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小林武「平和的生存権の弁証」の「Ⅲ沖縄が問う平和的生存権」を読む-司法も政治も沖縄に学ぶということ

著書名;平和的生存権の弁証
著作者;小林武
出版社;日本評論社

 小林は、日本政府の姿勢を「日本政府が常に取っている根本姿勢は、アメリカの軍事的要請を絶対視して受容することであり、政府はそれを安保条約上の義務であると強弁する。」と、言いあてる。このことは、2015年現在の辺野古新基地建設の政治的状況をめぐる安部晋三政権の強権的姿勢そのものの背景として変わらずある。
 その中で起こってきたことは、「政府が約束した米軍基地の『整理・縮小』も、基地は沖縄県内でたらいまわしされ、のみならず演習が本土各地に拡大されるという体のものであった。米軍基地機能は、更新・強化さてているのが実態である。」ということであり、まさしく日本(辺野古)の現状である。

 小林は、現在の日本における「平和的生存権」の状況、特に沖縄におけるその状況を次のように指摘する。
 「この国で、『平和のうちに生存すること』は、すべての国民にとって、日本国憲法により明文上保障された権利である。しかしながら、この平和的生存権は、公権力により蔑ろにされ、とりわけ沖縄では、第二次世界大戦における地上戦終結以来、今日に至る半世紀以上の間、その間に『講和条約』が締結されようと、『祖国復帰』がなされようと、それを越えて圧倒的な米軍基地が存在しつづけることによって、一貫して基本的日常的に侵害されてきた。」
 このことに加えて、沖縄は次のような具体的な状況を負わされてきたとする。
 「沖縄は、経済的発展が著しく遅れた県でありつづけているが、政府は、従来より、このことを逆手にとって、経済振興の利を掲げて米軍基地の引き受けを迫ってきたのであり、今日の局面では、特にこれが鮮明にあらわれている。」
 こうした沖縄のありようを見る時、2011年3月11日の福島の原発震災を経験した今、日本政府の「構造的問題」を感じざるを得ない。

 さて、こうした日本及び沖縄の状況を受けた中で、小林は、「沖縄問題」の中心は「沖縄問題の孕む法的緒論点の結節点に位置するものは、平和的生存権であるように思われる」と、する。
 また、「沖縄の法的諸問題は憲法原理全体を覆うものであって、すなわちそれは、国家主権を柱とし地方自治を場とする空間における国民主権と平和と人権のあり方のすべてを問うている」と、日本にとっての「沖縄問題」の位置づけを、憲法問題及び平和的生存権の問題を考える基になると明確にする。
 小林はこの文脈の中で、平和的生存権に関しての裁判規範性を消極に解する現状の司法等のあり方に対して、これに対抗するものとして、「沖縄問題」をとおして平和的生存権の具体性的な侵害性を理解することができると、説明する。
 それは、第一に、「平和的生存権の侵害は、具体的な生活の中で日常的・常態的に、かつ長期にわたって恒常的に生じてきたものとしてとらえられている」ということ。加えて、「この侵害は、沖縄に集中的に、偏重してあらわれていて、その点で、国政上の差別が沖縄において顕著である」こと。さらに、「米軍基地に起因する被害は沖縄全域(全島)に及ぶものであることも加えられる」と。
 次に第二に、「平和的生存権の個別的内容が、いずれも具体的な形で導き出され、また反面、諸人権に新しい意味を付与し、そのようにして、平和的生存権の内包・外延が極めて広いものとなっている」とも指摘する。 
 このことについては、具体的に次のように指摘する。
 第一に、「その内容が現実化・具体化されたところの平和に生きる権利が(平和な生活をいとなむことを阻害されない権利)である。平和に生きることの保障は、沖縄ではこのように切実かつ重大な課題として日々日常化している。」こと。
 第二に、「世界の人々に対する米軍による加害行為に加担することを拒否する権利であり、これは、上記一で述べた、自らが平和のうちに生きることと表裏をなす。」こと。
 第三に、「戦争につながる行為に自己の財産を使用させない思想信条の自由である。」こと。
 第四に、「軍事目的によって私有財産を強制的に収用・使用されることのない権利である」こと。
  このことに加えて、地方自治原則との結合として、「平和的生存権は、沖縄問題を通して、それが地域の住民の人権であり、また地方自治体の自治権を醸成するものであるとの新しい意義を獲得したことも指摘できる」と、する。
 それは、「『地方のレベルにおいても住民が人間としての生存と尊厳を維持し、自由と幸福を求めて平穏な生活が保障されていなければなら」ず、「それが、地方自治の本旨の内容の一つであり、地方公共団体は、このような住民の平和的生存権を保障する責務を負っている」と。これは、地方自治の保障を人権の側から照射して、それが平和的生存権の実現をも任務とするものであることを具体的に明らかにしたものである」と、説明する。
 現在の名護市や沖縄県等の動きは、まさにこのことを体現している。

