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2017年11月7日。沖縄から見えたもの。

トランプの来日。
安倍晋三の得意げな顔。
どうしても、いやなものを見たくないという、「異論」に真っ当に向き合うことを避けてしまう自分がいる。
だとしたら、沖縄から、目を向けて見よう。 


 まずそこには、怒りの声があった。
 沖縄タイムスは2017年11月7日、「新たな護岸着手『今すぐ突撃してでも止めたい』 辺野古の海、怒りの叫び」、と伝える。


(1)「秋晴れの陽光が輝く青い海に、次々と沈められていく砕石。日米首脳会談が行われた6日、日本政府は沖縄の悲痛な叫びを無視し、新たな護岸2カ所の造成工事に着手した。命を育む海が米軍基地に変えられようとする怒りと悔しさ。その光景を目にした市民は、絶叫に近い声で『違法工事はやめろ』『負けない。諦めない』と訴えた。」
(2)「【名護】『作業をやめろー』『これ以上海を壊すな』。6日午前10時半すぎ、辺野古崎西側の『N5』護岸建設に向け砕石の海中投下が始まると、海上の抗議船から絶叫に近い悲痛な声が上がった。市民の抗議をよそに、砕石は海面で小さくしぶきを上げて海中に次々と沈んだ。」
(3)「今年4月着工の大浦湾側の『K9』護岸に続く埋め立て。この日、強風と高波でカヌー隊の海上行動は中止となった。船で海に出たメンバーは、約100メートル先で淡々と進められる作業に声を張り上げたり、『命どぅ宝』などと書かれた抗議のプラカードを掲げたりするしかなかった。今回はK9護岸のように網状の袋に入った石材の投下ではなく、むき出し状態の砕石が直接、海に落とされた。5分に1度のペースの投下に、カヌー隊の女性は『今すぐに突撃してでも止めたい』と悔しさといら立ちをあらわにした。午前11時前には『K1』護岸付近でも砕石投下が始まった。『もう見たくない』。抗議船船長の相馬由里さん(40)は目を赤くした。
(4)「この日、沿岸部での工事は仮設道路建設含め3カ所同時に進行。『同時に進められたら、どう阻止行動をすればいいのか』と嘆きながら『本来できていてもおかしくない基地建設がまだ始まったばかり。苦しいけど抗議を続けなきゃいけない』と自らを奮い立たせた。別の抗議船船長の楡原民佳さん(53)は『どうやったら止められるのか。苦しくてつらくて涙が出た。沖縄戦体験者の言葉を聞いて今ここに立っている。基地という負の遺産を次世代へ絶対に残したくない』と話した。また、同日午前9時50分ごろ、K1護岸予定地付近でクレーンが作業員2人の乗る小型船を海上でつり上げ、陸側に移動させる様子を沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが撮影した。北上田さんは『労働安全上、明らかに問題で危険行為だ』と批判した。」
(5)「名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では、新基地建設に反対し座り込む市民が新たな護岸工事着手に抗議の声を上げ、『阻止へ諦めない』と決意を新たにした。抗議活動には、最大約35人の市民が参加。機動隊が3回にわたって座り込む市民の腕をつかむなどして強制排除した。県統一連の瀬長和男事務局長は『また国が工事を強行した。民主主義や地方自治の観点からも許せない』と語気を強めた。名護市辺野古に住む女性(88)は、工事が進んだことに落胆しつつも『基地は戦争の始まりで、子や孫の命に関わること。反対の気持ちは変わるはずがない』と強調した。週に数回抗議活動に参加する女性(63)=名護市=も『悔しい。どこまでバカにするのかな』と憤り、『衆院選の結果からも民意は明らか。絶対に諦めない』と言葉に力を込めた。」


 このことについて、琉球新報は2017年11月7日、安倍晋三政権の辺野古への新たな護岸工事を始めたことに絡めて、次のように切ってみせる。


(1)「今回、政府が護岸建設に着手した現場は、7月にオキナワハマサンゴなど絶滅危惧種の希少サンゴが見つかった区域。防衛局はサンゴを守る必要があるとして10月26日、サンゴの移植に必要な特別採補許可を県に申請した。しかし国は、県の許可を待たず工事に着手した。『審査後に着手するかと思っていたが』と県幹部も審査中の工事着手に驚きを隠さない。」
(2)「新たな護岸工事に着手の動きは先週末、急に加速した。三連休に入る直前の2日夕。終業時間間際に防衛局が県庁に“駆け込み”で文書を持参した。辺野古での工事に関し県が10月31日に出した質問書への回答書だ。これまで回答に数週間以上を要することが多かったが、今回は1週間を待たずに回答。オキナワハマサンゴを移植しないまま工事着手される可能性やその懸念を問う県に対し『予測調査を行った結果、影響はなく、生息環境は維持される』と断言。移植前の工事強行をにおわせた。」
(3)「『県への説明は尽くしたと言うための提出だったのだろう。いつも自分たちの都合だ』と県幹部はため息交じりに振り返った。護岸工事に着手を見据えた計算し尽くされた提出だった。国が矢継ぎ早に護岸工事に着手した背景には、トランプ米大統領の訪日に合わせた米側へのアピールと同時に、北朝鮮への対応で注目が集まる首脳会談に合わせて工事強行の批判を回避する思惑があった。」
(4)「『偶然の一致だ』。米軍普天間飛行場の辺野古移設を含めた在日米軍再編の進展を改めて確認した日米首脳会談と辺野古の新たな護岸工事が重なったことに防衛省関係者はこう語り、準備が整ったために開始したと強調した。しかし、護岸工事に着手からわずか数時間後、東京で開かれた日米首脳会談の席上、両首脳は辺野古の工事推進を確認した。『一層の遅延が平和および安全を提供する能力に及ぼす悪影響に留意しつつ』との文言も添えられた。トランプ氏の来日に合わせ、念密に準備された工事計画だった。」
(5)県民の多くが反発し抗議の声が上がった護岸工事に着手だったが、この日の大手メディアの報道はトランプ氏の一挙手一投足を伝える内容が大半を占めた。政府関係者は『やはり辺野古はかき消された。辺野古よりも北朝鮮、拉致が注目だろう』と語り、工事強行の矮小(わいしょう)化を狙い、タイミングを図っていたことをにじませた。」


