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原爆投下時の屋内の被曝線量が約3割低く算定されている可能性。

 朝日新聞は2017年6月5日、標題について次のように報じた。


(1)原爆投下時、建物の中で被爆した人が受けた放射線量が、約3割低く算定されている可能性があるとの研究結果を広島大名誉教授らのグループが明らかにした。建物などが放射線を遮る影響を過大評価している可能性を示唆したものだと指摘している。広島大の大瀧慈(めぐ)名誉教授(統計学)らのグループが4日、広島市で開かれた「原子爆弾後障害(こうしょうがい)研究会」で発表した。
(2)研究では、日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研)が公表している被爆者(広島1980人、長崎1062人)の染色体異常の発生頻度と被曝(ひばく)線量の関係性を再解析。その結果、建物などによる遮蔽(しゃへい)の影響が過大評価され、屋内被爆で約29%線量が低く算定されていることがわかったという。
(3)広島の屋内被爆者と屋外被爆者の染色体異常の頻度を比べると、屋内の方が約40%高いことも判明。外部から入り込む粉じんなどによる内部被曝の影響の可能性があると研究グループは指摘している。
(4)被曝線量の算定の対象となるのは原爆炸裂(さくれつ)時の初期放射線で、屋内で被爆した人の健康被害は一般的に小さいと捉えられてきた。研究グループは「放射線被害は初期放射線だけでは説明できない。線量評価システムの再構築が必要だ」としている。


 確かに、「放射線被害は初期放射線だけでは説明できない。線量評価システムの再構築が必要だ」、ということになる。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-09 09:01 | 書くことから-原発 | Comments(0)

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、国内最悪の内部被曝。

 朝日新聞は、標題について、2017年6月7日の早朝、次のように報じた。


(1)6日午前11時15分ごろ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、作業員5人がウランとプルトニウムが入った保管容器を点検していたところ、放射性物質が漏れて被曝(ひばく)した。このうち3人は、プルトニウムによるとみられる最大24ベクレル(アルファ線)の汚染が鼻腔(びくう)内に確認された。体調不良を訴える作業員はいないが、原子力機構は体内に入った放射性物質から被曝する内部被曝の有無を調べている。放射性物質の外部への影響はなかったという。
(2)原子力機構によると、事故があったのは高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。実験が終わった核燃料は容器に入れ、それをビニールで二重に包んだ後、さらに直径10センチほどの円筒形の金属容器に入れていた。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、ビニールが破れて放射性物質が飛散した。圧力の変化が影響したとみられるという。
(3)5人の防護服や手袋が汚染された。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔内からは汚染が確認された。原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としている。
(4)原子力規制委員会は、地元の保安検査官が立ち入り検査し、現場を確認した。原子力機構は今後、5人が内部被曝をしていないか数週間かけて調べるという。


 当初、原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としていたが、事故の被害は予想以上に深刻で、「過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は『将来、健康被害が出る可能性があり、長期的に経過を観察しなければならない』としている。」、ということが明らかになった。
 朝日新聞は次のように続けて報じた。


(1)茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、このうちの1人で50代の男性職員の肺から、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。暫定で1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「急性の放射線障害が出るほどではない」としている。
(2)原子力機構によると、残る4人からはプルトニウムは検出されなかったが、この男性を含む3人から最大220ベクレルのアメリシウムも検出された。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤を注射する処置を受け、7日午前に千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。
(3)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散した。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。原子力機構によると、この作業でビニールが破れることを想定していなかったため、作業は密封した状態ではなく、一部が開いた作業用の箱の中で行っていた。
(3)原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある」と問題視した。


