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検察当局は、電通を労働基準法違反(時間外労働)容疑で刑事処罰を求める方針。

 朝日新聞は、標題について次のように報じた。


(1)広告大手の電通で新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が長時間労働で自殺した問題で、労使が決めた上限時間を超える長時間労働が社内で広く行われていたとして、検察当局は法人としての同社を立件し労働基準法違反(時間外労働)容疑で刑事処罰を求める方針を固めた模様だ。
(2)厚生労働省は25日、中部(名古屋市)、関西(大阪市)、京都(京都市)の3支社でも違法な長時間労働をさせていたとして、3支社の幹部計3人と法人としての電通を労働基準法違反の疑いで書類送検した。検察当局はこれを受けてさらに実態解明を進め、悪質性などを調べる。
(3)電通への捜査は、2015年12月に高橋さんが長時間労働の末に自殺し、16年9月に労災認定されたことがきっかけだった。厚労省は昨年12月28日、高橋さんの上司だった幹部と法人としての電通を書類送検。検察当局も、自らの判断で勤務時間を決めにくい若手社員らを中心に、出退社時間やパソコンのログイン記録、メールの送信履歴などを集中的に調べていた。厚労省はその後、電通関西支社(大阪市)など3支社の幹部を含む関係者を聴取。今月20日には山本敏博社長からも任意で事情を聴いた。
(4)その結果、電通本社や複数の支社で、労使が結んだ時間外労働の上限時間を超えて違法な長時間労働が広範囲に行われていたことが判明。検察は法人としての刑事責任を問うことが可能だと判断した模様だ。
(5)労働基準法は、違法な時間外労働の罰則として、法人に対し30万円以下の罰金刑を定めている。ただ、複数の違反があれば加算される可能性がある。厚労省は労務担当の役員を含む複数の幹部らについては、違法残業の認識について十分な証拠が得られず、書類送検を断念した。厚労省による一連の捜査はこれで終結する。





by asyagi-df-2014 | 2017-04-26 12:24 | 書くことから-労働 | Comments(0)

「最低賃金、時給1500円なら夢ある」、と若者がデモ。

東京の新宿で、主催者の集計では約1500人が参加したデモが行われた。
 このことについて、朝日新聞は2017年4月16日、「労働者の最低賃金を時給1500円に引き上げることを求めて運動している若者のグループ『エキタス』が15日、東京・新宿でデモをした。東京都庁近くの公園を出発し、高層ビル街や新宿駅南口、歌舞伎町などを巡りながら、『最低賃金いますぐ上げろ』『税金つかって貧困なくせ』と訴えた。」(吉沢龍彦)、と若者たちの声を伝えた。
 また、この「エキタス」について、「エキタスは2015年秋から活動し、20代の若者が多く参加している。小気味よいビートに訴えを乗せ、最低賃金の引き上げをはじめ、経済格差の解消や長時間労働の是正も求めている。」、と報じている。
 さらに、朝日新聞は、このデモの要求等についても次のように伝えている。


(1)今回のデモでは、既存の労働組合にも連帯を呼びかけた。「若い人が参加しやすいように、見た目を重視して遠慮してもらっていた」というのぼりや旗の持ち込みも初めて歓迎したところ、連合(日本労働組合総連合会)や全労連(全国労働組合総連合)などの傘下組合のメンバーも多く集まった。主催者の集計では約1500人が参加したという。
(2)都道府県ごとに定められている最低賃金は現在、最も高い東京都でも時給932円で、最低の宮崎、沖縄両県は714円と目標の1500円の半額以下。仮に時給1500円で週40時間働くと、4週間で24万円になる計算だ。
(3)若者たちは「1500円は『健康で文化的な最低限度の生活』に必要な最低限の金額です」「1000円じゃなくて1500円と言うのは、ちょっと夢があるから。夢があるというのは(生活の)リアリティーがあるということ」と訴えた。(吉沢龍彦)





by asyagi-df-2014 | 2017-04-16 20:53 | 書くことから-労働 | Comments(0)

