カテゴリ:書くことから-原発( 266 )

松山地裁は、伊方3号機差し止め認めず。(2)

 東京新聞は2017年7月21日、標題について、「四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を禁止するよう県内の住民らが申し立てた仮処分について、松山地裁(久保井恵子裁判長)は21日、却下する決定をした。4カ所で申し立てられた仮処分のうち、今年3月の広島地裁決定に続いて運転差し止めを認めなかった。」、と報じた。
 また、「四国電側が算出した原発の耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の信用性や、東京電力福島第1原発事故後に原子力規制委員会が策定した新規制基準に基づく審査の在り方などが争点だった。ほか3カ所の仮処分は、広島地裁に申し立てた住民側が広島高裁へ即時抗告したほか、大分地裁と山口地裁岩国支部で審理が続いている。」、と伝えた。
 21日の15時30分から県庁記者クラブで行った記者会見で「伊方3号炉松山地裁仮処分決定についての声明」を発表した。また、18時から開催した報告集会では、抗議決議をあげた。
この抗議文で、この決定について、「本件仮処分では、昨年5月31日に申し立てた直後の7月、最高裁経験者が主任裁判官として配属された。審尋の中で、住民側の示す資料や意見書、専門家によるプレゼンテーションは四電側を圧倒していた。四国電力が資料を一部変造した事実も、裁判官たちの目の前で明らかになっていた。にもかかわらず、法律と良心のみに従う裁判官の職責を投げ捨て、福島原発事故を防ぐことができなかった司法の責任を忘れた許し難い決定である。」、と断罪した。
また、この決定の問題点を次のように指摘した。

(1)決定は、四国電力の側に「具体的危険性が存在しないこと」等を明らかにする必要があるとしながら、実際の判断では、いとも簡単に四電の主張疎明が尽くされたとしている。全くの欺瞞である。しかも、「危険性を認めるに足りる疎明資料はない」として、立証責任を不当に住民側に負わせている。
(2)決定には、福島原発事故による深刻な被害の認定がないことも特徴的であるが、安全に確証を持てなかったことを正直に吐露した広島地裁に比べ、住民の命と暮らしを顧みない、鉄面皮な国策追従決定である。
(3)伊方原発は、中央構造線断層帯に極めて近く、南海トラフの巨大地震の震源域にも位置しており、地震による危険性は全国でも飛び抜けた危険極まりない原発である。しかも、佐田岬半島に居住する人々の逃げ道はない。閉鎖性水域である瀬戸内海は死の海になってしまう。伊方原発が過酷事故を起こす危険を避けるため、住民が、その運転停止を求めるのは当然のことである。


 この上で、「私達は、本日の決定を断じて許すことが出来ない。強く抗議する。高松高裁において逆転決定を求めるとともに、伊方原発をとめ、廃止に向かわせるために全力をあげる。」、と強く抗議するとともに、今後の決意を示した。





by asyagi-df-2014 | 2017-07-27 06:15 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第5回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第5回口頭弁論・第8回審尋が、2017年7月20日14時30分より、大分地方裁判所で開催されました。今回も傍聴参加と報告集会に参加してきました。
これまでと同様に第1法廷で開催された裁判に、今回もまた、法廷をほぼ埋める人が集まりました。
  今回は、本訴訟に第二義訴訟の原告が初めて参加するものになりましたが、いつも通り25分ほどの時間で終了しました。
 本訴訟で毎回行われていた意見陳述が今後は難しくなるとの状況の中で、今回の口頭弁論では、第二次原告の工藤康紀さんが最後になるかもしれない意見陳述を行いました。
報告集会で、「伊方だけというよりは、日本の原発を止めたいという気持ちで裁判官に訴えた」、と語った工藤さんの意見陳述は、「大学、大学院で物理学を専攻し、県立高校で11年間、高等専門学校で25年間、教員をしていました。教員生活の最後の2年間は福島第一原発に近い福島高専におりました。今日は、原発を止めてほしいという思いから、この場を借りてお話しさせていただきます。」、から始まりました。
工藤さんの意見陳述の要約は次のものです。


