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大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更した。

 朝日新聞は2017年11月4日、日本という国の理念のなさを報告する。
 いや、むしろ、そのむごさだけが際立つ。
 朝日新聞は、次のように報じる。


(1)「トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが分かった。改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年4月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることになる。雇用改善を促す法改正が『骨抜き』になりかねない状況だ。」
(2)「2013年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる『「5年ルール』が導入された。申し込みがあれば会社は拒めない。08年のリーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。施行から5年後の18年4月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。」
(3)「改正法には、企業側の要望を受け『抜け道』も用意された。契約終了後から再雇用までの『空白期間』が6カ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されない。これを自動車各社が利用している。」


 これは、安倍晋三政権の「働き方」改革というものの本質を示すもの。
 「国民」は、ネーミングにだまされ、現状の困難さに一抹の不安はあったとしても、やはり「改革」という言葉に何らかの期待感を抱く。
 しかし、そこには、常に「穴」が用意されており、「国民」はより困窮な状況に追い込まれる。
 何故なら、安倍晋三政権の視線は、「国民」には向けられていないから。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-05 12:38 | 書くことから-労働 | Comments(0)

アスベスト(石綿)訴訟の控訴審判決で、東京高裁は一審横浜地裁判決を変更し、国とメーカー四社に総額約三億七千万円の賠償を命じる。

 東京新聞は2017年10月28日、表題について次のように報じた。


(1) 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って肺がんなどになったとして、神奈川県の建設労働者や遺族ら八十九人が、国と建材メーカー四十三社に計約二十九億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十七日、東京高裁で開かれた。永野厚郎裁判長は原告敗訴とした一審横浜地裁判決を変更し、国とメーカー四社に総額約三億七千万円の賠償を命じた。全国で十四件ある同種訴訟で初の高裁判決。地裁も含めて判決が出ている七訴訟のうち、国への賠償を命じたのは七件目、メーカーへの賠償は三件目。」
(2)「東京高裁判決は『医学的な見解などから、国は一九八〇年ごろには重大な健康被害のリスクを把握できた』と認定した。遅くとも八一年までに防じんマスクの着用を義務付け、警告表示などを改めるべきだったと指摘。九五年まで怠ったのは『著しく合理性を欠く』として、原告四十四人への支払いを命じた。一方、メーカーのうちニチアス(東京都中央区)、エーアンドエーマテリアル(横浜市)、エム・エム・ケイ(東京都千代田区)、神島化学工業(大阪市西区)の四社については、製品の製造時期や市場シェアなどから、製品が建設現場で使用されたことが明らかだとして賠償責任を認定。原告三十九人への支払いを命じた。」
(3)「原告は六〇年ごろから建設作業に従事し、肺がんや中皮腫になった労働者と遺族。国とメーカーに、労働者一人当たり三千八百五十万円を求めて提訴。横浜地裁は一二年五月、医学的な見解について今回とほぼ同様の認定をしながら、『国の対策は著しく合理性を欠くとはいえない』として訴えをすべて退けた。」
(4)「原告弁護団の西村隆雄団長は『今回も企業の賠償義務を認めたことで、メーカーの対応も変わってくるだろう。早期解決を国に強く求めたい』と話した。」
(5)「厚生労働省石綿対策室は『国の主張が認められなかった点もあり、厳しい判決と認識している』、ニチアス、エーアンドエーマテリアル、神島化学工業は『主張が認められず、遺憾だ』などとコメントした。」
(6)「<解説>:東京高裁判決は、建設現場の石綿対策に消極的だった国を厳しく批判し、国の責任を認める司法の流れが定着したといえる。これを踏まえ、被害者への補償が不十分な現在の救済制度を早急に改善し、新たな補償の枠組みづくりに国が乗り出すことが望まれる。安価で保湿性と耐火性に優れた石綿は『奇跡の鉱物』といわれ、高度経済成長期の日本で住宅に広く使われた。国の対応が後手に回ったのは、当時の深刻な住宅供給不足も背景にあったとみられる。国内では二〇〇〇年以降も使われたが、一九七二年には世界保健機関(WHO)が発がん性があると発表し、欧州で段階的に使用が禁止していた。肺がんや中皮腫を発症した被害者の多くは高齢で、救済のために残された時間はわずか。現在の石綿健康被害救済制度では、医療費や月約十万円の療養手当が給付されるが、重い障害などに悩まされる被害者の要望とは程遠い。国と建材メーカーの責任を認めなかった一審判決ですら『石綿を含む建材で利益や恩恵を受けた国民全体が補償すべきものとも考えられる』と指摘した。国が中心となり、メーカーとともに新たな基金を創設するなど、被害者に寄り添う対応が急務だ。」(岡本太)


 確かに、東京新聞の「国と建材メーカーの責任を認めなかった一審判決ですら『石綿を含む建材で利益や恩恵を受けた国民全体が補償すべきものとも考えられる』と指摘した。国が中心となり、メーカーとともに新たな基金を創設するなど、被害者に寄り添う対応が急務だ。」、との指摘は非常に重い。




by asyagi-df-2014 | 2017-10-28 20:21 | 書くことから-労働 | Comments(0)