 どうだろうか。トランプ来日の利用目的の一つが、政府関係者の「やはり辺野古はかき消された。辺野古よりも北朝鮮、拉致が注目だろう」、という言葉に滲みだているのではないだろうか。
 姑息かつ狡猾なほくそ笑み笑いが、満面に浮かぶ輩を、やはり正面から見つめ返す必要がある。
こうした輩に立ち向かうためには、怒りとともに冷静な言葉も必要になる。
例えば、沖縄タイムスは2017年11月6日の社説で、このように押さえる。


 「私たちの懸念は一つ。圧力一辺倒の政策で果たして戦争を防ぐことができるのか、という点である。戦争が起きたら甚大な被害が出ると分かっていながら、誰も『戦争は起きない』と断言することのできない怖さ。多くの国民が感じているのは、そのような宙づり状態の不安感だ。」


 また、こうも続ける。


 「日米首脳会談では、どのように圧力の最大化を図るか、が話し合われるという。安倍首相とトランプ大統領の蜜月関係は過去のどの日米首脳と比べても際立っており、「日米同盟にはわずかな隙もない」と外務省幹部は指摘する。隙がないということは、軍事力行使の事態が発生したとき、選択の余地がなく自動的に米軍と行動を共にすることを意味する。政府は米国の軍事力行使を思いとどまらせる役割こそ果たすべきである。」


 沖縄タイムスは、このように主張するのである。


 「日米韓中ロの協調体制を維持し、北朝鮮に非核化を求めていくと同時に、北朝鮮の安全保障を考える時期にきているのではないか。北東アジアにどのようにして安定した地域秩序をつくり出していくか。その視点からのアプローチが欠かせない。核廃絶を主張しつつ米国の『核の傘』に頼る日本が、北朝鮮の非核化を理由に米国の軍事力行使を容認し、自らも集団的自衛権の行使に踏み切るようなことがあれば、日本の核軍縮運動は信用を失い、瓦解(がかい)しかねない。」


 琉球新報もまた、「トランプ氏が過激な言動で挑発を繰り返すことが、北朝鮮に核・ミサイル開発の口実を与えたとの見方もある。不用意な発言を慎むよう忠告するのも同盟国の務めである。米国に忠実に従うのではなく、国民の生命と財産を守る観点から盟友に耳の痛い話をすることができるか、首相の力量と資質が試される。」、と2017年11月6日の社説で同様に主張する。


 沖縄から、今、一つの真実が見えている。


 最後に、今回の辺野古への新護岸工事の着手について、触れざるを得ないだろう。
 沖縄タイムスは2017年11月7日、政経部・大野亨恭署名の記事で、次のように解説する。


(1)「沖縄防衛局が名護市辺野古で新基地建設に向け新たな護岸工事に着手した。希少サンゴの保全策が不十分だとして工事停止を求める県を無視した形だが、図らずも、現在の県の『対抗策』では工事を止め切れない現実を浮き彫りにした。防衛局は工事を着実に進める構えで、県は工事停止には埋め立て承認撤回しかないという現実を改めて突き付けられたと言える。」
(2)「工事を強行する国の姿勢は強く批判されるべきだ。岩礁破砕許可を巡る漁業権の恣意的とも言える解釈変更やサンゴ発見の県への報告遅れなど、絶対的な権力を持つ国の姿勢は、誠実とはかけ離れている。だが、新基地建設阻止を掲げる翁長雄志知事が、今、防衛局へ講じている対抗策は、結果として『適切な工事の追求』にとどまるとの見方もできる。県の環境保全措置への疑義照会に防衛局は『県からの意見は、よりよい環境保全措置の構築に必要』と歓迎する向きさえある。岩礁破砕を伴う工事の差し止めを求める訴訟で、県が勝訴した場合は国の手続きの誤りや強引な姿勢が明確になる。一方、それを踏まえて国が破砕許可手続きを申請すれば、瑕疵(かし)がない限り行政としては認めざるを得なく、結果的に『適法』な工事を是認することを意味する。」
(3)「国は埋め立て用石材を海上搬入するため国頭村奥港の使用許可を申請し、県は関連法に基づく審査を経て許可した。新基地建設につながる手続きでも、認めざるを得ないのが現状だ。」


 結局、大野記者は、「県が求める適切な手続きや十分な環境保全措置の大前提にあるのは、県の埋め立て承認で、この承認がある限り『埋め立て容認』の枠内での話でしかない。撤回への議論の加速が求められている。」、とこの記事を結論づけて伝える。


