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「憲法・教育基本法改悪に反対する市民連絡会おおいた」の「市民連続講座2016 第2回」に参加しました。

 2016年9月3日、大分市のコンパルホ-ルで、「憲法・教育基本法改悪に反対する市民連絡会おおいた」が開催した「市民連続講座2016 第2回」に、参加しました。 この日は、大阪の山田肇(はじむ)さんの「私の教育活動と『日の丸』『君が代』」と題した講演がありました。
実は、2016年8月27日の週刊金曜日大分読者会の成澤さんの講演では、「ひとり一人が問われる時代になる」、との話を参加者で確認したばかりでしたが、この日の講演も、このことの意味を噛み締めさせるものになりました。
 山田さんの講演内容のレジメはこのようになっていました。


1.私の教育活動
2.「日の丸」「君が代」に反対する理由
3.「君が代」不起立=ささやかな抵抗→戒告処分と合格していた再任用の取消
4.人事委員会→裁判へ
5.「ささやかな抵抗」から見えてきたもの


 山田さんの話は、「ささやかな抵抗」について語られたものでした。
 もちろん、この「ささやかな抵抗」が会場参加者に大きな感動をもたらしてくれました。
 山田さんは、自らの「ささやかな抵抗」の意味を、「『ささやかな抵抗』から見えてきたもの」、として次のようにまとめています。


(1)戦前・戦後をつらぬく天皇制と「日の丸」「君が代」
天皇は責任をとらず、戦後も「象徴」として生き残り、「日の丸」「君が代」も 捨て去られなかっただけでなく、職務命令と処分で強制されている。1950年 代から学校に。 
(2)教育と教師の戦争責任、戦後責任はいまだ果たされていない
「国の命令でありさえすれば、まちがっていようが、ひたすら忠実に命令に従う ことを至上とするのは、奴隷の思想」(山中恒氏)
(3)『日の丸』・『君が代』・天皇制との闘いは、日本の国の「主体性をつくりかえる」ための闘い、そして、人間として主体的に生きんとするための闘い」
「君が代」不起立は、「ささやかな抵抗」とはいえ、戦前・戦後の「国体」への 「隷属」を拒否し、「主体性」を持って生きよう」とする「静かな」叫び=闘い(4)侵略と戦争、排外主義と差別扇動を許さない
(5)「考えることで」「強くなり」世界を変革できる・・・
ハンナ・ア-レントがいう〈悪の凡庸さ〉「思考停止」によって「平凡な人間が 残虐行為に走る」アイヒマンへの道は拒絶する。「考えることで」「強くなり」 世界を変革できる


 この記述を見て、山田さんの理論の詰め方が少しだけわかるような気がしました。
 それにしても、会場参加者がこのすべてを持ち帰ることができたのか、一期一会とは言え、その難しさも、一方では感じてしまいます。
何を言いたかったのかというと、ただ1回の出会いだけではつかめないものが多いということを感じたわけで、もう少しこちら側の積み重ねが必要だということでした。
山田さんの講演を聴きながら、素晴らしい出会いを多く重ねえきたのだと感じました。
 もちろん、それを体系的に理論付ける整理を自分の中で積み重ねてきたのだなと。
だとしたら、私たちのの方が、この機会を次に繋げる必要がある、と受け取りました。


なお、「市民連続講座2016 第3回」は、2016年12月3日(土曜)に、大分市コンパルホ-ルで、日出生台の畜産農家である衛藤洋次さんを迎えることになっています。


by asyagi-df-2014 | 2016-09-05 08:08 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

週刊金曜日大分読者会の「講演会」に参加しました。

 2016年8月27日(土曜)に、大分市のコンパルホ-ルで開催された、週刊金曜日大分読者会の「講演会」に参加しました。
 この会では、週刊金曜日の企画委員である成澤宗男さんの「『日本会議』という時代」と題した講演がありました。
 沖縄の辺野古・高江の緊迫した状況や、新しい「共謀罪」が日程に上ってきたことを受け、会場には、50名弱の人が詰めかけ、真摯に成澤さんの話に耳を傾けていました。
 それは、一時間ほどの講演が終了した後の質問時間に多くの人たちの声が出されことが物語っていました。
 また、成澤さんの真骨頂も、この時間により発揮されていたようにありました。 
成澤さんから受け取ったものは、次のものでした。


(1)成澤さんは、「この国は、思想的な内線状態になる、という自意識がある。」、とまずその思いを述べました。講演全体を通して、成澤さんが、伝えたかったのは、「日本会議」がどうこうということではなく、このことであった気がしています。
(2)だから、こうのように指摘します。
①護憲勢力と言われてきたものがどれぐらい過去を見つめてきたのか。
②実は、こちら側に、どこかで怠慢があったのではないか、
③向こうは、一見して非論理的感覚で迫ってくる。
(3)向こうは、一見して非論理的感覚で迫ってくる。
(4)だとしたら、われわれの歴史を作り直す必要がある。つまり、歴史の勉強をやり直す必要がある。
(5)何故なら、「黙って、この国が朽ちるのを見ているわけにはいかない。」から。
(6)成澤さんは、この講演での意図をこう説明しました。
①要は、ひとり一人がどう生きるかの問題。
②それは、自分自身の中に、信念を固めることができるかということ。
③そしてそれは、私たちはどういう国を子ども達に渡すのか、ということ。
④だから、「自分自身の立ち位置を考えてほしい。」。


