カテゴリ:書くことから-原発( 259 )

原発問題-無答責の極み

 例えば、2015年1月28日の東京新聞の「国の原子力委員会は二十七日、原発事故時の被害者への賠償について定めた『原子力損害賠償法(原賠法)』の改正に向け、有識者による作業部会をつくり検討を始めることを決めた。政府は事故時の電力会社の責任範囲や賠償額に上限を設け、電力会社が将来にわたり原発事業を継続できる環境を整備する考え。」という記事をどのように考えたらいいのだろうか。

 「3.11」の回答がこのことだとするなら、あまりにも愚かである。
 まさしく、無答責の極みである。


 このことに対峙するのは、アウシュビッツ解放70年でのドイツガウク大統領の次の言葉(27日)である。

 「アウシュビッツ(の反省)なくしてドイツのアイデンティ-はない。私は生きる限り、ドイツが人類に対して大変な罪を犯したことに苦しむ続けるだろう」

 今の日本の姿を見極めるために、この言葉を噛みしめる必要がある。

 以下、東京新聞の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2015-01-29 20:52 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題から日本の姿を-安全管理への考え方が非常にずさん。作業員や住民の安全を第一に作業をするべきだ

「福島第一原発のがれき撤去作業中に、放射性物質を含んだ粉じんが飛ばないようにする飛散防止剤をメーカーの推奨する濃度より10倍以上に薄め、散布回数も大幅に減らすよう東京電力が指示していたことが分かった。」
 朝日新聞は、2014年12月31日、東電の許されない判断について、報じた。

「8月12日と19日の作業中には放射性物質が飛散して放射能濃度が高くなって構内の警報がなり、作業員計12人に汚染が確認された。19日の放射性物質の放出量は規制庁試算でふだんの6700倍だった。東電は「飛散防止剤の散布不足のために起きた」としている。うち1度は3キロ先で空間線量が上昇しており、東電は「飛散の影響である可能性がある」としている。」という東電の実態。
 このことについての、「メーカーの担当者は『100倍希釈では水と同程度の効果しかない。粉じんを防止剤で湿らせている間に作業するのが原則なのに数日以上も放置すれば飛散するのは当然だ』としている。」との事実。
 そして、「立命館大学の森裕之教授(公共政策)は『安全管理への考え方が非常にずさん。作業員や住民の安全を第一に作業をするべきだ』としている。」というあたりまえの批判。

 この記事の事実を、2014年の総括にしなければならないことが、まさしく今の日本の姿なのである。

 変えなければならない。

 以下、朝日新聞の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2014-12-31 08:31 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-また再びくり返すのか。高浜3、4号機 審査書案了承。

東京新聞は、原子力規制委員会が十七日に、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が原発の新しい規制基準に適合しているとの審査書案を了承したことに関し、大きなリスクとして指摘されてきた原発が集中立地している問題について、田中俊一委員長らが、「仮に同時多発的に原発事故が起きても、広域的な影響の前に事故は収束でき、集中立地のリスクを検討する必要はないとの見解を示した。」と、報じた。
 このことについては、「田中氏は『大規模破断が起きれば別だが、新基準を満たしていれば各号機で対応できる』と述べた。審査担当者も『新基準は七日間、外部支援なしで事故対応を求めている。個々に審査すればよい』と述べた。」とも伝えている。
 また、「新基準では非常用電源など対策が強化された。ただ対策を突破される事態を想定するのが新基準の理念。電力会社には対策を上積みさせるはずだった。しかし審査は新基準を満たせば放射性物質放出があっても、周辺原発の作業に影響がある事故にならないことを前提にしている。半島内の高浜原発に車で行ける道は県道一本。途中寸断されると孤立する。田中氏はこのリスクに『(審査で)みている』と述べた。しかし本紙の関電などへの取材では、県道脇の斜面の補強工事はしているが、代替ルート建設は検討されていない。」と、反論を加えている。

