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原発問題-鹿児島県知事は26日、県庁で九州電力社長と面会し、川内原発を一時停止し、再点検するよう申し入れた。

 標題について、毎日新聞は2016年8月26日、「鹿児島県の三反園訓(みたぞの・さとし)知事は26日、県庁で九州電力の瓜生(うりう)道明社長と面会し、川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)を一時停止し、再点検するよう申し入れた。九電は応じないことを9月初旬までに知事に伝える方針だが、定期検査のため川内1号機を10月に、2号機を12月に停止する予定で、その後、運転を再開するかが焦点となる。」、と報じた。
 また、知事の申し入れについて、次のように伝えた。


(1)三反園知事は申し入れで、川内原発について「一旦停止し、再点検、再検証すべきだ」と強調。その上で、(1)安全性の点検と周辺の活断層の調査(2)自治体の避難計画に対する支援体制強化(3)県民の不安解消に向けた情報発信−−の3点を強く要請した。
(2)三反園知事は7月の知事選で、川内原発について「熊本地震後、住民の不安が高まっている」と、運転の一時停止・再点検を公約に掲げ初当選した。今月19日には、事故時の避難対策を確認するため原発周辺の避難ルートや福祉施設などを視察し、九電への申し入れ内容を検討してきた。
(3)知事に原発を停止させる法的権限はなく、原子力規制委員会と九電は4月の熊本地震発生後、川内原発について「安全上問題ない」と強調してきた。九電は要請とは関係なく、川内1号機は10月6日、2号機は12月16日から原子炉を停止して定期検査する予定。


 さて、九州電力は、鹿児島県民の命の問題を課題とする鹿児島県知事の意向をどのように汲み取ることができるのか。


 以下、毎日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-26 20:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-「節電定着で供給に余裕 『原発必要』の説得力薄れる」

 東京新聞は2016年8月18日、「節電定着で供給に余裕 『原発必要』の説得力薄れる」、と指摘した。
 2016年の夏は、「初めて政府が節電を求めない夏」になった。
しかし、「3.11」以降、「節電」要請が、各電力会社及び行政担当者から脅迫的に流されてきた。
こうした脅迫が、再稼働の根拠にされて来ただけに、この間の真実が、この記事にあるとすると、こうしたやり方は到底許されないものである。
 もはや、「原発必要」の根拠は崩壊している。
東京新聞は、次のように説明する。


(1)「全国で猛暑日が相次いだ八月上旬、電力各社が供給力に余裕をもって乗り切ったことが、本紙の調べで分かった。今年は二〇一一年三月の東日本大震災後、初めて政府が節電を求めない夏になったが、各社が準備した発電所の供給力のうち、実際に使用した割合(使用率)が97%を超えて、余力が『非常に厳しい』とされるような日はゼロだった。」
(2)「電力各社は『電力の安定供給のために原発は必要』と説明しているが、原発がなくても停電は起きない計算だった。節電が進み定着する中で、各社の説得力は薄れている。」
(3)「八月上旬は例年、盆休みを控え工場生産が盛んになるうえ冷房の使用が増えるため、電力消費が一年で最も増えることが多い。昨年の最大需要日は八月三~七日に集中した。今年も昨年に続き全国的に猛暑日が多く九日には全国九百二十九の観測地点のうち東京都心で三七・七度を記録するなど、百九十八カ所で最高気温が三五度以上の猛暑日となった。猛暑日が百カ所を超えたのは十四日までに八日間あった。本紙が一日から十四日までの大手電力九社の管内の使用率を調べたところ、東京電力ホールディングスで最大になったのは五日の89%で90%に達した日はなかった。中部電は五日の94%が最大だが、事前の需要予想で一部の火力発電所を休ませていたため、使用率が伸びた。」
(4)「生産活動が再開する八月下旬や九月上旬に電力需要が伸びる可能性はあるが、節電は定着しており、電力の需要は震災前より14%ほど減る見通しだ。全国で猛暑日が百一カ所を数えた十七日も、電力九社管内で余力があった。」


 さて、九州電力は、「九州電は十日に千五百二十七万キロワットを記録したが、供給力に10%(百八十五万キロワット)の余裕があった。稼働する川内(せんだい)原発1、2号機(計百七十八万キロワット)がなくても停電は回避できた計算だ。十二日に伊方原発3号機(八十九万キロワット)を再稼働した四国電は、九日の五百十六万キロワットが最大。原発なしでも使用率は94%だった。」、との東京新聞の指摘にどのように答えるのか。


