カテゴリ:書くことから-憲法( 141 )

緊急事態条項を考える。

 「緊急事態条項」について、あまりにも知らなすぎると反省しています。
 「戦争をさせない1000人委員会」のブログにこのことに関する資料(「憲法改正による緊急事態条項の導入の是非について」飯島滋明名古屋学院大学准教授)がありましたので、これを基に「緊急事態条項」を考えます。
 まず、この資料を要約すると次のようになります。


(1)「緊急事態条項」の定義
 戦争・内乱・恐慌や大規模な自然災害などの緊急事態の際、通常は認められない非常措置を国家機関、とくに首相がとる権限が「緊急事態条項」と言われる。
(2)「緊急事態条項」の問題の提起
 阪神・淡路大震災や東日本大震災などの自然災害を例にあげ、今の憲法には「緊急事態条項」がないからこうした自然災害に迅速に対応できなかった、だから憲法を改正して緊急事態条項を導入すべきだと言われると、納得してしまう人も少なくないかもしれない。
(3)「緊急事態条項」にかかる歴史の検証
①ヴァイマール共和国時代
・19199年のドイツの憲法であるヴァイマール憲法。ヴァイマール憲法が14年で実質的なとどめを刺され、ヒトラーが台頭したのはなぜか。理由は複合的であり、さまざまな要因が挙げられているが、憲法上の原因としては、48条の緊急事態条項が理由とされている。
・1933年1月30日、ヒンデンブルク大統領はヒトラーを首相に任命した。ヒトラーは政権の座につくと2月1日に国会を解散し、総選挙を3月5日と決定した。総選挙までの1ヶ月間、ナチスは反対党、特に共産党、社会民主党の党本部、印刷所、集会、行進に対して凄まじいテロ行為を縦横無尽に行った(いわゆる「下からの革命」( Revolution von unten ))。しかし、政敵の政治活動を妨害するためにテロ以上の役割を果たしたのは緊急事態条項であった。
・例えば表現の自由に関しては、ナチスが最初に言論の自由を蹂躙したときに法的根拠としたのはヴァイマール憲法48条であり、3月5日の投票日までに108紙が発禁処分を受けた。発行部数にして200万部が犠牲になった。2月27日には国会が炎上する事件が起こった。ナチスは国会炎上事件を政治的に利用した。
・合法的に政敵を排斥するために出されたのが翌28日の、通称「国会炎上命令」( Reichstagsbrandverordnung )であった。「共産主義的な、国家を危機に陥れる暴力行為から防御するため」(前文)に出されたこの命令では、基本権の制約は「それらについてその他の法律で規定された限度を越えても許される」(1条)とされた。1993年3月から4月までには約25000人が、そして秋までに約10万人が国会炎上命令に基づき「保護検束」された。国会選挙の1週間前、集会の禁止と出版禁止によって共産党と社会民主党の選挙戦は著しく麻痺させられるに至った。
・ヒトラーの独裁を可能にさせたことで名高い、「国民と国家の困難を除去するための法律」( Gesetz zur Behebung der Not von Volk und Reich )、いわゆる「授権法」( Ermächtigungsgesetz )の成立は、緊急事態条項を根拠とする大統領命令に大きく依存していた。
・ヴァイマール憲法の息の根を止めることになる「授権法」は441対94(反対は社会民主党だけ)という圧倒的多数で3月23日に国会で可決された。
②フランス第5共和制時代
・いまのフランス憲法である第5共和制憲法はアルジェリアを巡る危機の中で誕生した憲法であり、36条の「戒厳令」( l’état de siège )など緊急事態に備えた条文が幾つか存在する。その中でも中心的な役割を果たすのは第16条の「緊急権」である。
・1961年4月21日深夜、外人部隊の第一空挺連隊によりアルジェリアの主要官庁が占領され、「政府代表」モラン( Morin )、総司令官ガンビエ将軍などが逮捕された。翌朝、4人の将軍の名において「最高司令部」( haut commandement )の設立が宣言され、最高司令部はアルジェリアに「戒厳令」を布告した。ゼレルはラジオで「フランスのアルジェリア」以外に平和的解決はありえないと演説した。さらに反乱軍は本国の軍極右分子と連繋しパリ進撃の気配を見せた。こうした状況で、大統領ド・ゴールはラジオ放送を通じて憲法16条による緊急権の行使を発表し、反乱軍の粉砕を表明した。反乱は数日で終息したが、4月23日に発動された緊急権は9月30日まで適用された。
