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本からのもの-水俣病事件と認定制度

著書名;水俣ブックレット 水俣病事件と認定制度
著作者;宮澤 信雄
出版社;熊本日日新聞

 宮澤は、水俣病事件の混迷の歴史はこれからも続くとし、その原因は、「この国の水俣病政策に根本的な誤りがあるからに他ならない」と論破します。
 水俣病は終わっていないということについて、その原因が何だったのかについて、認定制度の問題から説明してくれます。それは、次のような政策的な誤りがあったからだと。
 まず1点目は、「水俣病五十年の歴史を振り返ると、行政が選んだのは、被害拡大を防ぐ対策ではなく、水俣病によってチッソ水俣工場のアセトアルデヒドの生成(その時出る排水が水俣病の原因だった)が妨げられないようようにする対策」だったということ。
 2番目は、行政が選んだ政策は、認定制度の運用によって被害者を少なくすること、被害がなかったように見せかけることではなく、認定制度は終始、医学的と見せかけながら、実は補償負担者の都合に合わせて運用されてきたということでした。
 そして、最高裁判決(2004年10月15日)が最終的に被害者側の主張を認めたにもかかわらず、政府、環境省はその政策的誤りを認めないだけでなく、それすら聞き入れようとしない姿勢を続けているという実態があるとも。だから、これからも混迷は続いていくと。
 さらに、「水俣病そのものの制度への取り込み」があったと指摘する。
 「汚染魚介類を食べて神経症状を現すことが事実上の水俣病発症である。ところが、発症した人が認定制度にのっとって申請し、検診を受け、審査会にかけられ、水俣病だと認定されて、はじめて水俣病とされる。一方、水俣病を発症していても、申請しなければ、検診を受けても症状が的確に拾われなければ、さらに審査会で水俣病とされなければ、認定制度上は水俣病ではなく、水俣病被害者はいないことにされる。こうして、制度の運用次第で患者の数や「発生」そのものが操作される。」
 また、村山富市首相の「水俣病問題の解決に当たっての談話」についても、政治解決が事件史を無視した「まやかし」であることをかえって露わにするものだと、切ってみせる。 さらに、ここでの「公健法上の未認定患者は水俣病被害者ではないという前提は、水俣病の被害をなかったことにして問題解決を図ったものということができる。そして、『最終解決』や『もやい直し』の呼び声に包まれて、『苦渋の選択』をした人たちは、『水俣病の被害者と認められることで人権を回復する機会』を放棄させられた」と。
最高裁は、大阪高裁判決(国・熊本県が1960年以降排水規制を怠ってことについて賠償責任を認め、原告のほとんどをメチル水銀被害者とする原告勝訴の判決)を追認した。 しかし、政府はこの判決に従うことはしなかった。
宮澤は、このことは、「それは取りも直さず、行政が確信犯的に三権分立の理念を踏みにじっている」ことであると言い当てる。

 こうした宮澤の分析に、大いに頷く。
 水俣病における政府の背信行為にいては、2014年5月21日の「関西電力大飯原発3、4号機をめぐり、住民らが関電に運転の差し止めを求めた訴訟の判決」のその後を思い起こさせる。すでに、原発の再稼働については、司法基準と政府(規制委員会)基準が存在すると、言われている。
 宮澤の水俣病事件における指摘は、原発問題のこれからの収集の仕方を暗示させるものである。
 水俣病事件が終わらないように、このままでは、原発問題も終わらせないシナリオに当てはめられてしまうことになる。
 では、どうするか。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-21 05:34 | 本等からのもの | Comments(0)

集団的自衛権-国会集中審議を考える

2014年7月14日と15日の集団的自衛権の集中審議について、2014年7月16日の全国の新聞社の社説を比べてみた。
 いささか、長文になる。
 
 河北新報の社説(7月16日)は、「自衛権集中審議/国民の疑問深まるばかりだ」としている。
以下、河北新報の引用。


 答弁を重ねるほどに「明確な危険」の範囲が広がり、「必要最小限度」の規模が変化して、自衛隊の活動に歯止めが利かなくなる恐れが高まる。
 そんな懸念が浮き彫りになり、安全保障政策の大転換に対する国民の不安を払拭(ふっしょく)するどころか、増すばかりではないか。
 集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を踏まえて14、15両日、衆参両院の予算委員会で行われた集中審議である。
 閣議決定後初めての国会論戦。安倍晋三首相は、ときに野党の質問をはぐらかす一方で、閣議決定を補足する説明で踏み込んだ答弁を繰り出し、集団的自衛権をめぐり自衛隊に認める「武力行使3要件」の曖昧さが抱える危うさを、あらためて見せつけた。
 「明白な危険」など3要件で明示した「限定容認」の不明瞭さが浮かび上がり、武力行使の範囲や規模が政府の裁量でより幅広く認定される可能性があるということだ。
 安倍首相らは14日の衆院予算委で、同盟国の米国が攻撃を受けた場合や、石油供給が絶たれて日本に打撃を与えるような経済危機は、行使の可否を判断するケースに当たり得る、との認識を明らかにした。
 中東における機雷掃海は受動、限定的と容認し、国連決議で侵略国を制裁する集団安全保障への参加も3要件の範囲で可能とした。
 15日の参院予算委では、3要件の一つ「必要最小限度」の武力行使について、相手国の攻撃の規模や態様によって変わり得る、との認識も示した。
 歯止めの機能不全状態につながりかねず、国民の懸念が募るだろう。
 「密接な関係にある他国」も、米国以外は「相当限定される」と、日米同盟強化の手段とする本音を隠さない。台頭する周辺国への抑止力を期待し、米国に見捨てられないための緊密な関係の構築を、ということだろうか。国力に陰りが見えるとはいえ、基地を提供する代わりに守ってもらう、日米安保条約の根幹が揺らごう。
 米国への協力が存立を脅かされない要諦だとすれば、その分米国の戦争に引き込まれるリスクは高まる。覚悟を問われた安倍首相は深入りを避けた。政治に必要な国民への誠意や説得の姿勢を欠いていないか。
 集団的自衛権行使による防衛は自国、他国を区別しない。国際的に使い分けは通用しにくく、そこにも自衛限定の論理が破綻しかねない一端がのぞく。
 安保政策は日々の暮らしとの関わりが薄く、論議も専門的になりがちだ。分かりづらい抽象的な議論を重ねても国民に届かない。安倍首相は説明責任を尽くし、野党は具体的な課題を示し追及してこそ、是非が明確になる。ともに責任は重い。
 集団的自衛権行使が今なぜ必要で、3要件の歯止めが有効に機能するのか。国民が最も知りたい論点への議論が2日間の日程では足りない。引き続き、審議の機会を持つべきである。


