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2017年1月1日、社説・論説を読む。(2)-南日本新聞から-

 2017年が明けた。
 さて、どのような事態にどのように立ち向かうことになるのか。
まずは、窮乏化する同じ大地に立つこと。
そして、反撃の術を見極めること。
各紙の2017年1月1日の社説及び論説を読む。


 南日本新聞は、やさしく詩的に2017の行く末を著す。
 このように、南日本新聞社は語りかける。


 詩人の茨木のり子さんに「鶴」と題した作品があります。

<鶴が/ヒマラヤを越える/たった数日間だけの上昇気流を捉え/巻きあがり巻きあがりして/九千メートルに近い峨峨(がが)たるヒマラヤ山系を/越える/カウカウと鳴きかわしながら(以下略)>

 飛行しているのはアネハヅル。越冬地のインドへ渡るために、親鳥から若鳥まで編隊を組んでヒマラヤ越えに挑むのです。
 それはまさに命懸けの旅です。詩人は、その姿を捉えたテレビの映像に触発され、一気に作品を書き上げたのでしょう。

 新しい年が明けました。酉(とり)年のこの1年、どんな日々が待っているでしょうか。
 アネハヅルの旅に、人の姿を重ねるのは自然な感情です。私たちの一生もまた、山あり谷ありの旅に違いありません。
 内外を鳥瞰(ちょうかん)すれば、政治や経済をはじめ難題が山積しています。まるで絶壁がそそり立つヒマラヤのようです。

 それでも、アネハヅルのように力強く翼をはばたかせ、その頂を乗り越えなければと思います。


 この詩にのせて、南日本新聞は、このように主張します。


Ⅰ.主張
(1)人口が減り続け、高齢化が進む地域社会の疲弊が叫ばれています。南九州も例外ではありません。ただ、悲観しているだけでは何も始まらないのも事実。厳しい環境下でも、手探りして前に進もうとする人々がいます。足元を見直し、希望を見いだそうではありませんか。
(2)思想家鶴見俊輔さんの言葉を思い出します。月並みな言葉ですが、何事であれ「ひらめき」と「継続」が大事です。
(3)萬田(正治)さんたちの取り組みは、イタリアが発祥地のスローフードやスローライフにもつながるものがあると思います。それは普遍的価値といっていい。
(4)人口増と経済成長が前提の国家モデルはもはや通用しない。いつまでも高度成長期の発想に立っていては解は導き出せません。
(5)高齢化社会で一人暮らしが増えています。宗教学者の山折哲雄さんの最新刊「『ひとり』の哲学」を一読して、がつんと頭を殴られたような気持ちになりました。山折さんは、一人暮らしをおとしめる風潮が増えてきていると言います。「孤立死」とか「孤独死」といった言葉を持ち出して、ことさらに社会の暗部として読み解こうとしていないか。介護や医療を必要とする人は多い。認知症の広がりも無視できない。社会的な手当てが今まで以上に必要な時代です。
 それは認めつつも、「ひとりで事を処する」という心構えのようなものが今、希薄になっていないかと問うのです。山折さんは、鎌倉時代に生きた親鸞や道元、日蓮などの生き方や思想を探る旅に出ます。
(6)私たちは社会を冷たいと思いがちです。結局、人間はみな一人で生まれ、一人で死ぬ。寄る辺ないその原点を見つめ直すことが出発点ではないか。その問いと向き合い、人が生きるとはどういうことかを考える年でもありたいと思います。高齢化には、プラスとマイナスの両面があるでしょう。強調したいのは、多くの試練を乗り越えてきた人たちの経験や知恵から学ぶことが、次の時代を切り開く力になるはずだということです。


 本当の意味で、2017年が、「私たちは社会を冷たいと思いがちです。結局、人間はみな一人で生まれ、一人で死ぬ。寄る辺ないその原点を見つめ直すことが出発点ではないか。その問いと向き合い、人が生きるとはどういうことかを考える年でもありたいと思います。」、ということをじっくり考えることができる年になって欲しいと思います。


by asyagi-df-2014 | 2017-01-06 08:58 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月1日、社説・論説を読む。(1)-沖縄の2紙から-

 2017年が明けた。
 さて、どのような事態にどのように立ち向かうことになるのか。
まずは、窮乏化する同じ大地に立つこと。
そして、反撃の術を見極めること。
各紙の2017年1月1日の社説及び論説を読む。


 最初に、沖縄の2紙から。
 常に状況に追い込まれてきた歴史の中で、この2紙は、沖縄人の誇りある闘いを支えるという「決意」をもとに、沖縄の未来を提起してきた。
 2017年1月1日、沖縄の2紙は、このように語りかけた。
 琉球新報は、「『屋良朝苗主席は復帰前日に発表した談話で『県民自体がまず自主、主体性を確立して、この世紀の大事業と取り組む決意を新たにしなければならない』と県民に呼び掛けた。復帰45年は『本土並み』とは程遠い。屋良主席の言葉を胸に刻み、主体性を確立して日米両政府を突き動かし、県民自らの手で『沖縄の未来』を切り開きたい。」
、と。
 沖縄タイムスは、「沖縄の先人たちは、国策に翻弄(ほんろう)されながらも人間としての尊厳と『自治・自立』を求め、困難な道を切り開いてきた。愚直で、寛容性に富み、ユーモアを好みつつ、抵抗の精神を失わなかった多くの名もない先人たちに学びたい。『危機』を『機会』に転換させる知恵と行動力が、いまほど求められているときはない。」、と。
2紙は、このように訴える。


