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沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第49回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 今回の報告は、「石垣島自衛隊配備 ~狙われた開拓移民の集落〈於茂登・嵩田・開南〉~」について。
 三上さんは、最初にこう切り出します。辺野古や高江の経験から。


 「一切の説明会を拒否する」「公民館を提供しない」
 そうきっぱりと言い切った3地区のリーダーたちの写真を朝刊で見た今年の一月、私は胸が熱くなった。辺野古でも高江でも、説明会の次は着工だった。そして説明会自体が決定的に反対派と容認派がいがみ合う構図を作ってしまう。基地建設に向けた「説明会」というのは鬼門で、重大な転機になる。3地区の人々は直感でそれがわかっていたのだろう。


 次に、三上さんは、反対を表明した集落をこのように紹介する。


 石垣島のど真ん中、沖縄で最も高い霊山「於茂登(おもと)岳」のふもとに位置する3集落はいずれも開拓移民でスタートした小さな集落で、海からは遠くもっぱら農業を生業とする。
 3集落の中でも、特に全会一致で反対決議をした於茂登地区は結束が固い。58年前に沖縄本島から移民してきた25戸の家から歴史が始まっている。内陸部のやせた台地に必死にしがみついて苦楽を共にしてきた歴史を共有しているためか、土地への愛着が強い。
 「58年前の5月19日に、こっちに親父なんかが来て、12月23日に家族が来た。」
 「一次隊はその山からこっちを見て、川を渡って宿営所を建てて、そこに泊まりながら持ってきたお家を組み立てて家族を迎えた」
 嶺井善(みねいまさる)前公民館長はサトウキビを刈る手を休めてすらすらと語った。開拓団がこの土地に入った経路から日にちから、51歳の彼が生まれる前の話なのにまるで見てきたような口ぶりだ。入植当事を知る先輩たちが農作業をしながら、酒を飲みながら、繰り返し繰り返し自分たちの開拓の歴史を誇りを持って語って来たのだろう。
 ここに来た3分の2は、戦後米軍に土地をとられて生活の場を失い、移民を選ぶしかなかった沖縄本島からの移民だ。家屋や農地を米軍に接収され、住むところも働く場所も奪われてしまった人で溢れ返っていたため、琉球政府が計画移民を実施した。国外だけでなく、未開の地が多かった石垣島や西表島にも開拓団を送り込んだ。その中で琉球政府として最後の移民になった於茂登は、いいところをとられた後で石ばかりの土地に泣かされたと言う。しかし水には恵まれていた。旱魃や台風で何度か土地を放棄しようとするも歯を食いしばって、野菜や花卉園芸で成功し、不動の地位を築くまでになった。小さな集落だが、於茂登の家はどこにも手入れされた庭があって競うように花が溢れていた。
 「米軍に追い出されて八重山移民になった。難儀してここまで来たのに、また自衛隊の基地を造られるなんてありえない。意地でもここにいる。腹は決まっている。絶対に造らせない」
 嶺井さんはもはや「青年」とは言えない年齢だが、エイサーで大太鼓を担当している。エイサーが盛んな沖縄本島中部の北谷からの移民として、石垣島にはなかったエイサーを毎年ここ於茂登のお盆の際に踊り、すっかり定着させていた。
 「もう去年で引退だと思ってるんだけどな。今年はどうしようかな」
 エイサーの話になると顔がほころぶ。いまだに米軍に奪われたままの故郷のエイサーを誇りとし、他島で60年踊り続けた嶺井さんたちの暮らしに、再び基地の暗雲が拡がる。


 三上さんは、も一つのものがたりを。


 嵩田公民館の金城哲浩区長は与那国の出身だ。マンゴー園とアセロラの栽培で果樹園は軌道に乗っている。ここ数年は、まだ珍しいトロピカルフルーツの「アテモヤ」作りに挑戦している。国連の職員になることを夢見て留学していた長男が、2年前、熟慮のすえ生まれ島で地域に貢献したいと島に戻ってきた。まだ認知度も低く未知数の果樹「アテモヤ」を任せたところ、試行錯誤してマーケティングの知識も駆使しながら楽しんでやっていると目を細める。せっかく息子と二人三脚で果樹園を盛り上げようと思った矢先、自衛隊配備計画を知って愕然とした。
 「たとえ十分な立ち退き料をもらっても、果樹栽培は収益を上げるまでに10年20年掛かる。じゃあ代わりの土地でと言うわけには行かないのです」
 物腰の柔らかい金城さんはため息をついてそういった。そして3月から故郷の与那国島に自衛隊が配備され、島の様子がすっかり変わってしまったことについても肩を落とした。
 「あの光景はなんと言っていいか・・。石垣島もやがてああなるのでしょうか」


