り返し、リアクションを避ける行為は、政治的振る舞いとしても間違っている。


 確かに、発言とそれの対応が持つ社会的影響力の問題に関して、今回の差別においては、差別の「間接的な効果」が十分に発揮されている。


 以下、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-21 12:27 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-安倍晋三政権は、高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉に、一方で新たな高速炉を開発する方針。

 政府は2016年12月19日、高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする方針を発表した。しかし、一方では、新たな高速炉を開発する方針も出した。
 東京新聞は、このことについて次のように報じた。


(1)政府は十九日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にする一方、新たな高速炉を開発する方針を固めた。福島第一原発の事故処理費用も、ほとんどを国民の電気料金で賄うことが固まったばかり。一兆円超の国費をかけてきたもんじゅ失敗の反省もないまま、原子力政策維持のための国民負担が膨らみ続けることになる。 
(2)もんじゅを廃炉にする方針は文部科学省で開かれた「もんじゅ関連協議会」で、松野博一文科相が福井県の西川一誠知事に伝えた。西川氏は「もんじゅの総括が不十分だ」などと反発し、政府は再び説明する場を設けると約束。しかし、年内に関係閣僚会合で廃炉にすることを正式に決める方針に変わりはない。もんじゅは三十六年間で一兆四百十億円の国費を投じたにもかかわらず、トラブル続きでほとんど稼働していない。大量の機器で点検漏れも発覚し、原子力規制委員会は運営主体を現行の「日本原子力研究開発機構(原子力機構)」から変更するよう求めたが、見つからなかった。
(3)文科省は廃炉には三十年で三千七百五十億円以上かかると試算。存続を求める福井県と敦賀市に配慮し、もんじゅと周辺地域を高速炉など原子力の研究開発拠点と位置付け、もんじゅ内に新たな試験炉を設置する方針もまとめた。一方、政府は官民会議「高速炉開発会議」も開き、もんじゅに代わる新しい高速炉の開発に着手する方針を確認した。もんじゅで得る予定だったデータは、仏政府が計画する高速炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を拠出して共同研究に参画したり、もんじゅの前段階の研究に使われた実験炉「常陽」(茨城県、停止中)を活用することで得られると結論づけた。しかし、アストリッドは設計段階で、日本の負担額は分からない。常陽も、福島第一原発の事故を受けた新しい規制基準に合わせて耐震などの工事をしており、費用は不明。さらに、新たに高速炉を建設する場合、構造が複雑なため建設費が通常の原発より数倍は高いとみられている。これから投じられる国費の規模は、めどすら立っていない。
(4)原子力政策をめぐっては、福島第一原発の廃炉などの処理費用が従来予想から倍増して二十一兆五千億円かかる見通しとなり、政府はほとんどを国民の電気料金や税金でまかなう構え。福島第一を除く原発の廃炉費用の一部も電気料金に上乗せする方針で、国民の負担が増え続けている。


 東京新聞は、「一兆円超の国費をかけてきたもんじゅ失敗の反省もないまま、原子力政策維持のための国民負担が膨らみ続けることになる。」、と指摘する。
 政府は、「原子力政策をめぐっては、福島第一原発の廃炉などの処理費用が従来予想から倍増して二十一兆五千億円かかる見通しとなり、政府はほとんどを国民の電気料金や税金でまかなう構え。福島第一を除く原発の廃炉費用の一部も電気料金に上乗せする方針で、国民の負担が増え続けている。」(東京新聞)、といった声に真摯に向き合わなけねばならない。
 本来、政府は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止の結果を十分に検証し、失敗の責任を明確にする中で、「3.11」を出発点にした新たな政策を提起しなけねばならないはず。


 以下、東京新聞の引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-21 07:29 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月20日

 宜野湾市長は、「極めて遺憾だ」。
 宜野湾市民は、「また平気で飛ばすんだ。命が軽視されている」、「本土の人は何を思うのか。沖縄ではアメリカのやりたい放題だ」。
 名護市長は、「言語道断だ」。
 名護市民は、「胴体着陸も同時に発生している。人命にかかわる事故が起こってからでは遅い。今こそ県民が怒りの声を上げないといけない」。
 那覇市民は、「日本政府は自分たちさえよければそれでいいのか。沖縄のことをよその国の様にしか考えていないのではないか」。
 北谷町長は、「県民の不安や恐怖を一顧だにしない軍事優先の動きだ。原因が機体の異常でないと示したかったのではないか」。
 宜野座村長は、「安全性に対する疑問が残る中での飛行再開は、県民の理解を得られない」。
 国頭村長は、「米軍の説明を聞く限り、県民は納得しない。政府にはもっと強く米軍に申し入れてほしかった」。
沖縄県知事は、「県民に寄り添うとしながら米側の説明をうのみにし、米軍の考えを最優先し、飛行再開を容認する政府の姿勢は極めて県民不在だと言わざるを得ない。日米安保に貢献する県民を一顧だにしないもので強い憤りを感じる」。
 自民党県連会長は、「県民が苦しんでいるのを無視して言いなりになって(再開を)許可できるのか」。
 これだけでも足りない。
沖縄県知事の「日本国の在り方が変わらない限り、とても県民の気持ちを伝えることはできない」という言葉の重みと深刻さを、安倍晋三政権は肝に命じるべきだ。


 「言葉を尽くしても尽くしきれないほどの、怒りとむなしさを感じる」。
 「日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない」。
 「民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない」。 「沖縄担当大使、沖縄防衛局長にその都度、申し入れをしても『米軍に伝えます』以外に何ら反応がない。当事者能力がない」。


 2016年12月20日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-オスプレイ飛行再開 墜落6日後、県民反発 米軍、県に直前通告-2016年12月20日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「13日夜に名護市安部の海岸で墜落して以降、飛行を停止していた米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが19日午後1時58分、普天間飛行場を離陸し、飛行訓練を再開した。事故前の運用と同様、午後10時近くまで飛行した。詳しい事故の経緯や原因が明かされない中、地元の反対を押し切って事故から6日後に飛行再開したことに翁長雄志県知事をはじめ、県民から怒りの声が上がっている。」
②「19日に飛行を全面再開する米軍の意向を受けた沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長ら幹部は19日朝、県庁や宜野湾市、名護市などを訪れて飛行再開を伝えた。それ以外の関係自治体にはファクスで知らせた。」
③「米軍普天間飛行場を飛び立ったオスプレイは伊江村の米軍伊江島補助飛行場で、着陸してすぐに離陸する訓練『タッチ・アンド・ゴー』などを繰り返した。普天間飛行場移設に伴う新基地建設が強行される名護市辺野古や、墜落現場となった名護市安部上空でも飛行が確認された。」
④「普天間飛行場を抱える宜野湾市長は『極めて遺憾だ』と述べた。事故現場となった名護市の稲嶺進市長は『言語道断だ』と憤った。その他の市町村首長からも飛行再開の根拠を疑問視する声が上がった。」


