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原発問題-川内原発、2次冷却水に海水が混入した恐れがあるため、予定していた出力上昇を延期

 時事通信は2015年8月21日、「九州電力は21日、再稼働した川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)について、2次冷却水に海水が混入した恐れがあるため、予定していた出力上昇を延期すると発表した。点検に少なくとも1週間程度かかる見込みで、25日に予定していたフル稼働は遅れる。」と、報じた。
 また、この事故について、「九電は『3台ある復水器のうち、1台に微量の海水が混入していると推定されるが、除去できており運転継続に支障はない』と説明している。」、「同様のトラブルは全国で過去に50回ほど起きているといい、川内原発では初めて。九電では玄海原発1号機(佐賀県玄海町)で1997年、99年の2回あったという。」と、伝えた。

 以下、時事通信の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-21 15:46 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-辺野古第2回協議は、「空手形」・「ポーズ」なのか。

 翁長雄志沖縄知事と政府側との2回目の会談の様子について、沖縄タイムスは2015年8月19日、「翁長雄志知事は18日、首相官邸で菅義偉官房長官らと会談し、米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐり政府側と2回目の協議に臨んだ。菅氏は普天間飛行場の5年以内の運用停止について『地元の協力がなければ難しい』と辺野古新基地建設が条件との考えを示し、運用停止は困難だと明言した。」と、報じた。
 この「地元の協力がなければ難しい」と辺野古新基地建設が条件との考えを示し、運用停止は困難だとの明言について、「『辺野古が唯一と言うのはやめてもらいたい』と批判。市民が収容所にいる間に接収された普天間飛行場の形成過程に触れ、『老朽化し、世界一危険になったから代替案を示せというのは日本政治の堕落だ』と政府を批判した。」との県知事の反論を伝えた。

 この辺野古第2回協議について、琉球新報は「『空手形』は誰のせいか」、沖縄タイムスは「単なるポーズか」と、批判した。

 なお、辺野古第3回協議は、「県、政府は安慶田光男副知事、杉田和博官房副長官による事務レベルでの作業部会を立ち上げ、3回目の協議を24日に沖縄で開催する方針を確認した。」と、伝えた。

 琉球新報及び沖縄タイムスの主張は、次のとおりである。

(琉球新報)
(1)米軍普天間飛行場の5年内運用停止という2013年末の政府の約束が、単なる口約束、「空手形」だったことがこれで明確になった。
 辺野古新基地建設をめぐる県と政府の第2回協議で、菅義偉官房長官は5年内運用停止について、「地元の協力がなければ難しい」と述べた。あたかも知事のせいであるかのような口ぶりだ。
 5年内停止について安倍首相は「知事との約束は県民との約束だ。できることは全てやる」と述べていた。
 だが4月の日米首脳会談でも日米外務・防衛閣僚会合(2プラス2)でも日本側は米側に要求すらしていないし、共同声明にも盛り込んでいない。「できること全て」どころか、何一つやっていないのが実態だ。そもそも当初から米側は完全否定の姿勢で、政府がそれを覆そうと努力した形跡はまるでない。最初から実現するつもりなどなかったのに、知事の責任に帰そうとするのは悪質なすり替えだ。
 政府は、どうせ5年後に県民は忘れている、と高をくくっていたのではないか。そうであれば「朝三暮四」の猿のごとき扱いである。不誠実極まりない。
(2)沖縄への基地の集中がミサイル攻撃を誘発し、沖縄を危険にさらすという指摘は論理的で正当なものだ。元米国防総省高官などの発言も引用し、説得力があった。
 これに対する中谷元・防衛相の「ミサイル攻撃は日本全体が対象」という発言は、基地が最大の軍事目標になるという軍事常識に反する。「ミサイル防衛で対処する」とも述べたが、ミサイルの集中攻撃を1発の撃ち漏らしもなく防げるはずがない。どちらが合理的かは火を見るより明らかだ。
 本島中南部は過密だから基地を北部に移すという論理に対し、知事が「自然や文化など北部のソフトパワーが死んでしまう。北部を殺すことになる」と反論したのも説得力がある。
(3)沖縄関係予算は大部分が、どの都道府県も受け取っている通常の予算である。だが「振興予算」と呼んでいるため、他県より特別に多いかのように誤解されている。県は資料まで用意し全国の記者に配ってそのことを説明していた。

