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「『少女A(ソウル)』と『少女B(釜山)』のつぶやき」

 澤藤藤一郎さんは、2017年1月7日のブログにで、「『少女A(ソウル)』と『少女B(釜山)』のつぶやき」を掲載しました。
 朝日新聞は2017年1月6日、「韓国・釜山の慰安婦像に対抗措置 日本政府、駐韓大使らに一時帰国を指示」、と報じていました。
 こんな時だからこそ、「『少女A(ソウル)』と『少女B(釜山)』のつぶやき」をじっくり読んでみました。
 長い文章ですが、そのまま引用します。


耳を澄ませば~「少女A(ソウル)」と「少女B(釜山)」のつぶやき-2017年1月7日


少女像A 釜山のBさん。こんにちは。私が、ソウルの日本大使館前で坐り続けている「平和の少女A」よ。

少女像B あら、ソウルのお姉様。私が、釜山の日本領事館前で坐りはじめた、「平和の少女B」です。よろしくね。

少女像A 暮れにはハラハラしてたのよ。せっかくのあなたのデビューの日に、強制撤去されて、運び去られたと聞いたものですから。

少女像B そうなんです。12月28日「日韓慰安婦問題合意」1周年抗議の日が、私の最初のお目見えの日。この日の午後1時前に私は、初めて公使館前に姿を現したの。でもね、4時間後には釜山市と東区の職員40人もが「違法だから撤去する」と、人々を蹴散らして私をトラックに乗せて運び去ったんですよ。とてもこわかった。

少女像A 恐かったでしょうね。でも、国中の人が声を上げてあなたを帰せと言ったのね。

少女像B その電話やメールの数がすごかったみたい。釜山市のインタネットサイトがパンクしてしまったほどですって。

少女像A それで、30日には元の場所に戻されたのね。

少女像B 12月31日の午後9時から除幕式を行うことが決められていたの。もしかしたら、私のいないさびしい除幕式になるかも知れないと悲しい思いだったけど、市民の力で像を取り返して領事館前に設置できるとなって、釜山は55000人の大集会で盛りあがった。その集会参加者がデモ行進して除幕式に駆けつけてくれたの。とても感動的で素敵なセレモニーだった。

少女像A あなたが連れ去られた12月28日は水曜日で、ソウルの私のまわりにもたくさんの市民が「水曜デモ」に集まっていた。その皆さんが、あなたのことをとても心配していたわ。その人たちも、釜山市や東区に電話でお願いや抗議をされたのでしょうね。

少女像B ところで、ソウルのお姉様はいつから、日本大使館の前に坐っていらっしゃるの?

少女像A 韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が、日本軍「慰安婦」問題解決のために、日本大使館前で水曜デモをはじめたのが1992年1月8日。2011年12月14日がその1000回目を迎えたときに私がつくられ、それ以来私は坐り続けているの。ただ黙って、大使館をじっと見ているだけなのだけど。
歩道に埋め込まれた石碑には、「水曜デモ1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに平和の碑を建立する」と韓国語・日本語・英語で刻まれてるのよ。

少女像B お姉様も私も、キム・ソギョン、キム・ウンソンご夫婦が制作されたブロンズ像よね。姉妹は今なん人いるのかしら。

少女像A 私とあなただけが有名だけど、それだけじゃない。韓国内に55人。アメリカのグレンデール市など、国外にも15人がいるそうよ。その中で、あなたが一番若いことになるけど、12月28日前には、あなたは秘密だったの?

少女像B そうではないのよ。2015年12月に日韓慰安婦合意が「成立」した直後に、若い世代を中心に「未来世代が建てる平和の少女像推進委員会」が立ち上げられて、16年1月から募金活動をはじめているの。多くの人が、当事者を抜きにしたままで、両国の政府と政府が勝手なことをしたという怒りが大きかったのだと思う。

少女像A カンパはどのくらい集まったの?

少女像B 目標が7500万ウォン(724万円)だったけど、8500万ウォン(820万円)が集まったの。カンパをしてくれたのは168団体、19学校、そして5138人の個人。

少女像A 私はまったく無許可だったけど、あなたの方は、像を領事館前に置くことの許可は得なかったの?

少女像B 委員会は昨年の3月から東区に対して、日本領事館前の歩道に少女像の設置を許可してほしいと要請したの。釜山市民8100人の署名を提出もした。でも、東区は少女像が道路法上の施設には該当しないという理由で建設を許可しなかった。

少女像A 本当の理由はどんなことでしょう。

少女像B 委員会と交渉した東区の区長は、最初は「日本領事館前ではダメだ。それ以外のところならどこでも許可する」と言っていたんだけど、この区長さん日本領事と面会してからは、「どこもダメ。一切ダメ」となったんですって。

少女像A それで、私と同じように、許可の無いままの設置となったというわけね。

少女像B たくさんの人の電話やメールのおかげで、立派な除幕式ができてとても嬉しい。

少女像A 年が明けてからの日本政府の対応を、あなたどう思う。

少女像B 私、日本の政府って恐い。特に、あの日本の首相は恐い。

少女像A 大使と公使を一時本国に引き揚げる、と言って実行したものね。

少女像B 「約束を実行しない韓国の方が悪い」と言うんだけど、ヘンな約束をしたのは、日本の政府と韓国の大統領でしょう。韓国の国民は、大統領のやり方を認めていない。国民も当事者も関与してないのに、「最終的かつ不可逆的に解決される」ってあり得ない。おかしいですよね。「日本大使館近くの少女像については、韓国政府が適切に解決されるよう努力する」って、これもおかしい。政府の努力ではどうにも解決できないことでしょう。

少女像A 日本の首相のものの言い方を聞いていると、「謝ってあげた」「ホントは悪いと思っていないけれど、問題を解決しなければならないから謝ることにする」「謝ったから、もうこれで終わりだ」「これ以上、うるさいことを言うな」と聞こえるのよね。この人、日本が朝鮮や韓国に何をしてきたかを真面目に知ろうとしたことがあるのかしら。

少女像B 「いいか、一回だけ謝るぞ。一回こっきりだぞ」「二度とは謝らないから、蒸し返さないと約束しろ」と、こう言うんでしょ。これ、本当に謝る人の言葉ではあり得ない。

少女像A 問題は、従軍慰安婦だけのことではないのよね。日本は、国を奪い、文化を奪い、姓や言葉まで奪おうとした。植民地化以後の独立運動に対する大弾圧、関東大震災後の在日朝鮮人の虐殺…、そのすべてを「未来志向での解決を」という言葉でごまかそうとしてもね…。

