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大いにブラック企業大賞に向けて、投票しよう。

 
 ブラック企業大賞のホームページは2016年12月1日、第5回 ブラック企業大賞2016 ノミネート企業&選定理由 を発表した。
 なお、「ノミネート企業から、1社を選び投票してください。同一のIPアドレスからは1回しか投稿できませんので、選考理由をよくお読みの上、投票をお願いします。★投票の締め切りは、2016年12月22日(木)午後17:00です。」、となっています。
 今回、ノミネートされた企業は以下。


1.株式会社エイジス
2.株式会社 電通
3.株式会社 ドン・キホーテ
4.株式会社プリントパック
5.関西電力株式会社
6.佐川急便株式会社
7.サトレストランシステムズ株式会社
8.宗教法人 仁和寺
9.ディスグランデ介護株式会社(「茶話本舗」FC企業)
10.日本郵便株式会社
(50音順)


 ついでに、その選定理由も以下。


1.株式会社エイジス

千葉県千葉市に本社を置き、JASDAQにも上場する棚卸し代行業者。

スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど小売店を顧客とし、同社ホームページによれば連結売上高218億2900万円 (2015年3月31日現在)、従業員数686名(2016年3月末現在)、全国に直営50拠点、FC36拠点(同)を擁する。

同社は2016年5月19日、違法な長時間労働を行っていたとして千葉労働局から是正勧告を受け、同日厚生労働省により社名を公開された。

同省の発表によれば、エイジスでは4カ所の営業所で合計63人の従業員が月100時間を超える残業を違法にさせられており、1ケ月あたりの時間外労働が最長で197時間におよぶケースもあった。

厚労省では2015 年5月から、複数の事業場で違法な長時間労働を行う企業に対しては、都道府県労働局長が是正指導をした上で、企業名を公表するとの方針を決定。エイジスの事件は実際に公表された全国初のケースとなった。

2.株式会社 電通

同社は広告代理店として日本において最大手企業である。

2015年12月25日、24歳の新入社員・高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺した。その後、労働基準監督署は、これを過労によるものとして、労災として認定した。時間外労働が月105時間であったという。

これに加えて、「はたらきたくない 1日の睡眠時間2時間はレベルが高すぎる。」など、彼女が残した過酷な労働実態を示すツイートの数々も明らかとなった。加えて上司によるパワハラを疑わせる書き込みまで残っていた。

電通では、「殺されても放すな、目的完遂までは……」などの『鬼十則』に象徴される経営側の精神訓の下、13年前には入社2年目の男性社員の自殺が過労死と認定され、3年前にも30歳の男性社員の病死が過労死と認定されている。

こうした状況下、電通は十分な改善策を実施しなかった。厚生労働省は10月に抜き打ちで電通本社への強制捜査を実施し、労働時間を正直に申告させず過少報告させる組織的な体質も浮かび上がっている。

3.株式会社 ドン・キホーテ

同社は関東地方を中心にディスカウントストアを展開する企業である。

2016年1月28日、東京労働局は、同社と店舗を担当する支社長や店長ら計8人を、東京都内の店舗で従業員に違法な長時間労働をさせたとして、労基法違反容疑で東京地検に書類送検した。36協定で定めた時間外労働の上限である「3か月で120時間」を超えて、最長415時間45分もの時間外労働をさせた疑い。

親会社のドンキホーテホールディングスは、「深くおわび申し上げる。グループ全体で労務管理に関する指導が不足していた」旨のコメントを発表した。

2016年11月9日、ドン・キホーテ社は、2014年10月~2015年4月の間、都内3店舗の従業員4人に対し違法に時間外労働をさせたとして東京簡易裁判所から略式命令が出され、罰金50万円を納付した(支社長ら8人は不起訴処分)。

4.株式会社プリントパック

同社は印刷サービスを行う企業である。

2010年3月、入社1カ月半の新入社員(当時26歳)が印刷機に巻き込まれて死亡した。全印総連京都地連によれば、当時会社は、この悲惨な死を業務遅延の理由として「機械の不具合」と発表した。同社では過密労働で離職率も高く、自らも月80時間前後の「過労死ライン」と見られる残業を繰り返していた労働者が、2013年に組合(全印総連ユニオン京・プリントパック京都分会)を結成した。

