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沖縄-名護市辺野古沖の新基地建設予定海域を警備する警備員の一部が、米軍の許可がないまま船からキャンプ・シュワブに上陸していたことが分かった。また法律違反か。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月30日、「名護市辺野古沖の新基地建設予定海域を警備する警備員の一部が、米軍の許可がないまま船からキャンプ・シュワブに上陸していたことが分かった。沖縄防衛局から受注したライジングサンセキュリティーサービス(東京)の関係者が明らかにした。基地内侵入は、日米地位協定に伴う刑事特別法(刑特法)違反の可能性がある。」と報じた。
 このことについて、「関係者によると、2人乗りゴムボートの警備員は毎朝、大型の警備艇などに乗って民間地の漁港を出港。辺野古沖に係留しているゴムボートに乗り移って警備を始める。ゴムボートの警備員はシュワブ陸上の建物や車の中で休憩、退避することがある。関係者は『許可証は米軍の審査が厳しく、発行まで時間がかかるため、一時期は通行許可証を持たない人が大半だった。コンプライアンス(法令順守)上、問題があった』と話した。警備艇に乗る警備員も許可証がないまま、陸上にある会社の現地本部に行くことがあったという。」、と伝えた。
 また、「複数の市民の代理人を務めた金高望弁護士は『市民はイエローラインを越えたなどという軽微な侵入に問われたが、無許可で上陸して建物に入るというのは侵入の程度としてより重大だ』と指摘。『「防衛局の公的な仕事を請け負う、しかも警備業の会社が従業員に違法な指示を出したのなら責任は免れない』と述べた。」、と報じた。


以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-31 17:00 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(28)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(28)を考える。
 第28回目の(1)は、「基地収入 比重は低下」について。
  今回の沖縄タイムスの投げかけは、「『沖縄の経済は米軍基地に依存している』という主張は、実態を反映していない。」、ということである。
 だから、今回は、「県民総所得に占める基地関係収入の割合は低迷し、逆に返還された基地の跡地は活性化している。リーディング産業の観光をはじめ、情報通信関連(IT)産業など民間の主要な経済分野が、基地関連収入を上回る経済効果をもたらしている。」、と説明する。
 その上で、「『基地と経済』の関連データ」を次のように報告する。


(1)「県民総所得 復帰時の8.2倍 観光伸び軍関係の2倍超」について
①沖縄の経済はかつて「3K経済」と言われた。基地関連収入、公共事業、観光収入に支えられているという意味だ。
②沖縄が日本本土に復帰した1972年、県内には2万8660ヘクタールの米軍基地があった。基地内で1万9980人が働き、同年度の雇用者所得は240億円、軍用地料は123億円。米軍人や軍属が基地内外でもたらす消費支出などと合わせた軍関係受取は777億円に上り、県民総所得5013億円の15・5%を占めた。
③しかし、復帰から3年後の75年度に県民総所得は1兆円超と倍増。77年度には1兆1631億円に増えた一方で、基地内で働く従業員数は8447人に激減。軍関係受取が占める割合は8・6%に減った。
④2013年度の県民総所得は4兆1211億円で、復帰時に比べ8・2倍に伸びた。米軍雇用者所得は496億円、軍用地料は832億円で、軍関係受取は2088億円。県民総所得の5・1%にとどまり、県経済に占める基地関連収入の比重は低下している。
⑤3Kのうち、県経済の柱に成長したのが観光産業だ。1972年に44万4千人だった観光客数は、2014年度に717万人に。観光収入は324億円から5341億円へと大幅に伸び、16・5倍に増えた。観光収入は78年度以来、軍関係受取を上回り続けている。2013年度の値で比べると、軍関係受取2088億円に対し観光収入は4479億円で2倍以上になる。さらに、外国人観光客も急増。08年度に20万人を超え、14年度には98万6千人が訪れた。県参与の富川盛武沖縄国際大名誉教授は、15年度に来沖した外国人観光客の県内消費額を2325億6800万円と試算。関連産業への生産誘発効果は4011億6700万円、雇用効果は6万1319人で、外国人観光客の経済効果だけをみても基地関連収入を上回ると指摘する。
⑥観光に加え、情報通信産業も伸びている。14年度の情報通信関連(IT)企業は720社、生産額は3974億円で、軍関係受取の2倍近い。基地関連収入をしのぐ、新たな産業が育っている。


 沖縄タイムスは、現在の基地収入と沖縄経済の関係を、次のように紹介する。


「沖縄のあるべき将来像を描き、県政運営の基本構想として県が10年に策定した『沖縄21世紀ビジョン』は、軍関係受取を基地面積で割ると1平方キロメートル当たり9億円程度になると計算。平均的な土地の生産性は16億円程度であるのに対し不効率だとした上で、こう指摘した。『軍関係受取の比重の低下により、その動向が県経済全体を大きく左右することはなくなった』」


 だから、沖縄タイムスは、「『沖縄の経済は米軍基地に依存している』という主張は、実態を反映していない。」、とする。


 第28回目の(2)は、「経済効果 返還で急増」について。
  今回の沖縄タイムスの投げかけは、「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」、ということである。
 沖縄県の経済状況について、次のように報告する。
 なお、この場合の「活動による直接経済効果」については、「返還前では軍用地料、軍雇用員の所得、米軍関係者の消費支出や国からの基地周辺整備費や基地交付金など、返還後では跡地に進出した卸・小売業、飲食業、サービス業、製造業の売上高、不動産賃貸額などから算出している。」、としている。


(1)沖縄の経済状況
①県が2015年1月に公表した米軍基地返還後の跡地利用に関する最新の調査結果では、那覇市の「新都心」「小禄金城」と北谷町の「桑江・北前」の3地区の活動による直接経済効果は、返還前の89億円から返還後には2459億円と、28倍に増えている。人口の集中する沖縄本島の中南部地域では、米軍基地がいかに経済発展の阻害要因になってきたか、その一端をうかがい知ることができる。
②新都心地区の195・1ヘクタールでは、大型商業施設のほか、県立博物館・美術館などの公共施設を整備。直接経済効果は52億円から1634億円と32倍、生産誘発額は57億円から1624億円と28倍、誘発雇用人数は485人から1万6475人と34倍、税収効果は6億円から199億円と31倍に伸びた。
③小禄金城地区の108・8ヘクタールでも大型商業施設や住宅が並び、直接経済効果は34億円から489億円と14倍、生産誘発額は30億円から482億円と16倍、誘発雇用人数は257人から4885人と19倍、税収効果は1億5千万円から59億円と36倍に伸びた。
④飛行場や射爆撃場が返還された桑江・北前地区の38・2ヘクタールは、若者の人気スポットに生まれ変わった。直接経済効果は3億円から336億円と108倍の伸びで、突出する。生産誘発額は3億円から330億円と110倍、誘発雇用人数は25人から3377人と135倍、税収効果も4千万円から40億円になるなど、大幅に増えている。
⑤さらに昨年4月に開業した北中城村・旧米軍アワセゴルフ場地区のイオンモール沖縄ライカムは県内最大の売り場面積を持ち、県経済をけん引する勢いだ。