 そして、三上さんは、防衛省の説明会でのはなしに、「第一列島線を守る話は、多くの住民にそのことを気づかせてしまったと思う。少なくても中国が石垣島を領土にしようと攻めてくるとか、それと闘ってくれる部隊が来るという勘違いを拡大する歯止めにはなる。」、と次のように切り取ってくれる。


 4月22日、石垣市民会館で初めて防衛省主催の説明会が開かれた。予定地に近い自分たちの公民館で説明会を開きたいと言う防衛省の要望は強く拒否した3区だったが、石垣市民全体への説明は聞いておく必要があると判断し、4月に交代したばかりの新旧の公民館長が揃って会場に向かった。市民会館の外では自衛隊配備反対を訴える声と、それをやめさせようとする誘致派の怒号が飛び交い早くも騒然としていた。
 300人しか入らない会場は超満員だった。誘致派の議員とその支持者が前の3列に陣取り、自衛隊側の説明にいちいち細かい拍手を送っていた。この島ではめったに見ない胸に勲章のようなものをつけた制服の自衛官をはじめ黒いスーツの事務方が舞台側左手に陣取り、その中でも物腰の柔らかい沖縄防衛局の企画部長が説明に当たった。しかし、市民が知りたいこと=場所・規模・運用については何も情報がなかった。説明の4割は中国船の往来やスクランブル発進の増加など「今、いかに今日本が危なくなっているか」について。あと4割は「熊本や東北の災害救助での活躍」。石垣に配備する理由やあらかじめ受けた質問に答える時間は2割ほどだったため、会場からは不満の声が噴出した。
 資料は防衛省のホームページにあるような新味のないものだったが、石垣市民に「第一列島線」の重要性を説いたのは少し驚いた。中国から見て、彼らが太平洋に出て行くのをふさぐように連なる「第一列島線」と呼ばれる日本列島から南西諸島、台湾に連なる線を示しながら、「宮古島と沖縄本島の間を中国船が頻繁に通っている」ことを懸念材料と認識し、それを防ぐためのミサイル部隊の配備であることは隠さなかった。
 配備に反対する人たちは、先島に自衛隊を配備するのは島民を守るためではなく中国の太平洋進出を防ぎ、中国海軍の動きを第一列島線内に封じ込めることが主たる目的であることを反対の理由に挙げている。それは自分たちの島のためではないし、直接的には「日本への攻撃を防ぐ」効果もない。中国の軍事的な進出を止めようと言うアメリカのエアシーバトル構想」の一環だということがわかっているからである。
 「軍事的に非常に重要な地域」「宮古海峡を守る」と繰り返し強調していたが、たとえ軍艦が通過してもそこは公海であり、領土が侵されたわけでも経済水域が侵されたわけでもない。第一列島線と同時に日本の排他的経済水域の図を見せて、まるで船が通るだけで何かが侵されているような錯覚を起こしかねない説明になっていたが、「ここを通るな」と言う権利はないのに、門番のようにミサイルを配備するのは誰にとっての安心のためなのか。
 近隣国にとってみれば航行の自由があるにもかかわらず「なんかあったら撃つよ」と構えられてしまうわけで、それなら通過する側も万が一に備え、武器を島に向けながら通る緊張した海峡になる。それは小競り合いの導火線になりかねないし、万が一、どちらかが一歩踏み込んだ行動に出る場合は、当然真っ先に自衛隊の島は標的になる。
 百歩譲って「威嚇は抑止力である」としても、それは日本の国土・国益とアメリカの覇権を守るための配置であって、攻撃力を持った部隊と今後ずっと同居させられる島の住民の安全は、無防備だったころより間違いなく悪化する。第一列島線を守る話は、多くの住民にそのことを気づかせてしまったと思う。少なくても中国が石垣島を領土にしようと攻めてくるとか、それと闘ってくれる部隊が来るという勘違いを拡大する歯止めにはなる。