 さらに、朝日新聞が次のように報じた。


(1)原子力機構によると、20~40代の3人の肺からも容器内の放射性物質が検出された。残りの40代の1人も内部被曝した可能性が高いという。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤の点滴を受け、7日午前に、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送された。放医研で正確な内部被曝量を測定する。
(2)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。6日に保管状況を確認するため、保管容器のフタを開けたところ、突然、放射性物質が入ったポリ容器を包んでいたビニール袋が破れ、粉状の放射性物質が飛散した。
(3)原子力機構は、この作業でビニール袋が破れることを想定しておらず、作業は密閉した状態で行われていなかった。口と鼻を覆うフィルター付きの特殊なマスクをして作業していたが、内部被曝した。
(4)保管容器はウランとプルトニウムを封入した1991年以降、年に1回、容器の外観は点検していたが、26年間、内部は一度も点検していなかったという。同じものが入った保管容器が20個残っているといい、原子力機構は今後、容器内の状況を調べるという。
(5)原子力規制委員会の田中俊一委員長は7日の記者会見で「これまで(プルトニウムを扱う作業で)事故がなかったことで、プルトニウムに慣れすぎたのではないか。原子力機構は真剣に反省し、手順を考え直すべきだ」と語った。


 2万2千ベクレルの内部被曝とは、すでに、原子力機構は当事者能力を失っていることを示すものである。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-08 12:19 | 書くことから-原発 | Comments(0)

ロバート・ゲラ―元東京大教授の「日本政府は地震予知ができないことを認めるべきだ」との警鐘を受け取ることができるか。

 このことについて、朝日新聞は2017年5月18日、次のように報じた。


(1)日本政府は地震予知ができないことを認めるべきだ――。こう題した論考が英科学誌ネイチャーに18日、掲載された。東日本大震災から6年を経ても、科学的根拠が乏しい地震予知や長期予測に頼っているとして、防災政策を改めるよう促している。
(2)筆者は米国生まれで、今年3月で東京大教授を退職した地震学者のロバート・ゲラーさん(65)。1984年に来日して以来、日本の地震研究が地震の予知に偏っていることに疑問を抱いてきた。
(3)論考では、東海地震に備えた大規模地震対策特別措置法(大震法、1978年施行)が、地震の前兆現象の観測を前提にしていることや、南海トラフ地震などの大地震が周期的に起こるという考えに基づき、発生する確率を算出していることについて、いずれも「科学的根拠はない」と指摘している。一方で、東日本大震災を起こした地震は「想定外」だとして、現在も予知や予測に基づいた政策を続けていることは不適切だと批判した。
(4)ゲラーさんは「政府は国民に正確な直前予知ができないことを伝え、堅実な科学研究に基づいた地震対策をすべきだ。ネイチャー誌も、東日本大震災後に改善の兆しが見られない日本の地震学の状況を憂慮して論評の場を提供してくれたのではないか」と話している。


 この警鐘は、原子力規制委員愛の根拠をも揺るがす。
 日本という国で、原子力発電所がある場所はない。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-20 08:35 | 書くことから-原発 | Comments(0)

関西電力は、高浜原発4号機を再稼働させる。

 朝日新聞は、標題について次のように報じた。



(1)関西電力は17日午後5時、高浜原発4号機(福井県、出力87万キロワット)を再稼働させた。関電の原発が動くのは約1年2カ月ぶり。これで国内で運転中の原発は、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)と合わせて計4基となる。
(2)高浜4号機は、2016年2月にいったん稼働したが、3日後に発電機と送電線をつなぐ作業中のトラブルで緊急停止。その後は、大津地裁が出した運転差し止めの仮処分決定を受けて動かせなかった。
(3)今年3月、大阪高裁がこの仮処分を取り消したことで、関電は4号機から再稼働させた。今月22日に発電と送電を始め、6月中旬に営業運転に入る。関電は3号機も6月上旬に再稼働させ、7月上旬には営業運転に入る予定。その後、電気料金を値下げする考えだ。
(4)今後も原発の再稼働は相次ぐ見通しだ。九州電力は夏にも玄海3、4号機(佐賀県)を、関電は10月にも大飯3、4号機(福井県)を再稼働させる方針だ。





by asyagi-df-2014 | 2017-05-17 17:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第4回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第4回口頭弁論・第7回審尋が、2017年5月11日14時30分より、大分地方裁判所で開催されました。今回も傍聴参加と報告集会に参加してきました。
これまでと同様に第1法廷で開催された裁判に、今回もまた、多くの参加者が集まりました。
 今回は、武内裁判長から、佐藤裁判長に変更になったことと114名が第2次追加訴訟に踏み切った中での大きな意味を持つ口頭弁論になりました。
  今回もまた、本訴訟は、20分のほどの時間で終了しました。
 しかし、原告の古手川美咲さんと訴訟代理人の岡村正淳弁護士の意見陳述は、熱のある
自らの想いを吐露する素晴らしいものになりました。


