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「強制徴用問題」を考える。

 毎日新聞は2017年8月17日、標題について、「韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日午前、就任100日を迎えた記者会見を開いた。日本の植民地時代の徴用工問題について文氏は『徴用者問題も、(日韓)両国間の合意が個々人の権利を侵害することはできない』と述べ、元徴用工の個人請求権は消滅していないとの立場を初めて示した。韓国政府はこれまで徴用工問題は1965年の日韓国交正常化時に解決済みとの立場を取り、個人請求権問題への言及を避けてきた。国家間で外交的に解決した後も問題は残るとして、日本政府に善処を促す狙いがありそうだ。」、と報じた。
 この問題について、高知新聞は「【徴用工問題】過度の外交論争を避けよ」、徳島新聞は「徴用工問題 韓国は火種をつくるな」、山陽新聞は「韓国徴用工発言 積み重ねは尊重すべきだ」、信濃毎日新聞は「徴用工問題 大統領の姿勢を危ぶむ」、と2017年8月21日に、各紙の社説で論評した。また、朝日新聞は2017年8月18日に「徴用工問題 歴史再燃防ぐ努力こそ」と評した。
この5紙の主張とハンギョレの二つの記事を比較して、改めてこの問題を考える。
 まずは、各紙の主張は次のものである。
 ただ、各紙の見出し文だけで日本側(5紙だけを見ているわけではあるが)の主張は予想できるのであるが。


Ⅰ.高知新聞
(1)強制連行されて日本企業などで働かされた韓国人の徴用工問題は、元従軍慰安婦への謝罪や補償とともに日韓の癒えない歴史問題の一つだ。目を背けることができない。それでも文氏の今回の発言は首をかしげざるを得ない。
(2)こうした状況を踏まえ、徴用工問題を過度の外交論争にすることは避けなければならない。日本政府内では「蒸し返しだ」と反発する声が少なくないが、日韓ともに冷静な対応が求められる。


Ⅱ.徳島新聞
(1)徴用工問題は、両国政府が解決済みとしてきたものだ。それを今になって否定するとは、全く理解に苦しむ。歴史問題を蒸し返し、新たな火種をつくることが、一国のリーダーとしてふさわしい行動なのか。文氏はよく考えてもらいたい。
(2)文氏は、過去の歴史が未来志向の日韓関係の障害になり続けるのは望ましくないとも語っている。そうであるなら、国民に迎合し、感情をあおるような言動は慎むべきだ。このままでは、韓国は約束を守れない国と見なされるのではないか。国際的な信用が問われかねないことを、文氏は認識しなければならない。


Ⅲ.山陽新聞
(1)植民地支配からの解放を記念する15日の「光復節」の記念式典では、解決に向け「日本の指導者の勇気ある姿勢」を求めた。日本にアジア諸国への加害責任があることは確かである。しかし、日本政府は日韓請求権協定で韓国に3億ドルの無償資金などを支払い、韓国人の個人請求権は消滅したとの立場だ。韓国政府も2005年、従軍慰安婦らは協定の対象外とする一方、元徴用工への日本の補償措置は解決済みと認めている。文氏の発言はこれを覆すもので、到底受け入れられるものではない。文政権は慰安婦問題についても、15年の日韓合意の成立過程を検証中で、結果次第で日本に再交渉を求めることも想定される。
(2)北朝鮮情勢の緊迫化で韓国との協調関係が重要性を増す中、文氏の真意は慎重に見極める必要もある。発言の背景には韓国内で続く保守と革新の対立があり、革新系大統領としての国内向けアピールの側面が強いという指摘もある。
(3)歴史問題は国民感情を刺激しやすく、慎重な対応が求められる。文氏はもちろん、日本側もその自覚が大切だ。


Ⅳ.信濃毎日新聞
(1)韓国の国際的信用と日韓関係を損なう危険をどこまで見据えたのか、疑問が募る。
(2)「両国間の合意が個々人の権利を侵害することはできない」。大統領の発言だ。最高裁判断を追認した形である。大統領が言うように、個人の権利は国家間の合意では侵害されないとするのは一理ある考え方だ。例えば独裁者が外国からの援助と引き換えに国民の請求権を勝手に放棄した場合、その行為を是認するのは難しい。しかし65年の協定を韓国国民の権利の不当な侵害と見なすのは一方的に過ぎる。韓国政府は当時の国家予算の2年分に当たる資金を日本から受け取って経済建設に充てた。そして高度成長軌道に乗ることができた。韓国は盧武鉉政権のとき無償経済協力に徴用工問題解決の資金も含まれているとの見解を発表している。今になって過去の経緯を無視するのは筋が通らない。


Ⅴ.朝日新聞
(1)植民地時代の元徴用工らへの補償問題について、これまでの韓国政府の見解から逸脱するかのような認識を示した。個人の賠償請求権を認めた韓国の裁判所の判断に触れ、「政府はその立場から歴史認識問題に臨んでいる」と語った。文氏は、その2日前の植民地解放の式典でも、慰安婦問題と徴用工問題を並べて取りあげ、「日本指導者の勇気ある姿勢が必要」だと訴えている。その真意には不明な点もあるが、歴史問題はとくに慎重な扱いを要する政治テーマである。文氏の言動には、あやうさを感じざるをえない。
(2)日本が植民地支配により、多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたのは事実である。
日本側は法的な問題に閉じこもらず、被害者たちの声に真摯(しんし)に向きあい、わだかまりをほぐすための方策を探り続けるのは当然の責務だ。ただ、歴史問題は一方の当事者だけで解決できるものではない。今を生きる両国民の距離を縮めていくには、双方の政治指導者の深慮と行動を要する。
(3)歴代政権が積み上げた歩みをまず尊重する。それが歴史問題の再燃を防ぐ出発点である。


 どうやら、日本の側の5紙の主張は、「『歴代政権が積み上げた歩みをまず尊重する。』(朝日新聞)必要だ」、ということにまとまる。どうやらそれは、「歴史問題の再燃を防ぐ出発点である。」(朝日新聞)という恫喝的な言葉に収斂されるものである。
 この歴代政権の積み重ねについて、高知新聞が次のように押さえている。


(1)日韓両政府は1965年に請求権協定を結んでいる。日本政府は協定に基づき、3億ドルの無償資金を提供した。元徴用工への補償は「解決済み」との立場だ。(2)
(2)韓国政府もそれを認めてきた。2005年、3億ドルは慰安婦らを除き「強制動員の被害補償問題を解決する」資金だとして、日本政府による徴用工らへの補償措置は終わっているとの立場を示した。
(3)12年に、韓国最高裁が元徴用工の個人請求権を認める判断を示した際も韓国政府は「個人と企業間の訴訟だ」と距離を置いた。その後、日本企業に損害賠償を求める訴訟が相次いだが、やはり静観してきた。