 最後に、三上さんは、「与那国配備の成功に続けとばかりに、防衛省は作業を加速させていく」との危惧感を含めて、このように訴える。


 配備計画の詳細が一向に明かされない無意味な説明会で、嶺井さんと金城さんは終始苦い顔をしていた。自分たちが人生をかけて向き合ってきた、花が咲き、収穫がある恵みの大地を「領土」や「海に浮かぶ発射台」としてしか見ない人たちを前に、やりきれない思いが溢れた。
 戦後も軍事利用が優先され、島民の生活が後回しにされた沖縄本島の辛酸を逃れて、新天地に根を張った嶺井さん一家。急速に要塞化されていく最西端の島・与那国にルーツを持つ金城さん一家。怒号が飛び交う中で、寡黙な二人が宿している深い怒りと悲しみに胸が詰まった。
 しかし、石垣の自衛隊配備を止める闘いはまだ歩き始めたばかりだ。誘致派のスピードに追いついていない印象がある。誘致派は今回の説明会で「段階は踏んだ」として、6月の市議会で誘致の請願の採択を狙う。時間をかければ辺野古の二の舞になる、と短期間にまとめた与那国配備の成功に続けとばかりに、防衛省は作業を加速させていく。


三上智恵監督新作製作のための製作協力金カンパのお願い

『戦場ぬ止み』のその後――沖縄の基地問題を伝え続ける三上智恵監督が、年内の公開を目標に新作製作取り組んでいます。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

■振込先
郵便振替口座:00190-4-673027
加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会

◎銀行からの振込の場合は、
・ 銀行名:ゆうちょ銀行
・ 金融機関コード:9900
・ 店番 :019
・ 預金種目:当座
・ 店名:〇一九 店(ゼロイチキユウ店)
・口座番号:0673027
・加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第49回の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-14 05:32 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-東京地裁佐々木宗啓裁判長は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法に反する」と認定。

 このことについて、朝日新聞は2016年5月13日、「定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だとして、定年前と同じ賃金を払うよう勤務先の横浜市の運送会社に求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は『「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法に反する』と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じた。」、と報じた。
 判決内容について、「『特段の事情』がない限り、同じ業務内容にもかかわらず賃金格差を設けることは不合理だ」と指摘。この会社については「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」として、特段の事情はなかった
と判断した。」、伝えた。また、「コストを抑制しつつ定年後の雇用確保のために賃下げをすること自体には『合理性はある』と認めつつ、業務は変わらないまま賃金を下げる慣行が社会通念上、広く受け入れられているという証拠はないと指摘。『コスト圧縮の手段とすることは正当化されない』と述べた。会社側は『運転手らは賃下げに同意していた』とも主張したが、判決は、同意しないと再雇用されない恐れがある状況だったことから、この点も特段の事情にはあたらないと判断した。」、とした。


 東京地裁の「労働契約法違反」の判決は、大きな意味を持つものである。
 というのも、この訴訟の訴えは、「3人は同社に21~34年間、正社員として勤務。2014年に60歳の定年を迎えた後、1年契約の嘱託社員として再雇用された。業務内容は定年前と全く同じだったが、嘱託社員の賃金規定が適用され、年収が約2~3割下がった」、というものであり、こうした事例(労働実態)は、日本の労働現場ではごく一般的なものである。
 この判決の、①「特段の事情」がない限り、同じ業務内容にもかかわらず賃金格差を設けることは不合理だ、②この会社については再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかったから特段の事情はなかった、④業務は変わらないまま賃金を下げる慣行が社会通念上、広く受け入れられているという証拠はないことから「コスト圧縮の手段とすることは正当化されない、という判決理由に、今更ながら驚かされる。それは、自分たちの不明の大きさにである。
 何故なら、「同意しないと再雇用されない恐れがある状況」にある日本の労働者は、常にこうした状況を引く受けされてきたし、頼るべき労働組合もこれを組織的に引き受けることを成果としてきたのだから。