・この事件では、警察官によって「リンチ」、「水死」( noyades )、「略奪」といった「あらゆる種類の暴力行為」( L’année politique,1961,p.137. )、「銃撃や拷問」(渡邊 啓貴『フランス現代史 ――英雄の時代から保革共存へ ――』(中公新書、1998年)115頁)等が行われた。
(4)「緊急事態条項」の問題点
①憲法改正による「緊急事態条項」導入も、実は戦争遂行を容易にするための法整備であることを認識する必要がある。
②自民党が2012年に発表した自民党「憲法改正草案」99条では、「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」とされている。ナチスの独裁を可能にさせた、いわゆる「全権委任法」1条と同じような内容となっており、行政権が立法権を行使できる規定となっている。
③財政に関しては、「内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い」との規定を根拠に、内閣総理大臣は戦争などの「緊急事態」の際に「財政国会中心主義」(憲法83条)を棚上げにして戦争遂行のための財政を執行したり、「租税法律主義」(憲法84条)を棚上げにして戦争のための税や物資などを国会の関与なしに市民から徴収することも可能になる。
(5)「緊急事態条項」に何故、反対するのか
①東日本大震災などを例にあげ、憲法を改正して緊急事態条項を導入すべきと言われると、納得する人も少なくないかもしれない。しかし、ヒトラーによる緊急事態条項の濫用や、アルジェリアをめぐるフランス第5共和政憲法16条の行使の状況をみれば、緊急事態条項が個人の権利・自由を守るどころか、「緊急事態」を名目に、基本的人権の侵害、とりわけ権力者にとって目障りな存在の権利を侵害し、政敵排除の手段として濫用されてきたことが分かるであろう。
②自民党憲法草案にあるように、戦争遂行のために「緊急事態条項」が利用され、戦争遂行のための財政を執行したり、税や物資などを国会の関与なしに市民から徴収することも可能になる。
③「国の緊急事態としては、大規模なテロ、騒乱、大きな自然災害や原発関連施設での重大、広範囲な事故の発生」などが挙げられるが、「大規模なテロ、騒乱」に関しては、刑法の傷害罪や殺人罪、騒擾罪、さらには警察法に基づき「緊急事態」の布告を発し(警察法71条)、「一時的に警察を統制」する権限(警察法72条)が認められ、国内の内乱・騒擾のために自衛隊法には治安出動(自衛隊法78条、81条)の規定がある。「自然災害」等も最終的には首相は緊急災害対策本部を設置して自ら指揮をとり(災害対策基本法107条)、自衛隊、警察等を指揮できる(自衛隊法83条、警察法71、2条)。阪神・淡路大震災に関しても、迅速な対応をとった市の被害が少ないことが指摘されているし、淡路島では消防団の活躍により、即死者以外ほとんど死者を出さなかったことが脚光を浴びた。こうした事実が示すのは、災害による被害の拡大の原因が法制度の不備というよりも、制度の運用の仕方にあることではないだろうか。
(5)結論
①憲法改正をしなくても、自然災害などには現行法で対応が可能である。にもかかわらず、緊急事態の際に首相に無制限の権限を与えて一気に事態に対処する可能性を認める緊急事態条項を憲法改正で導入すれば、緊急事態に対処する以前に日本社会そのものが危機に陥る危険性があろう。                               ②憲法改正には国民投票が必要だが(96条)、緊急事態条項の危険性が主権者である国民に十分に認識されないうちに、憲法改正国民投票が行われる可能性がある。「改憲手続法」(憲法改正国民投票法)では、憲法改正を発議した日から60日以降180日以内と、短い期間に憲法改正国民投票が行われることになっている(2条1項)。         ③憲法改正に賛成の意見が大々的に流布される一方、憲法改正に反対の見解がほとんど流布されないなど、不公平な国民投票のしくみになっている。   
          