(2)沖縄県の経済見通し
①日米両政府が2013年4月に返還時期などを大まかに定めた米軍嘉手納基地より南の施設・区域の統合計画について、県は15年1月、返還後の経済効果を試算した。宜野湾市の全面積の4分の1を占める普天間飛行場(約481ヘクタール)では、活動による直接経済効果が返還前の120億円に比べ、返還後3866億円と32倍に増えると見込む。②返還後の施設、基盤などの整備による直接経済効果は公共、民間を含め、5027億円。活動による経済波及効果を返還前後で比べると、生産誘発額が130億円から3604億円と28倍、誘発雇用人数が1074人から3万4093人と32倍、税収効果が14億円から430億円と32倍に増えると試算している。
③ただ、普天間の返還時期は「22年度またはその後」とされるが、米政府が日米両政府は県民の多くが反発する「辺野古移設」を条件としており、返還の行方は不透明になっている。
④そのほかの施設・区域の活動による直接経済効果をみると、キャンプ桑江(84ヘクタール)が40億円から334億円と8倍、キャンプ瑞慶覧(現段階で152ヘクタール)が109億円から1061億円と10倍、牧港補給地区(274ヘクタール)が202億円から2564億円と13倍、那覇空港に近い那覇軍港施設(56ヘクタール)が30億円から1076億円と36倍に伸びると算出している。


 沖縄タイムスは、「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」という誤解に、「No」であると詳細に説明する。


 第28回目の(3)は、「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」について。
  今回の沖縄タイムスの投げかけは、「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」、ということである。
 沖縄タイムスは、「『沖縄は米軍基地で食べている』-。この風説が本土でまん延し、消えない。 ことし3月、極め付きの“事件”が起きた。」、と始める。
 その「極め付きの“事件”」とは、次のものであった。


①来年度から高校生が使う現代社会の教科書に「(沖縄)県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」と記述され、文部科学省の検定を通過していることが判明したのだ。
②沖縄側から猛反発が起き、教科書を作成した帝国書院は、内容の不適切さを認めて国に記述の訂正を申請した。


 この“事件”について、「 ただ、中立・公平と客観性を旨とする教科書の記述案にまで「基地依存論」が堂々と書き込まれたことに、県民は衝撃を受けた。」、と報告する。
 また、「琉球大学の島袋純教授(政治学)は『全国と沖縄の認識のギャップはますます広がる。修復できないほどの亀裂ができるのでは』と嘆いた。」、との声を伝えた。

 沖縄タイムスは、「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」ということに関してこう続ける。


① 1968年11月。米軍占領下の沖縄で、県民による投票で行政主席(知事)を選ぶ初の選挙があった。このとき、保守の自民党側がさかんに訴えたのが「イモハダシ論」。「復帰して米軍基地がなくなると、履く靴もなく食べ物はイモばかりだった戦時中に戻ってしまうぞ」という主張で、県民の心を揺さぶる説得力を持った。
②県内総生産に占める基地関連収入は終戦後、約50%まで達したことがあり、当時は「基地経済」が占めるウエートの高さが、まだ県民に根付いていたからだ。
③ただ、民間経済の活発化に伴い、沖縄の基地関連収入への依存度は右肩下がりだ。72年の復帰時は約15%、近年はわずか5%前後で推移している。
④昨年度は沖縄を訪れた外国人観光客の県内消費額(2325億円)だけで、軍関係受け取り額を初めて上回ったことが、沖縄国際大学の富川盛武名誉教授(経済学)の試算で明らかになった。
⑤米軍基地の返還跡地が経済発展をもたらすというデータも、枚挙にいとまがない。基地返還前とその後の経済効果を比較すると、那覇新都心地区が32倍、小禄金城地区は14倍、桑江・北前地区が108倍に達している。
⑥米軍基地を民間活用しないことで、もたらされるべき経済効果が発生しない「機会費用の損失」がいかに大きいかを示している。


 沖縄タイムスは、この“事件”と「沖縄は基地収入で“食べて”いるのか」という誤解に関して、こう指摘する。


 「これくらい真実と違い、沖縄県民を傷つける言葉はない」
 昨年12月2日、福岡高裁那覇支部。代執行訴訟の口頭弁論で法廷に立った翁長雄志知事は、「基地依存」のレッテル貼りに痛烈な反論を返した。
 初の主席公選があった48年前に説得力を持った「基地依存論」は現在、知事や経済団体トップの言葉で、こう表現されている。
 「米軍基地は、沖縄経済発展の最大の阻害要因だ」


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-31 05:44 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-米国平和活動家や大学教授ら約80人は、沖縄からすべての米軍基地を撤去するよう求めるとともに、オバマ政権に翁長雄志知事ら県側との対話を促す声明を発表した。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月29日、「米国のノーム・チョムスキー氏(マサチューセッツ工科大学)やピーター・カズニック氏(アメリカン大学)ら米国の平和活動家や大学教授ら約80人は26日、元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、沖縄からすべての米軍基地を撤去するよう求めるとともに、オバマ政権に翁長雄志知事ら県側との対話を促す声明を発表した。」、と報じた。

 この声明は、次のように主張している。


①「私たちは最近起きた元米海兵隊員による沖縄の若い女性に対する事件に戦慄(せんりつ)を覚える。」
②「性犯罪や最近の事件を含め、米軍関係者による沖縄県民に対する犯罪、米軍基地の存在が引き起こす環境破壊は70年以上にわたって続いてきた。米国は第2次大戦の終結以来、沖縄に駐留し続け、現在も33の軍事施設と約2万8千人が残っている。」
③「私たちの多くは沖縄を訪れたことがあり、平和を愛する県民が美しい島からの米軍基地の完全撤退を要求していることを支持する。さらに私たちはオバマ政権がこうした犯罪に対処し、米軍基地を閉鎖するために沖縄県の翁長(雄志)知事と話し合う場を持つよう強く促す。」


 また、「声明は、米女性主導の市民平和団体「コードピンク」のメンバーで、県系2世のアリス・クリマ・ニューベリーさんが中心になり呼び掛けた。」、「ほかの賛同者は、スティーブ・ラブソン氏(ブラウン大学)やダニエル・エルズバーグ氏(元米国防総省職員)やノーマ・フィールド氏(シカゴ大学)、ダグラス・ラミス氏(政治学者)、アン・ライト氏(元米外交官)、ジョン・ユンカーマン氏(映画監督)。」、「カリフォルニア州バークレー市の沖縄決議を働き掛けた池原えりこ氏(真の安全保障のための女性の会)や上運天ウエスリー氏(サンフランシスコ州立大学教授)らも名を連ねている。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-30 16:29 | 沖縄から | Comments(0)

日本弁護士連合会の「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」を考える。

 日本弁護士連合会(以下、日弁連とする)は、2016年5月27日に定期総会を開催し、総会決議として、「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」(以下、「宣言」とする)を採択した。

 これまでも、日弁連の会長声明や人権宣言及び大会決議等は、考え方を整理するために参考にさせてもらってきた。
 再度、安保法制を捉え直し、立憲主義・民主主義の危機を乗り越えるために、この「宣言」を考える。
 その要約は、次の通りである。


