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沖縄から-20151130沖縄の今

 沖縄タイムスは、沖縄で29日に開催された日本平和学会の国際シンポジウムと、東京・日比谷野外音楽堂であった「11・29辺野古に基地は造らせない大集会」について、「日本平和学会の秋季研究集会最終日は29日、琉球大学で、戦後70年の節目に合わせた国際シンポジウム『東アジアのなかで平和を問う-共生と連帯を可能にする条件』が行われた。国内外7人の研究者らが登壇し、領土問題や歴史認識の衝突を抱えた東アジアの『分断』の克服について議論した。名護市辺野古への新基地建設についても意見が相次ぎ、反対運動を継続、発信することが朝鮮半島の緊張緩和につながるとの意見や、『人権』をキーワードとしたネットワークづくりの可能性が提起された。2日間の研究集会には研究者200人、一般100人の延べ約300人が来場した。」、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設にノーを突き付ける運動の輪を広げようと、『11・29辺野古に基地は造らせない大集会』が29日、東京・日比谷野外音楽堂であった。市民団体や労働組合、県人会関係者ら会場いっぱいに詰め掛けた約4500人(主催者発表)が『辺野古に基地はいらない』『安倍政権を倒そう』と声を上げた。」、と報じた。
 また、辺野古の海と陸からの市民の抗議について、「名護市辺野古のキャンプ・シュワブ海上では30日午前、コンクリートブロックを積んだ作業船やスパット台船3隻に作業員の姿はなく、作業は確認されていない。新基地建設に反対する市民たちは、抗議船やカヌーで抗議を続け、『海を守れ』と声を上げた。また、同ゲート前では午前7時ごろ、市民約200人が座り込み行動に参加。『暴力を止めろ』『機動隊は帰れ』などと怒号が飛び交う中、機動隊が市民を排除し、約20台余りの関係車両が基地内に入った。」、と伝えた。
 さらに、代執行訴訟について、「名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟で、県は27日に国の訴状に対する答弁書を提出した。翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しの適法性が争点になっている。12月2日の第1回口頭弁論を前に、国側の主張と県側の反論をまとめた。」、と報じた。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-30 17:20 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-ブラック企業大賞に「セブンイレブン」、「アリさん」引越社には「アリえないで賞」

 「ブラック企業大賞2015」について、弁護士ドットコムニュースは2015年11月29日、「パワハラや長時間労働、賃金未払いなどを従業員に強いる悪質な企業を選出する『ブラック企業大賞2015』の授賞式が11月29日、東京都内で開かれ、セブン-イレブン・ジャパンが大賞に選ばれた。今年で4回目となるブラック企業大賞は、弁護士やジャーナリストなどでつくる実行委員会が主催。今年ノミネートされた、セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)の6社から大賞を選出した。」、と報じた。
 大賞受賞のセブン-イレブン・ジャパンについて、「フランチャイズ加盟店主の見切り販売を妨害するなど、過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び『ブラックアルバイト』が問題化しているとして、ブラック企業大賞に選ばれた。」、とその受賞理由を伝えた。
 あわせて、ブラック企業関連で、「このほか、『ブラックバイト賞』が、個別指導塾『』明光義塾』を運営する明光ネットワークジャパンに贈られた。『「ウェブ投票賞』は、アリさんマークで知られる株式会社引越社関東が、ウェブ投票で他のノミネート企業を大きく引き離す11875票を獲得して、受賞した。引越社関東は『アリえないで賞』にも選ばれた。『特別賞』にはパワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれたとして、暁産業株式会社が選ばれた。」、と報じた。


 日本における労働規制の緩和を推進してきた結果が、この実態であることを、まず最初に深く認識する必要がある。

 以下、弁護士ドットコムニュースの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-11-30 05:39 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄から-米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントに、加藤登紀子さん、古謝美佐子、海勢頭豊さんやセネガルのヒップホップ集団「クルギ」が訪れた。

 米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントの様子の一つを、「琉球新報は2015年11月29日、名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らが抗議行動を続けている米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントに29日午後、歌手の加藤登紀子さんと古謝美佐子さんが訪れた。2人は「童神」など持ち歌を披露。約100人の市民も2人の伸びやかな歌声に合わせて歌い踊り、テントは音楽に包まれた。・・・その後もテントには歌手の海勢頭豊さんやセネガルのヒップホップ集団『クルギ』も訪れた。」、と報じた。
 あわせて、加藤登紀子さんの「戦争では何一つ解決しない。どこの場所にも戦争につながる基地を造ってはならない。心を一つにして頑張ろう」、との声を伝えた。

