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東京地裁は、朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、卒業生らの訴えを退けた。(3)

 朝日新聞は2017年9月14日、表題について、「朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、東京地裁は13日の判決で『適法』と判断し、卒業生らの訴えを退けた。原告側勝訴とした7月の大阪地裁判決とは正反対の結果に、関係者からは失望と怒りの声が上がった。田中一彦裁判長が法廷で『原告の請求をいずれも棄却する』のみ言い渡して退廷すると、約80人の傍聴者は座ったまま動かず、『負けたということ?』『何だそれ』と口にした。」、と報じた。
 また、信濃毎日新聞は2017年9月19日、「朝鮮学校訴訟 学ぶ権利、顧みない判決」、と社説で論評した。
 この判決を、信濃毎日新聞の社説で考える。
信濃は、「教育を受ける機会を公平に保障する高校無償化制度の趣旨を踏まえた判断とは言いがたい。学ぶ権利や教育の独立性を損なう行政の介入に厳しい目を向けるべき司法が、その責務を自ら放棄していないか。」、と東京地裁判決を批判する。
 また、信濃毎日新聞は、この判決の問題点等を次のように指摘する。


(1)朝鮮学校を無償化の対象から除外したのは違法として卒業生たちが国に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁が請求を棄却する判決を出した。国側の主張を全面的に認め、裁量権の逸脱はないと結論づけている。判決でとりわけ納得がいかないのは、無償化の対象外とした政府の判断について「政治的理由ではない」としたことだ。なぜそう言えるのか。根拠をはっきりと示してはいない。
(2)高校授業料の無償化は、民主党政権下の2010年に導入された。外国人学校も広く対象とする一方、朝鮮学校だけは適用が見送られ、自民党の政権復帰後の13年に文部科学省令を改定して除外を明確にした。「拉致問題が進展しておらず、国民の理解が得られない」。当時、下村博文文科相は述べている。政治的な判断であることは明らかだ。判決は、結論ありきの強引な理屈づけにしか見えない。
(3)国は裁判で、朝鮮学校は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と密接な関係にあり、就学支援金が授業料に充てられない懸念があると主張した。判決はこれを追認したが、公安調査庁の資料などに基づく主張を裁判所として十分に検証した形跡は見当たらない。
(4)同様の裁判で原告が勝訴した7月の大阪地裁判決は、国の主張の根拠を検証し、朝鮮学校を除外する特段の事情は認められないとした。教育の自主性、独立性を重んじ、政治の介入を抑制する原則に立ったまっとうな判断である。
(5)拉致問題や核・ミサイル開発をめぐって北朝鮮は強く非難されている。だからといって、在日の人たちをそれと結びつけ、日本で生まれ育った子どもたちにまで責めを負わせるべきではない。


 信濃毎日新聞は、まっとうに、次の二点を掲げる。


(1)教育を受ける権利は、ほかの学校の生徒たちと同じように保障されなくてはならない。朝鮮学校だけを分け隔てる施策は、法の下の平等や教育の機会均等に反する差別であり、排外的な主張を助長することにもつながる。
(2)民族的な少数者が自らのルーツに関わる言葉や文化を学ぶ権利も尊重されるべきだ。差別が制度化された現状は改めなくてはならない。司法は人権を守る立場から政府にそれを促す責任がある。


 あらためて、確認する。
 「拉致問題や核・ミサイル開発をめぐって北朝鮮は強く非難されている。だからといって、在日の人たちをそれと結びつけ、日本で生まれ育った子どもたちにまで責めを負わせるべきではない。」ことを。





by asyagi-df-2014 | 2017-09-25 07:07 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

東京地裁は、朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、卒業生らの訴えを退けた。(2)

 朝日新聞は2017年9月14日、表題について、「朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、東京地裁は13日の判決で『適法』と判断し、卒業生らの訴えを退けた。原告側勝訴とした7月の大阪地裁判決とは正反対の結果に、関係者からは失望と怒りの声が上がった。田中一彦裁判長が法廷で『原告の請求をいずれも棄却する』のみ言い渡して退廷すると、約80人の傍聴者は座ったまま動かず、『負けたということ?』『何だそれ』と口にした。」、と報じた。
 また、朝日新聞は2017年9月15日、「朝鮮学校訴訟 説得力を欠く追認判決」、と社説で論評した。
 このことを、朝日新聞の社説で考える。
朝日新聞は、この判決を、「『結論ありき』で政権が進めた施策を、『結論ありき』で裁判所も追認した。そう言わざるを得ない判決である。」、と断じた。
また、この判決の問題点を遅疑のように指摘した。