(2)琉球新報-訓練に自民県連「冗談じゃない」 防衛局長呼び出し抗議-2016年12月20日 10:00


 琉球新報は、「『あなたたちが県民の声を中央に伝え、駄目だと言い切らないといけないんだよ』。オスプレイの飛行再開を受け、自民党県連(照屋守之会長)は19日、那覇市の県連事務所に沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を呼び、強く抗議した。政権与党の自民県連が政府機関を呼び出すのは異例だ。」、と報じた。
 また、「事故からわずか6日後の飛行再開に照屋会長は『冗談じゃないよ』と憤慨。中嶋氏に対して『県民が苦しんでいるのを無視して言いなりになって(再開を)許可できるのか』などと終始声を張り上げ、時にソファの肘掛けをたたくなどして怒りを抑えきれない様子でまくしたてた。」、と伝えた。


(3)琉球新報-「命が軽視されている」 オスプレイ飛行再開 国も黙認 県民不在-2016年12月20日 10:13


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「墜落から6日でオスプレイが訓練を再開した。バラバラに壊れた機体が目に焼き付いている沖縄県民からは『あまりに早い』と懸念を顧みない米軍の姿勢に強い批判が広がった。再開初日は那覇上空も飛行。『沖縄を何だと思っているのか』と、飛行再開を容認した日本政府に対しても県民の憤りが高まっている。」
②「嘉数高台公園でウオーキング中の奥間俊満さん(69)=宜野湾市嘉数=の上をオスプレイが飛んだ。奥間さんは『ひどい。最低だ』と声を荒らげる。自宅は飛行ルート下。『本土の人は何を思うのか。沖縄ではアメリカのやりたい放題だ』といら立ちを隠さなかった。」
③「宜野湾市喜友名の飲食店で働く女性(48)が店の片付けをしていると、独特の騒音がとどろいてきた。『また平気で飛ばすんだ。命が軽視されている』と失望感をあらわにした。」
④「19日夜、名護市民会館で開かれた新たな基地建設に反対するシンポジウムに参加した比嘉美津江さん(64)=同市=は『胴体着陸も同時に発生している。人命にかかわる事故が起こってからでは遅い。今こそ県民が怒りの声を上げないといけない』」と力を込めた。東村高江に住む伊佐育子さん(56)は『これを許していいのか、県民が問われている』と話した。またオスプレイがこの日離着陸した伊江村の反戦平和資料館の謝花悦子館長は事故状況を説明しない米軍について『県民をばかにしている。道理も何もない』と批判した。」
⑤「南城市のスーパーで買い物を終えたばかりの赤嶺栄子さん(66)=南風原町=は『県民の生活を無視しているようだ』と指摘。仕事のため那覇市にいた会社員の上村英之さん(34)=沖縄市=は『原因を解明してから再開するべきで、早過ぎると思う』と話し、会社員の荻堂盛涼さん(55)=那覇市=は『うるさいし、危ない。オスプレイの飛行そのものに反対だ』と切り捨てた。那覇市の女性(80)は『日本政府は自分たちさえよければそれでいいのか。沖縄のことをよその国の様にしか考えていないのではないか』と批判した。」


(4)琉球新報-米軍、事故機の一部普天間へ搬送 沖縄オスプレイ事故-2016年12月20日 10:13


 琉球新報は、「米軍は20日午前1時50分ごろ、名護市安部海岸に墜落したオスプレイの機体の一部を、うるま市の米軍ホワイトビーチから宜野湾市の米軍普天間飛行場へ搬送した。機体は2台のトレーラーに積まれ午前1時10分ごろホワイトビーチを出発し、県道85号を南下したのち渡口十字路を仲順方面に走行。国道330号を野嵩方面に進行し、米軍普天間飛行場野嵩ゲートに入った。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-オスプレイ飛行再開:市町村長「容認できぬ」怒りの声 一定の理解も-2016年12月20日 10:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「墜落事故を起こした在沖米海兵隊のオスプレイの飛行が再開された19日、基地を抱える関係自治体の首長からは『容認できない』と怒りの声が相次いだ。一方、再開に一定の理解を示す意見もあった。」
②「沖縄防衛局の遠藤仁彦次長から説明を受けた當眞淳宜野座村長は『安全性に対する疑問が残る中での飛行再開は、県民の理解を得られない』と指摘。仲間一金武町長も『強い憤りを感じる。原因究明までは飛行中止を強く求めたい』と訴えた。伊集盛久東村長は『原因究明したとは言えず、飛行再開は早すぎる。遺憾だ』と憤り、宮城久和国頭村長は『米軍の説明を聞く限り、県民は納得しない。政府にはもっと強く米軍に申し入れてほしかった』と政府の対応を批判した。高良文雄本部町長も『詳細な原因究明もされないままの再開は、県民を見下しているとさえ感じる』と憤慨。恩納村の長浜善巳村長は『知事や多くの市町村長、議会も抗議の声を上げる中、県民無視で極めて遺憾だ』と批判した。」
③「一方、オスプレイの離着陸が確認された伊江村の島袋秀幸村長は『早期再開は釈然としないが、内容を聞いて、再開には一定の理解をする』との見解を示した上で、早期の訓練移転などを求めた。」
④「米軍嘉手納基地に隣接する嘉手納町の當山宏町長は『本来の事故原因は究明されておらず、県民は納得していない。短期間で安全性が確認されたのか疑問が残る』と指摘。野国昌春北谷町長も『県民の不安や恐怖を一顧だにしない軍事優先の動きだ。原因が機体の異常でないと示したかったのではないか』と非難した。米軍の対応を『一方的な通告だ』と指摘した島袋俊夫うるま市長。『すぐに米軍の発表を受け入れ、周知した日本政府の対応は違和感がある』疑問視した。那覇市の城間幹子市長は『納得が得られるような事故原因の究明はされていない。飛行再開は断じて認められない』と強調した。」


