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前橋地裁は、東電は「実際に予見していた」、国は「事故を防ぐことは可能であった」、と判決を下す。

 朝日新聞は2017年3月17日、標題について、「原発避難訴訟、国に賠償命じる判決 『予見可能だった』」、と次のように報じた。


(1)東京電力福島第一原発事故で群馬県に避難した人や家族ら137人が国と東電に1人当たり1100万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。原道子裁判長は、東電と国のいずれについても責任を認め、62人に対し計3855万円を支払うよう命じた。判決は津波の到来について、東電は『実際に予見していた』と判断。非常用ディーゼル発電機の高台設置などをしていれば『事故は発生しなかった』と指摘した。国についても『予見可能だった』とし、規制権限を行使して東電にこれらの措置を講じさせていれば『事故を防ぐことは可能であった』とした。原告の主張をほぼ認める判決となった。
(2)同様の訴訟は全国で約30件あり、約1万2千人が参加しているが、集団訴訟としては初めての判決。福島原発事故をめぐって、国の違法性についての初めての司法判断でもあり、国や東電の過失を認めるかが大きな争点だった。
(3)原告側は、政府が2002年7月に発表した『長期評価』で、福島第一原発沖を含む日本海溝での地震の発生確率が『30年以内に20%程度』とされていた点を重視。東電が08年5月、福島第一原発に15・7メートルの津波が来るとの試算を得ていたことなども指摘し、『津波は予見でき、防潮堤建設などで事故は防げた』と主張していた。」
(4)東電や国は、長期評価や試算について『確立した知見ではなかった』などとして、津波の予見可能性を否定。実際の津波は想定をはるかに超える規模で、事故は防げなかったと反論していた。
(5)国の審査会が示した「中間指針」に基づく東電の賠償額の合理性も争点だった。東電は国の避難指示区域内の住民に1人当たり月10万円の慰謝料を払っているが、自主避難者には4万~72万円を賠償している。
(6)原告の4割強は自主避難者で、原告側は「中間指針は機械的で、被害を償い切れていない」と訴えていた。東電は中間指針は合理的だと主張し、自主避難については「放射線への不安感や危機感を抱いたとしても、法的権利の侵害は生じていない」と争っていた。
(7)判決のポイント:①東電は高い津波の到来を遅くとも02年に予見でき、08年には実際に予見していた、②東電が津波対策をとっていれば、原発事故は発生しなかった、③国も津波到来を予見できる状況だったのに、事故を未然に防ぐための命令を東電に出さなかった。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-18 11:58 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第3回口頭弁論に傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第3回口頭弁論・第6回審尋が、2017年3月16日14時より、大分地方裁判所で開催されました。今回も傍聴参加と報告集会に参加してきました。
前回までと同様に第1法廷で開催された裁判に、今回もまた、傍聴抽選に漏れて法廷内には入れない人がでるほどの参加者が集まりました。
 この様子を、大分合同新聞は、次のように伝えています。


(1)「昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めを求め、大分県内の住民4人が申し立てた仮処分の第6回審尋が16日、大分地裁であった。最大の争点となっている同原発の『基準地震動』(耐震設計の目安となる地震の揺れ)について、四国電側が『十分に信頼性、保守性が確保されている』と裁判官にプレゼンテーション(口頭説明)をした。前回の審尋で基準地震動が過小だとプレゼンをした住民側は会見し、『四国電は住民側が指摘した重要な論点にほとんど触れなかった』などと批判した。
(2)「これで双方のプレゼンは終了。住民側によると、地裁は5月11日の次回審尋までに質問事項を双方に示す予定。結審は次回、もしくは7月20日以降になる。住民側は、審理を担当してきた竹内浩史裁判長が春の異動で交代する可能性があるとの認識も示した。審尋は非公開。1月26日の前回審尋は住民側がプレゼンし、四国電が最大650ガルとしている基準地震動を巡り『地震予測には限界があり、基準地震動は科学では決められない』『福島のような事故を繰り返さないためには、できるだけ余裕を持って定められるべきだ』などと訴えていた。」
(3)「この日の審尋で、四国電は土木建築部門の社員が説明。原発の敷地や周辺で十分な調査をして地域特性を把握し、信頼性の高い手法を使った上で、過去の地震の知見などを踏まえたさまざまな『不確かさ』を保守的に考慮している―と主張した。」
(4)審尋の前には県民264人が起こした伊方2、3号機差し止め訴訟の第3回口頭弁論もあった。原告でグリーンコープおおいた理事長の宇都宮陽子さん(51)=大分市=が『大分の目の前にある伊方原発は子どもたちの未来、『いのち』を脅かすものでしかない』と意見陳述した。」


