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原発問題-福島第一原発2号機の格納容器内で、過去最高値となる毎時650シーベルト。

 東京新聞は2017年2月10日、標題について次のように報じた。


(1)東京電力は九日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内に投入した自走式の堆積物除去ロボットで撮影した画像を分析した結果、内部の空間放射線量が毎時六五〇シーベルトと推定されたと発表した。前回調査の同五三〇シーベルトを上回る過去最高値で、数十秒浴びれば人が死亡するレベル。ロボットの走行ルート上には、堆積物で走行できない箇所も見つかった。
(2)堆積物は、圧力容器真下のスペースにつながる機器交換用レール(長さ約七メートル)に付着。圧力容器直下の作業用足場には、溶けた核燃料(デブリ)の可能性がある堆積物があり月内にサソリ型の自走式調査ロボットを投入して確認を目指していたが、調査範囲などが大きく制限される可能性が出てきた。


 六五〇シーベルトは、数十秒浴びれば人が死亡するレベル。
 過酷事故の実態。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-10 12:20 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島2号機、なんと530シーベルト。

 朝日新聞は2017年2月3日、標題について次のように報じた。


(1)炉心溶融事故を起こした東京電力福島第一原発2号機は、原子炉圧力容器の外側でも毎時530シーベルトという高い放射線量だった。人が近づくと死に至る強さで、調査用ロボットを入れる予定だった場所は高熱で穴が開いていた。想像を超える高い放射線量とひどい損傷で、廃炉作業の困難さが改めて浮かび上がった。
(2)2号機の内部では1月30日、溶け落ちた核燃料の可能性がある黒い塊が撮影された。東電がこの画像を調べた結果、内部の様子が明らかになってきた。原子炉圧力容器の底部には制御棒の駆動装置などの機器やケーブルが見える。機器や足場には、燃料や部品などが溶けて混じり合ったとみられる黒っぽい物質がこびりつき、水がしたたり落ちていた。
(3)東電によると、毎時530シーベルトという放射線量は運転中の原子炉圧力容器内と同程度の放射線量にあたるという。これまでは事故後の2012年、2号機の格納容器内で毎時73シーベルトが観測されたのが最高だった。
(4)専門家が注目するのは、530シーベルトという値が、原子炉圧力容器を支える円筒状のコンクリートの外側で推定された点だ。溶け落ちた燃料が原子炉圧力容器の直下だけでなく、広範囲に広がっているのではないかと危惧する。
(5)米スリーマイル島原発事故の解析をした、社会技術システム安全研究所の田辺文也所長は「溶けた燃料が原子炉圧力容器から落ち、大量に外に出ている可能性がある」と話す。
(6)東電は廃炉にかかる期間を30~40年とし、溶け落ちた燃料の取り出しを21年に始めるとしてきた。燃料の取り出し方法もまだ決まっていない。田辺さんは「溶けた燃料がどこにどれだけ、どんな形であるかも分からない。ロボット調査も見直す必要がある。廃炉の作業はさらに時間がかかる」と話す。(香取啓介、佐々木英輔)


 このことが意味するものは、次のことである。


Ⅰ.530シーベルトという値の意味するもの。それは、過酷事故の脅威と現在も汚染され続けているという現実、未来への不安。
Ⅱ.530シーベルトという値が、原子炉圧力容器を支える円筒状のコンクリートの外側で推定されるということ。それは、「溶け落ちた燃料が原子炉圧力容器の直下だけでなく、広範囲に広がっているのではないかと危惧する。」、ということ。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-04 06:00 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-福島第Ⅰ原発のメルトダウンまたはメルトスルーの実像。