Ⅰ.主張
(琉球新報)
(1)新年を迎えて 「復帰の誓い」今こそ 米軍優先に終止符打とう。日本復帰から45年となる新年を迎えた。この間、さまざまな困難が立ちはだかった。それを県民の力で乗り越え、時代を切り開いてきたことを誇りたい。過酷な米施政権下にあっても、圧政に抗して主席公選を実現させ、復帰を勝ち取った不屈の精神は今も県民に宿っている。安倍政権の強権姿勢にひるむことなく米軍優先に終止符を打ち、復帰時に誓った「平和で明るい豊かな県づくり」にまい進したい。
(2)格差が広がり、貧困問題が顕在化している。その一因は沖縄の成長を阻む米軍基地にある。県民総所得に占める基地関連収入は復帰時の15・5%から2013年度は5・1%に減った。基地は沖縄の発展に必要ないのである。沖縄の未来を担う子どもたちの健やかな成長を保障するためにも、米軍基地の負担軽減に努めることは社会の責務であることを深く認識したい。
(3)屋良朝苗主席は復帰前日に発表した談話で「県民自体がまず自主、主体性を確立して、この世紀の大事業と取り組む決意を新たにしなければならない」と県民に呼び掛けた。
復帰45年は「本土並み」とは程遠い。屋良主席の言葉を胸に刻み、主体性を確立して日米両政府を突き動かし、県民自らの手で「沖縄の未来」を切り開きたい。
(沖縄タイムス)
(1)耐え難い被害が現実に出ているのに、それを放置する政府は、政府として失格だ。両地域について直ちに実効性のある対策を打ち出すよう強く求めたい。
(2)辺野古沿岸域に大型コンクリートブロックを投下した15年1月以降、音響に敏感なジュゴンが確認されていない。名護市安部のオスプレイ墜落現場付近は、3頭のうち2頭の生息域である。政府は、大浦湾におけるジュゴン調査、オスプレイを前提とした北部訓練場の環境影響評価(アセスメント)の再調査を実施すべきである。
(3)目の前の被害に目をつぶって埋め立てに狂奔してはならない。
(4)沖縄の先人たちは、国策に翻弄(ほんろう)されながらも人間としての尊厳と「自治・自立」を求め、困難な道を切り開いてきた。愚直で、寛容性に富み、ユーモアを好みつつ、抵抗の精神を失わなかった多くの名もない先人たちに学びたい。「危機」を「機会」に転換させる知恵と行動力が、いまほど求められているときはない。


Ⅱ.事実-沖縄の今。
(琉球新報)
(1)政府が米軍基地問題で約束した沖縄の過重負担の軽減は、ほとんど成果が見られない。それどころか、基地反対の民意を踏みにじる姿勢がここ数年、顕著になっていることを危惧する。
(2)その一つの源流は復帰前年1971年の「沖縄国会」にある。沖縄米軍基地縮小に関する決議が採択され、佐藤栄作首相はその直後に発言を求め「基地の整理縮小については速やかに実現できるよう、現在からこの問題に真剣に取り組む方針である」と述べた。
政治は結果が全てである。結果を伴わない取り組みは、70年余も米軍基地の重圧に苦しむ県民にとっては何ら意味はない。そもそも真剣に取り組んだかも疑わしい。「基地縮小」決議は国会でなされたものであり、決議は今も生きている。佐藤首相の「真剣に取り組む方針」も政治の責任として歴代政権が引き継ぐことは当然である。だが安倍政権は「米軍基地機能強化」を「沖縄の負担軽減」と言い換えるなど、不誠実な対応に終始している。
(3)復帰前は米軍基地と米政府が県民の前に立ちはだかった。安倍政権になってからは、日本政府が県民弾圧に加わったと言わざるを得ない状況がある。
(4)東村高江集落を取り囲むヘリパッド建設を条件とした米軍北部訓練場の過半返還、宜野湾市の米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設は、いずれも基地機能強化が狙いである。県民の基地負担は確実に増し、国会決議に逆行する。国会決議採択と同じ日に沖縄返還協定が承認されている。自民党の福永一臣氏は賛成討論で「沖縄の返還は、全ての点で本土と同じ状態になることは当然である」と述べている。国会決議もその趣意が通底していると解すべきである。安倍政権は「基地縮小」決議の重みを踏まえ、直ちに実現すべきだ。
(沖縄タイムス)
(1)宜野座村城原の泉さんの自宅は、キャンプ・ハンセン内の「ファルコン」と呼ばれるヘリパッドから約380メートルしか離れていない。昨年12月には連夜オスプレイが自宅真上を旋回してつり下げ訓練などを行った。泉さんはオスプレイが近づくと、2階建ての部屋中の電気をつけ、カーテンを開ける。パイロットに人間が住んでいることを知らせるためだ。墜落の恐怖からである。
 昨年10月からは住居の目印となる「航空標識灯」が設置されたが、自宅付近を避けるようにはみえない。ぜんそくの持病がある泉さんは体調を崩した。金属がきしむような不快な爆音に加え、激しい下降気流で粉じんが舞い上がり、燃料のにおいが漂う。窓ガラスが揺れ、孫が恐怖に襲われ、母親に抱きついてきたこともある。
(2)東村高江の安次嶺さんは妻雪音さん(45)との間に子どもが6人いる。高校生の2人は村内に高校がないため自宅を離れた。うっそうとした木々と小川が流れる自然環境の中で4人の子どもと暮らす。
 子どもたちを伸び伸び育てたいと県内各地を探し回り、たどり着いたのが高江だった。14年前のことだ。子どもたちは小川で水遊びしたり、クワガタムシやカブトムシを捕ったりしてヤンバルの自然を楽しんだ。
 そんな日常が一変したのは2012年に普天間飛行場にオスプレイが配備され、13年と14年に2カ所のヘリパッドが完成してから。自宅から約400メートルしか離れていない。自宅上空が飛行コースに当たり、昨年7月には連夜、低空飛行でオスプレイが迫ってきた。自宅が揺れ、子どもたちは眠れない。体調を崩し、学校を休んだ。隣の国頭村に一時避難したが、もうここには住むことができない、と考えるようになった。
(3)泉さん、安次嶺さんの願いは一つ。「人間らしい普通の暮らしがしたい」。それだけである。