不当労働行為の二件。

 毎日新聞は2017年9月21日、表題について次のように報じた。
まずは、長時間労働のセコム。


(1)警備員に指令を出す「管制員」の社員数人に労使協定の上限を超える長時間残業をさせたとして、警備業最大手のセコム(東京都)が、東京労働局渋谷労働基準監督署から労働基準法違反(労働時間)で是正勧告を受けたことが分かった。
(2)勧告は7月5日付。同社によると、労働組合と変形労働時間制の労使協定を結び、残業の上限を3カ月で120時間以内、繁忙期(合計半年間)は同230時間以内と定めていた。しかし、2016年度に東京都世田谷区内の同社施設に勤務する管制員数人に対し、繁忙期以外にも3カ月で120時間を超える残業をさせたと指摘された。
(3)同社は今月5日、労基署に「離職や人事異動、(天災などの)突発的な業務量の増大が原因」と報告。人員を増やし、今月末までに違法状態は解消される見通しだとしている。変形労働時間制は時期や季節によって仕事量の差が大きい場合に、期間中(セコムの場合3カ月間)の労働が平均で週40時間以内なら、特定の日や週に法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えても残業代を払わなくてよい制度。
(4)同社コーポレート広報部は「是正勧告を受け止め、全国の職場で再発防止に取り組んでいる」と話している。
【早川健人】


 次に、残業代未払いのヤマト。


(1)福岡労働局は20日、宅配最大手のヤマト運輸が博多北支店(福岡市)の配達員に残業代の一部を支払っていなかったとして、同社と同支店の幹部2人を労働基準法違反容疑で福岡地検に書類送検した。労働局側は複数回是正勧告したが改善がみられず、刑事事件化に踏み切った。サービス残業を巡って同社が書類送検されるのは全国初。
(2)送検容疑は、昨年6月16日~7月15日の間、配達員2人に残業代の一部計約15万円を支払わなかったなどとしている。ヤマト運輸は「送検された内容は事実」としている。
(3)福岡労働局によると、ここ数年間に福岡地区でサービス残業が数回発覚し、是正勧告。その後、改めて昨年9月に同支店などを立ち入り調査したところ、積み込みや伝票整理などが労働時間に含まれていないなど改善されていないことが確認された。【遠山和宏】


 確かに、日本が行ってきた『民営化』『規制緩和路線』の実像である。
もたらされたのは、労働者の過酷な日常。
 今後用意されているのは、『働き方改革』というより一層の悲惨。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-26 08:55 | 書くことから-労働 | Comments(0)

連合の迷走を憂う。

 連合は、一部の専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を含む労働基準法改正案について、条件付きで容認する方針を撤回した。
この撤回までの連合の迷走ぶりは、一強の天下を誇っていた安倍晋三政権に露骨にすり寄った結果と映るもので、労働組合の団結を傷つけるものとなった。
 この問題について、2017年7月29日から31日の間に、山陰中央新報、琉球新報、茨城新聞、北海道新聞の四紙が社説・論説を掲げた。
 まずは、連合迷走の経過と各紙の主張を要約する。


Ⅰ.経過


経過1:連合は「残業代ゼロ」で労働者を働かせる制度だとして新制度に反対してきたが、神津里季生会長が安倍晋三首相に健康確保措置を拡充する修正案を示し、7月中に政労使のトップ会談で修正に合意する方向となっていた。しかし、傘下の労働組合などから反対の声が続出したため、27日の中央執行委員会で方針を転換した。(山陰中央新報)
経過2:神津会長は組織内に混乱を招いたとして謝罪した。経緯を丁寧に説明し信頼を回復する努力が欠かせないが、果たして納得が得られるだろうか。何らかのけじめをつけるよう求める声が高まるかもしれない。(山陰中央新報)
経過3:「安倍1強」の中で、原案通り成立するよりは妥協して修正案を出す方が得策との考えが働いたようだ。だが、支持率が低下して屋台骨がぐらついている安倍政権に、結果的に助け船を出した形になっていた。(琉球新報)
経過4:連合の修正案では、新制度が定めている健康確保措置を強化し、年間104日の休日の確保を義務付けることなどを盛り込んだ。しかし、修正案は企業に対する要求が緩やかで、働き過ぎを防止する効果は極めて疑わしい。「新制度には反対」と言いながら政府に修正を求めるやり方そのものが分かりにくく、批判が起きたのは当然である。執行部が政府と水面下で折衝し、修正を要請する直前まで組織内に説明しなかったことも、独走だとして不信感を高めている。修正提案は、新制度の導入が阻止できないなら少しでもましな制度にする方がよいという判断ゆえだろう。(茨城新聞)
経過5:改正案の国会審議が2年以上も先送りされている状況で、政府を助けるような提案をするのは理解できない。連合は安倍政権に接近し過ぎているとの批判がある。政権との距離感に問題はないか顧みるべきだ。(茨城新聞)
経過6: 神津会長は組織内に混乱を招いたとして謝罪した。経緯を丁寧に説明し信頼を回復する努力が欠かせないが、果たして納得が得られるだろうか。何らかのけじめをつけるよう求める声が高まるかもしれない。(茨城新聞)
経過7:高度プロフェッショナル制度は、第1次安倍晋三政権が導入しようとして果たせなかった「ホワイトカラー・エグゼンプション」の焼き直しである。「残業代ゼロ」で際限なく働かされかねないとして、労働界が強く抵抗してきた。しかも、いったん導入されれば、対象が拡大する恐れがあり、第2次安倍政権でも、国会で2年以上たなざらしとなってきた。(北海道新聞)
経過8:政府は、残業時間の上限規制と抱き合わせにして、秋の臨時国会に提案する方針だ。連合執行部は、上限規制の「実を取る」ため、歩み寄ったとされるが、理解に苦しむ。
残業上限の「月100時間未満」は、国の過労死ラインと変わらない。論外の緩さだ。連合が提案した修正案の中身も実効性が疑わしい。健康確保措置として「年104日以上の休日取得」を義務付け、「2週間連続の休日取得」「臨時の健康診断」などの条件の中から労使に選ばせる内容だ。多くの企業が、臨時の健康診断を選ぶとみられる。これでは、過労を食い止めるどころか、長時間労働の「免罪符」に利用される懸念もある。(北海道新聞)


