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沖縄-「国地方係争処理委員会」の審議結果を考える。(2)

 辺野古新基地建設に関しての沖縄県と国との紛争における審査申立事件について、「国地方係争処理委員会」(以下、「係争委」とする)は、2016年6月17日に、結論を出した。
 このことについては、2016年6月18日付けの沖縄タイムス及び琉球新報の社説を紹介した。
 今回は、澤藤統一郎さん(以下、澤藤とする)のブログを基に考える。


澤藤は、「これは、国地方係争処理委員会の『味な大岡裁き』ではないか。」、と今回の審議結果を評する。
澤藤は、今回の結論を法的に説明する。


「本件指示が違法でも不当でもない場合には、その旨を通知し公表し、 本件指示が違法あるいは不当な場合は、必要な勧告をする、というのだ。違法・不当について判断しないという選択肢は、明記されていない。にもかかわらず、委員会は、敢えて「本件指示の違法・不当について判断しない」とする結論を出した。」


 このことをどのように解釈するかということだ。
まず、「係争委」委員長の次のインタビューを紹介する。


「小早川光郎委員長は、記者会見で『国地方係争処理委員会の制度は、国の関与の適否を委員が判断して当事者に伝えることで、国と地方の対立を適正に解決するという趣旨の制度だ。今回のケースでは、そうした対応をしても、決して両当事者にとってプラスになるわけではない。法律の規定に明文化されていない答えを出すときに、それしか有益な対応がありえない場合は、非常に例外的な措置だが、法解釈上はあるのだろうと考えて、きょうのような決定をした』と述べました。」


 この上で、澤藤は、このことの意味を、次のように説明する。


「本件指示が違法でも不当でもない場合には、その旨を通知し公表し、 本件指示が違法あるいは不当な場合は、必要な勧告をする、というのだ。違法・不当について判断しないという選択肢は、明記されていない。にもかかわらず、委員会は、敢えて『本件指示の違法・不当について判断しない』とする結論を出した。」


 だから、澤藤は、「係争委はなかなか味なことをした、というのが私の感想。大岡裁きの味、である。」、とする。
 澤藤は、こうも続ける。


「第三者委員会とは言いながらも、国に不利な結論は出しがたい。さりとて、法理や世論を無視することもできない。違法・不当についての判断を控えて、真摯な協議を尽くせというのは、ぎりぎり可能な良心的対応というべきではないか。これが情に適った大人の智恵としての判断なのかも知れない。」


 結局、今回の「係争委」の結論について、「係争委は、消極的に本件指示の違法性を判断しないというだけでなく、より積極的に『普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて双方が真摯に協議を尽くすべき』だとしているのだから、県の対応に理があるというべきだろう。」、と澤藤は解釈する。


 澤藤は、今後の展開について、次のように指摘する。
私たちも、この指摘をよく噛み締めて行きたい。


「協議に期限は付されていない。国と県との真摯な協議が続く限り、埋立工事の再開はできない。話し合いの落ち着きどころは、世論の動向次第だ。明日(6月19日)は、『オール沖縄会議』が主催する元米海兵隊員の女性暴行殺害事件に抗議する『県民大集会』が開催される。そして、間もなく参院選となる。その結果が、大きく協議の成りゆきに影響することになるだろう。意外に、この大岡裁きが、沖縄にとって有益にはたらくことになるのではなかろうか。」


 以下、澤藤統一郎の憲法日記の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-26 06:04 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄県は、国へ協議を求める文書を送付。係争委の判断に「不服はない」とし、県から違法確認訴訟を提起しないことを明記。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月25日、「名護市辺野古の新基地建設を巡り、総務省の第三者機関『国地方係争処理委員会』(係争委)が国と県に協議を促す結論を出したことを受け、沖縄県は24日、国へ協議を求める文書を送付した。係争委の判断に『不服はない』とし、県から違法確認訴訟を提起しないことを明記している。」、と報じた。
 このことに関して、沖縄県の考え方について、「県幹部によると、県は文書で係争委の判断に関し『違法とも適法とも判断していない』と指摘。係争委の結論に従い、協議を国へ促している。代執行訴訟で合意した和解条項では係争委の結論に不服があれば県は1週間以内に提訴できるとしている。28日がその期限で、県は国側に県の意思を明確に示す必要があるとして文書を送った。」、と伝えた。
 また、国の考え方について、「菅義偉官房長官は会見で、埋め立て承認取り消しに対する国の是正措置の適否を判断しなかった係争委の判断を受け、『国の是正措置は違法と判断していない』と主張。県は係争委の判断を不服として1週間以内に提訴すべきとの考えを示している。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-25 12:03 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第52回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。




