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原発問題-愛媛県知事の再稼働への「同意」を社説から考える。

 愛媛県知事の再稼働への「同意」に対して、愛媛新聞、徳島新聞、高知新聞、大分合同新聞、中国新聞の各社説が掲げた見出しは、次のものである。


愛媛新聞社説- 知事が伊方再稼働同意 将来に禍根を残す拙速な判断だ-
徳島新聞社説-伊方再稼働同意 環境は整ったといえるか-
高知新聞-【伊方原発同意】安全は確保されていない-
大分合同新聞論説-伊方原発の再稼働 愛媛県知事同意は疑問-
中国新聞社説-伊方再稼働「同意」 知事の判断に疑問残る-


 各紙の主張を要約すると、「安全は確保されていないし、環境は整ったとは言えないにもかかわらず、隣接する各県の住民の声を受けとめることなく行われた知事の判断は、将来に禍根を残す拙速なものだ」、ということになる。
 まさしく、今回の愛媛県知事の判断を言い当てている。

 愛媛新聞は、「愛媛の将来とエネルギー問題の針路を左右する極めて重要な判断が、県民不在のまま決められたことに憤りを禁じ得ない。」、と断じるとともに、「東日本大震災後に伊方原発が停止してから、原発なしで電力を賄えている。福島の事故の教訓を生かすならば、知事は思い切って、脱原発へとかじを切るべきではなかったのか。このままでは将来に禍根を残す。」、と指摘する。
 また、その判断の間違いを次のように説明する。
①中村時広知事が四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働に同意した。伊方町の山下和彦町長も容認し、これで「地元同意」の手続きは完了したとされる。だが、原発の安全性への県民の不安は拭えてはいない。
②知事は再稼働判断を「白紙」と言い続け、堂々と自らの考えを示し県民に問う積極的な姿勢をみせることはなかった。県民の命を直接預かる責任を負いながら、判断に至る過程で県民の声を受け止めたとは言い難く、拙速と断じざるを得ない。
③知事は判断理由に「(太陽光など)現実的ではない代替エネルギーの比率を高めれば、電気料金は上がる。企業は国際競争力の見地から場所を変えるしかない」と、原発の発電コストの優位性を挙げた。しかし安全対策や廃棄物処理、廃炉の費用に事故の賠償も加えると火力発電よりも高くなると多くの専門家は指摘する。「割安な代替電源がないから」との旧態依然の原発頼みの発想はやめるべきだ。
④伊方町民への説明は、四電による戸別訪問頼みで自治体主催の説明会はなかった。住民への説明をなおざりにすることは行政の怠慢にほかならない。知事は「説明会は(反対派の)パフォーマンスになりかねない。一番丁寧なのは(四電の)戸別訪問だ」と話した。議論の対象の事業者の言い分だけを尊重することは、住民の公平公正な判断を妨げよう。「再稼働ありき」の証左であり、看過できない。
⑤知事は、重大事故時に国が最終責任を持つとの安倍晋三首相の表明など8項目を「条件」に掲げ、国に要望していた。回答が出そろい、自らが設けた条件に達したと自らが判断しただけで、安全性が高まったとはいえまい。首相が「責任を持って対処する」と答えたことをことさらに強調するのは、国への責任転嫁にすぎない。
⑥「高レベル放射性廃棄物の最終処分方針確立」も国に求めたが、処分地のめどを依然立てられず、政策は行き詰まっている。原発が再稼働すれば、核のごみは増え続け、将来の世代につけを回すことになる。こうした現状を知りながら、再稼働を容認することは極めて無責任だといえる。


