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沖縄-沖縄防衛局は30日午前、新基地建設工事のために設置した立ち入り禁止区域を示すフロートの撤去作業に着手する。

 標題について、沖縄タイムスは2016年4月30日、「沖縄防衛局は30日午前、名護市辺野古の沿岸部に新基地建設工事のために設置した立ち入り禁止区域を示すフロート(浮具)の撤去作業に着手する。初日は撤去したフロートを一時的に仮置く場所の整備などを行うとみられる。防衛省関係者によると、フロートの全撤去は気象状況なども考慮し、3週間から1カ月程度かかる見込みだという。5月の連休明けにもダイバーが潜水してフロートを固定している重りを取り外すなどの本格的な作業に入る見通し。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-04-30 18:54 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-東洋経済の「川内・伊方原発での避難は、福島よりも過酷だ」を考える。

 東洋経済は、「熊本県内で起きた震度7の大地震で、原子力発電所の安全問題が改めて注目されている。原発敷地内で観測された地震動が原子炉自動停止の基準を下回っていることを理由に、『稼働停止を求める理由はない』と田中俊一・原子力規制委員長は述べているが、このままで大丈夫か。原発に万一が起きた時、避難計画は機能するのか。交通政策の専門家である上岡直見・環境経済研究所代表に聞いた。」、と「川内・伊方原発での避難は、福島よりも過酷だ-「原発避難計画の検証」の上岡直見氏が警告」の記事を掲載した。
 この記事を考える。
 上岡直見からの警告を要約する。


(1)懸念
 今回の熊本地震では地震による被害がきわめて大きかった。地面が割れ、橋が落ち、山崩れが起き、交通があちこちで寸断された事態を目の当たりにして、万が一原発事故を伴う複合災害に発展した場合、逃げられない住民が続出するのではないかとの懸念を強く抱いた。


(2)現実味のない鹿児島県の避難計画
 この推計-鹿児島県-はまったく現実味がない。川内原発周辺から30キロ圏外に脱出するためには、薩摩半島の山間部を通らざるをえないが、土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域が至るところにある。これらはもともと水害を念頭に置いたものだが、強い地震でも同じような被害が出るだろう。避難経路上には多くの川があり、1カ所でも橋が落ちればまったく通れなくなる。いったん不通になると2~3日で復旧できるものでもない。
 私の試算によれば、道路ネットワークが完全ならば16時間前後で30キロ圏外に避難できるケースでも、5%が損傷した場合は約32時間、同10%で約98時間となった。これ以上の損傷があると極端な詰まりが発生して、計算は事実上、不能になる。


(3)伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の場合
 伊方原発の事故の際の避難はさらに困難をきわめるだろう。佐多岬半島の幅は極端に狭く、土砂災害危険箇所が主たる避難経路である国道197号線に全面的にかかっている。半島の付け根に所在する原発よりも西側のエリアで暮らす住民はどこにも逃げ場がない。半島の西側部分は「予防避難エリア」として船で大分県に逃げる方法も検討されているが、船は津波警報が出れば出航できない。気象状況によっても運行できない。つまり、原発事故を伴う複合災害では、避難計画は機能しない。


(4)福島上回る惨状に
 それでも実効性があるとは思えない。強い地震が起き、道路が一部でも寸断された時に、バスなどを呼び寄せることができるのか。また、放射線量が上昇しているさなかに、被ばく覚悟で迎えに来てくれる保証もない。大地震では受け入れ先の自治体も被災している可能性が高く、30キロ圏外に逃れたとしても、想定していた避難施設で受け入れてもらえるかは、保証の限りではない。単に移動するだけでなく、人工呼吸器使用者など設備のマッチングもしなければ動けない。

 今回、新幹線は脱線したし、在来線も不通になった。強い地震の際に鉄道が正常に運行されているとは思われない。おのずから避難は自家用車中心になるが、電柱一本倒れただけでも動けなくなる。福島事故の際にも幹線道路で自動車が数珠つなぎになったが、それでも道路が健在で通行ができただけよかった。その点でも、福島での避難を上回る惨状が起きる可能性が高い。