 しかし、この論には、大きな問題が二つある。
 一つには、「蒸し返し」といった安易な言説に陥ることなく、「歴代政権が積み上げた歩み」という事実の検証がやはり必要であるということ。また、韓国政府への批判は、当然、日本政府への批判に当てはまるものでもあるということに気づかなければならない。
 二つ目には、いみじくも、信濃毎日新聞が「過去の行為が時を超え世代をつないで非難され続ける。植民地支配とは何と割に合わないものかとの思いが改めて込み上げる。」と慨嘆する植民地主義に関わるものである。まさしくそれは、植民地問題への理解と「克服」についてである。
 例えば、この問題についても、5紙の中で「植民地」という言葉を使用したのは、「日本の植民地支配下での徴用工問題」(山陽新聞)、「植民地時代の元徴用工らへの保障問題」(朝日新聞)「日本が植民地支配により、多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたのは事実である」(朝日新聞)、と3社の標記だけに限られている。
 したがって、「強制徴用問題」を考えるとは、実は、この二つの問題を考えるということでもある。


 まず、一つ目の「歴代政権が積み上げた歩み」について。
ハンギョレは2017年8月17日、「日本の『慰安婦・強制徴用問題解決済』主張は正しくない」、と次のように報じている。


(1)文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「慰安婦問題が(1965年の)韓日会談で解決された」という日本の記者の質問に「慰安婦問題が知られて社会問題になったのは、韓日会談以後のことだった。韓日会談ですべて解決されたというのは誤りだ」として立場を明らかにした。
(2)大統領は「強制徴用問題については、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に、韓日基本条約で解決されたことが確認されている」という質問にも「強制徴用者問題も両国間の合意が一人一人の権利を侵害することはできない。両国間の合意があろうとも、徴用者、徴用された強制徴用者個人が三菱をはじめとする相手会社に対して持つ民事上の権利はそのまま残っているということが韓国の憲法裁判所や最高裁(大法院)の判例」として「政府はそのような立場で過去の問題に臨んでいる」と強調した。


 このように、ハンギョレは、「歴代政権が積み上げた歩み」についての韓国政府の明確な立場を説明する。
この場合の韓国政府の明確な立場が、「『強制徴用者問題も両国間の合意が一人一人の権利を侵害することはできない。両国間の合意があろうとも、徴用者、徴用された強制徴用者個人が三菱をはじめとする相手会社に対して持つ民事上の権利はそのまま残っているということが韓国の憲法裁判所や最高裁(大法院)の判例』として『政府はそのような立場で過去の問題に臨んでいる』」、にあると。
であるとしたら、この韓国政府の見解が、「韓国の国際的信用と日韓関係を損なう危険」(信濃毎日新聞)といったものなのかというこになる。
 やはり、少なくとも、「歴代政権が積み上げた歩み」という「政治的」国際関係のなかで作られた政治的合意に対して、どこかで個人としての拒否権はあるべきではないだろうか。

 この指摘にあわせて、ハンギョレは2017年8月15日、「文大統領『韓日は過去に足を引っ張られてはならないが、歴史問題にふたはできない』」、と次のように報じている。


(1) 韓日関係で「被害者中心」の歴史問題解決を言及した部分も注目に値する。文大統領は「日本軍慰安婦と強制徴用など、韓日間の歴史問題の解決には人類の普遍的価値と国民的合意に基づく被害者の名誉回復と補償、真実究明と再発防止の約束という国際社会の原則がある」と述べた。
(2)さらに、「韓国政府はこの原則を必ず守る」とし、「日本の指導者たちの勇気ある姿勢が必要だ」とつけ加えた。政府が韓日の過去の被害者問題について、日本との間の両者関係ではなく「国際社会の原則」を挙げてアプローチしたものだ。


 ハンギョレは、今回の韓国大統領の発言は、「『国際社会の原則』を挙げてアプローチしたものだ。」、と説明する。
 つまり、日本と韓国の間の歴史問題を真に解決するには、「人類の普遍的価値と国民的合意に基づく被害者の名誉回復と補償、真実究明と再発防止の約束という国際社会の原則」が必要であると。
 さて、ハンギョレと日本国内5紙のどちらの主張が真理を突いているのか。


 次に、植民地問題への理解についてである。
 植民地主義の克服を考える時、まずは、植民地支配を行った側の「植民者」としての自覚が必要である。両国政府の歴史問題の根本の解決には、このことを抜きには「克服」への過程には進めないはずである。
しかし、例えば、日本軍慰安婦の問題について、日本の政府は、特に安倍晋三政権は、こうした「国際社会の原則」を無視続けているのが実態である。
 ここでもまた、なにを受けとめるのかということになる。
 やはり、受けとめなければならないのは、「人類の普遍的価値と国民的合意に基づく被害者の名誉回復と補償、真実究明と再発防止の約束という国際社会の原則」ということになるのではないだろうか。


 最後に、ハンギョレは2017年8月15日、「米軍慰安婦、日本軍慰安婦」というコラムの中で、「克日」ということについて、次のように記している。


(1)韓国の内部問題をヒューマニズムの尺度できちんと見ることができるならば、外側に地平を拡げることができる。私たちが日本軍「慰安婦」被害者と連帯して共に戦うのは、日本に支配された民族的鬱憤を晴らすためではなく、彼女たちの踏みにじられた魂を慰労し、その辛酸たる苦痛に対する補償を受けるようにするためだ。10年前、米下院が慰安婦決議案を初めて採択したのは、そのヒューマニズム的響きに世界が共感したためだ。
(2)韓日関係は悪循環に陥っているが、そうであるほど普遍的基準に基づかなければならない。かつてのアイルランドの頻繁な暴力事態に見るように、隣り合った両国が植民支配-被支配であった場合、関係は険悪にならざるをえない。合理的に見るより民族の観点が優先する。慰安婦問題は安倍の逸脱的な逆回りで大幅に悪化したし、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府の没歴史的対応で道に迷った。解決までに時間がかかっても、普遍的価値に立脚し不変の主張と要求を続けるしか道はない。
(3)克日(日本を克服すること)は被害意識に捕われて日本に常に何か出せと脅かしていても実現しない。そのような形で毎度接近すれば、韓国は常に日本に対して被害者であり抑鬱された民族になる。
(3)克日の次元で少女像問題にももう少し幅広く接近すれば良い。日本大使館前の少女像を平安なところにきちんとむかえる日が来ることを望む。光化門(クァンファムン)広場に迎えても良いし、慰安婦展示館を作って迎えることもできる。もちろん、そうなるためには日本の誠意ある謝罪と賠償が必要だ。その過程は迂余曲折がありえるが、そうなるように両国が知恵を集めなければならない。
(4)今年初め、裁判所は米軍慰安婦訴訟で国家の強制隔離を不法と判決した。彼女たちの人権侵害を調査する法案も国会で発議された。来年にはベトナム戦争当時韓国軍により犠牲になった民間人問題を扱う市民法廷が開かれる。韓国社会がこれらの問題に熱心であるほど、日本軍慰安婦問題の解決を要求する声にも説得力が増す。
(5)光復(解放)72周年をむかえ、あらためて克日を考える。私たちが一歩後退することによって本当に勝利する、普遍性と客観性を取得することによって、精神的にも物質的にも優位に立つ民族として新たに出ることができるのではないだろうか。


