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沖縄県知事への「スラップ訴訟」は、地方自治の本旨を歪めるものでしかない。

 沖縄タイムスは2017年3月28日、「菅義偉官房長官は27日の会見で、翁長雄志沖縄県知事が辺野古新基地建設に関する前知事の埋め立て承認の撤回に踏み切れば、翁長知事に対し損害賠償請求を行う可能性を示唆した。工事の継続に加え、心理的な対抗措置も取る構えだ。」、と報じた。
 このことについて、琉球新報は2017年3月29日、「知事に賠償請求検討 国家権力で抑え込むのか」、と社説で批判した。
 沖縄県知事への「スラップ訴訟」とも言える問題について、考える。
琉球新報は、まず、この安倍晋三政権の恫喝的手法について、「自治体の長が認められた権限を行使することに対し、『権限乱用』と言い募って国が知事個人に損害賠償を求める。国と対等であるはずの自治体の長の判断を、損害賠償という脅しで抑圧することが法治国家で許されるだろうか。もはや乱訴の趣である。」、と断じる。
また、沖縄県が行う「撤回」そのものについては、「国が根拠とする違法確認訴訟はあくまで前知事が出した埋め立て承認を取り消した翁長知事の判断を対象としたものだった。今回、翁長知事が表明した『撤回』は、前知事の承認後に生じた瑕疵(かし)を問うものだ。県側は撤回の理由として埋め立て承認時に付した留意事項違反や環境への負荷、県民の民意などを挙げるはずで、前回の違法確認訴訟とは問われる内容が違う。」、と説明する。
 さらに、今回の「菅氏は、知事が撤回して工事が中断する間、国家賠償法などに基づき人件費や機材リース代、警備費用などの損害賠償を求める考え」に対しては、次のように反論する。


(1)そもそも菅氏の発言は、政策に反対する市民運動などを萎縮させる目的で国や企業などが個人を訴えるスラップ訴訟の性格も帯びる。
(2)国家賠償法では公務員個人に対して損害賠償を求める求償権があるが、専門家は県知事に対して求償権があるのは県であり、国ではないと指摘する。政権与党内に慎重論があるにもかかわらず、金田勝年法相は「所要の措置を検討している」と述べ、進める考えを示した。法解釈も都合よく自らに引き寄せ、新基地建設を拒否する民意も無視し、なりふり構わぬ姿勢が見える。
(3)国は過去に、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設に反対する市民を通行妨害で訴え、スラップ訴訟だと批判された。次は県民を代表する知事を相手取りスラップ訴訟をするつもりか。


 琉球新報は、「国家権力で根強い反対の声を抑え込むのは法治国家ではない。」、と結ぶ。


 さて、こうした安倍晋三政権の強硬姿勢に、気づかされることがある。
 実は、琉球新報は、2017年3月26日に、次のように報じていた。


「自民党の沖縄県連(照屋守之会長)は25日までに、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に対する県連の政策について、現状の『辺野古移設を含むあらゆる可能性を追求』するとの内容から『辺野古移設を容認し、(普天間の)早期返還の実現を図る』とする内容へと変更する方針を固めた。4月8日の県連大会で正式に決定する。」


 こうした自民党の意向は、官房長官等の発言ときちんと重なる。
 沖縄自民党は、安倍晋三政権の恫喝政治の前座の位置を喜んで果たすというのか。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-30 07:37 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(19)-琉球新報社説20170316-

 放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議されている「ニュース女子」を制作するDHCシアターは、2017年3月13日、沖縄の米軍基地問題について特集した特別番組を動画投稿サイト「ユーチューブ」などで生配信した。
 このことについて、琉球新報は、その社説で「ニュース女子続編 検証に値せず偏見を助長」、と批判した。
 まず、琉球新報は、「批判に向き合わず事実の検証を欠いては、公正な報道とは言えない。番組の問題を審議する放送倫理・番組向上委員会(BPO)には改めて厳しい審査を求めたい。」、と結論づける。
 また、琉球新報は、今回のDHCシアターの行為が、「米軍ヘリパッド建設に抗議する市民をテロリストに例えるなどした東京MXテレビの番組『ニュース女子』の制作会社DHCシアターが『続編』をネット配信した。番組の検証をうたいながら、事実を確認すべき当事者取材はおろそかにしたまま、問題のすり替えや意図的な編集など番組の正当化に終始した。」ことの根拠について、次のように挙げる。