 今回の原子力規制委員会の判断は、原発の集中立地の問題だけでも、あまりにも不充分である。

 以下、東京新聞の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2014-12-19 05:45 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-田中俊一委員長(2014年11月5日)の記者会見から

日本火山学会原子力問題対応委員会は、 2014年11月2日、「巨大噴火の予測と監視に関する提言」を行った。
特に、「噴火警報を有効に機能させるためには,噴火予測の可能性,限界,曖昧さの理解が不可欠である.火山影響評価ガイド等の規格・基準類においては,このような噴火予測の特性を十分に考慮し,慎重に検討すべきである.」という提言については、原子力規制委員会に大きな不満(影響)を与えたと見え、2014年11月5日の原子力規制委員会田中俊一委員長の記者会見の中で、このことに関してのいささか主観的すぎる反論が行われている。
 この会見の模様については、原子力規制委員会のホームページの「原子力規制委員会記者会見録」を参照されたい。
 この田中委員長の会見について、「抗議声明」というかたちで、批判がなされている。
 ここでは、この「抗議声明」を参考に、田中委員長の記者会見での発言を批判する。

 第一番目に、「火山の専門家の警告を無視していたのは原子力規制委員会」ということについてである。
 記者会見での発言の引用の一部は、次の通りである。

「だから、火山学会が今さらのごとくそんなことを言うのは、私にとっては余り本意ではないですね」
「だから、逆に言うと、とんでもないことが起こるかも知れないということを平気で言わないで、それこそ火山学会を挙げて必死になって夜も寝ないで観測をして、我が国のための国民のために頑張ってもらわないと困るんだよ。」
「言葉尻を捉えてというつもりはないのですが、火山学会が今さらそんなことを言うのは私にとっては本意ではないというのは、少し言い過ぎなのではありませんか。」という質問に対して、「そんなことないと思いますよ。国会で、私が1回このカルデラ噴火のことでいろいろ議論があって、そこから何か急にカルデラ噴火がどうのこうのと騒ぎ出したけれども、そんなに日本にとって非常に極めて大変な1億2,000万人も死んでしまうような状況が起こる自然現象があるのだということであれば、それが相当の確率で起こるということであれば、もっと早急に発信して来るべきではないでしょうか。それが科学者の社会的責任なのですよ。そういう点で、私は委員長としてではなくて、科学者としてそういうところを本意ではないと思うのです。」


 このことについて「抗議声明」は、次のような反論をする。
①原子力規制委員会は、委員にも原子力規制庁にも火山の専門家が一人もいない状況で、火山審査から専門家を排除し、専門家による警告を無視し続けたという事実があること。
②川内原発の適合性審査では、ヒアリングの機会すらなく、審査書案が出た後8月25日になってようやく、火山モニタリング検討チームが開催され、火山学会原子力問題対応委員会石原和弘委員長、火山噴火予知連絡会藤井敏嗣会長、火山ガイド策定時に唯一、専門家としてヒアリングを受けた東大地震研中田節也教授らが招へいされたに過ぎないという事実でしかないこと。

 実は、火山モニタリング検討チームは、8月25日の会議で、川内原発の火山審査について、次のような指摘を行っている。
①運用期間中の破局的噴火の可能性が十分小さいとする原子力規制委員会の判断に疑義があること。
②モニタリングにより噴火の予知・予測は可能であるとする九州電力の主張に根拠がない
こと。
③マグマ供給の変化が地表のモニタリングでは把握できない可能性があり、地下のモニタリングが必要であること。
④カルデラ火山のモニタリングが事業者の手に負えるものではないこと。
⑤前兆が現れるのはせいぜい数ヶ月前であり、核燃料搬出の時間的余裕をもって予測することなど不可能であること。