 結局、沖縄問題における平和的生存権のあり方は、「その具体的裁判規範性を消極に解するところにとどまっている従来の判例・通説に大きなインパクトを与えるに違いなく、またそのように受け取るべきことが求められているものと思われる。これら消極論が根拠とするものは、共通して、『平和のうちに生存する権利』の『平和』などの概念が多義的・抽象的であるとするところにあるが、沖縄の実態は、『平和』」の内容を疑いもなく一義的・具体的に明示するものだからである。」と、鋭く規定する。
 また、この平和的生存権規定は、「政府に対しては、軍備をもたず軍事行動をしない方法で国際平和実現の道を追求する星和施策の遂行を法的に義務づけ、そして国民には、政府が平和政策をとるよう要求し、また自らの生存のための平和的環境をつくり維持することを各自の権利として保障したもの、と解することができる。そして、この、前文に直接の根拠をもつ平和的生存権は、九条で具体化された上で、一つには、一三条をはじめとする第三章各条項に定められた諸人権と結合して機能し、また、一つには、第三章の各人権がカバーしていない領域ではそれ自身が独自の意味をもつ人権として働くものであるといえる」と、まとめる。
 この上で、沖縄の闘い(沖縄裁判)は、「平和的生存権の多様な規範的意味を逐一具体的に明らかにしたわけであり、それは、今日の平和的生存権論を豊富化・豊穣化しまたそのことによりこの権利を裁判規範たりうる具体的権利と認めることに大きく寄与するものといえるのである。」とする。

 最後に、「沖縄問題解決の道には、繰り返し様々な障が立ちはだかる。その過程で、平和的生存権もまた、試練を受け、それをとおしてより豊かなものに育っていく。沖縄が発信する、人々の平和に生きる権利のありようについての問いかけに、耳を傾け、これを共有して、平和憲法学の構築にあたらなければなるまい。」と、自らの決意を表明する。

 辺野古新基地建設に明確に反対していく上で、この小林の平和的生存権を深く理解する必要がある。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-13 06:10 | 本等からのもの | Comments(0)

沖縄から-損傷したサンゴ94群体のうち、9割を超える89群体が県の岩礁破砕許可区域外

 沖縄防衛局は、2015年4月10日、大型コンクリートブロックによる損傷が確認されたサンゴ94群体のうち、9割を超える89群体が県の岩礁破砕許可区域外であることを明らかにした。
 このことについて、沖縄タイムスは、「許可区域外で多くのサンゴの損傷が確認されたことで、許可取り消しの判断にも影響を与えそうだ。」と、伝えた。

 一方、2015年4月11日の沖縄タイムスは、「抗議船3隻とカヌー隊21艇は午前9時ごろに出港。カヌー隊は、臨時制限区域を示すフロートの内外で海上保安官に一時拘束されたが、午後0時半までに全て解放された。」と、伝えている。