 標題について、毎日新聞は2017年1月31日、柳楽未来記者が次のように報じた。


(1)東京電力は30日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器の真下をカメラで撮影し、足場に何らかの堆積(たいせき)物があるのを確認、画像を公開した。6年前の東日本大震災による事故で溶融した核燃料の可能性があるとみて、詳細な分析を進める。炉心溶融は同原発1~3号機で起きたが、これが溶融燃料だとすると初の撮影になる。
(2)東電は、パイプ(長さ10・5メートル)の先端にカメラを取り付け、圧力容器を囲む原子炉格納容器の貫通口から挿入して内部を撮った。この結果、圧力容器の真下にあるグレーチング(格子状の足場)の複数箇所に黒や褐色に映った堆積物があった。グレーチングが無くなっている部分もあり、溶融燃料落下による損傷の可能性も含めて調べる。圧力容器下部に設置されている制御棒の駆動装置やケーブルなどに大きな損傷は見つからず、炉内に大半の燃料がとどまっているとする従来の解析結果と一致した。
(3)堆積物が溶融燃料ならその近くは放射線が特に強いとみられるが、挿入したパイプには線量計が付いていないため確認できていない。堆積物は圧力容器の保温材やケーブルの被覆材である可能性もあるという。東電は2月から、カメラなどを“尾”の部分に搭載した遠隔操作のサソリ型ロボットを投入し、本格的調査を始める。記者会見した東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は「今回の調査結果を、溶融燃料の取り出しに向けた基礎データにつなげたい」と語った。
(4)国の廃炉計画では、2018年度に1~3号機のいずれかで溶融燃料取り出しの具体的な工法を決定し、21年中に取り出しを開始する。


 また、朝日新聞は2017年1月31日、富田洸平・杉本崇記者が次のように報じた。


(1)東京電力福島第一原発2号機の原子炉直下で30日、黒い塊が初めて撮影された。東電はこの成果を、核燃料取り出しに向けた「大きな一歩」とする。溶け落ちた核燃料か、違うのかを確認するために、東電は来月、調査ロボット「サソリ」を投入。放射線量などを測定する。
(2)「今回の調査で、サソリの進路に大きな障害物がないとわかった。圧力容器の直下まで行けそうだ」。東電幹部は胸をなで下ろした。サソリは2台のカメラや線量計などを搭載して圧力容器の直下まで自走し、作業用の足場などに付着した塊の線量を計測するほか、圧力容器下部がどう壊れているかなどを調べる。
(3)調査で写った黒っぽい塊が、強い放射線を出していることが分かれば、溶け落ちた核燃料だと確認できる。塊の大きさや量、広がりなどは、今後、溶け落ちた核燃料を取り出す方法を決める際の重要な判断材料になるとみられる。一方、1、3号機の内部調査は難航している。東電は2015年、1号機の格納容器に調査ロボット2台を投入したが、途中で動けなくなり、核燃料そのものは確認できなかった。3号機は格納容器内の水位が高く、核燃料や圧力容器下部の様子を調べるには水中用ロボットが必要。東電などはロボットの開発を進めている段階だ。
(4)東電などは、ロボット調査などの結果をもとに核燃料の取り出し方法を決める方針。取り出しは21年から始める計画だが、計画は遅れが続いている。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 12:07 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第2回口頭弁論が、2017年1月26日、第1回口頭弁論と同様に、大分地方裁判所の第1号法廷で開かれました。
今回も傍聴席に座ってきました。あわせて、弁護士会館で開かれた「報告集会」にも参加しました。 
 今回の口頭弁論では、原告団長の一人でもある中山田さつきさんが陳述を行いました。
 中山田さんは、生活の現場から必然的に起こる疑問や怒りから見た伊方原発の有り様について、説得力のある意見陳述を行いました。この中で、自分自身の「故郷の里山の生活」について、自らが「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発を差し止める意味を、訴えてくれました。
 私の方からは、この意見陳述について、いくつかの感想的なことを報告します。


 中山田さんは、故郷である里山の生活を守りたいと、自らの里山の今を次のように描いてくれました。


 「国東半島は、2013年にクヌギ林とため池による農林業が世界農業遺産に認定された地域です。私たち夫婦も、ため池の水で稲を栽培し、クヌギを原木として椎茸栽培をしています。この地域の農民が代々維持管理してきた里山の恩恵に与っての現在の営みです。いま、私たちも、この後を引き継ぐ人たちへとバトンを渡す役目を担いながら暮らしています。」
 「山里の暮らしは豊です。薪ストーブで暖を取り、お風呂も薪で焚きます。晴には山菜や筍、夏には林の間を流れる涼しい風が吹き、家の前で蛍が飛びます。秋には柿の実や栗が手を伸ばせばそこにあり、夫が山で掘ってくる自然薯の味わいは格別です。稲刈りの時期には刈り取った稲の掛け干しを孫たちが来て手伝ってくれます。そんなひとときは私たち夫婦にとっても幸せな時間です。」