 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-13 21:42 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-目取真俊さんらは、米軍や海保の一連の対応が不法行為などに当たるとして、国を相手にそれぞれ損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月13日、「名護市辺野古の新基地建設に反対する抗議活動で米軍に約8時間、拘束された芥川賞作家の目取真俊さん(55)と、海保の警備活動で転覆した抗議船の所有者の原告2人は12日、らは、、国を相手にそれぞれ損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。原告団が同日、沖縄県庁で会見し発表した。目取真さんは『同じ事が米国人に起きれば国際問題になる。なぜ日本国内で許されるのか』と訴えた。」、と報じた。
 また、それぞれの訴訟について、「目取真さんの代理人らは、米軍が理由や根拠を示さず基地内に拘束・監禁し、弁護士への連絡を拒絶したことなどは不法行為と指摘。海保が米軍から身柄の引き渡しを受けず放置し、精神的苦痛を受けたとして、日米地位協定に伴う民事特別法や国家賠償法(国賠法)などに基づき慰謝料など60万円を請求した。」、「抗議船の代理人は、昨年4月28日に辺野古沖の臨時制限水域付近で抗議活動中、海保の警備活動が原因で船が転覆したと主張。転覆防止など海保が職務上の安全確保や注意義務に反して過剰警備したため船が転覆し、使用できなくなったとして国賠法に基づき、エンジンや整備費用など165万円を求めた。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-13 13:54 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-大分県で、伊方原発の運転差し止めを求める仮処分を準備。

 標題について、大分合同新聞は2016年5月13日、「大分県内の住民有志が、豊後水道を挟んで対岸にある伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを四国電力に求める仮処分を大分地裁に申し立てる準備を始めたことが12日、分かった。本訴訟も起こす考え。大分地裁での原発訴訟は過去に例がない。伊方3号機は7月下旬にも再稼働する見込みで、『大分の目の前にある原発を止めたいという県民の思いを訴えたい』としている。」、と報じた。
 また、この訴訟について、「脱原発弁護団全国連絡会(東京)の共同代表を務める河合弘之弁護士は同日、大分合同新聞の取材に対し、河合氏ら連絡会の有志が代理人として支援することを表明した。河合氏は『伊方で事故が起きれば、大分は甚大な被害を受ける【】被害地元】になる』と強調。熊本・大分地震について『(国内最大級の断層帯である)中央構造線の線上、もしくは延長線上で地震が頻発している。伊方に近い中央構造線が動けば重大事故に至る可能性が高い』と訴えた。」、と伝えた。
 さらに、「県内で脱原発活動をしている市民団体のメンバーら十数人が12日、大分市内で会合を開き、仮処分や本訴訟に取り組む方針を決めた。今後、申立人・原告や弁護士を募り、手続きを取る時期などを詰める。出席者からは『応援団として支えてもらう人も必要。運動の輪を広げたい』などの声が上がった。」、と報じた。


 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-13 06:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

日弁連会長の「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」の一部修正を求める会長声明から、自公の法案を考える。

 自民党及び公明党が2016年4月8日に提出した「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下、「本法案」という。)について、
日本弁護士連合会(以下、日弁連とする)は2016年5月10日、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」の一部修正を求める会長声明を発表した。
 この会長声明の「本法案」についての考え方や主張は次のとおりである。

(1)主張
 特に適法居住要件の修正等が行われた上で、本法案が今国会において成立することを求め、もって日本における人種的差別が一日も早く根絶することを期待するものである。
(2)自公の「本法案」の問題点及び指摘事項
①本法案が第2条において、「不当な差別的言動」の対象を「適法に居住する者」に限定(以下「適法居住要件」という。)している点は、在留資格のない者はヘイトスピーチの対象となってもやむを得ないとの解釈を生じさせる危険があるものであり、このような限定は削除されるべきである。
②ヘイトスピーチは、個人の尊厳を著しく傷つけ、差別や偏見を醸成するものであることからその防止が求められているのであり、個人の尊厳や差別を受けない権利は、在留資格の有無にかかわらず等しく保障されなければならない人権である。国連人種差別撤廃委員会も「人種差別に対する立法上の保障が、出入国管理法令上の地位にかかわりなく市民でない者に適用されることを確保すること、および立法の実施が市民でない者に差別的な効果をもつことがないよう確保すること。」(市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30)と勧告している。
③ヘイトスピーチを行うグループは、過去に、非正規滞在から人道配慮による在留特別許可を求めた者を非難・誹謗するデモ、街頭宣伝を行ったこともある。また、難民申請者の相当数は、入国の経緯からして、やむなく在留資格を持たない者であるが、同グループは、難民申請者を非難・誹謗したりする街頭宣伝を行ったこともある。したがって、「適法に居住」していない者についても、ヘイトスピーチから保護する必要性は高い。
④日本が批准している人種差別撤廃条約に基づけば、「本邦外出身者」に限らない人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身を理由とする差別的言動も禁止の対象とすること、また、差別的な言動のみならず、就職や入居などの様々な社会的差別の撤廃を実現することも検討されるべきである。本法案を人種差別撤廃に向けた法整備の第一歩と捉え、国は今後、人種差別全般について実態調査を行ってその実態を検証するとともに、当連合会が求める包括的な基本法制定の必要性について検討を行うべきである。

