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沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(31)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(31)を考える。
 第31回目は、「国は沖縄に対して過度に優遇しているか?」について。
  今回の沖縄タイムスは、「国地方係争処理委員会」での翁長雄志知事の意見陳述から始まる。沖縄タイムスは、こう綴る。


「4月22日、東京・霞が関。名護市辺野古への新基地建設を巡り、総務省の第三者機関『国地方係争処理委員会』で翁長雄志知事が意見陳述した。その中で沖縄関係予算に触れ、『多くの国民は、国から予算をもらった後に沖縄だけさらに3千億円を上乗せしてもらっていると誤解している』と指摘。こう訴えた。
 『真実とは異なる風説が流れるたびに、沖縄県民の心は傷ついていく。都道府県で、国に甘えているとか甘えていないとか言われるような場所が他にあるだろうか』」


 沖縄タイムスは、「国は沖縄に対して過度に優遇しているか?」について、次のように説明する。


①「沖縄関係予算は1972年の本土復帰を機に、米軍統治下で整備の遅れた教育や医療、道路などを他の都道府県と同じ水準にするために始まった。通常の予算に上乗せされるわけではなく、国が他県へ事業費などを支出するのと同じ趣旨の予算だ。他県は各省庁から予算配分されるのに対し、沖縄は内閣府の沖縄担当部局に一括計上する制度をとっているため総額が明らかになる。道路や港湾整備、学校耐震化、子どもの貧困対策のほか、不発弾処理などにも使われる。
②「沖縄はどのぐらいの金額をもらっているのか。」
③「内閣府の沖縄総合事務局調整官を務めた宮田裕・沖縄国際大経済環境研究所特別研究員によると、72年度から2016年度までの振興事業費は計10兆6889億円となる。一方、72年度から2014年度までに所得税、法人税、酒税など沖縄から国に納めた税金は8兆2697億円。02~11年度でみると、国税収納額が振興事業費を総額で1170億円上回る。
④「宮田氏は『国へ支払った額を考えると、沖縄が過度にもらい過ぎているとはいえない』と説明する。」


 ただ、沖縄県の課題についても、沖縄タイムスは次のように指摘する。


①「一方で、復帰から40年が過ぎ、本土との社会資本の格差は縮まったものの、『経済的自立には至っていない』と指摘する。県内総生産は、復帰時の4592億円から12年には3兆8066億円と8・3倍に拡大。対照的に、地域経済を支える製造業はしぼみ、県内総生産に占める割合は10・9%から4・5%に低下した。
②「宮田氏は、米軍基地があるために国の経済対策なども政治色を帯び、戦略や分析が足りずに市場競争力がそがれてしまったのではないかとみる。『政治力学ではなく、沖縄の地理的優位性を生かした経済力を育てる力が必要だ』と指摘した。


 沖縄タイムスは、「復帰から44年。格差是正から自立経済へどう転換するか。沖縄の覚悟も問われている。」、と沖縄県のこれからを指摘するのである。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-05 05:20 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-福島第1原発で発生した放射性物質トリチウムの処分に、福島県知事は国に慎重な対応を求めた。

 標題について、河北新報は2016年5月31日、「東京電力福島第1原発で発生した汚染水の浄化後に残る放射性物質トリチウムの処分方法を巡り、内堀雅雄福島県知事は30日の定例記者会見で『合理性だけでなく社会的影響を踏まえて検討してほしい』と述べ、国に慎重な対応を求めた。」、と報じた。
 また、「海洋放出には風評被害を懸念する漁業者らが反発しており、内堀知事は『環境や風評に大きな影響を与えかねずデリケートな問題』と指摘。政府による今後の検討では『漁業者や県民の思いを考え、丁寧に議論を進めていくことが重要だ』と述べた。技術的な評価では海洋放出のほか、(1)深い地層に注入(2)蒸発(3)水素に変化させて大気放出(4)固化またはゲル化し地下に埋設-の各方法について検討された。」、と伝えた。


 以下、河北新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-04 12:23 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(30)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(30)を考える。
 第30回目は、「他県より予算もらいすぎているの?」について。
  今回の沖縄タイムスは、「有史以来ないというくらいの気持ちの予算。いい正月になるなというのが実感だ」と言った前知事の話から始まる。

