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沖縄-翁長雄志沖縄県知事は首相官邸で安倍晋三首相と会談し、オバマ米大統領と面談する機会を設けるよう求めた。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月23日、「沖縄県の翁長雄志知事は23日、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、元海兵隊で米軍属の男による女性遺体遺棄事件に抗議した。翁長氏は冒頭、『事件は基地あるゆえの犯罪であり、大きな怒りと悲しみを禁じ得ない』と指摘。沖縄の現状を伝えるため、今週来日するオバマ米大統領と面談する機会を設けるよう求めた。安倍首相からは綱紀粛正やケネディ米駐日大使への抗議したことなどの言及はあったが、面会要請についての応答はなかったという。」、と報じた。
 また、「『安倍内閣はできることはすべてやるといつも枕ことばのように言うが、できないことはすべてやらないとしか聞こえない』『地位協定の下では、米国から日本の独立は神話であると言われているような気がする』などと強い憤りを示し、地位協定の改定を求めた。」、と翁長雄志沖縄県知事の言葉を伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-05-23 13:45 | 沖縄から | Comments(0)

本からのもの-「慰安婦」問題の現在-「朴裕河現象」と知識人: 日本知識人の常識を促す-和田晴樹先生への手紙

著書名;「慰安婦」問題の現在:日本知識人の常識を促す-和田晴樹先生への手紙
著作者:徐京植
出版社;三一書房

 徐京植さん(以下、徐とする)の文章は、切れ味鋭い。
前田朗編の「『慰安婦』問題の現在-『朴裕河』現象と知識人識人-」のなかでの徐の「日本知識人の覚醒を促す-和田晴樹先生への手紙」の文章も、また、真実を鋭く取り出してみせる。
ここでは、私が取り出した徐の言葉を並べてみる。
 恐らく、徐の分析は、こちら側からの説明などいらない世界であろう。
なお、この文章は、「和田晴樹先生、やむにやまれぬ気持ちから、この手紙を差し上げます。ことの性質上、公開書簡の形にしたことをご理解ください。」で始まる、「慰安婦」問題、「日韓合意」、「帝国の慰安婦」について、和田春樹への質問状という形になっている。


①「現実には、先生の懸念した『過ち』は、あくまで国家責任を否定したい日本政府の立場から見れば『過ち』ではなく、むしろ外交的成功だったと言えるでしょう。彼らは終始一貫しています。そして、韓国政府はそれに加担したということです。それが『過ち』であったとすれば、『アジア女性基金』の失敗の原因を省察することができます。それを思想的に深めて後代に継承できなかった者たちの『過ち』といえないでしょうか。まことに僭越な言い方になりますが、この意味で、和田先生ご自身の責任も渇して小さくないと考えます。」


②「『慰安婦問題の最終解決』という言葉は、『ユダヤ人問題の最終解決』というナチの行政用語を連想させ、不吉な胸騒ぎを引き起こします。この用語は、あらゆる『問題』の原因を『ユダヤ人』におしつける心理的機能を果たし、究極的に工業的大量虐殺に帰結しました。同じように、『慰安婦問題』という用語は、それが本来『日本問題』であるにもかかわらず、『慰安婦』に問題があるかのような偏見を醸成します。理性的に思考することのできない人々は、目障りな問題は除去したい、うるさい存在は黙らせたい、という反知性的な衝動に身を任せることになります。当事者を無視して強行された『慰安婦問題の最終解決』という『合意』が、今後どんな惨憺たる事態を招くことになるのか、憂慮に耐えません。それは被害者を黙殺する名分、被害者を黙らせる圧力(象徴的には『少女像』の撤去)となって現れるでしょう。愚かにもこの合意を承認した韓国政府は、このような不正義の企てに協力する立場に立つことになりました。」


③「しかし、日本国民の多数者は、この『蒸し返し』(広くいえば植民地主義批判)の原因と意義を理解できず、さらに攻撃性を強めることでしょう。国民のこのような攻撃性を国家は徹底的に利用しようとするでしょう。私の脳裏に浮かぶ悪夢は、近い将来『朝鮮半島有事』という事態が起きることです。そうなれば、米軍ととに(いまは自衛隊という名の)日本軍が朝鮮半島に侵入してくることになるでしょう。その準備が着々と進められています。日本国民の多数は、すでに内面化された差別意識や攻撃性を克服できないまま、この悪夢を傍観するか、あるいは積極的に支持するでしょう。
 これは言うまでもなく、私たち朝鮮民族と日本民族との平和的共存、よりよい社会に向けての連帯にとって最悪の危機です。このことは、近代史を通して繰り返し提起されてきた日本国民への思想的問い、和田先生自身も提起した問いを、いま一度、深刻に提起してみることを私たちに要請しています。私がほかなら根和田先生あてに手紙を書くことにしたのも、このような理由からです。金学順さんの記者会見から25年、いわゆる『慰安婦』問題は、まったく解決しそうもないままに歳月が過ぎました。私はこの間の日本社会と韓国社会の推移を見つめてきたものとして私見を述べ、先生のご批判を仰ぎたいと思います。」