Ⅱ.主張


(山陰中央新報)
(1)執行部が政府と水面下で折衝し、修正を要請する直前まで組織内に説明しなかったことも、独走だとして不信感を高めている。修正提案は、新制度の導入が阻止できないなら少しでも良い制度にするという判断だろう。しかし、改正案の国会審議が2年以上も先送りされている状況で、判断は正しかったのか。野党側からは、連合は安倍政権に接近し過ぎているとの批判がある。政権との距離感に問題はなかったかチェックも必要だ。
(2)新制度の内容を再検討すると、政府は時間に縛られない効率的な働き方ができると説明するが、違法なサービス残業がはびこる現状では、新制度は長時間労働を助長する懸念が強い。政策の順番として、長時間労働の抑制を先行させるべきではないか。
(3)年収要件が引き下げられ、適用対象が拡大される可能性も否定できない。経団連はしばしば年収要件の引き下げに言及してきた。新制度をアリの一穴として、残業代ゼロの働き方を広げるのが経営側の本音ではないかと疑われても仕方ない。
(4)これほど働く人に影響の大きい制度を十分に議論しないまま導入するようなことがあってはならない。連合はあらためて新制度の問題点を厳しく指摘すべきであり、政府も労基法改正案の成立を急いではならない。まず徹底的に議論することが必要だ。


(琉球新報)
(1)働く人を守る労働組合として当然の結論だ。
(2)一方で政府は、連合が要請した休日確保措置などを盛り込んで修正する方針だ。残業規制を含む働き方改革関連法案とセットでの成立をもくろんでいる。水と油のような両法案を切り離し、過重労働や残業時間の規制を優先して徹底審議するよう強く求める。
(3)労働者を守る組織として存在意義を見失った独断は、厳しく非難されるべきだ。目を向けるべきは、政権にすり寄ることではなく、働く者の健康と権利を守ることだ。
(4)連合が要請した条件は、年収1075万円以上の専門職に、「年間104日の休日」を義務化した上で「連続2週間の休暇取得」「勤務間インターバルの確保」「臨時の健康診断」など4項目から労使に選ばせる内容だった。しかし、新制度導入を推進する経団連は、第1次安倍政権時代に「年収400万円以上」と主張していた。一度、新制度が成立してしまうと、アリの一穴で制限は緩和され、長時間労働が増えていくのは火を見るより明らかだ。
(5)政府は連合の主張を取り込み、秋の臨時国会に提案する構えだ。2015年に提案後2年以上一度も審議されてこなかったので、まずは審議入りを目指す狙いなのだろう。
政府が狡猾(こうかつ)なのは、残業時間の上限規制を盛り込んだ「働き方改革法案」と、新制度を導入する「労働基準法改正案」を一本化して一括審議を図る点だ。残業規制を人質にしているとしか思えない。
(6)最優先すべきは長時間労働の抑制だ。法案を切り離して別個に審議した方がいい。
 過重労働の改善は喫緊の課題であり、時代の要請である。県内484企業を対象にした調査でも56%が働き方改革に取り組んでいると答えた。
 働く者の健康や生命に関わる残業時間抑制の法案を優先して早期に成立させ、残業代ゼロ法案は廃案にすべきだ。


(茨城新聞)
(1)新制度の内容を再検討すると、あらためて問題が多い制度だと言わざるを得ない。政府は時間に縛られない効率的な働き方ができると説明するが、違法なサービス残業がはびこる現状では、新制度は長時間労働を助長する懸念が強い。順番として、長時間労働の抑制を先行させるべきではないか。
(2)年収要件が引き下げられ、適用対象が拡大される可能性も否定できない。経団連はしばしば年収要件の引き下げに言及してきた。新制度をアリの一穴として、残業代ゼロの働き方を広げるのが経営側の本音ではないかと疑われても仕方ない。
(3)これほど働く人に影響の大きい制度を十分に議論しないまま導入するようなことがあってはならない。連合はあらためて新制度の問題点を厳しく指摘すべきであり、政府も労基法改正案の成立を急いではならない。まず徹底的に議論することが必要だ。


(北海道新聞)
(1)容認方針の撤回は当然である。傘下の組織に十分な説明もなく、政府や経団連と水面下で調整し、結果的に大きな混乱を招いた執行部の責任は重い。労働者の権利を守る組織という原点に立ち、信頼の回復に全力を尽くさねばならない。
(2)連合が修正合意を見送っても、政府は、労基法改正案に連合の修正案を反映させるようだ。残業時間の上限規制を柱とした働き方改革関連法案の成立を急ぐ姿勢も変えていない。あまりに乱暴なやり方だ。労働側の言い分も一応聞いたという体裁だけ繕って、明確な歯止めを欠いたまま、長時間労働を助長しかねない制度を法制化するのは言語道断である。