(1)確認する安保法制とは。

 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」(平和安全法制整備法)及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」(国際平和支援法)(以下併せて「安保法制」という。)。

(2)この施行された安保法制の内容について。

 安保法制は、「存立危機事態」なる要件の下に、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認した。また、「重要影響事態」や「国際平和共同対処事態」において外国軍隊の武力行使と一体化したといえる範囲にまで後方支援を拡大し、国連平和維持活動(PKO)等に従事する自衛隊に対しては、「駆け付け警護」等の新たな任務と任務遂行のための武器使用権限を付与することを認めた。さらには艦船・航空機を含む米軍等外国軍隊の武器等を防護するための武器使用を自衛官に認めたものである。

(3)この安保法制の問題点。

①安保法制が容認した集団的自衛権の行使や後方支援の拡大等は、海外での武力の行使を容認し、又は、武力の行使に至る危険性が高いものであり、日本国憲法前文及び第9条に定める恒久平和主義に反する。                          
②憲法改正手続を経ずに、閣議決定及び法律の制定によって実質的に憲法を改変しようとするものであり、立憲主義に反するものである。
③国会(第189回国会)の審議において、政府は集団的自衛権の行使を容認する根拠として、1972年10月14日に参議院決算委員会に提出された政府見解や1959年12月16日に最高裁判所が出したいわゆる砂川事件最高裁判決を挙げていたが、これらは根拠になり得ないものであり、外国領域における集団的自衛権行使の唯一想定される適用場面として説明されたホルムズ海峡の機雷封鎖も、参議院審議の最終局面では立法事実となり得ないことが明らかになった。このように、集団的自衛権の行使を容認する政府の説明は説得力に乏しく、報道機関の世論調査においても同国会での成立に反対するとの意見が多数を占めていた。
④2015年7月16日の衆議院本会議に続き、同年9月17日の参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」においても、採決が強行された。憲法違反の安保法制が、言論の府であるべき国会において、十分な説明が尽くされないまま採決が強行されたことは、立憲主義・民主主義国家としての我が国の歴史に大きな汚点を残したものであった。

(4)安保法制が、2016年3月29日に施行されたことの意味。

 安保法制が本年3月29日に施行されたことにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力の行使や、後方支援として米軍等へ弾薬を提供したり、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器を使用したりすることで、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。立憲主義及び民主主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が変わろうとしている。

(5)現在の状況を座視しないための日弁連の主張。

①安保法制の立法化の過程では、若者、母親、学者その他の市民各界・各層が、自発的かつ主体的に言論、集会等の行動を通じて政治に参加する民主主義の大きな発露があった。そのような政治参加の声を国政に反映させることは、立憲主義及び民主主義の回復を支えるものである。また、安保法制が施行された今、人権を擁護し、立憲主義及び民主主義を回復するために、弁護士会を含む法曹の役割、そして司法が果たすべき責任もまた重大である。
②当連合会は、2015年5月29日の定期総会において、戦前、弁護士会が戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかったことを省み、安保法制に反対し、立憲主義を守る活動に全力を挙げて取り組むことを宣言した。当連合会は、これまでの取組の成果を踏まえ、改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも安保法制の適用・運用に反対しその廃止・改正を求めることを通じて立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。


(6)今、再確認しなければならないこと。

①立憲主義及び恒久平和主義の意義の確認。
・立憲主義とは、憲法によって個人の自由・権利を確保するために国家権力を制限することを目的とする近代憲法の基本理念である。日本国憲法は、基本的人権の永久・不可侵性を確認するとともに(第97条)、憲法の最高法規性を認め(第98条第1項)、国務大臣、国会議員等の公務員の憲法尊重擁護義務を規定し(第99条)、立憲主義を基本理念としている。
・日本国憲法は、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認するとともに(前文)、戦争と武力による威嚇又は武力の行使を禁止することに加え(第9条第1項)、戦力の不保持、交戦権の否認を定めることで(同条第2項)、徹底した恒久平和主義を基本原理とした。
・日本国憲法は、その前文において「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」としており、立憲主義に基づく平和主義を宣言している。
②保法制が日本国憲法の恒久平和主義及び立憲主義に反していることの確認。
・第一に、我が国に対する武力攻撃が発生していない場合においても、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされる等の要件を満たす場合(存立危機事態)に、自衛隊が地理的限定なく国外に出動して米軍等外国の軍隊と共に武力を行使することを可能としている。これは、集団的自衛権に基づく武力の行使を容認するものである。
・第二に、我が国の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」や、国際社会の平和と安全を脅かす「国際平和共同対処事態」において、現に戦闘行為が行われている現場でなければ、地理的限定なく世界中で、武力を行使する米軍等外国の軍隊に、自衛隊が弾薬の提供等までを含む支援活動(後方支援)を行うことを可能としている。これでは、自衛隊の活動は従前禁止されてきた外国軍隊の武力行使との一体化は避けられず、海外での武力の行使に至る危険性の高いものである。
・第三に、これまでの国連平和維持活動(PKO)のほかに、国連が統括しない有志連合等の「国際連携平和安全活動」にまで活動範囲を拡大している。そしてその両方において、従来禁止されてきた安全確保業務、「駆け付け警護」、共同宿営地防護を新たな任務とし、それらに伴う任務遂行のための武器使用等を認めている。しかし、任務遂行のための武器使用は、相手からの妨害を排除するためのものであるから、自衛隊員を殺傷の現場にさらし、さらには戦闘行為から武力の行使に発展する道を開くものである。これは、海外での武力の行使に至る危険性の高いものである。
・第四に、武力攻撃に至らない侵害への対処として、新たに艦船・航空機等を含む外国軍隊の武器等の防護を自衛官の権限として認めている(自衛隊法第95条の2)。これは、現場の判断により戦闘行為に発展しかねない危険性を飛躍的に高め、実質的に集団的自衛権の行使と変わらない事態すら危惧される。
・ このように安保法制は、集団的自衛権の行使や海外での武力の行使を容認することになる。これは、戦争の違法化(戦争放棄に関する条約(パリ不戦条約、1928年)・国際連合憲章第2条第3項及び第4項)を推し進めて、戦争の放棄のみならず、戦力の不保持と交戦権の否認を規定した日本国憲法第9条第2項の意義を否定するものである。そして、同時に、これら武力の行使は、自衛隊員はもとより、自国・他国の国民を殺傷する現実をもたらし、諸国民の平和的生存権を保障する日本国憲法前文にも違反するものである。さらに、安保法制は、後記のとおり、閣議決定に基づき、法律の制定・改正によって、日本国憲法第9条等の恒久平和主義の実質的内容を改変しようとするものであり、それは、国民の自由・権利そして平和を、権力に縛りをかける憲法によって守ろうとする立憲主義を踏みにじるものである。
③立憲主義及び民主主義の危機の状況の確認。
・安保法制の提出に至る経緯
・安保法制をめぐる国会審議
・衆議院本会議での採決の強行
・市民の自発的かつ主体的な政治参加の広がり
・参議院特別委員会での採決の強行と参議院本会議での可決
・立憲主義及び民主主義の危機
 