 また、「集落の高齢者は、80歳はもちろん、90最近くになっても、自宅前の畑で野菜をつくり、近所の人たちと散歩をしながら、元気に穏やかに暮らしています。私たちの老後が見えて、何だかほっとします。」、と里山の生活が、地域に生きる人たちにとっていかに大事なものかということを語りかけ、「私はこの暮らしを大事にして、ここで生きていこうと決めています。」、と自分の決意を訴えたのでした。


 次に、中山田さんは、福島に3回行ったと陳述します。
恐らく、中山田さんと同様の里山生活を送っていたはずの福島の人たちの様子をこのように述べます。


 「ゴーストタウンとなった町を、除染の作業車だけが行き交い、途方もない数の除染物を詰めたフレコンバックの山があちこちにありました。街灯だけが灯り、家々の灯がまったく無い夜の村の風景の異様さと寂しさは何と表現していいかわかりません。」
 「楢原町に住んでいた母親を避難させた女性は、『人って壊れるんですよ。母は親しい友人や住み慣れた地域から引きはがされて、認知症が進んだというよりも、壊れちゃったんですよ。』と話してくれました。」
 「山縣に非難した中学生は、親友が通う川俣町の学校に通いたいと、親が決めた避難先の学校に通うことを一年間拒み続けたといいます。」


 この上で、中山田さんは、毅然と、「福島に行き、自分の目で見て、話を聞いて、『原発事故とはこういうことなんだ。暮らしのすべてが根こそぎ奪われるんだ。」と実感しました。放射能を無毒にする方法を持ち得ない限り、『厳罰は絶対にだめだ!』と心底思いました。」、と自分の立ち位置を明確にしたのでした。


 中山田さんは、「故郷の里山の生活」と「福島を訪れて感じたこと」を通して、伊方原発再稼働を差し止めしなくてはならない理由を、この意見陳述で、根本的な生活者としての視点から。次のように明らかにしました。


(1)転載を机の上で計算して安全対策は万全とすることに、私は大きな違和感を覚えます。自然の驚異が人間の都合の枠に収まるものでしょうか。そして事故の原因は転載だけではありません。人の操作ミス、機械の故障も大事故に繋がります。
(2)非難すれば、何年も何十年も、もしかしたら一生、ふるさとに帰れない避難になるのです。福島第1原発の地元、双葉町の当時の町長だった井戸川克隆さんは『避難した後の避難生活の計画は避難計画にはまったく無い。避難すべきは原発なんだ。生活圏にあってはならない。』と反省を込めて言われました。
(3)伊方原発で過酷事故が起き、風向きが大分方向だったら、福島の現実は、大分県に住む私たちの現実になります。


 中山田さんは、前回陳述の徳田弁護士と同じように、「福島原発事故から、『チェルノブイリのような万が一はそんなに起きないだろうと思ってはいなかったか?本当に真剣に原発事故を起こさないためにやれることを全部やってきたのか?』と自分のこれまでの姿勢を問われました。」、とまずは、真摯に自分に向き合っています。
 そして、意見陳述の最後に、裁判官にこう言葉を届けました。
 実は、報告集会で、新聞社の記者に「何が一番言いたかったのか」、と聞かれた中山田さんは、この最後の言葉を裁判官に届けたかったと回答していました。


「政治を嘆いているだけでは、動き始めた危険な原発は止められません。再び事故を起こさせないために自分ができることが裁判でした。司法が、私たちが安全に生きる権利を定めた憲法の下、差止判決を出すことを信じて、この裁判を起こしました。裁判官の皆さん、現在と未来を脅かすことにない、脱原発社会を切りひらく司法判断をして下さい。」


 さて、報告集会で、最も参加者をあっと言わせた報告は、仮処分で裁判官にプレゼンをした小森弁護士の「『わりきり』と『えいやあー』でものごとを決めている」、というものでした。
 この言葉は、日本の原子力行政だけでなく、日本という国の薄っぺらな人権感覚を如実に表しています。
 最後に、3月末にもと噂されていた大分の仮処分決定ですが、5月11日に4回口頭弁論が開かれることになったとの報告がありました。この辺の経過については、「よくわからない」、との報告があわせてなされました。


by asyagi-df-2014 | 2017-01-29 13:04 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-関西電力高浜原発構内で、原子炉補助建屋と燃料取り扱い建屋にクレーンがもたれかかり、屋根が一部変形。