(6)沖縄タイムス-翁長知事、政府に不信感「法治国家ではない」-2016年12月20日 09:11


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『言葉を尽くしても尽くしきれないほどの、怒りとむなしさを感じる』。オスプレイ飛行再開を受けて急きょ開かれた19日の記者会見で、翁長雄志沖縄県知事は声を震わせた。飛行を容認した日本政府に『日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない』と不信感をあらわにした。」
②「この日朝の登庁時、記者団に囲まれた際は、日本政府の対応を『言語道断。そういう政府は相手にできない』と批判。『法治国家ではない』と言い切った。」
③「『民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない』。会見では終始冷静な口調ながら、厳しい言葉を連ねた。繰り返される事件事故に、『沖縄担当大使、沖縄防衛局長にその都度、申し入れをしても【米軍に伝えます】以外に何ら反応がない。当事者能力がない』とばっさり。『日本国の在り方が変わらない限り、とても県民の気持ちを伝えることはできない』と表情をこわばらせた。」


(7)琉球新報-辺野古訴訟、沖縄県が敗訴 最高裁、上告退ける-2016年12月20日 15:03


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日午後、上告審の判決を言い渡し、県の上告を退けた。国の請求を認め、承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決を受けて翁長知事は年内にも承認取り消しを『取り消す』見通しで、国は年明けにも埋め立て工事を再開する構えだ。一方で、翁長知事は辺野古への新基地建設阻止の姿勢を堅持する方針を示しており、新基地建設を巡る県と国の対立は新たな局面に突入する。」
②「不作為の違法確認訴訟の一審・高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。最高裁は12月12日、口頭弁論を開かずに判決を言い渡す決定をし、判例や法令違反に関する県の上告受理申し立ての一部を審理の対象とするとした。」
③「普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、仲井真前知事が2013年12月27日に沖縄防衛局による埋め立て申請を承認。辺野古新基地建設阻止を公約に当選した翁長知事が15年10月13日に承認を取り消した。代執行訴訟での和解を経て、国は16年7月22日に不作為の違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。」


(8)沖縄タイムス-辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定 最高裁が上告棄却 工事再開へ-
2016年12月20日 15:02


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相が沖縄県の翁長雄志県知事を訴えた『辺野古違法確認訴訟』の上告審で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、沖縄県側の上告受理申し立てを棄却する判決を言い渡した。翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分を違法とした一審福岡高裁那覇支部判決を支持する内容で、県側の敗訴が確定した。」
②「判決を受けて、知事は年内にも処分の取り消しに向けた手続きに入る。政府は埋め立てを伴う本体工事に向けた準備に着手する。ただ県側は、仲井真弘多前知事が下した埋め立て承認処分の撤回や岩礁破砕許可など知事権限の行使を検討しており、普天間飛行場の移設計画が円滑に進むかどうか不透明だ。」
③「辺野古沿岸部の埋め立てを巡っては、翁長知事が2015年10月、埋め立て承認処分を取り消した。国側は処分の取り下げを求めて県側に是正を指示したが従わなかったため、今年7月に提訴した。」
④「9月の高裁那覇支部判決は『仲井真前知事の承認に瑕疵(かし)はなく、普天間飛行場の騒音被害を除去するには、辺野古に新基地を建設するしかない』と判示。承認取り消し処分の違法性を認め、国の是正指示に従わず違法に放置していると認定した。」
⑤「県側は10月、一審判決を不服として憲法で定められた地方自治権の侵害などを訴える上告理由書と、一審が公有水面埋立法の解釈を誤っていると指摘する上告受理申し立て理由書を提出。最高裁は12月12日、地方自治権の侵害などを訴える上告については『上告理由に当たらない』として棄却した。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 20:23 | 沖縄から | Comments(0)

オスプレイ飛行再開に抗議す。-琉球新報、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の社説から-

 安倍晋三政権の暴挙。
 民主主義の根幹を破壊する政府の行為に強く抗議する。
それは、該当県知事に、「日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない」と糾弾され、「民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない」、と見放される事態なのだ。


 このことについて、琉球新報は2016年12月20日、その社説で、「オスプレイ飛行強行 墜落の恐怖強いる 命の『二重基準』許されぬ」、と厳しく批判した。
また、朝日新聞は「オスプレイ再開 県民より米軍なのか」、毎日新聞は「スプレイ再開 政府はなぜ認めたのか」、、東京新聞は「オスプレイ 飛行再開、理解できぬ」、とそれぞれが政府の対応を批判した。
ただ、琉球新報は「墜落」と見出しに掲載したが、東京新聞が文章の中で「墜落」と表現したものの朝日新聞と毎日新聞は「墜落」という表現を新聞社としては使用していない。 各新聞社には、「大本営発表」をそのまま受け取るのではないく、独自に判断することこそが、報道の自由と深く関わるということを忘れて欲しくない。
 また、余りにも早く飛行再会することへの「理解」について、毎日新聞その問題点を次のように指摘する。


「米軍は、事故の原因について、給油ホースがオスプレイのプロペラに接触したためで「搭載システム、機械系統、機体構造」に問題はない、と改めて日本政府に説明した。政府は、防衛省・自衛隊の専門的知見から、米軍の説明に合理性があると判断し、飛行再開の通知を「理解できる」と容認した。ところが、オスプレイの機体構造に問題がなかったとしても、なぜ空中給油中にホースがプロペラとぶつかるような事故が起きたのかという根本原因は解明されていない。
 防衛省は、米軍の説明にもとづいて『乱気流が影響していると思われるが、他の要素もあるようで、調査中』(幹部)と話している。」


 このことについて東京新聞は、「二十二日には政府主催の米軍北部訓練場の部分返還式典が行われる。返還条件として新設されたヘリパッドは、当初は想定されていなかったオスプレイも使用する。飛行再開を急いだのは、返還式典を前に、オスプレイの飛行を既成事実化するためではないのか。」、と種明かしをする。
 さらに、今回のオスプレイ飛行再開についての具体的な疑問について、琉球新報は次のように押さえる。