 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-21 05:57 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大分合同新聞の「対岸の原発 伊方再稼働上中下」を読む。

 大分合同新聞は、「対岸の原発 伊方再稼働上中下」を、2016年8月14日から16日にかけて掲載した。
大分合同新聞の「対岸の原発」は、四国電力の伊方原発再稼働の今を、「仮処分の申し立て」や「大分裁判」から描いた。
 「福井県若狭湾沿いは“原発銀座”と呼ばれる。異議審決定の2日後、高浜原発近くでは、多くの人が釣りをしていた。『原発がなかったら交付金も働き口もなくなる』『危ないとか言っていられない」、といった立地県と周辺県の思いの擦れ違いも含めて。
 新聞の1面で、この「対岸の原発」が始められたのを見て、伊方原発再稼働をあらためて考えさせられた。
 この特集を考える。大分合同新聞は、このようにまとめる。


(1)仮処分の効力と審理の争点
①「仮処分は通常の訴訟よりも審理期間が短い。さらに、訴訟なら住民側の訴えが認められても四国電側が上訴すれば確定するまで止まらない可能性があるものの、仮処分は裁判所の決定がすぐに効力を持つ。」
②「3地裁の審理で共通する主な争点は地震、津波、土砂災害を巡る評価だ。」
③「特に伊方原発は数キロ先の伊予灘に国内最大級の活断層『中央構造線断層帯』が走っており、強い地震に襲われて重大事故が起きるのではないかという不安が根強い。」
④「耐震設計の目安となる揺れを示す『基準地震動』は最大650ガル。四国電は『(紀伊半島から大分まで)中央構造線が480キロにわたって連動した場合も想定して基準地震動を策定するなど、安全性は十分確保されている』と主張する。だが、複数の学者は『長大な活断層が近くにあり、ましてや断層が480キロも連動して650ガルというのは過小だ』と指摘する。伊予灘や別府湾で断層調査を続けてきた高知大学防災推進センターの岡村真特任教授(地震地質学)は、中部電力浜岡原発(最大2千ガル)などと比べても低いとし『千ガル、2千ガル以上も当然あり得るものとして想定しなければ』と訴える。」
⑤「仮処分の判断は再稼働に間に合わなかったが、3地裁の審理はいずれも年内がヤマ場になりそうだ。脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護士(第二東京弁護士会)は8月10日、大分市内で『動く前に止めたかったが…』とした上で、こう強調した。
『動いてから止められた方が(四国電は)ダメージが大きい』」


(2)仮処分の流れ
①「『いのちとびわ湖を守る運転差し止め決定!』。東日本大震災から5年を前にした3月9日。滋賀県大津市の大津地裁から駆け出してきた弁護士が垂れ幕を掲げると、集まった住民は『歴史的判断だ』と歓喜に包まれた。」
②「関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転禁止を、隣接する滋賀県の住民が申し立てた仮処分。同地裁の山本義彦裁判長は、政府が『世界一厳しい』とする原発の新規制基準に疑問を呈し、運転を差し止める決定をした。仮処分は直ちに効力を持つため、関電は今年再稼働したばかりの同原発を停止させた。」
③「稼働中の原発が司法判断で止まった初のケースだ。従来は『再稼働してしまえば止めるのは難しい』という雰囲気があったが、この決定は『動きだしてからでも止めることができる』ことを実証。全国の電力事業者に衝撃が広がり、『司法リスク』」という言葉も飛び交い始めた。」
③「原発立地県ではなく、周辺県の住民が居住地の裁判所に訴え出て差し止めを勝ち取った点でも注目を集めた。」
④「決定後、関西の財界からは『一地裁の裁判長が国のエネルギー政策を左右してもいいのか』と、三権分立を無視した声が上がった。関電社長も今後、逆転勝訴した場合に住民側へ損害賠償を請求する可能性に言及。裁判所や住民側へプレッシャーをかけた形だ。」
⑤「だが、大津地裁は7月12日、関電が決定の取り消しを求めて申し立てた異議を退けた。2基は法的に運転できない状態が続く。関電は抗告し、舞台は大阪高裁に移った。福井県若狭湾沿いは“原発銀座”と呼ばれる。異議審決定の2日後、高浜原発近くでは、多くの人が釣りをしていた。『原発がなかったら交付金も働き口もなくなる』『危ないとか言っていられない』。立地県と周辺県の思いは擦れ違っていた。」