 東奥日報(7月16日)は、「議論不十分が浮き彫り/『集団的自衛権』審議」としている。
 以下、東奥日報の引用。

 集団的自衛権の行使容認で、国民の生命や平和な暮らしを守れるのか。なぜ戦後日本が守ってきた「専守防衛」を維持できると言えるのか。疑念は晴れるどころか、深まった。

 集団的自衛権の行使容認をめぐる衆参両院予算委員会の集中審議が終了した。

 安倍政権が憲法解釈の変更による行使容認を閣議決定して以降、初の国会論戦だった。だが、政府側が限定的な行使を強調しながら、政府の裁量で幅広く行使が認定されかねないという矛盾が露呈した。

 自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の制定など、新たな政府の方針も次々に明らかになった。

 やはり2日間の議論では不十分過ぎる。法整備を進める前に論点を整理し、もっと時間をかけて国会で議論を尽くすべきだ。

 審議で安倍首相は再三、新たな武力行使の3要件が「厳格な歯止めになる」と強調した。

 3要件にある「明白な危険」については「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、わが国に戦禍が及ぶ蓋然(がいぜん)性、国民が被る犠牲の深刻性、重大性などから判断する」とした。

 しかし、具体的にどのような事例に限るのか、厳格な歯止めとなる根拠はあいまいだ。政府の裁量で認定の幅が拡大される可能性は否定できない。

 首相が持ち出したのが、中東の海上交通路(シーレーン)での機雷掃海活動である。石油の供給不足により、「国民生活に死活的な影響が生じ、わが国の存立が脅かされる事態は生じ得る」とし、3要件に当てはまるとの考えを示した。

 機雷掃海は国際法上は武力行使に当たる。民主党の岡田克也元代表が「機雷除去から戦闘行為になる可能性はないとはいえない」と指摘したのは当然だ。

 首相はまた、3要件を満たせば、米艦防護や米国に向かうミサイル迎撃など、政府が与党に示した8事例の全てに対応ができるとの見解も表明した。

 自衛隊に認める「必要最小限度」の武力行使については、「密接な関係にある他国に対する武力攻撃の規模、態様に応じて判断する」と述べた。武力行使が際限なく広がりかねないという懸念は強まる。

 首相は、集団的自衛権の行使容認を、年内改定を予定する日米防衛協力指針に反映させる考えだ。一方、秋の臨時国会には関連法案を提出せず、来春以降に先送りするという。

 10月の福島県知事選、11月の沖縄県知事選や来春の統一地方選への影響をにらんでいるのは明らかだ。

 共同通信社の世論調査では、憲法解釈変更の閣議決定について「検討が十分に尽くされていない」との回答が82%に上った。

 首相は「国民に丁寧に説明し理解を求める」と言明した。ならば国民と誠実に向き合い、説明責任を果たす機会を設けるべきだ。国民を「蚊帳の外」に置いたまま、行使容認への法整備を進めてはならない。



 京都新聞(7月16日)は、「自衛権集中審議 『歯止め』が曖昧すぎる」と。
 以下、京都新聞の引用。

 あらためて「歯止め」の曖昧さが浮き彫りになった。
 集団的自衛権の行使容認をめぐり衆参両院の予算委員会で2日間の集中審議が終わった。閣議決定後、初の国会論議で安倍晋三首相は「限定容認」を強調し、武力行使の新3要件が「厳格な歯止めになる」と述べた。
 新3要件は他国への攻撃でも国民の権利が根底から覆される「明白な危険」がある場合、必要最小限度の行使を認める。だが時の政権の裁量で幅広く適用される恐れがある。
 安倍首相は、中東のホルムズ海峡が機雷封鎖されて原油輸入に支障が出る例を挙げ、日本に打撃を与える経済危機も該当し得るとの見解を明言。中東での機雷掃海への自衛隊派遣に言及した。
 停戦前の掃海は国際的に武力行使と見なされるうえ、地理的制約を明記しなかった閣議決定を一歩踏み込んだといえる。
 また、同盟国の米国が攻撃を受けた場合も該当する可能性があるとし、武力行使を伴う集団安全保障も容認した。これでは「限定容認」と言い難い。「新3要件は一見厳しいが、何の限定もしていないに等しい」(岡田克也民主党元代表)との批判は当を得ている。
 安倍首相は自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の制定を検討するとも述べたが、なし崩しに海外任務拡大が進まないか。
 閣議決定直後の共同通信社の世論調査で、行使容認への反対が54・4%と賛成を大きく上回った。多くの国民が十分に検討を尽くしていないと答えた。
 国民の疑問に説明責任を果たすべき安倍首相は、行使容認の意義は持論を得得と展開する一方、質疑をはぐらかす応答が少なくなかった。特に自衛隊員を危険にさらすリスクは終始答弁を避けた。これでは議論はかみ合わない。
 安全保障政策の大転換は、世論が割れる重要な問題だ。本来なら日程をたっぷり取って審議すべきであるのに、集中審議は衆参ともわずか1日ずつだった。
 与党は首相らの外遊日程を理由に日程拡大を拒否したが、閣議決定を懸念する世論のほとぼりを冷ましたい意図が透ける。野党側も行使容認への立場の違いもあって迫力を欠く質疑が目に付いた。
 安全保障関連の法案提出は、来年の通常国会に先送りされる見通しながら、生煮えの論議では国民の政治に対する不信が募る。
 臨時国会でも審議を重ね、与野党ともに国民が納得できるよう議論を積み上げるべきだ。



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by asyagi-df-2014 | 2014-07-20 13:00 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

パレスチナ-ガザ続報(国連事務総長、和平調停で現地へ)