これに対し会社は、組合員に対して配転を命じ、残業時間の長さを会社への貢献度と査定して組合員に対し昇給差別や夏季・年末一時金などのボーナスを支給しないなどの扱いをした。

同労働組合が京都府労働委員会に救済を申し立てたところ、2016年7月19日、府労委は、同社による労働組合への不当労働行為を認め、賃金や賞与の差額を支払うよう命じた。

なお、同社は、この命令を不服として中央労働委員会へ再審査を申し立てている。

5.関西電力株式会社

関西電力株式会社は、近畿地方などを営業区域とする電力会社である。

2016年4月20日、高浜原発1、2号機の運転延長申請を担当していた管理職の男性が自殺しているのが見つかった。報道によると、男性は技術系管理職で、原子力規制委員会へ提出する工事計画を担当。日々、規制委の対応に追われ、同年1月には1ヶ月の残業時間が100時間を超えるようになり、2月には200時間、3月以降は都内のホテルに滞在しながら業務に当たるようになっていた。なお、男性は労働時間規制が一部適用除外される「管理監督者」であった。

男性が亡くなったのは、審査が「合格」となった当日。男性が担当していた高浜原発1、2号機は、2015年7月7日の期限までに審査手続きを終えなければ廃炉が濃厚だったといわれており、男性に大きな重圧がかかっていたと見られる。

労働基準監督署は、男性の自殺は長時間労働による過労が原因だったとして労災と認定した。


6.佐川急便株式会社

同社は主に運送事業を行う企業である。

2010年3月、佐川急便に入社した男性は、東北支社仙台店(現南東北支店仙台営業所)で経理などを担当。2011年12月にうつ病の診断を受け、同月26日に自宅において制服姿で首をつって自殺。2012年2月、遺族は仙台労基署に労災の申請をしたが、同年12月には不支給処分となる。その後、訴訟が提起された。

2016年10月27日の仙台地裁判決によると、男性は直属の上司から日常的に仕事のミスで注意を受け、自殺する直前にはエアガンで撃たれたり、つばを吐きかけられたりする暴行や嫌がらせを受けていた。SNSにもその旨を投稿、自らのスマートフォンにも「色々頑張ってみたけどやっぱりダメでした。薬を飲んでも、励ましてもらっても、病気の事を訴えても理解してもらえませんでした」と書き残していた。

上司はうつ病になり「退職したい」と訴える男性に「そんなの関係ない。迷惑かけられて大変だった」と残務処理を指示していた。

判決は一連の行為を「社会通念上認められる範囲を逸脱した暴行または嫌がらせ行為」とし、うつ病発症は業務上のものであると認めた。

7.サトレストランシステムズ株式会社

大阪市中央区に本社を置き、「和食さと」「すし半」「さん天」などの飲食店を全国展開する東証一部上場企業。

報道によれば、同社では2008年4月から15年11月までに長時間労働や残業代の未払いなどで、全国の労働基準監督署から18回にわたる指導を受けてきたが、度重なる指導にも関わらず改善が見られなかったことから、2015年12月、大阪労働局の過重労働撲滅特別対策班(かとく)が強制捜査に踏み切った。

 また16年9月には、本社と大阪府内の4店の従業員計7人に三六協定を大幅に超過する残業をさせ、さらにその割増賃金の一部が未払いだった労働基準法違反(32条<労働時間>、37条<時間外、休日及び深夜の割増賃金>)の容疑で、法人としての同社のほか、同社の事業推進部長や店長など計5人が大阪地検に書類送検された。

 なお同社ではかとくの強制捜査を受け15年12月に調査委員会を発足させており、その結果判明した約650人の従業員に対する総額4億円あまり(2014~15年分。立件された分も含む)の未払賃金も払ったという。

8.宗教法人 仁和寺

京都市右京区にある真言宗御室派の総本山寺院。1994年には世界文化遺産にも登録されている。

2013年、仁和寺が境内で運営する宿坊「御室会館」の元料理長の男性(判決時58歳)が、長時間労働により精神疾患を発症したとして、同寺を相手取り慰謝料や未払賃金の支払いを求めて提訴。2016年4月12日、京都地裁は男性の訴えを認め合計約4200万円の支払いを命じた(仁和寺は控訴せず判決確定)。

男性は2004年12月に料理人として仁和寺に正規採用され、翌2005年から料理長として調理や献立作成などを担当。しかし、2011年春頃からの時間外労働がほぼ毎月140時間以上で、多い月では240時間以上、年間の勤務日数が356日(うち349日は連続して出勤)という「極めて過酷な長時間労働」(判決文より)を強いられた。