 
 自公案の問題点については、再度、伊藤和子さんの次の指摘を押さえたい。


① 人種差別撤廃条約は人種差別を「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づく」(同条約第1条)差別と定義している。これにならって、すべての民族的、世系上のマイノリティを対象とするべきだ。国がこのような法律をつくるとき、一部のマイノリティだけを保護し、他のマイノリティを保護しない、という施策を決めることは、保護の対象とされなかったマイノリティを一層深刻な立場に置くことになる。あたかも、そうした者は保護に値するものでないと国が言っているに等しい。
 それは、新たな差別をもたらすことになる。特にこの法律がヘイトスピーチという深刻な人権侵害に関するものであることを考えるなら、その影響は深刻である。
②本法案は、前文で「不当な差別的言動は許されないことを宣言」しながら、本文では「本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」(第3条)として、努力義務を定めるにとどまる。
 どこにもヘイトスピーチは違法、禁止する、という文言がないのは、様々な場面において、果たして有効にマイノリティを保護しうる法律なのか、という実効性に疑問を呼んでいる。
 この点、人種差別撤廃条約は、締約国に対して「すべての適法な方法により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる」義務を課している(2条1項(e)等参照)のであり、実効性のあるヘイトスピーチ抑止のために、「違法」若しくは「禁止」の文言を明確に規定する必要がある。
③本法案は7条までしかない短い法律で、施策として掲げられているのは相談体制の整備、教育、啓発だけである。被害救済の具体的措置は明確とは言えず、深刻になっているインターネット上のヘイトスピーチへの対応なども抜けている。
④現実に役割が求められる地方公共団体の責務が、「努力義務」に過ぎない点も問題である。相談体制の整備、教育の充実、啓発活動等ですら努力義務に過ぎないとされているので、本法案の掲げる施策は実効性に乏しいという懸念がある。
 この点、2016年4月に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)では、「国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。」とし、国と地方公共団体に「努力」以上の「実施義務」を課しているので、どうして同様の法律にできないのだろうか。甚だ疑問である。


 国は、日本における人種的差別が一日も早く根絶するため、日弁連会長声明等の意見を取り入れる必要がある。


 以下、日本弁護士連合会会長声明の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-13 05:53 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

沖縄- 中谷元・防衛相が、米軍普天間飛行場の運用停止(5年以内運用停止)について、「現在においてはしっかりとした定義はない」と後退発言。

 琉球新報は2016年5月12日、 「中谷元・防衛相は11日の衆院決算行政監視委員会で、政府と県が約束している2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止(5年以内運用停止)について『現在においてはしっかりとした定義はない』と述べた。中谷氏は過去に『飛行機が飛ばないこと』と説明していた定義を翻し『幻想を与えるようなことは言うべきでない。撤回する』と変節しており、今回の発言はさらにトーンダウンした形となった。」、と報じた。
 これは、下地幹郎氏(おおさか維新)の質問「運用停止の定義について普天間所属機の離発着回数がゼロになるのかなどを問うた。」に答えたもの。


 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-12 15:59 | 沖縄から | Comments(0)

アメリカ国防総省の年次報告で、「アメリカ軍は、昨年度中の軍内における性的暴行に関する、およそ6000件の報告を受理」。軍内の問題の1つは、兵士たちの互いに対する性的暴行。これは今や、1つの大問題。