報告集会で、「今まで移住の理由を話したことはない。今日は勇気を出して話をした。原発で苦しんでいるすべての人たちを助けていただきたいとお願いした。」、と語った神奈川県から大分県別府市に3.11を受けて移住した古手川さんの意見陳述は次のものでした。


(1)私は、原発事故をきっかけに2013年1月に神奈川県から母と妹と猫の一家で移住してきた26歳の会社員です。
(2)関東に放射能が降り注いだ2011年3月15日と21日、大学2年生だった私は、屋外に居ました。マスクもせず、雨にも濡れました。事故後、海外ではすぐに公表された放射能の情報が、日本では隠され、私たちは、知っていたらできたはずの被ばくの対策を取ることができませんでした。今では、そのことに関する報道はほとんどなく、なかったことのようにされています。しかし、私は、一生忘れません。
(3)2011年8月、大学3年生の時、体中に赤い水ぶくれのような湿疹ができ、その一部は黒く変色し、ほくろとなって残るという症状が現れました。生まれて初めての症状に怖くなって、すぐに家族に見せました。病院で診察を受けると、お医者さんからは「原因不明」と言われました。もしこの症状が未来の自分への警告だったらとしたら、そう考えたら、とても怖くなりました。
(4)私は、これらの知識を得て、ただただ怖くなりました。そんな私に、母から「あなたたちの子どもに何かあったら、お母さんは死んでも死にきれない。」と涙ながらに言われました。その時、自分の命は将来の子どものための命でもあることに気づき、私は、移住を考えはじめました。
(5)原因不明の湿疹は増え続け、2012年7月、大学4年の時、ウイルスによる病気で2週間入院しました。その病気は、免疫力が高ければ入院しなくても自然に治る病気だったので、なぜそこまで悪くなったのか自分にもお医者さんにもわかりませんでした。もしこれが放射能によるものだったら、私は10年後健康でいられるのだろうかと怖くなりました。
(6)こうしている間にも、福島の原発からは、ずっと放射性物質が風向きによっては関東に流れているというスイス気象局の放射能拡散予測を見た時、私は、もう関東には住めないと思いました。こうして私は、移住を決意したのです。
(7)ですが昨年、伊方原発が動いた知らせを聞いた時、言葉では言い表せられないほどの恐怖を感じました。地震、テロ、ミサイルなど、事故が起きる可能性はゼロではありません。伊方原発が事故を起こし、大分県が汚染され、自分や自分の大切な人の健康がむしばまれていくことを想像すると目の前が真っ暗になります。次は私はどこに逃げればよいのでしょうか。もうどこにも逃げたくありません。


 古手川美咲さんは、「裁判官の皆さんにも、きっと私と同じように大切な人、守りたいものがあると思います。伊方原発が爆発した時、私たちは、その人を守れるのでしょうか。原発が停止して大切なものを守れるなら、安心して暮らせるなら、これ以上の幸せはないと思いませんか。・・・もし、願いが一つだけ叶うなら、放射能が降り注いだあの日以前に戻してほしいです。でもそれはできません。だから、もう二度と同じ悲劇が繰り返されされないように、原発を止めるしかないと思っています。」、と意見陳述を結んでいます。


 また、報告集会で「裁判官に謙虚になって欲しいということ。司法が何をすべきかということ。それは、矜恃と責任感ということでもある。・・・地元の弁護士が地元の弁護士が本気を示すことが大きな影響力になる。」、と今回の訴訟の意義を説明した岡村正淳弁護士の陳述内容は、次のものでした。