(1)米軍は13日の墜落事故からわずか3日後に飛行再開を政府に通告、6日後に飛行を全面再開した。政府は「安全性確認までの飛行停止」を求めていたが、それを覆す無責任な飛行容認である。事故原因の徹底解明、それに基づく安全性の確認が反故(ほご)にされた。県民の生命の安全をないがしろにする暴挙と断ずるほかない。
(2)安倍晋三首相はテレビ番組で「原因が究明されるまで運航をやめるよう米側に要請した」と言明した。にもかかわらず菅義偉官房長官は飛行再開を「理解できる」と容認した。モラルハザード(倫理欠如)は甚だしい。首相は自らの発言に責任を持つべきだ。稲田朋美防衛相は翁長雄志知事に「県民と国民が理解し安全ということがない限り飛行はやめるよう申し入れた」と明言した。それが一転、「空中給油以外の飛行再開は理解できる」と容認した。
(3)事故機は回転翼を前に傾けた「固定翼モード」で墜落した。オスプレイの元主任分析官は「ヘリモードで補給できない事実は、予期されなかった航空機の欠陥」と新たな構造的欠陥を指摘している。従来指摘されている軟着陸のためのオートローテーション機能欠如の影響を含め、事故原因が解明されたとは到底、言えない。防衛相が「空中給油訓練以外の飛行」を認めると強弁するなら、オスプレイの空中給油は全廃すると明言すべきだ。
(4)名護市職員は、給油ホースを出した空中給油機が米軍機と並んで市役所上空を何度も通過したと証言している。危険な空中給油が海域だけでなく市街地など陸域上空でも行われている疑いがある。
(5)県民の猛反発が予想されながらの飛行再開は、ヘリパッド完成に伴い22日に迫る米軍北部訓練場の過半の「返還式典」と無関係ではなかろう。オスプレイを飛行再開させねば同訓練場のヘリパッドは無用の長物となるからだ。
(6)オスプレイ対応のヘリパッドは県内に69基あり、50基が伊江島や北部訓練場、中部訓練場(キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン)に集中する。米軍普天間飛行場の「オスプレイ墜落の恐怖」が本島全域で一層、強まる。東村高江区住民の中にはオスプレイの訓練激化を恐れ転居した家族もいる。本紙「声」欄に「伊江島飛行場、高江、辺野古(新基地)を結ぶ魔の三角形」の投稿が載った。オスプレイが縦横無尽に飛び交う恐怖を県民に強いる。金武町の小学6年女子児童は「きょうふ心いっぱい。オスプレイ事故の避難訓練をしないといけないのかな」と書いた。


 各社の社説の主張を要約する。


Ⅰ.琉球新報の主張

(1)県民の命を危険にさらすオスプレイの飛行再開は断じて許されない。墜落原因が不明なMV22オスプレイの飛行を強行した米軍、容認する政府に強く抗議し、改めて飛行停止と撤去を要求する。
(2)防衛省の土本英樹審議官は佐賀県議会で「オスプレイ配備は安全確保が大前提」とし、佐賀では給油訓練を実施しないと述べた。審議官は来県し「安全確保のため沖縄でも給油訓練を実施しない」と約束すべきだ。 陸自オスプレイ配備を予定する佐賀の県議会、市議会で防衛省幹部、職員は何度も参考人質疑に応じている。防衛省は墜落事故が現実となった沖縄でこそ県議会、地元議会の質疑に応じるべきだ。県民の安全を軽視する「命の二重基準」は許されない。
(3)住民、県民に墜落の恐怖を強いてでもヘリパッドでのオスプレイ運用を優先する軍隊の論理と日本政府の追従姿勢が明らかだ。オスプレイの飛行再開、ヘリパッドの運用強行は県民の怒りの炎に油を注ぐことになろう。
(4)県民に恐怖と忍従を強いるオスプレイ飛行再開は許されない。構造的差別に基づき配備された構造的欠陥機は撤去させるしかない。


Ⅱ.朝日新聞の主張


(1)政府はなぜ、これほどまでに米軍の言うがままなのか。その姿勢が改めて問われている。
(2)米軍の説明の根拠は何か。同様の事故が再発する恐れはないのか。胴体着陸事故の日本側への通報が遅れた理由は――。米軍の、そして日本政府の説明は十分とは言えない。
(3)日本の捜査機関が事故調査に手を出せないことも、県民の怒りを増幅させている。米軍関係の事件・事故に、基地の外でも米軍に警察権を認めている日米地位協定があるからだ。今回の大破事故でも、海上保安本部が米軍に捜査協力を申し入れているが、返事さえない。日本側が捜査に加われないのならなおさら、政府は米軍に十分な情報開示を求め、国民・県民に丁寧に説明すべきなのに、その努力はあまりに乏しい。
(4)「もうこういう政府は相手にできない。法治国家ではない」。翁長雄志知事の言葉は、県民の不安を顧みない米軍への怒りとともに、米軍にもの言えぬ政府への失望の表れだろう。事件や事故のたびに問題となる地位協定の改定にも、政府は本腰を入れて取り組むべきだ。
(5)事故後、在沖米軍トップの四軍調整官が副知事に「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と述べ、「占領者意識そのもの」と県側の猛反発を受けた。あまりに早い今回の飛行再開も、米軍・日本政府と県との溝をいっそう深めかねない。
(6)オスプレイはすでに本土各地を飛んでおり、配備計画も進んでいる。オスプレイによる不測の事故も、そして国民不在の事後の対応も、沖縄だけの問題ではない。


Ⅲ.毎日新聞の主要


(1)空中給油訓練中に名護市沖に落ち、機体が大破した重大事故から1週間もたたないうちの飛行再開だ。翁長雄志(おながたけし)・沖縄県知事が「言語道断」と批判したのは当然だ。
(2)飛行再開を決めた米軍の判断は納得できない。それ以上に、簡単に再開を受け入れた日本政府の対応に問題がある。防衛省は、事故機を実際に見ておらず、米側から説明を聞いただけで合理性があると判断したという。これが住民の安全に責任を持つ政府の態度だろうか。4年前にオスプレイの国内配備を受け入れるにあたって、日本政府は過去の事故などを検証したが、今回はそういう姿勢は見られない。
(3)情報提供も不十分だ。県や市への説明が再開当日に行われたのは、日米当局の誠意を疑わせる。また、名護市沖の事故と同じ日、別のオスプレイが普天間で胴体着陸事故を起こしていたことが明らかになったが、当初、米軍から連絡はなく、防衛省は報道で事実を知った。その後の米軍の説明では、脚部を下ろす電気系統の故障が原因という。
(4)日米地位協定が壁になり、日本側が事故を捜査できない問題も積み残されたままだ。第11管区海上保安本部(那覇市)は、航空危険行為処罰法違反容疑での捜査を受け入れるよう米軍に求めているが、米側からは回答がないままだという。事故は沖縄や配備計画のある地域の人々を不安にさせたが、事故後の日米当局の対応はその不安をいっそう増幅させかねない。