 三上智恵さんのFBからこの記事を見つけました。

 アメリカ国防省の報告について、Pars Todayは2016年5月7日、「アメリカ国防総省は年次報告において、『アメリカ軍は、昨年度中の軍内における性的暴行に関する、およそ6000件の報告を受理している』としました。アメリカ国防総省の報告では、2014年と2015年に受理された、これらの性的暴行の事例は、3604件だった2012年と比べておよそ2倍近くに増加しているとされています。」、と報じました。
 また、このことについて、「アメリカ国防総省性的暴行対策室の執行顧問はこれについて、『性的暴行の被害者のうち、報告されているのは、女性は40%、男性は10%に過ぎない』と語りました。また、『2015年に報告された性的暴行のうち、19%が男性からのものだった」としています。さらに、アメリカ国防総省性的暴行対策室長も、「正式に報告される性的暴行の件数が、過去最多の水準に達しているのかどうかは定かではない』と語りました。この報告はこの報告はまた、『このような犯罪を届け出る人物の68%は、同僚や司令官からの不適切な対応に直面している』としています。この問題により、アメリカ軍関係者の中で、耐え難い状況に直面したことで、やむなく軍内の上級幹部に報告してこの問題の解決策を考える隊員の数は、非常に少なくなっています。さらに、アメリカ軍兵士の多くは、こうした状態に慣れきってしまい、公に提訴することはありません。アメリカ国防総省性的暴行対策室の執行顧問はまた、『出のあった事件のうち、38%の犠牲者はさらに甚大の人権侵害に発展した報復を受けている』と語りました。」、と伝えました。


 この中で、次のように指摘しています。

①「近年、メディアでも繰り返し報じられているアメリカ軍内の問題の1つは、兵士たちの互いに対する性的暴行です。これは今や、1つの大問題となっており、アメリカ軍の女性兵士の状況は惨憺たるもので、彼女たちが軍内で性的暴行を受ける確率はもはや、戦場で敵に性的暴行を受け、殺害される確率よりも高くなっています。」
②「アメリカ軍内での女性兵士に対する性的暴行は、一般社会での平均を上回っており、このためアメリカ軍の軍司令官は被害者に聞き取り調査を行い、性的暴行の犯罪者を公正に処遇できるよう、この犯罪の現状を分析するために被害者特別部隊を結成することを余儀なくされました。」
③「アメリカ軍内で性的暴行による危機は、さらに拡大しており、アメリカ軍内の専門家や一般の人々の間に懸念を引き起こしています。専門家は、この現象を客観的、組織化されたものとして、一部の点からアメリカ軍内の一部の部隊が機能を失うことにつながるだろうとしています。」
④「アメリカ社会では、女性の6人に1人が性的暴行を受けていますが、一方でアメリカ軍の正式な統計によれば、アメリカ軍の女性兵士については3人に1人となっています。一部の人々は、残りの2人はこれについて発言することを好まず、もしこれらの被害者が口を開いたならば、この性的暴行について、さらに正確なデータが得られるかもしれないと考えています。今や、アメリカ軍の部隊の一部では、男性兵士からの性的暴行への懸念から、女性兵士が屋外の浴場での入浴や、夜間に数時間に渡り単身でいることを恐れているのが現状なのです。」


 この記事から、理解できるアメリカの現状。
①アメリカ社会では、女性の6人に1人が性的暴行を受けているが、一方でアメリカ軍の正式な統計によれば、アメリカ軍の女性兵士については3人に1人となっていること。
②アメリカ軍内で性的暴行による危機は、さらに拡大しており、アメリカ軍内の一部の部隊が機能を失うことにつながるまでになっているということ。
③アメリカ軍の部隊の一部では、男性兵士からの性的暴行への懸念から、女性兵士が屋外の浴場での入浴や、夜間に数時間に渡り単身でいることを恐れているのが現状であること。 

 三上智恵さんは、このことを、FBで次のように指摘します。


米軍内の性的暴行
年間6000件の報告
女性兵士の三人に一人がレイプを体験

軍隊と性の問題は根深い

アメリカ軍も
歴史的には日本の軍隊も
明らかな病巣を抱えている

軍隊という機構で生きる中で
一般社会と同じ
性的な理性を保てというほうが
無理なのかもしれない

軍隊と同じ島で生活をするうえで
このリスクを
わかった上で誘致するのだろうか
島のリーダーたちは


 つまり、日本が米軍基地に依存させられる又は依存するということは、この実態を引き受けさせられる又は引き受けるということでしかない。
 米軍再編という現実の正体である。