 今回の報告は、三上さんの思いをつなぎます
 まずは、「6・19沖縄県民大会」での稲嶺名護市長の「『風かたか』になれなかった」とのスピーチでの「風ゆたか」の意味について。
この言葉について、三上さんはこのように語る。


「親の愚かさだろうか。夏は団扇で手がしびれるほど風を送り続け、寒い日は体温で温めて幼子を守り抜いたその習いで、二十歳を超えた私の放蕩息子に対してでさえ、大きな波が来るならせめて防波堤にでもなりたいと思う。それが母の性だ。太陽と月と、天の神やご先祖さま、得られる恵みはすべて受けて、立派な人間になってほしい、花を咲かせてほしいと願うのは、万国共通の親の思いだろう。そして、できることなら世間の荒波を渡っていく段になっても、わが子の『風よけ』になりたい。この歌詞にたどり着いたとき、沖縄女性の多くが顔を覆っただろう。守ってやれなかった。胸が張り裂けるような痛恨の思いが会場で共有された。」


 しかし、三上さんは、こう綴る。


「人生、楽よりも苦が多いだろう。そして晴れの日より雨風の日が人を強くするかもしれない。しかしその雨風でさえ和らげてあげたいと思う親心を歌ったこの歌の切なさに身を震わせた次の瞬間、こみ上げてくる憤りは、繰り返される米軍の事件・事故・暴力が、人生につきものの『雨風』なのかという強い疑問だ。米軍に占領された27年は言うに及ばず、復帰後の44年の間でさえ、凶悪事件だけで570件余りなのだ。沖縄の大人たちはどれだけ頑張れば弱い者たちの『風よけ』になれるのか?」


 そして、「またも『風かたか』になれなかったと涙ぐむ稲嶺市長の心が、本土の親たちにわかってもらえるだろうか。」、と投げかける。
三上さんの思いは、今回はこれだけでは終わらない。
 「熱中症か? いや、なにか胸騒ぎというか、もどかしさにも似た気持ちが空回りしていた。」、と記す。
それは、「集まって留飲を下げただけとは言われたくない。お題目を連呼してあとは天任せという無責任なことはしたくないという気持ちは、大勢の参加者の中にあったはずだ。そういう大会にするためにはどうしたらよいのか? 6万人あまりのエネルギーをどこに向ければよいのか、開けるべき扉がどこにあるのか、半歩先が示されるような展開を県民大会の中に私は望んでいたのだ。」、ということだった。
 だから、「最後に『海兵隊の撤退』のプラカードを全員で掲げた絵は壮観だった。だがこの時に私は自分の中の重苦しさの正体に気付いた。勢いのある映像の背景には、全面撤退に追い込むために今すぐ動くべきいくつもの提案があるべきだった。それに呼応する会場の熱気が希望になるはずだったが、私は見過したのだろうか。次の行動を示唆するスピーチがあってほしかったし、海兵隊をなくすことが本物の追悼だというなら、それをどう形にするのか、「オール沖縄」としての覚悟や具体案がどんどん飛び出すような場になってほしいという期待が満たされず、目の前の光景とはちぐはぐな印象が自分の中で焦りとなって蓄積していた。」、と。


 三上智恵は、このように想いを吐露する。


「もう、政府や本土へのアピールという目的なら県民大会は虚しいのかもしれない。気持ちを示したら考えてくれるだろう、なんて考えは捨てたほうがいい。」、と。


 三上智恵は、さらに、続ける。


「では、なんのために集まるのか。本当に『最後の県民大会』にするための覚悟を確かめ合い、知恵を出し合い、共有し、作戦を練る場。集まった人たちから勇気をもらい、自分がやるべきことを確認できる集会。まさに県民同士が未来につなげるための県民大会に目的を整理したほうがいいかもしれない。」、と。


