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最低賃金問題から-最低賃金、16円引き上げを答申 「逆転現象」解消へ2014年7月29日

 「幅増を求める労働組合側と、引き上げに慎重な経営側の溝が埋まらず、結論が持ち越される異例の展開となっている」と報道されていた最低賃金がようやくまとまった。
 2014年7月24日の朝日新聞の記事でも「正社員を含め、働き手全体の生活底上げにつながる最低賃金をめぐる議論が、大詰めだ。政府は全国平均15円の引き上げだった昨年以上の増額をめざす。だが、消費増税や物価高の直撃で、全国最低の664円の9県では「こんな水準では夢も希望もない」との声がもれる。」とされていた。
 しかし、日弁連会長声明の「現在の最低賃金時間額764円(全国加重平均)に、物価の上昇分3.7%を乗じると、約28円となる。仮に本年度、時間給28円程度の引上げをしたとしても、昨年から今年にかけて急激に上昇した物価相当額を補うことすらできない状態である。」からすると、これでもやはり不十分な額と言える。

 以下、朝日新聞記事及び日弁連会長声明の引用。



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by asyagi-df-2014 | 2014-07-31 06:00 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄から-島ぐるみ会議2千人結集「基地支配を拒否」

  沖縄の宜野湾市で、「沖縄建白書の実現を目指し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」が2千人超える参加者で開催された。この中で、政府の辺野古移設推進を「民意と尊厳を踏みにじり、社会正義と民主主義の基本をも否定している」と糾弾するとともに、在日米軍基地の集中を構造的差別とし、県内移設断念を求める建白書の実現を求めるため「沖縄の心をひとつにし、島ぐるみの再結集を全県民に呼びかけます」と結んでいる。
 さて、沖縄の緊迫を、日本全体でどのように受け止めることができるのかが、今こそ問われている。
 以下、沖縄タイムス2014年7月27日の記事を引用。


 オスプレイの配備撤回と普天間飛行場の閉鎖・県内移設断念を求める「沖縄建白書の実現を目指し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」は27日午後、宜野湾市民会館で結成大会を開いた。名護市辺野古の海上で政府が普天間代替施設の移設作業を進めようとする中で「辺野古強行を止めさせよう―沖縄の心をひとつに―」をテーマに2075人(主催者発表)が結集した。

 大会では結成アピールを採択。2013年1月に県内41市町村長、議会議長、県議会議長らが署名した建白書の安倍晋三首相への直接提出を「歴史的行動」と位置付け、政府の辺野古移設推進を「民意と尊厳を踏みにじり、社会正義と民主主義の基本をも否定している」と糾弾する内容。

 さらに、在日米軍基地の集中を構造的差別とし、基地の返還が経済的発展につながるとした上で、「基地に支配され続ける沖縄の未来を、私たちは拒絶します。子どもに希望ある沖縄の未来を引き継ぐ責務、沖縄らしい優しい社会を自由につくる権利がある」と主張。
 県内移設断念を求める建白書の実現を求めるため「沖縄の心をひとつにし、島ぐるみの再結集を全県民に呼びかけます」としている。

 共同代表の大城貴代子(元県女性政策室長)、大城紀夫(連合沖縄会長)、呉屋守將(金秀グループ会長)、平良朝敬(かりゆしグループCEO)、高里鈴代(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会代表)、友寄信助(元社民党県連委員長)、仲里利信(元県議会議長)、宮城篤実(前嘉手納町長)、由井晶子(ジャーナリスト)、吉元政矩(元副知事)の11氏が壇上から「もう一度オール沖縄を」と訴えた。

 島ぐるみ会議事務局は11月知事選に直接関わらないとしているが、会議に参加する県議会野党4会派と那覇市議会の自民党新風会は、擁立を決めている翁長雄志那覇市長の名前に直接言及はしないものの、「知事選では党派を超えて勝利する」と選挙を意識した発言が相次いだ。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-30 18:05 | 沖縄から | Comments(0)

