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「ヘイトスピーチ対策法」施行一年を考える。

 2017年6月3日、ヘイトスピーチ対策法が施行されて1年がたった。
このことが日本社会に何をもたらしているのか、もたらしていないのかについて考える。
 毎日新聞は2017年6月4日、「ヘイトスピーチ対策法 1年 デモ一掃、街に平穏 川崎」、と次のように伝えた。


(1)在日コリアン排斥を訴えるヘイトスピーチが繰り返された川崎市の関係者は、対策法の抑止効果を評価するが、一方でかいくぐる手法も出現しており、より効果的な対策が急務となっている。
(2)川崎市は昨年5月、ヘイトスピーチを繰り返した団体の市立公園の利用を不許可とした。市人権施策推進協議会の阿部浩己会長=神奈川大法科大学院教授=は、福田紀彦市長が公園利用を不許可とした背景を「対策法が与えた影響は大きい」と話す。団体は翌6月5日、中原区に場所を移して開始しようとしたが、直後に県警の説得などで)中止した。(3)在日コリアンが多く住む市内の桜本地区でのヘイトデモを禁じる横浜地裁川崎支部の仮処分決定(同6月)も、対策法を根拠とした。桜本地区は仮処分後、平穏を取り戻した。在日コリアン3世の崔江以子(チェカンイジャ)さん(43)は、「『ヘイトデモが来るのでは』との不安がなくなり、安心して暮らせるようになった」と笑う。崔さんの長男(14)も友人から「(デモがなくなり)よかったね」と声をかけられるという。
(4)他方で対策法を意識した動きも出てきた。過去にヘイトスピーチを主催した男性が今年3月に市内で開いた講演では、差別と断定される言葉は口にせず、聴衆からの質問も受けなかった。阿部会長は「実際に発せられた言葉だけでなく、背景なども総合的に勘案し、差別的言動と判断するのが重要」と指摘する。
(5)市は今秋、ヘイトスピーチをする恐れがある個人・団体による公的施設の利用を事前規制するガイドラインを制定する。崔さんは市の姿勢を評価しつつ、「差別そのものを根絶する条例や法律が必要」と強調する。福田市長は、憲法が保障する表現の自由も視野に「時間をかけて、納得できる条例にすべきだ」と述べるなど、条例制定には慎重に対処する姿勢を示している。


 何よりも、「(デモがなくなり)よかったね」との声は、ヘイトスピーチ対策法の成果である。だが、毎日新聞が指摘する、「対策法の抑止効果を評価するが、一方でかいくぐる手法も出現しており、より効果的な対策が急務」ということが今後の大きな課題となっている。
 これに関連して、朝日新聞(2017年6月5日)及び琉球新報(2017年6月4日)の社説は次のように指摘する。


Ⅰ.効果と実態
(朝日新聞)
(1)東京・新大久保や大阪・鶴橋をはじめ、多くの在日コリアンが生活する地域でのデモや街宣行動は減少傾向にある。川崎市や大阪市では、差別をあおるデモを繰り返した団体や個人に、裁判所が一定範囲での活動を禁じる仮処分決定を出した。「不当な差別的言動は許されない」と明記した国の対策法ができた成果だといえよう。
(2)一方、ネットやSNS上では、匿名を隠れみのにした排外的な表現が後を絶たない。大阪のNPO法人・コリアNGOセンターには、今も「絶対に在日朝鮮人を日本から追い出す」と脅すメールが届く。日韓の歴史認識をめぐる摩擦や北朝鮮の核・ミサイル実験が報じられるたび、緊張を強いられる人々がいる。「韓国にお帰りください」といったメッセージが今も届くというフリーライターの李信恵(リシネ)さん(45)は「社会の根っこの偏見や差別意識は変わっていないと感じる。対策法という骨組みはできたが、肉付けはこれからです」と話す。
(琉球新報)
(1)対策法は国外出身者とその子孫への差別を助長する著しい侮辱などを「不当な差別的言動」と定義し「許されない」と宣言した。国や自治体に相談体制の整備や教育、啓発を実施するよう求めている。ただし憲法が保障する表現の自由を侵害する恐れがあるとして、禁止規定や罰則はもうけられていない。
(2)法務省は自治体に対して「○○人は殺せ」「祖国へ帰れ」などの文言や、人をゴキブリなどに例える言動をヘイトスピーチの具体例として提示している。ところがデモをする側が対策法に認定されないよう文言を変えている。福岡市の街頭宣伝ではプラカードの書き込みを「朝鮮人死ね」ではなく「朝鮮死ね」に変えたり、叫ぶ言葉も「日本海にたたき込め」ではなく「日本海に入ってください」に変えたりしている。憎悪表現による攻撃をしていることに変わりない。法逃れだけ進んで、こうした街宣が続くとしたら、標的にされる人々はこれからも傷つき、恐怖を抱き続けるだろう。
(3)一部の自治体では抑止条例制定の動きがみられる。公的施設でのヘイト禁止を明記するなどの対策に乗り出すところもある。その一方で、ほとんどの自治体は対策法で努力義務となっている相談窓口の整備を既存の制度活用にとどめている。対策が進んでいるとは言い難い。
(4)法務省によると、2016年に全国の法務局が救済手続きを始めたインターネット上の人権侵害は1909件(前年比10%増)で、過去最多となった。デモは半減したが、ネット空間での差別が横行している状況を放置するわけにはいかない。
(5)沖縄では米軍基地建設に反対する人々に対して、ヘイトスピーチとしか言いようがない攻撃も相次いでいる。米軍北部訓練場のヘリパッド建設現場では大阪府の機動隊員が反対運動をしている市民に「土人」と発言した。東京のローカルテレビ局の東京メトロポリタンテレビジョンはヘリパッド建設に反対する市民を「テロリスト」に例える番組を放映した。デモやネットだけでなく、公共放送や警察官までもがヘイトスピーチに手を染めている。極めて深刻な状況だ。