 三上智恵は、このようにあるべく姿を映す。


「例えば、会場にいた6万5千人のうち100人に一人でも辺野古のゲートにやってきたら、どんな工事もできないだろう。もし10人に一人が一斉に近くの基地に押し寄せたら、米軍も真剣に撤退を考えるだろう。6万人というのはそういう数だし、自覚しているよりもっと大きな可能性を秘めている。自分たちの力を何度も結集させるためのメソッドとして集会を位置づけるのもいいかもしれない。」


 最後に、三上さんは、このように想いを伝えます。


「この島に生まれたRINAさんの命を6万5千人で慈しみ、抱きしめた瞬間。それはかけがえのない時間だった。さらに彼女が受けた最期の苦しみを引き受けて、彼女が生きた証を沖縄の苦難の歴史の大転換点にできるかどうか。あの集会に集まった私たちはその課題を抱えて走りだしたのだ。県民大会は帰結ではなくて、現状を打ち破るためのスタート地点だった。
 文子おばあが言う。『人の命をもって何も変えられないなら、あと何があるの?』。87歳の老女が次の世代の『風かたか』になろうと毎日ゲートに立っている。わたしも、ちゃんと役割を果たしたいと思う。」


 確かに、「人の命をもって何も変えられないなら、あと何があるの?」、を受けとめました。


 
三上智恵監督新作製作のための製作協力金カンパのお願い

『戦場ぬ止み』のその後――沖縄の基地問題を伝え続ける三上智恵監督が、年内の公開を目標に新作製作取り組んでいます。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

■振込先
郵便振替口座:00190-4-673027
加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会

◎銀行からの振込の場合は、
・ 銀行名:ゆうちょ銀行
・ 金融機関コード:9900
・ 店番 :019
・ 預金種目:当座
・ 店名:〇一九 店(ゼロイチキユウ店)
・口座番号:0673027
・加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第52回の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-25 05:52 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-四国電力は、伊方原発3号機(伊方町)の原子炉に核燃料を装填する作業を開始した。

 標題について、愛媛新聞は2016年6月24日、「四国電力は24日午前9時、7月下旬の再稼働を目指す伊方原発3号機(伊方町)の原子炉に核燃料を装填(そうてん)する作業を開始した。27日の装填完了を予定し、原子力規制委員会の使用前検査などが順調に進めば8月中旬の営業運転開始を想定している。」、と報じた。
 また、この伊方原発3号機について、「装填するのはプルサーマル発電で使用するプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料16体を含む燃料集合体157体。1日40体程度を、原子炉建屋につながる使用済み燃料プールからクレーンで移動させて原子炉容器に装填する。核燃料から出る放射線を遮蔽(しゃへい)するため、移送経路をホウ酸水で満たした状態で行う。四電は核燃料の装填後、原子炉容器の組み立てや冷却機能の検査に入る。再稼働前の7月中旬には重大事故に備えた訓練を予定している。伊方3号機は、東京電力福島第1原発事故後の2011年4月に運転を停止。13年4月に装填していた核燃料全てを使用済み燃料プールに移していた。」、と伝えた。


 以下、愛媛新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-24 11:43 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-沖縄は、戦後71年の恒久平和誓う「慰霊の日」を迎えた。

 沖縄は、「慰霊の日」を迎えた。
このことを、沖縄タイムスは2016年6月23日、「戦後71年の『慰霊の日』を迎えた23日、沖縄県内各地で20万人を超える沖縄戦犠牲者の死を悼み、恒久平和を願う催しが営まれた。糸満市摩文仁の県平和祈念公園内に建つ『平和の礎』や、同市米須に戦後沖縄で初めて建てられた慰霊塔『魂魄(こんぱく)の塔』などでは、朝早くから多くの遺族や関係者が線香や花を手向け、鎮魂の祈りをささげた。」、と報じた。

 今は、この追悼集会での金武町立金武小学校6年生の仲間里咲(りさ)さんの「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」の詩を、聞こう。
 そして、「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」に返歌するために、自分自身の言葉を紡いでいこうではないか。


平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)
                   金武町立金武小学校6年 仲間里咲(りさ)


