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沖縄-警備会社が海上で抗議する市民を特定するための内部リストを入手。市民側は政府が関与した可能性を指摘。

 沖縄タイムスは、2016年5月14日付で「辺野古海上警備、抗議市民を特定 行動記録を防衛局へ報告」と報じていたが、このことの続報として、「抗議者の身辺情報収集 辺野古警備会社のリスト入手」と2016年6月30日、「名護市辺野古沖の新基地建設を巡り、沖縄タイムスは警備会社が海上で抗議する市民を特定するための内部リストを入手した。抗議船ごとに市民の顔写真、名前が載っている。また、市民の親族情報が内部で共有されていることも証言で分かった。会社の説明と違ってインターネットだけでは収集できない個人情報で、市民側は政府が関与した可能性を指摘している。」、と報じた。
 また、「リストは全部で約60人分あるとされ、その一部11人分を写した写真を入手した。警備員が海上で撮影したとみられる市民のアップ写真に名前が振られている。市民がネットに投稿した集合写真まで転載し、顔と名前の特定に利用。ほかに抗議船の船名、船舶番号、定員、似た形の船の見分け方が書かれている。警備員はこのリストを基に現場で市民の名前と行動を特定。指揮を執る母船や会社の現地本部に無線で報告し、記録に残していた。」、と伝えた。
 市民側の政府が関与した可能性の指摘について、「リストを作成していたのは沖縄防衛局から海上警備業務を受注するライジングサンセキュリティーサービス(東京)と100%子会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の2社。市民の申し入れに対して『SNSなどで個人を特定し、独自に作成した。防衛局や警察、海上保安庁の関与はない』と釈明している。しかし、複数の警備員によると、社内の研修では市民の一人について『親戚に議員がいた』などと身辺の情報を解説。また、インターネット上に出てこない複数の市民も顔と名前が特定されていた。海上抗議行動をまとめるヘリ基地反対協の安次富浩共同代表(70)は『一民間企業が親族情報まで調べられるはずがない。防衛局、警察、海保の関与が推測できる』と指摘。『憲法で保障された表現の自由の侵害であり、国の責任を追及していく』と話した。」、と伝えた。
 なお、「2社はリストについて、市民に『すでに破棄した』と説明している。本紙の取材に対しては、『警備に関する事柄であり回答できない』としている。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-30 16:51 | 沖縄から | Comments(0)

「松橋事件」の再審開始決定。

 標題について、時事通信は2016年6月30日、「熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年、男性=当時(59)=が刺殺された『松橋事件』の再審請求審で、熊本地裁(溝国禎久裁判長)は30日、『自白の重要部分が証拠と矛盾し、信用性は認められない』と判断し、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(83)について再審開始を決定した。」、と報じた。


 以下、時事通信の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-06-30 11:35 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-公益社団法人自由人権協会の「声明」(2016年6月22日)を読む。

 公益社団法人自由人権協会は、2016年6月22日、「辺野古問題の本質的解決に向けて国に県との協議開始を求める声明」を発表した。
 この声明を考える。
 まず、声明の要約は次のものである。


(1)国地方係争処理委員会の結論
①「2016年6月20日、国地方係争処理委員会は、沖縄県知事の辺野古埋立 承認取消しに対する地方自治法第245条の7第1項に基づく国土交通大臣の 是正の指示について、違法か否かの判断をせず、『国と沖縄県は普天間飛行場の 返還という共通の目的の実現に向けて真摯に協議するべきである』との見解を 関係者に通知した。」
②「同委員会は、問題とされた国交大臣の『是正の指示』は辺野古埋立承認出願 に始まる一連の流れの延長線にあり、争論の本質は『普天間飛行場の代替施設 の辺野古への建設の施策の是非に関する国と沖縄県の対立である』と指摘し、 そのような対立があるときは、国と県は、両者が担う公益の最大化を目指して 互いに十分協議し調整すべきであるのに、議論を深めるための共通基盤づくり が不十分であるとして、『国と沖縄県〔が〕普天間飛行場の返還という共通の目 的の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努 力をすることが、問題解決に向けての最善の道である』と結論づけている。」