(1)原発の運転に反対する気持ちもあり、一株主による反原発運動にも参加したりしていました。しかし、原発が事故を起こした場合の深刻さ、悲惨さは、今思えば十分に考えていなかったのだと思います。
(2)私はこれまでも原発に反対していたつもりですが、事故後に振りかえると、「なぜもっと行動しなかったのだろう。」という後悔が残りました。そのため、楽観的だった自分を許せませんでした。「今後は行動しなければならない。大分から義援金を送るだけではダメだ。」と反省しました。
(3)事故から1か月が経とうとする4月の春休みごろに、原発に最も近くでボランティア活動ができる福島県南相馬市でのボランティア活動に参加することを決めたのです。7月下旬に実際にボランティアに行きましたが、現地で強く感じたのは原発事故の想像を絶する影響力の大きさです。原発事故がもたらす破壊は、大規模であり、住人が住所を失うだけでなく、酷い場合には国の存続さえ危うくするものなのです。
(4)安倍総理大臣は「世界一厳しい原発の規制基準を作った。」と胸をはります。しかし、逆に言えば「日本はそれだけ世界一危険な地域に原発を作っている」という証拠でもあります。日本には火山や活断層が多く密集しています。このことを忘れてはなりません。
(5)福島の原発事故は人間のミスではなく、地震とその後に起きた津波による全電源喪失、すなわち自然現象が発端である、という点です。自然現象の特徴は、いつどこで起きるかが想像もつかないということです。
(6)電力会社がいうように、仮に原発事故の発端となるような大地震が千年に一度であろうと、一万年に一度であろうと、明日起きないという保障にはなりません。人間が想定する範囲の基準など、どこまでいっても、事故前の私と同じ楽観的予想に基づくものでしかありません。日本の原発の中で、中央構造線断層帯の近くにある伊方原発はワースト3に含まれるほど、危険な地域にあるという学者もいます。
 


 工藤さんは、意見陳述を次のようにまとめ、訴えとしました。


 「電力会社には原発を即時停止し、原子力以外の電力エネルギー源の開発に資金をつぎ込んでほしいです。そして、裁判所に対しては、国民を守る、国を守るためにもどうか原発の停止に向けて、司法権を適切に行使していただきたいと思います。原発の事故は、その影響や被害の大きさにおいて我々の想像を超えており、その他の事故とは全く異なります。繰り返しになりますが、自然界に人間の想像は通用しません。自然には勝てません!原発が運転されている限り事故は必ず起きます。そのことをもう一度深く深く真剣に考えてほしいと思います。」


 さて、4時前から行われた報告集会は、本訴訟の短さに比べて、熱と勢いのあるものに今回もなりました。結局、メモをとるのは報告集会でという形となっています。
 なお、この報告集会で設定されているマスコミからの質問コーナーは、あまりこれまでは経験したことのない積極的な質問が出されており、活気を呈しています。また、参加者にとっても、重要なポイントを確認できる場所となっています。

 報告集会で、最初に、 河村弁護士は次のことを説明しました。
(1)仮処分の審尋を、メドがついたととの裁判所側の判断により、10月11日の第9回審尋で終わる。
(2)裁判長交代にともない、①火山灰の問題、②大分県内の大分県民の避難の問題(このことについては、徳田弁護士より事務局長の小坂さん(田ノ浦在住)の事例と説明される)、③北朝鮮のミサイル問題、の準備書面を提出した。四電側は、10月4日までに反論を準備することになっている。
(3)仮処分の決定は、年内は無理のようである。
 この後、弁護士から、本訴訟の重点は、基準値震動の問題と上記三つを加えた四点になるとの説明がありました。 