 この愛媛新聞の社説が、今回の知事の判断の間違いを十分に暴いているが、他社の意見をいくつか付け加える。
 徳島新聞は、国の責任について、「同意の判断に際し、中村知事がこだわったのは、過酷事故が起きた場合の国の責任である。求めに対し、安倍晋三首相は今月、政府の原子力会議で『事故があった場合は政府として責任を持って対処する』と表明した。再稼働を推進する国が、責任を負うのは当然である。だが、過酷事故が起きれば取り返しがつかないことになるのは、東京電力福島第1原発の事故を見ても明らかだ。国は、どんな責任を取れるというのか。」、と。
 また、規制委員会の新基準について、「知事が同意した前提には、原子力規制委員会による新規制基準の『合格』があるが、規制委は『絶対安全とは言い切れない』と強調している。新基準そのものが、欧米の基準より劣ると指摘する専門家もいる。」、とする。高知新聞も、「そもそも、大前提となっている新基準は決して原発の安全性を担保しているわけではない。確かに耐震性などはより高い基準になったが、自然の脅威は計り知れず、原子力規制委員会の田中委員長は『絶対安全とは言わない』と認めている。四電は愛媛県の要望に応じて、耐震設計時の地震の揺れを基準よりさらに高いレベルにしたが、それとて『絶対』はあり得ない。にもかかわらず、安倍首相は、伊方原発周辺自治体の避難計画を了承した先の原子力防災会議で、国の責任で再稼働を推進し、事故時も対応すると強調した。その責任とは何なのか。」、と国の責任問題とからめて警告する。
 さらに、避難の問題と地方自治体への説明等について、「伊方原発は、佐田岬半島の付け根にあり、半島には約5千人が住んでいる。過酷事故の際に、原発の近くを通って避難することは困難だ。計画では、船などで大分県側に避難するとしているが、天候が悪ければ、それも難しい。シェルター施設の収容人員も不足している。解決しなければならない課題は多い。愛媛県と伊方町の同意だけで地元のお墨付きが得られたとするのも問題である。30キロ圏内の自治体に避難計画の策定が義務付けられているのは、放射性物質が飛散する恐れがあるためだ。それなのに、自治体や住民の同意を得なくてもいいのだろうか。」、と指摘する。


 最後に、愛媛新聞は、「東京電力福島第1原発事故が収束しないうちに、国と電力会社は経済性を優先させ原発回帰した。原子力規制委員会が伊方を『合格』としてから、わずか3カ月余り。議論を尽くさぬまま、原発立地県も追従したといえる。あしき先例となり、原発推進の既成事実化が進むことを深く憂慮する。」、と日本という国のあり方への危機感を表明する。
 また、高知新聞は、「四国の電力需要は差し迫った状況にあるとは思えない。4年半以上を経てなお過酷な状況にある福島県の現状を見ても、再稼働はもっと慎重であるべきではないか。」、と現状認識の見直しを求めている。


 安倍晋三政権と四国電力は、これらの言葉を、本当の意味で真摯に受けとめなければならない。

 以下、各紙の社説の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-28 05:37 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-沖縄県知事の辺野古米軍基地建設の埋め立て承認取り消しへの支持が広がる。

 標題について、琉球新報は2015年10月27日、「宮本憲一大阪市立大名誉教授や大江健三郎さんら県外の研究者や有識者24人が26日、名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の決定を評価し『辺野古米軍基地建設の埋め立て承認取り消しを支持する』との声明を発表した。」、と報じた。
 琉球新報は、宮本代表の「沖縄県民は圧倒的多数で辺野古新基地建設に反対の意思を表明してきた。前知事の承認だけを根拠に埋め立てを強行するならば、この国は『民主主義国家』の看板を下ろし、正義の行われない国だと全世界に発信したのと同じだ」、と伝えた。

 2015年10月23日の行政法研究者有志一同からの「辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審査制度の濫用を憂う」との声明に続いて、安倍晋三政権への憂慮と沖縄の闘いへの支持が広がっている。

 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-27 17:09 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-2015年10月27日、石井啓一国交相は、日埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分の効力停止を決め、同日午前の会見で発表し、決定文書を沖縄防衛局に送付した。

 標題について、沖縄タイムスは2015年10月27日、「石井啓一国交相は27日、名護市辺野古の新基地建設に伴う沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分の効力停止を決めた。同日午前の会見で発表し、決定文書を沖縄防衛局に送付した。」、と報じた。
 またあわせて、「石井氏は翁長知事の承認取り消しを『違法』と判断したとして、地方自治法に基づいて知事に是正勧告を行い、従わない場合は最終的に国交相による代執行などの手続きに着手することを決定したことも発表した。」、と伝えた。
 さらに、このことについて、「執行停止の効力は文書が沖縄防衛局に到達した時点で発生する。沖縄防衛局では近く工事を再開する方針。一方、県は第三者機関の「国地方係争処理委員会」に不服審査を申し出る方針だ。」、とした。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-27 14:42 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-「普天間飛行場代替施設建設事業にかかる公有水面埋め立て承認の取り消し」における沖縄県と防衛局の主張を考える。