 確かに、今は、「強制徴用問題」を真摯に考える時である。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-28 09:40 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

ハンギョレのコラム-米軍慰安婦、日本軍慰安婦-を読む。

 ハンギョレは2017年8月15日、「[コラム]米軍慰安婦、日本軍慰安婦」を掲載した。 ハンギョレのペク・キチョル論説委員によるこのコラムをどう捉えることができるのか。
それは、「光復(解放)72周年をむかえ、あらためて克日を考える。私たちが一歩後退することによって本当に勝利する、普遍性と客観性を取得することによって、精神的にも物質的にも優位に立つ民族として新たに出ることができるのではないだろうか。」、との提言を、私たちの日本軍慰安婦問題として捉え直すことができるのかということでもある。
 その意味で、このコラムを考える。
コラムは、まず、米軍慰安婦について次のように押さえる。


(1)在韓米軍基地村女性、言い換えれば米軍慰安婦問題が韓国のマスコミに本格的にスポットを当てられたのは「キム・ジョンジャ、私は誰か」(2014年7月5日付ハンギョレ 1面)という記事が最初だった。それから1年余り後、東京で開かれた韓日言論人の集いに参加したことがある。当時両国関係は悪化の一途を辿っていた。
(2)半日討論して、あまりに異なる両国の人々の考えを貫く共通基盤はないだろうかと考えた。ふと米軍慰安婦のことが頭をよぎった。国家が集娼村を事実上管理し、性病検査を実施して強制的に隔離して、「米軍によくすれば韓国がよくなる」という精神教育までさせた。


 続いて、米軍慰安婦と日本人慰安婦を通して、日本人慰安婦問題を指摘する。


(1)当時私は、韓国では米軍慰安婦にスポットを当てているのに、先進国である日本がはるかに深刻な日本軍慰安婦に目を閉ざすのは誤りだと主張した。米軍慰安婦が戦後のことであり、日本軍慰安婦は戦時に遠い異国の地でそれも植民地の女性が帝国の軍隊に踏みにじられた。同じ人権蹂躪とは言っても、その強度には差が大きい。
(2)韓日問題は民族の観点とは別個に、人類の普遍的価値という共通基準で見れば輪郭が明確になる。例えば、『帝国の慰安婦』の著者朴裕河(パク・ユハ)を検察が起訴すると、韓国国内で反対声明を出したのはその主張に同意するからではなく、学問の自由のためだった。産経新聞ソウル支局長の起訴についてもやはり、言論の自由の観点から批判的だった。
(3)韓国の内部問題をヒューマニズムの尺度できちんと見ることができるならば、外側に地平を拡げることができる。私たちが日本軍「慰安婦」被害者と連帯して共に戦うのは、日本に支配された民族的鬱憤を晴らすためではなく、彼女たちの踏みにじられた魂を慰労し、その辛酸たる苦痛に対する補償を受けるようにするためだ。10年前、米下院が慰安婦決議案を初めて採択したのは、そのヒューマニズム的響きに世界が共感したためだ。
(4)韓日関係は悪循環に陥っているが、そうであるほど普遍的基準に基づかなければならない。かつてのアイルランドの頻繁な暴力事態に見るように、隣り合った両国が植民支配-被支配であった場合、関係は険悪にならざるをえない。合理的に見るより民族の観点が優先する。慰安婦問題は安倍の逸脱的な逆回りで大幅に悪化したし、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府の没歴史的対応で道に迷った。解決までに時間がかかっても、普遍的価値に立脚し不変の主張と要求を続けるしか道はない。
(5)今年初め、裁判所は米軍慰安婦訴訟で国家の強制隔離を不法と判決した。彼女たちの人権侵害を調査する法案も国会で発議された。来年にはベトナム戦争当時韓国軍により犠牲になった民間人問題を扱う市民法廷が開かれる。韓国社会がこれらの問題に熱心であるほど、日本軍慰安婦問題の解決を要求する声にも説得力が増す。


 また、コラムは、次のような視点を提起する。


(1)克日(日本を克服すること)は被害意識に捕われて日本に常に何か出せと脅かしていても実現しない。そのような形で毎度接近すれば、韓国は常に日本に対して被害者であり抑鬱された民族になる。
(2)克日の次元で少女像問題にももう少し幅広く接近すれば良い。日本大使館前の少女像を平安なところにきちんとむかえる日が来ることを望む。光化門(クァンファムン)広場に迎えても良いし、慰安婦展示館を作って迎えることもできる。もちろん、そうなるためには日本の誠意ある謝罪と賠償が必要だ。その過程は迂余曲折がありえるが、そうなるように両国が知恵を集めなければならない。


 さて、韓国で「克日」が実践される時、私たちは、どのような視点を持つことができるのか、を問われている。
 確かに、次の指摘は、重要である。


Ⅰ.「私たちが日本軍「慰安婦」被害者と連帯して共に戦うのは、日本に支配された民族的鬱憤を晴らすためではなく、彼女たちの踏みにじられた魂を慰労し、その辛酸たる苦痛に対する補償を受けるようにするためだ。」
Ⅱ.「韓日関係は悪循環に陥っているが、そうであるほど普遍的基準に基づかなければならない。」
Ⅲ.「かつてのアイルランドの頻繁な暴力事態に見るように、隣り合った両国が植民支配-被支配であった場合、関係は険悪にならざるをえない。合理的に見るより民族の観点が優先する。」
Ⅳ.「慰安婦問題は安倍の逸脱的な逆回りで大幅に悪化したし、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府の没歴史的対応で道に迷った。解決までに時間がかかっても、普遍的価値に立脚し不変の主張と要求を続けるしか道はない。」




by asyagi-df-2014 | 2017-08-25 05:53 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