 また、安倍晋三首相について、「安倍が考えていることは、自衛隊員の血を流すことである。」、と言い当てました。


 「日本会議」についても、このように指摘してくれました。


(1)「対米従属」と「反憲法」の理念がどこまで整合性を保てるのか。「日本会議」にとって、「対米従属」は、最大のアキレス腱である。
(2)自主憲法とは言っても、自主外交とは言わない。何故なら、米国の占領政策の一環として日本右翼は存在するから。だから、反基地運動をやったことがない。
(3)「日本会議」が騒がれているのは、安倍晋三音とそっくりの考え方の人が居るから騒がれている。
(4)「日本会議」が象徴するものは、日本という国の姿である。つまり、日本という国の極右化をあらわしている。
(5)結局、「日本会議」は日本がどのようになっているのかを象徴する。 



 最後に、質問の時間に成澤さんが答えたものです。


(1)「安倍晋三政権は背後にある日本の財界の意向を無視できないのでは」、という質問に対しては、「そうは思わない。財界の意向は、『武器輸出の解禁』ではあるが、『戦争ができる』ことを財界として提案してない。」
(2)監視社会の状況について、このように説明しました。


①官邸からすぐに連絡が入ることで、メディアは萎縮する。
②このことにより、メディアが権力を監視することがなくなった。
③メディアに、反権力という意識がなくなった。
④つまり、メディアが、真実を伝えないから、市民に監視社会という意識がなくなった。


 成澤さんは、「要は、ひとり一人がどう生きるかの問題」、と投げかけてくれました。
 さて、では。


by asyagi-df-2014 | 2016-09-01 05:59 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

「みんなで止めよう伊方原発 7.24全国集会」に参加してきました。

 この集会に、大分から16名で、佐賀関港から国道九四フェリーで往復し参加してきました。
 主催者が意図的に試みた、国道をまたいでの全国集会は、それほど気温は上がってはいなかったのですが、アスファルトの照り返しの焦熱現場となっていました。
 しかし、全国から700名の参加者は、伊方の再稼働を許さないことをこの場で確認しました。
 愛媛新聞は、その様子をこのように伝ています。



「8月以降に予定される四国電力伊方原発3号機の再稼働の中止を呼び掛ける全国集会が24日、愛媛県伊方町九町の原発周辺であり、全国から集まった住民グループら約700人(主催者発表)が廃炉やエネルギー政策の転換を訴えた。
 反対運動を行っている県内外の11団体でつくる伊方原発再稼働阻止実行委員会(斉間淳子代表)が主催。国道197号沿いであった集会では、伊方1号機の建設時から地元で活動する斉間代表(72)が「原発は要らないという声をつなぎ、目の前の原発をなくそう」とあいさつした。
 ルポライターの鎌田慧さん(78)は「原発は現在(九州電力川内原発の)2基しか稼働しておらず、私たちの運動が勝利している」と主張。原発は駄目という世論は広がっているとし「私たちの力で絶対になくすことができる」と力を込めた。「地元住民が原発に賛成した覚えは一度もなく、再稼働に同意した覚えはない」などとした集会決議も読み上げられた。」



 特に、鎌田さんの「おじさん、おばさん達が走り回ってきた。そして今、こういう集会ができている。あと一歩で、息の根を止めることができる」とのエールは、この地での闘いの厳しさと闘いによってこそ今を迎えることできていることを確認させるものでした。 そして、これからの闘いに続くことも。
 また、野呂正和(ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会)さんの「われわれは原発支持の知事を落としたぞ」との挨拶は、沖縄高江の闘いの中でメッセージ参加となった山城博治さんの「安倍内閣に決して屈することなく、頑張っていきましょう」の決意の声とともに、集会参加者を奮い立たせました。

 集会終了後、原発ゲート前に、主催者が準備したバスに乗って移動し、ゲ-ト前抗議を行いました。中には、「規制」のために非常に時間がかかり、国道から歩いて行った人も多く見られました。
 しかし、これまでも慣習化されてきたはずのゲ-ト前集会に対しての愛媛県警の規制は、かってないほどの人数と嫌がらせともいえる手法を行使するものでした。
 安倍晋三政権の強硬政策は、高江に限られたものではなく、いよいよ全国展開する意志を強く感じさせるものでした。
大分から参加した梶原さんの「何とかならないのですか」という警察官への怒りを込めた声が、ともに大分から参加した者の体を貫きました。


 最後に「みんなで止めよう伊方原発!7.24全国集会 参加者一同」による、四国電力佐伯勇人取締役社長に向けた、「伊方原発3号機再稼働への抗議文」の最終章には、次のように思いが込められていました。



 ここに集いし私達は、先人達の魂の叫びと、ここに集えなかった仲間たちの声と、生きとしいける全ての思いを背負って抗議する。
四国電力に要求する! 伊方原発3号機再稼働撤回! 伊方原発全て廃炉!
 和達は放射能に脅かされない生活を勝ち取るまで、断固闘い続けることをここに宣言する。



以下、愛媛新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-07-26 05:49 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

広瀬隆さんは、「日本に、原発適地ない」、と。「私は後援会に来たのでない。伊方原発を止めるための学習会に来た 」、と。

 2016年7月16日、大分市のホルトホールで、「中央構造線が動き出した!その時、伊方原発は耐えられるか?」と題して広瀬隆さんの講演会が開催された。
 広瀬さんは、「私は講演会に来たのでない。伊方原発を止めるための学習会に来た。」、とその話を始めた。
 会場に参加した250人は、「熊本県益城町では、上下動の最大加速度(揺れの強さ)が地表面で1399ガルだった」との説明にその意味を噛み締めることになった。
 大分合同新聞は、2016年7月17日の記事で、このことを伝えた。