④「朝鮮民衆の立場からは到底容認できないことは言うまでもありません。日露戦争は朝鮮半島と中国東北地方(満州)の派遣をめぐる戦争であり、朝鮮は日本によって軍事占領されて『保護国』化され、そのことが、のちの『併合』へとつながりました。植民地化に抵抗した『抗日義兵』など多くの朝鮮民族が日本軍に殺戮されたことも歴史の事実です。その朝鮮民族に向かって、安倍首相は、日露戦争を引き合いに出して自国を美化して見せたのです。これは『和解』とは正反対の、愚弄とも挑発ともいえる言動です。
 ここでは朝鮮の例のみを挙げましたが、安倍談話は北海道、琉球(沖縄)、台湾に対する征服と支配について、一言の『お詫び』も『反省』も述べていません。安倍首相がその談話において『反省』したのは、第一次世界対大戦後、日本が『世界の大勢』を見失い、戦争への道を進んでいった、という点のみでした。これは欧米諸国への弁明に過ぎず、植民地支配と侵略戦争の被害者に向けた『反省』といえるものではありまえん。」


⑤「日本の朝鮮植民地化の過程は、すべて統治権の総覧者たる天皇の『哉可』を得て進められた。朝鮮総督は、法的にも天皇に『直隷』する、天皇の代理人であった。(朝鮮植民地支配とそれに伴う投獄、拷問、殺害などの行為は)先日死去したその人の名において行われたのである。(中略)『昭和』の終わりにあたって、この否定しようもない事実を想起する日本人は、まことにわずかでしかない。(中略)彼らは知らないのではなく、黙殺しているのである。なぜなら、『朝鮮』を直視することは、彼らの自己肯定、自己賛美の欲求と相いれないから。しかし、考えてみるまでもなく、侵略と収奪の歴史を自己否定することは、日本人自身の道徳的更正と永続的な平和の確保のためにこそ必要なのである。そうでなければ、日本人は将来にわたって、『抗日闘争』に直面し続けるほかない。」


⑥「『先生方がおっしゃるように、日本の現実が基金案以外は望みがたいというのは、正直なところでしょう。しかし、私たちはむしろ、日本の政治、社会的現実がそうした雰囲気であるからこそ、ますます基金事業をためらうのも事実なのです。日本がこれほど過去の非人道的犯罪を隠ぺいし糊塗し擁護しようとするので、いくばくかのお金や物質的利益ですべての懸案に決着をつけようとすることは私たちの良心が許さないのです。』日本とヨーロッパ社会が違っている、という論点について、『こうした違いがあるからといって、日本の戦後処理における微温的なところまで認めなければならないという法はありません。むしろ、日本社会がヨーロッパとちがって、しっかりとファシズムを精算できていないとすれば、しっかりと精算すべく圧力を加えなければならないと思うのです。」


⑦「正式な賠償金は絶対に支出しないという点が政権の譲れない意図だったからではありませんか。和田先生は藪中元外務次官が近著(『日本の進路』2015年)で、日本が慰安婦に『見舞金』を出したと書いているのは不見識であると批判していますが、これこそが日本政府中枢部の一貫して変わらない立場なのであり、それを和田先生のように『事実上の補償金)』であると便宜的に読み替えて受け入れるよう被害者に向かって主張することのほうに無理があります。これに反発した被害者側や運動団体こそ、事実を正確に見ていたということになるでしょう。」


⑧「もう少し大きな歴史の中で見ると、慰安婦問題というのはそもそも世界的な東西対立構造の終焉とともに浮上してきた出来事でした。勧告を含むアジア諸国の権威主義体制が動揺し、民主化が進んだ結果、それまで封印されていた日本の戦争犯罪問題が浮上したわけです。被害者が名乗り出ることが可能となり、支援運動も活発になりました。
 しかし、当の日本では、このベクトルは逆方向を向いていました。日本では東西対立時代の終焉は『脱イデオロギー時代』という浅簿な決まり文句とともに、進歩的リベラル勢力の自己解体という方向で進行しました。社会党・総評ブロックそのものが『55年体制』と称する旧体制に依存してきたことは事実ですが、そのような社会変動の中で新しく進歩的勢力を結集する代案を提示することができないまま、すすんで自壊の道を進んだことが致命的でした。小選挙区制を受け入れ、自民党との連立も嬉々として受け入れました。一貫して国家主義に抵抗してきた日本教職員組合(日教組)は方針を転換し、学校行事での国旗掲揚、国歌斉唱を容認しました。その際につねに言い交わされた決まり文句は『時代は変わった。もうイデオロギーの時代ではない』というものでした。進歩勢力がみずから『脱イデオロギー』と称して理念や理想を捨てていたとき、右派勢力はむしろ国家主義イデオロギーの砦を固めて反抗の機会をうかがっていたということになります。」


⑨「アジア女性基金の活動は、被害者救済のためではなく、まして、日本国家の責任を明らかにして新たな連帯の地平を切り開くためでもなく、日本人が自らの『良心』を慰めるためのものだったのでないのか。それは謙虚の衣をまとった自己中心主義ではないのか。その心性を克服することこそが、問われているので課題ではないのか。そうでない限り、『もう金は払った』とか、『被害者の目当ては金だ』とか、日本社会に偏在するそうした最悪の差別意識と闘うことはできません。」