 沖縄県知事による「普天間飛行場代替施設建設事業にかかる公有水面埋め立て承認の取り消し」の今後の流について、沖縄タイムスは2015年10月26日、「名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志知事は13日に埋め立て承認を取り消し、沖縄防衛局(井上一徳局長)は14日に公有水面埋立法を所管する国土交通相に取り消しの無効審査を求め、その結論が出るまでの効力停止を申し立てた。県は22日、それぞれに反論する意見書と弁明書を提出。国交相は月内にも効力停止の必要があるかどうかを判断する見通しだ。」、と報じた。
 また、「防衛局が行政不服審査法に基づき審査請求することの適格性など4項目で、県と防衛局の主張」をまとめている。
 沖縄県の主張は、次のとおりである。
①「埋め立て事業は極めて必要性が高い」とする主張は「認めることはできない」。
②「格差を固定化し、不利益は顕著」、「国土利用の合理性」に欠ける。
③「国土利用が適正かつ合理的であるべき」との要件を満たしておらず、承認には瑕疵(かし)があった。
④申請書に誤った記載や、丁寧さ、慎重さに欠ける問題点があり、新基地建設による環境への影響の「的確な把握」「措置が適正かつ十分」のいずれも満たしておらず、不十分
⑤行審法が「国民の権利利益の救済」を目的とし、行政間の紛争解決のための制度ではないため、国が一般国民(私人)と同じ立場で申し立てる資格はない。
 一方、防衛局の所長は、次のとおりである。
①「普天間飛行場が宜野湾市の中心部にあることから、移設することで危険性や騒音被害を除去するという利益は極めて大きい」
②埋め立てが土地利用上、不適切、不合理と認める事情は存在せず、「埋め立てにより米軍基地の固定化を招く契機となり、基地負担についての格差や過重負担の固定化につながる」ことにはならない。
③埋立法の要件を判断する時点で不確実性の排除を求めることは「不可能を強いることにほかならない」。
④「ウミガメ類やジュゴン等の生育実態の把握や保護策に十分対応し、外来種の混入対策やオスプレイ運用にも十分配慮している」。
⑤審査請求書などで、前知事から承認を受けるにあたり、行政機関の固有の資格で名宛て人となったわけではなく、一般私人と同様の立場で名宛て人となったため、行政不服審査法に基づく不服申し立ての主体たる資格を有する。