 さて、ここで、各紙を参考に、連合迷走の経過をまとめると次のようになる。


Ⅰ.連合は、「『残業代ゼロ』(高度プロフェッショナル制度)で労働者を働かせる制度だとして新制度に反対してきたが、神津里季生会長が安倍晋三首相に健康確保措置を拡充する修正案」を示した。つまり、『残業代ゼロ』を飲み込むことと組織の維持を天秤にかけ、自らの権力維持の方を選んだ。
Ⅱ.そもそも、この「残業代ゼロ」(高度プロフェッショナル制度)は、「第1次安倍晋三政権が導入しようとして果たせなかった『ホワイトカラー・エグゼンプション』の焼き直しである。『残業代ゼロ』で際限なく働かされかねないとして、労働界が強く抵抗してきた。しかも、いったん導入されれば、対象が拡大する恐れがあり、「第2次安倍政権でも、国会で2年以上たなざらしとなってきた。」、という代物であったにもかかわらずである。
Ⅲ.連合の修正案は、「新制度が定めている健康確保措置を強化し、年間104日の休日の確保を義務付けることなどを盛り込んだ。しかし、修正案は企業に対する要求が緩やかで、働き過ぎを防止する効果は極めて疑わしい。」というものであった。また、「『新制度には反対』と言いながら政府に修正を求めるやり方そのものが分かりにくい」、というものでもあった。
Ⅳ.この連合の修正案は、「残業上限の『月100時間未満』は、国の過労死ラインと変わらない。論外の緩さだ。連合が提案した修正案の中身も実効性が疑わしい。健康確保措置として『年104日以上の休日取得』を義務付け、『2週間連続の休日取得』『臨時の健康診断』などの条件の中から労使に選ばせる内容だ。多くの企業が、臨時の健康診断を選ぶとみられる。これでは、過労を食い止めるどころか、長時間労働の『免罪符』に利用される懸念もある。」、というものでしかない。
Ⅴ.連合が今回起こした問題は、「批判が起きたのは当然である。執行部が政府と水面下で折衝し、修正を要請する直前まで組織内に説明しなかったことも、独走だとして不信感を高めている。」、とマスコミに捉えられるものであった。
Ⅵ.さらに、一強の天下を誇っていた安倍晋三政権に露骨にすり寄った結果ではないかと、「改正案の国会審議が2年以上も先送りされている状況で、政府を助けるような提案をするのは理解できない。連合は安倍政権に接近し過ぎているとの批判がある。政権との距離感に問題はないか顧みるべきだ。」、とまでマスコミに批判されてしまっている。



 こうした連合迷走の経過からわかることの一つは、連合が深刻な内部課題を負ったということである。。
 連合のこれからは、連合という組織が、「労働者の権利を守る組織という原点に立ち、信頼の回復に全力を尽くさねばならない。」(北海道新聞)、との指摘を受け入れることができるかということにある。言はば、働く人を守る労働組合の立場を徹底的に貫くことができるかが問われている。
 何故なら、実は、「政府が狡猾(こうかつ)なのは、残業時間の上限規制を盛り込んだ『働き方改革法案』と、新制度を導入する『労働基準法改正案』を一本化して一括審議を図る点だ。残業規制を人質にしているとしか思えない。」、というのが当たり前の情勢分析であるはずなのに、連合は、意図的にこの情勢分析を否定したのである。
 もっと言えば、「最優先すべきは長時間労働の抑制だ。法案を切り離して別個に審議した方がいい。」(琉球新報)、との判断は市井に生きる労働者にとっては、生死の鍵を握るものであるはずなのにである。
 最後に、連合や安倍晋三政権に、山陰中央新報の次の訴えは、届くのか。
連合の役目は、まだ生きているのかということが問われている。


 これほど働く人に影響の大きい制度を十分に議論しないまま導入するようなことがあってはならない。連合はあらためて新制度の問題点を厳しく指摘すべきであり、政府も労基法改正案の成立を急いではならない。まず徹底的に議論することが必要だ。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-10 05:36 | 書くことから-労働 | Comments(0)

連合は、中央執行委員会で「残業代ゼロ」容認の撤回を決定。

 朝日新聞は2017年7月27日、標題について次のように報じた。


(1)連合は27日午前、札幌市で開いた臨時の中央執行委員会(中執委)で、専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の政府案の修正に関する「政労使合意」を見送る方針を正式に決め、発表した。神津里季生(こうづりきお)会長らが同日正午過ぎに記者会見を開き、高プロの「条件付き容認」を撤回する判断に至った経緯などを説明した。
(2)中執委は、傘下の産別や地方組織の幹部で構成される連合の意思決定機関。主要産別の幹部でつくる三役会で26日に見送りの方針を確認。中執委にこの方針を諮り、了承を得た。
(3)連合は高プロを「残業代ゼロ法案」と強く批判してきたが、執行部の一部が主導して条件付きの容認に転じた。この唐突な方針転換に対し、傘下の産別や地方組織から異論が噴出。組織の混乱の収拾を優先して合意を結ぶ方針を撤回し、従来の反対に立場を戻すことにした。政労使合意は見送るが、高プロの政府案に対し、働き過ぎを防止する対策を強化する修正を求めた要請は撤回しないという。
(4)中執委の出席者によると、会議の冒頭、神津氏と逢見(おうみ)直人事務局長が『組織的混乱を招いた。みなさんに迷惑をかけて申し訳なかった』とそれぞれ陳謝した。執行部の責任を問う声は出なかったという。
(5)連合は27日、高プロを含む労働基準法改正案について、『修正のみの政労使合意を模索したが、この趣旨についての一致点は現時点で見いだせない。よって、政労使合意の締結は見送ることとする』などとする逢見事務局長名の談話を発表した。」