今回も、本訴訟は、30分のほどの時間で終了しました。
 実は、宇都宮陽子弁護士が、意見陳述を行ったのですが、原告側の弁護士の不手際からの混乱(徳田弁護士談)があり、裁判長の「聞いていない」「いつも意見陳述を認めているわけではない」といった「声」を聞かされました。
 しかし、宇都宮陽子弁護士の「本日は、母として、女として、原発を無くしたいと願う私の思いをお伝えします。」、という意見陳述の主張は、素晴らしく心に響きました。
 それは、次のようなものでした。


(1)チェルノブイリ原発事故後のベラルーシに行かれた方から視察の様子を詳しく聞く機会を得ました。・・・この時、はっきりと私の中で、原発は、子どもたちの「いのち」を脅かすものでしかないと実感しました。
(2)チェルノブイリ原発事故の後、誰もが、このような事故は二度と起きてはならないと願いました。けれど、その教訓は、活かされませんでした。
(3)国は、空間線量の数値が下がった事で避難区域の解除を進めています。そのような中では、彼女たちは、不安さえも声にできない状況であり、それでもなお、福島で子どもを育てていかなければならない苦悩を抱えています。私もその苦悩を、同じ母親として、痛いほどに感じました。「どうか私たちの声を聞いてください。」と訴える彼女の声、それは、我が子の無事を願うすべての母親の声でもあります。
(4)私の選択は、揺るぎないものとなりました。常に「子どもたちのために」と考えることで、何をすべきかがより明確になりました。


 宇都宮さんは、意見陳述の最後を、「どうか母たちの声を聞いて下さい。」と次のように訴えました。


(1)「子どもたちのために原子力発電所は必要か」そう問われれば、私は、即座に「NO」と答えます。それは、「いのち」を生みだす女として、「いのち」を育む母として、子どもたちの未来に責任を持つ者としての義務だと考えます。
(2)原発は、一度事故が起きれば容赦なく子どもたちを犠牲にします。原発事故は、何よりも重い「いのち」と共存できないことを私たちに知らしめています。
(3)原発の過酷事故が、「想定外」の言葉の下で繰り返されてきた事実を見ると、「もう決して起きることはない」とどんなに説明を受けても信じることはできません。
(4)しかし、現状では、政府と電力会社は、性懲りも無く原発の再稼働を進め、再稼働した伊方原発は、私たちの暮らしのすぐ近くにあります。何よりも重い「いのち」のために、政府と電力会社が原発を止めないのであれば、司法の場で、この裁判が最後の歯止めになるしかありません。ふるさと大分の目の前にある伊方原発は、子どもたちの未来を、「いのち」を、脅かすものでしかない。直ちに停止することを切に願い、私の意見陳述を終わります。


 さて、報告集会での各弁護士の気になる発言は次のものでした。
 小森弁護士は、仮処分に関して、「大津地裁の判決であれば、四国電力に主張立証責任
がるのだから、四国電力は勝てるはずがない。」、「次回審尋までに、裁判所は疑問等を出す予定になっている。」、と今後の仮処分に関して説明しました。また、「『3.11』の反省から、危険を考えて早く決定が出されるようにしなければならない。」、との強い想いが伝わりました。
 河合弁護士は、審尋における四国電力側のプレゼンについて、「我々のプレゼンを聞いたのか。内容が私たちの反論を含んでいない。重要な論点には触れなかった。」、と説明しました。また、「仮処分に運動が移ってきている。電力会社をそれを嫌がっている。」、「自然エネルギーは『コスト』ですでに優位になっている。安心して闘っていい。」、と「私は弁護士ではなく、監督だ。」との笑顔とともに東京に帰って行かれました。
 徳田弁護士は、本日の審尋で明らかになったことと、仮処分がこれからの裁判闘争の中心になるなかでの本訴訟の意義について、次のようにまとめてくれました。