 確かに、今必要なのは、翁長沖縄県知事の「承認の撤回」である。
 だとしたら、何が求められるのか。
 それは、沖縄の「承認の撤回」を、沖縄県以外からどうやって支えるか、ということであることは言うまでもない。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-08 06:08 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~沖縄タイムス20171031~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 沖縄タイムスは2017年10月31日、「[F35嘉手納飛来]外来機の「拠点化」危惧」、とその社説で論評した。
 何が問題なのか。
 それは、沖縄県への「常駐機に加えた外来機による『被害』と外来機の沖縄への拠点化についての『杞憂」」、ということである。
沖縄タイムスは、「常駐機だけでも耐えがたい苦痛を与えているのは、周辺住民ら2万2千人超が第3次の爆音訴訟が起こしていることからもわかる。」としたうえで、「嘉手納基地が外来機の拠点となるつつあることを懸念する。」、と次のように指摘する。


(1)「最新鋭のF35ステルス戦闘機2機が30日午後、嘉手納基地に飛来した。米太平洋軍が11月上旬から6カ月間、計12機を嘉手納基地に配備すると発表したうちの2機である。米ユタ州のヒル空軍基地の所属で、最終的には要員300人も派遣される。」
(2)「F35ステルス戦闘機は嘉手納基地の主力F15戦闘機と比べても騒音が激しいといわれ爆音禍は目に見えている。」
(3)「沖縄防衛局が嘉手納基地の全航空機を対象に初めて実施した調査によると、4月から4カ月間で、離着陸やタッチ・アンド・ゴー、旋回は常駐11機種と外来機を合わせ1万8799回。うち外来機が約35%を占めた。日米の騒音防止協定で飛行が制限されている午後10時から午前6時までの飛行は全体で647回。うち外来機が半数を超えた。外来機は5月に米本国からF16戦闘機12機が暫定配備され、在韓米軍からU2偵察機4機、6月には3日連続で岩国基地からF35ステルス戦闘機が飛来した。F16戦闘機が暫定配備された51日間、嘉手納町屋良で『電車通過時の線路脇』のうるささに相当する100デシベルを超える騒音が配備前の同じ期間と比べ4倍に増えた。外来機が及ぼす影響が裏付けられた。」


 こうした実態のなかでの今回のF35ステルス戦闘機の飛来である。
 沖縄タイムスはこのように指摘を続ける。


(1)「F35ステルス戦闘機は、アジア太平洋地域における米戦略の要と位置付けられる。岩国基地への配備は米本土以外では初めてだ。所属は岩国基地でも、嘉手納基地や伊江島補助飛行場と連動している。沖縄の空に張り巡らされている訓練空域を使用するからだ。」
(2)「嘉手納基地では、日米特別行動委員会(SACO)合意に反してパラシュート降下訓練が実施されている。米軍は『例外使用』を盾に降下訓練をやめる考えはない。滑走路の反対側に移転した旧海軍駐機場も使われている。日米合同委員会の解釈に日米で齟齬があるのは解せない。」


 沖縄タイムスは、次のように問題点を整理したうえで日本政府に抗議する。


(1)「嘉手納基地ではここ数年、外来機の暫定配備が続く。事実上の常駐化ではないか。」
(2)「県外では普天間飛行場がクローズアップされるが、嘉手納基地と嘉手納弾薬庫地区の2施設だけで、県外にある主要な6基地(横田、厚木、三沢、横須賀、佐世保、岩国)の総面積を超える。」
(3)「日米合意を破った米軍に、嘉手納基地周辺の自治体でつくる三市町連絡協議会は県と足並みをそろえ抗議した。今回の暫定配備についてもかつてない怒りが続いている。」
(4)「F35ステルス戦闘機の暫定配備で同基地は周辺自治体に朝鮮半島情勢への対応と説明した。有事想定の訓練は危険にならざるを得ない。沖縄が標的になる懸念も消えない。」
(5)「日本政府は米軍の暫定配備を伝えるリリースに抗議するわけでもない。嘉手納基地で進んでいるのは基地機能の強化であり『負担軽減』に逆行する。政府は被害を受ける住民に目を向けているのか。」


 確かに、沖縄県への「常駐機に加えた外来機による『被害』と外来機の沖縄への拠点化についての『杞憂」」という問題は、日頃から安倍氏晋三政権によって唱えられる「沖縄の負担軽減」の言質とはかけ離れている。





by asyagi-df-2014 | 2017-11-07 08:57 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~秋田魁新報20171028~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 秋田魁新報は2017年10月28日、「今冬のクマ猟解禁 生息数の把握急ぎたい」、とその社説で論評した。
中山間地での生活を営むものとして、猪や鹿の害獣被害に臨んでいる者としては、クマの問題は、より深刻に捉えざるを得ない問題である。
 秋田魁新報は、この問題の経過を次のように説明する。


(1)「相次ぐ人里へのクマ出没で、県内では今年、ツキノワグマの有害駆除が頻繁に行われ、既に県が設定する年間の上限捕殺数(122頭)を大幅に上回っている。そんな中、県は今冬の狩猟解禁(11月15日~2月15日)を決めた。狩猟の上限は58頭。クマの生息域が人間の生活圏に広がっている上、生息が確認されていなかった地域で目撃が相次いでいることなどを受けた対応だ。」
(2)「県はこれまで生態系に配慮し、捕殺数が推定生息数の1割を上回った場合、県猟友会に猟の自粛を求めてきた。県内で今年に入って捕殺されたクマは9月末時点で過去最多の533頭に上り、県が推定する生息数1013頭(4月時点)の半数以上を占める。狩猟解禁の基準は到底満たされておらず、県外の自然保護団体からは、有害駆除とともに冬季のクマ猟の中止を求める要望書が県に提出されている。」