①「2013年12月25日、当時の仲井真弘多知事は、官邸で安倍晋三首相との面談後、記者団に語った。21年度まで沖縄振興予算3千億円台を確保する、と政府が約束したことを指す。」
②「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、知事が埋め立てを承認するかどうかに注目が集まっていた時期だ。知事は都内の病院に入院し、腰の治療を続けながら、菅義偉官房長官ら政府幹部と非公開で面会を重ねていた。」
③「首相との面談の2日後、埋め立てを承認。全国メディアでは、沖縄振興予算と埋め立て承認の判断を絡めるような報道が目立った。」
④「承認そのものと、『いい正月』発言が尾を引く形で、仲井真氏は翌年11月の知事選で、翁長雄志氏に大差を付けられ落選した。」
⑤「翁長氏は『県民の誇りと尊厳を取り戻す』と強調してきた。県内では『基地と振興はリンクしない』『沖縄経済は基地に依存していない』という認識が広まっていたが、『いい正月』発言で『県民の誇りと尊厳が崩れ落ちるような無念さがあった』と感じたからだ。」

 沖縄タイムスは。「他県より予算もらいすぎているの?」、という問いに答える。


①「国から沖縄への財政移転は、社会保障費や公共事業費などの国庫支出金と、地方交付税を合わせると7330億円で全国14位、人口1人当たりに換算すると51万8千円で全国6位となり、『基地があるからもらいすぎ』とは言えない。
②「国や県、市町村の機関への公共サービス提供のために必要な人件費、物件費といった『政府最終消費支出』と、公共事業費にあたる『公的総固定資本形成』を足した『公的支出額」や、公的支出額を県民総所得で割った『財政依存度』などを、地方自治体の財政力を示す『財政力指数』の近い類似県と比較した指標もある。」
③「11年度の沖縄の公的支出額は実数で1兆5150億円の全国27位。類似県の和歌山、宮崎、鹿児島、長崎、徳島、秋田、鳥取、高知、島根と比べると、鹿児島の18位、長崎の26位より少ない。財政依存度は39・8%で、高知、島根、鳥取に次いで全国4番目の高さ、1人当たりの公的支出額では105万円で全国18位に位置する。
 長崎以外に米軍基地はなく、基地と公的支出の相関性を探すのは難しい。」


 そして、沖縄タイムスは、「沖縄国際大学の宮城和宏経済学部長は、沖縄関係予算の制度や構造が誤解を招く要因の一つではないか、と考える。」、との言葉を紹介するとともに、「一括交付金を含む国庫支出金は特定財源で、政府のさじ加減で左右できる。基地への協力姿勢が予算に影響しているような仕組みを生み出し、政府がそれを利用しているようにも映る」、との指摘を載せた。


 つまり、「他県より予算もらいすぎているの?」という疑問を誘導することも含めて、「一括交付金を含む国庫支出金は特定財源で、政府のさじ加減で左右できる。基地への協力姿勢が予算に影響しているような仕組みを生み出し、政府がそれを利用している」、のが日本という国が沖縄を統治する手法の一つではないかということ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-04 05:23 | 沖縄から | Comments(0)

水俣-新潟地裁西森政一裁判長は、新潟水俣病の訴訟で、7人について市の判断を取り消して患者と認めるよう新潟市に命じ、2人は訴えを退けた。

 標題について、朝日新聞は2016年5月31日、「水俣病の症状があるのに患者と認めなかった新潟市の判断は不当だとして、新潟市内の男女9人(うち1人は故人)が、市に患者と認めるよう求めた訴訟の判決が30日、新潟地裁であった。西森政一裁判長は、7人について市の判断を取り消して患者と認めるよう新潟市に命じ、2人は訴えを退けた。原告側は控訴を検討するという。」、と報じた。
 この訴訟について、「最高裁判決後、行政訴訟で水俣病の患者認定について判決が出たのは初めて。原告は最高裁判決前に申請を退けられており、今回の訴訟で新潟市が患者認定をしなかった判断の取り消しを求めていた。西森裁判長はこの日の判決で、最高裁の判断を踏襲し、感覚障害だけでも患者と認定できるとした。その上で、7人は公健法で患者と認められた同居家族がいたことや、毛髪から検出された水銀の値などから、川魚を食べたことで『高度のメチル水銀曝露(ばくろ)を受けた』とし、患者と認めるよう新潟市に命じた。一方、残る2人は『魚介類を多食した的確な証拠がない』と退け、症状が他の原因による可能性が否定できないとした。」、と伝えた。
 朝日新聞は、この件に関して、次のようにまとめた。