あしゃぎ-朝早く空が動いていました。

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久しぶりに、田舎に帰りました。
これまでは、帰ると曇りか雨模様で、イメージする朝の雰囲気をなかなかカメラに納めることができませんでした。
 7月27日の早朝も、当初はあきらめていたのですが、5時過ぎに目が覚めると、朝早くの空が、動いていました。ダイナミックさがもう一つかなと思いますが、それなりには、撮れたのではないかと。

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 田んぼの稲もかなり大きくなっていました。
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by asyagi-df-2014 | 2014-07-30 05:30 | あしゃぎ | Comments(0)

自由権-「国連自由権規約委員会は日本政府に何を求めたか」- 海渡 雄一(弁護士・日弁連自由権規約WG座長)

 国連人権規約委員会の日本への報告については、マスコミの記事は掲載したのだが、その内容については、よくわからなかった。
 日弁連自由権規約WC座長の海渡雄一弁護士の「国連自由権規約委員会は日本政府に何を求めたか=死刑・代用監獄・慰安婦・ヘイトスピーチ・技能実習生・福島原発事故=」という論文をダウンロードできので、これを抜粋する。
 
 最初に、「自由権規約委員会の総括所見が7月24日に公開され、かなりのメディアが断片的ではあるが、総括所見の内容や自由権規約委員会の審査について報じている。しかし、報道は細切れであり、この総括所見がどのような仕組みの元で、どのような審査を経て出されたものか、それが、日本政府と我々日本に住む外国人を含めた市民にとってどのような意味があるのか、正確に理解することは難しい。」とあるが、まさにそうであった



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by asyagi-df-2014 | 2014-07-29 20:30 | 自由権 | Comments(0)

ヘイトクライム-国連人権委員会採集報告日本の新聞記事から

 国連人権委員会の最終勧告日本に関する新聞記事から。

 以下、新聞記事引用。


朝日新聞-国連人権委、ヘイトスピーチ禁止勧告 日本に実行求める-014年7月25日

 人権問題の専門家で構成する国連規約人権委員会は24日、日本政府に対し、人種差別や対立をあおる「ヘイトスピーチ」の禁止などを求める「最終見解」と題した改善勧告を出した。規約人権委は今月、2008年以来6年ぶりに日本の人権状況を審査していた。

 勧告では、日本において、韓国と北朝鮮の国籍保有者や中国人ら国内少数派に対する憎悪や差別をあおる発言が広がっている、と懸念を表明。サッカーJリーグのサポーターが掲げた「ジャパニーズ・オンリー」というスローガンを挙げ、排外主義のデモが頻発しているとして懸念を示した。

 死刑制度に関しては、廃止を十分に検討することや、死刑が適用される罪の数を減らすことなどを求めた。また、人権上の配慮から、死刑囚や家族に対して執行日時の事前通知や、死刑囚を特別な場合を除いて独房に閉じ込めないことなども求めた。

 慰安婦問題については、「性奴隷制度」という表現を用いて、「性奴隷制度や戦時中の日本軍による慰安婦に対する他の人権侵害のすべての疑惑について調査し、訴追して有罪の時には処罰するための効果的な立法および行政措置を直ちにとること」などを求めた。

 特定秘密保護法については、「秘密指定の対象の定義があいまいで幅広い」ことや、「厳しい罰則」がジャーナリストや人権活動家の行動に悪影響を及ぼしえることなどを懸念した。

 勧告に強制力はない。今回で6回目の対日勧告だが、規約人権委は日本政府のこれまでの取り組みを不十分と見なしており、今回の勧告には実行を求める文言を盛り込んだ。ロドレイ委員長は「前例がないこと」と強調した。


毎日新聞-国連人権委:元慰安婦への「完全な賠償」を日本に勧告-2014年07月25日 

 スイス・ジュネーブの国連人権委員会は24日、旧日本軍のいわゆる元従軍慰安婦問題について、日本政府が国家としての責任を認め、元慰安婦らが「完全な賠償」を受けられるよう勧告した。また、ヘイトスピーチ(憎悪表現)など人種差別を助長する行為を禁止するよう促した。