(1)「原発の危険性を訴え続けている作家の広瀬隆さん(東京)が16日、大分市内で『中央構造線が動き出した!その時、伊方原発は耐えられるか?』と題して講演した。熊本・大分地震は「世界最大の活断層・中央構造線が動いた」と指摘、今月下旬の再稼働が見込まれている四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)そばの中央構造線で直下型地震が起きれば大事故が起きると訴えた。」
(2)「広瀬さんは日本列島の成り立ちや、活断層の存在が知られていない場所でも大地震が起きてきたことを紹介し、『日本は全ての土地が活断層の上に存在する。日本に原発を建てる適地はない』と説明。中でも中央構造線は日本を縦断する巨大断層で、南海トラフと連動して大地震を起こす危険性があるとした。」
(3)「伊方原発そばの海域を走る中央構造線は『太平洋側からの力を受けて傾斜している。原発の真下に向かって活断層が延びており、直下型地震が起こる』とし、『震源からの距離が近いので、(原子炉を)止める時間がないのが一番怖い』と語った。」
(4)「熊本・大分地震で震度7を観測した熊本県益城町では、上下動の最大加速度(揺れの強さ)が地表面で1399ガルだったとも説明。伊方原発の耐震設計の目安となる基準地震動は最大650ガルだが、これは水平動で、上下動は377ガルの想定にとどまる。「岩盤上に立つ原発でも耐えられるはずがない」と強調した。
 講演会は今月発足した住民組織「伊方原発をとめる大分裁判の会」が開いた。同会は既に有志4人が伊方3号機の運転差し止めを求める仮処分を大分地裁に申請した。今夏に大分県在住者100人以上で訴訟も起こす方針で、原告や応援団のメンバーを募っている。
 参加した約250人を前に、広瀬さんは「日本は次の原発の大事故を待っている状態だ。今が生き残る最後のチャンス。(裁判を)県民を挙げた運動にしてほしい」と期待を寄せた。


 この講演会で、私たちは、①「岩盤上に立つ原発でも地震に耐えられるはずがない」、②「伊方原発の耐震設計の目安となる基準地震動は最大650ガルでしかないが、熊本県益城町では上下動の最大加速度(揺れの強さ)が地表面で1399ガルだった」、③「もともとこの耐震設計の基準が水平動で上下動が考慮されていない」、④「震源からの距離が近いので、(原子炉を)止める時間がないことによる破滅的事故結果を受けてしまう」、⑤「今が生き残る最後のチャンスである」、ということを受け取ることができた。


 だとしたら、自分のできる行動を、ともに踏みだそう。


 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-07-17 17:08 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

「伊方原発をとめる大分裁判の会」結成総会に参加してきました。

 「伊方原発をとめる大分裁判の会」(以下、会)の結成総会が、2016年7月2日、大分市ホルトホ-ルで開催されました。
 それほど広くはない会場には、多くの大分県民が参加しました。また、愛媛新聞も含めマスコミの多くも取材に参加していました。
 この結成総会の模様を、大分合同新聞は2016年7月3日、次のように紹介しました。
 なお、大分合同新聞は、その1面で、このことを報道しました。

「大分県から最短45キロ先にある四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める仮処分申請や訴訟に向け、住民の母体組織『伊方原発をとめる大分裁判の会』が2日、発足した。大分市内で開かれた結成総会には約70人が参加。『重大事故が起きたら、大分は被害だけを受ける【被害地元】になる。命と暮らしを守るため、多くの県民と声を上げていきたい』と意気込んだ。
 同会は原告団、弁護団、裁判を支援する応援団の3団体で構成。原告団の代表には大分市の医師松本文六さん(73)、杵築市の農林業中山田さつきさん(62)の2人を選んだ。応援団の役員なども決めた。」


 また、この会の結成の目的及び今後の会の活動について、次のように伝えました。


①「総会後に記者会見した松本さんは、チェルノブイリ原発事故や東京電力福島第1原発事故に触れ『原発事故は命と暮らしを台無しにすることがはっきりしている』と強調。伊方原発の近くには国内最大級の活断層『中央構造線断層帯』が走り、熊本・大分地震が波及する危険性もあると訴えた。
 中山田さんは『再稼働に同意権もなく、被害だけを受ける隣県住民が声を上げるのは当然。大きなリスクを抱える原発を動かすのはおかしい』と指摘した。」
②「伊方3号機は7月下旬にも再稼働する見通し。同会は訴訟に先行し、メンバー4人で3号機の運転差し止めを求める仮処分を大分地裁に申し立てる。既に男性1人が6月に申請しており、今月4日には中山田さんら男女3人が「第2陣」として申請する。21日に第1回審尋が開かれる予定。」
③「訴訟は大分県在住者で夏までに起こす方針。既に52人が原告になる意向を示しており、『当面は100人以上を目標に参加を呼び掛けたい』と同会。」
③「伊方原発を巡る仮処分申請や訴訟は松山、広島両地裁に続き3例目。同会は『松山、広島、大分の三方から伊方を取り囲む形ができた』としている。」


 あわせて、この結成総会では、次のことが報告されました。


(1)弁護団は、大分県内の弁護士が32人、東京から7人。
(2)弁護団代表は、徳田靖之弁護士、岡村正淳弁護士、河合弘之弁護士。
(3)事務局長は、小坂正則さん。
(3)本訴訟は2016年9月を目途に行う。
(4)仮処分は、伊方原発第3号機を対象に。本訴訟は第1~3号機を対象。
(5)会では、2016年7月16日(土曜)に広瀬隆さんを迎え、「中央構造線が動き出した!その時、伊方原発は耐えられるか?」と題した講演会を、ホルトホールで開催。


 結成総会では、「伊方原発をとめる大分裁判の会」規約が決定されました。規約には次のように規定されています。(抜粋)