 この指摘と、「抗議声明」の批判は、規制委員会委員長の会見内容を遙かに超えた整合性を持っている。

 第二番目に、「3ヶ月で核燃料の搬出はできる」ということについてである。
 記者会見での発言の引用の一部は、次の通りである。

「5年前に予測するというのは無理だと皆さんおっしゃっているわけで、そこをできるというのが安全神話なのではないかという批判があるわけです。」という質問に対して、「放射能に汚染されると言うけれども、どの程度の汚染の広がりかということですよ。別にシミュレーションすることもないでしょう。核実験とかいろいろな核爆弾とかそういう経験もあるわけですから、冷静によく考えたらどうですか。」
「これまで伺っていた話だと、年単位、通常であれば5年程度と伺っていたのですけれども、その3ヶ月というのは、具体的にどのようにやったら3ヶ月でできるということなのでしょうか。」とい
いう質問に対して、「余り検討は細かくしたことはないけれども、例えば、そういった使用済燃料をどういうふうに見るかということもありますけれども、国が破滅するような状況のときに、どういうことをやっておくべきだということで、3ヶ月の期間をどう活用したらいいかというのはこれからの課題かも知れないですけれどもね。」

 このことについて「抗議声明」は、次のような反論をする。
①根拠もなく答弁しているに過ぎないこと。
②取り出して3ヶ月では、温度だけでなく放射能のレベルも高く、輸送容器に移すことはできないし、仮に強引に行ったとしても、そのための輸送容器を開発しなければなりません。何より、搬出先を3ヶ月で選定するのはできないこと。
③「放射能に汚染されると言うけれども、どの程度の汚染の広がりかということですよ。別にシミュレーションすることもないでしょう。核実験とかいろいろな核爆弾とかそういう経験もあるわけですから、冷静によく考えたらどうですか。」と述べ、核燃料が燃えても、汚染はたいしたことはないと開き直っただけであること。

 この反論で充分であるが、「国が破滅するような状況のとき」という委員長発言を,規制委員会は、再稼働問題でも根本的な発想と基本とすべきである。

 第三番目に、「火山影響評価ガイドの見直し」についてである。
 このことについては、日本火山学会原子力問題対応委員会の「巨大噴火の予測と監視に関する提言」を、規制委員会として、真摯に受け散ることが必要との立場に立つ必要がある。

 以下、「提言」と「抗議声明」の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2014-11-10 18:01 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-川内原発再稼働を考える

県議会が再稼働を求める陳情を採択したことを受けて、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は九州電力川内原発1、2号機の再稼働に同意した。
 この再稼働について、2014年11月8日付の主立った新聞社の社説から、①指摘された問題点、②稼働判断の意義等、③各紙の主張に分けて考えてみる。
 まず、再稼働の判断への各社の問題点については、次のようにまとめられる。

①指摘された問題点
・南日本新聞
「宮沢経産相が鹿児島県庁で『万一の事故の際は、国が関係法令に基づき責任をもって対処する』と語ったことも、知事や議会は大きく評価した。しかし、経産相の説明は、今年4月閣議決定した国のエネルギー基本計画の文言をなぞっただけである。再稼働を必要とする理由に挙げた中東の原油輸入の厳しさなどもそうだ。誠実さに欠ける説明で、重みも感じられない。」
「ひとたび過酷事故が起きれば、被災地になるというのに、国や関係機関の『お墨付き頼み』が過ぎはしないか。」

・東京新聞
「法的根拠はないものの、地元の同意が再稼働への最後の関門だとされている。第一に、地元とはどこなのか。伊藤知事は『県と(原発が立地する)薩摩川内市だけで十分』というのが、かねての持論である。『(原発による)苦労の度合いが違う』というのが理由である。気持ちはわからないでもない。」
「九州は、火山国日本を代表する火山地帯である。川内原発の近くには、カルデラ(陥没地帯)が五カ所ある。巨大噴火の痕跡だ。約四十キロ離れた姶良(あいら)カルデラの噴火では、原発の敷地内に火砕流が到達していた恐れがある。ところが規制委は、巨大噴火は予知できるという九州電力側の言い分を丸ごと受け入れてしまった。一方、「巨大噴火の予知は不可能」というのが、専門家である火山噴火予知連絡会の見解である。これほどの対立を残したままで、火山対策を含めて安全と言い切る規制委の判断は、本当に科学的だと言えるのか。適正な手続きと言えるのだろうか。三つ目は、避難計画の不備である。県の試算では、三十キロ圏内、九市町の住民が自動車で圏外へ出るだけで、三十時間近くかかってしまうという。入院患者や福祉施設の人々は、どうすればいいのだろうか。福島では、多くの要援護者が避難の際に命を落としているではないか。」
「知事の自信と現場の不安。ここにも深い溝を残したままである。」
「原発事故の被害は広い範囲にわたり、長期に及ぶというのも、福島の貴重な教訓である。」