少女像B 日本政府もひどいけど、韓国大統領も問題よね。よく分からないのは、朴大統領が、どうしてこんな「合意」を承諾したのかしら。

少女像A きっと、雲の上にいて、国民の気持ちが分からなくなってしまっているんだわ。

少女像B ね、私たちいつまで、ここに座り続けなけれぱならないのでしょうか。

少女像A 日本が、ドイツのような誠実な姿勢を見せてくれれば、私たちは、博物館か農家の庭先にでも引っ込んで余生を送ることができるんだと思うよ。私たちのとなりには、一脚の椅子があるでしょう。作者は、老いた元慰安婦の座るべき場所を象徴したそうだけど、そこに、子どもでも老人でも休ませてあげる。

少女像B でも、日本の今の首相じゃあ見込みはなさそうね。今の日本の保守政党が政権を握っているうちも無理のようね。

少女像A しばらくはこのまま、市民に守られてじっとしていましょうね。もうすぐの大統領選挙で、もう少しマシな政権になるでしょうし。

少女像B 日本の政権も変わってほしいわね。そして、韓国の国民だけでなく、日本の国民もご一緒に、私たちを暖かく見守ってくださると、とても嬉しいわ。


by asyagi-df-2014 | 2017-01-09 12:05 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

日本の植民地時代に、日本の軍需企業に強制動員された勤労挺身隊被害者らに、の不二越が賠償しなければならないという裁判所の判断が再び示された。

 標題について、ハンギョレ新聞は、次のように報じた。


(1)日帝強制占領期(日本の植民地時代)に日本の軍需企業に強制動員された勤労挺身隊被害者らに、戦犯企業の不二越が賠償しなければならないという裁判所の判断が再び示された。
(2)ソウル中央地裁民事19部(裁判長イ・ジョンミン)は23日、勤労挺身隊被害者のキム・オクスンさん(87)など5人が不二越に対して起こした損害賠償請求訴訟で「不二越は被害者たちに1億ウォン(約950万円)ずつ賠償せよ」と判決した。
(3)キムさんらは日本が太平洋戦争などを繰り広げた1944年から1945年まで、12~15歳の幼さで勤労挺身隊として動員され、不二越で軍需品の製作や分類などの作業をした。彼らは昨年4月、不二越に精神的・肉体的損害に対する慰謝料を請求する訴訟を起こした。不二越側は「韓国ではなく、日本で裁判が行われるべきであり、1965年に韓日両国が結んだ韓日請求権協定により個人の損害賠償請求権は消滅した」と主張した。ソウル地裁は不二越の主張をほとんど認めなかった。まず「日本国内には物的証拠がほとんどないうえに、被害者らは全員韓国に居住している」として、裁判管轄権は韓国の裁判所にあると明示した。さらに、「1965年の請求権協定の適用対象に反人道的不法行為と植民支配に直結した不法行為に対する個人の損害賠償請求権が含まれたと見ることはできない」として、個人の損害賠償請求権は消滅していないと指摘した。また、「韓国と日本の間で国交は正常化されたが、関連文書が公開されておらず、被害者らは個人請求権の行使を期待することが難しかった」として、請求権の行使時期を両国の国交が正常化された1965年と見なす不二越の主張も退けた。
(4)ソウル地裁は、勤労挺身隊に志願して不二越に動員されたか否かによる慰謝料の差額を設けず、被害者らが請求した賠償額の1億ウォンを全額認めた。ソウル地裁は「不二越の加害行為は不法であり、被害者らの受けた苦痛が大きい」として、このように判断した。
 これは勤労挺身隊被害者らに対する不二越の責任を認めた2度目の判決だ。2014年10月、ソウル中央地裁・民事47部(裁判長ホン・ドンギ)は、K氏(87)など勤労挺身隊被害者と遺族17人が不二越に対して起こした訴訟で、「不二越は被害者にそれぞれ8000万ウォン(約760万円)~1億ウォンを賠償せよ」と判決した。


 以下、ハンギョレ新聞社の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-06 07:21 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

山川出版が、来春から使われる高校日本史教科書(日本史B)で、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する記述を復活させた。

 沖縄タイムスは206年12月1日、標題について、次のように報じた。


(1)来春から使われる高校日本史教科書で、山川出版が日本史Bの「詳説日本史 改訂版」で沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する記述を復活させたことが30日分かった。同教科書は、主に普通科高校などが使う日本史Bの中でシェア6割を占めるが、2007年度以降に供給された本からは記述がなくなり、沖縄戦体験者らが復活を求めていた。
ことし9月5日に山川出版が訂正申請し、10月3日に文部科学省が承認した。
(2)記述が復活したのは、沖縄戦に関するコラム。検定に通った段階では「(略)島民を巻き込んでの激しい地上戦となり、おびただしい数の犠牲者を出し、6月23日、組織的な戦闘は終了した」との表現で「集団自決」への言及はなかったが、変更後は「(略)島民を巻き込んでの激しい地上戦となり、『集団自決』に追い込まれた人びとも含めおびただしい数の犠牲者を出し、6月23日、組織的な戦闘は終了した」と修正された。
(3)「9・29県民大会決議を実現させる会」は同社に対し、日本軍による「集団自決」や住民虐殺について追記するようこれまで繰り返し求めており、8月にも文書を送付していた。
(4)「集団自決」を巡っては、06年度の検定で、日本軍による「強制」との記述が認められなくなった。一方、山川出版はこれに先立ち、05年度検定に申請した本から自主的に記述をなくしていた。教科書検定問題に詳しい高嶋伸欣琉球大学名誉教授は「遅きに失した感もあるが、圧倒的なシェアを持つ出版社が記述を復活した意味は大きい。沖縄の地道な活動が功を奏した」と評価した上で、「強制の主体が日本軍という点が明確でなく、さらに改善を求めていく必要がある」と指摘した。専門高校などが主に使う日本史Aでは、山川出版も「日本軍によって壕を追い出されたり、あるいは集団自決に追いこまれた住民もあった」と記述している。


