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原発問題-9月29日、福島第一原発で、処理中の高濃度汚染水二百十リットルが、除染装置から漏れる。

 福島第一原発で高濃度汚染水が除染装置から漏れたことについて、東京新聞は2015年9月30日、「東京電力は二十九日、福島第一原発で、処理中の高濃度汚染水二百十リットルが、除染装置から漏れたと発表した。汚染水には一リットル当たり一四八万ベクレルもの高濃度の放射性セシウムが含まれていたが、東電は、装置のある建屋の外には漏れておらず、汚染水処理にも影響はないとしている。漏れた場所は、タービン建屋にたまった汚染水を複数のフィルターに通し、セシウムを取り除く装置。除染の効果を確認するため、各フィルターを通した後の水のサンプルを採る部分から漏れた。」、と報じた。

 福島第一原発事故が、コントロ-ルできていない状況が、依然として続いている。

 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-09-30 18:40 | 書くことから-原発 | Comments(0)

日本経済団体連合会の「防衛産業政策の実行に向けた提言」を読む。

 一般社団法人日本経済団体連合会(以下、経団連とする。)は2015年9月15日、「防衛衛産業政策の実行に向けた提言」(以下、「提言」とする。)を発表した。
 この「提言」を読む。

 この「提言」の主張は、次のことにある。


「安全保障に係わる新規のプログラムへの参画等により積極的に人材を採用し、組織の活性化、継続性、多様性の確保および中小企業を含めた優れた技術を持つ企業の参入促進を図るとともに、国民による理解を促進し、防衛産業の発展に努めていく。」


 つまり、経団連は、最終版を迎えていた「安保関連法案」反対の国民の声を無視し、「現在、国会で審議中である安全保障関連法案が成立すれば 」、と経団連としての圧力をあからさまに振りかざし、「防衛産業の発展」を高らかに宣言したのである。
これは、安倍晋三政権の「成長戦絡」とは、経団連にとっての「武器輸出」であったことを国民に示したものである。
 経団連は、「経団連は、防衛生産・技術基盤の強化や装備品の国際共同開発・生産の推進に向けた提言を重ねてきた。」、と本音を覗かせる。
 この上で、①昨年4月に防衛装備移転三原則が閣議決定、②防衛省の外局として防衛装備庁の新設が盛り込まれた、③本年6月10日に改正防衛省設置法が成立し、10月に防衛装備庁が新設される予定である、という日本の環境の変化を示す。これらは、すぐれて、安倍晋三政権の役割の発揮である。
 だから、経団連は、この時こそと、「今般、防衛装備庁の政策に対して産業界の考えを反映させるため、『防衛産業政策の実行に向けた提言』を以下の通りとりまとめた。」、とマスコミでは成立が6月18日とも予想されていたから2015年6月15日に、「武器輸出」で資本のより一層の利益の確保のために乗り出したのである。
 もちろん、「世界一、企業のやりやすい環境を作る」という安倍晋三政権を、支えるために。

 この「宣言」は、1.防衛産業の現状と環境変化、2.防衛生産・技術基盤の強化と装備品の国際共同開発等の推進、3.防衛装備庁への期待、4.産業界の取組み、の四つの章で構成されている。
 この中で、基本的な考え方に関わる部分で、特に気がついたものをいくつか採り上げる。

 「宣言」は、「1.防衛産業の現状と環境変化」の中で、「わが国を取り巻く状況」として、次のように記述する。


「北朝鮮の弾道ミサイルや核兵器の脅威に加え、中国は軍事力を広範かつ急速に強化し、ロシアも日本近海における活動を再度活発化するなど、わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しくなっている。また、国家安全保障戦略で示された国際協調主義に基づく積極的平和主義によるわが国の国際貢献が、災害派遣なども含めて求められている。」


