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社説、論説から。~沖縄タイムス20171127~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 沖縄タイムスは2017年11月27日、「[F35Bも嘉手納展開へ]負担軽減はまやかしだ」、とその社説で論評した。
 どういうことなのか。
沖縄タイムスは、F35Bの最大で26機を嘉手納基地を拠点に展開する計画について、「辺野古新基地の完成を見越した米海兵隊の基地再編計画の全貌が次第に明らかになりつつある。」、と問題の本質を暴いてみせる。
 沖縄タイムスは まず、事実を示す。


(1)「海兵隊が主力と位置付ける最新鋭ステルス戦闘機F35Bを、最大で26機嘉手納基地を拠点に展開する計画であることが分かった。複数の海兵隊筋が本紙取材に明らかにしたもので、米本土の部隊を6カ月単位で派遣する。早ければ来年から始めるという。」
(2)「米国の非政府組織(NGO)『生物多様性センター」が情報公開請求で入手した海兵隊の内部文書「自然資源・文化資源統合管理計画」にも同様の記述がある。文書は2014年9月作成で、F35Bが嘉手納を拠点に展開するとした上で、『沖縄周辺の既存の軍の空域を飛行し、伊江島補助飛行場でも訓練する。普天間飛行場でも運用し、在沖海兵隊施設も使用する』と明記している。」
(3)「文書には新基地に隣接する辺野古弾薬庫の再開発を海兵隊が計画していることも記述している。新基地には弾薬搭載エリアが整備される予定で、弾薬庫と新基地の一体運用を目的としたものだ。」


 また、このことを証明する次のような実態を報告する。


(1)「F35Bを受け入れるための施設整備も急ピッチで進んでいる。嘉手納では格納庫と駐機場、伊江島補助飛行場では強襲揚陸艦の甲板に似せた着陸帯(LHDデッキ)が整備中だ。海兵隊はキャンプ・シュワブとハンセンにまたがる中部訓練場の訓練空域の拡大も求めている。」
(2)「海兵隊はF35Bについて『常駐』との位置付けはしていないようだが、在沖米海兵隊のように6カ月単位での派遣が続けば、事実上の『常駐』となりかねない。負担軽減とは名ばかりで、機能強化の動きが目立っている。」


 さらに、沖縄タイムスは、F35についてと、すでに沖縄で引き起こされている問題を次のように説明する。


(1)「F35は空軍仕様のA、海兵隊のB、海軍のCの三つのタイプがある。」
(2)「海兵隊仕様のF35Bは垂直離着陸が可能で、レーダーに探知されにくいステルス性能や高性能レーダーを装備。嘉手納基地には現在、空軍仕様のF35A12機が米ユタ州の空軍基地から6カ月間の予定で、要員約300人とともに暫定配備されている。訓練が始まるや、嘉手納周辺で100デシベルを超える爆音が測定され、学校の授業が中断されるなど深刻な被害を引き起こしている。」


 沖縄タイムスは、結局、このF35Bの沖縄での展開計画は、「F35Bは嘉手納を拠点に、普天間飛行場や北部訓練場の訓練空域を含む沖縄周辺の空域、伊江島補助飛行場などで訓練することが想定され、住民生活や自然環境への悪影響が懸念される。」、と指摘するのである。
 また、「岩国基地(山口県)では16機のF35Bの配備が今月中旬に完了した。これとは別に新たに26機のF35Bが嘉手納を拠点とすることになれば県民の負担が増加するのは間違いない。」、とする。
 さらに、「嘉手納では暫定配備されているF35Aの爆音禍に対して苦情や怒りの声が相次ぎ、住民の日常生活を破壊しているとして嘉手納町議会などが抗議決議を全会一致で可決している。詳細な計画は明らかにされていない。県は日米両政府に対し、事実関係を早急にただしてもらいたい。」、と指摘する。


 確かに、まずは、日本政府は、このことに関しての事実関係を早急に明らかにしなくてはならない。





by asyagi-df-2014 | 2017-12-04 08:03 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171123~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
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 辺野古の新基地建設にかかわって、琉球新報は2017年11月23日、「辺野古弾薬庫再開発 計画の白紙撤回を求める」、と社説で論評した。
 何が問題なのか。
 琉球新報は、このことについて、問題は「名護市辺野古の新基地建設は、隣接する辺野古弾薬庫の再開発を含む基地機能の再編・強化であることが改めて明らかになった。」、ことにあると明らかにする。
 琉球新報は、「米海兵隊が2014年に作成した内部文書『自然資源・文化資源統合管理計画』によると、普天間飛行場の県内移設計画に伴い『新たな任務に対応できるよう、キャンプ・シュワブおよび辺野古弾薬庫を再設計・拡張する』と明記している。この文書は米国の非政府組織(NGO)『生物多様性センター』が入手した。」、とこの根拠を示す。


 琉球新報は、この計画にの問題点等にいて、次のように指摘する。


(1)「辺野古弾薬庫はかつて核兵器が貯蔵されていた。今回の計画案はキャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫の再配置の必要性に言及し『13の弾薬庫を取り壊し、12の新たな弾薬庫と武器の組み立て区画を設けることが含まれている。この計画には大規模な土木工事と未開発の土地の造成を伴う』としている。自然環境に負荷がかかることは間違いない。」
(2)「米軍は過去にも名護市辺野古のキャンプ・シュワブ周辺に基地機能の整備を計画していた。1966年、ハワイの米太平洋軍総司令部が、キャンプ・シュワブ沖に計画された海兵隊の飛行場と海軍の軍港建設、大浦湾北沿岸への陸軍の大弾薬庫の建設計画を推進する必要性を示す年次報告をまとめている。この計画はベトナム戦争の泥沼化による戦費負担などから見送られたとみられる。だが、普天間飛行場の移設に名を借りて計画がよみがえったのではないか。辺野古の新基地はV字滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が整備され、辺野古弾薬庫の再開発を加えると、過去の計画と酷似するからだ。」
(3)「隣接する北部訓練場の過半を返還する代わりに、政府は東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッド建設を強行した。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落、訓練に伴う騒音被害、大型輸送ヘリコプターCH53Eの不時着、炎上事故も起きている。」
(4)「米国NGOが入手した今回の内部文書は、米軍北部訓練場の過半返還後の訓練の影響について、これまでと同等の訓練がより狭い地域で実施されるため、環境への負荷が増大する可能性があると指摘している。」
(5)「北部訓練場の過半返還は『負担軽減』だと米軍や日本政府は強調してきたが、米軍は環境面では負担増となることを認めていることになる。」