(1)抗議の市民が日当を得ているとの番組内容に関し、「日当をもらった」とする当事者の証言を示し得ず、「知り合いがもらった」など伝聞情報にとどまった。市民が「救急車を止めた」と断定した内容を消防本部が否定したが、安全面を考え「徐行した」ことをことさら強調した。
(2)手弁当で参加する市民の声を伝えず、抗議行動が過激で交通を妨げる印象を与える編集手法はそのままで、検証の名に値しない。
(3)「続編」はネット配信のみで東京MXは放送していない。テレビ放送はBPOの審査対象となる。偏った内容との判断が働き、審査の対象とならないネット配信にとどめたのではないか。放送倫理のチェックを免れるネット配信で、市民の抗議行動に関する事実誤認や偏見がさらに拡大再生産されかねない。


 さらに、東京MXについても、「BPOは審議入りを決めた際に『明らかに事実の間違いが報じられている。(テレビの)考査の段階で見逃されたことが問題になり得る』との見解を示している。にもかかわらず東京MXは先に『事実関係に捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず放送法、放送基準に沿った内容』との見解を表明した。制作会社の『続編』も事実誤認を受け入れず、共同歩調で番組の正当性を主張しているのである。」、と批判している。


 琉球新報は、最後に、次のように指摘する。


(1)これを看過してはBPOを中心とする放送界の自律的な規制が揺らぎかねない。公正な報道の基盤がモラルハザード(倫理崩壊)の危機に直面している。放送、メディア界の自浄能力が問われている。
(2)識者は今回の問題の背景に基地建設に反対する県民を異端視する「沖縄ヘイト」の風潮を指摘する。BPOの毅然(きぜん)とした対応とともに放送、新聞などメディア各社にも「沖縄ヘイト」を助長する番組の検証報道を期待したい。


 確かに、「公正な報道の基盤がモラルハザード(倫理崩壊)の危機に直面している。」。
 問われているのは、日本のあり方そのもの。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-21 06:13 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(18)-沖縄タイムス20170315の2-

 放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議されている「ニュース女子」を制作するDHCシアターは、2017年3月13日、沖縄の米軍基地問題について特集した特別番組を動画投稿サイト「ユーチューブ」などで生配信した。
 この中で、「『過激派は救急車も止めた?』など六つの指摘を独自の再取材や根拠を示して検証し、放送内容の正当性を強調した。」(沖縄タイムス)。
 また、今回の番組は、「ニュース女子」を放送する東京MXテレビ局など地上波での放映はなく、DHCシアターは、「BPO審議入りしたことを受け、地上波では放送いたしません」とホームページで説明している。
 このことについて、沖縄タイムスは2017年3月15日、「ニュース女子『検証』番組を検証する 沖縄報道 6つの論点」、との記事を掲載し、「1月2日の東京MXテレビでの放送で事実に反すると批判された点について、問題をすり替えて正当性を主張する内容に終始した」、と改めて批判した。
 また、この記事で、【ニュース女子「検証」番組 私はこう見た】として、具志堅勝也さん(琉球朝日放送 元報道制作局長)の「番組への指摘、反省なく」、香山リカさん(精神科医 BPO元委員)の「必死の抗議を笑う病理」、との談話による批判を紹介した。
 この談話は次のものである。


Ⅰ.「番組への指摘、反省なく」- 具志堅勝也さん(琉球朝日放送 元報道制作局長)


(1)検証報道を見たが、制作側の主張を展開するために裏付けのない誤解を与える表現を重ねただけで、1回目の番組よりもひどかった。前回と同様に伝聞情報やメディア批判を繰り返し、自分たちの放送内容を正当化しただけだ。
(2)映像を都合良く編集し、コメンテーターは制作側の思いに沿ったことだけを発言していた。番組に対するさまざまな指摘について、何の反省もなかった。
(3)今回の検証番組は地上波で放送せず、ネット配信だけだった。現在、放送倫理・番組向上機構(BPO)で番組が審議されているが、どんな結論が出たとしても「ネット配信だけなら問題ない」と虚偽や捏造(ねつぞう)を事実として繰り返し配信することも考えられる。こんなやり方がまかり通れば、放送界全体に対する信頼が失われかねない。テレビジャーナリズムの危機であり、業界の自浄能力が必要だ。(談)


Ⅱ.「必死の抗議を笑う病理」- 香山リカさん(精神科医 BPO元委員)


(1)昨年まで放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の委員だった。番組は「審議入り」は軽いものだと紹介していたが、とんでもない。放送倫理違反となれば局によっては番組の打ち切り、関係者の処分に踏み切りかねない深刻な事態だ。
(2)内容も、日当という言葉が駄目なら資金援助と言おう、お金が動いているとばれるのが気にいらないんでしょう、という程度。沖縄への基地集中という構造的差別があり、それに抗議する人々を傷つけたという本質を理解できていない。初回と同じようなメンバーが集まり、抗議を受けた被害者というスタンスで主張を正当化し合うだけだった。
(3)尊厳を懸けた必死の抗議を笑いものにして、娯楽として消費する。安倍晋三首相が国会答弁で質問者をやゆする態度とも共通する。改めて病んだ風潮だと感じる。(談)