 また、沖縄タイムスはこのことについて、その意義や課題を次のように解説している。


(1)山川出版が「集団自決(強制集団死)」の記述を復活させた。圧倒的なシェアを持つ教科書が沖縄戦の象徴的な出来事を扱わない、という事態が回避された意義は大きい。(2)ただ「集団自決」に追いこんだ主体が日本軍という重要な点が抜けており、歴史の本質を学ぶには不十分だ。
(3)同社が「詳説日本史」から自主的に「集団自決」の記述をなくしたのは2005年度の検定申請本から。日本軍の「強制」記述を書き換えさせた06年度検定よりも前のことであり、検定によって削除された記述の復活という運動からは外れがちだった。しかし同教科書の採択は毎年約30万人分に上る。近年では、山川出版への働き掛けが最優先との見方が強まっていた。
(4)教科書記述の復活や検定意見の撤回などを求めた2007年9月29日の県民大会以降、多くの教科書会社は「軍命」や「強制」に近い記述に戻している。「9・29県民大会決議を実現させる会」などの地道な取り組みが、教科書会社や世論を動かしてきたのは間違いない。
(5)しかし「集団自決」に追いこんだのが「だれか」を明確にする視点は、この運動の出発点だ。県民大会から来年で10年。各教科書会社には、史実を踏まえた正しい記述をする努力がさらに求められる。


 なお、沖縄タイムスは、他の教科書会社の記述内容を、「今春の検定に通った各社の『集団自決(強制集団死)』に関する記述」、としてあわせて次のように紹介している。


(1)清水書院:味方であるはずの日本軍による県民の殺害、「集団自決」の強要などの悲劇も生じた
(2)東京書籍:日本軍によって「集団自決」に追いこまれたり、スパイ容疑で虐殺された一般住民もあった
(3)実教出版:日本軍は県民を壕から追い出してアメリカ軍の攻撃にさらしたり、沖縄の言葉で話をするとスパイの容疑で殺害したりした。日本軍は手榴弾を配るなどして、800人以上の県民を「集団自決」(強制集団死)に追いこんだ
(4)第一学習:スパイ容疑や作戦の妨げになるなどの理由で、日本軍によって殺された人もいた。日本軍は住民の投降を許さず、さらに戦時体制下の日本軍による住民への教育・指導や訓練の影響などによって、「集団自決」に追いこまれた人もいた


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-05 08:51 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

「恨(ハン)之碑」の建立10年追悼会が開かれた。李熙子(イヒジャ)共同代表は、講演で、「これまでの道のりを無駄にしないためにも次世代への継承が大切だ」と呼び掛けた。

 沖縄読谷にある恨之碑建立が10年を迎えた。
 このことについて、琉球新報は2016年6月12日、「沖縄戦時に日本軍によって朝鮮半島から強制連行された軍夫や『慰安婦』らを慰霊する『恨(ハン)之碑』の建立10年追悼会『恨を抱えて希望を語る』が11日、読谷村瀬名波で開かれた。追悼会に先立ち、太平洋戦争被害者補償推進協議会の李熙子(イヒジャ)共同代表(73)が講演し『これまでの道のりを無駄にしないためにも次世代への継承が大切だ』と呼び掛けた。関係者や地域住民、研究者ら約100人が参加した。追悼会では彫刻家の金城実さんが彫った恨之碑の前で、建立を呼び掛けた僧侶の知花昌一さんらが読経し、平和を願った。参列者が花を手向け、李さんや元軍夫の家族などが碑に酒をかけて犠牲者を悼んだ。」、と報じた。
 また、追悼会の様子について、「韓国語の『恨』は日本語の『恨み』だけを意味せず、悲しみ、不満、怒り、後悔などが長い間、しこりとなった感情を意味する。建立時に中心的な役割を果たした牧師の平良修さんは、そういった感情を乗り越えようという意味も含まれていると解説し『痛みが一つのバネになり、苦しみがあって友達になろうとしているのが恨だ。ここにしか新しい平和の可能性はない』と訴えた。講演した李さんは韓国で、最も多くの人が強制連行された英陽(ヨンヤン)にも1999年に恨之碑が建てられ、読谷の碑と向かい合うように立っていることに触れ『碑がどのように造られたのか、次世代に伝えてくれますか』と問いかけた。」、と伝えた。


以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-06-20 05:55 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

京都府宇治市のウトロ地区に、韓国や日本国内から訪れる人が相次いでいる。

 朝日新聞は、2016年5月14日に、「在日の韓国・朝鮮人が暮らす京都府宇治市のウトロ地区。今年に入り、韓国や日本国内から訪れる人が相次いでいる。なぜなのか。」、との記事を掲げた。
 本当に、何故なのか。
朝日新聞は、こう切り出す。


「太平洋戦争中、国策の京都飛行場建設に動員された朝鮮人の労働者らが敷地の一角で生活した。もとの地名は『宇土口』だったが、地域の人々が呼んだという『ウトロ』が戦後に定着。敗戦時には約1300人がいたとされ、今も地区(約2・1ヘクタール)には55世帯・約130人が暮らす。立ち退きを求められたが、2011年までに韓国政府系財団の出資や寄付金などで一部の土地を買収。宇治市、京都府、国が公営住宅2棟を建てることが決まった。住宅建設や周辺の整備に伴い、『飯場』跡も残る建物の取り壊しが早ければ6月にも始まる。『記録や記憶に残したい』。そう考える人たちが次々と足を運ぶようになった。」


 続けて、韓国から訪れる人たちについて。


「著名タレントのウトロ訪問が韓国の人気テレビ番組で放映された昨秋以降、韓国からは修学旅行生や数十人規模のグループがたびたび訪れる。2月には釜山の東亜大建築科生ら12人が路地で写真を撮影したり、巻き尺で建物の寸法を測ったりした。ジオラマを作り、釜山でウトロの変遷を紹介する展示会を開くためだ。
 学生らに話をしたのは姜景南(カンギョンナム)さん(90)。母と朝鮮半島南部の泗川(サチョン)から父がいた大阪に来たこと。戦争末期、空襲から逃れてウトロにたどり着いたこと。飯場跡のバラックで暮らし、子ども6人を育てたこと。チャ・ユンジョンさん(21)は『在日の歴史を学べました。おばあさんたちが懸命に生活してきた痕跡がなくなるのは残念』と話した。韓国からの訪問客の案内役を務める南山城同胞生活相談センター代表の金秀煥(キムスファン)さん(40)は『住民たちも、また来たなあと喜んでいます』と話す。
 今月上旬には韓国KBSテレビのクルーが訪れ、俳優のユン・ユソンさんが住民らと交流する様子を撮影した。在外コリアンを紹介する特集番組で、プロデューサーのキム・アリさんは『撤去が始まれば風景が変わる。記録しておくのは歴史的にも意味がある』と話した。」