 この上で、琉球新報は、次のように主張する。


(1)「計画は5年ごとの更新で、現在も維持されているとみられる。実施されると1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で合意した基地の整理縮小に逆行する。米軍に計画の白紙撤回を強く求める。」
(2)「普天間飛行場の県内移設や弾薬庫再開発、北部訓練場の新ヘリパッドの目的は、米軍側にとって老朽化した施設の更新と、オスプレイの運用を軸とした訓練環境の新設に他ならない。基地の『整理縮小』はまやかしである。」


 確かに、次のことが明らかになった。


Ⅰ.名護市辺野古の新基地建設は、隣接する辺野古弾薬庫の再開発を含む基地機能の再編・強化であること。
Ⅱ.辺野古の新基地建設は、普天間飛行場の移設に名を借りて、1966年の年次報告の計画をよみがえらせたものであった。というのも、辺野古の新基地は、V字滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が整備され、辺野古弾薬庫の再開発を加えると、過去の計画と酷似している。
Ⅲ.2016年12月の北部訓練場の過半返還について、日米両政府が行った「沖縄の基地負担軽減」の主張には、大きな作為が含まれていたこと。というのは、米海兵隊が2014年に作成した内部文書『自然資源・文化資源統合管理計画』には、「これまでと同等の訓練がより狭い地域で実施されるため、環境への負荷が増大する可能性がある」と指摘している文が含まれていることから、「環境面では負担増となることを認めていることになる。」ことを理解していたことがわかること。


 だとするなら、辺野古の新基地建設は白紙撤回しなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-03 06:45 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~新潟日報20171124~

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新潟日報は2017年11月24日の社説として、「核ごみ意見交換 謝礼動員で透ける無責任」と社説で論評した。
 この事件がニューストして流さた時、「無責任」というよりは「ねつ造」への怒りであった気がする。
 「核のごみがたまり続ける中、NUMOや経産省の無責任な対応に強い疑問を抱く。」、と新潟日報は、この事件を批判する。
 新潟日報は、このように伝えている。


(1「経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が開いた原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場を巡る意見交換会で、NUMOの広報業務の受託企業が学生に謝礼を持ち掛け、参加させていた。動員は5都府県で計39人で、さらに広がる可能性もある。」
(2)「意見交換会は、7月に経産省が最終処分場の候補地となり得る地域を示した『科学的特性マップ』を公表したことを受け10月に始まった。福島を除く46都道府県で開催を予定する。11月6日にさいたま市で開かれた会合で、男子大学生が『参加すれば1万円もらえると聞いた。動員はおかしい』と発言したことから発覚した。86人の参加者のうち学生12人全てが謝礼を約束した動員だった。東京の企画会社が1万円の日当を持ち掛け、大学生に参加者集めを指示していた。」
(3)「愛知や兵庫など4都府県では計27人が動員された。サークルの活動場所の貸与や印刷費の提供といった形で1人5千円相当の謝礼を約束していた。」
(4)「NUMOは国に対し定期的に理解活動の進捗(しんちょく)状況を説明する必要があり、成果を求められることが背景にあったと指摘されている。事実なら国民不在の内向き体質と言うほかない。発覚直後、NUMO幹部は委託先企業に謝礼による動員をしないよう指示したと強調し、自身が被害者であるかのような釈明に終始した。当初は動員学生を自ら調査せず事態を収束しようとした。」
(5)「経産省は『運営は役割分担』と説明し、責任回避の姿勢を見せた。当事者意識の薄さは理解に苦しむ。」
(6)原子力行政を巡っては、過去にも住民説明会に電力会社が社員を動員するなどの問題が繰り返されてきた。2011年には九州電力玄海原発の再稼働を巡り、政府が主催し放映したテレビ番組に九電社員が子会社社員に賛成意見のメールを送るよう指示した『やらせメール問題』が発覚した。」


 新潟日報は、この問題に関わって、次のように、結論づける。


「処分地の選定は大きな困難が伴うのが現実だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する本県の米山隆一知事は、原発を抱え一定の社会的責任を果たしているとして、受け入れ拒否の姿勢を鮮明にしている。日本の原子力政策は『トイレなきマンション』と批判される。最終処分地が決まらないままでの原発再稼働は、行き場のない核のごみをさらに増やすことにほかならない。処分地選定に責任を持つ経産省やNUMOには粘り強く丁寧に説明していく姿勢が要る。」


 確かに、今回の事件については、「最終処分地の選定は極めて重要だ。その理解を深めるための会合に謝礼を約束して参加者を集めていたことは国民の原子力政策への不信を改めて強めた。徹底した再調査が求められる。」(新潟日報)ということが必要だ。
 それにしても、政府・経済産業省・原子力発電環境整備機構(NUMO)・電力会社は、「不公正な方法で世論を恣意(しい)的に形成しようとしても国民の信頼は得られない。」(新潟日報)という大前提を、無視してもかまわないという愚かな体質を、いつになったら克服できるのだろうか。





by asyagi-df-2014 | 2017-12-02 07:59 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171120・沖縄タイムス20171121~

 「米海兵隊法務部から『公務外』との回答があった米兵が、米軍車両を運転していて、飲酒運転かつ信号無視で車両衝突をおこし、61歳の会社員男性が死亡」した事件について、沖縄の二紙の社説で考える。


Ⅰ.琉球新報社説社説(「米兵飲酒死亡事故 これではあしき無法者だ」)から


ⅰ.事件の経過


(1)「飲酒していた在沖米海兵隊員の男が運転する米軍トラックと軽トラックが衝突し、軽トラックを運転していた男性が死亡した。米兵からは基準値約3倍のアルコールが検出された。亡くなった男性の遺族の気持ちを思うとやりきれない。」
(2)「事故現場は那覇市泊の国道58号の交差点だ。捜査関係者によると軽トラックは右折しようとし、米軍トラックは直進していた。信号は赤で右折可能の表示が出ていたという。この通りなら、軽トラックは信号に従って右折し、米軍トラックが信号を無視したことになる。」
(3)「米兵は公務外に事故を起こしていた。しかし運転していたトラックは米海兵隊の公用車両だ。なぜ飲酒をしていた米兵が米軍の管理所有している公用車両を簡単に持ち出すことができたのか。米軍の管理体制がずさんだったというほかない。」
(4)「今年に入って、米軍関係者の飲酒運転の摘発は少なくとも16件ある。うち5月に摘発された空軍兵は読谷村で女性を事故で負傷させたのに逃走していた。このほか飲酒した米兵が女性を殴打したり、民家の屋上に無断で侵入したり、タクシーを無賃乗車したり、飲酒検知を拒否したりした事件が起きている。米軍は午前1~5時の外出禁止などを定めた行動指針「リバティー制度」を定めている。しかし今年の飲酒運転、飲酒絡みの事件の摘発の半数以上が『リバティー制度』に違反している。米軍は自らを『良き隣人』とうたう。しかしこれでは『あしき無法者』ではないか。
(5)「在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は今月16日の会見で、次のように誓っていた。米軍属女性暴行殺人事件の裁判員裁判が始まったことに関連し、事件後の米軍関係者による事件・事故について「飲酒運転を含め大きく減少している。私の目標は不祥事をゼロにすることだ」と話していた。『ゼロ』を誓った3日後に、部下の兵士が飲酒運転による米軍トラックに乗った悪質な危険運転致死事件を起こしている。在沖米軍の統治機能が破綻しているとしか思えない。もはや「ゼロ」を実現する方法は米軍の沖縄からの撤退以外にないのではないか。」