⑩「この本(朴裕河教授の『和解のために』)の記述は問題だらけですが、ここでは二か所だけ挙げてみましょう。
 『戦後日本の歩みを考慮するなら、小泉首相が過去の植民地化と戦争について【懺悔】し【謝罪】する気持ちをもっていること自体は、信頼してもよいだろう。そのうえで、【あのような戦争を二度と起こしてはならない】と言明しているのだから、戦争を【美化】していることにもならないはずである』
 和田先生も、朴教授のこの認識を共有されるのですか。
 『1905年の条約(乙巳条約)が『不法』だとする主張(李泰鎮ほか)には、自国が過去に行ってしまったことに対する『責任』意識が欠如しているように、韓日協定の不誠実さを採り上げて再度協定の締結や賠償を要求することは、一方的であり、みずからに対して無責任なことになるだろう。日本の知識人がみずからに対して問うてきた程度の自己批判と責任意識をいまだかって韓国はもったことがなかった。』』
 この認識にも同意されますか。」


⑪「韓国の『左派政権』の10年間に南北の交流が進み、和解的雰囲気が生まれたことは、まさに脱冷戦的な出来事でした、そのことを『北朝鮮』と結びつけて非難することこそ、まさしく〈冷戦の思考〉に囚われたイデオロギー的攻撃というべきでしょう。(中略)すなわち、韓国でいうと、民主化闘争の動きに対する植民地近代化論の側からの反動です。前記した朴教授の言説は、この反動の典型的表現と言えるでしょう。
 90年代以降の長く続く右傾化、これは戦後民主主義(安倍政権のいう『戦後レジーム』)への大反動であり、これに、嫌韓論・反中論の蔓延といった排外主義の風潮が拍車をかけています。その中で動揺する人々、国家責任を徹底して突き詰めることは回避したいが、同時に自己を道徳的な高みに置いておきたい、そんな矛盾した望みを持つ『国民主義』の人々に、朴教授の言説が歓迎されています。
 世界的な規模でいえば、反植民地主義の高揚に対する反動です。」


⑫「先生が、『わずかに開いた裂け目に身体を入れる思い』で、慰安婦問題解決のため尽力された、その個人的誠意は疑いを入れないものです。残念なことは、それが空転し、結果的に『連帯』を損ねることなのです。先生のような方には、被害者救済のために個人としての熱意を注ぐ一方、国家に対してはもっとも原則的な批判の旗を掲げ続けていただきたい。その『原則』、いいかえれば『理想』を共有してこそ、『連帯』が可能となるからです。これは『万年野党』的な無責任を意味するものではありません。それこそが、『彼我の問いに禍を遠ざけ、祝福をもたらす捷径』であるからです。
 あの険難な70年代、暗黒の中に『連帯』の可能性がありました。それこそが、先生ご自身が述べられた『日本人が、この侵略と収奪の歴史を否定して、朝鮮半島の人々との新しい関係を想像していく』可能性であったと思います。銀座通りの人ごみに消えていく先生の背中に、私はその可能性を見ました。現在、その可能性はますます遠ざかって見えますが、どうか、あの『初心』に立ち返っていただきたいのです。」


⑬「最後に、具体的なお願いを申し上げます。
一 先生は『アジア女性基金』が失敗に終わったことを認めておられます。それなら  ば、失敗の原因をたんに運動論の次元にとどまらず、思想の次元で深く掘り下げて考  察していただきたいのです。そのことは、かって竹内好『現代中国論』に触発された  先生が、武内の思想を受け継ぎ、発展させ、そこに潜在していた限界性をも超えて、  日本人とアジア民衆の連帯へと進む思想的作業を意味するでしょう。
二 昨年12月28日の『合意』は、先生が事前に示しておられた『被害者が受け入れ、韓国国民が納得できる』という基準に逆行するものであることが明らかです。そうである以上、和田先生として、この『合意』は直ちに撤回されるべきである旨の意思を表明し、合意撤回のために闘っている韓日の市民の側に立つと明らかにしてください。
三 朴裕河教授が自著で繰り返している見解は、和田先生から見ても同意しがたいも  のであるはずです。そうであるなら、それを明確に批判しないことは学問的誠実に反  するでしょう。また、もし先生として朴教授の見解に同意されるのであれば、現在ま  でのご自身の見解との齟齬について説明されるべきであると思います。朴教授の著作  と言動について先生ご自身の見解を明示されることを求めたいと思います。」


なぜ、徐京植さんのこの文章を取りあげたのか。
 「アジア女性基金」の問題以来、和田晴樹さんへの疑問を、個人的にずっと抱いてきたことは、確かである。
 今回は、「慰安婦」問題や「日韓合意」の理解のために、これを採り上げました。


by asyagi-df-2014 | 2016-05-23 05:54 | 本等からのもの | Comments(0)

沖縄-琉球新報が号外。軍キャンプ瑞慶覧ゲート前で『元米海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、米軍の撤退を求める集会』が開かれ、静かに被害女性を追悼すると同時に、県内にある全ての基地と軍隊の撤去を求めた。

 標題について、琉球新報は2016年5月22日、「米軍属女性死体遺棄事件を受け、『基地・軍隊を許さない行動する女たちの会』(高里鈴代、糸数慶子共同代表)など36団体は22日午後2時、在沖米四軍調整官事務所がある北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前で『元米海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、米軍の撤退を求める集会』を開いた。参加者は白と黒の服装、黒い喪章でゲート前に立ち並び、静かに被害女性を追悼すると同時に、県内にある全ての基地と軍隊の撤去を求めた。主催団体には『基地・軍隊を許さない行動する女たちの会』のほか、ワンストップ支援センターの設立を強く望む会、強姦救援センター・沖縄(REICO)、県女性団体連絡協議会などが名を連ね、多くの女性が参加した。」、と号外で報じた。
 また、集会の様子について、「高里共同代表は、被害者女性に対する追悼の気持ちを述べた後『彼女(被害者女性)がどれほどの恐怖と苦しみの中にあったのか、荒ぶるような心を鎮めることができない』と事件を糾弾した。」、「声明文は、被害者を取り巻く人々への謝罪とケアが丁寧に行われること、真実が究明され、加害者への処罰が厳正に行われること、沖縄に暮らす人々の真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊を撤去することなどを要求した。」、と伝えた。