(2)国地方係争処理委員会の結論をどのように受け取るか
①「このように同委員会が『国と沖縄県の双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力』を求めたのは、国に対し『辺野古移設が唯一の解決策』との立場に 固執することなく、『普天間飛行場の返還という共通の目的の実現に向けた』協 議を求めたものと解される。」②「安全保障・外交問題は国の専権事項だとして国が 一方的に『辺野古への移設』を決めることはできず、国と県がそれぞれの立場 から意見を述べて協議することが必要であるとしたのである。」
③「先の代執行訴訟においては、福岡高等裁判所那覇支部が、埋立て承認取消し を取り消すよう求めた国の主張を認めず、埋立工事強行を認めない結果となる 和解を主導した。これに続けて今回は、総務省の第三者委員会である国地方係 争処理委員会が、辺野古移転を前提とする是正の指示という国の強硬策を『適 法』と判断しなかった。今回の見解は、実質的にはこれまでの国の一連の措置 の見直しを求めるものである。」


(3)主張
①「政府は、裁判所や第三者委員会という、独立性を有する機関が国の主張を容れなかったことの意味を十分かみしめるべきである。」
②「すでに、沖縄県知事は、同委員会の見解に従い国との協議による解決を目指 す意向を表明している。当協会は、問題の本質に立ち返った解決を図るため、国もまた、同委員会の 見解を受け入れ、『辺野古が唯一の解決策である』との立場を前提とすることな く、県との真摯な協議に応じるよう求める。」
③「今回の見解は、『辺野古問題』は政治の場で解決されるべきことを示唆してい る。政府のみならず、国会もまた、党派を超えて、沖縄に負わされた過剰な負 担と、沖縄の民意をことさらに無視してきた不正義を直視し、『普天間基地の返 還』のために採り得る最善の施策を真摯に検討し議論すべきである。」
④「当協会は、国政に参加するすべての議員に対しても、同委員会の見解を受け 止め、政治的課題として取り組むよう求める。」


 一方、政府側の対応は、菅義偉官房長官の「次の司法プロセスに進むように提訴を行うべきだとの考えを示した。」(沖縄タイムス-)2016年6月21日)、との発言にみられるように、「辺野古が唯一の解決策である」との考え方に固執したままである。

 しかし、先の代執行訴訟における福岡高等裁判所那覇支部の判断及び今回の国地方係争処理委員会の結論は、「実質的にはこれまでの国の一連の措置 の見直しを求めるものである。」、ということにある。
 だとしたら、この人権協会の「声明」がこれからの方向性を示している。
この指摘「今回の見解は、『辺野古問題』は政治の場で解決されるべきことを示唆している。政府のみならず、国会もまた、党派を超えて、沖縄に負わされた過剰な負担と、沖縄の民意をことさらに無視してきた不正義を直視し、『普天間基地の返還』のために採り得る最善の施策を真摯に検討し議論すべきである。」、を安倍晋三政権は真摯に受け止めなくてはならないし、国会もまた同様である。


以下、公益社団法人自由人権協会のの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-30 05:45 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古の新基地建設を巡り、国は「係争委の結論は出た。国の是正指示は違法性がない。知事が提訴しないと判断すれば、国が確認訴訟をせざるをえない」との立場を示す。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月28日、「名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事が国の是正指示に従わないとして、国が知事を相手に不作為の違法確認訴訟を起こす方向で調整していることが27日、複数の政府関係者への取材で分かった。地方自治法に基づき、総務省の第三者機関『国地方係争処理委員会』(係争委)の審査通知から30日以内に県側が是正指示の取り消しを求めて提訴しない場合、国が訴訟に踏み切る見通し。政府関係者は『係争委の結論は出た。国の是正指示は違法性がない。知事が提訴しないと判断すれば、国が確認訴訟をせざるをえない』との立場を示した。」、と報じた。
 このことについて、「県側代理人らは27日、係争委の審査通知から28日で1週間となるのを前に会見。『和解条項が規定する1週間以内の提訴はしない』と明言した。1週間を過ぎても地方自治法上は30日以内に県側から提訴できるが、その期間中に訴訟を起こすかどうかは『検討していない』と強調。国との協議が必要だとの考えを改めて示した。」、と県側の考え方を伝えた。
 また、「国と県が合意した和解条項は、係争委が是正指示を違法ではないと判断した場合、もしくは、違法と判断したが国が係争委の勧告に従わない場合、県が1週間以内に提訴すると定めていた。しかし、係争委は是正指示の適否を判断せず、県と国双方の対応が注目されていた。国側は、新基地建設を巡る協議は、和解条項に基づき設置された作業部会や普天間飛行場負担軽減推進会議で並行して行う考えだ。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-29 17:13 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-「労働基準法等の一部を改正する法律案」は、衆議院で「閉会中審査」です。「選挙後の政治は、あなたを待ってくれません。」