 確かに、香山リカさんの「尊厳を懸けた必死の抗議を笑いものにして、娯楽として消費する。安倍晋三首相が国会答弁で質問者をやゆする態度とも共通する。改めて病んだ風潮だと感じる。」、との分析は、今の日本を言い当てている。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-20 10:03 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(17)-沖縄タイムス20170315の1-

 放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議されている「ニュース女子」を制作するDHCシアターは、2017年3月13日、沖縄の米軍基地問題について特集した特別番組を動画投稿サイト「ユーチューブ」などで生配信した。
 この中で、「『過激派は救急車も止めた?』など六つの指摘を独自の再取材や根拠を示して検証し、放送内容の正当性を強調した。」(沖縄タイムス)。
 また、今回の番組は、「ニュース女子」を放送する東京MXテレビ局など地上波での放映はなく、DHCシアターは、「BPO審議入りしたことを受け、地上波では放送いたしません」とホームページで説明している。
 このことについて、沖縄タイムスは2017年3月15日、「ニュース女子『検証』番組を検証する 沖縄報道 6つの論点」、との記事を掲載し、「1月2日の東京MXテレビでの放送で事実に反すると批判された点について、問題をすり替えて正当性を主張する内容に終始した」、と改めて批判した。
 この沖縄タイムスの記事を要約する。
まず、沖縄タイムスは、次の六つの論点を指摘する。


(1)高齢者を「過激派デモの武闘派集団シルバー部隊」と表現
(2)「テロリストみたい」と表現
(3)「韓国人はいるわ中国人はいるわ」と表現
(4)高江の約25キロ手前にある名護市のトンネルで「危険だ」と引き返した
(5)「反対派は日当をもらっている!?」と表現
(6)「過激派が救急車も止めた?」と表現


 この六つの論点のそれぞれで次のように反論する。


(1)高齢者を「過激派デモの武闘派集団シルバー部隊」と表現について

 「初回放送について根拠の明示を求める本紙社説を引用。その上で、オスプレイ配備反対に向けて『逮捕されても生活に影響がない65歳から75歳』を募る動きがあると報じた2012年9月の本紙記事を根拠として示した。だが、4年後の高江で同じ実態があるとする根拠は、ある集会で『じいさん、ばあさんは捕まってください』と冗談交じりの呼び掛けがあったことのみ。シルバー部隊などという呼び名が現場に存在しないことの釈明はなかった。」



(2)「テロリストみたい」と表現について


 「沖縄防衛局が市民側の拠点テントを撤去する期限として指定していた16年8月5日、防衛局職員がテントを訪れた際のもみ合いを動画で紹介。「過激な言葉と暴力が横行する」と指摘した。一方で、『テロリスト』という言葉について『爆弾テロを連想することは確か』とのコメントもあった。」



(3)「韓国人はいるわ中国人はいるわ」と表現について


 「ヘイトスピーチ対策法を提案した自民党の参院議員にインタビュー。『政治発言はヘイトスピーチではない』『不利なことを言われたら差別だ、人権侵害だ、ヘイトだ、と言う。そのことが言論空間をゆがめる』との見解を伝えた。マイノリティーに対して、変えようのない属性を攻撃するというヘイトスピーチの定義には触れなかった。」



(4)高江の約25キロ手前にある名護市のトンネルで「危険だ」と引き返したについて


 「どこが危険か分からず、スタッフの安全に配慮してロケを中止したと説明した。根拠はヘリパッド工事への抗議ではなく、15年11月20日に名護市安部のホテル前であった辺野古新基地建設工事の過剰警備への抗議の動画。大手メディアが福島第1原発事故後に避難したことや、危険な紛争地域に社員を派遣しないと例示。初回放送で現地取材した軍事ジャーナリストは『危険を判断するのは取材する側だ』と強調した。」



(5)「反対派は日当をもらっている!?」と表現について


 「追加取材した『高江の反対運動でも日当2万円で雇われたと聞いた』『知り合いが日当が出るから行ってるよ(と聞いた)』という伝聞証言を報告。日当をもらった人にも取材交渉したが断られたとした。ジャーナリストが数年前の取材で、防衛局前で辺野古新基地建設に反対する活動家から『2万円もらっている』と聞いたと発言した。運動へのカンパや交通費相当の支給があることを挙げ、『資金援助はあり、デマではなかった』と正当化。初回放送で出所不明の封筒を根拠にしたことについては取材の詰めが甘かったと指摘した。」



