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広島高裁は2017年12月13日、申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四電に運転差し止めを命じる決定を出した。

 毎日新聞は2017年12月13日、表題について次のように報じた。


(1)「四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島、愛媛両県の住民が求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四電に運転差し止めを命じる決定を出した。野々上裁判長は『阿蘇山(熊本県)の噴火で火砕流が原発敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できない』などとし、火山災害による重大事故のリスクを指摘した。高裁レベルの差し止め判断は初めて。差し止め期限は来年9月末まで。仮処分はただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定が覆らない限り運転できない。」
(2)「伊方3号機は定期検査のため今年10月に停止。四電は来年2月の営業運転再開を目指していたが、差し止め決定で稼働スケジュールに影響が出ることは避けられない。四電は近く決定の取り消しを求める保全異議と、仮処分の執行停止の申し立てを広島高裁に行う方針だ。」
(3)「伊方3号機は2015年7月、原子力規制委員会が東日本大震災後に策定した新規制基準による安全審査に合格し、昨年8月に再稼働した。住民側は、四電の安全対策は不十分で、事故で住民の生命や生活に深刻な被害が起きるなどとして広島地裁に仮処分を申請。地裁は今年3月に申し立てを却下し、住民側が即時抗告していた。」
(4)「高裁の審理では、基準地震動(想定する最大の揺れ)の妥当性や火山の危険性などが争点となった。野々上裁判長は決定で、規制委が作成した安全審査の内規『火山ガイド』が、火山の噴火規模が推定できない場合、過去最大の噴火を想定して評価すると定めていることを指摘。その上で、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山について『四電の地質調査やシミュレーションでは、過去最大の約9万年前の噴火で火砕流が原発敷地の場所に到達した可能性が十分小さいとは評価できない』などと述べ、原発の立地として不適と断じた。さらに、阿蘇山の噴火に伴う噴石や火山灰などの降下物についても、四電が想定した九重山(大分県)噴火の『2倍近くになる』と説明。『伊方原発から見て阿蘇山が九重山より遠方に位置することを考慮しても、四電の降下物の厚さや大気中濃度の想定は過小』と判断。『住民らの生命身体に対する具体的危険が推定される』と述べた。一方、火山災害以外の地震対策などは、新規制基準の内容や規制委の判断、四電が設定した基準地震動などを『合理的』として容認した。」
(5)「運転差し止めの期限を巡って野々上裁判長は、広島地裁で別途審理している差し止め訴訟の判決で『仮処分決定と異なる判断をする可能性もある』などと述べ、来年9月30日までとした。」
(6)「東日本大震災後、差し止めを認めた判決・決定(異議審含む)は、関西電力高浜原発3、4号機(福井県、3号機は当時稼働中)を巡る昨年3月の大津地裁の仮処分など4例。いずれも地裁の判断だった。」【東久保逸夫】
(7)「四電は『基準地震動の合理性や火山事象への安全性の確保について、裁判所に丁寧に主張・立証を行ってきた。主張が認められなかったことは極めて残念で、到底承服できない。早期に仮処分命令を取り消していただけるよう、速やかに異議申し立ての手続きを行う』とのコメントを発表した。」




by asyagi-df-2014 | 2017-12-13 20:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

福井県知事が、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に合意。

 福井県の西川一誠知事は、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機の再稼働への同意を表明した。
このことについて、毎日新聞は、次のように報じた。


(1)「関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、福井県の西川一誠知事は27日、県庁で記者会見し、『再稼働は地域のためになる。日本にとっても有意義だ』と述べ、再稼働への同意を表明した。世耕弘成経済産業相に電話で意向を伝えた。おおい町長・町議会と福井県議会も既に同意しており、地元同意手続きは完了した。関電は3号機を来年1月中旬、4号機を3月中旬に再稼働させる計画だ。」
(2)「東京電力福島第1原発事故を受けて策定された原子力規制委員会の新規制基準の下で、西川知事が原発の再稼働に同意したのは、稼働中の関電高浜原発3、4号機(福井県高浜町)に続き2例目。知事同意は▽九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)▽四国電力伊方原発3号機(愛媛県)▽高浜原発3、4号機▽九電玄海原発3、4号機(佐賀県)--に続き全国で5例目となる。」
(3)「大飯3、4号機は5月に規制委の安全審査に合格。西川知事は今月22日、福井県原子力安全専門委員会から2基の安全性を評価する報告書を受け取った。26日には世耕氏と面会し、原発の必要性を訴える国の姿勢を確認した。一方、県外立地を求めている使用済み核燃料中間貯蔵施設については、23日に関電の岩根茂樹社長から『来年には具体的な計画地点を示す』との回答を引き出した。」
(4)「大飯3、4号機を巡っては、福井地裁が2014年5月の判決で、原発から250キロ圏内の住民は『運転により人格権が侵害される危険がある』とし、関電に運転差し止めを命じ、関電側が控訴した。名古屋高裁金沢支部での控訴審は今月20日に結審したが、判決期日は未定。運転差し止め判決が確定しない限り、2基は再稼働できる。」
【岸川弘明、立野将弘】