 勘違いしていました。
 「労働基準法等の一部を改正する法律案」は廃案になったわけではないのですね。
 「現在、衆議院で『閉会中審査』の対象」、ということです。
渡辺輝人弁護士の2016年6月27日ブログでは、「高度P制(残業代ゼロ)法案は参院選の重要争点です」との見出しになっています。
渡辺弁護士は、7月10日の参院選挙に向けて、次のように呼びかけています。


「大手のメディアが詳しく報道しなくても、選挙争点の報道がピンぼけしていても、選挙後の政治は、あなたを待ってくれません。安倍政権が掲げる『時間ではなく成果による賃金』という成長戦略を信頼して与党に一票を投じるのか、その本質を『定額使い放題』『残業代ゼロ』だとする野党を信じて一票を投じるのか、有権者の判断が待たれています。」

「労働基準法等の一部を改正する法律案」を、このブログから再度考えます。


(1)「労働基準法等の一部を改正する法律案」の動向
「法案は継続審議で参院選後に動き出す。現在、国会に係属中の法案で、今後の労働者の働き方に大きな影響を及ぼす可能性があるのが、政府が国会に提出した『労働基準法等の一部を改正する法律案』です。政府・与党(自民党・公明党)の説明によると労働時間と賃金を切り離した『高度プロフェッショナル制度』などの導入をする法案であり、野党の説明によると『残業代ゼロ法案』『過労死促進法案』とされます。労働弁護士の界隈では『定額¥使い放題』法案とも言われています。
この法案、今年の通常国会では審議されませんでしたが、廃案になったわけではなく、現在、衆議院で『閉会中審査』の対象となっています。」


(2)「労働基準法等の一部を改正する法律案」の成り立ち
①「一つは『裁量労働制』の拡大です。これは労使で一定の手続を経ると、現場で労働者がどんなに働いても、事前に決められた労働時間だけ働いたことになる制度です。厳密には労働時間のみなし制度なので、筆者や他の労働弁護士などは『定額¥使い放題』制度と呼んでいます。」
②なお、これに該当する事業は、いわゆる「提案型営業」です。しかし、「法人相手の営業マンの多くは、日本語の字面ではこの要件に該当しますね。また、法律上厳密には該当しなくても、隣接する労働者に脱法的に適用されてきたのが労働基準法の常です。現在の法制度では、営業マンなど外勤の労働者に残業代を支払わないのはほとんどの事例で真っ黒な違法(従って是正可能)ですが、現場では残業代を支払わない実態が横行しています。そういうブラック企業が、この制度に飛びつく可能性があります。裁量労働制には『年収1000万円以上』などの年収要件がないため、この法案が成立すれば、外勤の労働者にこの制度が脱法的に導入され、ますます規制が難しくなるのが大きな懸念材料です。」
③「二つめは『高度プロフェッショナル制度』と言われ、年収1075万円程度以上の労働者について、一定の要件の下、労働基準法の労働時間規制を撤廃するものです。労働時間規制には残業代による規制も含まれるため、これを指して政府は『労働時間と賃金のリンクを切り離す』といい、読売・日経などは『脱時間給』といい、野党は『残業代ゼロ法案』と言うのです。」
④なお、このことについては、「当面、この法案が想定するのは年収が1075万円を超える労働者だけですが、労働者派遣法など他の法制の拡大経過や上述の裁量労働制の拡大の経過を見る限り、将来、年収要件が引き下げられ、適用が拡大される可能性は十分あります。」


(3)「労働基準法等の一部を改正する法律案」がアベノムクスそのものであることの問題点


①「『高度プロフェッショナル制』などの導入は、安倍政権の経済政策である『アベノミクス』の最初の三本の矢のうち、3つめの成長戦略の中に明確に位置づけられていました。」
②「この法案は明確に、安倍首相が選挙争点にしている『アベノミクス』の一部なのです。なお、政府は、この法案について『時間ではなく成果』で賃金が支払われる制度と言いますが、法案には、成果による賃金支払を義務づける部分も、成果測定の一般原則も、何も決まりがありません。」


