カテゴリ:人権・自由権( 17 )

国連人権理事会は、ハンセン病に関わる偏見や差別の撤廃に取り組む「特別報告者」を新たに任命することを決定。

 NHKは、国連人権理事会のハンセン病に関わる「特別報告者」の任命について、次のように報じた。


(1)国連人権理事会はハンセン病に関わる偏見や差別の撤廃に取り組む「特別報告者」を新たに任命することを決め、今後、理事会が任命する独立した専門家が世界各国の現状を調査して、改善に向けた勧告などを行うことになりました。
(2)スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会の会合で22日、日本が中心となり43か国が共同で提案した「ハンセン病差別撤廃決議」が採択されました。決議では「ハンセン病の患者やその家族に対して、根拠のない偏見や差別が世界の各地で今も根強くある」と指摘していて、偏見や差別の撤廃に取り組む「特別報告者」が新たに設けられることになりました。
(3)ハンセン病を専門に扱う特別報告者の設置は初めてで、今後、人権理事会が任命する独立した専門家が世界各国の現状を調査して、改善に向けた勧告などを行うことになります。
(4)ジュネーブ国際機関日本政府代表部の志野大使は「日本が中心となって設置できたことを誇りに思う。根拠のない差別を世界からなくすためにも、日本としても新たな特別報告者を最大限支援していきたい」と話しています。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-24 12:34 | 人権・自由権 | Comments(0)

国連人権理事会で2017年6月12日、デービッド・ケイ特別報告者が日本政府がメディアに対して圧力を行使できる状況に懸念を表明。

 東京新聞は、標題について次のように報じた。


(1)「スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会で十二日、言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ特別報告者が報告し、日本政府がメディアに対して圧力を行使できる状況に懸念を表明した上で、報道の独立確保のため放送法の改善などを提案した。ケイ氏の報告に対し、日本の駐ジュネーブ国際機関政府代表部の伊原純一大使は「わが国の立場に正確な理解がなく、遺憾だ」と反論した。ケイ氏は昨年四月に訪日して政府職員や報道関係者、人権活動家らと面会し、報告書をまとめた。
(2)ケイ氏は十二日、放送事業者に政治的公平を求め、違反した場合に総務省が免許の一時停止を命じることができる放送法の見直しを提案。報道規制につながることに懸念を示した。一方で、報道機関の側にもプロフェッショナルな立場で、社を超えた連帯を強めるよう求めた。
(3)ケイ氏は報告書で、二〇一四年に施行された特定秘密保護法に関し、秘密の漏洩(ろうえい)に対する罰則によってジャーナリストや通報者を萎縮させかねないとの指摘があることを紹介し、萎縮させないことを保障するための法改正を求めていた。
(4)日本の歴史教育をめぐっては、慰安婦問題など教科書に記載される歴史解釈に、政府が介入することを慎むよう求めた。米軍普天間飛行場移設に対する抗議活動をした沖縄平和運動センターの山城博治議長の長期勾留も不適切と指摘した。
(5)ケイ氏は、カリフォルニア大アーバイン校の法学教授。一四年八月に言論と表現の自由に関する特別報告者に任命された。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-13 12:30 | 自由権 | Comments(0)

言論と表現の自由に関する特別報告者デービッド・ケイ氏による対日調査報告書が公開された。

 国連人権高等弁務官事務所は2017年5月30日、言論と表現の自由に関する特別報告者デービッド・ケイ氏による対日調査報告書を公開した。
 この報告書は、「政府が過度な権力を行使している」との指摘及び日本政府への懸念を表明している。
 琉球新報派、2017年5月31日、この報告書の指摘内容について次のように報じた。


(1)沖縄平和運動センターの山城博治議長が抗議行動を巡って逮捕され、長期勾留されたことに対して
①「抗議行動に不釣り合いな制限が加えられている」
②「裁判なしに5カ月間拘束したのは不適切で、表現の自由に対する萎縮効果を懸念する」
(3)記者の取材警を察が妨害したことに対して
①「過度の制限を回避するため(規制の適用に至る)経緯を慎重に見直さなければならない」
(4)沖縄の状況について
①「表現と抗議に対し、継続的に規制が加えられている」
②「全国の人々が反対意見や沖縄に関する情報に接する機会を確保することについて、懸念を表明する」
(5)自民党の改憲草案に対して
①「日本の人権保護を弱体化する恐れがある」
②女性差別を含めた広範な差別禁止法の制定も求めた。