 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-11-29 17:14 | 沖縄から | Comments(0)

ガンバ大阪のブラジル選手に対する人種差別的な書き込み。

 沖縄タイムスは2015年11月28日、「サッカーJ1、G大阪のブラジル選手に対する人種差別的な書き込みがツイッター上に。クラブ側が対応を協議。」、と報じた。

 日本という国の実態。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-29 14:14 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

原発問題-玄海原発の訓練、課題浮き彫り-波高くて海上避難は中止

 九州電力玄海原発の事故を想定した佐賀、福岡、長崎3県の合同防災訓練の様子について、朝日新聞は2015年11月29日、「九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の事故を想定した佐賀、福岡、長崎3県の合同防災訓練が28日あった。自治体や警察、消防、住民ら約6千人が参加し、30キロ圏から圏外への避難や除染などを経験した。船舶避難が高波で中止される予定外の展開もあり、九電が再稼働を目指す中、改めて課題が浮かび上がった。」、と報じた。
 また、関係者及び訓練に参加した人の声を次のように伝えた。

・「ヘリは人数が限られる。悪天候で船が出ない時、家族が一緒に避難できるだろうか」。
・「大型で定員が多いフェリーで避難できるよう、フェリー会社と連携してほしい」
・「体が動かんけん、それが大変」
・「実際には船の係留場所を確保できないのでは」
・「今回はせめてゴールの避難予定場所ぐらい住民に見せたかった」

・長崎県の中村法道知事「事故の進展によっては全島避難が求められる」としたうえで、「どんな船なら活用できるか今後検討する必要がある。今回のような(船が使えない)状況を見極めながら、一時的な屋内退避施設の整備も検討したい」
・藤田三貴・市防災危機管理部長「具体的な部分で詰め切れていないところも多い」
・(佐賀県は今回、障害者施設1施設を除き、陸路で県境をまたぐ住民の広域避難を計画しなかった。その理由について)佐賀県の担当者「(広域避難は)前回、前々回と実施したため」


 避難計画は、非常に重要であるのに、あまりにも軽視されているのが実態ではないか。
 佐賀県の担当者の「(広域避難は)前回、前々回と実施したため」などは、その最たるものであある。
 「人口約260人、高齢化率は約75%。市の計画では海上保安部の大型船で唐津市に逃げるが、訓練で住民が参加したのは公民館まで。港に移動して船に乗るまでは、市や海保の職員らが「代行」した。野崎さんが歩けば20分の距離を職員らは数分で歩き、簡単に浮桟橋から船に乗り移った。」、との記事は、根本的な問題を回避する安易な日本の原子力のあり方を、描写している。


 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-11-29 10:58 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-沖縄県教育委員会は、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の沿岸で発見された土器や石器などを文化財として認定。

 標題について、琉球新報は、2015年11月27日、「県教育委員会は27日午後、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の沿岸で発見された土器や石器などを文化財として認定した。認定されたのは、2千年~800年前の土器やすり石など全17点。発見場所は米軍普天間飛行場移設に伴う、名護市辺野古への新基地建設の埋め立て予定地となっており、今後の工事に影響しそうだ。名護市教育委員会は今後、発見場所の遺跡認定に向けて、県教委と協議を進めていく方針だ。」、と報じた。

 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-11-28 10:35 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-政府は、「再編関連特別地域支援事業補助金」を創設。

 政府が辺野古3区に沖縄県や名護市の頭越しに新補助金を創設したことについて、東京新聞は2015年11月27日、「政府は二十七日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐり、予定地に隣接する地元三区に直接補助金を交付する新たな制度を創設した。二〇一五年度は一地区につき上限千三百万円で、最大計三千九百万円に上る。新基地に反対する地元名護市や沖縄県の自治体の頭越しに補助金を支出する政府の手法に、市や県は強く反発している。」、と報じた。この新たな補助金の名称は、「再編関連特別地域支援事業補助金」。
また、政府の補助金支出の理由について、「三区は(新基地建設で)最も影響を受ける。影響を緩和し、住民生活の保全、安定にきめ細かく対応するため」と説明。地方自治への介入ではないかとの批判には「県、市の事業と重複する場合は調整するので指摘は当たらない」と、伝えた。
 この補助金については、「補助金に特別の法律はなく、一五年度は在日米軍等駐留関連諸経費から予算措置として支出する。対象となるのは、米軍再編で『航空機四十機超、部隊人員千人以上が増える施設が所在する地域の地縁団体』とし、事実上、辺野古新基地に隣接する名護市の辺野古、豊原、久志の『久辺(くべ)三区』に絞った補助金。日米交流、交通安全講習会、集会所の改修、増築などが対象としている。」、と説明している。