(沖縄タイムス)
(1)米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」に関する政府の説明は、相変わらずその場しのぎで、一貫性がない。「見せ掛け」や「ごまかし」を含んだ「5年以内の運用停止」は事実上破綻した、というべきだろう。
(2)仲井真前知事も指摘したように、「1日も早い危険性除去」を実現したいのであれば、地元が強硬に反対している辺野古に新基地を建設するのではなく、県外の既存基地に移す方が早くて安上がりだ。新基地の完成を待たずにオスプレイの部隊を県外に移設することができれば「5年以内の運用停止」は可能だが、それが実現できれば、莫大な予算を投じ県民の反対を押し切って新基地を建設する必要はなくなる。
 「新基地建設」を実現するため、県民向けには「危険性除去」を強調する。その「真実」を問わず語りに明らかにしたのが菅発言である。
 2014年4月の日米共同声明は、辺野古への早期移設を含む基地の統合によって「長期的に持続可能な米軍のプレゼンス(存在)を確かなものにする」ことをうたっている。「抑止力」と「危険性除去」が新基地建設の便利な方便として利用されているのである。 実際、政府には、計画見直しや譲歩の兆しは全く見られない。県との集中協議は、対話の姿勢を公に示すだけの単なるポーズ、アリバイ作りになる恐れがある
(3)埋め立て承認に当たって県と防衛省は「留意事項」を交わし、実施設計や環境保全対策に関する協議を実施することを確認した。今回の集中協議は、「留意事項」で定められた協議とは全く別物だ。
 集中協議の期間中になし崩しに「留意事項」で定める協議が実施された場合、1カ月の集中協議期間が終わった段階で、政府は間髪を入れず埋め立て本体工事に入る可能性がある。
 県は、埋め立て承認の取り消しなど、次の手を早急に準備し、「協議決裂」に備える必要がある。


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-08-21 09:29 | 沖縄から | Comments(0)

憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)の「憲法改悪阻止各界連絡会議声明」を読む。

 憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)は2015年8月15日、「歴史をして奮偽る「安倍談話」を糾弾し、戦争法案廃案と日本国憲法が生きる日本とアジアをめざ闘します」との声明を発表した。
この「声明」について、考える。
 「声明」の主張は次のものである。
(1)植民地支配と侵略については日本が行ったという歴史認識を明らかにせず、植民地支配については、それと永遠に訣別するという一般論を述べたにすぎず、韓国・朝鮮についての言及もきわめて少ないものです。
(2)何が侵略にあたるかについては歴史家に委ねるという無責任な発言を記者会見で行い、結局、村山談話を否定する内容であることがはっきりしました。「反省」と「お詫び」についても、過去の首相談話を引用したのみで、安倍首相自らの見解として示したものではなく、これらのキーワードを入れたことは全くの欺瞞であることが明確になりました。
(3)「日露戦争が植民地支配下のアジア・アフリカの人びとを勇気づけた」と述べていますが、日露戦争の勝利が韓国併合へ直結した歴史的事実を無視し、あたかも日露戦争が植民地解放に役立ったかのようにいう近代日本の歴史の偽造といわなければなりません。
(4)日本軍「慰安婦」問題については、明確な用語を使用せずに「女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去」とのみ表現し、しかも謝罪の言葉も問題解決のために努力するとの言葉もなく、「女性の人権が傷つけられることのない世紀にするため、世界をリード」するという空虚な言葉をならべているだけです。
(5)、「あの戦争には関わりのない次の世代に謝罪を続ける宿命を負わせてはなりません」と述べていることです。アジア諸国との間の未解決の問題を解決するという前提なしに、謝罪はもうしないという一方的な宣言とも受け取れる文言であり、これではアジア諸国民との緊張関係を増すことにしかなりません。
(憲法会議の考え方)
 私たちは戦後70年にあたり、日本国憲法の精神に立脚して、あらためて歴史の真実を見つめ、植民地支配と侵略戦争の責任を明らかにし、それに対する真摯な反省の上に立ってアジアとの友好・信頼の関係をつくり、平和なアジアと日本をつくりあげなければならないと考えます。
 同時に重要なことは、戦後70年を経てなお未解決の、日本軍「慰安婦」問題などをはじめとする戦後処理問題の解決に本格的にとりくむことです。これらの問題が、世界的にみても異常なほどの長きにわたってなぜ残されてきたのか、なぜアジアとの友好関係を築くことができなかったのか、戦後史とそのなかでの政治責任をあらためて検証し明らかにしていく必要があります。
(憲法会議の主張)
 私たちは、安倍談話の欺瞞を糾弾し、当面する戦争法案廃案に全力をあげるとともに、それを通して、日米安保条約を廃棄し、日本国憲法が生きる平和なアジアと日本をつくるために奮闘する決意をここに表明するものです。