(7)安保法制施行による立憲主義の危機の深化の確認。(どういうことが実際に起きるのかについての確認)

①安保法制の施行
・政府は、2016年3月22日、安保法制の施行について閣議決定をし、同法は同月29日施行された。
 これにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力行使や、戦闘行為の現場近くで弾薬の提供等までを含む後方支援、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器の使用を行うなど、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。
・既に防衛省は、民間会社との間で、自衛隊員や武器の運搬に使う民間フェリー確保のための事業契約を締結したことや、民間船舶の船員を予備自衛官として確保することなどが報じられている。
・このように準備が進められる中で、安保法制が施行されることにより、立憲主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が根本から変わろうとしている。
②海外でのPKOへの新たな任務と権限の付与
・当面危惧される一例が、南スーダンにPKOとして派遣されている自衛隊への新たな任務と権限の付与であるといわれている。PKOは、伝統的には、紛争当事者の停戦合意、中立性の維持、自己防衛以外の武力不行使の原則の下での停戦監視が主たる任務とされ、軽武装でその任務に当たってきた。しかし、南スーダンを含め冷戦崩壊後のPKOにおいては、その主たる任務が住民保護とされ、そのための武力行使権限も付与されている。そのため、任務遂行の過程で住民に紛れた武装勢力からPKO部隊が攻撃を受け、それに反撃することで武力紛争状態になりPKO部隊自身が国際法上の紛争当事者(交戦主体)になる事態が生じている。
・南スーダンにおいて武力紛争が継続していることが指摘されている中で(2016年2月4日衆議院予算委員会での質疑)、日本国憲法第9条第2項で交戦権を放棄している日本の自衛隊が、安全確保業務、「駆け付け警護」、宿営地共同防護等の新たな任務と、その任務遂行のための武器使用等の権限が付与されて派遣されることになれば、自衛隊員が自ら殺傷し、殺傷されるという非常に危険な状態に至るおそれがより一層現実化する。

(8)立憲主義・民主主義の回復に向けた展望の確認。

①立憲主義回復における司法の果たすべき役割

・近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とするが、この立憲主義思想は、法の支配の原理と密接に関連する。
 法の支配の原理は、専断的な国家権力の支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理であるが、そこでは憲法の最高法規性の観念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容・手続の公正を要求する適正手続に加えて、権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割が重要である。
・憲法違反の安保法制が施行されるに至ったことから、今後、安保法制の適用・運用から個人の基本的人権を擁護し、立憲主義を回復するために、法曹の役割、そして司法の果たすべき責任は重要である。立憲主義が侵されようとしている中で、司法には、裁判手続を通じて立憲主義を回復することが期待されている。

②市民の自発的かつ主体的な政治参加の広まり
・安保法制に関する国会審議の在り方や採決強行を受けて、若者、母親、学者その他の市民各層に立憲主義及び民主主義が侵されようとしていることへの危機感が強まり、そのことが市民の自発的かつ主体的な政治参加の広がりを生み出してきた。
・市民が集会・デモなどに参加するなど、自発的かつ主体的に言論、集会等の行動を通じて政治に参加し国政に民意を反映させることは、民主主義の大きな発露でありその健全性を示すものである。それは、立憲主義及び民主主義の回復を支えるものである。
③当連合会、弁護士会及び弁護士会連合会の取組
・戦前、弁護士会は、言論・表現の自由が失われていく中、戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかった。今、弁護士及び弁護士会が「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。
・当連合会、全国の弁護士会及び弁護士会連合会は、このような立場から、安保法制に関する憲法上の問題点を解明しそれを広く訴え続けてきた。
・立憲主義及び民主主義の危機がより一層深刻になる中で、立憲主義及び民主主義を回復するために、弁護士会がその責任を果たすことが更に求められている。
④立憲主義・民主主義の回復のために
 2015年10月21日、衆議院において総議員の4分の1以上の議員が臨時国会の召集を求めたのに対し、政府は召集を見送った。憲法第53条は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、「内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めているが、その決定を行わなかった。
 憲法違反の安保法制の可決・施行に続き、臨時国会の召集に応じないことや政府関係者が国家緊急権の創設や日本国憲法第9条の改変等に言及する状況の下、当連合会は、これまでの取組の成果を踏まえ、改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも憲法に違反する安保法制の適用・運用に反対し、その廃止・改正を求めることを通じて、立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。



 私たちが、再確認することは、「安保法制が本年3月29日に施行されたことにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力の行使や、後方支援として米軍等へ弾薬を提供したり、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器を使用したりすることで、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。立憲主義及び民主主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が変わろうとしている。」、ということである。
 こうした状況をどのように克服していくかが問われるわけである。
日弁連は、そのための決意を、「改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも憲法に違反する安保法制の適用・運用に反対し、その廃止・改正を求めることを通じて、立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。」、とした。
 私たち市民もまた、ひとり一人が、明確な意思を持って、立憲主義及び民主主義を回復するために取り組まねばならない。


 以下、日本弁護士連合会の「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-30 05:37 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-元海兵隊員の軍属の男による女性遺体遺棄事件で、在沖米軍トップの四軍調整官(沖縄地域調整官)は、異例の記者会見を開いた。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月28日、「元海兵隊員の軍属の男による女性遺体遺棄事件で、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官(沖縄地域調整官)は28日午前、北中城村のキャンプ瑞慶覧で記者会見を開いた。再発防止策について、具体案を出さなかったが、翁長雄志知事と同10時から電話会談することを明らかにし、『県や市町村から提案があれば検討する』と述べ、地元自治体と再発防止策を協議する意向を示した。」、と報じた。
 このことについて、琉球新報は2016年5月29日、「翁長知事は『誠意は認めたい』とした一方で『根本的な問題は国土面積の0・6%の沖縄に74%の在日米軍専用施設があることだ。負担軽減は日米地位協定の見直しを含めた議論でなければならない』と述べ、今後の米側の対応を注視する考えを示した。」、との翁長雄志沖縄県知事の言葉を伝えた。

 この異例とも言える会見について、沖縄タイムスは、次のような解説を加えた。


①「在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官が沖縄メディアへの異例の会見を開いた。背景には、女性遺体遺棄事件により県内世論に在沖海兵隊の撤退、さらには全基地撤去の要求が広がることへの米側の強い危機感がある。」
②「それを示すように、会見でニコルソン氏は日米のコミュニティーに『くさび』を打ち込まないでほしいと訴えた。沖縄と米側との『分断』もしないでほしいと求めた。
③「だが、県議会で初めて海兵隊撤退決議が可決されるなど、基地撤退論が広がり始めているのは、何も今回の事件だけが理由ではない。戦後71年間、抗議と再発防止を訴えるも、何度も繰り返される凶悪な犯罪への怒りの蓄積がある。」
④「今回、米側は基地外での飲酒、外出禁止など以外に具体的な再発防止策は示さなかった。」                                     ⑤「海兵隊が新任兵への研修で事実に基づかない沖縄蔑視の内容を教えていた問題でも事実関係を明らかにしなかった。沖縄が求める地位協定改定などにも触れることはなかった。
⑥「まさに今こそ、在沖海兵隊の県外への移転、日米地位協定の抜本的な改定に踏み込むときだ。」