(3)今後の「大分裁判」について
①「大分から最短45キロ先の対岸にある四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)が再稼働した。大分、松山、広島の3地裁には各地の住民が伊方3号機の運転差し止めを求める仮処分を申し立てており、当面の焦点は司法判断に移る。3地裁は差し止めを認めるかどうかの決定をいずれも来年3月までに出すとの見方が強い。関西電力高浜原発(福井県)と同様、動きだした後でも『即停止』となる可能性があり、住民側は『一日も早くストップさせたい』と意気込む。」
②「大津地裁決定は、福島事故の原因究明が『道半ば』の状況で策定された新基準は、福島の教訓を十分生かしていないのではないかと指摘。『福島事故を経験したわが国民は、事故発生時に影響の及ぶ範囲の圧倒的な広さと避難に大きな混乱が生じたことを知っている』と、再稼働の審査に避難計画が含まれていないことにも疑問を突き付けた。伊方原発にも通じる問題だ。」
③「大分、松山、広島と3地裁に伊方原発差し止めの仮処分が申し立てられている。最低でも一つ勝ち、何としても止めたい。鹿児島県では九州電力川内原発の一時停止を掲げた知事が当選した。川内は政治で、伊方は司法で止めることができる。もう時代は変わった。動き始めた原発を一つ一つ止めていき、原発ゼロを実現したい。」(井戸謙一弁護士)


 最後に、大分合同新聞は、井戸謙一弁護士のインタビューを掲載した。
 四国電力の伊方原発再稼働を考える上で、押さえなくてはならないものだ。


(1)大津決定の意義は、「現実に動いている原発を、隣接県の住民の申し立てで隣接県の裁判所が止めたことだ。(立地県でない住民の主張を認めたのは)東京電力福島第1原発事故の被害が広範に広がったことの裏返しだ。」。
(2)新規性基準の不充分さについて、「国際基準である国際原子力機関(IAEA)の『深層防護』の考え方を取り入れなければならないのに、新基準は避難計画を審査の対象としていない。それだけで原子力基本法、原子力規制委員会設置法に違反する。『世界一厳しい』というのは大うそだ。」。
(3)伊方原発について、「最も大きいのは耐震性の問題。中央構造線が動いたときの地震の加速度予測は、四国電の計算にごまかしがあるとしか思えない。合理的な避難計画もできず、立地不適だ。」。


大分合同新聞の特集から受け取った結論は、「伊方原発は、立地不適だ。」、ということだ。


 以下、大分合同新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-20 05:30 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原子力規制を監視する市民の会は、「伊方原発3号炉の原子炉起動に抗議する」、と抗議声明。

 原子力規制を監視する市民の会は、2016年8月12日、「伊方原発3号炉の原子炉起動に抗議する」、と抗議声明を発表した。
 この抗議声明では、「本日8月12日、四国電力は多くの人々の反対の声を押し切って伊方原発3号炉の原子炉起動を強行した。私たちはこれに強く抗議する。」、とし、「福島原発事故の教訓も、熊本地震の教訓も省みず、このような状況で、再稼働を認めるわけにはいかない。私たちは、伊方原発3号炉の再稼働を止め、これを廃炉にするよう要求する。」
、と抗議している。
 その根拠を、次のように明確にしている。