 世界の目から見える日本の様子は、政府が過度な権力を行使しているために、日本の人権保護が侵されているということなのである。
 特に、沖縄は、「表現と抗議に対し、継続的に規制が加えられている」ために、危うい状況に追い込まれている。 
 はっきりしていることは、安部晋三政権の強権政治手法の行き着く先は、「日本の人権保護を弱体化する恐れ」にあるということであり、これをを阻止するためには日本人がこのことに覚醒するこことができるのかということにある。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-02 05:47 | 自由権 | Comments(0)

「平和への権利宣言」が国連総会で採択。

 「平和への権利宣言」について、「Right to Peace」のホームページで、次のように記されています。


 2016年11月18日(現地時間)、「平和への権利宣言」が国連総会第3委員会で承認されたことを経て、2016年12月19日(現地時間)、「平和への権利宣言」が国連総会全体会合で承認されました。投票結果は、賛成131ヵ国、反対34ヵ国、棄権19ヵ国でした。


 東京新聞は2017年2月19日、このことについて「『平和に生きる権利』日本、採決反対 戦争を『人権侵害』と反対する根拠 国連総会で宣言」、と次のように報じました。


(1)平和に生きる権利をすべての人に認める「平和への権利宣言」が国連総会で採択された。国家が関与する戦争や紛争に、個人が「人権侵害」と反対できる根拠となる宣言。日本の非政府組織(NGO)も深く関与し、日本国憲法の理念も反映された。NGOは宣言を具体化する国際条約をつくるよう各国に働きかけていく。 (清水俊介)
(2)日本のNGO「平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会」によると、きっかけは二〇〇三年のイラク戦争。多くの市民が巻き込まれたことをスペインのNGOが疑問視し「平和に対する人権規定があれば戦争を止められたのでは」と動き始めた。賛同が広がり、NGOも出席できる国連人権理事会での議論を経て、昨年十二月の国連総会で宣言を採択した。
(3)宣言は、すべての人が「平和を享受する権利を有する」と明記。宣言を実施するための「適切で持続可能な手段」を各国や国連に求めた。国連が「平和への権利」を個人の人権として認めた意義は大きい。
(4)立案段階で日本実行委は「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有する」との日本国憲法前文を伝え、宣言に生かされる形に。憲法施行七十年となる今年、各国のNGOとともに、国際条約をつくって批准するよう働き掛けを強めていきたい考え。ただ、国連総会では、米英などイラク戦争の有志連合の多くが反対。日本も反対に回った。日本外務省人権人道課の担当者は「理念は賛成だが、各国で意見が一致しておらず議論が熟していない」と説明する。


 「平和への権利宣言」は、第1条で、「すべての人は、すべての人権が保障され、発展が保障されるような平和を享受する権利を有する」、と明記されている。
 また、第2条では「国家は、平等、正義および法の支配を尊重し、平和を構築する手段として恐怖と欠乏からの自由を保障すべきだ」、第3条で「国家、国連は、この宣言を実施するために適切で持続可能な手段を取るべきだ。市民社会は支援を奨励される」、第4条では「寛容、対話、連帯の精神を強化するため、国際・国家機関による平和教育が促進される」、第5条では「この宣言は、国連憲章、世界人権宣言および国際・地域文書に沿って理解される」、となっている。
 そもそもこの宣言は、二〇〇三年のイラク戦争で多くの市民が巻き込まれたことを受けて、「『平和に対する人権規定があれば戦争を止められたのでは』と動き始めた。」、ということがきっかけだったという。
 この宣言が、「すべての人は、すべての人権が保障され、発展が保障されるような平和を享受する権利を有する」としたことから「国家が関与する戦争や紛争に、個人が『人権侵害』と反対できる根拠となる宣言。」、となることを強く願う。
 当然、そのために果たさなければならないことをやり尽くそう。