「ミーンミーン」
今年も蝉(せみ)の鳴く季節が来た
夏の蝉の鳴き声は
戦没者たちの魂のように
悲しみを訴えているということを
耳にしたような気がする
戦争で帰らぬ人となった人の魂が
蝉にやどりついているのだろうか
「ミーンミーン」
今年も鳴き続けることだろう
「おじぃどうしたの?」
左うでをおさえる祖父に問う
祖父の視線を追う私
テレビでは、戦争の映像が流れている
しばらくの沈黙のあと
祖父が重たい口を開いた
「おじぃは海軍にいたんだよ」
おどろく私をよそに
「空からの弾が左うでに当たってしまったんだよ」
ひとりごとのようにつぶやく祖父の姿を
今でも覚えている
戦争のことを思い出すと痛むらしい
ズキンズキンと・・・
祖父の心の中では
戦争がまだ続いているのか
今は亡き祖父
この蝉の鳴き声を
空のかなたで聞いているのか
死者の魂のように思っているのだろうか
しかし私は思う
戦没者の悲しみを鳴き叫ぶ蝉の声ではないと
平和(ふぃーわ)を願い鳴き続けている蝉の声だと
大きな空に向かって飛び
平和(ふぃーわ)の素晴らしさ尊さを
私達に知らせているのだと
人は空に手をのばし
希望を込めて平和(ふぃーわ)の願いを蝉とともに叫ぼう
「ミーンミーン」
「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」


 以下、沖縄タイムス、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-24 06:04 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-オスプレイ高江訓練激化。地元の小中学校では夜間騒音で睡眠不足の児童欠席させられる。

 沖縄が「慰霊の日」の朝を迎える2016年6月23日、琉球新報の記事はこんなふうに伝えた。


①「米軍北部訓練場の一部返還の前提条件として政府が新設した東村高江のN4地区のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)で連日、オスプレイが午後10時以降の離着陸を繰り返すなど訓練が激化している問題を受け、東村は21日、沖縄防衛局に電話で抗議した。防衛局は22日、村からの抗議内容を米軍へ伝えて配慮を求めた。村教育委員会への報告によると、地元の小中学校では夜間の騒音の影響で眠れず睡眠不足の児童らが欠席する例も出ている。」
②「村企画観光課は、住民から『先週から夜の訓練が続いている。子どもが寝る時間帯に寝付けない』などの苦情があったことを踏まえ、防衛局に抗議した。」
③「防衛局は取材に『米軍施設区域の安定的かつ円滑な運用のためには地域住民の理解と協力が重要なので、航空機の運用は引き続き地域住民の生活への影響が最小限となるよう配慮されるよう(米軍へ)強く申し入れた』と説明した。一方、夜間訓練の今後の見通しについては回答しなかった。」


 「地元の小中学校では夜間の騒音の影響で眠れず睡眠不足の児童らが欠席する例も出ている。」という実態は、東村高江の教育条件整備が厳しく侵されているとことを示している。
しかし、防衛省の回答は、「航空機の運用は引き続き地域住民の生活への影響が最小限となるよう配慮されるよう(米軍へ)強く申し入れた」、ということに過ぎない。
さらに、「夜間訓練の今後の見通しについては回答しなかった」という防衛省の無責任性は、この状況が、日本政府がすでにその主体性を失ってしまっている状況にあることを、痛切に証明してしまっている。


以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-23 17:05 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムスの【検証・在沖海兵隊】を読む。(Ⅱ)

 沖縄タイムスは、2016年6月14日、【検証・在沖海兵隊(3)】という特集を続けた。
この【検証・在沖海兵隊(3)】を要約する。


(1)沖縄が、「国土面積の0・6%に、全国の米軍専用施設面積の74%が集中」し、「県の統計では、現在、沖縄に駐留する米兵2万5千人のうち海兵隊は1万5千人で6割を占める。在沖米軍基地の7割を占有する圧倒的な存在だ。」、となった経過と理由


①「その原点は、71年前の沖縄戦だ。戦後、米軍は『銃剣とブルドーザー』で住民の土地を強制接収し、次々と基地を建設していった。」
②「海兵隊は沖縄戦で上陸してからそのまま沖縄に居座り続けているわけではない。朝鮮戦争を機に岐阜県と山梨県に駐留していた第3海兵師団が1956年に沖縄へ移ってきたのが在沖海兵隊の“起源”だ。」