 特に、今回の報告会の関心は、降下火山灰の問題に集まりました。
この降下火山灰の問題については、是非とも学習会が必要になっています。
 火山と担当する中野弁護士の報告会での話をまとめると次のようになります。
①火山灰で漏電をして使えなくなる。次に、ディーゼル発電等を使って冷却するが、火山灰で機能を喪失する可能性がある。                        ②電気事業連合会の「『機能維持評価葉酸高濃度』への対応について」(平成29年6月22日)によると、伊方3号機は、「設計層厚:15cm」「参考の濃度:約3.1g//m3」「現状の限界濃度:0.7g/m3」、となっている。なお、この場合の、限界濃度の説明は、現状設備において(ディーゼル発電機を交互に切り替え、フィルタ取替・清掃することによって)対応可能な限界濃度、と説明されている。つまり、新規制基準を満たしていないわけで、伊方3号機がこのままでは耐えられないことは明らか。
③火山灰と火砕流を分けて考える必要がある。予知が対象にしているのは、火砕流のこと。


この降下火山灰の問題に関して、小森弁護士から、「安全性が確保できなければ、止めて安全を確保すべきである。万が一の事故は防げない。」との本質を言い当てている発言がありました。
また、北朝鮮のミサイル問題について、河合弁護士より、「いろんな意見もあると思うが、非常に深刻な状態だと判断している。」、との説明がありました、
 このことに関しては、会場から、「動いている原発と動いていない原発の差はあるのか」、という質問が出されました。
 これについては、河合弁護士から、「対応の困難さは、動いているのが100だとしたら、動いていないものは10以下」、との説明がありました。もちろん、直接ミサイルが原発本体に当たれば、一緒の結果だとの指摘もありました。


最後に、徳田弁護士から、「大分県民が挙げて闘っているという意志を形として裁判所に見せる必要がある。できたら、原告の数は500人、いや、1000人が」、という激励がありました。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-22 05:29 | 書くことから-原発 | Comments(0)

松山地裁は、伊方3号機差し止め認めず。

 東京新聞は2017年7月21日、標題について、「四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を禁止するよう県内の住民らが申し立てた仮処分について、松山地裁(久保井恵子裁判長)は21日、却下する決定をした。4カ所で申し立てられた仮処分のうち、今年3月の広島地裁決定に続いて運転差し止めを認めなかった。」、と報じた。
 また、「四国電側が算出した原発の耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の信用性や、東京電力福島第1原発事故後に原子力規制委員会が策定した新規制基準に基づく審査の在り方などが争点だった。ほか3カ所の仮処分は、広島地裁に申し立てた住民側が広島高裁へ即時抗告したほか、大分地裁と山口地裁岩国支部で審理が続いている。」、と伝えた。


 実は、朝日新聞は2017年7月21日、この仮処分の焦点について、「住民側は松山地裁の審尋で、火山噴火の影響、地滑りや液状化、津波の危険性などを訴え、『住民の被曝(ひばく)や環境汚染を引き起こす過酷事故の危険性と緊急性が高まっている』と主張。四電側は地震動や火山、津波の危険性などを適切に評価しており、安全性を確保していると反論していた。」、と報じていた。
 また、最近の原発めぐる状況については、「伊方3号機については昨年以降、広島地裁、大分地裁、山口地裁岩国支部にも運転差し止めを求める仮処分が申し立てられた。うち広島地裁は今年3月、新規制基準に不合理な点はなく、基準地震動についても基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点はないと認定し、申し立てを却下。住民側は広島高裁に即時抗告した。原発に対する同様の仮処分申し立てでは、福井地裁が2015年4月、大津地裁が昨年3月、いずれも関西電力高浜3、4号機の運転差し止めを決定したが、異議審や抗告審で取り消された。」、と伝えていた。


 東京新聞の紙面に載せられたのは、「不当決定」「司法はもう福島を忘れたか」の垂れ幕を掲げた抗議の写真である。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-21 16:27 | 書くことから-原発 | Comments(0)