韓国の文在寅大統領、元徴用工の個人請求権は消滅していないとの立場を示す。

 毎日新聞は2017年8月17日、標題について次のように報じた。


(1)韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日午前、就任100日を迎えた記者会見を開いた。日本の植民地時代の徴用工問題について文氏は「徴用者問題も、(日韓)両国間の合意が個々人の権利を侵害することはできない」と述べ、元徴用工の個人請求権は消滅していないとの立場を初めて示した。韓国政府はこれまで徴用工問題は1965年の日韓国交正常化時に解決済みとの立場を取り、個人請求権問題への言及を避けてきた。国家間で外交的に解決した後も問題は残るとして、日本政府に善処を促す狙いがありそうだ。
(2)文氏は会見で、慰安婦問題は国交正常化に向けた日韓会談で議論されなかったため未解決との従来の韓国政府の認識を追認。徴用工問題についても2012年、韓国最高裁が個人請求権は消滅していないとの判決を出したことに触れ「両国間の合意にもかかわらず、強制徴用者個々人が三菱(重工業)など(徴用された)企業を訴える権利はそのまま残っているというのが判例だ」と述べた。
(3)文氏は15日の演説で、徴用工問題と慰安婦問題を並べ「被害者の名誉回復と補償、真相究明と再発防止の約束という国際社会の原則を政府は必ず守る」と徴用工問題でも日本側の対応を求めた。ただ、12年の最高裁判決をめぐっては韓国内でも批判があり、最高裁は差し戻し審の判決言い渡しを保留している。
(4)一方、文氏は北朝鮮の核・ミサイル開発の「レッドライン(越えてはならない一線)」について「大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成し、核弾頭を武器化することだ」と明言。「北朝鮮はレッドラインに近づいている」と危機感をにじませた。また「南北関係改善や核問題解決にプラスになるなら、北朝鮮への特使も十分考慮できる」と述べた。
(5)今回の会見は、あえて事前に質問を通告しない「脚本なし」のもので、青瓦台(大統領府)は国民とのコミュニケーション重視の姿勢とアピール。朴槿恵(パク・クネ)前政権時代は、事前に記者団が質問内容を青瓦台に通告し、朴前大統領が用意された回答を読み上げる方式で、国民の強い反発を招いた。


 このことの関連して、ハンギョレは2017年8月17日、次のように報じている。


(1)文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「慰安婦問題が(1965年の)韓日会談で解決された」という日本の記者の質問に「慰安婦問題が知られて社会問題になったのは、韓日会談以後のことだった。韓日会談ですべて解決されたというのは誤りだ」として立場を明らかにした。文大統領は「強制徴用問題については、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時期に、韓日基本条約で解決されたことが確認されている」という質問にも「強制徴用者問題も両国間の合意が一人一人の権利を侵害することはできない。両国間の合意があろうとも、徴用者、徴用された強制徴用者個人が三菱をはじめとする相手会社に対して持つ民事上の権利はそのまま残っているということが韓国の憲法裁判所や最高裁(大法院)の判例」として「政府はそのような立場で過去の問題に臨んでいる」と強調した。
(2)文大統領は「ただし私が強調しているのは、過去の問題が韓日関係の未来指向的発展にとって障害物になってはならない。過去の問題は過去の問題として、韓日間の協力は協力として別に対応することが必要だ。前回の慰安婦合意に対して自分の考えを明らかにしたことがある。外交部自らチームを構成して、合意の経緯と合意に対する評価作業を進めている。その作業が終わり次第、外交部がそれに対する方針を定めるだろう」と付け加えた。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-24 05:59 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

結局、「空襲被害者救済法案」は、法案の提出にも至らなかった。

 戦後補償から排除された民間の空襲被害者らを救済する「空襲被害者救済法案」は、安倍晋三政権下で、法案の提出さへ行われなかった。
このことについて、毎日新聞は2,017年8月21日、「見送り 『国の謝罪一言ほしい』」、と次のように報じた。


(1)戦後補償から漏れた民間の空襲被害者らを救済する新法ができないまま、戦後72年の夏が過ぎようとしている。先の通常国会では成立が期待されたが、結局は法案の提出にも至らなかった。「このまま見捨てられるのか」。被害者に残された時間は多くない。
(2)「なぜ、もっと早く実現できないのか。補償すべき被害者が死んで減るのを待っているのか、と勘ぐってしまう」
(3)今春、議員立法による空襲被害者救済法案の骨子素案が公表されたとき、浜田栄次郎さん(87)=大阪狭山市=は、歓迎よりも国への不信感を拭えなかった。1945年3月13日深夜からの大阪大空襲に遭い、やけどで右手の皮膚が垂れ下がるほどの重傷を負った。植皮手術を受けても治らず、反り返った指は今も自由に動かせない。「字を書くときなど、人に右手を見られるのは今でも嫌だ」と言う。
(4)骨子素案には「障害者の長期間にわたる労苦を慰藉(いしゃ)する」と趣旨が記された。国の責任を認める「補償」ではない。浜田さんは80年に障害者手帳を取ったが、国に放置されてきたという思いが強い。大阪大空襲などの被害者らが損害賠償を求めた集団訴訟(2014年に敗訴が確定)に原告として参加した。法廷や記者会見で繰り返し訴えた。「国が始めた戦争で傷を負ったのに、今までほったらかしにしてすまなかったと、謝罪の一言がほしい」
(5)法案が成立しても全ての被害者が救済されるわけではない。戦後に不発弾の爆発で両目の視力と両手を失った元盲学校教員の藤野高明さん(78)=大阪市東淀川区=は骨子素案では対象外だが、「突破口を開いてもらいたい」と期待する。国民学校2年だった1946年7月18日朝、福岡市内の自宅で2歳下の弟と一緒に、前日に拾った単4電池ぐらいの円筒形の金属を触っていた。くぎを差し込んだ瞬間、爆発した。弟は即死した。
両手を失い点字が読めないので盲学校に入学できなかった。12回の手術でも視力は戻らなかった。18歳の時、看護実習生が読んでくれた本で全盲のハンセン病患者が唇や舌で点字を読んでいることを知り、道が開けた。20歳で大阪市立盲学校中学部に編入。大学の通信教育部に進み、72年に同盲学校の世界史教員となった。大学生の頃、補償を求めて福岡市内にある国の出先機関を2回訪ねた。事故当時の新聞記事を示して障害の説明をしたが、担当者から「補償する手続きがない」などと断られた。
(6)骨子素案は支給金額などで課題があるが、藤野さんは救済への第一歩となる重みを考える。ただ、譲れないことがある。「国は戦争で多数の被害者が出た責任として、謝罪しないといけない」。二度と同じ被害者を出さないための訴えだ。【宮本翔平】
(7)法案の骨子素案は4月27日、超党派の議員連盟(会長・河村建夫元官房長官)が総会で決定した。6月に閉会した通常国会で提出を目指していたが、与野党対立のあおりなどで実現しなかった。内容は太平洋戦争開戦の1941年12月8日から沖縄戦が終結した45年9月7日の間、現在の日本領土で空襲や艦砲射撃などの戦災で負傷した身体障害者らが一時金(一律50万円)の支給対象。国籍による除外はないが、旧満州(現中国東北部)や樺太(サハリン)での被害者、戦後に不発弾や機雷の爆発で負傷した人は含まない。
(8)戦争被害に対する国の補償は旧軍人・軍属らが中心で、民間人は原爆被爆者や海外からの引き揚げ者の一部などに限られた。空襲被害者に軍人・軍属らと同様の補償を求めた「戦時災害援護法案」が70〜80年代に計14回、野党により国会提出されたが全て廃案になった。名古屋、東京、大阪で提起された賠償を求める訴訟は、いずれも原告側が敗訴した。
【宮本翔平】


 あらためて、戦争ができる国とはどういう意味を持つのかということを考えさせられる。
 また、戦後、政治的課題の中で処理されてきた「戦後補償」のあり方についても。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-23 05:57 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