 安倍談話の「談話」に載せられた言葉としてのキーワードは「全くの欺瞞」であり、近代日本の歴史の偽造とする見解に、深く頷く。

以下、「声明」の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-08-21 05:34 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

TOLDs(トールズ)が安保法案を日本国憲法の精神から認めないと、声明。

 毎日新聞は2015年10月20日、参院で審議されている安全保障関連法案を巡り、東京都内の現役教職員らでつくるグループ「TOLDs(トールズ)」のメンバーが20日、都庁で記者会見し、「法案を日本国憲法の精神から認めません」とする反対声明を発表した。法案が7月に衆院で強行採決されたことなどを批判し、過去の戦争を学ぶことなどを通じて「これからも教室に平和の種を蒔(ま)いていく」と決意表明している。」と、報じた。

 この「声明」の内容は、次のとおりである。

(反対声明での決意)
(1)学校教育が「軍国少年・少女」をつくったのです。教員は国民を戦争に総動員する戦争加担者でした。私たちはこの反省に立ち、「教え子を一人たりとも戦場に送らない」という決意をもち、こののちも過去の戦争について常に学び直します。そして国内外の人々に今も残る痛みを伝え続けます。
(2)私たちは二度にわたる世界大戦の惨禍の果てに到達した人類の遺産であり、未来を照らす光ともいうべき「日本国憲法」の崇高な理念を受け継ぎます。
(3)そして核廃絶や世界平和実現のリーダーシップをとり、平和国家として日本を世界の中で名誉ある地位に導くような人を育てたいと願います。
(4)私たちは多様な「他者」を尊重し、また自分も尊重される社会を創るにはどうしたらよいのかを児童・生徒たちともに考えます。この世界には依然として格差や貧困および民族間の対立が蔓延し、グローバル化の中でさらに拡大しています。戦争の温床となっているこれらの問題の根源に目を向け、武力の行使や威嚇によらず、対話によって解決していくことを目指す人を世界に送り出したいと願います。これこそ真の「積極的平和」ではないでしょうか。
(声明の主張)
 私たちはこの法案を日本国憲法の精神から認めません。また政府が民意を軽視、無視していく姿勢に深い憤りと危惧を抱き、これを批判します。敗戦から70年。私たちは不戦の誓いを新たにし、戦争の芽を摘み取り、これからも教室に平和の種を蒔いていく決意をする者たちであることをみなさんにお伝えします。


 現状の中で、声を出さないことの方が苦しいことである。
 全国から、東京都という異常な教育行政現場からのこの声に続くことが、彼らの行動に繋がることになる。

 以下、毎日新聞、東京新聞及び「声明」の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-20 21:41 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第28回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。

三上知恵の沖縄撮影日記。
 
 今回の報告は、沖縄の現実を次のように描く。

 「結局のところ、ここは戦争に勝ったアメリカが戦利品として勝ち取った島なのだから、軍事拠点としてどう使おうがこっちの勝手だというのが彼らの本音。占領意識そのままに、今日に至っているのだ。」と。