Ⅲ.世界情勢と沖縄
(沖縄タイムス)
(1)世界は第2次世界大戦後に形成された戦後秩序が崩れ、冷戦後の新秩序も形成されないうちに、新たな混迷の時代に入った。自由や民主主義をリードしてきた米欧で「分断と対立」が表面化し、「憎悪と不寛容」の政治が頭をもたげてきた。世界各地でテロがやまない。
(2)米国では「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領が20日に就任するが、国内の分裂状況は収まっていない。先行きの見えない不透明感が世界を覆っている。
(3)沖縄もその影響から完全に免れることはできないであろう。国防長官に元海兵隊大将のマティス氏が起用される見通しである。基地政策で予測不能のトランプ新大統領とのコンビ誕生で基地問題にも少なからぬ影響が出るのは避けられないだろう。


 確かに、屋良朝苗の「県民自体がまず自主、主体性を確立して、この世紀の大事業と取り組む決意を新たにしなければならない」は、核心を突く。
 それは、私たち自身のあり方を、2017の辿るべき道筋を示す。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-05 08:16 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

日本の今を考える(1)-The Huffington Post-沖縄・高江の現場にいたカメラマンは、ある日突然逮捕された。狙われた「報道の役割」-

日本というものを考えてみる。
日本の今を見つめ直す機会に。
自分自身の厭世観やだらしなさと向き合うために。
「人らしく」少しでも進んで行くために。
2017の初頭に。


 The Huffington Posは2016年12月26日、フリージャーナリストの木村元彦氏(以下、木村とする)のリポートを掲載した。
 このレポートで、それぞれの「決意」について受け取ることができた。
 今、その「決意」を試される時代背景が目の前にある。
 だとしたら、2017の初頭に、自分としての「決意」の意味を確認する。
このレポートを通して。


木村は、カメラマンの島崎ろでぃーの「逮捕劇」を、次のように紹介した。


(1)(2016年)11月16日朝6時45分。アルバイトに行こうとアパートから外に出ると、声をかけられた。「もう、出て来たのか。早いな」。神奈川県警の警官だった。家宅捜査の令状を見せられた。驚きながらも部屋にいる妻を心配した。「連れ合いが家にいます。何でも出しますから、手荒なガサ入れは辞めて下さい」。乱暴に荒らされるようなことはなかったが、沖縄で撮影した画像の入ったメモリーカードとハードデイスクがすべて押収された。
(2)「逮捕のフダ(令状)もあるけど、それは車の中で見せる」。容疑は約3ヶ月前の8月25日に高江で起きたとされる「公務執行妨害」と「傷害」。防衛局の職員に対して暴行を働いたというものである。ろでぃーには全く身に覚えがなかった。カメラマンはこうして突然逮捕された。
(3)沖縄での取り調べのためにパトカーに乗せられ、羽田空港に移送される。手錠と腰縄を付けられていた。当然、空港ロビーでは衆目を集める。警官は「(手錠を)隠すか?」と聞いて来たが、「悪いことをしていないので恥ずかしいと思わない。隠さなくていいです」と答えた。沖縄の彫刻家金城実の作品で胸を張って刑場に行く死刑囚があったのを思い出していた。
(4)13時過ぎの便で那覇に渡り、与那原署に収監されて取り調べが始まった。拘留中は弁護士以外の接見は禁止され、1日2時間から4時間の調べが続いた。「3ヶ月前の事件でなぜ、カメラマンの自分がやってもいない『公妨』で逮捕されなければならなかったのか」。納得はできなかった。何度聞かれてもずっと否認していた。
(5)取り調べに出てきた刑事は紳士的な態度であったが、ひとりの女性検事にこう言われた。「私はあなたをジャーナリストと思っていない。あなたは活動家だ」。2回目の検事調べで、現場で自分が映っている動画をズームアップ編集で見せられた。そこにはヘリパッドに反対する高江のプロテスターを励まし、ときに抗議行動の情報や方針を大声で伝達する姿が映っていた。検事はこれらの素材を前にして、「あなたはカメラマンではなく活動家だ」と断じたのである。


 次に、ジャーナリストのあり方、その立ち位置はどのようにあるべきかを、島崎ろでぃーの言葉、文章で伝える。


(1)これに対してろでぃーは今、こう反論する。「現場においてどの立場でシャッターを切るのかということが重要じゃないですか。僕の場合はそれは明確で、あくまでも抗議する市民の側ですよ」。
(2)カメラは武器である。人を傷つけることもあれば守ることもある。市民運動の場で権力の監視というのはカメラマンの仕事の一つではないかと思っている。差別・排外デモに抗議する市民と警察の間に立って不当な逮捕をさせないのはとても大事なことで、たとえ証拠不十分で不起訴になったとしても、逮捕されるのは市民にとって大きなダメージになる。実際、そこにカメラがあることで警官が落ち着きを取り戻すといったシーンが何度もあった。沖縄ではそんな役割をマスメディアのカメラマンも当然のようにやっているのを見て、自分が間違っていないことを確信もした。