(6)「過激派が救急車も止めた?」と表現について


 「救急車を『止めた』から『妨害している』という論点にずらして検証した。初回放送で証言した住民が『本来の時間通りに到着できなかった』という意味合いだったと説明。前回はしなかった地元消防への電話取材を実施。『救急車の妨害はなかった』という証言を紹介した一方で、『安全のために徐行したりして、時間がかかったことはある』という言葉を強調した。」





by asyagi-df-2014 | 2017-03-17 07:50 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(16)-琉球新報社説20170301-

 東京メトロポリタンテレビジョン株式会社は2017年2月27日、ホームページ上に、「番組「ニュース女子」に関する当社見解」を発表した。
 この「見解」の特徴は、(1)BPO放送倫理検証委員会の審議結果を待たずして公開したこと、(2)本番組について会社として次のとおり考えるに至ったこと、の2点にある。
 まず、(1)については、「一部報道機関において、本番組が捏造・虚偽である、沖縄ヘイトである、人権侵害であるなど、本番組の内容や事実、当社が本番組を放送した意図と大きくかけ離れた報道等がなされている現状に鑑み」、と説明されている。
 続いて、(2)については次のとおり説明されている。


①番組内で使用した映像・画像の出典根拠は明確でした。
②番組内で伝えた事象は、番組スタッフによる取材、各新聞社等による記事等の合理的根拠に基づく説明であったと判断しております。
③上記①及び②のとおり、事実関係において捏造、虚偽があったとは認められず、放送法及び放送基準に沿った制作内容であったと判断しております。
④本番組は、当社が直接関与しない制作会社で制作された番組を当社で放送するという持込番組に該当しますが、当社は、放送を行った点において放送責任を負う立場にあり、持込番組であっても内容のチェックを行っています。しかしながら、本番組では、違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地のある表現があったことは否めず、当社として遺憾と考えております。
⑤番組の考査体制に関し、より番組内容のチェックレベルを向上させるため、考査手順、考査体制に関し更なる検討を行います。
⑥再取材、追加取材をもとに番組を制作し、放送致します。調査及び取材を丁寧に実施するため、数か月の制作期間を経て放送することを予定しています。


 このことについて、琉球新報は2017年2月28日、「沖縄の基地反対運動をテロリストに例えるなどとした内容を放送し問題になっている東京MXテレビの番組『ニュース女子』について、同局が27日、ホームページ上で『事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法および放送基準に沿った内容だった』とする見解を発表した。」、と伝えた。
 また、琉球新報は2017年3月1日、「東京MXの見解 事実曲げて開き直るとは」、とこの見解を社説で批判した。
まずは、この社説を要約する。
琉球新報は、最初に、「事実をねじ曲げた番組を反省せず開き直るとはどういうことか。事実を放送する責任を放棄するならば、存在意義さえ疑われる。」、と断定する。
琉球新報は、「東京MXテレビは、1月2日放送の『ニュース女子』について『事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法および放送基準に沿った内容だった』との見解を発表した。今後も虚偽を事実として放送すると宣言したに等しい。事実でないことをあたかも事実であるかのように伝えることは『捏造』にほかならない。真実でないことを真実と見せ掛けることは『虚偽』以外の何物でもない。」、と強調して続ける。
琉球新報は、その理由を次のように指摘する。


(1)番組では、米軍北部訓練場のヘリパッド建設反対運動に参加する人たちを「テロリスト」に例え、反対運動で救急車が現場に向かえないなど、数々の「うそ」を流した。にもかかわらず「捏造、虚偽があったとは認められない」と結論付けたのである。承服できない。
(2)東京MXの「放送番組の基準」には「放送を通じてすべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない」とある。ヘイトスピーチ(憎悪表現)などに反対する団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表は、沖縄の基地反対運動を扇動する黒幕であるかのような虚偽の内容で批判された。「放送基準」に反する明らかな名誉棄損(きそん)である。
(3)「放送基準」には「政治、経済、社会生活上の諸問題は公平、公正に取り扱う」ともある。だが、番組を制作したDHCシアターは「犯罪や不法行為を行っている集団を内包し、容認している基地反対派の言い分を聞く必要はない」としている。「放送基準」からも到底認められないはずだ。
(4)東京MXは「違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地のある表現」があり「遺憾」ともした。「誤解」とは、視聴者が間違った解釈をすることであり、そのことが残念だったと言っているにすぎない。


 最後に、琉球新報は、東京MXテレビに対して、次のように突きつける。


(1)東京MXは再取材して放送することも表明した。事実を追求する姿勢がない現状のままでは、事実に迫る番組は期待できない。
(2)放送は全て事実に基づかなければならない。その常道を踏み外したことを真摯(しんし)に反省し、対策を講じない限り、東京MXは信頼を回復できない。