Ⅳ.東京新聞の主張


(1)海岸に「墜落」して停止されていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行を米軍が再開した。安全性の確認は十分とは言えず、沖縄県民の反対も無視した飛行再開だ。全く理解できない。
(2)米側の説明を受けた菅義偉官房長官、稲田朋美防衛相はそろって「飛行再開は理解できる」と述べたが、日米地位協定の制約があり日本独自の機体捜査をしたわけではない。米軍はもちろん、日本政府の対応も全く理解できない。米軍基地が集中し、オスプレイの危険に、より深刻に直面している沖縄県では翁長雄志県知事ら多くの県民が飛行再開に反対し、撤去を求める。なぜ反対を押し切って強引に飛行再開を急ぐのか。
(3)二十二日には政府主催の米軍北部訓練場の部分返還式典が行われる。返還条件として新設されたヘリパッドは、当初は想定されていなかったオスプレイも使用する。飛行再開を急いだのは、返還式典を前に、オスプレイの飛行を既成事実化するためではないのか。
(4)オスプレイは陸上自衛隊も十七機導入し、千葉県の陸自木更津駐屯地では普天間に配備された米軍の二十四機の定期整備も始まる。米軍横田基地(東京都)にも米空軍特殊作戦用機が配備される。オスプレイは日本の空を飛び回る。危険にさらされるのはもはや沖縄県だけではない。すべての国民が直視すべき現実である。


 いずれにしろ、今回の飛行再開は、日本の民主主義の拙さを暴露してしまった。
 「事故は沖縄や配備計画のある地域の人々を不安にさせたが、事故後の日米当局の対応はその不安をいっそう増幅させかねない。」(毎日新聞)、ということを安倍晋三政権は、深く理解しなければならない。


 以下、琉球新報、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 17:16 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の今。- 金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)-

 沖縄タイムスは、【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】で「米国版『高江』との落差 不条理に慣れてはいないか」、と沖縄の今を伝えた。名護市安部でオスプレイ墜落の前の沖縄である。
金平茂紀さん(以下、金平とする)は、「今年も押し詰まってきた。沖縄にとって2016年という年は、何とワジワジーすることだらけだったことか。」、と概観してみせる。
 その上で、沖縄の今を、いやむしろ日本の姿をこのように描写する。


 僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校における「いじめ」そのものではないかと。いじめには、いじめる者といじめられる者とがいる。だがそれ以外に多数の傍観者たちがいる。傍観者たちが見て見ぬふりをすることで、いじめは黙認され、正当化され、続行することになるのだ。執拗(しつよう)にいじめを繰り返す東京の政府・官庁・司法。それに対して、いじめに耐えながら必死に誇りと矜持(きょうじ)を保とうとしている県側。
 けれども、あまりにいじめ続けられていると限界というものも見えてくるだろう。身を震わせながら無力感と敗北感に膝を屈する時もあるだろう。いつだってその脇には、理不尽をスルーする傍観者たちがいる。沖縄は自分たちとは違う環境にあるのだから仕方がないんだと割り切っている傍観者たちがいる。そうした傍観者たちの姿が見えてきたのも、2016年という年の大きな特徴なのではないか。


 金平は、米国版「高江」のダコタ・アクセス・パイプライン計画の建設を認めないとの決定と比べるように沖縄の状況をこのように記述する。


 さて、沖縄はどうなっているか。眼前で進行している現実を直視してみる。今月の初旬と中旬、久しぶりに沖縄本島を訪れた。那覇の市街は賑(にぎ)わいをみせていた。でも、しばらくいると、何かどこかが違っているように感じてしまった。テレビ局の仕事を終えて、市内の居酒屋さんで旧知の人々と泡盛を飲んでいたら、振動を伴う重くて鈍い音が屋外から聞こえてきた。「オスプレイですよ。普通のヘリとは全然違うでしょ」。

 そうか、夜9時すぎでも飛んでるんだ。沖縄タイムスでオスプレイが連日連夜、宜野座村などでいわゆる「つり下げ訓練」を行っていると報じられていたが、こんな身近にも飛んでいるとは。その日の2日前に、騒音や低周波音被害の違法性が「十分に疎明されているとは言い難い」との判決文を書いた那覇地裁の裁判官官舎の上空はおそらく飛んでいないのだろう。

 その直前まで、僕らは那覇市の県庁前広場で行われていた沖縄平和運動センターの山城博治議長らの逮捕や家宅捜索に抗議する集会を取材していた。周辺はとんでもないことになっていた。複数の右翼団体の街宣車があらん限りの騒音をまき散らし、集会を妨害していた。沖縄県警はそれを放置していた。

 騒音レベルだけでも明らかに違法だが何もしない。これが法治国家・日本の那覇の現実だ。街宣車のマイクからはデモ参加者を攻撃するヘイトスピーチが流れていた。県警は何もしない。辛うじて「直接接触」をさせないようにはしていたが。人は慣れるものだ。こんな異常な状況にも。

 その直前まで僕らは県庁ロビーで取材をしていた。県議会開催中で、翁長雄志知事のぶら下がり会見があるという。直前になって県庁の広報担当者が「質問は税制など二つの内容に限ります」と居合わせた記者たちにアナウンスしている。何を言っているのだろう。けれども記者たちは誰1人文句も言わない。人は慣れるものだ。質問を事前に制限することはよくないことだ。知事を支える環境に変化が生じているのだろうか。

 その直前まで僕らは高江にいた。筆者の取材で得た情報では、12月16日までにヘリパッド建設工事を終了させよとの東京からの指令で、突貫工事が進められていた。N1ゲートには3分から5分おきに砂利を積載したダンプカーが4台編成で次々に入っていく。前後に警察車両がエスコートしている。決して多くはない抗議運動の人々がそのたびに抗議の声をあげる。「森を殺すな!」その数倍の人数の機動隊員が壁をつくって包囲して封じ込める。これが憲法で保障された集会・結社の自由の現実だ。

 それに先だって、座り込み抗議をしていたこれらの人々は、まるで荷物を運搬するように機動隊員によって排除されていた。ヘリパッド工事現場にも機動隊員が配置されている。彼らはある時は工事車両の荷台に乗って現場に移動していた。また警察車両に工事作業員が多数乗っていたこともある。何のことはない。工事完遂という目的の前に、作業員と警察官は一体化しているのだ。警察法に違反していないか。だが人は慣れるものだ。