 さらに、木村は、島崎ろでぃーのジャーナリストのあり方に関しての「決意」について、次のように触れる。


(1)現場においてどの立場でシャッターを切るのかということが重要じゃないですか。僕の場合はそれは明確で、あくまでも抗議する市民の側ですよ。
(2)ろでぃーはこの信念を曲げない。尊敬する写真家としてユージン・スミスと土門拳の名前を挙げる。「水俣病患者を撮影し続けたユージン・スミスさんだって、チッソに対する抗議行動に自分も参加したし、土門さんも筑豊炭田での失業と貧困の問題を訴えるために生活に入り込んだじゃないですか。それらは取材対象に向かって写真を撮る上で必要な信頼関係だと思うんです」。


 木村は、島崎ろでぃーの「逮捕劇」を通して、報道の自由の意味やジャーナリズムのあり方について、次の二つのことを投げかける。


(1)当事者との信頼が無いアジテーション有りきの薄っぺらなやらせやプロパガンダは写真ではない。カメラは武器であるということを自覚した上で、武器を何のためにどう行使するのか。それは彼の作品群を見れば瞭然であろう。「あなたはジャーナリストではなく活動家だ」と面罵した検事は報道写真を理解していないのではないか。
(2)8月20日には東高江村で、アスファルトに座り込んだ住民を機動隊が引きずって排除する様子を琉球新報と沖縄タイムスの記者が写真撮影していたところ、腕や背中を捕まれて強制的に拘束されるという事件が起きていた(二紙は報道の自由を侵害と抗議声明を出す)。権力を前にした非対称の弱者を避けて撮影することが中立な報道とでも言うのであろうか。


 最後に、木村は、島崎ろでぃーの今を、「ろでぃーは起訴か不起訴か、未だ処分保留のままである。『(逮捕されて移送される際の)帰りの航空券は自費負担なんですよ。仕事が出来ない中での5万円は痛かった』。帰京後は早々にまたバイトに出かける毎日である。」、と伝える。


この木村のレポートは、沖縄の今を映し出すとともに、日本の民主主義の底の浅さを抉り出すものである。また、あわせて、人としての「立ち位置のあり方」を、それは引いては「決意」をどこに位置づけるのかということについて問うている気がする。
例えば、沖縄の琉球新報と沖縄タイムスの二紙は、米軍基地問題について、沖縄の基地負担の問題について、その立ち位置をどこに置くかを常に求められるなかで、記事を書いている。それは、木村の言葉を借りれば、「権力を前にした非対称の弱者を避けて撮影することが中立な報道」ではないことへの反証としての実践である。
 もちろん、二紙は常に、自らの負の歴史を乗り越えることを求められている。したがって、二紙の記者は、逃げの曖昧さが許されない厳しい現場に自らの足で立ち、自らの目で見た事実を基に、乗り越えなけねばならない問題の原因は何かを問い詰めるなかで、真実を書くことが「仕事」なのである。だから、時として、沖縄の二紙を読む時、その記事からは「決意」を感じることができる。
その「決意」は、報道の自由やジャーナリズムのあり方を、自分の立ち位置を明確にする中で、真実を刻み込もうとする行為として現れる。
日本の今を見つめ直すとは、実は、こうした「決意」の中で自分の立ち位置を考えるとともに、現状を検証し、何ができるかを考えることであるという気がする。
この意味で、2017を位置づける。



以下、The Huffington Postの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-01 02:19 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄の2016年は。沖縄タイムスは、「『土人』『シナ人』発言」を読者が選んだ、と伝える。では、自分たちの2016は。

 考えてみれば、2016は、問われた年だったのだ。
 自らの主体性を試された日々だったのだ。
 それは、「構造的差別では語るに足らない、もうひとつの差別が浮き彫りになった1年だった。」(仲村清司さん)。
 事実が見えた。まして、「国家の仕組みが構造的差別だとすると、人が人を見下す民族的差別が表出した。」(仲村清司さん)、と。
 今、茨木のり子の詩が聞こえてくる。
「悪意はどこまでも広がるが、善意の声はすぐにかき消されてしまう。抵抗するためには小さき者、声なき者の声に耳を澄ませて聞き取らなければならない。」(喜納えりかさん)の声に、重なる。
 茨木のり子の詩が、沖縄の声と共鳴する。


ばさばさに乾いていく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ




 沖縄タイムスは2016年12月30日、「ことし1年間を象徴する言葉として、沖縄タイムスがノミネートした19語の中から読者が選ぶ『沖縄版・流行語大賞2016』に、『【土人】【シナ人】発言』が決まった。東村高江周辺のヘリパッド建設に反対し、現場で抗議する人々に対し、いずれも大阪府警の機動隊員が言った。発言は機動隊員個人の問題ではなく、琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉として批判が集中した。」、と報じた。
 果たして、日本人が選ぶ「2016」に「『土人』『シナ人』発言」は入るだろうか。
沖縄が「琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉」として位置づける重要性に、どうやら「本土」の大部分は気づきもしないのだろう。
なお、2位及び3位についても、「2位は、名護市安部の海岸に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落したことを受けた『オスプレイ墜落?不時着?』が選ばれた。国内配備後、機体が大破した初めての重大事故で、配備に反対してきた県民の間に衝撃が広がる中、米軍や政府は『墜落』という言葉を使わず、『不時着水』を繰り返した。3位もオスプレイ墜落に関連し、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が『被害がなかったことは【感謝されるべきだ】』との発言が選ばれた。」、と沖縄タイムスは報じた。
  沖縄タイムスは、沖縄の2016を次のように伝える。