 さて、問題は、どうして「再稼働は地域のためになる。日本にとっても有意義だ」と福井県知事は言い切ることができるのか、ということだ。
 これに関して、朝日新聞は2017年11月30日、「関電大飯原発 課題はまた置き去りか」、とその社悦で論評した。
朝日新聞は、「再稼働はとうてい容認できない。」との見解の基に、次のように指摘する。


(1)「福井県の西川一誠知事が、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働への同意を表明した。『地元同意』の手続きはこれで終わり、関電は年明け以降、2基を順次稼働させる方針だ。」
(2)「自治体の避難計画作りの対象となる原発から30キロ圏には15万9千人が暮らす。その圏内で、大飯原発から西に14キロの関電高浜原発では、3、4号機が今年5~6月から稼働している。だが、両原発が同時に事故を起こすことを想定した住民避難計画はできていない。重い課題がまたも置き去りだ。再稼働はとうてい容認できない。」
(3)「関電は、運転開始から40年を超えた高浜1、2号機と美浜原発3号機をあと20年使うと決めた。再来年で40年になる大飯1、2号機も存廃は未定だ。福井の若狭湾沿いに多くの原発が集中する状況は当分続く。」
(4)「もし原発事故が起きれば、周辺住民の大半がマイカーで避難する想定だ。これまでの避難訓練で、限られた避難ルートで渋滞が起きないか、悪天候時に一部の地域が孤立しないかといった懸念が浮かんでいる。近接する原発が同時に事故を起こせば、住民の混乱は必至だ。さまざまな展開を想定して計画を練り、住民に周知することが最低限、必要だろう。それがないまま再稼働を進める関電や国はもちろん、同意した自治体も無責任というしかない。」
(5)「30キロ圏に住民がいる滋賀県知事が『容認できる環境にない』と述べるなど、周辺自治体の懸念は根強い。だが関電は、福井県と原発が立地する町以外に『同意権』を認めないままだ。」
(6)「関電の原発は使用済み核燃料プールが満杯に近い。岩根茂樹社長は今月、福井県外につくるとしている中間貯蔵施設について「来年中に計画地点を示す」と述べた。ただ、関西の電力消費地では、多くの自治体が受け入れを拒む構えだ。関電の思惑通りに進むか予断を許さない。」
(7)「関電は高浜原発で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を用いるプルサーマル発電をしており、大飯でも実施の可能性を探るという。だが、使用済みMOX燃料を再処理する国の構想は白紙の状態だ。当面、各原発で保管し続けるしかない。」
(8)「こうした課題の多くは全国のほかの原発にも共通し、しかも繰り返し指摘されてきた。ところが電力会社と国、多くの立地自治体は、真剣に向き合う姿勢をいっこうに見せない。」
(9)「懸念が積み重なるなかで、再稼働だけが既成事実になっていくことを憂える。」


 この朝日新聞の指摘だけから見ても、今回の福井県知事の再稼働承認には、次の問題がある。


Ⅰ.両原発が同時に事故を起こすことを想定した住民避難計画はできていない。重い課題がまたも置き去りだ。
Ⅱ.開催電力は、福井県と原発が立地する町以外に『同意権』を認めないままだ。
Ⅲ.使用済み核燃料について、使用済みMOX燃料を再処理する国の構想は白紙の状態だ。当面、各原発で保管し続けるしかない。


 結局、「ところが電力会社と国、多くの立地自治体は、真剣に向き合う姿勢をいっこうに見せない。懸念が積み重なるなかで、再稼働だけが既成事実になっていくことを憂える。」、という朝日新聞の警告が、日本政府の原発行政のあり方を撃つのである。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-01 06:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

福島地裁の判決(2017年10月10日)の重みを肝に銘じること。

 朝日新聞は2017年10月10日、)「東京電力福島第一原発事故でふるさとの生活が奪われたとして、福島県の住民ら約3800人が国と東電に生活環境の回復や慰謝料など総額約160億円の賠償を求めた訴訟で、福島地裁(金沢秀樹裁判長)は10日、国の責任を認め、国と東電に賠償を命じる判決を言い渡した。生活環境の回復を求める訴えは却下した。原発事故を巡る同様の集団訴訟は全国で約30あり、福島地裁での判決は前橋、千葉の両地裁に続き3例目。福島訴訟では、国の避難指示が出た区域の原告は約1割。大半は福島県内の避難指示が出なかった地域の住民で、宮城や茨城、栃木の住民もいる。」、と伝えた。
 このことを考える。
2017年10月11日、茨城新聞は「原発政策と福島判決 苦悩と教訓に向き合え」、信濃毎日新聞は「福島集団訴訟 国は責任を直視せよ」、」、と次のように論評した。


