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沖縄-日米の思惑の違いはどこから

 ハリス米太平洋軍司令官の辺野古に関する発言に関して、沖縄タイムスは2016年2月25日、「中谷元・防衛相は25日の衆院予算委員会分科会で、米軍普天間飛行場の返還時期に関し、現行計画通り2022年には返還可能との認識を示した。ハリス米太平洋軍司令官が上院軍事委員会で示した返還の前提条件となる辺野古新基地の完成が25年になるとの見通しを打ち消した形だ。中谷氏は、『順調に進めば辺野古の埋め立て工事が5年で完了し、22年に普天間は返還可能になる』と述べた。13年の日米合意で返還時期は『22年度またはその後』とされている。中谷氏は、ハリス氏の発言に関し『発言の全文を読まないと本当の意味が理解できないので米側に真意を確認する』とも表明した。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-02-26 09:49 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(16)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(16)を考える。
 第16回目は、「海兵隊撤退で沖縄は『南沙状態』?」、ということについて。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年2月21日、次のようにまとめる。

(1)この問いは、事実なのか。
①沖縄から米海兵隊が撤退すれば、南シナ海の南沙諸島のように中国が沖縄を奪いにくる-。海兵隊の沖縄駐留が必要な理由としてインターネット上で、まことしやかに語られる言説だ。
②「米軍が退いたから中国が進出した」。政府関係者でさえ中国の強硬姿勢はフィリピンからの米軍の撤退が大きな要因で、沖縄から海兵隊がいなくなれば尖閣諸島だけでなく与那国島や本島まで中国が奪いにかかるとの「仮説」を語る。全米軍が撤退したフィリピンと、駐留する陸・海・空・海兵隊の4軍のうち普天間所属の海兵隊だけの撤退を求める沖縄とでは比較できないにもかかわらず、だ。
(2)この問いへの反論。軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は、政治と軍事の両面からの強い否定。
①田岡氏は尖閣は2014年の安倍・習会談で事実上の現状維持で合意しており侵攻することはあり得ないとする。米国が最大の輸出市場、投融資先である中国にとり、米との決定的対立は避けたいのも事実だ。
②一方、米国にとっても中国は米国債1兆2千億ドルを保持して財政を支えているだけでなく、3兆7千億ドルの外貨準備の大半をウォール街で運用し、米金融証券界の大黒柱になっている。毎年150機の旅客機を輸入し米軍需、航空機産業の最大の顧客でもある。武力衝突は双方にとり破綻を意味する。
③そもそも在沖海兵隊は「抑止力」になり得ないとも言う。在沖海兵隊の戦闘部隊は第31海兵遠征隊(2千人)だけ。他は補給・支援部隊だ。その歩兵部隊は1個大隊800人にすぎないと指摘。「戦車ゼロ、装甲車約20両とオスプレイ、ヘリは戦争できる兵力ではない。太平洋、インド洋地域の戦乱、暴動や災害時に在留米国民を救出するのが主たる役割だ」と説明する。
④「沖縄の陸自第15旅団の方がよほど頼りになる」と述べ、海兵隊がいなくても沖縄がフィリピン化することはないとする。
(3)結論。
 では、なぜ政府内から米軍撤退による中国脅威論が出るのか。田岡氏は「辺野古の新基地建設への正当性を持たせたいためだ」との見方を示しこう嘆いた。「マスコミも政府関係者も基本的な知識がなさすぎる」


 こうした問いは、「辺野古の新基地建設への正当性を持たせたいためだ」、ということがよくわかる。
 つまり、それほど辺野古新基地建設には正当性がないということだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。



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by asyagi-df-2014 | 2016-02-26 06:20 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-東京電力は、メトルダウン(炉心溶融)公表しなかった。