 さらに、沖縄タイムスはその社説(2016年5月29日付け)で、「犠牲者への哀悼の意とともに、明らかにされたのは綱紀粛正策である。『異例の対応』には違いないが、これ以外の再発防止策や、より踏み込んだ綱紀粛正策には、触れていない。『喪に服するため』の当面の措置という位置づけだ。この程度の再発防止策を示して県民の怒りが収まるなどということは、あり得ない。」、と 批判した。
 そして、「過去に起きた米軍関係者の事件と再発防止策を丁寧に検証し、再発を防げなかった理由も含め検証結果を報告書の形で沖縄県と国会に提出すること。四軍調整官を参考人として県議会に招き、海兵隊の入隊から訓練形態、日常生活に至るまで、を聞くこと-そのような大胆な対応策を検討する時期が来た。」、と指摘した。
 このことに加えて、地位協定の問題についても、その抜本的見直しについて触れた。


①「今回の事件で安倍晋三首相に会った翁長雄志知事も『日米地位協定の下では、米国から日本の独立は神話だと言われている気がする』と述べ、地位協定の改定を求めた。
②「地位協定の見直しを求める声は、政治的立場を超えた『県民の声』だといっていい。」 ③「米軍関係者は日米地位協定によってさまざまな面で保護され、優遇されており、それが占領者意識を温存させ再発防止を妨げているのは明らか。海兵隊が集中していることも再発防止を難しくしている要因の一つだ。」


 米軍が、これほどまでの「異常」な軍事植民地政策を何故維持できたのか。
 当然、そこには日米両政府合作の構造的沖縄差別が厳然と横たわっている。
ただ、それだけに止まらない、『喪に服するため』の当面の措置に慣らされたしまった、怒りを飼い慣らされてしまった私たち日本人の側の怒りの質に問題があった。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-29 17:59 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第50回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。


 
 今回の報告は、「蝶になったRINAさんへ~元米兵暴行死体遺棄事件の衝撃~」について。

 三上さんのブログの解説をわざわざ書いて何の足しになるのか。
 このブログのビデオを観れば、自分で三上さんの文章を読めば、十分ではないか。
 そんな、思いの中で、今、自分ができることの一つをそれでもやってみよう。
黒い蝶の記憶を心に刻んで。
 確かに、「陳腐な怒りも、涙も、意気消沈も、責任のなすりあいも、彼女のためにならない。次の犠牲者のためにならないのだ。」から。

 三上さんの50回目は、黒い蝶のものがたりで始まる。


うりずんの 島の空 高く
黒い蝶が舞い 消えていった

緑豊かな やんばるに育まれ
愛をいっぱい浴びて 笑って 周りを照らして
そして 愛を確かめあった人と
命をあわせて 命を生み出し
愛のバトンを渡していく はずだった

その命のリレーは 唐突に終わった
20歳の光り輝く日に

彼女の残した笑顔が
あまりに愛らしかったので
天の神さまは
舞い上がる蝶の 最後の記憶を 消した

愛の詰まった地上の記憶
それだけを持って
黒い蝶は 天に迎えられた

神さまは
蝶の最後の記憶を
黒い粉にして
おろかな国の民
すべての頭の上に
まんべんなく 降らせた

そして
光り輝く季節を終わらせ
島の人々が 心置きなく泣けるよう
黒い雲で覆った


 三上さんは、「軍隊と暴力とレイプの関係や、沖縄が70年も他府県と違ういびつな社会構造の中、告発する声さえ押し殺してきたことや、守れなかった島の男性たちの心をも壊すものであることや、そんなことはもう書きたくない。できればこの事件についてなにも書きたくない。事件の詳細は他でみて欲しい。ウォーキングをしていたら元海兵隊の男に突如棒で殴られ、性の捌け口にされて草むらに遺棄された。ここまで言葉を並べるにも、息を削るように不自然な呼吸になってしまう。このことについては冷静でいられない。」、と記す。


「『謝罪と再発防止』はもういい。今回はみなそう口をそろえる。『綱紀粛正・オフリミット』。それで何も変わらなかった。事件事故の度にそんなごまかしで中途半端に抗議の拳をおろしてきた自分たちが、何よりも呪わしいのだ。殺人・レイプ・放火など米軍の凶悪事件だけで500件を超える。もしも過去のどこかで徹底的に抵抗して基地を島から追い出していたら、彼女の人生は続いていたのだ。」、と。


 「新たな犠牲が出るまでこの状況を放置したのは、私。変え切れなかったのは私だ。」。
だけど、「彼女を殺させたのは無力な私であり、何もしなかったあなただ。」。


 だとすると、「米軍の凶悪犯罪をもうこれで本当に最後にしたい。あらゆる対策は無効だった。どうすればよいか? すべての米軍に出て行ってもらうしかない。『いくらなんでもそれはちょっと…』と言いながら、解決策も提示せず、動かずにいる人は、次に起きる凶悪事件の無意識の共犯者だ。」、ではないか。


 三上さんは、こう切り出さなくてはならなかった。


「基地に苦しめられ、声をあげてきた方々と一緒に、こんな日を、さらに苦しくなるような日を共に迎えるなんて、私もどの人と話をしていても涙腺が決壊、まともにインタビューもできなかった。それはあのオスプレイがきた2012年10月1日と同じだった。1995年の少女暴行事件、その少女の受けた苦しみを無駄にすまいと頑張ってきたこの20年の日々は、これでもか、これでもかと打ち砕かれる。」


 でも、三上さんは、こう記す。


「20歳の輝く日に突然未来を奪われた彼女の苦しみを引き受けよう。そして肉親や友人らが抱えて行く二度と晴れない空を思って震えながら、いつか彼女が生まれてきた意味をみんなで肯定できる日を迎えるために、前に進むしかない。陳腐な怒りも、涙も、意気消沈も、責任のなすりあいも、彼女のためにならない。次の犠牲者のためにならないのだ。」


 ただし、この事実はきちっと押さえておかなくてはならない。


「アメリカ国防総省の調査(2012年)では2万6千人の兵士が軍隊内で性的暴行を受けていて、被害者の9割がその後、除隊を余儀なくされているという。このいびつな弱肉強食の社会、強靭な肉体と暴力性、征服欲を掻き立てられ、命令があれば思考停止で従う訓練を受けている集団。個の尊厳が否定され、抑圧される人間が異常性愛に走るのは必然だ。普段から『野獣になれ』と教育されているのに『道徳教育』が染みこむはずがない。」


「バイデン副大統領は奇しくも21日、陸軍士官学校の卒業式で『性的に逸脱した傾向を持つ兵士がアメリカ軍に加わることはアメリカ軍をより強力にする』『性的な問題や倫理的逸脱によってアメリカ軍関係者が除隊処分になることは弱体化を招く』と発言した。よくぞ本音を言ってくれた。異常な性愛や暴力も性能のいい武器と同列に考える思考が『軍隊』の本質なのだ。そんな、人として歪められた兵士たちがフェンスの外に野放しにされている状態が続く沖縄にいて、現状を変えずに、彼女の冥福など祈れるはずがない。」