(1)「伊方原発は、中央構造線のすぐ脇にあり、その延長線上には熊本地震を引き起こした活断層がある。また、南方には南海トラフがあり、地震活動期に入った中、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況にある。」
(2)「伊方原発3号炉の地震動評価には、すぐ近くを通る断層で、前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏が過小評価があり使うべきではないと指摘している「入倉・三宅式」が使われている。原子力規制委員会は、原子炉起動・再稼働を止めた上で、「入倉・三宅式」に替えて、「武村式」で地震動の再評価をすべきである。」
(3)「伊方原発3号炉では、プルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うプルサーマル運転が実施されるが、製造元のアレバ社は燃料の品質保証に関するデータを公表していない。公表もできないまま運転を強行するなど危険きわまりない。」
(4)「伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、半島に住む約5,000名の住民は、逃げるに逃げられない状況に陥る。風が吹けば、津波が襲えば、船を出すことはできず、港に通じる道が寸断されれば、港にたどり着くことすら困難になる。避難計画など絵に描いた餅にすぎない。」
(5)「国は、原子力防災の基本を屋内退避としている。しかし、熊本地震では、その屋内退避の危険性が明らかになった。屋内に避難したとたんに2度目の大きな揺れに襲われ、命を奪われるケースもあった。各地の住民、自治体から屋内退避では住民の安全は守れないとの声が上がっている。」


 この明確な考えに、四国電力、安倍晋三政権、原子力規制委員会は、回答する義務がある。
 あわせて、四国電力は、「公共性があるとはいえ、利益のためにこれだけのリスクを抱える原発事業は、民間企業の在り方を超えるのではないか。」(高知新聞)、との問いにもきちんと答えなければならない。

 何故か、四国電力、安倍晋三政権、原子力規制委員会は、人の命を預かっているのだから。


 以下、原子力規制を監視する市民の会の抗議声明の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-16 05:44 | 書くことから-原発 | Comments(0)

伊方原発再稼働を怒りを込めて批判する。

 2016年8月12日、四国電力は、伊方原発第3号機を再稼働させた。
 四国電力は、地域住民の不安を払拭することができないままに、安倍晋三政権の「成長戦略」の誤謬のもとに、その企業論理を押し付けることになった。
 愛媛新聞、高知新聞、大分合同新聞は、2016年8月12日、次のような社説・論説を掲げてこのことを批判した。


(1)愛媛新聞社説-伊方原発再稼働へ 不安な見切り発車容認できない
(2)高知新聞社説-【伊方再稼働】四国に原発は必要なのか
(3)大分合同新聞論説- 伊方原発再稼働 “到底許せない”