 どうしても理解できないことは、朝日新聞の伝える「政労使合意は見送るが、高プロの政府案に対し、働き過ぎを防止する対策を強化する修正を求めた要請は撤回しない」、「執行部の責任を問う声は出なかった」、ということである。
 この間の経過が示しているものは、連合が自らの命運を、政府により近づくことによって達成しようとしたことである。この中で、連合が犯した過ちは、労働者の命と、自らの組織の「命運」を、天秤にかけてしまったということではなかったのか。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-27 17:29 | 書くことから-労働 | Comments(0)

連合は、「残業代ゼロ法案」の容認を撤回へ。

 この間の経緯は、「醜態」そのものでしかない。
 いや、組織労働者に絶望感を味合わせた連合幹部の罪は重い。


 毎日新聞は2017年7月26日、標題について次のように報じた。


(1)成果型労働制といわれる「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)導入を含む労働基準法改正案の修正を政府に求めて容認する姿勢を示していた連合が一転、高プロの政労使合意を見送る方針を固めたことが関係者への取材で分かった。
(2)連合は、所得の高い一部の専門職を労働時間の規制から外す高プロ導入を「過労死を助長する」として2年以上反対し、改正案を「残業代ゼロ法案」と批判してきた。ただ、連合は「年104日以上の休日確保」を義務付けるなどの修正案を示し、高プロを容認する方向にかじを切っていた。
(3)27日に札幌市で中央執行委員会を開き、高プロの事実上容認を撤回して反対へ転ずる。27日に延期されていた政労使会談は、中止される見通し。政府は秋の臨時国会で高プロ導入と裁量労働制拡大、残業時間の上限規制を盛り込んだ改正案を可決・成立させる方針だった。連合の神津里季生(こうづりきお)会長は13日に改正案の修正を安倍晋三首相に申し入れた際、「(与党多数の)政治状況の中で(健康確保措置が)不十分なまま改正案が(残業規制と一括で)成立してしまうことは耐えられない」としていた。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-26 12:45 | 書くことから-労働 | Comments(0)

残業代ゼロ法案で、労働者の命は守れるのか。-琉球新報社説20170716より-

 朝日新聞は2017年7月11日、この問題について、何が起きているのかを次のように報じている。


(1)連合は、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、政府に修正を求める方針を固めた。近く神津里季生(こうづりきお)会長が安倍晋三首相と会談し、要請が認められれば同制度の導入を容認する構えだ。ただ、こうした執行部の方針に連合の組織内で強い反発が出ている。
(2)政府は同制度の導入を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出済みだ。3月にまとまった「働き方改革実行計画」は、改正案の早期成立を目指すと明記。政府は今秋の臨時国会で審議する予定だ。改正案は、為替ディーラーなど年収が1075万円以上の専門職を対象に、年104日以上の休日取得▽労働時間の上限設定▽終業から始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」の導入――から何らかの対策を講じることを条件に、残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が一切払われなくなるという内容だ。


 問題は、「残業代ゼロ法案」で労働者の命は守れるのか、ということである。
琉球新報は2017年7月17日、「残業代ゼロ法案 働く者の命守れるのか」、と社説を掲げた。
 これを基に考える。
琉球新報は、まず、「働く者の命や権利を守る労働組合として、果たして妥当な判断だろうか。『残業代ゼロ法案』として批判されてきた制度の導入を、連合が条件付きで容認した。この方針転換で法案成立の公算が大きくなり、長時間労働や過労死に拍車が掛からないか、強く懸念する。連合は働く者を守る原点に返り、容認方針を撤回すべきだ。」、と明快に答えを示す。
また、琉球新報はその理由を次のように示す。


(1)今回の制度は、高収入の一部専門職を残業代支払いなどの労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」が柱だ。年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発などの専門職が対象で、残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が支払われない。
(2)2015年に閣議決定されたが、野党や過労死遺族からの反対が根強く、2年以上も塩漬けになっていた。連合も強く反対してきたが、健康確保対策の強化という条件を付ける形で容認に転じた。唐突感が拭えず、政治的駆け引きに屈したとしか思えない。
(3)連合は、政府から水面下で働き方改革の残業規制と抱き合わせでの受け入れを迫られたという。このため、労働基準法改正案が現行案で成立するよりは、修正という形で実を取った方がいいと判断した。連合の神津里季生(りきお)会長が安倍晋三首相と面談して修正を求め、政府は応諾した。修正点は「年間104日以上かつ4週間で4日以上の休日取得」を義務付けた上で、「勤務間インターバルの確保」「連続2週間の休暇取得」「臨時の健康診断」などの選択肢から労使に選ばせるという内容だ。
(4)しかし、この条件だけでは、働き過ぎを助長するという法案の問題点は改善できない。会社から過大な成果や仕事を求められる心配があり、健康診断さえ受ければ際限なく働けるともなりかねない。長時間労働の歯止めになるのか、極めて疑わしい。
(5)さらに、連合自体が従来批判してきたように、「残業代ゼロ」制度がいったん導入されると、規制が徐々に緩められていく恐れは残る。実際、経済界からは対象拡大のために年収要件を下げるべきだとの声が既に出ている。