男性は2012年8月に抑うつ神経症と診断(2013年7月労災認定)され休職を余儀なくされたが、この間仁和寺は、「料理長は管理監督者である」との理由で、男性に支払うべき時間外手当・休日手当を払っていなかった。

9.ディスグランデ介護株式会社(「茶話本舗」FC企業)

大手デイサービス企業である株式会社日本介護福祉グループが運営する「夜間ケア付き小規模デイサービス」事業である「茶話本舗」のフランチャイズ店舗(ディスグランデ介護株式会社)に労働基準監督署から是正勧告が出された。是正勧告の内容は、茶話本舗で働く女性に対する賃金未払いや休憩をとらせなかったことである。この女性を支援する「介護・保育ユニオン」によれば、未払い賃金はおよそ74万円になるという。

 同ユニオンに相談した女性によると、人手が少なく、日勤では10人近い利用者を2人で見ることもあるため、利用者の入浴や排泄があれば、1人で残りの利用者に対応しなければならない。そのため勤務中はまともに休憩を取ることができなかった。夜勤は1人体制で、呼び出しもあるため十分な仮眠を取れず、日中できなかった事務作業を行なっていた。

このように、実際には休憩はなかったにもかかわらず毎日1〜2時間ほどが「休憩時間」として労働時間から引かれていた。

10.日本郵便株式会社

同社は郵便事業の運営と郵便局の運営を行う企業である。

勤務していた男性(当時41歳)は2011年4月から福岡県飯塚市の郵便局に勤め、6月からうつ病などで休職。12月に販売用の年賀はがきを受け取るため局を訪れた際、駐車場に止めた車内で心疾患のため死亡した。

男性の遺族は、死亡したのは上司のパワーハラスメントによるストレスが原因だとして、同社に1億円の損害賠償を求め提訴。2016年10月26日、福岡高裁で判決が言い渡され、死亡とパワハラの因果関係は認めなかったが、裁判所は、局長が同年5月の面談で「いつやめてもらってもいいぐらいだ」と発言したことなどをパワハラと認定し、男性のうつ症状悪化との因果関係を認め、同社に330万円(1審では220万円)の支払いを命じた。

郵便職場では、2016年10月に愛知県新城市の郵便局課長の遺族が、部下からのパワハラによる自殺として提訴しているほか、さいたま新都心郵便局ではパワハラ飛び降り自殺として妻が2013年に提訴した事件が和解で決着しているなど、パワハラに関する問題が多数指摘されている。


by asyagi-df-2014 | 2016-12-02 22:33 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月2日

 琉球新報が掲載した伊江島「LHDデッキ」の写真は、痛々しくも米軍基地機能強化を明確に映し出す。
 この「LHDデッキ」は、「海兵隊航空計画2015」に記され、オスプレイのホバリングや離着陸訓練に対応する。


 2016年12月2日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-揚陸艦模したLHDデッキ 伊江で工事着々-2016年12月2日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍伊江島補助飛行場内で強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯『LHDデッキ』の拡張工事が着々と進められている。拡張工事は、2017年に岩国基地に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機F35と垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの離着陸訓練を行うためとみられている。工事は8月22日に始まっており、工期は来年8月末まで。」
②「琉球新報社が11月28日、小型無線ヘリで工事の現状を撮影した。工事は海兵隊が14年11月に策定した『海兵隊航空計画2015』に記されている。オスプレイについてはホバリングや離着陸訓練に対応するものとされる。」
③「写真では、奥の方で「LHDデッキ」を模した着陸帯の整備が進み、砂利が敷き詰められている様子が確認できる。手前で丸く盛り土されている場所はヘリパッドの整備とみられる。『LHDデッキ』からさらに奥には、13年ごろに供用が確認されている四角形のヘリパッド4カ所と舗装されていないヘリパッドが確認できる。全部で6カ所あるとみられる。「LHDデッキ」の工事後の着陸帯の敷地は約10万7千平方メートルと約2倍になり、幅は800メートル超となる予定。米軍は17年半ばの利用開始を予定している。」