川勝平太知事は、中部電力浜岡原発の再稼働について、任期の四年間に同意しないことを明言。

 東京新聞は2017年6月28日、標題について次のように報じた。


(1)二十五日投開票の静岡県知事選で三選を果たした川勝平太知事は二十七日、県庁での記者会見で、中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼働について、任期の四年間に中電から同意を求められても同意しない意向を明らかにした。川勝知事はこれまで、使用済み核燃料の置き場が無いことなどを理由に「再稼働できる状況にない」と主張していたが、不同意を明言したのは初めて。
(2)川勝知事は「中電から再稼働したいとの要請があっても同意しないということか」との報道陣の質問に、「そういう意味だ」と答えた。さらに「一般論として原発賛成か反対かではなく、中電の浜岡原発についてどう思うかということ」と前置きした上で、「四年間で同意を求められることはないと思うが(同意を求められた時は)きちっと筋を通して申し上げる」と話した。
(3)原発の安全規制に関する法的権限は国に一元化されており、知事に再稼働を止める法的な権限はない。国のエネルギー基本計画では「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む」とされている。県と地元四市(御前崎、牧之原、掛川、菊川)、中電の三者で結ぶ安全協定には再稼働の事前了解に関する規定はない。
(4)中部電力本店広報部は二十七日、本紙の取材に「会見での知事のご発言の内容の詳細について承知しておらず、コメントできない」とした。


 実は、東京新聞は、2017年6月26日の社説で。「静岡県知事選 浜岡原発は重い宿題だ」、と知事の当選直後に、「任期のスタートは、最大、最強の『当事者』として、浜岡原発に真っすぐ向き合うことからだ。」、と投げかけていた。
 それは、次のように。


①川勝氏は以前から「再稼働には住民の意思が尊重されるべきだ」とし、住民投票の必要性も認めている。かと言って、自ら条例案を提出するつもりはなく「県民代表の議会が発議すべきだ」と、やはり、どこかよそよそしい。
②しかし、これまでの例から見ても、再稼働の最終判断を下すのは立地県の知事である。
福島と同じ沸騰水型で、地震の揺れの想定も難しく、審査に時間がかかりそうとはいうものの、三期目の任期の中で、川勝氏が知事として、重い判断を迫られる可能性は低くない。
③浜岡原発に関する住民の期待や不安を受け止めて、自らの考えを自らの言葉で語ること-。川勝県政「ジャンプ」の任期のスタートは、最大、最強の「当事者」として、浜岡原発に真っすぐ向き合うことからだ。


 最大、最強の「当事者」としてのあたりまえの判断が、こうして出された。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-08 10:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

東京新聞は、「『脱原発』」の声は依然、根強く、新たな世論の高まりの可能性も指摘される。」、と。

 東京新聞は2017年7月1日、「二〇一二年六月末、東京・首相官邸前での金曜デモに最大二十万人(主催者発表)とも言われる市民が集い、原発に「NO」を突きつけてから五年がたった。デモ参加者は減り、各地で原発再稼働の動きが続くが『脱原発』」の声は依然、根強く、新たな世論の高まりの可能性も指摘される。」、と伝えた。
 安倍晋三政権の意思は、原発再稼働の強行として示されてきた。
 果たして、このことを市民がどのよう受けとめることができているのか。
 例えば、東京新聞は、「本社加盟の日本世論調査会が一六年十一月に実施した最新調査では、再稼働について『反対』(58%)が「賛成」(35%)を大きく上回った。これを含め一四年以降の計五回の調査は、すべて『反対』が六割前後を占める。原発を推進する立場の日本原子力文化財団による、原発のイメージを複数回答で選ぶ調査ですら、福島第一原発の事故後は『不安』を選ぶ人が常に半数を超え『「必要」という人に大差をつけている。」と伝え、「だが、こうした声は国政に反映されていない。」、と報じる。
 また、こうした状況について、「安倍政権は選挙で耳に心地よい政策ばかりをPRし、根本的な問題を先送りしてきた。野党も場当たり的で、政策議題を構築する能力がない」と、早稲田大の谷藤悦史教授の指摘を借りて分析する。
 東京新聞は、最後に、脱原発について、まとめる。