 このまとめを次に要約する。
(1)埋め立ての必要性
・沖縄県
①普天間飛行場の返還は当然必要とした上で、「返還の必要性」と「名護市辺野古の新基地建設」は「次元の異なる問題」とし、辺野古移設の必然性を認めていない。
②沖縄防衛局は、埋め立てを必要とする理由書で、米軍の抑止力維持や一体的運用の必要性、地理的優位性などに触れているが、県は説明が具体的・実証的でなく「抽象的なマジック・ワードの羅列」と判断。防衛局の「埋め立て事業は極めて必要性が高い」とする主張は「認めることはできない」と結論付けた。
③普天間を県外移設すると許容できない程度に抑止力が低下するのか説明がなく、1年の半分以上を洋上で活動する海兵隊の性質からみても、沖縄駐留の必然性があるとは言えないとも指摘している。
・防衛局
①「普天間飛行場が宜野湾市の中心部にあることから、移設することで危険性や騒音被害を除去するという利益は極めて大きい」と埋め立ての必要性を挙げる。周辺住民の生命、財産の安全を確保するほか、生活環境を保全することにつながるという考えだ。
②日米合意を実現し、同盟関係を堅持することで、外交・防衛上の利益も非常に大きく、同市の効率的なまちづくりや経済効果の創出を含め、辺野古の海を埋め立てる必要性、公益性は高い。
③抑止力などは「国家としての存立にかかわる事務」として国が判断すべきで、国の判断を前提とした前知事の承認は正当だと強調。仮に考慮しなければならないとしても「南西諸島の中央にある沖縄は安全保障上極めて重要」。
(2)国土利用の合理性
・沖縄県
①新基地建設は、沖縄に基地負担をさらに強いるもので、「格差を固定化し、不利益は顕著」として、県は「国土利用の合理性」に欠ける。
②1950年代以降、「本土の反米軍基地感情の沈静化という政治的課題解決」のため沖縄に移駐が進み「地理的・軍事的必然性によるものではない」。
③県民が「軍事、戦争、米軍基地のため運命を翻弄(ほんろう)されてきた」歴史にも触れ、土地利用の制約や生活・自然環境への影響、不安を与えている。
④埋め立ての必要性の観点から、「海兵隊航空基地を沖縄に置かなければ在日米軍全体の抑止力を維持できないとする具体的・実証的根拠は認められない」ことから、必然性がない。
⑤埋め立てによって得られる利益と不利益を総合的に判断しても、埋め立ての必然性は認められず、沖縄の環境への影響、基地負担の格差の固定化など不利益の方が大きく、この観点の審査が認められないと指摘。「国土利用が適正かつ合理的であるべき」との要件を満たしておらず、承認には瑕疵(かし)があったとした。
・防衛局
①普天間の危険除去など埋め立ての必要性や公益性の高さと、辺野古の自然海浜保全の重要性、埋め立てや埋め立て後の土地利用が周囲の自然環境に及ぼす影響を比べ、前者が後者を上回ることから、埋め立ては「国土利用上適正かつ合理的であることは明らかだ」。②騒音被害では市街地の普天間から辺野古の海上に移設することで、住宅防音工事の助成対象が1万世帯以上からゼロになることからも航空機騒音の環境基準を満たす。
③移設するのは「オスプレイなどの運用機能」のみで代替施設の面積や滑走路は普天間より縮小され、土地利用の適正化、合理化がはかられる。
④過重負担の固定化には、嘉手納基地より南の米軍施設・区域の返還について手順や時期を示した。
⑤埋め立てが土地利用上、不適切、不合理と認める事情は存在せず、「埋め立てにより米軍基地の固定化を招く契機となり、基地負担についての格差や過重負担の固定化につながる」ことにはならない。
(3)環境への影響
・沖縄県
①申請書に誤った記載や、丁寧さ、慎重さに欠ける問題点があり、新基地建設による環境への影響の「的確な把握」「措置が適正かつ十分」のいずれも満たしておらず、不十分。②環境保全措置は事後的に「必要に応じて専門家の指導・助言を得て必要な措置を講じる」とされた点も、不十分で主な問題点の一つ。
③埋め立て対象地の辺野古崎・大浦湾は貴重でまれな地理的特性を持ち、絶滅危惧種に指定されるジュゴンや希少な魚類のほか、陸域生物の要保護性も高い。また、これらに対する措置について、ジュゴンに関する防衛局の調査は信憑(しんぴょう)性を欠き実態に即した予測・調査ではなく、海草藻場の移植も実効性がないと指摘。ウミガメの保護やサンゴの移植は「効果が疑わしい」「不確実性が高い」と判断。
④「騒音被害が蔓延(まんえん)」し「新基地周辺に新たな危険を生み永続させる」と批判。「飛行経路は周辺地域上空を基本的に回避する」という措置は「実効性が認められない」。
・防衛局
①「環境保全措置の予測には一定程度の不確実性を伴うことが避けられない」という高裁判決を取り上げ、埋立法の要件を判断する時点で不確実性の排除を求めることは「不可能を強いることにほかならない」。
②前知事は審査基準のもとで、いずれにも適合していると判断し、妥当性を認めた。また、工事中の環境保全対策で県と協議する留意事項を設けるなど、法の要件に該当するという前知事の判断に不合理な点は認められない。
③環境影響評価法の手続きで前知事から計6回、1561件の意見を内容に反映したことなどを背景に「ウミガメ類やジュゴン等の生育実態の把握や保護策に十分対応し、外来種の混入対策やオスプレイ運用にも十分配慮している」。
(4)申し立ての適格性
・沖縄県
①国の機関である沖縄防衛局が行政不服審査法(行審法)に基づいて執行停止と審査請求を申し立てるのは認められない。行審法が「国民の権利利益の救済」を目的とし、行政間の紛争解決のための制度ではないため、国が一般国民(私人)と同じ立場で申し立てる資格はない。
②地方分権を推進し、国と地方の調整は司法判断に委ねるという2000年の地方自治法改正の理念にそぐわない。
③防衛局の申し立ての適格性を認めると、国土交通省という同じ国の機関が判断するため客観性・公正性に欠ける。
・防衛局
①審査請求書などで、前知事から承認を受けるにあたり、行政機関の固有の資格で名宛て人となったわけではなく、一般私人と同様の立場で名宛て人となったため、行政不服審査法に基づく不服申し立ての主体たる資格を有する。
②公有水面埋立法で、国による「承認」と国以外の者による「免許」は願書の記載事項、添付図書、基準などほぼ同様の手続きで、一般私人と同様の立場で埋め立てをなし得る法的地位を取得したと言えるから、承認取り消し処分に関し、不服を申し立てる資格を有する。