(1)四国電力は、650ガル以上の地震があれば伊方原発は危ないということを前提にしていること。
(2)四国電力は、「3.11」以前の基準に沿っており、「3.11」以後の知見が生かされていない。
(3)本訴は、大分県民の怒りと想いを伝えるのが大きな役割である。この意味で、4万5000筆の署名提出の意味は大きい。また、仮処分が4県から起きていることも意味がある。


 この徳田弁護士の指摘を活かすために、第4回公開口頭審理・第7回審尋を人の波で覆い尽くし、私たちの息づかいを裁判官に重ねましょう。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-18 06:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

「原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。」、と中日新聞。

 中日新聞は2017年2月27日、「原発処理費、40兆円に拡大 本紙集計、国民負担重く」、と標題について次のように報じた。


(1)東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から間もなく六年。福島第一をはじめとする廃炉や使用済み燃料再利用など原発の後始末にかかる費用が膨張している。本紙が政府推計や予算資料を集計したところ国内の原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。原発のある自治体への補助金などの税金投入も一九七〇年代半ばから二〇一五年度までに十七兆円に達した。すでに国民が税などで負担した分を除き、増大する費用は電気代や税で国民が支払わねばならず、家計の重荷も増している。
(2)四十兆円は国民一人当たり三十二万円に上る。原子炉や核燃料処理費がかさむのは危険な核物質を処理する必要があるため。自治体補助金も「迷惑料」の色彩が強い。原発の建設・運営費も事故後は安全規制強化で世界的に上昇している。
(3)政府は福島事故処理費を一三年時点で十一兆円と推計したが、被害の深刻さが判明するにつれ、二十一兆五千億円と倍増。本来は東電が負担すべきものだが政府は原則を曲げ、電気代上乗せなど国民負担の割合を広げている。
(4)被災者への賠償金は、新電力会社の利用者も含め全国民の電気代に転嫁され、福島原発廃炉費も東電管内では電気代負担となる方向だ。除染も一部地域について一七年度から税金投入(初年度三百億円)する。
(5)一兆円を投入しながら廃止が決まった高速増殖炉「もんじゅ」については、廃炉費用や別の実験炉「常陽」の稼働費用を足し合わせると計一兆六千億円になる見通し。政府は昨年末にもんじゅ後継機の研究継続を決定しており、税金投入はさらに膨らむ方向だ。
(6)青森県の再処理工場などもんじゅ以外の核燃料サイクル事業にも本紙集計では税金などで十兆円が費やされた。核燃料全般の最終処分場の建設費も三兆七千億円の政府見込みを上回る公算だ。
(7)福島第一以外の廃炉費用(予定より廃止を早める原発の廃炉費を除く)は、二兆九千億円になると政府が推計している。
(8)自治体への補助金も電気代に上乗せする電源開発促進税が主な財源。多くの原発が非稼働の現在も約千四百億円(一五年度)が予算計上されている。
(9)大島堅一立命館大教授によると一キロワット時当たりの原発の発電費は安全対策強化で上昇した原発建設費も算入すると一七・四円となり、水力(政府試算一一・〇円)を六割、液化天然ガス火力(同一三・七円)を三割上回る。原発を進める理由に費用の安さを挙げてきた政府の説明根拠も問われている。

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(中日新聞20170227-原発費用のための費用)


 「国内の原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。」とは、「増大する費用は電気代や税で国民が支払わねばならず、家計の重荷も増している。」、というのが、日本という国の指し示す「構図」。
 コスト評価という言い訳も、「大島堅一立命館大教授によると一キロワット時当たりの原発の発電費は安全対策強化で上昇した原発建設費も算入すると一七・四円となり、水力(政府試算一一・〇円)を六割、液化天然ガス火力(同一三・七円)を三割上回る。原発を進める理由に費用の安さを挙げてきた政府の説明根拠も問われている。」(中日新聞)、という事実が打ちのめす。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-02 07:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

「現状では強い対応を取る必要はないと判断している」、と三反園訓鹿児島知事は、川内原発運転の容認。

 毎日新聞は2017年2月23日、川内原発の運転について、「鹿児島県の三反園訓知事は22日の県議会で、運転中の九州電力川内(せんだい)原発1号機(同県薩摩川内市)について「現状では強い対応を取る必要はないと判断している」と述べた。川内原発の安全性などを議論する県の専門家委員会が16日、1号機に「熊本地震の影響はなかった」とする意見書を県に提出したことを受け、運転を容認する考えを初めて表明した。自民県議の代表質問への答弁。」、と報じた。
毎日新聞は、このことについて次のように続けた。