第1条(名称) 本会は「伊方原発を止める大分の会」と称し、事務所を大分市に置く
第2条(目的) 本会の目的は、伊方原発の運転差止め大分裁判を行うこととする
第3条(原告) 本会の原告は大分県在住者に限ることとする
細則1条(会費)原告は1人1万円を負担する。ただし、1家族は全員で1万円とする
応援団の年会費は1口千円。3口希望。


 また、この結成総会で、配布された「伊方原子力発電所の運転訴訟の原告を募集します」には、この会の結成主旨を次のように説明しています。


 大分県から直近でわずか45キロしか離れていない伊方原発参号機が7月26日に再稼働すると四国電力は発表しました。
 4月14日と16日に連続して震度7の巨大地震が熊本・大分を襲いました。やがて南海トラフ地震が起きると想定されますが、日本最大の活断層である中央構造線も動く可能性があることを専門家は指摘しています。その中央構造線からわずか数キロのところに位置する伊方原発が再稼働することは私たちの生活を脅かす大変な恐怖です。
 ひとたび伊方原発が過酷事故を起こせば、豊後水道や瀬戸内海は「死の海」となり、隣接する大分県・大分県民は"被害地元"となることは否定できません。
 私たちは「放射能被害から大分県民の命を守る」ために、伊方原発の再稼働は中止することを求め、大分地方裁判所へ「仮処分申請」を行い、伊方原発の運転差し止めを求める本訴訟を今年の秋には起こす予定です。そこで皆さまに差止訴訟の原告となって頂くように御願いするものです。


 中山田さんの「再稼働に同意権もなく、被害だけを受ける隣県住民が声を上げるのは当然。大きなリスクを抱える原発を動かすのはおかしい」との指摘が、まさに相応しい。
 「3.11」が示した「これからのあり方」の実践のためにも。


 以下、大分合同新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-07-04 05:56 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

大分の憲法記念日講演会に参加しました。永山茂樹東海大学大学院教授の講演がありました。

 2016年5月3日、大分市の大分県教育会館で開かれた憲法記念日講演会に参加しました。
2016年は、永山茂樹東海大学大学院教授(以下、永山さんとする)を迎え、「戦争法を超える憲法」と題して講演がありました。
 10時からの開催の割には、当初の参加者が少なく感じられて、心配をしたのですが、気がつけば、会場は例年通りに多くの参加者の熱意に包まれました。
この憲法記念日講演会は、大分県内のこの会を続ける必要を感じる者たちの長年の心配りによって、全国に例のない集会になってきたこともあり、どちらかというと微妙な「政治的な問題」は避けてきた傾向が強かったような気がしています。
 しかし、今年は、安倍晋三政権の露骨な改憲意思の表明や「憲法改正と2016年選挙の意味」から、永山さんからは、講演の最後に、「憲法的手法で安倍改憲を終わりにする可能性」 として、「改憲発議の阻止には、242議席の3分の1を確保する必要=最低81議席。今回非改選の31を除くと50議席が必要ということ」、というこの夏の参議院選挙に向けた具体的な政治目標の提起がありました。


 さて、永山さんの講演について少し報告します。
 永山さんは最初に、安倍晋三政権のこれまでの政治手法について、「人の命を軽視する政治が行われている」 、と言い当てます。
そして、2015年11月以降は、「戦争をしやすくする国づくり」 のために、次の憲法改正が企てられている、と。また、それは、憲法改正の第4の矢である「国家緊急事態条項」改憲である、と。
 この緊急事態条項改憲が必要とされる「オモテの理由」についても、①「災害のときに必要だ」論、②「外国の憲法にある」論、③「緊急時には、解散を凍結し、選挙も延期しなくてはならない」論、それぞれの問題点を説明してくれました。
 永山さんは、「国家緊急事態条項」改憲は、一般的に言われている「お試し改憲」ではなく、「日本にとって非常に深刻な改憲」であると指摘しました。
 何故なら、「緊急事態条項があれば、9条を変えなくても、戦時国家体制をつくることができる」し、逆に言えば、日本国憲法は現状においても戦時国家体制をつくる大きな障害となっている、と押さえてくれました。

 さらに、永山さんからは、自民党改憲案における「緊急事態条項」についても、その問題点について、詳細な説明がありました。
 例えば、第99条第3項の「基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない」については、現行の規定からランクを落として「尊重」という表現が使われている、「これは、人権保障を弱めるためのものだ」、と。
 永山さんの結論は、自民党改憲案における「緊急事態条項」は、「ヒトラーの独裁をまねいた『全権委任法』そのものである」、ということでした。
 だから、「今回非改選の31を除くと50議席が必要」、という永山さんの発言に結びつくわけです。


 最後に、2016年度の憲法記念日講演会に参加者した多くが、永山さんの思いを、強く受け止めたのではないでしょうか。
 実は、後は行動あるのみなのです。


by asyagi-df-2014 | 2016-05-04 05:49 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

『戦場ぬ止み』上映会・三上智恵監督講演会を、ちゃーすが大分の会が開催しました。

 ちゃーすが大分の会は、2016年3月5日(土曜)、大分市のコンパルホールで、『戦場ぬ止み』上映会・三上智恵監督講演会を開催しました。
50名越えの参加者があり、「戦場ぬ止み」の上映は少なからぬ衝撃をもたらしたようでした。
 また、「3月4日『和解』」の次の日ということで、三上智恵監督の講演は臨場感溢れるものとなりました。ただし、本人は、ここ数日間はインフルエンザで倒れ、ゲート前には居れなかったとのことでしたが。 
 それでも、仲間のカメラマンが撮ってくれた映像をインタ-ネットネットに立ち上げて、それを講演最初に見ることができました。大分の会場参加者は、まさしく三上監督作品の映像を真っ先に見ることができるという栄誉を受けることができたのでした。
 「和解」という語の持つある種の不透明さを持たざるを得なかった会場参加者に、辺野古の闘う人々の笑顔がこの「和解」の意味を語ってくれていました。