 日本国内から訪れる人は。


「国内からも訪れる。3月には、福岡などの在日コリアンと日本人の計5人が来た。北九州市の在日2世の裵東録(ペトンノク)さん(72)は『八幡にあった朝鮮人集落を思い出しました。私もこんな家に住んでたけん』。案内した『ウトロを守る会』の斎藤正樹さん(66)は『戦争が終わると動員された朝鮮人は見捨てられ、地区の人々は貧困に苦しんだ。ウトロはその歴史を伝える貴重な教材です』と語る。」


 確かに、まずは知ることが大事。
 そして、「戦争が終わると動員された朝鮮人は見捨てられ、地区の人々は貧困に苦しんだ。ウトロはその歴史を伝える貴重な教材です」、のは何故なのかと。


 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-05-18 05:27 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

「沖縄戦被害・国家賠償訴訟」の判決を各新聞社の社説から考える。

 2012年8月15日に提訴された、沖縄戦の被害者に対する賠償を国に求める初の訴訟となった「沖縄戦被害・国家賠償訴訟」の那覇地裁の判決について、沖縄タイムスは2016年3月16日、「沖縄戦で身体・精神的被害を受けたとして、住民とその遺族79人が謝罪と1人あたり1100万円の損害賠償を国に求めた「沖縄戦被害・国家賠償訴訟」の判決が16日午後、那覇地裁(鈴木博裁判長)であった。鈴木裁判長は、住民ら原告の訴えを棄却した。太平洋戦争当時、空襲などの戦火に巻き込まれた民間被害者たちが損害賠償などを求める集団訴訟は、名古屋、東京、大阪でも起きたが、いずれも最高裁で訴えは退けられている。住民側は、元軍人らは法律にのっとって救済されてきたのに対し、国が住民や遺族らを救済する法律を作ってこなかったことを指摘し、平等を保障する憲法に反するなどと訴えていた。一方、国側は太平洋戦争当時、国の賠償責任を認める法律はなく、民法で認められた賠償請求できる20年が過ぎていることを挙げ、住民側の権利が消滅しているとして却下を求めていた。」、と報じた。
 この訴訟の争点について、沖縄タイムスは、①原告の住民は「集団自決(強制集団死)」の強制や壕追い出し、10・10空襲などの被害者や遺族。旧日本軍は沖縄戦で住民を守らず戦闘を続け、一般人への被害を拡大させたと指摘。民法の不法行為に当たるとしている、②また戦後、民間人の被害を補償する法律を制定してこなかったと国の不作為を批判。国は国家賠償法に基づき、賠償責任を負うべきなどと主張している、③一方国側は、旧日本軍の戦時中の行為や国家賠償法施行以前での国家の行為から生じる損害について、国は賠償責任を負わないと主張。また「原告らの請求は法に基づかない」と指摘。「沖縄戦の実態や原告らの被害の事実を確定するまでもなく、棄却されるべきだ」としている、と伝えていた。


 今回の「沖縄戦被害・国家賠償訴訟」の那覇地裁の判決について、各紙の社説をもとに考える。
 2016年3月17日現在でこのことを採り上げた社説は、確認できるだけで3社であった。
その社名と見出しは、次のものである。

(1)北海道新聞社説-沖縄戦訴訟 民間被害者の救済急げ
(2)琉球新報社説-沖縄戦訴訟棄却 国民全てに平等な補償を
(3)沖縄タイムス社説-[沖縄戦国賠訴訟]被害に背向けた判決だ


 これを要約すると次のようになる。
Ⅰ 判決への疑義
(1)北海道新聞
①戦争当時は国家が賠償する法律はなく、法的責任は負わないとする国側の主張を全面的に認めた。「鉄の暴風」と呼ばれる砲爆撃や激しい地上戦があった沖縄戦で、民間人被害の救済を求めた訴訟は初めてだったが、原告敗訴が確定した東京や大阪の大空襲訴訟の判断を越えることはなかった。判例があるとはいえ、新法による救済措置を求めるなど、被害者に寄り添った判断を示せなかったのか、疑問が残る。
②判決は、被害救済は立法府に委ねられるべき事柄だとも言及している。ならば、国会や行政は判決に安堵(あんど)せず、早急に救済策を講じるべきだ。高齢化している被害者を放置していいはずがない。軍人や軍属、遺族らは戦後施行された「戦傷病者戦没者遺族等援護法」などにより、恩給や給付金を受けられた。しかし、民間人はかやの外で、不平等さを指摘する声は根強くある。
③今回の訴訟で、原告側は「国は住民を保護すべき義務に違反した」と主張。旧日本軍は住民を避難用の壕(ごう)から追い出して死亡させたり、集団自決(強制集団死)を迫られたりしたとも訴えた。これに対し、国側は賠償責任を否定するとともに、これまでの同種裁判を踏まえ、「戦争の被害は国民が等しく耐え忍ぶべきだった」との「受忍論」を展開した。無謀な戦争を推進し、国民に協力を強制しながら「被害は我慢を」というばかりではやりきれない。国も司法も、被害者にもっと向き合う姿勢が求められよう。
④残念なのは、弁護団が被害の一つとした原告37人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)について判決が考慮しなかったことだ。車や飛行機の大きな音を聞くと砲爆撃を思い出し、眠れないなどの声は切実だ。被害者対策で今後、論点になるのではないか。ドイツやイタリア、英国などが人道的見地から民間人に補償していることも参考にしたい。
(2)琉球新報
①全ての国民が法の下に平等であるという憲法14条がむなしく感じられる。
②判決は、国家賠償法施行前だったため、国が賠償責任を負わないとする「国家無答責の法理」によって遺族らの求めを退けた。判決はさらに、旧軍人や軍属が「戦傷病者戦没者遺族等援護法(援護法)」で補償されるのに対し、被告らへの補償がないことを「不合理であるということはできない」としている。憲法14条は人種、性別、信条のほか「社会的身分」により、差別されないと規定している。「軍人・軍属」という身分によって補償の有無が決まるのは憲法の理念に照らして不条理としかいえない。
③沖縄戦で被害を受けた人のうち、直接戦闘行為に加わらなかった「軍属」「準軍属」として援護法に基づく補償を受けたのは陣地構築や弾薬・患者輸送、「強制集団死」(集団自決)、スパイ嫌疑による犠牲者などとなっている。今回の訴訟の原告は米軍の爆撃などによる負傷者、旧日本軍に壕を追い出された人、近親者が戦死した人、戦争孤児などだ。
 沖縄戦の特徴は「住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦」という言葉に示される。生活の場に軍隊が土足で踏み込み、本土決戦への時間稼ぎ、捨て石とされた。国策の名の下、県民は個人の意思と関係なく、戦争に巻き込まれたのだ。判決はそうした沖縄戦の実態に向き合おうとしていない。                            ④原告の中には、戦争当時の記憶が心の傷となり心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された人もいる。補償が不十分というだけでなく、被害は現在も続いている。国立国会図書館がまとめた「戦後処理の残された課題」(2008年12月)によると「欧米諸国の戦争犠牲者補償制度には、『国民平等主義』と『内外人平等主義』という2つの共通する特徴がある」という。民間人と軍人・軍属、自国民と外国人の差別なく国の責任で補償するという考え方だ。
(3)沖縄タイムス
①沖縄戦の実態を踏まえることなく、被害者の苦しみに背を向ける冷たい判決である。
②争点となったのは国民保護義務違反という国の不法行為責任。地裁は「戦時中、国の権力行使について賠償責任を認める法律はなかった」と国家無答責の法理によりこれを否定した。日本軍の加害行為、住民の被害事実といった沖縄戦の特殊性には踏み込まず、一般論に終始した内容だ。
③戦争被害で国は、元軍人や軍属に年金を支払うなど手厚い補償を敷いている。原告が訴えたのは「人の命に尊い命とそうでない命があるのか。救済が不十分なのは憲法の平等原則に反する」との立法の不作為でもあった。しかし判決は「戦争被害者は多数に上り、誰に対して補償をするかは立法府に委ねられるべき。軍の指揮命令下で被害を受けた軍人らへの補償は不合理ではない」と訴えを退けた。
④最高裁で原告敗訴が確定したものの被害を認定した東京大空襲国賠訴訟などと比べ「判決は後退している」(瑞慶山茂弁護団長)と指摘されるように、救済の扉のノブに手をかけることもなく、国の姿勢をことごとく追認するものである。  
⑤各地の空襲訴訟も同様に民間人への損害賠償を求めるものだが、地上戦の舞台となった沖縄と本土では戦争体験の質がまったく異なっている。本土決戦の時間を稼ぐための「捨て石」となった沖縄戦の特徴は、軍人よりも住民犠牲が多かったことだ。判決は「実際に戦地に赴いた」特殊性を軍人・軍属への補償の理由に挙げるが、沖縄では多くの住民が戦地体験を強いられたようなものだ。
⑥今回の裁判の過程で、原告の約半数が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えていることが明らかになった。戦争で肉親を失い、けがを負い、戦後はトラウマに苦しんでいるというのに、誰も責任をとらないのはおかしい。
Ⅱ 各新聞社の主張
(1)北海道新聞
 安倍晋三首相は昨年6月の衆院予算委員会で、補償について「立法や行政が、みんなで考えていく問題」と答弁している。そうであるならば、政治は言葉だけに終わらせず、きちんと結果を出すべきだ。
(2)琉球新報
 戦後70年以上、日本政府は戦争被害者の補償を差別し、裁判所もそれを追認している。これ以上放置することは許されない。政府は戦争への責任を認め、新たな補償の在り方を早急に検討すべきだ
(3)沖縄タイムス
 司法には人権保障の最後の砦(とりで)としての役割を、国会には救済の道を開く新たな制度の創設を求めたい。


