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沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(5)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(5)を考える。
 第5回目は、「辺野古の飛行場は『新基地』なのか?」ということについて。

 沖縄タイムスは、このことの問題点は、「政府が辺野古に建設を進めるV字形滑走路の飛行場施設は、立場によって呼称が異なる。容認する側は普天間飛行場返還に伴う『代わりの施設』、反対する側は『新基地』だ。」、ということにあると説明する。

 安倍晋三政権の説明は、次のものである。
①既存のキャンプ・シュワブ陸上部と沿岸部160ヘクタールを埋め立てた土地に建設するため、普天間の480ヘクタールに比べ、面積では実質320ヘクタールの縮小になる。②滑走路は2700メートルから1800メートルに短縮。普天間で担ってきた三つの機能のうち空中給油機はすでに山口県の岩国基地へ移転、緊急時の外来機受け入れは本土移転が決まっており、オスプレイやヘリの部隊運用だけにとどまる。
③シュワブ周辺に民家はなく、住宅防音工事助成事業の対象は普天間周辺の1万世帯から辺野古ではゼロ世帯になり、騒音被害は軽減される。
 したがって、安倍晋三政権の見解は、「面積や機能が小さくなることから『新基地ではない』、とする。
 また、このことに加えて、「インターネット上でも『既存基地に移すだけ』といった言説が目立つ。」、と伝える。

 一方、沖縄県側の主張は、次のものである。
①大浦湾側に整備予定の係船機能付き護岸。全長271・8メートルで、オスプレイ搭載可能の強襲揚陸艦が接岸できる「軍港」ではないか、と指摘がある。
②それとは別に、タンカーの接岸できる燃料桟橋も設ける。
③弾薬搭載エリアも普天間にはない機能。現在のようにミサイルや銃弾を積み込むため、空軍嘉手納基地に移動する必要がなくなる。
④陸上自衛隊航空部隊の元操縦士は「地上部隊、弾薬、航空機、艦船を1カ所で集積できるなら、平時でも有事でも使い勝手は良くなる」と評価。もともとの撤去可能な海上ヘリポート案や使用期限付きの飛行場に比べ、「恒久的な基地になるのは間違いない」と語る。⑤米海兵隊は1966年に辺野古の海を埋め立て、滑走路2本を造る計画を持っていた。海軍は大浦湾に空母の入港できる軍港を建設する方針だった。
 この理由から、政府が辺野古に建設を進めるV字形滑走路の飛行場施設は、沖縄県側にとっては、新基地建設ということになる。
 したがって、「稲嶺進名護市長は『辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない』」、「翁長雄志知事は『新基地建設阻止を県政運営の柱にする』、という対応にならざるをえないのである。

 沖縄タイムスは、最後にこのように指摘する。


 「米軍資料をめくり、『新基地問題』を調査してきた建築家の真喜志好一さんは『米軍の安全基準に合わない普天間を返す名目で60年代に見送った計画がよみがえった』と批判。沖縄戦で奪った土地に『本土爆撃用」として造った普天間飛行場と違い、現在の米海兵隊の求める機能をそろえた『全くの新しい基地だ』と政府の見解を否定した。」


 辺野古新基地建設は、「全くの新しい基地」の建設、と捉えて初めて、「悪魔の島」を克服しようとする沖縄の強い意志が見えてくる。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-21 06:19 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-原子力規制委員会への再稼働の安全審査で、7原発15基の免震構造が当初計画を撤回。

 標題について、毎日新聞は2016年1月19日、「原子力規制委員会に再稼働の安全審査を申請している全国16原発26基の事故対策拠点『緊急時対策所』について、約半数にあたる7原発15基で免震構造によって作る当初計画を撤回して耐震構造に変更したり、再検討を進めたりしていることが分かった。免震構造は揺れを抑える機能に優れ、ビルなどで導入が進んでいるが研究の蓄積が少なく、安全性の証明が難しいため、電力会社は二の足を踏んでいる。」、と報じた。
 このことに関して、毎日新聞は、原子力規制委員会等の考え方について、「規制委の田中俊一委員長は川内原発の耐震施設について『おカネを節約ということなら厳しく審査する』と述べた。ただ、原子力規制庁は『機能を失わなければ免震、耐震どちらの構造でもかまわない』と説明する。」、と伝えた。