 問題は、秋田県がツキノワグマの有害駆除として今冬の狩猟解禁(11月15日~2月15日)を決めた、ということであった。
 秋田魁新報は、この狩猟解禁の問題点について、次のように把握する。


(1)「確かに現在の推定生息数に対する捕殺数からすれば、捕殺が過剰ではないかという見方にも一理ある。一方、県は狩猟解禁の基となる推定生息数が、実際の生息数と大きく乖離(かいり)している可能性が高いとみる。」
(2)県が狩猟解禁理由に挙げるのは、まず目撃数が今年に入ってから1233件(県警調べ、26日現在)に上り、過去最多を更新していることだ。加えて▽市街地や公園、学校などの周辺での出没が増え、県民生活に支障が生じている▽捕獲実績や目撃情報などから生息域は現行の県管理計画の1・5倍に拡大していると推定される▽農作物被害は果樹を中心に約3割増加している―ことなどを挙げる。」
(3)「ただ、推定生息数はあくまで『推定』の域である。センサーカメラを使った新たな手法による生息数把握の取り組みは始まったばかり。把握は容易ではないだろうが、捕殺自体への反対意見があることも踏まえ、県にはより実態に近い推定値の算出を急いでもらいたい。」
(3)「クマの出没増加は有害駆除の担い手不足という現実も浮き彫りにしている。県猟友会の会員はピークの1975年が約8千人だったのに対し、現在は約1500人まで減っている。高齢化も進み、60代以上の占める割合は7割に上る。現場の疲弊ぶりは深刻で、市町村から有害駆除の出動依頼が激増し悲鳴に近い声が上がっているという。狩猟を解禁しても、肝心の狩猟者が激減・高齢化しているというのは皮肉なことだ。」


 この上で、この問題について、秋田魁新報は、「重要なのは狩猟解禁に踏み切るという判断の背景を、県民がしっかり共有することではないだろうか。人里へのクマの出没は、里山の手入れができなくなったこと、集落の人影がまばらになったことの裏返しでもある。過疎化や山の荒廃の問題は、すぐには解決できないということを受け入れながら、関係者任せにせず今できることを戦略的に考えていきたい。」、と提起するのである。


 どうやら、このことについては、次のことが言えそうだ。


Ⅰ.やはり、「県は狩猟解禁の基となる推定生息数が、実際の生息数と大きく乖離(かいり)している可能性が高いとみる。」、という秋田県の根拠が正しいものかどうかの検証が必要である。
Ⅱ.「人里へのクマの出没は、里山の手入れができなくなったこと、集落の人影がまばらになったことの裏返しでもある。」、という日本社会の構造的問題は、該当地域は骨身にしみているのであるから、重要なのは、日本という国が政策としてこのことの解決策を打ち出すことができるのか、本当の意味で問われている。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-06 09:09 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~東京新聞20171028~

 東京新聞は、建設現場でアスベスト(石綿)を吸って肺がんなどになったとして、神奈川県の建設労働者や遺族ら八十九人が、国と建材メーカー四十三社に計約二十九億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十七日、東京高裁で開かれた。永野厚郎裁判長は原告敗訴とした一審横浜地裁判決を変更し、国とメーカー四社に総額約三億七千万円の賠償を命じた。」、と報じた。高裁レベルでの初勝訴になる。
 何が問題だったのか。
 このことについて、東京新聞は、「肺がんや中皮腫を発症した被害者の多くは高齢で、救済のために残された時間はわずか。現在の石綿健康被害救済制度では、医療費や月約十万円の療養手当が給付されるが、重い障害などに悩まされる被害者の要望とは程遠い。国と建材メーカーの責任を認めなかった一審判決ですら『石綿を含む建材で利益や恩恵を受けた国民全体が補償すべきものとも考えられる』と指摘した。国が中心となり、メーカーとともに新たな基金を創設するなど、被害者に寄り添う対応が急務だ。(岡本太)」、と指摘する。
 あわせて、 東京新聞は2017年10月28日、「アスベスト判決 国は責任をかみしめて」、とその社説で論評した。
このことを考える。
 東京新聞は東京高裁判決の意味を、「肺がんなどを引き起こすアスベスト(石綿)の対策を怠った。国やメーカーの責任を東京高裁が認めた意味は大きい。健康被害を受けた建設労働者は他にも大勢いる。新たな救済制度を考えるときだ。」、と記す。
また、アスベストの問題とこの訴訟について次のように説明する。