(1)高校の授業料無償化をめぐり、朝鮮学校が対象からはずされたことの違法性が争われた裁判で、東京地裁は国側の主張を全面的に認めた。文部科学相がとった措置は「不合理とまではいえない」と述べた。「追認」が際立つのは、「この施策は政治的・外交的理由によってなされたものとは認められない」と判断した部分だ。
(2)朝鮮学校を無償化の対象としないことは、政権交代で第2次安倍内閣が発足した直後に事実上決まった。省内の規定で「意見を聴くものとする」と定められていた学識者による審査会の結論は、まだ出ていなかった。当時の下村博文文科相は記者会見で「拉致問題の進展がないこと」を、まず理由にあげた。民主党政権の下で「外交上の配慮などはせず、教育上の観点から客観的に判断する」という政府統一見解が出ていたが、これについても下村氏は「当然廃止する」と明言した。
(3)だが政治・外交への配慮から対象外にしたとなると、教育の機会均等を図る無償化法の目的に反し、違法の余地が生じる。政府は、大臣発言は国民向けのメッセージであって、本当の理由は「朝鮮学校に支給した金が流用される恐れがあるからだ」と説明するようになった。
(4)取り繕ったのは明らかだ。しかし東京地裁は、納得できる理由を示さないまま、国側の言い分を認めてしまった。行政を監視し、法の支配を実現させるという司法の使命を忘れた判断だ。無償化をめぐる同様の訴訟で「教育とは無関係な外交的、政治的判断があった」と述べ、政府の措置を違法とした7月の大阪地裁判決のほうが事実に即し、説得力に富む。


 朝日新聞は、「改めて確認したい。」、と次のように結論づける。


(1)北朝鮮による拉致行為は許し難い犯罪だ。だがそのことと、朝鮮学校の生徒らに同世代の若者に対するのと同じく教育の機会を保障し、成長を手助けすることとは、別の話である。
(2)朝鮮学校と朝鮮総連の間に一定の関係があるとしても、同校は、一市民として日本社会で生きていくために、必要な知識や考え方を身につける場になっている。通っているのは自分のルーツの民族の言葉や文化を学ぶことを望む生徒で、韓国・朝鮮籍や日本国籍など多様だ。誰もが明日の社会の担い手である点に違いはない。この当たり前のことを胸に刻みたい。社会の成熟度が問われている。


 確かに、朝日新聞の二点の結論は、正鵠を得ている。
 2017年7月28日の朝日新聞は、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。『国の不指定とした処分を取り消す』。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。」、と報じた。
 また、2017年7月30日の社説で大阪地裁判決の主旨を次のように説明している。


(1)経済的事情で勉学を断念することがないよう、国の負担で教育の機会均等を確保する。判決が判断の軸にしたのは、高校無償化法にあるこの目的だ。
(2)無償化は民主党政権が2010年に始めたが、朝鮮半島情勢を理由に適用を見送った。第2次安倍内閣では下村博文・文科相が拉致問題などを理由に「国民の理解が得られない」とし、13年2月、不支給を決めた。
(3)大阪地裁はこうした国の対応を「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づき、法の趣旨を逸脱し、違法で無効だ」と結論づけた。
(4)教育制度を政治・外交課題と同一線上で論じ、混同することを、厳しく戒めたといえる。


 さらに、朝日新聞は次のように押さえていた。


(1)日本で学ぶ全ての生徒に公平に教育の機会を与える、という制度の原点に立った判決だ。
(2)国は司法の判断を重く受けとめ、速やかに支給すべきだ。
(3)いま、朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。


 あらためて、次のことを確認する。


 教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づき、法の趣旨を逸脱してはならない。





by asyagi-df-2014 | 2017-09-23 06:00 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

東京地裁は、朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、卒業生らの訴えを退けた。(1)

 朝日新聞は2017年9月14日、表題について、「朝鮮学校を授業料無償化の対象外とした国の措置を巡り、東京地裁は13日の判決で『適法』と判断し、卒業生らの訴えを退けた。原告側勝訴とした7月の大阪地裁判決とは正反対の結果に、関係者からは失望と怒りの声が上がった。田中一彦裁判長が法廷で『原告の請求をいずれも棄却する』のみ言い渡して退廷すると、約80人の傍聴者は座ったまま動かず、『負けたということ?』『何だそれ』と口にした。」、と報じた。
 また、朝日新聞は、判決後の様子を次のように続けた。