 再稼働を認めてしまったこの時期に、こうした見解を出すこと事態、「3.11」の克服を真摯に考えた結果とは到底言えない。つまり、すべてが「安全神話」復活への道程ととしてあったということでしかない。
 電力会社、安倍晋三政権、原子力規制委員会の許しがたい姿勢(体質)を証明するものである。


 以下、毎日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-20 10:40 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(4)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(4)を考える。
 第4回目は、「辺野古受け入れ同意は生きているのか?」。


 「1999年に当時の知事と名護市長の受け入れ同意を得て、辺野古移設を閣議決定した経緯がある」。
 このことが、安倍晋三政権の主張である。


 一方、沖縄県側の見解は、次のものであると伝える。


 「99年の稲嶺恵一知事、岸本建男名護市長は辺野古に建設する飛行場を軍民共用とすることや使用期限の設定、夜間早朝飛行の制限など使用協定の締結といった条件を付けた。  両氏は『条件が満たされなければ受け入れを撤回する』と突きつけ、政府はその実現に取り組む方針を99年12月に閣議決定した。しかし、2006年5月1日、辺野古沿岸にV字形滑走路を造る計画に日米で合意。政府は同30日、県や名護市と十分に調整せず、99年の閣議決定を廃止し、新たな方針を閣議決定した。」


 したがって、沖縄県側としては、「翁長知事は安倍晋三首相との会談などで『(99年閣議決定が廃止され)知事や市長の前提条件はなくなり、受け入れ同意もなくなった。地元が受け入れたという表現は間違いだ』と指摘してきた。」、としてきている。
 このことに関しては、あわせて、「稲嶺氏は『(政府の主張は)事実関係が違う。都合の良いところだけを残している印象がある』と渋い表情を見せる。」、と元知事の当事者としての声を伝えている。

 結局、「辺野古受け入れ同意は生きているのか?」ということについては、「06年の閣議決定で、受け入れの条件も同意もなくなり、新たな協議がスタートしたという認識だ。その際、県はV字形滑走路の現行計画を基本に協議することを確認したが、合意していないことは10年1月に日本政府が認めている。」、ということが結論である。
 「稲嶺氏は『生きているのは99年の受け入れ表明ではなく、(06年以降の)V字案に県は合意していない事実だ』と語った。」、ということである。



 安倍晋三政権は、今まさに、「今の沖縄の圧倒的な民意は、選挙で示されたように辺野古新基地反対だ」、という民意に真摯に向き合う時なのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-20 06:20 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や北谷浄水場から、残留性有機汚染物質が検出された。

 標題について、沖縄タイムスは2016年1月19日、「沖縄県企業局は18日、米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や北谷浄水場から、残留性有機汚染物質の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)が、他地域に比べて高濃度で検出されたと発表した。県は嘉手納基地が汚染源ではないかとみて、沖縄防衛局を通じ米軍に照会し、使用されていれば中止や処理を申し入れる。」、と報じた。
 この検出された数値については、「厚生労働省が全国の浄水を対象にした調査の最大値より1・5~10倍高かった。米国やドイツの指針値は下回った。」、と伝えた。
 また、あわせて、「専門家は、今回の数値に『取水停止するほどパニックになる必要はない』とした上で、『妊娠中に長期摂取すると血中濃度が上がり、発達毒性が出るといわれる』として、心配な場合は血中濃度を調べることもできると説明している。」、と伝えた。


 実は、「県は嘉手納基地が汚染源ではないかとみて、沖縄防衛局を通じ米軍に照会し、使用されていれば中止や処理を申し入れる。」、というのが沖縄が抱えさせられている事実なのである。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-19 10:19 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄タイムスは、「米海兵隊オスプレイ、アフガンでの運用率1% 事故率は41倍」、と伝える。