(1)「アスベストの危険性の指摘は西欧では古い。一八九六年に英国で肺疾患症例の報告がある。一九三〇年には国際労働機関(ILO)が会議でアスベスト問題を取り上げている。この議事録は日本でも旧内務省が抄訳している。世界保健機関(WHO)がアスベストのがんとの結び付きを明言したのが、七二年とされる。」
(2)「危ない鉱物でありながら、戦後も使われたのは防火性や断熱効果に優れた資材だったからだ。かつ丈夫で加工しやすく、安価でもあった。そのため戦後、約一千万トンが輸入され、大半が建築資材として使われ続けた。」
(3)「資材を加工したのが、大工、左官、解体工、内装工、配管工…。だが、アスベストがもたらす病気は『静かな時限爆弾』といわれるように、二十年も三十年も仕事に携わり、四十年たって発病したりする。肺がんや中皮腫や…。それだけに、裁判でどのようにアスベストを浴びたのか、その状態を理解してもらうのが難しかった。原告側弁護士によれば、建設現場の曝露(ばくろ)実態を再現し、ビデオ撮影するなどしたという。」
(4)判決は「国は石綿粉じん曝露による広汎(こうはん)かつ重大な健康被害のリスクが生じていることを把握し得た」としたうえで、「規制・監督権限の不行使は許容される限度を逸脱していた」と断じた。つまり、防じんマスクの義務づけや石綿含有建材の表示などさまざまな予防策を講ずることができた。」
(5)「この裁判は横浜地裁では原告敗訴だった。だが、東京、京都など六地裁で原告が勝訴している。高裁レベルでの初勝訴の意義は大きい。問題は建設作業に関わった人々はもっと多数にのぼることだ。アスベストによる労災認定者は年間約一千人といわれる。」


 この上で、東京新聞は、次のように指摘する。


 「原告側弁護団が求めるのは『補償基金制度』の創設である。裁判を起こしてもいいが、長い時間がかかる。その間に亡くなるかもしれない。司法の解決よりも、国や業界が新しい救済制度をつくり、そこで補償する仕組みを作れば早期解決になる。近道だ。各地の訴訟はまだまだ続く。国も法廷に立つより抜本策を考え、解決する時期が来ている。」


 確かに、国も法廷に立つより抜本策を考え、(被害者に寄り添う対応が急務だ。)解決する時期が来ている。」、との東京新聞の指摘は、非常に重い。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-04 08:14 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~朝日新聞20171026~

 何が問題なのか。
朝日新聞は2017年10月26日、「米軍ヘリ事故 「深化した同盟」の現実」、とその社説で論評した。
 朝日新聞は、「これが、首相がいう『深化した日米同盟』の姿なのか。」、と。
朝日新聞は、事実を次のように記す。


(1)「沖縄県東村(ひがしそん)高江で炎上した米軍ヘリコプターの同型機が、事故原因不明のまま、わずか1週間で飛行を再開した。」
(2)「『安全が確認されるまで停止が必要』と唱えていた小野寺五典防衛相は、その意向を米軍に完全に無視され、『遺憾だ』と述べるだけだ。政府の無力と無責任ぶりが、際立つ。」
(3)「飛行再開の4日後に行われた衆院選では、県内の四つの小選挙区のうち三つで野党系候補が当選。比例区の自民党得票率は22・4%と、全国平均を11ポイント近く下回り、最低となった。民意を無視して政権が米軍普天間飛行場の辺野古移設を進めてきたことに加え、事後対応を含む今回の事故への怒り、反発がもたらした結果といえる。」
(4)「安全策が講じられなければ、いつまた事故があるともわからない。県議会や村議会の決議に続き、翁長雄志知事が高江地区周辺のヘリパッドのうち、住宅地に近い3カ所の使用中止を求めたのは当然だ。」


 さらに、日米同盟の実像を、「この事故をめぐっても、『沖縄は依然として米軍の占領下にあるのか』と思わせるような光景が繰り広げられた。」、とその事実を記す。


(1)「炎上したヘリ機体の部品には放射性物質が使われ、飛散の恐れがあった。県や沖縄防衛局は調査しようとしたが、米軍は日本側を排除した。13年前に沖縄国際大にヘリが墜落した時と同じだ。昨年末のオスプレイ大破事故でも、日本の捜査当局は現場検証などができなかった。」
(2)「今回、米軍は『放射性物質は回収した』といい、国や県の周辺調査でも、空間の放射線量などに異常はないという。だが炎上した土地の表土は、ヘリの残骸ともども、米軍がすべてはぎ取って持ち帰っている。」


 朝日新聞は、日米同盟の実像を、「環境が汚染されていないかを主体的に調べるすべはなく、事故の当事者である米軍の言うことを信じるしかない。それが沖縄の、そして日本の現実だ。」、と突くのである。
この現実のうえに、朝日新聞は、主張する。


「沖縄県は先月、米軍施設の外でおきた事件・事故について、日本の当局者が遺留物を差し押さえたり、現場への出入りを主導権をもって統制したりできるよう、日米地位協定を見直すべきだと両国政府に要請した。自民党は衆院選の公約に、『地位協定はあるべき姿を目指します』と書いた。『あるべき姿』とは何か。沖縄県のこの求めにどう対処するのか。すみやかに見解を示し、米側への働きかけを始めるべきだ。米軍施設は各地にあり、米軍機は全国の空を飛んでいる。ひとり沖縄だけの問題ではない。」


 確かに、「米軍施設は各地にあり、米軍機は全国の空を飛んでいる。ひとり沖縄だけの問題ではない。」、ということだ。
 実は、「深化した同盟」とは、目下の同盟国の強弁に過ぎない。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-03 09:16 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171026~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 琉球新報は2017年10月26日、「日産と神鋼の不正 法令順守の原点に戻れ」、とその社説で論評した。
 何が問題なのか。
90年代以降、日本という国は「規制緩和」と「民営化」路線に飲み込まれてきた。
 その中で、はっきりしてきたのは、新自由主義による生活破壊ということであった。それは、命の破壊ということに繋がった。
 今、琉球新報の社説を見ながら、その意味を確かめている。
琉球新報は、「品質の高さで名をはせていた『日本のものづくり』に黄信号がともっている。」、と始める。
琉球新報は、こう記す。