(1)こうした構図は一九八六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故後にもあった。事故後の世論動向を分析した慶応大メディア・コミュニケーション研究所の山腰修三准教授は「原発への不安が高まり脱原発運動に発展したが、選挙では多様な争点の中に埋没した」と話す。
(2)歴史は繰り返す-。そのようにもみえるが、チェルノブイリ事故を機に脱原発運動を始めた市民団体「たんぽぽ舎」(東京)の山崎久隆副代表は「三十年前とは違う」と指摘する。東西冷戦下の当時、事故は旧ソ連の体制批判と結び付けられ、日本の原発の「安全神話」がかえって強調された。福島事故で「国民にはだまされたという思いが強い」と山崎さんは言う。
(3)福島事故後、自治体レベルでは一六年七月に鹿児島、十月には新潟の県知事選で、原発に慎重姿勢を示す候補が勝利。米山隆一新潟県知事は本紙に「原発問題に(政治が)答えていないというフラストレーションが人々にたまっている。原発は(国政選挙でも)争点になり得る」と語った。


 「国民にはだまされたという思いが強い」「原発問題に(政治が)答えていないというフラストレーションが人々にたまっている。原発は(国政選挙でも)争点になり得る」、というこえは、果たしてどれぐらいの水位まで届いているのだろうか。
 しかし、「3.11」は変えることを求めている。
 これだけは、譲れない。





by asyagi-df-2014 | 2017-07-02 15:45 | 書くことから-原発 | Comments(0)

佐賀地裁は、玄海原発3、4号機の再稼働差し止めを地元住民らが求めた仮処分申請で、佐賀地裁(立川毅裁判長)は、申し立てを却下。

 毎日新聞は、2017年6月13日、標題について次のように報じた。


(1)九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の再稼働差し止めを地元住民らが求めた仮処分申請で、佐賀地裁(立川毅裁判長)は13日、「運転により重大な被害が生じる具体的な危険が存在するとは認められない」として、申し立てを却下した。4月には山口祥義(よしのり)佐賀県知事が再稼働に同意している。今回の決定で九電は目標とする年度内の再稼働に向けてさらに前進した。住民側は福岡高裁に即時抗告する方針。」
(2)申し立てたのは市民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(佐賀市、石丸初美代表)のメンバーを中心に3号機90人、4号機146人(34人は重複)。
(3)立川裁判長は決定で「九電は相当の根拠、資料に基づき主張し、3、4号機の安全性に欠けるところがあるとは認められず、運転によって住民の人格権を侵害する恐れがあるとは認められない」と、住民側の訴えを退けた。
(4)住民側は申し立てで▽耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」が、九電が用いた計算式では過小評価されている▽2007年に2号機で配管のひび割れが見つかった後も「(2号機以外も含め)九電の検査体制が改善されておらず、重大事故の危険性がある」--などと訴えていた。
(5)立川裁判長はまず、司法判断をするにあたって「裁判所は、原子力規制委員会の専門技術的知見による判断に不合理な点がある場合は具体的な危険があると解する」と示した。その上で、争点の基準地震動については「新規制基準での基準地震動の策定には合理性がある」とし「地域的な特性に照らしても妥当性がある」と判断した。
(6)配管の安全性については「2号機のひび割れは01年の時点で発見できたはずの事象を、07年まで発見が遅れたことは問題がある」と指摘しながら「配管が損傷することで重大な事故が生じる恐れがあるとは認められない」と結論付けた。
【関東晋慈、平川昌範】




by asyagi-df-2014 | 2017-06-13 16:40 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原爆投下時の屋内の被曝線量が約3割低く算定されている可能性。