(1)この日、東京朝鮮中高級学校(北区)の生徒や保護者、卒業生ら約1500人が傍聴券を求めた。判決後に弁護団が地裁前で「不当判決」「声届かず」の旗を掲げると、「うそだ」「差別反対」と次々に声が上がり、泣きだす女性もいた。娘が同校に通う梁仙麗(リャン・ソン・ニョ)さん(45)は「最近の朝鮮半島情勢が影響したとしか思えない。市民感情ではなく法律で判断すると信じていた。子どもを失望させてしまった」と涙をうかべた。
(2)慎吉雄(シン・ギ・ルン)校長は地裁前で「勝訴しか考えていなかった」とぼうぜん。「子どもたちに『日本社会から差別されている』と思い起こさせたのが、この裁判だったのではないか」と話した。
(3)判決後の記者会見で、原告の女性(22)は「後輩たちがつらい思いをすると考えると、胸が張り裂けそう」と話した。弁護団の李春熙(リ・チュ・ニ)弁護士は「ここで立ち止まってはいけない。逆転するためにがんばらなければ」と力を込めた。





by asyagi-df-2014 | 2017-09-21 07:17 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

元米国防長官ウィリアム・ペリー氏がインタビュ-で、「抑止力は、日本全体の複数の場所で満たされる。単に普天間を移設することだけで言えば、必ずしも沖縄でなくてもいい。しかし・・・」、と回答。

 来県中の元米国防長官ウィリアム・ペリー氏(89)がインタビューに応じた。
 さて、このことを、どのように考えるのか。
 沖縄タイムスは2017年9月14日、「【普天間】返還が実現しない理由、沖縄への基地集中…ペリー氏一問一答」、と報じた。琉球新報は2017年9月15日、「元米国防長官証言 『辺野古唯一』虚構を証明」、と社説で論評した。
沖縄タイムスのインタビュ-記事と、琉球新報社説で、このインタビュ-での発言を考える。

 第一に、「移設を決めた当事者として、辺野古が唯一の解決策と思っているか。」という質問に対して、ウィリアム・ペリー氏は「在日米軍は日本に何らかの攻撃が加えられたとき、信頼関係を満たす存在であることを証明する任務がある。それを遂行するために別の場所を模索することが可能かということだが、私は必ずしも沖縄である必要はないと思っている。(移設先については)安全保障や軍事の観点ではなく、日本政府の政治的判断が大きく関わっている。米国は最終決定には関われない。ただ私としては、SACO合意が実現されていたら、沖縄の人たちによりよい結果をもたらしただろうと考えている」、と答えている。
第二に、「必ずしも沖縄の基地が必要ではないというが、同飛行場の移設先は沖縄でなくてもよいのか。」については、「「抑止力は、日本全体の複数の場所で満たされる。単に普天間を移設することだけで言えば、必ずしも沖縄でなくてもいい。しかし実際に軍がどう機能しているかというと、海兵隊が単独で行動するのではなく、海軍、空軍などのほかの部隊にも関わる。その機能と同等のものが引き出せるかと考えて出た結果が、SACO合意だった」、と答えている。
第三に、「県民の反対の声が強い中、辺野古に基地を完成させることは可能か。」について、「私たちは代替案も考えたが、どれも最良の選択肢ではないと結論づけた。SACOの話し合いで私は、大田昌秀知事(当時)の考えをなるべくテーブルに出すよう努力をしたが、大田知事が納得できるような結論は出なかった。しかし、合意はベストではなくてもベターなものだった。合意がベストではなかったことには謝罪しない。しかし合意が実現されていないことに対しては謝罪したい。今回、普天間を見た。住宅地が広がり、毎年状況は悪くなっていると思うからだ」、と答えている。

 特に、琉球新報は安倍政権の唱える「辺野古移設が唯一の解決策」について、ウィリアム・ペリー氏の発言から疑問を投げかける。
琉球新報は、「辺野古移設が唯一の解決策」が沖縄差別政策にほかならないのではないかと、次のように説明する。

「沖縄に過重な負担を押し付ける安倍政権の「辺野古唯一」論は、どう取り繕おうと虚構である。そのことが改めて証明された。
 元米国防長官ペリー氏が米軍普天間飛行場の移設先の決定要因は「安全保障上の観点でも、軍事上の理由でもない。政治的な背景が原因だった」「米国がここに移設しなさいと決定する権利はない。(移設先の決定には)日本政府の政治的な判断が大きく関わっている」と述べた。
 「政治的な背景」や「政治的な判断」とは何か。
 米軍基地問題の沖縄以外への波及を避けることに主眼を置き、沖縄に過重な米軍基地負担を負わせることを躊躇(ちゅうちょ)なく選択した政府の姿勢のことである。それは沖縄差別政策にほかならない。」