 また、「沖縄戦を生き延びた島民を追い出しはしないが、彼らのルールや人権のために軍の行動が制限されるなんてとんでもないと。そして安保条約と地位協定が、日本国民の基本的人権を保障する憲法の上位に位置してそれを可能にしているのだから、日本政府も見て見ぬふりを決め込むだけ。」と。

 だから、「今の日本で米軍基地と共に生きるというのは、これ程に危険で惨めなことなのだ。」よと。

 さらに、「いくらパートナーシップとか隣人、トモダチ作戦とか呼んでみても、不平等な土台の上に対等な関係性が存在するはずがない。米軍が東日本大震災で力になってくれた事実を否定はしない。しかし米軍内部では、あれが放射能汚染された敵国から仲間を救い出すための実地訓練と位置づけられていたと聞いて、原爆の後にすかさず現地に入ってきたアメリカの調査団とダブってしまった。そもそも軍隊という組織が友情や愛情をもつなんてあり得ない事だった。」とも。


 沖縄を見るとは、沖縄を知るとは、こういうことだよと投げかける。

「おばあの覚悟。参加した県民の堅い決意。空に突き上げたその拳をあざ笑うかのようなヘリの低空飛行。デモに絡む右翼団体の大音量のアピール…。
 声をからし、汗を流して沖縄の必死の抵抗は続く。政府は「普天間を返して欲しいなら辺野古を完成させなさい」と他国が奪った土地を人質に、涼しい場所から沖縄を脅し続けている。」

 以下、三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第28回の引用。



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by asyagi-df-2014 | 2015-08-20 08:33 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-辺野古新基地建設問題をめぐり、翁長雄志知事が9月に国連で演説

 標題について、琉球新報は2015年7月23日、「スイスのジュネーブで9月14日~10月2日の日程で開かれる国連人権理事会で、翁長雄志知事が辺野古新基地建設問題について演説するための見通しがついたことが22日、分かった。」と、報じた。
このことについて、「今回、国連との特別協議資格を持つ国連NGOの『市民外交センター』が島ぐるみ会議などからの要請を受け、人権理事会での発言時間を翁長知事に貸与する意向を示している。国連との特別協議資格を持つNGOが他者に発言時間を貸すことは日常的に行われており、可能だという。
 同センター代表の上村英明恵泉女学園大教授は『人権問題を扱う国連人権理事会で翁長知事が発言すれば、新基地建設に反対する県民の総意と理解され、日米両政府にプレッシャーを与えられるだろう』と述べ、知事が国連で演説することの意義を強調した。
 島ぐるみ会議は翁長知事の人権理事会での演説に向け、同じく国連NGOの『反差別国際運動(IMADR)』と調整してきた。今回、IMADRが人権理事会との日程調整を担当し、市民外交センターが発言時間を貸す方向になった。」とも伝えた。

 また、琉球新報は2015年8月17日、8月16に開催された沖縄大学での「沖縄における人権侵害-自己決定権の視座から-」と題したシンポジウムについて、「沖縄を訪問中の国連特別報告者のビクトリア・タウリ=コープス氏が16日、沖縄大学で講演し、辺野古新基地建設問題をめぐり9月に翁長雄志知事が国連で演説することに触れた上で『国際的な場で声を上げることでさまざまな好機が出てくる』と述べた。コープス氏は今回の沖縄訪問に関する報告書を9月ごろ、国連に提出する方針。『知事の後押しができると思う』と述べ、新基地建設阻止に向け行動する沖縄の民意を支援していく考えを示した。」と、報じた。

 9月に出されるという国連特別報告書と、翁長沖縄県知事の人権理事会での演説に、期待とともに注視していきたい。

 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-18 05:27 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-「抑止力なにもない。沖縄を領土としか見ていない」、「(根拠に)説得力がない」と、批判。

