カテゴリ:書くことから-いろいろ( 196 )

私信-人間ドックの合間に、素敵な本を見つけました。

恐らく最後の人間ドックでの訪問となる福岡市での経験です。

 その病院には、1階に患者と職員用の小さな図書コーナーが設けられていました。
 何分にも検査の間と間にかなりの時間がありましたので、持ち込みの本を一冊読み上げた後で、このコーナーに立ち寄ってみました。
 図書コーナーは、寄付された本で運営されているようで、どの本もかなり年期のはいった物でした。また、その背表紙の表題にも特段の傾向はありませんでした。
 時間つぶしの意味もありましたので、ゆっくり背表紙の文字を眺めていると、海鳥社の「キジバトの記」という本の名前が目につきました。
 上野春子さんの本でした。
 本は、福岡県の某図書館の廃棄図書で、本としてはかなりくたびれていました。
 何故目を引いたのかというと、あの上野英信の伴侶であった人の著作だと気づいたからでした。記録作家の雄としての上野英信については、「追われるゆく坑夫たち」といくつかの著作を読んだくらいでしかありませんでした。
 実は、松下竜一が生前上野春子さんを取材していたことから、松下竜一の著作ができあがることを楽しみにしていました。どちらかというと、上野春子というよりは松下竜一への関心から上野春子という名前を覚えていました。結局、この本は完成の時を迎えませんでした。

 還暦を迎えてから仕事と読書のために初めて購入した眼鏡を忘れてしまい、苦労しながら、「キジバトの記」の文字を追いました。
 この時は、短い文章の数編を読んだのですが、非常に驚いてしまいました。その明晰で痛烈な文章は、上野英信を自分自身と対称化し表現していました。上野春子の文章は、切り口鋭く読む物の魂を心底から揺さぶるものでした。
 これが、鬼神上野英信に書くことを止められていた人の文章なのかと。
 特に、次の記述は、この本のすごみを顕しています。
 「夫が亡くなって五年の間に、仕事が少なくなった私の手は、いつのまにかなおっていたのである。植物と同じようにこれも自然の営みのひとつであろう。このようにして、もし精神の回復をも期待できるものならば、残り少ない私の前途にも淡い希望が生まれてくる。」

 この場は、時間に制限がありましたので、図書コーナーを何となく中途半端な感じで退出しました。
午後四時過ぎには、自由時間となりましたので、かねてから準備していた用事を済ませ、ホテルへの帰りの道すがら、博多駅前の紀伊國屋書店で、これまたゆっくりと本を見て回りました。最近は、ネットでの購入を主としていましたので、こうした時間は少し刺激的でもありました。この本屋では、郷土出身の本のコーナーが設けられており、小さな出版社の本が面白く並べられていました。確かに最近、本屋で買う本はこうしたコーナーの本になっていました。

 「あっと」。
 ありました。新装版の「キジバトの記」です。後先考えずに購入してしまいました。
この本を読み終えて言えることは、確かに、上野春子は才能ある人でありました。

 最後に、海鳥社のこの本の帯には、「旧炭住を『筑豊文庫』として移り住み、筑豊に日本変革の夢をかけた記録作家上野英信と妻・春子の30年の日々。」と、記載されています。
 これを読んだ時から、ずっと引っかかっていたのは、上野英信の表記が先にあり、妻・春子となっていることでした。もしかしてこの本が意味を持つためには、上野英信が最重要な比重を占めるとしても、それでもこの本は、上野春子の作品であるはずではないかと。 私たちは、上野英信ではなく、上野春子の文章に感動しているのだからと。少なくとも、私自身はこの本に、上野春子の生きざまを読み取ることができたのだから。
 この本読みながら、才能小さき物の表現の道について考えている自分がいました。


by asyagi-df-2014 | 2014-11-01 05:50 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