 「申し立ての適格性」については、行政法研究者の声明(2015年10月23日)を再掲するが、その申し立ての適格性は、認められないものである。


①この審査請求は、沖縄防衛局が基地の建設という目的のために申請した埋立承認を取り消したことについて行われたものである。行政処分につき固有の資格において相手方となった場合には、行政主体・行政機関が当該行政処分の審査請求をすることを現行の行政不服審査法は予定しておらず(参照、行審 1 条 1 項)、かつ、来年に施行される新法は当該処分を明示的に適用除外としている(新行審 7条 2 項)。したがって、この審査請求は不適法であり、執行停止の申立てもまた不適法なものである。
②一方で国の行政機関である沖縄防衛局が「私人」になりすまし、他方で同じく国の行政機関である国土交通大臣が、この「私人」としての沖縄防衛局の審査請求を受け、恣意的に執行停止・裁決を行おうというものである。
 このような政府がとっている手法は、国民の権利救済制度である行政不服審査制度を濫用するものであって、じつに不公正であり、法治国家に悖るものといわざるを得ない。


 また、「埋め立ての必要性」「国土利用の合理性」「環境への影響」のそれぞれについての、沖縄県からの指摘に防衛局側が形だけの反論に終わっている。

 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-27 05:26 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-何とまあ、度量のない政権であることか。

 安倍晋三政権のやりたい放題について、朝日新聞は2015年10月26日、「安倍政権は26日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする同県名護市辺野古周辺の3地区の代表者を首相官邸に招き、今年度中に振興費を直接支出することを伝えた。移設計画に反対する沖縄県と名護市の頭越しに地元と直接交渉し、移設に向けた『同意』を浮き立たせる狙いがある。」、と報じた。
 このことについて、朝日新聞は、「移設に向けた『同意』を浮き立たせる狙いがある。」、と指摘する。


 この「同意」とは、「分断」ということである。
 問題は、安倍晋三政権が、なりふり構わずに実際は地域社会の切り捨てを一方的に行ったということである。
何とまあ、度量のない政権であることか。

 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-10-26 20:57 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-伊方原発3号機再稼働に、中村時広愛媛県知事が同意を表明。

 四国電力伊方原発3号機の再稼働の問題について、愛媛新聞は2015年10月26日、「愛媛県の中村時広知事は26日午前、経済産業省から要請を受けていた四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働への同意を表明した。県庁で、安全協定に基づく事前了解に関する文書を四電の佐伯勇人社長に手渡した。」、と報じた。 
 このことにより、「伊方3号機は、使用済み核燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電を前提としている。再稼働すれば福島原発事故後、全国初のプルサーマル発電」、となった。

 以下、愛媛新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-26 11:48 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-行政法研究者有志一同の「辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審査制度の濫用を憂う」声明を読む。

 行政法研究者有志一同 からの「辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審査制度の濫用を憂う」との声明を要約する。