 沖縄県と安倍晋三政権との8月16日の会談の模様について、沖縄タイムスは2015年8月16日、「会談は約30分。在沖米海兵隊の抑止力を疑問視する翁長知事の指摘を踏まえ、中谷氏が政府の見解を説明した。」と、報じた。 また、その会談の内容については、「在沖米海兵隊を『機動力、展開力、一体性から島しょ防衛、日本の安全保障上、不可欠』とする中谷氏の説明に対し、翁長知事は『弾道ミサイルが発達し、抑止力ななにらい。沖縄を領土としか見ていない』と返し、認識が異なる互いの主張を説明し合う形となった。」と、伝えた。
 さらに、沖縄タイムスは2015年8月17日に、中谷元・防衛相と稲嶺進名護市長との会談の模様を、「中谷元・防衛相と稲嶺進名護市長は16日午前、同市内のホテルで会談した。中谷氏は、現在の安全保障環境などを踏まえ、米軍普天間飛行場の辺野古移設に理解を求めた。これに対して稲嶺市長は、米軍再編による在沖海兵隊の海外移転や、移設の根拠として示された航空自衛隊の緊急発進回数の増加の推移は理由の後付けだとして、『(根拠に)説得力がない』と批判した。2012年12月に自民党が政権に返り咲いて以降、閣僚が稲嶺市長と単独で会談するのは初めて。」と、報じた。

 この会談が、違いだけが「強調」されるセレモニ-で終わらなければいいのだが。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-17 09:25 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-2015.8.11川内原発第1号機再稼働を受けて、日本の原子力問題を考える。

                         ( 2015.8.17)
 2015年8月11日、九州電力は、川内原発第1号機を再稼働した。今後、8月14日に発電と送電を開始し、9月上旬には通常運転に復帰する予定だという。
しかし、この再稼働は、「3.11」が示したものを真の意味で裏切るものである。福島の惨劇を忘れていいはずはない。
 あらためて、日本の原子力のあり方について考える。
このことを考える上では、次の三つの視点が必要である。

(1)原子力行政を進めるないしは廃止する上では、「事業者」、「国」、「原子力規制委員会」、「裁判所」、「当該地方公共団体」の各自が責任を負うこと。また、その場合、その責任所在を、それぞれの事業に応じて明確にすること。

(2)一つ目の視点は、日本は、「3.11」が示したものを思考の基底にして、新たに原子力に関する政策を作り出さなければならないということ。
 そこには、まず、「原子力発電所は、電気の生産という社会的には重要な機能を営むものではあるが、原子力の利用は平和目的に限られているから(原子力基本法2条)、原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。」(福井地裁判決)という考え方が貫かれなければならない。
 したがって、そこでは、「人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。」(福市最判決)ということが恒久的に保障されなければならない。
 つまり、「3.11」の提起した問題の帰結はここに到達しなければならなかったはずである。
この視点は、日本における原子力のあり方を、たまには事故が発生することも仕方がないと捉えるのではなく、福島原発事故のような重大事故を絶対に避けるべきと考えることことである。
 原子力のあり方を考えるとは、まさしく命の問題として、このことを捉えるということなのである。

(3)二つ目の視点は、原子力のあり方を考える時、一人ひとりの自己決定権が充分保障されたものになっているか、ということが重要になる。
 というのは、「3.11」を考えるとは、福島第1号機の原発事故が示したものを考えることである。例えば、福島県内への避難者62.892人(2015年7月31日現在)・福島県外避難者45.241人(2015年7月16日)にいたった原発事故における「避難者」の問題の存在が、自己決定権が否定された「事実」を証明している。
 