安倍晋三政権は、「働き方改革実行計画」をまとめる。

 毎日新聞は2017年3月29日、標題について次のように報じた。


(1)政府は28日、「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)を開き、2017年度から10年間に実施する施策を盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめた。政府は秋の臨時国会に関連法案を提出し、2019年度施行を目指す。
(2)同一労働同一賃金では、時間外労働の割増率や各種手当に関しては同一の支給を求めた。一方、基本給では業績や能力などに応じた待遇差を認めた。ただし、待遇差に合理性があるかどうか、企業側に従業員に対する説明義務を課す。また、派遣労働者の賃金水準が派遣先の変更で変わることを防ぐ方策も盛り込んだ。派遣労働者を受け入れている企業が、派遣会社に対して賃金など待遇に関する情報を提供するよう義務付ける。派遣労働者の賃金水準を同業種の労働者と同等以上とすることを労使協定に盛り込むことなども求めている。
(3)長時間労働是正に関しては、「月45時間」などの残業時間の上限を法定化し、罰則を設ける。繁忙期でも「月100時間未満」などの規制を新たに設けた。ただし、運輸業と建設業、医師は施行から5年間は適用を猶予する。5年後には建設業は年720時間を適用するが運輸業は年960時間とする。医師は19年に結論を出す。研究開発職は適用除外を継続する。【阿部亮介】





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 12:06 | 書くことから-労働 | Comments(0)

労働問題-ヤマトホールディングス(HD)が、未払いの残業代がないか労働実態の調査を開始。

 毎日新聞は、標題について次のように報じた。


(1)宅配便大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス(HD)が、全国の配達員(ドライバー)ら約7万人を対象に、未払いの残業代がないか労働実態の調査を始めた。ヤマトでは、インターネット通販の普及に伴う宅配便の急増で人手不足が深刻化しており、サービス残業についても実態を解明し、労働環境の正常化を目指す方針だ。大手企業が未払い残業の常態化を認め、全社的に調査するのは異例。長時間労働と低賃金でドライバー不足が課題の物流業界で具体的な成果への注目が高まっている。」
(2)ヤマト運輸は昨年8月、神奈川県内の支店が元ドライバーらに残業代の一部を支払わず、昼食の休憩も十分に与えていなかったとして、横浜北労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けた。ヤマト運輸はタイムカードのほか、ドライバーが携帯する集配業務専用の端末で荷物や労働時間を管理しているが、端末を返却した後の伝票の整理や引き継ぎ業務などが労働時間にカウントされていなかった。
(3)同支店で働いていた30代の元ドライバーは「ネット通販の荷物が増えて人手が足りず、昼食の時間もほとんど取れないほど忙しかった」と証言する。ネット通販大手のアマゾンジャパンが2013年、それまで契約していた佐川急便からヤマトに配送業務を切り替えたことが背景として指摘されており、元ドライバーは「アマゾンの荷物が佐川急便からヤマトに切り替わって、一挙に仕事が増えた」と語った。
(4)ヤマトHDは労働基準監督署の是正勧告を受け、「想定を上回る宅配便の増加とドライバー不足などに対応するため、現状の労働環境を確認のうえ、働きやすい環境づくりに取り組んでいく」と表明。今年1月から営業現場の管理者がドライバーら社員に面接し、サービス残業はないか、急増する荷物の集配で効率化を図れる部分はないかなど、労働実態の聞き取り調査を行っている。「サービス残業が確認されれば、当然だが残業代を支払う」(ヤマトHD)という。支払額は1人100万円前後になるケースもあるとみられ、総額数百億円に達する可能性もある。
(5)ヤマトはすでに、ドライバーの休憩時間を確保し、長時間労働を減らすため、配達時間の見直しにも着手した。時間指定の配達のうち、比較的利用が少ない「正午から午後2時」の時間帯をやめるほか、午後9時までの夜の配達時間を繰り上げることなどを検討している。【川口雅浩】


 もちろん、問題はヤマトHDの企業責任である。このことの問題の本質は、総額数百億円に達する金額を労働者からピンハネしたことにあるのだから。
 ただ、過疎地に住むことを選んだ人間が、ネット通販を利用できることを重要な要件としていることは、自分自身の問題として、返ってくる。宅配業者の勤務労働条件が、労働者にとって過酷であることは、随分前から指摘されてきたことではある。
 確かに、「働き方改革」がこうした問題をあぶり出すことに異論は無い。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-07 08:16 | 書くことから-労働 | Comments(0)

「働き方改革」を考える。(2)-日本労働弁護団「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」より-