今回の熊本地震の「地面が割れ、橋が落ち、山崩れが起き、交通があちこちで寸断された事態」を、誰もが目に焼き付けた。
 必然として、「万が一原発事故を伴う複合災害に発展した場合、逃げられない住民が続出するのではないかとの懸念を強く抱いた。」(上岡直見・環境経済研究所代表)、との思いは、一人ひとりのものになった。
 このことは、「つまり、原発事故を伴う複合災害では、避難計画は機能しない。」、という上岡直見・環境経済研究所代表の意見に結びつくものである。
 「住民一人ひとりが不安を感じているというリアル」とは、こうした事実を背景にしたものである。
 だから、熊本地震の当該者の位置に者は、今後の地震についての気象庁の見解が危機感を絶えず持ち続けることの醸成にある以上、やはり日常性を押しつぶされている状況の中に居ることになる。
 こうした中での規制委員会田中俊一委員長の「今は、今の段階でずっと見ている限りでは『安全上の問題はありません』」、という発言は、何らかの安心をもたらすものではない。また、「今回7.3でしたかね?本震がね。で、8.1という評価をした上で評価していますので、かなりそういう意味じゃ、あの十分な姿勢を持って見ていると思います。」
、といった発言も、「原発に万一が起きた時」という恐れを払拭できるものではない。
 むしろ、「避難計画」一つとっても不充分な現状が、こういう不安や恐れを増幅させている。
 結局、規制委員会という組織が、「稼働停止を求める理由はない」との方針を取るしかない組織であるのなら、「稼働停止」を行うのは、政治の役目である。


 以下、東洋経済の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-04-30 05:54 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-普天間機能の馬毛島移転について、地権者が土地の賃借・売却条件を政府に提示した。

 標題について、沖縄タイムスは2016年4月28日、「おおさか維新の会が米軍普天間飛行場の『5年以内の運用停止』に向けて、暫定的な機能移転先の候補として政府に提案している鹿児島県・馬毛島(西之表市)の地権者が土地の賃借・売却条件を政府に提示したことが27日までに分かった。年間20億円で5年間の賃借契約後に売却する意思を示す要望書を、同党を通じて菅義偉官房長官と防衛省に提出した。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-04-29 08:25 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-「4.28」の意味を考える。

 1952年4月28日に発行した対日平和条約(サンフランシスコ講和条約)について、改めて考える必要がある。
 例えばそれは、沖縄にとっては、「72年の日本復帰まで県民には日本国憲法が適用されず、米国民政府の布令・布告が県民生活を統治した。米軍基地が本土から沖縄に集中するきっかけとなった日」(沖縄タイムス)、という位置づけられている日のことである。
このことについて考える。


 当然ではあるが、沖縄タイムスと琉球新報は2016年4月28日付けで、社説を掲載した。
 沖縄タイムスは、「今、問うべきは、講和発効から64年たってもなお、米軍基地の集中によって沖縄の『自治・自立』が大きな制約を受けていることである。」、と主張する。 また、日弁連の「地位協定改定を求める提言」から「米軍基地や米軍をわが国の法のコントロール(規制)の下に置くことは、市民の生活や人権を守る上でも、また、地域の自然や生活環境を守り、地方自治体の行政を円滑・効果的に行う上で、大変重要なことなのです」を引き、「この当たり前に向かって日本全体が進むことが重要だ。」、と指摘する。
 琉球新報は、この「4.28」を、「この日を境に日本本土が独立を回復する一方で、沖縄は米国の施政権下に置かれた。米軍は基本的人権を無視し『銃剣とブルドーザー』によって農地を奪い、東アジア最大の軍事基地を建設した。まさに沖縄にとって『屈辱の日』である。同時に自己決定権の回復に向けて県民が行動を本格化するきっかけになった日でもある。『屈辱』の記憶を次代に伝えつつ、沖縄の将来は沖縄県民が決めるということを誓う日としたい。」、と位置づける。
 その上で、「在日米軍施設の73・8%が沖縄に集中し、米軍絡みの事件事故による人権侵害が続く。この理不尽な状態を解消するためにどうすればいいのか。64年たった4・28の日に考えたい。」、と日本人全体に訴える。