(1)「専門委員会において専門的見地から熱心で活発な質疑が交わされた結果、問題があるとの意見は出されませんでした」。22日の鹿児島県議会に大島紬(つむぎ)の和服姿で臨んだ三反園訓知事は、少し早口でこう述べ、川内原発1号機の運転を容認した。
(2)昨年7月の初当選から半年余り。選挙中から公約に掲げた脱原発政策を大きく後退させた瞬間だったが議場からのヤジはなく、知事は用意したペーパーを顔を上げることもなく淡々と読み上げ、わずか1分ほどで答弁を終えた。
(3)議場を出た知事を取り囲んだ報道陣にも、知事は詳しい説明をしなかった。「本会議の発言は、述べた通りでそれ以上でもそれ以下でもない」「再生可能エネルギーを推進して原発に頼らない社会を作るという方針に全く変わりはない」。報道陣の「運転を容認したということでいいのか」との質問に対し、知事は一方的に言い放つと、足早に立ち去った。
(3)「(今後の専門委の議論で)問題あるということになれば九電に強い対応を取ることに変わりありません」。知事は議場での答弁でも、議会後の報道陣の取材でも従来の主張を繰り返し、「変節」や「公約違反」という批判に強く反発する。ただ専門委は今後も、原発そのものの安全性に関して踏み込んだ議論をする予定はなく、知事の説明を額面通りに受け止める声は少ない。
(4)原発容認の立場から代表質問で壇上に立った自民の長田(おさだ)康秀議員は、知事の答弁によっては再質問することも考えていたという。見送った理由について「『問題があれば強い対応を取る』ということは、つまり現状は安全・安心だということだ。知事が再び九電に(川内原発の)停止要請をすることはなくなった」と語る。
(5)専門委の判断を盾に県民を二分した議論に幕引きを図ろうとする三反園知事。専門委設置などの政策協定を結ぶ代わりに知事選出馬を取りやめた反原発団体代表の平良行雄さん(57)は憤る。「あの政策協定は何だったのか。結局、委員会はアリバイ作りだったのだろう。『脱原発』は選挙で勝つための方便だったとしか思えない」
(6)元鹿児島県庁職員の有馬晋作・宮崎公立大教授(行政学)は「伊藤祐一郎前知事は自分のポリシーで川内原発再稼働に同意し、自分の考えを語ったが、三反園知事はスタンスが見えない。将来、川内原発周辺で熊本地震並みの地震があったときに大丈夫かといった県民の疑問に真摯(しんし)に答えるべきだ」と指摘した。


 実は、毎日新聞は2016年12月11日の社説で、「鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事の変節ぶりに、多くの県民が疑念を抱き、不信を募らせているのではないか。」、と懸念を表明していた。
 具体的には、次の疑問を挙げていた。


(1)定期検査で10月から停止中だった九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が、運転を再開した。知事は脱原発を掲げて7月に初当選した。ところが、今回の運転再開については、「私に稼働させるかどうかの権限はない」などとして明言を避け、事実上容認した。知事選で公約した原発の安全性などを検証する県独自の検討委員会の設置も、川内1号機の運転再開には間に合わなかった。知事は9月の県議会で、運転再開も含め「検討委の提言を踏まえて県の対応を総合的に判断する」と述べていた。なぜ、有権者との約束を破ることになったのか。その理由をきちんと説明する責務が知事にはある。
(2)さらに疑問なのは、知事が、検討委のメンバーは議案可決まで公表できないとしていることだ。「予算成立後に委嘱する前提で依頼している」ためだというが、検討委の公正さを確保するためには、氏名を明らかにして県議会に諮るのが筋だろう。知事は市民団体と政策合意をした際に、検討委には「反原発の方々など幅広い人に入ってもらう」と述べていた。にもかかわらず、県議会では「約束したかどうか記憶が定かではない」と答弁した。
(3)脱原発は、知事選を有利に戦うための打算の産物だったのか。原発を止める権限はなくとも、原発に対する県民の不安を解消し、安全を確保する義務が知事にはある。脱原発を掲げた真意が問われている。