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東京新聞-2017年2月19日-平和への権利宣言(抜粋)






by asyagi-df-2014 | 2017-02-20 12:10 | 自由権 | Comments(0)

「国境なき記者団の声明」を読む。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)は2016年10月22日、沖縄における報道の自由侵害を懸念する声明を発表した。
 この声明を考える。


声明は、最初に、「国境なき記者団は、在沖米軍が日本の市民、NGO、ジャーナリストを広範囲に監視していることについて、米軍と日本政府に説明を求める。」、とその主張を明確にする。
声明は、この監視活動の実態を次のように告発する。


(1)監視活動は英国人ジャーナリスト、ジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した305ページの文書で明らかになった。ことし5~7月の在沖米海兵隊捜査当局による監視活動の日報、幹部が出した電子メール、ある基地の憲兵隊が回覧した報告書が含まれる。
(2)6月9日付の日報には、ミッチェル氏が米軍の環境汚染について講演したことが、写真や短いプロフィル付きで記述されている。ある電子メールはミッチェル氏を「敵対的」「協力関係を築く見込みがない。彼には方針があり、それを隠そうとしない」と表現している。
(3)沖縄の2つの日刊紙、沖縄タイムスと琉球新報についても日報で言及されている。
(4)米軍がミッチェル氏を監視するのは、沖縄における軍事活動、環境汚染、冷戦中の化学兵器投棄などを報じてきた結果だという。地元の平和運動、米軍基地や日本政府の政策への抗議行動も取材しており、ミッチェル氏はこれも監視下に置かれた理由になったと考えている。
(5)国境なき記者団は在沖米海兵隊が監視活動を説明すべきだと信じ、連絡したが返事がなかった。ミッチェル氏は米国防総省に監視活動の程度や、どのレベルで許可されたのかを照会したが、拒否された。
(6)国境なき記者団はテストを実施し、ミッチェル氏の自宅のIPアドレスがインターネット接続遮断の標的になっていることを突き止めた。嘉手納基地を含むいくつかの米軍ウェブサイトを閲覧することができなくなっている。


 この事実を受けて国境なき監視団は、次のように見解を表明する。


 国境なき記者団アジア太平洋事務所のベンジャミン・イズマイル所長は「ミッチェル氏が入手した文書は、米軍が彼の日本における全ての行動を注意深く監視していることを明確に示しており、非常に深い懸念を抱く。文書に照らし、米軍はこの監視活動の決定を説明すべきだ。在日米軍による監視活動は、報道の自由を保障する日本政府の責務を脅かしている。日本政府もこれらの活動に関与したかどうかを明確にする必要がある」と述べた。


 また、沖縄での抗議活動の取材に関連して次のように告発する。


 沖縄での抗議活動の取材に関連して、標的にされたジャーナリストはミッチェル氏だけではない。8月、県北部での米軍ヘリパッド建設に対する抗議行動を取材していた沖縄タイムスと琉球新報の記者を、機動隊員が拘束した。記者であることを警察に証明したにもかかわらず、現場から連れ去られた。両紙やマスメディアの労働組合は「国による報道の自由の深刻な侵害だ」と非難した。しかし、安倍晋三首相が率いる政府は警察のこうした行動を容認し、将来抗議行動を取材するジャーナリストにとって危険な先例を作った。


 
 さらに、日本の状況の悪化を告発する。


(1)与党自民党のメンバーは昨年、政府に批判的なメディアには財政的圧力を加えるべきだと言い、公共放送NHKの前経営委員は沖縄タイムスと琉球新報がつぶれるべきだと発言した。
(2)国境なき記者団は国連の表現の自由に関する特別報告者、デイビッド・ケイ氏が4月に日本を訪問する直前、日本における報道の自由を巡る状況が深刻だとの評価を発表した。


 結局、国境なき記者団は、「安倍氏が2012年12月に再び首相に就任して以来、報道の自由への配慮は大幅に後退している。16年の報道の自由度ランキングでは日本は180カ国中72位で、ランキングが02年に創設されて以来、過去最悪となった。」、と指摘する。