 ガザの続報について、朝日新聞の記事を、以下引用

 イスラエル軍は18日、パレスチナ自治区ガザに対する地上侵攻を拡大した。攻撃はイスラエルとの境界に近いガザ市東部や南部の住宅地にも及び、市民に被害が広がっている。

 イスラエル軍は予備役を含め5万人以上の兵力をガザ周辺に展開。空爆や戦車の砲撃に続けて地上部隊を進め、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエル侵入用に掘ったトンネルなど「240カ所のテロ施設を破壊した」と発表した。地元メディアは軍関係者の話として「地上作戦は少なくとも1、2週間は続く」との見通しを示した。

 イスラエル軍の空爆が始まった8日以降、ガザでは子ども50人以上を含む約280人が死亡。2千人以上がけがをしている。一方でガザからのロケット攻撃は18日だけで100発を超えた。イスラエル側にも新たなけが人が出ている。

 ネタニヤフ首相と同日電話で協議した米国のオバマ大統領はイスラエルの行動を「自衛」として支持する一方、増え続けるガザ側の市民の被害に懸念を示した。17日にイスラエルとハマスに対して停戦案を示したエジプト政府は再度、停戦を双方に呼びかけたものの、戦闘は拡大に向かっている。(エルサレム=渡辺淳基)


 イスラエル軍が、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻に踏み切ったことを受けて、国連安全保障理事会は18日、緊急会合を開いて対応を協議した。出席した国連のフェルトマン事務次長(政治担当)は潘基文(パンギムン)事務総長が19日に現地へ向かい、和平調停にあたると発表した。今回の軍事衝突で国連事務総長が現地入りするのは初めて。

 会合にはパレスチナのマンスール国連大使と、イスラエルのプロソル国連大使も出席を許可された。

 マンスール氏は「イスラエルの残虐な攻撃は正当化できない。自衛ではない」と非難し、イスラエルの軍事攻撃非難と停止を求める安保理決議の採択を要求。安保理が動かなければ、国際刑事裁判所などの国際法廷で、イスラエルの責任を追及する考えを示した。

 これに対し、プロソル氏は「ハマスは子どもを乗せた救急車を使って、テロリストをガザのあちこちに配備している」と述べ、ハマス側が子どもを巻き添えにしていると非難。「我々の軍隊はガザで戦っているが、ガザの人々とは戦っていない」と強調した。

 この後、15理事国が自国の見解を述べた。早期停戦の実現や市民保護の強化では一致したが、その実現に向けて、安保理としてどのような対応を取るかの議論には進展しなかった。(ニューヨーク=春日芳晃)


by asyagi-df-2014 | 2014-07-20 05:57 | パレスチナ | Comments(0)

沖縄から-辺野古24時間厳戒

辺野古の状況が緊迫を増している。
 沖縄タイムスは、2014年7月17日に「ブイ設置、迫るXデー」と、報じている。
「安倍晋三首相は6月に来県した際、辺野古のボーリング調査について『しっかりと地元の方々、県民の皆さまに説明していきたい』と述べた。」という。このことに関しての「言葉と行動がまったく逆である。不誠実きわまりなく、県民を愚弄(ぐろう)するものだ。」との指摘にどのように答えさせることができるのか。
 安部晋三政権そのものの愚劣さが極まっている現在、沖縄は、追い込まれている。いや、日本自体が追い込まれている。少なくとも強権発動は許されない。
 以下、沖縄タイムス記事引用。

 名護市辺野古の新基地建設で、浮標(ブイ)設置の「Xデー」が迫っている。関係者によると、米海兵隊の水陸両用訓練が休みになる20日、連休明けの22日や26日が有力という。防衛省は知事選前に「後戻りできない状況」をつくりだすため、当初計画の遅れを取り戻そうと懸命になる。一方、反対派住民は埋め立てに向けた海上作業の本格的なスタートと位置づけ、警戒を強める。(政経部・福元大輔、東京支社・比屋根麻里乃、大野亨恭)

 「なんでこんなに遅れているんだ。早く進めろ」。7月上旬、政府高官は官邸に呼び出した防衛省幹部に対し、机をたたきながら声を荒らげた。ブイの設置作業が大幅に遅れていることに怒りを爆発させたという。

 当初は6月20日に着手予定だった。現場職員を集め、「Xデー」に備えた講習会も開かれたが、キャンプ・シュワブ沖の常時立ち入り制限区域の拡大など、環境を整えるうちに延び延びになり、1カ月近くずれ込んでいた。

 施工区域を明示するブイ設置は、海底ボーリング調査、その後の実施設計、埋め立ての本体工事といった全体的なスケジュールに影響を与える。

 「米軍普天間飛行場の一日も早い危険性の除去」を掲げる仲井真弘多知事や自民党県連との関係もあり、9・5年かかる計画を可能な限り前倒しで完成させるのが防衛省の最重要課題だ。政府関係者によると、政府高官のあまりのけんまくに防衛省幹部は震え上がったという。

 防衛省の一部は事業を担当する沖縄防衛局へいらだちの矛先を向ける。幹部は「いつやるかは局が決めるが、いろいろ言いたいことは山ほどある」と吐き捨てる。逆に、局の関係者は「必要な手続きを進めているのに東京はまだか、まだか、とせかすばかり」と、いぶかしがる。

 前のめり気味の政府は、11月の知事選を視野に入れているのは間違いない。事業の過程で県との調整を残しており、埋め立てを承認した仲井真知事の在任中に少しでも先に進めたいのが本音だ。早い時期に海底ボーリング調査を終え、「静かな環境」で選挙期間を迎えたい思惑もある。

 反対派住民は知事選を「ラストチャンス」ととらえる。海に手を付けさせなければ、知事選の結果いかんで計画を止めるという望みを支えに、激しい抵抗をみせる構えだ。

 自民党関係者の一人は「政府は反対派の逮捕もちゅうちょしないだろう。今回は本気だという政府の姿勢の表れだ」と強調。防衛省幹部は「海保や県警は生ぬるい。強引に逮捕したら沖縄で暮らしていけないとでも思っているのだろう」と強硬な態度をちらつかせた。