 この事実を、渡辺豪は「日本はなぜ米軍をもてなすのか」のなかで、「このときの『不平等条約』に相当するのは、ポツダム宣言に基づく占領体制」、と規定し、「戦後の日本と国際社会の関係は、ポツダム宣言に由来しているとも言えます。」、と規定する。
あわせて、「しかし結果的には、一九五二年四月の講和条約発効とともに本来徹底するはずの占領軍は『駐留軍』と名を変え、日本の『独立』後も居座ることになります。講和条約と同時にアメリカと結んだ安保条約とその細則を定めた日米行政協定は『不平等』そのものでした。行政協定で与えられた在日米軍基地と米軍人関係者の特権は、日米地位協定に引き継がれ、とくに米軍基地が集中する沖縄県でさまざまな軌轢を生んでいます。」
、と指摘している。


 日本政府は、「4.28」が日本にとって「屈辱の日」の面を持つにもかかわらず、「日本が主権を回復した日」と位置付けてはばからない。
 つもり、沖縄の構造的差別の発症の基であるということ。
 ただそれだけに留まらず、「4.28」には、沖縄と「日本」の間に、「認識の乖離(かいり)」が、国策として深く横たわらされてきた歴史的事実がある。
 あたかもそれは、植民地主義をどのように克服するのかという歴史的事実として。


 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-29 05:54 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-佐賀県玄海町の岸本英雄町長は、「高レベル放射性廃棄物」(核のごみ)の最終処分場受け入れに前向きな意向を明らかにした。

 標題について、毎日新聞は2016年4月27日、「九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長(62)が26日、毎日新聞のインタビューに応じ、原発から出る『高レベル放射性廃棄物』(核のごみ)の最終処分場受け入れに前向きな意向を明らかにした。国は年内に処分場の適地を示す方針で、岸本町長は『町が適地と示されれば町民説明会を開き、国とも協議したい』と述べた。最終処分場の候補地を巡っては、2007年に高知県東洋町長が応募したが、反対運動で白紙に戻った。それ以来、表立って前向きな姿勢を示した自治体や首長はなく、波紋を呼ぶのは必至だ。」、と報じた。
 また、「『日本国内にも造るべきだとひそかに考えてきた。東日本大震災前から町議会とも非公式に議論をしてきて同じ考えが広がっていると思う』とし、『将来の日本のエネルギー政策を成り立たせていく責任が立地地域としてある』と続けた。」、と 処分場受け入れを「選択肢の一つ」と岸本英雄町長のインタビューを伝えた。
 このなかで、岸本英雄町長は、「処分場受け入れを『選択肢の一つ』」、と明言した。


 以下、毎日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-28 19:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

ハンセン病-隔離された「特別法廷」について、最高裁の責任は果たされたのか。

 このことについて、2016年4月26日付けの社説から、事実を拾い出してみた。


①ハンセン病隔離政策は違憲として国に元患者への賠償を命じた2001年の熊本地裁判決を受けて政府は謝罪、国会も補償金を支給する法律を制定した。だが裁判所は動かず、元患者らの団体などは「司法は責任を明らかにしていない」と批判。13年に「特別法廷は裁判の公開を定めた憲法に違反している」とし、最高裁に検証を求めた。
②最高裁は一昨年5月、元患者らの強い要請を受け、特別法廷の調査を始めた。最高裁の外部有識者委員会は先月、特別法廷が「憲法に定められた法の下の平等・裁判公開の原則に反し違憲だった疑いがある」と指摘していた。 
③報告書は「病状や感染の可能性などを具体的に検討せず、ハンセン病に罹患(りかん)していることが確認できれば開廷の必要性を認定した」と指摘。「遅くとも1960年以降は合理性を欠く差別的な扱いであったことが強く疑われ、違法」とした。
④「ハンセン病患者の裁判がかつて、隔離された『特別法廷』で開かれていたことをめぐり、最高裁はきのう、元患者らに『患者の人格と尊厳を傷つけたことを深く反省し、お詫(わ)びする』と謝罪した。」
⑤「裁判を隔離した判断のあり方は差別的だった疑いが強く、裁判所法に違反すると認めた。最高裁が司法手続き上の判断の誤りを認めて謝罪するのは極めて異例であり、検証作業をしたこと自体は評価できるだろう。」
⑥「だが、注目された違憲性の判断に関しては、憲法上の『裁判の公開』の原則には反しない、と結論づけた。」