ⅱ.主張


(1)「ニコルソン氏は今回の事件を受け、外務省沖縄事務所の川田司沖縄担当大使に謝罪した。米海兵隊太平洋基地司令官が20日に県庁を訪れるという。私たちは事件、事故が起こるたび、米軍から謝罪や再発防止を誓う言葉を幾度も聞かされてきた。それでも事件、事故は繰り返し起きている。取り繕うだけの言葉など、もう聞きたくない。」
(2)「県民が求めているのはごくささやかなことだろう。平和に暮らすということだ。これ以上、日々の生活を脅かさないでほしい、安心で安全な暮らしを返してほしい。」


Ⅱ.沖縄タイムス社説([米兵飲酒死亡事故]度を越す「基地の犠牲」)から


ⅰ.事件への疑問点等


(1)「現場は右折レーンのある見通しのいい交差点だ。米軍トラックは赤信号を無視して交差点に進入してきたとの目撃証言もあり、それが事実だとすれば悪質極まりない。」
(2)「さらにトラックは軍の公用車だった。米軍は『公務外』としているが、なぜ公務外で公用車を運転していたのか、車両管理はどうなっていたのか。」
(3)「公務外としながら、財産権を盾に、トラックを早々に回収したこともふに落ちない。」
(4)「海兵隊員は「基地内で酒を飲んだ」とも話しているという。その後、基地外にどのように車を持ちだしたのか、その行動も不可解である。」


ⅱ.主張

(1)「謝罪のため県庁を訪れた米軍幹部に対し翁長雄志知事が『綱紀粛正、再発防止に努めると言っても、なんら信用できない』と抗議したのは、米軍による事故が何度も繰り返されているからだ。日米両政府に対する不信感、根本的な解決策がとられない失望感、尊い命が失われたことへの怒りは、沸点に近づきつつある。」 


Ⅲ.沖縄の二紙を通して、


 沖縄が必要としていることは、「県民が求めているのはごくささやかなことだろう。平和に暮らすということだ。これ以上、日々の生活を脅かさないでほしい、安心で安全な暮らしを返してほしい。」(琉球新報)、ということに尽きる。
 問題は、「根本的な問題は『小さなかごに、あまりにも多くの卵を詰めすぎる』ことにある。」(沖縄タイムス)-①在日米軍施設・区域(専用施設)面積:沖縄=70.6%、軍人数:沖縄70.4%、②沖縄県には、31の米軍専用施設があり、その総面積は1万8.609ヘクタール、沖縄県の総面積の約8%、人口の9割以上が居住する沖縄本島では約15%の面積を占める。-、ということが原因であることは明白である。
 そこでは、もはや、日米両政府が繰り返してきた取り繕うだけの言葉では、解決できないことも明らかになった。
確かに、沖縄タイムスの「実効性のある抜本的な対策を示すよう両政府に求めたい。日本本土を含むアジア全域を対象に、海兵隊の部隊配置と訓練の在り方を、再度、全面的に見直すべきだ。」、ということが求められている。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-30 08:53 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

【金平茂紀の新・ワジワジー通信(30)】-2017年11月16日-を読む。

 金平茂紀の新・ワジワジー通信(30)は、「米大統領訪日と沖縄切り捨て 首脳会談前 問答無用の護岸工事 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(30)】。
 さて、沖縄切り捨てとは何を指すのか。
 もちろん、トランプ大統領の初来日の際の「目下の同盟」ぶりの応対についてである。
ワシントンポスト紙は、この対応を「Japanese leader Shinzo Abe plays the role of Trump's loyal sidekick.」(「日本の指導者、安倍晋三氏はトランプ氏の忠実な手下の役割を演じている」)と酷評したという。
 また、トランプ大統領の『我々はこのままでいく。だから君らはいつも2番手だ』、との発言は、はまさしく「目下の同盟」の位置づけを安倍晋三政権に改めて確認したという図だ。
 金平茂紀は、このように切ってみせる。


(1)「ここまであからさまな『隷従』ぶりを内外に堂々と見せつけられると、もはや『隷従』が日本人の遺伝子に植えつけられた固有の属性なのではないかと誤解してしまうほどだ。もちろん誤解だ(と信じたい)。トランプ大統領の初来日の際の僕らの国の対応ぶりのことを言っているのだ。」
(2)「一連のアジア歴訪の皮切りが日本訪問だった。アメリカの有力紙『ワシントンポスト」は「Japanese leader Shinzo Abe plays the role of Trump's loyal sidekick.」との見出しを掲げて辛辣(しんらつ)な記事を掲載した。見出しは『日本の指導者、安倍晋三氏はトランプ氏の忠実な手下の役割を演じている』というほどの意味だ。」
(3)「記事の中では、日米共同記者会見の際に、トランプ大統領が用意された原稿を読み上げて日本の経済パワーの発展ぶりを持ち上げたあとに、突然アドリブで安倍首相に向かって話しかけた内容が紹介されている。『でも(日本経済は)アメリカ経済ほどじゃない。だよな?(Okay?)』。それがまるで親が子どもを諭すような口ぶりだったとこの記者は書いていた。そのうえで、トランプ大統領はダメを押すように『我々はこのままでいく。だから君らはいつも2番手だ』と付け加えた。おそらく安倍首相は言われていることの中身を理解できなかったのだろう。曖昧な笑みを浮かべるばかりだった。何という子供じみた発言をする大統領だろうか。イギリス、フランス、ドイツの首脳には絶対にこんな非礼な言葉は吐かない。中国の習近平主席にも絶対にこんな失礼な物言いはしない。日本だからやった。そこをワシントンポスト紙は逃さなかった。」
(4)「僕ら日本のメディア(特にテレビ)はと言えば、『日米関係史上最も親密な』両首脳の動向とやらを詳細に時々刻々と報じた。大好きなゴルフをした、米国産牛肉のハンバーガーを食べた、コイに餌をやった、夕食にウェルダンのステーキを食べた、天皇陛下に会いに行った、メラニア夫人が習字を体験した、共同記者会見をやった、ピコ太郎が招待されたレセプションが盛り上がった…。」
(5)「テレビ報道に長年身を置いてきた僕も、率直に言うのだが、辟易(へきえき)するほどのヨイショ報道ぶりだった。文芸評論家の斎藤美奈子氏は言う。『米大統領を歓待する日本の首相はまるで宗主国の君主を迎えた被植民地の首領。それを嬉々として伝えるテレビは批判精神のカケラもないお祭り報道のようだった』(東京新聞『本音のコラム』より)。ごめんなさい。その通りです。」