(1)経過
①翁長雄志沖縄県知事は去る 10 月 13 日に、仲井眞弘多前知事が行った辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公有水面埋立承認を取り消した。
②沖縄防衛局は、10 月 14 日に、一般私人と同様の立場において行政不服審査法に基づき国土交通大臣に対し審査請求をするとともに、執行停止措置の申立てをした。
③この申立てについて、国土交通大臣が近日中に埋立承認取消処分の執行停止を命じることが確実視されている。
(2)結論
 法治国家の理念を実現するために日々教育・研究に従事している私たち行政法研究者にとって、このような事態は極めて憂慮の念に堪えないものである。国土交通大臣においては、今回の沖縄防衛局による執行停止の申立てをただちに却下するとともに、審査請求も却下することを求める。
(3)結論に至る理由
①この審査請求は、沖縄防衛局が基地の建設という目的のために申請した埋立承認を取り消したことについて行われたものである。行政処分につき固有の資格において相手方となった場合には、行政主体・行政機関が当該行政処分の審査請求をすることを現行の行政不服審査法は予定しておらず(参照、行審 1 条 1 項)、かつ、来年に施行される新法は当該処分を明示的に適用除外としている(新行審 7条 2 項)。したがって、この審査請求は不適法であり、執行停止の申立てもまた不適法なものである。
②一方で国の行政機関である沖縄防衛局が「私人」になりすまし、他方で同じく国の行政機関である国土交通大臣が、この「私人」としての沖縄防衛局の審査請求を受け、恣意的に執行停止・裁決を行おうというものである。
 このような政府がとっている手法は、国民の権利救済制度である行政不服審査制度を濫用するものであって、じつに不公正であり、法治国家に悖るものといわざるを得ない。


 この「辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審査制度の濫用を憂う」との声明は、政府の今回の行政不服審査制度の濫用が「法治国家に悖るもの」であると、断罪されたことを示すものである。

 以下、声明の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-26 05:52 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-行政法研究者93人が、沖縄防衛局が行った行政不服審査法に基づく審査請求・執行停止申し立てに反対する声明を発表

 行政法研究者が連名で一般国民に向けて意見表明するのは極めて異例とされる声明の発表について、琉球新報は2015年10月24日、「国内の行政法研究者93人は23日、翁長雄志知事の名護市辺野古の埋め立て承認取り消しに対して、沖縄防衛局が行った行政不服審査法に基づく審査請求・執行停止申し立てに反対する声明を発表した。行政法研究者が連名で一般国民に向けて意見表明するのは極めて異例。声明は審査する国土交通相に対して、審査請求・執行停止申し立ての却下を求めた。」、と報じた。
 この声明の内容について、「声明は『固有の資格』(一般私人が立ち得ない法的状態)を持つ行政機関が審査請求することは行政不服審査法で想定されていないと指摘し、『この審査請求は不適法であり、執行停止の申し立てもまた不適法なもの』とした。
 国の行政機関でありながら審査請求などをした防衛局を『【私人】になりすまし』たと表現し、同様に国の機関である国交相が【恣意(しい)的に執行停止・(審査請求の最終判断である)裁決を行おうというもの】と指摘。一般国民の権利救済制度である行政不服審査制度を用いる政府の手法を『不公正であり、法治国家にもとるものといわざるを得ない』と批判した。」、と伝えた。

 この声明ではっきりと国の違法性はより明確になった。
 安倍晋三政権は、「法治国家にもとるもの」との指摘を真摯に受け止めなければならない。

 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-25 10:44 | 沖縄から | Comments(0)

教科書のアイヌ記述、検定で“歴史歪曲”を考える。

 村野瀬玲奈オフィシャルブログの「北海道のアイヌにかかわる歴史教科書の記述が文部科学省の検定で歪曲されている例」(2015年10月23日)を見て、あらためて驚くとともに、このことに思いが至らなかったことを反省しています。
 このブログが引用した2015年8月21日付けの朝日新聞は、次のように報じています。