①「この日の新潟地裁の判断が、認定から漏れた多くの水俣病の症状を訴える人たちに与える影響は小さくない。新潟水俣病では、現在も162人が結果待ちの状況で、すでに棄却された延べ1388人の中からも、改めて認定申請する人が出てくる可能性もある。」
②「熊本で水俣病の認定を求める人たちも判決の行方を見守ってきた。熊本学園大の水俣学研究センター長を務める花田昌宣教授は、『熊本地裁で審理中の訴訟も、新潟の判決を踏まえた結論になるのではないだろうか』とみる。」
③「この日の判決は同居家族に認定患者がいるかどうかで判断が分かれた。原告弁護団は記者会見で、患者認定のあり方を変えるべきだと主張した。」


 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-03 17:32 | 水俣から | Comments(0)

沖縄-上野千鶴子さん。「女を、沖縄を、なめるな」。

 琉球新報は、2016年5月31日、「女を、沖縄を、なめるな」、と上野千鶴子さんの記事を掲載した。
上野さんは、こう始める。


「米政府の統治下にあったときから、沖縄県民は、米軍にひき逃げされ、殴打され、暴行され、殺されてきた。わけても、もっとも弱く抵抗力のない若い女性が、犠牲になってきた。米兵の罪は問われず、容疑者はいつのまにか出国し、あるいは地位協定のもとで軽微な処罰で済んだ。なぜか。沖縄県民の生命が、それほど軽いからだ。またか…。何にも変わっていない、という沖縄県民の絶望は深いだろう。」

「今回の容疑者は軍属だが、公務外の犯罪だから地位協定が適用されず、日本の法廷で裁かれることになるだろう。だが、地位協定が適用されなくても、容疑者が沖縄女性の生命を、どのようにもてあそんでもよいくらい、軽いものと見なしていた事実は消えない。容疑者は元海兵隊員だという。殺人の訓練を重ねてきたプロフェッショナルだ。」

「つい最近、ソウルでは30代の男性が面識のない20代の女性を『女性が嫌いだ、無視されてきた』という理由で殺すという、女性嫌悪殺人が起きた。徴兵制のある韓国の男性たちもまた、軍隊で暴力を学ぶ。」


 上野さんは、男社会のどうしようもなさに明快に駄目を出す。


①「女性が暗い夜道を、ひとりでウオーキングしていたのが悪いのか? 少女がひとりで、人気のない道を下校したのが迂闊なのか? 勝手に送りつけられた腕時計を、ファンだという男に送り返したのが問題なのか?」
②「少女は拉致され、監禁され、女性は殴られ、暴行され、殺され、アイドルはつきまとわれ、脅迫され、刺される。愛や性欲からではない。どうにでもなるはずの相手を、恐怖でコントロールしたいという、支配の欲望からだ。コントロールできないことがわかると、逆ギレする。」
③「男のお守りはもうたくさんだ。女に甘え、女に依存し、女につけこみ、女をなめきり、それができないと逆ギレする。いいかげんにしろ、と言いたい。」


 そして、それは、日本政府への弾劾となる。


「同じことを、男女を日本政府と沖縄に入れ替えて、言いたくなる。沖縄に甘え、沖縄に依存し、沖縄につけこみ、沖縄をなめきり、それができないと逆ギレする。いいかげんにしろ、と言いたい。日本政府と米軍への『思いやり』はもうたくさんだ、と沖縄は言いたいだろう。その怒りは本土の私たちに向けられている。」


 私たちは、沖縄からの「No」は、日本人自身に向けられていることを、もういいかげん気づかなくてはならない。


 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-03 05:34 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-最高裁第3小法廷は、5月31日付で都側の上告を退ける決定。君が代不起立、都の敗訴確定。