 標題について、沖縄タイムスは2016年1月15日、「米海兵隊が2010~12米会計年度にアフガニスタンに配備した航空機12機種のうち、ヘリ機能を持つ6機種のなかで、垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイの運用率が1・02%と極端に低く、ほとんど使われていなかったことが14日までに分かった。」、と報道した。
 また、沖縄タイムスは、米海軍安全センターが公表した「海兵隊航空機アフガニスタン事故報告書」に基づき、オスプレイについて、次のように、「事故は全機種平均の41倍」、と報道している。


①同国に配備された海兵隊航空機12機種の飛行時間は計12万3645・3時間。これに対し、オスプレイの飛行時間は計723・6時間と極端に低い。
②オスプレイの飛行時間を年度別にみると、10年度が15・4時間(ヘリ機能を持つ6機種の合計は1万8509・3時間)で運用率は0・08%、11年度が632・4時間(同2万7562・6時間)で2・30%、12年度が75・8時間(同2万5121時間)で0・30%。3年間で計723・6時間(同7万1192・9時間)で運用率は1・02%となっている。
③全12機種のクラスA~Dの事故率(10万飛行時間当たり)は26・69で、3746・8時間に1件の割合で発生。これに対し、オスプレイの事故率(同)は1105・56で全機種平均に対し約41倍、90・4時間に1件の割合で発生。クラスAの事故率(同)は138・19で、12機種平均に対し21倍。ヘリ機能を持つ6機種の平均に対し、30倍となっている。
④当地で起きたオスプレイのクラスA~Dの事故は計8件。被害規模が最も大きい「クラスA」(200万ドル以上の損害や死者)は、機内の後部ドアから海兵隊員が転落死した1件で、地上での機体の整備中などに起きたクラスC(5万ドル以上、50万ドル未満の損害や軽度の負傷者)は7件となっている。
⑤機種別ではヘリの事故率が最も高く、2004年に沖縄国際大学に墜落したヘリと同型機のCH53D大型輸送ヘリが6件、米軍普天間飛行場にも配備されているCH53Eが8件。同報告書は総括で「MV22、CH53D、CH53Eの(10万飛行時間当たりの)クラスA~Dの事故発生率は85・16でその他の航空機は11・25」とヘリ事故の高さを強調。また「オスプレイのクラスCに分類される地上での事故が目立つ」と注釈している。


 さらに、このことについて、「米国防研究所(IDA)の元主任分析官でオスプレイの専門家、レックス・リボロ氏は12日、米海軍安全センターがまとめたアフガニスタンにおける米海兵隊航空機の事故報告書について沖縄タイムスの取材に対し、『現地でのオスプレイの利用率の低さと事故率の高さは驚異的で恥ずべき数字だ。実戦で使い物にならなかったことを立証している』と述べた。」、と伝えた。


 こうしたオスプレイノ実態を、「『残念だが私の過去の予見はすべて的中している。海兵隊は給油が不要な長距離飛行などの特別任務を除き、オスプレイの大半を退かせることになるだろう』との予見について、安倍晋三政権は、真摯に捉えなけねばならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-19 06:12 | 米軍再編 | Comments(0)

米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリ、事故再び。

 普天間基地配備と同型の米海兵隊のCH53E大型輸送機の事故について、沖縄タイムスは2016年1月17日、「米ハワイ州のオアフ島沖で現地時間の14日夜に米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリ2機が墜落した事故で15日、現場海域から機体の残骸が発見された。行方不明となっている乗員12人の安否は判明しておらず、米軍や沿岸警備隊が捜索を続けている。沿岸警備隊によると、2機は14日午後11時40分ごろ、夜間飛行訓練中にオアフ島北方約4キロ沖で衝突したとみられる。米海兵隊当局によると、墜落の原因はまだ分かっていない。」、と報じた。