 道路際に立つ若い機動隊員に話しかけてみた。右耳にはイヤホンが刺さっている。「ずっと立ちっ放しで辛(つら)いですね」「…仕事ですから」「もうここには長いんでしょう?」「…」「帰りたくなることはないですか?」「…2カ月を越すとちょっとあれですね」。はじめて本音の肉声が返ってきた。彼は「土人」と暴言を吐くタイプとは違うようにみえた。


 金平は、最後にこうまとめる。


 北部訓練場の返還式典が今月22日に挙行される予定だ。これら眼前で起きているすべての不条理な現実が、「負担軽減」というマジックワードによって覆い隠されることのないように祈るばかりだ。


 この記事を読んで、いささかの違和感を覚える。
残念ながら、「『負担軽減』というマジックワード」に沖縄県民は騙されることはない。むしろ、このワードに乗ることが現実主義的対応だと攻められるのだ。言はば、「少しは大人になれ」、とのフレーズで。
 確かに、ダコタ・アクセス・パイプライン計画の注視の勝利は、輝けるものである。これに異を唱えることはない。しかし、沖縄を苦しめているのは、日米両政府であり、それを支えるのも「傍観する両国民」であるのも事実である。
果たして、沖縄に不条理になれる暇など与えられているのだろうか。
もちろん、金平は、日米両国の「傍観者」に「不条理に慣れてはいないか」と投げかけているのだろうが。


by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 11:08 | 沖縄から | Comments(0)

日米返還式典に対する海外識者の「12月22日 祝うことなどない」との声明を読む。

 日米両政府が22日に予定している米軍北部訓練場の返還式典について、沖縄を支援する海外識者や平和活動家ら22人が2016年12月17日、声明を発表した。
 この声明を読む。
 声明は、「祝うことなどない」という非難の主旨をこう位置づける。


 「私たち署名者一同は、地元の反対、森の繊細な環境への深刻な影響、人間と野生生物両方の健康へのオスプレイの騒音被害や吹き下ろし風の影響にもかかわらず、米国と日本の政府がやんばるの森にMV22オスプレイ対応のヘリパッド6か所の建設を強行していることを非難する。12月13日に起きた、名護海岸での墜落、普天間基地での胴体着陸という二つの事故により、沖縄の人々はあらためてオスプレイにより増大する危険性への恐怖感を新たにしている。」


 この声明の最大の特徴は、宛先が、安倍晋三首相、バラック・オバマ大統領、翁長雄志沖縄県知事、新里米吉沖縄県議会議長の四者になっているということであるかもしれない。この声明の宛先は、沖縄県知事と県議会議長にも及んでいる。
 このことの意味を次のように説明する。


 「私たちは、海兵隊北部訓練場の半分の返還と引き換えにヘリパッド建設を事実上容認した翁長知事に失望している。2014年11月知事選に当選する以前から、そして当選以降も、翁長知事は、オスプレイ配備に反対しているということはヘリパッド建設にも反対しているという意味であるということを何度も表明したが、知事は建設を止めるための効果的な行動は起こさなかった。県も県議会も、県の公安委員会の要請により日本全国から派遣された機動隊が市民たちに対し圧倒的な実力を行使することを止めるために効果的な対策を講じることはなかった。」


 声明は、声明者の立場と抗議をあわせて明確にする。


 「このような政治指導者側からの支援が不足する中でもたゆまぬ抵抗を続けてきた市民たちを、私たちは支持する。」
 「そして、沖縄平和運動センター議長の山城博治氏をはじめとする、逮捕されて拘束されている抵抗者たちの釈放を要求する。山城氏の健康状態は悪化していると聞いており、留置場で足を温めるための靴下の差し入れさえも許されないというのは人道に反した衝撃的なことである。即刻釈放されるべきだ。」


その上で、米軍北部訓練場の返還式典を次のように断罪する。


 「12月22日の北部訓練場の部分的返還が周辺地域の軍備強化につながる限りは、 私たちはこの日に何も祝うことを見出さない。」


 確かに、2016年12月22日に予定されている、日米両政府による米軍北部訓練場の返還式典セレモニーは、中止すべきである。


 以下、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 07:27 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月19日

 昨日(2016年12月18日)、次のように書き込んだ。

 安倍晋三首相は、「事故に関しては『遺憾なことだ。同時に原因が究明されるまでは運航をやめてもらいたいと米国側に要請した。米側は運航を【止めてくれ】といってもなかなか止めなかったが、日本においては運航を一時的に止めてくれた』と成果を強調した。」、と2016年12月16日の夜のテレビ番組で、披露した。
 よもや、19日にオスプレイノ運行を再開させることはないはず。

 「オスプレイは午後1時58分ごろ、1機が米軍普天間飛行場を離陸。同機は午後2時14分ごろ沖縄本島北部の伊江島補助飛行場に着陸した。普天間からはその後もオスプレイが午後2時半までに計2機離陸し県内を飛行するなど本格的運用が始まっている。」、と沖縄タイムスは伝えた。
 管官房長官は、『米側の説明は防衛省、自衛隊の専門的知見に照らし、合理性が認められることであって、本日午後からオスプレイの空中給油以外の飛行が再開することは理解できると認識している』、と安倍晋三政権の思惑を強弁する。
 しかし、そこには、沖縄県民の意志は全く考慮されていない。
 加えて、「オスプレイが墜落した名護市安部の現場ではまだ機体の大部分が回収されずに残っている。」(琉球新報)という状況の中である。
 一方では、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は、「オスプレイの安全性に我々が確信を持っていることを、日本のみなさんが理解することが重要だとの認識を示した。」(沖縄タイムス)。とその傲岸ぶりが際立つ。

 「こんなこと」、こう言うしかないではないか。
 「こんなこと」が許されてはいけない。


 2016年12月19日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「政府は相手にできない」 翁長沖縄知事、飛行再開に強い憤り-2016年12月19日 11:23


 琉球新報は、「米軍オスプレイ墜落事故以来飛行停止していたオスプレイが19日午後から飛行再開することに対し、翁長雄志知事は『言語道断だ。とんでもない』とコメントした。飛行再開を認めた日本政府の姿勢について『もうそういう政府は相手にできない。法治国家ではない』と憤った。」、と報じた。
 また、「米軍側は、『不時着』は訓練中の事故が原因で、機体の問題ではないとの見方を表明していた。17日に墜落現場を視察した安慶田光男副知事が『事故原因が究明されるまでは再開しないように要請している。米軍、米国政府は、沖縄県民をはじめ日本国民、日本政府に真摯(しんし)に応えていくべきではないか』と述べていた。』、伝えた。