 以下、東京新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-28 05:34 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-沖縄県が代執行訴訟答弁書を提出。

 標題について、琉球新報は2015年11月27日、「米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地建設をめぐり国交相が提起した代執行訴訟で県は27日午後、政府の訴状に反論し、承認取り消しの正当性を主張する答弁書を福岡高裁那覇支部に提出した。準備書面の一部も併せて提出。第1回口頭弁論は12月2日に開かれる。」、と報じた。

 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-27 17:28 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-若宮健嗣副防衛相は、2015年11月26日、石垣島への陸上自衛隊配備候補地を、初めて明らかに。

 沖縄にとって新たな大きな課題となっている自衛隊配備について、沖縄タイムスは2016年11月27日、「若宮健嗣副防衛相は26日、石垣島への陸上自衛隊配備候補地を、島の中央部にある開南集落から西に約500メートルの市有地としたことを初めて明らかにした。警備部隊や地対空・地対艦のミサイル部隊を配備する予定で、規模は500~600人程度。同日、石垣市役所に中山義隆市長を訪ねて「自衛隊の空白地域を早く解消したい」と述べ、早期配備への協力を求めた。配備計画では、候補地に隊庁舎や射撃場、火薬庫などを建設予定。防衛省内には物資や急患輸送を担う陸自ヘリコプター部隊を石垣に配備する計画もあり、ヘリ要員を合わせると700~800人規模に膨れあがる可能性がある。」、と報じた。
また、「隣接する開南集落の住民は『寝耳に水』と驚き、配備反対を訴える声が相次いだ。」、と地域の声を伝えた。
 一方、受け入れ側の石垣市市長の「南西諸島で緊張が高まっているとし『自衛隊配備空白地の防衛態勢の充実、強化』への協力を繰り返し求めた。」、との声を伝えた。
 なお、石垣市への自衛隊配備についての理由については、「(1)現状では島しょ防衛や大規模災害で適切に対応できる体制がない(2)島内に空港、港湾が整備され、先島諸島のほぼ中心にあり、迅速な初動対応が可能な地理的優位性がある(3)隊員や家族を受け入れ可能な生活インフラが十分に整備されている。」、と報じている。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-27 16:46 | 沖縄から | Comments(0)

本からのもの-「国民なき経済成長-脱・アホノミクスのすすめ-」

著書名;国民なき経済成長-脱・アホノミクスのすすめ-
著作者;浜 矩子
出版社;角川新書


 安倍晋三政権の「成長戦略」や「アベノミクス」については、それなりに一定の考え方をまとめてきたが、もう一つきちっとした分析が必要だなと思ってきた。
 先月のTPPの学習会に出かけたのも、このことに対する自分なりの要求があったためだった。
 浜矩子(以下、浜とする)さんの「国民なき経済成長-脱・アホノミクスのすすめ-」は、平易な言葉でこのことを明確に説明してくれる。


 浜は、「経済活動が人権を踏みにじるようなことは、かりそめにも、あってはならない。人権の礎であってこそ、経済活動なのである。」、と「経済」の基本を示す。
また、「経済活動というものの形は三角形だと考えて来た。経済活動の三角形の三辺を構成するのが、成長と競争と分配という三つの要素だ。」、と浜は、定義づける。
 だから、これに反するアベノミクスに対しては、脱・アベノミクスなのだ、と。

 というのも、安倍晋三政権の政策をこのように描ききるから。


 「取り戻したがり」病に侵された人々が展開する経済政策は、その随分昔に日本を照れ戻そうとうる。
 成長することで全ての問題の解決をもたらす。それが「取り戻したがり」病がもたらす思い込みだ。
やってはいけないことをやっている人々の所作をみつめることを通じて、やらなけれないけないことが何であるかを発見する。

 あわせて、アベノミクスの実態を次のように説明する。

 端的にいって、アベノミクスは何ノミクスにもあらずだ。今や、そのように考えるに至っている。なぜなら、安倍政権の経済政策は、人間に目が向いていない。労働者をみるべきところに、労働力をみている。生産者をみるべきところに、生産力をみている。技術者をみるべきところに技術力をみている。学生をみるべきところに学力をみている。国民をみるべきところに、国力をみている。