 まずは、これの要約から。



(1)主張
(愛媛新聞)
①四国電力は伊方原発3号機をきょうにも再稼働させる。東京電力福島第1原発事故から5年5カ月。収束のめどは立たず、まだなお多くの人が避難生活を強いられている。今も続く深刻な状況から目を背ける再稼働に改めて強く異議を唱える。
②山本公一原子力防災担当相と中村時広知事はそれぞれ会見で「完璧な避難計画はない」と述べた。そうだからこそ再稼働すべきではない。計画の改善を続けるとしても「想定外」はどこかに潜んでおり、見切り発車は断じて許されない。
③重大事故時の原発施設の対応を人海戦術に頼っている点にも不安が募る。先月の訓練では、防護服を着て海水確保作業をしていた作業員2人が熱中症の症状を訴え、訓練を一時中断、やり直した。当然ながら真夏でも嵐の日でも事故は起こり得る。倒れてもやり直しはきかない。いくら巨額を投じて施設を充実させても、重大事故のさなかに、作業員がけがをせず健康であることを前提にした対策では、あまりに楽観的すぎよう。
④愛媛新聞が先月行った県民世論調査では再稼働に否定的な回答が過半数を占めた。国や県、四電は背景に根強くある県民の不安を軽視してはならない。いつ終わるともしれない大規模避難を、仕方ないこととして当然のように受け止めるのでなく、より安全なエネルギー政策や、原発に依存しない経済施策を探ることが大切だ。
⑤鹿児島県の三反園訓知事は熊本地震を受け、稼働中の九州電力川内原発の一時停止を九電に要請する方針を表明している。将来世代への責任としても、不安が拭えない再稼働は容認できない。中村知事にも再考を求めたい。
(高知新聞)
①政府はエネルギー基本計画で、原発維持の理由に安定供給や地球温暖化対策、コストの安さを挙げた。しかし、四国では16年度の供給予備率が原発なしで約13%あり、安定供給の目安8%を大きく上回る。地球温暖化対策で効果はあるとしても、事故時の影響の大きさは福島の現状をみれば明らかだ。環境面の視点からも、効果とリスクが見合うとはいえないだろう。コストに関しては、政府試算で辛うじて石炭火力を下回る。ただ廃炉や社会的な費用などを踏まえると、優位性は揺らいでくる。
②四電は、再稼働で年250億円程度の収支改善を見込む。株主総会で同社は、再稼働反対の声に「これからは競争の時代、稼ぐ時代」と述べたという。その一方で原発30キロ圏内の自治体は避難計画を義務付けられているわけで、負担を強いる当事者として見識が問われよう。さらに万一の場合、四電は損害賠償を含めた事故対応の責任を全うできるのかどうか。業界最大手の東京電力でさえ対応できず、結局は国民が電気代や税金としてそのツケを払い続けている。
③事故対応だけではない。原発から出る高レベル放射性廃棄物の課題も残る。最終処分地も決まらないままの再稼働は、将来世代に対してあまりに無責任だろう。
④公共性があるとはいえ、利益のためにこれだけのリスクを抱える原発事業は、民間企業の在り方を超えるのではないか。伊方をはじめ、全国で原発を巡る訴訟が続く。国民も改めて議論を深める必要がある。
(大分合同新聞)
① 佐賀関から45キロに位置する四国電力伊方原発が12日再稼働する。南海トラフ震源域にあり、国内最大級の中央構造線断層帯にも近い。国内の原発の中で、事故の危険性はトップクラスとの見方もある。不安がないがしろにされたわけで、多くの大分県民は許せないだろう。
②全国の原発が休止中でも、電力は事足りた。伊方原発は大分県民に不安を与えるだけの存在。一方、同原発西側で生活する佐田岬半島住民には安全な避難方法が確立していない。これが民主主義といえるだろうか。
③伊方原発については、運転差し止め請求や仮処分が係争中。県内の住民が大分地裁に起こす予定の「伊方原発運転差し止め訴訟」は、原告数が当初の目標を超え、150人に達した。司法判断の行方を見守りたい。
(2)主張の根拠
(愛媛新聞)
①伊方原発から30キロ圏内の住民を対象とする避難計画では、命を守るという最低限の保証さえ得られていない。原発がある佐田岬半島は険しい山からなる。伊方町の住民は放射性物質の漏えい前に避難を開始することになっているが、急峻(きゅうしゅん)な斜面ばかりで、手助けの必要な高齢者も多く、一刻を争う避難は困難を極める。地震や大雨を伴う複合災害の場合、道路の寸断で集落が孤立する恐れもある。
②放射性物質の流入を防ぐための「放射線防護施設」の整備は進められている。だが、現在、町内にある7施設のうち4施設は土砂災害警戒区域内にあり、危険性が否定できない。③南海トラフ巨大地震などの甚大な被害想定が欠けていることも看過できない。伊方町以外、5~30キロ圏内の6市町の住民はまず屋内退避を求められているが、多数の家屋が倒壊して車中泊を余儀なくされた熊本地震の状況を鑑みれば、実効性を疑わざるを得ない。④県内各自治体や大分への広域避難計画に関しては、道路や港の損壊、受け入れ自治体の混乱などで機能不全に陥ることを危惧する。
(高知新聞)
①原発はいったん暴走すれば、広域に甚大な被害をもたらす。その脅威は5年余りを経ても、多くの国民が鮮明に覚えていよう。
②伊方原発の近くには、国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」が横たわり、巨大地震の恐れを否定し切れない。顧客でもある住民の不安を押し切ってまで、自社の利益を優先する企業姿勢は到底、理解を得られるものではあるまい。
④伊方3号機は昨年7月、原子力規制委員会の審査で新規制基準に合格した。だが、住民の安全が担保されたと果たしていえるのか。新基準は以前より強化されたものの、事故の原因が特定されないままつくられ、教訓を反映したとは言い難い。過去には原発の耐震設計の目安を超える地震が何度もあり、これからも「想定」を超える事態はあり得る。田中委員長も「絶対安全とは言わない」との立場だ。「万が一」にしても安全を約束できないのに、過酷事故を経験した日本で原発が必要なのか。「原発回帰」の波がわたしたちの住む四国に押し寄せた今もなお、根本的な疑問を解消できない。
(大分合同新聞)
①4月には熊本、阿蘇、大分と地震が広がり、伊方原発への波及が懸念された。県内市町村の6月議会のうち、別府、中津、臼杵の3市議会と日出町議会で、再稼働に関する意見書を可決。日出町議会は国に再稼働中止を求める内容、3市議会は再検討や慎重な対応を求めた。また、豊後大野市議会の一般質問で橋本祐輔市長は「再稼働しないことが最善の策」と答弁した。昨年10月から今春までに杵築、豊後高田、国東、竹田、由布の5市議会が「再稼働の中止や決定見直し」などの意見書を可決していた。
②不安は多岐にわたる。代表は基準地震動だろう。原発を設計する際に想定した敷地周辺での地震による最大の揺れの強さ。河合弘之氏は著書「原発訴訟が社会を変える」で「基準地震動を超える大地震が原発を見舞ってはならないのに、福島第1原発事故も含め全国の原発で2011年までの7年間に5回も記録された。特に07年の地震で、柏崎刈羽原発(新潟県)は基準地震動(450ガル)を大幅に上回る1699ガルもの揺れに襲われた」と批判している。
③「再稼働の安全確保に必要な追加条件が半分に削られた」との指摘もある。福島第1原発国会事故調元委員長の黒川清氏は、著書「規制の虜(とりこ)」で「12年3月、原子力安全・保安院がまとめた報告書には、原発・原子力の安全にとって非常に重要で、規制に反映すべき30項目が盛り込まれた。当時の政府は原発を再稼働する際の“判断基準”を策定する過程で、15項目だけを取り上げ、残りの15項目は事業者の自主判断に任せる形になった」と嘆く。
④神戸大学の石橋克彦名誉教授(地震学)は、著書「南海トラフ巨大地震」で「浜岡原発と伊方原発の再稼働は無謀」と最も危険視。浜岡原発は福島第1原発事故後、政府が稼働を差し止め、再稼働できない。伊方原発が再稼働していいはずがない。新規制基準については「非常に危険。福島第1原発事故で原因が不明なまま、地震動を軽視した基準を作った。地震列島にある原発の“安全性の確認”など到底できない。地震動や津波をすべて予測することはできないからだ」と指摘している。
⑤原発が再稼働すれば、大事故の可能性が、休止中と比較にならないほど高まる。特に、中央構造線断層帯が近い伊方原発は「大地震発生時に、原子炉を止める制御棒が間に合わない恐れがある」との懸念もある。