(2)琉球新報-防衛局、宜野湾市に飛行再開通知  宜野湾市「市民の理解難しい」-2016年12月19日 11:01


 琉球新報は、「オスプレイ墜落に関し、沖縄防衛局の池田眞人企画部長は19日午前9時45分、宜野湾市役所に鈴木宏治市基地政策部長と伊佐英人市渉外課長を訪ね、墜落後に止めていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行を同日午後から全面的に再開させると伝えた。伊佐氏は『市民の理解を得るのは難しいと考えている』と答えた。」、と報じた。
 また、「市議会定例会への出席のため途中退席した鈴木氏は市としての対応を問われ『説明を受けているところだ。市長にもまだ話していない』と話した。面談後、池田氏は『情報提供した』と述べるにとどめた。」、と伝えた。


(3)琉球新報-宜野座村長「恐怖を感じる」 オスプレイ飛行再開伝達-2016年12月19日 12:18


 琉球新報は、「沖縄防衛局の遠藤仁彦次長が午前10時半ごろ、宜野座村役場を訪ね、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行再開を當眞淳村長に伝えた。遠藤次長は午後1時ごろに金武町役場も訪れる予定だ。」、と報じた。
 また、「村によると、遠藤次長は名護市安部にオスプレイが墜落した件に関して、オスプレイの機体自体に問題はなく、訓練の一環で行った空中給油の際に事故が発生したと説明。當眞村長との面談後、遠藤次長は本紙記者の取材に対して『ちょっと』と言い残し、その場を立ち去った。當眞村長はオスプレイの運用が決定したことに関して『多くの県民、村民が安全性に関して疑問を持っている。その懸念が払しょくされていない状況の中で、恐怖を感じる』と強調。『このような状況の中で運用再開は決して容認できるものではない』と話した。」、と伝えた。


(4)琉球新報-沖縄名護市に飛行再開伝達 稲嶺市長「とても信じられない」-2016年12月19日 11:45


 琉球新報は、「沖縄防衛局の高木健司次長は19日午前、名護役所に稲嶺進名護市長を訪ね、米軍普天間飛行場所属のオスプレイの飛行を19日午後から再開することを伝えた。13日夜に同市安部の海岸へオスプレイが墜落してから、6日が経過したばかり。稲嶺市長は「とても信じられない。納得できない。到底、許されるものではない」と述べ、事故原因や対策について米軍側の説明をそのまま伝え、飛行再開を認める国側の姿勢を強く批判した。」、と報じた。
 また、「防衛局によると、同市安部海岸への墜落事故の原因となった空中給油訓練に関し米軍は集合教育や手順の確認、地上でのシミュレーションなどを終えた上で再開するとしている。」、と伝えた。


(5)琉球新報-政府、飛行再開を容認 菅氏「米側の事故説明に合理性」-2016年12月19日 12:04


 琉球新報は、「米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部に墜落した事故を巡り、米軍が19日から同機の飛行再開を通達したことについて、菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、飛行再開を認める考えを示した。」、と報じた。
 また、「菅氏は米側から事故原因が空中給油のホースとオスプレイのプロペラが接触したもので、機体自体の原因ではないとの説明を受けていると述べつつ『米側の説明は防衛省、自衛隊の専門的知見に照らし、合理性が認められることであって、本日午後からオスプレイの空中給油以外の飛行が再開することは理解できると認識している』と語った。」、と伝えた。


(6)琉球新報-飛行再開に稲田氏理解 空中給油訓練は「米の情報提供後」-2016年12月19日 12:59


 琉球新報は、「墜落事故を受けて飛行が停止されていた米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行再開について、稲田朋美防衛相は19日、米側からオスプレイの機械系統や機体構造に問題がないと説明を受け『防衛省、自衛隊の知見、そして専門的見地、経験則などから合理性がある』と理解を示した。」、と報じた。
 また、「飛行再開後も当面は中止するとしている空中給油訓練については『再開前に安全上の措置について具体的な情報提供を求め、米側から了承を得た』として事前に情報提供を得て再開されると説明した。オスプレイ配備撤回などを求めている県、県民に対しては『事故で最も不安を感じている県民の皆さまや地元の方々にしっかりと説明をしていくことに尽きる』と述べた。脚部の故障で別の機体が胴体着陸した事故に関して、米側から情報提供が遅れたことに対しては『速やかに連絡する方法を確認することで日米間で合意した』と述べた。」、と伝えた。


(7)沖縄タイムス-オスプレイ墜落:金武町議会、抗議決議・意見書可決-2016年12月19日 12:32


 沖縄タイムスは、「金武町議会(嘉数義光議長)は19日午前の町議会12月定例会で、MV―22オスプレイの墜落に対する抗議決議と意見書の両案を賛成多数で可決した。墜落事故原因の徹底究明、沖縄配備の即時撤回、日米地位協定の抜本的な改定を求めている。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>オスプレイ飛行再開に抗議 「日本は米軍の言いなりか」-2016年12月19日 12:42


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に反対する市民らは19日午前8時から正午過ぎまで、北部訓練場のN1ゲート前で集会を開いた。普天間飛行場所属のオスプレイが13日の墜落後、飛行を再開するという知らせに、激しい雨が降る中、『再開は許さない』『日本は米軍の言いなりか』と抗議の声を上げた。同ゲートから工事車両の出入りは確認されていない。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-墜落したオスプレイへ給油の機体、嘉手納所属MC130に修正 防衛省-2016年12月19日 13:49


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「防衛省は19日午前、オスプレイ飛行再開に関する報道発表資料の中で、墜落機に給油訓練していた機体について、これまで説明していた空中給油機『KC130』から特殊作戦機である『米空軍嘉手納基地のMC130』に修正した。」
②「KC130は米海兵隊所属機で、墜落原因の訓練に参加した空中給油していた機体の所属や機種を誤って発表・説明していたことになる。防衛省によると、当初、米軍は防衛省へ『KC』と説明していたが、19日までに『MC』だったと訂正したという。沖縄防衛局は19日午前、基地所在市町村に対し、報道発表資料と同様に『MC130』と修正した内容をファクスなどで一斉に伝えた。事故原因機の特定は再発防止策ともかかわっているにもかかわらず、説明が不十分なまま飛行再開直前での修正となった。」
③「13日夜の墜落後にホースを垂らしたままMC130特殊作戦機が嘉手納基地に緊急着陸したとの目撃情報もある。このため嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)は事実関係の把握や対応を検討している。」