(2)琉球新報-北部訓練場警備 沖縄県警、機動隊投入で来月にも燃料費枯渇-2016年12月2日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「本年度約1億8千万円の予算を計上している県警の車両の燃料費が、年明け1月にも底を突く見通しとなっていることが分かった。米軍北部訓練場のヘリパッド建設問題で県外から機動隊が投入された今年7月以降、執行額が急増したことが主な要因で、県警は年度内に約3700万円が不足すると試算。県外機動隊の活動にも県費が使われることで予算が逼迫(ひっぱく)しており、他の警察活動にもしわ寄せが及ぶ恐れが出ている。ヘリパッド建設は年内にも工事が完了する見込み。県警の試算では、県外からの機動隊の警備活動が年内に終了しても、来年1月には当初予算の燃料費1億8千万円を全て使い切る見通しだ。」
②「一方、年度内とされる名護市辺野古の新基地建設を巡る違法確認訴訟の最高裁判決の時期も迫っており、辺野古の工事が再開された場合、県外の機動隊が再度投入され、反対運動の排除に当たる可能性もある。警備態勢が強化され、さらに執行額が増加することも予想される。」
③「県警が現段階で見積もっている年度内に必要な燃料費は約2億2600万円。不足分約4400万円のうち、既に県警の船舶やヘリなどの燃料費から約700万円を穴埋めした。残り約3700万円は別の費目からの流用を検討している。」
⑤「県警は取材に対し『今後の流用の財源は検討中だが、他の警察活動への影響はない』と回答している。県外機動隊の活動経費が県予算から支出されていることを巡っては、現在住民監査請求も提起されている。監査委員の協議を経て、16日までに監査結果が公表される。」


(3)沖縄タイムス-「返還に名を借りた基地強化だ」 沖縄・高江で抗議続く ダンプ60台分の砂利搬入-2016年12月2日 13:21


 沖縄タイムスは、「沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設問題で、建設に反対する市民らは2日午前、県道70号沿いのN1地区ゲート前などで、抗議行動を続けた。同ゲートでは、早朝から午前11時半ごろにかけてダンプのべ60台が砂利を搬入した。市民らは、『過半の返還に名を借りた基地機能強化は許されない』とシュプレヒコールを上げたり、『私たちはあきらめない』と歌ったりして抗議した。」、と報じた。


(4)琉球新報-日米、97年にオスプレイ協議 沖縄配備10年まで隠す-2016年12月2日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設計画を巡り、1997年10月に行われた日米両政府の技術検討の会合で、防衛施設庁(当時)が米側に提示した資料で、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を挙げていたことが分かった。オスプレイの沖縄配備を巡っては、96年12月2日の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に明記する方向で直前まで日米間で協議されていたが、日本側の要求で削除した経緯がある。日本政府はその後、2010年までオスプレイの配備計画を公に認めなかったが、実際は97年の段階で配備を前提に米側と移設問題を協議していたことになる。」
②「資料は97年10月6日に外務省、防衛施設庁、在日米大使館、在日米軍の関係者が出席した会合で提示された。普天間代替施設の仕様を検討する際の『懸念事項』として、オスプレイ配備の他にも『CALA(戦闘航空機装弾場)とFCLP(陸上空母離着陸訓練)デッキ』などを挙げている。」
③「関係者によると、会合では、オスプレイの運用に対応するためという理由で、滑走路の長さを1500メートルは確保することを日米間で確認した。96年12月2日のSACO最終報告でも滑走路長は『約1500メートル』と記載されたが、その際はオスプレイ配備が理由とは説明されていなかった。オスプレイ配備を巡り政府は、辺野古新基地については環境影響評価(アセス)手続きの最終段階に当たる評価書の提出(11年12月)になって初めて配備の事実を盛り込んだ。北部訓練場のヘリパッドは、沖縄防衛局が07年に県に提出したアセス図書で、将来的な機種変更も反映するよう求めた知事意見に対し、『使用機種の変更はないと理解している』と明記し、配備を否定していた。」