 さて、「脱原発は、知事選を有利に戦うための打算の産物だったのか。原発を止める権限はなくとも、原発に対する県民の不安を解消し、安全を確保する義務が知事にはある。脱原発を掲げた真意が問われている。」なかでの知事の判断である。
 今回のことは、知事の真意がはっきりしたということだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-23 18:00 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島第一原発2号機に投入した調査ロボット「サソリ」は、途中の作業用レールの上で動けなくなった。

 朝日新聞は2017年2月16日、標題について次のように報じた。


(1)東京電力は16日、福島第一原発2号機に投入した調査ロボット『サソリ』が、圧力容器の直下まで進めず、途中の作業用レールの上で動けなくなったと明らかにした。サソリは圧力容器近くの映像を撮ったり、放射線量を測ったりする予定だったが、東電は午後3時ごろに電気ケーブルを切って回収を断念した。
(2)東電によると、調査は16日早朝に開始。サソリは午前8時前に格納容器に入り、作業用レールを進んだ。しかし、レールには堆積(たいせき)物が段差を作っており、途中で進めなくなった。ケーブルを引いていったん戻し、再び投入したが、圧力容器の手前付近で完全に動けなくなったという。
(3)サソリは2台のカメラや放射線量計などを使い、レールにこびりついた堆積物や周辺の線量を調べるほか、圧力容器近くまで進んで直下の様子を撮影する計画だった。


 調査さへできないのが、「実態」なのである。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-16 18:10 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大分県の原子力防災研修会で、四国電力が説明。参加の主張から、不満や不安の声が相次ぐ。

 大分合同新聞は2017年2月11日、標題について次のように報じた。


(1)大分県が10日に開いた原子力防災研修会で伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働に理解を求めた四国電力に対し、大分県内の首長からは「安全対策に努力しているのは分かる」と一定の評価が聞かれたものの、「再稼働後の説明は遅きに失した」「脱原発を打ち出すべきだ」「これで大丈夫、とは住民に言えない」と不満や不安の声も相次いだ。(2)トラブルの情報は四国電から愛媛県を通じて大分県に入る仕組みができているが、「万が一の事故が起きた場合は四国電から直接、情報をもらうのが望ましい」との意見も出た。
(3)「3号機は順調に安全、安定運転を継続している。原子力の安全にゴールはないという認識で、安全確保の徹底と情報公開に全力を尽くす」。大分県内の首長ら約100人が集まった大分市内のホテルで、四国電の山田研二常務はこう述べた。担当社員は、耐震性向上工事や電源確保などの対策を講じたと説明した。
(4)昨年8月の再稼働から半年。質疑の場で臼杵市の中野五郎市長は「遅きに失した気持ちはする」と切り出した。中野市長は同1月に3号機を視察した際、「再稼働は人ごとではない」と大分での説明会を求めたが、四国電は否定的だった。
(5)大分県は同原発の重大事故時に海路避難する伊方町民を受け入れる。放射性物質が漏れ出せば影響を受ける可能性もある。今回は市長会の中で「四国電から直接、大分での説明を求めたい」との声が上がった。同12月に市町村長が広瀬勝貞知事と意見交換した際に要望し、県が企画した。
(6)四国電本社がある高松市から同原発は見えないが、国東半島からは肉眼でも見える。国東市の三河明史市長は「市民も心配している。ドイツや地震国の台湾も脱原発へと転換している。いくら安全と言われても、万が一の場合は取り返しがつかない」と訴えた。
(7)豊後大野市の橋本祐輔市長は「福島事故を経験し、これが安全ではないと証明されている。廃炉に向けた努力を」、日出町の本田博文町長は「コスト優先ではなく、安全性重視で取り組んでほしい」と注文した。
(8)大分市の佐藤樹一郎市長は同じく説明に立った愛媛県の担当課長に対し、伊方原発から佐賀関までは45キロの近さにあることを認識してほしいと強調。終了後の取材に「何かあったときは情報が迅速に入ってくることが大事。四国電から直接来る方が市民の安全上、望ましい」との考えを示した。
 四国電の山田常務は「一定の理解が進んだと思う」と感想。大分の自治体への直接の通報は「正式な要望があれば検討していきたい」と話すにとどまった。