 ことし1年間を象徴する言葉として、沖縄タイムスがノミネートした19語の中から読者が選ぶ「沖縄版・流行語大賞2016」に、「『土人』『シナ人』発言」が決まった。東村高江周辺のヘリパッド建設に反対し、現場で抗議する人々に対し、いずれも大阪府警の機動隊員が言った。発言は機動隊員個人の問題ではなく、琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉として批判が集中した。
 投票は20日から5日間、本紙ホームページやファクスで受け付け、計147人が参加。複数投票も可能とし、「土人」「シナ人」発言は投票総数の約6割を占める79票を集めた。
 2位は、名護市安部の海岸に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落したことを受けた「オスプレイ墜落?不時着?」が選ばれた。国内配備後、機体が大破した初めての重大事故で、配備に反対してきた県民の間に衝撃が広がる中、米軍や政府は「墜落」という言葉を使わず、「不時着水」を繰り返した。
 3位もオスプレイ墜落に関連し、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が「被害がなかったことは『感謝されるべきだ』」との発言が選ばれた。


 また、このことについて、「本土との温度差が浮き彫りに」、と次のように続けた。


 「衝撃的な発言だった」「沖縄の1年を象徴する言葉だった」。東村高江の米軍北部訓練場周辺で10月18日、大阪府警から派遣されている機動隊員が、工事に抗議する市民に対し「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」「だまれ、こら、シナ人」などと発言した。ことしの「沖縄版・流行語大賞」投票者の55・2%が「土人」「シナ人」発言を選んだ。
 理由は「本土との温度差と沖縄に対する差別感情が浮き彫りにされた」などがあり、2位の「オスプレイ墜落?不時着?」、3位の「感謝されるべきだ」と複数回答で選んだ人も多かった。三つの言葉を“同質”として「言葉が持つ意味や背景に注目し、直していかなければならない流行語」「日本の人権意識が丸出しになった」「沖縄弾圧がひどくなった1年を表している」と憤る意見があった。
 また、国が強行するヘリパッド建設をはじめ、名護市辺野古の新基地建設を巡る国と県との法廷闘争がある中、6位の「不当弾圧」、12位の「違法確認訴訟」も関連して票を集めた。


 さらに、仲村清司さんと喜納えりかさんの次のような談話を載せた。


■仲村清司さん(58)作家・沖大客員教授
 ベストテンの上位が基地問題で占めている。沖縄が厳しい状況に置かれていることが、そのまま投票結果に表れた。機動隊員による「土人」「シナ人」発言、オスプレイ墜落に伴うニコルソン四軍調整官の「感謝されるべきだ」発言の根底には差別がある。
 構造的差別では語るに足らない、もうひとつの差別が浮き彫りになった1年だった。国家の仕組みが構造的差別だとすると、人が人を見下す民族的差別が表出した。日本政府と沖縄、本土と沖縄の溝が深まった。ここまで言われるのかと想像もしていなかった言葉に、衝撃を受けた結果が得票に反映されたのだろう。
■喜納えりかさん(41)ボーダーインク編集者
 投げつけられた侮蔑(ぶべつ)の言葉が、今年を象徴するものとして選ばれた。まずはそのことを忘れずにおきたいと思う。発言そのものだけではなく、かろうじて保ってきた建前が崩壊したという衝撃も反映されたのだろう。振り返ってみると、つくづくそんな年だった。
 悪意はどこまでも広がるが、善意の声はすぐにかき消されてしまう。抵抗するためには小さき者、声なき者の声に耳を澄ませて聞き取らなければならない。


 さて、このことについて、私たちがどのように答えることができるのか。
 2016をどのように総括できるのか。まさしく、それが、問題なのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-31 06:37 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(4)

 日本弁護委連合会は、2016年9月14日、大分県別府警察署によるビデオカメラ設置等の問題に関して、違法な監視カメラの設置に抗議する会長声明を発表した。
 この声明の要約は次のものである。


(1)日弁連の主張
①「大分県警は、カメラの設置目的については『個別の容疑事案で特定の対象者の動向を把握するため』とだけ説明した。しかしながら、国民には肖像権が保障されており、法律の定めや裁判官による令状がない限り、原則として警察から写真撮影されない権利がある。例外として許されるのは、現行犯的状況があり、必要性・相当性を満たす場合(最高裁昭和44年12月24日判決)や、重大犯罪の嫌疑が濃厚な被疑者の人定に必要な限度で、公共の場所等で特定の個人を対象として撮影する場合(最高裁平成20年4月15日決定)等に限定される。
 殊に、宗教施設や政治団体の施設等、個人の思想・信条の自由を推知し得る施設に向けた無差別撮影・録画は、原則的に違法である。このことは、労働運動等の拠点となっている建物に向けた撮影・録画を前提とせずに単なるモニタリング(目視による監視)の目的で設置されただけの大阪府警の監視カメラの撤去を命じた大阪地裁平成6年4月27日判決(その後、最高裁で確定)からも明らかである。
②「本件によって、市民の政治活動の自由、表現の自由等、民主主義社会において最も尊重されるべき権利が侵害される可能性を考慮すれば、その弊害は甚大であり、今後このような違法な捜査方法が採られるべきではない。」
③「警察庁は、本年8月26日付けで、監視カメラを用いた捜査を任意捜査として、必要な範囲において、相当な方法であれば許されるという趣旨の『捜査用カメラの適正な使用の徹底について』と題する通達を発出した。上記通達は、憲法で保障されるプライバシー権、表現の自由等を侵害する捜査方法を捜査機関の判断で自由に行うことを可能にするものであり、警察実務において人権侵害を日常化するおそれがあるから、撤回されるべきである。」
④「当連合会は、今般の監視カメラの設置が明らかに違法であることを指摘し、抗議するとともに、あらためて監視カメラの設置・運用に対する法律を定めるべきことを表明する。」


