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原発問題-もんじゅについて、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」、と政府。

 標題について、東京新聞は2016年9月22日、「政府は二十一日、高速増殖原型炉『もんじゅ』(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、『廃炉を含め抜本的な見直しをする』とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の『高速炉開発会議』で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。」、と報じた。
 また、次のように伝えた。


①「菅義偉官房長官は閣僚会議で『高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う』と述べた。」
②「核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だ。もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉『常陽』」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される。」
③「廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。」
④「もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す『夢の原子炉』とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。」
⑤「高速増殖原型炉『もんじゅ』を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる。本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。
 その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。」
⑥「核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。」


 高速増殖原型炉『もんじゅ』は廃炉で、核燃料サイクルは維持することに、どれほどの根拠と未来があるというのか。


以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 19:28 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年9月22日

 2016年9月22日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 21日に開催された「不当判決に抗議する!翁長知事を支え!辺野古新基地建設反対県民集会」では、「『沖縄の歴史と未来に大きな禍根を残さないため、島ぐるみで、県民総ぐるみで最後まで闘い続ける』とする集会アピール文を読み上げ、満場一致で採択された。」
、という。
 これが、沖縄の民意だ。


(1)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>沖縄県外の若者らが緊急行動 建設阻止へ環境団体とも連携-2016年9月21日 19:34


 沖縄タイムスは、「沖縄県東村高江周辺での米軍ヘリパッド建設に反対する県外の若者有志の会『ヘリパッド建設に反対する緊急行動』と環境・人権団体の代表者らによる共同記者会見が21日、参院議員会館であった。」、と報じた。
 また、「有志の会は、高江での現地行動に参加した京都造形美術大学院生の早瀬道生さん(24)の呼び掛けに応じた、宜野湾市出身で国際基督教大4年の元山仁士郎さん(24)、三重県在住のアルバイト、岡歩美さん(25)らを中心に約40人で結成。メンバーの現地派遣やブログなどでの情報発信、都内などでの街宣活動などを通して、『本土では報道されることが少ない政府による理不尽な基地建設を多くの人に知ってもらい、阻止につなげたい』(元山さん)。早瀬さんも『県道を歩いているだけで機動隊に包囲され、人権侵害だ』と批判した。その上で『沖縄で起きていることは日本全体の問題で、私たち自身の問題だ。日米安保のために沖縄に過剰な負担を強いているのは沖縄以外の都道府県に生きる私たちで、私たちには行動する責任がある』との声明を発表した。」、と伝えた。
 さらに、「会見には、国際環境NGO『グリーンピース・ジャパン』や環境保護団体『FoEジャパン』、人権団体『ヒューマンライツ・ナウ』の代表者らも参加。幅広い観点で地元住民や若者グループらと連携し、ヘリパッド建設阻止に向けた活動を展開するとした。赤嶺政賢衆院議員(共産)、福島瑞穂参院議員(社民)らも参加した。」、と伝えた。


(2)琉球新報-新基地阻止「闘い抜く」  県敗訴判決 1500人が抗議 那覇-2016年9月22日 05:02


 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は「不当判決に抗議する!翁長知事を支え!辺野古新基地建設反対県民集会」を開催した。このの集会について、琉球新報は、次のように報じた。


①「名護市辺野古の埋め立て承認取り消しで国が県を提訴した不作為の違法確認訴訟で県が敗訴したことを受け、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は21日夕、『不当判決に抗議する!翁長知事を支え!辺野古新基地建設反対県民集会』を那覇市の県民広場で開いた。約1500人(主催者発表)が集まり、最高裁での県勝訴に向けて気勢を上げた。」
②「オール沖縄会議共同代表の稲嶺進名護市長は『判決は民意や歴史を全く顧みない、全て国の言い分をコピーしたような内容だった。最高裁まで闘う、その後も闘うことを確認する日にしたい』とあいさつした。翁長雄志知事は集会に出席しなかったが、『判決は【辺野古が唯一】との国の主張を追認する内容だった。ここまで露骨に時の為政者にすり寄った不公正な判決が出せるのかとあぜんとした。最高裁には沖縄の現状から目をそらすことなく、公平で良識ある判断を示されることを期待する】とのメッセージを寄せた。23日に上告することも改めて示した。」
③「県弁護団長の竹下勇夫弁護士は『判決は裁判の前に行われた国地方係争処理委員会の審理について一切無視している。判決の中で【埋め立てによる利益と不利益を比較する必要がある】と言っているのに、判決自体がその点を比較せず、国側からの書類だけで【辺野古が唯一だ』と言ってしまっている】と問題点を指摘した。」
④「オール沖縄共同代表の一人、玉城愛さんが『沖縄の歴史と未来に大きな禍根を残さないため、島ぐるみで、県民総ぐるみで最後まで闘い続ける』とする集会アピール文を読み上げ、満場一致で採択された。」


(3)琉球新報-県敗訴の判決文 宜野湾市長選 立候補者名と日付誤記 高裁支部、修正せず-2016年9月22日 10:34


 琉球新報は、「名護市辺野古の埋め立て承認を巡り国が県を訴えた不作為の違法確認訴訟で16日に判決を出した福岡高裁那覇支部が、判決文の中でことし1月24日に行われた宜野湾市長選の日程と、立候補者名を間違えて記載していた。市長選の日は『2月24日』とした上で『現職の佐喜真淳氏が、被告(翁長雄志知事)を支持するオール沖縄が推す伊波洋一氏を抑えて再選した』と記載した。実際は新人の志村恵一郎氏が佐喜真氏の対抗馬として立候補していた。高裁那覇支部は21日、『誤記があるのはご指摘の通り。ただ更正決定まではしない』と回答した。誤記の経緯は不明だとした。」、と報じた。
 また、「違法確認訴訟では県側が提出した準備書面でも宜野湾市長選の日付を『2月24日』と表記していた。」、と伝えた。