松代大本営看板問題 -負の歴史に真摯に向き合ってきたこれまでの長野市の取り組みからすると、もったいないことである。

以前、長野市松代町の松代大本営地下壕(ごう)入り口に市が設置した看板で、朝鮮人労働者が工事に携わることになった経緯を伝える文章のうち、「強制的に」の部分に市がテープを貼って見えないようにした問題を取り上げた。
 今回、壕を管理する長野市が、「多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われています―。と、「と言われている」と伝聞表現にして、決着を図った格好で、結論を発表した。
 このことについて、信濃毎日新聞は社説で、「市役所内の検討だけで案内板を掛け替えて終わらせてしまっては、もったいない。」と、報じた。
 また、その結論を、「来年で終戦から70年になる。戦争の記憶は風化が進む。だからこそ、市民と一緒になって検証しながら身近な歴史を学ぶ積極的な仕掛けをつくりたい。子どもたちの関心を引き付ける機会にもなる。市役所内の検討だけで案内板を掛け替えて終わらせてしまっては、もったいない。」と、している。

 確かに、このままの結果にすることは、負の歴史に真摯に向き合ってきたこれまでの長野市の取り組みからすると、もったいないことである。
 長野市を訪れ、松代大本営の事実に衝撃を受けるとともに、未来を見つめるための教材化しているその姿に感動を受けた者の一人として、やはりこの長野市の結論は、どうしても間違っていると言わざるを得ない。

 以下、信濃毎日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-10-26 05:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

性教育-まずは、性教育の充実を

信濃毎日新聞は、2014年10月20日、長野県が19日に開いた「子どもを性被害から守るための県の取り組み案」をテーマに、阿部守一知事が県民と意見交換する県政タウンミーティングの様子を、伝えた。
 90年以降、性の問題を、国家統制及び管理教育のために利用してきた歴史がある。
 会場では、「条例への賛否にかかわらず性教育の充実を求める意見が相次いだ」と伝えている。
「中信地方の女性養護教諭は、学習指導要領が中学生では「性交」を扱わないとしている現状を踏まえ、『現場が安心して教えられる態勢を整えてほしい』と県教委に求めた」という現場からの声は、現状からの切なる願いである。
条例化については、慎重且つ開かれたな審議が必要であるし、前提となる性教育については、現場からの発信をもっと重要視していくなかで、長野の教育を作っていって欲しい。

 以下、信濃毎日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-10-22 05:41 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

ノーベル平和賞予測、「憲法9条保持する日本国民」浮上

 朝日新聞は、2014年10月4日、「ノーベル平和賞の受賞予測に、「憲法9条を保持する日本国民」が浮上した。」と、報じた。
 難しいのではと観測されていたから、実現されれば、これ以上のことはない。

 以下、朝日新聞の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-10-05 17:33 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

安部晋三首相の所信表明を批判する。各新聞社社説から。

琉球新報は、「『巧言令色鮮(すくな)し仁』という言葉がまず頭に浮かんだ。それが否定しようのない実感だ。」と、表す。
南日本新聞社は、「閣議決定による憲法解釈変更で行使を容認した集団的自衛権や、来年10月に予定される消費税率10%への引き上げなど、世論の批判がある課題に踏み込んだ発言はなかった。」と、した。
高知新聞は、「臨時国会などの冒頭で首相が語る所信表明は、国の針路を国民に丁寧に示すためにある。しかし、きのう召集された臨時国会で安倍首相は国民が本当に知りたいことを語っただろうか。多くの国民は、肝心なことが述べられていないと感じたはずだ」と。
神戸新聞は、「だが、安倍首相には本当に地方や女性の苦悩が見えているのだろうか。明るい未来ばかりが強調され、若者や女性に多い非正規労働や格差拡大に苦しむ地方の現実が見過ごされてしまわないかと心配だ。」と、危惧感を表明する。
 信濃毎日新聞社は、「掛け声ばかりが目立ち、具体策が乏しい。こう感じた人も多かったのではないか。」と、批判する。

 また、各社共通の声として、「野党による腰を据えた追及が欠かせない。」といった野党の奮起を促す論調があった。

 安部晋三政権の政治手法は、耳障りのいい言葉を並べて、実は何もきちっと説明することなく、自分たちが決めた一つの方向に、国民を合わさせる、というものでしかない。
 そこでは、地域も国民も、一方的に窮乏化させられることになる。
 これだけの新聞社が、安部晋三首相の所信表明に不信感を顕しているのだ。

 以下、各新聞社の社説の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-10-01 05:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

