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あじさいに。

田染荘のたたずまいに、いつかは尋ねてみたいと考えてきました。
その里山と農村の姿は、すでに山間の地を住処としている者にとっても、魅力的に映るものでした。
恐らく、大勢の人が訪れるだろうという田染荘の一大行事である「御田植え祭」の前の日を選んで、訪れてみました。
ただ、残念ながら、思うような画は取れませんでした。
でも、明日の準備をしていた地元の若者が教えてくれた朝日・夕日観音の展望台からの眺めは、また違う日にという気持ちにさせました。
特に、穴井戸観音は、必見の価値十分でした。

そんな旅となりましたが、あじさいに出会いました。
田染荘小崎と長崎鼻で。


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田染荘小崎のあじさいは、地域の雰囲気に溶け込んだ、野性味と人の手が上手にはいった素敵な空間になっていました。
もう一つのあじさいは、長崎鼻の人の手で管理された魅せるあじさいでした。


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by asyagi-df-2014 | 2016-06-13 06:01 | 写真を | Comments(0)

沖縄-元米軍人団体、「沖縄県民女性に対する犯罪に関する声明」で、日米両政府が繰り返す「再発防止」が政治的パフォーマンスに過ぎず説得力がないと批判。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月9日、「元軍人らでつくる『ベテランズ・フォー・ピース』(VFP)琉球・沖縄支部など2団体は9日、県庁で記者会見を開き、元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受け、『沖縄県民女性に対する犯罪に関する声明』を発表した。」、と報じた。
 また、この声明について、「声明文では、日米両政府が繰り返す『再発防止』」が政治的パフォーマンスに過ぎず説得力がないと批判。また、軍人は良き隣人であるのと同時に軍人として『効果的な殺人者』となるよう教育される矛盾を抱えているとし、日ごろから非公式に演習場や酒場で『命や女性を軽視する考えが軍曹から伝えられている』と指摘した。」、と伝えた。
 さらに、ダグラス・ラミスさんの「容疑者は軍曹であり、軍人教育の役割を担っていた。この事件は命や女性を軽視する教育の結果」との非難の声を報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-12 20:06 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-オスプレイなど10機の航空機が離着陸。午後10時超えの運用は3日連続。進入路付近の宜野湾区公民館で午後10時42分ごろ最大87・3デシベル。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月12日、「米軍普天間飛行場では8日、日米の航空機騒音防止措置で飛行が制限されている午後10時以降、オスプレイなど延べ10機の航空機が離着陸した。午後10時超えの運用は3日連続、多数の航空機による離着陸は2夜連続。宜野湾市には同日夜だけで4件の苦情が寄せられた。」、「同日の離着陸は午後10時46分ごろまで続き、県などの航空機騒音測定によると着陸スポットに近い普天間中学校で同時刻ごろゲームセンター店内に相当する最大88・5デシベル、進入路付近の宜野湾区公民館で午後10時42分ごろ最大87・3デシベルなど広範囲で激しい騒音が記録された。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-12 08:46 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-元米兵再逮捕。沖縄の怒りを考える。

 元米兵は20165年6月9日、殺人と強姦致死の両容疑で再逮捕された。
 沖縄の怒りは、一つには、5日の県議会議員選挙で示されたことになる。
 ただ、沖縄の怒りの質が、果たして共有されているのだろうか。
 あらためて、沖縄タイムスと琉球新報の2016年6月10日付けの社説で、このことを考える。
両社の社説の内容の要約は次のとおりである。


(1)怒りの事実
①既に伝わっていた部分もあるが、改めて事件の内容が分かると、女性の人権を踏みにじる、むごたらしい犯罪に、悲しみと怒りがこみ上げてくる。基地あるが故の事件・事故が繰り返されてきた沖縄においても、極めて凶悪な事件である。(沖縄タイムス)