 2016年4月236日付けで確認した社説・論説は10社でであり、その見出しは次のようになっている。


(1)朝日新聞社説-ハンセン病 司法の差別、決着せぬ
(2)読売新聞社説-ハンセン病法廷 差別的運用が偏見を助長した
(3)東京新聞社説-ハンセン病 遅すぎた司法の反省
(4)北海道新聞社説-ハンセン病法廷 これで謝罪と言えるか
(5)信濃毎日新聞社説-ハンセン病法廷 司法の責任 なお検証を
(6)山陰中央新報論説-ハンセン病問題調査/真相の解明に期待したい
(7)徳島新聞社説-ハンセン病法廷 謝罪の言葉は届くのか
(8)高知新聞社説-【最高裁の謝罪】人権のとりでに値するか
(9)西日本新聞社説-ハンセン病差別 最高裁謝罪では終わらぬ
(10)沖縄タイムス社説-[ハンセン病特別法廷]違憲の疑いは拭えない

 これから推察すると、今回の最高裁による謝罪は、「『遅すぎた司法の反省』が『差別的運用が偏見を助長した』。『違憲の疑いは拭えない』ことから『 司法の差別、決着せぬ』し、『最高裁謝罪では終わらぬ』。最高裁が『人権のとりでに値する』ために、『真相の解明』につとめ、『司法の責任なお検証を』する必要がある。真の『謝罪の言葉』を届けるために。」、ということになる。