(4)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>砂利搭載ダンプ20台、北部訓練場内へ-2016年9月22日 12:59


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺のヘリパッド建設で、22日も早朝から、建設に反対する市民らが米軍北部訓練場周辺の県道など複数箇所で抗議行動を続けた。市民約20人が集まったNI入り口では、『やんばるの森を壊すな』などと声を上げたが、建設に向けた砂利を積んだダンプのべ20台が入った。そのほか、鉄パイプや水タンクなどを荷台に載せたトラック3台も訓練場内へ入った。警察の機動隊100人以上が警備に当たったが、市民への強制排除はなかった。」、と報じた。



 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 15:27 | 沖縄から | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(4)

 日本弁護委連合会は、2016年9月14日、大分県別府警察署によるビデオカメラ設置等の問題に関して、違法な監視カメラの設置に抗議する会長声明を発表した。
 この声明の要約は次のものである。


(1)日弁連の主張
①「大分県警は、カメラの設置目的については『個別の容疑事案で特定の対象者の動向を把握するため』とだけ説明した。しかしながら、国民には肖像権が保障されており、法律の定めや裁判官による令状がない限り、原則として警察から写真撮影されない権利がある。例外として許されるのは、現行犯的状況があり、必要性・相当性を満たす場合(最高裁昭和44年12月24日判決)や、重大犯罪の嫌疑が濃厚な被疑者の人定に必要な限度で、公共の場所等で特定の個人を対象として撮影する場合(最高裁平成20年4月15日決定)等に限定される。
 殊に、宗教施設や政治団体の施設等、個人の思想・信条の自由を推知し得る施設に向けた無差別撮影・録画は、原則的に違法である。このことは、労働運動等の拠点となっている建物に向けた撮影・録画を前提とせずに単なるモニタリング(目視による監視)の目的で設置されただけの大阪府警の監視カメラの撤去を命じた大阪地裁平成6年4月27日判決(その後、最高裁で確定)からも明らかである。
②「本件によって、市民の政治活動の自由、表現の自由等、民主主義社会において最も尊重されるべき権利が侵害される可能性を考慮すれば、その弊害は甚大であり、今後このような違法な捜査方法が採られるべきではない。」
③「警察庁は、本年8月26日付けで、監視カメラを用いた捜査を任意捜査として、必要な範囲において、相当な方法であれば許されるという趣旨の『捜査用カメラの適正な使用の徹底について』と題する通達を発出した。上記通達は、憲法で保障されるプライバシー権、表現の自由等を侵害する捜査方法を捜査機関の判断で自由に行うことを可能にするものであり、警察実務において人権侵害を日常化するおそれがあるから、撤回されるべきである。」
④「当連合会は、今般の監視カメラの設置が明らかに違法であることを指摘し、抗議するとともに、あらためて監視カメラの設置・運用に対する法律を定めるべきことを表明する。」


 この日弁連会長声明は、大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していたことが、明らかに「違法」であることを指摘するとともに、警察庁の8月26日付けの「通達」が機に乗じたものであり、撤回されなくてはならないものであることを、証明した。


 以下、日本弁護士連合会会長声明の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 09:52 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(5)

 標題について、大分合同新聞は2016年9月22日、その1面で、「警察官4人略式起訴 署長らは不起訴」、と次のように報じた。


(1)参院選の選挙違反捜査のため、野党候補の支援団体などが入る別府市内の建物の敷地に別府署員が無断で侵入してビデオカメラを設置し、隠し撮りをした事件で、別府区検は21日、設置を指示したとして建造物侵入の疑いで書類送検された当時の同署刑事官、阿南和幸警視(53)ら警察官4人を別府簡裁に略式起訴した。他に同容疑で告発されていた署長(56)と副署長(52)の2人は大分地検が同日、不起訴処分とした。
(2)地検の山本保慶次席検事は「設置型のカメラを使って多数の人を撮ったのは、やりすぎ。管理者に断りなく何度も敷地に立ち入っており、不適正な捜査が背景にあったことを考慮して処分した」と説明した。他に略式起訴されたのは▼当時の同署刑事2課長、守口真一警部(49)▼同課の男性係長(33)▼同課の男性主任(31)―の計3人。
(3)地検などによると、4人は共謀し、参院選公示前の6月18日午後11時15分ごろから同21日午後9時5分ごろまでの間、連合大分東部地域協議会や別府地区平和運動センターなどが入る「別府地区労働福祉会館」(別府市南荘園町)の敷地に正当な理由なく計5回、侵入した。カメラの設置や記録媒体の交換のために実際に侵入したのは係長と主任の2人。上司だった残る2人は指示・容認したという。
(3)大分県警が8月26日に4人を送検した容疑では、侵入回数は計7回とされていた。県警は「最初の2回は、隣接する裏の斜面から立ち入った。無断侵入との認識はなかった」と説明している。区検はこうした点を踏まえ、当初の2回の侵入は「犯罪事実と認められない」と判断し、侵入回数を計5回と認定したとみられる。
(3)略式起訴は、公開の裁判ではなく、書類上の審理によって罰金や科料の財産刑を科すよう裁判所に求める簡易な手続き。山本次席検事は「関係証拠を精査し、過去の類似の事案、処分を総合考慮し、罰金刑を科すのが相当な事案だと考えた」と略式起訴を選んだ理由を説明。「今回の処分を県民に納得してもらいたいと考えている」と述べた。地検は略式起訴した4人に求刑した罰金額を明らかにしていない。
(5)地検は、4人と共に8月30日付で告発された署長、副署長の2人は「関与を認めるに足りる証拠はなかった」と判断し不起訴処分とした。告発していた大分市内の高校教諭早島浩一さん(56)は「検察に期待していただけに残念」と話し、大分検察審査会に不起訴処分を不服として審査を申し立てることを視野に対応を検討する。