 この東京電力の企業体質が起こしたことについて、朝日新聞は2016年2月24日、「東京電力は24日、福島第一原発事故当時の社内マニュアルに、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)を判定する基準が明記されていたが、その存在に5年間気付かなかったと発表し、謝罪した。東電は事故から2カ月後の2011年5月まで炉心溶融を公表しなかったが、基準に従えば3日後の3月14日には1、3号機について判定できていたという。」、「事故では1~3号機で炉心が溶融して大量の放射性物質が漏れた。公開された当時の社内テレビ会議のやりとりなどから、東電幹部らが当初から炉心溶融の可能性を認識していたことが分かっているが、東電は5月に炉心溶融を正式に認めるまで、会見などでは『炉心溶融』を使わず、核燃料が傷つく状態を意味す『「炉心損傷』と説明していた。と報じた。」、と報じた。
 また、東京電力に対応について、「東電は事故発生から3日後の3月14日午前、格納容器内で測定された放射線量から3号機の炉心損傷割合を30%、1号機も55%と確認。2号機も15日夕に35%と分かった。いずれも5%を超えており、炉心溶融と判定・公表ができたとしている。当時は、この基準があることに気付いていなかったという。2年前にマニュアルを改訂した際も見落としていた。東電の担当者は『気付くのに5年間かかったことは誠に申し訳ない。今まで十分な調査ができていなかった点は反省している』と謝罪。今後は第三者の協力を得て、炉心溶融の判定や公表ができなかった経緯や原因を調べるという。」、伝えた。
 あわせて、「新潟県の泉田裕彦知事は『社内で作成したマニュアルの定義は組織的に共有されていたはずだ。事故後5年もの間、重要な事実を公表せず、技術委員会の議論に真摯(しんし)に対応してこなかったことは極めて遺憾だ。メルトダウンを隠蔽(いんぺい)した背景や、それが誰の指示であったかなどについて、今後真摯に調査し、真実を明らかにしていただきたい』とのコメントを出した。福島県の内堀雅雄知事は『11年3月14日時点で炉心溶融という重要な事象が通報されなかったことは極めて遺憾である。今後、迅速・正確な通報・連絡が徹底されるよう改めて強く求めたい』とのコメントを出した。」、と問題点を指摘する声を報じた。


 このことに関しては、①メトルダウンを隠蔽したことによって人間の命を軽視した企業の責任、②このことを許してしまった政府及び地方自治体のの責任、が問われなくてはならない。
 個人的に、このことについては、正式には公表されていない中で、「メルトダウン」という言葉をきちんと使うべきではないかと考え、いろいろなことがありながら、文章にした思いがあるだけに、やはりこういうことだったのかと、憤懣やるかたない。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-02-25 17:04 | 書くことから-原発 | Comments(0)

米軍再編-海兵隊員の父親が、オスプレイ墜落死告訴へ。

 標題について、沖縄タイムスは2016年2月23日、「昨年5月にハワイで起きた米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故で死亡した海兵隊員の父親が、同機の製造元であるボーイング社などを告訴することが21日までに分かった。米海兵隊紙マリンコー・タイムズが21日に報じた内容によると、父親は、地上から巻き上がった砂を吸い込んだエンジンの停止が事故につながったと指摘。オスプレイには重大欠陥があると指摘し、海兵隊と空軍仕様のオスプレイの運用停止を求めている。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-02-25 12:27 | 米軍再編 | Comments(0)

本からのもの-プリモ・レーヴィへの旅 アウシュビッツは終わるのか?

著書名;【新版】プリモ・レーヴィへの旅 アウシュビッツは終わるのか?
著作者:徐 京植
出版社;晃洋書房


 徐京植さん(以下、徐とする)の「プリモ・レーヴィへの旅」は、いろんなことを私自身に示唆する。
 プリモ・レーヴィルの著作を知らなかったこと、余りにもアウシュビッツに無意識であったこと。
 アウシュビッツが示していたことは、今の日本のあり方を問うということだったこと。
「新版プリモ・レーヴィへの旅」は、「ドイツ人」の問題から、あらためて「日本人」の問題を、深く問いかけてくる。
 もう一つ言えば、徐の文章は、詩的にまたは理知的にリズムを刻む。こんな文章が書けたらと、つい思ってしまう。