 また、琉球新報は、「米政府関係者の証言は以前からある。元駐日米大使のモンデール氏は2004年、米国務省外郭団体のインタビューで1995年の米兵による少女乱暴事件に関して『(事件から)数日のうちに米軍は沖縄から撤退すべきか、最低でも駐留を大幅に減らすかといった議論に発展した』が、『彼ら(日本側)はわれわれが沖縄を追い出されることを望んでいなかった』と振り返っている。ペリー氏は移設先を『沖縄本島東海岸沖』と決定した96年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告を承認した当時の米国防長官である。モンデール氏は96年4月に橋本龍太郎首相との共同記者会見で普天間飛行場の返還合意を表明した人物である。両氏の証言に、日本政府は反論できまい。」、と続ける。
さらに、「日本の関係者の話などからも辺野古を移設先とした理由が明確になっている。普天間飛行場返還合意時の官房長官だった梶山静六氏は98年、移設先が沖縄以外だと『必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす』と辺野古を移設先とする理由を記していた。森本敏氏は防衛相当時の2012年、『軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ』と述べた。森本氏も軍事的、地政学的な理由ではなく、政治的状況を優先して辺野古に決定したことを認めていた。」、と指摘を加える。
 結局、琉球新報は、「安倍政権の唱える『辺野古移設が唯一の解決策』は沖縄県民のためではなく、県民以外の国民にとっていい解決策ということでしかない。数々の証言や文書が示している。全ての国民は『法の下に平等』と明記した憲法14条に、政府の辺野古への新基地建設計画は明らかに反する。直ちに断念すべきだ。」、と結論づけるのである。

 どうやら、はっきりしたことは、次のことである。

Ⅰ.「辺野古移設が唯一の解決策」について、その場所が、必ずしも沖縄である必要はないということ
Ⅱ.(移設先については)、米国は最終決定には関われないことから、それの判断は、米国の安全保障や軍事の観点ではなく、日本政府の政治的判断が大きく関わっていること。
Ⅲ.「辺野古移設が唯一の解決策」とは、沖縄県民以外の国民にとっての解決策であることを日本政府が自ら選択したこと。故に、この行為は、「法の下に平等」と明記した憲法14条に違反していること。



by asyagi-df-2014 | 2017-09-20 07:11 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

大阪地裁は、「国の不指定とした処分を取り消す」、と判決を出す。(3)-澤藤統一郎の憲法日記より-

 朝日新聞は2017年7月28日、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。「国の不指定とした処分を取り消す」。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。」、と報じた。
 この判決について、澤藤統一郎の憲法日記は2017年7月28日、「大阪地裁、朝鮮学校への差別行政を糺す!」、と評した。
 この要約は、次のとおり。


Ⅰ.判決の概要


(1)この裁判は、2013年1月24日の提訴。原告は、東大阪市で大阪朝鮮高級学校などを運営する学校法人「大阪朝鮮学園」。被告は、国。朝鮮学校を無償化の対象から外した国の「不指定処分」の取消を求める取消請求と、指定の義務付け請求の訴訟。今月19日の、同種訴訟での広島地裁判決が原告敗訴だっただけに、本日の判決はとりわけの感動をもって受けとめられた。原告弁護団の丹羽雅雄団長は、「裁判所は良心と法の支配のもとで適正な事実認定、判断を下した。我々の全面勝訴だ」とコメントしている。
(2)高校の授業料の無償化(就学支援金支給)制度は2010年、民主党政権時代に導入された。この制度から、朝鮮学校だけを対象から外したのが、第2次安倍政権。ブラジル学校、中華学校、韓国学校、インターナショナルスクールなど、39校の外国人学校が文部科学大臣の指定を受けているが、朝鮮学校10校だけが除外されているという。「拉致問題の進展がない」「朝鮮総連との密接な関係から国民の理解を得られない」ことを理由とするもの。高校生に何の責任もないこと。
(3)この制度で、外国人学校が無償化(就学支援金支給)の対象となるには文部科学大臣の指定を受ける必要があり、すべての朝鮮学校がその申請をしたが、2013年2月に申請拒否の処分となった。本日の判決は、原告の請求を認容して、国の「就学支援金の不支給処分を取り消す」とともに、被告国に対して「就学支援金の支給処分をせよ」と命じた。これは、安倍内閣の民族差別政策に対する断罪でもある。