 勧告は元慰安婦問題について「本人の意思に反する行為は人権侵害とみなされる」と断じ、人権侵害を調査して責任者を訴追・処罰し、本人と家族が裁判と完全な賠償を受けられるよう求めた。また、日本政府が「公的に謝罪を表明し、国家責任を正式に認める」よう促した。

 日本政府は1965年の日韓請求権・経済協力協定で請求権問題は解決済みとの立場で、元慰安婦問題については謝罪に加え、「アジア女性基金」(95〜2007年)を通じた償い事業を実施してきたと説明している。

 ヘイトスピーチに関して勧告は、外国人に対する差別的なデモが頻発していることや、Jリーグのサポーターらが掲げて問題となった「ジャパニーズ・オンリー」(日本人以外お断り)という表示に「懸念」を表明。「差別、敵意、暴力をそそのかすような人種的優位の主張や憎悪をあおる言動」を禁じるよう促した。また、現行の民法、刑法では十分に対処できていないと指摘し、加害者を処罰するよう法整備を求めた。

 その他、勧告には死刑制度の廃止検討、特定秘密保護法の厳格な運用が盛り込まれた。

 勧告を出したのは、拷問禁止や表現の自由など「自由権」と呼ばれる人権を担当するB規約(市民的、政治的権利)の人権委員会。人権委員会は国際人権規約の批准国を順番に審査している。今年は08年以来約6年ぶりに日本が審査対象となった。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-29 05:29 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

原発問題-関電、歴代首相7人に年2千万円献金

 朝日新聞は、2014年7月28日、「関電、歴代首相7人に年2千万円献金」と、報じる。
 いささか予想されていたとはいえ、「死を意識するほど自分の歩んで来た道を思い出した。今まで口を割らなかったことを話す気持ちになった時に記者が来た。後世に役立つと思った」という発言には、「3.11」が浮き彫りにした日本の現実を改めて痛感させられた。
 もちろん、この状況での再稼働はあり得ない。
 以下、朝日新聞引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-07-28 18:36 | 書くことから-原発 | Comments(0)

米軍再編-米軍再編は沖縄の不沈空母化をもたらす

 沖縄タイムスの社説-沖縄不沈空母化]深刻さ増す「過重負担」-から考える。
7月24日のオスプレイ佐賀空港配備提案は米軍再編の一環である。
 この米軍再編の目的は、韓国のピョンテク平和センターが説明するように、「在韓米軍の役割を韓半島固定の軍隊ではなく、いつでもどこでも移動可能な迅速機動軍として再編すること」に問題の本質がある。この説明の在韓米軍を在日米軍と置き換えるだけである。
 一方、安部晋三政権は、この期に乗じて日本の軍事化を目指している。このことによって、社説で説明されているように沖縄にとっては、「島しょ防衛を目的とした南西諸島の『不沈空母』化がすさまじい勢いで進んでいる。」という図式になる。
 社説から、その状況を挙げてみる。

・上自衛隊はさらに奄美大島、宮古島、石垣島に駐屯所を整備し、島しょ防衛の初動を担う警備部隊を配備する計画
・与那国町には艦船や航空機の動きを監視するレーダーを設置し、2015年度末までに
沿岸監視部隊を配備する方針
・那覇空港を民間と共用している航空自衛隊はこの4月、那覇基地に早期警戒機E2Cの飛行隊(4機配備)を新設
・那覇基地のF15戦闘機部隊は、現在の1個飛行隊から2個飛行隊に増やす計画
・F15による下地島空港(宮古)利用も防衛省内で検討

 だから、辺野古の問題を含め、「同時に進行する日米の基地建設の動きはその集中度といいスピードといい、あまりにも異様だ。」 ということになる。
 結局、安部晋三政権の現在の動きは、「政府が主張する沖縄の『負担軽減』は、看板に偽りあり。内実は半永久的使用に向けた『再編強化』であり、日米による沖縄の『不沈空母』化である。」であることを押さえる必要がある。