 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-05-22 17:22 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄- 大田元沖縄県知事は、「基地を撤去しない限り、いつまでたっても同じことを繰り返す。外国の軍隊を独立国家に置くべきではない」と指摘。

 沖縄タイムスは2016年5月22日、大田昌秀元知事のインタビューを掲載した。
 このことについて、「 元県知事の大田昌秀氏(90)が21日、沖縄タイムスのインタビューに応じ、うるま市の会社員女性の遺体が遺棄された事件は、沖縄に米軍基地があり続けるが故に起きたとし、抜本的な解決には『基地を全面的に撤去させることが大事だ』との認識を示した。さらに日米地位協定の改定の必要性も指摘し『基地内も日本の法律が適用できるようにしないといけない』と述べた。」、と報じた。
 また、1995年の米兵暴行事件の時に知事であった経験からも、「大田氏は『基地を撤去しない限り、いつまでたっても同じことを繰り返す。外国の軍隊を独立国家に置くべきではない』と指摘。同様の事件が続けば『県民の怒りが爆発し、何が起こるか分からない。70年にコザ騒動があったが、今は沖縄中が怒っている』と危惧した。」、と伝えた。


 まず、私たちは、非常に残酷で悲惨な事実を受け止めなけねばならない。
 その上で、、大田元知事が指摘した、①「抜本的な解決には基地を全面的に撤去させることが大事」、②「基地内も日本の法律が適用できるように日米地位協定をの改定しないといけない」、との二点を実行するには何が必要かを突き詰めなけねばならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-22 16:26 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県民は幾度、おぞましい事件に直面しなければならないのか。答えは決まっているではないか。沖縄を軍事植民地として扱い続ける日米両政府の姿勢が間違いなのである。

 元米兵、沖縄の元米兵、米軍属、沖縄の米軍属、元海兵隊員逮捕、と呼び名が違う人の逮捕について、次のように2016年5月21日の社説・論説で扱っている。
 

(1)朝日新聞社説-元米兵逮捕 基地を減らすしかない
(2)読売新聞社説-沖縄米軍属逮捕 再発防止へ厳正対応が必要だ
(3)毎日新聞社説-沖縄米軍属逮捕 県民の怒りに向き合え
(4)東京新聞社説-元海兵隊員逮捕 沖縄を安心安全の島に
(5)北海道新聞社説-沖縄の悲劇再び 基地の集中こそ元凶だ
(6)デーリー東北時報-沖縄の米軍属逮捕 基地の縮小、移設進めよ
(7)茨城新聞論説-沖縄の米軍5月21日属逮捕 基地縮小を本気で進めよ
(8)信濃毎日新聞社説-元米兵逮捕 沖縄の怒り受け止めよ
(9)新潟日報社説-米軍属逮捕 繰り返される沖縄の悲劇
(10)福井新聞論説-沖縄の米軍属逮捕 基地ある限り事件起きる
(11)京都新聞社説- 沖縄米軍属逮捕  もう悲劇を繰り返すな
(12)神戸新聞社説-米軍属逮捕/過大な基地負担が背景に
(13)山陰中央新報論説-沖縄の米軍属逮捕/日米で再発防止に取り組め
(14)愛媛新聞社説-沖縄の米軍属逮捕 基地負担の軽減は待ったなしだ
(15)高知新聞社説-【米軍属の逮捕】沖縄の悲劇防ぐ具体策を
(16)宮崎日日新聞社説-沖縄の元米兵逮捕
(17)佐賀新聞論説-沖縄女性殺害 日米地位協定の見直しを
(18)南日本新聞社説-[沖縄米軍属逮捕] 基地あるゆえの悲劇だ

(19)琉球新報社説-「殺害」示唆 植民地扱いは限界だ 許されない問題の矮小化
(20)沖縄タイムス社説-[女性遺棄事件]声上げ立ち上がる時だ


 この見出しを見た時、「基地あるゆえの悲劇だ」とか「再発防止へ厳正対応」という表現の新聞社、「基地の縮小」や「基地を減らす」と主張するところ、様々である。
 ただ、こうした言葉は、果たしてどこまで問題を視ることができているのだろうか。
 もしかして、すでに事実は先を行っているのではなかろうか。悲劇の先行ということで。
 「非常に強い憤りを覚える。今後、徹底的な再発防止などを米側に求めたい」、と20日になって初めて答えた安倍首相と、どこが違っていたのか。
 その分岐点は、「翁長雄志知事が『基地があるがゆえに事件が起きてしまった』と述べたのは当然だ。」(宮崎日日新聞)、との立場をとることができるか、また、「事件のたびに日米政府は遺憾の意を示すが、現実には再発防止になっていない。沖縄の人々が求めるのは、米軍基地の廃止である。それがすぐにかなわないなら米軍に特権を与え、県民を憲法のらち外に置く日米地位協定を対等なものに改めることである。(中絡)広島の思いだけでなく、沖縄の思いを毅然(きぜん)として伝えることも、政府の責務である。」(東京新聞)、との考え方を確立できているかの違いである。
 「沖縄県の翁長雄志知事は『基地があるがゆえの事件が起きてしまった』と述べた。今回の犯行は男の勤務時間外であり、日米地位協定上の問題は生じていない。事件を普天間飛行場の辺野古移設と絡めて政治利用してはなるまい。」、とする読売新聞は、改めて新聞の使命ということを再確認する必要があるのではないか。