③「米軍はベトナム戦争を機に、海兵隊約1万6千人をキャンプ岐阜(現・航空自衛隊岐阜基地)とキャンプ・マックネア(現・陸上自衛隊北富士演習場)に配備した。両地では、酔っ払った米兵による殺人や暴行、発砲事件などが相次ぎ地元の反基地感情が高まっていた。同時期の55年には東京・立川基地で拡張計画が発表され、土地収用に反対する住民らが『砂川闘争』を展開するなど反基地運動は全国に広がりをみせていた。」
④「沖縄では米国民政府が53年に『土地収用令』を公布し、各地で強制的な土地接収を始めていた。本土の反米感情の高まりを恐れた米国は、当時占領下にあった沖縄に海兵隊を移す計画を立案する。」
⑤「当の米側から沖縄移駐に反対の声が上がった。55年5月、スティーブス在沖米総領事は沖縄の住民運動を懸念し、『移駐計画を中止させるぎりぎりの努力を払うべきだ』と国務省へ文書で働き掛けた。『陸軍省、極東司令部、海兵隊上層部ですら反対だ』と米軍幹部も移駐に否定的だったことも明記されている。しかし56年2月、本土の海兵隊は沖縄へ移駐を始めた。米施政権下にあり、憲法も及ばない『オキナワ」を使うことを決めた。


(2)沖縄に米軍基地が集中させられた理由


①「海兵隊が本土から沖縄に集約される背景には、『本土の反発』と『使い勝手のいい沖縄』」が絡み合った。
②「沖縄移駐の詳細な理由は、いまもって明らかになっていない。だが、56年12月に米国務省のパーソンズ北東アジア課長が作成した内部文書に米側の狙いを裏付ける記述がある。『米軍基地の存在を(日本国民の)目にとまりにくいようにし、反基地感情を減らすべきだ』」


 この沖縄タイムスの記事から浮かんでくるのは、沖縄に米軍基地が集中させられたのは、「『本土の反発』と『使い勝手のいい沖縄』」」という日米両政府が自ら創り出した「構造的沖縄差別」が、巧みに利用されたことにある。それは、一方の側の「米軍基地の存在を(日本国民の)目にとまりにくいようにし、反基地感情を減らすべきだ」、との証言が示している。
だとしたら、日本人は、「使い勝手のいい沖縄」を変えなくてはならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-23 05:54 | 沖縄から | Comments(0)

米軍再編-宮古市の陸上自衛隊配備計画「了解」の正式表明を考える。

 宮古市の陸上自衛隊配備計画について、下地敏彦宮古島市長は2016年6月20日、「宮古島への陸上自衛隊については了解する」、と市議会で正式に表明した。
 このことについて、琉球新報は「宮古陸自受け入れ 住民投票で民意を問え」、沖縄タイムスは「[先島の陸自計画]『配備ありき』懸念する」、とそれぞれの2016年6月21日付け社説で論評した。
 沖縄の先島(与那国島、石垣島、宮古島)への自衛隊配備について、どれだけ感心が寄せらられているだろうか。
 この計画の状況や政府の目的について、琉球新報と沖縄タイムスは次のように説明する。


「計画では地対艦ミサイルと地対空ミサイル部隊、そしてその基地を守る警備中隊、計700~800人を配備する。弾薬庫、実弾射撃場なども整備する。海洋進出を進める中国を警戒し、島嶼(とうしょ)部の防衛力を強化するというのが名目だ。具体的には、沖縄本島と宮古島の間の公海を通る中国軍艦ににらみを利かすというのが狙いであろう。」(琉球新報)


「防衛省は、宮古島の旧大福牧場地区と千代田カントリークラブ地区の2カ所に、2018年度までに警備部隊、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊など計700~800人規模の自衛隊員を配備する計画だ。与党議員からも反対の声が上がる旧大福牧場地区への配備見直しは当然だ。もう一つの候補地である千代田カントリークラブ地区も地元の野原部落会が反対決議を全会一致で可決しており、市議会に陳情書も提出している。」(沖縄タイムス)