 朝日新聞は2017年2月23日、「政府の働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)が22日開かれた。焦点の『残業時間の上限規制』を巡る突っ込んだ議論はなかったが、会議後、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長はそれぞれ記者団に対し、できるだけ早くトップ会談の場を設けて合意形成を目指す考えを明らかにした。」、と報じた。
 安倍晋三政権による「働き方改革」がいよいよ正念場を迎える。
 このことを考える。
 2017年2月10日に行われた「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会」で出されたアピールには、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、と提起されている。
 安倍晋三政権の「働き方改革」を捉えることは、この政策がこの提起をどれぐらい踏まえることができているかということを基準に考えることである。
今回は、2016年11月12日の日本労働弁護団第60回全国総会で採択された「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」から、政府の方針と非正規雇用問題や同一労働同一賃金問題を考える。
 日本労働弁護団は、安倍晋三政権のこのことに関する政策について、「安倍政権は、2016年6月2日に閣議決定した一億総活躍プランにおいて、『働き方改革』の一つとして、『同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善』をあげた。同プランは、我が国労働者の 4割を占める非正規労働者の賃金水準が低い現状を示したうえで、『再チャレンジ可能な社会をつくるためにも、正規か非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一賃金の実現に踏み込む』 とする。」、と説明する。
 日本労働弁護団は、この政策について、次のように反論する。


(1) 雇用が不安定で賃金などの待遇も著しく低い非正規雇用労働者が我が国の労働者の約4割を占めるようなったのは、自公政権が非正規雇用を拡大する政策を取り続けてきたからである。
(2)安倍政権も、2015年9月の国会で労働者派遣法改正法を強行採決し成立させたが、 同改正法は、派遣労働者さえ入れ替えれば同一事業所で事実上無期限に派遣労働を使い続けることを可能とするものであり、「常用代替禁止」 の理念を放棄するものであった。
(3)非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない・減らすことが必要であるが、安倍政権にそのような観点はない。
(4)今こそ、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
(5)非正規雇用労働者の低処遇の問題についても、安倍政権は、やはり昨年9月、野党から提出されていた、いわゆる「同一労働・同一賃金推進法」を骨抜きにして成立させ、派遣労働者と正規雇用労働者との待遇格差を放置する立法政策を取った。非正規雇用労働者の待遇改善と真逆の態度をとってきたのである。現在議論されている労働契約法20 条等の改正についても、いわゆる「人材活用の仕組み」による「労働条件の相違の合理性」肯定の余地が残される恐れがある。非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本とすべきである。
(6)その他、労働条件の相違に合理性があることについての立証責任が使用者側にあることを明記するなどの実効性ある措置も必要となる。


 この上で、日本労働弁護団は、「非正規雇用問題の真の解決のために、非正規雇用の入口規制、実効性ある不利益取扱い禁止を内容とする非正規雇用の『入口規制』と『不利益取扱い禁止』に関する立法提言骨子案」を2016年10月7日に発表した。当弁護団は、真の非正規雇用の問題解決のため、さらには男女賃金等の差別是正のために、今後とも取り組みを強める決意である。」、と宣言している。


 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない、減らすことが必要であるが、安倍晋三政権にその観点はない。
Ⅱ.非正規雇用労働者を増やさない、減らす施策が必要である。そのために、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
Ⅲ.非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本としなければならない。


なお、日本労働弁護団は、同一労働同一賃金問題について、次のように押さえている。


「そもそも、同一価値労働同一賃金原則は、日本も1967年に批准しているILO100号条約「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」1951年採択)で明記されているように、本来は男女賃金等の差別是正のための原則である。安倍政権が、同一労働同一賃金を言うのであれば、現在も蔓延る男女の賃金格差も直視し、性による賃金などの差別禁止を実効のある法制度を検討しなければならない。」


 つまり、安倍晋三政権の同一労働同一賃金とは、常套手段であるスローガン主義に過ぎず、本質論とはほど遠いものである。


 以下、日本労働弁護団の決議の引用。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-01 07:52 | 書くことから-労働 | Comments(0)

「働き方改革」を考える。(Ⅰ)-日本労働弁護団「真に長時間労働を抑制する実効性ある労働時間制度を求める決議より-

 朝日新聞は2017年2月23日、「政府の働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)が22日開かれた。焦点の『残業時間の上限規制』を巡る突っ込んだ議論はなかったが、会議後、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長はそれぞれ記者団に対し、できるだけ早くトップ会談の場を設けて合意形成を目指す考えを明らかにした。」、と報じた。
 安倍晋三政権による「働き方改革」がいよいよ正念場を迎える。
 このことを考える。
 2017年2月10日に行われた「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会」で出されたアピールには、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、と提起されている。
 安倍晋三政権の「働き方改革」を捉えることは、この政策がこの提起をどれぐらい踏まえることができているかということを基準に考えることである。
今回は、2016年11月12日の日本労働弁護団第60回全国総会で採択された「真に長時間労働を抑制する実効性ある労働時間制度を求める決議」から、このことを考える。
 日本労働弁護団は、まず、「もとより、我が国の長時間労働は労働者が休む時間を奪い、過労による精神疾患等の発症、過労死・過労自殺等を引き起こし、労働者の健康のみならず命を脅かす社会問題である。 のみならず、長時間労働は、労働者を職場に縛り付け、その生活時間を奪い、真の女性の活躍や、労働者の民主主義の過程への参加等を阻害するものである。長時間労働の是正は、我が国の急務であることは間違いのないことである。」、とその基本的考え方を示す。
また、この場合の長時間労働の是正は、「しかし言うまでもなく、長時間労働の是正は、実効的なものでなければならない。形ばかり制度の見直しをして、「働き方改革」を実現したとすることはできない。」、とする。
 日本労働弁護団は、安倍晋三政権の「働き方改革」の政策について次のように把握する。