 やはり、ここでは、琉球新報と沖縄タイムスの社説を取りあげる。
(琉球新報の訴え。)
①「えたいの知れない重苦しい塊が胸の中に居座り続けている。なぜ繰り返し繰り返し、沖縄は悲しみを強いられるのか。この悔しさはまさしく、持って行き場がない。」
②「もう限界だ。今のままの沖縄であってはならない。」
③「女性と容疑者に接点は見当たらない。事件当日の日没は午後7時で、女性は8時ごろウオーキングに出た。大通りがいつものコースだった。日暮れから1時間たつかたたずに、商業施設に程近い通
りを歩くだけで、見も知らぬ男に突然襲われ、最後は殺されたのだ。」
④「しかも相手はかつて海兵隊員として専門の戦闘訓練、時には人を殺す訓練をも受けたはずである。なすすべがなかったに違いない。沖縄はまさに現在進行形で「戦場」だと言える。」
⑤「沖縄に米軍基地がなければ女性が命を落とさずに済んだのは間違いない。在日米軍専用基地が所在するのは14都道県で、残りの33府県に専用基地は存在しない。だからこれらの県では米軍人・軍属による凶悪事件は例年、ほぼゼロが並ぶはずである。他方、統計を取ればこの種の事件の半数は沖縄1県に集中するはずだ。これが差別でなくて何なのか。
 沖縄は辛苦を十分に味わわされた。戦後70年を経てもう、残り33府県並みになりたいというのが、そんなに高望みであろうか。」
⑥「政府は火消しに躍起とされる。沖縄は単なる『火』の扱いだ。このまま米軍基地を押し付けておくために当面、県民の反発をかわそうというだけなのだろう。沖縄の人も国民だと思うのなら、本来、その意を体して沖縄から基地をなくすよう交渉するのが筋ではないか。」
⑦「だが辺野古新基地建設を強行しようという政府の方針には何の変化もないという。この国の政府は明らかに沖縄の側でなく、何か別の側に立っている。
 19日に記者団から問い掛けられても無言だった安倍晋三首相は、20日になって『非常に強い憤りを覚える。今後、徹底的な再発防止などを米側に求めたい』と述べた。」
⑧「その安倍首相に問い掛けたい。これでも辺野古新基地の建設を強行するのですか。」
⑨「綱紀粛正で済むなら事件は起きていない。地元の意に反し、他国の兵士と基地を1県に集中させ、それを今後も続けようとする姿勢が問われているのである。」
⑩「問題のすり替え、矮小(わいしょう)化は米側にも見られる。ケネディ米大使は『深い悲しみを表明する』と述べたが、謝罪はなかった。ドーラン在日米軍司令官も『痛ましく、大変寂しく思う』と述べたにすぎない。70年以上も沖縄を『占領』し、事実上の軍事植民地とした自国の責任はどこかに消えている。」
⑪「ドーラン氏はまた、容疑者が『現役の米軍人ではない』『国防総省の所属ではない』『米軍に雇用された人物ではない』と強調した。だが軍人か軍属か、どちらであるかが問題の本質ではない。軍属ならば米軍の責任はないかのような言説は無責任極まる。」


(沖縄タイムス)
①「もうガマンができない」 うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかった事件から一夜明けた20日、県内では政党や市民団体の抗議が相次ぎ、怒りや悔しさが渦巻いた。
②「これまでに何度、『また』という言葉を繰り返してきただろうか。県議会による米軍基地がらみの抗議決議は復帰後206件。凶悪犯の検挙件数は574件。いくら再発防止を求めても、米軍の対策は長く続かず、基地あるが故に、悲劇が繰り返される。
 日米両政府の責任は免れない。
③「20日、県庁で記者会見した16の女性団体の代表は、時に声を詰まらせながら、口々に無念の思いを語った。
 『被害者がもしかしたら私だったかもしれない、家族だったかもしれない、大切な人だったり友人だったかもしれない』『基地がなかったら、こういうことは起こっていなかったんじゃないか』-涙ながらにそう語ったのは、女性と同世代の玉城愛さん(名桜大4年)。」
④「日米両政府の『迅速な対応』がどこか芝居じみて見えるのは、『最悪のタイミング』という言葉に象徴されるように、サミット開催やオバマ米大統領の広島訪問、県議選や参院選への影響を気にするだけで、沖縄の人々に寄り添う姿勢が感じられないからだ。」
⑤「基地維持と基地の円滑な運用が優先され、のど元過ぎれば熱さ忘れるのたとえ通り、またかまたか、と事件が繰り返されるからだ。」
⑥「沖縄の戦後史は米軍関係者の事件事故の繰り返しの歴史である。事態の沈静化を図るという従来の流儀はもはや通用しない。」
⑦「オバマ大統領はサミットの合間に日米首脳会談に臨み、27日には、原爆を投下した国の大統領として初めて、被爆地広島を訪ねる。
 その機会に沖縄まで足を伸ばし、沖縄の歴史と現状に触れてほしい。新しいアプローチがなければ基地問題は解決しない。そのことを肌で感じてほしいのである。」