 私も、三上さんの思いに続けて、ともに誓う。
 沖縄に続く大分の大地に立ちながら。


「周囲の人たちの言葉から、愛に溢れて生きていた彼女のまさに花開こうとしていた未来を思う。それが閉ざされた。特に最後の数時間は彼女の人生にふさわしくないので、記憶ごと地上に置いていってもらおう。私たちが引き受けますから、光り輝く記憶だけを持って軽やかに天を目指してください。尊い使命を帯びたあなたの魂を、天がきっと癒すでしょう。そしてあなたが残した波紋が島を守る力になって、ついに暴力を払拭する日が来るはずです。みんなで頑張りますから、楽しみに見守っていてください。」



三上智恵監督新作製作のための製作協力金カンパのお願い

『戦場ぬ止み』のその後――沖縄の基地問題を伝え続ける三上智恵監督が、年内の公開を目標に新作製作取り組んでいます。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

■振込先
郵便振替口座:00190-4-673027
加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会

◎銀行からの振込の場合は、
・ 銀行名:ゆうちょ銀行
・ 金融機関コード:9900
・ 店番 :019
・ 預金種目:当座
・ 店名:〇一九 店(ゼロイチキユウ店)
・口座番号:0673027
・加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第50回の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-29 06:02 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-「在沖米軍人・軍属の外出、1カ月間制限」。

 在沖米軍の「在沖米軍人・軍属の外出、1カ月間制限」との決定について、沖縄タイムスは2016年5月28日、「元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受け、在沖米軍は27日、沖縄に駐留し、日米地位協定の対象となる全軍人・軍属とその家族の基地外での飲酒や深夜0時以降の外出を禁止することを決めた。期間は6月24日までの約1カ月間。基地の外でのアルコール類の購入や、パーティーなども禁じた。基地外に住む軍人・軍属以外は基地外での宿泊も禁止。基地外に住む軍人・軍属らの飲酒は基地内か自宅、施設内だけとしている。
 一方、基地外に住む軍人・軍属らの行動を把握するのは困難なのが現状で、実効性のある再発防止策にはつながらないとみられる。」、と報じた。
 また、この措置に対する沖縄の声を次のように伝えた。


①「在沖米軍が決めた深夜の外出禁止などの再発防止策について、沖縄平和運動センターの山城博治議長は『「見え透いた対症療法だ』と批判。『県民感情に押されての対応だろうが、本気度が伝わらない。外出禁止は日没後の午後8時以降にすべきだし、期間も少なくとも半年間だ』と指摘した。
②「県婦人連合会の平良菊会長も『事件のたび、米軍は同じことを言うばかり。基地がある限り事件は起きる』とやりきれない心境をにじませる。今回も『民間に住む米兵や軍属を一体どう監視するの。言うだけ、やるだけでなく、本気で取り組んで』と訴えた。」
③「一方で、米軍関係者の姿が多く見られる地域からは複雑な声も漏れた。沖縄市の青年団協議会の奥村幸博会長は『今回の女性遺体遺棄事件はとても怒りを覚える。ただ、活性化を目指す沖縄市にとって外出禁止の措置は残念でもある』と吐露。コザゲート通り会の長嶺将信会長も『二度と起きないよう徹底してもらわなければ困る。万全の再発防止策をしっかりと講じてほしい』と訴えた。」


 やはり、沖縄の軍事植民地問題は、「時間」では解決できない。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-05-28 17:40 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-安倍晋三首相は、オバマ米大統領に、名護市辺野古の新基地建設が「唯一の解決策」との考えを伝えた。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月27日、「安倍晋三首相が25日、オバマ米大統領と三重県志摩市のホテルで会談した際、米軍普天間飛行場問題に関し名護市辺野古の新基地建設が『唯一の解決策』との考えを伝えていたことが分かった。事件を受け米軍基地に県民の反発が強まる中、遺体遺棄事件に抗議し、再発防止を申し入れる傍らで辺野古計画の推進を強調する姿勢に、批判が高まるのは必至だ。」、と報じた。
 あわせて、「また、会談では翁長氏が求めたオバマ大統領との会談に関し、安倍首相から言及がなかったことも分かった。」、と伝えた。

 このことに関して、沖縄タイムスはその社説で痛烈に批判した。
 まず、最初に、このことは県民を愚弄(ぐろう)するものであると、次のように言わざるを得なかった。

「25日夜行われた日米首脳会談で、安倍晋三首相が米軍普天間飛行場問題について、「辺野古移設が唯一の解決策」と述べ、オバマ大統領と認識を共有していたことが分かった。
 会談後の共同記者会見の模様はテレビ放映されたが、辺野古の話はまったく出ていなかった。元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件に対する抗議の場で、多くの県民が反対する辺野古への新基地建設を改めて確認する-。県民を愚弄(ぐろう)しているというほかない。」


 また、次のように続けた。


「安倍首相は、翁長雄志知事が求めたオバマ氏との面談の要望を取り合わなかったばかりか、沖縄が求める日米地位協定の改定を提起することさえしなかった。その裏で『辺野古移設が唯一の解決策』と確認していたとは、一国の政治の最高責任者としてあるまじき行為である。
 翁長知事が『20歳の夢あふれる娘さんがああいう状況になった中で、辺野古が唯一などと日本のトップがアメリカのトップに話すこと自体が、県民に寄り添うことに何ら関心がないことが透けて見える』と厳しく批判したのは当然だ。」


 もはや、この政権には、「県議会は26日、事件への抗議決議と意見書を可決した。在沖米海兵隊の撤退と米軍基地の大幅な整理・縮小を求める内容だ。与党・中立会派が提出し、野党が退席する中で全会一致で可決した。県議会決議では初めて海兵隊撤退まで踏み込んだ。その意味を重く受け止めてもらいたい。」、という悲しい投げかかけを、受け止めるだけの度量も、まして理論もない。
 そこに見えてくるものは、何故か安倍晋三首相の苛立った焦りの姿でしかない。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-28 12:36 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-屋良朝博さんは、「沖縄20歳女性の死は、日米両政府の無作為の罪だ。」、と。

 屋良朝博(以下、屋良とする)さんは、「沖縄県民を犠牲にする米軍基地問題は終わらない。」、と最初に指摘する。また、「日米両政府が繰り返す再発防止はもはや意味がない。アメリカ兵みんなが悪者ではない、という意見が必ず出てくるが、沖縄にこれほど米軍基地が集中するから事件・事故が多いという事実に議論の余地はない。」、と続ける。