 大事な事実は、「戦後70年以上、日本政府は戦争被害者の補償を差別し、裁判所もそれを追認している。」、ということである。
 このことは、日本国憲法一四条をどのように実践していくかということに、深く関わる事例である。
 この意味から、確かに、「これ以上放置することは許されない。」。
 政府は、「戦争への責任を認め、新たな補償の在り方を早急に検討すべきだ」。また、国会には、「救済の道を開く新たな制度の創設を求めたい。」。


 以下、各新聞社の社説等の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-03-20 06:15 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は7日、日本政府に対する勧告を含む「最終見解」を公表。

 この最終報告について、朝日新聞は2016年3月8日、「女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は7日、日本政府に対する勧告を含む『最終見解』を公表した。昨年成立した『女性活躍推進法』など、前回2009年の勧告以降の取り組みを評価する一方、夫婦同姓や再婚禁止期間など民法の規定について改正を求め、『過去の勧告が十分に実行されていない』と厳しく指摘した。」、「一方『「女性活躍推進法』のほか、待遇改善に向けた14年の『パートタイム労働法』の改正など、前回勧告以降の法的な枠組みの整備は、肯定的な評価を受けた。慰安婦問題には約1ページが割かれ、前回の勧告より詳細な記述になった。被害者への補償や加害者の訴追など、前回の勧告を繰り返した上で、日本政府が『被害者の権利を認識し、完全で効果的な癒やしと償いを適切な形で提供する』ことなどを求めた。慰安婦問題の責任をめぐる最近の指導者、当局者の発言や、日韓両政府が昨年12月末に結んだ合意について『被害者中心のアプローチが十分にとられていない』ことなどに遺憾を表明。日韓合意の履行にあたって被害者の意向を十分に考慮するよう求めるなど、日本政府の姿勢に注文をつけた。」、と報じた。
 この勧告の骨子については、①女性だけの再婚禁止期間の廃止、選択的夫婦別姓の採用など、民法の改正、②妊娠・出産に関わるハラスメントを含む雇用差別、職場でのセクハラを禁止し、防ぐための法整備をする、③2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にするための効果的な手段を確保する、④慰安婦問題では、被害者の権利を認識し、補償や公的な謝罪、尊厳の回復を含む、完全で効果的な癒やしと償いを提供する。日韓合意の履行にあたり、被害者の意向を十分に考慮する、⑤女性差別的なポルノやゲーム、アニメなどの規制、と伝えた。
 特に、慰安婦問題については、次のように指摘した。