 私たちは、琉球新報と沖縄タイムスのこの言葉を、肝に命じたい。


「確かに、容疑者は海兵隊をやめ、今は嘉手納基地で働く軍属だ。だからこそ辺野古新基地をやめれば済む問題でもない。
 日ごろ戦闘の訓練を受けている他国の軍隊がこれほど大量かつ長期に、小さな島に駐留し続けることが問題の淵源(えんげん)だ。沖縄を軍事植民地として扱い続ける日米両政府の姿勢が間違いなのである。ここで現状を抜本的に変えなければ、われわれは同輩を、子や孫を、次の世代を守れない。」(琉球新報)


「政府によって『命の重さの平等』が保障されないとすれば、私たちは、私たち自身の命と暮らし、人権、地方自治と民主主義を守るため、立ち上がるしかない。
 名護市辺野古の新基地建設に反対するだけでなく、基地撤去を含めた新たな取り組みに全県規模で踏み出すときがきた、ことを痛感する。」(沖縄タイムス)


 以下、各新聞の社説等、の引用。(長文です)




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-22 06:03 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-在沖米軍基地の本土引き取りを考える大阪でのシンポジウムで。

 在沖米軍基地の本土引き取りを考える動きが具体的に出てきている。
 琉球新報は2016年5月17日、その社説で、このことについて触れた。
要約は、次のとおりである。


(1)沖縄基地問題の位置づけ
 沖縄の基地問題は、軍事理論をめぐる悠長な論議ではない。人権の問題だ。構造的差別・植民地主義をなくすか、今後も続けるかという問いなのである。

(2)基地問題を動かすためには
①「どこにも基地はいらない」という主張が従来言われてきた。「自分が苦しんでいるものを他人に味わわせるのは忍びない」という感情もある。確かに軍事基地は世界中で存在しない方が望ましい。しかしその論にとどまると、世界全体の平和が実現するまで沖縄は基地を負担し続けることになり、「他人には押し付けないが自分の子孫には押し付ける」ことになる。
②過去20年、沖縄は不平等な日米地位協定の改定を求めてきたが、国民世論はほとんど動かなかった。圧倒的多数の日本人にとり、基地問題は「人ごと」だからだ。この「人ごと」の論理を突き崩さない限り、基地問題は動かない。
③日本人の86%が日米安保の維持・強化に賛成している。割合は年々高まる一方だ。県外移設が具体化して初めて国民全体が安保の負の側面を直視することになろう。     ③基地引き取りには「安保肯定論」との批判もあるが、高橋哲哉東大大学院教授の言う通り、「安保解消を目指す道筋としてむしろ不可欠」ではないか。そうした議論を深めたい。

(3)基地引き取り論の現状
①基地の本土引き取り論を提唱する人々は、無邪気に日米安保と米軍基地を肯定するのではない。沖縄の米軍基地偏在は本土から移設した結果であり、本土からの基地押し付けであるという認識が大前提だ。つまり、日本人による差別だと自覚した上で、差別するという立場をやめたいという意思表示なのである。
②基地の由来についての知識と植民地主義に関する深い理解、鋭い人権意識が融合した結果だろう。その誠実な姿勢に敬意を表する。運動の広がりに期待したい。

(4)基地引き取り論の広がり
 引き取り論は大阪、福岡に始まり東京、長崎、新潟へと広がっている。「引き取りの可能性はゼロ」という見方もあるが、仮にそうだとしても運動は無意味ではない。それどころか、圧倒的多数が拒否する過程そのものが、本土の利益のために沖縄を差し出すという構図を、分かりやすい形で示すのではないか。構造的差別の克服・解消に資するのは確かだ。


 さて、問題は、植民者のとして自覚であることは間違いない。
 自分は、どうするのか。
 確かに、ひとり一人が問われている。


 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-21 17:46 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄を激しい怒り、抗議が覆った。「全基地撤去を」の叫びが日米両国政府に届けなければ。

 沖縄を怒り、抗議が覆った。
 それは、「全基地撤去を」の叫びとなった。
 琉球新報は、2016年5月21日、次の見出しで伝えた。


「うるま市長、涙の抗議 沖縄大使に『町の安心は国の務め』 米軍属事件」
「『全基地撤去を』 抗議の波、全県に拡大 米軍属女性遺棄事件」
「副知事、全米軍基地撤去に言及 『民意無視できず』」


 琉球新報は、報じた。


「米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、水上正史沖縄担当大使と井上一徳沖縄防衛局長がうるま市役所を訪れ、島袋俊夫うるま市長に『おわび申し上げる。再発防止徹底に努めたい』と謝罪。した。島袋市長は、目に涙を浮かべて時折声を詰まらせながら、『心から安心して住める町づくりが行政の務めであり、国の務めでもある。安全、安心な町づくりの確保を強く求めたい』と強く抗議した。」

「島袋市長はこれまでにも米軍関係の事件発生後、再発防止の徹底を政府に求めてきたことに触れ、『こういった事件がいつまでも続くことが異常だ』と強く非難し、日米地位協定の改定を求めた。水上大使らはこれに対し返答せず、沈黙が続いた。
 さらに島袋市長は『うるま市に魅力を感じて来てもらった若い、将来のある女性だったが、最悪の結果になってしまった。家族や知人、関係者の気持ちを考えると大変忍びない』と述べ、再発防止徹底を訴えた。」