 この三紙の主張からだけでも、今回の四国電力による伊方原発3号機の再稼働は、間違っている。
 私たちは、「3.11」をいまだ克服できないでいる。
愛媛新聞の「東京電力福島第1原発事故から5年5カ月。収束のめどは立たず、まだなお多くの人が避難生活を強いられている。今も続く深刻な状況から目を背ける再稼働に改めて強く異議」、という考え方こそ「3.11」を受け取った日本がとるべき基本的なっスタンスでなけねばならない。
 また、四国電力は、再稼働をする前に、高知新聞の「公共性があるとはいえ、利益のためにこれだけのリスクを抱える原発事業は、民間企業の在り方を超えるのではないか。」、という疑問にきちんと答えなければならない。四国電力は、まずは、一企業として、「顧客でもある住民の不安を押し切ってまで、自社の利益を優先する企業姿勢は到底、理解を得られるものではあるまい。」(高知新聞)、という立場に立たなけねけねばならない。
 四国電力の再稼働に対しての住民の具体的な不安は、「基準値震動」と「避難計画」についてである。
 「基準値震動」については、「新規制基準については『非常に危険。福島第1原発事故で原因が不明なまま、地震動を軽視した基準を作った。地震列島にある原発の“安全性の確認”など到底できない。地震動や津波をすべて予測することはできないからだ』と指摘」(大分合同新聞)、に尽きる。
 「避難計画」について、「山本公一原子力防災担当相と中村時広知事はそれぞれ会見で『完璧な避難計画はない』と述べた。そうだからこそ再稼働すべきではない。計画の改善を続けるとしても『想定外』はどこかに潜んでおり、見切り発車は断じて許されない。」(愛媛新聞)、という考え方こそが、住民の命を預かる行政者としてあたりまえのものである。


 最後に、四国電力は、「原発が再稼働すれば、大事故の可能性が、休止中と比較にならないほど高まる。」(大分合同新聞)という判断の中で、「『万が一』にしても安全を約束できないのに、過酷事故を経験した日本で原発が必要なのか。」、「事故対応だけではない。原発から出る高レベル放射性廃棄物の課題も残る。最終処分地も決まらないままの再稼働は、将来世代に対してあまりに無責任だろう。」、という高知新聞の指摘を謙虚に受け止め、伊方原発3号機の再稼働を止めなけねばならない。