 この琉球新報の社説の指摘がすべてを物語っている。
 特に、「番組内で伝えた事象は、番組スタッフによる取材、各新聞社等による記事等の合理的根拠に基づく説明であったと判断しております。」、との「東京MX-TV」の見解をひけらかして恥じない輩には、何度でも、高橋哲哉さんの「この問題には「沖縄に対するヘイトスピーチにはふたつの側面がある。ひとつは在日韓国・朝鮮人らに対するのと同じマイノリティーへの差別。もうひとつは基地反対運動への政治的攻撃だ。」、との指摘を噛み締めることを求める。
 政治的攻撃のために、偽りを正当として流す常套手段は、到底認められない。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-06 08:22 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は、「事実関係に捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められない」と表明。

 毎日新聞は2017年2月27日、標題について次のように報じた。


(1)東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が27日、沖縄県の米軍基地反対運動を取り上げ、視聴者などから批判を浴びた情報番組「ニュース女子」についての見解を発表した。
(2)同社は、番組について「一部の過激な活動が地元住民の生活に大きな支障を生じさせている現状などを伝える意図」だったとして「事実関係に捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められない」と表明した。その一方で「適法に活動されている方々に誤解を生じさせる余地のある表現があったことは否めず、遺憾」とした。社外の会社が制作した「持ち込み番組」だと認め、「内容をチェックしている」と強調。再取材して数カ月後に改めて番組を放送するとした。
(3)「ニュース女子」は1月2日、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に対する抗議活動について、「過激デモで危険」「テロリストみたい」「大多数の人は米軍基地に反対とは聞かない」とする内容を放送。視聴者などから「事実関係が誤っている」などの指摘を受けて「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会が今月、審議入りを決めた。審議中に当事者が見解を発表するのは極めて異例だ。


 東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は、再度、高橋哲哉さんの「この問題には「沖縄に対するヘイトスピーチにはふたつの側面がある。ひとつは在日韓国・朝鮮人らに対するのと同じマイノリティーへの差別。もうひとつは基地反対運動への政治的攻撃だ。」、との指摘を捉え直す必要がある。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-28 12:42 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大阪府豊中市内の国有地が、「森友学園」に小学校用地として不当な価格で売却された問題。(5)-毎日新聞:差別者に教育の資格なし=青木理より-

 毎日新聞は2017年2月21日、青木理さん(以下、青木とする)の「差別者に教育の資格なし」を掲載しました。
 次のような記事でした。


(1)大阪市の学校法人・森友学園をめぐるいくつかの問題、本紙など一部メディアは追及していますが、もっと大きく報じられるべき社会的な病が横たわっていると僕は感じます。本紙読者は既にご存じの方も多いでしょうから、おさらいはごく簡単に。まず、大阪府豊中市内の国有地が小学校用地として同学園に“格安”で売却されたのではないか、という疑惑です。これまでの本紙記事などによると、当該の土地は9億円超の価値があると査定されましたが、地下にゴミなどの埋設物があったため、撤去費用などとして約8億円も割り引いて売却されました。
(2)しかも今春に開校予定の同小学校は、安倍晋三首相の妻昭恵さんが「名誉校長」に就き、一時は「安倍晋三記念小学校」という校名が検討されていたとか。安倍首相は国会で「私や妻が(売却に)関係したということになれば、首相も国会議員も辞める」と関与を強く否定しましたが、同学園のトップが熱烈な安倍政権支持者なのは間違いないでしょう。
(3)そしてもう一つ、学園が運営する大阪市淀川区の幼稚園をめぐる問題も発覚しました。園が保護者向けに「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」「日本人の顔をしてわが国に存在することが問題」などと記した文書を配布していた、というのです。
露骨な差別、偏見、明らかなヘイト文書です。この幼稚園、戦前の「教育勅語」を園児に暗唱させることなどで知られていましたが、歴史修正主義的な復古教育に他民族への差別、偏見がセットになったなら、そのような学校法人に教育を担う資格があるのか。
(4)国有地売却に首相や政権が関わったのかは現時点で不明です。ただ、学園のトップが政権を熱心に支持し、首相側も一定の“協力”をしていたのは事実。本来なら、疑惑への関与を否定するにとどまらず、学園の振る舞いが容認できないというメッセージを発することこそ為政者の役割でしょう。なのに首相は国会で「学園の教育への熱意は素晴らしいと聞いている」とも述べました。これでは差別やヘイト行為にお墨付きを与えかねない。国有地疑惑も重大ですが、こちらも相当に深刻だと僕は思います。(ジャーナリスト)