 朝日新聞は2017年6月5日、標題について次のように報じた。


(1)原爆投下時、建物の中で被爆した人が受けた放射線量が、約3割低く算定されている可能性があるとの研究結果を広島大名誉教授らのグループが明らかにした。建物などが放射線を遮る影響を過大評価している可能性を示唆したものだと指摘している。広島大の大瀧慈(めぐ)名誉教授(統計学)らのグループが4日、広島市で開かれた「原子爆弾後障害(こうしょうがい)研究会」で発表した。
(2)研究では、日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研)が公表している被爆者(広島1980人、長崎1062人)の染色体異常の発生頻度と被曝(ひばく)線量の関係性を再解析。その結果、建物などによる遮蔽(しゃへい)の影響が過大評価され、屋内被爆で約29%線量が低く算定されていることがわかったという。
(3)広島の屋内被爆者と屋外被爆者の染色体異常の頻度を比べると、屋内の方が約40%高いことも判明。外部から入り込む粉じんなどによる内部被曝の影響の可能性があると研究グループは指摘している。
(4)被曝線量の算定の対象となるのは原爆炸裂(さくれつ)時の初期放射線で、屋内で被爆した人の健康被害は一般的に小さいと捉えられてきた。研究グループは「放射線被害は初期放射線だけでは説明できない。線量評価システムの再構築が必要だ」としている。


 確かに、「放射線被害は初期放射線だけでは説明できない。線量評価システムの再構築が必要だ」、ということになる。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-09 09:01 | 書くことから-原発 | Comments(0)

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、国内最悪の内部被曝。

 朝日新聞は、標題について、2017年6月7日の早朝、次のように報じた。


(1)6日午前11時15分ごろ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、作業員5人がウランとプルトニウムが入った保管容器を点検していたところ、放射性物質が漏れて被曝(ひばく)した。このうち3人は、プルトニウムによるとみられる最大24ベクレル(アルファ線)の汚染が鼻腔(びくう)内に確認された。体調不良を訴える作業員はいないが、原子力機構は体内に入った放射性物質から被曝する内部被曝の有無を調べている。放射性物質の外部への影響はなかったという。
(2)原子力機構によると、事故があったのは高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。実験が終わった核燃料は容器に入れ、それをビニールで二重に包んだ後、さらに直径10センチほどの円筒形の金属容器に入れていた。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、ビニールが破れて放射性物質が飛散した。圧力の変化が影響したとみられるという。
(3)5人の防護服や手袋が汚染された。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔内からは汚染が確認された。原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としている。
(4)原子力規制委員会は、地元の保安検査官が立ち入り検査し、現場を確認した。原子力機構は今後、5人が内部被曝をしていないか数週間かけて調べるという。


 当初、原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としていたが、事故の被害は予想以上に深刻で、「過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は『将来、健康被害が出る可能性があり、長期的に経過を観察しなければならない』としている。」、ということが明らかになった。
 朝日新聞は次のように続けて報じた。


(1)茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、このうちの1人で50代の男性職員の肺から、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。暫定で1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「急性の放射線障害が出るほどではない」としている。
(2)原子力機構によると、残る4人からはプルトニウムは検出されなかったが、この男性を含む3人から最大220ベクレルのアメリシウムも検出された。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤を注射する処置を受け、7日午前に千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。
(3)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散した。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。原子力機構によると、この作業でビニールが破れることを想定していなかったため、作業は密封した状態ではなく、一部が開いた作業用の箱の中で行っていた。
(3)原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある」と問題視した。