 「緊急事態条項」について、その危険性の割には、その危険性について知らなすぎることに、あらためて愕然とする。
 「憲法改正に賛成の意見が大々的に流布される一方、憲法改正に反対の見解がほとんど流布されないなど、不公平な国民投票のしくみになっている。」という事実のうえに、「緊急事態条項の危険性が主権者である国民に十分に認識されないうちに、憲法改正国民投票が行われる可能性がある。」という指摘は、「緊急事態に対処する以前に日本社会そのものが危機に陥る危険性」が目の前に来ているということでしかない。


「『緊急事態』を名目に、基本的人権の侵害、とりわけ権力者にとって目障りな存在の権利を侵害し、政敵排除の手段として濫用されてきた」という歴史を深く認識し、「緊急事態条項」について反対しなければならない。


 以下、戦争をさせない1000人委員会の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-01-26 06:30 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」との答弁を考える。

 2016年1月12日の安倍晋三首相の衆院予算委員会での「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」という答弁は、驚きの発言である。いや、驚くこと自体がすでに間違っているのかもしれない。
 まさしく、この答弁は、日本国憲法でいうところの「地方自治の本旨」を否定するものである。
本来、、「地方分権」、「地方の自己決定権の確立」という流れのなかで、日本のあり方は追求されてきたはずであった。
 今回の安倍首相の答弁は、安倍晋三政権がこれまでとは異質のものであることをはっきりと証明するものである。
 当然、安倍晋三政権が画策する日本国憲法の「改憲」は、このためにあることを、きちっと受け止めなけねばならない。


 今回の安倍首相の答弁について、沖縄タイムスは2016年1月13日付けの社説で次のように反論している。
 沖縄タイムスの主張を要約すると次のようになる。


 沖縄では、「県内で行われた2014年の選挙は新基地に反対する候補がすべて勝利を収めた。名護市長選、衆院選の全4小選挙区、知事選である。翁長雄志知事が埋め立て承認した前知事に約10万票の大差をつけて民意がはっきり示された」。
 にもかかわらず、辺野古新基地建設をを強行しているのが安倍政権である。
 日本人の「日米安保条約を肯定する人は8割を超える。」、ことは確かである。にもかかわらず、「米軍専用施設が沖縄に集中するのは不条理この上ない」ものである。
 結局、「沖縄が求めているのは受益に見合う応分の負担だ。」、ということなのだ。
 つまり、沖縄の主張は、日米安保を肯定し受益する以上、日本全体で、「受益に見合う応分の負担」が必要であるということだ。日本人全員がその自覚を持つ必要がある、ということだ。
 今回の安倍首相の答弁の主旨は、「安全保障政策は国の専管事項で、沖縄が選挙を通じてどんな民意を出したとしても新基地をつくる。」、ということにある。
 しかし、この答弁は、「仮に安全保障政策が国の専管事項であったとしても地域の意思を無視して米軍基地の建設が許されるわけではない。自治体は住民の生命と財産、生活を守る任務がある。地元の理解を欠いた安全保障政策は『砂上の楼閣』である。首相発言は民主主義、地方自治にもとる考えだ。」。
 残念ながら、「選挙前に予防線を張り、新基地建設に反対する大多数の県民に『無力感』を与える狙いが感じられる。」、とさえ指摘せざるをえない。


 どうやら、「日米安保を肯定し受益する以上、日本全体で、『受益に見合う応分の負担』が必要であるということだ。日本人全員がその自覚を持つ必要がある、ということだ。」、ということを真剣に考える時が来ている。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-01-14 17:22 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

世界平和アピール七人委員会のアピ-ルを考える。

 世界平和アピール七人委員会は、2015年12月20日、「武力によらない平和の実現を目指して ―世界平和アピール七人委員会創立60年に際して―」と題するアピールを発表しました。
このアピ-ルを考える。