 さて、次の「オデュッセウスの死」からの引用が、この本のすべてを表しているような気がします。


 彼を苛み続けた「思い出としての恥」「生き残ったことの恥」「人間としての恥」が、危険水域を越えて溢れ出したのだろうか。
 ジャン・アメリーにも共通する、「同化ユダヤ人」としての引き裂かれたアイデンティティが、ついに彼の生命そのものまでも引き裂いたのか。
 「ドイツ人」を理解しようとする努力に、ついに疲れ果ててしまったのか。
 果てしなく繰り返され増殖する愚行と流血に、とうとう「人間」への希望を失ったのか。
 「誰もがカインである」という強制収容所の真実が、実は収容所の外においても真実であったこと、しかも、そのことをユダヤ人の国イスラエルが証明しているという現実を前にして、底知れぬ虚無にとらわれたのか。
 「アウシュヴィッツ」を執拗に相対化しようとする人びとの台頭、その図々しい声を歓迎する多くの大衆の存在に耐えがたいまでの不安と恐怖を覚えたのだろうか。・・・・
 これ以外にも、自殺の原因には個人的な事情も当然からんでいるであろう。死の数ヶ月前、レーヴィは老いた母親が脳卒中の発作で倒れるという不幸にみまわれ、また、自分自身も抑鬱症に苦しんでいたという友人の報告がある。アメリカ合衆国に住むその友人は、一九八七年三月二九日すなわち自殺二週間前の日付のあるレーヴィの手紙を受け取っている。そこには、自分は今ひどい抑鬱症に苦しんでおり、それから逃れようと無益な戦いを続けている、回復への意志は強いが、現在の状況はアウシュヴィッツ時代を含めて最悪である、と書かれていた。
 いや、彼の自殺はそもそも、不安、恐怖、失意、絶望、あるいは倦怠のゆえではなく、自己の最後の尊厳を守るための、そして「証人」としての最後の仕事をやり遂げるための、静かな選択だったのかもしれない。
 彼はなぜ自殺したのか。私にはむしろ、その理由を知ろうとするべきでなく、理解しようとするべきでない、という思いが強い。ただ、死者の残した沈黙に凝然と頭をたれるべきなのだ。

  あなたがたが知りたいのは、理解したいのは、きりがついたしてページを繰
 るためではないのか。(中略)死者たちがあなたがたを救援しに来るなどとは、
 期待しないでいただきたい。彼らの沈黙は彼らのあとまで生きのびるであろう。
           (エリ・ヴィーゼル「死者のための弁護」『死者の歌』)

 プリーモ・レーヴィは私たちの未来のための証人だった。それなのに、「こちら側」の世界、私たちの世界は証人の声に耳を貸さないばかりか、証人を敬意をもって遇するすべすら知らないのである。



 私は、徐のこの声に、日本というものを真剣に考えざるるを得ない。
 徐は、そのためにこのように指摘する。


 冷血や残酷は、いまも世界を覆っている。「人間という尺度」は破壊されたままだ。アウシュヴィッツによって曝け出された「断絶」を、私たちは越えることができるだろうか。 アウシュヴィッツ以後、私たち「人間」は生還の期し難い「オデュセウスの航海」に投げ出されてしまったのだ。大海原は荒れて暗く、水先案内人もなく羅針盤もないままに、航海はあてどむなく続いている。


 徐の「ドイツ人」という章から、最後に引く。「ドイツ人」という投げかけは、「日本人」でもあるということを確認しながら。


 アーレントは後年に書いた「集団の責任」という論文で、「罪」と「責任」の概念を明確に区別している。「私たち全員に罪がある」という叫び声は現実には、実際に罪のあるものを無罪放免するはたらきしかしなかった、と彼女はいう。「罪」は法的な概念であり、「厳密な意味で一個人にかかわっている」。その一方で、政治共同体の成員なら誰もが負わねばならない、政治的な意味での「集団的責任」があるのだ。いいかえれば、「ドイツ人」という集団の中に「罪」のある個人はいるが、「ドイツ人」総体に「罪」があるのではない。「ドイツ人総体の罪」という考えはむしろ、罪のある個人を隠匿する結果に繋がるだろう。しかし、ドイツ国民なら誰でもドイツという政治的共同体がなした行為について「集団的責任」があるのである。こうした「集団的責任」を免れるのは、難民や亡命者など「国家なき人々」だけなのだ。
 ところで、「ドイツ人」であることを恬として恥じないドイツ人に出会った時には、ハンナ・アーレントは何と言うのだろうか?興味深い問題である。
 大切なことは、誰が、どの立場で語るかということ、そして、語られた言葉が誰によって、どう利用されるか、ということであろう。亡命ユダヤ人であるハンナ・アーレントが「人間であることを恥じる」と言う時、彼女の前に立ったドイツ人が「そうだ、そのとおり」と、肩の荷を降ろして胸を反らせるとすれば、その光景はグロテスクというほかない。彼はやはり、仮に個人として「罪」がない場合でも、「それでもドイツ人であることを恥じる」と応じるべきなのだと私は思う。そうしてこそ初めて、被害者と加害者とが同じ平面で向かい合って「人間」共通の責任を論じることも可能になるだろう。


 「ドイツ人」という投げかけは、「日本人」でもあるということを確認する行為とは、仮に個人として「罪」がない場合でも、「それでも日本人であることを恥じる」と、応じるべきなのだということである。
 徐は、このことが何故必要なのかについて、次のように述べる。