(5)琉球新報-被害認定、国に賠償命令 普天間騒音控訴審 W値75未満は認めず-2016年12月2日 10:29


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の周辺住民約2200人が同飛行場から発生する騒音被害を訴え、国に損害賠償を求めた普天間騒音訴訟の控訴審の判決が1日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。多見谷寿郎裁判長は一審と同様に騒音被害を認め、国に損害賠償の支払いを命じた。一方で住民が求めていた賠償額の増額は認めず、うるささ指数(W値)75未満区域の住民への賠償も一審を踏襲して退けた。」
②「損害賠償の基準はW値75以上区域で日額150円、W値80以上区域で日額300円。住民側弁護団によると賠償総額は約9億5千万円で、一審での総額約7億5400万円を上回るが、控訴審の期間の賠償額が加わったためとしている。」
③「判決は、住民側が訴えていた低周波音による被害も『個人差が大きい』などとして、共通被害とは認めなかった。一審で敗訴した部分の取り消しなどを求めて控訴していた国の訴えは、全て棄却した。」
④「住民側は今後、上告するかどうかを検討するとした。沖縄防衛局は判決について『国の主張について裁判所の理解が得られず、大変厳しい判断が示されたものと受け止めている』とコメント。今後の対応については、関係機関と調整して決定するとしている。」


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-02 17:00 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の「負担軽減」を考える。

 沖縄県の米軍北部訓練場7824ヘクタールの約半分が、2016年12月22日に返還される。
 このことを、安倍晋三政権は、沖縄の「負担軽減」の実現と最大限利用することになる。その背後には、米軍基地機能強化と自衛隊の共同利用という新たな「沖縄の負担拡大」がすでに用意されているにもかかわらずである。
 ここで、沖縄の「負担軽減」を考える。


 このことに関して、朝日新聞は2016年11月27日、「沖縄と基地 『負担軽減』への遠い道」、とその社説で著した。
 まず、 朝日新聞は、「返還は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛りこまれていた。20年越しの懸案が実現すること自体は評価したい。」、とする。「しかし、一方で疑問や不安も多い。」、と記す。
 その上で、「安倍首相は9月の所信表明演説で、沖縄の基地負担の軽減策としてこの問題に触れ、『一つ一つ、確実に結果を出すことによって、沖縄の未来を切り拓いてまいります』と述べた。はたして返還の先に待ち受けているのは、首相が言うような明るい未来なのだろうか。訓練場は見返りなしで戻ってくるわけではない。」、と次のように問題点を指摘する。


(1)老朽化したヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)にかわり、豊かな森を伐採して新しい着陸帯を六つ造ることが条件だ。工事に抗議する県民らを、警備中の大阪府警の警察官が「土人」とののしったのは記憶に新しい。
(2)手続き上の疑念も、深まりこそすれ解消していない。ヘリパッド建設は県の環境影響評価(アセスメント)の対象とされず、代わりに政府は独自アセスを行った。米軍普天間飛行場への配備計画が明らかになる11年まで、オスプレイが新パッドを使うことは隠された。独特の低周波音を含む騒音や風圧による被害拡大は確実で、翁長雄志(おながたけし)知事や地元村長はアセスのやり直しを求めているが、政府にその考えはないようだ。
ほかにも、年内完成をめざして工事を急ぐあまり、樹木を切り倒す方法を手作業から重機に変えたり、計画と異なる作業用道路の建設を急に決めたりしている。アセスの前提が崩れているにもかかわらず、県が異議を唱えても顧みられない。
(3)米海兵隊がまとめた「戦略展望2025」には、「使用に適さない土地を返還し、限られた土地を最大限に利用できる訓練場を開発する」とあり、事実、米軍に提供されている河口域と新パッドを結ぶ新しい訓練道路の建設工事も始まった。


 朝日新聞は、「負担軽減とは名ばかりで、文書にあるとおり、施設の効率配置による基地機能の強化が進むのではないか。いま沖縄では、そんな懸念が広がっている。」、と沖縄の今を写し取る。
 朝日新聞は、沖縄の「負担軽減」について、次のように結論づける。


「今回の返還によっても、全国の米軍専用施設の面積のうち沖縄が占める割合は、約74%から71%とわずかに減るだけだ。
 この小さな県に、いつまで重い荷を背負い続けさせるのか。県民が実感し納得できる軽減の道をねばり強く探り、実践する。それが政治の責務だ。」


 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-02 07:59 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月1日

 防衛省が10月28日に「工法変更」のために県に提出した環境影響評価検討図書に
国の特別天然記念物ノグチゲラや固有種のハナサキガエルの繁殖環境への影響が明記されていたという。
 一方、「図書では動植物への影響が指摘されている部分の全てで『影響を回避・低減している』と『評価』された。だが、影響回避の根拠として『夜間工事を行わない』などを挙げているものの、実際は夜間に重機の移動による騒音が確認されている。環境への影響回避策が形骸化している現状が浮き彫りになった。」、と琉球新報は指摘。
 常に、自分たちの思いや「成果」が先行し、人の人権や生き物の生存権は否定される。
 安倍晋三政権は、このことが際立つ。