 この日弁連会長声明は、大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していたことが、明らかに「違法」であることを指摘するとともに、警察庁の8月26日付けの「通達」が機に乗じたものであり、撤回されなくてはならないものであることを、証明した。


 以下、日本弁護士連合会会長声明の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 09:52 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(5)

 標題について、大分合同新聞は2016年9月22日、その1面で、「警察官4人略式起訴 署長らは不起訴」、と次のように報じた。


(1)参院選の選挙違反捜査のため、野党候補の支援団体などが入る別府市内の建物の敷地に別府署員が無断で侵入してビデオカメラを設置し、隠し撮りをした事件で、別府区検は21日、設置を指示したとして建造物侵入の疑いで書類送検された当時の同署刑事官、阿南和幸警視(53)ら警察官4人を別府簡裁に略式起訴した。他に同容疑で告発されていた署長(56)と副署長(52)の2人は大分地検が同日、不起訴処分とした。
(2)地検の山本保慶次席検事は「設置型のカメラを使って多数の人を撮ったのは、やりすぎ。管理者に断りなく何度も敷地に立ち入っており、不適正な捜査が背景にあったことを考慮して処分した」と説明した。他に略式起訴されたのは▼当時の同署刑事2課長、守口真一警部(49)▼同課の男性係長(33)▼同課の男性主任(31)―の計3人。
(3)地検などによると、4人は共謀し、参院選公示前の6月18日午後11時15分ごろから同21日午後9時5分ごろまでの間、連合大分東部地域協議会や別府地区平和運動センターなどが入る「別府地区労働福祉会館」(別府市南荘園町)の敷地に正当な理由なく計5回、侵入した。カメラの設置や記録媒体の交換のために実際に侵入したのは係長と主任の2人。上司だった残る2人は指示・容認したという。
(3)大分県警が8月26日に4人を送検した容疑では、侵入回数は計7回とされていた。県警は「最初の2回は、隣接する裏の斜面から立ち入った。無断侵入との認識はなかった」と説明している。区検はこうした点を踏まえ、当初の2回の侵入は「犯罪事実と認められない」と判断し、侵入回数を計5回と認定したとみられる。
(3)略式起訴は、公開の裁判ではなく、書類上の審理によって罰金や科料の財産刑を科すよう裁判所に求める簡易な手続き。山本次席検事は「関係証拠を精査し、過去の類似の事案、処分を総合考慮し、罰金刑を科すのが相当な事案だと考えた」と略式起訴を選んだ理由を説明。「今回の処分を県民に納得してもらいたいと考えている」と述べた。地検は略式起訴した4人に求刑した罰金額を明らかにしていない。
(5)地検は、4人と共に8月30日付で告発された署長、副署長の2人は「関与を認めるに足りる証拠はなかった」と判断し不起訴処分とした。告発していた大分市内の高校教諭早島浩一さん(56)は「検察に期待していただけに残念」と話し、大分検察審査会に不起訴処分を不服として審査を申し立てることを視野に対応を検討する。


 また、大分合同新聞は同日、「別府地区平和運動センターは21日、別府署が隠しカメラを設置していた別府地区労働福祉会館(別府市)で、隠しカメラの違憲性を考える集会を開いた。」、と伝えた。
 特に、この集会での様子について、「講師を務めた岡村正淳弁護士は、捜査のための撮影が許容される限度を示した1969年の最高裁判例などを紹介し、『無差別に何日間も撮影した今回の事件は判例から懸け離れており、憲法違反の行為と言わざるを得ない』と批判した。建造物侵入罪での立件にとどまっていることについても『県警はカメラによる撮影を【不適切】と認めてはいるが、違法な情報収集への真摯(しんし)な反省があるか疑わしい』と述べた。」、と伝えた。


 「無差別に何日間も撮影した今回の事件は判例から懸け離れており、憲法違反の行為と言わざるを得ない」、とする岡村弁護士の判断と、検察側の「山本次席検事は『関係証拠を精査し、過去の類似の事案、処分を総合考慮し、罰金刑を科すのが相当な事案だと考えた』と略式起訴を選んだ理由を説明。」、との考え方の違いに、唖然とする。
 また、「建造物侵入罪での立件にとどまっていることについても『県警はカメラによる撮影を【不適切】と認めてはいるが、違法な情報収集への真摯(しんし)な反省があるか疑わしい』、という指摘は、権力側の歪みや奢りを鋭く突いている。


 この事件の本質は、「本件によって、市民の政治活動の自由、表現の自由等、民主主義社会において最も尊重されるべき権利が侵害される可能性を考慮すれば、その弊害は甚大であり、今後このような違法な捜査方法が採られるべきではない。」(日弁連会長声明)、ということにある。


 以下、大分合同新聞の引用。







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by asyagi-df-2014 | 2016-09-22 09:17 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(3)