Ⅰ.判決の特徴・内容
(茨城新聞)
(1)これまで判決が出た前橋と千葉の両訴訟とは異なり、原告の大半は避難者ではなく、事故時に福島県や隣県で避難指示などの対象にならず、居住地にとどまった住民。被ばくによる健康不安にさらされずに平穏に生活する権利を侵害され、家族や地域の人間関係を壊された-などと訴えた。
(2)判決で福島地裁は、福島沖などで巨大な津波地震が発生する恐れを2002年に指摘した政府機関の長期評価について「専門的研究者の間で正当な見解と是認されていた」とし、国と東電は津波到来を予見できたと判断。「津波対策を取っていれば、事故は回避可能だった」と結論付けた。
(3)その上で、国の責任を巡り「規制権限の不行使は許容される限度を逸脱し、著しく合理性を欠いていた」と批判。対策を怠った東電の責任については「過失があるといえるが、故意や重過失は認められない」とした。
(4) 国の責任を巡っては前橋判決も同じ判断を示したが、先月の千葉地裁判決は予見可能性を認めながらも「対策を取っても、事故は防げなかった可能性がある」と東電のみに賠償を命じ、裁判所の判断が分かれている。


(信濃毎日新聞)
(1)原発事故の被害者による集団訴訟は、全国各地で30件ほど起こされている。福島地裁の訴訟では、事故後も避難せず自宅で暮らしてきた福島県の人たちが原告の中心で、宮城、茨城、栃木各県の住民も加わっている。判決は3件目。3月の前橋地裁は今回と同様に国の過失を明確に認定した。9月の千葉地裁は国の責任は認めなかった。
(2)大津波を予見できたか、が争われた。政府機関が2002年に公表した地震予測の長期評価に基づき、東電が08年に試算したところ津波が海面から10メートルの原発敷地を上回るとの結果が出た。
(3)福島地裁は判決で、国が長期評価を基にシミュレーションしていれば「最大15・7メートルの津波を予見可能だった」と断じた。さらに、東電に対策を命じていたら事故は回避可能だったとし「規制権限の不行使は著しく合理性を欠いた」と厳しく批判している。長期評価は確かな知見ではなく、東電に命じる権限もなかったとする国側の反論を一蹴した。
(4)原告側は放射線量を事故前の水準に戻す「原状回復」を求め、実現するまで1人月5万円の慰謝料を請求。判決は原状回復の訴えは退けた。前橋地裁、千葉地裁が認定した「ふるさと喪失」への慰謝料も、既に支払われた賠償に含まれるとして却下している。ただ、2件の判決に続いて、今回も国の指針に沿って東電が支払っている慰謝料を上回る賠償を命じている。現在の指針は加害者側が決めた枠組みであり、その範囲で解決できない損害がいかに大きいかを示している。


Ⅱ.主張
(茨城新聞)
(1)原発事故から6年7カ月。今なお福島県の5万5千人余りが県の内外で避難生活を強いられ、多くの人が被ばくの不安や風評被害などに苦しんでいる。だが国は原発の再稼働に前のめりだ。福島地裁判決の直前には、新潟県の東電柏崎刈羽原発6、7号機が再稼働に向け原子力規制委員会の審査に事実上合格した。
(2)衆院選で野党は競うように「原発ゼロ」を公約に掲げているが、具体的な工程表はどこからも示されず、うわべだけの論戦に終わらないか懸念する声も出ている。与野党とも、集団訴訟で語られる住民らの苦悩と事故の教訓にきちんと向き合うことが求められよう。
(3)政府は事故原因の検証もそこそこに、原発を「重要な電源」と位置付け再稼働を進める。規制委が規制基準への適合を認めたら、その判断を尊重して地元の理解を得るという手続きを踏むが、多くを規制委や自治体、電力会社に任せ、国の責任があいまいなまま、既成事実が積み上げられていくことに疑問が投げ掛けられている。
(4) 福島判決は「国の責任の範囲は東電の責任の2分の1と認めるのが相当」とするが、長年にわたり原発事業が国策として推し進められ、再稼働についても「世界一厳しい規制基準」が強調されており、原発の安全、さらに万が一の事故に対する責任において、国が前面に立つのが筋だろう。
(5) 一方、衆院選では、希望の党が「30年までに原発ゼロ」を、立憲民主党も「一日も早く原発ゼロを実現」を公約に掲げている。ただ他の野党も含め、目標達成の具体的な工程表は示されていない。また原発再稼働を巡って、希望が条件付きで容認するなど主張に濃淡があり、本気度がまだ伝わってこないことを指摘しておきたい。