(2)主張
①米軍基地内で日本の警察が捜査権を十分に行使できない異常事態を放置する政府の姿勢は、主権国家として許されない。日米地位協定の改定に直ちに取り組むべきだ。(琉球新報)
②米軍基地を治外法権のように規定し、米軍人・軍属の特権を認める日米地位協定が基地に絡んだ犯罪の元凶であることは誰の目にも明らかだ。しかし、今回の事件でも日本政府は日米地位協定の改定を米側に求めず、運用改善で幕引きを図ろうとしている。
 政府の対米従属姿勢はここに極まっている。新基地建設問題では「抑止力維持」を名目に辺野古移設に拘泥する一方で、県民の生命に関わる日米地位協定の欠陥には手を付けようとはしない。これでは国民の安全を守るべき責務を政府は放棄していると断じざるを得ない。
 事件に抗議して、那覇市で開かれる19日の県民大会は日米地位協定の抜本的改定を要求することになろう。主権国家を標榜(ひょうぼう)するならば、政府は県民の要求を受け止め、実行に移すべきだ。(琉球新報)
③今回の事件に対する県民の怒りは、全県的に広がっている。県議会が5月26日に抗議決議と意見書を可決したのに加え、県内41市町村の全議会が事件への抗議決議を可決する見通しとなった。議会決議は住民意思の表明である。既に決議したほとんどの議会が綱紀粛正や再発防止策の策定に加え、「日米地位協定の抜本的な見直し」を盛り込んでいる。「全基地閉鎖撤去」や「海兵隊の撤退」など、強い要求を入れた議会もある。綱紀粛正では、もはや根本的な解決にならないと受け止められている証しである。(沖縄タイムス)
④在沖米軍は5月27日、県内に住む軍人・軍属やその家族に、基地の外での飲酒を禁じ、午前0時までの帰宅を義務づけると発表した。「喪に服するため」の1カ月間の措置だとした。ところが6月4日、米軍嘉手納基地所属の米海軍2等兵曹の女が酒に酔った状態で車を運転し、国道58号を逆走して軽乗用車と衝突する事故を起こした。2人にけがを負わせた。在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官が会見で述べた「沖縄の人たちと共に喪に服し、悲しみを分かち合う」ことすら、徹底させるのは不可能なのだと露呈した。(沖縄タイムス)
⑤日本政府も、防犯パトロール隊の創設や警察官100人の増員、パトカー20台増車、防犯灯の設置などの対策をまとめた。一般的な犯罪抑止対策にはなりそうだ。だが、日米地位協定によって保護・優遇され、それが占領者意識を持つ素地となっている軍人・軍属に、実効性ある対策かどうかは疑わしい。(沖縄タイムス)
⑥翁長雄志知事は、再逮捕を受けて「繰り返される事件・事故に県民の怒りは限界を超えつつある」とするコメントを発表した。米軍人・軍属による事件の抜本的な解決を図るため、日米両政府に日米地位協定の見直し、米軍基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減も改めて求めた。19日には、那覇市内で大規模な県民大会も予定されている。一人でも多くの人が参加し、両政府に沖縄の意思を示すときである。(沖縄タイムス)


 沖縄の怒りの根源は、第一に、綱紀粛正ではもはや解決にならないとの判断から、議会決議に「全基地閉鎖撤去」や「海兵隊の撤退」など、強い要求を入れた議会も出てきたように、沖縄の米軍基地の根本的な解決を求めるのが、沖縄の民意となっていること、第二に、この事件そのものが、「基地あるが故の事件・事故が繰り返されてきた沖縄においても、極めて凶悪な事件である」、ことにある。
 安倍晋三政権は、「主権国家を標榜するならば、政府は県民の要求を受け止め、実行に移すべきだ。」(琉球新報)、との提起を肝に命じるべきだ。


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-12 05:45 | 沖縄から | Comments(0)

集団的自衛権-自衛隊派遣のリスク

 新外交イニシアティブは、そのブログで、2016年5月20日に開催した今井高樹氏(日本国際ボランティアセンター(JVC)スーダン駐在スタッフ現地代表)の講演の様子を報告した。
この講演内容(「自衛隊派遣のリスクを考える―南スーダン現地からの報告―」)は、非常に重要であるので、要約の要約ということになるが、掲載する。