国連の拷問禁止委員会は、最終見解の「拷問と虐待の犠牲者の救済」という項目で、韓国は「韓日合意を見直すべきだ」と勧告した。

 朝日新聞は、標題について次のように報じた。


①「国連の拷問禁止委員会は12日、2015年12月の慰安婦問題をめぐる日韓合意について『(韓国は)見直すべきだ』とする勧告を含む、韓国に対する『最終見解』を公表した。」
②「拷問禁止委は最終見解の『拷問と虐待の犠牲者の救済』という項目で、日韓合意を『歓迎』しつつも、合意は元慰安婦に対して、名誉回復策や再発防止策を含む救済措置や賠償の提供を『し損なっている』と『懸念』を表明。それらを実現するために、韓国は『韓日合意を見直すべきだ』と勧告した。」
③「拷問禁止委は、拷問等禁止条約の締約国が負う義務の履行状況を監視する条約機関で、世界の人権専門家10人で構成されている。」


 確かに、「韓日合意を見直すべきだ」という考え方が、世界の常識なのだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-13 10:20 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

国立公文書館が、慰安婦問題に関する戦犯裁判資料などの文書19件182点を内閣官房に提出。

 朝日新聞は2017年4月18日、標題について、「慰安婦問題に関する戦犯裁判資料などの文書19件182点を、国立公文書館が内閣官房に提出したことがわかった。部隊の命令で女性を慰安婦として連れ込んだとの証言も記され、市民団体が『強制連行を示す記述が随所にある』と指摘していた。ただ、内閣官房は『全体として見ると強制連行を直接示すような記述は見当たらない」として、従来の認識を変えていない。」、と報じた。
 また、この文書の内容については、「文書は法務省が収集した、極東国際軍事裁判(東京裁判)やBC級戦犯裁判に関する資料。オランダ領東インド(現インドネシア)でオランダが日本兵らを裁いたバタビア裁判の記録や、法務省による調査報告書などが含まれる。インドネシアの『ポンチャナック裁判13号事件』では、ある日本兵に対する判決文に『婦女子を慰安所に入れて売淫を強制』と記されている。『バタビア裁判25号事件』には、インドネシアの日本海軍特別警察隊元隊長が戦後、法務省の聞きとり調査に『二百人位の婦女を慰安婦として部隊の命により、バリ島に連れ込んだ』と証言したとの記述がある。」、と伝えた。


 このように、こうした事実を受けても、安部晋三政権は、「内閣官房は『全体として見ると強制連行を直接示すような記述は見当たらない」として、従来の認識を変えていない。」、という見解を維持し続けている。
 こうした安部晋三政権のあり方について、琉球新報は2017年4月18日、「慰安婦文書提出 『強制連行』の事実認めよ」、と批判した。
 琉球新報は、次のようにその根拠を示している。


(1)林博史関東学院大教授らが日本軍の強制性を裏付ける資料を発見してきた。その一つが今回の19件に含まれる「バタビア裁判25号事件」資料である。
(2)1947年8月、オランダ軍がBC級戦犯を裁いたインドネシア・バタビア(現在のジャカルタ)の軍法会議で日本海軍兵曹長が懲役12年の判決を受けた。この元兵曹長が62年、法務省の調査で『(慰安婦として)現地人など約70人を連れてきた』『他にも約200人を部隊の命で連れ込んだ』と証言した。強制売春が戦争犯罪に問われることを恐れ、住民の懐柔工作に多額の軍資金を使った隠蔽(いんぺい)工作も生々しく語っていた。
(3)19件の文書は、河野談話の時点で法務省が所蔵していた。軍による強制性を明確に示し、談話を裏付けており、07年閣議決定を否定するものだ。


 この上で、琉球新報は、「不都合な事実を無視しては、国際社会の批判にも歴史の批判にも耐えられない。政府は今回の資料を基に謙虚に歴史に向き合い、閣議決定を見直すべきである。」とし、「これらの資料を基に、政府は旧日本軍による従軍慰安婦への強制連行の事実を認め、改めておわびと反省を表明すべきだ。」、と結論づけている。


 確かに、理は、琉球新報の論調にある。





by asyagi-df-2014 | 2017-04-20 06:37 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

VAWWRAC(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター)は、NHK(NHK番組「韓国 過熱する“少女像”問題~初めて語った元慰安婦~」)に、抗議文。

 「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(Violence Against Women in War Research Action Center)-通称VAWW RAC(バウラック)-は、2017年1月31日、NHKに対して、「NHK番組『韓国 過熱する“少女像”問題~初めて語った元慰安婦~』 の偏向報道に抗議する」、とする「抗議文」を提出した。
 この「抗議文」の内容は次のものである。


Ⅰ.番組の実像


 番組は、「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」という放送法の趣旨に反して、少女像設置に反対し日韓「合意」履行を韓国に迫る日本政府の言い分だけに迎合し、視聴者・世論を誘導した悪質な偏向報道・御用放送でした。これまでもNHKは「慰安婦」問題の報道に関して萎縮し、政府の意向を忖度し、自主規制してきましたが、今回ほどそれらが露骨に現れた番組はありません。


Ⅱ.番組の問題点


ⅰ.第一に、番組は、「当事者の多様な声」に関して、日韓「合意」に基づく支給を受け入れ少女像設置に批判的な、すなわち日本政府の意向に沿った「元慰安婦」・家族のインタビューしか放映せず、これに反対する「多様な声」を伝えていません。
ⅱ.一方の当事者の声に基づき、番組は、韓国の世論や運動に対して偏向に満ちた情報操作をして、韓国への偏見をつくりだしています。


Ⅲ.番組の具体的な問題連


ⅰ.(第一に、番組は、「当事者の多様な声」に関して、日韓「合意」に基づく支給を受け入れ少女像設置に批判的な、すなわち日本政府の意向に沿った「元慰安婦」・家族のインタビューしか放映せず、これに反対する「多様な声」を伝えていません。)


(1)番組は日韓「合意」による「和解・癒やし財団」(以下、財団)から当事者「7割、34人」が支給を受入れ、「31人への支給が完了した」とナレーションを流しました。しかしこの「支給完了」に関しては、重大な疑惑が判明しています。先日100歳を迎え元「慰安婦」キム・ボクトゥクさんは入院していましたが、本人が知らない間に財団から現金が支給されたことが判明し(1月18日聯合ニュース)、本人が「返金してほしい」という肉声録音が公開されました。また財団が発足した際も、韓国政府関係者が被害者や家族に電話をかけ、食事や支援金をちらつかせて発足式に誘おうとしました。しかし番組放映前に判明したこれらの事実を番組は無視しました。
(2)被害当事者が高齢で判断が困難になっている現状を考えれば、「支給」受入がどこまで当事者の意志なのかは、まったく不明です。むしろ財団は、キム・ボクトゥクさんの事例が示すように、こうした現状や家族の困惑・窮状につけこんで支給を強行し、実績を誇示している可能性さえあります。
(3)番組が「多様な声」を伝えるのであれば、日韓合意に反対し少女像設置に賛同する被害女性の声も伝えるべきですが、この番組に限らずNHKはこうした声を一貫して無視してきました。これでは、NHKは報道機関として「政治的に公平」とは言えません。