 金平茂紀は、次のように続ける。


(1)「多くの日本の報道で触れられなかった重要なことがらがある。それはトランプ大統領が、在日米軍基地である横田基地に降り立って入国し、帰りも横田基地から次の訪問地・韓国へと飛び立って行ったことである。かつて来日した米大統領は必ず羽田空港など『表玄関』の日本の民間空港に降り立った。こんなケースは初めてだ。」
(2)「この横田基地を出入国に使う案は、9月の上旬にアメリカ側から一方的に通告されたのだという。警護上の理由もあるが、ひとつには、アメリカへの実質的な領土提供地(地位協定によって治外法権が認められている)である在日米軍基地に降り立つことによって、北朝鮮へのある種の威嚇的サインを発したという意味があるという。アメリカの大統領が米軍基地に降り立つ典型的な例は、戦争中のイラクやアフガニスタンの前線の米軍基地を電撃訪問して、兵士や家族らを慰問するというケースがある。それを今回の日本、韓国訪問でやってのけたというわけだ。日米関係の古くからの研究者のなかからは『マッカーサーの厚木基地上陸を髣髴(ほうふつ)とさせた』という声まで聞こえてくる。けれども今は占領時代とは『ちーがーうーだーろー』((c)豊田真由子元議員)。」

 さて、実は本土のメディアでほとんど触れられなかったもうひとつの非常に重要なことがらがある。11月6日の日米首脳会談で日米双方が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を「唯一の解決策」だと再確認したという点だ。さすがに沖縄の地元紙は本紙もこのことを1面トップで取り上げていたが、本土のニュース(特にテレビ)ではほとんど触れられていない。共同記者会見でも全く言及されなかったし、誰も質問しようともしなかった。


 さて、金平茂紀は、核心をを次のように突く。


(1)「そして致命的に重要なことは、この日米首脳会談に先立つこと、3時間の午前10時半過ぎから、辺野古で沖縄防衛局が新たな護岸工事に着手したことだ。だから首脳会談で『再確認する』前にすでに既定方針として、有無を言わさずに基地の建設工事を進めていたのである。これが両首脳の言うところの『よりグレートな同盟関係』の実態というわけだ。
(2)「僕は想像する。日米首脳会談に意図的にぶつける形で、しかも先取りする形でこの日に護岸工事着手を命令した人物は誰か? これまでも沖縄県の国政選挙で、辺野古反対派の議員が当選した投開票の翌日などを意図的に狙って、移設工事再開を命令してきた人物がいたではないか。この問答無用の国家意思の命令者がいる。今回のトランプ大統領の日本訪問で、沖縄はまたしても、日米同盟深化の掛け声のもとで『切り捨てられた』のではないか。」
(3)「沖縄の写真家・石川真生がライフワーク(文字通り、命がけの作品)として制作している『大琉球写真絵巻』の撮影シーンを含むテレビドキュメンタリーをみた(11月11日。ETV特集『熱き島・沖縄を撮る 写真家・石川真生』)。番組のなかで、アメラジアンとして半生を生きてきた比嘉マリアさんの発言に涙した。写真家・石川真生にとって、撮ることは生きることだ。」
(4)「しかし、写真家ではない僕らにとって、トランプ大統領との『濃密関係ショー』が一通り終わって、今突きつけられているのは、これ以上、本土とアメリカの同盟深化のために、なぜ沖縄が切り捨てられ続けなければならないのか、という問いである。」
(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載


 沖縄はまたしても切り捨てられたのか。
金平茂紀の「僕は想像する。日米首脳会談に意図的にぶつける形で、しかも先取りする形でこの日に護岸工事着手を命令した人物は誰か? これまでも沖縄県の国政選挙で、辺野古反対派の議員が当選した投開票の翌日などを意図的に狙って、移設工事再開を命令してきた人物がいたではないか。この問答無用の国家意思の命令者がいる。今回のトランプ大統領の日本訪問で、沖縄はまたしても、日米同盟深化の掛け声のもとで『切り捨てられた』のではないか。」、との声は、頭の奥深くまでしみ込んでいく。
 確かに、沖縄はまたしても切り捨てられたのだ。





by asyagi-df-2014 | 2017-11-29 07:51 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171118~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 今回の国連人権理事会の作業部会の勧告について、琉球新報は2017年11月18日、「国連人権理事会勧告 県民の社会権を保障せよ」、と社説で論評した。
まずは、「対日審査で沖縄について言及されたのは初めてだ。」、と評価する。
 この琉球新報の論調を見る。特に、沖縄について言及したものについて。


(1)「国連人権理事会で日本の状況の審査を担当する作業部会は、日本に対する勧告を採択した。その中に、沖縄の人々をはじめ、少数派の人たちの社会権保障を強化すべきだという意見が盛り込まれた。対日審査で沖縄について言及されたのは初めてだ。」
(2)「国連の特別報告者は今年、名護市辺野古の新基地建設反対運動などへの圧力に懸念を示していた。新基地建設に直接言及してはいないが、基地の重圧に苦しむ県民に寄り添った勧告と言えるだろう。」
(3)「日本政府は国連人権理事会の理事国であり、勧告を誠実に受け入れるべきだ。県民の社会権を保障するために、米軍普天間飛行場を直ちに閉鎖し、辺野古の新基地建設を断念するしかない。」