(1)その背景には、昨年4月の熊本大分大地震を契機に一段と高まった、佐賀関半島と目と鼻の先にある伊方原発が同じような地震に見舞われたらどうなるのか、福島と同じ状況になるのではないか、どんなことがあってもそのような事態は差し止めなければならないという切迫した危機感がありました。その危機感と、原告弁護団団長河合弘之弁護士をはじめとする脱原発弁護団全国連絡会の皆さんが切り開いてきた司法による原発差し止め、脱原発の可能性に関する展望とがあいまって、仮処分及び本訴が提訴されたものです。
(2)個人的にも、当時千葉県松戸市に住んでいて5月に出産予定だった長女が、放射能汚染のホットスポットにあたり、水道水も汚染され、コンビニエンスストアに水もないとして急遽大分に避難してきた大分で出産したということがありました。
(3)その後使用済み核燃料の保管施設オンカロに関するフィンランドの映画を見て、原発と人類は共存できないとの想いを深めました。
(4)大分における原発訴訟の胎動及び先進弁護団の献身的な姿勢に、怠惰な私も覚醒を余儀なくされました。福島原発事故まで厳しい判決が続いてきた原発訴訟で、仮処分により現実に原発の運転を差し止めることができたことを、そこには、原発の安全性に対する司法審査の在り方に関する論理の深化発展があり、判決文の中には、裁判官がまさに全身全霊を込めたと思われる彫心鏤骨の文言が刻まれていることを知りました。個人の尊厳、幸福追求権を保障している憲法の下、良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律のみに拘束される裁判官の矜持と張り詰めた責任感がここに凝縮されているように思います。
(5)裁判は、さまざまな主張が交錯する場であり、様々な見解があり得ることは当然です。しかし、原発の運転が許容される安全性の基準は、「福島原発のような過酷事故を二度と起こさないという意味での『限定的』絶対的安全性。ないしは絶対的安全性に準じる極めて高度な安全性(深刻な災害が万が一にも起こらない程度の安全性)」と解すべきです。


 岡村弁護士は、「私は昨年12月3日、熊本地震の震源地である益樹町の被災地を訪ねました。地震の発生する日時、場所、規模等に関する科学の予知能力の限界、地震という自然災害に対する人間の無力を思い知らされました。それでも、自然災害だけであれば、人や共同体はそれを乗り越えていくことができます。しかし、福島原発は、廃炉の行程も未だ明らかでなく、汚染水は海に垂れ流され、地元への全面帰還に至っては、果たしてそれが可能かすら明らかでなく、共同体は引き裂かれたままです。伊方原発には、南海トラフや中央構造線断層帯の脅威もあります。私は今、先進的な弁護団の豊富な蓄積に謙虚に学び、一人の人間として原発に真摯に立ち向かいたいと考えています。」、と意見陳述を終えています。


 さて、本訴訟の短さに比べて熱と勢いのある報告集会で、はっきりしたことは、次のことでした。
  河村弁護士は、次のことを説明しました。
(1)裁判長の交替があったが、新規まき直しの感じで、「早急に決定がでるという状況ではない。」、ということ。
(2)これまでは、基準値震動の問題に絞るということで進めてきたが、裁判長の「それでいいんですか」という質問があったので、変更したいと回答したということ。
(3) その内容は、①火山灰の規制基準の問題、②北朝鮮のミサイル-何故原発を止めないのか- の問題、③島崎前規制委員会委員長代理の基準値震動の指摘事項の問題、④避難の問題、⑤大阪高裁及び広島地裁判決への批判の展開、ということでした。なお、次回までに書面を提出する予定とのこと。
 また、この火山灰の問題については、中野弁護士より詳細な説明がありました。
特に、今回の報告集会では、松本共同代表から、裁判の在り方に関して、「裁判の中で、健康被害の問題を取りあげるべきではないのか」、という問いか掛けが出されました。
このことについて、河村弁護士は、「原発事故の最大のものは健康被害である。原発裁判の中核を成すものである。」、と答えました。ただ、「確かに、問題がある。今までのところ政府や福島県の対応で闘いにくくなっている」という状況の中で、それができていない状況があると答えていました。