 このことについて、沖縄タイムスの解説、以下引用

辺野古新基地、周到に準備 危険性増す可能性-2014年7月18日

 【解説】名護市辺野古の新基地建設で、防衛省が浮標(ブイ)設置や海底ボーリング調査などの海上作業に、キャンプ・シュワブ沖の立ち入り禁止区域の拡大のほかにも、幾重もの防御策を講じていることが判明した。過去の混乱を教訓に、反対派住民の阻止行動に対応するため、周到に準備し、厳戒態勢で臨む構えだ。

 ブイ設置やボーリング調査は米軍管理のシュワブ内から船を出し、沿岸部から沖へ向かって作業を進める。区域をフロート(浮具)で囲み、その周辺を警備会社のゴムボートや漁船で警戒することで、反対派を遠ざける狙いだ。

 関係者によると、大型船で海上からブイやフロートを運び、短期間で一気に進める計画もあったが、海上保安庁や県警が安全確保の観点から難色を示し、陸上輸送で資材をシュワブ内に運び込む方法に転じた。

 2004年のボーリング調査では、基地外の作業ヤードや港を使用。現場へ向かうまでに反対派のボートやシーカヤックに阻止され、最終的に中止に追い込まれた。当時もシュワブ使用を米軍に打診したが、米軍は実務上の役割を担うことに消極姿勢だった。

 今回はシュワブ内に作業場や浮桟橋を新たに設けるなど、海上作業の拠点と位置付けられる。日米両政府が強力に推し進める計画の実現に、米軍が理解を示したとみられる。

 ブイ設置は事業自体が防衛省内で秘密指定され、ボーリング調査を含め、着手時期は明かされていない。一方で、名護市長が新基地建設に反対するなど反対派の状況も04年と比べ大きく変わり、どのような阻止行動を展開するか見えない。

 防衛省は防御策の一つ一つを「安全、円滑に作業を実施するため」と強調する。ただ、住民との対話もなく、野放図に計画を進めれば、海上でつきまとう危険性への懸念は払拭(ふっしょく)されるどころか、逆に増大する可能性が高まっている。
(政経部・福元大輔)

 さらに、沖縄タイムス社説、以下引用。

辺野古緊迫、強権発動は許されない-2014年7月19日

 米軍キャンプ・シュワブ沖の広大な立ち入り禁止区域の境界にブイ(浮標)を並べ、海底ボーリング調査の足場周辺にフロート(浮具)を張り巡らす。ブイ周囲は、海上保安庁のゴムボートや民間警備船、警戒船が監視に当たる-。こんな異様な厳戒態勢を敷いてまで工事を強行するというのか。到底容認できない。

 米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古での新基地建設をめぐり、工事区域を示すために沖縄防衛局が準備を進めているブイ設置計画の概要である。防衛局は来週以降、ブイ設置に着手し、月内にボーリング調査を始める方針だ。作業期間の11月30日までに、延べ1252隻の警戒船を出す予定であるという。

 ブイ設置やボーリング調査は、シュワブ内から船を出し、沿岸部から沖へ向かって作業を進める。区域をフロートで囲み、周辺を漁船などで警戒し、反対行動を遠ざける狙いだ。シュワブへの資材搬入に備え、県警・海上保安庁、警備業者が連携を図り、基地のゲートなどを24時間体制で警戒するという。

 安倍晋三首相は6月に来県した際、辺野古のボーリング調査について「しっかりと地元の方々、県民の皆さまに説明していきたい」と述べた。言葉と行動がまったく逆である。不誠実きわまりなく、県民を愚弄(ぐろう)するものだ。

 名護市長選で示された地元の民意を無視し、半永久的な米軍飛行場を造ることに正当性はない。このまま新基地建設が強行されるなら、沖縄は「軍事植民地化」がさらに強化されるといわざるを得ない。
    ■    ■
 ボーリング調査では、辺野古沖の水深の深い12地点にスパット台船、9地点に単管足場を設置。潜水などで磁気探査を行った後、海底21地点を掘削する。

 防衛局が提出したボーリング調査の協議書で県は17日、岩礁破砕の許可は不要と判断し、調査実施を了承した。だが、県水産課による判断は漁業の観点からの了承であり、自然環境への影響は考慮されていない。

 日本自然保護協会は今月、辺野古の埋め立て予定地内で、5月半ばから7月初めにかけて約2カ月の調査で絶滅危惧種ジュゴンの食痕(しょくこん)が110本以上確認されたと発表し、埋め立て事業の中止と大浦湾の保全を求めた。

 ジュゴンの保護に関しては国際自然保護連合(IUCN)が、2000年、04年、08年と3度の勧告を出している。工事の強行は国際社会からの警告も無視することになるのである。
    ■    ■
 埋め立てを承認した仲井真弘多知事は、18日の記者会見で、辺野古の新基地建設への反対運動を念頭に「そう簡単ではない、と前にも申し上げた。今でも」と述べた。県民の生命、財産を守るべき知事の責務を忘れた人ごとのような発言だ。

 米軍統治下、基地建設のため住民は米軍の銃剣とブルドーザーによって暴力的に土地を接収された。新基地建設は、日本政府による現代版の「銃剣とブルドーザー」である。強権的に沖縄の軍事要塞(ようさい)化を進めるのは許されない。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-19 19:33 | 沖縄から | Comments(0)

ワークルールを学ぼう

 朝日新聞は、2014年7月15日、「『働く自分』学んで守ろう」とワークルールを学んで対抗しようとの記事をまとめた。
 以下、記事引用。


「働く自分」学んで守ろう パワハラ・過労…法令知って対抗:2014年7月15日


 長時間のサービス残業、パワーハラスメント、休日なしの連続勤務の常態化など、度を超えた会社の酷使からどう身を守るか。ワークルール(労働法令)を学んで対抗しようという動きが広がっています。
 ■NPO、検定実施
 大阪市のビルの一室で6月中旬、労働者の権利や義務など労働法関連の知識を問う「ワークルール検定」があった。初級は45分で20問を解く。時間外労働や最低賃金、不当解雇や採用内定取り消しなどの事例を取り上げ、選択肢の中から答えを選ぶ=表。7割の正答率で合格だ。