 国外からの「日本における報道の自由を巡る状況が深刻」との指摘によって、初めて問題の本質に気がつく状況は、日本がすでに、自らでは告発できないシステムに陥ってしまっているのではないか。
 安倍晋三政権の持つ危険性だけに寄りかかるのではなく、本旨的な問題に立ち向かう時が来ているのではないか。
 特に、この声明の次の指摘は、日本及び日本のマスコミにとって試金石である。


「米軍はこの監視活動の決定を説明すべきだ。在日米軍による監視活動は、報道の自由を保障する日本政府の責務を脅かしている。日本政府もこれらの活動に関与したかどうかを明確にする必要がある」


 以下、国境なき記者団の声明の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-10-30 06:17 | 自由権 | Comments(0)

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は、沖縄における報道の自由侵害を懸念する声明を発表。

 沖縄タイムスは2016年10月23日、標題について次のように報じた。


(1)国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)は22日、沖縄における報道の自由侵害を懸念する声明を発表した。沖縄に関する声明は初めて。東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設問題を取材中、沖縄2紙の記者が機動隊に拘束されたことなどを列挙し、「安倍晋三氏が再び首相に就任して以来、報道の自由への配慮は大幅に後退している」と指摘した。
(2)国境なき記者団は1985年にフランスで創設された国際非政府組織(NGO)で、毎年世界各国の報道の自由度ランキングを発表している。ウェブサイトに英仏両文の声明を掲載した。権威ある国際組織が沖縄の状況に特化して声明を発表するのは異例。
(3)声明は沖縄タイムスと琉球新報の記者が拘束された問題について、「記者であることを警察に証明したにもかかわらず、現場から連れ去られた」と指摘。政府が「現場の混乱や交通の危険防止」を理由に拘束を正当化したことを念頭に、「安倍氏の政府は警察のこうした行動を容認し、将来抗議行動を取材するジャーナリストにとって危険な先例を作った」と批判した。
(4)さらに昨年、自民党の会合で国会議員やNHK前経営委員の作家の「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番」「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」などの発言も取り上げた。在沖米海兵隊が沖縄タイムスのジョン・ミッチェル特約通信員や市民、団体を監視していた問題には最も行数を割いた。監視活動の日報には、ミッチェル氏の講演内容や写真が掲載されていた。
(5)声明は「米軍が彼の日本における全ての行動を注意深く監視していることを明確に示しており、非常に深い懸念を抱く」と表明、米軍と日本政府に説明を求めた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-10-24 12:23 | 自由権 | Comments(0)

沖縄の人々は「先住民族」を考える。-奄美大島から与那国島まで話されているしまくとぅばは、「方言」ではなく「琉球語」。-

 あらためて、沖縄の人々は「先住民族」、ということを考える。
 沖縄タイムスは2016年10月9日、「『琉球語と日本語は別』 新垣友子氏、復興へ行政の後押し求め」、と次のように報じた。


(1)「琉球諸語復興のための言語計画-現状と課題」特別講演会(主催・沖縄キリスト教平和研究所)が8日、西原町の沖縄キリスト教学院大学であり、しまくとぅばの現状と課題が報告された。同学院大学の新垣友子准教授(言語学)は、ユネスコの基準では奄美大島から与那国島まで話されているしまくとぅばは、日本語とは別の独立した言語として識別されているとし、「方言」ではなく「琉球語」として認識を改めるよう呼び掛けた。
(2)また、言語継承の危機状態にあった英国のウェールズでは、ウェールズ語と英語を同等とする「言語法」を制定したり、ウェールズ語教育を義務化するなど、復興政策を開始して以来、全人口の2割にまで激減していた話者が、徐々に増えてきていることを紹介。「琉球諸語の復興には、行政にも強く働きかける必要がある」と訴えた。
(3)琉球大学の島袋純教授(政治学)はしまくとぅばの保存・普及・継承に向けた県の施策を説明。しまくとぅばを使う人を2022年までに県民の88%に増やす目標を掲げているが、学校教育での取り組みが弱く、施策効果に疑問があると指摘した。次世代に継承するには、しまくとぅば学習の推進のため条例を制定し、「学校教育で習得する機会を設けるべきだ」と語った。