 自分たちが慣れ親しんだ生活様式や思考方式がどこかでナチズムの基盤を用意したのかもしれないという疑念や居心地の悪さは捨て去られてはならないだろう。ナチズムを産み、育て、黙認し、支持し、そこから利益を引く出しさえしたドイツ国民の一員としての恥辱間、その感覚に可能なかぎり敏感であるべきだ。そのような姿勢こそが、「人間としての原則的な恥ずかしさ」をさまざまな国籍の人々と共有し、感情の上で国際連帯を可能にするための前提なのである。ところで、「日本軍国主義と日本人は別だ」という言葉を中国人戦争被害者から聞く時の、日本人たちはどうだろう?「そんなことは当たり前だ」としか思わず、平然としているのではないか。


 徐は、「二〇一一年三月一二日に起きた福島第一原発の爆発事故後、あらためて考えさせられたことは、私たちの『想像力が試されている』ということである。」、と記している。
 私も、「3.11」及び「3.12」の意味を問いつづけていきたい。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-25 05:52 | 本等からのもの | Comments(0)

沖縄-欧米メディアが、「沖縄は日本で唯一、第2次大戦の地上戦を経験した地であり、現在も数万人の米兵や軍関係者が駐留する事実に多くの県民が憤りを感じている」。

 標題について、沖縄タイムスは2016年2月23日、「米メディアは21日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する集会が同日に東京で開かれ、約2万8千人が国会を包囲したと報じた。
 米ロイター通信は、『沖縄は日本で唯一、第2次大戦の地上戦を経験した地であり、現在も数万人の米兵や軍関係者が駐留する事実に多くの県民が憤りを感じている』と伝えた上で、米軍用機による騒音や基地による環境汚染、犯罪などが住民の生活に影響を与えているなどと報じた。米海兵隊基地を擁するカリフォルニア州サンディエゴの地元テレビ局も同通信社のニュースを映像とともに放映した。
 仏AFP通信は、参加者の多くが沖縄の島を象徴する青色を身にまとい、『沖縄の意思に従え』『新基地ノー』などのプラカードを手にし、埋め立て反対を訴えたと説明。『東京は同盟国との重要な安全保障の維持には熱心だが、沖縄では70年余におよぶ米軍の存在に対する不満が蔓延(まんえん)している』などと伝えた。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-02-24 09:20 | 沖縄から | Comments(0)

ハンセン病-家族集団提訴を考える。

 毎日新聞は、2016年2月16日、家族集団訴訟について、「患者本人同様、深刻な差別を受け続けたことを知ってほしい−−。ハンセン病元患者の家族59人が15日、初の集団国家賠償訴訟を起こした。元患者への賠償を命じた熊本地裁判決(2001年確定)の後も顧みられることがなかった家族の被害。損害賠償請求期限の20年を目前にして、ようやく重い口を開き、尊厳の回復に向けて立ち上がった。」、と報じた。
 実名を公表した原告・原田信子さんの「ずっと小さくなって生きてきたが、これからは隠れず生きていきたい」という次の声を伝えた。まさに、この声がこの訴訟の意味なのである。


「『幸せだと思ったことはあまりなかった。泣いていることが多かったから』。72年間の人生を振り返る。あえて実名を出して臨んだ提訴後の記者会見。涙ぐみながらも、こう訴えた。『裁判を通じて小さい頃から差別と偏見を受けてきたことを知ってほしい。ずっと小さくなって生きてきたが、これからは隠れず生きていきたい』」


 また、毎日新聞は、提訴後の原告・弁護団の記者会見での弁護団の徳田靖之共同代表の訴えを次のように伝えた。


「被告は国だが、問われるべきは誰なのかを皆さんと一緒に考えたい」
「01年の熊本地裁判決で国は断罪されたが、裁かれていないのは私たちの社会。それは法律家、医学界、マスコミ、教育界、そして地域の人たち。この裁判で裁かれるべきは私たち一人一人ではないか」


 徳田弁護士は、「『産んでくれた親を憎んだり、疎ましいと思うほど深刻な被害はない。そういう被害を明らかにすることで家族が被害から解放され、乗り越えていけるように多くの方に裁判へ参加してほしい』と呼びかけた。」。