(世界及び日本の状況分析)
①今日、世界は安定を欠き、中東では、ヨーロッパ諸国による植民地支配の残渣が解消されることなく、長年の被圧迫者の不満が噴出し、関係者の利害が錯綜している。その中で大国による紛争地域への利己的な武器供与を含む行動が続き、国家と非国家によるもつれあいの破壊活動が相次いで、世界各地に恐怖と憎悪が広がっている。
②報復の連鎖は、恐怖と無関係に生きることができる安全・平和な世界につながる道ではない。
③一方、東アジアでは、日本の戦争責任について、いまなお共通の歴史認識をもつに至らず、冷戦の終結は遅れたままで、国家間の真摯な対話が成り立っていない。
④第二次世界大戦から70年経過した今日、日本では、国民に誠実に説明して納得を求めることなく、日本国憲法も国会も無視し、主権者の国民の意向と無関係に、まず外国への約束を重ねて既成事実をつくる政治が強行されるという異常事態が続いている。
(主張)
①世界は時代と共に次々に変革を重ねてきたのであって、現在の不安定な状況が、いつまでも継続することはありえないと考える。変化の兆しを見逃すことなくとらえるためには、歴史を踏まえて、未来を見通していかなければならない。
②世界の中で、日本と日本人は、日本国憲法、そして国連憲章の基本理念である“国際紛争を平和的手段によって解決する”姿勢を堅持すべきであって、特定国への過度の依存と癒着を解消し、自立することが必要である。日本は“武力による威嚇または武力行使”を放棄し、交戦権を認めていないのだから、全世界から信頼される道を歩み、恐怖のない安全な世界の樹立に向けて主導的に貢献するために有利な立場に立っているはずである。そのためにも日本は、人口激減が進行する中で本来実現不可能な軍備増強、外交軽視路線を続けることを速やかに転換すべきである。
③日本は、近隣諸国との間で、科学技術、教育、文化、スポーツ、経済などの協力・交流を強め、相互理解を増進することを積極的に進めて、政治の世界における不信関係、敵対関係を速やかに解消させるために貢献することが必要である。国民の多数が自ら考え続け、発言し、行動していけば、アジアの平和は実現できると私たちは信じている。
(結論)
戦争は最大の環境破壊であり、いかなる戦争も非人道的である。安心して平和の中で生きていける世界は現実の目標であるが、願望だけでは実現できない。私たち一人ひとりが具体的に一歩ずつ歩みを進め、できるところから基盤を拡大していくべきである。
 我々七人委員会は、創立60年の機会に、武力に依存しない平和な世界の実現を目指してこれからも努力を続けていくことをあらためて宣言する。


 このアピ-ルを通して、やはり、今、私たちが確認しなければならないのは、次のことである。


 「戦争は最大の環境破壊であり、いかなる戦争も非人道的である。」ということをまずは客死する。
 そして、「日本国憲法、そして国連憲章の基本理念である“国際紛争を平和的手段によって解決する”姿勢を堅持」するなかで、「安心して平和の中で生きていける世界」を目指すこと。
 そのために、「私たち一人ひとりが具体的に一歩ずつ歩みを進め、できるところから基盤を拡大していく」ことである。


 以下、世界平和アピール七人委員会アピ-ルの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-12-25 06:10 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

毎日新聞と埼玉大学との共同の郵送世論調査「日本の世論2015」で、「戦後の日本の繁栄に今の憲法が果たしてきた役割」の評価について、「役立った」との回答が86%。

 標題について、毎日新聞は2015年12月23日、「毎日新聞は10〜12月、埼玉大学社会調査研究センターと共同で郵送世論調査『日本の世論2015』を実施した。『戦後の日本の繁栄に今の憲法が果たしてきた役割』の評価を尋ねたところ『役立った』との回答が86%(『かなり』34%、『ある程度』52%)に上った。『あまり役立っていない』は9%、『全く役立っていない』は2%だった。」、と報じた。
 また、「『戦後レジームからの脱却』を掲げる安倍晋三首相は来夏の参院選後を視野に、政権として憲法改正に取り組む構えを見せている。調査では、憲法が『役立った』との回答は内閣支持層でも86%と回答者全体の傾向と変わらず、憲法の評価は浸透している。」、と伝えた。


 安倍晋三政権は、「改憲」路線を鮮明にしてきている。
 しかし、世論は、「憲法の評価は浸透している」というのが実態ではないか。


 以下、毎日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-12-24 16:02 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