Ⅱ.判決の意味


(1)この種の訴訟は、行政裁量との闘いである。裁判所は民主的な手続で運営されている(はずの)行政の裁量を大幅に認める。法の趣旨や理念から大きく外れる場合に限って、処分が違法となる。裁判所は民主的な手続によって構成されない。その裁判所の行政への介入は最小限度であるべきという司法消極主義が、わが国の伝統となっているのだ。広島地裁判決は、このハードルを越えられないものだった。
(2)本日の判決は、軽々とこのハードルを越えた。原告側の主張は、「北朝鮮との外交問題を理由に不利益を与えるのは差別意識を助長し違法」という平等権(憲法14条)を骨子とするもの。本日の大阪地裁(西田隆裕裁判長)判決は、「無償化に関する法律を朝鮮学校に適用することは、『拉致問題の解決の妨げになり、国民の理解が得られない』という外交的、政治的意見に基づいて対象から排除したと認められ」「教育の機会均等とは無関係の外交的、政治的意見に基づく処分で違法、無効」と指摘して、国の処分を取り消し、無償化の対象に指定するよう命じた、と報じられている。



 今回の大阪地裁の判決が、「『無償化に関する法律を朝鮮学校に適用することは、【拉致問題の解決の妨げになり、国民の理解が得られない】という外交的、政治的意見に基づいて対象から排除したと認められ』『教育の機会均等とは無関係の外交的、政治的意見に基づく処分で違法、無効』と指摘して、国の処分を取り消し、無償化の対象に指定するよう命じた」、というものであったことを確認する。



 加えて、澤藤さんは、最後を、「いま、安倍内閣が揺らいでいる。安倍内閣の憲法無視の姿勢がようやくににして批判の対象になってきているということであり、近隣諸国民や在日に対する敵意涵養政策が揺らいでいるということでもある。民族差別や憎悪を助長する政策頓挫の意味は大きい。次は、9月13日の東京地裁判決に注目するとともに、支援の声を送りつつ期待したい。」、と結んでいる。



by asyagi-df-2014 | 2017-08-07 06:34 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

大阪地裁は、「国の不指定とした処分を取り消す」、と判決を出す。(2)-朝日新聞社説より-

 朝日新聞は2017年7月28日、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。「国の不指定とした処分を取り消す」。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。」、と報じた。
 この判決について、朝日新聞は2017年7月30日、「朝鮮学校判決 国は速やかに支給を。」、と評した。
 朝日新聞の要約は、次のとおり。


Ⅰ.判決の内容


(1)国が主張したのは、朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連とつながりをもち、「『不当な支配』を受け、適正な学校運営がされない懸念がある」という点だった。
(2)判決は、朝鮮高級学校で北朝鮮を賛美する内容の教育があり、総連の一定の関与があることは認めた。ただ、補助教材を活用するなどし、教育内容が一方的ではなく、さまざまな見方を教えているとも指摘、「教育の自主性を失っているとまでは認められない」と述べた。
(3)国は「支援金が授業料にあてられない懸念がある」としたが、判決は、裏付けの事実がないとして認めなかった。実態を十分に調べず、こうした主張をする姿勢が、学校への偏見を広めたことを国は反省すべきだ。
(4)朝鮮学校の無償化問題では、広島地裁が19日、学校と総連との関係が強かったとして「不支給は適法」との判決を出しており、地裁で判断が分かれた。国の言い分の追認に終始した広島の審理に対し、大阪地裁は卒業生や元教員らの証人尋問をし、学校側から提出された保護者へのアンケートまで証拠として検討した。朝鮮学校の実情を把握するため、より丁寧な裁判で導いた結論といえる。


Ⅱ.判決の主旨


(1)経済的事情で勉学を断念することがないよう、国の負担で教育の機会均等を確保する。判決が判断の軸にしたのは、高校無償化法にあるこの目的だ。
(2)無償化は民主党政権が2010年に始めたが、朝鮮半島情勢を理由に適用を見送った。第2次安倍内閣では下村博文・文科相が拉致問題などを理由に「国民の理解が得られない」とし、13年2月、不支給を決めた。
(3)大阪地裁はこうした国の対応を「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づき、法の趣旨を逸脱し、違法で無効だ」と結論づけた。
(4)教育制度を政治・外交課題と同一線上で論じ、混同することを、厳しく戒めたといえる。


Ⅲ.朝日新聞の主張


(1)日本で学ぶ全ての生徒に公平に教育の機会を与える、という制度の原点に立った判決だ。
(2)国は司法の判断を重く受けとめ、速やかに支給すべきだ。
(3)いま、朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。


 確かに、「朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。」、という朝日新聞の指摘は、重要だ。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-05 05:29 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