 安部晋三政権(沖縄防衛局)の強硬に強硬を重ねるやり方に法的瑕疵がある以上、辺野古新基地建設を早急に中止しなければならない。

 以下、沖縄タイムスの引用。


沖縄タイムス-辺野古損傷サンゴ、9割超が許可外 知事判断に影響も-2015年4月11日


 【東京】沖縄防衛局は10日、名護市辺野古の新基地建設に関連し、大型コンクリートブロックによる損傷が確認されたサンゴ94群体のうち、9割を超える89群体が県の岩礁破砕許可区域外であることを明らかにした。県はこれまで許可区域外の1カ所でサンゴ礁の損傷を確認しているが、より多くのサンゴが区域外で損傷を受けたことになる。

 防衛局は今年2月、新基地建設に伴う海上作業で、ブイ(浮標)を固定するための重しとして使った大型コンクリートブロックがどの程度サンゴを傷つけたのか設置した計75地点を調査。

 9日の第4回環境監視等委員会で94群体のサンゴが損傷していたことを明らかにしていた。

 翁長雄志知事は今年2月、県の調査で見つかったサンゴの損傷が、許可区域外の可能性が高いとして問題視。国に海上作業の停止を指示し、岩礁破砕の許可取り消しも検討している。

 許可区域外で多くのサンゴの損傷が確認されたことで、許可取り消しの判断にも影響を与えそうだ。(大野亨恭)


沖縄タイムス-辺野古沖作業続く 抗議のカヌー一時拘束-2015年4月11日


 名護市辺野古で進む新基地建設で、沖縄防衛局は11日、辺野古沖のボーリング調査とみられる作業を続けた。沖のスパット台船2基から海中に掘削棒が降ろされ、船上に作業員の姿が確認できた。

 抗議船3隻とカヌー隊21艇は午前9時ごろに出港。カヌー隊は、臨時制限区域を示すフロートの内外で海上保安官に一時拘束されたが、午後0時半までに全て解放された。

 米軍キャンプ・シュワブゲート前では、午前11時ごろまでに島ぐるみ会議メンバーら100人以上が集結。「基地は造らせないぞ」「辺野古の海を守ろう」と抗議の声を上げた。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-12 06:13 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-「辺野古基金」が設立

名護市辺野古の新基地建設に反対し、「辺野古基金」が設立されることになった。
 このことについて沖縄タイムスは、この基金について「寄付金は辺野古反対の民意を広くアピールするため、国内や米国のマスコミへの意見園4月10日広告、米国内でのロビー活動などに充てる予定。関係者によると、数億円規模を目標にする。」と、報じた。
 なお、この基金の代表者は、「金秀グループの呉屋守將会長、かりゆしグループの平良朝敬CEO、沖縄ハム総合食品の長濱徳松会長、前嘉手納町長の宮城篤実氏に加え、県外在住者では元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、菅原文子さん」とされている。

 辺野古新基地建設反対に向けた広範な闘いのあり方は、重要である。

「辺野古基金」の振込口座は、次のとおりである。

「辺野古基金」口座番号は(店番号)(口座番号)の順で、県労働金庫県庁出張所953、3406481、琉球銀行県庁出張所251、185920、沖縄銀行県庁出張所012、1292772、沖縄海邦銀行県庁内出張所102、0082175。

 以下、沖縄タイムスの引用。


沖縄タイムス-「辺野古基金」が発足 菅原文太さん妻も代表に 米で意見広告-2015年4月10日


 名護市辺野古の新基地建設に反対する県議や県内企業の代表らは9日、那覇市内で記者会見し「辺野古基金」の設立を発表した。共同代表に、昨年11月に死去した俳優菅原文太さんの妻・文子さんら6人が就任した。寄付金は辺野古反対の民意を広くアピールするため、国内や米国のマスコミへの意見広告、米国内でのロビー活動などに充てる予定。関係者によると、数億円規模を目標にする。