 また、大分合同新聞は同日、「別府地区平和運動センターは21日、別府署が隠しカメラを設置していた別府地区労働福祉会館(別府市)で、隠しカメラの違憲性を考える集会を開いた。」、と伝えた。
 特に、この集会での様子について、「講師を務めた岡村正淳弁護士は、捜査のための撮影が許容される限度を示した1969年の最高裁判例などを紹介し、『無差別に何日間も撮影した今回の事件は判例から懸け離れており、憲法違反の行為と言わざるを得ない』と批判した。建造物侵入罪での立件にとどまっていることについても『県警はカメラによる撮影を【不適切】と認めてはいるが、違法な情報収集への真摯(しんし)な反省があるか疑わしい』と述べた。」、と伝えた。


 「無差別に何日間も撮影した今回の事件は判例から懸け離れており、憲法違反の行為と言わざるを得ない」、とする岡村弁護士の判断と、検察側の「山本次席検事は『関係証拠を精査し、過去の類似の事案、処分を総合考慮し、罰金刑を科すのが相当な事案だと考えた』と略式起訴を選んだ理由を説明。」、との考え方の違いに、唖然とする。
 また、「建造物侵入罪での立件にとどまっていることについても『県警はカメラによる撮影を【不適切】と認めてはいるが、違法な情報収集への真摯(しんし)な反省があるか疑わしい』、という指摘は、権力側の歪みや奢りを鋭く突いている。


 この事件の本質は、「本件によって、市民の政治活動の自由、表現の自由等、民主主義社会において最も尊重されるべき権利が侵害される可能性を考慮すれば、その弊害は甚大であり、今後このような違法な捜査方法が採られるべきではない。」(日弁連会長声明)、ということにある。


 以下、大分合同新聞の引用。







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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 09:17 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-「辺野古裁判、沖縄県が敗訴」(4)

 辺野古裁判は、沖縄県が敗訴となった。
 このことを伝える。 
 今回は、沖縄タイムスのタイムス×クロス 木村草太の憲法の新手から、「【木村草太の憲法の新手】(40)辺野古訴訟判決 県の主張に応えていない」を考える。


 木村草太さん(以下、木村とする)は、次の判決文の内容に、「異」を唱える。


 「全ての知事が埋立承認を拒否した場合、国防・外交に本来的権限と責任を負うべき立場にある国の不合理とは言えない判断が覆されてしまい、国の本来的事務について地方公共団体の判断が国の判断に優越することにもなりかねない。これは、地方自治法が定める国と地方の役割分担の原則にも沿わない不都合な事態である。よって、国の説明する国防・外交上の必要性について、具体的な点において不合理であると認められない限りは、被告はその判断を尊重すべきである」


 この部分について、木村は、「の言いようは、あまりにもひどい。米軍基地が嫌悪施設だと認めつつ、『みんな嫌がるから、地元の話など聞いてられない』という開き直りだ。」、と批判する。
 そしてその根拠を次のように指摘する。


(1)これでは、安全保障に関する事柄は全て、自治体の意向を無視して、国が勝手にできることになってしまう。
(2)今こそ、憲法が、地方自治を保障する意味を見直さねばならない。国地方係争処理委員会は、話し合いによる解決を求めていた。この判決は、それすら無視している。
(3)この判決を基礎にするならば、国は、話し合いの場を設けるインセンティブがなくなる。何もしない方が、国の主張が通りやすいからだ。沖縄が納得するだけの十分なコミュニケーションを促すには、何をすべきなのか、そういった視線も必要だ。


 この上で、木村は、「沖縄に基地が集中しているのを知りながら、『仕方ない』と国民が思っていたのでは、地域間の不平等は解消されない。米軍基地による恩恵を受けているのは、日本国民全体だ。『本当に沖縄でなければならないのか』を、一人一人が考えていかねばならない。」、とまとめ、「そう考えると、基地の設置場所の決定は、政府任せにしてはいけない。全国民の代表が集う国会で、辺野古でなければだめな理由について、議論を尽くすべきだろう。」、と指摘する。


 また、次のように押さえる。


(1)この連載でも指摘してきたように、米軍基地の設置は、地元の環境規制や都市計画、消防など地方公共団体の自治権の制限につながる。他方、憲法92条は、「地方自治の組織及び運営に関わる事項」は、「地方自治の本旨」に従い、法律で定めなくてはならないと規定する。この条文を素直に読めば、米軍基地を設置する際には、どの地方公共団体の自治権を、どのような範囲で制限するのか、「法律」で決定すべきである。
(2)沖縄県は、今回の訴訟で、埋め立て地を基地として運用する根拠法が整備されていないのに、埋め立てを行うのは不合理だと主張した。これに対し、判決は、辺野古基地建設に伴って生じる自治権の制限は「日米安全保障条約及び日米地位協定に基づくものであり」憲法上問題がないと言い切る。しかし、日米安保条約や地位協定はあくまで「条約」であり「法律」ではない。条約があったからといって、憲法92条の要請を満たせるはずがない。


 木村は、今回の辺野古裁判による沖縄県の敗訴から、次の最高裁判断に向けて、次の指摘を送る。


「今回の判決は、ほとんど国の主張の引き写しで、沖縄県の正当な主張に全く応えていない。これで、『公正に判断した』と良心に誓って言えるのか。最高裁には、公正で理論的な判決を期待する。」


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 08:47 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年9月21日

 2016年9月21日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 国定公園に指定された大地を、切り刻む。
「森を切り裂く二つの円 ヘリ着陸帯予定地で大規模伐採」、との琉球新報の記事は、本来、許されないことが行われていることの証。