 この集団訴訟について、各地方紙が社説で取りあげた。
 その見出しは、次のものである。
1.南日本新聞社説-[ハンセン病訴訟] 社会の差別も問われる-
2.西日本新聞社説-ハンセン病救済 国の幕引きは許されない-
3.京都新聞社説-ハンセン病提訴  家族にも被害、救済急げ-
4.信濃毎日新聞社説-ハンセン病訴訟 家族の苦しみに向き合う-

 この集団訴訟について、この社説で考える。
(1)集団提訴の意味
1.南日本新聞社説
 国のハンセン病強制隔離政策によって患者本人だけでなく、家族も深刻な偏見や差別を受けたとして、鹿児島県などに住む元患者の家族59人が、国に謝罪と損害賠償を求め熊本地裁に提訴した。家族の集団訴訟は初めてである。
2.西日本新聞社説
①ハンセン病の隔離政策はまさに「誤った国策」だった。にもかかわらず、その救済はいまだ不十分と言わざるを得ない。積み残された重い課題に社会全体が向き合うことを求める提訴でもある。
②元患者の家族らが国に謝罪と損害賠償を求める初の集団訴訟を熊本地裁に起こした。隔離政策による差別や偏見の被害は患者本人だけでなく、子どもやきょうだい、配偶者にも及んだ-との主張だ。
③ハンセン病関連の被害は「人権を根こそぎ奪う」という言葉で表現されることがある。患者は強制的に療養所へ収容され、家族も日常生活に加えて教育、就職、結婚など人生のあらゆる場面で過酷な差別にさらされたからだ。
④さらに悲劇的なのは、患者となった肉親を憎んだり、恨んだりして家族そのものが崩壊に至ったケースも少なくないとされる点だ。基本的に元患者本人を補償対象としている現行制度は、被害の全面的な救済につながらないことは明らかだといえるだろう。
3.京都新聞社説                                
①国によるハンセン病強制隔離政策のため、患者本人だけでなく家族も深刻な偏見や差別を受けたとして、元患者の家族59人が国に謝罪と損害賠償を求める訴訟を熊本地裁に起こした。家族の被害をめぐる集団訴訟は初めてという。
②これまでの補償金はあくまで患者本人に対するもので、遺族に相続権はあるが、家族自身の被害に対するものではない。今回の提訴で、原告は隔離政策で助長された偏見、差別を受け、結婚や就職などの際、患者の家族であることを隠して生きざるをえなかったなどと訴えている。
4.信濃毎日新聞社説
①家族の被害をめぐっての集団訴訟は初めてである。弁護団が全国から原告を募り、今回の熊本地裁への提訴には59人が加わった。3月に予定する第2陣を含め原告は100人を超す見込みだ。
②戦前に始まった強制隔離政策は戦後も維持され、1996年に「らい予防法」が廃止されるまで続いた。元患者への賠償を国に命じる熊本地裁判決が2001年に確定し、元患者と遺族には一時金が支給されている。09年に施行されたハンセン病問題基本法は、元患者の生活保障や名誉回復措置を国に義務づけた。ただどちらも、家族の被害は救済の対象になっていない。
(2)主張
1.南日本新聞社説
①悲劇の背景にあったのが国の強制隔離政策である。
②原告59人は国に約3億5000万円の賠償を求めた。その大半は匿名で裁判に臨まなければならなかった。国は差別を恐れる現実に目を向け、救済を急ぐべきだ。
③問われているのは国だけではない。過酷な政策を許し、差別に加担してきた私たちの社会そのものでもあろう。
④国の政策とはいえ、強制隔離に関わった保健所を所管する都道府県や、警察などもあらためて反省する機会としたい。
⑤鹿児島県内では、星塚敬愛園と奄美和光園に計190人の元患者が暮らす。全国では計1622人で、平均年齢は84.3歳という。子どもやきょうだいらが救済されるのか。静かに見守っている。
2.西日本新聞社説
①今回の原告は37~92歳の59人で来月には第2陣が提訴し、全国から参加する原告総数は100人を超える見通しという。それでも事実を隠し、声を潜めて生きる人々の一部にすぎない。それだけ根の深い偏見が依然、この社会に残っていることを直視すべきだ。
②原告たちがこの時期に提訴へ踏み切った理由は何か。それは隔離政策の根拠だった「らい予防法」廃止から3月末で20年となり、民法の規定で損害賠償請求権が消滅するためだ。このままでは国にハンセン病問題の幕引きを許してしまいかねないとの危機感がある。
③厚生労働省は補償金を受け取れる元患者が期限内に手続きを行えるよう都道府県に周知徹底を要請した。元患者すらまだ受給していない人が多数いるという。とても幕引きなどできる状態ではない。
④国は今回の提訴による司法判断を待つまでもなく、ハンセン病被害救済を総合的に見直すべきだ。名乗り出ることすらできない被害者に救いの手が届くよう、社会全体の問題として考えていきたい。
3.京都新聞社説                                
①国の誤った政策が被害を拡大させた結果といえよう。早急に救済策を検討しなければならない。
②「らい予防法」廃止から今年3月末で20年となり、民法の規定で損害賠償請求権が消滅することから、厚生労働省は期限内に請求手続きをとるよう、対象者に呼びかけている。しかし、療養所への非入所者を中心にまだ請求していない人が多数いるとみられ、偏見や差別の根深さをうかがわせる。
③家族が、患者と同様に受けてきた長い苦しみを考えれば、国は補償に踏み切るべきだ。
④ハンセン病をめぐる人権問題は過去のものではない。今なお続く重い課題であることを、あらためて確認しておきたい。
4.信濃毎日新聞社説
①ハンセン病の元患者の家族たちが国に賠償と謝罪を求める訴訟を起こした。長年にわたる強制隔離政策などによって、患者本人だけでなく家族もまた、根深い差別や偏見にさらされてきた。その苦しみに正面から向き合う司法判断を求めたい。
②結婚、就職をはじめさまざまな面で、家族は理不尽な仕打ちを受けてきた。周囲の目を恐れて、今も名乗り出ることをためらう人は多い。原告になった人も、大半が名前や顔を出せずにいる。その現実を重く受け止めたい。
③予防法の廃止から20年になる。弁護団などの支援で声を上げることができた人たちの背後に、なお表に出られない多くの家族の存在がある。原告に限らず、家族の被害回復に向け、国は施策や制度の整備に踏み出すべきだ。
④国の責任とともに忘れてはならないことがある。かつて患者を療養所に送り込んだ「無らい県運動」は住民の協力なしには進まなかった。隔離政策が戦後も50年以上にわたって続いたのは、社会の大多数の人々の無関心や暗黙の了解があったからにほかならない。
⑤それをどう克服していくか。つらい体験を語る声に向き合い、社会全体で考える必要がある。それぞれが自らの問題と受け止め、少数者を排除しない地域、社会をつくるための行動につなげたい。