 与党県議でつくる準備委員会の新里米吉氏(社民・護憲)が、共同代表の名簿を発表した。

 金秀グループの呉屋守將会長、かりゆしグループの平良朝敬CEO、沖縄ハム総合食品の長濱徳松会長、前嘉手納町長の宮城篤実氏に加え、県外在住者では元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、文子さんの2人が就任した。

 5月の設立総会までに翁長雄志知事に相談役への就任を依頼し、本土の有識者や著名人にも共同代表就任の打診を進める。

 会見に同席した翁長知事は「たいへん頼もしい。沖縄の実情を米ワシントンにも伝えねばならない」と述べ、基金を通じて辺野古移設反対の民意を国内外に発信する効果に期待した。

 会見では長濱会長が、沖ハムグループから100万円を寄付。呉屋会長も金秀グループの経常利益1%相当を基金に充てる考えを発表した。

 問い合わせは金秀本社内の事務局、電話098(868)6611。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-11 06:11 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-伊方原発が3カ所目の合格へ。


 愛媛新聞は2015年4月10日、「四国電力は9日、愛媛県伊方町にある原発3号機の年内再稼働を目指し、原子力規制委員会の新規制基準適合審査会合での指摘事項を反映させ『原子炉設置変更許可』の補正申請書を来週前半に、規制委へ提出する方向で準備中と明らかにした。
 これを受けて、規制委員会は「『合格証』となる審査書案の作成に入る。」ことになる。したがって、このままでは、伊方原発は新規制基準に適合する3カ所目の原発となる見通しである。

 以下、毎日新聞及び愛媛新聞の引用。


毎日新聞-伊方原発:3カ所目の合格へ 新規制基準に適合-2015年04月09日


 原子力規制委員会は9日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働に向けた安全審査会合を開き、残る課題となっていた火山噴火対策を確認し、安全対策の審査を実質的に終了した。四電は近く、審査を踏まえた安全対策を盛り込んだ原子炉設置変更許可申請の修正文書(補正書)を提出し、規制委は「合格証」となる審査書案の作成に入る。伊方原発は新規制基準に適合する3カ所目の原発となる見通し。


愛媛新聞-伊方原発再稼働へ来週にも補正申請 四電方針-2015年04月10日


 四国電力は9日、愛媛県伊方町にある原発3号機の年内再稼働を目指し、原子力規制委員会の新規制基準適合審査会合での指摘事項を反映させた「原子炉設置変更許可」の補正申請書を来週前半に、規制委へ提出する方向で準備中と明らかにした。
 9日に東京であった審査会合の後、四電原子力部の黒川肇一副部長が報道陣に対し、提出時期について「来週前半にはやりたいとの目標で事務方が精力的に作業を進めている」と述べた。
 審査会合では、敷地に積もる火山灰の厚さを最大15センチに引き上げた影響について、四電が「堆積する火山灰の荷重に対し、原子炉建屋などの積載荷重には十分な余裕がある」などと説明した。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-10 13:52 | 書くことから-原発 | Comments(0)

2016年度から使われる中学校用教科書の検定結果を危惧する。

 文部科学省は2015年4月6日、2016年度から使われる中学校用教科書の検定結果を公表した。
このことについて、沖縄タイムスは2015年4月7日、「領土に関する教育を強化させた学習指導要領解説書に沿い、社会科(地理・歴史・公民)の全ての教科書が尖閣諸島について取り上げ、多くが『固有の領土』と記述した。中国船による領海侵入などに触れる教科書も目立つ。歴史では、沖縄戦や沖縄の米軍基地問題を手厚く取り上げた『学び舎(しゃ)』が新規参入し合格、教科書の選択肢が広がった。』と、報じた。
 また、「領土教育については、今春から使われる小学校の社会科教科書も全て尖閣・竹島を記述しており、義務教育から教える流れが鮮明になった。社会科で政府見解の明記などを求めた新検定基準も初めて適用され、政府の立場を教科書に記載する傾向が強まった。」としている。