安部晋三政権の目指すもの

 沖縄タイムスは、2014年7月14日に、この3月に退職した20代の元自衛官のインタビュー記事を掲載しました。
 その内容は、次のようなものでした。
 何故辞めたのかという質問には、「今回の集団的自衛権容認の閣議決定で、海外の『戦闘』に加わることが認められるようになります。自衛隊は、人を殺すことを想定していなかったのでまだ、『仕事』としてやれましたが、今後はそうはいきません。昇任試験も合格したばかりで、自衛官を続ける道もありましたが、戦争に加わって命を落とすかもしれません。命は大事です。」と。
 今回の集団的自衛権行使容認をどう捉えているかについては、「戦争への参加宣言で、自衛隊の軍隊化だと思っています。」と。
 こうした返答は、集団的自衛権の本質は、当時者だからこそ、よく見えるということかもしれません。
 また、安部晋三政権最近のキナ臭さについても、「去年の終わりごろ、秘密保護法が成立して、友人関係や家族についての調査がありました。国に管理されることに違和感がありました。統制のために政府が強引に法案を通したようにしかみえませんでした。秘密保護法の成立で、集団的自衛権の行使容認への流れはできていたと思います。日本が主体となる戦争が今後、起こることも否定できません」と、証言しています。
 特に、衝撃なのは、次のインタビューの内容についてです。
 元自衛官は、「安倍政権になってから、内容が大幅に変わりました。人を標的とする訓練が始まりました。これまでは、相手を捕獲することが基本でしたが、もう今までと違います。軍隊としか思えません。」と。
 知らなかったのは、自分だけではなかったのか。
 安部晋三政権を批判してきたつもりだったのに、実は、「人を標的とする訓練」までも取り入れられてきていたことさへ気づかなかったということ。
 集団的自衛権が戦争するためのものであるということが、こんなにも明確に証明されている。

 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-09-11 05:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

これからの日本という国について

 明日の自由を守る若手弁護士の会のブログで、東京新聞の9月3日(水)の「貧困層に『経済的徴兵制』?」という記事から、「奨学金と経済的徴兵制?」という投稿が載りました。
 東京新聞の記事は、「文科省の有識者会議でメンバーの一人が、奨学金の返還ができない人たちについて、『防衛省などに頼み、1年とか2年とかインターンシップをやってもらえば就職は良くなる。防衛省は考えてもいいと言っている』と発言した」というもののです。
 このブログでは、この記事を受けて、「国民に服役を義務づける徴兵制がなくても、仕事や収入がないため、軍隊に志願せざるをえない状況になってしまわないか心配されています。」と、まとめています。
 新自由主義政策が、アメリカモデルの模倣を追求する中では、当然この心配が出てくるのは、当然です。
 そして、安部晋三政権の目指すものが、日本を「実戦、すなわち人の命を奪う訓練をするということが、経済的苦境を理由として余儀なくされる」ような社会に必然的に作り替えてしまうことに、「そんな状況にしていいのでしょうか」と訴えています。
 
 本当に、こんな話が安易に出てくるような国に、日本はなってしまった。

 以下、明日の自由を守る若手弁護士の会のブログからの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2014-09-10 05:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

ハンセン病-日本の近代は、患者と家族を最も厳しく迫害してきた時代

 琉球新報は2014年8月3日、ハンセン病回復者の極めて厳しい状況について報じた。
 ハンセン病回復者のうち、療養所に入所せずに治療を受けた在宅治療者(非入所者)は、
「非入所者は裁判を経て和解により国に賠償を請求できるが、これまで県内で和解したのは104人。県内に非入所者は500人以上いるが、大部分が提訴していない。」という実態がある。また、その理由は、「非入所者は社会と接点があるため、隠し通したい、知られたらどうしようという恐怖感は強い」と、報じている。
 熊本訴訟の大月倫子弁護士の話として、「これは今も変わっていない。当事者が高齢化し、医療介護が必要となる中、問題はさらに顕在化するだろう」と。
 さらに、和泉真蔵医師は、「日本の近代は、それ以前のどの時代よりも患者と家族を最も厳しく迫害してきた時代」と強調したと、伝えた。
 以下、琉球新報の引用。