 屋良は、沖縄の実態を告発する。「世界でこれほど軍事化された場所はないだろう。」、と。


「アジアに展開するアメリカ兵の人数のうち、沖縄に配備されている割合はすさまじい。0.6%の国土面積に75%の米軍基地が集中している実態はよく知られている。では、アジア全域に視野を広げてみよう。米軍はアジア太平洋全域に約10万人を前方展開している。このうち沖縄には2万5000人を駐留させているので全体の25%になる。アジアに展開する米軍の役割は自国の利益保護と同盟国の安全保障である。
 日本、韓国、オーストラリア、フィリピン、タイの同盟5カ国に対し、アメリカは条約上の防衛義務を負う。この5カ国の国土面積は合計890万平方キロメートルで、沖縄は2300平方キロメートル、率にすると0.025%でしかない。アジアの中でみると針の先ほどの0.025%の場所に25%の兵力を押し込めている異常な状態こそが、沖縄の米軍基地問題だ。ビジュアル的に説明すると、5000人が100トンの荷物を担ごうとした場合、このうちのたった1人に25トンを背負わせている計算になる。世界でこれほど軍事化された場所はないだろう。」


 だから、屋良は、「この不公平で不正義な状態の中で過去から現在にかけて終わらない犠牲の積み重ねがある。」、と言い当てる。
 しかし、一方で、日本という国には、歪な実態がある。


「ところが日本国内でこの実態は的確に認識されないばかりか、お金のため沖縄自らが基地を欲していると主張する人たちが増えている。日本の安全と平和、繁栄のために沖縄の犠牲はやむを得ないと考え、沖縄を人身御供にするときの免罪符として、沖縄の地理的優位性を持ち出す。神様がこの場所に島をお造りになったから、仕方ないでしょ、と創造主に責任をなすりつける。だから沖縄の犠牲に後ろめたさを感じないで済む。

 名護市辺野古を埋め立てないでください、と何度お願いしても政府は地元の民意を踏みにじって平気で青い海を埋めようとする。東京の政治エリートたちは『沖縄の感情論も分かるけど、地理的優位性であり、抑止力であり、安全保障なんだよ』と反対派の主張を稚拙だと見下す。開発段階で墜落事故が頻発したオスプレイを住民地域の真ん中にある普天間飛行場に配備することについても当時の野田政権(民主党)は平気だった。」


 だからこそ、「この差別構造を米国は利用してきた。」、と屋良は紐解くのである。
 米国に突け入れられることになる日琉の差別構造について、屋良は、沖縄戦の前年、1944年に海軍省作戦本部が沖縄占領に向けた「民事ハンドブック」の次の文章を紹介する。


 「日本人と琉球人は人種的、言語的な類似性にもかかわらず、日本人は琉球人を同等とみなしていない。したがっていろいろな方法で差別されている。これに対し琉球人は劣等感を持つわけでもなく、むしろ独自の伝統と中国との長い文化的な関係に誇りを持っている。日本と琉球の間には政治的に利用し得る軋轢がある。」


 屋良は、このことから、日本の今を読み解く。


「日本は沖縄を差別しているから、沖縄で少々犠牲が出ても日本国内では大きく問題化しない、ということだ。外国軍の駐留は古今東西、受入国で政治圧力を強く受ける。米軍駐留の安定的に維持するためには政治圧力を小さくする必要があり、沖縄ではそれが比較的弱いだろう、と見ていたことがうかがえる。この米国の分析が正しかったことは、戦後繰り返し立証された。普天間飛行場のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落したとき、全国メディアはプロ野球読売巨人軍の渡辺恒雄オーナーが辞任した、という話題がトップで、その次がオリンピックで柔道の柔ちゃん金メダル、その次も柔道・野村の金メダル、そしてようやく沖縄でヘリ墜落のニュースが報じられた。」

「71年前、米軍が放つ『鉄の暴風』で沖縄が玉砕の島となろうとしていた6月、東京では大相撲夏場所が開かれていた。海軍沖縄根拠地隊司令官だった大田実中将は「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後生特別ノゴ高配ヲ賜ランコトヲ」と海軍省次官に電報を送り、その一週間後の13日に壕の中で拳銃自殺した。ちょうどその日、両国国技館で夏場所の千秋楽があった。戦後の日本は、大田中将が打電した『ご高配』どころか、沖縄を米軍に差し出して独立した。1972年にようやく祖国復帰を実現するのだが、基地の形は変わらなかった。」

「そしていま中国に尖閣諸島が狙われているから、沖縄の米軍基地は動かせないと日本政府は考えている。この思考は世情を見誤っている。沖縄に駐留する最大兵力の海兵隊は毎年、中国人民解放軍とも定期訓練を行い、軍事外交を展開しているのだが、この現状を日本人は知らされていない。毎年2月にタイ、そして4月にフィリピンで開催される共同訓練には全世界から20〜30カ国の軍隊が参加し、人道支援や災害救援に対する国際協力体制の構築に取り組んでいる。これに参加する中国軍司令官らは『米中協力はアジアの安全保障に大きく貢献している』と自らの存在を誇示する。これが沖縄を拠点に海兵隊が取り組むアジアの安全保障である。」

「この米中関係の深化は憲法改正を志向する安倍内閣にとっては不都合な現実だろう。安倍首相は口を開けば、『日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなっている』と危機感を煽り、米軍と自衛隊の一体化を進めようとしている。ところが中国軍は米軍やアジア各国の軍とともに人道支援、災害救援の共同訓練に積極的に関与し、『米中協力でアジア安保だ』と主張している。中国を仮想敵とする安倍流の安保観はフィクションどころかジョークにさえ聴こえてくる。」

「仮想敵を想定した軍事強化なのか、それとも仮想敵とも関係改善を探る安全保障のいずれを選択するのか―。憲法改正で軍事強化路線を進む安倍政権を抱えた日本の有権者は、その選択を突きつけられている。いずれかを判断する上で知っておきたいのは、米軍は日本だけの守護神ではないということだ。アジア太平洋地域全体の海が穏やかであれば、結果として日本も安全だという理屈だ。それは警察と同じで、地域の警察署があなたの家だけを警護しているではなく、所轄する地域で犯罪を防止すれば、結果としてあなたの家も安心だ、ということだ。だから中国軍を積極的に引き入れて、人道支援や災害を想定した国際共同訓練を定例化させている。」

「沖縄が地理的に優位だからでも、日本防衛だけのために米軍が駐留しているわけでもない。アジア全体の安全保障体制を構築し、冷戦後の秩序を構築していくグローバルな課題のために米軍は忙しくしているのだ。望遠鏡でアジア全域を見渡す米国。顕微鏡で尖閣を覗き込む日本。この2つの国は視野も度量もまるで違う。このギャップの中で沖縄の犠牲が沈殿していく。」


 屋良は、「若い命を奪った今回の事件は、沖縄の叫びを無視してきた日米両政府の無作為の罪でもある。」、と結論づけ、こう指摘する。


「軍事を動かすのは政治である。日米安全保障体制を維持しながら、基地の配置(態勢)を変えることは可能だ。米軍再編で海兵隊の主力部隊がグアムへ移転することが、何よりの証拠だ。体制(システム)を変えなくても、態勢を変えるのは難しいことではない。沖縄の基地問題は態勢を調整するだけの問題であり、基地を動かす不動産の類だ。そんな基地問題を放置する政治の責任は重いということだ。」