安保法案が成立して3ヶ月を経過して。

「賛否を巡り国民の間や国会で大激論があった安全保障関連法の成立から、19日で3カ月が経過した。国会を取り巻いた抗議の人波は消え、安倍晋三首相は野党の求める臨時国会を開かず、安保法制への積極的な言及もない。世間の関心は薄れたかにみえる。それでも声を上げる市民や若者たちは、各地にいる。」


 毎日新聞は2015年12月19日、安保法の成立3ヶ月経過について、このように報じた。
毎日新聞が拾った各地での「声」を掲載する。


(東京)
「安保関連法で日本の安全保障環境が悪化した可能性がある。主権は国民にあるということを、改めて確認しないといけない」
「戦争になれば、行くのは私たち。反対の声を上げるのは普通のことです」
(大阪)
「うちらの未来に戦争いらん」と声を上げた。
「勉強したり遊んだり、私たちの幸せは平和の上に成り立っている。この幸せを守るために声を上げることが大切です」と主張した。
(広島)
「世界の情勢が不安定で、戦争に向かっているように感じる。安倍首相はアメリカのご機嫌取りのような政策をやめ、世界が平和になるよう考えてほしい」
(京都)
「強行採決を忘れない。子供にも、母親が抗議の声を上げている姿を見てもらいたい」
(奈良)
「戦争になれば自国だけじゃなく、相手の国も誰かが犠牲になる。9月、民主主義が崩壊した日を忘れない。しかし、また(民主主義を)始めよう。私たちには間違いが起こらないよう学び、伝える責任がある」
(北九州)
「戦争を正当化する法律は許さない。未来の子供たちの命を絶対に渡さないという思いで活動を続けよう」


 決して、関心は薄れたわけではない。
 一歩踏み出すのに自分たちの「機会」を待っている人たちがいる。
 そんな人たちの「機会」は、どこにでもある。
 でも、すぐに目の届くところにあれば、もっと良い。 

 以下、毎日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-12-23 06:13 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

安倍晋三内閣の憲法53条違反-臨時国会を開かないことへ

 水島朝穂さんは、ブログ「直言」で、「臨時国会のない秋――安倍内閣の憲法53条違反」と、次のように指摘しています。


(1)憲法53条に違反するということ。
 『日本国憲法改正草案Q&A増補版』(自民党、2013年10月)にはその趣旨が次のように説明されている。

「現行憲法では、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならないことになっていますが、臨時国会の召集期限については規定がなかったので、今回の草案では、『要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない』と、規定しました。党内議論の中では、『少数会派の乱用が心配ではないか』との意見もありましたが、『臨時国会の・・・・・召集要求権は・・・・・・少数者の・・・・権利として・・・・・定めた以上、・・・・・・きちんと・・・・召集されるのは・・・・・・・当然である・・・・・』という意見が、大勢でした。」

 これは何とも皮肉である。いま、安倍内閣は、野党が「少数者の権利」を行使して臨時国会の召集を要求したのに対して、これを拒絶した。自らが野党時代につくった改憲草案の解説が、これに対する的確な批判になっている(なお、だからといって憲法53条改正が必要なわけではない。国会法を改正するなりして期限を定めれば足りる)。
10月21日、野党5党は、125人の議員の連名で衆議院議長に対して召集要求を行った。だが、政府は「外交日程」を理由に召集に応じない見通しである。通常国会を1月4日に前倒しする意見も与党内に出ているという(10月24日現在)。


(2)安倍晋三政権が言っていること。
 羽田の政府専用機前でのぶらさがり記者会見で、歴訪の狙いの一つに「トップセールス」を挙げていることからみても、中央アジアの訪問風景をみても、臨時国会を開かない緊急の必要性は見いだせない。また、菅長官は、外交日程に加えて、「予算編成も考慮しなければならない」として、「臨時国会を開かなかった先例もある」と述べた。