(信濃毎日新聞)
(1)まっとうな判断だ。
(2)住宅や仕事を失い、人間関係を断たれた。避難先では子どもがいじめに遭い、体調を崩す大人も少なくない。年間被ばく線量の限度は20ミリシーベルトに引き上げられ、その“異常値”を当然の目安のようにして国は避難区域を解除し、慰謝料や住宅無償提供を打ち切る。健康管理にさえ、国と東電は責任を持とうとしない。被害者が置かれている現状である。
(3)国と東電は支援や賠償のあり方の見直しこそ急ぐべきだ。原発事故は起きないと「安全神話」を吹聴しておきながら、法廷で「想定外だった」と強弁し、責任を回避するのではあまりに見苦しい。


 確かに、「原発政策と福島判決 苦悩と教訓に向き合え」「福島集団訴訟 国は責任を直視せよ」と並べただけで、判決の意味の一端を理解できる。
 ここでは、信濃毎日新聞の「国と東電は支援や賠償のあり方の見直しこそ急ぐべきだ。原発事故は起きないと『安全神話』を吹聴しておきながら、法廷で『想定外だった』と強弁し、責任を回避するのではあまりに見苦しい。」、を強く掲げる。




by asyagi-df-2014 | 2017-10-21 06:44 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第6回口頭弁論を傍聴してきました。

 四国電力伊方原発運転差し止め訴訟の第6回口頭弁論・第9回審尋が、2017年10月11日14時30分より、大分地方裁判所で開催されました。今回も傍聴参加と報告集会に参加してきました。
口頭弁論は、これまでと同様に第1法廷で開催されました。ただ、今回は、いささか参加者の数が少ないうように感じました。また、いつも通り20分ほどの時間で終了しました。
 前回の口頭弁論では、傍聴席から、「裁判長の声も弁護人の声も、よく聞こえない」との発言がありました。その抗議の声に裁判所はきっちと答えてくれていました。裁判長は、マイクを通して、「一番後ろの人聞こえますか」、と確認を行いました。このことは、徳田弁護士によると、裁判所が傍聴人をを気にしていることの表れだとのことでした。
 全国的傾向で原告本人の意見陳述を制限するという大きな動きがあるなかで、原告が意見陳述ができるかどうかは、裁判所の判断となっています。
 こうした裁判所の判断を受けて、今回は、徳田靖之弁護士の意見陳述が行われました。
徳田弁護士の意見陳述の要約は次のものです。


(1)提出した準備書面(2)の主張の根幹は、「福島第一原発事故のような過酷な事故を二度と起こさせないという意味での『限定的』絶対的安全性」にあること。
(2)この主張は、伊方原発行政訴訟における最高裁平成4年10月29日判決『深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため、原子炉設置許可の段階で、・・・十分な行わせることにある』と判示していることを踏まえて、その後に発生した同事故の甚大な事故に照らし、同判決の求める『万が一』との要件をより具体化したものであること。
(3)伊方原発操業差止仮処分申し立てに関する広島地裁及び松山地裁の判断枠組みとなっている、川内原発稼働等差止仮処分に関する福岡高裁宮崎支部の決定は、「原発に求められる安全性の程度は、我が国の社会がどの程度の危険性があれば容認するのかという視点、すなわち、社会通念を基準として判断するほかない」とした上で、「その社会通念を、最新の科学的技術的知見を踏まえて、合理的に予測される規模の自然災害を想定した安全性で足りると」の判断を示しめし、「限定的」絶対的安全性という主張を排斥したものになっていること。
(4)しかし、この判断は全くの誤りであること。
(5)その根拠は次のものであること。
①第一に、「本件で原告らは、憲法第13条の保障する、命・自由・幸福追求権に基づいて、伊方原発の差止を求めている」こと。何故なら、このような平穏に生活する権利が侵害されるかどうかの判断をするにあたって、社会通念を基準にするというのは、絶対にあってはならないことであるころ。
 このことは、ハンセン病隔離政策が国の誤った隔離政策によって形成された「恐ろしい伝染病である故に、ハンセン病患者は、隔離されるべきだ」との誤った社会通念によって、89年間にもわたって、存続してきたことを考えれば、誰にでもわかる道理であること。
②第二に、「何故に、想定すべき自然災害の規模が、合理的に予想される範囲にとどまるというのが社会通念であるといえるのか、全く説明がつかない」こと。
 川内原発稼働等差止仮処分に関する福岡高裁宮崎支部の決定は、「どのような事象が生じても発電用原子炉施設から放射性物質が周辺の環境に放出されることのない安全性を確保することは、少なくとも現在の科学技術水準をもってしては不可能というべきであって、想定される事象の水準(レベル)をいかに高く設置し、当該事象に対する安全性確保を図ったとしても、想定される水準(レベル)を超える事象は不可避的に生起する」と指摘する。
 しかし、こうした認識から出てくる方策の選択は、1 だから、原発はすべて廃止すべきだ、2 それでも可能な限り想定される事象のレベルを高く設定すべきだ、ということが考えられるのに、「何故に、合理的に予想される規模を想定すれば足りる」という結論に至るのか、全く何らの説明もなされていないこと。
(6)まさしく、「非科学的、否、非論理的な決めつけ」としか言えないものであること。
(7)このことは、①前述の最高裁判決が、「万が一にも」という言葉を用いていること、②昭和53年9月29日制定の旧耐震設計指針では「基準値振動(S1)(S2)をもたらす設計用最強地震としては『最も大きいもの』を想定すると定めていること、③国土交通省河川局が作成したダムの耐震性能に関する指針においてすら、『当該地点で考えられる最大級の強さの地震動』をもとめている」ことからすると、これらの判例や従来の原発の安全性判断において求められてきた諸基準とも著しく相違していること。
(8)「福島第一原発事故は、最新の科学的知見に基づく予測を超える自然災害が起こりうることを改めて明らかに相違しています。こうした甚大且つ深刻な被害を目の当たりにしながら、何故に、その想定すべき規模を合理的に予測される範囲で足りる等ということが言えるでしょうか。・・・この隔たりの大きさを前提にしたうえで、その当否を判断するにあたって、社会通念を理由に、『合理的に予測される』規模を想定すれば足りる等という基準を採用することが、許されるはずがありません。」こと。
(9)川内原発稼働等差止仮処分に関する福岡高裁宮崎支部の決定は、改正原子炉規制法の目的及び趣旨を「最新の科学的・専門気寿的知見を踏まえて合理的に予想される規模の自然災害を想定した発電用原子炉施設の安全性の確保を求めるもの」としていますが、このような判断は、法改正が、「今後、福島第一原発事故と同様な事故を発生させない」ことを目的としていることに明らかに反すること。