 大分県弁護士会は2016年9月7日、大分県別府警察署によるビデオカメラ設置等の問題に関する会長声明を発表した。
この声明では、本件の問題点を次の3点にまとめている。


(1)本件ビデオカメラ設置等行為は、捜査目的のために行われたとのことであるが、他人の管理する敷地内に無断で侵入し、同敷地内にビデオカメラを無断で設置し、撮影するものであり、強制処分に該当することから、原則として令状が必要である(憲法第35条第1項)。それにもかかわらず、令状に基づくことなく本件ビデオカメラ設置等行為をしたことは違憲・違法である。
(2)本件ビデオカメラ設置等行為は、特定の政党の候補を支援する団体が使用する施設に出入りする不特定多数人の顔や行動を撮影し続けるものであるから、肖像権の侵害にとどまらず、思想信条の自由(憲法第19条)、政治活動の自由(憲法第21条第1項)に萎縮効果を与える重大な行為であり、ひいては民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものといわなければならない。
(3)本件ビデオカメラ設置等行為は令状主義に違反し、ひいては政治活動の自由等に萎縮効果を与え、民主主義の根幹をなす重大な基本的人権の保障を揺るがすものと考える


 この上で、大分県弁護士会は、次のように主張する。


(1)大分県警察に対し強く抗議する。
(2)本件ビデオカメラを設置した経緯及びその責任の所在を明らかにするため、早急かつ適正な調査を実施し、その調査結果及び再発防止策を公表することを強く求める。


 以下、大分県弁護士会の会長声明の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-17 06:08 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(2)

 「今回のような捜査は法的に問題ないのだろうか。猪野亨弁護士に聞いた。」、と2016年8月5日、弁護士ドットコムは、この問題について、猪野 亨(いの・とおる)弁護士の見解を掲載した。
 この見解を考える。
 まずは、見解を要約する。


(1)今回、捜査員がおこなったことは、他人が管理する敷地に無断で入ったわけですから、「住居侵入罪」が成立する可能性があります。
(2)野党候補者の選挙活動を監視していたのではないか。仮に、このような目的のために、監視カメラを設置したのであれば、違法であることは論を待ちません。
①「 大分県警は『草が覆い茂っていたため公道に準ずる場所』と釈明していますが、<準ずる場所>という概念は説明として苦しく、住居侵入罪の成立を否定する事情にはなりえません。」
②「報道によると、県警は<特定の犯罪の捜査のため>と説明していますが、このように住居侵入罪を犯してまでおこなわなければならない捜査自体が、何だったのかが問われることになります。
③「投開票前から、参議院選挙の大分選挙区では、野党候補者が優勢といわれていました。結果は、接戦で野党が勝利していますが、警察が介入の機会を探索していた可能性がうかがわれます。」
(3)警察法は、警察の責務の遂行について、「不偏不党かつ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利および自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない」(同法2条2項)と規定しています。 犯罪の端緒が何もないのに、野党側の運動を監視していたとしたら、明らかに違法です。
(4)犯罪がおこなわれていない野党の選挙陣営を撮影していたことは、この基準(昭和44年12月24日最高裁判決)に照らしても、適法化する余地はありません。
 これまでも警察は、次のように違法捜査を行ってきた。
  一番大きなところでは、1986年に発覚した日本共産党幹部宅盗聴事件です。この事件の実行者は、神奈川県警の署員でしたが、起訴猶予処分に対する付審判請求において、最高裁も<組織的関与>であることを認定しています」
(5)大分県警別府署の捜査員がおこなった行為は、選挙の公正を害するものであり、政治活動の自由を侵害する違法なものです。
(6)大分県警別府署の捜査員がおこなった行為は、「政治警察」による民主主義社会そのものを否定する行為といえます。
(7)大分県警は、カメラ設置は別府署の判断だとしていますが、署の判断でそこまでやるのか、むしろ大分県警の判断だけでおこなえるのか・・・こうした真相こそ究明されなければなりません。
(8)もし仮に、施設の管理者からの刑事告訴があったとしても、検察庁は起訴猶予処分にする可能性は高く、検察庁の対応にも注目しなければなりません。


 特に、(7)については、現状が別府署だけの問題に集約させようとする動きが強い中で、事実を明確にさせる必要がある。


 現在の日本の状況は、警察法第2条の追求が核心にあることを示している。
また、「共謀罪」法案の反対理由の大きな根拠でもある。


 以下、弁護士ドットコムの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-09-06 05:28 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題。(1)

 2016年8月3日、大分県警が、「別府署員が6月の参院選公示直前に、野党を支援する団体などが入る別府市内の建物の敷地に、特定の人物の行動確認を目的として隠しカメラを設置していたと発表した」事件を、東京新聞及び大分合同新聞の記事で追う。
 大分合同新聞のコラム「東西南北」は、2016年8月10日で付けで、「県警は闇を拭い去る説明をすべきだ。」、と指摘した。
 この「闇」の正体とは。
 「東西南北」は、いくつかの問題点を指摘している。
 例えば、「憲法が保障する肖像権の侵害に当たらないのか」、「政治活動の自由を妨げてはいないのか」、といったことである。
この事件は、沖縄の辺野古・高江で問題になっている警察法第2条にかかわって、この警察の活動が警察の責務に違反しているのではないか、ということを問うているのである。
 つまり、問題の本質は、「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」、ということなのだ。
 また、今回の「事件」は、安倍晋三政権のもたらした強権的、閉鎖的社会を背景にしていることは間違いない。
 したがって、これを追求することは非常に重要なことである。
 8月27日付けの大分合同新聞は、「不正捜査『処分軽い』」と、報道した。この表現が、この事件のこれまでの経過のすべてを表している。
大分合同新聞は、次のように批判した。