 朝日新聞は2017年1月21日、「関西電力高浜原発構内で20日午後9時50分ごろ、大きな音がしたため職員が現場を点検したところ、2号機の原子炉補助建屋と燃料取り扱い建屋にクレーンがもたれかかっており、屋根が一部変形しているのが見つかった。当時、暴風警報が出ており、強風が吹いていたという。関電が21日未明に発表した。」、と報じた。
 また、「関電によると、燃料取り扱い建屋には使用済み燃料が保管されているが、建屋天井からの落下物はなく、使用済み燃料ピットへの影響は確認されていない。周辺の環境にも影響はないという。」、と伝えた。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-21 09:39 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-中国電力島根原発2号機で中央制御室に外気を取り入れる送風管に腐食穴が見つかる。

 毎日新聞は2017年1月18日、「中国電力島根原発2号機(松江市)で中央制御室に外気を取り入れる送風管(ダクト)に腐食穴が見つかり、原子力規制委員会は18日、全原発でダクトを点検するよう各電力会社に指示することを決めた。既に営業運転した4基は先行して指示を出し、腐食が見つかった場合、原子炉を停止して対策を求める可能性があるという。」、と報じた。
 また、「島根2号機では昨年12月、点検のためダクトに巻かれた保温材を外したところ、最大で縦約30センチ、横約100センチの腐食穴が計19個見つかった。保温材を外して行う点検は規制対象外で、2号機では1989年の運転開始以降、一度も点検していなかった。ダクトに腐食があると、事故時に放出された放射性物質がダクトを通じて中央制御室に入り込み、運転員が被ばくする恐れがある。このため規制委は全原発での点検が必要だと判断した。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 13:43 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-原子力規制委員会は18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定。

 毎日新聞は2017年1月18日、標題について次のように報じた。


(1)原子力規制委員会は18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定した。これで安全審査に合格した原発は全国で5原発10基となった。九電は年内の再稼働を目指しており、今後は周辺自治体の地元同意の手続きが焦点になる。
(2)九電は2013年7月に、玄海3、4号機の審査を申請。規制委は昨年11月に審査書案をまとめた。審査書は約410ページで、想定する最大の地震の揺れ(基準地震動)を620ガル(ガルは加速度の単位)、津波の高さを約6メートルに引き上げるなどの安全対策を盛り込んだ。審査書案に対し、一般からは昨年の熊本地震を受け、地盤のさらなる調査を求める声など4200件の意見が寄せられたが、大きな修正はなかった。
(3)審査合格を受け、九電は年内にも2基を再稼働する方針。今後は設備の詳細設計などをまとめた「工事計画」と、重大事故の対応手順などを示す「保安規定」の二つの審査のほか、現地での使用前検査の手続きが必要になる。九電は3号機については、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電を実施する方針。合格した原発では4基目の導入となる。
(4)一方、避難計画にはなお課題が残る。政府は昨年12月、事故の際の住民の避難計画を了承したが、一部の施設では放射性物質の流入を防ぐなどの整備は終わっていない。玄海原発の半径30キロ圏には全国の原発で最多となる20の離島を抱え、約2万6000人が住む。事故時には住民の島外移送などを想定しているが、地震や津波などの複合災害下で有効に機能するかが問われる。
(5)再稼働のためには地元同意を経る必要がある。佐賀県や地元の玄海町などは前向きな意向を示す一方、同県伊万里市などの周辺自治体は慎重姿勢で、同意手続きが今後どのように進むかは不透明だ。
(6)玄海原発は全国の原発の中でも使用済み核燃料プールの空き容量が逼迫(ひっぱく)し、3、4号機が稼働すれば5年程度で満杯になる見通し。九電は燃料の間隔を詰めて対応する方針だが、「核のごみ」の課題も抱える。既に合格した原発は玄海の2基のほか、九電川内1、2号機▽関西電力高浜1~4号機(福井県)▽同美浜3号機(同)▽四国電力伊方3号機(愛媛県)。このほか、関電大飯原発3、4号機(福井県)も、今年度内に事実上合格する見通しだ。【酒造唯】


 原子力規制委員会は、基準地震動の620ガル、津波の高さの約6メートル、避難計画、地元同意の問題、といった多くの命に関わる問題を置き去りしたまま、適合の決定を下した。
 これまた、「3.11」の意味は内在化されていない。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 12:33 | 書くことから-原発 | Comments(0)