 この検定結果の焦臭さについて、2015年4月8日の沖縄タイムス社説は「国家による教育への過剰な介入は危うさがつきまとう。特に周辺諸国とのあつれきを生みかねない領土問題や歴史認識についてはなおさらだ。時計の針が戦前に逆回転しているような印象さえ受ける。」と伝えた。
 
 安部晋三政権下での「教書改革」の初の検定である。
 「政府見解の記述を求めるのは実質的な『国定教科書』への回帰である。」との指摘は、この政権下の方法論の常套手段を言い当てている。

 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-04-10 06:10 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「アイヌ民族はもういない」なんてことが、許されるはずはない。

 各紙の社説を確認していたら、北海道新聞の2015年4月6日付の社説に気づきました。
「『アイヌ民族はもういない』。こんな乱暴な発言がインターネット上で飛び交っている。」ということについての反論でした。 

 その趣旨は、「政府や司法が民族としての確固たる認定をしている経緯を、いま一度確認しておきたい。」ということの確認であり、「それでも『いない』と強弁するなら、『負の過去』と向き合おうとしない歴史修正主義と取られても仕方あるまい。」との結論である。
 もちろん、「参加者から、格差社会のいらだちが少数者に向けられた面があるとの指摘がなされた。弱者や少数者へのいじめに結びつく側面にも敏感になるべきだ。」という指摘も頭に入れながら。

 次の北海道新聞の主張を、やはり、心に刻みたい。


「『好きこのんで文化や言語を失ったわけではありません』。伝承者の萱野茂さんは生前、こう繰り返した。明治以降の同化政策によって文化を奪われたとの主張だ。
 この言葉の重みをかみしめたい。固有の文化が希薄化していることを理由にした民族否定論がいかに理不尽なものかが分かる。」


 以下、北海道新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-04-09 06:12 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

労働問題-労働基準法等の一部を改正する法律案」の閣議決定に反対します。

 安部晋三政権は、2015年4月3日、「労働基準法等の一部を改正する法律案」(以下「本法案」という。)を閣議決定した。
 これに対して、日弁連は、2015年4月6日、労働時間規制を緩和する労働基準法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明を出した。その中で、「本法案が、長時間労働の実効的な抑止策のないままに労働時間規制を緩和しようとすることに反対する。」としている。
 この声明での「本法案」への反対理由は、次にまとめられる。


(1)本法案においても、事業主は時間外労働に対する割増賃金を支払う必要がなくなり、長時間労働に対する歯止めが一層かかりにくくなることや、対象業務の範囲や年収要件の詳細が省令に委ねられ、対象範囲が容易に拡大される恐れがあることなど、依然として重大な問題が残されたままである。
(2)裁量労働制によれば、労働の量や期限は使用者によって決定されるため、命じられた労働が過大である場合、労働者は事実上長時間労働を強いられ、しかも労働時間に見合った賃金は請求し得ないという問題が生じる。よって、長時間労働が生じる恐れのある裁量労働制の範囲の拡大は慎重に検討されるべきである。
(3)本法案には、労働時間の量的上限規制や休息時間(勤務間インターバル)規制のように、直接的に長時間労働を抑止するための実効的な法制度は定められていない。我が国では、一般労働者(フルタイム労働者)の年間総実労働時間が2013年時点で2000時間を超え(第103回厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会資料及び厚生労働省「毎月勤労統計調査」から)、他の先進国と比較して異常に長く、労働者の生命や健康、ワークライフバランス保持、過労自殺及び過労死防止の観点から、長時間労働の抑止策は喫緊の課題であるが、これに対する実効的な制度が定められていないことは大きな問題である。


 これまた、反対の運動を続けていくしかない。

 以下、日弁連会長声明の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-04-08 06:30 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄から-翁長雄志沖縄知事との初会談を考える。