 確かに、「学園のトップが政権を熱心に支持し、首相側も一定の“協力”をしていたのは事実。本来なら、疑惑への関与を否定するにとどまらず、学園の振る舞いが容認できないというメッセージを発することこそ為政者の役割でしょう。なのに首相は国会で「学園の教育への熱意は素晴らしいと聞いている」とも述べました。これでは差別やヘイト行為にお墨付きを与えかねない。」、という指摘は、重要です。
 もちろん、当たり前のことですが、「差別者に教育の資格なし」。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-26 17:59 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「教育勅語等の失効確認に関する決議」

 学校法人森友学園に関連して、ニュースでも、「教育勅語」が取りあげられるようになった。
このことについて、趙博さんのFBが、次のように指摘してくれた。


1948(昭和23)年6月19日、参議院「教育勅語等の失効確認に関する決議」は次の通り--
「われらは、さきに日本国憲法の人類普遍の原理に則り、教育基本法を制定して、わが国家及びわが民族を中心とする教育の誤りを徹底的に払拭し、真理と平和とを希求する人間を育成する民主主義的教育理念をおごそかに宣明した。その結果として、教育勅語は、軍人に賜はりたる勅諭、戊申詔書、青少年学徒に賜はりたる勅語その他の諸詔勅とともに、既に廃止せられその効力を失つている。しかし教育勅語等が、あるいは従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかり、われらはとくに、それらが既に効力を失つている事実を明確にするとともに、政府をして教育勅語その他の諸詔勅の謄本をもれなく回収せしめる。(以下略)」
なお、同日衆議院に於いても「教育勅語等排除に関する決議」がなされた。どちらも全会一致。


 確かに、森本学園の教育方針は、間違っている。
 明らかに、憲法違反である。
 「しかし教育勅語等が、あるいは従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかり、われらはとくに、それらが既に効力を失つている事実を明確にするとともに、政府をして教育勅語その他の諸詔勅の謄本をもれなく回収せしめる。
 われらはここに、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して教育基本法の明示する新教育理念の普及徹底に努力をいたすべきことを期する。」、との叡知を確認しよう。


 以下、教育勅語等の失効確認に関する決議の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-02-26 12:37 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大阪府豊中市内の国有地が、「森友学園」に小学校用地として不当な価格で売却された問題。(4)-弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記より-

 渡辺輝人さん(以下、渡辺とする)の「弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記」は2017年2月21日、「森友学園の国有地取得の収支」の続編を掲載しました。
 渡辺は、「しかし、いかんせん明らかになった報道が散発的で、経過がわかりにくいのが現状です。そこで、事実経過を表にまとめました。」、とありがたいことにこの事件を理解するために、今回も次のようにまとめてくれています。


Ⅰ.有益費の計算根拠が不明


(1)すでに、定期借地に関連して1億3000万円余の「有益費」が森友学園に「返還」されたことは述べました。この国から森友学園に支給された1億3000万円余の「有益費」の算定根拠自体が現状では不明瞭です。
(2)特に、8600万円余の地下埋設物撤去費用はどのような説明がつくのでしょうか。(3)森友学園の代表者は、地下のごみの撤去費用を「1億円くらい」と述べる一方、財務省は「理事長は『撤去費の額は他の工事と一体になっているので分からない』と答えている」と述べています(朝日新聞2017年2月14日「学園「ごみ撤去1億円」 国は8億円見積り 国有地購入」)。理事長は「掘削中に廃材や靴、タイヤといった生活ごみが地下で見つかり、くいを打つ場所のごみは適切に処理したと説明。全てのごみは撤去していないが、子どもの体への影響はない」(同記事)とも述べており、財務省が理事長の発言として述べたように、基礎杭や基礎の打設に伴う建設残土の撤去費用(これは建物の建設費用でしょう)と一体不可分の可能性はないでしょうか。
(4)そもそも、森友学園が購入時には異議申立できない可能性が高いものを、なぜ、賃貸の段階だと「有益費」として「返還」して貰えるのでしょうか。
(5)「有益費」は国の基準で検証することになっています(「国有財産有償貸付合意書」第6条)。国は「検証」結果の詳細を公表し、その正当性を証明すべきでしょう。
(6)また、「有益費」の額について合意した2016年3月30日の「合意書」は、国と森友学園の間のものなのに、甲(国・大阪財務局(=財務省))、乙(森友学園)に加えて丙(国・大阪航空局(=国交省))が登場する不思議なものになっています。国が右手と左手で森友学園と握手(合意)している、とでも例えられます。なにやら国交省-財務省間のせめぎ合いないし責任の押し付け合いのようなものを感じざるを得ません。