大阪地裁は、「国の不指定とした処分を取り消す」、と判決を出す。

 朝日新聞は2017年7月28日、標題について次のように報じた。


(1)朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。「国の不指定とした処分を取り消す」。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。
(2)大阪朝鮮高級学校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」が大阪地裁に提訴した時、中級学校3年だった金宏城(キムグァンソン)さん(19)は法廷で判決を聞いた。「どんな結果になるのか不安だったが、ほっと一安心。司法は公平な判断をしてくれた」と喜びをにじませた。
(3)在日4世である自分のルーツを知った上でどう生きていくかを考えたいと、日本の高校ではなく高級学校を選んだ。当時はなぜ朝鮮学校だけが除外されたのかよく理解できなかった。だが、朝鮮大学校(東京都)に進学し、歴史や政治を学ぶうちに「制度的な差別なのではないか」と考えるようになった。
(4)朝鮮学校の教員をしていたこともある母から、どんなにサッカーやラグビーが強くても、高校体育連盟に加盟できず、総体に出場できない時代があったと聞いた。同胞が一丸となって加盟を勝ち取ってきたと知った。無償化不適用も根っこは同じ。先輩たちが闘ってきたように、今度は自分たちが頑張る番じゃないかと思ってきた。
(5)月に一度は、東京・霞が関の文部科学省前で朝鮮学校の無償化適用を訴えるデモ「金曜行動」に参加する。同じ大学校に通う仲間や日本の友人らとともに、ビラを配り、署名を集める。「どんな子どもにも等しく学ぶ権利がある。無償化適用は自分たちの世代で解決したい」
(6)大阪朝鮮高級学校2年の女性(17)は朝鮮学校だけが無償化の対象にならないことで、アイデンティティーを否定され続けていると感じてきた。国側が拉致問題や朝鮮総連との関係を主張することに強い違和感があった。「政治と教育は関係ない。責任を罪のない子どもに押しつけないでほしい」という。いま中級学校2年の妹も高級学校への進学を希望している。妹が通う時には、無償化適用を受けていてほしいと願ってきた。


 広島地裁の判決時に、「『審査基準も合理的で、差別には該当しない。』、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。」、と批判した、
 今回は、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した」(朝日新聞)判決となった。
 日本の司法は、まだ自らの存在を示すことができる。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-30 06:17 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

広島地裁は、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」、と言い放つ。(2)

 広島地方裁判所は2017年7月19日、高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した国の処分をめぐる裁判で、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」として、広島朝鮮高級学校側の訴えを退けた。
 「審査基準も合理的で、差別には該当しない。」、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。
 このことを、東京新聞(2017年7月21日)、朝日新聞(2017年7月21日)、毎日新聞(2017年7月20日)の社説で考える。
 この3社の社説の見出しは、順番に、「朝鮮学校訴訟 無償化の原点に戻れ」「朝鮮学校無償化 子の救済は大人の責任」「朝鮮学校の無償化で初判断 制度の理念に反しないか」、となる。
 3紙の主張の要約は次のようになる。


Ⅰ.主張


(朝日新聞)
(1)教育の機会を公平に保障するという制度の理念に立ち返って判断すべきなのに、あまりに粗雑な論理で導いた判決だ。
(2)問われているのは、子どもの学ぶ権利に関わる教育行政の公平性である。原告側は控訴する方針という。高裁は丁寧な審理を尽くしてほしい。


(東京新聞)
(1)いわば大人の都合で、子どもの学びの機会に格差が生じるのは残念でならない。広島地裁は、朝鮮学校を高校無償化の対象から外した国の処分を適法と判決した。大人の責任で実現せねばならない。
(2)高校に当たる高級部では、日本で生まれ育った千三百人余りが学んでいる。日本の大学の多くは、卒業生に受験資格を認めている。国側はこうした現実を踏まえ、就学支援金が確実に授業料に使われる仕組みを勘考できないものか。
(3)北朝鮮は核やミサイルを開発し、日本人拉致問題の解決には後ろ向きだ。朝鮮総連を含め、国民が注ぐまなざしは厳しい。本来、子どもの教育に政治的、外交的な問題を絡めるべきではない。だが、朝鮮学校の教育内容や財務、人事といった運営を巡る疑念が晴れない限り、税金投入に国民の理解は得られにくい。子どもの学ぶ権利の救済、機会の保障はもちろん、大人の責任である。


(毎日新聞)
(1)社会全体で子供の成長を支えようとする制度の理念に、例外が認められるかどうかが争われた。
(2)一方、学校側にも改善する点はあるだろう。判決は、無償化で生徒に支援金を支給しても授業料に充てられない恐れを指摘する国の主張を認めている。学校側も反論するのであれば、そうした懸念を拭う努力を重ねていくべきだ。肝心なのは、子供の学ぶ権利と機会を確保することである。教育内容や財務状況を広く社会に開示し、情報公開を進めていくことで、理解を深めていく必要がある。