 ここでは、安倍晋三政権の常套言葉である「積極的平和主義」を、そのまま安易に使用する。
 あれほど、国民や研究者等からわかりにくいとか理論になっていないと批判されてきたにも拘わらずである。
 つまり、安倍晋三政権の「積極的平和主義」とは、同一レベルで経団連の主張でもあったことを如実に表しているのである。
 そして、「安保関連法」の目的を、この6月15日の段階で、「安全保障関連法案が成立すれば、自衛隊の国際的な役割の拡大が見込まれる。」、と宣言して恥じなかったのである。
 この上で、経済連としての倫理亡き展望を、「自衛隊の活動を支える防衛産業の役割は一層高まり、その基盤の維持・強化には国際競争力や事業継続性等の確保の観点を含めた中長期的な展望が必要である。」、と表現したのである。

 実に分かりやすい論理構造である。

 また、経団連は、「1.防衛産業の現状と環境変化」の中で、「防衛産業・技術基盤の現状」として、次のように記述する。


「政府が工廠を保有していないわが国では、民間企業が防衛装備品の開発・生産、維持・整備、運用を支える防衛生産・技術基盤を有しており、この基盤によって、優れた装備品を独自に開発・生産などができる能力を保持している。」
「現行の中期防衛力整備計画のもとでは、オスプレイやAAV7(Amphibious Assault Vehicle:水陸両用車両)などの高額な装備品が短期的に海外から導入され、国産の装備品の調達が大幅に減少している。」
「こうした中で、防衛関連事業から撤退する企業が出ている。一旦その基盤が喪失されると、企業の再参入は難しく、これまで培った技術的な優位性は失われる。政府が支援しても、人員、技術力、設備、事業の回復には長い期間と膨大な費用が必要である。」


 こうして、経団連は結論として、「このように、国内の防衛生産・技術基盤の維持や防衛事業の継続は非常に厳しい状況である。」、から「安保関連法」が必要であるし、日本国憲法を否定し「武器輸出」に本腰を入れる政権の必要性を説くのである。
 このことは、例えば、「従来の武器輸出三原則等のもとでは、武器輸出は実質的に全面禁止されていた。防衛装備移転三原則はこの方針を転換し」、といった「宣言」の説明文が端的に表している。

 こうした表現以外にも、二つの気になるものがある。
一つには、「こうした重要な意義を持つ技術開発力を国家として確保するため、研究開発の積み重ねと継続的ものづくりが必要である。」。
 この記述は、防衛省が「軍事応用可能研究」として「小型無人機やサイバー攻撃対策など軍事技術への応用が可能な基礎研究」に研究費を支給する初の公募をしたことの意味を説明してくれている。
 二つ目には、「米国との間では、本年4月に改定された日米防衛協力のための指針において、防衛装備・技術協力が日米共同の取り組みの一つとして位置づけられた。米国が、国防費を削減する中で同盟国や友好国との協力を一層重視しており、わが国に適切な対応が求められている。」。
 これは、米軍再編を新たな利益追求の手段としてしか捉えきれない倫理亡き集団の姿を、そしてこの集団に尽くそうとする政権の暴力的行為の意味を、説明している。

 結局、この「宣言」から窺えるものは、経団連にとって、日本国憲法は足枷にしか過ぎず、防衛産業の分野で、むしろそれは軍需産業と言った方が相応しいが、利益を追求したいという露骨な意図である。
 そして、同時に見えるものは、「米軍再編」という新たな「価値」の創生のために、すべてを投げ打ってこれを下支えしようとする安倍晋三政権の理念なき姿勢である。

 最後に、「宣言」は、「3.防衛装備庁への期待」で、防衛装備庁の役割について、「防衛生産・技術基盤の維持・強化」とし、そのためには「まず政府の関連予算の拡充と実現に向けた強いリーダーシップの発揮が求められる。」、とする。
 防衛装備庁の具体的役割は、①装備品に関する適正な予算を確保し、人員の充実を図ること、②企業の技術革新と効率性を両立させる仕組みと関係省庁を含めた官民による緊密な連携を基にした装備品や技術の海外移転の仕組みを構築すること、③陸海空の装備品の調達および国際共同開発・生産や海外移転を効果的に進めること、としている。