 また、その主張を要約すると次のようになる。


(1)朝日新聞社説
①「人権の砦(とりで)」たる最高裁として、これで問題が決着したといえるのだろうか。
②今回の最高裁の検証では、「裁判官の独立」を理由に、個別の事件の判断は避けられた。だが、手続きに問題があれば、裁判そのものに疑いが生じかねない。本来なら個別事件も検証し、被害救済や名誉回復まで考慮すべきだろう。今後、再審請求があれば、裁判所は真剣に対応すべきだ。
③差別や偏見のない社会に少しでも近づけるために、今回の検証をどう役立てるのか。謝罪を超え、最高裁はさらにその責任を負い続けなくてはならない。
(2)読売新聞社説
①人権侵害を正すべき裁判所が、ハンセン病患者への差別を助長した。司法の汚点である。
②社会と隔絶された施設で開廷することが公開の要請を満たしていると言えるのか、疑問である。
③裁判官の独立を尊重するため、特別法廷で審理された判決内容の是非については、検証の対象外となった。それはやむを得ないとしても、特別法廷という異例の場で公正な裁判が行われたのか、元患者らの疑念は根強い。
④差別的運用により、裁判への信頼が損なわれた。そのことに対する最高裁の責任も重い
(3)東京新聞社説
①「人格と尊厳を傷つけ、お詫(わ)び申し上げる」。かつてハンセン病患者の裁判を隔離先の療養所などの「特別法廷」で開いた問題で、最高裁が謝罪した。あまりに遅い司法の反省と言わざるを得ない。
②公開の原則、平等の原則が貫かれていたか。最高裁には今後も徹底的な検証を求めたい。つまり、最高裁が誤りを認めているのは、六〇年以降も特別法廷を開き続けていたことだ。その時点では既に確実に治癒する病気であったし、国内外で強制隔離の必要性が否定されていた。だから、裁判所法に反するとしたのだ。
③だが六〇年以前の特別法廷に問題はなかったのだろうか。もっと早い時点で特別法廷の問題に気づけなかっただろうか。それが悔やまれる。何より謝罪まで時間がかかりすぎている。
④二〇〇一年には熊本地裁がハンセン病の強制隔離政策を違憲と判断し、首相や衆参両院も反省と責任を認めた。最高裁もその時点で調査を開始できたはずだ。司法は人権の砦(とりで)でなければならない。あらためて、自覚を促したい。
(4)北海道新聞社説
①ハンセン病隔離政策をめぐる政府と国会の謝罪から15年。最高裁が自ら検証し、誤りを認めたことは評価されるが、遅きに失した。一方、憲法が保障する「裁判の公開」には反していないとした。形式的には公開の要件が満たされていたと判断したためだ。
②元患者やその家族たちはこの結論に納得するだろうか。偏見と差別に満ちた特別法廷を認めてきた責任に正面から向き合うことこそ、「憲法の番人」である最高裁の責務のはずだ。
③最高裁は、特別法廷設置について「合理性を欠く差別的な取り扱いであったことが強く疑われる」として謝罪した。当然である。
④理解できないのは、開廷時に開廷の張り紙が正門に出されていたことなどから、裁判は公開されていたと判断したことだ。普段、人があまり訪れない療養所に張り紙をしただけで、公開されていたとするのは無理がある。
⑤この問題を調べてきた最高裁の有識者委員会も、一般法廷と比較し実質的に公開されていたかが重要だとして、違憲の疑いを指摘した。事実上の非公開とみるのが市民感覚だろう。
⑥形が整っているから良しとするのが、最も人権感覚に敏感なはずの司法の判断なのか。残念な結論と言わざるを得ない。
⑦国の隔離政策で患者らは長年、言葉に言い表せない苦しみを味わってきた。その人たちの名誉を回復するためにも、最高裁は真摯(しんし)な反省の姿勢を示すべきだ。それこそが、現在も根強い偏見を解消する方策の一つになる。
(5)信濃毎日新聞社説
①ハンセン病患者らを強制隔離し続けた差別政策に、「人権のとりで」であるべき司法までが加担した。その責任の重大さに正面から向き合った検証結果とは言いがたい。
②遅きに失した謝罪の言葉だけでは、不信感は拭いようもない。違憲性に関して、さらに徹底した検証が欠かせない。
③熊本の男性が無実を訴えながら殺人罪で死刑判決を受け、執行された「菊池事件」について、弁護団などが再審を求めている。個々の裁判のやり直しも、遺族らの要望に応じて認めるべきだ。
(6)山陰中央新報論説
①殺人罪で死刑判決が言い渡され、執行された「菊池事件」を巡っては再審請求の動きがあり、司法による過去の償いはまだ終わらない。
②報告書は特別法廷の問題点を一通り示し、裁判所の誤りも認めている。記者会見した最高裁事務総長は「法の下の平等に反していたと強く疑われる」と、報告書にはない違憲の疑いまで指摘した。しかし個別の事件の審理にどのような影響があったかは明らかにはなっていない。
③菊池事件では、被告が無罪を主張したのに弁護人は検察側提出の全証拠に同意したり、裁判官がゴム手袋をして調書をめくったりといった異様な裁判の光景が語り伝えられている。弁護団は刑事訴訟法に基づき検察に再審請求を求めるなど手を尽くしており、真相解明につながることを期待したい。
(7)徳島新聞社説
①憲法の番人が差別意識を持っていたのでは、公正な司法など期待できようか。最高裁は恥ずべき過ちを犯したことを重く受け止めるべきだ。
②ハンセン病患者への強い偏見があったのは明白である。報告書では「誤った運用が偏見と差別を助長した。深く反省し、おわびする」とした。謝罪は異例だが、それで済むものではない。
③今回の報告では、「司法が人権侵害を行った」との批判は収まらないだろう。検証も不十分だ。
④三権の一翼を担う最高裁が重い腰を上げて調査を始めたのは、入所者協などの要請を受けた後の一昨年5月だ。対応が遅きに失したのが極めて残念だ。亡くなった元患者に謝罪の言葉は届かない。最高裁には、さらに患者側の理解を得る努力を求めたい。
(8)高知新聞社説
①「謝罪になっていない」―。長年にわたっていわれのない差別、偏見を強いられてきた元患者や家族が憤るのも無理はないだろう。
②憲法が定める裁判の公開原則に関し、最高裁は療養所に開廷を知らせる「告示」を出していたことを挙げて、「公開されていなかったとは認定できない」と結論付けた。だとしても、実質的には「公開」とは程遠く、あまりに外形的な判断といわざるを得ない。
③社会の差別や偏見を助長した責任を直視しないままなら、「人権のとりで」という国民の信頼に自ら傷をつけたといわなければならない。
(9)西日本新聞社説
①最高裁はまず違法性について、特別法廷は災害など例外に限るとされる裁判所法に違反していたと認めた。一方で特別法廷は「傍聴を許していたと推認できる」などを理由に、憲法の「裁判の公開」には反しないと結論付けた。こうした判断は問題を矮小(わいしょう)化していると言わざるを得ない。
②最高裁は報告書の末尾で外部有識者委から「最高裁は人権のとりでたれ」と叱咤(しった)されたことを自ら記している。国民の人権を巡って司法までが厳しく指弾された意味は極めて重い。
③国の補償など元患者らの救済は進む一方、最近では耐え難い偏見から家族らが国を提訴するなどハンセン病問題は依然深刻だ。
④改めて私たち一人一人に問われる人権問題と捉えたい。
(10)沖縄タイムス社説
①今回の調査報告書は、療養所の正門に開廷を知らせる「告示」を出していたことをあげ、「公開されていなかったとは認定できない」と違憲性を否定する。違憲性を認めた場合の影響を懸念するあまり腰が引け、形式論をかざして逃げ込んだ印象が強い。実際のところはどうだったのか。
②熊本県の国立療養所「菊池恵楓園」入所者自治会の志村康会長(83)は指摘する。「告示に気付く人はおらず、知らない間に裁判は開かれていた」。50年代に「特別法廷」を目撃したという菊池恵楓園の入所者は「白黒の幕の中で裁判が開かれ、全然見えなかった」と証言する。
③最高裁が謝罪したことで行政・立法・司法の三権が隔離政策について謝罪したことになるが、ハンセン病に対する差別や偏見は解消されていない。司法による過去の償いも終わっていない。