(1)南スーダン
1956年にイギリスの植民地から独立したスーダンでは、北部「アラブ」系の支配層と南部の非アラブ系民族の間で、第一次(1955~1972年)・第二次(1983~2005年)あわせて半世紀に及ぶ内戦が続いた。2005年に南北包括和平協定が結ばれ、2011年の住民投票によって南スーダンが分離独立したが、2013年7月、サルバ・キール大統領がリエック・マチャール副大統領を含む全閣僚を解任。同年12月15日、ジュバの政府軍内部での衝突を契機に、各地で激しい戦闘が繰り広げられた。その後、ディンカ族を中心とする政府軍SPLA(大統領派)と、ヌエル族を中心とする反政府軍SPLA-IO(前副大統領派)による対立が続いた。

(2)南スーダンの状況
①現在は大規模な衝突が起きているわけではないものの、昼夜ともに銃を用いた襲撃、強盗や強姦が行われ、日本人は長期滞在できない状態になっており、滞在も首都ジュバに限られている。私は2007年から3年間、JVCの駐在員として独立前の南スーダン(当時はスーダンの一部)で暮らしていたが、2013年12月以降治安や経済状況は著しく悪化。通貨価値は6分の1に低下し、外貨がないため輸入もできず、ガソリンや食料品は闇マーケットでの高価な取引に限られている。今年の国連の報告によると国内(170万人)・国外(70万人)あわせておよそ240万人が避難民となっており、農業を営めないことによる食糧不足も深刻化し、同報告では約280万人が飢餓状態に陥っているという。
②2015年8月、両勢力の間で和平合意が結ばれるが、現政府(大統領側)が2015年10月に独自に決定したディンカ族に有利な線引きによる州数(10州から28州へ)の変更(「28州問題」)等により協議は難航。今年4月29日、統一政府が樹立されマチャール氏が副大統領に再任し、閣僚(総数30)の配分もSPLM(大統領派)53%(16)、SPLM-IO(反政府派)33%(10)、SPLM-FD(中立派) 7%(2)、その他諸政党2%(2)と合意に沿ったものとなった一方、政府軍・反政府軍の統合の問題や「28州問題」が今後新たな紛争の火種になりかねないとみている。

(3)国連PKOの状況
①国連PKOに関しては、南北スーダンの和平プロセスを支援するUNMIS(United Nations Mission in Sudan)が2011年の南スーダン独立に伴い任務を終了し、国家建設の支援にあたるUNMISS (United Nations Mission in South Sudan) が設立された。このUNMISSは2013年12月以降、市民保護に重点が置かれ、主に国内避難民約18万人を各地で保護する国連のキャンプ(PoC(Protection of Civilians))の警護や人道支援関係者の保護を行っていたが、2015年8月の和平合意後、「国連安保理決議2252(2015年12月15日)」により、「人権に関する監視・調査」、「人道支援のための条件整備・後方支援(治安情報提供・武装警護等)」、「和平合意の履行支援(統一政府樹立に向けた行政支援・停戦監視メカニズムの支援・治安部隊の統合への支援など)」などの任務が加えられた。
②PKO側に対しても、国連ヘリの撃墜、国連車両やPKO駐屯地、避難民収容施設への襲撃などが起きており、2013年12月以降41名の犠牲者が出ている。ただし襲撃者は政府軍・反政府軍の他に民兵や暴徒もいるため、「武装グループ」が誰なのか明らかでない場合も多く、不用意に反撃をすると住民を巻き込む危険性やPKO部隊への反感を呼び起こす恐れがある。PKOは部隊が「紛争」の当事者とならないよう戦闘に巻き込まれることを避けており、今年2月に国連難民キャンプが襲撃された際も、威嚇射撃、催涙弾での対応に留めたという。現在PKO部隊は、いわゆる「駆け付け警護」に相当するような救出作戦も展開しておらず、基本的には交渉による解決を図っている。そのため、現地情勢の把握や当事者との信頼醸成が重要な能力となる。