 「宣言」の趣旨である「武器輸出」や防衛装備庁の「海外移転を効果的に進める」という役割のためには、「安保関連法」が前提となっている。
 米国の「米軍再編」に従属する安倍晋三政権の役割が、経団連の思惑とぴったり重なっている。


by asyagi-df-2014 | 2015-09-30 05:47 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄から-沖縄を分断。国は、久志の「久辺3区」へ直接振興費を支出。

 国が「久辺3区」へ直接振興費を支出する意向を固めたことについて、沖縄タイムスは2015年9月26日、「国が、名護市辺野古の新基地建設現場に近い辺野古、豊原、久志の『久辺3区』へ直接振興費を支出する意向を固めた。新基地建設に反対する名護市、沖縄県を飛び越え、地元へ“アメ”を投下することで、条件付きで辺野古を容認している3区への理解を求める狙いがある。地元名護市や識者からは「露骨な地方自治への介入だ」との批判が上がる。」、と報じた。
 このことについての稲嶺名護市長の見解については、「『地方自治の自立が声高に言われている時期に、県も市も通さず交付金を出す。こんなことは初めてだ。名護にとどまる話ではなく、大きな事例として残る』との見方を示す。」、と伝えている。
 このことを、沖縄タイムスは、「『基地と振興はリンクしない』と繰り返す政府だが、『アメとムチ』は基地の賛否で割れる沖縄を分断してきた政府の常とう手段。戦後70年経た今もなお、政府による分断策に翻弄(ほんろう)される沖縄の姿が浮かび上がる。」、と評した。
 また、沖縄タイムスは、このことをきちっと理解するために、京都府立大学の川瀬光義教授の次の言葉を掲載している。


「政府が久辺3区に交付金を直接投入することを検討しているという。それはいったい何の法律を根拠としているのだろうか。基地に関連する財政支出の根拠となっている生活環境整備法や再編交付金の交付対象は地方公共団体であり、今回ならば名護市が対象になるはずだ。政令や省令を含め法律を一切変えずに久辺3区に交付するとなると法的な根拠が極めて怪しく、政府が既存の法律を都合よく解釈することになるのではないか。・・・言うまでもなく、民主主義国家なら、公金を配分する上で政治的意見の相違によって差別することはあってはならない。・・・このように多くの人が疑問を持たざるを得ない方法で公金を配分しようとしていることは、裏を返せば、国が進める施策の正当性を言葉で説得できないことを表明しているようなものではないか。このような支出の仕方がまかり通れば、自治体の首長や議会の同意がなくても、国がやりたい政策の実施が可能となりかねず、民主主義と地方自治が形骸化してしまう。」



 むはや、安倍晋三政権にとっては、こうした脱法的行為も驚くには値しないことなのか、とあきれ果てる。
 民主主義と地方自治を壊すことになる政策を、安倍晋三政権は、強行しても恥じないレベルまで落ちてしまっている。それは、山口俊一沖縄担当相はの「いろんな機会を通じて訴えたい気持ちは分かるが、人権問題としてはそぐわないのではないか」という翁長沖縄県知事の国連演説への批判に表れている。
 安倍晋三政権の脱法的・意訳的政策行為は、実は、立憲主義を理解していなかったように、基本的人権そのものを分かっていないことから派生している。

 沖縄の「構造的差別」の問題では、差別構造の構築のために、一方で、「アメとムチ」のアメの分を常に沖縄に選択させてきた。
 もちろんこの国では、原子力発電所建設の例を持ち出すまでもなく、こうした分断政策は、沖縄に限ったことではなく、あらゆる地域で、金銭というアメが、地域分断や人間不信醸成の常套手段として使われてきた。
 こうして今、沖縄は、またもや21世紀の日本のあり方の試金石の場所に立たされる。
 このことは言わば、沖縄の「構造的差別」そのものを現しているとも言える。
 まさに、辺野古新基地建設の問題は、日本全体の試金石となっているのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-09-29 05:25 | 沖縄から | Comments(0)