(1)「日産自動車による新車の無資格検査と、神戸製鋼所による性能データ改ざんが明らかになった。いずれも日本の製造業をけん引してきた大企業だ。消費者の信頼を裏切る行為で、断じて許せない。」
(2)「今回の不祥事は組織ぐるみも疑われている。企業のコンプライアンス(法令順守)意識が希薄になっていないか。経営陣をはじめ全社的な意識改革を進め、早急に再発防止策に取り組むべきだ。」
(3)「日産は国の規定に反して、資格のない補助検査員に新車の最終検査をさせていた。違反を認識しながら、組織ぐるみで無資格検査に手を染めた疑いも残る。安全を確認する最終関門をおろそかにしたのは、自動車メーカーとして人命軽視と指弾されるべき事案だ。
不祥事はこれだけにとどまらなかった。西川広人社長が9月29日に事実を公表した後も、国内4工場で無資格検査を続けていたことが発覚した。上層部の意向が現場に伝わらない組織だとすると病巣は根深い。」
(4)「日産は国内で販売する全車両の出荷を停止し、新たに約4千台のリコールを届け出る事態に至った。経営陣が現場を管理できていなかったのは問題だ。西川社長は『課長と係長のコミュニケーション不足が大きかった』と説明した。自らの責任は棚上げし現場に押し付けるかのような発言は、危機管理意識に欠ける。経営陣の責任は極めて重大である。」
(5)「神戸製鋼所は製品の性能データを改ざんしていた。当初はアルミニウムと銅製品だったが、その後、鉄粉、銅線、特殊鋼にまで拡大した。さらに、管理職を含む従業員が不正を隠蔽(いんぺい)する行為や、不正を報告しない妨害行為も明るみに出た。会社全体にモラル欠如と隠蔽風土が蔓延(まんえん)していたとの指摘もある。」
(6)「両社とも自社の不祥事を経営陣が把握していなかったと弁明している。企業統治が利いていないのではないか。日本を代表する両企業の不祥事は、世界に『メード・イン・ジャパン』への不信感となって広がっている。米有力紙はタカタの欠陥エアバッグ問題とも絡め『日本の自動車産業が【困難な時期】を迎えている』と報じた。」
(7)「ボーイング社など海外メーカーや米司法省は調査に乗り出した。欧州航空安全庁(EASA)は神鋼への調達を控えるよう勧告している。日本のものづくりに対する信頼を根底から揺るがす事態だ。


 琉球新報は最後に、「製造現場にモラルの低下がはびこっているとは考えたくない。企業が法令を順守するのは当然のことだ。両社とも消費者のために誠実に真摯(しんし)にモノをつくるという原点に立ち返ってほしい。まず原因を徹底究明し、消費者の信頼を取り戻す努力を重ねるべきだ。」、と主張する。


 しかし。何が今回の不祥事をもたらしたのか、が大事なのだ。
 日本自体が、実は、「人命軽視」「モラル欠如と隠蔽風土」に覆われてしまっているのではないか。
 今回の一連の「事件」は、一企業の責任としてではなく、日本という国として、心底から検証しなければならない問題である。
新自由主義は、日本人の存在自体を痛めつけてしまったのではないか。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-02 06:02 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~沖縄タイムス20171026~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 沖縄タイムスは2017年10月26日、「[辺野古工事着手半年]国に文書で協議求めよ」、とその社説で論評した。
 何が問題なのか。
沖縄タイムスは、次のように指摘する。


「政府は半年前の4月25日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸を埋め立てる護岸工事に着手した。本来なら丁寧に対応すべき県との事前協議が整わないまま、見切り発車したのである。最高裁判決という『後ろ盾』を得た政府はこの半年、住民のあきらめを狙って、しゃにむに護岸工事を進めてきた。だが、それも限界だ。工事強行によって各面に生じているひずみや分断は、あまりにも深く大きい。」


 また、沖縄タイムスは、このことが起こしている問題は、「当事者の間で問題解決に向けた真剣な対話や協議がなければ、環境影響評価法に基づく環境アセスメントや、公有水面埋立法に基づく埋め立てはうまくいかない。日本環境アセスメント学会の島津康男・元会長はかつて、辺野古アセスを『史上最悪のアセス』だと酷評した。今や埋め立て事業も、当事者同士の対話や協議を欠いた『史上最悪の埋め立て』になりつつある。」、と。