 日米政府共同で画策するこれからの米軍再編は、沖縄にとっては「負担軽減」ではなく、「再編強化」にしか過ぎない。
 また、「沖縄を『不沈空母』化して中国を封じ込めようとする考えは、沖縄戦と米軍統治を経験した沖縄の人々には、とうてい受け入れられないし、日中関係の改善にも役立たない。相互依存の時代にふさわしい新たなアプローチを採用すべきだ。」という指摘を肝に銘じなければならない。
 
 以下、沖縄タイムス社説引用。



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by asyagi-df-2014 | 2014-07-28 05:34 | 米軍再編 | Comments(0)

貧困問題-「子どもの貧困」の大綱原案定める

 読売新聞は、2,014年7月27日、「子供の貧困対策に関する大綱」の原案の原案が定まると、報じた。
 以下、読売新聞引用。


 子供の貧困解消へ、12指標定める…大綱原案-2014年07月27日

 貧しい家庭に生まれた子供の教育や生活を支援するため政府が定める「子供の貧困対策に関する大綱」の原案が判明した。

 貧困状況に置かれている子供の実態を的確に把握するため、「生活保護世帯の高校進学率」など12項目を「子供の貧困に関する指標」と定め、改善していくために政府が今後5年間、行う重点施策を盛り込んだ。政府は8月上旬にも閣議決定する方針だ。

 大綱によると、日本の「子供の貧困率」は、2009年時点で15・7%。経済協力開発機構(OECD)加盟34か国中、10番目に悪い数値で、低いレベルにある。

 厚生労働省が今月発表した12年時点での数値でも、16・3%と過去最悪となった。離婚の増加により母子家庭が増えたことなどが原因とみられるが、日本の社会保障制度が高齢者向けに偏り、現役世代の貧困への対策が十分でなかったとの指摘も根強い。

 こうした実態を踏まえ、大綱では、貧しい家庭に生まれ育った子供が成長後に自らも貧困に陥る「貧困の世代間連鎖」を断ち切ることを目標に掲げる。具体的には、〈1〉生活保護世帯の高校進学率〈2〉ひとり親家庭の子供の進学率と就職率〈3〉児童養護施設の子供の進学率と就職率――など12の指標を設定した。〈1〉については、13年で90・8%だが、全世帯では98・6%あり、こうしたギャップの改善を目指す。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-27 20:29 | 書くことから-貧困問題 | Comments(0)

成長戦略と骨太方針を閣議決定-2014年6月24日

 成長戦略と骨太方針が次のように「経済界が求めてきた政策を多く盛り込んだ」かたちで決定された。
以下、朝日新聞引用。


 安倍内閣は24日、経済政策の指針となる新たな成長戦略と「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定した。国と地方を合わせた法人実効税率を来年度から数年かけて20%台に下げるほか、働いた時間より「成果」を重視する雇用制度を導入するなど、経済界が求めてきた政策を多く盛り込んだ。

 この日夕、骨太の方針をまとめる経済財政諮問会議と、成長戦略をまとめる産業競争力会議を合同で開き、終了後の臨時閣議で正式に決めた。安倍晋三首相は記者会見で「日本経済が持つ可能性を開花させるため、いかなる壁も打ち破っていく」と説明した。

 骨太の方針では、「50年後に1億人を維持する」という人口目標を政府として初めて掲げた。いまの人手不足を解消し、将来の働き手を確保するため、子育て支援などを柱とした女性の就労支援策や、外国人に日本で働いて技術を学んでもらう「技能実習制度」の拡充なども打ち出した。来年度の予算編成に反映したり、今後の国会で関連の法改正案を提出したりする。

「残業代ゼロ」問題の対象は、年収1千万円以上 政府と方針決定 。
 以下、朝日新聞の引用。


 働いた時間と関係なく成果で賃金が決まる新制度について、政府は11日、対象者を「少なくとも年収1千万円以上」の高年収者に限定する方針を決めた。「残業代ゼロ」で長時間労働を強いられる恐れがある働き方が、管理職以外にも導入されることが固まり、「働き過ぎを助長する」との批判が高まりそうだ。