(10)沖縄タイムス-米軍もオスプレイ飛行再開を発表 安全性を「徹底的に確認した」-2016年12月19日 11:50


 沖縄タイムスは、「米第3海兵遠征軍は19日午前、オスプレイの飛行を再開するとの声明を出した。在日米軍トップのマルティネス司令官は「安全性に関し徹底的に確認した」と述べ、再開を発表した。在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は安全確認により『オスプレイを安全に運用できると確信している』と強調。飛行再開にあたり、オスプレイの安全性に我々が確信を持っていることを、日本のみなさんが理解することが重要だとの認識を示した。」、と報じた。


(11)沖縄タイムス-オスプレイ飛行再開 普天間から2機離陸-2016年12月19日 14:47


 沖縄タイムスは、「墜落事故を受け14日から停止されていた在沖米海兵隊のオスプレイ飛行が19日午後、再開された。オスプレイは午後1時58分ごろ、1機が米軍普天間飛行場を離陸。同機は午後2時14分ごろ沖縄本島北部の伊江島補助飛行場に着陸した。普天間からはその後もオスプレイが午後2時半までに計2機離陸し県内を飛行するなど本格的運用が始まっている。」、と報じた。


(12)琉球新報-【電子号外】オスプレイが全面飛行再開 普天間飛行場、沖縄の反発押し切る-2016年12月19日 14:14


 琉球新報は、号外で、標題について次のように報じた。


①「13日夜に名護市安部の海岸で墜落して以降、飛行を停止していた米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが19日午後1時58分、宜野湾市の普天間飛行場を離陸し、飛行を再開した。伊江島の補助飛行場からも午後2時32分、駐機していた1機が離陸した。」
②「オスプレイが墜落した名護市安部の現場ではまだ機体の大部分が回収されずに残っている。機体回収も完了しない状況で、事故から6日後に飛行再開することに県民の反発は一層強まりそうだ。

 普天間飛行場のオスプレイ1機が19日午後1時43分ごろ、プロペラを回し始め、同50分ごろにはもう1機のプロペラも回転を始めた。

 米軍は19日の飛行再開の理由について伊江島補助飛行場に駐機しているオスプレイを普天間に戻すためと説明していたとされる。
伊江村の着陸帯「LHDデッキ」付近にあるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)に1機が駐機しているのが18日午後に確認されていた。同機体は事故が発生した13日以前に伊江島に飛来していたとみられるが、飛来した詳しい期日や理由は明らかになっていない。

 19日正午前から伊江島補助飛行場ではトラックが行き交うなどしているのが確認されており、午後2時の飛行再開に向けて準備していたとみられる。

 沖縄防衛局は米軍が19日からオスプレイの飛行を全面再開する意向を受けて、同日朝、職員らを派遣し、県庁や名護市など地元関係自治体に飛行再開を伝えていた。
【琉球新報電子版】


(13)琉球新報-金武町長、再度中止を要請 飛行再開「十分な調査なし」-2016年12月19日 14:30


 琉球新報は、「名護市安部に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した件で、沖縄防衛局の遠藤仁彦次長が19日午後1時ごろ、金武町役場の仲間一町長を訪ね、米軍が午後2時からオスプレイ飛行訓練を再開することを伝えた。金武町には米軍キャンプ・ハンセンがあり、連日行われる民間地上空での低空飛行訓練による騒音問題などが発生している。遠藤次長は米軍による墜落原因の説明と日本政府が空中給油以外の訓練に理解を示したことを報告した。」、と報じた・
 また、「仲間町長は『十分な調査がされないままの飛行再開は大変残念で、強い憤りを感じている』と強調。その上で『米軍へ再度、原因究明の徹底ができるまでの飛行再開の中止を強く求め、今回の報告を受ける』と遠藤次長に伝えた。」、と報じた。


(14)琉球新報-県が現場の海水、砂採取 米側設置油防止膜の外側-2016年12月19日 15:10


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落現場の名護市安部海岸で19日午後1時半ごろ、墜落による環境調査のため県の職員らが墜落現場を訪れた。県による環境調査は墜落後初めて。」、と報じた。
 また、「米軍側が設置した油防止膜(オイルフェンス)の外側の海水と砂を採取し、放射能検査も実施した。県衛生環境研究所環境科学班の渡口輝班長は海水と砂は持ち帰って調査するとし一定の日数がかかるとの見方を示した。放射能については『環境レベルだった』と答えた。県の調査はオイルフェンスの外側で行われ、墜落機の近くまで立ち入ることはできなかった。」、と伝えた。


(15)琉球新報-「米軍を優先、県民不在」 翁長沖縄知事、日米政府を批判 -2016年12月19日 16:14


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「在沖米海兵隊が13日夜に墜落した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行訓練を19日午後2時に再開したことを受け、翁長雄志知事は同日午後3時半に県庁で記者会見した。翁長知事は『県民に寄り添うとしながら米側の説明をうのみにし、米軍の考えを最優先し、飛行再開を容認する政府の姿勢は極めて県民不在だと言わざるを得ない。日米安保に貢献する県民を一顧だにしないもので強い憤りを感じる』と強く批判した。その上で改めて日米両政府にオスプレイの配備撤回と飛行中止を求めた。」
②「飛行再開は、事故から3日目の16日に米側が日本政府に打診し、両政府は19日の再開で協議してきた。米軍はオスプレイの飛行は全面再開した一方、墜落事故が起きた際に行っていた空中給油訓練だけは休止を続けている。」
③「19日午前9時には、沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長が県庁に謝花喜一郎知事公室長を訪ね、飛行再開を伝えていた。謝花氏は中嶋氏に飛行を再開しないよう求めていた。翁長知事は中嶋氏の来訪後、飛行再開の受け止めを記者団に問われ、『言語道断でとんでもない』と批判していたが、同日午後の飛行再開となった。一方、在沖米軍トップのニコルソン在沖米四軍調整官は19日、飛行再開に伴う声明を発表し『MV22の安全性と信頼性に高い自信がなければ、米軍は飛行を続けないと理解してもらうことが重要だ』とした。その上で『同じく重要なのは操縦士の練度を維持し、同盟国を支援するために行う訓練の機会を確実に持つことだ』と再開の必要性を主張した。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-12-19 17:32 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