 朝日新聞は、「菅義偉官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全体で受け止めたい。」とした。
 まさしく、この主張が今の辺野古新基地建設をめぐる状況への解決策の方向性を言い当てている。
 少なくとも、京都新聞の「ここは作業をいったん止めて話し合いを深めるべきだ。安倍首相も沖縄に出向き、早期に対話に応じる必要がある。ごり押しは許されない。」ということを安部晋三政権は、肝に命じるべきだ。
 ここで、2015年4月6日付の各新聞社の社説を挙げてみる。産経新聞以外になる。
 一つには、「沖縄県民の民意の重さ」を言い表している。
 「国と沖縄の対話 対等な立場で進めねば」
「翁長・菅初会談 民意の重さ受け止めよ」
「辺野古初会談  民意に向き合ってこそ」
「菅氏と翁長知事初会談 沖縄の民意をまず誠実に聞け」
 「[翁長・菅初会談]菅流 上から目線にノー」
「菅・翁長会談―『粛々と』ではすまない」
 また、もう一つは、新しい道を探れという主張である。
「【菅・翁長会談】辺野古以外の道も探れ」
「翁長・菅会談 自治の抑圧 即時やめよ 辺野古移設の断念を」

 新聞社の社説を見ていると、安部晋三政権の強権的施策に大きな違和感を覚える。

 以下、各新聞社の社説・主張の要約。

(1)北海道新聞
「米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画について、両氏の主張は平行線をたどった。国と沖縄との話し合いは今後も継続していく方向だ。一方で辺野古での工事が進むのでは納得できない。沖縄の民意に寄り添う気持ちがあるなら、まず工事を停止し、対話を通して理解を得る努力をするのが筋だろ」
「その一方で国が着々と工事を進めていくのではとても対等な話し合いにはならない。これまでの経緯の中でも、国側の強引さは際立っている。」
「地方自治に十分配慮して丁寧な合意形成を図ることが肝心だ。」
(2)中日新聞社説
「辺野古に米軍基地を新設する政府方針を伝えるだけでは、沖縄県民の思いを踏みにじるだけだ。安倍政権には、民意の重さを受け止め、沖縄の過酷な歴史や負担の重さを直視する誠実さが必要だ。」
「そもそも安倍政権は、沖縄の民意を軽く見ているのではないか。菅氏は翁長氏との会談前、昨年の知事選について『選挙結果は基地賛成、反対の結果ではないと思う』と述べた。政権に近い国会議員や識者も同趣旨のことを述べ始めている。とんでもない詭弁(きべん)だ。」
「選挙に表れた沖縄県民の民意をあえて見ようとしないのは、民主主義国家のあるべき姿なのか。」
「安倍政権は、沖縄が強いられた過酷な歴史と向き合い、選挙に表れた民意に深く思いを至らせるべきだ。県民に寄り添う気持ちがあるのなら、県内移設の強行など安易にできないはずである。」
(3)京都新聞
「遅きに失したとはいえ、ようやく実現した会談である。話し合いは平行線に終わったが、政府は移設への『アリバイづくり』にせず、沖縄の民意に真摯(しんし)な姿勢で向き合う契機としなければならない。」
「本土防衛のために県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦を経て、戦後も安全保障のために在日米軍専用施設の約74%を背負い続ける現実がある。それを『差別』と受け止める県民感情にどう向き合うか。政府のみならず、国民全体が問われている問題である。」
「ここは作業をいったん止めて話し合いを深めるべきだ。安倍首相も沖縄に出向き、早期に対話に応じる必要がある。ごり押しは許されない。」
(4)愛媛新聞
「国と沖縄県がようやく直接会談の場を持ち、対話継続を確認できた意義は大きい。しかし、あまりに遅きに失しよう。しかも菅氏は会談直後、『工事を進める考えに変わりはない』と断言した。会談しようがしまいが結論ありきで沖縄の『民意』など一顧だにする気がないと明言したに等しい。頑迷な安倍政権の姿勢に、強い憤りを禁じ得ない。まずは直ちに移設工事を中断し、誠実に地元の声に耳を傾けるべきだ。」