(4)自衛隊の任務としての「駆け付け警護」や「安全確保業務」、「宿営地の(他国軍との)共同防衛」について
①このような現地の状況があるため、この度のPKO法の改定で自衛隊の任務に加わった「駆け付け警護」や「安全確保業務」、「宿営地の(他国軍との)共同防衛」に対し、外国のNGOは「奇妙な発想」とみており、日本の大半のNGOも「迷惑」「困る」という認識である。もし自衛隊が襲撃に対して軍事的な介入を行っていけば、政治的・軍事的に中立な技術立国としての信頼が損なわれるばかりでなく、「武装グループ」や住民の反感が高まることで攻撃の対象になる危険性や、「日本」への敵対感情を生み出すことにもつながりかねない。
②自衛隊は、武力介入を行わないという中立な立場によって築かれた信頼関係を活かし、武力衝突が繰り返されないよう、政府・警察官に対する人権についての研修、行政機構や法律の整備の指導、教育支援や復興支援等、いた非軍事面での重要な役割を果たせると考える。


 以下、新外交イニシアティブの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-11 04:56 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件に対して、沖縄県議会と沖縄県内の41市町村の全議会が、抗議決議を可決する見通し。

 このことについて、沖縄タイムスは2016年6月8日、「元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、7日までに沖縄県議会と35市町村の議会が抗議や意見書を可決した。残る6町村も今月中に決議する予定で、県議会と県内の41市町村の全議会が事件に対する抗議決議や可決する見通しになった。沖縄タイムスのまとめで分かった。県議会と全市町村議会が同じ案件で抗議決議すれば、2012年のオスプレイ配備反対以来、4年ぶりとなる。」、と報じた。
 また、「今回の事件を巡っては、県市長会、県市議会議長会、県町村会、県町村議会議長会の行政・議会4団体もすでに抗議決議し、抗議行動などをしている。一連の決議は5月20日の石垣市議会を皮切りに、全県に広がった。5月中に27議会が決議し、6月も県議選の投開票を挟んで8議会が可決した。まだ決議していないのは渡嘉敷、座間味、南大東、多良間、竹富、与那国の6町村だが、いずれも今月中に開く6月定例会で審議され、可決される見通しとなっている。」、と続けた。
 その抗議決議の内容についても、「これまでに抗議決議したほとんどの議会が、綱紀粛正や再発防止策の策定に加えて『日米地位協定の抜本的な見直し』を盛り込んでいる。また、大半が米軍基地の整理・縮小や海兵隊の削減、辺野古新基地建設の断念など、基地負担の軽減を訴えている。中城村議会は地位協定の見直しだけでは根本的な解決にならないと判断し、決議文に地位協定を入れる代わりに『全基地閉鎖撤去』を決議した。北中城村議会も全基地撤去を要求し、西原町議会は海兵隊の大幅削減を盛り込んでいる。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-10 14:00 | 沖縄から | Comments(0)

アベノミクス大失敗。

 東洋経済ONNLINEの中原圭介未来予想図(2016年5月31日付け)は、「『アベノミクスは大失敗』と言える4つの根拠 今すぐ総括を行い経済政策を修正すべきだ」、との見出しとなった。
 このことを考える。
 ちょっと長くなるが、要約する。

 中原は、まず、「私はこれまで3年以上、この連載コラムやブログ、書籍などを通して、『大規模な金融緩和を主軸にした経済政策は間違いなく失敗するだろう』と、できるだけ論理的に申し上げてきたつもりです。」、とし、その主な理由を下記の四点として指摘する。


(1)円安により企業収益が増えたとしても、実質賃金が下がるため国内の消費は冷え込   んでしまう。
(2)大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といった具合に、格差拡大が重層的に進ん   でしまう。
(3)米国を除いて世界経済が芳しくない見通しにあるので、円安だけでは輸出は思うよ   うに増えない。
(4)労働分配率の見地から判断すると、トリクルダウンなどという現象は起きるはずが   ない。