 この裁判の目的は、患者家族が、「産んでくれた親を憎んだり、疎ましいと思うほど深刻な被害はない。そういう被害を明らかにすることで家族が被害から解放され、乗り越えていける」ためであることを、まず最初に理解しなければならない。
 そして、このことを本当に意味で達成させるためには、「01年の熊本地裁判決で国は断罪されたが、裁かれていないのは私たちの社会。それは法律家、医学界、マスコミ、教育界、そして地域の人たち。この裁判で裁かれるべきは私たち一人一人ではないか」(徳田弁護士)、ということを私たち自身に、刻み込まなければならない。


 以下、毎日新聞、南日本新聞、西日本新聞、京都新聞、信濃毎日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-02-24 06:30 | ハンセン病 | Comments(0)

沖縄-20160222沖縄と20160221東京

 この日の沖縄と東京の様子について、沖縄タイムスは次のように報じた。

 東京での過去最大の取り組みについて、沖縄タイムスは2016年2月21日、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する『2・21 止めよう!辺野古埋め立て』の集会が21日、東京など全国9カ所で開かれた。東京では参加者が手をつないで国会を取り囲む『国会大包囲行動』があり、『新基地建設絶対反対』『辺野古の海をつぶすな』などと訴えた。国会包囲は昨年9月以来4回目で、2万8千人(主催者発表)が参加した。前回を約6千人上回り、これまでで最多の人数となった。」。と伝えた。
 また、2106年2月22日の辺野古新基地建設反対の闘いについて沖縄タイムスは、「名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では22日、新基地建設に反対する市民らが午前6時半ごろから、工事車両の進入を阻止しようと座り込みを行った。午前11時30分には最大100人まで増えた。座り込みには福井や京都、東京など、県外からも多数が参加。大田正元徳島県知事は『代執行訴訟の翁長雄志知事の陳述書に胸を打たれた。沖縄の苦難の歴史、地方自治の本質を気づかされた』と話した。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-02-23 09:11 | 沖縄から | Comments(0)