Ⅱ.問題点
(朝日新聞)
(1)判決が焦点をあてたのは、学校と朝鮮総連との関係だ。国は、過去の新聞記事や公安調査庁の報告書をもとに、「朝鮮総連の『不当な支配』を受け、無償化のための支援金が授業料に使われない懸念がある」と主張。判決はこれを認めた。この先も資金流用がありうると、どんな証拠に基づいて判断できたのか。地裁が取りあげたのは、約10年前の別の民事訴訟の判決だ。「総連の指導で学園の名義や資産を流用した過去がある」と指摘し、「そのような事態は今後も起こりえると考えられた」と結論づけた。総連の支配の継続については「変更や見直しを示す報道が見当たらなかった」ことを理由にした。朝鮮学校が総連と関係があるとしても「不当な支配」とまでいえるのか。地裁が実態の把握に力を尽くしたとは言い難い。
(2)原告側は生徒や教員の証人尋問や学校での現場検証を求めた。だが、地裁は採用せず、代わりに授業内容などのビデオ映像が法廷で上映された。少なくとも朝鮮学校や総連の関係者を証人として法廷に呼び、財務資料を提出させるなどし、国の主張が正当かを具体的に確認すべきではなかったか。
(3)政治・外交問題に直接関係のない朝鮮学校の生徒に、まるで「制裁」を科すような施策には、国連の人種差別撤廃委員会も懸念を示している。中華学校やブラジル人学校など40余りの外国人学校が無償化の対象になっている。申請を国が認めなかったのは朝鮮学校だけ。制度の本来の目的に立ち返り、国は適用を検討すべきだ。多くの大学・短大が朝鮮高級学校生の受験資格を認めているのも、日本の高校に準じた教育水準とみなしているからだ。


(東京新聞)
(1)問題の根っこは、子どもに代わって学校側が就学支援金を受け取る代理受領の仕組みにあろう。朝鮮学校は、北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にあり、無償化の資金が授業料に充てられないことが懸念されると、国側は主張していた。
(2)とはいえ、無償化制度の理念は、学校運営そのものの支援ではない。すべての高校生が家庭の収入にかかわらず、学ぶ機会に等しくアクセスできるよう、社会全体で負担を分かち合うことである。
(3)その理念を重視し、責任のない卒業生らの救済に動こうとした形跡は、広島地裁の判断からは読み取れなかった。国側と学校側との相互不信の谷間に、個々の子どもが落ち込んでいるように見える。


(毎日新聞)
(1)今回の裁判所の判断は、無償化制度の趣旨に合っているのだろうか。無償化は、高校段階の個々の生徒に対し、国として学びの機会を経済的に支援するのが基本理念だ。学校自体への支援制度ではない。
(2)朝鮮学校は終戦直後、在日朝鮮人の子供に朝鮮語を教えるため、各地にできた「国語講習所」が前身だ。現在は66校(休校5校)ある。高校にあたる「高級部」は全国に10校あり、1300人余りが学んでいる。朝鮮語で授業し、朝鮮史など民族教育に特徴があるが、数学や化学などは日本の学習指導要領に沿った内容だ。日本の大学の大半は、卒業生に日本の高校生と同様、受験資格を認めている。インターナショナルスクールなどと同じ「各種学校」にあたるが、これらは無償化の対象になっている。
(3)生徒は日本で生まれ育ち、日本社会の中で生活している。子供に責任のない理由で、無償化の対象から外すのは制度の理念に整合しない。



 問われているのは、「社会全体で子供の成長を支えようとする制度の理念に、例外が認められるかどうかが争われた。」(毎日新聞)ということである。
 また、日本国憲法26条に規定された「子どもの学ぶ権利に関わる教育行政の公平性である。」(朝日新聞)、が試されたのである。
日本国憲法26条の教育の無償化とは、「高校段階の個々の生徒に対し、国として学びの機会を経済的に支援するのが基本理念だ。学校自体への支援制度ではない。」(毎日新聞)、ということの真実さへ、日本の司法は、手放さそうとしている。
 このままでは、日本の司法は、その意味を失ってしまう。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-29 12:16 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

広島地裁は、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」、と言い放つ。(1)

 広島地方裁判所は2017年7月19日、高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した国の処分をめぐる裁判で、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」として、広島朝鮮高級学校側の訴えを退けた。
 「審査基準も合理的で、差別には該当しない。」、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。
 このことを、毎日新聞は2017年7月20日、次のように報じた。