 続いて、この勧告について、琉球新報は次のように続ける。


(1)「日本政府が勧告された社会権とは、個人の生存や生活の維持・発展に必要な諸条件を確保するために、国家に積極的な配慮を求める権利の総称である。日本国憲法の25条に当たる。25条は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』とし、国にその実現を求めている。」
(2)「対日審査の中で、ペルーの代表者が「アイヌと琉球の人々が社会的、経済的、文化的な権利を享受できるようにすべきだ」と求めた。」
(3)「国土面積の0・6%にすぎない沖縄に米軍専用施設の70・38%が集中、民意に反して新基地建設が強行されている。普天間飛行場に強行配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは2機墜落。東村の民間地に大型輸送ヘリCH53が不時着し炎上した。嘉手納基地に暫定配備された最新鋭ステルス戦闘機F35Aの爆音で高校の授業が一時中断した。米軍岩国基地所属のFA18戦闘攻撃機も飛来し、常駐のF15戦闘機などと共に激しい騒音にさらされている。」
(4)「今回の勧告は、2015年9月、国連人権理事会で翁長雄志知事が、沖縄は日米安保体制下で基地押し付けの構造的差別にあえいでいると訴えたことが影響しているだろう。複数の非政府組織が、在沖米軍基地により『人権が侵害されている』と訴える報告書を提出したことも影響しているだろう。」
(5)「昨年日本を調査した国連の特別報告者は、対日調査報告書に、沖縄平和運動センターの山城博治議長が抗議行動を巡って逮捕され、長期勾留されたことに言及している。」(6)「『抗議行動に不釣り合いな制限が加えられている』『裁判なしに5カ月間拘束したのは不適切で、表現の自由に対する萎縮効果を懸念する』と指摘した。この報告書は人権理事会本会議で発表された。」


 
 琉球新報は、この勧告について、次のように結論づける。


Ⅰ.「米軍基地によって沖縄県民の人権が侵害されていることを、国際社会が認識した。」
Ⅱ.「このような過程を経て沖縄の現状が国際社会に伝わり、国際人権法上の権利が侵害されていることを国連が認識したことになる。日本政府に誠実な対応を求める。


 確かに、次は日本政府に匙は投げられた。





by asyagi-df-2014 | 2017-11-28 14:45 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~高知新聞20171120~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 高知新聞は2017年11月20日、「【対日人権審査】政府は警鐘に向き合え」、と社説で論評した。
 今回の国連人権理事会の作業部会の勧告について、高知新聞は次のように論じている。


Ⅰ.「国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の評価も厳しい。報道自由度ランキングで10年に11位だった日本は毎年順位を下げ、昨年とことしは72位だ。政府はケイ氏の報告に強く反発してきたが、それがまた評価を下げる結果になっていないか。指摘には謙虚に耳を傾けるべきだ。」
Ⅱ.「もちろん私たちメディアにも問題は突き付けられている。圧力にひるむことなく、毅然(きぜん)と権力と向き合わなければならない。」



 このことに関して、高知新聞は次のように示している。


(1)「国連人権理事会の作業部会が日本の人権状況を審査し、218項目に及ぶ勧告をまとめた。前回2012年の審査と同様に、従軍慰安婦問題や、福島第1原発事故後の住民支援の継続などが盛り込まれた。今回は特定秘密保護法などで萎縮が指摘される『報道の自由』にも注文が付いた。」
(2)「日本の見解と大きく異なる課題や積年の外交問題も含まれるが、これが国際社会の日本への評価であることは間違いない。男女格差や民族・人種差別、性的少数者(LGBT)の権利問題など国際社会の人権意識は年々高まっている。先進国に高いレベルが求められるのも当然だ。政府は勧告に真摯(しんし)に向き合う必要がある。」
(3)「特に報道の自由への警鐘は重い。民主主義や国民主権の質が問われていると言ってよい。単に権力対メディアの問題ではなく、社会全体の課題として捉えたい。」
(4)「審査は、全ての国連加盟国を対象に行う「普遍的審査」制度に基づいて実施された。人権理の前身である国連人権委員会は人権侵害問題への対応が恣意(しい)的だと批判され、06年に人権理が発足した。普遍的審査はこれを機に、加盟国間の公平性や透明性を高める目的で08年に始まった。勧告を受けた国は項目ごとに受諾の是非を表明でき、人権理は受諾項目を最終的な勧告として採択する。法的拘束力はないが、経緯からも善処するのが加盟国の責務だ。」
(5)「日本が審査を受けるのは3回目になる。作業部会段階での勧告は初回の08年は26項目だったが、12年は174項目に急増した。」
(6)「審査制度の定着や人権意識の高まりも要因だろうが、日本への見方が厳しくなっている証しと解釈すべきではないか。今回、日本に質問を求める国が100カ国以上に及んだ。報道の自由の問題はその筆頭だろう。作業部会では、特定秘密保護法などによる報道の萎縮を懸念する意見が相次いだ。勧告では政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の改正などを求めた。同じ趣旨の懸念や改善は5月に、国連特別報告者のデービッド・ケイ氏も報告書で指摘している。いずれも、16年2月の高市総務相(当時)の国会答弁を強く意識したものに違いない。高市氏は答弁で、政治的に公平でない放送を繰り返す放送局に電波停止を命じる可能性に言及した。」

 確かに、現在は、新聞社としての自らの決意を表明することが求められるまでの政治状況になっているのである。それは、「報道の自由」だけに限られるものではない。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-27 08:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

【金平茂紀の新・ワジワジー通信(29)】-2017年11月16日-を読む。

 金平茂紀の新・ワジワジー通信(29)は、「壊されたものは何か? 行き場ない若者 浮き彫りに」、と記す。
 さて、どのことを指すのか。
 金平茂紀は、このように始める。


(1)「めぐり合わせというものは不思議なものだ。イスラエルの有力紙『ハーレツ』の占領地特派員として、パレスチナ自治区に長年住み、自国イスラエルによる占領の不当な現実を訴え続けている著名なジャーナリスト、アミラ・ハスさんが今月来日した。幸いなことに僕も東京でアミラさんと交流する機会をいただいた。自分の取材を支えているのは『怒り』だと語っていたのが強く印象に残っている。」
(2)「パレスチナ問題の取材を続ける日本のジャーナリスト、土井敏邦さんの宿願が叶(かな)った形の今回の来日だったが、そのアミラさんらが、沖縄に取材に向かった際に、まさかチビチリガマで起きたあの出来事を最初に目撃した1人となるとは誰が予想していただろうか。現場の様子を目の当たりにして衝撃を受けたアミラさんは『戦争の記憶を忘却することは軍国主義への加担につながる』と思いを語っていた。パレスチナの地で起きていることと、沖縄戦の悲惨さを象徴する場所の損壊事件とをどこかで重ね合わせた重い言葉だった。」