「日出生台で11回目となる米軍の実弾砲撃訓練に抗議するゲート前集会」に参加しました。

 2016年2月21日、大分県由布市の日出生台ゲート前で開催された「日出生台で11回目となる米軍の実弾砲撃訓練に抗議するゲート前集会」に参加してきました。
 13時から開かれた集会は、連年に比べて、いささか参加者が少なかったような気がしました。また、相変わらず県外からの参加者が多く、大分県の人間が少ないことはいつも通りでした。
 天気は、少し風がありましたが、快晴の中で行われ、昨年の悪天候に比べると、嘘のようでした。
 会場では、九州各地から駆け付けた人たちのアピールが行われ、いつもの元気をもらいました。特に、東京から湯布院に移住して四年目という若い(きっと)女性の挨拶は、このところの参加者の高齢化が目立った中では、司会の渡辺さんの「若い人の参加はありがたいことです」という言葉が、集会参加者全員の思いでもありました。
 この場で、是非とも報告したいのは、島田さんのシュプレルコールにいつも以上に熱が籠もり、すべてを圧倒しようとする勢いがあったことと、池田さんの歌声も、確かに、会場参加者だけでなく、向こう側の人たちにもきちっと届くまでのすごみがあったということでした。
 さて、最近の日本の状況、米軍再編の状況、沖縄、日出生台の押し込められた様子等は、次の内閣総理大臣安倍晋三宛の「抗議文」に込められています。

 「抗議文」を引用します。


抗議文
内閣総理大臣安倍晋三 殿

 2月15日から、ここ日出生台で行われている米軍による示談砲撃訓練に強く抗議し、米軍訓練の速やかな廃止を求めます。
 配線から70年を経てなお、アメリカは戦勝国の権利を手放そうとはしません。加えて、日本の歴代政権は、「飼い犬」と揶揄されるほどの対米従属路線を歩んできました。その間に、米軍基地と関連施設の機能は増強され、「思いやり予算」は増大しています。
 世界の歴史も現状も、武力が「永続する真の平和」を創れないことを示しています。
 選挙制度のペテンによって政権与党が多数を占め、あなたは「経済最優先」、「私が最高責任者」と繰り返しつつ、無残なまでに劣化した議員や閣僚を従えて、なりふり構わず、戦争への道を突き進んでいます。安倍政権は防衛費を3年連続で増額し過去最高としました。
 安倍政権は、安全保障関連法案という名の戦争法案を参院本会議で採決したと嘘をつき続けています。裁決はされていません。多くの人々がメディアの映像で確認しています。 安倍思軒は、圧倒的多数の憲法学者、各界の学識経験者、歴代の内閣法制局長官、元最高裁長官が憲法違反と明言した法案の裁決をでっち上げたのです。
 憲法の三本柱である立憲主義、民主主義、平和主義を蹂躙し、「国権の最高機関」をコケにする無法政権などあっていいはずはありません。
 安倍政権のこうした好戦性は、日出生台における米軍や九州防衛局の対住民姿勢にも影を落としています。
 地元に暮らす人々の安全と安心にとって、訓練に関する全情報の開示は最低限必要なことです。ところが、9回目(2012年)まで恒例としてきた地元説明会を米軍は10回目(2015年)から取りやめました。ほかにも、小海訓練場の場から報道関係者を閉め出す、滞在中、指揮官が記者会見を行わなかったなど情報開示は明らかに後退しています。 訓練期間中の夜間、榴弾砲を牽引する米軍車両が県道を走るという重大事が起きたのは9回目のことです。10回目(前回)、155ミリ榴弾砲の発車弾数は、過去最高の1070発。それまでの9回平均の2倍でした。訓練規模の拡大だけでなく、質も変化しています。骨も焼き尽くすという伯リン弾や照明弾の発射数が増え、林野火災の発生で、自衛隊の消火ヘリが出動するという事態も起きました。
 2013年、北海道矢臼別の米軍訓練では榴弾が場外に飛び出すという事故が起きています。日出生台の米軍訓練ではこれまでに重大事故を防いできたのは、日常的に米軍訓練の縮小・廃止を求めつつ、訓練の期間中、地元で監視を続ける人たちの緊張感に溢れた敏速な活動なのです。そのことを安倍政権は忘れてはなりません。護るべき人々の生活の場をアメリカの軍事訓練のために差し出すような政権であってはなりません。 
 私たちは思いを同じくする多くの人々に連帯して、さまざまな場で、さまざまな機会をとらえて「戦争させない」、「戦争法廃止」、「安倍政治を許さない」と声を挙げています。