(1)朝鮮学校を高校無償化の適用対象外にしたのは憲法違反だなどとして、広島朝鮮初中高級学校(広島市東区)を運営する「広島朝鮮学園」と元生徒ら約110人が対象外適用の取り消しや慰謝料など約6000万円を国に求めた訴訟で、広島地裁は19日、原告の訴えを全面的に退けた。小西洋裁判長は対象外とした文部科学相の判断について「裁量の範囲逸脱や乱用が認められるとはいえない」と述べた。原告側は近く控訴する方針。
(2)同種訴訟は大阪、東京、名古屋、福岡の4地裁で係争中で、今回が初の判決だった。 判決などによると、高校無償化は2010年4月に当時の民主党政権が導入。私立高校などの生徒には学校を通じて就学支援金が支給される。政府は同年11月の北朝鮮の韓国砲撃で、朝鮮学校の支給審査を停止した。さらに12年12月に発足した第2次安倍政権は、拉致問題の進展がないことなどを理由に支給対象外とする方針を発表。文科省は13年2月、支給基準を定めた省令を削除して朝鮮学校を対象外とした。
(3)原告側は他の外国人学校は対象となっているとし、「政治的、外交的な理由から差別的に扱われている」と主張。民族教育などを学ぶ権利や教育の機会均等を保障する憲法、国際人権法などに違反すると訴えていた。
(4)判決は、北朝鮮や朝鮮総連と朝鮮学校が密接な関係にあり、「不当な支配」を受けて教育基本法に違反する恐れがあるとする国側の主張を認め、「就学支援金が授業料に使われないことが懸念される」と指摘。「審査基準も合理的で、差別には該当しない。適用対象となった他の外国人学校には類似の事情は認められない」とした。文科省は「国の主張が認められたものと受け止めている」とのコメントを発表した。
(5)「権利を得られない悔しさと、やるせない思いでいっぱいです」。広島朝鮮初中高級学校を高校無償化の対象外とすることを認めた19日の広島地裁判決に、元生徒で原告の団体職員、黄希奈(ファンフィナ)さん(25)=広島市南区=は涙をこらえて話した。
 黄さんは出身の岡山県の初中級学校を卒業後、中四国で唯一、高級部がある広島朝鮮学校へ進んだ。無償化法は2年時に成立したが、国は朝鮮学校の支給審査を停止。黄さんは仲間と無償化適用を求める署名活動をしたが実現せず、進学を諦める同級生もいた。「無償化が適用されていれば、大学に進む費用の準備もできた。同じ思いをする後輩が増えると思うと悔しい」と唇をかんだ。
(6)高級学校を運営する広島朝鮮学園の金英雄(キムヨンウン)理事長(59)は記者会見で「多文化共生の歩みに逆行し、到底容認できない」と語気を強めた。高級部は70人が在籍。2012年度以降は広島県・市が合わせて年間約2000万円の補助金支給を凍結し、学校の年間予算は前年度から約2割減った。15年度は授業料を増額。一般校に進む生徒が増え、10年度より在校生は2割以上減った。
(7)弁護団長の足立修一弁護士は「朝鮮学校に対して差別をしていいと言っているに等しい判決」と批判した。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-29 06:04 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

日本国憲法をどのようにしたいのか。(2)

 毎日新聞は2017年5月3日、「安倍晋三首相は3日、憲法改正推進派の民間団体が東京都内で開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、『2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている』と表明した。憲法9条をあげ、戦争放棄をうたった1項と戦力不保持を定めた2項を堅持した上で、自衛隊の存在を明記する条文を加えるよう主張。改憲による高等教育までの教育無償化にも前向きな考えを示した。」、と報じた。
 また、その安倍晋三首相のビデオメッセージの発言骨子について、「①国会議員が憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない時期だ、②9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する、③教育は極めて重要なテーマ。高等教育も全ての国民に開かれたものとしなければならない、④2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」、と伝えた。


やはり、この問題について、きちんと向き合わなければならない。


 琉球新報は2017年6月22日、「自衛隊「防衛の実力組織」 自民改憲案たたき台判明」、と報じた。
 この自民改憲案たたき台は次の内容である。


(1)自民党の憲法改正推進本部が、憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(党総裁)提案を踏まえ、今後の議論のたたき台とする条文案が21日、判明した。現行9条と別立ての「9条の2」を新設し、自衛隊について「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」と規定。戦力不保持などを定めた現行9条2項を受ける形で「自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない」と明示した。首相が自衛隊の指揮監督権を持つことも盛り込んだ。党関係者が明らかにした。
(2)自民党は年内の改憲案策定を目指しており、早ければ秋にも具体的な条文案を巡って公明党との調整に着手したい意向。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-22 12:25 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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