 例えば、日本軍慰安婦の問題では、世界基準ではなく、日本の「歴史」として捉えて一方的に解釈することが、大きな混乱をもたらしている。
 では、沖縄の人々の先住民族の規定とは、どのような意味をもつのかと言うことである。
ここでは、言語学の観点から、新垣友子沖縄キリスト教学院大学准教授〈以下、新垣とする〉は、「ユネスコの基準では奄美大島から与那国島まで話されているしまくとぅばは、日本語とは別の独立した言語として識別されているとし、『方言』ではなく『琉球語』として認識を改めるよう」、と呼び掛けたと言う。また、そのために、「琉球諸語の復興には、行政にも強く働きかける必要がある」、「学校教育で習得する機会を設けるべきだ」、と語ったと言う。
ここで指摘された、世界基準について確認する。
 2014年8月29日の国連人種差別撤廃委員会は「日本の第7回・第8回・第9回定期報告に関する最終見解」を採択した。
ここでは、次のように勧告されている。


琉球/沖縄の状況
21.委員会は,ユネスコによる独特な民族性,歴史,文化及び伝統の承認にもかかわらず,琉球/沖縄を先住民族として承認しない締約国の立場を遺憾に思う。委員会は,沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に基づく,琉球に関して締約国によってとられ実施された措置に留意するものの,彼らの権利の保護に関する琉球の代表との協議のために十分な措置がとられてこなかったことを懸念する。委員会はまた,消滅する危険がある琉球の言語を振興し保護するために十分なことが行われていないとの情報,及び教科書が適切に琉球の人々の歴史及び文化を反映していないとの情報を懸念する(第5条)。
委員会は,締約国が,その立場を見直し,琉球を先住民族として承認することを検討し,また彼らの権利を保護するための具体的な措置をとることを勧告する。委員会はまた,締約国が,琉球の権利の促進及び保護に関連する問題について,琉球の代表との協議を強化することを勧告する。委員会はさらに,締約国が,琉球の言語を消滅の危険から保護するために採用された措置の実施を加速させ,彼ら自身の言語による琉球の人々の教育を促進し,学校カリキュラムにおいて用いられる教科書に彼らの歴史及び文化を含めることを勧告する。


マイノリティ言語及び教科書
24.委員会は,締約国から提供された情報に留意するものの,締約国が,マイノリティあるいは先住民族に属する児童に対し,マイノリティ言語による,またマイノリティ言語の教育を振興するための適切な措置をとっていないことを遺憾に思う。委員会は,条約によって保護される日本の諸グループの歴史,文化及び貢献を適切に反映するための,既存の教科書を修正するためにとられた措置に関する情報の欠如について懸念する(第5条)。
委員会は,締約国が,アイヌ及び琉球の人々を含む,マイノリティ及び先住民族に属する児童に対し,マイノリティ言語によってマイノリティ言語を教える教育を促進するよう勧告する。委員会は,締約国に対し,条約によって保護される日本の諸グループの歴史,文化及び貢献を反映しない教科書を修正することを勧告する。


 国連人種差別撤廃委員会は、日本国に対して、次の四点の勧告を突きつけ、その改善を求めているのである。まさに、このことが日本に求められている世界基準なのである。

(1)締約国〈ここでは、日本〉が,その立場を見直し,琉球を先住民族として承認することを検討し,また彼らの権利を保護するための具体的な措置をとることを勧告する。
(2)締約国が,琉球の権利の促進及び保護に関連する問題について,琉球の代表との協議を強化することを勧告する。
(3)締約国が,琉球の言語を消滅の危険から保護するために採用された措置の実施を加速させ,彼ら自身の言語による琉球の人々の教育を促進し,学校カリキュラムにおいて用いられる教科書に彼らの歴史及び文化を含めることを勧告する。
(4)委員会は,締約国に対し,条約によって保護される日本の諸グループの歴史,文化及び貢献を反映しない教科書を修正することを勧告する。