「非入所者は提訴を 弁護士呼び掛け」 ハンセン病シンポ-2014年8月3日


 ハンセン病回復者のうち、療養所に入所せずに治療を受けた在宅治療者(非入所者)の抱える問題を考えるシンポジウム「ハンセン病在宅治療者の被害を考える~隠れて生きるということ~」(ハンセン病訴訟西日本弁護団主催)が2日、豊見城市内のホテルであった。病気を隠し通さなければならない非入所者の現状について、医師、弁護士が話し合った。
 非入所者は裁判を経て和解により国に賠償を請求できるが、これまで県内で和解したのは104人。県内に非入所者は500人以上いるが、大部分が提訴していない。
 訴訟を担当する稲山聖哲弁護士は「非入所者は社会と接点があるため、隠し通したい、知られたらどうしようという恐怖感は強い」と話し、「話したことで受け入れられたと気持ちが楽になった人もいる。情報は守られるので、提訴してほしい」と呼び掛けた。
 熊本訴訟の大月倫子弁護士は訴訟事例から非入所者が受けてきた差別の実態を報告。「これは今も変わっていない。当事者が高齢化し、医療介護が必要となる中、問題はさらに顕在化するだろう」と話した。
 長年、ハンセン病の治療をしてきた和泉真蔵医師は社会がどのようにハンセン病患者と接してきたかを説明。「日本の近代は、それ以前のどの時代よりも患者と家族を最も厳しく迫害してきた時代」と強調した。
 3日は午後1時~4時まで、在宅治療者の相談に弁護士が直接応じる。(電話)098(938)4381(幸喜・稲山総合法律事務所)。


by asyagi-df-2014 | 2014-08-18 05:50 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

被爆者代表 城台美弥子さんの声を

 被爆者代表城台美弥子さんの声を、あらためて読み直しています。
 被爆者の心に寄り添うということはどういうことなのかと。

 「長崎市民の皆さん、いいえ、世界中の皆さん、再び愚かな行為を繰り返さないために、被爆者の心に寄り添い、被爆の実相を語り継いでください。日本の真の平和を求めて共に歩みましょう。私も被爆者の一人として、力の続くかぎり被爆体験を伝え残していく決意を皆様にお伝えし、私の平和への誓いといたします。」

 そこでは、個人の誓いが必ず述べられています。「被爆者はサバイバーとして、残された時間を命がけで」、力の続く限りと存在のすべてを賭けて、平和に尽くすと。
 だからこそ、間違いは間違いであると言わざるを得ない。
 「現在の日本政府は、その役割を果たしているか」と。

 「現在の日本政府は、その役割を果たしているのでしょうか。今、進められている集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法を踏みにじる暴挙です。日本が戦争できるようになり、武力で守ろうと言うのですか。武器製造、武器輸出は戦争への道です。いったん戦争が始まると、戦争は戦争を呼びます。歴史が証明しているではないですか。日本の未来を担う若者や子どもたちを脅かさないでください。被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください。」

 被爆者の心に寄り添うことも、想像することさへできない者達には、「日本の未来を担う若者や子どもたちを脅かさないでください。被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください」と、少し強く訴えることしか残されてはいないのではないかとさへ思い込まされる状況が、実は、被爆者達の日常としてあるのではないか。

 自分たちの生活から見える他者達への思いも、触れざるを得ない。そして原発再稼働への矛盾についても。

 「福島には、原発事故の放射能汚染でいまだ故郷に戻れず、仮設住宅暮らしや、よそへ避難を余儀なくされている方々がおられます。小児甲状腺がんの宣告を受けておびえ苦しんでいる親子もいます。このような状況の中で、原発再稼働等を行っていいのでしょうか。使用済み核燃料の処分法もまだ未知数です。早急に廃炉を含め検討すべきです。」

 つまり、被爆者の心に寄り添うということは、一人一人が、今からの平和のために尽くして行くということである。

以下、被爆者代表「平和への誓い」の引用。(東京新聞より、引用)




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by asyagi-df-2014 | 2014-08-17 11:00 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で6・8%の大幅減

 朝日新聞は2014年8月14日、「4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で6・8%の大幅減」と、報じた。
 「甘利明経済財政相は『「想定の範囲内』と強調するが、バークレイズ証券の森田京平氏は『ひどい結果だ。改めて景気が悪かったことが確認され』」と話す」と、続けている。
 消費税導入は、安部晋三政権の成長戦略の前提であり、早くもその政策が破綻していることを示している。
 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2014-08-16 05:41 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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