(4)参議院選挙に向けての争点


「野党は、この法案には反対しており、昨年の国会で審議されたものの、この法案はまだ成立していません。また、労働者全体にインターバルの導入(前日の労働とその次の日の労働の間に一定の休息時間の導入を義務づけ)、使用者による労働時間把握義務の強化(罰則の導入)などを求める労基法改正法案を国会に提出、係属しており、他の争点はともかく、この争点での与党と野党の対立軸は明確になっています。すなわち労働時間の規制緩和(与党)と労働時間の規制強化(野党)が争点です。」


 確かに、「労働時間の規制緩和(与党)と労働時間の規制強化(野党)」の争点は、大きな判断材料になるはずである。
 安倍晋三政権の提示したアベノミクスは既に失敗した。
 崩壊した成長戦略に乗り続けることは、主体性の放棄である。


以下、渡辺輝人弁護士ブログの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-29 06:15 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-在日米軍司令部はフェイスブックで、「実際には米軍専用施設の39%が沖縄に存在する」と、面積ではなく、施設数で比較し、「75%」ではなく、「39%」と主張。

 在日米軍司令部が、米軍の74%集中は「誤解」と主張したことについて、沖縄タイムスは2016年6月28日、「在日米軍司令部(東京・横田基地)が23日付のは『在日米軍今週の事実』と題し、『日本における全ての米軍施設の75%か、それ以上が沖縄に集中していると言われていることは、誤解であり、事実ではない』と投稿していたことが分かった。『実際には米軍専用施設の39%が沖縄に存在する』と、面積ではなく、施設数で比較し、『75%』ではなく、『39%』と主張している。」、と報じた。
 このことについての日本側のこれまでの対応は、「防衛省によると2016年3月末現在で、在日米軍専用施設面積は約3万369ヘクタールで、そのうち在沖は約2万2619ヘクタールと、全体の74・48%を占めている。15年度版防衛白書には『わが国における在日米軍施設・区域(専用施設)のうち、面積にして約74%が沖縄に集中』と明記、菅義偉官房長官らもこの数字を引用する。」、とされてきた。
 また、「米軍専用施設には日米地位協定3条で、米側の排他的管理権を認めている。その区域には国内法をはじめ、都市計画、環境汚染時の調査など日本側の施政権、地方自治が及ばないことが問題とされる。そのため、県や国が本土と沖縄の負担を比較する場合、施設数ではなく、面積を使う。」、と伝えた。
 在日米軍司令部の対応は、「在日米軍専用施設が85施設、そのうち沖縄に33施設あることから、その割合は『39%』で、『米国管理施設の大部分は沖縄以外の場所に位置する』と指摘。『国土面積の0・6%に在日米軍専用施設面積の74%が集中している』と過重負担を訴える県などに反論する形になっている。」、となっている。
 このことに対して、「『施設には小さいものから北部訓練場など広大な面積までさまざまだ』と指摘。施設数だけの比較では実態を正確に表すことはできないとし、『あまりにも乱暴な比較だ。沖縄が発信する74・4%という数字を苦々しくみているのだろう』と語った。」、との県渇部の声を伝えた。また、「防衛省が対外的に施設数で割合を出した資料などは見当たらないとし『(省内では)従来から全体面積に占める割合を使っており、約74%という数字は誤りではない』と説明した。」、と伝えた。
 さらに、「在日米軍は27日現在、本紙の『施設数で比較する根拠は何か』などの質問に回答していない。」、と報じた。




 沖縄タイムスは、「在日米軍司令部がフェイスブックに書き込んだ、沖縄にある米軍専用施設は日本全体の『39%』だと矮小(わいしょう)化する主張は、沖縄の基地負担の現状から乖離するものだ。米軍基地から派生する騒音や、基地あるが故の事件・事故に苦しむ県民を愚弄するものだと言わざるを得ない。」、と2016年6月28日付けの「解説」で指摘した。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-28 12:13 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄「慰霊の日」、翁長雄志沖縄県知事平和宣言と安倍晋三内閣総理大臣のあいさつを読む。