Ⅱ.問題点の指摘
(朝日新聞)
(1)対策法に罰則はもうけられていない。一方で同法は自治体に対し、相談窓口を置くことや人権教育の充実、啓発活動などの施策を、地域の実情に応じて講じるよう求めている。しかし集会を事前規制するガイドラインや、条例づくりの動きがあるのは川崎市、名古屋市、神戸市などひと握りだ。自治体を後押しするためにも、国は定期的に実態調査し、手立てを示してほしい。居住地によって泣き寝入りを余儀なくされる人をうんではならない。
(2)全国で初めてヘイトスピーチ抑止条例をつくった大阪市は今月、在日コリアンに「ゴキブリ」「殺せ、殺せ」などと発言するデモの動画を「ヘイト」と認定し、内容や日時などを公表した。条例では投稿者の実名を公表できるが、動画投稿サイトの運営会社の協力が得られず、ネット上の呼称を公表した。今後、市は投稿者の実名を把握するために条例の改正も検討するという。実効ある抑止に向けた先行自治体の模索を、他の自治体も参考にしてほしい。
(琉球新報)
(1)警察庁によると、差別をあおるなどの右派系市民グループによるデモは、昨年6月3日の施行から今年4月末までに35件を確認し、前年同期の61件からおよそ半数近くに減った。一定の効果が出ているとも映るが、デモは続いている。対策法の限界を指摘する声もあり、さまざまな施策を進める必要がある。


 どうやら、ヘイトスピーチ対策法が施行されて1年がたった日本の姿は、「法務省によると、2016年に全国の法務局が救済手続きを始めたインターネット上の人権侵害は1909件(前年比10%増)で、過去最多となった。デモは半減したが、ネット空間での差別が横行している状況を放置するわけにはいかない。」(琉球新報)、「デモやネットだけでなく、公共放送や警察官までもがヘイトスピーチに手を染めている。極めて深刻な状況だ。」(琉球新報)、というものでしかない。
 やはり、必要なことは、「対策法施行から1年がたち、課題も見えてきた。民族、出自、障がいなど全ての差別を網羅する差別禁止法制定の必要性を指摘する声もある。包括的な法整備の検討も含め、今後議論を深めたい。(琉球新報)」という地平の確立である。
 当然そこには、「大切なのは一人ひとりが、同様の言動を受けたらどんな風に感じるか、想像することだ。家庭や学校、職場で、社会的少数者の尊厳を傷つける言動を許さないという意思を共有したい。(朝日新聞)」、ということが前提になる。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-07 06:58 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

大阪地裁は、改めて禁止を求めるとともに、実施した場合、仮処分申請をしたNPOに1日当たり60万円の支払いを命じる決定。

 朝日新聞は2017年3月4日、標題について次のように報じた。


(1)大阪市生野区内で「ヘイトスピーチ」のデモを禁じる仮処分決定を受けた大阪府内の団体メンバーの男性に対し、大阪地裁は改めて禁止を求めるとともに、実施した場合、仮処分申請をしたNPOに1日当たり60万円の支払いを命じる決定を2日付で出した。
(2)NPOは在日コリアンの人権擁護活動をしている「コリアNGOセンター」(大阪市生野区)。男性がデモを昨年12月29日に実施すると予告したため、差し止めを求めて申し立て、大阪地裁は同月20日、センターの半径600メートル以内での侮辱や名誉毀損(きそん)行為を禁じる仮処分決定を出していた。
(3)センター代理人の林範夫弁護士は「仮処分決定が出たにもかかわらず、本人が年末年始に何度も対象地域周辺に来たため、申し立てた。今回の決定により、鶴橋周辺では事実上、ヘイトスピーチをさせない抑止的な効果があると思う。もし、ヘイトをやろうとする者がいれば、我々はまた同じような申し立てをする」と話した。
(4)センターは、男性が昨年のデモなどを実施した場合は1日につき100万円を支払うよう求める間接強制の申し立てを出していた。


 2016年12月20日のことについては、毎日新聞が次のように報告していた。


(1)在日コリアンへの差別や排除をあおるヘイトスピーチを巡り、大阪地裁(森純子裁判長)は20日、大阪市生野区でデモを主催した大阪府内の男性に対し、同区のNPO法人の事務所から半径600メートル以内でのデモを禁止する仮処分決定を出した。法人が13日に仮処分を申し立てていた。禁止圏内には、JR鶴橋駅や在日コリアンが多く暮らすコリアタウンが含まれる。
(2)法人は民族教育などを進める「コリアNGOセンター」(生野区桃谷3)。法人によると、ヘイトスピーチ対策法が成立した今年5月以降、同種の仮処分決定は、6月の横浜地裁川崎支部に続き全国で2例目。
(3)申立書によると、「在日特権を許さない市民の会」元幹部の男性がネット上で、今月29日に鶴橋駅周辺で「防犯パトロール」と称したヘイトスピーチデモを行うと予告した。 法人は大阪市が国内で最も多くの在日コリアンが暮らす自治体だとしたうえで、「出自を理由に差別されない権利の保護は極めて重要」と主張。デモは人格権を侵害するとして差し止めを求めた。
(3)大阪市では7月、ヘイトスピーチをした団体などの公表を盛り込んだ全国初の条例が施行されたが、対策法と同様、事前規制や罰則の規定はない。 法人の郭辰雄代表理事は「今回の司法判断は画期的で、ヘイトスピーチ防止に大きな弾みがつく」。元幹部の男性は「今回の活動は防犯パトロール。ヘイトスピーチには当たらない」とコメントした。