・朝日新聞
「まず、避難計画だ。住民の安全に直結するものなのに、いまだに避難に必要なバスの確保や渋滞対策に見通しがつけられていない。いずれも、福島での事故の際に現場が最も混乱し、住民が危険にさらされた要因となった問題だ。」
「そもそも、原子力規制委員会の手続きが終わっていない。再稼働までには、審査書に基づく工事計画と保安規定の認可を受ける必要がある。それなのに、なぜ、これほど急いで同意を表明する必要があるのか。来春の県議選での争点化を避けようとしたとの見方もあり、十分な検討を尽くした結果なのか、疑問が残る。」
「私たちは再稼働を認めるにはいくつか条件があると主張してきた。特に、過酷事故が起きた時に住民の生命と健康を守ることは、地元の首長にとって絶対条件のはずだ。しかし、それに備えた避難計画は、要援護者への対応や、避難者の受け入れ体制などに不十分なところが残されている。計画を国が審査する体制もなく、実効性が担保されたとはいえない。このままでは事故時に混乱が避けられないのではないか。」

・毎日新聞
「そもそも、原子力規制委員会の手続きが終わっていない。再稼働までには、審査書に基づく工事計画と保安規定の認可を受ける必要がある。それなのに、なぜ、これほど急いで同意を表明する必要があるのか。来春の県議選での争点化を避けようとしたとの見方もあり、十分な検討を尽くした結果なのか、疑問が残る。」
「私たちは再稼働を認めるにはいくつか条件があると主張してきた。特に、過酷事故が起きた時に住民の生命と健康を守ることは、地元の首長にとって絶対条件のはずだ。しかし、それに備えた避難計画は、要援護者への対応や、避難者の受け入れ体制などに不十分なところが残されている。計画を国が審査する体制もなく、実効性が担保されたとはいえない。このままでは事故時に混乱が避けられないのではないか。」


・北海道新聞
「しかし、国も地元も手続きを急ぐあまり、重大事故が発生した際の対応については課題を置き去りにしたままである。住民の不安は脇に置いた同意は、拙速のそしりを免れまい。」
「最大の問題は住民の避難計画である。要援護者の避難や一斉に避難する際の渋滞対策などが依然として不十分だ。説明会でも住民から批判が相次いで出された。実効性ある避難計画は安全対策の肝だ。これを放置するというのは納得いかない。」
「宮沢洋一経済産業相は今月、伊藤知事に『万が一、事故が起きた場合、国が責任を持って対処する』と明言した。だが、具体的にどう責任を持つと言うのか。例えば火山対策だ。周辺に複数のカルデラ地形がある川内原発は噴火災害の危険性が心配される。規制委は九電の火山監視でも対応可能とする見解を示した。これに対し専門家から異論が出されている。御嶽山(おんたけさん)をみても、噴火の予知は極めて難しい。」