 2016年6月23日に行われた翁長雄志沖縄県知事の平和宣言と安倍晋三首相「慰霊の日」あいさつを、比べてみる。
 この両者の発言を、少し無理にではあるが、翁長雄志知事の平和宣言の分類に即して要約する。


Ⅰ.沖縄のこころとは
(知事)
「沖縄を襲った史上まれにみる熾烈(しれつ)な戦火は、島々の穏やかで緑豊かな風景を一変させ、貴重な文化遺産のほとんどを破壊し、20数万人余りの尊い命を奪い去りました。私たち県民が身をもって体験した想像を絶する戦争の不条理と残酷さは、時を経た今でも忘れられるものではありません。この悲惨な戦争の体験こそが、平和を希求する沖縄の心の原点であります。」
(首相)
①「71年前、ここ沖縄の地は、凄惨な地上戦の場となりました。20万人もの尊い命が失われ、なんの罪もない市井の人々、未来ある子供たちが無残にも犠牲となりました。沖縄の美しい海や自然、豊かな文化が、容赦なく壊されました。平和の礎(いしじ)に刻まれた方々の無念、残された人々の底知れぬ悲しみ、沖縄が負った癒えることのない深い傷を思うとき、ただただ頭(こうべ)を垂れるほかなすすべがありません。」
②「祖国の行く末を案じ、愛する家族の幸せを願いながら、戦争のために命を落とされ方々、その取り返しのつかない犠牲、そしてその後に沖縄が忍んだ苦難の歴史の上に、今私たちが享受する平和と繁栄があります。今日は静かに目を閉じて、そのことを噛みしめ、私たちがどこからきたのか、自らに問い、過去と謙虚に向き合い、平和な世界の実現に向けて、不断の努力を続けていく、その誓いを新たにする日であります。」


Ⅱ.沖縄が味わされてきた実体験
(知事)
①「戦後、私たちは、この沖縄の心をよりどころに、県民が安心して生活できる経済基盤を作り、復興と発展の道を懸命に歩んでまいりました。」
②「しかしながら、戦後71年が経過しても、依然として広大な米軍基地が横たわり、国土面積の0.6パーセントにすぎない本県に、米軍専用施設の約74パーセントが集中しています。」
③「広大な米軍基地があるがゆえに、長年にわたり事件・事故が繰り返されてまいりました。今回の非人間的で凶悪な事件に対し、県民は大きな衝撃を受け、不安と強い憤りを感じています。」
(首相)
「同時に、私たちは戦後70年以上を経た今もなお、沖縄が大きな基地の負担を背負っている事実を、重く受け止めなければなりません。私たちは今後とも国を挙げて、基地負担の軽減に、一つ一つ取り組んでまいります。そうした中で今般、米軍の関係者による卑劣極まりない凶悪な事件が発生したことに、非常に強い憤りをおぼえています。米国に対しては、私から直接大統領に、日本国民が強い衝撃を受けていることを伝え、強く抗議するとともに、実効的な再発防止など厳正な対処、対応を求めてきました。」



Ⅲ.日本への問い掛け
(知事)
①「沖縄の米軍基地問題は、我が国の安全保障の問題であり、日米安全保障体制の負担は国民全体で負うべきであります。」
②「日米安全保障体制と日米地位協定の狭間で生活せざるを得ない沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか。」
③「真の意味で平和の礎(いしずえ)を築くためにも、日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しとともに、海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減を先送りすることなく、直ちに実現するよう強く求めます。
④「特に、普天間飛行場の辺野古移設については、県民の理解は得られず、これを唯一の解決策とする考えは、到底許容できるものではありません。」
(首相)
①「米国とは、地位協定上の軍属の扱いの見直しをおこなうことで合意し、現在、米国と詰めの交渉をおこなっております。国民の命と財産を守る責任を負う政府として、二度とこうした痛ましい犯罪が起きないよう対策を早急に講じてまいります。」
②「私たちは今を生きる世代、そして明日を生きる世代のため沖縄の振興に全力で取り組み、明るい未来を切り開いてまいります。そのことが御霊にお応えすることになる、私はそのことを確信しております。」