 確かに、不思議な巡り合わせだ。
 金平茂紀はそれに続く不思議を続ける。


(1)「そのアミラさんを現地で案内する役割を担っていたのが、読谷村在住の平和運動家で僧侶の知花昌一さんだったことも、何とも運命的なめぐり合わせだ。知花さんは、沖縄でも長年タブーとなっていたチビチリガマのいわゆる『集団自決(強制集団死)』事件を丹念に掘り起こした人物でもある。その知花さんは、沖縄への日の丸・君が代の押しつけに抗議して1987年10月、読谷村の国体会場で日の丸を焼いた。」
(2)「事件はさまざまな反発を引き起こしたが、知花さんが経営するスーパーが放火されたほか、チビチリガマの入り口に遺族らによって建てられた『世代を結ぶ平和の像』(金城実氏ら制作)が右翼団体員によって破壊された。それだけに、今回の損壊事件のまさに第1発見者となった知花さんの受けた衝撃は深く『ガマの犠牲者は3度殺された』と感じている。」
(3)「知花さんによると、12日の午前、来沖中のアミラさん、土井さんらと、ガマ近くの金城実さん宅で落ち合った。土井さんから遠来の客アミラさんの案内を是非と頼まれていたのだ。10時40分ごろ、金城さん宅を一緒に出て午前11時前にガマに到着した。すぐに異変に気づいた。『ハブに注意』の看板が引き抜かれていたのだ。おそるおそるガマに近づくと、平和の像の石垣が破損しており、レリーフのところに添えられていた金城実さん制作の歌碑が地面に打ち捨てられていた。さらに千羽鶴の半分以上が引きちぎられていた。これはやられたと以前の記憶がよみがえってきたという。まさかガマの中までは、と思って入ると、やられていた。87年の時は中はやられていなかった。ガマの中にあった『集団自決』当時まで使われていた遺品の瓶や陶器が10本くらい割られていた。皿の上に安置されていた遺骨や入れ歯なども地面に打ちつけられたのかバラバラに散乱していた。」
(4)「頭の中が真っ白になった。ガマの入り口にあった『平和の像』はなおそうと思えばなおせる。けれどもガマの中に安置されていた骨や義歯などの遺品は取り返しがつかない。そこまでやるのか、という明確な意志のようなものを感じたという。知花さんは遺族会などにすぐに連絡を入れるために、アミラさんらの案内をやむなく中止し、午前11時30分ごろにはアミラさんらと別れた。歴史の記憶の物理的抹殺。何とも救いのない行為ではないか。だがやった人間たちには救いなどはじめから脳裏にはなかったのかもしれない。」


 これを読みながら、この知花さんの指摘、「ガマの入り口にあった『平和の像』はなおそうと思えばなおせる。けれどもガマの中に安置されていた骨や義歯などの遺品は取り返しがつかない。」、には残念ながら到達できなかった自分がいることに気づかされる。。


金平茂紀は、「歴史の記憶の物理的抹殺。何とも救いのない行為ではないか。だがやった人間たちには救いなどはじめから脳裏にはなかったのかもしれない。」から、私自身にとっても当初からの大きな疑問に踏み込んでいく。


(1)「その後の経緯は周知の通りだ。沖縄県警・嘉手納署は、事件の容疑者として沖縄県中部に住む16歳、18歳の無職の少年と19歳の高校生、17歳の型枠解体工の少年の計4人を器物損壊容疑で逮捕した。少年たちは『心霊スポットに肝試しに行こうと思った』などと供述しているという。また犯行の模様を動画で撮影していたという。筆者の取材によると現場には10日の日曜日の午前中にバイクで8人で行き、4人は犯行には加わっていない。そのなかには制止した者もいたという。逮捕のきっかけとして、嘉手納署以外の警察署に電話で『少年たちがやった』という通報があったという。反省の弁も供述していると。」
(2)「嘉手納署は早々と『政治的背景はない』と言明している。だが全体的に情報が十分につまびらかにされていない。少年事件だという面があるとはいえ、情報開示があまりに制限されているのではないか。那覇で会った知人たちは一様に『肝試し』という動機に引っかかりを感じていた。と同時に沖縄県警の発表内容や発表の仕方にもどこか違和感を持っていた。現場の第1発見者である知花さんも『肝試しと壊すという行為の間に大きな飛躍があるのではないですか』と言う。同感だ。どう考えても『肝試し』と『破壊行為』は次元が違うだろう。」
(3)「さらに4人(全部で8人)の少年たちがどういう間柄なのかが一切明らかにされていない。いわゆる暴走族なのか。あるいは右派系団体の周辺にいる『パシリ』のような集団なのか、あるいは全くそのような範疇(はんちゅう)とは別の遊び仲間なのか。さらにあえてウチナンチューではない立場から指摘させていただければ、沖縄県警は言うまでもなく、沖縄県民の生命と財産を守り、県民が安心して暮らしていけるように職務を行うことが求められている。それが、辺野古や高江での警備活動のありようや、さらに市民集会周辺での動きなどをみていると、県警は誰のために仕事をしているのかと疑いたくなるような事例がみられることがある。たとえば、県庁前広場で市民集会が開かれる際など、大音量をまき散らしながら街宣車が往来し、耳をつんざくような音量が検知されているのに(それ自体が違法行為だ)、県警は何もせずに放置していたりする。おかしな話である。今回の事件での適切な情報公開が求められる(地元メディアも頑張ってほしい)。」

 事件後、行政や遺族会、平和教育関係者らは、「語り継いできた平和教育が彼らの心に届いていなかった。これを機に今後一層、平和教育、道徳教育を拡充させていく」と述べていた。読谷村ではガマ周辺に防犯カメラを設置することも検討しているという。


 最後に、金平茂紀は、このように綴る。


 「だが、僕は那覇市内で話した知人の言葉が耳に残っている。『射程外の若者たち』。平和教育など全く興味もなく、基地問題など関係ない。県内に拡(ひろ)がる格差社会のなかで、どこからも打ち棄てられた、行き場のない若者たちが、チビチリガマを心霊スポットとしか捉えられないとしても、それは彼らだけの責任ではあるまい。そのことに向き合わない限り、何も僕らは学んだことにならない。」


 「射程外の若者たち」。
 私たちの国が作ってきた子供たち。
 確かに、そこには、安倍晋三政権打倒だけでは済まされないものが横たわっている。





by asyagi-df-2014 | 2017-11-25 08:54 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報・沖縄タイムス20171115~

 沖縄タイムスは、沖縄が辺野古新基地建設の新局面を迎えたについて、「前日の13日に国頭村・奥港でダンプカー約50台分の石材を積み込んだ台船が、大浦湾北側の『K9』と呼ばれる埋め立て護岸に接岸し、石材が荷揚げされた。」、と伝える。
2017年11月15日日付けの沖縄の二紙の社説を通して、このことを考える。