「『この期に及んで』」の沖縄の『ノー』は、長年の国への不信感と沖縄の将来を見据えた、やむにやまれぬ思いの発露である。その覚悟を、決して踏みにじってはならない。」
(5)高知新聞
「かつての米軍再編計画で普天間の移設は、在沖縄海兵隊約8千人のグアム移転とセットで実施することになっていた。それが8千人の半分強を先行移転させる方針に変わっている。沖縄に集中する海兵隊が攻撃されれば、米軍は大打撃を受けかねない。そこでグアムの拠点化を急ぎ、沖縄からの分散化を進める狙いが指摘されている。そうであるなら普天間の移設ではなく閉鎖も、選択肢として浮上してくるのではないか。」
「『この道しかない』は安倍政権の決まり文句である。だが政府が本当に負担軽減を図ると言うなら、辺野古一本に絞るのではなくさまざまな可能性を検討するべきだ。菅氏だけでなく安倍首相も翁長知事と会い、原点に立ち戻って議論をやり直す時である。」
(6)琉球新報
「『キャラウェイ高等弁務官の姿が思い出される』 就任以来ようやく実現した菅義偉(よしひで)官房長官との会談で、翁長雄志知事が言い放った。」
「名護市長選、知事選、衆院選で示された辺野古移設反対の民意が存在しなかったかのように振る舞うことは『自治は神話』で日本は独裁国家と言うに等しい。」
「看過できないのは、なぜ知事にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)沖縄誘致の話を持ち出すのか。USJは民間企業である。まるで国営企業のようではないか。勘違いも甚だしい。あまりにも露骨な懐柔策だ。
 知事は普天間飛行場が沖縄戦の最中に住民から土地を奪って建設された史実を語った。戦争中に民間地の奪取を禁じるハーグ陸戦条約に違反する行為であり、日本が降伏した時に、返されるべき施設である。それを70年もの長きにわたって占拠し続ける米国の異常さを認識すべきである。
 代替の新基地を求めること自体もっての外だ。日本政府が米国の不当行為に加担して、普天間の危険性除去のために沖縄が負担しろというのは、知事が主張するように『日本の政治の堕落』でしかない。」
(7)沖縄タイムス
「新基地建設に反対する沖縄側の覚悟と、問題の原点である『安保の過重負担の解消』を突き付けた意義は大きい。」
「辺野古移設で菅氏がよく使う『粛々と』という決まり文句についても、『上から目線の言葉』と指摘し、県民の多くが感じていることを代弁した。」
「政府が本気で『一日も早い危険性の除去』を考えているのであれば、仲井真弘多前知事が官邸と約束したという『普天間の5年以内の運用停止』を何が何でも実現させるべきである。5年以内の運用停止は『あり得ない』と表明している米側に対し、政府はどのような対応を取ってきたのか、それを語ることが先決だ。佐賀空港へのオスプレイの移駐についても、どうなったのか聞きたい。普天間問題の原点は過重負担の解消だった。安全保障のコストを日本全体で分かち合うという、そもそもの課題にも方向性を示していない。」
(8)朝日新聞
「菅義偉官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全体で受け止めたい。」
「戦後70年間、沖縄の米軍基地撤去のために、政府がどれほどの努力をしてきたのか。日本の安全保障政策は常に基地負担にあえぐ沖縄の犠牲の上で成り立ってきた現実を、今こそ国民に見つめてほしい。翁長氏の指摘は、そんな重い問いかけだととらえるべきだ。」
「そのためにまず、辺野古で進める作業を中止すること。それが話し合いに臨む最低限のルールではないか。もはや『粛々と』ではすまない。
(9)産経新聞
「焦点である米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる主張はすれ違いに終わった。それでも、遠く離れて批判しあうのではなく、顔を見ながら言葉を交わした意味は小さくないはずである。」