 さらに、沖縄タイムスは、「前知事による埋め立て承認後に表面化した事態は以下の通りである。」、と次のように事実を重ねる。


(1)「2014年1月の名護市長選、11月の県知事選、12月の衆院選、2016年の参院選のすべての選挙で、『辺野古反対』を主張する候補が完全勝利した。22日の衆院選でも米軍基地が集中する2、3区や、県都那覇市を抱える1区で、引き続き『辺野古反対』を掲げる前職が勝った。選挙で示された民意は重い。」
(2)「政策決定によって最も影響を受けるものが決定の場から外され、意思表示すら無視され、結果だけが一方的に押しつけられるようなことがあってはならない。米軍基地建設に関しては特にそうだ。これが前提である。沖縄の犠牲を前提にした同盟管理は、沖縄の人びとの人権を軽視し、行政の不公平・不公正を固定化するものである。」
(3)「最高裁判決はこうした点には触れていない。最高裁で県は敗訴したが、この訴訟で最高裁が認めたのは、前知事の埋め立て承認に違法性はない、という点である。最高裁判決によってこの問題は終わったという主張は、法律論にとどまる。」
(4)「辺野古移設によって問題は解決するのか。名護市安部海岸で起きたオスプレイの大破事故と、東村高江で起きたCH53Eヘリの炎上事故は、いずれも『クラスA』に分類される重大事故だった。相次ぐ緊急着陸と二つの重大事故は、県内どこでも、事故が起こりうることを示している。炎上事故の発生で県議会は、高江を取り囲むように建設された6カ所のヘリパッドの使用禁止を全会一致で決議した。演習場と住宅地が隣接する本島北部の危険性は、もはや放置できない。辺野古を含む日米合意の見直しが求められているのだ。」
(5)「埋め立て予定海域で、環境省のレッドリストに記載されたオキナワハマサンゴの群体が見つかった。7月に確認していたのに県には一切の報告がなく、14群体あったうち生き残っているのは1群体だけ。保全対策を行わなかった結果だと、県は主張する。」
(6)「岩礁破砕許可の期限が切れた後も、政府は県の許可を得ないで工事を進めている。地元漁協が漁業権を放棄したことで県の許可は不要になったというのが政府の見解だ。その背景にあるのは、漁業権を巡る水産庁の突然の解釈変更である。この種の埋め立てに伴う問題は数多いが、情報が開示されず、立ち入り調査もままならないのが実情だ。」
(7)「対話と協議を欠いた強権的な米軍基地建設は、『史上最悪の埋め立て』にならざるを得ない。」


 沖縄タイムスは、この事実の基に、次の要求を表明する。


「埋め立て承認以降に表面化したさまざまな動きを踏まえ、県は国に対し早急に工事の中止と現状打開に向けた協議を文書で申し入れてほしい。話し合いを拒否するのであれば、ためらうことなく撤回に踏み切るべきだ。翁長雄志知事は未来の子どもたちのためにも、堂々と埋め立て承認を撤回すべきであろう。」


 確かに、「対話と協議を欠いた強権的な米軍基地建設は、『史上最悪の埋め立て』にならざるを得ない。」。
 安全保障とは、地域に生きるすべてのもののためにあるのだから。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-01 07:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171025~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 何が問題なのか。
琉球新報は2017年10月25日、「東村高江の米軍ヘリ炎上事故の現場で、米軍は事故機の機体を回収し、一帯の土壌を根こそぎ持ち去った。」ことを、「米軍現場土壌を搬出 悪質な証拠隠滅許されぬ」、とその社説で批判する。
 米軍による証拠隠蔽の事実を次のように押さえる。


(1)「県と沖縄防衛局は機体周辺の土壌を採取して分析し、放射能汚染の有無など、環境汚染の可能性を調査する予定だった。県警は航空危険行為等処罰法違反容疑などで捜査を進めているが、機体は最も重要な物証だった。」
(2)「それが全て一方的に米軍によって持ち去られてしまった。県と防衛局は土壌サンプルを採取するまでは土壌の掘り起こしや搬出作業を中止するよう求めたが、米軍は無視して作業を続けた。このため土壌採取はできなかった。米軍が掘り出した土壌はトラック5台分に及ぶ。事故による影響を調べるための機体があった周辺の表面土は現場に一切残されていないだろう。」
(3)「事故機にはインジケーター(指示器)の一つに放射性物質が使われていた。在沖米海兵隊は現地で放射性物質を既に取り除いたと説明し『健康を害すのに十分な量ではない』との見解を示していた。機体周辺の土壌は放射能汚染の可能性があった。だからこそ、日本側が土壌を採取して分析する必要があったのだ。」
(4)「県警も米軍に捜査要請をしていたが、正式な返答はないままだ。現場での機体の検証を求めたが、全て米軍が回収してしまったため、実現できなかった。つまり住民の生命と財産を脅かした張本人が公衆の面前で堂々と証拠隠滅を図ったのだ。」


 琉球新報は、「極めて悪質だ。捜査当局と行政当局の要請や制止にも耳を貸さず、環境汚染や犯罪事実などを特定するための重要な証拠を次々と持ち逃げした。こんなことが法治国家で許されるのか。」。と糾弾する。
 しかも、この事故現場は、「土地を所有する西銘晃さん(64)が豚の堆肥を土に混ぜるなどして、30年にわたって土壌改良して優良な牧草地へと育て上げた。畜産農家から『質が高い』と太鼓判を押され、中南部からも牧草を買い付けにくるほどの県内有数の牧草地だった。」、という土地であった。
 さらに、「米軍が規制線を解いた翌朝、西銘さんは牧草地を訪れて愕然(がくぜん)とした。事故機の小さな残骸が無数に散乱し、化学薬品とみられる黄緑の液体で濁る水たまりができていた。さらに米軍がテントを設置していた場所には、たばこの吸い殻やペットボトル、吐き捨てられたガムが数多く残されていた。」、というのだ。