 2016年12月1日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-北部訓練場の訓練道整備、希少種繁殖に影響 回避策は形骸化-2016年12月1日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の『G地区』と国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ訓練道整備を巡り、防衛省による自主的な環境影響評価で、国の特別天然記念物ノグチゲラや固有種のハナサキガエルの繁殖環境への影響が指摘されていたことが30日、分かった。国の天然記念物リュウキュウヤマガメのロードキル(輪禍)の可能性も示されている。防衛省が10月28日に「工法変更」のために県に提出した環境影響評価検討図書に明記されている。」
②「図書では動植物への影響が指摘されている部分の全てで『影響を回避・低減している』と『評価』された。だが、影響回避の根拠として『夜間工事を行わない』などを挙げているものの、実際は夜間に重機の移動による騒音が確認されている。環境への影響回避策が形骸化している現状が浮き彫りになった。」
③「防衛省が30日、赤嶺政賢衆院議員(共産)、伊波洋一参院議員(沖縄の風)の請求に応じて全154ページの資料を提供した。ただ希少な動植物への影響については重要部分が白く塗りつぶされていた。」                         ④「訓練道整備のための建設機械や資機材運搬ヘリによる騒音で、ノグチゲラとハナサキガエルなどの『繁殖環境に影響が及ぶ可能性が予想された』と指摘した。リュウキュウヤマガメは重機によるロードキルの可能性が指摘されたが『運転者が大型種であるリュウキュウヤマガメの横断を目視する』ことで事故を回避できると論理展開した。」
⑤「貴重植物の調査は2005年は幅50メートルだったが、今年5月は最大伐採範囲の幅3メートルだった。5月の調査で訓練道で確認された貴重な維管束植物は3種、移植対象は2種だったが、名前は塗りつぶされていた。訓練道は工程約7カ月で、工事には2・5トンキャタピラトラック2台や振動ローラーなど計16台の建設機械を使用する。沢に架かる橋(デッキ)部分は一時的に流れる沢を通すポリエチレン製の管を設置し、土のうを積んでゴム板を敷き重機の往来を可能にするとしている。」


(2)沖縄タイムス-午前3時に「電車通過時の線路脇」相当の爆音 嘉手納基地の際立つ異常さ-2016年12月1日 09:44


 沖縄タイムスは、標題について、次のように報じた。


①「沖縄県の米軍嘉手納基地で10月19、20日の未明、米本国の空軍に所属するF16戦闘機が相次いで離陸し、100デシベル前後の爆音が測定された。同基地の司令官は、回避できなかった理由を「上層部の判断」と釈明したが、指揮系統が異なる外来機による“騒音防止協定違反”を防ぐ策は1カ月以上たった現在も示されないままだ。」
②「そもそも深夜・早朝の爆音被害は恒常的で、滑走路に近い屋良地区では2015年度、80デシベルを超える騒音が210回、うち90デシベル超は10回発生したことが町のデータを基にした本紙のまとめで分かった。外来機の規制と併せて抜本的な対策が改めて求められている。」
③「午後10時から翌朝6時までの米軍機の飛行は日米の航空機騒音規制措置(騒音防止協定)で規制されている。しかし、『運用上必要な場合を除く』という文言によって、嘉手納基地周辺では住民が騒音被害に遭っているのが実情だ。」
④「ことし10月の2日連続の未明爆音で測定された値は『電車通過時の線路脇』に相当する100デシベル前後。寝静まった時間である、午前2時30分~3時30分ごろに起こされた町民からの苦情が町に殺到した。當山宏町長や沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長らの申し入れを無視する形で、米軍が2日目も離陸を強行した点も、その異常さを際立たせた。
嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)は10月27日に同基地に抗議した。その席で第18任務支援群司令官のポール・オルダム大佐は謝罪した上で未明の回避を模索したものの上層部の判断で避けられなかったと釈明した。再発防止につなげようと町議会の徳里直樹議長らは、判断を下した『上層部』を特定するよう要求。大佐は応じる姿勢を示したが11月29日現在、米軍側からの回答はない。三連協は引き続き、米軍側に対応を求める考えだ。」
⑤「100デシベル前後というレベルまでは達していないが基地周辺では15年度、激しい爆音に日常的にさらされていることがデータで裏付けられた。町によると、屋良地区の測定機で70デシベル以上を1620回測定。米軍機の離着陸が原因とみられる80デシベル以上は210回、うち90デシベル以上が10回あったことが分かった。町の担当者は『とにかく騒音防止協定を順守していただきたいと訴えている』と強調。外来機を含めた深夜・早朝の飛行制限を引き続き要求する考えを示した。一方で、『70~80デシベル』未満が全体の87%あった点にも触れ、『この多くは隣接する海軍駐機場のエンジン調整音と想定される。(来春に完成予定の沖縄市側への)早期移転で軽減を図りたい』と話した。」