「米軍属死体遺棄事件について、県内では20日、事件を強く非難し、抗議の意思を示す動きが広がった。市民団体は嘉手納基地前で抗議行動を展開し、緊急に開かれた抗議会見では女性らが涙ながらに事件を厳しく指弾した。被害者の命と尊厳を守ることができなかった悔いが事件への怒りと共に重く全県に広がっている。繰り返されてきた米軍関係者による事件の再発を許した日米両政府への対応にも反発が強まっている。」

「訪米後に台湾の総統就任式に出席していた翁長雄志知事は20日夜、帰国した那覇空港で会見し『非人間的な事件が発生したことは、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな衝撃を与え、新たな不安を招くもので、断じて許されるものではない』と非難した。また『(これまでも)再発防止などを強く要請してきたが、またもや事件が起きたのは激しい怒りを禁じ得ない』と述べた。」


「米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、県庁に謝罪に訪れたローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官とジョエル・エレンライク在沖米総領事に対し、安慶田光男副知事は『このような事件が繰り返されるのであれば、普天間飛行場の辺野古移設だけでなく、沖縄の基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無視できない。注視していく』と述べ、県民の意思表示によっては、在沖米軍基地全撤去を求めていく考えを示した。日米安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。」

「ニコルソン氏らに対し、安慶田副知事は『この事件は基地があるゆえに発生したものだ。それぞれの立場で真剣に取り組まない限り、沖縄はこういう事件が絶えない地域となる。県政を預かる者として決して看過できない』と述べ、これまで以上の再発防止策を講じるよう求めた。」


「日米安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。」
 このことを、日米両政府は、命の問題を重く受け止めなくてはならない。
 いや、すぐに動き出さなくてはならない。


 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-21 12:59 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-元米海兵隊員で嘉手納基地で軍属として働く32歳の男を死体遺棄の疑いで逮捕。

 「今、こうやってパソコンに向かっている間も、打つ手の震えを抑えることができない。どうか無事でいてほしいという家族や友人、多くの県民の思いは粉々に砕かれてしまった。」

 沖縄タイムスの社説は、こう切り出さねばならなかった。

「事件の詳細が明らかになっていないため、現時点で予断をもって語ることは戒めなければならない」、としながら、社説は続ける。
 


 「県警によると容疑者の男は、殺害をほのめかす供述をしている。またも繰り返された米軍関係者による凶悪犯罪。
 若い女性の命が奪われたというニュースに、県民は悲しみと怒りと悔しさが入り交じった衝撃を受けている。
 米軍基地が集中するために脅かされる命と女性の人権。米兵や米軍属の犯罪におびえて暮らさなければならない日常が戦後71年たっても続くというのは、あまりにも異常である。」


 また、翁長雄志沖縄県知事は、「米国から帰国し会見した翁長雄志知事は『言葉が出てこない』と絶句した。」、と伝える。


 沖縄の悲惨な現実。
 だとするならば、結論は。


「事件事故のたびに日米両政府に抗議し、大会を開き、綱紀粛正と再発防止を求めてきたが、これまでのようなやり方ではもうだめだ。もはや再発防止要請ですますレベルではない。」


 最後に、2016年5月20日の沖縄の米軍犯罪の一端を、この社説から。


①「1972年の復帰から2015年までの43年間の米軍関係者による犯罪検挙件数は5896件。うち殺人、強盗、強姦、放火などの凶悪犯は574件と10%近くを占めている。米兵に民間人が殺害される事件も12件発生した。」
②「『基地・軍隊を許さない行動する女たちの会』が掘り起こしてきた戦後の米兵による性犯罪の記録には、『検挙』にいたっていない被害も数多く並ぶ。」
③「こんな地域がほかにあるだろうか。米軍占領下も復帰後も米兵による性暴力や米軍関係者の事件事故におびやかされる地域がほかにあるだろうか。怒りがこみあげてくるのを禁じ得ない。」 
④「つい2カ月前にも那覇市内のホテルで米兵による女性暴行事件が起きている。」
⑤「県と市町村、外務、防衛両省、米軍が事件事故防止に向け対策を話し合うワーキングチームの会合を4月19日に開いたばかりである。」


 本当に、「これまでのようなやり方ではもうだめだ。」。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-20 07:00 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-大分合同新聞は論説で、「熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ」、と掲げる。

 大分合同新聞は2016年5月16日、その論説で、「熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ」、と主張した。
 まずは、その要約である。