「国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が7日公表した日本への勧告は、今回も厳しい内容だった。慰安婦問題では、昨年末の日韓合意について、問題解決のあり方を問われる形になった。
 7日、委員会を代表して記者会見したジャハン委員(バングラデシュ)は慰安婦問題の日韓合意に言及し、「我々の最終見解は(慰安婦問題を)まだ解決されていない問題だと見なしている」と発言。日韓合意に元慰安婦たちが関与し、その意向が反映されるべきだとの考えを示した。
 今回の最終見解は、日本政府が慰安婦問題を解決する努力や日韓合意について『留意する』とする一方、『指導者や当局者が責任を軽くみる発言をし、被害者に再び心的な傷を負わせるような行為を控える』といった新たな勧告も盛り込んだ。委員会は『意図したわけではない』とするが、最近の動きを踏まえて慰安婦問題の記述は分量が増え、より具体的になった形だ。
 また、日本が、慰安婦問題は女性差別撤廃条約を締結した以前に起きたために委員会が取り上げるべきではないと主張していることについても、『遺憾に思う』とした。2月にあった委員会の対日審査では、オーストリアの委員が『何が被害者中心のアプローチになり得るのか』『加害者の訴追や、歴史教科書掲載の必要性といった過去の国連機関の勧告をどう実行に移すのか』と質問した。これに対し、日本政府代表の杉山晋輔・外務審議官は、日韓合意の内容や、『日本政府が発見した資料の中では、いわゆる【強制連行】を確認できるものはなかった】といった立場を強調して説明した。
 元軍縮大使で、かつて国連委員会で慰安婦問題に関わった美根慶樹・平和外交研究所代表は『国連委員会が慰安婦問題について質問したのは、日本政府と強制連行の有無を論争したかったからではなく、問題解決に対する姿勢を知りたかったからだ。ことさら強制性の有無に焦点を当て、否定する杉山氏の説明は【日本は責任逃れをする意図があるのでは】という疑念を生じさせかねない危ういものだ】と話す。」


 国連の女性差別撤廃委員会の慰安婦問題への勧告-被害者の権利を認識し、補償や公的な謝罪、尊厳の回復を含む、完全で効果的な癒やしと償いを提供する。日韓合意の履行にあたり、被害者の意向を十分に考慮する-は、基本的な考えとなるものである。
 それは、「何が被害者中心のアプローチになり得るのか」「加害者の訴追や、歴史教科書掲載の必要性といった過去の国連機関の勧告をどう実行に移すのか」といった問いかけを日本側が常に行うということでもある。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-03-11 06:06 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

自民・桜田議員が「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言。その後、撤回。

 自民・桜田議員の問題発言について、東京新聞は2016年1月15日、「自民党本部で十四日朝開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について『職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ』と発言した。与野党から批判が相次ぎ、午後になって『誤解を招くところがあった。迷惑を掛けた関係者の皆さまに心よりおわび申し上げる』と、発言を撤回するコメントを出した。」、と報じた。

 日本軍「慰安婦」の問題について、「職業としての売春婦だった」との認識とそれに基づく行為は、歴史を捏造沖縄タイムス捏造・否定するものであり、当該者の基本的人権を侵すものである。この上に、「誤解を招くところがあった」とする弁明は、さらに二度目の過ちを重ねることになる。まさに、愚鈍への逃避である。


 以下、東京新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-01-17 06:07 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

日本軍「慰安婦」問題、「慰安婦問題日韓で合意。」を考える。(2)

 この合意に関しての「少女像の移転」について、「日本政府関係者はこう語る。『韓国がこれからかく汗の量は半端ではない』」との朝日新聞の記事は、どう考えても筋違いである。
 当然、次のような記事に繋がることは明白ではないか。
 朝日新聞は2015年12月30日、「日韓両政府が慰安婦問題を決着させるとした合意について、元慰安婦を支援する日本国内の団体でつくる『日本軍『慰安婦』問題解決全国行動』は29日、『被害者不在の『妥結』は『解決』ではない』とする声明を発表した。声明は、政府間協議が『被害者不在』と批判。『日本政府が責任を認めたことは被害者と市民運動が勝ち取った成果』とする一方、少女像の移転について『勝手な【合意】は被害者を再び冒瀆(ぼうとく)する』と反発した。
 さらに安倍晋三首相の『おわびと反省』をめぐり、首相が朴槿恵(パククネ)大統領との電話で表明したことに対し、『被害者が謝罪と受け止めることができる形で、改めて首相自身が公式に表明する』よう求めた。この団体など各国の元慰安婦や支援団体は昨年6月に『解決策』をまとめ、日本政府に提出している。」、と報じた。
 また、「戦後補償や在日コリアンの問題にかかわってきた弁護士ら37人も30日、声明をまとめた。日本政府に対し『加害に具体的に言及し、責任を認め誠実に謝罪し、謝罪の証しとして賠償などの具体的措置を実施する』ことを求めた。」、と続けた。

 
 「被害者不在の『妥結』は『解決』ではない」と主張する日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の声明で触れられている「日本政府への要求」は次のものである


① 総理大臣のお詫びと反省は、外相が代読、あるいは大統領に電話でお詫びするといった形ではなく、被害者が謝罪と受け止めることができる形で、改めて首相自身が公式に表明すること。
② 日本国の責任や河野談話で認めた事実に反する発言を公人がした場合に、これに断固として反駁し、ヘイトスピーチに対しても断固とした態度をとること。
③ 名誉と尊厳の回復、心の傷を癒やすための事業には、被害者が何よりも求めている日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリングを含む真相究明、および義務教育課程の教科書への記述を含む学校及び一般での教育を含めること。
④ アジア・太平洋各地の被害者に対しても、国家の責任を認めて同様の措置をとること。


 今回の『合意』を受けての「現状の中で、今回の『合意』の重さをを考える時、東京新聞の『従軍慰安婦問題で合意【妥結】の重さ』という意味が、現在の状況の中で、この『合意』を判断する上で、重要になってくると考えざるを得ないのではないか。」という自分自身の判断は、「日本政府は、ようやく国家の責任を認めた。安倍政権がこれを認めたことは、四半世紀もの間、屈することなくたたかって来た日本軍「慰安婦」被害者と市民運動が勝ち取った成果である。」(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の声明)ということに重きを置く状況判断に寄りかかっていることは間違いない。
 確かに、安倍晋三政権の動きに容易に踊らされていることへの反省はしなければならない。
 ただ、この妥結に意味をもたせていくことは重要なのではないかと思いはある。
 だとすれば、このためには、日本政府に前回のものに加えて、次のことを要求し、実現させなければならない。


① 総理大臣のお詫びと反省は、外相が代読、あるいは大統領に電話でお詫びするといった形ではなく、被害者が謝罪と受け止めることができる形で、改めて首相自身が公式に表明すること。
②日本側で出版されている大日本帝国軍従軍慰安婦制度を史実否定や歴史修正や韓国ヘイトや女性蔑視の立場から扱っている歴史修正出版物について、「それらは日本政府の立場とは相いれず、日本政府はそれらの出版物を史実として認めない」と公式に表明すること。
③日本の政治家、政府高官、政府関係者から、大日本帝国軍従軍慰安婦制度について、史実否定や歴史修正や韓国ヘイトや女性蔑視の立場から蒸し返す発言が出たら、「それは日本政府の立場とは相いれない」と首相自らコメントし、そのような発言をした者の政府内での職を解くこと。
④名誉と尊厳の回復、心の傷を癒やすための事業には、被害者が何よりも求めている日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリングを含む真相究明、および義務教育課程の教科書への記述を含む学校及び一般での教育を含めること。
⑤アジア・太平洋各地の被害者に対しても、国家の責任を認めて同様の措置をとること。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-12-31 10:18 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