 標題について、時事通信は2016年6月1日、「卒業式での君が代斉唱時に起立しなかったことを理由に停職処分を受けた東京都の公立学校の元教員2人が、都に処分取り消しなどを求めた訴訟で、2人の処分を取り消し、都に計20万円を支払うよう命じた二審東京高裁判決が確定した。最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)が、5月31日付で都側の上告を退ける決定をした。」、と報じた。
 また、「訴えていたのは、元養護学校教員の女性(66)と、元中学校教員の女性(65)。2人は2007年3月、それぞれ停職3カ月と6カ月の懲戒処分を受けた。
 二審は、不起立を繰り返した教員に対し、処分を機械的に重くする都教育委員会の運用は『自らの思想信条か教職員の身分かの二者択一を迫るもので、憲法が保障する思想・良心の自由の侵害につながる』と批判。停職3カ月の処分だけを取り消した一審東京地裁判決を変更した。」、と伝えた。


 日本の最高裁判所は、君が代不起立は「憲法が保障する思想・良心の自由の侵害につながる」、と判断した。
 東京都教育委員会は、この判断を直ちに受け入れなければならない。


 以下、時事通信の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-06-02 17:58 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-翁長雄志沖縄県知事、遺棄現場を訪れ、「守ってあげられなくてごめんと胸の中で語りかけた。事件を起こさせない仕組みを政治が作れなかった。二度と事件を起こさせないため、私が先頭に立ってがんばる」、と。

 標題について、朝日新聞は2016年6月2日、「沖縄県うるま市の女性の遺体を遺棄した容疑で米軍属が逮捕されたことを受け、翁長雄志知事は1日、同県恩納村の遺棄現場を訪れ、手を合わせた。翁長知事は取材に、『守ってあげられなくてごめんと胸の中で語りかけた。事件を起こさせない仕組みを政治が作れなかった。二度と事件を起こさせないため、私が先頭に立ってがんばる』と語った。」、と報じた。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-02 08:41 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-防衛省が石垣島への陸上自衛隊警備部隊の配備着手を2年前倒しすることが分かった。宮古島と奄美大島での警備部隊配備と同時並行で進め、南西防衛強化を急ぐもの。

 標題について、産経新聞は2016年5月30日、「防衛省が沖縄県の石垣島への陸上自衛隊警備部隊の配備着手を2年前倒しすることが29日、分かった。平成31年度以降に駐屯地などの用地取得に入る予定だったが、29年度予算案概算要求に用地取得費などで100億円前後を計上する。尖閣諸島(石垣市)への中国の脅威をにらんだ措置で、宮古島と奄美大島(鹿児島県)での警備部隊配備と同時並行で進め、南西防衛強化を急ぐ。」、と応じた。
 また、「中国は南シナ海で岩礁の埋め立てを進め、滑走路などの軍事利用可能な拠点の構築にメドが立てば、東シナ海で威嚇と挑発を活発化させる恐れが強い。尖閣周辺海域では中国公船が領海侵入を続けており、尖閣を抱える石垣市への部隊配備を急ぐべきだと判断した。
 石垣市の中山義隆市長が安全保障に対する理解が深く、部隊配備への同意を比較的得られやすいとの判断も働いている。防衛省は概算要求前に同意を得るための準備を進める。
 駐屯地などの施設整備は通常、用地取得と造成工事に1年ずつ、建設工事に2年の計4年かかる。造成・建設工事を効率的に進めれば計3年に短縮でき、31年度に施設整備と配備を完了させることが可能だ。」、と伝えた。


 安保法制の実態化は、こうして沖縄から実践化され、沖縄はまたしても、命の危険に曝されることになる。


 以下、産経新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-02 06:11 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄-沖縄県議選候補の全員が、「海兵隊撤退・縮小」を要求している。

 琉球新報は、2016年6月5日投開票の沖縄県議選に関連して、県議選立候補者に緊急アンケートを行い、その結果を公表した。
 このことについて、琉球新報は2016年6月1日、「米軍属女性遺棄事件を受けて琉球新報はこのほど、6月5日投開票の県議選立候補者71人に緊急アンケートを実施した。在沖米海兵隊について、候補者の60・6%に当たる43人が『全て撤去するべきだ』を選択した。『大幅削減するべきだ』を選んだ候補者は全体の31・0%の22人で、『整理縮小』などを理由として『その他』を選んだのは同9・9%の7人だった。『現状を維持するべきだ』の選択はなかった。」、と報じた。
 その内容について、「嘉手納飛行場などを含む全ての在沖米軍基地については『大幅に整理縮小するべきだ』(35人)、『一定程度、整理縮小するべきだ』(9人)を合わせると44人で全体の62・0%を占めた。『全て撤去するべきだ』を選んだ候補者は同38・0%の27人。『現状を維持するべきだ』の回答はなかった。
 日米地位協定については全体の93・0%の66人が『改定すべきだ』とした。ほか『運用改善するべきだ』は3人で、『その他』が2人だった。」、と伝えた。