 そして、浜は、「安倍政権の経済政策が貫徹されて行くと、行き着く先は、そのような究極的破壊行為だ。」、と見通す。
 また、浜は、「人々が現状に不安を抱き、過去に思いを馳せ、誰かに何とかして欲しいと思う時、そうした時代の空気を吸い込んで、それを毒ガスに変えるのが大衆扇動を企てる妖怪たちの狙い所だ。獏が人々の夢を喰う生き物なら、大衆扇動型妖怪たちは、人々の憤懣を喰って大きくなる化け物である。」、とその化け物の姿を暴く。まさに、安倍晋三政権の実像である。

 安倍晋三政権の「成長戦略」についても、「巨大化は死に至る病」だと、次のように批判する。


 成長経済と成熟経済はどう違うのか。答えはシンプルだ。経済経済に必要なのは発育することだ。成熟経済に必要なのは均衡を保つことである。
 成長経済とは、すなわち伸び盛りの経済だ。・・・何はともあれ、経済活動の拡大と発展が必要だった。だが、成熟経済の場合には、状況が違う。バランスに気をつけなければならない。・・・賢く生きる時代に入った経済が、威勢よく発育する経済だった時代に後戻りしようとしてはいけない。成熟経済を無理やりに成長経済に仕立て直そうとしてはいけない。それは危険行為だ。その無謀な試みによって、成熟経済の均衡が崩れてしまえば、それを復元することは相当に難しい。
 

 このように、浜は、「成長戦略」も「アベノミクス」も明確に否定する。


 さて、「安倍晋三政権の「成長戦略」や「アベノミクス」についてのちっとした分析」という私自身の主旨から、ここでは、第3章以降を中心に、みてみる。

 浜は、安倍晋三政権の「取り戻したがり」病について、①2014年1月21日、②2014年1月24日、③2014年6月24日の資料を詳細に分析する。
まず、浜は、①について、「取り戻したがり」病の登場場面を書き出す。
1 しかし、「強い日本」を取り戻す戦いは、始まったばかり。
2 「強い経済」を取り戻すべく、引き続き、全力で取り組んで参ります。
3 「誇りある日本」をとりもどすことができる。
 このことについて、浜は、「つまり、焦点は強さだ。よき日本でも、優しき日本でも、賢き日本でも、品位ある日本でも、開かれた日本でも、平和な日本でもない、ひたすら強くなりたい。強さを誇示できる日本が欲しい。それを可能にするための強い経済を手に入れる。」、と「取り戻したがり」病のやまいたるゆえんを喝破する。
 ③について、浜は、「『取り戻す』は『稼ぐ力』という新たなキ-ワ-ドと結びついて登場する。」、とし、これについては、「日本企業を強力な稼ぐ力集団に変貌させて、『強い経済』と『強い日本』を取り戻すというわけだ。」、と指摘する。
 結局、浜は、このような安倍晋三政権の「取り戻したがり」病を次のように指摘する。ちょっと長くなる。


 かくして、挙国一致の稼ぐマシ-んが、総力を挙げて強い経済と強い日本の「再興」を目指す。その勢いが衰えることなく、「国民一人一人が」目標に向かってまい進するよう、政策と政治が尻を叩きまくる。これでもかという具合に、「世界に誇れるビジネス環境」を整え上げて、否も応もなく、強い日本を取り戻す方向に突っ走っていく。
 この姿こそ、妖怪シナリオのライタ-たちの妄念の鏡が映し出す日本の虚構だ、その姿は、第2章で見た日本の真像とはあまりにもかけ離れている。
 今日的な日本の真の姿が求めているのは、「稼ぐ力」を取り戻すことではない。「分かち合う力」を養うことだ。長年にわたって稼ぐ力を発揮して来た結果、今の日本は分かち合うべき大いなる豊かさを手に入れるに至っている。ところが、その豊かさを上手く分かち合うことが出来ていない。豊かさを上手く分かち合えない経済社会は、結局のところ停滞し、創造性を失い、弱体化する。なぜなら、一部の「稼ぐ力」がある者たちばかりに負担がかかり過ぎるからだ。・・・。
 いかにして全員参加状態をつくりだすか。それが豊かな成熟経済を上手く回して行く上での勘所だ。だが、「稼ぐ力」を取り戻すことに固執する妖怪シナリオは、ひたすら、強い者をより強くすることはばかりを考える。奮励努力の呼び声に呼応出来ない者たちのことは、どうも眼中にないようだ。もっとも、前出の通り「国民一人一人」に奮励努力を呼びかけているのであるから、正確にいえば、この呼び声に呼応しないことは許さない、といっているわけだ。