 ヘイトスピーチ対策法は、残念ながら事前規制や罰則の規定はない。しかし、このような積み重ねで、「ヘイトスピーチをさせない抑止的な効果」を発揮していくことが、現状では重要である。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-04 12:01 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

法務省は、ヘイトスピーチの典型を例示した文書を、地方自治体に提供。

 標題の意味について、あらためて考えてみます。
 標題について、毎日新聞は2017年2月6日、次のように報じました。


(1)特定の人種や民族などへの憎悪をあおるヘイトスピーチについて法務省は、公共施設の使用許可の判断基準やヘイトスピーチの典型を例示した文書を、地方自治体に提供している。昨年6月のヘイトスピーチ対策法施行を踏まえた「参考情報」の位置づけで、「ヘイトスピーチ対策プロジェクトチーム」が作成した。法務省人権擁護局は「積極的にヘイトスピーチを解消する取り組みを進めてほしい」と話す。
(2)公共施設の使用許可について、地方自治法は「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない」と規定している。このため今回の文書は、事前に判明している集会などの内容・実施方法や主催者が過去に行った同種イベントから「諸事情を総合的に勘案して判断する」とした。
(3)不許可とする場合は、表現行為の事前規制となり、表現や集会の自由を保障した憲法との関係が問題になる。このため文書は、不許可とする要件や、自治体側の判断の手続きを公表するよう推奨している。
(4)ヘイトスピーチの典型例としては、「○○人は殺せ」などの脅迫的言動や、ゴキブリに例えるなど著しく侮蔑する言動を挙げた。地域社会からの排除を扇動する言動も該当し、「○○人は強制送還すべきだ」などの言動を例示。その上で、背景や前後の文脈などの諸事情によって「どのような意味が含まれる言動か考慮する必要がある」としている。(5)法務省は昨年末、全国の法務局を通じて自治体への文書提供を開始。3日現在で、23都道府県の68自治体に提供したという。【鈴木一生】


 法務省は、「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」の中で、次のように指摘しています。


 近年,特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動がいわゆるヘイトスピーチであるとして社会的関心を集めています。こうした言動は,人々に不安感や嫌悪感を与えるだけでなく,人としての尊厳を傷つけたり,差別意識を生じさせることになりかねません。
 近時,このヘイトスピーチが,マスメディアやインターネット等で大きく報道されるなど,更に社会的な関心が高まっている上,平成26年7月の国連自由権規約委員会による日本政府報告審査における最終見解【PDF】※及び同年8月の国連人種差別撤廃委員会による同審査における最終見解【PDF】※で,政府に対してヘイトスピーチへの対処が勧告されています。
 また,このような情勢の中,国会において,「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が成立し,平成28年6月3日(金)に施行されました。
 こうした中,法務省の人権擁護機関では,これまでの「外国人の人権」をテーマにした啓発(「外国人の人権を尊重しましょう」)に加え,下記の手法により,こうしたヘイトスピーチがあってはならないということを,御理解いただきやすい形で表した,より効果的な各種啓発・広報活動等に積極的に取り組んでいます。


 実は、日本という国は、2016年8月の「国連人種差別撤廃委員会による同審査における最終見解」で国連から勧告されていました。
 この勧告についてまとめてみます。


Ⅰ.委員会は,締約国内において,外国人やマイノリティ,とりわけ韓国・朝鮮人に対し,人種差別的デモ・集会を行う右翼運動や団体により,差し迫った暴力の扇動を含むヘイトスピーチが広がっているという報告を懸念する。
Ⅱ.また,委員会は公人や政治家による発言がヘイトスピーチや憎悪の扇動になっているという報告にも懸念する。
Ⅲ.委員会は,ヘイトスピーチの広がりや,デモ・集会やインターネットを含むメディアにおける人種差別的暴力と憎悪の扇動の広がりについても懸念する。
Ⅳ.さらに,委員会は,これらの行動が必ずしも適切に捜査及び起訴されていないことを懸念する(第4条)。
Ⅴ.人種差別的ヘイトスピーチへの対処に関する一般的勧告35(2013年)を想起し,委員会は,人種差別的スピーチを監視し対処する措置は,抗議の表現を奪う口実として使われるべきではないことを想起する。しかしながら,委員会は,締約国に人種差別的ヘイトスピーチやヘイトクライムから保護する必要のある社会的弱者の権利を擁護する重要性を喚起する。それゆえ,委員会は,締約国に以下の適切な措置をとるよう勧告する。