・河北新報
「安倍晋三首相や、原子力規制委員会の田中俊一委員長は過酷事故に対して「世界でもっとも厳しい」と評する新基準をクリアしたとするが、火山噴火の影響など原発の安全性や避難計画の不備といった防災への不安が解消されたわけではない。
 先月あった審査結果についての住民説明会で、参加者から批判と反発の声が相次いだ。聞くにつけ、国、県、九電に不安を訴える住民に真摯(しんし)に向き合い、思いをくみ取る姿勢が十分だったとは言えそうにない。
 事故の際、被害が及ぶ可能性がある原発の半径30キロ圏に位置し、避難計画の策定を求められながら、再稼働の地元同意をめぐり、蚊帳の外に置かれた近隣自治体の住民らの不満も強い。」

・秋田魁新報
「再稼働となれば、原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発として初めてとなる。このまま再稼働させていいのか。ここは立ち止まってじっくり考えるべきだ。」
「策定済みの住民避難計画には不備が目立ち、避難用バスを十分に確保できるかどうか疑わしい。原発から半径10キロ圏外では、高齢者らの避難先が未定で弱者切り捨てとなりかねない。福島原発事故で住民らは放射性物質の脅威にさらされてパニックに陥った。川内原発で過酷事故が起きれば同じ状況になるのは目に見えている。にもかかわらず、避難計画は原子力規制委の審査対象になっておらず、実効性があるのか疑問だ。」

 次に、②稼働判断の意義等についてであるが、ここでは、読売新聞だけである。
②稼働判断の意義等
・読売新聞
「川内原発の周辺自治体の一部は、自らの同意も必要だと主張している。伊藤知事が、九電と安全協定を結んでいる鹿児島県と薩摩川内市が同意すれば十分だ、と判断したのは妥当である。」

 三点目の③各紙の主張は、次のものである。

③各紙の主張
・南日本新聞
「あれだけ過酷な原発事故の後である。知事も議会も難しい決断だっただろう。だが多くの疑問を残したままの見切り発車が、事故後の再稼働手続きにふさわしいモデルとなるかどうかは疑わしい。」
「福島原発事故での地域への被害拡大を思えば、少なくとも同意の範囲は、避難計画の作成を義務付けられた半径30キロ圏の自治体まで広げるべきである。」
「川内原発がこのまま再稼働したとしても、今後は廃炉に向けた備えこそ重要である。」

・東京新聞
「原発事故の被害は広い範囲にわたり、長期に及ぶというのも、福島の貴重な教訓である。」
「そもそも、新潟県の泉田裕彦知事が言うように、福島の事故原因は、まだ分かっていない。原因不明のまま動かすというのは、同じ事態が起き得るということであり、対策が取れないということだ。根拠のない自信によって立つ再稼働。3・11以前への回帰であり、安全神話の復活である。」

・朝日新聞
「全国では12原発18基が規制委の審査にかかっている。合格した原発はすべて再稼働するとしている安倍政権は、川内を今後のひな型と位置づける考えだ。しかし、川内原発の再稼働を巡る手続きを振り返ると、とてもこのままでいいとは考えられない。原発の過酷事故に対する備えが不十分なまま再稼働に進んでいるからだ。」
「むしろ国が立地地域に対して責任をもってやるべきことはほかにある。脱原発のための支援だ。安倍政権も原発依存の低減を掲げているではないか。立地自治体がおしなべて再稼働に前向きなのは、過疎化が進み、原発を受け入れて交付金や税収を得ることでしか『まち』を維持できないからだ。原発依存から脱していくためには、原発に頼らざるをえない現実を変えていく努力が欠かせない。当然、立地自治体だけでは解決できない難題であり、だからこそ今から取り組むことが必要であるはずだ。」
「原発政策には使用済み核燃料の貯蔵や放射性廃棄物の処分など、地域と全体が対立しかねない問題が山積している。」
「川内原発再稼働を巡る論議は、地域と国民全体の民意をどうすりあわせるのか、という問題を投げかけてもいる。」

・毎日新聞
「住民を危険にさらす過酷事故は起き得る。それが福島第1原発事故の教訓である。この教訓を軽視したまま、再稼働に向けた手続きが着々と進められていくことに大きな疑問を感じる。」
「もちろん、再稼働の責任は地元だけにあるわけではない。本来なら、政府が原発に頼らない社会をどう構築していくかの道筋をきちんと示した上で、個々の原発の再稼働の可否を判断すべきだ。こうした条件が整わないまま、なしくずしに再稼働の手続きを進めることは、拙速であり、見切り発車と言わざるを得ない。」