琉球新報は、「海兵隊を巡っては、県議会が在沖米海兵隊の撤退を初めて盛り込んだ抗議決議と意見書を全会一致で可決するなど、撤退を求める声が高まっている。」、とこの記事をまとめている。
安倍晋三政権は、「『現状を維持するべきだ』の回答はなかった。」、との声の重みを正確に受け止めなけねばならない。


以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-01 17:12 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(29)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(29)を考える。
 第29回目は、「沖縄振興は基地の『見返りで莫大』なのか」について。
 今回の沖縄タイムスは、「基地の見返りに沖縄が膨大な予算を得ている-。こんな言説が広がっている。本当なのか。」、こんな問いかけで始まった。
 例えば、それは、「『沖縄は戦後、予算漬けだ』。2015年6月25日、自民党本部。作家の百田尚樹氏を招いた勉強会で、自民の若手国会議員はこう批判した。」、「『日本政府も、事実上は基地の存続とひきかえに、莫大(ばくだい)な振興資金を沖縄県に支出』している。帝国書院は社会科の教科書にこんな記述も載せ、訂正した。」、という類である。
 この問いについて、沖縄タイムスはこう説明する。


①「沖縄に予算を拠出しているのは、内閣府沖縄担当部局(旧沖縄開発庁)だ。」
②「1972年の本土復帰に伴い、戦後27年間の米軍統治下で社会資本整備が遅れたなどの『特殊事情』に配慮し、格差是正のため立法された沖縄振興開発特別措置法が、予算措置の根拠となった。法律には米軍基地があることが理由とは、一言も書かれていない。                ③「公共事業で高率補助(最大95%)の特例措置はあるが、沖縄だけに別枠で予算を措置しているわけではない。特例的な予算は沖縄振興一括交付金だが、基本的な特徴は予算使途の自由度を高めていることで、予算総額は一括交付金の導入前とほぼ変わっていない。               ④「本土との格差が縮小した近年は、沖縄振興の性格付けも変化している。政府は2012年5月、沖縄振興基本方針を策定し、序文にこう記した。『沖縄の持つ潜在力を存分に引き出すことが、日本再生の原動力にもなり得る』
⑤「沖縄経済の活性化が日本の経済成長を支えるエンジンになる-というのが振興の理由であり、ここにも『基地の見返り』という発想は見当たらない。」


 沖縄タイムスは、今とは違うかっての「償いの心」についても説明する。


①「県民への『償いの心』をもって、事に当たるべきである」。復帰前年の1971年。第67回臨時国会(通称・沖縄国会)で、沖縄開発庁初代長官の山中貞則衆院議員は、沖縄関係法案の趣旨をこんなふうに説明した。沖縄戦から復帰までに県民が歩んだ苦難の道のりに思いをはせ、沖縄振興に当たる-。これが戦中派議員の原点だった。
②「「おれは沖縄に行けないんだ。県民に申し訳なくてな…」。翁長雄志知事は後藤田正晴元官房長官から、こんな心情を吐露されたことがある。
③「山中氏、後藤田氏に加え、普天間飛行場の返還を決断した橋本龍太郎元首相と、橋本氏を支えた梶山静六元官房長官。沖縄サミットを決断した小渕恵三元首相。『償いの心』を持つ議員は次々と鬼籍に入った。


 このことについて、「基地問題の戦後史に詳しい沖縄国際大学の前泊博盛教授は、こうした経緯を踏まえて指摘する。『安倍晋三首相、菅義偉官房長官ら現政権の幹部は【償いの心】どころか、沖縄への愛情のかけらもない。戦中・戦後からの歴史認識が決定的に欠如している』」、と厳しく指摘する。


 沖縄タイムスは、この問いに真正面から答える。
 まずは、「沖縄は他の都道府県に比べ、国からの財政配分で優遇されているのか。」、ということについて次のように答える。