日本軍「慰安婦」問題、「慰安婦問題日韓で合意。」を考える。

 慰安婦問題の日韓(2015年12月28日)の合意(以下、「合意」とする)をどのように考えれば良いのか。 
朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、読売新聞の各社の社説の見出しは、次のとおりである。
①朝日新聞社説-慰安婦問題の合意 歴史を越え日韓の前進を
②毎日新聞社説-慰安婦問題 日韓の合意を歓迎する
③東京新聞-従軍慰安婦問題で合意 「妥結」の重さを学んだ
④読売新聞-慰安婦問題合意 韓国は「不可逆的解決」を守れ
 またしても、読売新聞だけは「その主たる責任は無論、韓国側にある」といった「加害者責任を放棄した本末転倒」の論調であるのだが、他の三社は、この「合意」の積極的な受入れを結論づけている。
 例えば、朝日新聞の主張を要約すると次のようになる。


①節目の年にふさわしい歴史的な日韓関係の進展である。両政府がわだかまりを越え、負の歴史を克服するための賢明な一歩を刻んだことを歓迎したい。
②きのうあった外相会談の後、岸田外相は慰安婦問題を「軍の関与のもと多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題」と定義し、「日本政府は責任を痛感している」と明言した。
③安倍首相は日本の首相として元慰安婦に対し、「心からのおわびと反省」を表明した。
④一方、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相も日本政府に応えた。今回の合意について、「日本政府の措置の着実な実施」という前提つきながら、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と言い切った。日本側から「韓国は約束してもゴールポストを動かす」と批判されていたことを意識したうえでの確約の表明である。
⑤両外相ともメディアを通じて両国民に固く誓ったのだ。合意をしっかり履行してほしい。
⑥韓国政府は、元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やすための財団をつくり、そこに日本政府が約10億円を国家予算から拠出する。
⑦今回の合意は、新たな日韓関係を築くうえで貴重な土台の一つとなる。日本政府は誠実に合意を履行し、韓国政府は真剣に国内での対話を強める以外に道はない。


 そして、この上で朝日新聞は、「経済だけでなく、安全保障や紛争・災害の人道支援、環境対策など、地球規模の課題が多い時代、アジアを代表する主要国同士の日韓が手を携えて取り組むべきテーマは数知れない。両外相はきのう、ともに『日韓関係が新時代に入ることを確信している』『来年から新しい関係を切り開けることを期待する』と期待を述べた。3日後の新年からは、日韓がともに前を向いて歩む50年の始まりとしたい。」、と結論づけた。

 毎日新聞は、この「合意」の意義を、次のようにまとめた。


①韓国は「反人道的な不法行為」である慰安婦問題は請求権協定で解決されていないという立場から「法的責任」を求めてきた。道義的か法的かを、あえて明確にしないことで双方が歩み寄り、決着につながった。
②日本政府が韓国の設立する財団に10億円を拠出する点も大きい。アジア女性基金は国民からの寄付金を軸にしたため韓国側が「政府の責任をごまかそうとしている」と反発した。公的な資金を出すことは政府の責任をより明確化させることになる。
③今回の合意について「最終的で不可逆的な解決」であることを確認したことは両国の信頼構築につながる。これにより、国連など国際社会での非難合戦という不毛な争いにも終止符が打たれるはずだ。


 また、毎日新聞は日韓両国の今後の「合意」の課題として次のことを指摘している。


「韓国政府は、日本が強く問題視する在韓日本大使館前に建つ少女像の撤去にも前向きな姿勢を見せた。韓国で慰安婦問題の象徴になっているだけに簡単ではなかろう。真の和解につながる歴史的合意とするためには、まだ多くの作業が残っている。日韓両国が互いを信頼し、協力していかねばならない。
 日本は、解決策が最終的なものとなる確約を重視した。韓国政府が日本の対応をいったん評価してから、世論の反発を受けると一転して強硬姿勢に転じることを繰り返してきたという思いがあるからだ。アジア女性基金の取り組みを無視されたといういらだちもあった。 ただ、問題を蒸し返してきたのは韓国側だけではない。政府間で前向きな動きがあっても、日本の政治家やメディアが植民地支配を正当化したり、元慰安婦を中傷したりしたことが、日韓関係をより複雑化させてきたことは事実だ。」


 この上で、毎日新聞は、「日本にとって韓国は最も重要な隣国である。外交はそもそも互いに譲り合わなければ成り立たない。今回の合意内容について、どちらが多く譲ったかの『勝ち負け論』に陥ることなく、日韓の新時代を切り開く基礎にすべきである。」、とまとめている。

 東京新聞は、この「合意」について、「日韓外相は『解決』『決着』という言葉を使ったが、一連の交渉経過を見れば、キーワードは『妥結』という表現ではないか。実は韓国語にも妥結(タギョル)という漢語があり、日韓の辞典を見ると『利害の対立する者が折れ合って、話をまとめる』という部分が共通している。両首脳は当初の主張を和らげ互いに譲歩した。国内の反対世論を説得する決断もしたということだろう。」、と新たな意味を解釈して見せた。
 その上で、「合意」の妥結を急がねばならない両政府の事情について、「元慰安婦の韓国人女性は生存者四十六人、平均年齢は九十歳近く、交渉をずっと続ける時間的余裕はなかった。また慰安婦問題で関係が冷えこんだままでは、経済、安保など協力すべき分野が進まないという不満が、双方の国内から出ていた。」、と解説する。
 また、あわせて、「日韓双方の背中を押したのは米国だった。オバマ政権は韓国に対し、歴史問題にこだわるばかりでは日米韓の共助体制が崩れていくと批判した。一方で、戦時下の女性に対する性暴力は深刻な人権侵害だとして、日本側に慰安婦問題の解決を迫った。
」、というもう一つの背景を示した。


一方、朝日新聞は、韓国側の「屈辱的」「政府に違う」との相反する内容の次の記事を掲載し、東京新聞は「火種は残っている」と表現しているが、このことを「合意」を考える上で、どのように考えていくのかが重要である。
 例えば、朝日新聞の次の記事である。