 今後の日程については、第5回口頭弁論は7月20日(木曜)、第6回口頭弁論は10月11日(水曜)が決定したとの報告がありました。あわせて、今後どれぐらいの口頭弁論が開かれるのかについては、2~3回かなと、報告していました。
最後に、岡村弁護士は、「迷った時には裁判所は『世論』に従う」、との自らの風成闘争での経験を話してくれました。
 やはり、住民参加では「大分県最大規模になった」(岡村弁護士談)伊方原発訴訟の行く末は、原発を止めるという人の波で裁判所を覆い尽くし、私たちの熱い息づかいを裁判官に伝えることができるのかということに係っています。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-15 05:54 | 書くことから-原発 | Comments(0)

九州電力川内原発の安全性などを検証する鹿児島県の専門委員会座長の宮町宏樹鹿児島大大学院教授(火山物理学)が、九州電力から南九州の地下構造を調べる約2億円の研究を受託していた。

 こうした問題が発覚した時、当該者は常に「判断に影響ない」と弁明してきた。
しかし、どう考えても、間違っている。
 もらう方も、出す方も、そして行政の側も、全く倫理観が欠如している。
西日本新聞は2017年5月4日、標題について次のように報じた。


(1)九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全性などを検証する県の専門委員会の座長を務める宮町宏樹鹿児島大大学院教授(火山物理学)が、九電から南九州の地下構造を調べる約2億円の研究を受託していたことが分かった。宮町教授は3日、県庁で記者会見し、公平性が保てないとの指摘に「事実を曲げることも、専門委の判断に影響することも全くない」と説明した。
(2)研究は姶良カルデラを含む南九州の地上や海中に約500台の地震計を設置。人工地震の地震波を読み取り地下構造や深部のマグマだまりを解析する。2017年度から3年間の予定。
(3)宮町教授によると、研究は14年ごろから九電側と協議。昨年12月に設置された専門委への参加を県側から打診された際、受託の可能性を説明したが、県は問題視しなかったという。
(4)宮町教授は「研究成果に口出しなしを条件に受託した。原発に不利なデータも公表する。火山は鹿児島特有のテーマ」と述べ、研究結果は専門委でも議論の素材にすると強調した。県原子力安全対策課は「受託は個人の問題。今後も技術的見地から助言を頂くことに変わりない」としている。
(5)宮町教授は13~16年度、九電から離島周辺の地震研究を6千万円で受託、グループ企業から寄付500万円を受けたことも判明している。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-07 12:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

玄海原発3・4号機の再稼働に、佐賀県知事は同意の表明。

  毎日新聞は2017年4月24日、標題について次のように報じた。


①「佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は24日、臨時の記者会見を開き、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の再稼働への同意を表明した。玄海町と同町議会、県議会は既に再稼働を認めており、一連の地元同意手続きは終わった。九電は国による工事計画などの認可を経て、年内にも再稼働させたい考えだ。」
②「国の新規制基準に基づく原発の再稼働に地元が同意するのは、九電川内(せんだい)原発(鹿児島県)▽関西電力高浜原発(福井県)▽四国電力伊方原発(愛媛県)--に続く4原発6、7基目で、このうち川内1、2号機と伊方3号機が稼働中。再稼働後に司法判断で停止した高浜3、4号機も、3月に大阪高裁が運転差し止めの仮処分を取り消す決定を出したため、関電は5月にも再稼働させる準備を進めている。」
③「原子力規制委員会は今年1月、玄海原発が新規制基準に適合するとした。その後、玄海町や町議会の同意手続きと前後して山口知事は県民説明会を開くなどしてきた。また4月に入って、山本公一原子力防災担当相、世耕弘成経済産業相と相次いで面談。避難計画の拡充や安全対策に、国が責任をもって取り組むことなどを確認できたとして、再稼働を容認することにした。」
④「今後、原子炉の安全対策に関する『工事計画』などの認可審査が残っている。ただ規制委の審査が長引く可能性もあり、九電が目指す年内の再稼働が実現するかどうかは判然としない。玄海原発の再稼働を巡っては、避難計画の作成が義務づけられている原発から30キロ圏内の8市町のうち半数の4市長が反対を表明。玄海町と県の同意だけで再稼働が認められることへの反発が強まっている。【関東晋慈】