①「県の2014年度決算の歳入をみると、総額7385億8775万円のうち、自主的に徴収でき、使い道が限定されない地方税収入は1118億9535万円だった。歳入全体に占める割合は15・1%で、全国平均の26・8%を下回る。全国平均を100として人口1人当たりの税収額を都道府県別に比べると、沖縄は65・1で全国最小。最大の東京都166・5と約2・6倍の格差がある。」
②「こうした税収差があっても、自治体が全国で一定水準の行政サービスを提供できるように国が支出するのが地方交付税だ。県の資料によると、13年度決算ベースで県の地方交付税は3593億円。多くの復興予算が投じられた岩手、宮城、福島の3県をのぞく都道府県で15位となる。
③「国からは他に、生活保護や公共事業など使い道が決められている国庫支出金も交付される。沖縄関係予算の一部を含めた国庫支出金は3737億円で全国11位。地方交付税と国庫支出金を合わせると7330億円で、全国14位だ。人口1人当たりに換算すると51万8千円で全国6位となる。1位の島根県は69万3千円、2位高知県は64万円、3位鳥取県は57万5千円で、国の予算が沖縄だけに過分に配分されているわけではないことが分かる。一方、国税として国に納めた額は、人口1人当たり19万1千円で全国30位。沖縄への予算配分と国税収納額の全国順をみても、沖縄がバランスを欠いて必要以上に優遇されているとはいえない。


 次は、「沖縄関係予算、一括計上で誤解」、ということについて。

①「沖縄関係予算は、国から県への補助金や那覇空港の第2滑走路整備などの国直轄事業の総額で、年末に次年度の額が決まる。他の都道府県分の予算は各省庁の予算に組み込まれるが、沖縄関係予算は内閣府が一括計上するため、全体を把握しやすい。一方で、他と同じように予算をもらった上で、さらに沖縄分を上乗せしているといった誤解を招くことがある。
②「沖縄振興特別措置法(沖振法)で予算の配分方法や高率補助などを定めている。2016年度の総額は約3350億円。そのうち、自主的な選択に基づいて事業を実施できる「沖縄振興一括交付金」に1613億円、社会資本の整備、学校施設の耐震化など公共事業関係費として1423億円を計上した。
③他の都道府県の場合、国土交通省や農林水産省などに要請し、各省庁が全体の予算を財務省に要望。その中から各都道府県に「個所付け(予算配分)」するのが特徴で、総額は公表されない。これに対し、沖縄の場合、内閣府に沖縄の予算を担当する部局があり、沖縄分の予算をまとめて一括計上する。
④「沖振法は本土との格差是正、沖縄の経済的自立が当初の目的で、『基地の見返りの振興策』という見方は当てはまらない。」


 最後に、「日本のフロントランナー」、ということについて。


①「安倍晋三首相が議長を務める経済財政諮問会議は2013年の経済政策の指針『骨太の方針』で初めて沖縄を取り上げ、『日本のフロントランナーとして21世紀の成長モデルとなり、日本経済活性化のけん引力となるよう国家戦略として沖縄振興策を総合的、積極的に推進する』と明記した。
 民主党政権だった前年5月策定の「沖縄振興基本方針」の序文で「沖縄の持つ潜在力を存分に引き出すことが、日本再生の原動力になり得る」と示しており、安倍政権でも踏襲したことになる。
②「日本とアジアの中心に位置する沖縄の地理的優位性や増加する県内人口、外国からの観光客や投資の伸びなど、沖縄がポテンシャル(潜在性)を生かし、経済発展することで日本経済の再生につながるという考え方で、県の目指す方向と重なる。
③「沖縄振興開発特別措置法は1972年5月15日の日本復帰に伴い、沖縄戦や米施政権下での遅れを取り戻し、本土との格差是正を実現することを目的にスタートした。また、国土面積の0・6%の沖縄に在日米軍専用施設面積の約74%が集中する特殊事情も考慮する内容だった。10年単位で延長、再延長を重ね、2002年4月、従来の名称から『開発』という言葉が消え、『沖縄振興特別措置法』に変わった。インフラ整備からソフト施策重視への転換を打ち出した。さらに10年以上をへて、沖縄関係予算は米軍基地の見返りではなく、『日本経済をけん引するためだ』という考えを県と政府は共有している。


 あらためて、私たちがきちんと把握する必要があるのは、「沖縄関係予算は米軍基地の見返りではなく、『日本経済をけん引するためだ』という考えを県と政府は共有している。」、ということである。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-01 05:52 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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