 一方、日本政府〈外務省〉は、この「勧告」について次のように反論している。


(1)そもそも本条約の適用対象となる「人種差別」とは、本条約第1条1において、「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別・・・」と規定している。このことから、本条約は、社会通念上、生物学的諸特徴を共有するとされている人々の集団、及び社会通念上、文化的諸特徴を共有するとされている人々の集団並びにこれらの集団に属する個人につき、これらの諸特徴を有していることに基づく差別を対象とするものであると解される。沖縄県に居住する人あるいは沖縄県の出身者は日本民族であり、一般に、他県出身者と同様、社会通念上、生物学的又は文化的諸特徴を共有している人々の集団であると考えられておらず、したがって、本条約の対象とはならないものと考えている。
(2)沖縄の住民が日本民族とは別の民族であると主張する人々がいることは承知しているが、それが沖縄の人々の多数意志を代表したものであるとは承知していない。また、上記(1)のとおり、沖縄県に居住する人あるいは沖縄県の出身者は日本民族であり、社会通念上、日本民族と異なる生物学的または文化的諸特徴を共有している人々であるとは考えられていない。


 このことについて、琉球新報は、2016年4月28日の社説で、明確に次のように反論している。
 


Ⅰ.国連が沖縄の人々を日本の「先住民族」と認識していることに対し、外務省が否定しているのは、歴史認識の違いによるものが大きい。それは1879年の琉球併合(「琉球処分」)まで琉球王国が独立王国として存在していたかどうかへの評価に深く関わっている。
(1)国連が規定する「先住民族」は、他者によって土地を奪われた、もともとその土地に住んでいた人々を指す。血統や言語といった人種や民族的同一性や違いも指標にはなるが、最も重要なポイントは、そこの土地はそもそも誰のものだったかという「土地の権利」だ。
(2)国連が沖縄の人々を「先住民族」と認めたのは①琉球王国が1850年代に米国、フランス、オランダと修好条約を結び、国際法上の主体=主権国家として存在していた②79年に日本によって併合され沖縄県が設置された③その後日本に支配され差別の対象とされた―主にこの3点を事実として認定したからだ。
Ⅱ.日本政府側は琉球王国が国際法上の主体としての独立国家だったかどうかについて「『琉球王国』をめぐる当時の状況が必ずしも明らかでなく、確定的なことを述べるのは「困難」という判断を避ける答弁を繰り返してきた。つまり公式には琉球王国の存在を確定的なものとして認めていない。
(1)今回の国会答弁のように日本の先住民族は「アイヌの人々以外にいない」ということであれば、少なくとも1879年以前、琉球人は存在せず、琉球王国の国民は日本人だったことになる。琉球王国の存在を認めた場合、先住民族論に最も重要な根拠を与えることもあり、判断を避けているとみられる。
(2)2007年に国連で採択された先住民族権利宣言は、先住民族の合意がない限り先住民族の土地を軍事に利用することを禁じている。日本政府が沖縄の人々を先住民族として認めると、日本政府は米軍基地問題などこれまでの沖縄政策で多くの「不正」を是正せざるを得なくなることも、認めたくない理由の一つだろう。


 外務書と琉球新報のどちらに理があるかは、明らかである。
 特に、「2007年に国連で採択された先住民族権利宣言は、先住民族の合意がない限り先住民族の土地を軍事に利用することを禁じている。日本政府が沖縄の人々を先住民族として認めると、日本政府は米軍基地問題などこれまでの沖縄政策で多くの『不正』を是正せざるを得なくなることも、認めたくない理由の一つ」、との指摘は、まさに、日本政府の心胆を抉るものである。
 さて、今回の記事のような言語から先住民族の問題を考える時、どうしても「言語」と「方言」の定義のあり方が問われる。なぜなら、国は言語を支配する関係にあるからである。
 逆に言えば、国の思惑が、少数民族の自己決定権を認めないかからこそ、国連に人種撤廃委員会が置かれている所以にもなる。
 今、「先住民族」を捉える視点として、この「言語」と「方言」について捉え直す必要がある。
 その意味で、日本国には、「方言」ではなく言語としての「琉球語」として認識を改め、具体的な施策として、「学校教育で習得する機会を設けるべきだ」という新垣友子准教授の指摘が、生きてくる。