 さて、三上智恵さんの講演での幾つかの話を、なるべく近い形でと努力して意訳しました。


・辺野古新基地建設に何故反対するのか、それは、単に基地負担割合の問題ではない。
 反対するのは、自分たちの意志で、自分たちの金で、「戦争する。出撃する。」基地を作るということになるからだ。つまり、戦争にかかわるかどうかということなのだ。

・この訴訟の問題の本質は、「沖縄」ではなく「日本」に変えるべきだ。このまま行くと日本はひどい国ということになってしまう。

・ファルージャの悲劇、殺戮をしたのは。沖縄の海兵隊だった。その海兵隊員の肩章には[OKINAWA]の文字があった。イラク人にとって、当然のこととして、沖縄に対して、「何で見殺しにするの。何で止めてくれないの。」ということになる。このことをよく考えて。


・「中断」と「中止」の違いはどういうことなのか、考えてほしい。

・なぜ「和解」なのかを考えるとき、次のことが言える。
 一つには、裁判長の訴訟指揮をみていて、「このままやっても国は勝てないよ」という国へのメッセージを感じた。それは、国が飛躍し過ぎているのではないか、という裁判所の意志。
 二つには、夏の参議院議員選挙に向けての野党共闘を通して、「辺野古反対」を公約にする候補が出てきた状況がある、それを国が考えたということ。またあわせて、どうせ参議院議員選挙の間は工事ができないという国の思惑。

・和解条項に、判決の確定後、国と県の双方が「判決に従い、互いに協力する」と記載されている。これがいやな感じになっている。

・でも、休めるだけでもいい。

・「中断」の時期は、琉球新報が1年間、沖縄タイムスが半年となっているが、まだよくわからない。


・ここで、大事なことを伝えたい。エアシーバトル構想について。是非考えてもらいたい。
 三上さんは、「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第29回」で、次のように訴えていました。


「アメリカが西太平洋地域の安全のために、第1列島線の内部の制限戦争を想定して訓練をする」。安保条約を維持する日本は今のところそれに協力する以外にない。しかしそれは少なくとも我々沖縄県民の安全とは真逆の方向である。我々の命と生活を守るのなら、アメリカの安全戦略に付き合っていたらこっちが危ないのだ。日本全体も、今まさに考える岐路にある。自分たちの安全を守ることとアメリカの安全を守ることの整合性がとれなくなった場合に、一体どちらを選ぶのですか?
 我々は既にアメリカと命運を共にする泥舟に乗っているも同然だ。こんな大事なことをちゃんと考えてくれる政府を作り、沈まない船に乗り換えるために、日本に住む大人たちは今相当頑張らないといけない。
         ※エアシーバトル構想については、引用を参照してください。

 最後に、三上さんは、講演の中で、次のように、語り込んでいました。
 最初の「標的の村」の時は、絶望の中に居た。
次の「戦場ぬ止み」では、希望を盛り込んだ映像だった。
 今、年内の公開を目標に新作に取り組んでいる。
三上智恵さんは、その新作で、何を、どのように語りかけてくれるのか。
実は、三上智恵監督は、「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第38回」のなかで、最後の言葉を次のように報告しています。


『自分たちの選択、その先に未来がある。いろんなことがおかしくなっていいるけれど、わたしたちはまだ、民主主義を手放してはいない。』


 会場参加者は、三上智恵さんが次作で、是非とも希望に満ちた民主主義の未来を映し出してほしいとの思いを、それぞれの責任を胸にする中で、受け取ることができました。

以下、三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第29回から関連事項の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-03-09 06:02 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

近藤誠氏追悼集会に参加しました。

 2015年12月20日、愛媛県八幡浜市の八幡浜センユチュリ-ホテルイト-で開催された近藤誠氏の追悼集会に、大分から参加しました。
近藤さんは、2015年10月15日に亡くなりになりました。
 実は、亡くなる4日前の10月11日のゲ-ト前伊方集会に病をおして参加し、次のようなスピ-チを遺していてくれました。
 私自身は、生前に一度しか話を聞くことができなかったのですが、近藤誠さんをよく表現されているのではないかと思っています。
 ここで、そのスピ-チを掲載します。なお、その声は、ユ-チュ-ブでも聞くことができます。


 本日は皆さん各地から駆けつけていただきまして本当にありがとうございます。ありがとうございますと言いましても、皆さんとは同じ立場でございます。

 本日、四国電力の皆さんに、先ほどからずっと参加者の多くの皆さんから伊方原発の危険性と地域の安全を何とか守りたい、そのような思いがずっと連綿と語られたと思います。それはまさに私たち地域の住民の同じ願いそのものであります。
 四国電力の皆さんは、いまは残炎ながら、なんとしてでも利益を確保しようと、あらゆるものを無視して邁進しておられますけれども、しかしやはり皆さんの中には、原発の推進に大きな疑問を持った方も私はたくさんおられると、そのように信じております。そのような皆さんとともに、今後、やはり原発なしに暮らしていける、そのような地域、社会づくりをともにぜひ進めていただくことを、地域の住民として述べたいと思います。