Ⅰ.沖縄タイムス社説(「[辺野古石材 海上搬入]工事停止し協議進めよ」2017年11月15日 )から


 沖縄タイムスはまず、このことについて、「公有水面の埋め立てを巡って、免許権者である県知事の意向がこれほど無視され、強引に工事が進められてきた事例が過去にあっただろうか。」、と指摘する。
 また、「防衛局は従来通り、キャンプ・シュワブゲートからも資材搬入を進めており、今後、陸路と海路の両方から資材を運び入れる考えだ。埋め立て工事を一気に加速させる狙いがある。」、と分析する。
 さらに、沖縄タイムスは次のように押さえる。


 
(1)「県は、海上搬入のため『K9』護岸を使って石材を海上搬入することは環境保全図書の中では予測されていないと指摘し、協議がまとまるまで海上搬入をしないよう防衛局を行政指導していた。」
(2)「だが、防衛局は『護岸自体の設計内容を変更するものではない』と、県の指導に応じていない。なぜ、これほどまでして工事を急ぐのか。埋め立てを既成事実化することによって県民の中に『もう引き返せない』という意識を植え付け、『辺野古はもう済んだこと』だという主張を掲げて来年の名護市長選、県知事選を有利に進める-というのが政府の狙いである。」


 したがって、沖縄タイムスは、政府に向けて「国と県の考えに隔たりがある以上、工事を停止し、話し合い協議を進めるのがまっとうな道である。強硬一点張りで基地を押しつけるようなことがあってはならない。」、と指摘する。
 一方で、沖縄タイムスは、今回の件にかかる沖縄県側の問題点について、こう続ける。


(1)「沖縄防衛局は、海からの資材搬入のため、奥港だけでなく本部港や中城湾港も利用する考えだ。」
(2)「奥港の使用を許可したのは実は県である。「辺野古阻止を主張しながら、海上搬入のための港の使用を認めたのはなぜか」-抗議行動を展開してきた市民の中には、県の判断に対する疑問と不信感が広がっている。港使用を許可しなかった場合、『裁判を起こされたときに県は負ける』というのが県の言い分だ。それで反対派住民が納得するだろうか。」
(3)「使用許可は『港湾施設使用許可にかかる審査基準』に照らして妥当な判断だったのか、県は県議会与党や反対行動を担ってきた市民団体に丁寧に説明する必要がある。最高裁判決に基づいて埋め立て承認取り消しを取り消したときもそうだったが、重要な決定を下す際の事前調整や県民への説明が不十分だ。」


 実は、沖縄タイムスは、沖縄がかってないほどの状況に追い込まれていることについて、「嘉手納基地に暫定配備された最新鋭ステルス戦闘機F35Aによる爆音禍で嘉手納町議会は14日、米空軍や外務省沖縄事務所などを訪ね窮状を訴えた。爆音禍は尋常でない。この日、伊江島補助飛行場では強襲揚陸艦の甲板に摸した着陸帯の舗装作業が始まった。完成すれば海兵隊のF35Bとオスプレイの訓練が活発化するだろう。」、と報告している。
 沖縄タイムスは、最後に、こうした状況を克服するために、次のように提起する。


 「負担軽減とは真逆の、機能強化のための動きが一斉に表面化しているのだ。時機を失することなく、日米合意の見直しを求める新たなうねりをつくり出す必要がある。」


Ⅱ.琉球新報社説(「新基地石材海上搬入埋め立て承認撤回の時だ」2017年11月15日 )から


 琉球新報は、まず最初に、このことが、「かけがえのない自然環境の破壊に続く暴挙である。住民生活の破壊をもいとわない国に強く抗議する。」であると表明する。
 琉球新報は、静穏な生活を壊すものとして、今回のことについて次のように抗議する。


(1)「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設工事で、沖縄防衛局は石材の海上搬入を開始した。積み出し港がある国頭村奥では砕石を積んだ多くの大型トラックが行き交った。189人が暮らす奥は4割が高齢者。普段は車の往来も少ない静かな集落である。大型トラックが頻繁に走れば、住民生活に多大な影響が出ることは目に見えている。」
(2)「実際、88歳の住民はこれまでミカン畑に行く際、軽トラックでゆっくり走っていたというが『ダンプカーが通るから、もう危なくて畑も行けない』と話している。85歳の住民は大型トラックの多さを挙げて『家を出るなということか。年寄りは死ねということか』と目に涙をためて憤っている。」
(3)「奥港はかつて陸上交通が不便だった国頭村の中で、住民生活に欠かせない海上交通の要だった。那覇や与那原、与論島などへ材木、まき、木炭などを運び、復路は日用雑貨や食料品、家畜が運ばれた。」


 だから、琉球新報は、政府に対して、「その生活の港が、住民を犠牲にして新基地建設のための石材積み込みに使われることは断じて認められない。」、と断ずるのである。
さらに、琉球新報はこの問題の核心について次のように指摘する。


(1)「憲法25条は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』とし、国にその実現を求めている。13条で保障された幸福追求権は『公共の福祉に反しない限り、最大の尊重を必要とする』と明記されている。沖縄だけに過重な基地負担を押し付けることは、明らかな差別である。抑止力どころか、米軍基地が存在していることで、沖縄は北朝鮮ミサイルの標的にされているのである。新基地を含め、在沖米軍基地が『公共の福祉』であるはずがない。」
(2)「懸念されるのは、石材の海上運搬を目的とした奥港の岸壁使用を許可した翁長雄志知事への批判がくすぶっていることである。県は『法律に基づいて判断すると、不許可にできる理由がなかった』としている。つまり、公約に反することにつながることであっても、行政は法律に従う以外にないということだ。県が恣意(しい)的に法律を解釈するようなことがあれば、岩礁破砕許可が切れたにもかかわらず『許可申請は必要ない』と強弁する国を批判することはできない。知事に対する批判が高まれば、国の強硬姿勢を勢いづかせることにもなりかねない。」
(3)「一方で、知事は新基地建設を阻止するためにも埋め立て承認の撤回を急ぐ必要がある。知事は8月の県民大会で『県の再三の要請にも行政指導にも応じず、工事を強硬に推し進める状況は、必ず埋め立て承認撤回につながっていく。撤回の時期を私の責任で決断する』と述べていた。決断する時期は既に来ている。埋め立て承認撤回の時だ。」