内閣法制局は、内部検討の経緯を示した資料を公文書として残していないことがわかった。

 このことは、とんでもないことで、単に問題を指摘するだけで終わらせるものではない。
 このことについて、東京新聞は2015年9月28日、「内閣法制局が昨年七月一日に閣議決定した集団的自衛権行使を可能とする憲法九条の解釈変更をめぐり、内部検討の経緯を示した資料を公文書として残していないことが二十八日、分かった。法制局関係者が明らかにした。」、と報じた。
 また、「歴代政権が禁じてきた集団的自衛権行使がどのような検討を経て認められたかを歴史的に検証することが困難となり、憲法と、法令や閣議決定の整合性を審査する法制局の姿勢が問われそうだ。」、とその問題点を指摘した。

 以下、東京新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-09-28 15:50 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

原発問題-東京電力は、福島第1原発事故の2年前、「土木学会の結果を踏まえないことには、会社として判断できない」「原子炉を止めることができるのか」と津波対策への対応を渋った。

 政府が東京電力福島第一原発事故で、政府事故調査・検証委員会が関係者に聴取した記録(調書)五人分を新たに公表した件で、東京新聞は2015年9月26日、「政府は、東京電力福島第一原発事故で、政府事故調査・検証委員会が関係者に聴取した記録(調書)五人分を新たに公表した。事故当時の規制機関だった経済産業省原子力安全・保安院(廃止)の名倉繁樹安全審査官の調書では、事故前に津波対策を求めた際、東電の担当者が『(対策のために)原子炉を止めることができるのか』と渋ったことを明かした。前・原子力規制委員長代理の島崎邦彦氏の調書も公表された。」、と報じた。
 また、この時の様子について、「調書では、東北地方太平洋岸で大被害を出した貞観(じょうがん)地震津波(八六九年)について、名倉氏は二〇〇九年、東電から福島第一の場所での試算結果を示された。津波の高さは八メートル台とされ、名倉氏は具体的な対応を検討した方がいいと求めた。だが、東電は『土木学会の検討を待つ』と回答。重要施設を建屋内に入れることを提案すると、東電の担当者は『土木学会の結果を踏まえないことには、会社として判断できない』『原子炉を止めることができるのか』と対応を渋った。名倉氏は『腹が立った』と振り返ったが、具体的な対策は求めなかった。名倉氏は大津波を予測していたのに対策を怠ったとして、住民らの福島原発告訴団から東京地検に告訴・告発されている。」、と伝えた。

 さて、おしどりマコさんは、「DAYS JYAPAN 2015年10月号」で「作業員が『まるで戦場』と語る混乱の現場」の記事の中で、「現在の東電会見では、『発表する意味があるかどうか、出す情報は東京電力が判断して選ぶ』という体制になっており、質問しても回答がないことが多い。しかし、記者会見だけでなく、原子力規制庁にも同様の態度を取っていることに驚いた。規制庁の役割がまるで果たされていない。」、と指摘している。 事故2年前の時の「原子炉を止めることができるのか」という東京電力の対応のあり方と当時の原子力規制委員会の規制のあり方の両方は、現在の状況と余りにも同じである。
 「福島の悲劇を忘れるな」、「3.11」を出発点にしろ。
 この言葉を生かせない当事者が、このままでは、また同じ轍を踏むことは、明らかではないか。

 以下、東京新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-09-28 05:49 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-東京電力福島第一原発事故で放射性物質を放出した2号機は、核燃料の7割以上が炉心から溶け落ちている可能性が高い。

 標題について、朝日新聞は2015年9が27日、「東京電力福島第一原発事故で放射性物質を放出した2号機について、核燃料の7割以上が炉心から溶け落ちている可能性が高いとする解析結果を、名古屋大などのチームが26日、大阪市であった日本物理学会で発表した。」、と報じた。
 また、「名大は昨年から東芝と共同で調査を開始。事故を免れた5号機との比較で、2号機の炉心に核燃料がほぼ存在しないとの結果を得た。東電は2号機の核燃料について、コンピューター解析などから一部は炉心に残っていると推定している。」、と伝えた。