ⅱ.(一方の当事者の声に基づき、番組は、韓国の世論や運動に対して偏向に満ちた情報操作をして、韓国への偏見をつくりだしています。)

(1)一方の当事者の声に基づき、番組は「韓国ではこうした元慰安婦たちの声が伝えられないまま、日韓合意の破棄を求める世論が強まっている」としただけではなく、韓国の少女像設置運動や日韓「合意」に反対する運動に対しても「当事者の声が置き去りにされている」とか、「決して多数ではない反対の声だけがクローズアップ」「野党も世論に迎合」「(大統領選挙で)慰安婦問題で日本を叩くポピュリズムに走っている」などと、ナレーション・ゲストの解説・司会・ソウル特派員を総動員して決めつける。
(2)例えば、韓国世論は日韓「合意」に対し直後から「50.7%」と過半数が反対でしたが、番組ではこれを伝えず、評価は「43%に上りました」と肯定的な評価を強調するナレーションを流しました。またゲストは「日本側は法的に解決済みなんだけども、……当事者の人々を実質的にどう救済するかということを重視する立場」、一方「韓国から見たときの正義にこだわって、それを求めるところに重点を置いているのが韓国側の考え方」だと解説、これを受け司会者が「韓国側が考える正義の名に置いて、当事者の声が置き去りにされている?」と質問し、ゲストがこれを肯定するという構成でした。即ち、「被害者を救済する日本」対「被害者を置き去りにする韓国」という虚構の図式を意図的に創りだし、日本の世論を誘導しています。
(3)しかも韓国内部の「冷静さを呼びかける論調」として日韓「合意」に肯定的なメディアと「財団」理事の声を取り上げ、一方の多数を占める韓国の世論や運動が「冷静でない」というイメージ操作をして、日本の視聴者の韓国社会への偏見を助長しました。
(4)このような報道が、日本政府の意向に忠実だったことは言うまでもありません。

Ⅳ.主張


ⅰ.私たちVAWW RACは、NHKが女性国際戦犯法廷をめぐる「番組改変事件」をまったく反省していないばかりか、日本政府の意向を忖度する姿勢をさらに深化させたことに強く抗議します。
ⅱ.NHKが報道機関である以上、日本政府の姿勢・対抗措置をも批判的に検証するとともに、日韓「合意」に反対し少女像設置を推進する韓国の「多様な声」について、さらには「慰安婦」問題の報道に対しても、「公平に」伝えることを要請します。


 NHKは、VAWW RACの「NHKが報道機関である以上、日本政府の姿勢・対抗措置をも批判的に検証するとともに、日韓『合意』に反対し少女像設置を推進する韓国の『多様な声』について、さらには『慰安婦』問題の報道に対しても、『公平に』伝えることを要請」を自らの存在理由を捉え直す中で、真摯に受けとめなければならない。


 以下、VAWWRAC抗議文の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-02-04 16:20 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

「朝鮮半島も沖縄も戦争が続いている」。キムウンソンさんとソギョンさん夫妻妻は語る。

 「従軍慰安婦」被害を象徴する「平和の少女像」を制作した韓国の彫刻家夫妻が2017年1月24~27日に沖縄県内を訪れた。
 このことについて、沖縄タイムスは2017年1月28日、次のように伝えた。


(1)韓国民として芸術家として被害の実相を明らかにしようと少女像を造り、さらに視野を広げるため初めて沖縄に足を運んだ。沖縄戦の激戦地やガマ、米軍基地の現状を見て回り、「非常につらいことを経験した人の魂を感じた」、運成さんは「困難な状況、悲しみがある」と語った。
(2)夫妻は韓国の市民団体の企画で訪れ、立命館大学の徐勝(ソスン)特任教授も同行。糸満市の喜屋武岬や平和祈念公園、米軍普天間飛行場を望む宜野湾市の嘉数高台と佐喜眞美術館、読谷村のチビチリガマ、彫刻家・金城実さんのアトリエなどを訪れた。
(3)少女像を巡っては昨年末、釜山の日本総領事館前に設置され、日本政府は対抗措置として駐韓大使を一時帰国させるなど日韓の政治問題化している。
(4)この状況について、「私たちの国に私たちの意思で被害の真実を明らかにする作品であり、誰もそれをやめさせることはできない。一方的な撤去要求にハルモニ(おばあさん)たちもショックを受けており、新たな加害に直面している」と述べた。何よりも大事なのは、元慰安婦の女性の気持ちだという。「自分たちの子どもたちの未来のために闘うハルモニが亡くなる前に、きちんとした謝罪をしてほしい」と訴えた。また、2人は韓国民の怒りの矛先は日本政府だけでなく、しっかりした謝罪と解決がないまま2015年12月に合意を結んだ韓国政府にも向かっているとも指摘した。
(5)現状に心を痛めつつも、「朝鮮半島も沖縄も戦争が続いている。芸術家として、平和の懸け橋になるための活動をしていきたい」と決意。両国の友好や未来に向け、民衆レベルでの交流が大切だと話した。


 キムウンソンさんとソギョンさん夫妻の「朝鮮半島も沖縄も戦争が続いている。芸術家として、平和の懸け橋になるための活動をしていきたい」、との決意は、重たく日韓歴史を射貫いている。
 確かに、「両国の友好や未来に向け、民衆レベルでの交流が大切だ」、との言葉も重く響くものだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-02-02 08:44 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

「少女像」の設置と撤去の問題を考える。(2)-各紙の社説から-

 朝日新聞は2017年1月6日、釜山市の「少女像」の設置についての日本政府の対応について、「韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦像をめぐり、菅義偉官房長官は1月6日午前の記者会見で対抗措置を発表した。菅官房長官は、慰安婦問題を象徴する『少女像』の設置について、『日韓関係に好ましくない影響を与える』と発言。外交関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害するもので、『極めて遺憾』と述べ、日本政府の立場を明確に示す当面の措置として下記4点を実施する旨を発表した。
・在釜山総領事館職員による、釜山関連行事への参加見合わせ、・長嶺駐韓国大使および森本在釜山総領事の一時帰国、・日韓通貨スワップ取り決めについての協議の中断、・日韓ハイレベル経済協議の延期」、と安倍晋三政権の対応について報じた。
 このことについて、2017年1月6日に読売新聞は「少女像釜山設置 日韓合意を損なう不法行為だ」と社説で触れた。また、2017年1月7日に、毎日新聞は「釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する」、東京新聞は「日韓関係『逆風』 改善の流れを止めるな」、朝日新聞は「韓国との外交 性急な対抗より熟考を」、とその社説で主張した。
各紙の主張の主旨は次のものである。