 それからもう一言、いま30キロ圏内に四国電力の皆さんが、いわゆる新規性基準に合格したと称する説明書を配っておられる、あるいは郵送しておられます。それを一応私どもも読ませていただきましたけれども、そこには残念ながら、まったく福島事故の再発を防ぐそのような手立てはまったくありません。
 具体的に申し上げれば、耐震設計、地震についても大きなごまかし、トリックを行うことによって、地震、活断層の耐震設計を小さく見せる。このようなことをまったく変えていない。1号路、2号路の安全宣言の大きな誤りを認めることなく、そのままにして、さらに3号路をあなた方は建設した。しかし、現実にそのパンフレットの中にこう書いてあります。基準値震動はあらゆる要素を見て、最大の地震動である。そうちゃんと注釈までついている。しかしその最大の地震動というものをあなた方は、1号路では200ガル、そしてその後、3号路では473ガル、さらに570ガル、そして650ガルと、次々とそのような数字が変わっていきました。それはいかにあなた方が設定していた最大の基準値震動といわれるものが、いかに科学的の根拠のないでたらめなものであった、恣意的なものであるかということを具体的に実証しています。誰が見ても、それは明らかなことです。それにも関わらずあなた方は、それをあたかもですね、科学的なものであるかのようにいまだに装っている。
 残念ながら、あなた方だけが悪いわけでじゃない。それに対する専門委員会、原子力姿勢委員会、すべてがそれを認めている。こういう皆さん一体となった国民騙し、住民騙しのトリックによって、あなた方は強引に手続を進めようとしている。

 さらに具体的にいえば、いちばん最後に誰もがいちばんいま問題としている住民の避難。いざ事故が起きた場合、あなた方はメトルダウンをすると平然と言って、それに対する対策をつくるんだと、つくっていると言っていますが、肝心要のいざそれが起こった場合に住民はどうする。住民はどこに逃げたらいい、どうすれないいい。避難の「避」の字も、今回のあなた方の3号路の説明書のなかには、まったくない。
 つまり、避難については、すべてあなた方は責任を持たない。県も責任を持たない。四国電力は責任を持たない。そして政府は、安倍首相が「国が責任を取る」と言っているが、あの安倍首相の言った言葉は、たんにこれまでの原子力防災計画のなかで、すでに定められた文書の中の言葉を言い換えているだけに過ぎません。
 実際に、先程来から指摘されてきたように、いざ事故になったときに、あなた方はどのように責任を持つことができるのか。安倍やあなた方社員が、いったいどうやって、この膨大な人々が逃げ惑うその状態、そしてその結果について、あなた方はどのような責任を実際自分で取るというのか。それはまったく取れない。誰も取ることはできない。にもかかわらず、それがあたかも取れるかのように、あなた方はいま装い、それを強引に進めようとしている。
 私たちはですね。ぜったいこのようなあなた方のトリックやごまかし、その中でこれかららの生活を営んでいくことは、とてもできません。私たちはなんとしても再稼働を阻止して、そして原発のない社会づくりを私たちは進めていく。また電力会社の皆さんとともに進めていく。それしか、今私たちは、自分たちの子どもを守り、自分たちの子孫を守っていく方法はないと私たちは確信しています。四国電力の皆さんも含めて、私たちは原発をなくす社会づくりをしたいと思います。

 そして安倍政権、これをなんとしても打ち倒す。まったく新たな政権によって、あなた方がこれまでつくってきた、いわゆる安保法、戦争にむかうあらゆる体制をひっくり返していく。私たちはそのことを、それぞれみんなが手を結んで、手を繋いでそれを進めていく。そのことを私たちは皆さんに、はっきりと断言し、宣言したいと思います。以上です。



 追悼集会に配布された文書には、次のように書かれていました。


 反原発運動の先頭で私たちを導いてくださった近藤さんは、10月11日の伊方集会へ、体力と気力を振り絞ってゲ-ト前に来てくださり、素晴らしいメッセ-ジを下さいました。あのあたたかい笑顔にもうお会いすることができないと思うと悲しくて、無念でなりません。40年以上に亘る、途切れることにない反原発の過酷な戦いのご生涯を想い、感謝の思いでいっぱいです。近藤さんのご不在に、途方に暮れ、混乱していますが、近藤さんの思いを繋ぐことに力を尽くしたいと想います。



 大分の佐賀関港から三崎港にむかうフェリ-の中の「近藤さんの話は、そのまま文章になるよな。大分で言えば、松下竜一さんがそうだったよな。」、という話を思い出しながら、追悼集会で献花をしてきました。

 最後に、斎間淳子さんの追悼集会での挨拶は、一瞬にして会場を緊張感で包み込みました。それは、近藤さんの存在の大きさを知って欲しいという斎間さんの声でもあったような気がしました。


 「あなたがたは、近藤さんの意志を継ぐと言うが、本当にそれができるの」


 この言葉に応えて行くには、やはり、「近藤誠さんの意志を継いで」という次の追悼集会での次の宣言を、一人一人が噛み締めていくしかない。


 伊方の地で最期まで反原発を訴え続けた近藤さんは「声をあげ続けないいかんよ。やめたらいかん。」と、ことばを遺されました。伊方原発がつくられるまえから半世紀近くにわたって続く、圧倒的大多数の地域住民の声、願いはひとつです。伊方原発を動かさないで下さい。もうこれ以上、核の被害で苦しめないでください。国や県が原発廃炉を決断するまで、私たちは声を上げ続けます。いま声を上げことができないこれから10万年後に生まれてくる子々孫々のぶんもあわせて何度でも訴え続けます。そしてかならず伊方を止め、廃炉にすることをここに宣言いたします。


by asyagi-df-2014 | 2015-12-21 12:21 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