 このことに関して、沖縄の「またか」というこ「声」を次のように伝えた。


「『またか』。米海兵隊のヘリ2機がハワイ沖で衝突、墜落した事故で、事故機と同型のCH53Eが、常駐している普天間飛行場周辺や名護市辺野古への新基地建設に反対する市民の間からは不安の声が上がった。第2次普天間爆音訴訟団の原告の一人の花城清文さん(79)=宜野湾市野嵩=は『今でさえ、ヘリが落ちてこないかと飛び去るのを見届けるまで安心できないのに、また事故とは。ヘリもオスプレイも普天間に存在すること自体が危険ということだ』と話し、普天間の即時閉鎖を求めた。
 名護市の米軍キャンプ・シュワブのゲート前に週に数回通っている新里紹栄さん(64)=うるま市=は『日本で一番、米軍ヘリが飛んでいるのは沖縄。また沖縄でヘリが落ちないかと思うと不安。孫の世代のためにも新基地を造らせたくない』と話した。子ども2人とゲート前を訪れた盛口佳子さん(48)=那覇市=は『また落ちたのか。ハワイでは街中では飛ばないらしいが、沖縄では違う。すごく危ないと思う』と話した。」


 この「声」を、安倍晋三政権は、真摯に受け止めなけねばならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-18 09:31 | 米軍再編 | Comments(0)

本からのもの-無意識の植民地主義民者へ-日本人の米軍基地と沖縄人

著書名;無意識の植民地主義-日本人の米軍基地と沖縄人
著作者:野村 浩也
出版社;お茶の水書房


 野村浩也さん(以下、野村とする)は、自らのスタンスを次のように規定する。

「わたしは、まずは日本人に対する批判を優先することにしている。沖縄人が直接闘うべき相手は、沖縄人アンクル・トムという被植民者ではなく、日本人という植民者なのだから。ただし、その理由は、日本人が植民地主義を行使することによって一方的に沖縄人にに敵対していることにある。そもそも沖縄人は、だれとも敵対してはいないのだから。」


 この本における野村の主立った論旨は、すでに、「植民者へ」の感想のなかで、触れている。
 もちろん、私が考えなければならいことは、植民者としての自覚はあるのかどうなのか、ということである。
 ただ、その前に、野村の主張する「沖縄人に米軍基地が押しつけられた理由」、「日本人の植民地主義」、については押さえておく必要がある。
 最初に、「沖縄人に米軍基地が押しつけられた理由」について、野村は、新崎盛暉を引用する。


 「アメリカは、沖縄を日本から分離し、自らの施政権の下に置いた。それは、沖縄の米軍基地が、日本本土の米軍基地とは異なる役割を担わされていたからである。/その役割とは、核兵器の持ち込みや戦闘作戦行動の自由を保障し、日本、韓国、フィリピン、台湾などの米軍基地の一体化した機能を確保するというものであった。旧安保条約下では、日本の基地でも、そうしたことができなかったわけではない。しかし、それは当然国民の反発を買う。国民の反発を抑えて、日本政府がアメリカの軍事政策に同調すれば、政権交代を招く可能性もある。そうなれば、日米安保条約の維持そのものがむずかしくなる。しかし、アメリカが支配権を握っている沖縄ならば、住民の抵抗を弾圧しながらでも、基地は自由に使用できるというわけである。」


 このことを、野村は、「米軍基地を日本に置いておくと、政権を維持することができないがゆえに、日米安保条約を維持することもできなかったというわけだ。政権を維持することによる日米安保保障条約の維持のために、日本の米軍基地を沖縄人に押しつけたというわけだ。そのために、日本の米軍基地は、沖縄へとつぎつぎに移されていったのである。ほとんどの日本人は、沖縄人への基地の押しつけであれば何らの罪悪感もいだくことがなかったのであり、沖縄人に米軍基地を押しつけているかぎりにおいて、安保条約は安泰だったというわけだ。」、と「沖縄人に米軍基地が押しつけられた理由」について指摘する。
 続けて、新崎盛暉を引く。


 「その後も、日本の米軍基地が減りつづける一方で、沖縄の米軍基地はといえば、強化されることはあってもほとんど減ることはなかった。『七二年沖縄返還をはさむ数年間で、日本本土の米軍基地は約三分の一に減少したが、沖縄の米軍基地は数パ-セントしか減らなかった。すなわち、旧安保条約の改定過程におけると同様、沖縄返還に際しても、沖縄に基地を集中させるかたちで、日本全体の米軍基地の整理統合が行われたのである』」