Ⅰ.主張
(毎日新聞)
(1)日本政府は「領事関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害する」として撤去を求めている。日韓合意では、ソウルの日本大使館前に建つ少女像について、韓国政府が日本政府の抱く「懸念を認知」し、「適切に解決されるよう努力する」とうたわれた。この問題で進展が見られない中での新たな少女像だ。民間団体による私有地への設置なら政府にできることは限られるが、外交公館前の公道である。明らかに合意の精神に反している。
(2)日本として強い不快感を示す外交的措置を取ることは必要だろう。ただ、今回の事態で互いの国民感情を悪化させ、合意そのものを揺るがせてはいけない。
(3)残念なのは、合意への韓国社会の理解が深まっていないように見受けられることだ。
だが実際には、合意に基づいて設立された財団による元慰安婦らへの現金支給事業は順調に進んでいる。合意時点で生存していた元慰安婦の7割超が事業を受け入れた。韓国ではほとんど報じられていないが、当事者の意向はもっと重視されるべきだ。
(東京新聞)
(1)新年早々、日韓関係がまた険しくなってきた。慰安婦問題での合意について、韓国で否定する動きが広がり、日本側は対抗措置を取った。一年かけて築いた改善の流れを止めてはならない。
(2)朴槿恵大統領は政権内の不正が発覚して国会で弾劾訴追され、職務停止中だ。時を合わせるように、国内では朴政権が進めた日韓合意を否定する動きが広がる。黄教安首相が大統領代行を務めるが、釜山での像設置は自治体が判断する事案だとして対応策を示せなかった。外交は機能停止状態だと受け止めざるを得ない。
(3)韓国の混迷は政治腐敗をただし、より民主的な体制を生み出すプロセスと言えるが、外交を混乱させぬよう国内政治とは一線を画すべきだ。日本側は繰り返される反日感情など、韓国情勢を注意深く見守る必要がある。
(朝日新聞)
(1)少女像問題の改善へ向けて、韓国政府は速やかに有効な対応策に着手すべきである。日本政府が善処を求める意思表示をするのも当然だ。しかし、ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている。過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである。
(2)日韓政府間ではこれまでも、歴史認識問題のために関係全体が滞る事態に陥った。
だからこそ、歴史などの政治の問題と、経済や文化など他の分野の協力とは切り離して考えるべきだ――。そう訴えてきたのは、当の日本政府である。少女像問題をきっかけに経済協議や人的交流も凍結するというのでは、自らの主張と行動が反対になる。今後の対韓交渉で説得力を失うものだ。日韓関係が再び、暗いトンネルに入りかねない局面である。ここは両政府が大局観に立ち、隣国関係を対立の繰り返しではなく、互恵へと深化させる価値を国内外に説くべき時だ。
(3)日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い。一昨年の日韓合意では、ソウルの日本大使館前にある少女像の扱いについて、韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」ことが盛り込まれた。日本政府は、少女像が在外公館の安寧や威厳の維持を定めたウィーン条約に抵触するとして撤去を求めてきた。努力目標とはいえ、韓国側は合意の文言を尊重しなくてはならない。
(4)日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒やせるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。この合意を侵食するような行動は双方が慎むべきだ。両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい。
(読売新聞)
(1)韓国政治が混迷する中で、対日関係を損なう不法行為が罷まかり通った。憂慮すべき事態である。韓国政府が、地方自治体の判断する事案だとして、自らの立場を明確にしないのは疑問だ。
(2)合意では、韓国が元慰安婦支援の財団を作り、日本が10億円を拠出する。問題の「最終的かつ不可逆的な解決」と確認する。日本が撤去を求めるソウルの日本大使館前の少女像を巡っては、韓国が適切な解決への努力を約束した。にもかかわらず、釜山で新たな像が設置されたのは遺憾だ。
(3)政局の主導権を握った野党陣営から大統領選出馬を目指す有力者らが、合意の再交渉を主張しているのは、看過できない。釜山の像設置も公然と支持した。反日感情を煽あおっているのではないか。
(4)日韓関係は、合意を契機に改善に向かいつつあった。新たな少女像の設置が、その動きに冷や水を浴びせた。日本国民の嫌韓感情が再び高まるのは避けられまい。日本との歴史問題を名分にすれば、国内法、国際法や他国との取り決めを順守しなくても許容される。そうした韓国の独善的な体質は、対外的なイメージを低下させるだけである。


Ⅱ.事実の確認
(毎日新聞)
(1)韓国では、朴槿恵(パククネ)大統領に対する弾劾審判の結果によっては今年前半にも大統領選が行われる。主要候補と取りざたされる政治家は軒並み合意に否定的だ。昨年末の世論調査でも「破棄すべきだ」という意見が6割近かった。
(2)だが実際には、合意に基づいて設立された財団による元慰安婦らへの現金支給事業は順調に進んでいる。合意時点で生存していた元慰安婦の7割超が事業を受け入れた。韓国ではほとんど報じられていないが、当事者の意向はもっと重視されるべきだ。
(東京新聞)
 慰安婦問題では、一五年末時点での生存者四十六人のうち、七割余の三十四人が日本側の拠出金を受け取る意向を示すなど、合意で決まった救済事業は着実に進んでいる。この事実を韓国側はもっと重く受け止めるよう望む。


 この問題についての深刻な両国の相違は、「「日韓合意」について、「日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒やせるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。」(朝日新聞)、と果たして捉えることができるかという判断の違いにある。
 日本側の毎日新聞、東京新聞、読売新聞、朝日新聞のどこもが、多少のニュアンスの違いはあっても、「日韓合意」を受け入れた立場で、このことを捉えている。
 しかし、例えば、韓国のハンギョレは2017年1月7日、「日本政府が報復措置の根拠にしている一昨年末の合意は、正義の原則を損ねたものであるだけに根本的に誤っている。」、という立場に立つ。
 また、ハンギョレは、「日韓合意」や今回の日本政府の対応について、次のように指摘する。


「日本政府は問題の根本原因が合意自体にあることを直視しなければならない。合意当時、日本政府は元慰安婦被害者に対する法的責任認定をはじめとして絶対的に必要な措置をほとんど取らなかった。そのうえ元慰安婦支援として10億円を出すことでこの問題が不可逆的・最終的に解決されたと宣言した。」
「少女像の設置が日本の責任回避と歴史無視に対する韓国市民の抗議であることを日本政府が分からないはずはないだろう。それなのに根本問題には目を瞑り少女像を撤去しろと言って超強硬報復行為をするのは懺悔と正義を求める声を力で押さえ付けようとすることに他ならない。」


 つまり、この大きな隔たりは、「日韓合意」をどう受け取るかにある。
確かに、私自身は、2015年末の「日韓合意」が出されたすぐの時には、高齢化した当事者のために緊急な何らかの救済策が必要であるとの判断に立った。
 しかし、この「日韓合意」には、ハンギョレが指摘する問題が残されたままであったし、韓国以外の被害国に補償の道が開かれることもなかった。
 だとするなら、「加害国の法曹人が先に頭を下げて、粘り強く待ち続けたからこそ、韓国のハンセン病患者たちが法と向き合うことができた」(ハンギョレ2016年10月26日)、という視点の中でしか、やはり、侵略された側の解決策には繋がらない。
 逆に、新たな「日韓合意」を、もう一度創り出す機会にしなれねばならないのではないか。



by asyagi-df-2014 | 2017-01-17 08:13 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