Ⅳ.世界への投げかけ
(知事)
「世界の国々では、貧困、飢餓、差別、抑圧など人命と基本的人権を脅かす、多くの深刻な課題が存在しています。このような課題を解決し、恒久平和を実現するためには、世界の国々、そして、そこに暮らす私たち一人一人が一層協調し、平和の創造と維持に取り組んでいくことが重要であります。」
(首相)
「アジアとの玄関口に位置し、技術革新の新たな拠点でもある沖縄は、その大いなる優位性と、限りない潜在力を存分に活かし、現在飛躍的な発展を遂げつつあります。



Ⅴ.沖縄の決意
(知事)
①「私たちは、万国津梁の鐘に刻まれているように、かつて、アジアや日本との交易で活躍した先人たちの精神を受け継ぎ、アジア・太平洋地域と日本の架け橋となり、人的、文化的、経済的交流を積極的に行うよう、今後とも一層努めてまいります。」
②「戦争の経験が息づく沖縄に暮らす私たちは、過去をしっかりと次の世代に継承し、平和の実現に向けて貢献を果たす上で大きな役割を担っているのです。本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全ての方々に心から哀悼の誠を捧げるとともに、平和を希求してやまない沖縄の心を礎(いしずえ)として、未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさを作り上げ、恒久平和に取り組んでいく決意をここに宣言します。」
(首相)
「結びに、この地に眠る御霊の安らかならんこと、ご遺族の方々の御平安を、心からお祈りし、私のあいさつといたします。」




 このように並べてみると、次のようなことが見えてくる。
(1)沖縄のこころについて、知事は、「県民が身をもって体験した想像を絶する戦争の不条理と残酷さは、時を経た今でも忘れられるものではありません。この悲惨な戦争の体験こそが、平和を希求する沖縄の心の原点であります。」、と規定する。
 一方、首相が使う「戦争のために命を落とされ」と表現された「戦争」の定義には、沖縄が経験した悲惨な戦争体験をもたらした、「戦争の不条理と残酷さ」という認識が欠けている。
 つまり、安倍晋三政権の強行かつ独断的な政策は、「沖縄のこころ」を理解できていないことから、生じている。
(2)沖縄が味わされてきた実体験について、知事は、「広大な米軍基地があるがゆえに、長年にわたり事件・事故が繰り返されてまいりました。」、とその負の原因を明確にしている。また、今回の事件については、「今回の非人間的で凶悪な事件に対し、県民は大きな衝撃を受け、不安と強い憤りを感じています。」、と沖縄県民の「怒りは限度を超えた」を代弁している。
 首相は、このことについて、「私たちは戦後70年以上を経た今もなお、沖縄が大きな基地の負担を背負っている事実を、重く受け止めなければなりません。」、とし、事件については、「そうした中で今般、米軍の関係者による卑劣極まりない凶悪な事件が発生したことに、非常に強い憤りをおぼえています。」、と慨嘆しているだけでである。
 今回、知事の宣言には「構造的沖縄差別」という文言は盛り込まれてはいないが、その「構造的沖縄差別」をもたらしてきたのが、日米合作の安全保障政策であったという事実から、沖縄の米軍基地問題は、ただ単に「重く受け止めなければなりません。」という表現で終わらせることができるものではないはずである。
 まして、今回の事件の解決が、「米軍への強い抗議」「実効的な再発防止など厳正な対処、対応」で到底達成できるものではない。
(3)日本への問い掛けについて、知事は、「沖縄の米軍基地問題は、我が国の安全保障の問題であり、日米安全保障体制の負担は国民全体で負うべき」、「沖縄県民は日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されていると言えるか」、という二つの問題提起を行う。
 こうした考えに基づき、知事は、①「日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しとともに、海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減を先送りすることなく、直ちに実現すること」、②「普天間飛行場の辺野古移設については、県民の理解は得られず、これを唯一の解決策とする考えは、到底許容できるものではないこと」、という二つの要求をこの平和宣言で日本政府に行った。
 首相は、日本政府の考え方を、「地位協定上の軍属の扱いの見直しをおこなうことで合意し、現在、米国と詰めの交渉をおこなっております。」と今回の問題の重要性を矮小化し、沖縄の米軍基地の問題の解決に向けては、自らの責任に気づかぬ姿勢をあくまで貫いている。
 結局、このことが示しているのは、最近マスメディアで流される沖縄県と政府との間意見のすれ違いとは、日本政府のごまかしに過ぎないということでしかない。
(4)世界への投げかけについて、知事は、「恒久平和を実現するためには、世界の国々、そして、そこに暮らす私たち一人一人が一層協調し、平和の創造と維持に取り組んでいくことが重要」、と小さな自治体が落とし込められた状況の中でもがき苦しんだ中で掴んだ考え方を、格調高く世界に発信している。
 首相は、「現在飛躍的な発展を遂げつつあります。」、と紹介するだけで、実はそのことの最大の弊害が米軍の沖縄基地でであるという認識に達することが、どうしてもできない。
(5)沖縄の決意について、知事は、「犠牲になられた全ての方々に心から哀悼の誠を捧げるということは、平和を希求してやまない沖縄の心を礎(いしずえ)として、未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさを作り上げることである」という論理を明確にする中で、沖縄県が恒久平和に取り組むことを、この宣言で決意として謳った。
 首相は、単に、「この地に眠る御霊の安らかならんこと、ご遺族の方々の御平安を、心からお祈り」、とするだけで、未来を語ることはなかった。