 このことを、野村は、「いいかえれば、日米安保は、日本の米軍基地を沖縄に移転・集中させ、沖縄人に押しつけることによって維持されてきたのである。逆にいえば、米軍基地を日本に置いたままであったなら、日本人は、政権交代はおろか安保廃棄を選択していたかもしれないのである。」、と言い当てる。
 そして、野村は、「米軍基地の日本への移転が現実味を帯びたとき、日本人は、日米安保の是非についてはじめて真剣に考えはじめることであろう。それもまた、日本人が沖縄人との連帯を実現していくためのひとつの方法である、.同時に、日本人が植民地主義をやめるためのひとつの方法であり、植民者でなくなるための方法のひとつである。」、と。
 この本の刊行の二〇〇五年から十一年経過した今、この野村の指摘は、より大きな意味と可能性をもつ。

 次に、「日本人の植民地主義」について、野村は、國政美恵の説明を引用して次のように定義づける。


「1%の沖縄県民に七五%の在日米軍基地、これは沖縄はヤマトの二九七倍の負担を強いられていることになる。私一人で、二九七人分の日本国民の負担を請け負わされていることになる。四人家族(赤ちゃんであっても)なら一二〇〇分。理不尽だと思いませんか」 つまり、日本人は、きわめて理不尽な負担を一方的に強要することによって、沖縄人を差別しているのである。そして、米軍基地の負担を過剰に強要する差別によって沖縄人を搾取し、負担から逃れるという利益を奪取すると同時に日本人だけのわがままな安楽を貪欲にむさぼっているのだ。このような具体的な差別や搾取をはじめとする日本人の行為を示す概念として、植民地主義ほどふさわしい概念はない。」


 また、野村は、運動体に属する側から出される「沖縄との連帯」ということについて、次のように指摘する。


「日本人は沖縄人と連帯しているのではなく、まったく反対に、孤立させているのだから、基地を押しつけることによって沖縄人を孤立させている張本人が、わざわざ沖縄までやって来て、厚顔にも沖縄人に向かって連帯を叫ぶという不条理、彼/彼女らのような日本人は、基地を日本に持ち帰るために沖縄にやって来るのではない。あくまで連帯を叫ぶためにやって来る。連帯を叫んで満足したら基地を残してさっさと日本に帰っていく。・・・このような日本人の行為は、『沖縄人だけ死んでくれ』と言っているようなものではないのか。あるいは、沖縄人だけ死ぬかもしれないということに連帯しているようなものではないのか。以前、わたしは、死を招く米軍基地を沖縄人に押しつけておきながら、『沖縄との連帯』を叫ぶ日本人の行為を、『死の連帯』と名づけた。」


 さらに、國政美恵の文章を、引く。


 「ヤマトに住んでいる人の中にも沖縄のことを一生懸命やってくれる人がいる。その人に対して失礼だと言われることがある。一生懸命何かをしているのかもしれないけれど、六〇年てっても何もよくならないのはどうして?私は思う。ヤマトで一生懸命やっているという人たちに遠慮して、『沖縄にある米軍基地をヤマトにもっていって!』と沖縄側から言えなくなっているのではないだろうか。逆に言うなら、ヤマトにもっていけと言えなくするために(意識があるなしにかかわらず)、ヤマトは沖縄と連帯しているのではないだろうか。」


 確かに、「沖縄にある米軍基地をヤマトにもっていって!」と、この当たり前のことを、沖縄人が言える場を作り上げてきたのかというと、このことを意識の面でも、 運動の面でも、できてはいない。
 私自身に関して言えば、現在の沖縄の状況が、より追い込まれたしまった結果として、少しづつ気づかされてきたのでしかない。


 さて、「沖縄人に米軍基地が押しつけられた理由」と「日本人の植民地主義」の二つを把握したうえで、それでは、 私自身の植民者としての自覚はどうなのか、ということについてである。
野村が、日本人の主張として引用した「け-し風」第一九号(一九九八年)に掲載された西智子さん(以下、西とする)の文章を再掲する。