(1)琉球新報-森を切り裂く二つの円 ヘリ着陸帯予定地で大規模伐採 北部訓練場-2016年9月21日 05:02


 琉球新報は、環境破壊の実態について次のように報告した。


①東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)で琉球新報は20日、ヘリパッド建設予定地と資材の搬入路の造成の現状が分かる空撮写真を入手した。写真からN1地区の二つのヘリパッド予定地で木の伐採がほぼ終わっており、さらにN1地区と通称「N1裏」の間からH地区を結ぶトラック通行用の運搬道路の造成が急速に進んでいることが分かった。
②運搬道路の一部は、資機材運搬のための工事用モノレールを設置するための通路予定地を拡張しており、木が大規模に伐採され、砂利が敷き詰められている。運搬道路については、16日から17日までの1日で約200メートル近く木の伐採が進んでいるのが確認された。
③建設に反対する市民らは20日、県環境部を訪れ、運搬道路の造成で沖縄防衛局に対し赤土等流出防止条例に基づく事業行為通知書の提出を求めるよう要望した。県環境部は「沖縄防衛局からは作業は樹木の伐採のみで土を掘り返さないので、事業行為通知の対象外だと説明を受けている。立ち入り調査をさせるよう米軍に申し入れており、許可が出ればその場所も含めて調査したい」と話した。


(2)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>東村長「泣き寝入りしない」 交付金、国に求める-2016年9月21日 05:00


 沖縄タイムスは、「米軍北部訓練場へのヘリパッド建設に伴い東村高江区への直接交付金制度を国に求めている伊集盛久村長は20日、『基地は完成するわけだから何の補償もなく後で泣き寝入りすることはできない。この時点で要請した方がいいと思った』と述べた。村議会9月定例会の一般質問で、仲嶺眞文氏の質問に答えた。」、と報じた。
 また、「経緯について『高江区が2回反対決議をして要望できない立場を理解して、村長の責任において要請した』と説明した。ヘリパッドの影響については『集落を囲むように建設され、従来以上に騒音が影響する』と予測した上で、『訓練区域を太平洋と山岳地帯にも広げ、高江に影響がないように要望していきたい』との姿勢を示した。」、と伝えた。


(3)琉球新報-高江差し止めへ住民33人が提訴 「人格権」を侵害 米軍ヘリパッド建設-2016年9月21日 12:23


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、東村高江の住民ら33人が21日午前10時ごろ、国を相手に工事の差し止めを求める訴訟を那覇地裁に提起した。差し止めを求める仮処分も同時に申請した。」、と報じた。
 また、「弁護団はヘリパッド建設はオスプレイの訓練激化につながるのは明らかで、現状よりも騒音が増加すると指摘。そのため身体的・精神的被害は、現状よりも深刻になるとして、ヘリパッド建設は周辺住民の『人格権』を侵害するとした。」、と伝えた。


(4)琉球新報-「行動する責任がある」 高江反対で若者有志の会結成 全国各地で街宣へ-2016年9月21日 15:11


 琉球新報は、標題について、次のように報じた。


①「8月に解散した安全保障関連法に反対する若者グループ『SEALDs』の元メンバーが中心となり、北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する新たな若者団体『沖縄・北部訓練場のヘリパッド建設強行に反対する若者有志の会』を21日に立ち上げた。環境保護団体などと参院議員会館で記者会見し、『私たちは行動する責任がある』と訴えた。」
②「会の略称は『ヘリパッド建設に反対する緊急行動』。現在のメンバーは約40人で、ホームページなどを作成するなどしてさらに参加者を募る考え。今後はメンバーらを現地に派遣し、全国各地で報告会や街宣活動を行う。メンバーの元山仁士郎さん(24)=国際基督教大4年、宜野湾市出身=は『政府は年内の建設を目標に進めている。3月のノグチゲラ営巣期まで止められれば出来上がらない』として、抵抗活動の緊急性を指摘した。
岡歩美さん(25)=三重県=は『北部訓練場へのヘリパッド建設の中止を求める。この工事は実質的な基地機能の強化をもたらすもので、周辺の豊かな自然環境や人々の生活を破壊するもの」と声明文を発表。「沖縄に日米安保の過重な負担を強いているのは沖縄以外の都道府県に生きる私たち自身だ。私たちには行動する責任がある』と呼び掛けた。」
③「メンバーはこれまでに現地に通っていた学生らのつながりがあり、3週間ほど前に呼び掛けし、発足が決まった。きっかけをつくった早瀬道生さん(24)=京都造形芸術大大学院、京都府=は『何かしないといけないと思った。メンバーは既に動いている。行動して工事を止めたい』と力を込めた。」


(5)琉球新報-沖縄署、飲酒運転容疑で米兵逮捕 アルコール基準値超-2016年9月21日 10:11


 琉球新報は、「沖縄署は21日、酒気を帯びた状態で車を運転したとして、道交法違反(酒気帯び運転)の容疑で嘉手納基地所属の米陸軍上等兵の男(22)を逮捕した。同署によると、男は『酒は一滴も飲んでいない』などと容疑を否認しているという。逮捕容疑は21日午前2時45分ごろ、北谷町美浜の同町道で、酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転した疑い。警察官が、スピードを出している車を見つけ注意しようと停止させたところ、男から酒の臭いがしたという。男の呼気からは基準値(呼気1リットル中0・15ミリグラム)の約2倍のアルコールが検出された。と報じた。


(6)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>機動隊300人が市民を強制排除 N1表で2カ月ぶり衝突-2016年9月21日 14:32