以下、各新聞社の社説・論説の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-13 02:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-四国電力は伊方原発3号機を再稼働させた。プルサーマル発電では国内唯一。

 四国電力は、多くの反対や疑問の中で、伊方原発3号機を再稼働させた。
 このことについて、愛媛新聞は2016年8月12日、「四国電力は12日午前9時、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の原子炉を起動し再稼働させた。伊方原発が稼働するのは2012年1月以来約4年7カ月ぶりで、3号機は11年4月以来。11年3月の東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に適合した原発の再稼働は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き3原発5基目。高浜3、4号機は司法判断で運転停止が続いており、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電では国内唯一となる。」、と報じた。
 なお、営業運転開始は、「国の原子力規制委員会による最終的な検査を受けて9月上旬」
の予定、と伝えた。


 以下、愛媛新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-08-12 10:54 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-大分県内の全18市町村長のうち6人が、再稼働に反対。

 四国電力が、伊方原発3号機の再稼働を2016年8月12日に予定している中で、大分合同新聞は2016年8月11日、「四国電力が12日に予定している伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働を前に、大分合同新聞社は大分県内の全18市町村長にアンケートを実施した。6人が再稼働に『反対』または『どちらかといえば反対』と回答し、『活断層が近くにあり、地震の影響をもろに受ける可能性がある』『想定外の事故は起こり得る』などを理由に挙げた。2人が『「どちらかといえば賛成』と答え、『現在のエネルギー事情などを考えればやむを得ない』とした。残る10人は『どちらともいえない』だった。」、と報じた。
 また、このことの詳細について次のように伝えた。


(1)「再稼働に『「反対』としたのは竹田、豊後大野、由布、九重、玖珠の5市町長。日田市長は『どちらかといえば反対』とした。」
(2)「竹田市長は『熊本・大分地震の震源地が熊本から大分へと移動しており、(伊方近くの)断層に影響を与える危険性が高まっている。再稼働は時期尚早。事故が発生すれば放射能汚染による大分県内の観光・農林水産業に与える実害や風評被害は計り知れない』と指摘する。」
(3)「豊後大野市長も『原子力規制委員会や愛媛県が定めた厳しい基準をクリアしたとしても、自然を相手にする以上、想定外の事故が起こり得ることは東日本大震災や熊本の地震から学んでいる』とした。」
(3)「『どちらかといえば賛成』は中津、姫島の2市村長。中津市長は『再稼働は安全性の確保と地元の理解を得た上で国の責任において判断したものと考えている。将来的には原子力に依存しないエネルギーの供給体制の構築が望ましいが、現状では地球規模での環境問題や日本のエネルギー事情から、一定程度を原子力に依存せざるを得ないのが実情』との見解を示した。」
(4)「姫島村長は『原発はできるだけ早くなくすべきだと考えるが、現在のエネルギー政策などを踏まえればやむを得ない。ただ、絶対事故が起きないことが当然の条件だ』と答えた。」
(5)「大分、別府、佐伯、臼杵、津久見、豊後高田、杵築、宇佐、国東、日出の10市町長は『どちらともいえない』と回答。『国が責任を持って適切に対応すべき政策だ』『安全性について専門家でも意見が分かれている』などが理由だった。」


 なお、「アンケートは7月中旬から下旬にかけ、書面や聞き取りで実施した。」。


 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-08-12 05:12 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器の底に160トンの核燃料(デブリ)の大部分が残っているとの調査結果を発表。

 標題について、福島民友は2016年7月29日、「物質を透過する素粒子『ミュー粒子』で透視した東京電力福島第1原発2号機の状況について、東電は28日、溶け落ちた核燃料(デブリ)の大部分が圧力容器の底に残っているとみられるとの調査結果を発表した。原子炉の底の部分にはデブリや周辺の構造物を含め約160トンがあると推計、炉心域(シュラウド内)に残る燃料と合わせて約200トンが残っているとみている。」、と報じた。
 また、「東電福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は『今後はまず内部にカメラを入れ、どこに何があるかを見ないと工法は決定できない』と述べた。」、という実態を伝えた。