 この三の視点を基本に、次のことが明確にされなければ、日本における原子力の運営は実施されてはいけない。もちろん、再稼働も当然許さされない。

(1)福島第1号機の原発事故が提起した次の問題を責任問題の中で明確にする。
①「事故原因」と「責任問題」の明確化
②「廃炉作業」への対応と責任の所在の明確化
③「高レベル放射性廃棄物の最終処分場の問題」への対応と責任の所在の明確化
(2)福島第1号機の原発事故が提起した、事故が起きた時の具体的な対応とその責任の所在のあり方を明確にする。
①放射線被曝への対応と責任の所在の明確化
②「汚染水」の処理への対応と責任の所在の明確化
③原子力災害対策特別措置法に基づくシイタケなどの野菜類や肉、海産物等の「出荷制限」への対応と責任の所在の明確化
④「避難者」への対応と責任の所在の明確化
⑤除染で出た指定廃棄物の処分場への対応と責任の所在の明確化
(3)川内原発第1号機再稼働までに明らかになった問題の具体的な対応とその責任の所在のあり方を明確にする。
①福井地裁と鹿児島地裁で判断が分かれている「新規性基準」の取り扱いの矛盾の整合性
 これは、「新規性基準」が、たまには事故が発生することも仕方がないと捉えるのではなく、福島原発事故のような重大事故を絶対に避けるべきと捉えているかということ。
②実効性の担保のない「住民避難」への対応と責任の所在の明確化
③立地自治体と周辺自治体で扱いの「自治体の同意」の格差 への対応と責任の所在の明確化
④「安保関連法案」のいくえ、「テロ対策」への対応と責任の所在の明確化
 「安保関連法案」について、水島朝穂は「緊急直言」のなかで、次のように指摘している。
「北朝鮮や中国との関係では、『もし万一攻められたらどうする…』ということばかりが語られますが、いま重要なことは『もし万一日本が攻めてしまったら』ということのリアリティでしょう。安全保障の中心は、『攻められない』ようにする条件をどう作るかにあります。安倍首相は集団的自衛権の行使が限定的だといいますが、『日本が北朝鮮を攻めてしまった結果、日本が北朝鮮に攻められてしまう』のが集団的自衛権行使の帰結です。」
 このように、「テロ」という問題だけに限らず、「安保関連法案」のいくえによっては、原子力発電所が攻撃対象になる可能性があることにより、このことへの対応と責任の所在の明確化が必要になる。
⑤「火山対策」への対応と責任の所在の明確化
 これは、モニタリングによる巨大噴火の発生予測を可能としている点や、巨大噴火の発生間隔予測に用いた噴火の恣意的な選択は、極めて大きな問題であることによる。
⑥「活断層対策」への対応と責任の所在の明確化問題
⑦「集中立地」への対応と責任の所在の明確化
⑧老朽化問題
 ここでは、わたしたちが福島第一原発事故で学んだ「緩い規制はもはや許されない」という基準が適用されなければならない。
(4)原子力規制委員会の「新規制基準」の見直し問題
①新規制基準の要件に、過酷事故が起きた際の避難計画の策定をいれること。
 例えば、このことについて毎日新聞は、「国際原子力機関(IAEA)は原子力事故対策で『5層の防護』を定めている。その内訳は、3層目までが過酷事故の防止▽4層目が過酷事故が起きた時の対策▽5層目が放射性物質が敷地外に漏れ出た場合の防災対策−−となっている。例えば、米国では、原子力規制委員会(NRC)が防災対策について認可をしないと原発は動かせない。」と、伝えている。
②新規制基準の要件に、アメリカ原子力委員会の勧告「事故時にECCRを停止してはならない」を取り入れる必要があること。(「川内原発民間規制委員会・かごしま」のパンフ参照)


by asyagi-df-2014 | 2015-08-17 05:47 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-新基地県政海上作業が始まって1年、辺野古の浜で抗議集会

 琉球新報は2015年8月15日、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、海上作業が始まって14日で1年を迎えたことを受け、ヘリ基地反対協議会などは15日午前、辺野古の浜で抗議集会を開いた。」と、報じた。
 また、集会の様子と参加者の声を、「大雨の中、市民ら300人(主催者発表)が参加し、新基地阻止へ決意を新たにした。ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は14日の戦後70年首相談話を「『反省の言葉がない』と批判した。カヌーチームで放送大学学生の池間優さん(23)は『沖縄を沖縄の人の手に取り戻すため、まずは新基地建設を止める。これからもみんなと一緒に頑張る』と決意表明した。浦添市の大城純子さん(59)は病気療養中の夫と共に駆け付け、『基地を造らせないという思いがさらに強くなった』と語った。午前には海上でも抗議船とカヌーチームが抗議行動を展開した。」と、伝えた。