Ⅲ.沖縄の二紙を通して、


 沖縄が、辺野古新基地建設の新局面を迎えたとされる事態を受けて、二紙に共通する視点は、例えば、沖縄タイムスの「奥港の使用を許可したのは実は県である。『辺野古阻止を主張しながら、海上搬入のための港の使用を認めたのはなぜか』-抗議行動を展開してきた市民の中には、県の判断に対する疑問と不信感が広がっている。」が示す、沖縄県への不信感の広がりということである。それは、「それぞれが用いる方法は違っていてもも、目的で並ぶ」、という闘いのあり方に、かってないほどのほころびが生まれるのではないかという危惧感である。
 一方で、「辺野古が唯一の選択」として力任せに突き進む安倍晋三政権のあり方に対しては、「公有水面の埋め立てを巡って、免許権者である県知事の意向がこれほど無視され、強引に工事が進められてきた事例が過去にあっただろうか。」(沖縄タイムス)、「かけがえのない自然環境の破壊に続く暴挙である。住民生活の破壊をもいとわない国に強く抗議する。」(琉球新報)、と共通して強く批判する。
 琉球新報の「憲法25条は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』とし、国にその実現を求めている。13条で保障された幸福追求権は『公共の福祉に反しない限り、最大の尊重を必要とする』と明記されている。沖縄だけに過重な基地負担を押し付けることは、明らかな差別である。抑止力どころか、米軍基地が存在していることで、沖縄は北朝鮮ミサイルの標的にされているのである。新基地を含め、在沖米軍基地が『公共の福祉』であるはずがない。」との指摘は、まさしく正鵠を得ている。


 さて、状況は認識できた。
 それでは、問題は、このような状況をどのように克服していくのか、ということになる。
 沖縄タイムスは、「負担軽減とは真逆の、機能強化のための動きが一斉に表面化しているのだ。時機を失することなく、日米合意の見直しを求める新たなうねりをつくり出す必要がある。」、と提起する。
 琉球新報は、「知事は新基地建設を阻止するためにも埋め立て承認の撤回を急ぐ必要がある。知事は8月の県民大会で『県の再三の要請にも行政指導にも応じず、工事を強硬に推し進める状況は、必ず埋め立て承認撤回につながっていく。撤回の時期を私の責任で決断する』と述べていた。決断する時期は既に来ている。埋め立て承認撤回の時だ。」、と提起する。
 沖縄タイムスの「日米合意の見直しを求める新たなうねり」が、何を指すものであるかは定かではないが、どうやら、沖縄は「埋め立て承認撤回の時」を迎えているのではないか。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-24 09:28 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20171123~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 辺野古の新基地建設にかかわって、琉球新報は2017年11月23日、「辺野古弾薬庫再開発 計画の白紙撤回を求める」、と社説で論評した。
 何が問題なのか。
 琉球新報は、このことについて、問題は「名護市辺野古の新基地建設は、隣接する辺野古弾薬庫の再開発を含む基地機能の再編・強化であることが改めて明らかになった。」、ことにあると明らかにする。
 琉球新報は、「米海兵隊が2014年に作成した内部文書『自然資源・文化資源統合管理計画』によると、普天間飛行場の県内移設計画に伴い『新たな任務に対応できるよう、キャンプ・シュワブおよび辺野古弾薬庫を再設計・拡張する』と明記している。この文書は米国の非政府組織(NGO)『生物多様性センター』が入手した。」、とこの根拠を示す。


 琉球新報は、この計画にの問題点等にいて、次のように指摘する。


(1)「辺野古弾薬庫はかつて核兵器が貯蔵されていた。今回の計画案はキャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫の再配置の必要性に言及し『13の弾薬庫を取り壊し、12の新たな弾薬庫と武器の組み立て区画を設けることが含まれている。この計画には大規模な土木工事と未開発の土地の造成を伴う』としている。自然環境に負荷がかかることは間違いない。」
(2)「米軍は過去にも名護市辺野古のキャンプ・シュワブ周辺に基地機能の整備を計画していた。1966年、ハワイの米太平洋軍総司令部が、キャンプ・シュワブ沖に計画された海兵隊の飛行場と海軍の軍港建設、大浦湾北沿岸への陸軍の大弾薬庫の建設計画を推進する必要性を示す年次報告をまとめている。この計画はベトナム戦争の泥沼化による戦費負担などから見送られたとみられる。だが、普天間飛行場の移設に名を借りて計画がよみがえったのではないか。辺野古の新基地はV字滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が整備され、辺野古弾薬庫の再開発を加えると、過去の計画と酷似するからだ。」
(3)「隣接する北部訓練場の過半を返還する代わりに、政府は東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッド建設を強行した。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落、訓練に伴う騒音被害、大型輸送ヘリコプターCH53Eの不時着、炎上事故も起きている。」
(4)「米国NGOが入手した今回の内部文書は、米軍北部訓練場の過半返還後の訓練の影響について、これまでと同等の訓練がより狭い地域で実施されるため、環境への負荷が増大する可能性があると指摘している。」
(5)「北部訓練場の過半返還は『負担軽減』だと米軍や日本政府は強調してきたが、米軍は環境面では負担増となることを認めていることになる。」


 この上で、琉球新報は、次のように主張する。


(1)「計画は5年ごとの更新で、現在も維持されているとみられる。実施されると1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で合意した基地の整理縮小に逆行する。米軍に計画の白紙撤回を強く求める。」
(2)「普天間飛行場の県内移設や弾薬庫再開発、北部訓練場の新ヘリパッドの目的は、米軍側にとって老朽化した施設の更新と、オスプレイの運用を軸とした訓練環境の新設に他ならない。基地の『整理縮小』はまやかしである。」


 確かに、次のことが明らかになった。


Ⅰ.名護市辺野古の新基地建設は、隣接する辺野古弾薬庫の再開発を含む基地機能の再編・強化であること。
Ⅱ.辺野古の新基地建設は、普天間飛行場の移設に名を借りて、1966年の年次報告の計画をよみがえらせたものであった。というのも、辺野古の新基地は、V字滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁が整備され、辺野古弾薬庫の再開発を加えると、過去の計画と酷似している。
Ⅲ.2016年12月の北部訓練場の過半返還について、日米両政府が行った「沖縄の基地負担軽減」の主張には、大きな作為が含まれていたこと。というのは、米海兵隊が2014年に作成した内部文書『自然資源・文化資源統合管理計画』には、「これまでと同等の訓練がより狭い地域で実施されるため、環境への負荷が増大する可能性がある」と指摘している文が含まれていることから、「環境面では負担増となることを認めていることになる。」ことを理解していたことがわかること。


 だとするなら、辺野古の新基地建設は白紙撤回しなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-23 16:02 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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