 受検した堺市の男性(42)は元化学メーカーの正社員。2008年のリーマン・ショックの影響で整理解雇された。その後は非正規労働者として職場を転々とし、5月に勤務先のIT企業で契約更新されず、失職した。「非正規になったあと、短期間で何度もクビを切られ、納得がいかない。労働者の権利と言っても黙っていたら権利はない」

 検定は、札幌市のNPO法人「職場の権利教育ネットワーク」が実施し、昨年は北海道と東京の5会場で623人が参加した。2回目の今年は、労働組合の中央組織・連合も実行委員会に加わり、大阪と福岡を含めた全国7会場で、926人が受検した。来年はさらに開催地を増やすという。

 同ネットは学校現場などで労働法の普及に取り組むが、理解がなかなか深まらないという。シンクタンク・連合総研が12年の勤労者意識調査で非正規労働者にも適用される制度について聞いたところ、時間外割増賃金の適用を知っていたのは約67%、有給休暇の取得は約62%、産前・産後の休業は約59%にとどまった。

 同ネットの小林幸一事務局長は「過労死やパワハラなど職場でぶつかる課題の解決には、キャリア教育よりワークルール教育が大切になっている。気軽に挑戦してほしい」と話す。

 ■高校生向け授業
 「会社に対しておかしいことはおかしいと自信を持って言えるために、働くルールを学ぶことが大切なんです」

 6月下旬、堺市の堺東高校の視聴覚教室。3年生280人を前に、NPO法人「はたらぼ」代表理事の中嶌聡さん(31)が語りかけた。「ブラック企業対処法」をテーマにした出前授業だ。

 元人材派遣会社社員の中嶌さんは08~12年、「地域労組おおさか青年部」で労働相談や団体交渉を担当。09年から労組や市民団体の会合で、長時間労働や残業代未払いなどの実態や、ワークルール習得の意義を話している。最近は大学や高校からの依頼が増えているという。

 この日の授業では、ブラック企業の特徴について(1)長時間労働(2)パワハラ・暴力(3)違法行為と説明。また、内定辞退を強要された大学生を支援して、内定先の会社と団体交渉した活動などを紹介した。

 社労士らでつくるNPO法人「あったかサポート」(京都)も、06年から京都の大学や高校を中心に出前授業を続け、昨年度は38回開いた。若者が集う労組「首都圏青年ユニオン」(東京)やNPO法人POSSE(同)も大学や高校で出張授業をしている。

 ■労働環境厳しく
 労働者が働く環境は厳しさを増している。
 「労働条件の最低基準を定めた労働基準法や働く人の安全と健康を守る労働安全衛生法があっても、過労死が止まりません」。6月に大阪市内で開かれたシンポジウムで、「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表は、違法な働かせ方が横行する労働環境への危機感を訴えた。

 厚生労働省によると、労災認定された過労死のうち、脳や心疾患で亡くなった人は13年度133人。5年連続で100人を超え、増え続けている。うつや自死に至る精神障害は、12年度475人と3年連続過去最多を更新し、13年度も過去2番目の多さだった。

 13年に全国から過去最高の8千件の労働相談を受けたNPO法人労働相談センター(東京)の須田光照副理事長は「労組が力を失い、労使の力のバランスが崩れ、労働者の権利がないがしろにされる傾向が続いている」と言う。

 ■あなたは解ける? 働くルール
 (ワークルール検定2014 初級テキストから)
 【Q1】解雇について、正しいものをひとつ選びなさい。   
 (1)使用者が労働者を解雇する際、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる解雇は、いかなる場合でも有効となる。
 (2)労働者の職務能力が、使用者の求めるレベルに遠く及ばない場合、使用者は指導・助言をすることなく、労働者を解雇することができる。
 (3)使用者は、個人的に好まない労働者を解雇することができる。
 (4)会社が何度注意してもほかの従業員らとトラブルを繰り返して、事業の遂行に支障を与える労働者は、解雇できる。
 【Q2】労働基準法上の労働時間について、正しいものをすべて選びなさい。
 (1)就業時刻後に働いても労働時間とは扱わないと合意していた場合でも、就業時刻後に上司の指示で仕事をしたならば、労働時間として扱う必要がある。
 (2)就業時刻後の研修会に参加した時間は、会社の事業場内で行われている場合には、常に労働時間となる。
 (3)公共交通機関を利用して出張した際の移動時間は、原則、労働時間となる。
 (4)営業車を運転して会社の営業所から客先に移動した時間は労働時間にあたる。
 【Q1正解:(4)】
 〈解説〉(1)法は特に弱い立場にある労働者を保護するため、解雇が禁止される場面を定めている。(2)のように解雇事由に該当する労働者であっても、何ら対策をしないまま解雇することは許されない。
 【Q2正解:(1)(4)】
 〈解説〉使用者の指揮命令下に置かれている時間を労働時間という。(2)は会社が義務づけた研修なら労働時間。社内で開かれるといって常に労働時間となるわけではない。(3)は単に目的地に移動すればよいだけであれば、労働から解放されているといえる。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-19 05:36 | 書くことから-労働 | Comments(0)

パレスチナ-イスラエル軍、ガザに侵攻

 いよいよイスラエル軍は、ガザに侵攻した。
CNN.CO.JPより、以下引用。

イスラエル軍は17日夜、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに対する地上作戦を開始した。また同日、新たに予備役1万8000人の召集も発表した。

イスラエルのネタニヤフ首相とヤアロン国防相は、ガザとイスラエル領をつなぐ地下トンネルを破壊するための地上作戦を命じた。首相のメディア担当顧問が明らかにした。

イスラエル軍によれば同日、このトンネルを通ってハマスの戦闘員13人がイスラエル側に攻撃を試みたが、同国軍に阻止されたという。

治安筋によると、イスラエル軍の戦車はガザ中心部のアブホレーに到達。また、地上部隊はハマスや武装組織イスラム聖戦の戦闘員と衝突しているという。もしイスラエル軍が中心部から海に至るルートを抑えれば、ガザを分断することも可能だ。

CNNの取材に対しネタニヤフ首相のレゲブ報道官は、今回の地上作戦の目的はハマスの軍事力を「減らす」ことと、イスラエルを攻撃すれば必ず罰を受けることを示すことだと述べた。