「参院選の選挙違反捜査に絡み、別府署員が野党候補を支援する団体の建物敷地に無断で侵入し、ビデオカメラを取り付けて隠し撮りをした事件で、大分県警は26日、同署幹部ら4人を書類送検した。無断撮影による捜査の是非を『不適正だった』と認め、4人を含む署長ら6人の処分に及んだ。一方で、前代未聞の不正捜査にもかかわらず、立件、処分対象は別府署内にとどまり、盗撮された側の関係者は不満の声を上げる。捜査機関によるカメラ撮影は権利侵害にも及ぶことから、識者は『調査不足』と指摘した。」


 2016年8月27日までの記事の「標題」は、次のように報道された。


(東京新聞)
(1)東京新聞-野党支援団体敷地にカメラ 大分・別府署、無断で設置-2016年8月3日 12時47分
(2)東京新聞-野党支援団体の敷地にカメラを無断設置 別府署、参院選公示直前-2016年8月3日 夕刊
(3)東京新聞-隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」-2016年8月12日 13時23分
(4)東京新聞-隠し撮り、署幹部ら書類送検へ 建造物侵入容疑で大分県警-2016年8月13日 12時24分
(5)東京新聞-大分県警、自治体職員を行動確認 別府署の隠しカメラ問題-2016年8月14日 02時04分
(6)東京新聞-隠しカメラ、署員4人書類送検 侵入容疑で大分県警-2016年8月26日 14時04分


(大分合同新聞)
(1)大分合同新聞-野党支援団体敷地にカメラ 大分・別府署、無断で設置-2016年8月3日
(2)大分合同新聞-別府署隠しカメラ、選挙違反の捜査目的-2016年8月4日
(3)大分合同新聞-別府署隠しカメラ、発覚しないよう細工か-2016年8月5日
(4)大分合同新聞-別府署員の無断侵入 隣接敷地にも 隠しカメラ問題-2016年8月6日
(5)大分合同新聞-県警、立ち入り謝罪 カメラ設置で隣接地に 隠し撮り-2016年8月9日
(6)大分合同新聞-別府署隠しカメラ問題、オンブズマン情報公開請求-2016年8月9日
(7)大分合同新聞-別府署隠し撮り、被害届を提出-2016年8月12日
(8)大分合同新聞-隠し撮り、署幹部ら書類送検へ  建造物侵入容疑で大分県警-2016年8月13日
(9)大分合同新聞-別府署隠しカメラ問題、署員ら書類送検へ-2016年8月13日
(10)大分合同新聞-大分県警、自治体職員を行動確認-2016年8月14日
(11)大分合同新聞-別府署隠しカメラ問題 民進チーム初会合-2016年8月17日
(12)大分合同新聞-県警が経過報告 県公安委の定例会議 別府署隠しカメラ問題-2016年8月20日
(13)大分合同新聞-別府署隠しカメラ 足立氏「国会で追及」-2016年8月22日
(14)大分合同新聞-別府署隠しカメラ、4人を書類送検 署長ら6人処分-2016年8月26日
(15)大分合同新聞-不正捜査「処分軽い」 NEW!-2016年8月27日


・東西南北-2016.8.10


・警察法第2条(警察の責務)



 以下、東京新聞の引用。(長文です。)






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by asyagi-df-2014 | 2016-08-31 05:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

全国の児童相談所が二〇一五年度に対応した児童虐待の件数が、前年度比16%増の十万三千二百六十件(速報値)となり、過去最多を更新した。

 標題について、東京新聞は2016年8月4日、「全国の児童相談所が二〇一五年度に対応した児童虐待の件数は、前年度比16%増の十万三千二百六十件(速報値)で過去最多を更新したことが、厚生労働省のまとめで分かった。集計を始めた一九九〇年度から二十五年連続の増加で初めて十万件を突破。児童虐待が後を絶たない深刻な現状が改めて浮き彫りになった。」、と報じた。
 また、この件に関しての厚生労働省の見解等を次のように伝えた。



(1)「厚労省は増加の要因の一つとして、子どもの前で配偶者らに暴力を振るう『面前ドメスティックバイオレンス(DV)』に関し、心理的虐待と捉えて警察が通告する事案が増えた点を指摘。専門家からは、地域から孤立した家庭の増加や経済格差の問題が背景にあるとの見方が出ている。」
(2)「厚労省は、一五年度に全国二百八カ所の児相が相談や通告を受けて対応した事例を集計した。都道府県別(政令市なども含む)では大阪が一万六千五百八十一件で最多。次いで神奈川が一万一千五百九十五件、東京九千九百九件、埼玉八千二百七十九件だった。最も少なかったのは鳥取で八十七件。島根百五十五件、佐賀二百三十七件と続いた。」
(3)「虐待の内容別では、暴言や面前DVなどによる『心理的虐待』が四万八千六百九十三件で47・2%を占めた。『身体的虐待』が二万八千六百十一件(27・7%)、『育児放棄(ネグレクト)』が二万四千四百三十八件(23・7%)。」
(4)「厚労省は昨年七月、相談を二十四時間受け付ける全国共通ダイヤル『189(いちはやく)』の運用を開始。以前は番号が十桁だったが三桁化してから相談が増え一五年度に児相が受けた電話は前年度比二・九倍の二万九千件に上った。」



 以下、東京新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2016-08-08 06:05 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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