 以下、 Pars Todayの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-12 06:30 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄-沖縄市の上空で10日、少なくとも11機の米軍ヘリが隊列を組んで飛行しているのが確認された。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月11日、「沖縄市の上空で10日、少なくとも11機の米軍ヘリが隊列を組んで飛行しているのが確認された。目撃者によると、これまでにない飛行ルートや訓練とみられ、市には爆音や振動への苦情が寄せられた。」、と報じた。
この時の住民の様子について、「安慶田の実家近くで午後2時前に遭遇した眞榮城健二さん(35)は『ものすごく大きな音が知花方面から聞こえてきた。見上げると低空飛行の編隊があり、地面は揺れた。部屋の中で昼寝していた1歳8カ月の息子も驚いていた』と、突然の出来事を振り返った。周囲では停車して不安そうに見上げる人が数人いたほか、近くの団地ではベランダに出る人もいて、住民は一様に驚いた様子だったという。」、と伝えた。


 地面が揺れ、住民は一様に驚かされる「爆音や震動」が許されるはずもない。
 国(防衛局)は、きちっと対応しなければならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-11 19:30 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-辺野古警備の警備会社マリンセキュリティーの従業員が、月最大200時間以上の残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして、沖縄労働基準監督署に訴えを起こしていた。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月11日、「名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の従業員が月最大200時間以上の残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして、沖縄労働基準監督署に訴えを起こしていることが分かった。労基署はマリン社に改善・是正するよう指導した。マリン社は沖縄タイムスの取材に『労使で話し合いをしている。真摯(しんし)に対応している』と話している。」、と報じた。
 また、残業代未払いの実態について、「従業員らによると、海上での警備業務(日勤)が始まるのは午前8時だが、午前4時半~5時半に沖縄市の会社を出発する前には、録画用ビデオや連絡用携帯電話、ライフジャケットなどの装備品の点検を受け、配置を指示される。会社の車両などで金武や漢那、宜野座、辺野古、汀間の各漁港に向かい、現場の配置ポイントには午前8時に到着し、業務を開始する。警備の解除は午後5時で、各漁港には同6~7時ごろに帰港。その後会社に戻り装備品を返却し、報告書を提出すると退社は同7~8時すぎになるという。」、「従業員によると求人誌には、日勤で午前8時~午後5時で日給9千円と記載されていて、業務の前後と実質的に業務から解放されない『休憩時間』分の残業代が支払われていないと主張。『会社の指揮監督下にある場合は労働時間に当たり、1日平均5・5時間の残業を強いられているにもかかわらず、残業代が支払われていないのは違法だ』と訴える。」、「また、残業代の未払いを会社側に訴えたところ、週5~6日あった仕事が、週2~3日に減らされたこともあったといい『明らかなパワハラだ』と指摘。労基署には、残業代の不払いと仕事を与えないなどの嫌がらせを受けたとして『金銭的不利益・精神的苦痛』を申告した。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-11 18:05 | 書くことから-労働 | Comments(0)

原発問題-福島原発事故で、東京での被ばく放射線量が「数週間で100ミリシーベルトかそれを超える」恐れがあるとの予測値を示していた。

 標題について、毎日新聞は2016年5月9日、「オバマ米政権で科学技術政策を担当するホルドレン大統領補佐官が、東京電力福島第1原発事故の直後、放出された放射性物質の影響で、最悪の場合、東京での被ばく放射線量が『数週間で100ミリシーベルトかそれを超える』恐れがあるとの予測値を他の米高官らに示していたことが9日までに分かった。国務省が2月に公表したクリントン前国務長官の在任中の電子メールに含まれていた。」、と報じた。
 また、「100ミリシーベルトは一般の年間被ばく限度の100倍、同事故収束作業員の5年間の被ばく上限に当たる。当時、米政府が最悪シナリオとして東京への放射性物質の飛散などを独自予測していたことは知られているが、具体的な線量や確率をはじいて政権中枢部で議論していたことを裏付けた。」、「線量予測が示されたのは2011年3月11日の事故から約1週間経過した米東部時間17日付のメール。『3〜12時間、放射性物質の放出が続き、福島から東京に向け風が吹き続ける』と仮定すれば、東京の線量が数週間で100ミリシーベルトになる危険性が1%、10〜20ミリシーベルトの危険性が10%とした。」、「当時、米政府は日本政府の指示を大きく上回る第1原発80キロ圏からの退避を在日米国人に勧告していた。ホルドレン氏はメールで、事故が米国で起こり首都ワシントンで同じリスクが想定されても同じ勧告を出すよう助言するだろうと指摘。福島第1原発と東京は200キロ以上離れており、東京からの退避はこの時点では必要ないとの判断だったとみられる。」、と伝えた。


 以下、毎日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-11 06:40 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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