 さらに、屋良は続ける。


「米大統領選で共和党指名を確実にしたドナルド・トランプ氏が、日本が米軍駐留経費をもっと上乗せしなければ撤退する、と発言している。これに民進党の長妻昭代表代行は7日の民放番組で、『日本も駐留経費を出していることや、沖縄が極東の重要な拠点であることを外務省が早急に説明しないといけない』と述べている。
 日本が差し出せるのは、金か沖縄くらいなのか。長妻氏だけでなく、多くの政治家がそう考えているかもしれない。日本はいつまで沖縄を人身御供として差し出せば気がすむのか。」

「日本の政治は若い女性の死を誠実に受け止めるべきだ。自民党や民進党など基地容認派は沖縄の基地集中を解消するため、本土移転を真剣に考えるべきだ。海兵隊は普天間だけを本土へ持っていくことは、機能的に難しいが、全部隊セットで動かすのはわけもない。海兵隊を運ぶ船は長崎県佐世保港に配備されているのだから、始発駅の長崎を出た電車の乗車駅はどこでもいい。基地容認派が持続可能な日米同盟を主張するなら、海兵隊だけでも本土へ持っていく責任を自覚すべきだ。」

「他方、米軍削減を主張する政党は、どのように減らすのかを具体的にプラン化し、論理的なオルタナティヴ(選択肢)を国民に提示し、広く賛同を求めるべきだ。『日米アンポ』に対する賛成・反対、右・左、保守・革新の対決は冷戦崩壊で終わった。『アンポ反対』の主張は聞くが、軍事に頼らない側から新たな安全保障政策が出てこないのが、日本の政治を脆弱化させる一因と思う。米軍再編を分析すれば、軍隊の配置はいかようにも調整可能であることはすぐに分かるはずだ。その調整ができるかどうかは政治力の問題だ。」

「海兵隊の機能、特性を知れば具体策はいくらでも出てくるのだが、不思議なことに日本では実態論がないまま、おかしな『沖縄論』がメディアに氾濫する。例えば、沖縄は基地で食っているから本当は基地を欲しがっている、沖縄の新聞は偏向しているからぶっつぶせ、もともと基地があったところに住民が近づいてきた―。解決策を懸命に探る知的作業より、反対者を潰そうという攻撃性が言論空間に蔓延する。仮に一部の生活者が基地収入に依存している現実があるにせよ、それがどうした、と言いたい。70年以上も住民は基地と同居するのだから、当然利害が派生する。当たり前のことを、『誰も語らなかった沖縄の真実』と書き立てる低劣な書籍が書店に並ぶ。問題の本質は、沖縄の基地集中は不公正であり、是正すべき政治課題であるということだ。自民党の中にも低劣な議論に乗せられて沖縄メディアを罵り、広告を止めろと言い放つ国会議員がいるのだから、政治の劣化は凄まじい。」



 屋良は、「政治の現状はお寒いのだが、それでも軍事を変えられるのは政治しかない。」とした上で、最後にこのように提起する。
「政治は知恵を出して代替策を提示できなければ、女性の死に報いることはできない。」、と。


「政治は知恵を出して代替策を提示できなければ、女性の死に報いることはできない。中国脅威論、抑止力、平和、環境といった定型の論争はもはや合理性を持ち得ないし、聞き飽きたし、具体的な解決策を生み出さないことも知っている。私たちは安保賛成・反対、保守・革新、右・左といった不毛な議論を忌避する。今度こそ具体的な政策を提示するよう政治に求める。その取り組みを評価の基準にすべきだろう。
 事件を受けて沖縄ではおそらく、政府への抗議行動が激しくなる。そして嵐が通り過ぎるのを為政者はじっと待つのだ。政策に犠牲は付きものだ、というのが東京の政治エリートの冷徹な思考回路だ。そして日常に流されていく沖縄では、ある時突然、別の悲劇に襲われる。
 この連鎖を止める責任は政治にある。普天間を辺野古に移転すれば、犠牲は止まるというのなら、その根拠を示すべきだ。選挙カーで未来を語るのもいいが、女性の死にどう報いるかも明らかにすべきだ。」



 今回の女性の悲劇は、日米両政府の無作為の結果である、しかし、この現状の矛盾を解決するのも政治の力であるということ。
 そうであるならば、やはり、「政治は知恵を出して代替策を提示できなければ、女性の死に報いることはできない。」、という地平に立って、この問題に立ち向かわなけねばならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-28 05:42 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄県議会は、元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決。初めて、在沖海兵隊の撤退を求める決議を可決する。

沖縄県議会は、2016年5月26日の臨時会で被害者へ黙祷をささげたのち、元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年5月27日、「沖縄県議会(喜納昌春議長)は26日の臨時会で、与党・中立会派が提出した元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件に対する抗議決議と意見書を自民会派が退席した上で、全会一致で可決した。県民の人権、命を守るため在沖海兵隊の撤退と米軍基地の大幅な整理・縮小を求めた。県議会が在沖海兵隊の撤退を求める決議を可決したのは初めて。」、と報じた。
 また、その意見書のあて先は、「内閣総理大臣と外務、防衛、沖縄担当の各大臣。抗議決議は駐日米大使、在日米軍司令官、在日米軍沖縄地域調整官、在沖米総領事。」、と伝えた。


 沖縄県議会の意見書は、まず最初に、「元海兵隊員の米軍属によるこのような蛮行は、県民の生命をないがしろにするものであり、断じて許されるものではない。遺族の悔しさや悲しみははかり知れず、県民からは激しい怒りの声が噴出している。」、としている。
 また、、「本県議会は、米軍人・軍属等による事件・事故が発生するたびに綱紀粛正、再発防止及び関係者への教育等を徹底するよう米軍等に強く申し入れてきたところであり、ことし3月22日には那覇市で発生した米軍人による女性暴行事件に関する抗議決議を可決し厳重に訴えたばかりである。それにもかかわらず、またもやこのような事件が続発したことは極めて遺憾であり、米軍における再発防止への取り組みや軍人・軍属等に対する教育等の実効性に疑問を抱かざるを得ない。」、とさへ指摘する。
 その上で、沖縄県議会の意見書は、「本県議会は、県民の人権・生命・財産を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。」。とし次のように要請を行っている。、


1 日米両政府は、遺族及び県民に対して改めて謝罪し完全な補償を行うこと。
2 日米首脳において沖縄の基地問題、米軍人・軍属等の犯罪を根絶するための対応を協 議すること。
3 普天間飛行場を閉鎖・撤去するとともに県内移設を断念すること。
4 在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小を図ること。
5 米軍人等を特権的に扱う身柄引き渡し条項を含む日米地位協定の抜本改定を行うこ と。
6 米軍人・軍属等による凶悪事件発生時には、訓練と民間地域への立ち入り及び米軍車 両の進入について一定期間禁止する措置を講じること。


 この意見書の6つの要請を、日米両政府は、真摯に受け止めなければならない。


 以下、沖縄タイムスおよび沖縄県議会意見書等の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-27 11:55 | 沖縄から | Comments(0)

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