 この上で、「委員会は,締約国に以下の適切な措置をとるよう勧告」を受けていました。 適切な処置とは次のものでした。


(a) 憎悪及び人種差別の表明,デモ・集会における人種差別的暴力及び憎悪の扇動にしっかりと対処すること。
(b) インターネットを含むメディアにおいて,ヘイトスピーチに対処する適切な措置をとること。
(c) そのような行動について責任ある個人や団体を捜査し,必要な場合には,起訴すること。
(d) ヘイトスピーチを広めたり,憎悪を扇動した公人や政治家に対して適切な制裁措置をとることを追求すること。
(e) 人種差別につながる偏見に対処し,また国家間及び人種的あるいは民族的団体間の理解,寛容,友情を促進するため,人種差別的ヘイトスピーチの原因に対処し,教授法,教育,文化及び情報に関する措置を強化すること。


 つまり、ヘイトスピーチへの対応は、日本国にとって緊急に取り組まなければならない国際的課題だったわけです。
こうした中での「法務省は昨年末、全国の法務局を通じて自治体への文書提供を開始。3日現在で、23都道府県の68自治体に提供したという。」、という対応だったわけです。
「法務省人権擁護局は『積極的にヘイトスピーチを解消する取り組みを進めてほしい』と話す。」、との対応は、あたり前の姿なのです。
したがって、法務省は、次のような典型的はヘイトスピーチ「例」を示しました。


※法務省作成-典型的なヘイトスピーチ
▽脅迫的言動
「○まる人は殺せ」
「○○人を海に投げ入れろ」
▽著しく侮蔑する言動
 特定の国・地域の出身者について「ゴキブリ」などの昆虫、動物、物に例える。 このほか、隠語や略語が用いられたり、一部を伏せ字にしたりするケースもある。
▽地域社会から排除することを扇動する言動
「○○人はこの町から出て行け」
「○○人は祖国へ帰れ!」
「○○人は強制送還すべきだ」


 これからは、これがヘイトスピーチ解消に向けた一つの規範となるわけです。
 私たちはあらためて、2016年8月の「国連人種差別撤廃委員会による同審査における最終見解」という勧告をじっくり咀嚼する必要があります。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-25 07:05 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

最高裁第三小法廷は、在特会側の上告を退ける。徳島県教職員組合への人種差別に対しての判決が確定。

 朝日新聞は2016年11月2日、標題について次のように報じた。


(1)「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らが徳島県教職員組合(徳島市)で人種差別的な罵声を浴びせたとして、県教組側が慰謝料など約2千万円を在特会側に求めた訴訟で、436万円の賠償を在特会側に命じた二審・高松高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が、1日付の決定で在特会側の上告を退けた。
(2)一、二審判決によると、在特会の会員ら十数人は2010年、日本教職員組合が集めた募金の一部を県教組が四国朝鮮初中級学校(松山市)に寄付したことを攻撃するため、県教組の事務所に乱入。女性書記長に拡声機で「朝鮮の犬」「非国民」などと怒鳴ったり手首をつかんだりし、その動画をインターネットで公開した。
(3)二審判決は、会員らの行動は「人種差別的思想の表れで強い非難に値する」「リンチ行為としか言いようがない」と指摘。日本も加入する人種差別撤廃条約上の「人種差別」にあたるとして、賠償額を一審・徳島地裁が命じた約230万円から436万円に増額。支払い命令の対象も一審より2人増やして10人とした。


 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-03 16:37 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

澤藤統一郎さんのブログから大阪地裁ヘイトスピーチ訴訟を見る。

 澤藤統一郎さん〈以下、澤藤とする〉は、2016年9月28日のブログで大阪地裁ヘイトスピーチ訴訟を、「訴訟に価値ある判決」、と評した。
 このことを考える。
 まず、澤藤は、次のように指摘する。


「判決は、名誉毀損ではなく民族差別を侮辱ととらえた。そして、人種差別撤廃条約を前面に押し出した。いずれも、今後に影響が大きい。ヘイトスピーチ撲滅への『価値ある勝利』と言えよう。」


 澤藤は、この訴訟について次のように説明する。


(1)報道を総合する限りだが、認定された桜井の侮辱行為の内容は次のようなもの。
(2)街宣活動やネット動画・ツイッターで、原告を「朝鮮人のババア」「朝鮮ババア」「反日記者」「差別の当たり屋」などと表現し、名前をもじって「ドブエ」と連呼した。
このことを通じて、在特会を「在日朝鮮人を日本から排斥することを目的に活動する団体」と断定、「人通りの多い繁華街などで原告の容姿や人格を執ようにおとしめた。論評の域を逸脱した限度を超えた侮辱で、在日朝鮮人に対する差別を助長する意図が明らかだ」「社会通念上許される限度を超える侮辱行為で、原告の人格権を違法に侵害した」と認定した。また、違法の根拠として「日本が加入する人種差別撤廃条約に違反する」と明示的に認めた。
(3)一方、在特会側は「互いに批判し合う表現者どうしの言論のやり取りで、賠償すべき発言ではない」と主張した(NHK)というが、一顧だにされなかった。当然のことだ。
(4)問題になったのは「互いに批判し合う表現者どうしの言論のやり取り」ではない。一方的な差別の言動である。差別の悪罵は、マジョリティからマイノリティに、強者が弱者に向けてする一方通行のもので、その逆はない。これを「相互批判の言論」へのすりかえは、卑怯この上ないというべきである。
(5)さらに、同判決について被告側代理人弁護士は、「在日特権を批判、追及している政治団体への偏見に基づく一方的な判決で不当であり、控訴を検討する」とコメントしたという。このコメントは判決に不満だとは言っているものの、判決のどこが間違っているという指摘ができていない。むしろ、できないことを自白する内容。事実認定にはケチをつけようがない以上、不満は違法の評価にある。「日本の裁判所の日本人裁判官であれば、『在日朝鮮人を差別し侮辱してけっこうだ』というべきではないか」とコメントすれば、ホンネがよく分かるのだが。