(3)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>小雨の中、市民ら60人が抗議-2016年12月1日 12:25


 沖縄タイムスは、「米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯工事では1日、土砂を積んだトラックがN1ゲートからの出入りを繰り返した。午前11時15分までに計48台が進入。小雨の中、工事に反対する市民ら約60人が雨がっぱ姿で抗議を続けた。」、と報じた。
 また、「市民の数を上回る機動隊員が動員された。プラカードを手にした市民1人に機動隊員1~4人が付いて回り、行動を制限。機動隊員がN1ゲートに向かう県道70号を『交通規制』し、規制の理由や時間帯は明らかにしなかった。」、と伝えた。


(4)琉球新報-政府圧力に屈しない 辺野古・高江 市民、運動拡大へ-2016年12月1日 05:00


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「県警が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設の抗議行動をしていた4人を威力業務妨害容疑で逮捕してから一夜明けた30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前や東村高江の米軍北部訓練場N1ゲート前では建設に反対する市民らが連日と同様集まった。市民らは『抗議行動は絶対に萎縮しない』などと声を上げ、抗議行動のさらなる拡大を誓った。」
②「キャンプ・シュワブのゲート前では、市民らが30日午前9時ごろから新基地反対を示すプラカードを掲げて抗議行動を展開した。29日午前のテントでの家宅捜索現場に居合わせた伊波佳(よし)さん(74)=金武町=は『とても悔しく恐ろしさも感じた。【なぜ今ごろ】という思いだった』と振り返り、『立ち向かわないといけない』と語気を強めた。」
③「沖縄平和市民連絡会の城間勝事務局長は『県民を分断し、(運動の)広がりを防ごうという弾圧だ。決してめげない』と批判。その上で抗議の意思を示す大規模な集会などを開催する必要性を強調した。」
④「米軍北部訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)に抗議する市民らが集会を開いたN1ゲート前には30日、午前7時ごろから約250人が集結した。沖縄平和運動センターでの家宅捜索に立ち会った大城悟事務局長は『平日だが参加者が多い。弾圧に負けない意志の表れだ』と強調。『山城博治議長に関してはできるだけ勾留を長引かせようという意図が感じられる。運動の萎縮を狙った政府の圧力には絶対屈しない』と話した。元裁判官でうるま市島ぐるみ会議の仲宗根勇共同代表は『ブロックを積む抗議は警察官も見ていたはずだ。なぜその場で止めなかったのか。萎縮せず、より多くの人で座り込もう』と訴えた。」


(5)琉球新報-高江、ダンプカー48台分の資材搬入 市民らが抗議行動-2016年12月1日 13:25


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で1日午前、建設現場となっているN1地区にダンプカー12台が砂利などの資材を搬入した。午前中は12台が4回ずつ、延べ48台分の資材を運び入れた。市民ら約70人がN1地区のゲート前に集まり、雨が降る中で抗議の声を上げた。同日は午前9時半ごろから資材の搬入が始まり、11時15分ごろまで作業が続いた。機動隊が抗議行動を規制する中、市民らは『工事をやめろ』『自然を壊すな』などと訴えた。」、と報じた。


(6)琉球新報-普天間騒音訴訟 控訴審「一審踏襲判決」 国に賠償支払い命じる-2016年12月1日 14:25


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の周辺住民約2200人が同飛行場から発生する騒音被害を訴え、国に損害賠償を求めた普天間騒音訴訟の控訴審の判決が1日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。多見谷寿郎裁判長は一審判決を踏襲し、うるささ指数(W値)75以上区域で月額150円、80以上区域で月額300円の支払いを国に命じた。W値75未満区域の住民への賠償は認めなかった。」、と報じた。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-01 18:38 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県警の不当弾圧に強く抗議。