以下、沖縄タイムス及び首相あいさつの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-28 05:49 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-米軍属の男、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕。基準値約4倍のアルコールが検出。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月27日、「沖縄署は26日、沖縄市桃原の県道33号で酒気を帯びた状態で車を運転したとして、米軍嘉手納基地所属の軍属の男(24)を道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。同署によると、容疑者の呼気から基準値の約4倍のアルコールが検出された。調べに対して『前日に酒を飲んで、酒は残っていない』と容疑を否認しているという。」、と報じた。
 また、「在沖米軍は、元米海兵隊員の軍属が逮捕された女性暴行殺害事件を受けた綱紀粛正策として、沖縄に住む全軍人に基地や自宅の外での飲酒を禁止し、午前0時までの帰宅を義務付け、軍属にも強く順守を求めていた。当初は5月27日~6月24日までを『服喪期間』とした規制措置だったが、28日までに延長していた。今月4日にも米兵が飲酒運転で男女2人にけがを負わせる事故を起こし起訴されている。」、と伝えた。
 なお、「同署は当初、容疑者の性別を本人の供述と米軍側への照会で女性と発表していたが、米軍側から訂正があり、男性に発表し直した。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-27 11:30 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-原子力規制委員会は、関電が申請した安全対策の基本方針を許可。「極めて例外的」とされてきた60年までの運転延長が初めて認可される可能性が高まった。

 標題について、朝日新聞は2016年6月21日、「運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)は新規制基準を満たすとして、原子力規制委員会は20日、関電が申請した安全対策の基本方針を許可した。残る二つの認可手続きの審査に大きな課題は残っておらず、『極めて例外的』とされてきた60年までの運転延長が認可される可能性が高まった。40年を超える老朽原発が許可されたのは初めて。東京電力福島第一原発事故後の教訓を踏まえてできた運転期間を40年とする原則が骨抜きになりつつある。」、と報じた。
 また、このことに関して、次のように伝えた。


①「今の制度では、運転開始から原則40年までに規制委が認めれば1回だけ最長20年間延長できる。高浜1、2号機は60年までの運転延長が申請された初めてのケース。関電は、経過措置で猶予された今年7月の期限までに、安全対策の許可、詳しい設計の認可、運転延長の認可の三つをすべて受ける必要がある。」
②「規制委は『時間切れ』で廃炉を迫られる事態を避けるため、審査を急いだ。今年3月には、原子炉内の重要設備の耐震性を最終確認する試験を、詳しい設計の認可の後に先送りする方針を決めた。原子炉の劣化状況を調べた関電の特別点検の結果を確かめる審査も同時並行で進めている。規制委幹部は『大きな論点は残っていない』としており、運転延長が認められる見通しだ。」
③「規制委は、今年2月に新基準を満たすと認める審査書案を公表。30日間に606件の意見が集まった。運転延長に対するものは100件以上あり、『(延長は)例外ではなかったのか』『「原子炉は老朽化していないのか』といった懸念が多かったという。新基準の審査で焦点だった電気ケーブルの防火対策についても、『難燃性が確保できるか不明だ』といった意見が相次いだ。」