もんじゅ廃炉決定。それは、膨大な無駄。(2)-社説から-

 実は、このことに関して、朝日新聞は、次のように社説を始める。すでに、結果は出ているよとばかりに。


 主役は故障や不祥事続きで舞台にさっぱり上がれず、金づかいばかり荒い。ようやく降板させると決めたが、公演を中止すると騒ぎになるから「いずれ上演」の垂れ幕は下ろさない。
 代役はまだ生まれてもいないが、「いずれ」がいつかは明言していないから、大丈夫――。
 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にし、代わりに新たな高速炉の開発を進めて核燃料サイクルは堅持する。政府のこの方針をたとえて言えば、こんなところか。
 ばかばかしい、では片付けられない。国民の貴重な税金がこれまで大量につぎ込まれ、さらにつぎ込まれようとしている。


 この物語りが、もしかしたら、すべてかもしれない。
標題について、各紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞)は社説で、それぞれの見解を主張した。
 各紙の社説をまとめてみる。
今回も、「長期的なエネルギー戦略を堅持するために、高速炉の開発目標を揺るがすことはできない。」とする読売新聞が、「もんじゅ廃炉 後継開発に失敗の教訓生かせ」と、他の三紙とは異なった見解を示している。


Ⅰ.結論
(朝日新聞)
(1)もんじゅは明らかに失敗だ。廃炉にし、所管する文部科学相が給与を自主返納すれば済む話ではない。1兆円以上かけながら20年余りの間、ほとんど動かせず、さらに廃炉に4千億円近くかかるという。問題の総括が不可欠だ。
(2)核燃料サイクル政策を錦の御旗に、これ以上ムダと無理を重ねてはならない。「もんじゅから一定の知見が得られた。それを高速炉開発に生かす」と強弁する姿勢を改め、現実に立ち返るべき時である。
(3)改めて痛感する教訓は、現実を見ず、リスクや問題点を軽視する代償の大きさである。
(4)核燃料サイクルの経済性や原爆の原料になるプルトニウムを扱うことへの核不拡散上の懸念から、高速炉開発をやめる国が相次ぐなか、日本はあえて着工した。海外でナトリウム漏れ事故が起きても「もんじゅは起こさない」と言い張り、起こすと虚偽の発表や隠蔽(いんぺい)を重ねた。長い休止後に運転再開にこぎつけても装置の故障でふいにし、ついには運営する日本原子力研究開発機構の能力自体が疑問視されることになった。
(5)廃炉の決断が遅れたのは、核燃料サイクルのなかで原発の使用済み核燃料の再処理問題に波及し、原発稼働に影響することを政府が恐れたからだろう。
(6)もんじゅ廃炉を契機に、現実を直視し、開かれた議論を通じて、国民が納得する原子力政策を再構築しなければならない。それなしに次の開発に進むことは国民への背信である。
(毎日新聞)
(1)「高速炉ありき」「核燃料サイクルありき」の結論だった。政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を正式決定する一方で、使用済み核燃料を再処理し取り出したプルトニウムを再び燃やす核燃料サイクルの継続も改めて打ち出した。
(2)「もんじゅ」は1兆円を超える国費を投入しながら、相次ぐトラブルや不祥事により22年間で250日の運転実績しかない。運営主体である日本原子力研究開発機構は原子力規制委員会から「運営能力がないので交代を」とまで指摘された。廃炉自体は当然のことだが、問題はさまざまな課題に目をつぶったままの決定であることだ。なぜ、もっと早く無駄な税金投入をやめて廃炉にできなかったのか。その検証をなおざりにしたまま、非公開の会議で方針を決めた。これでは国民の納得は得られない。
(3)さらに根本的な問題は、「もんじゅ」を廃炉にする一方で、一段上の高速実証炉の開発を進める決定を下したことだ。高速炉はサイクルの要である。「もんじゅ」廃炉で本来のサイクルの輪は切れる。とすれば、何より見直さなくてはならないのはサイクル政策そのもののはずだ。ところが、政府は2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」にサイクル維持が盛り込まれていることを盾に、高速炉開発を前に進めようとしている。そのための方策として、フランスの高速実証炉「アストリッド」計画への参加を持ち出したが、実現性もはっきりしない計画で、その場しのぎとしか思えない。
(4)政府がサイクル維持にこだわるのは、サイクルの旗を降ろしたとたん「資源」だった使用済み核燃料が「ごみ」となり、これまで「資源」として貯蔵してきた青森県が発生元に持ち帰りを要求するからだろう。使用済み核燃料で貯蔵プールがいっぱいになれば原発は動かせない。
(5)しかし、この問題は政治が腰を据えて対策に取り組むことで解決すべきであり、サイクル維持を方便として使うべきではない。潜在的核抑止力の立場から再処理を維持したい思惑があるとの見方もあるが、これも説得力がない。
(6)福島第1原発の事故から5年9カ月を経て、いまなお仮設住宅や避難先で年を越そうとしている人たちがいる。政府は膨れあがる事故処理や廃炉の費用、賠償費用の負担を広く国民に転嫁しようとしている。 そうした現実を思えば、政治が取り組むべき優先課題が高速炉開発でないことは明らかだ。サイクルは断念し、その費用を福島対策に振り向けてほしい。
(東京新聞)
(1)高速増殖炉がだめなら高速炉-。それではあまり意味がない。もんじゅだけのことではない。原発依存の仕組み自体が、実は“金食い虫”なのだ。サヨナラもんじゅ、そしてその背景の原発依存。
(2)さらに大きな問題は、政府の意図が廃炉というより、高速炉への置き換えにあることだ。しかも、原型炉のもんじゅよりワンランク上の実証炉をめざすという。さらに莫大な費用を要することは、想像に難くない。
(3)燃やすだけの高速炉ではリサイクルはなりたたない。破綻を繕う文字通りの弥縫策(びほうさく)にも、納得できるわけがない。繰り返す。高速炉計画も白紙に戻し、核燃料サイクルは中止して、安全で安価なもんじゅの廃炉と、核のごみ減量の研究に、地元福井で専念すべきだ。 
(読売新聞)
(1)日本の原子力開発の大きな転機と言えよう。
(2)政府が、長期停止している日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にする方針を決めた。並行して、後継の高速炉を官民で開発するという。
 エネルギー資源に乏しい日本の安全保障上、原発の安定利用と、使用済み核燃料を活用できる核燃料サイクルの実現は不可欠だ。高速炉は、その柱である。燃料を効率的に利用できる上、放射性廃棄物を減らせる。増殖機能を持たせれば、燃えないウランをプルトニウムに変換できる。
(3)長期的なエネルギー戦略を堅持するために、高速炉の開発目標を揺るがすことはできない。