Ⅱ.本物件代金の約8億2200万円の減額根拠の不可解さ


(1)2月15日の衆議院財務金融委員会における宮本たけし議員(共産党)の質問からは、さらに不可解な事情が浮かび上がります。上記のように1億3000万円余の「有益費」の「返還」が「合意」された2016年3月30日(青い四角でマーク)をまたぐ前後1ヶ月ほどの間に、さらに、国が本物件の時価を査定した9億5600万円から8億2200万円の減額を行い、1億3400万円という廉価な土地代金が決定され、同年6月20日に森友学園に売却(代金は賃貸借の保証金をほぼ満額充当した頭金を除き10年分割)されたことです。
(2)8億2200万円の内訳は約8億1900万円強の「地下埋設物撤去及び処理費用」と、撤去尾する際の事業の長期化による土地の価格の2%減額約200万円の合計です。
(3)前者については、消費税分を除くと、撤去する土の47.1%が「埋設物」(ごみ)とされ、その処理費用(掘削、積み込み、運搬、埋め戻しは除く処理のみの費用)が1立方メートル当たり2万2500円と非常に高額です。この埋設物の処理費だけで4億3920万円。そして、共通仮設費、現場管理費、一般管理費で2億4400万円強を計上しています。これらだけで工事費用の85%にものぼります。これだけ巨額のごみの撤去・処理費用が計上されているのに、国は実際に撤去がされたか確認していない、と答弁しています。これは建物基礎部分以外、撤去はしていないという森友学園の理事長の証言とも矛盾はありません。
(4)はたして、これだけの量の埋設物(ごみ)が残留しているのかも不明であり、その算定根拠の妥当性は今後厳しくチェックされる必要があります。


Ⅲ.木質化の補助金


(1)本物件に建設中の建物は、国土交通省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択され、6194万4000円の補助金支給が決定されています。国交省のホームページには採択時のものとして下記の構想図が公表されています。しかし、本物件上に建設中の建物は鉄骨造とされるところ、当初の「木質化」(建物の外装や内装の「木質化」をいうそうです)の概略図とは現状が少々異なるようにも思われます。下の写真は2017年2月15日時点での建物の現況です。
(2)2017年2月15日の時点では、構想図の右側の建物について金属質の部材が軒下から基礎まで貫かれています。体育館の南側と東側の軒下の高窓も設置されていません。なぜか右側建物の北側(高速道路側)には高窓があるのですが、そこから見えた建物の天井は鉄骨がむき出しのよくある普通の学校の体育館のようでした。
(3)また、写真の左側の建物も、出窓の部分が灰色の部材で作成されていますが、これは「木質化」に該当するのか、筆者の素人眼では確認できませんでした。
(4)もちろん、まだ、工事は続行中なので、今後、これらがどうなるか気になるところです。単なる建築確認の問題ではなく、「木質化」の先導事例として補助金を得ている事業なだけに、完成後は、そもそものプロジェクト採択時点の提出書類と現存する建物の異同は問題になり得ると考えます。


Ⅳ.政府は襟を正すべき


(1)2月17日の福島議員の国会での追及に対して、安倍首相は「私や妻が関係しているということなれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい。全く関係ない」(NHK2月17日「鑑定価格より低く売却の国有地 財務省は適正価格と説明」)と答弁したようです。
(2)しかし、2012年に5億8000万円で取得申出のあった物件を、2016年に1億3400万円の廉価で売ったことは隠しようのない事実です。
(3)また、森友学園の代表者が「安倍晋三記念小学校」の名称使用について安倍首相の内諾を得ていたと証言していること、実際に森友学園がその名義で寄附金を集めていたこと、そして安倍首相の妻(安倍昭恵氏)が「名誉校長」となっていることが判明しています。
(4)安倍首相が第二次政権就任前の自民党総裁選の時期に森友学園が経営する「塚本幼稚園」で講演する予定(のちに総裁選の日程でキャンセル)だったとの報道もされています。
(5)安倍首相や妻が、直接、廉価売却の指示をしていなければ問題なし、とする姿勢は、それ自体が問題のすり替えに映ります。問題ないというのなら、疑惑に対する追及に応えて情報を徹底的に開示して、国有財産が不当な廉価で処分された疑惑を払拭し、襟を正すべきでしょう。


 このブログを受けてあらためて確認できること。


Ⅰ.2012年に5億8000万円で取得申出のあった物件を、2016年に1億340  0万円の廉価で売った事実。
Ⅱ.森友学園の代表者が「安倍晋三記念小学校」の名称使用について安倍首相の内諾を得ていたと証言している事実。
Ⅲ.実際に森友学園がその名義(「安倍晋三記念小学校」)で寄附金を集めている事実。
Ⅳ.安倍首相の妻(安倍昭恵氏)が「名誉校長」となっていることが判明している事実。