 琉球新報は、最後に、こう結ぶ。
(1)「証拠隠滅に加え、西銘さんの肥よくな牧草地を一方的に汚し、破壊した。農家の尊厳を踏みにじる非人間的な行為を決して許すことはできない。」
(2)「在沖米海兵隊の最高責任者でもあるニコルソン在沖米四軍調整官は事故後、なぜか公の場に一切出てきていない。こうした数々の不誠実極まりない行動をどう説明できるというのか。今すぐ県民に説明し、謝罪すべきだ。それができないならば沖縄から去るべきだ。」




by asyagi-df-2014 | 2017-10-31 08:59 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~神戸新聞20171019~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 神戸新聞は2017年10月19日、「神鋼改ざん拡大/法令順守の意識はどこへ」と社説を掲げ、「驚く事実ばかりが露見する。日本を代表する製造業の矜恃(きょうじ)はどこにいったのか。」、と突きつける。
神戸新聞は、この問題を次のように追う。


(1)「神戸製鋼所が発表したアルミと銅製品の検査数値改ざんは、グループ9社が手がける9製品に拡大し、納入先は500社に増えた。数十年前から続いていた疑いがあるという。過去に取締役会が改ざんを把握しながら公表しなかった製品や、発覚後も手を染め続けていたグループ企業があった。多角化が災いし不祥事の反省が全部門に浸透しなかった。法令順守の意識の低さに言葉を失う。」
(2)「経済産業省は今月初め、1カ月以内に原因を追及し対策を講じるよう神鋼に指示している。いつ、どのような理由で始まり、なぜ続いたか。うみを出し尽くし、再発防止へ新たな検査態勢を構築せねばならない。」
(3)「改ざんは主力の鉄鋼製品でも発覚した。自動車や航空機、発電所の配管など、さまざまな分野に使われている。自動車で約3万にのぼる部品について、メーカーがその素材の品質まで検査するのは不可能で、作り手に任せるしかない。中国企業などの価格攻勢に高品質で対抗してきた『メード・イン・ジャパン』のブランドにも、神鋼の不正は泥を塗った。」
(4)「国内の自動車各社に加え、ゼネラル・モーターズやボーイングなど米国を代表する製造業が神鋼製素材を使った部品の安全性調査に乗り出した。欧州連合(EU)の航空当局は、神鋼の製品調達を可能な限り停止するよう関連企業に勧告した。経営へのダメージは見通せない。」
(5)「米司法省は神鋼に関連書類の提出を求めている。トヨタ自動車の大規模リコール(無料の修理・回収)やタカタの欠陥エアバッグでは、議会が公聴会を開いて独自調査に乗り出し、最終的に両社が巨額の賠償金を支払うことで司法省と和解した。同じ展開にならない保証はない。」
(6)「神鋼の取引企業は6千を超す。大半は中小だ。うち1千社近くは兵庫県内である。いわゆる孫請けなども含めれば、その数はさらに膨らむ。浮沈は地域の盛衰にも影響する。」


 
 神戸新聞は、神戸製鋼に対して、「過去にさかのぼり不正の実態を積極的に解明するのが、目下の神鋼の責務である。それなくして、次の展開は描けない。」、と厳しく結ぶ。


 企業の不正が続く中で、何かを言わなければと考えてきた。
 そうだった。
 90年代以降、民間企業の叡智が日本を救うと喧伝されてきたのだった。
 結局、この様である。
 確かに、企業経営には核となる思想がいるのだ。





by asyagi-df-2014 | 2017-10-29 06:10 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~東京新聞20171013~

 東京新聞は、「米軍ヘリ炎上 危険が身近にある現実」と主張する社説(2017年10月13日)の中で、まずは、「政府は北部訓練場の一部返還について『沖縄の本土復帰後、最大規模で負担軽減に大きく資する』(菅義偉官房長官)と強調する。しかし、ヘリパッドは地元住民の反対を押し切って東村高江の集落を取り囲むように建設された。住民には負担軽減どころか、事故の危険や騒音などの『基地負担』はむしろ増えたのではないか。」、と安倍晋三政権の喧伝と沖縄の実態の違いを突く。
 しかし、この違いは、その違いを指摘するだけでは収まらず、すでに沖縄県民は、「今回の事故で死傷者が出なかったことは幸いだが、米軍施設周辺住民が危険と隣り合わせである現実をあらためて突き付けている。」、と指摘する。
東京新聞は、このように続けて記す。


(1)「ヘリパッドには普天間所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイも飛来する。同機は昨年十二月、名護市沿岸部に不時着、大破するなど事故や緊急着陸を繰り返し、安全性への懸念が払拭できない。CH53Eヘリコプターのみならずオスプレイも北部訓練場のヘリパッド使用を見合わせるべきだ。」
(2)「今回の事故は、米軍施設に伴う危険性だけでなく、日米地位協定の問題も突き付ける。」
(3)「沖国大の事故では、日本の捜査権は及ばず、米軍が規制線を引いた。今回も米軍は事故現場を事実上の封鎖状態とし、県警は現場検証を実施できなかった。地位協定の関連文書では、米軍の同意がない場合、日本側に米軍の『財産』の捜索や差し押さえをする権利はない、とされるためだが、日本政府は主権が蔑ろにされる状態をいつまで放置するのか。」


 東京新聞は、この日の社説を、「政府は法的に不平等な地位協定の抜本的見直しや改定を米側に提起すべきだ。形ばかりの抗議でお茶を濁して済む段階ではない。」、と結ぶ。


 確かに、東京新聞の姿勢は素晴らしい。この日、社説でこの問題を取り扱ったのは東京新聞だけだったのだから。
 それでもなお、「今回の事故で死傷者が出なかったことは幸いだが、米軍施設周辺住民が危険と隣り合わせである現実をあらためて突き付けている。」、との主張は、東京新聞にも発せられていると言い続けなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2017-10-26 08:04 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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