 この件に関して、最大の問題は、義気や住民の間での議論が十分に保障されることなく、政府の思惑が一方的に先行させられているのが実態であるということにある。
 琉球新報は、このことについて、「既成事実化を進め、住民に諦めの意識が生じたところで民意を問う。与那国島への自衛隊配備はそんな手順で進められた。防衛省にとっては強烈な成功体験であろう。その繰り返しを狙う。」、と政府・防衛省の姑息さを指摘している。
 この問題を把握するために、琉球新報及び沖縄タイムスの社説をもとに考える。
 両社の社説の要約は次のとおりである。


Ⅰ.琉球新報
(Ⅰ)主張
①「既成事実化を進め、住民に諦めの意識が生じたところで民意を問う。与那国島への自衛隊配備はそんな手順で進められた。防衛省にとっては強烈な成功体験であろう。その繰り返しを狙う。下地市長や防衛省にそんな算段があるのだとしたら容認できない。」
②「まず民意を問うべきだ。住民投票を実施して、その判断に従うべきだ。それが民主主義と自治のあるべき姿であろう。」
③「疑念を払拭できるだけの説明が尽くされたとは言えない。むしろ何一つ解消されていないとさえ言えよう。このまま配備の既成事実が進むのは許されない。やはり民意を問うべきだ。」
(2)問題点
①「防衛省はつい1週間ほど前にようやく1回目の説明会を開いただけだ。とても説明を尽くしているとは言えない。そんな段階での賛成表明は唐突だ。」
②「まして実際に配備するのは拙速過ぎる。この状態での造成着手は許されない。」
③「だが中国からすれば、公海を通るだけでミサイルの照準を定められるということになる。自国の安全を高めるため軍拡すれば、脅威に感じた相手国も同じようにし、緊張を高め合ってついには双方とも望まなかった戦争に突入してしまう。そんな『安全保障のジレンマ』を地でいく事態ではないか。」
④「そもそも敵の軍隊・基地がある所を攻撃するのは軍事の常識だ。軍が配備された島では激烈な地上戦に住民が巻き込まれる。軍隊は住民を守らない。それが沖縄戦の教訓である。」
⑤「防衛省が示した2カ所の候補地のうち、旧大福牧場周辺は飲料水の地下水源が近くにあることから、下地市長は汚染の可能性が否定できないとして反対の意思を示した。配備先が不明なままで配備自体には賛成するというのも理解し難い。」


Ⅱ.沖縄タイムス
(Ⅰ)主張
①「建設場所を特定しないままの理解に苦しむ受け入れ表明である。旧大福牧場地区の代替地も明らかでない。受け入れ表明は住民への説明責任を果たしているとはとてもいえない。」
②「地域の同意は最低限の条件だ。『配備ありき』の手法は混乱を招く。」
③「いったん不測の事態が起これば被害を受けるのは先島の住民である。宮古島も石垣島も島の将来を左右する極めて重大な陸自配備を十分な議論がないまま押し進めていいはずがない。」
(2)問題点
①「市議会後、記者会見した下地市長は『宮古島全域について配備を了解して、場所など計画が明らかになった段階で関係法令に適合しているかどうかで判断する』と説明した。認めるかどうかはホテルなど民間施設と同じとの認識も示した。」
②「下地市長の政策決定のあり方は順序があべこべである。軍事施設と民間施設が同じという認識もおかしい。」
③「防衛省が一方的に配備計画を通告するやり方にも問題がある。賛成派は『中国脅威論』を唱え、反対派は『日常生活が壊され、標的にもなり得る』と割れる。議会や住民の間で議論を尽くさなければならないのはいうまでもない。」
④「宮古島市長の受け入れや、石垣市議会への請願は、尖閣諸島を巡り中国公船が領海に入り、海軍軍艦が接続水域を航行することなどを理由に挙げている。もちろん、中国の挑発的な振る舞いは許せるものではない。だが、軍拡に軍拡で対抗しても、安全保障のジレンマに陥るだけである。」