 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-08-16 20:06 | 沖縄から | Comments(0)

「70年内閣総理大臣談話」を考える(3)。

 2015年8月14日の内閣総理大臣談話について、各国の反応を次のように伝えた。

 韓国の反応を、朝日新聞は光復節の2015年8月15日、「『残念な部分が少なくない』と指摘しつつも、歴代内閣の歴史認識を継承するとした点に注目。今後は『誠意ある行動』が必要だとし、慰安婦問題の早期解決を求めた。」、「15日付の韓国各紙は安倍談話について詳細に分析し、「巧妙な言葉で『植民地支配への謝罪』を避けた」(朝鮮日報社説)などと批判が相次いだが、朴大統領は演説で具体的な問題点は取り上げず、不満を表明するだけにとどめた。今後の日本との関係改善を意識して、批判を抑えたとみられる。」と。

 北朝鮮の反応を、朝日新聞は2015年8月15日、「北朝鮮外務省の報道官は14日、戦後70年の『安倍談話』について、『日本の侵略の歴史についての誠実な認定と謝罪が込められていない』と批判する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。談話は『すべての過去の犯罪の清算を通じ、わが国をはじめとする周辺国の信頼をまず得なければならない』などとしている。」と。

中国の反応を、「中国外務省は14日深夜に談話へのコメントを発表し、『過去の歴史を正確に認識・対応し、正義を守ることは日本とアジアの隣国との関係改善の重要な基礎だ』と指摘。その上で『侵略の歴史に正面から向き合い、深く反省し、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう求める』と、安倍首相の歴史認識を批判した。中国共産党関係者は『言葉は入っていても首相の誠意が感じられない』と、不信感を示した。
 ただ中国政府は、安倍首相が間接的でも『侵略』や『おわび』を明記したことで、日中関係改善を進めていくとの方針は今後も堅持していくとみられる。」と。

 台湾の反応を、「台湾の馬英九(マーインチウ)総統は『日本政府が今後も引き続き歴史を正視し、深く反省し、教訓を銘記することを期待する』と表明した。『建設的思考と責任ある態度で周辺国家との友好協力を発展させ、地域の平和と繁栄にともに努力すべきだ』とも呼びかけた。」と。

 米国の反応を、「米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は14日、『第2次世界大戦中に日本がもたらした苦しみに対する痛切な反省を安倍首相が表明したことを歓迎する』との声明を発表した。」と。

 外国米メディアの反応は、「外国のメディアは、安倍首相の『おわび』が、過去の内閣の方針を引用する間接的な表現になったことや、次世代に『謝罪を続ける宿命を負わせてはならない』と述べた点に注目した。英BBCの東京特派員は、安倍首相が歴代首相の謝罪を踏襲したものの、『彼自身の新たなおわびではなく、過去の謝罪から距離をおいた』と紹介。『日露戦争がアジアやアフリカの人々を勇気づけた』という箇所については『修正主義的な歴史観で、安倍首相の支持基盤である右派の間で人気があるが、中国や韓国は受け入れないだろう』と解説した。英フィナンシャル・タイムズ紙は『首相は自ら明確な謝罪をすることを拒否した』とした。米ワシントン・ポスト紙も『過去の首相の謝罪を明確に繰り返すことを避けた』と報じた。またAFP通信は『深い反省を表明したが、将来の世代が謝罪し続けるべきではないとも強調した』とした。仏ルモンド紙も同様に『歴代内閣が表明した『痛切な反省』を『揺るぎない』としながらも、この悔恨を相殺するかのように、戦争を知らない世代にこの責任を背負わせてはならないと呼びかけた』と伝えた。ロシアのインタファクス通信も、『戦争に関係ない世代に、謝罪を続ける重荷を負わせるべきではない、と付け加えた』と伝えた。エジプトの政府系アハラム紙の電子版は『日本首相が深い悲しみを表明/新たなおわびなし』との見出しの英文記事を掲載した。」と。

 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-16 09:18 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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