 「四国電本社がある高松市から同原発は見えないが、国東半島からは肉眼でも見える。」(大分合同新聞)伊方原発は、あくまで、「コスト優先ではなく、安全性第一」で取り組まなけねばならない。
 現在まで見えるのは、四国電力の利益追求の姿だけである。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-11 12:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島第一原発2号機の格納容器内で、過去最高値となる毎時650シーベルト。

 東京新聞は2017年2月10日、標題について次のように報じた。


(1)東京電力は九日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内に投入した自走式の堆積物除去ロボットで撮影した画像を分析した結果、内部の空間放射線量が毎時六五〇シーベルトと推定されたと発表した。前回調査の同五三〇シーベルトを上回る過去最高値で、数十秒浴びれば人が死亡するレベル。ロボットの走行ルート上には、堆積物で走行できない箇所も見つかった。
(2)堆積物は、圧力容器真下のスペースにつながる機器交換用レール(長さ約七メートル)に付着。圧力容器直下の作業用足場には、溶けた核燃料(デブリ)の可能性がある堆積物があり月内にサソリ型の自走式調査ロボットを投入して確認を目指していたが、調査範囲などが大きく制限される可能性が出てきた。


 六五〇シーベルトは、数十秒浴びれば人が死亡するレベル。
 過酷事故の実態。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-10 12:20 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島2号機、なんと530シーベルト。

 朝日新聞は2017年2月3日、標題について次のように報じた。


(1)炉心溶融事故を起こした東京電力福島第一原発2号機は、原子炉圧力容器の外側でも毎時530シーベルトという高い放射線量だった。人が近づくと死に至る強さで、調査用ロボットを入れる予定だった場所は高熱で穴が開いていた。想像を超える高い放射線量とひどい損傷で、廃炉作業の困難さが改めて浮かび上がった。
(2)2号機の内部では1月30日、溶け落ちた核燃料の可能性がある黒い塊が撮影された。東電がこの画像を調べた結果、内部の様子が明らかになってきた。原子炉圧力容器の底部には制御棒の駆動装置などの機器やケーブルが見える。機器や足場には、燃料や部品などが溶けて混じり合ったとみられる黒っぽい物質がこびりつき、水がしたたり落ちていた。
(3)東電によると、毎時530シーベルトという放射線量は運転中の原子炉圧力容器内と同程度の放射線量にあたるという。これまでは事故後の2012年、2号機の格納容器内で毎時73シーベルトが観測されたのが最高だった。
(4)専門家が注目するのは、530シーベルトという値が、原子炉圧力容器を支える円筒状のコンクリートの外側で推定された点だ。溶け落ちた燃料が原子炉圧力容器の直下だけでなく、広範囲に広がっているのではないかと危惧する。
(5)米スリーマイル島原発事故の解析をした、社会技術システム安全研究所の田辺文也所長は「溶けた燃料が原子炉圧力容器から落ち、大量に外に出ている可能性がある」と話す。
(6)東電は廃炉にかかる期間を30~40年とし、溶け落ちた燃料の取り出しを21年に始めるとしてきた。燃料の取り出し方法もまだ決まっていない。田辺さんは「溶けた燃料がどこにどれだけ、どんな形であるかも分からない。ロボット調査も見直す必要がある。廃炉の作業はさらに時間がかかる」と話す。(香取啓介、佐々木英輔)


 このことが意味するものは、次のことである。


Ⅰ.530シーベルトという値の意味するもの。それは、過酷事故の脅威と現在も汚染され続けているという現実、未来への不安。
Ⅱ.530シーベルトという値が、原子炉圧力容器を支える円筒状のコンクリートの外側で推定されるということ。それは、「溶け落ちた燃料が原子炉圧力容器の直下だけでなく、広範囲に広がっているのではないかと危惧する。」、ということ。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-04 06:00 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島第Ⅰ原発のメルトダウンまたはメルトスルーの実像。