(1)大分合同新聞の主張
①建物、道路などに大きな被害が出た。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、半島住民は原発事故が起きれば、大分県側に避難する計画。今回のような惨状になれば、逃げようがない。
②原発は安全最優先であるべきだ。今回の地震が中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性が否定できない以上、7月下旬にも予定されている伊方原発の再稼働はやめるべきである。
(2)危惧感
①4月中旬、熊本県で地震が起きた後、震源域が大分県にも拡大した。このまま国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」に連動した場合、愛媛県の伊方原発に影響が及ぶことを心配する大分県民も多く、運転差し止めを求める仮処分を大分地裁に申し立てる動きも出た。地震や活断層の怖さ、原発への不安を思い知らされた1カ月だった。
②熊本・大分地震について、古村孝志東京大学地震研究所副所長は「怖いのは伊方原発。今回の地震が別府湾を越えて中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性は否定できない」と見ている。九州から四国へ、地震が連動したこともあったらしい。
③寒川旭氏(地震考古学者)著「地震の日本史」によると、「断層活動の歴史を振り返ると、活断層にも連動が見られる。1596年に別府湾で大地震、4日後には京阪神・淡路地域で伏見地震が発生し、この間に四国を縦断する中央構造線断層帯も活動したと考えられる。1662年に滋賀県の断層が活動した。九州の北東端から四国と京阪神地域を経由して、若狭湾に至るコースを地震が駆け抜けたことになる」と考察している。
④熊本・大分地震は原発に対する警鐘かもしれない。伊方原発の基準地震動を上回る揺れがあった。地震が大分を越えて、四国まで連動していたらどんな事態になっていたのだろうか。
(3)伊方原発再稼働への疑問
①熊本地震では熊本県益城町で4月14日の前震の際に最大加速度1580ガルを、16日の本震で1362ガルをそれぞれ記録した。四国電力は伊方原発の再稼働に向け、基準地震動を650ガルに引き上げた後、愛媛県の要請で施設がおおむね千ガルにも耐えられるよう工事をしたが、それらを大幅に上回る揺れだった。
②今回の地震で活断層が注目されている。原発の活断層対策は心もとないものだ。
③鈴木康弘名古屋大学教授(変動地形学)は著書「原発と活断層」で、原発を建設する際、活断層調査に問題点が多いことを指摘する。調査は電力会社側が実施し、決定的な証拠を突き付けられるまで、活断層とは認めない。その結果、建設後に敷地内や建物の真下から活断層が見つかるケースもあった。
 鈴木氏は「立地場所決定後に活断層を調査するので、活断層の存在を否定しがちだった。調査は国か第三者機関が実施すべきだ」「調査ですべて分かるとは限らない。可能性を否定できないものは、活断層として対処すべきだ。安全性に妥協があってはならない」と主張する。


 この大分合同新聞の指摘は、こう訴えている。


「原発は安全最優先であるべきだ。」。しかし、現状は、「今回の地震で活断層が注目されている。原発の活断層対策は心もとないものだ。」。そのため、「今回の地震が中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性が否定できない」。したがって、「7月下旬にも予定されている伊方原発の再稼働はやめるべきである。」


 これは、住民とともにあろうとする新聞社が、伊方原発に隣接する地域に住む住民の確かな不安感・恐怖感を受け止め、その「思い」を表明したものである。
 熊本・大分地震で、気象庁の「一週間程度は5強の地震に備える必要がある」との説明を、怯えの中でそれでも重く受け止めてもきた住民の一人として、「地震の活性期になっている」現代への「思い」を、国も規制委員会も、まして、地方公共団体は、きちっと正確に理解しなけねばならない。


 伊方原発の再稼働は、認められない。


 以下、大分合同新聞論説の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-20 05:55 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-九州電力は、「緊急時対策所」を巡り、「免震棟」から「耐震」施設へ方針転換した。

 標題について、佐賀新聞は、給電の対応について、「玄海『震棟』撤回 県内関係者、九電に不信感」、と指摘した。
 佐賀新聞は2016年5月18日、「玄海原発の重大事故時に現場の対応拠点となる施設『』緊急時対策所』を巡り、九州電力は計画していた『免震棟』から『耐震』施設へ方針転換した。川内原発(鹿児島県)に続く計画変更。佐賀県内の関係者からは『技術的な話で判断できない』としつつも、丁寧な説明を求める声が上がった。」、と報じた。
 このことについて、「反原発の市民団体『玄海原発プルサーマルと全基を止める裁判の会』の石丸初美代表は『東日本大震災、そして熊本地震で一体何を学んだのかと問いたい』と憤りを隠さない。『想定外の災害はどこででも起こりうる。これで安全というものがないということが分かっていない』と断じた上で、『県や関係自治体への説明で済む話ではない。県内全世帯を1軒ずつ訪ねて説明してと言いたい』と話し、近く九電に抗議する考えを示した。」、との声を伝えた。
 また、関係する地方自治体の声を、次のように伝えた。


①「県としては免震、耐震ということではなく、必要な安全性が確保されたものが建設されるということが重要」。九電側の説明を受けた後、記者団から計画変更の評価を問われた佐賀県の副島良彦副知事はこう答え、規制委の審査を注視する考えを強調した。
 川内、玄海と相次ぐ計画変更で九電への信頼感が揺らいでいることを暗ににじませながら「この説明があったからといって、企業として信頼性が急速に高まったということではない」とくぎを刺し、九電にこれまで以上の説明責任の全うを求めた。
②立地自治体の東松浦郡玄海町には、玄海原発の今村博信所長が訪問。公務で上京中の岸本英雄町長に代わって対応した鬼木茂信副町長は、九電の説明に理解を示しながらも、「計画変更は住民に不安と不信感を与える」と苦言も。岸本町長は取材に「われわれとしてはより安全な方にしてほしいという思いだけ」と述べ、「個人的には耐震の方が安全と感じるので異論はない」と理解を示した。
③隣接する唐津市、伊万里市は「技術的な専門性を持った問題であり、国の審査の推移を見守りたい」とコメント。唐津市の岡本憲幸副市長は「市民の安全安心が高まる施設であってほしい」と注文する。


 以下、佐賀新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-05-19 16:55 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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