(3)日本国憲法53条とは。
 憲法53条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と定める。臨時国会(正確には臨時会)は必要に応じて召集され、召集権者は内閣である。首相が臨時国会の開催は必要ないと判断すれば、開かれることはない。1984年の第2次中曽根内閣と、2005年の第3次小泉内閣のときに臨時国会が開かれていない。だが、衆議院か参議院のいずれかの院の総議員の4分の1以上の議員から要求があれば、内閣は臨時国会の召集義務が生ずる。「召集しなければならない」という文言を素直に読めば、そう解釈せざるを得ない。そもそも憲法が「4分の1以上」という数字にしたのは、定足数の「3分の1以上」(憲法56条)では重すぎる。2分の1以上あれば与党になれるわけだから、4分の1にして、議会内反対派にも配慮するという趣旨だろう。
 また、議員からの召集要求が期日の指定を伴っていたとき、内閣はこれに拘束されるか、という論点がある。現行憲法下で37回の召集要求が行われているわけだが、その最初のケースの1948年7月のときは、「急速に召集するよう」と書いてあった。しかし、実際の召集期日は、指定期日よりも遅れる傾向にある。遅れたとき、野党は「要求補完書」を出してさらに要求する。一番遅れたのは、1949年7月7日に、7月31日召集を指定した要求があったのに対して、吉田内閣は10月25日になってやっと召集したという例である。このとき、8月25日に「要求補完書」が出されている(樋口陽一他『注解法律学全集 憲法Ⅲ』青林書院、1998年、107頁[樋口執筆])。


(4)安倍晋三政権の道理の通らない言い訳。
 与党は「国会軽視」との批判をかわすべく、衆参予算委員会で閉会中審査に応じるとしている。だが、これはおかしい。閉会中審査をするのは、国会法47条2項により前国会の各議院の議決で決まっていることである。閉会中審査をもって臨時国会の召集に応じない代替策とすることはできない。なぜなら、閉会中審査はすでに召集された前国会の権限の「残滓」であって、新たな国会を召集しないことのかわりはつとまらないからである。


 「直言」でも2015年10月22日付けの東京新聞の次の社説を載せている。
 やはり、その通りである。

「野党の要求は憲法に基づく重いものだ。前例を口実に要求を拒み、憲法の規定を軽視する愚を再び犯してはならない。集団的自衛権の行使を違憲とする歴代内閣の憲法解釈を一内閣の判断で変更した安倍政権である。憲法順守の姿勢に強い疑念が持たれていることを、あらためて肝に銘じるべきであろう」


 以下、平和憲法へのメッセージブログの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-29 05:39 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

貧困問題-「貧乏なのに進学した罰」とは。

「大阪市の一等地にあるマンションの一室が、その風俗店の待機部屋だ。20歳前後の女性たちが試験勉強したり、お菓子を食べたり。予約が入ると従業員に客の特徴を聞いて、バッグを手に部屋を出る。短大2年の女性(20)もその一人。高卒より上の学歴があれば、大きな企業に就職して貧困から抜け出せるのではないかと期待して短大へ進んだが、資金的にも精神的にも行き詰まり、週2、3回、働いている。嫌だったが、お金が欲しかった。『貧乏なのに進学した罪』だと思った。」。
 朝日新聞の2015年10月15日の特集「子どもと貧困」はこう書き出していく。
また、「風俗店で働く女性らを支援する一般社団法人『Grow As People』代表の角間(かくま)惇一郎さんは『病気や育児、就活などで短時間しか働けない女性が生活費を稼ごうと思うと選択肢は限られる』と話す。一時的でも風俗を仕方なく選ぶ女性もいるという。角間さんは『行政の支援は個々のニーズに対応しきれていない面がある』と指摘。『住居や託児所などを用意する風俗店もあり、一部の困窮した女性にとってセーフティーネットになっている』とみる。特にここ数年は風俗店で働く学生が増えているといい、『風俗以外の現実的な解決策を社会が用意する必要があるのではないか』と話す。」、と日本の病巣を描く。
 「貧乏なのに進学した罪」などど言わせてしまう、例えば、「経済協力開発機構(OECD)の加盟34カ国中、半数の17カ国が大学の授業料を無償化。日本は有償の国の中でも授業料が高額な部類に入るうえに唯一、国による給付型の奨学金がない」といった日本の構造的問題を、中京大学の大内裕和教授(教育社会学)の声として、「学生に学ぶ時間を提供できない教育政策に問題がある」、「日本の高等教育予算は先進国最低。親の所得に関係なく学べるように、諸外国並みに学費を下げ、給付型奨学金を導入すべきだ」、と指摘する。