 このことに加えて、このブログは指摘する次の3点の問題点を明確にする必要があります。


Ⅰ.有益費の計算根拠が不明
Ⅱ.本物件代金の約8億2200万円の減額根拠の不可解さ
Ⅲ.木質化の補助金


 やはり、渡辺弁護士の次の指摘が重要になります。


 安倍首相や妻が、直接、廉価売却の指示をしていなければ問題なし、とする姿勢は、それ自体が問題のすり替えに映ります。問題ないというのなら、疑惑に対する追及に応えて情報を徹底的に開示して、国有財産が不当な廉価で処分された疑惑を払拭し、襟を正すべきでしょう。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-25 12:05 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大阪府豊中市内の国有地が、「森友学園」に小学校用地として不当な価格で売却された問題。(3)-弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記より-

 渡辺輝人さん(以下、渡辺とする)の「弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記」は2017年2月20日、「森友学園の国有地取得の収支」を掲載しました。
 渡辺は、「しかし、いかんせん明らかになった報道が散発的で、経過がわかりにくいのが現状です。そこで、事実経過を表にまとめました。」、とありがたいことにこの事件を理解するために次のようにまとめてくれています。


(1)本物件を巡る出来事
①2010年に豊中市は国から本物件の東側隣地(やや大きめ)を14億2300万円で購入。
②2012年に別の学校法人が本物件を地中埋設物処理費用2億5000万円を織り込んだ上で5億8000万円で購入申し出するも国が「安すぎる」と断る。
①2016年に森友学園が国から本物件を1億3400万円(10年間分割払い)で購入。当初、国有財産の売却であるのにこの金額が非開示情報とされた。


(2)国有地を買ったのに国への収支が現状プラス
①森友学園は梅田駅(大阪駅)まで徒歩含め30分圏内の国有地8770平方メートル(約2660坪)を、約1年間、国から賃借した上、1億3400万円で購入しましたが、本稿執筆時点で、国に対する収支が1億3910万円プラスになっています。原因は国が森友学園に対して「有益費」として約1億3000万円余、建設中の建物が国によって「木質化」の先導事例に選定され約6000万円の補助金を得ている一方、土地の購入費用は頭金を除き10年分割とされたからです。
②今後10年かけて分割で支払う金額の合計が下記の通りであり、この金額について国が本物件に抵当権を設定しています。国が年利1%の低利で金融機関の真似事をしている感があります。そして、建設中の建物に対する補助金も含めると、10年後に全部払い終わった時点でも森友学園の国に対する収支がプラスになる計算です。そしてこの元利合計額が登記簿に記載されている数字に合致します。


(3)1億3000万円余の「有益費」の「返還」を可能にした定期借地契約


①このような取引が可能になった根拠は森友学園の「強い要望」によって締結された2015年5月29日の定期借地契約にあります。ここでは、賃借中に森友学園が土壌汚染、地下埋設物の除去を行い、それによって貸付財産の価格が増大した場合の除去費用を「有益費」とし、国と森友学園が合意した金額を森友学園に「返還」できるとされました(第6条)。実際、森友学園は賃借中の2015年10月16日までに土壌汚染対策法に基づく工事・措置を完了し、2016年3月30日、国から1億3176万円(地下埋設物撤去費8632万4000円と土壌汚染対策費4543万6000円)の「返還」を受けることを合意しました。一方、定期借地契約と同時に締結された「売買予約契約書」で黒塗りにされていた第31条では、森友学園は、土壌汚染・地下埋設物を承知の上で本物件を購入し、これらについて国に対して「瑕疵担保責任」(要するに除去費用)を請求することができないことになっています。森友学園が当初から本物件を時価で購入していた場合、このような「有益費」の「返還」を受けることは困難だったと思われます。
②そもそも、定期借地は、森友学園が本物件を時価で購入できないため、「8年を目途」に内部留保を積み上げ、そのときの時価で購入するためのものでした。しかし、実際の定期借地は1年ほどで終了しており、その間に、むしろ、森友学園が国から多額のお金を得るための手段になっています。これは結果論なのでしょうか。それともこのような「処理スキーム」を指示したり、考えた誰かがいるのでしょうか。追及すべき点だと考えます。


 「(1)本物件を巡る出来事」の数字をみるだけで、そのからくりをきちっと検証する必要があることがわかる。
 ただ、この「(3)1億3000万円余の「有益費」の「返還」を可能にした定期借地契約」については、どうしてこんなことになるのかよく理解できない。
 渡辺弁護士の「以下は『森友学園への不明瞭な国給付』に続く予定。」に期待します。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-24 08:12 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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