 「『県外移設』主張に、『痛みを担うべき』がよく出る。誰に対して言っているのかを、主張する側は明確にすべきだ。私たちが闘うべき相手は誰なのか。そして一緒に闘ってきた人たちは誰なのか。違いテ-マの運動でも、(例えば、原発、HIVの薬害感染、廃棄物、先住民族アイヌ、在日韓国朝鮮人、女性差別等)、根っこのところ(敵)は共通している。『県外移設』を打ち出すとき、この人たちとの連帯はどうなるのか。この人たち自身の運動を追い詰めることになるのではないか。ここ(沖縄)もあっち(ヤマト)も状況が変わらないのは、圧倒的な力でそれをねじ伏せているものがあるからだ。/そして矛先は沖縄の運動自体にも向かうだろう。『県外移設』で誰が得をするのか、痛みを知れば、全国的な反基地運動に展開していくだろうか。移設された地域の人たちと、移設を主張した沖縄の人たちはつながれるだろうか。『宜野湾にいらないものは、名護にいらない。沖縄のどこにもいらない』。その先が『県外移設』なら、私たちがやろうと願っているものは、平和運動ではなく基地移設運動でしかなくなる。/沖縄の運動は、『沖縄戦の体験から戦争が平和を作るものではない。戦争につながる基地はいらない』という筋の通った平和への根本的な願いだったはずだ。立場を越えて一貫していたからこそ、大きな力になっていたはずだ。『県外移設』議論は大いにやるべきである。しかし、運動がそこで分裂し、減速して喜ぶのは、日本政府と米国政府だけだ。/『痛みを担う』論で言うのであれば、沖縄も原発も産業廃棄物も公害を垂れ流す工場も担うべきだと言われたらどうするのだろう?逆に言えば、他の問題に取り組むひとびとの痛みを、どれぐらい沖縄の運動、そして社会の根底で共有してきたかということになるだろう。/これまでの運動への深い洞察と反省、そして今後構築したい社会像(平和という地域に限らず)抜きに、『県外移設』を主張することは非現実的対応である。」


 この西の主張に対して、野村は、次のように明確に反論し、あわせて、日本人としてのあるべき姿を明示する。


「平等を求める沖縄人に、『腹を立て』、『自分の身のほどを忘れ』た『不心得者』として『排斥』しようとしているのではないか。」

「『県外移設』の主張とは、在日米軍基地の平等な負担を提案しているに過ぎない。したがって、この提案に反発するということは、沖縄人との平等に反発しているのであり、平等という当然の権利を要求する沖縄人に逆ギレしているのである。」

「換言すれば、沖縄人に基地を押しつけることによって、日本人は、『戦争につながる』行動をとりつづけているのである。」

「日本人が、『戦争につながる基地』の押しつけをやめるための確実な方法こそ、基地を日本に持ち帰ることなのだ。このように基地を日本に持ち帰って平等に負担する責任をはたそうとすることは、日本人が、『戦争につながる』行為をやめていくための不可欠のプロセスなのである。」

「基地の日本への移転という平等化のための行為を、逆に、連帯を破壊する行為としか認識できない場合が多い。平等化への行為を日本人に被害をおよぼす行為としか認識できないがゆえに、たとえば、『移設された地域の人たちと、移設を主張した沖縄の人たちはつながれるだろうか』などと反発してしまうのだ。だが、沖縄人に基地を押しつけることによって、日本人は、沖縄人とのつながりをみずから断ち切ってきたではないか。沖縄人との連帯を破壊しているのはそもそも日本人の方なのに、日本人が沖縄人ととながるためには、このような日本人自身の現実を変革する以外に方法はない。」

「日本への基地移転によって、『痛み』を担ってはじめて日本人は沖縄人とつながることができるといえよう。ここで重要なのは、日本人が、『痛みを担うべき』なのは日本人こそが『痛み』の原因にほかならないからだということである。『痛み』の原因たる日本人には、『痛みを担うべき』責任があるのだ。『痛みを担うべき』なのは、『痛み』をつくりだした責任があるからだ。そして、他者に『痛み』を押しつけた者には、『痛み』を除去する責任がある。日本人には、沖縄人に押しつけた『痛み』を、みずからの手で引き取る責任があるのだ。この責任をはたすことは、日本人が、植民者としてではなく、対等な人間として、沖縄人とつながる方法である。」