「元慰安婦の支援団体『韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会』(挺対協)は会談終了後、『屈辱的だ』と反発する声明を発表し、『慰安婦は日本政府が主導した犯罪であり、不法という点が明らかになっていない』と批判。安倍首相による直接の謝罪もなかったとして『真心がこもった謝罪と受け入れるのは難しい』とした。さらに真相究明や歴史教育などの『再発防止措置』への言及もないと指摘、韓国政府が受け入れたことは『衝撃だ』とした。
 一方、韓国のYTNテレビは『政府が年内に解決しようとしてくれたのだから、努力してくれた人たちのことを考えて、政府が決めたことに従いたい』という元慰安婦の女性のインタビューを放送した。」


 これまでも、日本軍「慰安婦」と従軍慰安婦という言葉のどちらを使用するのかで、問題の本質の捉え方は違ってくる。
 本来、この日本軍「慰安婦」問題の解決のためには、「女性国際戦犯法廷」の最終判決文の次の指摘を日本政府が行うことが必要となることは言うまでもない。


1.「慰安婦」制度の設立に責任と義務があること、この制度が国際法に違反するものであることを全面的に認めること。
2.法的責任をとり、二度と繰り返さないと保証し、完全で誠実な謝罪を行うこと。
3.ここで宣言された違反の結果として、犠牲者、サバイバーおよび回復を受ける権利がある者に対し、政府として、被害を救済し将来の再発を防ぐのに適切な金額の、損害賠償を行うこと。
4.軍性奴隷制について徹底的な調査を実施する機構を設立し、資料を公開し、歴史に残すことを可能にすること。
5.サバイバーたちと協議の上で、戦時中、過渡期、占領期および植民地時代に犯されたジェンダーに関わる犯罪の歴史的記録を作成する「真実和解委員会」の設立を検討すること。
6.記憶にとどめ、「二度と繰り返さない」と約束するために、記念館、博物館、図書館を設立することで、犠牲者とサバイバーたちを認知し、名誉を称えること。
7.あらゆるレベルでの教科書に意味のある記述を行い、また、研究者および執筆者に助成するなど、公式、非公式の教育施策を行うこと。違反行為や将来の世代を教育する努力が行われること。犯罪の原因、犯罪を無視する社会、再発を防止するための手段などを調査する努力をすること。
8.軍隊とジェンダー不平等との関係について、また、性の平等と地域のすべての人々の尊重を実現するための必要条件について、教育を支援すること。
9.帰国を望むサバイバーを帰国させること。
10.政府が所有する「慰安所」に関するあらゆる文書とその他の資料を公開すること。
11.「慰安所」の設置とそのための徴集に関与した主要な実行行為者をつきとめ、処罰すること。
12.家族や近親者から要望があれば、亡くなった犠牲者の遺骨を探して返還すること。


 また、韓国挺身隊問題対策協議会(以下、挺対協とする)は、「12.28日韓外相会談」に向けて、特に、「『平和の碑』の撤去と『二度と問題を蒸し返さないという約束』の提示」について、次の論評を発表していた。


 解決の前提条件として「平和の碑」の撤去と「二度と問題を蒸し返さないという約束」を提示していることは、安倍政権が表向きには日本軍「慰安婦」問題の解決を口にしながら、実は日本軍「慰安婦」問題を解決する意思がないのだとしか解釈できない。さらにこれは、仮に日本軍「慰安婦」問題が未解決のまま残された場合に、その責任を被害者側である韓国社会に押しつけるための術策ではないかとさえ思われる。

―「平和の碑」は、1992年1月8日に始まった水曜デモが2011年12月14日に1000回を迎えた日に、20年以上も毎週水曜日にその場所で訴えてきたハルモニたちと私たちの歴史を記憶するために建てたものだ。過去の辛い歴史を記憶することを超えて、被害者と市民の1000回もの叫び、20年もの歳月あきらめずに水曜デモをおこなってきた過程を表現したものである。そして、戦争を経験していない若い世代に、生きた歴史教育の場として、人権と平和教育の教室として、被害者の人権擁護活動の象徴として積み重ねてきたその歴史を前向きに評価し、褒め称えて「平和の碑」を建てたのである。ところがこれの撤去を条件とすることは、加害者が被害者の問題解決の歴史を抹消しようとする暴力的な動きであり、新たな障害を作り出すものである。

―「二度と問題を蒸し返さないという約束」をしろという前提条件も、加害者側が出してはいけないもので、ありえないことだ。それは、日本政府の正しい責任履行によって実現されることで、韓国政府が前提条件として約束する事柄ではないからである。
3.私たちは、日本軍「慰安婦」問題解決のため、25年間、諦めずに走ってきた。その成果が国連と国際社会の決議採択、日本政府への勧告を引き出し、韓国憲法裁判所の判決を生み出したのだと思う。また、このような圧力によって、日韓政府が日本軍「慰安婦」問題を外交議題として議論するようになったのだと思っている。12月28日に予定されている日韓外相会談は、25年もの間努力してきた、このような被害者たちの活動とアジアの被害国の女性たち、そして国際社会の努力が実を結ぶような形で結果が引き出されなければならない。


 挺対協は、その論評を、「万が一にも懸念される、外交辞令でお茶を濁すような解決ではなく、被害者が心から納得できる、受け入れることのできる、速やかで正しい解決を願う」、とまとめている。


 ただ、現状の中で、今回の「合意」の重さをを考える時、東京新聞の「従軍慰安婦問題で合意『妥結』の重さ」という意味が、現在の状況の中で、この「合意」を判断する上で、重要になってくると考えざるを得ないのではないか。
 だとしたら、村野瀬玲奈の次の指摘を、「その責任を被害者側である韓国社会に押しつけるための術策ではないかとさえ思われる。」という疑念を払拭するために、「合意」の日本側の責任の取り方として、日本政府に守らせなければならない。


①日本側で出版されている大日本帝国軍従軍慰安婦制度を史実否定や歴史修正や韓国ヘイトや女性蔑視の立場から扱っている歴史修正出版物について、「それらは日本政府の立場とは相いれず、日本政府はそれらの出版物を史実として認めない」と公式に表明すること。
②日本の政治家、政府高官、政府関係者から、大日本帝国軍従軍慰安婦制度について、史実否定や歴史修正や韓国ヘイトや女性蔑視の立場から蒸し返す発言が出たら、「それは日本政府の立場とは相いれない」と首相自らコメントし、そのような発言をした者の政府内での職を解くこと。


 今回の「合意」を、やはり、「日本にとって韓国は最も重要な隣国である。日韓の新時代を切り開く基礎」と考えたい。


 以下、各新聞社の社説及び「村野瀬玲奈の秘書課広報室」ブログの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-12-31 06:00 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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