 澤藤は、この裁判について、こう触れる。


(1)判決後、原告は伝統衣装のチマ・チョゴリ姿で記者会見し、「どんな判決が出るのか眠れなくて不安でしたが、民族差別だと認められたのはうれしく、すごく価値のある勝利だと思います。これからも小さな勝利を積み重ねて差別のない社会を作りたい」と喜びを語ったという。
(2)深く同感する。あなたの勝利は価値あるものだ。その「小さな勝利の積み重ね」が差別のない社会に通じる。不義不正の横暴と闘ってこその正義の実現である。面倒な訴訟を勇気をもって提起し、勝訴されたことへの敬意と祝意を表したい。


 また、澤藤は、こうも記す。


「ところで、『公然事実を指摘して、人の社会的評価を低下させる』という名誉毀損の要件の認定には、それなりのハードルを超えなければならない。一方、民族差別の言動を人種差別撤廃条約に照らして違法とし、これを『人格権を違法に侵害した侮辱』ととらえれば、被害者側からの訴訟は簡明になる。今は代理人弁護士が付かなければ提訴は困難だが、やがて代理人不要で定式化された訴状のひな形に、侮辱の言動を補充することで損害賠償請求訴訟提起が可能となる。無数の反差別裁判が日本中に提起されることによって、民族差別がなくなることを考えると痛快ではないか。」


 李信恵さんの 「どんな判決が出るのか眠れなくて不安でしたが、民族差別だと認められたのはうれしく、すごく価値のある勝利だと思います。これからも小さな勝利を積み重ねて差別のない社会を作りたい」、との言葉に深い敬意と拍手を送ります。
 また、澤藤さんの「不義不正の横暴と闘ってこその正義の実現」、という言葉に未来を思います。


 以下、澤藤統一郎さんのブログの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-30 07:09 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

ヘイトクライム-大阪地裁は、「在日朝鮮人への差別を助長、増幅させる意図があった」と認定。

 フリーライターの李信恵(リシネ)さんへの「人種差別」行為の訴訟について、毎日新聞に地新聞は2016年9月28日、「インターネット上などの民族差別的なヘイトスピーチで名誉を傷付けられたとして、在日朝鮮人の女性が『在日特権を許さない市民の会(在特会)』と元会長の桜井誠氏(44)に550万円の賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。増森珠美裁判長は一部について『在日朝鮮人への差別を助長、増幅させる意図があった』と認定し、在特会側に77万円の支払いを命じた。双方とも控訴を検討している。」、と報告した。
 この判決内容について、「増森裁判長は桜井氏の一部の発言や記述について、『人格権を違法に侵害するもの』と指摘。人種差別の撤廃を求める人種差別撤廃条約の趣旨に反した侮辱行為と結論付けた。」、と伝えた。
 また、この裁判は、「原告はフリーライターの李信恵(リシネ)さん(45)。判決によると、李さんはネットニュース上でヘイトスピーチについて批判的な記事を書いた。桜井氏は在特会の会長だった2013〜14年、神戸・三宮での街宣活動で『朝鮮人のババア』と発言したり、ツイッターで『鮮人記者』などと書き込んだりした。」、というものであった。
 さらに、今後について、「李さんはネット情報の拡散被害による精神的苦痛なども訴えたが、判決はこうしたネット被害には踏み込まなかった。在特会側は代理人弁護士を通じ、『判決は一方的で不当』などとする談話を出した。」、と報じた。


 以下、毎日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-09-28 08:01 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

「沖縄ヘイトを考える」を読む。

 安田浩一さん(以下、安田とする)は、沖縄タイムスに「沖縄ヘイトを考える(上・下)」を寄稿した。
 安田は、ヘイトクライム・ヘイトスピーチを行う集団を、「ヘイトスピーチをぶちまけ、外国人の排斥を訴えることでどうにか自我を保っていられる、単なる差別集団者だ。」、と喝破し、その構造を、「世の中に存在する納得しがたい不可解なもの、いわばブラックボックスを紐解くカギとして、在日コリアンなど外国籍住民の存在が都合よく利用されているだけだ。」、と見抜く。
 そして、「人々は差別を“学んで”いく。無自覚のうちにヘイトスピーチを自らの中に取り込んでいく。」、と日本社会の病巣をえぐる。
 この寄稿をもとに、「外国籍住民へのヘイトスピーチと沖縄バッシングは地続きだった。」との意味を、「沖縄ヘイトクライム」を考える。


 「死ね、殺せ」「首を吊(つ)れ」「日本から出て(いけ」
から
「日本から出ていけ」「ふざけんじゃねえよ」



 ユーチューブの画面に映し出される「ヘイトスピーチ」のこうした「像」は、基本的人権が国の成り立ちの重要な要素だと考えてきた者にとっては、実に、耐えがたいものであった。
 でも、私自身も含めて、どれほどの人たちがこれに立ち向かうことができたのか。
だから、安田は、「ヘイトスピーチ対策法」の成立について、「今年6月、ヘイトスピーチ対策法が施行された。罰則なしの理念法である。保護対象が『適正に居住する本邦外出身者』とされるなど問題点も少なくない。とはいえ、わずか数年前まで『我が国には深刻な差別は存在しない』というのが政府の公式見解であったことを考えれば、差別の存在を認め、それが不当であると断じたのだから、一歩前進であると私は考えている。恐怖によって沈黙を強いられているヘイトスピーチの被害当事者のためにも、そして社会への分断を食い止めるためにも、法的整備は必要だった。」、と評価する。
安田は、日本におけるヘイトクライム・ヘイトスピーチの実態を次のように描き出す。