 琉球新報は、連合の判断の過ちを次のように指弾する。


(1)連合の「変節」には内部や傘下労組から批判が噴き出している。政権に接近し、労働者の立場をなおざりにしたともいえる動きは不可解だ。
(2)今回の労基法改正案には、決められた時間を超えて働いても残業代が支払われない『裁量労働制』の対象拡大も盛り込まれている。長時間労働対策に逆行する法案だ。過労死や長時間労働の解決策は喫緊の課題だ。電通の違法残業事件を機に政府も重い腰を上げ、働き方改革に取り組むようになった。だが、働き方改革関連法案と「残業代ゼロ」法案を国会で一括審議する方針だ。相いれない法案同士をセットで通すやり方はおかしい。
(3)働く者を守るため、廃案を求めていくことこそが労働団体としての連合の本分ではないか。


 確かに、どう考えても、「働く者を守るため、廃案を求めていくことこそが労働団体としての連合の本分ではないか。」、ということが、労働者の命は守れるのかについての答えだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-23 07:44 | 書くことから-労働 | Comments(0)

連合よ。今やろうとしていることは、間違っている。

 全国コミュニティユニオン連合会(全国ユニオン)は2017年7月12日、「労働基準法等改正法案に関する要請書(案)に反対する声明」を発表し、高度プロフェッショナル制度などを容認することを内容とする、要請書を政府に提出しようとする連合に対して、「否」を突きつけた。
 この「声明」では、次の二点にわたって問題点を指摘する。


Ⅰ.連合という組織上の問題点


(1)7月8日、共同通信のインターネットニュースで、現在、国会に提出されたままになっている労働基準法改正案について、連合が政府に修正を申し入れることが報じられました。その後、他の新聞各紙で同様の報道が相次ぎます。
(2)週が明けて7月10日、突如として「『連合中央執行委員会懇談会』の開催について」という書面が届き、出席の呼びかけがありました。開催は翌11日で、議題は「労働基準法改正への対応について」です。異例ともいえる「懇談会」で提案された内容は、報道どおり労働基準法改正案に盛り込まれている「企画業務型裁量労働制」と「高度プロフェッショナル制度」を容認することを前提にした修正案を要請書にまとめ内閣総理大臣宛に提出するということでした。
(3)しかし、連合「2018~2019年度 政策・制度 要求と提言(第75回中央委員会確認/2017年6月1日)」では、雇用・労働政策(※長時間労働を是正し、ワーク・ライフ・バランスを実現する。)の項目で「長時間労働につながる高度プロフェッショナル制度の導入や裁量労働制の対象業務の拡大は行わない。」と明言しており、明らかにこれまで議論を進めてきた方針に反するものです。労働政策審議会の建議の際にも明確に反対しました。ところが、逢見事務局長は「これまで指摘してきた問題点を文字にしただけで方針の転換ではない」など説明し、「三役会議や中央執行委員会での議論は必要ない」と語りました。まさに、詭弁以外何物でもなく、民主的で強固な組織の確立を謳った「連合行動指針」を逸脱した発言と言っても過言ではありません。しかも、その理由は「働き方改革法案として、時間外労働時間の上限規制や同一労働同一賃金と一緒に議論されてしまう」「圧倒的多数の与党によって、労働基準法改正案も現在提案されている内容で成立してしまう」ために、修正の要請が必要であるとのことでした。
(3)直近の時間外労働時間の上限規制を設ける政労使合意の際も、私たちはマスメディアによって内容を知り、その後、修正不能の状況になってから中央執行委員会などの議論の場に提案されるというありさまでした。その時間外労働時間の上限規制と、すでに提出されている高度プロフェッショナル制度に代表される労働時間規制の除外を創設する労働基準法改正案とを取引するような今回の要請書(案)は、労働政策審議会さえ有名無実化しかねず、加えて、連合内部においては修正内容以前に組織的意思決定の経緯及び手続きが非民主的で極めて問題です。また、政府に依存した要請は、連合の存在感を失わせかねません。


Ⅱ.高度プロフェッショナル制度の問題点


(1)高度プロフェッショナル制度については、法案提出当初の2015年4月24日には、塩崎厚生労働大臣が経済人の集まる会合の場で「小さく生んで大きく育てる」などと語ったことが報じられています。こうした発言を鑑みても法律が成立してしまえば、労働者派遣法のように対象者が拡大していくことは火を見るよりも明らかです。また、裁量労働制についても、年収要件などがなく対象者が多いだけに問題が大きいと考えます。
(2)私たち全国ユニオンは、日々、長時間労働に苦しむ労働者からの相談を受けており、時には過労死の遺族からの相談もあります。過労死・過労自死が蔓延する社会の中、長時間労働を助長する制度を容認する要請書を内閣総理大臣宛に提出するという行為は、働く者の現場感覚とはあまりにもかい離した行為です。加えて、各地で高度プロフェッショナル制度と企画業務型裁量労働制の反対運動を続けてきた構成組織・単組、地方連合会を始め、長時間労働の是正を呼び掛けてきた組合員に対する裏切り行為であり、断じて認めるわけにはいきません。また、このままでは連合は国民・世論の支持を失ってしまうおそれがあります。