 最後に、安部晋三政権は、「粛々と」という表現が、民主主義をどれほど愚弄しているかについて、気づかなければならない。

 以下、各新聞社の社説及び主張の引用。



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by asyagi-df-2014 | 2015-04-07 18:30 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-米、残業代ゼロ見直し検討

 残業代をゼロ法案について、その見本とされる米国で見直しに作業に入っていることを、共同通信は2015年4月6日に報じた。
 安部晋三政権は、閣議決定を早期にやり直しをする必要がある。

 以下、共同通信の引用。


共同通信-米、残業代ゼロ見直し検討 日弁連が現地調査報告-2015年4月6日


 日弁連は6日までに、管理職や専門職の人を労働時間規制から外し残業代をゼロにする「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」を導入している米国を現地調査し、収入要件の額が低すぎ職種の規定も曖昧なため、残業代が支払われない労働者が増えているとして、オバマ大統領が制度見直しを指示しているとの報告をまとめた。

 安倍政権が導入を進める「高度プロフェッショナル制度」も、一部労働者を残業代ゼロにする仕組み。政府は同制度を柱とする関連の改正法案を閣議決定したが、米国の動きは今後の国会の論戦に一石を投じそうだ。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-07 06:15 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄から-会談で知事「新基地できぬと確信」。

 沖縄タイムスは、翁長雄志知事と菅義偉官房長官の会談について、「『基地問題で後退することはまったくない。県の行政手続きの中でありとあらゆる手段を用いる』と述べ、移設阻止への決意をあらためて強調した。」と、報じた。

 辺野古に新基地建設を許さない闘いに、繋がろう。

 以下、沖縄タイムスの引用。


沖縄タイムス-辺野古断念を要求 知事「新基地できぬと確信」-2015年4月6日


 翁長雄志知事は5日、那覇市内のホテルで就任後初めて、菅義偉官房長官と会談した。両者は普天間飛行場の返還問題で主張を述べ合い、知事は「辺野古の新基地は絶対に建設できないと確信を持っている」と県内移設断念を求めた。これに対して菅氏は「辺野古移設は唯一の解決策」「移設の断念は普天間の固定化にもつながる」と従来の二者択一論を強調し、平行線をたどった。知事は安倍晋三首相との会談を菅氏に要望した。

 知事は会談後、記者団に「基地問題で後退することはまったくない。県の行政手続きの中でありとあらゆる手段を用いる」と述べ、移設阻止への決意をあらためて強調した。

 知事は会談の冒頭で、菅氏が記者会見などで繰り返す「移設を粛々と進める」との発言に、時間を割いて反論。「問答無用という姿勢が感じられる。上から目線の言葉を使えば使うほど県民の心は離れ、怒りは増幅していく」と指摘した。

 復帰前の米軍施政権下で「沖縄の自治は神話」と発言した米国民政府トップを引き合いに「官房長官の言葉が全国放送で出てくると、キャラウェー高等弁務官の姿が思い出される」と痛烈に批判した。

 沖縄に米軍基地が集中した経緯として「沖縄県が自ら基地を提供したことはない。銃剣とブルドーザーで強制接収された」と説明。

 「県民に苦しみを与えておいて、世界一危険な飛行場の危険除去のために(代替施設を)沖縄が負担しろ、お前たち(移設先の)代替案は持っているのか、という話がされること自体、日本の政治の堕落ではないか」と述べ、県内移設の不当性を訴えた。

 昨年の名護市長選、知事選、衆院選で辺野古移設に反対する候補が勝利したにもかかわらず、菅氏が「争点は辺野古だけではなかった」と発言したことにも反論。

 知事選を例に挙げ「私と前知事は、埋め立て承認以外に政策の違いはない。争点はただ一つ、埋め立て承認の審判が問われた」と述べ、辺野古移設反対の民意が明確に示されたとの認識を強調した。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-06 06:39 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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