 この燃料デブリの問題については、「各号機における原子炉の燃料デブリの取り出しは、『まず使用済み燃料プ-ルに集中する。原子炉の燃料デブリ取り出しはいったん計画から取り出す』(東電)ということで、時期の目途すら立っていない。」(おそどりマコ)のが実態である。
 高レベル放射性廃棄物の処理というとてつもなく危険な問題が残されたままなのである。

 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-09-27 10:27 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大学・研究機関における軍事研究(軍学共同研究)を考える。

 大学・研究機関における軍事研究(軍学共同研究)について、共同通信は「軍事応用可能研究」として2015年9月22日、「小型無人機やサイバー攻撃対策など軍事技術への応用が可能な基礎研究に研究費を支給する防衛省の初の公募に、東京工業大や岡山大など少なくとも16大学が応募したことが22日、理工学、医学部門を持つ全国93の大学を対象とした共同通信のアンケートで分かった。国内の大学は太平洋戦争に協力した反省から、長らく軍事研究から距離を置いてきたが、公募は民生用にも使える基礎研究に限定し、成果の公表を原則としたことから一定数の応募があったとみられる。一方で専門家からは『軍学共同研究』が歯止めなく広がり、学問の自由が脅かされる懸念を指摘する声も出ている。」、と報じた。

 このことについては、私自身が気づかなかっただけで、随分ことは進んでいた。
 朝日新聞は2015年7月22日付けで、「国の安全保障に役立つ技術を開発するとして、防衛省は大学などの研究者を対象に研究費の支給先の公募を始めた。研究者に直接お金を出すのは初めてで、最大で1件あたり年3千万円と一般の研究費に比べて高額だ。軍事応用が可能な研究分野の広がりが背景にあり、戦後、軍事研究と一線を画してきた日本の学界にも課題を突きつけている。」、と経過と疑問を呈していた。
 また、朝日新聞は2015年8月6日には、「大学の研究者と軍事技術が密接になりつつある。」とし、デュアルユース技術についても「科学技術の進歩や軍事装備の多様化から、『デュアルユース』となる技術は増えている。長崎大核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎センター長は、軍事と民生技術の違いはわかりづらく、『軍事はダメ』と簡単には言えないと指摘する。」「『最先端の研究では、軍事応用への可能性はその研究者にしかわからないため、研究者個人のモラルだけに頼るのではなく、第三者による審査の枠組みが欠かせない。成果の公開、基礎研究への限定などの基準作りが必要だ」、と指摘していた。

 この問題については、「軍学共同反対アピール署名の会」が、軍学共同(大学・研究機関における軍事研究)反対アピールを発表している。
 現在の軍学共同研究の問題点を整理するために、この反対アピールを次に、要約する。


(1)軍事研究の定義
 軍事研究とは、武器開発や、敵国に対して優位に立つことを目的とする装備開発や戦略研究であり、戦争・戦闘に直接・間接に繋がる研究である。
(2)これまでの経過と現在の様子
①戦後、この戦争遂行に加担したあやまちを二度とくりかえさないため、大学や研究機関は平和目的の研究のみに従事し、軍事研究は行わないことを固く誓った。その決意は日本学術会議の総会声明で「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」(1950年)、「軍事目的のための科学研究を行わない声明」(1967年)と、歴史の節目ごとに繰り返し確認されてきた。また、1980年代後半には大学非核平和宣言運動があり、大学や研究機関ごとの平和宣言・平和憲章なども制定された。
②いま軍学共同の動きが加速されようとしている。2014年4月に、防衛省は大学と軍事の共同研究を本格化させる専門部署「技術管理班」を新設し、大学側との手続きを円滑化しようとしている。すでに、いくつかの大学や研究機関では、防衛省との共同研究協定が締結された。このような軍学共同の動きの背景には、武器禁輸三原則の撤廃などの安倍政権の姿勢が強く関連している。「平成26年度防衛計画大綱」(2013年12月)でも「大学や研究機関との連携の充実により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める」との方針が打ち出されている。
(3)問題点
①特定秘密保護法が成立(2013年12月)した今日、軍事にかかわる研究の透明性は著しく低下し、軍事機密を漏えいしたとみなされた大学教員や研究者が厳罰を科される可能性が強く懸念される。
②軍学共同が社会に深く根付いているアメリカの事例から、学問の自由が著しく蹂躙されかねないことが容易に想定できる。
③軍学共同研究の影響は、大学教員や研究者にとどまらず、大学においては学生・院生へも及ぶことは自明である。それは研究室を主宰する教員や研究者が、その軍学共同の資金に合意された研究を院生・学生にやらせるという立場にもなりうるからである。この結果、院生・学生が意味を十分に理解しないまま、軍事研究に従うことになっていくことも十分ありうる。このような荒廃を決して大学や研究機関にもたらしてはならない。
④とりわけ大学は、本来、人類の未来を切り開くための学問・研究の場である。大学は、学問・研究を通じて、民主主義の発展や人々の生活向上、核兵器の廃絶・貧困の根絶といった普遍的な問題や、平和の創造に関する問題に取り組む場である。このため大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、真理と平和を希求する人間の育成を教育の基本とすべきであり、軍学共同とは両立しえない。
(4)主張
 われわれは、科学本来の目的・役割に反し、さらに科学の発展をゆがめる、戦争を目的とする研究と教育には絶対に従うべきではない。軍学共同によって戦争に加担するというあやまちを二度とくりかえしてはならない。
 ここに学生・院生も含めた大学・研究機関の構成員すべてに対し、軍関係機関に所属する者との共同研究を一切おこなわず、これらの機関からの研究資金を受け入れないこと、また軍関係機関に所属する者の教育はおこなわないことを、あらためて心からアピールするものである。