 以下、沖縄タイムス、琉球新報、その他の資料の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-10-16 14:41 | 自由権 | Comments(0)

辺野古と東村高江周辺では、新基地建設によって、国際人権法に照らして明らかな表現の自由の侵害が起きている。

 国連の人種差別撤廃委員会(CERD)の2014年勧告をめぐって、沖縄タイムスは2016年10月2日、次のように報じた。


①「国連の人種差別撤廃委員会(CERD)が2014年、沖縄の人々を先住民族と認め、権利を保護するよう勧告したことに対し、日本政府が豊見城、石垣両市議会の意見書を根拠に反論していたことが分かった。これを『苦し紛れ』と批判する市民団体は、表現の自由の侵害を訴える報告書を独自に国連機関に提出した。沖縄の人権を巡り、国連を舞台に綱引きが活発化している。」
②「人種差別撤廃委員会は14年の勧告で、被差別部落の問題などについて事後報告を要望。沖縄に関しては求めていなかったが、政府は『さらなる説明が必要』として8月18日に提出した報告の中で言及した。豊見城市議会の意見書にある『先住民族であるとの自己認識を持っておらず』などの文言を引用。沖縄の人々について『日本国民としての権利を全て等しく保障されている』と表明した。」
③「外務省人権人道課は『先住民族の定義は明確ではなく、沖縄の人々が先住民族かどうかはさまざまな意見がある』と語る。県議会ではなく市議会の意見書を引用したことについては、『県議会の方が県民全体の意思を反映するかもしれないが、自治体の意見に軽重はない』との考えを示した。」
④「一方、反差別国際運動(IMADR)と沖縄国際人権法研究会は9月27日、名護市辺野古と東村高江周辺の新基地建設を巡り、表現の自由が侵害されているとの報告書を国連機関に提出した。高江での県外機動隊約500人投入や道路封鎖、市民と記者の拘束を問題視。辺野古で海上警備会社が市民の顔写真入りリストを作成していた問題や相次ぐ逮捕についても取り上げた。研究会の共同代表、島袋純琉球大教授は政府の反論について『国連機関は長年の国際人権法上の議論を踏まえ、客観的、厳密に沖縄の人々が先住民族だと認定している。政府が県議会ですらなく、2市議会の意見書を反論に使うのは苦し紛れというほかない』と指摘する。研究会は4月、来日した国連の表現の自由に関する特別報告者、デービッド・ケイ氏に沖縄の現状を報告。報告書は追加で情報を提供するもので、その他の関係機関にも送った。島袋氏は『国際人権法に照らして明らかな表現の自由の侵害が起きている。国連が日本政府に問い合わせてくれることを期待している』と話した。」


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-10-04 14:02 | 自由権 | Comments(0)

ヒューマンライツ・ナウは、国連人権理事会で、「福島の人権状況」および「沖縄の平和的抗議活動に対する抑圧および沖縄先住民族の権利の侵害」について口頭発言をした。

 琉球新報は2016年9月20日、「非政府組織(NGO)『反差別国際運動』は19日、ジュネーブの国連人権理事会で声明を発表した。沖縄では米軍の存在が『数十年にわたり女性への性暴力など無数の人権侵害の原因となっている』と指摘。それにもかかわらず、日本政府は沖縄県名護市辺野古などで新たな米軍施設の建設計画を進めていると非難した。」、と報じた。
 これに対する日本政府の対応について、「日本政府代表が答弁権を行使、『沖縄での建設作業は地方自治体の同意下で政府の認可を得ており、法手続きにのっとり行われている』と反論した。」、と伝えた。
 また、この声明について、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は次のように伝えている。