(1)「憎悪の矛先を向けられるのは、在日コリアンをはじめとする外国籍住民だ。こうした“ヘイトデモ”は10年ほど前から外国籍住民の集住地域を中心に、各地で見られるようになった。」
(2)「へらへら笑いながら『おーい、売春婦』などと沿道の女性をからかう姿からは、右翼や保守といった文脈は浮かんでこない。古参の民族派活動家は私の取材に対し『あれは日本の面汚し』だと吐き捨てるように言ったが、当然だろう。ヘイトスピーチをぶちまけ、外国人の排斥を訴えることでどうにか自我を保っていられる、単なる差別集団者だ。」
(3)「『本当に殺されるかもしれない』。在日コリアンの女性は、脅(おび)えた表情で私にそう訴えた。デモ隊から『朝鮮半島に帰れ』と罵声を浴びせられながら、じっと耐えている男性もいた。彼はデモ隊が通り過ぎた後、こぶしを地面に叩(たた)きつけながら泣きじゃくった。」
(4)「ヘイトデモの隊列は、地域に、人々の心に、大きな傷跡を残していく。参加者たちはデモを終えれば居酒屋で乾杯し、差別ネタで笑い転げ、『来週もがんばろう』と気勢を上げて、それぞれの生活圏に帰っていく。まるで週末の草野球にでも参加しているような感覚なのだろう。社会にとって大事なものを壊しているのだという自覚などない。多くはネット掲示板などで外国人排斥の書き込みに忙しい者たちだ。それだけでは飽き足らず、いつしか街頭に飛び出してきた。高校生から年金生活者まで世代もさまざま、女性の数も少なくない。」
(5)「なぜ、そんな醜悪なデモを繰り返すのか。半ばケンカ腰で取材する私に対し、ヘイトデモ常連の男性は吐き捨てるように答えた。
 『日本は日本人のための国じゃないか。奪われたものを取り返したいと思っているだけだ』
 彼だけじゃない。私が取材した多くの者が、この『奪われた感』を訴えた。外国人に土地を奪われ、福祉も奪われ、正しい歴史認識も奪われ、治安を乱され、揚げ句に領土も奪われ、そのうえメディアや行政をコントロールされている-つまり、世の中に存在する納得しがたい不可解なもの、いわばブラックボックスを紐解(ひもと)くカギとして、在日コリアンなど外国籍住民の存在が都合よく利用されているだけだ。」
(6)「彼ら彼女らに憎悪を植え付けるのは、ネットで流布される怪しげな情報だけではない。執拗(しつよう)に近隣国の脅威を煽(あお)るメディアがあり、特定の民族を貶(おとし)める書籍が流通する。テレビのバラエティー番組で、ヘイトデモに理解を示す“識者”もいた。憎悪の種が社会にばらまかれる。そして人々は差別を“学んで”いく。無自覚のうちにヘイトスピーチを自らの中に取り込んでいく。」


 安田は、日本という国の現在の病巣を次のようにえぐり出すのである。


「憎悪と不寛容の空気は、さらに新たな『敵』を生み出していった。国への補償を求める公害病患者や、震災被害で家を失い、仮設住宅で暮らす人々、生活保護受給者などに、『反日』『売国奴』といったレッテルが貼られる。私はこの数年間、そうした現場ばかりを見てきた。」


 しかし、安田は、「そればかりではない。差別主義者、排外主義者にとって、沖縄もまた『敵』として認知されるようになった。」、とあらためて指摘する。
 安田は、沖縄を「敵」として扱う日本人の姿を次のように描き出す。


(1)「私の網膜には、あの日の光景が焼き付いている。2013年1月、沖縄の市町村長や県議たちが東京・銀座でオスプレイ配備反対のデモ行進を行ったときのことだ。日章旗を手にして沿道に陣取った集団が、沖縄のデモ隊に向けて『非国民』『売国奴』『中国のスパイ』『日本から出ていけ』、あらん限りの罵声をぶつけた。彼ら彼女らは、日ごろから外国人排斥運動に参加している者たちだった。」
(2)「沖縄の人間を小ばかにしたように打ち振られる日章旗を見ながら、沖縄もまた、差別と排他の気分に満ちた醜悪な攻撃にさらされている現実に愕然(がくぜん)とした。
『戦後70年近くにして沖縄がたどり着いた地平がこれなのか』。デモ参加者の1人は悔しさをにじませた表情で話した。」
(3)外国籍住民へのヘイトスピーチと沖縄バッシングは地続きだった。
(4)「実は、銀座の沿道から罵声を飛ばしていた者たちの一部は、その前年、辺野古にも出向いている。新基地建設反対派のテントに踏み込み、『日本から出ていけ」「ふざけんじゃねえよ」などと拡声器を使って悪罵の限りを叩きつけた。しかもこれを『愛国運動』などと称しているのだから呆(あき)れるばかりだ。地域を破壊し、分断し、人々の心を傷つけているだけじゃないか。」