 11日夕、官邸で菅義偉官房長官ら関係大臣が集まり、大筋で合意した。田村憲久厚生労働相は会合後、「少なくとも対象者が年収1千万円を割り込むことはなくなった」と述べた。「職務範囲が明確」「高度な職業能力を持つ」との条件もつける。

 この制度をめぐっては、「全労働者の10%は適用を受けられる制度に」(経団連の榊原定征会長)など経済界や経済産業省が年収を問わず働き手を幅広く対象にするよう主張してきた。一方、労働規制を担当する厚労省は「働き手を守る規制がなくなる」と譲らず、平行線が続いてきた。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-27 05:40 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄から-毒ガス移送 日米極秘合意

 朝日新聞は、2014年7月25日、「 毒ガス移送経費、極秘の日米合意 71年、沖縄側に隠し」と報じた。
 「沖縄のため」というフレーズの傲慢さやまやかしのやり方は現在も変わらない。

「普天間移設にからむ振興策など、沖縄の不満をかわし、要求を逆手にとって日米の政策を実現していく構造は今も同じだ。」との我部政明さんの指摘が、当を得ている。
 また、「当時、毒ガス移送問題に取り組んだ有銘政夫さん(82)は、住民に知らされないまま化学兵器が持ち込まれたことが大きな問題だという。『基地内に何があるのか今も分からない』」とも報じている。

 さらに、今月20日未明、防衛省は米軍普天間飛行場の移設予定地、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ内に移設工事のための資材を搬入。県民を欺いたとの批判もあがった。有銘さんは言う。「沖縄は犠牲にし、米国の要求には応じる日本政府の姿勢は、少しも変わらない」と。
 以下、朝日新聞引用。


 沖縄返還の前年、米軍基地に貯蔵されていた大量の毒ガス兵器を米領内に移送する際、日本政府が経費の一部を負担することを、当時の琉球政府には隠したまま米側と合意していたことが明らかになった。24日に公開された外務省の極秘文書に記されていた。沖縄では毒ガスの移送ルートをめぐって反発が続いており、日本政府が方針を押しつけたとの批判を避けるための筋書きを「口裏合わせ」していた。

 問題の文書は、1971年4月、沖縄に派遣されていた高瀬侍郎大使にあてた外務省からの公電。

 69年に米紙の報道で、沖縄の米軍基地で毒ガス漏出事故が起き、米兵が搬送されたことが明らかになり、地元で撤去を求める声が高まった。71年1月からハワイ南西の米ジョンストン島へ船で運ばれることになったが、桟橋までの輸送経路になった美里村(現・沖縄市)を中心に反対運動が強まり、2回目以降の輸送は住民地域を迂回(うかい)して軍用地内を通ることに決まった。だが基地内の道路建設費20万ドルを米政府は支出せず、最終的に日本政府が負担することになった。

 文書は、山中貞則総務長官(当時)の言葉として「日本側がこれを負担することについて腹を決めた次第であるが、過早(かそう)に沖縄側に内示することは外部に洩(も)れる公算が大きく、新ルートを受諾させるために琉政(琉球政府)に加担したのだという左翼の宣伝に乗ることになるので、控えてきた次第」とし、「御膳立てが整った時」に沖縄の行政組織、琉球政府の屋良朝苗(やらちょうびょう)主席に伝えるのが「最も好ましい」としている。

 「御膳立て」とは、①屋良主席が新ルートについて地元の納得を得る②主席が、沖縄を統治する米国民政府の最高責任者・ランパート高等弁務官に、費用負担を要請する③弁務官は断る④主席が日本政府に負担を要請する――との筋書き。弁務官がその前に屋良氏に日本負担が決まっていることを明かさないように「十分打ち合わせおくよう配慮願いたい」と指示している。