 どう考えても、「貧乏なのに進学した罪」など言わせてしまう国としてのあり方は、間違っている。

 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-10-19 05:32 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

貧困問題-貧困は子どもの健康を損なう要因

 子どもの貧困、「窓口で払うお金がなかった」、そして損なわれる子どもの健康。
 朝日新聞は2015年10月14日、特集「子どもの貧困」で、「今年4月、関西地方の歯科医院。3年ぶりに診察する小学3年の男児(9)の口内を見て、医師は『やはりそうなってしまったか』と思った。10本の乳歯が、すべて根だけになっていた。以前の治療中、母子家庭になったと聞いた。生活苦がうかがわれ、来院しなくなった。『窓口で払うお金がなかった』と母親(36)は振り返る。男児の乳歯は抜くしかなかった。今あるのは永久歯が10本ほど。うち2本はむし歯だ。」、と綴り始めた。
 また、こう書き続ける。
「小学校に進むと、歯科検診後にむし歯の治療勧告が出た。就学援助を受けており、本来なら無料で受診できる医療券がもらえる。だが、制度の説明を受けたり、券をもらったりした記憶がない。お金がないことが恥ずかしく、学校や行政に相談しようとは思わなかった。」、と。
 こうした日本状況を、「明海大学病院(埼玉県)の歯科では約3年前から、むし歯が多数ある子どもが来院した場合、家庭状況について調査している。同大の渡部茂教授(小児歯科)によると、親の離婚に伴う貧困、親の病気、子どもの障害などの状況が多くみられたという。この男児については『むし歯が多い子の典型的な例だ』としたうえで、『むし歯が多いイコール貧困ではないが、家庭の問題に気づくきっかけになる』と指摘する。」、と伝える。

 「貧困は子どもの健康を損なう要因にもなる。」、「必要な治療を受けられない『医療ネグレクト』の予防 」といった言葉を、どれぐらい真摯に受け取ることができるのかが、問われている。

 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-10-18 05:37 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

大阪府大東市の福祉事務所が、「世帯の自立から遠ざかる行為」と非難する内容の指導指示書を出す。

 標記の件について、毎日新聞は2015年10月4日、「大阪府大東市の福祉事務所(生活福祉課)が今年6月、生活保護の対象となっていた世帯で唯一働いていた長男(18)が独立して家を出たことについて、『世帯の自立から遠ざかる行為』と非難する内容の指導指示書を出していたことが分かった。両親から相談を受けた弁護士から抗議を受け、事務所側は指導指示書を撤回した。」、と報道した。
 毎日新聞によると、「市福祉事務所によると、この世帯は両親と子供3人の5人暮らしで、長男は今春、高校を卒業して就職。6月1日から女性と暮らし始め、別世帯になった。両親は就労ができないため、長男の給料の大半が世帯の収入と認定され、その分、市が支給する保護費は減っていた。」という経過にも関わらず、「福祉事務所は6月5日付で『長男が高校在学中から進路について確認し、卒業後は世帯の自立のために就労するよう指示してきた。長男が世帯の中心となり、現在学生である次男や妻が就労すれば世帯の自立が可能であり、(長男の独立は)いわば自立から遠ざかる行為』などとする指導指示書を出した。」、とのことだった。
 また、「相談を受けた弁護士が8月、『指導指示書の内容は居住や移転の自由と長男の人権を侵害するもので、違法・無効であることが明らか。次男や長女に対しても同様の指導、指示を行うことのないよう強く求める』とする福祉事務所長あての意見書を提出。事務所側は『誤解を招く表現だった』と謝罪したうえで、指導指示書の撤回を世帯側に伝えた。」という取り組みを行った結果、大東市の福祉事務所側は指導指示書を撤回していた。