・読売新聞
「『原発ゼロ』にしっかり終止符を打ち、他の原発の再稼働を円滑に進めるモデルとしたい。九州電力川内原発1、2号機の再稼働に、鹿児島県の伊藤祐一郎知事が同意する考えを表明した。原発が立地する薩摩川内市長と市議会の同意に続いて、県議会も再稼働を求める陳情を、自民党などの賛成多数で採択した。伊藤知事の速やかな決断によって、年明けにも再稼働が実現する道筋がついた意義は大きい。」
「川内原発の再稼働にめどがついたことで、今後の焦点は関西電力高浜原発などに移る。
最も早い川内原発でさえ、安全審査の申請から地元同意まで1年4か月を要した。活断層などの評価を巡り、審査が遅々として進まない原発も少なくない。規制委は安全を大前提に、迅速な審査に努めてもらいたい。」

・北海道新聞
「川内原発の場合、安全対策はまだまだ不十分だ。再稼働は、そうした問題点を一つずつ解決してからでも遅くない」

・河北新報
「原発のリスクをゼロにはできないし、これで絶対安心ということもない。だからこそ、リスク回避に向けての徹底した取り組みが欠かせない。万一の際の『責任の所在』をはっきりさせておく必要もある。説明会では九電や規制委の担当者が答弁に窮したといい、住民らの不安は消えない。宮沢洋一経済産業相は「国の責任」を約束したが、一連の対応を見れば、極めて心もとない。『事故』と『被害』発生の両面でゼロを目指す努力を積み重ね、住民らの理解を深めていくことなしに、安定稼働はあり得ないことを肝に銘じるべきだ。」
「『福島の原発事故の全容も解明されていないのに、なぜ動かすのか』 福島県双葉町から鹿児島市に避難している自営業者は前のめりの対応が納得できない。多くはそれに似た思いではないか。」
「地域経済の活性化は住民の安全確保が大前提だ。再稼働への同意を『やむを得ないと判断した』知事はもとより、強く働き掛け誘導した国も、決断の責任から逃れられない。福島の事故の検証も終わっておらず、教訓を生かす課題も残る。被害実態を踏まえれば、同意を得る範囲を広げるべきだ。」
「再稼働は年明け以降の見通しだが、万一に備えた対策の、より一層の充実を図っていかなければならない。まずは何より、住民避難の実効性を高めることが肝要だ。あらゆる事態を想定し、被害回避に万全の備えを講じるべきだ。」
「手続きの終了はゴールではない。安全審査中の他の原発についても拙速は許されない。」

・秋田魁新報
「 ただ、過酷事故が絶対に起こらないという保証はない。原子力規制委も基準に適合したと判断する一方で、安全性を担保したものではないとする。つまり、事故は起きるという前提に立った対策でなければ、いざというときに役に立たない。」
「だが、過酷事故が起きれば周辺自治体も被害を受けるのは明らかであり、これら自治体の同意も必要だ。安倍政権は再稼働方針を掲げているにもかかわらず県に判断を押し付け、九電に再稼働させようというのか。このまま再稼働させることは、同意は立地自治体と都道府県だけで足り、避難計画や火山対策に不備があっても何ら問題はないと認めるに等しい。それは福島原発事故につながった『安全神話』の復活でしかない。」