一方、ハマスのバルホウム報道官はCNNに対し、「イスラエルのガザに対する地上侵攻の開始は、この先どんな結果を生むか分からない危険な一歩だ。イスラエルは大きな代償を払うことになるだろう」と述べた。

この日、イスラエルとハマスは日中の5時間に限って、一時的に停戦していた。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-18 20:51 | パレスチナ | Comments(0)

貧困問題-子どもの貧困2

 子どもの貧困問題について、二つの社説を掲載する。
特に、愛媛新聞の「安倍晋三首相が就任後、いの一番に取り組んだ景気対策で、10兆円規模の補正予算の財源として真っ先に削られたのは生活保護費だった。さらに今月、不正受給対策として申請しづらくなる改正生活保護法が全面施行された。他にも、雇用の安定を一層失わせる解雇促進ルールや『残業代ゼロ法案』導入をもくろみ、『個人増税、法人減税』を強行する。このままでは格差も貧困の連鎖も拡大の一途だ」との記述は、現政権のあり方を鋭く指摘している。
 以下、社説引用。


山陽新聞社説2014年7月15日:子どもの貧困 政府の本気度が見えない

 子どもの貧困対策の基本方針となる政府の大綱案が明らかになった。教育、生活、保護者の就労、経済支援の4分野で多様な施策が打ち出されたものの、数値目標は盛り込まれていない。貧困問題に取り組む政府の“本気度”が見えないと言わざるを得ない。

 与野党の議員立法によって今年1月、「子どもの貧困対策推進法」が施行された。大綱は、同法に基づき政府が取りまとめるもので、今月下旬にも閣議決定される。今後、各都道府県が具体的な計画を作る際の指針にもなる。

 教育支援では、教育委員会へのスクールソーシャルワーカーの配置拡充、放課後子ども教室などでの学習支援の充実などを盛り込んだ。奨学金制度については現状では有利子の奨学金を受ける人が多いが、無利子奨学金を受けられる人を増やすとした。

 生活支援では、児童養護施設の退所者が安心して就職や進学ができるよう身元保証人を確保する事業を行う。ひとり親家庭などに対し、子育てと就労の両立支援なども盛り込まれた。

 大綱案に挙げられた施策はいずれも重要なものだが、課題を並べただけという印象は否めない。

 数値目標の設定は、大綱案に盛り込むべき内容を議論してきた内閣府の検討会が提言していた。対策法をつくった際にも与野党の法案を一本化するに当たって与党が反対し、法案に数値目標が明記されなかった経緯がある。政府が数値目標の設定を避けるのは、子どもの貧困は複雑な要因が絡み合い、目に見える成果を上げるのが難しいという判断があるからだろう。

 しかし、問題が複雑だからこそ、施策の実施状況や効果を十分に検証し、施策を見直していく作業が不可欠ではないか。子どもの貧困問題に詳しい研究者からは、今後の施策効果を検証するため、当事者や支援団体を含めた常設の会議の設置を求める声も上がっている。政府は速やかに検討してもらいたい。

 検討会が求めていた、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当や遺族年金の拡充は大綱案に盛り込まれなかった。扶養手当の拡充だけでも年約420億円が必要で、多額の財源確保が課題とされていた。予算規模の大きな施策は、はなから見送ったとしたら残念である。

 大綱案に盛り込まれた施策にしても財源確保の裏付けはなく、どこまで予算措置が講じられるかは不透明だ。政府の“本気度”が見えなければ、都道府県の計画作りにも支障が出よう。

 貧困問題が深刻なのは、親から子への「貧困の連鎖」である。少子高齢化が進む中、1人でも多くの子どもが貧困から抜け出し、希望を持って社会の担い手になれなければ国の未来は危うかろう。政府は貧困対策の重要性をしっかり認識し、実効ある取り組みを打ち出すべきである


愛媛新聞社説2014年7月15日:子どもの貧困対策 危機感持ち格差と連鎖解消を

 政府は「子供の貧困対策」の大綱案をまとめ、月内にも閣議決定する。
 大綱案は1月に施行された「子どもの貧困対策推進法」の基本方針。子どもの将来が生まれ育った環境に左右されないように、学校を拠点とした教育支援や段階的な幼児教育無償化、返済義務のない給付型奨学金の創設を目指すことなどを盛り込んだ。
 遅ればせながらも国が、子どもの貧困の解消へ一歩を踏み出した意義は大きい。しかし中身はいかにも悠長で、総花的な目標や課題の羅列にすぎない。肝心の期限や数値目標、財源の裏づけもなく、実効性には大いに疑問が残る。
 まずは年々深刻化している現状に、政府がもっと強く危機意識を持たねばならない。その上で、元凶たる親世代の貧困や格差をなくす政策に力を注ぐとともに、負の連鎖を断ち切る強い決意をもって、子どもの健康確保や教育の完全無償化などに向け、思い切った予算を割くべきである。
 学校の制服が買えない。給食が途切れるため、夏休みになると体重が減る。病院にも行けない…。一見豊かな日本でも、厳しい貧困の現実は枚挙にいとまがない。
 「ほぼ6人に1人が貧困」―2009年時点で平均的所得(中央値)の半分(12年調査で年約216万円以下)を下回る世帯の子の割合(相対的貧困率)は、15・7%。経済協力開発機構加盟34カ国のうち10番目に高い。世界的にも恥ずべき、不名誉な「貧困大国」と言わざるを得ない。
 相対的貧困率の高さは、格差の大きさを意味する。背景には、非正規労働者の増加や不況による親の低所得化、社会的支援の手薄さ、教育費が高い割に公的支出率が少ないことなどが挙げられよう。
 今急ぐべきは、誰もが等しく教育の機会を得られ、生活を再建して貧困から脱却しやすい支援と仕組みの拡充。にもかかわらず、安倍政権の政策は逆方向の「企業優遇、格差拡大」に極端に偏る。
 安倍晋三首相が就任後、いの一番に取り組んだ景気対策で、10兆円規模の補正予算の財源として真っ先に削られたのは生活保護費だった。さらに今月、不正受給対策として申請しづらくなる改正生活保護法が全面施行された。他にも、雇用の安定を一層失わせる解雇促進ルールや「残業代ゼロ法案」導入をもくろみ、「個人増税、法人減税」を強行する。このままでは格差も貧困の連鎖も拡大の一途だ。
 政治が自助を言い立て、格差を放置する社会に、将来の希望が生まれるはずもない。急激な人口減が迫る日本にとって、未来を担う子どもへの支援は不可欠かつ一刻の猶予もない。最優先で取り組まねば、国の未来もまた危ういことに気づかねばならない。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-18 05:40 | 書くことから-貧困問題 | Comments(0)