 名護市辺野古への新基地建設に対する抗議行動への不当弾圧について、琉球新報は2016年11月30日、「抗議運動の拠点捜索(解説) 抗議行動の弱体化狙う」、との解説を掲載した。
そこで、次のように解説した。


(1)25日に県が米軍キャンプ・シュワブ陸上部の一部工事再開を容認したばかり。この時期に、約10カ月も前の事案で抗議市民が逮捕されたことは今後本格化する工事を前に抗議行動のけん制や萎縮、弱体化を狙って行われた、とみられても仕方がない。
(2)府が米軍北部訓練場のヘリパッド年内完成を掲げて以来、建設工事が急速に進められた。同時に沖縄平和運動センターの山城博治議長ら抗議行動をしていた市民が次々と逮捕された。山城議長ら行動の指揮を執っていた中心メンバーは再逮捕や起訴で現在も勾留されたままだ。今回の逮捕者にも辺野古、高江の双方で指揮をしたり、前面で抗議行動をしたりしていた人が含まれている。
(3)逮捕理由については一部傷害や暴行容疑もあるが、公務執行妨害や威力業務妨害など県民には直接危害が及ばない事案での逮捕も多い。警察関係者は29日の逮捕について「当初春ごろが見込まれていた」とし、陸上工事とは関係ないとしている。その一方で「リーダー格を含む4人を分散留置することで運動を弱体化させるのが狙いだ」とも指摘している。
(4)一連の逮捕はヘリパッド建設を遅らせる要因の排除を狙いにしているとも言えそうだ。さらに抗議の中心メンバーの勾留を引き延ばすことで運動を弱体化させ、工事を順調に進めたい政府の思惑が透ける。辺野古の抗議行動に関わる市民らが逮捕されたことで、辺野古の新基地建設作業を強引に推し進めようとする政府の姿勢があらわになった。今後も同様な逮捕が続けば県民の怒りにさらに火を付けることになる。


 以下、琉球新報及の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-01 11:56 | 沖縄から | Comments(0)

70歳以上の医療費が、負担増。

 朝日新聞は2016年11月29日、標題について次のように報じた。


(1)厚生労働省は70歳以上が支払う医療費の自己負担上限(月額)について、住民税を払っているすべての人を対象に引き上げる方針を固めた。すでに引き上げ方針を決めている現役世代並みの所得がある人に加え、年収約370万円未満の約1200万人も対象になる。来年8月から順次、見直していく。30日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で提案し、与党と調整した上で年内に決める。
(2)医療費は「高額療養費制度」により収入に応じて毎月の自己負担額の上限が定められている。上限を超えた分は公的な医療保険などが負担する仕組みで、医療費の負担が重くなりがちな70歳以上は70歳未満より上限が低く設定されている。
(3)今回の見直しは、膨れあがる社会保障費を抑えるため、一定の収入がある高齢者に負担増を求める狙いがある。厚労省は年収約370万円以上の現役世代並みの所得層のほか、年収約370万円未満で住民税を払っている所得層(東京23区で単身なら年金収入が年155万円以上)も引き上げ対象に追加する。この所得層は約1243万人と対象者が多く、財政の削減効果が大きいためだ。引き上げ幅は、70歳未満の上限に合わせる。年収約370万円未満の場合、現在の4万4400円の上限が2017年8月から5万7600円になる。年収約370万円以上の人も70歳未満に合わせて3段階に上限を設定。引き上げは18年8月から実施する。例えば年収約1160万円以上の人が月100万円の医療費を使えば、8万7430円の上限は25万4180円と大幅な引き上げになる。
(4)一方、高齢者は外来受診の回数が多いため、70歳以上には個人ごとに使った外来医療費の月額上限を下げる「外来特例」がある。年収約370万円以上の人は特例を廃止する。年収約370万円未満では1万2千円の上限をいったん17年8月に2万4600円に倍増。翌18年8月には特例の廃止も検討する。
(5)政府は来年度の社会保障費の自然増を1400億円程度抑えることをめざしている。今回の見直しを実現すると、年650億円以上の予算削減効果があるとしている。
 


 現在の年金改革法案に続き、この医療費の改悪にによる負担増、高齢者の窮乏化は人ごとではない。


 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-01 09:17 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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