 最後に、「声明」は連合に対して次の要求を突きつける。


 シカゴの血のメーデーを例にとるまでもなく、労働時間規制は先人の血と汗の上に積み上げられてきました。私たち労働組合にかかわる者は、安心して働くことができる社会と職場を後世に伝えていくことが義務であると考えます。今回の政府に対する要請書の提出は、こうした義務を軽視・放棄するものに他なりません。全国ユニオンは、連合の構成組織の一員としても、政府への要請書の提出に強く反対します。


 確かに、連合よ。今やろうとしていることは間違っている。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-21 06:35 | 書くことから-労働 | Comments(0)

連合への疑問、怒り。「残業代ゼロ法案」を連合は容認へ方針転換という。

 「残業代ゼロ法案」を連合が容認。
 私自身は労働現場を離れた身ではあるが、どうしてこんなことが許されるのか。
 現状認識の問題であり、「苦渋の選択」とでも言いたいのか。
 「3.11」は、単に原発問題だけを問うたのでなない。 すべての「現状認識」を告発したはずであるのに。


 朝日新聞は2017年7月11日、何が起きているのかについて、次のように報じた。


(1)連合は、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、政府に修正を求める方針を固めた。近く神津里季生(こうづりきお)会長が安倍晋三首相と会談し、要請が認められれば同制度の導入を容認する構えだ。ただ、こうした執行部の方針に連合の組織内で強い反発が出ている。
(2)政府は同制度の導入を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出済みだ。3月にまとまった「働き方改革実行計画」は、改正案の早期成立を目指すと明記。政府は今秋の臨時国会で審議する予定だ。改正案は、為替ディーラーなど年収が1075万円以上の専門職を対象に、年104日以上の休日取得▽労働時間の上限設定▽終業から始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」の導入――から何らかの対策を講じることを条件に、残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が一切払われなくなるという内容だ。


 つまり、連合は、政府に修正を求めるとはしているが、残業代ゼロ制度である「高度プロフェッショナル制度」の導入を受け入れるというのだ。
 当然のことであるが、朝日新聞はこの連合執行部の策動の意味について、「野党は『残業代ゼロ法案』などと批判しており、2015年4月に国会に提出されてから審議はされていない。連合も『長時間労働を助長する』などとして法案の取り下げを求めてきたが、これまでの主張を事実上転換する。」、と押さえる。
 また、連合内部の様子を次のように伝える。


(1)連合は、同制度の健康確保措置を手厚くするよう政府に要請する。具体的には、年104日以上の休日取得を企業に義務づけるとともに、労働時間の上限設定▽勤務間インターバル制度▽2週間連続の休日取得▽心身の状況に応じて臨時の健康診断の実施――などから複数の対策の実施を求める。
(2)こうした方針は今月8日に、連合の事務局から傘下の主要産別の幹部に伝えられた。突然の方針転換に、組織内から異論が噴出している。主要産別の幹部は「ずっと反対してきたのに、組織内の議論を経ずに突然方針を変えますと言われても困る。組合員は納得してくれない」と戸惑いを隠さない。


 もしかしたら、連合は自分を守るために、、安倍晋三政権に寄り添うことを最善策と判断しているのかもしれない。
 しかし、大きな過ちである。
 安倍晋三政権の偽りの「成長戦略」に身を委ねることは、労働者の首を自ら絞めることでしかない。
 例えば、毎日新聞記者の東海林智は、2017年7月10日と11日のFBで、このことを痛烈に批判した。
 東海林智はまず最初に、「今は。新潟の地におり、最前線で取材していないが、これは、一体どういうことなんだ。昨年10月に異動するまで、この件で方針を変更するつもりはないかと記者会見で毎回尋ね、同じ事ばかり聞くな(とは言わないが)というように「変わらない」と言ってたのにね。毎回聞いたのは、連合を信じていないからだけどさ、毎回最後はきれいに労働者を裏切って『頑張りました』『これが精一杯』と言い訳するからだ。」、と嘆く。
 そして、「クソだ。」、とその心情を吐露する。
 この上で、次のように分析する。


①この記事を読む限り、方針転換は幅広い議論がなされた様子はうかがえないが、重要な方針転換を何の議論もなしに決める組織なのか?この制度に反対して一所懸命やっていた連合内の組織だってあった。そんなんでいいの?
②都議選の惨敗で安倍政権が青息吐息の状態で、残業代ゼロ制度は労働側のがんばりでつぶせるかも知れない展望が出てきた中で、なぜこんな妥協をはかるのか。敵に塩を送るどころでない。連合は残業代ゼロ制度を求めていたということか。潰れそうなゼロ制度に手をさしのべるのは労働者に対して犯罪的な行為だ
③長時間労働を本気で撲滅したいと考える過労死家族の会はこの制度に強く反対している。連合の集会にも彼女ら彼らを呼び、連帯の挨拶まで受けていた。連合は彼女ら彼らに対して、この制度に反対することを約束していた。過労死家族にウソをつくのか、そして、連合は本気で長時間労働の是正は考えていないということなんだな