 こうした状況下で、石垣市は異例の展開を見せる。
 沖縄タイムスによると次のようになっている。


「防衛省は石垣島でも19年度以降、陸自の警備部隊、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊の配備を計画。500~600人規模を想定している。石垣市議会は20日の6月定例会最終本会議で賛成派が提出していた陸自配備推進の請願を賛成少数で不採択とした。一部与党が反対に回ったり、退席したりしたためで、総務財政委員会では採択していただけに異例の展開だ。反対や退席した議員の中には与党の重鎮もいる。住民の理解や議論が進んでいるとはいえず、『時期尚早』との指摘は、その通りである。」


 結局、この両社の社説が暴く物語は、つぎのようになる。


 防衛省の役人は、ほくそ笑む。
 その笑みの中には、「既成事実化を進め、住民に諦めの意識が生じたところで民意を問う。与那国島への自衛隊配備はそんな手順で進められた。防衛省にとっては強烈な成功体験であろう。その繰り返しを狙う。」、という思惑が踊る。
 その役人は、市のお偉いさんや選ばれた「住民」に、「既成事実化を進め、住民に諦めの意識が生じたところで民意を問う」、とそのシナリオを得意げに説明する。
 だから、「防衛省はつい1週間ほど前にようやく1回目の説明会を開いただけだ。とても説明を尽くしているとは言えない。そんな段階での賛成表明は唐突だ。」。といった声は、すでに笑みのうち。
 どうやら、その役人のシナリオには、「配備先が不明なままで配備自体には賛成するというのも理解し難い。」とか「地域の同意は最低限の条件だ。『配備ありき』の手法は混乱を招く。」といった声が大きな字で書かれていた。当然、その脇には、「折り込み済み」との文字がもっと多きな文字で印刷されていた。
 ただし、そのシナリオには、「『安全保障のジレンマ』にはちょっと注意をしながら、『中国脅威論』の説明で。」、とも書かれていた。もちろん、括弧で、「詳しく説明してもわからないから、冷静な情熱が伝わればいい。」、と書かれていた。


以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-06-22 15:01 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄-「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」の発言から学び取ること。

 米軍再編という現実。
 矛盾。
 構造的差別。
 浮かぶ言葉は、植民地主義の克服。
 すべてが重なり引き起こしたもの。
 それは、「私たちは遺族とともに、被害者を追悼し、二度と繰り返させないために、この県民大会に結集した。』(大会決議)となった。
その大会決議は、「元海兵隊員の凶悪な犯罪により、20歳の未来ある女性のいのちが奪われた。これは米軍基地あるが故の事件であり、断じて許されるものではない。(省略)戦後71年にわたって米軍が存在している結果、復帰後だけでも、米軍の犯罪事件が5910件発生し、そのうち凶悪事件は575件にのぼる異常事態である。」、と記す。


歪な現実は、悲痛な事実を持ち込む。
父は、この言葉を。
 娘の父としての叫びを。


米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。
なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。今まで被害に遭った遺族の思いも同じだと思います。
被害者の無念は、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒りとなっていくのです。
それでも、遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。


 だから、大会決議は、「日米両政府は、事件・事故が起きるたびに、『綱紀粛正』、『再発防止』を徹底すると釈明してきたが実行されたためしはない。このような犯罪などを防止するには、もはや『基地をなくすべきだ』との県民の怒りの声はおさまらない。」、と日米両政府合作の作為は、自らの責任でしか納めることはできないと示す。
 玉城愛は、生の声で、怒りの声でこれを言い当てる。


「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の『第二の加害者』は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。ばかにしないでください。」

「軍隊の本質は人間の命を奪うことだと、大学で学びました。再発防止や綱紀粛正などという使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たず、軍隊の本質から目をそらす貧相なもので、何の意味もありません。」


 玉城愛は、言わなければならない。
「あなたと面識のない私が発言することによって、あなたやあなたがこれまで大切にされてきた人々を傷つけていないかと日々葛藤しながら、しかし黙りたくない。そういう思いを持っています。」、のだから。


「バラク・オバマさん。アメリカから日本を解放してください。そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないのです。私たちは奴隷ではない。あなたや米国市民と同じ人間です。オバマさん、米国に住む市民のみなさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください。自分の国が一番と誇るということは結構なのですが、人間の命の価値が分からない国、人殺しの国と言われていることを、ご存じですか。軍隊や戦争に対する本質的な部分を、アメリカが自らアメリカに住む市民の一人として問い直すべきだと、私は思います。」