 安田は、「このような“沖縄ヘイト”は、いま、社会の中でさらに勢いを増している。」、と指摘する。
安田はそそ危惧感を次のように説明する。


(1)「ところで、同法が国会で審議されているときから、ネットを中心に奇妙な言説が目立つようになった。
 『米軍出ていけ』はヘイトスピーチ-。
 実際、ヘイトスピーチ問題を取材している私のもとへもどう喝めいた“問い合わせ”が相次いだ。『沖縄の米軍差別をどう考えるのか』『辺野古の基地反対運動もヘイト認定でいいんだな?』。それ以前から『首相を呼び捨てで批判するのもヘイトスピーチ』といった的外れな物言いも存在したが(そのような書き方をした全国紙もある)、同法成立が必至となるや、ネット上では新基地建設反対運動も『取り締まりの対象』といった書き込みが急増したのである。」
(2)「無知と無理解というよりは、ヘイトスピーチの発信者たちによる、恣意(しい)的な曲解と勝手な解釈であろう。これに煽(あお)られたのか、それともさらに煽りたかったのか、同法が『米国軍人に対する排除的発言が対象』と自身のSNSに書き込んだ自民党衆院議員もいた。」
(3)「そもそもヘイトスピーチとは、乱暴な言葉、不快な言葉を意味するものではない。人種、民族、国籍、性などのマイノリティーに対して向けられる差別的言動、それを用いた扇動や攻撃を指すものだ。ヘイトスピーチを構成するうえで重要なファクトは言葉遣いではなく、抗弁不可能な属性、そして不均衡・不平等な社会的力関係である。」
(4)「これに関しては、同法の国会審議において、幾度も確認されたことだった。法案の発議者である参院法務委員会委員の西田昌司議員(自民党)は私の取材に対し、『米軍基地への抗議は憲法で認められた政治的言論の一つ。同法の対象であるわけがない』と明確に答えた。結局、基地反対運動とヘイトスピーチを無理やりに結び付けようとする動きには、基地問題で政府を手こずらせる『わがままな沖縄』を叩(たた)きたい-といった意図が見え隠れする。基地反対派住民を『基地外』と揶揄(やゆ)した神奈川県議も同様だ。」


 安田は、「そう、問題とすべきはむしろ沖縄へ向けられたヘイトである。」、と続ける。


(1)「うるま市在住の女性が米軍属に殺害された事件でも、ネット上には被害者を愚弄(ぐろう)し、沖縄を嘲笑するかのような書き込みがあふれた。『事件を基地問題に絡めるな』『人権派が喜んでいる』。ナチスのカギ十字旗を掲げて『外国人追放』のデモを行うことで知られる極右団体の代表も、この事件では、あたかも女性の側に非があるかのような持論をブログに掲載した。ツイッターで『「米軍基地絡みだと大騒ぎになる』『米軍が撤退したら何が起きるか自明だ』などと発信した元国会議員もいる。これら自称『愛国者』たちは、簡単に沖縄を見捨てる。外国の軍隊を守るべきロジックを必死で探す。なんと薄っぺらで底の浅い『愛国』か。」


 また、安田は、沖縄への「誤解」が次々と生みだされていく日本の状況を指摘する。


(1)「1年前には人気作家の沖縄蔑視発言が話題となったが、この手の話を拾い上げればきりがない。『沖縄は基地で食っている』『沖縄の新聞が県民を洗脳している』『沖縄は自分勝手』『ゆすりの名人』-。」
(2)「不均衡で不平等な本土との力関係の中で『弾よけ』の役割を強いられてきた沖縄は、まだ足りないとばかりに、理不尽を押し付けられている。差別と偏見の弾を撃ち込まれている。しかも、そうした状況を肯定する素材としてのデマが次々と生み出されていく。」
(3)「歴史を振り返ってみれば、外国籍住民へのヘイトスピーチ同様、沖縄差別も決して目新しいものではない。日本社会は沖縄を蔑み、時代に合わせて差別のリニューアルを重ねてきた。アパートの家主が掲げた『朝鮮人、琉球人お断り』の貼り紙が、いま、『日本から出ていけ』といった罵声や横断幕に取って代わっただけだ。」
(4)「『沖縄は甘えるな』といった声もあるが、冗談じゃない。倒錯している。沖縄に甘えてきたのは本土の側だ。見下しているからこそ、力で押し切ればなんとかなるのだと思い込んでいる。実際、そうやって強引に歯車を動かすことで、沖縄の時間を支配してきた。辺野古で、高江で、沖縄の民意はことごとく無視されている。」


 安田は、この寄稿の最後をこのようにまとめる。


「私はこれまで、ヘイトスピーチの“主体”を取材することが多かった。だが、被害の実情を見続けているうちに、加害者分析に時間をかける必要を感じなくなった。差別する側のカタルシスや娯楽のためにマイノリティーや沖縄が存在するわけではない。
 これ以上、社会を壊すな。そう言い続けていくしかない。差別や偏見の向こう側にあるのは戦争と殺りくだ。歴史がそれを証明しているではないか。」


 沖縄の高江・辺野古の状況は、安田の「差別や偏見の向こう側にあるのは戦争と殺りくだ。歴史がそれを証明しているではないか。」、との指摘が示すものを、まさしく証明している。
 「社会を壊すな。」
 確かに、今は、そう言い続けなければならない。
 ともに。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-08-10 05:41 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