 今、私たちにとって何よりにも増して必要なことは、「療養所で暮らす人の平均年齢は80歳を超す。尊厳が回復されたとはいえないまま年老いる元患者らの現状に向き合い、差別をどう克服していくか。司法の責任とともに、社会が問われていることもあらためて認識したい。」(信濃毎日新聞)、ということだ。
 それも緊急な具体的な対応の中で。


 以下、各社社説等の引用。(また、長くなります。)





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-28 06:07 | ハンセン病 | Comments(0)

原発問題-チェルノブイリ原発事故から2016年4月26日で三十年。

 旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故から30年を迎えた。東京新聞は2016年4月26日、2015年にノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエービッチさんの「科学技術進んでも原発事故は起き得る」とするインタビュー記事を掲載した。


 スベトラーナ・アレクシエービッチさんのインタビューでの発言は次のものである。


「原発事故とは何か。三十年たってもその本質を理解している人はいない。私たちは今もこの問題の蚊帳の外にいる」

「政権はチェルノブイリという言葉を使うのを事実上禁止している。事故を克服するのではなく、風化させて無かったことにしようとしている」

「私の本は、国内で出版できないが、ロシアから持ち込まれ少しずつでも読まれている。この流れは止めることはできない」

日本の原発関係者から「チェルノブイリ事故は旧ソ連の人が怠惰だったから起きた。技術大国の日本ではあり得ない」と言われた。

「二つの事故で分かったのは科学技術が進んでいても、真摯(しんし)な態度で管理していても原発事故は起こり得るということ。むしろ技術が進むほど、大きな事故につながるのではないか。人間が自然に勝つことはできないのだから」

国民は反対しないのか、と尋ねると「反原発運動も環境保護運動も禁止されていて、大統領の独断に国民は反対できない。それに、経済的に困窮した国民は原発問題よりも、明日の仕事のことを心配している」との答えが返ってきた。

「三十年たっても、私たちが原発事故について理解しているのは、薬や治療が必要だということだけ。原発事故を哲学的に、人類学的に考え、理解することこそ必要。フクシマで何が起きているのか、日本の人々がどう考えているのかを聞きたい」


 さて、私たちは、このスベトラーナ・アレクシエービッチさんの言葉をどのように理解し、答えることができるのか。


 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-04-27 19:37 | 書くことから-原発 | Comments(0)

アベノミクスは失敗。

 どうやら国際的なアベノミクスについての評価も潮代わりをしてきたようです。
 yahooニュースは2016年4月23日、「4年目のアベノミクス 厳しい論調に転じた海外メデイア」、との東洋英和女学院大学大学院の中岡望客員教授の解説記事を掲載しました。
 この記事を要約します。