 日本国憲法の構造と同じように、「軍学共同研究」について、これまでは一定の枠を課してきた。
しかし、実は「だが、距離は近づき始めている。日本物理学会の決議の変遷はその象徴だ。」との指摘もなされてきた。
 こうした中で、安倍晋三政権のもとでは、明確に違憲である「安保関連法」を可決させたように、新しい価値の基にそうした一定の枠も取り払おうとしている。
 そうなると、やはり、今必要なものは、「科学本来の目的・役割に反し、さらに科学の発展をゆがめる、戦争を目的とする研究と教育には絶対に従うべきではない。軍学共同によって戦争に加担するというあやまちを二度とくりかえしてはならない。」(「軍学共同反対アピール署名の会」)というスタンスに立ち返ることである。
 また、具体的には、京都新聞の「安保関連法の成立で『軍学共同研究』を求める圧力は一層強まろう。第三者による多角的なチェックの仕組みが必要ではないか。」ということも重要になる。
 私たちは、2015年9月19日というものを目のあたりにしてきた。
 このことの意味は、すでに待ったなしの状況に、追い込まれているということなのだ。
沖縄タイムスの「研究は『学問の自由』の下でなされ『国策』に取り込まれることではあるまい。研究者のモラルも問われている。」、という指摘を肝に銘じなければならない。

 以下、共同通信、朝日新聞、軍学共同反対アピール署名の会反対アピ-ル、京都新聞、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-09-27 05:35 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

報道写真家の福島菊次郎さんが死去。

 報道写真家の福島菊次郎さんが、亡くなった。
 毎日新聞は、2015年9月25日、「福島菊次郎さん94歳=反骨の報道写真家」の訃報として、次のように掲載した。


訃報:福島菊次郎さん94歳=反骨の報道写真家
 広島の被爆者や公害、原発事故などを通して「戦後日本」「権力」を問い続けた反骨の報道写真家、福島菊次郎(ふくしま・きくじろう)さんが24日、脳梗塞(こうそく)のため死去した。94歳だった。本人の遺志で葬儀は行わない。
 山口県下松(くだまつ)市生まれ。戦時中は広島の部隊にいたが、原爆投下時は宮崎にいたため被爆を免れた。復員後、郷里の下松で時計店を営みながら写真撮影を独学し広島に通い、激痛に苦しむ被爆者の姿などを撮った写真集「ピカドン ある原爆被災者の記録」を1960年に発表し、日本写真批評家協会賞特別賞を受賞した。
 61年に上京し、プロの写真家となり学生運動や三里塚闘争、公害などを題材にした写真を総合雑誌に発表。82年、郷里近くの無人島へ移住。88年、がんで胃の3分の2を摘出しながら、昭和が終わった89年から「戦争責任展」「写真で見る日本の戦後展」を全国各地で開催。執筆活動も始め、2003年から「写らなかった戦後」シリーズを出版した。
 90歳となった11年、東日本大震災と福島第1原発事故を機に「広島と同じ過ちが繰り返される」との思いにかられ、福島などで被災農民らを撮影した。