 徳田弁護士は、その意見陳述を次のように結びました。


「原告らが訴状で求めた『限定的』絶対的安全性は、より具体的には、最新の科学的知見に基づいた予測される最大規模の自然災害に対応しうる安全性であるということができます。本件においては、こうした判断基準によって差止の要否がされるべきことを求めて、私の意見陳述といたします。」


 さて、16時8分からら行われた報告集会は、本訴訟の短さに比べて、今回も熱さに溢れたものになりました。今回も、メモをとるのは報告集会でという形となりました。
 報告集会で、最初に、 河村弁護士は次のことを説明しました。
(1)今回は、二時間ほどの激しいやりとりがあった。
(2)「裁判所がよくわからないだろうから質問してください」、「12月上旬に広島高裁判断が出るから、判断枠組みが出てから判断する必要がある」、との理由で裁判所の求釈明を求め、審尋の終了に反対した。
(3)裁判長は『心外です』としたうえで論議になったが、判事で合議した結果(10分ほどかかった)、次回に90分の審尋を行うことになった。
(4)今年度中(2018年3月)に決定が出ると考えている。
(5)会場内からのミサイル問題については、原発を止めている状態と止めていない状態では、「100と3」の違いがあると説明してくれました。


 最後に、徳田弁護士から、「傍聴席が満杯になることは、この問題を自分たちの問題として考えていることを、裁判所に伝える機会である。それは、裁判所にいい加減な判断をさせないということでもある。」、「やっぱり、伊方原発が危ないことをわからせることが一番重要。」、と熱くまとめてくれました。





by asyagi-df-2014 | 2017-10-19 06:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

福島地裁は、東京電力福島第一原発の過酷事故に、国の責任を認め、国と東電に賠償を命じる判決を言い渡した。しかし、生活環境の回復を求める訴えは却下。

 朝日新聞は2017年10月10日、表題について次のように報じた。


(1)「東京電力福島第一原発事故でふるさとの生活が奪われたとして、福島県の住民ら約3800人が国と東電に生活環境の回復や慰謝料など総額約160億円の賠償を求めた訴訟で、福島地裁(金沢秀樹裁判長)は10日、国の責任を認め、国と東電に賠償を命じる判決を言い渡した。生活環境の回復を求める訴えは却下した。」
(2)「原発事故を巡る同様の集団訴訟は全国で約30あり、福島地裁での判決は前橋、千葉の両地裁に続き3例目。」
(3)福島訴訟では、国の避難指示が出た区域の原告は約1割。大半は福島県内の避難指示が出なかった地域の住民で、宮城や茨城、栃木の住民もいる。」
(4)原告は『原発事故前の暮らしを取り戻したい』として、居住地の空間放射線量を事故前の水準とする毎時0・04マイクロシーベルト以下に引き下げる『原状回復』を要求。実現するまで、毎月5万円の慰謝料を求めた。また、原告の一部は原発事故で仕事や人間関係を失ったとして、1人2千万円の『ふるさと喪失』慰謝料も求めた。」
(5)これに対し、国や東電は放射線量を引き下げる具体的な方法が不明確で、金銭的にも不可能などと反論。賠償も国の基準の中間指針に基づいて支払った金額で十分だとしていた。」
(6)原発事故に対する国と東電の責任については、原告は地震調査研究推進本部が公表した「長期評価」などを根拠に、国側は原発の敷地高さを超える津波を予測できたと主張。国側は長期評価には様々な反論があったとして、『科学的根拠に乏しい』と反論した。今年3月に最初に判決が言い渡された前橋地裁は、国と東電についてともに津波を予見できたと指摘。対策を怠ったと認め、計3855万円の支払いを命じた。一方、9月の千葉地裁は国の賠償方針を上回る支払いを命じたが、国の責任は否定。東電についても重大な過失があったとは認めなかった。」




by asyagi-df-2014 | 2017-10-10 20:25 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機が原発の新規制基準に「適合」しているとした審査書案を了承。