 同様の記載は、米国が公開している弁務官と米陸軍省の電文にもあり、日本側の手法を「歌舞伎の台本」などとしている。(川端俊一)
     ◇
 〈我部政明・琉球大教授(国際政治学)の話〉 沖縄への毒ガス配備は60年代前半に始まった。非人道的な兵器であり、米国外での貯蔵はほとんどなく、基地として自由に使用できる沖縄に置かれたのだろう。移送に際し、沖縄に恩を売るような形で「口裏合わせ」をしたやり方は実に巧妙だ。普天間移設にからむ振興策など、沖縄の不満をかわし、要求を逆手にとって日米の政策を実現していく構造は今も同じだ。


「沖縄は犠牲、変わらぬ政府」 毒ガス巡る外交文書

 24日公開された政府の外交文書に、沖縄からの毒ガス移送に関する日米の「口裏合わせ」が記されていた。経費支出を沖縄から要望させる形をつくり、批判をかわそうとした日本政府。関係者は40年以上前の不安の記憶とともに、現在につながる問題の根深さを思い知らされている。

 「日本の外交姿勢に気が抜けるようだ」。沖縄県沖縄市に住む仲宗根正雄さん(75)は言う。1971年、陸上輸送の経路となった沖縄本島中部の旧・美里村登川地区で地元の対策委員を務めた。

 69年7月、米紙ウォールストリート・ジャーナルが、沖縄の米軍知花弾薬庫で致死性の神経ガスが漏出し、米兵が病院に搬送された事故を特報。日本のメディアも報じた。「やはりあったか」。仲宗根さんは思った。弾薬庫内で働く母から不思議な話を聞いていたからだ。作業中に突然、避難の指示が出る。敷地内でなぜか動物が飼われている。「危険な兵器があるのでは」。疑問は的中した。

 琉球政府の屋良朝苗主席は「沖縄は世界最悪の基地」と発言し、早急な撤去を要求。米政府は、GBガス(サリンなど)の漏出を認め、撤去を表明した。

 だが米国内の移転候補地では反対が強まる。ようやくジョンストン島への移送が決まり、70年12月に輸送経路が発表されると、再び衝撃が広がった。トラックで運ぶ桟橋までの沿道には小学校もある。中学教師だった仲宗根さんも、この経路での移送に反対する運動の先頭に立った。

 米側は「安全」を強調。早期撤去を求める屋良主席は現地を訪れ、移送への理解を求めた。屋良氏は米国民政府の任命ではなく、沖縄の人々が初めて選挙で選んだ主席だ。仲宗根さんら教職員が支援の中心だった。説明会で安全対策はこれから考えるという主席に、仲宗根さんは「無責任では」と詰め寄る。「あの時だけは屋良さんが『米軍を守る主席』に見えた」

 2回目以降は経路を変えることなどを条件に地域は阻止行動を思いとどまる。

 移送が行われた71年1月13日、学校は休校となり、住民は地区外に避難。仲宗根さんら委員は家畜の管理や出火警戒のため地域に残った。毒ガスを積んだ車列が学校の前を通る時、道沿いで写真を撮ろうとすると、上空のヘリコプターが急に近づいてきたという。

 2回目の移送は7月。反対運動が強い地域を迂回(うかい)するための道路建設費をめぐり、「口裏合わせ」は行われた。

 屋良主席は山中貞則・総務長官(当時)に陳情。屋良氏の日誌によると、山中氏は目の前で他省に電話し、20万ドル支出を決める。「山中大臣でなければできぬ芸当」と称賛するが、日米の合意はすんでいた。政府が金で計画を押しつけるのではなく、沖縄の要請を受け入れる形をつくったことがうかがえる。

 当時、毒ガス移送問題に取り組んだ有銘政夫さん(82)は、住民に知らされないまま化学兵器が持ち込まれたことが大きな問題だという。「基地内に何があるのか今も分からない」

 今月20日未明、防衛省は米軍普天間飛行場の移設予定地、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ内に移設工事のための資材を搬入。県民を欺いたとの批判もあがった。有銘さんは言う。「沖縄は犠牲にし、米国の要求には応じる日本政府の姿勢は、少しも変わらない」


 


by asyagi-df-2014 | 2014-07-26 05:31 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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