 標題について、毎日新聞は2017年1月31日、柳楽未来記者が次のように報じた。


(1)東京電力は30日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器の真下をカメラで撮影し、足場に何らかの堆積(たいせき)物があるのを確認、画像を公開した。6年前の東日本大震災による事故で溶融した核燃料の可能性があるとみて、詳細な分析を進める。炉心溶融は同原発1~3号機で起きたが、これが溶融燃料だとすると初の撮影になる。
(2)東電は、パイプ(長さ10・5メートル)の先端にカメラを取り付け、圧力容器を囲む原子炉格納容器の貫通口から挿入して内部を撮った。この結果、圧力容器の真下にあるグレーチング(格子状の足場)の複数箇所に黒や褐色に映った堆積物があった。グレーチングが無くなっている部分もあり、溶融燃料落下による損傷の可能性も含めて調べる。圧力容器下部に設置されている制御棒の駆動装置やケーブルなどに大きな損傷は見つからず、炉内に大半の燃料がとどまっているとする従来の解析結果と一致した。
(3)堆積物が溶融燃料ならその近くは放射線が特に強いとみられるが、挿入したパイプには線量計が付いていないため確認できていない。堆積物は圧力容器の保温材やケーブルの被覆材である可能性もあるという。東電は2月から、カメラなどを“尾”の部分に搭載した遠隔操作のサソリ型ロボットを投入し、本格的調査を始める。記者会見した東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は「今回の調査結果を、溶融燃料の取り出しに向けた基礎データにつなげたい」と語った。
(4)国の廃炉計画では、2018年度に1~3号機のいずれかで溶融燃料取り出しの具体的な工法を決定し、21年中に取り出しを開始する。


 また、朝日新聞は2017年1月31日、富田洸平・杉本崇記者が次のように報じた。


(1)東京電力福島第一原発2号機の原子炉直下で30日、黒い塊が初めて撮影された。東電はこの成果を、核燃料取り出しに向けた「大きな一歩」とする。溶け落ちた核燃料か、違うのかを確認するために、東電は来月、調査ロボット「サソリ」を投入。放射線量などを測定する。
(2)「今回の調査で、サソリの進路に大きな障害物がないとわかった。圧力容器の直下まで行けそうだ」。東電幹部は胸をなで下ろした。サソリは2台のカメラや線量計などを搭載して圧力容器の直下まで自走し、作業用の足場などに付着した塊の線量を計測するほか、圧力容器下部がどう壊れているかなどを調べる。
(3)調査で写った黒っぽい塊が、強い放射線を出していることが分かれば、溶け落ちた核燃料だと確認できる。塊の大きさや量、広がりなどは、今後、溶け落ちた核燃料を取り出す方法を決める際の重要な判断材料になるとみられる。一方、1、3号機の内部調査は難航している。東電は2015年、1号機の格納容器に調査ロボット2台を投入したが、途中で動けなくなり、核燃料そのものは確認できなかった。3号機は格納容器内の水位が高く、核燃料や圧力容器下部の様子を調べるには水中用ロボットが必要。東電などはロボットの開発を進めている段階だ。
(4)東電などは、ロボット調査などの結果をもとに核燃料の取り出し方法を決める方針。取り出しは21年から始める計画だが、計画は遅れが続いている。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 12:07 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論が、2017年1月26日、第1回口頭弁論と同様に、大分地方裁判所の第1号法廷で開かれました。
今回も傍聴席に座ってきました。あわせて、弁護士会館で開かれた「報告集会」にも参加しました。 
 今回の口頭弁論では、原告団長の一人でもある中山田さつきさんが陳述を行いました。
 中山田さんは、生活の現場から必然的に起こる疑問や怒りから見た伊方原発の有り様について、説得力のある意見陳述を行いました。この中で、自分自身の「故郷の里山の生活」について、自らが「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発を差し止める意味を、訴えてくれました。
 私の方からは、この意見陳述について、いくつかの感想的なことを報告します。


 中山田さんは、故郷である里山の生活を守りたいと、自らの里山の今を次のように描いてくれました。


 「国東半島は、2013年にクヌギ林とため池による農林業が世界農業遺産に認定された地域です。私たち夫婦も、ため池の水で稲を栽培し、クヌギを原木として椎茸栽培をしています。この地域の農民が代々維持管理してきた里山の恩恵に与っての現在の営みです。いま、私たちも、この後を引き継ぐ人たちへとバトンを渡す役目を担いながら暮らしています。」
 「山里の暮らしは豊です。薪ストーブで暖を取り、お風呂も薪で焚きます。晴には山菜や筍、夏には林の間を流れる涼しい風が吹き、家の前で蛍が飛びます。秋には柿の実や栗が手を伸ばせばそこにあり、夫が山で掘ってくる自然薯の味わいは格別です。稲刈りの時期には刈り取った稲の掛け干しを孫たちが来て手伝ってくれます。そんなひとときは私たち夫婦にとっても幸せな時間です。」