 東京新聞2017年10月4日、表題について次のように報じた。


(1)「原子力規制委員会は四日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機が原発の新規制基準に『適合』しているとした審査書案を了承した。東電の原発としても、事故を起こした福島第一原発と同じ仕組みの沸騰水型としても初めての新基準適合判断となった。」(小川慎一)
(2)「規制委は五日から、審査書案について国民から意見を募る手続き(パブリックコメント)を一カ月間実施。東電を所管する経済産業相に意見を聴いた後、審査書を正式決定する。」
(3)「東電は、新基準施行後、他社より二カ月遅れの二〇一三年九月に審査を申請。福島事故の処理や住民への賠償の費用捻出のため、再稼働は不可欠としている。ただし、立地する新潟県の米山隆一知事は『福島事故の検証に三、四年かかる』と明言。地元同意が得られる見通しはなく、再稼働できる状況にはない。」
(4)「前回九月二十七日の会合では、事務局が、柏崎刈羽の安全対策とその評価をまとめた審査書案を提示。委員から、事故収束時の作業員の被ばく想定などについて質問があったが、審査書案への異論は出なかった。この日午前十時半に始まった会合では、前回会合で委員から出た質問に、事務局が一時間超かけて回答。正午すぎ、更田豊志委員長と委員四人が全員一致で審査書案を了承した。」
(5)「規制委は、福島事故の当事者の東電に、原発を運転する資格があるかについても、審査に準じて議論してきた。東電経営陣が『福島事故の収束をやり遂げ、柏崎刈羽を安全第一で運営する』と口頭や文書で表明したことを受け、既に『資格あり」』認定している。」
(6)「東電は、新基準に適合させるため、想定する津波の高さを引き上げ、海抜十五メートルの防潮堤を整備した。重大事故時に原子炉格納容器が破裂するのを防ぐため、内部の蒸気を抜くフィルター付きベント(排気)設備のほか、独自開発した原子炉冷却装置も設置する。」


 
 よく理解できないことは、「東京電力の原発として、また事故を起こした福島第一原発と同じ仕組みの沸騰水型原発が、初めて新基準による判断で適合判断を受けた。」、ことの理由である。しかも、地元新潟県の同意が得られる見通しはないなかである。
東京電力の『適格性』についても、東京電力が福島事故の収束をやり遂げとは到底言えない状況下ではないのか。
 福島原発事故関連の各裁判は、東京電力が事故を収拾できていないから起こされているものである。
こうしたことを考える時、原子力規制委員会の『適格性』が問われる。





by asyagi-df-2014 | 2017-10-04 20:53 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原子力規制委員会は、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働への審査で、東京電力の「適格性」を条件付きで認める。(3)

 毎日新聞は2017年9月21日、表題について次のように報じた。


(1)原子力規制委員会は20日の定例会に東京電力の小早川智明社長ら経営陣を呼び、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査に関連して3回目の意見聴取をした。小早川社長は自ら先頭に立って原発の安全性向上に取り組むことなどを原発の保安規定に盛り込むことを了承し、規制委は東電が原発を再び運転する適格性を認める方針を決めた。
(2)焦点だった東電の適格性を巡る議論が決着したことで、規制委は近く6、7号機が新規制基準に適合したことを示す審査書案をまとめる。ただし、新潟県の米山隆一知事は再稼働に慎重な姿勢を示しており、稼働時期のメドは立たない。
(3)規制委は東電が重大事故を起こしたことを重視し、通常の技術審査に加えて原子力事業者としての適格性を見極める異例の対応を取った。この日の定例会で、原発の運転手順などを定める保安規定に安全性向上や福島第1原発の廃炉に取り組む姿勢を明記するよう東電に求めた。小早川社長は「将来にわたり適格性を維持するよう努めていく」と応じた。
(4)保安規定は規制委の認可が必要で、違反した場合は規制委が是正を求めたり、悪質な場合は運転停止を求めたりできる。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-24 06:45 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発事故の避難者集団訴訟の千葉地裁の判決は、東電に賠償を命じたが、国の責任を認めず。