 さて、この西の九八年の主張は、二〇〇五年当時の自分自身の考え方に近いものである。むしろ、自分では、これほど理詰めにはまとめきれないだろうと思えるものでる。
 しかし、二〇一六年にいる私にとっては、「一緒に闘ってきた人たちは誰なのか」、
「痛みを知れば、全国的な反基地運動に展開していくだろうか」、「平和運動ではなく基地移設運動でしかなくなる」、といったこの当時の西の表現には、「異論」を考じざるをえない。
 やはり、二〇〇五年以来の十年という年月が、沖縄の現実がより追い込まれれた状況にあるという事実について、野村の指摘がより真実を突いているということが、私にも痛みの真実を気づかせている。


 野村は、この本を通して、すべての日本人に、「他者に『痛み』を押しつけた者には、『痛み』を除去する責任がある。日本人には、沖縄人に押しつけた『痛み』を、みずからの手で引き取る責任があるのだ。この責任をはたすことは、日本人が、植民者としてではなく、対等な人間として、沖縄人とつながる方法である。」、という日本人としてのあるべき姿を自覚することができるかどうかと、問うているのである。
私自身の植民者としての自覚を考えるとき、私にとって、野村の問いは、優れて重要である。


by asyagi-df-2014 | 2016-01-18 05:44 | 本等からのもの | Comments(0)

自民・桜田議員が「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言。その後、撤回。

 自民・桜田議員の問題発言について、東京新聞は2016年1月15日、「自民党本部で十四日朝開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について『職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ』と発言した。与野党から批判が相次ぎ、午後になって『誤解を招くところがあった。迷惑を掛けた関係者の皆さまに心よりおわび申し上げる』と、発言を撤回するコメントを出した。」、と報じた。

 日本軍「慰安婦」の問題について、「職業としての売春婦だった」との認識とそれに基づく行為は、歴史を捏造沖縄タイムス捏造・否定するものであり、当該者の基本的人権を侵すものである。この上に、「誤解を招くところがあった」とする弁明は、さらに二度目の過ちを重ねることになる。まさに、愚鈍への逃避である。


 以下、東京新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-01-17 06:07 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

沖縄-辺野古敷地建設反対で、機動隊が座り込み市民を強制排除。

 辺野古新基地建設反対の2016年1月16日の様子について、沖縄タイムスは2016年1月16日、「名護市の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では16日も、新基地建設に反対する市民らが、工事車両が基地内に入るのを止めようと、早朝から座り込んだ。午前7時前から機動隊が、市民を強制的に排除した。その後、3台のトラックが基地内に入った。
 辺野古の海上では午前11時現在、長島付近にあるスパット台船と大型作業船に作業員がおり、スパット台船からは掘削棒が海中に降りている。新基地建設に反対する市民らは、船やカヌーで現場に近付き、プラカードや横断幕を掲げて作業に抗議している。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-01-16 17:53 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-安倍首相、「パ-ト月収25万円」、と発言ですよ。

 安倍首相が2016年1月8日の衆院予算委員会で、「民主党政権に比べて、第2次安倍政権の方が実質賃金の減少率が高い」と民主党の山井和則議員に指摘された際に、次のように答えました。


 「ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで働き始めたら、(月収で)私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均は下がるわけです」


 安倍晋三の理解不足は、あきれるばかりである。
 これに加えて、TVで流れた1月12日の衆院予算委員会での民主党の西村智奈美議員への答弁での高圧的な様子は、輪を掛けて始末におけないものであった。
 何故、「パ-ト月収25万円」が問題なのかについて、安倍晋三はまったく理解できていない。
 結局、トリクルダウン型政治の誤謬などと指摘しても、この首相に届かないのは、理念や信念の問題などではなく、理解できないからではないのか。


 以下、Everyone says I love you!ブログ及び朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-01-16 12:13 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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