 以下、福島民友の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-07-30 08:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大分合同新聞は、「四電は近く伊方原発を再稼働させる。先人の知恵と自然の恵みでおいしく育つミカンに、四つ目となる原発の光や熱はそぐわない。」、と。

 大分合同新聞は2016年7月20日、「東西南北」で、「四電は近く伊方原発を再稼働させる。先人の知恵と自然の恵みでおいしく育つミカンに、四つ目となる原発の光や熱はそぐわない。」、と詩情豊かに主張して見せた。
 大分合同新聞の「東西南北」が、こんな主張を載せることに、いい意味の驚きが隠せない。


 「東西南北」は、こんなふうに始める。


「地図帳で日本中を探してみたが、愛媛県佐田岬半島ほど細長い半島はない。半島を尾根線沿いに縦断するメロディーラインだと、三崎港から八幡浜間は車で1時間弱。伊方町内は信号もなければ人家もない」


 そして、そこでの営みを描く。


「半島には海沿いの入り江ごとに小さな集落があり、集落同士を細い道路がつなぐ。1987年のメロディーライン開通前は、路線名の国道197号をもじって「行くな酷(こく)道」と呼ばれていた」

「変化に富んだ地形には半農半漁の暮らしが息づく。自慢は愛媛が日本一を誇る温州ミカンだ。宇和海を望む南向き斜面に石を積み上げ、ミカン畑を造成した。太陽の光、宇和海からの反射光、石垣からの放射熱と三つの光や熱を浴びてミカンは育つ」


 でも、今は。


「島の根元に四国電力伊方原発がある。眼前に伊予灘が広がり、対岸に大分もある。原発の西に暮らす人たちは約5千人。細長い半島故に事故時には半島は分断され、海路で大分に避難するしかない。何より放射性物質が飛散すれば瀬戸内海は“死の海”になるだろう。関西も含む西日本は壊滅するに違いない」


 だから、こうのように問いかける。


「5年前に東京電力福島第1原発の事故を体験し、原発の安全神話は崩壊した。それでも国や電力会社は世界一の安全基準を盾に再稼働を目指す。ベースロード電源として経済の論理で推進するなら、事故リスクに伴う天文学的な損失をどう算出するのか。」


 そして、「東西南北」は、こう語りかけるのである。


四電は近く伊方原発を再稼働させる。先人の知恵と自然の恵みでおいしく育つミカンに、四つ目となる原発の光や熱はそぐわない。」


 確かに、この地に、「太陽の光、宇和海からの反射光、石垣からの放射熱と三つの光や熱」以外の原発の光や熱は、いらない。


 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-07-24 05:53 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、大分県内の住民4人が申し立てた仮処分申請の第1回審尋が行われた。

 標題について、大分合同新聞は2016年7月22日、「四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、大分県内の住民4人が申し立てた仮処分申請の第1回審尋が21日、大分地裁(竹内浩史裁判長)であった。住民側は同原発近くに国内最大級の活断層『中央構造線断層帯』があり、大地震が起きて重大事故に至る可能性が高いと主張しており、この日は争点整理などが進められた。四国電側は『代理人弁護士の都合がつかなかった』と欠席、8月10日の次回審尋までに答弁書を出すという。」、と報じた。
 非公開であるこの審尋の様子について、住民側弁護団は、「住民側は地震やテロが起きた場合などさまざまな論点で危険性を主張しているが、地裁は仮処分の検討に当たり▽地震▽津波▽土砂災害―の3点について関心を示したという。」、と伝えた。
 また、「伊方原発の基準地震動(耐震設計の目安となる揺れの強さ)は最大650ガル。住民側は南海トラフ地震の震源域上に位置し、中央構造線が近くにあるにもかかわらず過小だと訴えている。地震を巡る審理では『基準地震動の決め方、結論がいいかが問題になる』(弁護団)とみられる。」、と伝えた。
 さらに、「仮処分を申し立てたのは住民組織『伊方原発をとめる大分裁判の会』のメンバー。同会によると、仮処分は4人に絞って申請したが、今後、8月をめどに大分県在住者100人以上で差し止め訴訟も起こす。既に88人が原告になる意向を示しているという。」、と伝えた。


 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-07-22 11:20 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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