 毎日新聞は2017年9月22日、表題について次のように報じた。


(1)東京電力福島第1原発事故に伴う福島県から千葉県への避難者ら18世帯45人が国と東電に約28億円の賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(阪本勝裁判長)は22日、東電に約3億7600万円の賠償を命じる一方、国については責任を認めず、請求を退けた。全国20地裁・支部に起こされた同種訴訟の中で3月の前橋地裁判決に次いで2例目。(2)事故は2011年3月11日、東日本大震災の津波により第1原発が全電源を喪失して発生。13年に提訴された千葉地裁の訴訟では、東電と国が津波を予見し対策を取れたか▽国は東電に対策を命じる権限があったか--などが主に争われた。
(3)原告側は、政府の地震調査研究推進本部が02年に公表した「福島県沖などで30年以内にマグニチュード8級の津波地震が20%の確率で起きる」との長期評価に基づき、「東電は原発敷地高(海抜約10メートル)を超える津波を予見できた」とし、「国は東電に対策を命じる権限があった」と主張。国・東電側は津波の予見可能性を否定し、国は「対策を命じる権限はなかった」と反論していた。
(4)前橋地裁判決は長期評価の合理性を認め、「東電は津波を予見でき、対策もとれた」と判断。国についても「対策を命じなかったのは著しく合理性を欠き違法だ」と指摘していた。
【斎藤文太郎】


 毎日新聞は2017年9月21日、次のように報じていた。


(1)東京電力福島第1原発事故に伴い福島県から千葉県に避難した18世帯45人が、東電と国に対し、原告1人当たり2000万円の「ふるさと喪失慰謝料」を含む総額約28億円の賠償を求めた訴訟の判決が22日、千葉地裁(阪本勝裁判長)で言い渡される。全国各地で約30件提起された原発事故の避難者集団訴訟では、初の司法判断となった3月の前橋地裁判決に次ぐ2例目で、ふるさと喪失慰謝料をめぐる判断は初めて。【斎藤文太郎】
(2)前橋地裁判決は、東電と国の責任を認めたが、慰謝料の大部分については支払い済みとして賠償請求の大半を退けた。ふるさと喪失慰謝料は、福島地裁や仙台地裁、横浜地裁などで争われている集団訴訟の原告側も求めており、千葉地裁の判断が注目される。
(3)13年3、7月に提訴された千葉地裁での訴訟は、東電と国は津波を予見し対策を取れたか▽国は東電に対策を命じる権限があったか--などが争われた。
(4)政府の地震調査研究推進本部は02年、「福島県沖を含む日本海溝沿いでマグニチュード(M)8級の津波地震が30年以内に20%の確率で起きる」との長期評価を公表。原告はこれらを基に「東電は原発敷地の高さ(海抜約10メートル)を超える津波を予見できた」とし、「国は東電に対策を命じる権限があった」と主張した。東電と国は「確立した知見と言えない」と予見可能性を否定。さらに国は「権限はなかった」と反論した。(5)長期評価を巡り、原告被告双方が策定に携わった地震学者2人を証人申請した。原告側証人の島崎邦彦・東京大名誉教授は「どの程度の津波かは予測でき、対策は可能だった」と指摘。東電・国側証人の佐竹健治・東大教授も、津波の高さの試算について「それなりの精度はあった」と述べるなど、予見可能性を示唆した。一方、前橋地裁は長期評価の合理性を認め「東電は津波を予見でき対策もとれた」と判断。東電が08年に最大15・7メートルと試算したことを挙げ「実際に予見もしていた」と認定し、国も「対策を命じなかったのは著しく合理性を欠く」と断じた。
(6)東電は、国の原子力損害賠償紛争審査会が定めた「中間指針」に従い、避難指示区域で1人原則月10万円▽自主避難の場合は原則総額8万円--などを支払っている。前橋地裁は中間指針に一定の合理性を認めたが、千葉訴訟原告団は「古里を奪われた苦痛」としての慰謝料も求め、一部は住宅や家財道具、田畑なども請求している。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-22 20:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

火山の大規模噴火で、原子炉冷却が不能に。

 東京新聞は2017年9月18日、表題について、「原子力規制委員会の審査に合格した九州電力川内1、2号機(鹿児島県)など5原発8基で周辺の火山が大規模噴火して原発の外部電源が失われた場合、非常用ディーゼル発電機が使えなくなる可能性があることが18日、規制委などへの取材で分かった。最悪のケースでは原子炉が冷却できなくなる恐れがある。噴火時に想定される火山灰濃度が従来に比べ最大100倍程度高くなることが審査後に判明。電気事業連合会によると、5原発では、発電機の吸気フィルターが目詰まりせずに機能を維持できるとされる濃度の上限を超えている。」、と報じた。



by asyagi-df-2014 | 2017-09-19 12:12 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原子力規制委員会は、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働への審査で、東京電力の「適格性」を条件付きで認める。(2)