貧困問題-子どもの貧困1

 沖縄タイムスは、2014年7月15日、共同通信記事として「子どもの貧困率16・3%過去最悪を更新、厚労省調査」と報じた。
 以下、沖縄タイムス記事引用。


 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」が2012年時点で16・3%と過去最悪を更新したことが15日、厚生労働省の国民生活基礎調査で分かった。所得の減少が原因で、前回調査の09年時点から0・6ポイント悪化した。深刻化する子どもの貧困問題に対応するため、政府は今月下旬に対策の大綱を閣議決定する。実効性ある対策の必要性が鮮明になった。
 また、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護を担うのも65歳以上という「老老介護」の世帯の割合は13年時点で51・2%と初めて半数を超えたことも判明した。(共同通信)

 厚生労働省は2014年7月15日、の「平成25年国民生活基盤調査の概要」の中で、貧困率の状況について、「平成24 年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は122 万円(名目値)となっており、『相対的貧困率』(貧困線に満たない世帯員の割合)は16.1%となっている。また、『子どもの貧困率」(17 歳以下)は16.3%となっている。『子どもがいる現役世帯』(世帯主が18 歳以上65 歳未満で子どもがいる世帯)の世帯員についてみると、15.1%となっており、そのうち「大人が一人」の世帯員では54.6%、「大人が二人以上」の世帯員では12.4%となっている」と、発表した。
 また、 生活意識の状況については、「生活意識別に世帯数の構成割合をみると、『苦しい』(『大変苦しい』と『やや苦しい』)が59.9%、「普通」が35.6%となっている。年次推移をみると、『苦しい』と答えた世帯の割合は、近年、上昇傾向となっている」と、している。

これまでも、2007年の国連総会では、子どもの貧困について、「貧困によって誰もが悪影響を受けるが、子どもたちが経験する貧困は異なる」という認識を示している。
 このように、子どもの貧困の解決は、緊急且つ重要な課題となっている。政府が今月下旬に対策の大綱を閣議決定するとしており、注目をしなければならない。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-17 05:25 | 書くことから-貧困問題 | Comments(0)

原発問題-川内原発、再稼働審査

 南日本新聞は、2014年7月16日、速報で、「川内原発合格へ 規制委、審査書案を了承」と、伝えた。
 南日本新聞の速報、以下引用。

 原子力規制委員会は16日の定例会合で、再稼働へ向けた審査を優先的に進めている九州電力川内原発1、2号機(薩摩川内市)について、事実上の合格証となる「審査書案」を了承した。昨年7月の新規制基準施行後、電力各社が申請した12原発19基のうち、初めて基準に適合する原発となる。
 今後、技術的な意見を1カ月間募集し、正式な審査書としてまとめる。ただ最終的な合格には、工事計画や保安規定の審査などの手続きが残る。地元の同意も必要なため、再稼働は秋以降になるとみられる。

 また、このことに関して、西日本新聞は、地元様子を「経済界からは『経済が活気づく』と期待の声が上がった。一方、脱原発の市民団体は『住民の不安と疑問に答えていない』と強く反発」と、報じた。
 以下、西日本新聞の引用。

 原子力規制委員会が16日、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の「審査書案」を決定した。再稼働の前提となる合格証の原案に相当するだけに、薩摩川内市の地元業者や経済界からは「経済が活気づく」と期待の声が上がった。一方、脱原発の市民団体は「住民の不安と疑問に答えていない」と強く反発した

■地元
 「こんなにうれしい日はない」。薩摩川内市で民宿経営の御幸(ごこう)博文さん(61)は笑顔を見せた。原発停止が長引き、経済が低迷した街を「死んでいる状態」と感じてきた。規制委の審査開始から約1年。再稼働の見通しが強まったことに「国が認めたのだから、スムーズに再稼働してほしい」と求める。

 一方、地元の脱原発団体「さよなら原発いのちの会」の堀切時子代表(66)は「福島に何も学ばず、川内原発の問題点も何も解決していない。どうしたら再稼働のゴーサインが出せるのか理解できない」と反発。会の市民アンケートでは、再稼働反対の声が多数寄せられたといい、「子どもたちのためにも再稼働を阻止したい」と力を込めた。
■規制委前
 東京都港区の規制委が入るビル前にはこの日、再稼働に慎重な市民約50人が集まり、規制委の判断に疑問の声を上げた。

 経済産業省前のテントで原発反対の座り込みを続けている市民団体代表、淵上太郎さん(71)も駆けつけ「原発の安全を担保するのは規制委なのか、政府なのか。それをあいまいにしたまま再稼働しようとしている」と批判。東京都小平市の主婦、山本恵子さん(81)は「原発も集団的自衛権も同じだが、安倍晋三首相はリスクを一切説明していない」と憤った。
■経済界
 九州の経済界は審査書案の決定を歓迎した。九州商工会議所連合会の末吉紀雄会長(福岡商工会議所会頭)は「残る審査や地元同意の手続きを速やかに進め、国の責任で早期に再稼働することを期待する」との談話を発表。「中小企業は一層の節電は難しく、電気料金の値上げ分も価格などに転嫁できない」と再稼働の必要性を強調した。九州経済同友会の石原進代表委員は「川内原発以外の原発も迅速に審査してほしい」と規制委に要望した。

 また、今後の見通しについて、西日本新聞は、「川内原発新基準「合格」、規制委が『審査書案』決定。再稼働は10月以降に」と、報じた。
 以下、西日本新聞の引用。

 原子力規制委員会は16日、再稼働の前提となる審査を優先している九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を決定した。30日間の意見公募を経て正式な審査書を完成させる。審査を申請している9電力会社の12原発(19基)の中で、新基準に適合するのは初めて。ただ、機器の耐震設計などを確認する審査が残っており、審査終了後には地元了解も必要になるため、再稼働は10月以降になる見通しだ。