 毎日の「福島第1原発の事故から5年9カ月を経て、いまなお仮設住宅や避難先で年を越そうとしている人たちがいる。政府は膨れあがる事故処理や廃炉の費用、賠償費用の負担を広く国民に転嫁しようとしている。 そうした現実を思えば、政治が取り組むべき優先課題が高速炉開発でないことは明らかだ。サイクルは断念し、その費用を福島対策に振り向けてほしい。」は、大事な見識である。
 そして、見据える先は、「サヨナラもんじゅ、そしてその背景の原発依存」(東京新聞)。




by asyagi-df-2014 | 2016-12-25 07:23 | 書くことから-原発 | Comments(0)

もんじゅ廃炉決定。それは、膨大な無駄。(1)

 東京新聞は2016年12月22日、標題について次のように報じた。


(1)政府は二十一日、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にし、より実用炉に近い「高速実証炉」の開発に着手する方針を決めた。発電に使った以上の核燃料を生み出す「夢の原子炉」と言われたもんじゅは国民の税金を一兆円も投じながら、稼働日数二百五十日で退場する。しかし政府は使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」事業は続ける方針だ。
(2)政府はもんじゅを核燃サイクルの中核に位置付けてきた。一九九四年に稼働させたが、爆発しやすいナトリウム漏れ事故が発生。その後もトラブル続きで、ほとんど稼働しなかった。
(3)二〇一二年には機器の大量の点検漏れが発覚。原子力規制委員会は昨年、運営主体を文部科学省所管の「日本原子力研究開発機構(原子力機構)」から代えるよう求めたが、見つからなかった。また、再稼働には八年間で五千四百億円以上かかるとの見通しから廃炉を決定した。松野博一文部科学相は「一定の成果はあった」と失敗を認めなかったが、「フル出力での運転はできなかった」として議員歳費とは別に受け取る五カ月分の大臣給与と、賞与の計六十六万円を自主返納する考えを示した。原子力機構の児玉敏雄理事長も給与の10%の六カ月分の約六十六万円を返上する。
(4)政府は一方で使用済み核燃料から出る「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)」を減らすためにも、「高速炉開発を推進することが重要だ」(菅義偉官房長官)と強調。仏政府が計画する高速炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を拠出するなどして続け、原型炉の次の段階の「実証炉」の建設を目指す。開発の工程表を一八年中に作る。
(5)政府は廃炉には三十年で少なくとも三千七百五十億円かかると試算。二二年までに使用済み核燃料を取り出し、解体作業に入る工程を示した。だが、福井県の西川一誠知事は原子力機構が廃炉作業を担うことに「極めて不安」と反発している。政府は福井県と継続的に協議する場をつくり、説得を続ける。