 以上が、各社の社説から受け取れるものである。
 多くの新聞社がこの再稼働については、多くの疑問等を提示していることになる。

 実は、7日の報道番組を見ながら、どうしても不信感をぬぐえなかったのが、知事のあの笑顔の理由についてである。
 これについては、「知事の自信と現場の不安。ここにも深い溝を残したままである。」ということを、引き続き突きつけていくしかない。
 また、「川内原発がこのまま再稼働したとしても、今後は廃炉に向けた備えこそ重要である」とういう南日本新聞の指摘は、今後の原発問題を考えていく上で重要である。
 この川内原発の再稼働に向けての動きについては、朝日新聞の「川内原発再稼働を巡る論議は、地域と国民全体の民意をどうすりあわせるのか、という問題を投げかけてもいる。」ということを噛みしめる必要がある。

 やはり、南日本新聞の「原発事故の被害は広い範囲にわたり、長期に及ぶというのも、福島の貴重な教訓である。」という主張は、「3.11」をどのように捉え克復していくのかというという考え方と重なるものであり、このことをすべての始まりとしなければならない。

 以下、各紙社説の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2014-11-09 05:40 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-川内原発の再稼働、鹿児島県知事が同意の意向表明

川内原発の再稼働について、鹿児島県知事は同意の意向を表明した。
 このことについて、朝日新聞は、2014年11月7日、「伊藤知事は『諸般の状況を総合的に勘案し、川内原発の再稼働についてやむを得ないと判断する』と述べた。」と、報じた。

 以下、朝日新聞の引用。


朝日新聞-川内原発の再稼働、鹿児島県知事が同意の意向表明-2014年11月7日


 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働について、伊藤祐一郎知事が7日午後、再稼働への同意の意向を表明した。会見で伊藤知事は「諸般の状況を総合的に勘案し、川内原発の再稼働についてやむを得ないと判断する」と述べた。

川内原発
 これに先立ち鹿児島県議会(定数51)も、同日開かれた臨時会の本会議で、再稼働推進を求める陳情を賛成多数で可決、採択した。

 原発が立地する薩摩川内市の市長と市議会は先月末、再稼働に同意しており、伊藤知事が必要だとしている地元同意の手続きは完了したことになる。


by asyagi-df-2014 | 2014-11-07 18:17 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-薩摩川内市の原発再稼働を考える

 薩摩川内市の岩切市長は、九州電力川内原発1、2号機の再稼働に同意すると市議会全員協議会で表明した。
 このことについて、各新聞の社説の主立った内容は、次の通りである。
 南日本新聞は、「周辺住民の不安や疑問は、なお払拭(ふっしょく)されていないのが実態である。火山の噴火対策など特有の課題もある」とし、「原子力防災を抜本的に見直すことが福島原発事故の教訓である。ならば、避難計画についても国は自治体任せにできないはずだ。積極的に関わり、具体的な計画づくりに力を入れてもらいたい。」と、まとめている。
 佐賀新聞は、「核のゴミ問題など原子力政策の重要課題は未解決のまま、再稼働の手続きだけが着々と進んでいく印象だ。」とし、「原発はこれまで「安全神話」と「地元理解」の両輪で進められてきた。事故後の再稼働に向けて新規制基準が設けられたように、地元理解もより高いハードルを設けるべきだ。」と、意見を表明する。
 西日本新聞は、「だが、地域の活性化を過度に原発へ頼るのは、かつての『安全神話』に基づく発想ではないか。福島原発の事故で神話は壊れた。広範な地域が放射能で汚染され、多くの住民が古里を追われた。原発は安全か。電力は本当に足りないのか。放射性廃棄物をどう処理するか。再稼働するなら事故は起こり得るとの前提で備えられるか。そうした多角的な論議を尽くすことが原発事故の教訓だ。」と、主張する。
 朝日新聞は、「政府が同意自治体の範囲を地元の判断に丸投げしているために起きている問題だ。」とし、「今後、11月上旬にも鹿児島県議会で再稼働の是非を採決した後、伊藤知事が再稼働の是非を判断する。その際、周辺自治体や住民の意向をくみ上げる努力を重ねるべきだ。それこそが『3・11』後の政治と行政の責任だろう。再稼働の地元とは、どこなのか。川内原発でまず、明確に示してほしい。」と、注文をつけた。