 この上で、アベノミクス大失敗について次のように展開する。
まずは、「金融緩和に依存しすぎた政策の末路」と評して、上記の(1)について、次のように説明する。


①「円安を追い風にして企業収益が拡大したにもかかわらず、安倍政権が期待していたようにGDPがなかなか増えていない原因は、円安により企業収益が増えた分だけ、輸入インフレにより家計の可処分所得が減ってしまっているからです。その結果として、実質賃金の持続的な下落が進んでしまい、GDPの6割超を占める個人消費が大幅に落ち込んでしまっているのです。」
②「実質賃金の推移を振り返ると、民主党政権下の2010年が1.3%増、2011年が0.1%増、2012年が0.9%減となり、3年間の累計では0.5%増となっています。これに対して、安倍政権下の2013年が0.9%減、2014年が2.8%減、2015年が0.9%減となり、3年間の累計では4.6%も減少してしまっているのです。要するに、2012年~2015年の実質賃金の下落率は、リーマン・ショックの前後の期間を凌駕していたというわけです。」


 続いて、(2)について、次のように説明する。つまり、それは、「統計には最も弱い層の実態が反映されていない」、と。


①「私は地方に仕事に行くたびに、その地方の景況感をいろいろな立場の方々にお伺いしているのですが、すでに2013年後半の段階では、大企業に勤める人々は『円安により景気は少しずつ良くなっている』と前向きな意見が多かったのに対して、中小零細企業に勤める人々は『まったく景気は良くなっていない』とあきらめてしまっていました。」
②「さまざまなシンクタンクの調査では、上場企業などの大企業では円安が増益要因になる一方で、中小零細企業などの非上場企業では円安が減益要因になってしまうことが明らかになっています。大半の中小零細企業の声としては、とりわけ2014年に進んだ輸入インフレからのコスト増によって、とても賃上げができるような状況にはなかったのです。無理をしてでも賃上げをする企業のなかには、大都市圏の公共事業に社員を奪われてしまうという危機感から収益悪化もやむをえなかったと考えている企業が少なくありません。」
③「それと併行するように2013年以降、大都市圏と地方の労働者のあいだでは、実質賃金に大きな開きが生じてしまいました。大都市圏の多くでは実質賃金がプラスになったのに対して、地方の大半では実質賃金が大幅に落ち込み、県単位では優に5%超の下落をしているところが珍しくなかったのです。まさに、大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といったように、格差拡大が重層的に進んでしまっているというわけです。」
④「端的にいうと、最も経済的な苦境にある零細企業の実態が、実質賃金の調査には反映されていないのです。実のところ、経済統計には最も経済的に弱い層の調査が反映されていないという問題があります。その意味では、実質賃金にしても平均給与所得にしても、数字が示しているよりも実態は明らかに悪いと考えるのが妥当であると思われます。」


 続けて、(3)について、次のように指摘する。


①「私はこの「Jカーブ効果」の理論に対して、企業経営の現場を無視した机上の空論であるということを訴え続けてきました。厳しい円高の時であっても、日本企業の多くは海外市場でシェアを失わないようにするために、収益の悪化を覚悟してでも海外での値上げを行わないで辛抱してきたからです。ですから、企業の経営者はたとえ大幅な円安になったとしても、円安が進んだ割合に応じて値下げはしないというのは当然の行動だったのです。」
②「実際にも、円安が20%や30%進んだケースでも、価格を5%や10%しか引き下げないという事例が次々と明らかになりました。日本企業が海外での収益力を飛躍的に高めることができたのは、過去の円安の局面とは異なり、海外での販売価格の引き下げを抑えるようになったからだと断言できるでしょう。ただでさえ、世界経済は2005年~2007年の高成長の時期と比べると、2013年の時点で欧州や新興国を中心に停滞気味であったので、よりいっそう輸出数量が増えない状況をつくりだすこととなったのです。」