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設問題で、市民約200人が21日午前、建設予定地N1地区出入り口(通称・N1表)に集まって抗議した。警察は機動隊など約300人を動員して座り込む市民を強制排除。この場所での大規模衝突は沖縄防衛局が工事を再開した7月22日以来、2カ月ぶりとなった。市民側は水曜日の大規模行動の日。警察が集会場所の県道70号高江橋の片側1車線をあらかじめ規制したため、場所をN1表に移した。警察が市民を道路両側で囲い込んで動けなくした後、ダンプ10台が建設資材の砂利を運び込んだ。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-21 16:54 | 沖縄から | Comments(0)

本からのもの-戦争に負けないための二〇章

著書名;「戦争に負けないための二〇章」
著作者:池田浩士(文)髙谷光雄(絵)
出版社;共和国


 この本には、独特の思想が流れている。
 なぜなら、表紙の部分に、こう書かれています。


答えを示すことや、何が正しいかを伝えることは、この絵物語の目的ではありません。
状況が急激に動いていくからこそ、いま立ち止まって共に感じ、共に感じること、そして、正しいとされるものも疑い、私たち自身の感性を私たち自身が深め鋭敏にすること、これがますます大切になっています。隠された現実を発見するのは、私たち自身です。
そのための素材の一つでありたいというのが、この一冊に込められた希いです。


 そして、「戦争と向き合うすべての人に。」、と。


 そうでした、この本は、戦争に向き合わざるをえなくなった私たち自身に、「どうやっていくのか」を考えましょう、と呼びかけているのです。
あなた自身の頭で、と。


 まずは、最初に触発されたものがありました。
第三「武勇を尚ぶ」第一二章「それでも一国では国を守ることはできません」では、こう綴られています。


「遠交近攻」という言葉があります。遠くの国と親交を結んでおいて近い国を攻めるということで、戦争のための大原則です。欧州大戦(第一次世界大戦)に日本が参戦したのは、「日英同盟」を結んでいたからですが、はるか遠くの英国との同盟のおかげで、敗戦国となったドイツの植民地、太平洋の南洋群島を日本は獲得しました。この新領土がなければ、のちの大東亜戦争はそもそもありえなかったでしょう。
 現在の日米同盟も、「遠交近攻」のもっとも理想的な一例です。日本の近隣諸国は、いぜれもみな、古い歴史上の日本の行いをいつまでも口実にして、日本の発展を妨げようとしつづけています。日本一国ではとうてい国を守ることはできません。
 遠い同盟国の力を借りようとすれば、同盟国の軍事基地や資材、必要な人員などを日本が提供するのは当然のことですが、日本にとっても負担と損失が小さいように配慮することも当然必要です。日本に植民地があったころなら、この問題は容易に解決できたのですが、それがない現在、植民地に代わる地方の活用こそが唯一最善の道なのです。
 


 この記述に、沖縄の状況-辺野古・高江を始め、与那国・石垣・宮古が抱えさせられている現実-を、見つめることをあらためて始めています。
米軍再編という新たな「口実」は、「植民地に代わる地方の活用こそが唯一最善の道」を必要としている。それは、植民地主義という言葉で表現されるものかもしれない。
もちろんそれは、「日本にとっても負担と損失が小さいように配慮することも当然必要」 、という「本音」の中で。
日本という国は、日本人は、いつまでたっても「遠交近攻」を自らの思惑のなかで、ころがし続けようとしているのか。


 恐らく、この本は、側に置いて眺め、そして思い当たっては手に取ってみる、そんな本なのかもしれない。



by asyagi-df-2014 | 2016-09-21 07:23 | 本等からのもの | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年9月20日

 2016年9月20日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 沖縄タイムスは、「オスプレイ、普天間にさらに2機配備 米海兵隊」、と報じる。
米軍は、日本政府の共助の基に、すべてを計画通りに行う。


(1)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド建設>工事車両20台入る-2016年9月19日 15:45


 沖縄タイムスは、「沖縄県東村高江の米軍北部訓練場N1ゲート表側出入り口では19日午前11時すぎ、砂利や木材などを積んだ工事用車両約20台がゲート内に入る様子が見られた。ゲート入り口前では約20人余りの市民がプラカードを掲げて座り込んだが、機動隊に排除された。」、と報じた。
 また、「工事車両がゲートに入る前、現場では機動隊と市民がもみ合いになり、一時騒然とした。けが人や逮捕者は出ていない。」、と伝えた。


(2)沖縄タイムス-オスプレイ、普天間にさらに2機配備 米海兵隊-2016年9月20日 08:17


 沖縄タイムスは、「米海兵隊が沖縄県の米軍普天間飛行場にさらに2機の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備することが18日までに分かった。同機のほか、大型輸送ヘリCH53Eを1機、汎用(はんよう)ヘリUH1Y3機も配備される。」、と報じた。
 また、「米海兵隊岩国基地(山口県)によると、オスプレイなどを積載し、米カリフォルニア州サンディエゴの米海軍航空基地ノース・アイランドを出港した民間の輸送船『グリーンコーブ』は16日に岩国基地に到着した。同基地で機体整備などを行った後に普天間飛行場の第36海兵航空群(MAG-36)第265海兵隊中型ティルトローター機飛行隊に配備される。」、と伝えた。


3)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>建設車両21台が北部訓練場に入る-2016年9月20日 13:03


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺のヘリパッド建設工事をめぐり、20日午前9時半から午前10時半にかけ、砂利や木材などを積んだトラックなど計21台が米軍北部訓練場N1ゲートに入った。いずれもゲートが面している県道70号の南側から進入した。一部の車両はN1ゲートをいったん出た後、メーンゲートで砂利を積み直した上で再度N1ゲートに入った。ヘリパッド建設に反対する市民らは『やんばるの森を守れ』などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-20 19:53 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-「辺野古裁判、沖縄県が敗訴」(3)