 生前、講演会で一度だけお会いすることができた覚えがある。
 2013年の 『証言と遺言』デイズ ジャパン と、那須圭子さんの『My Private Fukushima―報道写真家 福島菊次郎とゆく』 が、私の福島さんとの最後の出会いになった。
 「反骨」という言葉そのものの人生ではなかったか。
 あらためて、瞑目。


by asyagi-df-2014 | 2015-09-26 08:58 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄から-辺野古の抗議行動を基地内から撮影した動画が投稿された。その説明文には「Monkeys」。

 あまりににもあきれさせられることである。
 この場合の「Monkeys」は、人種差別用語である。


 辺野古の抗議行動を基地内から撮影した動画が投稿され、その説明文に「Monkeys」と書かれていたことについて、沖縄タイムスは2015年9月25日、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設への反対運動が米軍キャンプ・シュワブ内とみられる場所から撮影され、動画投稿サイト『ユーチューブ』で公開されていることが23日、分かった。抗議する市民が特定できる状態で写っており、池宮城紀夫弁護士は『個人のプライバシーや肖像権の侵害に当たる可能性がある』と問題視している。」、と報じた。
 また、このことについて、「米海兵隊は24日、『米軍人・軍属が基地内外で公衆の出来事を撮影することへの規制はない。ユーチューブを利用することも認められている』とし、問題視しない考えを示した。沖縄タイムスの質問に答えた。」、と米軍側の考えを伝えた。
 あわせて、これまでの経過として「3月にも表面化 当時の高官更迭」と、「辺野古新基地建設への抗議行動を基地内から撮影したとみられる映像が、動画投稿サイト『ユーチューブ』で公開された事例は、今年3月にも表面化した。この動画には、2月に沖縄平和運動センターの山城博治議長らがシュワブ敷地内に侵入したとして、米軍の警備員に身柄拘束される様子が映っていた。海兵隊は、動画が内部映像と認めた上で、サイトへの流出を『不適切に公表された』と説明。責任を取る形でロバート・エルドリッジ政務外交部次長(当時)が更迭された。」、と報じた。

 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-09-26 05:27 | 沖縄から | Comments(0)

「今の志を失わずに持続していくことを心から願う」集会に、2万5千人が集まった。

 脱原発と安保関連法の反対を訴える集会について、朝日新聞は2015年9月23日、「脱原発と安全保障関連法反対を訴える集会が23日、東京都渋谷区の代々木公園であった。「『さようなら原発』1千万署名 市民の会」が安保法に反対する市民団体に連携を呼びかけて主催し、主催者発表で約2万5千人が集まった。」、と報じた。
 また、「集会の呼びかけ人の一人で、作家の大江健三郎さん(80)は『「70年間、平和と民主主義の憲法の中で生きてきたが、いま日本は最も危険な転換期。抵抗して生きていこう』と訴えた。若者たちが反対の声を上げていることにも触れ、『若い人たちが今の志を失わずに持続していくことを心から願う』と激励した。」と、大江健三郎さんの声を伝えた。
 あわせて、「若い人たち」の声として、奥田愛基さん(23)の「『法案が通ったことは負けかもしれないし、重く受け止めないといけない』、『(反対は)保守とか革新とかを超えている。今こそ【戦争反対】【憲法守れ】と言わないといけない』と声を張り上げた。」、と紹介した。


 大江健三郎の「『若い人たちが今の志を失わずに持続していくことを心から願う』との激励」は、一方では、このことを許してしまった側である自分たちへの叱咤であることを自覚していきたい。

 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-09-25 10:59 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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