 最後に、(4)について。また、「物価は経済が成長する結果、上がるもの」、と反論する。


(1)「アベノミクスが目指したトリクルダウンの理論では、円安で収益が上がる大企業が賃上げや設備投資に動くことで、中小零細企業や地方にも利益がしたたり落ちてくるはずでした。しかしながら、この理論はあまりにも経済の本質を逸脱したひどいものでした。中小零細企業ではすでに労働分配率が非常に高く、最初から賃金を引き上げるのは困難であったからです。」
(2)「大企業の製造業がいちばん労働生産性は高く、中小零細企業の非製造業がいちばん低くなるわけですが、大雑把に言って、大企業の製造業は労働生産性が1500万円程度であるのに対して、中小零細企業の非製造業はその3分の1の500万円程度にしかなりません。ところが、中小零細企業全体の労働分配率は優に7割を超え、大企業の5割程度よりもずっと高くなっているのです。中小零細企業のコストの大部分が人件費なのですから、労働生産性が引き上げられない限り、賃金の引き上げも難しいといわざるをえないでしょう。」
③「トリクルダウンの理論を生みだした本家本元の米国であっても、アベノミクスが始まる以前から、富裕層から庶民へと富がしたたり落ちているという事実はまったくなく、トリクルダウンは幻想にすぎないことが明らかになっていました。インフレと株高で潤ってきたのは、富裕層と大企業だけであり、いまでも格差の拡大は止まっていないのです。その結果として、米国の大統領予備選において、泡沫候補といわれたトランプ氏やサンダース氏が旋風を巻き起こしているというわけなのです。」

④「以上で述べてきましたように、いくつもの単純な誤りに最初から気づくことができずに、日本で浅はかな経済実験が行われてしまったのは、ポール・クルーグマン氏の『インフレ期待』なる理論が『原因』と『結果』を完全に取り違えているにもかかわらず、リフレ派の学者たちが安倍首相にその理論を信じ込ませてしまったからです。なぜ『原因』と『結果』がひっくり返ってしまうのかというと、経済学のなかに非科学的な思想あるいは宗教的な思想が入り込んでしまっているからなのではないでしょうか。」
⑤「経済の本質からすれば、『物価が上がることによって、景気が良くなったり、生活が豊かになったりする』のではありません。『経済が成長する結果として、物価が上がる』というものでなければならないのです。経済学の世界では、『鶏が先か、卵が先か』の議論が成り立ってしまうことがありますが、実際の経済は決してそのようには動いていかないものです。経済にとって本当に重要なのは、『どちらが先になるのか』ということなのです。」
⑥「科学の世界では、決して『原因』と『結果』がひっくり返ることはありません。経済学の世界で『物価が上がれば、経済が良くなる』などと主張している学者たちは、私から見ると、科学の世界で『熱は冷たい場所から熱い場所に移っていく』といっているのと同じようなものなのです。キリスト教の権威が支配する中世時代の欧州では、神の権威によって科学の発展が著しく妨げられていましたが、『インフレになると人々が信じれば、実際にインフレになる』というインフレ期待は、まさしく宗教そのものに思えてしまうわけです。」


 中原は、最後に次のようにまとめる。


①「リフレ派の経済学者たちは2014年4月の消費増税がアベノミクスの足かせとなったとして、決して自説を変えようとはせず、責任を回避するのに必死であるようです。しかし現実には、消費税を増税する前にすでに実質賃金が大きく下落していたという事実があります。『消費増税による物価上昇率は2.0%である』という日銀の試算が正しいと仮定したとしても(本当は1.0%台半ばが妥当だと考えられますが)、2013年~2015年の実質賃金の下落幅4.6%のうち、2.6%が輸入インフレによるもの、2.0%が消費増税によるものだと簡単に因数分解ができてしまうというわけです。」
②「私は民主党政権の時代から一貫して、『日本は地道に成長戦略を進めていきながら、米国の景気回復と世界的なエネルギー価格の下落を待つべきである』と主張してきました。『辛抱しながら3年~5年くらい成長戦略を進めていくうちに、米国の景気回復と世界的なエネルギー価格の下落によって、日本人の実質賃金は上がり、人々の暮らし向きも良くなるだろう』と予想していたからです。ところがアベノミクスによって、日本人の生活は何もしなかったよりもさらに悪くなってしまいました。