 辺野古裁判は、沖縄県が敗訴となった。
 このことを伝える。 
2016年9月17日、各紙は、この「敗訴」を、次のように社説・論説で扱った。
 その見出しは、次のようになった。


(1)琉球新報社越-辺野古訴訟県敗訴 地方分権に逆行 知事は阻止策を尽くせ
(2)沖縄タイムス社説-[辺野古訴訟 県敗訴]異常な恫喝と決めつけ
(3)北海道新聞社説-「辺野古」国勝訴 沖縄の声は変わるまい
(4)岩手日報論説-辺野古移設訴訟 国は拳を下ろさないか
(5)信濃毎日新聞社説-辺野古判決 誠実さ欠く政府の姿勢
(6)福井新聞論説-辺野古訴訟判決 もっと沖縄直視すべきだ
(7)京都新聞社説-辺野古訴訟判決  司法で決着する問題か
(8)神戸新聞社説-辺野古判決/沖縄の怒りは増すばかり
(9)山陽新聞社説-辺野古訴訟判決 対話による解決を目指せ
(10)山陰中央新聞論説-辺野古訴訟/見えない解決の道筋
(11)愛媛新聞社説-辺野古訴訟で判決 誠実な協議しか真の解決はない
(12)高知新聞社説-【辺野古訴訟】対話なしには解決しない
(13)徳島新聞社説-辺野古訴訟 国勝訴 解決への道筋が見えない
(14)佐賀新聞論説-辺野古訴訟 これで民意に沿うだろうか
(15)朝日新聞社説-辺野古判決 それでも対話しかない
(16)毎日新聞社説-辺野古で国勝訴 解決には対話しかない
(17)読売新聞社説-「辺野古」国勝訴 翁長知事の違法が認定された


 こちらが把握した17本の社説・論説のなかで、16本は「対話なしには解決しない」(高知新聞)に近い主旨の見出しとなっている。しかし、今回も、読売新聞だけが、唯一「妥当な判決だ。」、と解説した。
 ここ数年の安倍晋三政権の手法が、何故許されてきたのか。
 マスコミの責任は、非常に大きい。
 読売新聞は、このことの自覚が欠けている。


 まず最初に、沖縄県紙の二紙以外の特徴的なものを挙げてみる。
例えば、愛媛新聞の社説は、次のように指摘する。


(1)在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄に、もうこれ以上基地は要らない。そんな切実な民意を一顧だにせず、「辺野古が唯一の解決策」と一つ覚えに繰り返して問答無用で基地建設を強行しようとする国の姿勢と、それを追認するように「普天間の危険を除去するには辺野古以外にない」と指摘した司法に、強い失望と憤りを禁じ得ない。
(2)国が県を訴え、強硬な本音を隠そうともせず「攻撃」する。そんな信じられない事態が、参院選を境に露骨に進む。米軍専用施設「北部訓練場」の工事強行。沖縄振興予算を基地返還と関連付ける「リンク」論の公言と減額。そして辺野古訴訟…。
 7月の全国知事会で、翁長氏は基地問題を「わがこととして真剣に考えてほしい」と呼び掛けたが、積極的に呼応する意見表明は埼玉や滋賀など少数にとどまった。しかし、全国の地方や国民にとって、決して人ごとではない。安全保障は誰のためにあるのか。日本が初めて、自ら沖縄に恒久的基地を建設することを黙認していいのか。判決を機に、一人一人が考えねばならない。わがこととして。


 各紙の社説等の気になる箇所を拾い出す。
(北海号新聞)
(1)沖縄が戦後負ってきた重い基地負担への配慮を欠く判決だ。
(2)判決は「国防・外交は自治体の所管ではなく、不合理と認められない限り尊重すべきだ」とした。そこに、地方自治の精神を尊重する姿勢は感じられない。
(3)和解は確かに、双方の訴訟を一本化する手続きも定めていた。だが、その前提だった国地方係争処理委員会の結論は、国と県の「真摯(しんし)な協議」を求めた。それを無視して提訴した国の対応が問われないのも納得しかねる。
(岩手日報)
 泥沼の訴訟合戦に陥って、普天間が固定化されることにでもなれば元も子もない。今からでも遅くない。国は拳を下ろし、話し合い決着に人事を尽くすべきではないか。
(信濃毎日新聞)
 不誠実な姿勢こそが、問題を根深くしている。安倍政権は言葉通り、普天間問題も含め、基地負担の軽減を求める沖縄の声に正面から向き合わねばならない。
(福井新聞)
(1)基地の沖縄は米兵らによる事件や事故が絶えない。日本側から不均衡な日米地位協定の抜本改定を求める動きは全くない。民意を無視する傲慢(ごうまん)とも思える国の姿勢と合わせ、「沖縄は日米安保体制のスケープゴート」と断じる識者もいる。
(2)裁判長は訴訟と並行して進める予定の「協議」で打開策が見つかる可能性まで否定した。知事が「三権分立という意味で禍根を残す」と言い放ったのは当然だ。
(山陽新聞)
(1)司法判断は出ても、このままでは政府と沖縄県の対立は解けないばかりか、一層激化するのが目に見えている。政府は強硬姿勢を改め、対話による解決への道を探るべきであろう。
(2)残念ながら、沖縄という地方に在日米軍の負担を極端なまでに押しつけているのが日本の安全保障の姿である。地元の同意なく、埋め立て工事を強行するような事態は絶対に避けなければならない。
(山陰中央新聞)
 ただ、これまで通りの硬直的な姿勢を取っている限り溝が埋まることはない。埋め立て計画をいったん凍結するほどの柔軟さが求められているのではないだろうか。
(佐賀新聞)
 基地ゆえの犯罪をなくすために、沖縄から基地をなくしてほしい-。それが沖縄の民意だろう。今回の判決で福岡高裁は「沖縄の民意を考慮しても、承認の要件を欠く点はない」としていたが、本当だろうか。
(朝日新聞)
(1)国の主張が全面的に認められた判決だ。だからといって、政府が沖縄の不信を解く努力を怠れば、問題解決には決してつながらない。
(2)「普天間の被害を除去するには辺野古に基地を建設する以外にない」と言い切ったことに、大きな疑問を感じる。
(3)長い議論の歴史があり、国内外の専門家の間でも見解が分かれる、微妙で複雑な問題だ。だが、この訴訟で裁判所が直接話を聞いたのは翁長雄志知事ひとりだけ。それ以外の証人申請をことごとく退け、法廷を2回開いただけで打ち切った。そんな審理で、なぜここまで踏みこんだ判断ができるのか。しなければならないのか。結論の当否はともかく、裁判のあり方は議論を呼ぶだろう。
(4)政府が直視すべきは、県民の理解がなければ辺野古移設は困難だし、基地の安定的な運用は望み得ないという現実だ。県民の思いと真摯(しんし)に向き合う努力を欠いたまま、かたくなな姿勢を続けるようなら、打開の道はますます遠のく。
(毎日新聞)
(1)この先、最高裁がどういう判断をするかは見通せない。ただ、最高裁で国の勝訴が確定したとしても、知事の権限は大きく、翁長氏にはいくつかの対抗手段がある。
(2)例えば、埋め立て承認の「取り消し」ではなく、改めて承認を「撤回」する可能性が指摘されている。取り消しが、承認時の手続き上の瑕疵(かし)を理由にした処分なのに対し、撤回は承認後の状況の変化を理由にした処分だ。また、移設計画の変更が必要になった場合、国は改めて知事の承認を得る必要がある。知事が承認しなければ計画は進まなくなる。
(3)政府は沖縄と形だけの協議はしても、真剣に議論しようという態度に欠けていたのではないか。対話による解決にもっと努力すべきだ。