 さて、大事なことは、「避難計画の作成が義務づけられている原発から30キロ圏内の8市町のうち半数の4市長が反対を表明。」(毎日新聞)、ということである。このまま、再稼働に向かうことは間違っている。




by asyagi-df-2014 | 2017-04-24 19:59 | 書くことから-原発 | Comments(0)

広島地裁は、伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを却下。

 朝日新聞2017年3月29日、標題について次のように報じた。



(1)稼働中の四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)をめぐり、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は30日、広島市と松山市の住民計4人が運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを却下した。
(2)仮処分は東日本大震災から5年となった昨年3月11日に申し立てられた。非公開の審尋では、四電が定めた耐震設計の基本とする揺れの大きさ(基準地震動)が適正か否かが、主な争点となった。
(3)住民側は伊方原発は南海トラフ震源域にあり、中央構造線断層帯に近いと指摘。二つの特別な地震リスクがあり、東京電力福島第一原発事故後に定められた新規制基準に基づき審査を受けているほかの原発と比べても四電が基準地震動を最大650ガルに定めたのは過小評価としていた。
(4)今回の決定で吉岡裁判長はまず、基準地震動に関する新規制基準に不合理な点はないと判断。四電は信頼性のある手法を用いて基準地震動を策定しているとし、新規制基準に適合しているとした規制委の判断にも不合理な点はないと述べた。これらから、住民の人格権が侵害されるおそれがあるとはいえないとして申し立てを退けた。
(5)稼働中の原発を差し止める仮処分をめぐっては、大津地裁が昨年3月、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の差し止めを決定。しかしこの決定は大阪高裁が28日に取り消している。
(6)今回仮処分を申し立てた住民側は、伊方原発1~3号機の運転差し止めを求める訴訟も広島地裁に起こしており、現在係争中。また松山、大分の両地裁、山口地裁岩国支部でも今回と同様の仮処分が申し立てられている。(久保田侑暉)」





by asyagi-df-2014 | 2017-03-30 20:36 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大阪高等裁判所は2017年3月27日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた2016年3月の大津地裁の仮処分を取り消す。

 東京新聞は2017年3月29日、標題について次のように報じた。


(1)関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた昨年三月の大津地裁の仮処分について、大阪高裁は二十八日、関電の抗告を認めて取り消す決定をした。二基が法的に再び運転可能となり、稼働中の原発を止めた全国初の司法判断は約一年で覆った。
(2)関電の岩根茂樹社長は同日の記者会見で、二基の再稼働の時期は未定と説明したが、地元の了解を経て、早ければ四月下旬にも運転を再開する見通し。
(3)高裁の山下郁夫裁判長は決定理由で、東京電力福島第一原発事故後に策定された原子力規制委員会の新規制基準を「事故から得られた教訓を踏まえ、最新の科学・技術的知見に基づき策定された」と指摘。原発が新規制基準に適合した場合、危険性の立証責任は住民側にあるとした。地裁決定で「危惧すべき点がある」と指摘された過酷事故対策や基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の想定も、新規制基準に沿って適切に考慮され「事故時に炉心の著しい損傷を防ぐ確実性は高度なものになっている」と判断した。
(4)抗告審では地裁決定後に発生した熊本地震も争点となり、住民側が新たに「大きな揺れが連続して起きると想定していない」と主張。決定は「高浜原発で基準地震動規模の揺れが連続するとはほぼ考えられず、起きたとしても安全性は確保されている」と退けた。
(5)住民側は今後、特別抗告などの手続きで最高裁の判断を仰ぐことができるが、憲法違反などの要件が定められ、退けられた場合に全国の同種裁判へ与える影響も考慮して慎重に対応を検討する。
◆高裁 住民目線ほど遠く
(6)関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認めた二十八日の大阪高裁の決定は、原子力規制委員会の策定した新規制基準に全く疑いを挟まなかった。その姿勢に住民目線は感じられない。東京電力福島第一原発事故は、社会から要求される原発の安全水準を格段に高めたはずだ。一年前、稼働中だった原発を初めて止めた大津地裁の仮処分決定は、事故が起きれば長期にわたって暮らしを奪われる地元住民に寄り添い、新規制基準が納得できるものかどうかを厳しく問うた。
(7)福島の事故前、原発訴訟の判断を方向付けてきたのは、行政の設置許可を尊重した一九九二年の四国電力伊方原発訴訟の最高裁判決だった。昨年の大津地裁や同じく差し止めを認めた二〇一五年の福井地裁は、新規制基準の妥当性まで踏み込み、原発事故後の新しい司法のアプローチを示した。しかし今回の大阪高裁は規制委が自らつくった解説資料に依拠し、「新規制基準は合理的」と認定。専門家の意見に追随する事故前の枠組みに戻った。
(8)原発停止を求める大勢の人々が全国で訴えを起こしているのは、国も電力会社も再稼働に前のめりになる中、新基準をチェックする最後のとりでとしての役割を司法に求めるからだ。今回の決定後も原発訴訟はやまないだろう。事故の教訓を置き去りにするのか。司法の役割が問われている。(角雄記)」