 鹿児島県議会が、こうした主張を受け入れたかたちで、結論を出すことを強く要望する。

 以下、各新聞社の社説の引用。




More
by asyagi-df-2014 | 2014-10-30 05:41 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-薩摩川内市長、原発再稼働に同意

南日本新聞は、2014年10月28日、「薩摩川内市の岩切秀雄市長は28日、市議会全員協議会で、九州電力川内原発1、2号機(同市久見崎町)の再稼働に同意する考えを表明した。」と、報じた。
 このことは、「原発の規制対策を定めた新規制基準の施行後、議会の判断を経て立地自治体の首長が再稼働に同意するのは全国で初めて。」である。

 以下、南日本新聞の引用。

南日本新聞- 薩摩川内市長、原発再稼働に同意-2014年10月28日

 薩摩川内市の岩切秀雄市長は28日、市議会全員協議会で、九州電力川内原発1、2号機(同市久見崎町)の再稼働に同意する考えを表明した。原発の規制対策を定めた新規制基準の施行後、議会の判断を経て立地自治体の首長が再稼働に同意するのは全国で初めて。
 市議会は同日開かれた臨時議会で、再稼働に賛成する陳情を賛成多数で採択。反対陳情は反対多数で不採択とした。岩切市長は、陳情を採決した本会議後の全員協議会で再稼働に同意すると述べた。


by asyagi-df-2014 | 2014-10-28 18:02 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-川内市議会の特別委員会が川内原発再稼働に同意

東京新聞は、2014年10月20日、「 川内原発再稼働に市議会委が同意 陳情採択、近く容認表明へ」と、次のように報じた。

 「九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働問題で、同市議会は20日、川内原発対策調査特別委員会(10人)を開き、再稼働に同意する陳情を賛成多数で採択した。今月下旬に開催される本会議で可決されれば、議会として再稼働に同意したことになる。
 28日に臨時議会が開かれる見通し。岩切秀雄市長は再稼働を容認する見解を示しており、本会議での議論を踏まえて同意を表明するとみられる。
 特別委には川内原発の再稼働に賛成する陳情が1件、反対が10件提出されていた。賛成の陳情には6人が賛成、2人が反対、1人が棄権した。反対の陳情はいずれも賛成少数で不採択だった。」

川内市議会には、「3.11」が示した世界の在り方に、もう一度踏み止まって欲しい。


by asyagi-df-2014 | 2014-10-21 18:34 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-スウェーデン新首相、原発を将来的に全廃する方針

TBSは、スウェーデンの新首相は、「『原発は廃止すべし』が新政権の出発点だ。100%再生エネルギーにしなければならない」と述べたと、報じた。
 原発全廃の動きは、もうすでに少数派ではない。

 以下、TBSの動画ニュースサイトの引用。


TBSの動画ニュースサイト News i-スウェーデン新首相、原発を将来的に全廃する方針-2014年10月3日

スウェーデン新首相、原発を将来的に全廃する方針

 スウェーデンの新たな首相が原子力発電所を将来的に全廃する方針を示しました。

 スウェーデン議会は2日、先月の選挙で勝利した中道左派政党、社会民主労働党のステファン・ローベン党首を新たな首相とすることを承認しました。

 これに先立ち、ローベン党首は、連立を組むことになる緑の党などと、将来的に原子力発電所を全廃することで合意したということです。

 ローベン党首は公共ラジオで、「『原発は廃止すべし』が新政権の出発点だ。100%再生エネルギーにしなければならない」と述べましたが、廃炉の期限などは具体的に決めておらず、まずは、原発の新規建設の凍結などに着手する意向です。

 スウェーデンでは原発が3か所で稼働していて、国の総発電量の40%を占めています。1980年の国民投票では一度は原発全廃の方針を決めましたが、中道右派の前政権が方針を見直し、老朽化した原子炉の建て替えを認める法律が2010年に成立していました。


by asyagi-df-2014 | 2014-10-06 05:30 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