 ここで、沖縄県紙の二紙の主張を要約する。
 私たちは、二紙の渾身の怒りと冷静な分析を噛み締める必要がある。


Ⅰ.主張
(琉球新報)
(1)辺野古新基地に反対する県民世論を踏みにじり、新基地建設で損なわれる県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない。
(2)米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る初の司法判断である。しかし国の主張をそのままなぞったような内容で、三権分立の原則を逸脱した判決と言わざるを得ない。翁長知事は上告審での反論とともに、知事権限を駆使して新基地建設への反対を貫いてもらいたい。
(3)判決は公有水面埋立法の理念に反し、海域の保全を求める国際世論にも背を向けるものと断じざるを得ない。
(4)上告審の最高裁が県益を代表する知事の主張に正当な判断を下すか、司法の責任が問われる。
(5)判決は国の主張をほぼ全面的に採用する内容だ。裁判で翁長知事は辺野古新基地により「将来にわたって米軍基地が固定化される」と指摘した。その上で「県知事としての公益性判断を尊重してほしい」と訴えたが、判決は県民の公益性よりも辺野古新基地建設による国益を優先する判断に偏った。「国と地方の関係は対等」と位置付けた1999年の地方自治法改正の流れにも逆行する判決と言わざるを得ない。
(6)上告審での訴訟継続とともに、翁長知事にはなお、「埋め立て承認撤回」や「埋め立て工事の変更申請の判断」「岩礁破砕許可の更新判断」などの法的権限が留保されている。
(7)IUCNの環境保全の勧告、米退役軍人が年次総会で辺野古新基地建設の中止を求める決議を行うなど、支援は海外にも広がっている。さらに国際世論を喚起することも今後の重要な方策だろう。
(8)翁長知事は今回の違法確認訴訟の陳述で「辺野古の問題は沖縄県だけでなく地方自治の根幹、民主主義の根幹にかかわる問題。全てが国の意思で決まるようになれば、地方自治は死に、日本の未来に禍根を残す」と訴えていた。
(沖縄タイムス)
(1)県は敗れた。県側の主張はことごとく否定された。まるで国側の主張をそっくりそのまま引き写し、県に突きつけたかのような判決だ。
(2)司法の独立がほんとうに維持されているのかという根源的な疑いさえ抱かせる判決である。とうてい承服できるものではない。
(3)和解を勧告した当の裁判所が、ここに来て「互譲の精神による解決策の合意は無理」だと見切りをつけるのだから、なにをかいわんやだ。一連の過程を振り返ると、国と司法が「あうんの呼吸」でことを進めてきたのではないか、という疑いを禁じ得ない。
(4)県は最高裁に上告する考えを明らかにしている。高裁判決を丁寧に冷静に分析し、判決の問題点を明らかにしてほしい。モンスターと対峙(たいじ)しているために自分がモンスターにならないよう、常に「まっとうさ」を堅持し、あらゆる媒体を利用して現状の理不尽さをアピールしてもらいたい。