 東京電力福島第1原発事故を教訓にした新規制基準が施行されて約1年。安倍晋三政権が「重要なベースロード電源」と位置付ける原発の再稼働問題は、新たな局面を迎える。

 九電は昨年7月8日の新規制基準施行当日に審査を申請。62回の審査を反映し、規制委が地震津波対策や火山対策などを約420ページにまとめた。それによると、九電が耐震設計の基になる基準地震動(最大規模の揺れの大きさ)を540ガルから620ガルに引き上げたのを「最新の科学的・技術的知見を踏まえている」と評価。約3・7メートルから約6メートルに修正した基準津波(最大規模の津波の高さ)は、海水ポンプを津波から守る防護壁(高さ10メートル)などの対策をすることで認めた。

 火山対策では、周辺のカルデラ火山で起きた過去の噴火間隔から「運転期間中の噴火の可能性は十分小さい」とする九電の説明を妥当と判断。16日の会合で地震津波対策を担当した島崎邦彦委員長代理は「火山(対策)に批判があるのは承知しているが、噴火の可能性が小さいということはいえる」と述べた。

 規制委は7月17日から8月15日まで技術的な意見を募集し、8月下旬に正式な審査書を策定。ただ、今後必要な工事計画などの書類提出の準備が遅れており、審査終了は9月以降にずれ込む公算が大きい。終了後の地元自治体の了解取り付けや原発の使用前検査にも1~2カ月かかるため、再稼働は10月以降になる。

 川内原発1号機は1984年7月、2号機は85年11月にそれぞれ運転を開始。出力はともに89万キロワット。

■「安全確保に万全を期す」 九電がコメント

 原子力規制委員会が川内原発1、2号機について新規制基準を満たしているとする「審査書案」を公表したのを受け、九州電力は「当社としては今後とも、原子力規制委員会の審査に真摯(しんし)かつ丁寧に対応するとともに、さらなる安全性・信頼性向上への取り組みを自主的かつ継続的に進め、原発の安全確保に万全を期していく」とのコメントを発表した。

【ワードBOX】審査書案

 原発の基本的な設計方針や安全対策を書いた「設置変更」の申請書が、新規制基準を満たしている根拠をまとめた文書。原子力規制委員会の審査を踏まえた審査終了証の原案になる。審査書が確定すれば、規制委が電力会社に設置変更許可を出す。東京電力福島第1原発事故の反省から策定された新規制基準は、原発から放射性物質が放出される過酷事故対策を義務付けたほか、地震や津波対策も厳格化し、火山の影響評価と対策も初めて盛り込んだ。再稼働には、機器の耐震設計を記した「工事計画認可」と、運転や事故時の対応手順を定める「保安規定認可」の二つの認可も必要。

 さらに、共同通信は、2014年7月16日、「 川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長」とも、報じている。
 以下、共同通信の引用。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は16日の記者会見で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働の前提となる審査に事実上合格したことについて「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない」と述べ、審査は必ずしも原発の安全性を担保したものではないとの認識を明らかにした。地元首長は安全と受け止めており、再稼働に向け地元が受け入れを判断する際に認識の差が課題となりそうだ。

 田中氏は会見で川内原発について「一定程度安全性は高まったことは評価するが、これはゴールではない。九電はますます努力する必要がある」と説明した。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-16 21:24 | 書くことから-原発 | Comments(0)

集団的自衛権-明日の自由を守る若手弁護士会のブログ掲載

 安部晋三首相の2014年7月15日の国会答弁の模様です。
 気持ち伝わります。
 以下、ブログ引用。

どんどん拡大解釈しまっせ 閣議決定後、国会で首相が初答弁<集団的自衛権>武力行使拡大、鮮明に 首相「政府が判断」


 今日、解釈改憲の閣議決定後、はじめて、安倍首相は集団的自衛権の問題を国会で答弁しました。
 立憲主義を無視して解釈改憲なんていう禁じ手を使っただけでも唖然としてしまうのですが、今日の答弁の破壊力もまた格別でした…。

 なにがすごいって、自衛権発動の新3要件について、これ、どこまでも拡大解釈できますよね?という疑問に対して、横畠内閣法制局長官は「日本が武力攻撃を受けたのと同様に、深刻・重大な被害が及ぶことが明らかな状況」や「単なる主観や推測ではなく、客観的・合理的に疑いなく認められる」ことが必要なんだ、と言って、政府が抑制的に対応すると強調したそうで、安倍首相も同調したんだそうです。
 そしてそれと同時に、「米軍への武力攻撃」は新3要件に該当する可能性が高い、と。
 「日米同盟に深刻な影響が出る場合」には日本も武力行使する可能性大だ、と。「日本経済への悪影響」を理由にした武力行使もありうる、と。

 さらにさらに、ホルムズ海峡で機雷掃海してて、途中で国連が動いて集団安全保障の武力行使(戦争)を始めたとしても、それに乗っかるんだ、と。
 日本が国連にバトンタッチして去ることはなく、そのまま多国籍軍のメンバーとして戦争し続けるんだ、と。

 そんな答弁が続いたわけです。
 …どこが、抑制的?
  どこが、限定的?
 公明党さんが閣議決定を了承したのは、日本周辺の有事に限るなら集団的自衛権の行使もOK,という考えだったからだそうですし、集団安全保障は断固反対ということで結論先送りになった、はずなのですが…

 はっきりいえば、安倍首相としては『閣議決定しちゃえばこっちのもん』ということなのでしょう。そうですよね、「新3要件」は、集団安全保障を許しかねない曖昧さをあえて残したものですしね。

 こうやって、この国の民主主義が、どんどん壊されていく。
 どんどん、「君たち国民が何を考えてるか・どう生きたいかなんて、どうでもいいんだよ」という国になっていってます。

 戦争なんて起きやしないよ、とか、いや戦争放棄はユートピア的発想でしょう、とか「現実主義者」ぶってる人はたくさんいますよね。
 憲法9条を時代遅れだと考える人には、せめて、民主主義や立憲主義が壊されてることに、何か「おかしい」と感じていただきたいものです。誇りある個人として生き続けていくつもりなら。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-16 05:39 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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