○2016年度から中学校で使われる教科書の検定結果が4月、文部科学省から公表されました。それによると、「東京裁判」や「慰安婦」などの社会科の記述について、政府見解に基づくよう意見が付けられ、修正が施されたことがわかりました。また、検定前に一部改定された「学習指導要領解説」に明記され、政府の立場を教えるように求められた「竹島」と「尖閣」については、全ての社会科教科書に記述が登場することになったことも、同時に大きく報じられました(4月7日付朝日新聞など各紙)。一方、明治政府がアイヌ民族の同化を進めた「北海道旧土人保護法」(1997年アイヌ文化振興法制定で廃止)に関する記述にも検定意見が付き、修正されたことはあまり大きく取り上げられませんでした。いま、この修正にアイヌの人たちが怒っています。

○問題の修正は、日本文教出版の歴史教科書でありました。現行本と、今回の検定で修正された記述を読み比べてください。


現行本=政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟採集中心のアイヌの人々の土地を取り上げて、農業を営むようにすすめました。
修正後=政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟や漁労中心のアイヌの人々に土地をあたえて、農業中心の生活に変えようとしました。


 前回の検定に合格した現行本の「土地を取り上げて」が、まったく正反対の「土地をあたえて」に修正されています。検定意見書には「(旧土人保護法の趣旨を)生徒が誤解するおそれのある表現である」と短く指摘事由が書かれていますが、5月18日付北海道新聞によると、「同法はアイヌ民族に土地を『下付(下げ渡し)』するとしており、文科省はこれに沿って検定意見を付けた」、4月7日付朝日新聞によると「法の目的は土地を取り上げるのでなく分与することにある」との意見が付いたといいます。これに対して出版社側は、「法の狙いは土地を取り上げる趣旨ではない。納得するとか反論するではなく指摘があったことは直していく」(4月7日付北海道新聞)、「斜めから見た部分を強調していた反省もある」(同朝日新聞)と、修正に応じました。



 驚くべきことに、「『土地を取り上げて』が、まったく正反対の『土地をあたえて』に修正」されたということです。



 このことに対しては、「地元の北海道新聞はこの修正について、『アイヌ民族への支配や同化の歴史をねじ曲げ、薄めようとしているようにしかみえない』と同日の社説ですぐに論評、東京新聞は『極めておかしな記述だ。アイヌには狩猟・採集で『イオル』(猟場)を中心とする伝統的な土地の利用方法があった。政府はそれを無視して土地を取り上げ、まずは和人に分配して、残った農耕に不適な土地をアイヌに分配した。これまで研究されてきた旧土人保護法の評価を間違えている』という北海道大アイヌ・先住民研究センターの丹菊逸治准教授のコメントを、4月16日付『こちら特報部』で掲載しました。」、と反論を載せています。

 朝日新聞の「アイヌの歴史と文化を正しく教えてほしい」との見出しが、この問題のあり方を突いています。
 このことを考えるために、朝日新聞の記事を引用します。


○2007年の国連の「先住民族の権利宣言」、08年の衆参両院の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を受けて、政府はアイヌ民族が先住民族であるとの認識の下、さらにアイヌ政策を推進する考えを示し、先日、文化庁からその目玉として北海道白老町に建設が予定されている国立アイヌ文化博物館(仮称)の基本計画が公表されました(7月31日付朝日新聞)。「アイヌ民族の暮らしや自然を大切にしてきた生き方などを紹介する『基本展示』と、道内各地のアイヌ語方言の違いなどを取り上げる『テーマ展示』に分ける方針」(同北海道新聞)と伝えられています。
○国連の権利宣言は、先住民族が金銭的な賠償、もしくはその他の適切な救済の形で補償を受ける権利をうたっていますが、吉田さんは「アイヌ政策が文化に封じ込められ、補償問題に触れられない」と、世界的潮流との大きな隔たりを感じています。「巨額を投じて、ただ民具を並べるような象徴空間をつくることがいいのか。人権蹂躙(じゅうりん)の歴史事実を知り、謝罪し、教育する役割も含めた、広い意味での補償の記念館にしないといけない」と言います。
○集会に参加したアイヌ協会副理事長の阿部ユポさん(68)は、18歳で札幌市内に住むようになってから、出身市町村や名前、容貌(ようぼう)などでつらい差別を体験したそうです。裸になると体毛が目立ち、自分をじろじろ見ているような周りの視線が気になり、銭湯は最終の時間に行き、海水浴は暗くなってから海に入ったそうです。会社の旅行でも温泉には入らず、夏の暑い時でもほとんど長袖で過ごしたといいます。「北海道開発とアイヌの同化政策を十分に説明して、子どもたちにアイヌの歴史と文化を正しく教えてほしい」と訴えます。
○3年前、財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市)が発行する小中学生向けの副読本「アイヌ民族:歴史と現在」でも「修整」問題がありました。財団が編集委員会に諮ることなく、アイヌ民族の先住性を否定するかのような書き換えをしたのです(12年6月8日人権情報局「アイヌ副読本『修整問題』は『日本人問題』」)。このときは編集委員らが抗議の声を上げて立ち上がり、2カ月ほどの間に全国から約3万筆の署名を集め、修整を撤回させました(同年8月3日付朝日新聞北海道版)。今回もそのときのメンバーらが母体となって7月、考える会を立ち上げました。
○副読本の編集委員で元小学校教員の若月代表は「誤った歴史を子どもに教えることは、アイヌ民族への差別と偏見を新しく植えつけることにつながる。それは絶対に食い止めなければならない。今後も会議を重ね、行動していく」と決意を新たにしています。