 東海林智は、「あきれてモノも言えないとはこのことだ。あなた方は、本当に働く者からの信頼をなくすからな。言いたいことは山ほどあるが、少し冷静になるため、これ以上はやめるけど。涙が出るほど腹立たしい。次に連合会長になるという人の首相・安倍への手土産か?恥ずかしい。労働者の命を土産にすんのか?」、と吠える。
また、東海林智は翌11日、「連合転向の背景は・・・」、と次のように記す。


 政府の提案する残業代ゼロ制度を巡り、連合は反対から制度容認に〝転向〟した。昨晩から今朝にかけて、連合幹部や関係者に電話して背景を探った。多くが、「法案を裸のまま通す訳にはいかない」「労働者を守る実を取らなければならない」と大組織としての〝大人〟の判断であることを強調していた。そんなの2年以上反対してきた制度を容認する理由にならない。なぜ、今なんだ。昨日も書いたが、都議選で惨敗し、法案断念へ持ち込める展望が開けた中で、なぜ、認める?
 労働者の命を守る根本の制度である時間規制に1点でも穴を空けたら、そこから制度は決壊すると言っていたのはどこの誰だ。連合傘下の組合で、その言葉を信じて、熱心に反対運動を展開してきた仲間に恥ずかしくないのか。
 神津会長からして共同通信の取材に「そもそも制度は必要だとは思っていない」と言っているではないか。それでも、認めるんだね。必要ないものを「健康管理が今の仕組み(政府案)では犠牲を生じかねない」という理由で、健康確保措置の強化を言って、認めるんだ。あなた方は派遣法もそうやって認めてきた。派遣法は今、どうなっている?残業代ゼロ制度を容認して、一点突破で派遣法のように対象が拡大されて、日本の労働者から残業という概念が奪われるだろうね。もちろん、私の時間も。
 連合の責任は重大だ。ある幹部は「私たちは東海林さんのように反対だけ言っていれば良いわけじゃないから。具体的に労働者を守らなければならない」と言った。労働時間規制という労働者の命を守る規制を守り切れなかった組織が何を言うのか。本当に労働者の命を守りたいなら、考え直せ。心ある連合の仲間は不服従で闘うべきだ。


 またぞろ囁かれる現実的対応。
 今回は、「具体的に労働者を守らなければならない」、と。
「戦争法」、「共謀罪」法が施行されている状況下での裏切り行為は、日本国憲法を裏切る。
 いや、日本国憲法改悪に舵を切ることになる。
 最後に、日本弁護士連合会2015年8月7日の「『日本再興戦略』改訂2015」における労働規制緩和に反対する会長声明の一部をもう一度を確認する。
 そこには、「高度プロフェッショナル制度」について次のように指摘されている。


 改訂戦略が働き過ぎ防止のための取組強化を提言していることは首肯できる。「高度プロフェッショナル制度」は、この「働き過ぎ防止」の方向性と矛盾する。長時間労働の蔓延、過労死及び過労自殺が後を絶たない深刻な現状においてこの制度を導入すれば、適用対象者における長時間労働を抑制する法律上の歯止めがなくなる等、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた際限のない長時間労働が助長され、労働者の心身の健康悪化や、過労死・過労自殺の増加を助長することにもなりかねない。


 そうなのだ。すべての者が、不服従で闘う時がきている。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-15 06:04 | 書くことから-労働 | Comments(0)

東京簡裁は、労働基準法違反罪で法人の電通を略式起訴した東京地検の処分について、正式な裁判を開くことを決めた。

 果たして、電通の刑事責任が明らかにされるのか。
 しかし、公開の法廷が開かれるのはその一歩だ。
 朝日新聞は2017年7月12日、標題について次のように報じた。


(1)広告大手電通の違法残業事件で、東京簡裁は12日、労働基準法違反罪で法人の電通を略式起訴した東京地検の処分について、書面審理だけで量刑を決める略式命令を出すのは「不相当」と判断し、正式な裁判を開くことを決めた。電通の刑事責任が公開の法廷で問われることになる。
(2)「不相当」の決定は、過去の違法残業事件でも出されたことがある。大阪区検が略式起訴したレストラン経営会社「サトレストランシステムズ」とスーパーマーケット経営会社「コノミヤ」について、大阪簡裁は3月に相次いで「不相当」と判断。正式な裁判を開いた。
(3)電通事件を巡っては、地検が今月5日、違法残業を防ぐ対策が不十分だったとして、法人としての電通に罰金刑を求めて略式起訴。一方で、東京本社の部長3人については、部下に違法労働をさせていたことは認定しつつ、悪質性がなかったなどとして不起訴処分にしていた。捜査は昨年9月、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)の自殺が労災認定されたことがきっかけだった。当時の電通の社長が管理責任を取って辞任。後任の山本敏博社長も地検や厚生労働省の任意聴取に、残業を防ぐ労務管理の不十分さを認めた。
(4)厚労省は今年4月までに、高橋さんの上司だった東京本社の管理職を含め、関西(大阪市)、中部(名古屋市)、京都(京都市)各支社の幹部計4人を書類送検。捜査の過程で、本社の非正社員の増加により、労働時間に関する労基法上の「36(サブロク)協定」が一時、無効になっていたことも発覚した。
(5)電通は12日、「裁判所の判断に従い対応いたします」とコメントを出した。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-13 14:57 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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