岡村正淳弁護士の講演会に参加して

 2015年12月5日、大分市のコンパルホ-ルで、憲法・教育基本法改悪に反対する市民連絡会大分開催の、第3回市民連絡講座2015に参加してきました。
 この市民連続講座の3回目は、大分共同法律事務所の岡村正淳弁護士(以下、岡村弁護士とする)が、「安保法制にどう立ち向かうか」という主旨で話を展開してくれました。
 岡村弁護士は、まず最初に、「それぞれが、自分自身に問いかける時期である。私も自分自身に問いかけてきたことを話したい」、と始めました。
 この講演会に用意されたレジメは、次のようになっていました。


1.日本国民が択んだこの国の形・・・憲法
2.日米両政府によりいびつにされてきたこの国の形
3.国民の抵抗によって保たれてきたこの国の形  
4.最後の防波堤を破壊しようとしているのが安保法制
5.安保法制とどう立ち向かうか


 5の「安保法制とどう立ち向かうか」が、事務局が岡村弁護士に依頼していた部分でしたが、岡村弁護士の低い声でじっくり論理的に分析する話は、参加者に、「自分自身に問いかける時期である」ことを、あらためて確認させることになりました。

 この講演の中で、振り返っておきたい内容のいくつかを再掲します。


(1)日本国民が択んだこの国の形が、日本国憲法になった。
(2)大日本帝国憲法で位置付けられていた、「宣戦布告」と「講和の権限否定」を日本国憲法は否定した。これを戦争法は、崩壊させることになる。
(3)マカ-サ-の支持、再軍備こそが米国の押しつけといえるものである。
(4)日米の密約が、憲法に上位するものとされてきた。これが日本の戦後史である。
(5)沖縄にとっては、「憲法の不在」が実は続いている。
(6)今回の戦争法は、憲法改正手続を経ないままでのこの国の形の変更・破壊であり、国家転覆行為である。
(5)米軍は、違法な軍事占領を行ってきた。


 沖縄県の金武町出身である岡村弁護士は、自らの振り返りの中で出してきた考え方を基に、参加者に、「安保法制とどう立ち向かうか」と提起してくれました。
それは、このようになっていました。


(1)安保法制の弱点を徹底的に攻める。
(2)憲法擁護の力を鍛えなおす
(3)試金石としての沖縄問題
(4)安保法制との闘い方をも指し示している沖縄の闘い


 岡村弁護士は、日本人に、「被害者にならないだけの平和論に堕してこなっかたか」、「平和国家の建前の下で実は課外に加担してきたことを見つめなおすことができるのか」、「抑止力論、日米安保体制の神話からどこまで脱却できるか」、と一人一人が自らに問い直す必要があると訴えました。それが、「健保擁護の力を鍛えなおす」ことなのだと。
また、現在の沖縄の闘いを示しながら、、①徹底的不服従、②法廷闘争、③選挙における大同団結、という闘いのあり方を、「安保法制とどう立ち向かうか」ということのための具体的な闘いのあり方として提起しくれました。


 岡村弁護士は、最後に、「戦争法が有効に活用できるはずはない。この先に待ち受けているのは『憲法改正』です。情報収集をして、憲法改正をとめましょう。」、と決意を込めてまとめました。


by asyagi-df-2014 | 2015-12-08 05:45 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

PP21 ふくおか自由学校 2015講座Vol6 に参加してきました。

  2015年10月31日(土曜)に福岡市で開催された「PP21 ふくおか自由学校」の第6回目の講座に、久しぶりに参加することができました。
 会場の福岡市人権啓発(ココロン)センター研修室で、共同代表の藤岡さんや事務局長の大山さんのいつもの優しい姿を見ることもできました。
 2015年度に企画された講座のテ-マは、「『戦後』70年の自画像を描く-むきだしの社会を生き抜くために」とされています。
このテーマについては、素晴らしいパンフレット(いのうえしんじさんの作品だと思います。)に、次のように書かれていました。


 敗戦後70年、人の寿命ほどのこの間に様々なことがあり、明らかになったことがあります。それはこの国が少しも成長していないということです。戦争責任をみずからで問うてこなかったように、原発事故の責任を追及しようともしない。政治家も官僚も財界も戦争への準備ばかりにに熱心で、一人ひとりの命には関心もない。そして、それらの背後にアメリカの意向があるとしたら・・・。メッキの剥がれたこの国で、どこから出発したらいいのか?希望の種を探してみましょう。

 「PP21」とは、「『21世紀のための民衆の計画』の総称です。全世界、特に、アジアの民衆としての連合を通して、『上から』ではなく、『もう一つの社会』を作り上げていこうとする人びとのネットワーク」と説明されています。
 だから、ふくおか自由学校は、もう一つの社会を作るために、「メッキの剥がれたこの国で、どこから出発したらいいのか?希望の種を探してみましょう。」、と語りかけています。


 8回の講座のうち6回が終わった段階ではありますが。2015の講座を紹介しておきます。


Vol.1=古謝美佐子ライヴ”歌と語りの夕べ”
Vol.2=崔善愛ピアノコンサート”自分の国を問いつづけて~ショパンからの手紙”
Vol.3=「戦後70年」を問い直す”真の民主主義と自由を求めて”
Vol.4=福岡の戦争の跡を巡るフィ-ルドワ-ク
Vol.5=パレスチナ・ガザの今”遠い復興、抵抗し続ける市民”
Vol.6=誰のためのTPPなの?”その本質を考える”
Vol.7=性暴力被害者(サヴァイヴァ-)の帰還”「引揚女性」と管理される体”
2015年11月14日(土曜) 山本めゆさんの問題提起
Vol.8=考古学は愛を語れるか”地中に障がい者の痕跡をさがす”
2015年12月5日(土曜)  上角智希さんの問題提起