 アベノミクスは大失敗の最大の問題は、中原の言う「日本人の生活は何もしなかったよりもさらに悪くなってしまいました。」、ということにある。
 確かに、中原の4つの理由は、アベノミクスの結末を言い当てている。


 以下、東洋経済 中原圭介の未来予想図引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-10 06:08 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-沖縄県警は、元米海兵隊員の軍属の容疑者を、殺人と強姦致死容疑で再逮捕。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月9日、「元米海兵隊員の軍属による女性遺体遺棄事件で沖縄県警特別捜査本部は9日午後1時25分、死体遺棄容疑で逮捕した容疑者(32)を殺人と強姦致死の両容疑で再逮捕した。捜査本部によると、容疑者は4月28日夜、うるま市塩屋の路上で歩行中の女性に対し、殺意を持って棒で頭部を殴り、乱暴を目的に草地に連れ込んで、刃物で刺すなどしたが、乱暴目的を遂げず女性を殺害した疑い。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-09 20:25 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-ちょっと気になる石垣市の事情。

 沖縄タイムスが伝えた次の記事は、沖縄の民意のすごさを感じさせるものであった。


「県高野連の又吉忠理事長は沖縄タイムスの取材に『同じ日に多くの人が集まる二つの大会を行うのは実務的に厳しいだろう』と説明。事件について『あってはならない事件。県民として(被害者が)自分の娘だったらなどと想像すると(県民大会で抗議する)思いは皆同じだ』と話した。」


 このことに関して、石垣市議会が、「全国高校野球選手権沖縄大会1回戦を当初の予定通り沖縄セルラースタジアム那覇で行えるよう、19日の米軍属の事件に抗議する県民大会会場(奥武山陸上競技場)の変更を求める要請決議案を与党の賛成多数で採択した。」、と沖縄タイムスは報じた。このこと自体は、冷静に受け取るべきものである。
 ところが、沖縄タイムスは2016年6月8日、「『球児のため』の決議が日付間違い 頭抱える石垣市議会」、と伝えた。それは、「大会初日を『19日』と誤認。市内3高校など離島高の初戦は『18日』で、事務局は『大きな思い違い。現時点で送付はできない』と頭を抱えている。」、というレベルのものであった。
 沖縄タイムスは、この決議採択の事情を、「議員提出議案で、採決は自民や公明など保守系で占める与党13人が賛成し、野党・中立の7人が反対。公明の1人は退席した。野党市議は『関係者や父母から正式な要請もなく、全県民が怒り心頭の中で開く大会に水を差す提案はおかしい』と批判。退席した与党市議は『野球関係者や球児にも影響が出る。政治的思惑を交えるべきではない』と指摘した。」、伝えている。


 石垣市のこうした事情は、何を意味しているのであろうか。
 「政治的思惑を交えるべきではない」と指摘する側の「政治的思惑」やそのための稚拙な手法が、透けて見えるようでは困る。
 日本・沖縄は、大事な時を迎えている。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-09 17:14 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟の控訴審で、元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏が、「過小評価の可能性がある」とする陳述書を提出。

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟の控訴審に関して、東京新聞は2016年6月8日、「関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟の控訴審で、元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授(70)が名古屋高裁金沢支部に、関電が基準地震動の策定に用いた方法に『過小評価の可能性がある』とする陳述書を提出したことが分かった。住民側の弁護団が明らかにした。」、と報じた。
 この陳述書の内容について、「陳述書では、活断層の長さから地震の大きさを予測する場合に過小評価となる可能性を指摘した二〇一五年の学会発表に言及。関電が行った断層の想定や計算式も『過小評価の可能性は変わらない』とした。」、伝えた。
 また、このことについての関西電力の反応について、「関電は七日、『地震動を評価する手法の一部だけを取り上げるのは適切ではなく、島崎氏の陳述書を踏まえても過小評価ではないとの考えは変わらない』」とのコメントを出した。」、と報じた。


 以下、東京新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-09 12:06 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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