(1)国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、2016年9月13日から30日までジュネーブで開催されている第33会期国連人権理事会にて、『福島・原発事故後の被災者の人権状況』および沖縄の米軍基地に反対する平和的抗議活動に対する抑圧および沖縄先住民族の権利の侵害』について口頭発言を行いました。
(2)福島については、福島・原発事故の避難者に対する日本政府・東電の支援打ち切りによって、避難者がいまだに放射線量が高い地域に帰還せざるを得ない状況について指摘しました。その上で、HRNは、日本政府に対し、「健康に対する権利」に関する国連特別報告者アナンド・グローバー氏が勧告したとおり、避難区域の解除の基準を年間1ミリシーベルトにし、被災者の健康に対する支援を行うよう求めました。
(3)沖縄については、沖縄県での米軍基地新施設の建設に反対する平和的抗議活動に対する日本政府の強制排除の状況について説明したほか、新施設建設が琉球/沖縄の先住民族 の権利に対する侵害という側面があることを指摘しました。その上で、HRNは、日本政府に対し、平和的抗議活動の抑圧をやめ、結社・集会の自由を保障することを要請したほか、米国政府および日本政府に対し、琉球/沖縄の人々の「伝統的な土地及び天然資源に関する権利」の保障を求めました。



 以下、琉球新報引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-27 09:21 | 自由権 | Comments(0)

「政府が、アイヌ民族の生活・教育支援を目的とする新法制定に向けた検討に着手」について。

 政府のアイヌ新法制定の検討について、東京新聞は2016年5月10日、「政府がアイヌ民族の生活や教育を支援する新法を制定する方向で検討を始めたことが10日、関係者への取材で分かった。政府のアイヌ政策推進会議が今月中旬に公表する報告書に新法の検討について明記する方針。」、と報じた。
 このことについて、北海道新聞は2016年5月13日の社説で、「アイヌ新法 手厚い支援を求めたい」と記した。
このアイヌ新法について考える。
北海道新聞の要約は次のとおりである。


(1)新法の必要性
①新法の必要性は、2009年に政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」がまとめた報告書に既に明記されている。それがようやく具体的に動きだすことになる。
②かつての同化政策や差別的な扱いによって、生活や教育面で厳しい環境下にあるアイヌの人々は今も少なくない。手厚い支援が求められる。
③新法制定に向けては、こうした現実をきちんと踏まえた検討を進めるよう求めたい。
④1997年にはアイヌ文化振興法が制定されたが、これは名称の通り、文化の振興に特化した法律だ。生活支援などは盛り込まれていない。
⑤道内のアイヌ民族については、道が国の補助を受けて、年10億円規模で奨学金や就労支援などの事業を行っている。それでも、道が13年、アイヌ民族が住む道内66市町村を対象に行った調査では、アイヌ民族の世帯の生活保護率が平均的な世帯の1・4倍と高く、大学進学率は0・6倍と低かった。かつてに比べれば経済格差は縮まってきてはいる。それでも、解消へ取り組みはまだ十分とは言えない。


(2)新法の内容
①北海道アイヌ協会は、新法の制定を通じて、幼児期からの教育支援や、無年金の高齢者救済などを継続的に実施できる体制を整備したい考えという。同協会などの要望にしっかりと耳を傾けてもらいたい。
②同時に、新法制定に当たっては、08年に衆参両院が全会一致で行った「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」も考慮する必要がある。
 この決議を受け政府も初めて、アイヌ民族を先住民族と認める官房長官談話を出した。
 一方、法律上ではアイヌ民族の先住民族としての位置づけがまだ明確になっていない。
 海外では、先住民族に対する権利侵害への反省から、国内法の制定で人権を保障しようとする動きもみられる。


(3)北海道新聞の主張
①新法を巡る論議では、生活・教育支援の拡充はもちろんだが、国会決議や官房長官談話も踏まえて、先住民族としての位置づけを盛り込むことも、ぜひ検討してもらいたい。
②大切なのは、不当な差別や貧困の根絶につなげることである。


 アイネ新法を考える上で必要なこと、まず第1に、この新法の制定は、「不当な差別や貧困の根絶につなげる」ためにあることを基本にすること、第2に、「アイヌ民族を先住民族とする」ことの位置づけがなされなくてはならないこと、第3に、そのためには、当該者の意見を十分に反映させる必要があること。


以下、北海道新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-16 05:55 | 自由権 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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