 だが、求められているのは、「二度と繰り返させない」ための実行力、本当の責任。
大会決議は、「県民の人権といのちを守るためには、米軍基地の大幅な整理、縮小、なかでも海兵隊の撤退は急務」、と。
翁長雄志沖縄県知事は、行政の長のあり方として、こう誓う。


「政府は県民の怒りが限界に達しつつあること、これ以上の基地負担に県民の犠牲は許されないことを理解すべきだ。私は県民の生命と財産、尊厳と人権、そして将来の子や孫の安心や安全を守るべき知事としてこのような事件が二度と起きないよう県民の先頭に立って、日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意をここに表明し、私のあいさつとする。」


 娘の父は、「次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。県民が一 つになれば、可能だと思っています。」、と力を振り絞って綴る。
 行政者の「不退転の決意」を見守るように。


 玉城愛の声が広がります。
 沖縄の地から、私の済む山間の地まで。
 そして、もっと広い大地を包み込む。
 聞けよ、お前たち、あなたたち。
 生きることが許されているものの想いをつなげろ。
 こんな、玉城愛の声が聞こえます。


 会場にお集まりのみなさん。幸せに生きるって何なのでしょうか。一人一人が大切にされる社会とは、どんな形をしているのでしょうか。大切な人が隣にいる幸せ、人間の命こそ宝なのだという沖縄の精神、私はウチナーンチュであることに誇りを持っています。

 私自身は、どんな沖縄で生きていきたいのか、私が守るべき、私が生きる意味を考えるということは何なのか、日々重くのしかかるものを抱えながら現在生きています。

 私の幸せな生活は、県民一人一人の幸せにつながる、県民みんなの幸せが私の幸せである沖縄の社会。私は、家族や私のことを大切にしてくれる方たちと一緒に今生きてはいるのですが、全く幸せではありません。

 同じ世代の女性の命が奪われる。もしかしたら、私だったかもしれない。私の友人だったかもしれない。信頼している社会に裏切られる。何かわからないものが私をつぶそうとしている感覚は、絶対に忘れません。

 生きる尊厳と生きる時間が、軍隊によって否定される。命を奪うことが正当化される。こんなばかばかしい社会を、誰が作ったの。このような問いをもって日々を過ごし、深く考えれば考えるほど、私に責任がある、私が当事者だという思いが、日に日に増していきます。

 彼女が奪われた生きる時間の分、私たちはウチナーンチュとして、一人の市民として、誇り高く責任を持って生きていきませんか。もう絶対に繰り返さない。沖縄から人間の生きる時間、人間の生きる時間の価値、命には深くて誇るべき価値があるのだという沖縄の精神を、声高々と上げていきましょう。


 以下、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」の大会決議、玉城愛さんあいさつ、沖縄県知事あいさつ、父親のメッセージの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-22 06:14 | 沖縄から | Comments(0)

米軍再編-石垣市議会は、石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡り、推進派1件と反対派2件の請願を賛成少数で不採択とした。

 このことについて、沖縄タイムスは2016年6月21日、「なぜ? 推進・反対両方の請願を不採択 陸自配備めぐり石垣市議会」、と見出しで伝えた。
また、「石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡り、石垣市議会(知念辰憲議長)は20日の6月定例会最終本会議で、推進派1件と反対派2件の請願を賛成少数で不採択とした。推進の請願は総務財政委員会が与党の賛成多数で採択したが、本会議では『議論尽くされてない』『時期尚早』などと与党の公明2人と自民1人が退席、別の自民2人が反対し委員会決定を覆した。推進の請願は、石垣島自衛隊配備推進協議会が提出。反対派は、配備予定地に近い嵩田・名蔵地区が計画中止を、八重山大地会が中山義隆市長に情報開示や賛否表明を求めていた。」、と報じた。
 さらに、「市議会勢力は与党14人、野党・中立7人。17日の総務財政委の結論を受け、議長や慎重姿勢の公明2人らを除いても採択できる-との見方はあったが、自民3人の退席・反対により8対9の賛成少数となった。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-21 12:57 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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