 この記事を見た時、行政側の憲法概念の欠如に驚いてしまった。
 弁護士側からの「居住や移転の自由と該当者の人権を侵害する」ことに気づかない方がおかしいわけで、日本国憲法を守るという意味をきちっと整理する必要がある。

 以下、毎日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-10-05 05:34 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

「安保関連法」に違憲訴訟の波を

 安倍晋三首相は、9月19日未明に安保関連法が成立したのを見届けると、連休中は側近らとゴルフを楽しんだ。TVに映し出されたその白いゴルフウェアー姿は、目に焼き付いた。
 「安保関連法案」を強行突破した安倍晋三政権には、違憲訴訟が相応しい。


 毎日新聞は2015年10月1日、「安倍晋三政権は、憲法学者や元最高裁長官らが「憲法違反」と指摘していたにもかかわらず、安全保障関連法を成立させた。来年夏の参院選とともに注目されるのが、今後相次ぐと予想される違憲訴訟の行方だ。三権分立の一翼を担う司法は、これまで憲法判断に消極的と言われてきたが、安保関連法をどう判断するのだろうか。」、とまとめた。
 この中で、違憲訴訟の有効性について、小林節・慶応大名誉教授の次の考え方を掲載する。

   

 「憲法の前文には、誰もが平和な環境で生きられるという『平和的生存権』が明記され、9条でそれを保障しています。ところが安保関連法が施行されると、国民は常に戦争の危険にさらされ、平和的生存権が侵害される。理論上、国を相手に損害賠償を請求できるようになります」


 一方、違憲訴訟の困難さについて、「『裁判所は【原告が権利侵害を受けているとは言えない】などと訴えを棄却する可能性があるからです。また、統治行為論で裁判所が憲法判断から逃げる可能性もあります』と語る。」、との井戸謙一弁護士の言葉を紹介し、所謂門前払いの「訴えの棄却」と「統治行為論」の二つの問題点があることを指摘している。
 また、あえあせて、「最高裁判事に出世するようなエリートほど、法務官僚として最高裁事務総局に勤務したり、法務省に出向したりする期間が長くなりがちです。他省庁と折衝などをしていれば、自然と霞が関の論理に染まり、考え方が政府寄りになってしまいます」、と明治大の西川伸一教授(政治学)の「裁判官の意識の問題」を三つ目の問題点としてあげる。それは、次のような意識であるとする。


「最高裁判事に出世するようなエリートほど、法務官僚として最高裁事務総局に勤務したり、法務省に出向したりする期間が長くなりがちです。他省庁と折衝などをしていれば、自然と霞が関の論理に染まり、考え方が政府寄りになってしまいます」
 また「裁判所は、霞が関では二流官庁」「裁判官は選挙で選ばれた存在ではない」という引け目も、国のあり方を問う訴訟で憲法判断を避ける一因と分析する。さらに問題なのは、その弱みにつけ込む政治家の存在だ。「一部の政治家には『裁判所なんて政治の力でどうにでもなる』というおごりがある。定数是正を促す判決に不満を言う政治家などはその典型。司法はなめられている」と嘆くのだ。


 さらに、四つ目の問題点として、井戸謙一弁護士は、「地裁や高裁で安保関連法の違憲判決が幾つか出れば、政権が裁判所人事などに介入することもあり得るのではないか」、と「政権による圧力の懸念」を指摘する。

 毎日新聞は、次の二人の言葉を載せる中で、「安保関連法」についての憲法判断の必要性をまとめた。


「私たちに裁判所に憲法判断を放棄させない方策はあるのか。西川氏は『裁判官は政治家だけでなく、国民の視線も気にしています。私たちが関心を持ち続けることは裁判官へのプレッシャーになる。司法に物申す機会として、最高裁判所裁判官の国民審査もあります』と指摘する。」

「安保関連法の成立に突き進んだ自民党の高村正彦副総裁は『憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない』と言い切った。では、本当に裁判所は政治をそんたくしない『憲法の番人』なのか。問われる日は必ず来る。」


「憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない」という言葉を、真に実現させなければならない。
 でなければ、本当に日本の司法は終わってしまう。

 以下、毎日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-10-03 05:40 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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