(1)アベノミクスの事実
①2012年12月に安倍政権が発足、金融緩和、財政出動、成長戦略を三本の柱とするアベノミクスが発表されました。翌年3月、日銀総裁が白川方明氏から黒田東彦氏に交代し、異次元の金融政策として大量のマネタリーベースの供給とインフレ率2%の 目標が設定されました。
②それから3年経ちます。当初、アベノミクスは内外で注目されていましたが、ここに来て海外の論調は厳しいものになってきています。その最大の要因は、アベノミクスは期待されたような成果を上げていないということです。2015年の日本の経済の実質成長率は0.5%の低成長に留まりました。さらに、IMFは今年の成長率も0.5%、2017年はマイナス0.1%と悪化すると予想しています。先進国で最低の成長率です。こうした景気低迷を受け、日銀が掲げる物価上昇率2%の目標の達成ははるか及ばず、日本経済がデフレから脱却するのは難しいとの見方が広がっており、それが海外での厳しいアベノミクス評価に結びついているようです。
③アベノミクスは、円安と株高をテコに経済成長を実現し、それが労働賃金の上昇に結びつき、需要を喚起して、デフレ脱却を目指すものでした。しかし、マイナス金利政策の導入にも拘わらず為替相場は円高に転換し、株式相場も先進国で最低のパフォーマンスに陥っています。こうしたことから、金融政策だけでは景気回復を図るのは無理との見方が内外で強まっています。海外の関係者は、日本政府と日銀が当面の円高にどう対処するのか注目しています。 さらに、アベノミクスの3本目の柱の構造改革も遅々として進まない現状もあります。


(2)海外でのアベノミクスへの論調
①『バロン』(2016年1月4日)は、「安倍首相の日本経済再興政策は過去3年間、ほとんど役に立たなかった」と切り捨てています。                   ②CNN(2015年10月5日)も、「安倍首相の計画は座礁に乗り上げているというコンセンサスが高まっている」と、海外のアベノミクスに対する考え方が変わったと報道しています。CNNはさらに安倍政権の“新政策”である名目GDP600兆円目標に関しても、「この政策によって改革が促進されることはないだろう」とクールなコメントを加えています。
③『ウォール・ストリート』(2016年2月10日)も「三本の柱の内、最初の金融政策は唯一、期待が持てるが、財政拡張は財務省の抵抗で失速し、構造改革は短期的には成果が期待できないものだ」と指摘し、もっと大胆な政策が必要だと説いています。     ④『ワシントン・ポスト』(2016年3月5日)は「アベノミクスは今までのところ、たいした成果を上げていない」と書いています。通信社AP(2016年2月15日)も日本経済がマイナス成長になったのを受けて「大規模な金融緩和によるインフレを通して経済を再生するという安倍首相の野心的な戦略は約束されたような成果を上げていない」と厳しい見方を紹介しています。
⑤通信社ブルームバーグ(2015年9月10日)は、アベノミクスに好意的であったクルーグマン教授が「アベノミクスが失敗するリスクは高まっている」と、アベノミクスに対する懸念を表明したと報道しています。クルーグマン教授は2014年11月に安倍首相と会談し、消費税引き上げを延期するように語っています。                ⑥同様にノーベル経済学賞経済学者ジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授も2016年3月16日に安倍首相と会談し、クルーグマン教授と同様に、消費税引き下げの延長の必要性を説いています。
⑦『フィナンシャル・タイムズ』(2015年9月25日)は、「日本銀行のインフレ目標を2年以内に達成するのは不可能である」と、三本の柱である金融政策の効果に疑問を呈しています。さらに賃金の伸びが鈍く、消費回復が見られないとして、これらが「アベノミクスの失敗」を示していると指摘しています。                    ⑧有力週刊誌の『エコノミスト』(2015年9月26日)も、「アベノミクスが始まって以来初めて物価が下落した」とデフレ脱却を目指すアベノミクスが期待通りの成果を上げていないと分析しています。
⑨英国の大手紙『ガーディアン』(2016年2月15日)も、経済成長がマイナスに陥ったことを受けて、「経済を低迷から引き出そうという安倍首相の試みはさらに大きな打撃を受けるだろう」と書いています。                         ⑩国営放送のBBC(2016年2月15日)も、「黒田日銀総裁は20年に及ぶデフレを脱却するために必要なことは何でもすると語っているが、結局円安を引き起こしているだけだ」と、異次元の金融政策は日本経済の復興にはつながっていないと厳しいコメントをしています。
⑪中国の『チャイナ・ディリー』(2016年3月14日)は、「日本内外の経済学者は、金融政策だけでは日本の潜在成長率を高めることはできないと主張している。アベノミクスの他の柱も目標に達していない」と冷めた目で評価しています。            ⑫韓国の『コリア・ヘラルド』2016年3月13日)は、「もし経済政策の解決策を作り出さなければならない国があるとすれば、それは日本である。多くの専門家は1年に及ぶ低成長でアベノミクスが停滞していると語っており、多くの人々が注目しているのは、日本は次の政策を打ち出せるのか、それとも政策のアイデアは種切れになってしまったのかということである」と書いている。
⑬アジア問題を扱う専門誌の『ディプロマ』(2015年9月30日)は、「世界は安倍首相が最後の矢をまだ放っていないことを期待している」と題する記事の中で、「安倍首相は具体的な改革案がないため、名目GDP600兆円の新目標達成に苦慮するだろう」と厳しい見通しを書いています。