 何と多彩で深い講座なのかと、驚かされています。


 さて、Vol.6の「誰のためのTPPなの?”その本質を考える」について触れたいと思います。
福岡大学商学部教授の山本和人さんが問題提起をしました。山本さんの専門は、世界経済論、貿易政策史、イギリス経済論とのことでした。
 山本さんの話に時折混ざる曖昧さに、問題提起後の質疑の時間に出された「安保法案時には、憲法学者や研究者が、今回の辺野古については行政法研究者がきちんと声明を出しているが、TPPについても研究者がもっとTPPの問題について主張して欲しいのですが」という質問に対して、山本さんは、「その通りです。ですが私が所属している学会はTPP賛成論者ばかりです。本当に少数者なのです。例えば、日本経済新聞は徹底して賛成の声しか載せない、それが実態です。米国や欧州ではきちんと出版されているものが日本では公にならない。」、と答えていました。
 こうした状況は、安保法をあれだけの反対を無視して成立させた安倍晋三政権にとって、JA等を悪者にするだけでいいようなもので、今のままではTPP問題は本当に御し易いものであることがわかった気がします。

 さて、約束の90分を越えてじっくり説明してくれた山本さんの問題提起で分かったこと。


①TPPの定義とは、最近では環太平洋パ-トナ-シップ協定呼ばれるが、現行のFTA、ETAの一形態であること。つまり、加盟国間の関税及びこれと同等の効果を有する租税を撤廃・禁止する(在及びサ-ビス貿易の自由化)こと-FTA-に加え、人に異動や投資などを含め-ETA-て締結される包括的な協定のこと。
②米国の参画とその目的は、成長する東アジアにおいてアメリカのプレゼンスを維持し、高めるため。また、地政学的問題から、アメリカは、アメリカ抜きのアジア諸国の連携に反対し続けてきたし、台頭する中国を抑えるために、アジアにおいてアメリカの貿易・投資ル-ルを作り上げる必要があった。
③日本の参画は、あえて経済効果が低く、不透明な交渉への参加に到った真相はわからぬままであるし、国民への背信行為である。(山本さんは、民主党政権下でのTPP反対のビラ(責任者は甘利)をもとに説明した。)
④TPPは、2015年10月6日に大筋合意されたとされるが、まだ、調印も批准もされていない。また、アメリカでは、議会で承認されるかどうかはきわどい状況。
⑤2015年10月5日に発表された「環太平洋パ-トナ-シップ協定の概要」によれば、TPPの5つの際立った特徴の一つとして、「生産とサプライ・チェ-ンの継ぎ目ない貿易を促進すること」が挙げられている。このサプラアイ。チェ-ン網を円滑に機能させるためには、関税措置の撤廃だけでなく、通関措置の簡素化、人の移動の自由化、知的財産権の保護、進出先企業の利益を守るための投資協定が(ISDS条項)が必要となる。
⑥このサプライ・チェ-ン貿易とは、1990年代以降、東アジアを中心として機械やエレクトロニクス分野における中間財貿易のことである。中間財貿易の拡大は国際的な企業活動や工程間分業の発展を背景にしており、その内実は、先進国企業の技術と途上国の低賃金との組み合わせである。
⑦TPP協定のシワ寄せは、農業に課せられる。日本の農業に対する保護水準は関税水準でみても国際的に高いとは言えない。日経新聞は、「農業分野での譲歩は、農家に打撃を与えるが、国家財政の逼迫で税金頼みの保護には、限界がある」、と指摘する。
⑧また、日経新聞は「関税率引き下げ・撤廃の執行猶予期間に、生産性を高め『もうかる農業』に生まれかわれるかが農業の将来を握っている。」、とするが、すでに先進国最低の食糧自給率(39%)がさらに低下する。日本の食糧安保のの重要性をどう考えるのか。


 最後に、山本さんのまとめです。


①TPPは、相対的に地位の低下したアメリカが、日本と組んでアジアで新自由主義的な貿易・投資秩序を築き上げ、中国をけん制しつつ、それを広げてグロ-バルスタンダ-ドにしていこうとするもの。
②日本企業にとっては、経済的利益は未知数。こうした面からも、別のアジア重視の戦略を考えるべきであろう。
③アベノミクスの考えには大企業優先の姿勢が一貫している(法人税減税、労働市場の柔軟化など)。いわゆる大企業(富裕層)が潤えば、その恩恵が中小企業や国民に滴り落ちる-トリクルダウン理論-。TPPもその脈絡で考える必要性がある。
④雇用が確保され、医療・教育・地域経済の叔父がTPP協定によって保障されるものではない、そのル-ル作りの推進母体が巨大多国籍企業にある以上、強い企業はますます強くなり、海外進出を加速させるであろう。
⑤TPPの根本思想が、競争原理にあり、その延長線上で、国有企業・公共部門を民間企業に解放するという論理がさらに徹底されれば、医療や公共の福祉分野が外国企業の利潤確保の対象となる可能性を秘めているといえよう。


 山本さんの問題提起で最も大事なこととして受けとめたのは、「成長戦略で誰がその利益を吸収するのかを見極めなくてはならない。」という言葉でした。
 それは、山本さんのまとめの「TPPの根本思想が、競争原理にあり、その延長線上で、国有企業・公共部門を民間企業に解放するという論理がさらに徹底されれば、医療や公共の福祉分野が外国企業の利潤確保の対象となる可能性を秘めている」、と呼応する投げかでした。


by asyagi-df-2014 | 2015-11-01 11:59 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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