 後は、浜独自のリズム感が、安倍晋三政権に向けて炸裂する。


(1)英国首相チャ-チルの「バトル・オブ・ブリテン」になぞって、「およそ人間たちの経済活動において、かくも少数が、かくも多数を振り落としながら、かくも多くの狂いをもたらしたことはなかった。」

(2)日本の近江商人の「三方良し」に沿って、「売り手良し、買い手良し、世間良し。そのどれか一つかけても商売は成り立たない。世間を無視して、売り手と買い手だけの二者間『ウイン・ウイン』関係に酔いしれる者たちには、世間の鉄槌が下る。いわんや、売り手だけの稼ぎを追い求める者に世間は存続を許さない。実に真っ当な発想だ。」。

(3)「要は金持ちに恩恵を施せば、その果実がアメリカ経済全体に及ぶ」という「トリクルダウン」を日本の経済人が大好きなレ-ガノミックスの中では、サプライサイド理論とあえて、呼んだ。トリクルダウン型の政策は、そもそも、それを提唱する人々に取ってさえ、あまり説得力のあるものではないようだ。

(4)ジョン・ケネス・ガルブレイスの「昔の人々は現代人ほどお上品ではなかった。だから、トリクルダウン政策ではなくて、馬とスズメ政策という言い方をした」。


 浜は、トリクルダウンについて、こう結論づける。


 「要するに、今日でいうトリクルダウンの考え方には、元来、差別的な精神性が潜んであるということだ。」、と。
 また、『内部留保などという臓器が発達してきたから、口から入ったものが、かっての勢いで下方に出て行かなくなった。恩恵を施すスズメを、えり好みする傾向も強まっている。即戦力対応可能なスズメばかりが、優遇される。底上げどころではない。底抜けが進むばかりだ。」、と。


 浜は、第4章で、安倍晋三政権について、2015年の年頭所感を基に、次のように最後のまとめをする。


(1)焦点は、やはり、あくまでも、国家にある。国民ではない。国民が今、国家からどのような公共サ-ビスの提供を必要としているか。それを模索する視点がない。国民を唯一最大の顧客とするサ-ビス事業者の立場にある存在として、今、最も求められているものは何なのか。それを探り当てようとする者の気配がおよそ感じられない。

(2)取り戻したがり病は、その患者たちに大別して二つの症状をもたらす。第一に、みえるはずのことがみえなくなる。そして第二に、考えてはいけないことを考えるようになる。この二つだ。

(3)どんな考えてはいけないことを彼らは考えているのか。それは、国民国家における国民と国家の関係の逆転構想だ。この構想が、「日本の稼ぐ力を取り戻す」ための努力への国民に対する誘いだ。このような呼びかけをする彼らは、国民から国家を取り戻そうとしている。そのようにさえ思えてくる。


 浜は、このような日本の状況をどのように克服していこうとするのか。
 このことについて、浜は、「二つの関係修復と二つの関係構築。これらが掛け合わさることによって、我々は現状を越えてそのむこうがわにいくことができる。」、とする。
 それは、浜は、次のことであると指摘する。


(1)関係修復その一:人間と経済

 稼ぐ力を取り戻し、強い経済を取り戻すなかで、経済が人間をいじめる関係が形成されてしまう。人間と経済の修復が必要だ。
(2)関係修復その二:国民と国家
 日本の稼ぐ力を取り戻すために、日本国民が奮励努力を強いられるということがあってはならない。国民のために国家が奮励努力する。それが正しい関係だ。国というサ-ビス事業者は、あくまでも、大切な顧客である国民のために奉仕する。それが仕事だ。常に高い顧客満足度を達成すべく、まさにあくなき努力を重ね続ける義務がある。
(3)関係構築その一:多様性と包摂生
 多様性と包摂生が出会う場所。そこがグロ-バル時代の到着すべき場所だ。
(4)関係構築その二:あっち側とこっち側
 こちら側にいる我々と、あちら側にいるあいつら。その二つの世界に世の中が二分されている時、こちら側にいる半分の我らが、あちら側にいるもう半分のあいつらについて、「あっち側では、どんな生活をしているだろう」とあれこれ思いを巡らす、こと。


 安倍晋三政権の「成長戦略」や「アベノミクス」に対して、浜によって、明確な答えが出されている。
 特に、ジョン・ケネス・ガルブレイスの「昔の人々は現代人ほどお上品ではなかった。だから、トリクルダウン政策ではなくて、馬とスズメ政策という言い方をした」は、トリクルダウンについて、私にとっては、一つの結着である。


by asyagi-df-2014 | 2015-11-27 05:43 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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