Ⅱ.判決の問題点
(琉球新報)
(1)公有水面埋め立ての環境保全措置を極めて緩やかに判断している点だ。判決は「現在の環境技術水準に照らし不合理な点があるか」という観点で、「審査基準に適合するとした前知事の判断に不合理はない」と軽々しく片づけている。
 果たしてそうだろうか。専門家は公有水面埋立法について「環境保全が十分配慮されない事業には免許を与えてはならない」と指摘している。埋め立てを承認した前知事ですら、環境影響評価書について県内部の検討を踏まえ、「生活環境、自然環境の保全は不可能」と明言していた。
 大量の土砂投入は海域の自然を決定的に破壊する。保全不能な保全策は、保全の名に値しない。辺野古周辺海域はジュゴンやアオサンゴなど絶滅が危惧される多様な生物種が生息する。県の環境保全指針で「自然環境の厳正なる保護を図る区域」に指定され、世界自然遺産に値する海域として国際自然保護連合(IUCN)が、日本政府に対し4度にわたり環境保全を勧告している。
(2)判決は公有水面埋立法の理念に反し、海域の保全を求める国際世論にも背を向けるものと断じざるを得ない。
(沖縄タイムス)
(1)戦後70年以上も続く過重な基地負担、基地維持を優先した復帰後も変わらぬ国策、地位協定の壁に阻まれ今なお自治権が大きな制約を受けている現実-こうした点が問題の核心部分であるにもかかわらず、判決はそのことに驚くほど冷淡だ。
(2)冷淡なだけではない。自身の信条に基づいて沖縄の状況を一方的に裁断し、沖縄の民意を勝手に解釈し、一方的に評価する。県敗訴は当初から予想されてはいたが、これほどバランスを欠いた独断的な判決が出るとは驚きだ。
(3)沖縄の地理的優位性や海兵隊の一体的運用などについても、判決は、ことごとく国側の考えを採用している。判決は、普天間飛行場の被害を除去するためには辺野古に新施設を建設するしかない。辺野古の新施設建設を止めれば普天間の被害を継続するしかない-とまで言ってのける。これはもはや裁判の判決と言うよりも一方的な決めつけによる恫喝(どうかつ)というしかない。そのようなもの言いを前知事が「政治の堕落」だと批判していたことを裁判官は知っているのだろうか。
(4)これほど、得るところのない判決は、めずらしい。裁判官の知的誠実さも伝わってこない。北朝鮮の「ノドンの射程外となるのは我が国では沖縄などごく一部」だと指摘し、沖縄の地理的優位性を強調している判決文を読むと、ただただあきれるばかりである。


 この二紙を通じて、この判決の「異常さ」と司法の「劣化」が際立って見える。
 今後、最高裁は、「上告審の最高裁が県益を代表する知事の主張に正当な判断を下すか、司法の責任が問われる。」、ことを肝に命じなければならない。
 いずれにしろ、今大事なことは、愛媛新聞が指摘する次のことである。


「しかし、全国の地方や国民にとって、決して人ごとではない。安全保障は誰のためにあるのか。日本が初めて、自ら沖縄に恒久的基地を建設することを黙認していいのか。判決を機に、一人一人が考えねばならない。わがこととして。」


 以下、各紙の社説・論説の引用。(非常に、長文です)





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by asyagi-df-2014 | 2016-09-20 05:59 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年9月19日

 2016年9月19日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 米軍幹部は、すでに、「遅くとも3月には新基地建設工事を着実に再開するメドが立った」、としている。
 これこそ、日本の米国従属の実例である。


(1)沖縄タイムス-「辺野古、3月に工事再開」米軍幹部が有力議員に報告-2016年9月19日 05:00


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地を巡る違法確認訴訟で国が勝訴したのを受け、米軍幹部は16日(日本時間17日)、米上院軍事委員会の有力議員に対し、3月に辺野古の新基地建設工事を再開する見通しが立ったなどと報告していたことが分かった。同委員会の有力議員が17日、沖縄タイムスの取材に対して明らかにした。」、と報じた。
 また、「同議員によると、報告は文書形式で、違法確認訴訟判決について「日本政府側の請求が全面的に認められた」などと要旨を説明するとともに、『沖縄県が上告した場合でも、日本政府側との法廷闘争は年内には終了する可能性が高い』と述べ、『遅くとも3月には新基地建設工事を着実に再開するメドが立った』などと今後の見通しが記されていたという。」、「ネラー米海兵隊総司令官は、今年3月4日の県と日本政府との和解後に同委員会が開いた公聴会で、来年3月までには工事再開の具体的日程が判明するなどと証言していた。」、と伝えた。


(2)琉球新報-「本土は当事者意識を」 福岡でシンポ 知念さん県外移設訴え-2016年9月18日 11:00


  福岡市で開催された沖縄の米軍基地の県外移設をテーマにしたシンポジウムの様子について、琉球新報は、次のように伝えた。


①「沖縄の米軍基地の県外移設をテーマにしたシンポジウム『私たちの出会い直し 沖縄の米軍基地を引き取るということ』が17日夜、福岡市中央区の『ふくふくプラザ』で開かれ、約200人が参加した。パネリストは沖縄からライターの知念ウシさん、東大大学院教授の高橋哲哉さん、西日本新聞論説委員の永田健さんの3人。会場からの質問をボードに張り出しパネリストが答える形での質疑もあり、3時間にわたって熱心に議論した。」
②「知念さんは『本土の皆さんが(基地を沖縄に)押し付けている当事者だと意識して、(基地を)引き取って初めて対等な人間同士になれる』と訴えた。高橋さんは『日本の世論の8割が日米安保体制を支持している』と指摘した上で、米軍専用施設の約74%が沖縄にある現状を『非常に不合理だ』と強調した。永田さんも当事者意識を持つことの重要性を指摘した。」
③「主催した市民団体『本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会』代表の里村和歌子さん(41)は、辺野古埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で16日に沖縄県が敗訴したことに触れ、『沖縄の民意を一切顧みない冷たい判決』と批判した。」
④「シンポを終えて、知念さんは『これまでこういう場に呼ばれると大変緊張したが、きょうはとても温かい雰囲気だった。沖縄から聞きに来た人もいた』」と満足げに話した。里村代表は『見込みより多く来てくれた。会を立ち上げる前の去年7月から今度で6回目。当初は反発が強くぎすぎすしていたが、この1年で雰囲気が変わった』」と強調。『質問も50件ぐらいあった。終わってから参加者から【いいシンポだった】【新しい発見があった】と言われた』と手応えを語った。」


 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-19 17:12 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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