 さらに、規制委の田中俊一委員長の会見について、「熊本県などの一連の地震で原発に対する不安を感じている人がいることに触れ、『劣化状況や地震動などの説明がわかりやすくなるよう、工夫していきたい』と語った。ただ、審査の進め方には問題がなく、延長しても新基準を満たすことをしっかり確かめていく考えを示した。」、と報じた。
今後は、「関電は、安全対策の工事に数年かかり、再稼働の時期は2019年秋以降になるとみている。」、とされている。


 朝日新聞は、この動きに関して、2016年6月21日付けの社説で、「原発40年規制 運転延長に反対する」、とその主張を明確にした。
主張の要約は次のものである。


(1)朝日新聞の主張
東京電力福島第一原発の事故を経て、朝日新聞は社説で20~30年後の「原発ゼロ社会」を主張してきた。当面どうしても必要な原発の稼働は認めつつ、危険度の高い原発や古い原発から閉じていくという意見である。
 このままでは、利益をあげられると電力会社が判断した原発について、次々と運転延長が認められかねない。今回の認可に反対する。
(2)朝日新聞の反対理由
①規制委員会は、「難題とされた電気ケーブルの火災対策で、燃えにくいケーブルへの交換が難しい部分は防火シートで覆う関電の方針を受け入れた。運転延長後の耐震性を推定するために格納容器内の重要機器を実際に揺らす試験も、対策工事後に回して認可した。」
②規制委員会は、「『1回だけ、最長20年』という運転延長規定は、電力不足などに備えるために設けられた。規制委も『極めて例外的』『(認可は)相当困難』と説明していたのではなかったか。」
③安倍晋三政権は、なし崩し的に原発行政を変更してきたのではないか。それは、「法律を改正し『原発の運転期間は40年』と明記したのは民主党政権のときだった。福島の事故を受け、国民の多くが『原発への依存度を下げていく』という方向で一致していたからだ。安倍政権も、発足当時は『原発依存度を可能な限り低減する』と繰り返していた。しかし、なし崩し的に原発温存へとかじを切り、基幹エネルギーの一つに位置づけた。」。
④「『規制委が安全と判断した原発は再稼働していく』。これが最近の政権の決まり文句だ。」。
⑤「規制委は個別原発の安全審査が役割だと強調する。避難計画が十分かどうかは審査の対象外だし、高浜原発がある福井県のような集中立地の是非も正面から議論はしていない。」
⑥「高浜原発を巡っては今年3月、再稼働したばかりの3、4号機について、大津地裁が運転差し止めの仮処分決定を出した。決定の根底には、原子力行政を専門家任せにしてきたことが福島の事故につながったとの反省がある『「原発40年』の法改正は民自公の3党合意に基づく。規制委によりかかりながら、原発依存度低減という国民への約束をなかったことにするのは許されない。政権は40年ルールへの考え方をきちんと説明するべきだ。」


 安倍晋三政権は、「3.11」の意味をきちっと再確認しなければならない。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-27 06:09 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-普天間飛行場内での埋蔵文化財調査が、米軍の不許可で、宙に浮く。

 標題について、沖縄タイムスは2016年6月26日、「在日米軍基地内の現地調査に関する『環境補足協定』が日米間で昨年9月に結ばれ、基地の立ち入り手続きが変更された結果、沖縄県と宜野湾市が1999年から実施してきた普天間飛行場内での埋蔵文化財調査が米軍の不許可でできなくなっていることが25日分かった。同協定は基地返還の約7カ月前から日本側の立ち入り調査を認める内容だが、この取り決めがかえって妨げとなり、『7カ月以上前』の文化財調査が宙に浮いた形だ。県教育委員会文化財課は『何のための協定なのか。返還後の跡地利用に影響が出かねない』と早期再開を求めている。」、と報じた。
 また、「県教委によると、基地内への調査申請は前年度末に米軍に提出し、例年は数カ月後に許可が下りる。しかし昨年度は許可されないまま新協定が結ばれ、以降は米軍が協定を盾に立ち入りに同意していないという。」、と伝えた。
 この文化財調査は、「同飛行場内の文化財調査は、1996年の返還合意を機に、文化庁の補助を受けて始まった。県と市の教育委員会が共同で実施している。」、ものである。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-26 12:31 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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