米国大統領バラク・オバマ 殿

任期満了を控えてご多忙のことと拝察いたします。日本社会の一員として重大な関心事につき、用件のみ認めます。

「草の根の会・中津」は、心ある人々が権力の人権侵害を許すまいとして、反戦・反原発を中心に、ささやかな行動を続けている少人数の集まりです。

 同封した、日本国首相・安倍晋三氏あての抗議文をお読み頂ければ幸いに思います。そこにありますように、私たちは2016年2月21日、日出生台演習場ゲート前で抗議集会を開催し、その場でこの抗議文を拡声器を通して読み上げ、「Stop the training」、「Marines go home」、「No more war」「We love peace」などのシュプレヒコールをしました。なお、日出生台演習場における米海兵隊の実弾砲撃訓練に対しては、その都度、さまざまな組織や個人が訓練の縮小廃止を求めて抗議行動をしています。(新聞記事のコピーを同封します)

2016年2月23日                      草の根の会・中津 梶原得三郎




戦争するな/戦争国家アメリカの武力に寄りかかるな/9条の理想を掲げて全方位平和外交に励め/武装した自衛隊員を海外に送るな/自衛隊を災害救助隊に変えよ/安倍政権はただちに退陣せよ 


2016年2月16日
日出生台で11回目となる米軍の実弾砲撃訓練に抗議するゲート前集会・参加者一同


闘いは、諦めることなく、明白な意志の基に、続けられる。



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by asyagi-df-2014 | 2016-02-23 06:01 | 新たな経験 | Comments(0)

沖縄-名護市辺野古に仮設桟橋工事について、1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の金額2・5倍に膨らむ。

 標題について、朝日新聞は2016年2月20日、「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地とされる名護市辺野古に仮設桟橋などを造る工事について、防衛省が発注後の1年間に契約を4回変更し、工事費が当初の59億円から147億円と2・5倍に膨らんでいたことが朝日新聞の調べで分かった。抗議活動への対応で追加工事が必要になったためというが、『当初の入札の意味がない。新たな契約を結ぶべきだ』と批判が出ている。」、と報じた。
 また、「この工事は本体着工前の準備工事だが、その後に発注された本体工事でも契約が直後に変更され、当初より150億円以上増えたことも判明。防衛省は2014年3月、移設の総経費を『3500億円以上』と明かしたが、膨らむ恐れがある。2・5倍になったのは『シュワブ(H26)仮設工事』。沖縄防衛局は14年6月に指名競争で入札を実施し、大手ゼネコンの大成建設と59億6千万円で契約した。落札率は97・9%だった。沖縄防衛局や契約関係書類によると、工事内容は、仮設の浮桟橋・桟橋の設置▽フロート(浮き具)やブイ(浮標)の設置▽安全対策。防衛省は14年7月、移設予定地周辺の海域約560ヘクタールを日米地位協定に基づき立ち入り禁止と設定しており、フロートやブイはその周囲に設置された。
 辺野古移設に反対する人たちは、カヌーでフロートを乗り越えて立ち入り禁止区域内に入るなどの抗議活動をしている。防衛局は当初契約4カ月後の14年10月、『フロートの設置数量が追加となった』として契約を変え、47億8千万円増額した。防衛省関係者は『カヌーが入れないようにフロートを二重三重にした。安全確保のために仕方がない』と説明する。沖縄防衛局はその後も3回契約を変更し、さらに金額は膨らんだ。この増額理由について、防衛局は詳細を明らかにしていない。」、と伝えた。
 朝日新聞は、このことについて、沖縄防衛局の話として、「現場の状況を踏まえ、工事の安全確保にさらなる万全を期す観点から、当初計画からフロートの設置数量が追加となったため、変更契約を締結した。移設の経費については、正確な数字を示すことは困難であるが、大まかな見積もりとして少なくとも3500億円以上と見込んでいる」、と報じた。
 さらに、「これほど高額な工事が何倍にも契約変更されるケースには接したことがない。当初の入札の意味がなくなり、競争性が失われてしまっている。本来、別途新たな契約を結ぶべきだ。内容でも、工事の中に多額の安全対策という業務が含まれるなどあまりに不透明。こうした増額が窓口に行かないと分からないのは仕組みとしておかしいし、最低でも増額の内容は説明されるべきだ。防衛省では09年に受けた検査院の懲戒要求に応じなかったことがあり、こうした過去の対応も今回の事例につながる一因になっているのではないか。」、と有川博・日大教授(公共政策)の話を掲載した。

以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-02-22 10:05 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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