東京地裁は、ツイッターでの「捏造」被害に賠償を命令。

 標題について、時事通信は2016年8月3日、ツ「イッターに『従軍慰安婦捏造(ねつぞう)記者の娘』と名前と写真を投稿され、名誉を毀損(きそん)されたとして、元朝日新聞記者の長女(19)が関東地方の40代男性に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)は3日、請求通り慰謝料など170万円の支払いを命じた。
 朝倉裁判長は『父の仕事上の行為に対する反感から未成年の娘を人格攻撃しており、悪質で違法性が高い』と指摘。長女側は慰謝料の請求を100万円にとどめていたが、同裁判長は『200万円が相当だ』とも述べた。」、と報じた。
 このことについて、 「長女は弁護団を通じ、『判決が不当な攻撃をやめさせる契機になってほしい』とコメント。弁護団は『一般の個人に対する慰謝料としては異例の高額を認めた。インターネットの無法化に対する抑止力となる判決だ』と評価した。」、と伝えた。



 以下、時事通信の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-08-07 05:30 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

ヘイトクライム-「共に生きよう」と書いた手紙を手渡した。「法ができたおかげで、私たちの尊厳が守られた。全国で被害に遭っている人たちも、あきらめないで」と涙を流してあいさつした。

 川崎市のヘイトデモの中止について、朝日新聞は2016年6月6日、「ヘイトスピーチ対策法が施行されて最初の週末の5日午前、排外主義的な団体が川崎市中原区で計画していたデモが、出発直後に中止された。十数人が集まったのに対し、反対する市民ら数百人が取り囲んだ。神奈川県警も中止するよう説得した。市民らは、デモの出発地とされた同区の中原平和公園で『ヘイトデモ中止』『帰れ』と叫び、路上に座り込んだ。デモ隊は日の丸やプラカードを掲げて10メートルほど進んだところで市民らに阻止され、警察の説得に応じて中止を決めた。」、と報じた。
 また、この日までの経過について、「在日コリアンが理事長を務める社会福祉法人が、同市川崎区の桜本地区周辺でのヘイトデモ禁止を申し立てたのに対し、横浜地裁川崎支部は2日、デモ禁止の仮処分決定を出した。また川崎市も、周辺の公園使用を不許可処分とした。これに対し主催団体の男性は場所を変更し、中原平和公園からのデモをネット上で予告。県警が道路使用を許可したのに対し、デモに反対する川崎の市民グループがツイッターなどで抗議に集まるよう呼びかけていた。」、と伝えた。


 朝日新聞は、川崎市でヘイトデモ反対の先頭に立ってきた崔江以子(チェカンイジャ)さんのこんな様子と声を伝えた。これは、テレビ映像では、流されなかったもの。


「デモの主催者の男性に歩み寄り、『共に生きよう』と書いた手紙を手渡した。中止後、『法ができたおかげで、私たちの尊厳が守られた。全国で被害に遭っている人たちも、あきらめないで』と涙を流してあいさつした。」


 「共に生きよう」。
あまりにも、重く、勇気ある言葉。


 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-06 18:25 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

ヘイトクライム-川崎市は、差別をあおるヘイトスピーチを繰り返していた団体に対し、公園の使用を不許可にした。

 「この国に広がる差別を根絶する一歩と捉えたい。」
 
 琉球新報は2016年6月2日の社説で、こう伝えた。
 また、琉球新報は次のように報じた。


①「 川崎市は、差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返していた団体に対し、公園の使用を不許可にした。ヘイトスピーチをなくすための取り組みを国や自治体に求めた対策法が成立して以降、公共施設の利用を許可しなかったのは全国で初めてとなる。」
②「ただ対策法は憲法が保障する表現の自由を侵害する恐れがあるとして、禁止規定や罰則はない。法律専門家の間では、実効性を疑問視する見方がある。それなら対策条例を制定した大阪市をモデルに各自治体が条例を制定して、根絶の動きを加速しよう。」
③「 今回、川崎市がヘイト団体に公園の使用を不許可とした点は評価する。今後は道路使用に関する許可も出さないなど、ヘイトスピーチの根絶に向け取り組みを強化してもらいたい。」


 さらに、琉球新報は、このことに関して、次のように論じた。


①「10年に『在日特権を許さない市民の会』(在特会)の会員らが徳島市の徳島県教職員組合の事務所を襲撃する事件が発生した。ヘイトスピーチを放っておけば、ヘイトクライム(憎悪犯罪)にエスカレートすることを忘れてはならない。」
②「国連自由権規約委員会は14年に『過激で表現の自由を超えている』と日本に法規制を勧告した。表現の自由は憲法で保障されているが、ヘイトスピーチは明らかに権利の乱用であり、個人の尊厳を傷つけている。」
③「7万人を超える在日韓国・朝鮮人が暮らす大阪市は1月、全国の自治体で初めてヘイトスピーチ対策の条例を制定した。団体名を公表することで活動をけん制する効果がある。かつて全国の地方自治体は、国に先駆けて公害対策や情報公開などを条例化した。その後、国が重い腰を上げたという事例がある。規制に先鞭をつけた大阪のように地方が独自の条例を制定することを検討すべきだ。」


 確かに、国・政府の腰は常に重い。だとしたら、「規制に先鞭をつけた大阪のように地方が独自の条例を制定することを検討すべきだ。」、ということが大事になるし、その地方自治体を動かす市民の動きが重要になるということだ。


 以下、琉球新報の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-06-05 14:25 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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