以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-25 05:32 | 人権・自由権 | Comments(0)

沖縄から-自民党は、罪深い政党。自己決定権を踏みにじる政策を繰り返す。

 国が「久辺3区」へ直接振興費を支出する意向意向についての続報として、沖縄タイムスは2015年10月24日、「佐藤正久参院議員(自民)は23日、名護市で講演し、政府が新基地建設予定地に近い久辺3区(辺野古・豊原・久志)に直接支出する振興費が当初3千万円になることを明らかにした。『来年度以降はインフラ整備などにも使えるよう増額する』との見方を示した。政府は26日、久辺3区と地域振興策を話し合う『振興に関する懇談会』の第2回会合を首相官邸で開く。菅義偉官房長官や防衛省、内閣府幹部が出席する。中谷元・防衛相は23日の閣議後会見で『久辺3区の地域振興にできるだけの配慮をしていく』と述べた。」、と報じた。
 このことについて、「政府は、防衛施設周辺の生活環境整備のために交付、助成する『』基地周辺対策費』を利用する方針だ。本来、交付や助成の対象は地方自治体に限られるが、対象を『区』にも拡大。3区の要望が強い公民館の修繕や米軍との交流事業などに充てる予定だという。」、と押さえている。


 前回の記事で沖縄タイムスが示した京都府立大学の川瀬光義教授の次見解を再掲する。

「政府が久辺3区に交付金を直接投入することを検討しているという。それはいったい何の法律を根拠としているのだろうか。基地に関連する財政支出の根拠となっている生活環境整備法や再編交付金の交付対象は地方公共団体であり、今回ならば名護市が対象になるはずだ。政令や省令を含め法律を一切変えずに久辺3区に交付するとなると法的な根拠が極めて怪しく、政府が既存の法律を都合よく解釈することになるのではないか。・・・言うまでもなく、民主主義国家なら、公金を配分する上で政治的意見の相違によって差別することはあってはならない。・・・このように多くの人が疑問を持たざるを得ない方法で公金を配分しようとしていることは、裏を返せば、国が進める施策の正当性を言葉で説得できないことを表明しているようなものではないか。このような支出の仕方がまかり通れば、自治体の首長や議会の同意がなくても、国がやりたい政策の実施が可能となりかねず、民主主義と地方自治が形骸化してしまう。」


 このことの問題の本質は、「このような支出の仕方がまかり通れば、自治体の首長や議会の同意がなくても、国がやりたい政策の実施が可能となりかねず、民主主義と地方自治が形骸化してしまう。」、ことにある。
 政治的意見の相違の克服を、違法な差別政策で、地域社会に強引に『分断』を持ち込む方法は、どうように考えても間違っている。
 逆に言えば、辺野古新基地建設に大義がないことを示してもいる。

 以下、沖縄タイムスに引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-24 09:48 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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