(3)中岡望客員教授の解説
 異次元の金融緩和で円安と株高が進み、企業は賃金を引き上げ、消費需要が高まる。そして、成長戦略・構造改革で日本の潜在成長率が高まり、日本は長期低迷から脱出する ―― というアベノミクスのシナリオは、海外では疑問を持たれているようです。


 安倍晋三政権の歪んだ成長戦略が、よりいっそ応の格差、貧困の拡大をもたらすものでしかないことは実証されつつある。
 それは、「アベノミクスは失敗」ということでもある。
 このことが、安倍晋三政権を支えてきたと言われる海外からの支えがなくなるなかでは、逆に牙を向けられることにもなる。
 では、どうするのか、それこそが問われている。


 以下、yahooニュースの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-27 06:18 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

ヘイトクライム-ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策の法案で、米軍人が保護の対象となることが分かった。まさか、「米軍出て行け」は×で「沖縄への中傷」は○?、になるの。

 自民、公明両党が参院に提出したヘイトスピーチ対策の法案について、2016年4月24日、「人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)対策として自民、公明両党が参院に提出した法案で、米軍人が保護の対象となることが分かった。法案は『本邦外出身者』への『不当な差別的言動は許されない』と宣言する内容。日米地位協定上の特権を持つ米軍人が、マイノリティーである在日コリアンと同様に保護される。一方、沖縄の人々は『本邦外出身者』ではないためヘイトスピーチを受けても保護されない。」、と報じた。
 また、「法案は19日に審議入りした。そのまま成立すれば、『米軍は沖縄から出て行け』という訴えが米軍人へのヘイトスピーチとされる恐れがあり、専門家から懸念が出されている。」、とその危惧感を伝えた。
 さらに、法案の問題点について、「与党のヘイトスピーチ対策法案は、表現の自由との兼ね合いから罰則を設けていない。旧民主党など野党も昨年5月に対策法案を参院に提出し、継続審議になっている。国籍を問わず『人種等を理由とする不当な行為』を『禁止』する内容で、やはり罰則規定のない理念法になっている。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-04-26 17:41 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

ハンセン病-元患者は「胸に響かぬ」、と。「司法の責任は不問にされたに等しく、到底受け入れられるものではない」。

 「特別法廷」について、最高裁報告は「違憲」とは認めなかった。
 このことについて、朝日新聞は2016年4月26日、「ハンセン病患者を隔離された特別法廷で裁いてきた過ちを、『憲法の番人』である最高裁は25日、『違法』だったと謝罪しながらも、『違憲』とは認めなかった。検証を求めてきた元患者たちは『間違いを真摯(しんし)に認めてほしかった』と悔しさと怒りを訴えた。」、と報じた。
 朝日新聞は、次の声を伝えた。


(志村康さん-83)
「違憲ではないが違法としたうえ、最高裁判所は責任を負わないなんて、理不尽な結果だ。これで謝罪になっているのでしょうか」

(長州次郎さん-88)
「我々の胸に響くような見解ではありませんでした。本当に残念。(調査で話した)真意が伝わらなかった」。
「(法廷は)黒幕で囲われ、中の様子を見ることは絶対にできなかった。公開の原則に反していないなんて、まやかしです」

(藤田三四郎会長-90)
「(20年前の)らい予防法の廃止の時に(司法も)謝罪すべきだった。今ごろ謝罪は遅すぎる。最高裁はハンセン病に無知だった」

(北原誠学芸員-61)
「検証を始めるまで随分時間がかかったという印象だ。特別法廷は当時、十分議論されずに設置が慣例化していたのでは」

(中尾伸治さん-81)
「政府や国会は誤りを認めているのに、憲法の番人であるはずの最高裁は遅すぎる」


 私たちが、聞かなければならないのは、まさにこの声ではないのか。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-26 09:14 | ハンセン病 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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