 「原発が新規制基準に適合した場合、危険性の立証責任は住民側にある」とする考え方は、まさしく「安全神話」の復活である。
 またもや、日本の司法は、その独立性を損ねた。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 10:10 | 書くことから-原発 | Comments(0)

「福島原発事故による避難者の損害賠償請求訴訟前橋地裁判決を受けての会長談話」を読む。

 前橋地裁は、2017年3月17日、東京電力福島第一原発事故で群馬県に避難した人や家族ら137人が国と東電に1人当たり1100万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決を出した。
 このことについて、日本弁護士連合会は2017年3月17日、「福島原発事故による避難者の損害賠償請求訴訟前橋地裁判決を受けての会長談話」を発表した。
 この会長談話の要約は、次のものである。

Ⅰ.判決の意義


 全国で起こされている東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)事故による被害の賠償を求める集団訴訟の中で、初となる判決となったこと。


Ⅱ.判決の内容


 福島第一原発事故の原因について詳細に判示するとともに、国について、2007年(平成19年)8月頃には規制権限を行使すべきであったとし、同不行使についての違法性を認め、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)については、慰謝料の考慮要素としてではあるが、2002年(平成14年)中には原発の非常用電源設備を浸水させる程度の津波の到来が予見可能であり、現実に2008年(平成20年)5月にはその到来を予見していたと判示し、ともに賠償責任を認めた。


Ⅲ.判決の留意点


 当連合会は、福島第一原発の事故の原因が明らかにされるとともに、この事故によって被害を受けた住民に対して、被害の実情に即して必要かつ十分な賠償がなされるよう求めてきた。本判決がこのような要請に十分応えたものになっているかについてはなお検討を要するものである。


Ⅳ.日弁連としての主張


 日弁連は、次のことを求めることとしている。


(1)めて東京電力と国に対しては速やかに被害を受けた住民に十分な賠償を行うこと。
(2)原子力損害賠償紛争解決センターに対しては、被害者の個別事情に応じた賠償の和解仲介を行う運用に努めることを求めるとともに、国に対して、応急仮設住宅と民間借り上げ住宅の無償提供の本年3月末での打切りを撤回し、適切な措置を講じること。


 この判決内容のポイントについては、「東電は高い津波の到来を遅くとも02年に予見でき、08年には実際に予見していた。」、「東電が津波対策をとっていれば、原発事故は発生しなかった。」、「国も津波到来を予見できる状況だったのに、事故を未然に防ぐための命令を東電に出さなかった。」、と朝日新聞は指摘している。
 つまり、国及び企業のそれぞれの責任のあり方が、これからは問われると言うことである。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-22 12:57 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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