 「『夢の原子炉』と言われたもんじゅは国民の税金を一兆円も投じながら、稼働日数二百五十日で退場する。」(東京新聞)。
 待ったなしなのは、原子力行政の根本的な見直しである。
 「使用済み核燃料から出る『高レベル放射性廃棄物(核のごみ)』を減らすためにも、『高速炉開発を推進することが重要だ』(菅義偉官房長官)」、からの完全脱却が必要である。


 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-24 08:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-安倍晋三政権は、高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉に、一方で新たな高速炉を開発する方針。

 政府は2016年12月19日、高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする方針を発表した。しかし、一方では、新たな高速炉を開発する方針も出した。
 東京新聞は、このことについて次のように報じた。


(1)政府は十九日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にする一方、新たな高速炉を開発する方針を固めた。福島第一原発の事故処理費用も、ほとんどを国民の電気料金で賄うことが固まったばかり。一兆円超の国費をかけてきたもんじゅ失敗の反省もないまま、原子力政策維持のための国民負担が膨らみ続けることになる。 
(2)もんじゅを廃炉にする方針は文部科学省で開かれた「もんじゅ関連協議会」で、松野博一文科相が福井県の西川一誠知事に伝えた。西川氏は「もんじゅの総括が不十分だ」などと反発し、政府は再び説明する場を設けると約束。しかし、年内に関係閣僚会合で廃炉にすることを正式に決める方針に変わりはない。もんじゅは三十六年間で一兆四百十億円の国費を投じたにもかかわらず、トラブル続きでほとんど稼働していない。大量の機器で点検漏れも発覚し、原子力規制委員会は運営主体を現行の「日本原子力研究開発機構(原子力機構)」から変更するよう求めたが、見つからなかった。
(3)文科省は廃炉には三十年で三千七百五十億円以上かかると試算。存続を求める福井県と敦賀市に配慮し、もんじゅと周辺地域を高速炉など原子力の研究開発拠点と位置付け、もんじゅ内に新たな試験炉を設置する方針もまとめた。一方、政府は官民会議「高速炉開発会議」も開き、もんじゅに代わる新しい高速炉の開発に着手する方針を確認した。もんじゅで得る予定だったデータは、仏政府が計画する高速炉「ASTRID(アストリッド)」に資金を拠出して共同研究に参画したり、もんじゅの前段階の研究に使われた実験炉「常陽」(茨城県、停止中)を活用することで得られると結論づけた。しかし、アストリッドは設計段階で、日本の負担額は分からない。常陽も、福島第一原発の事故を受けた新しい規制基準に合わせて耐震などの工事をしており、費用は不明。さらに、新たに高速炉を建設する場合、構造が複雑なため建設費が通常の原発より数倍は高いとみられている。これから投じられる国費の規模は、めどすら立っていない。
(4)原子力政策をめぐっては、福島第一原発の廃炉などの処理費用が従来予想から倍増して二十一兆五千億円かかる見通しとなり、政府はほとんどを国民の電気料金や税金でまかなう構え。福島第一を除く原発の廃炉費用の一部も電気料金に上乗せする方針で、国民の負担が増え続けている。


 東京新聞は、「一兆円超の国費をかけてきたもんじゅ失敗の反省もないまま、原子力政策維持のための国民負担が膨らみ続けることになる。」、と指摘する。
 政府は、「原子力政策をめぐっては、福島第一原発の廃炉などの処理費用が従来予想から倍増して二十一兆五千億円かかる見通しとなり、政府はほとんどを国民の電気料金や税金でまかなう構え。福島第一を除く原発の廃炉費用の一部も電気料金に上乗せする方針で、国民の負担が増え続けている。」(東京新聞)、といった声に真摯に向き合わなけねばならない。
 本来、政府は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止の結果を十分に検証し、失敗の責任を明確にする中で、「3.11」を出発点にした新たな政策を提起しなけねばならないはず。


 以下、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-21 07:29 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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