 東京新聞は2017年9月14日、表題について次のように報じた。


(1)原子力規制委員会は十三日の定例会合で、福島第一原発事故を起こした東京電力には、柏崎刈羽6、7号機(新潟県)を運転する資格があるとの判断で一致した。田中俊一委員長は会合後の記者会見で「東電に適格性はある」と明言。東電側に新たに示した条件が満たされることを前提に、二十日以降の会合で、両号機が原発の新規制基準「適合」と判断する。 
(2)規制委はこの日、東電に適格性があるとする理由を記した文書を了承した。東電の小早川智明社長らが「福島第一の廃炉をやり遂げることと、柏崎刈羽の安全性向上を両立していく」と決意を表明したほか、田中委員長らが柏崎刈羽を視察し、現場の安全意識が向上していると感じたことなどが盛り込まれている。
(3)東電側の決意表明を言葉だけに終わらせないため、二つの条件を付けた。まず、柏崎刈羽の運営や事故対応方針をまとめた東電の保安規定に、決意内容を盛り込むよう求めた。規制委は保安規定の順守状況を検査する権限を持ち、東電が約束を守らない場合は、保安規定違反として運転停止や原発の設置許可取り消しなどの処分ができる。
(4)次回二十日の会合に、小早川社長を呼んで、この条件を満たせるかどうか確認する。また、経済産業省が、東電が約束を確実に実行するよう指導することも条件にした。
(5)規制委は、十八日に任期を終える田中委員長の退任前に、柏崎刈羽は新基準に「適合」と判断する予定だったが延期した。二十日以降の会合で適合の判断を記した審査書案を決めた後、意見公募(パブリックコメント)の手続きに入る。


 今回の原子力規制委員会の「福島第一原発事故を起こした東京電力には、柏崎刈羽6、7号機(新潟県)を運転する資格があるとの判断で一致」との判断についての検証が必要である。
 このことに関して、朝日新聞は2017年9月14日、「東電と原発 規制委の容認は尚早だ」、と社説を掲げた。
この社説を読む。
朝日新聞は、次のように主張する。


(1) 福島第一原発事故を起こした東京電力に、原発を動かす資格はあるのか。また、規制委の姿勢には前のめり感が否めない。今回の判断は時期尚早である。
(2)福島の事故後、日本の原発について、事業者も規制当局も設備などのハード面に関心が偏っているとの指摘が内外から相次いだ。安全文化の醸成と定着へ組織運営や職員の意識を改めていくソフト面の取り組みは、東電以外の事業者にも共通する課題であり、事故後の新規制基準でも不十分なままだ。規制委にとって、適格性の審査は新しい取り組みだ。専門のチームで検討を始めたのは今年7月で、年内に中間まとめを出す予定という。
まずは適格性に関する指針を固める。その上で、個々の原発の再稼働審査にあてはめ、安全文化を徹底させる。それが、規制委が踏むべき手順である。


 朝日新聞は、この主張について、次のように理由づける。


(1)原子力規制委員会が、柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原発6、7号機(新潟県)の再稼働への審査で、安全文化が社内に根付いているかなど「適格性」を条件付きで認めた。
「経済性より安全性追求を優先する」などと東電社長が表明した決意を原発の保安規定に盛り込み、重大な違反があれば運転停止や許可の取り消しもできるようにするという。しかし、今後のチェック体制を整えることと、現状を評価することは全く別の話だ。適格性を十分確認したとは言えないのに、なぜ結論を急ぐのか。近く5年の任期を終える田中俊一委員長に、自身の任期中に決着をつけたいとの思いがあるのか。
(2)安全文化は「過信」から「慢心」、「無視」「危険」「崩壊」へと5段階で劣化していくが、福島の事故前から原発のトラブル隠しやデータ改ざんで既に「崩壊」していた。東電は2013年、事故をそう総括した。改善に向けて、社外のメンバーをまじえた委員会に定期的に報告する態勢を整え、成果を誇る自己評価書も公表済みだ。ところが、第一原発事故で当時の社長が「炉心溶融」の言葉を使わないよう指示していたことは、昨年まで明るみに出なかった。柏崎刈羽原発では、重要施設の耐震性不足を行政に報告していなかったことが発覚。今年8月、第一原発の地下水くみ上げで水位低下の警報が鳴った際は公表が大幅に遅れ、規制委は「都合の悪い部分を隠し、人をだまそうとしているとしか思えない」と厳しく批判した。それなのに、規制委はなぜ、適格性について「ないとする理由はない」と判断したのか。


 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.企業の適格性を考えるのに、「今後のチェック体制を整えることと、現状を評価することは全く別の話だ。」。
Ⅱ.少なくとも、①「第一原発事故で当時の社長が『炉心溶融』の言葉を使わないよう指示していたことは、昨年まで明るみに出なかった。」、②「柏崎刈羽原発では、重要施設の耐震性不足を行政に報告していなかったことが発覚。」、③「今年8月、第一原発の地下水くみ上げで水位低下の警報が鳴った際は公表が大幅に遅れ、規制委は「都合の悪い部分を隠し、人をだまそうとしているとしか思えない」と厳しく批判した。」、という事実がある中では、原子力規制委員会は、東京電力の適格性を認めることはできない。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-19 05:26 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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