「少女像」の設置と撤去の問題を考える。

 朝日新聞は2017年1月6日、釜山市の「少女像」の設置についての日本政府の対応について、「韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦像をめぐり、菅義偉官房長官は1月6日午前の記者会見で対抗措置を発表した。菅官房長官は、慰安婦問題を象徴する『少女像』の設置について、『日韓関係に好ましくない影響を与える』と発言。外交関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害するもので、『極めて遺憾』と述べ、日本政府の立場を明確に示す当面の措置として下記4点を実施する旨を発表した。
・在釜山総領事館職員による、釜山関連行事への参加見合わせ、・長嶺駐韓国大使および森本在釜山総領事の一時帰国、・日韓通貨スワップ取り決めについての協議の中断、・日韓ハイレベル経済協議の延期」、と安倍晋三政権の対応について報じた。
 一方、ハンギョレは2017年1月7日、その社説で、「市民の『少女像』に報復した日本の居直り」、と反論した。
ハンギョレの主張の主旨は次のものである。


Ⅰ.主張
(1)日本の今回の措置は不適切であることを越えて、居直りに近い。
(2)日本政府は問題の根本原因が合意自体にあることを直視しなければならない。
(3)日本政府が報復措置の根拠にしている一昨年末の合意は、正義の原則を損ねたものであるだけに根本的に誤っている。日本は報復措置を直ちに止めるのが当り前である。おりしも韓国の裁判所は合意に関連した交渉文書を公開せよとの判決を下した。政府は今からでも合意内容を全て明らかにし、国民の意思に沿った選択をせねばならない。


Ⅱ.経過の問題
(1)釜山に設置された少女像はろうそく集会の市民たちが一昨年末の慰安婦問題合意1周年を迎えて自発的に立てたものだ。民間次元で行われたことに反発して大使を本国に召還し、経済協力活動を中断する措置までしたことは理解し難い。
(2)日本のこうした強硬措置は、韓国で早期大統領選挙の可能性が高まるにつれ次の政権で合意の再協議の動きが起きることに備えてあらかじめ釘を刺そうとする計算に基づいていると見られる。


Ⅲ.合意自体の問題


(1)合意当時、日本政府は元慰安婦被害者に対する法的責任認定をはじめとして絶対的に必要な措置をほとんど取らなかった。
(2)そのうえ元慰安婦支援として10億円を出すことでこの問題が不可逆的・最終的に解決されたと宣言した。少女像の設置が日本の責任回避と歴史無視に対する韓国市民の抗議であることを日本政府が分からないはずはないだろう。それなのに根本問題には目を瞑り少女像を撤去しろと言って超強硬報復行為をするのは懺悔と正義を求める声を力で押さえ付けようとすることに他ならない。
(3)日本に強硬措置の糸口を与えてしまった韓国政府の無責任かつ外交力欠落も指摘せざるをえない。
(4)当初、韓国政府が10億円の義援金で事実上すべての責任を免除する合意をしたことからして誤りだった。しかも合意直後から韓国政府が10億円を受ける代価として少女像を撤去するという裏取引をしたという議論が起きた。日本政府は今回も少女像の問題に関連して「約束したことは必ず守らねばならない」と求めている。朴槿恵(パク・クネ)政権が自ら招いた外交屈辱である。


 この問題の本質が、「問題の根本原因が合意自体にあることを直視しなければならない。」、というハンギョレの指摘にあることを基本に置かなくてはならない。
 その上で、このことを考えるうえで手助けになるのが、2016年10月26日のハンギョレの「韓国のハンセン病訴訟手伝った日本の弁護士たち、加害国の良心的勢力の役割が重要」、との記事である。
 これを紹介する。ハンギョレはこのように紹介する。


Ⅰ.事実の経過


(1)この訴訟をはじめ、6件のハンセン病患者集団訴訟が政府の度重なる上訴により遅れているが、2000年代以前には訴訟すらも考えられなかった。ハンセン病患者に加えられた国家暴力は、真っ暗な法の死角地帯に置かれており、法曹人もこの問題に対する認識が全くなかった。
(2)2001年、一筋の光が差し込んだ。同年5月、熊本地方裁判所では「(日本)国のハンセン病患者隔離政策は違憲」という判決が下された。これによって「らい予防法」が廃止され、日本政府は「ハンセン病補償法」(「ハンセン病療養所入所者等 に対する補償金の支給等に関する法律」)を制定した。この訴訟を主導した徳田靖之護士は、韓国のハンセン病患者たちも日帝強制占領期(日本の植民地時代)に強制的に隔離・収容されたことを知り、韓国の弁護士と接触して被害者を捜した。国家暴力の被害者を自国民と非自国民に分けてはならないだけでなく、特に非自国民に対しては自分も加害者の位置に立つしかないと思ったからだ。彼に刺激を受けて韓国でも50人を超える弁護人団が構成された。
(3)小鹿島ハンセン病患者訴訟助けた徳田弁護士ら、自国民・非自国民に分けられないと判断、韓日政府に対する訴訟を積極的に支援。
(4)2003年、ついに小鹿島の病院の患者117人が日本政府に補償を申請したが、拒否されると、再び東京地方裁判所に訴訟を起こした。訴訟の費用はすべて日本の弁護士たちが負担した。2005年10月に判決が言い渡された1審訴訟では敗訴したが、2006年2月、日本の国会で補償法の改正案が可決され、日帝強制占領期韓国のハンセン病患者の被害者たちも、結局、補償を受けられるようになった。


 ハンギョレは、「現在韓国で行われている訴訟は、解放以後の韓国政府に責任を問うものだ。ところが、徳田弁護士が韓国を訪れてから、日本政府に補償を申請するまでに、2年という時間がかかった事情は何だろうか。」、と問う。
 その答えは、次のものであった。


「『初めて徳田弁護士が小鹿島を訪れた時、そこのハンセン病患者はみんな(彼を)あざ笑いました。一度も法の保護を受けたことがない一方、日帝強制占領期に日本人から受けた苦痛をはっきりと憶えていたからです。心を開き、心を尽くして話し合い、連帯感を育んで、一人またひとりと原告を集めて行きました』。ハンセン病患者の訴訟に主導的に参加しているチョ・ヨンソン弁護士は『加害国の法曹人が先に頭を下げて、粘り強く待ち続けたからこそ、韓国のハンセン病患者たちが法と向き合うことができた』と振り返った。」


 この姿にこそ、今回の問題を解く鍵があるのではないか。
 徳田弁護士達が示した方法こそが、「加害国の法曹人が先に頭を下げて、粘り強く待ち続けたからこそ、韓国のハンセン病患者たちが法と向き合うことができた」、という状況を開くことができる唯一の行動であったのだ。
 逆に言えば、安倍晋三政権の方法は、これと真逆の道を進んでいるのである。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-16 08:28 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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