 また、「集落の高齢者は、80歳はもちろん、90最近くになっても、自宅前の畑で野菜をつくり、近所の人たちと散歩をしながら、元気に穏やかに暮らしています。私たちの老後が見えて、何だかほっとします。」、と里山の生活が、地域に生きる人たちにとっていかに大事なものかということを語りかけ、「私はこの暮らしを大事にして、ここで生きていこうと決めています。」、と自分の決意を訴えたのでした。


 次に、中山田さんは、福島に3回行ったと陳述します。
恐らく、中山田さんと同様の里山生活を送っていたはずの福島の人たちの様子をこのように述べます。


 「ゴーストタウンとなった町を、除染の作業車だけが行き交い、途方もない数の除染物を詰めたフレコンバックの山があちこちにありました。街灯だけが灯り、家々の灯がまったく無い夜の村の風景の異様さと寂しさは何と表現していいかわかりません。」
 「楢原町に住んでいた母親を避難させた女性は、『人って壊れるんですよ。母は親しい友人や住み慣れた地域から引きはがされて、認知症が進んだというよりも、壊れちゃったんですよ。』と話してくれました。」
 「山縣に非難した中学生は、親友が通う川俣町の学校に通いたいと、親が決めた避難先の学校に通うことを一年間拒み続けたといいます。」


 この上で、中山田さんは、毅然と、「福島に行き、自分の目で見て、話を聞いて、『原発事故とはこういうことなんだ。暮らしのすべてが根こそぎ奪われるんだ。」と実感しました。放射能を無毒にする方法を持ち得ない限り、『厳罰は絶対にだめだ!』と心底思いました。」、と自分の立ち位置を明確にしたのでした。


 中山田さんは、「故郷の里山の生活」と「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発再稼働を差し止めしなくてはならない理由を、この意見陳述で、根本的な生活者としての視点から。次のように明らかにしました。


(1)転載を机の上で計算して安全対策は万全とすることに、私は大きな違和感を覚えます。自然の驚異が人間の都合の枠に収まるものでしょうか。そして事故の原因は転載だけではありません。人の操作ミス、機械の故障も大事故に繋がります。
(2)非難すれば、何年も何十年も、もしかしたら一生、ふるさとに帰れない避難になるのです。福島第1原発の地元、双葉町の当時の町長だった井戸川克隆さんは『避難した後の避難生活の計画は避難計画にはまったく無い。避難すべきは原発なんだ。生活圏にあってはならない。』と反省を込めて言われました。
(3)伊方原発で過酷事故が起き、風向きが大分方向だったら、福島の現実は、大分県に住む私たちの現実になります。


 中山田さんは、前回陳述の徳田弁護士と同じように、「福島原発事故から、『チェルノブイリのような万が一はそんなに起きないだろうと思ってはいなかったか?本当に真剣に原発事故を起こさないためにやれることを全部やってきたのか?』と自分のこれまでの姿勢を問われました。」、とまずは、真摯に自分に向き合っています。
 そして、意見陳述の最後に、裁判官にこう言葉を届けました。
 実は、報告集会で、新聞社の記者に「何が一番言いたかったのか」、と聞かれた中山田さんは、この最後の言葉を裁判官に届けたかったと回答していました。


「政治を嘆いているだけでは、動き始めた危険な原発は止められません。再び事故を起こさせないために自分ができることが裁判でした。司法が、私たちが安全に生きる権利を定めた憲法の下、差止判決を出すことを信じて、この裁判を起こしました。裁判官の皆さん、現在と未来を脅かすことにない、脱原発社会を切りひらく司法判断をして下さい。」


 さて、報告集会で、最も参加者をあっと言わせた報告は、仮処分で裁判官にプレゼンをした小森弁護士の「『わりきり』と『えいやあー』でものごとを決めている」、というものでした。
 この言葉は、日本の原子力行政だけでなく、日本という国の薄っぺらな人権感覚を如実に表しています。
 最後に、3月末にもと噂されていた大分の仮処分決定ですが、5月11日に4回口頭弁論が開かれることになったとの報告がありました。この辺の経過については、「よくわからない」、との報告があわせてなされました。


by asyagi-df-2014 | 2017-01-29 13:04 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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