 さらに、朝日新聞が次のように報じた。


(1)原子力機構によると、20~40代の3人の肺からも容器内の放射性物質が検出された。残りの40代の1人も内部被曝した可能性が高いという。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤の点滴を受け、7日午前に、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送された。放医研で正確な内部被曝量を測定する。
(2)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。6日に保管状況を確認するため、保管容器のフタを開けたところ、突然、放射性物質が入ったポリ容器を包んでいたビニール袋が破れ、粉状の放射性物質が飛散した。
(3)原子力機構は、この作業でビニール袋が破れることを想定しておらず、作業は密閉した状態で行われていなかった。口と鼻を覆うフィルター付きの特殊なマスクをして作業していたが、内部被曝した。
(4)保管容器はウランとプルトニウムを封入した1991年以降、年に1回、容器の外観は点検していたが、26年間、内部は一度も点検していなかったという。同じものが入った保管容器が20個残っているといい、原子力機構は今後、容器内の状況を調べるという。
(5)原子力規制委員会の田中俊一委員長は7日の記者会見で「これまで(プルトニウムを扱う作業で)事故がなかったことで、プルトニウムに慣れすぎたのではないか。原子力機構は真剣に反省し、手順を考え直すべきだ」と語った。


 2万2千ベクレルの内部被曝とは、すでに、原子力機構は当事者能力を失っていることを示すものである。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-08 12:19 | 書くことから-原発 | Comments(0)

ロバート・ゲラ―元東京大教授の「日本政府は地震予知ができないことを認めるべきだ」との警鐘を受け取ることができるか。

 このことについて、朝日新聞は2017年5月18日、次のように報じた。


(1)日本政府は地震予知ができないことを認めるべきだ――。こう題した論考が英科学誌ネイチャーに18日、掲載された。東日本大震災から6年を経ても、科学的根拠が乏しい地震予知や長期予測に頼っているとして、防災政策を改めるよう促している。
(2)筆者は米国生まれで、今年3月で東京大教授を退職した地震学者のロバート・ゲラーさん(65)。1984年に来日して以来、日本の地震研究が地震の予知に偏っていることに疑問を抱いてきた。
(3)論考では、東海地震に備えた大規模地震対策特別措置法(大震法、1978年施行)が、地震の前兆現象の観測を前提にしていることや、南海トラフ地震などの大地震が周期的に起こるという考えに基づき、発生する確率を算出していることについて、いずれも「科学的根拠はない」と指摘している。一方で、東日本大震災を起こした地震は「想定外」だとして、現在も予知や予測に基づいた政策を続けていることは不適切だと批判した。
(4)ゲラーさんは「政府は国民に正確な直前予知ができないことを伝え、堅実な科学研究に基づいた地震対策をすべきだ。ネイチャー誌も、東日本大震災後に改善の兆しが見られない日本の地震学の状況を憂慮して論評の場を提供してくれたのではないか」と話している。


 この警鐘は、原子力規制委員愛の根拠をも揺るがす。
 日本という国で、原子力発電所がある場所はない。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-20 08:35 | 書くことから-原発 | Comments(0)

関西電力は、高浜原発4号機を再稼働させる。

 朝日新聞は、標題について次のように報じた。



(1)関西電力は17日午後5時、高浜原発4号機(福井県、出力87万キロワット)を再稼働させた。関電の原発が動くのは約1年2カ月ぶり。これで国内で運転中の原発は、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)と合わせて計4基となる。
(2)高浜4号機は、2016年2月にいったん稼働したが、3日後に発電機と送電線をつなぐ作業中のトラブルで緊急停止。その後は、大津地裁が出した運転差し止めの仮処分決定を受けて動かせなかった。
(3)今年3月、大阪高裁がこの仮処分を取り消したことで、関電は4号機から再稼働させた。今月22日に発電と送電を始め、6月中旬に営業運転に入る。関電は3号機も6月上旬に再稼働させ、7月上旬には営業運転に入る予定。その後、電気料金を値下げする考えだ。
(4)今後も原発の再稼働は相次ぐ見通しだ。九州電力は夏にも玄海3、4号機(佐賀県)を、関電は10月にも大飯3、4号機(福井県)を再稼働させる方針だ。





by asyagi-df-2014 | 2017-05-17 17:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