(1)2016年6月2日、政府は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定した。同プランは「働き方改革の方向」として長時間労働の是正を掲げ、具体的には36協定における時間外労働規制の在り方について、 再検討を開始することなどを挙げる。
(2)政府が再検討をするという36協定における時間外労働規制の在り方については、当初は、時間外労働が月100時間を超えた企業に対する労働基準監督署の立入調査の基準を月80時間に引き下げるなどの数値目標が議論されていたが、前記プランでは数値目標はなくなっている。
(3)また、36協定に関する再検討の終了時期については、2018年度中が目標とされている。しかも、労働時間の量的上限規制、インターバル規制、そして野党4党の「長時間労働規制法案」でも掲げられる労働時間記録の義務化など、長時間労働抑制にとって実効性のある制度の導入の検討が欠如している。
(4)長時間労働の是正が待ったなしの急務である中、これが果たして長時間労働の抑制に実効性ある改革といえるのか、疑問である。


 また、日本労働弁護団は、もう一つの問題を次のように指摘する。


(1)他方で、安倍政権は、2015年、2016年通常国会と「労働基準法等を一部改正する法律案」を提出し、これを成立させようとしている。同法律案は、一部の労働者を現行労働時間規制から適用除外とする高度プロフェッショナル制度の導入および、 企画業務型裁量労働制度を導入できる業務を大幅に拡大することを柱としている。
(2)これらの制度は、我が国の労働者の長時間労働は是正するどころか、これを拡大・助長しかねないものである。


 日本労働弁護団は、安倍晋三政権の「働き方改革」について、次のように批判・要求する。


(1)一方で長時間労働の是正を掲げ、他方でこのような「定額働かせ放題」「残業代ゼロ」法案を通そうとするのは、大きく矛盾する行動であり、真に長時間労働を是正しようとしているとは考えがたい。
(2)実効性のある長時間労働の抑制を実現するために必要なのは現行の労働時間規制の緩和ではなく、その強化である。安倍政権が真に実質を伴う労働時間改革を目指すのであれば、量的上限規制、インターバル規制、労働時間記録義務の導入が不可欠である。
(3)安倍政権の「働き方改革」にいう長時間労働の是正が、単なるスローガンにとどまらないよう、長時間労働が労働者の命と健康に対する脅威であるだけでなく、真の女性の活躍や、労働者の民主主義の過程への参加等にとって欠くことのできない生活時間の確保を阻害するものであることを十分に踏まえた真に実効性ある長時間労働抑制策が実現されることを強く求める。


 この上で、日本労働弁護団は、「全国各地で全ての労働者、労働組合と団結して社会労働運動としての上記の立法運動に全力で取り組むことを宣言する。」、とする。


 確認することは次のことである。


Ⅰ.安倍晋三政権の「働き方改革」は、常套手段であるスローガン主義に止まるもので、
「長時間労働が数多くの労働者の命と健康を奪っている」という状況を改善するものではない。
Ⅱ.特に、「一方で長時間労働の是正を掲げ、他方でこのような「定額働かせ放題」「残業代ゼロ」法案を通そうとするのは、大きく矛盾する行動」である。こうしたやりかたの
安倍晋三政権の「働き方改革」では、長時間労働を是正にはならない。したがって、
継続審議となっている「労基法改正案」を白紙に戻さなくてはならない。
Ⅲ.現在の日本のにおける大きな課題が、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、との認識に立ち、その解決のためには、労働時間規制の強化が必要である。特に、労働時間の上限規制はもちろん、勤務間インターバル規制を導入し、使用者に罰則付きで全ての労働者の労働時間記録義務を課する労基法を改正しなければならない。


 以下、日本労働弁護団の「決議」の引用。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-28 08:16 | 書くことから-労働 | Comments(0)

「2・10『高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会』アピール」を読む。

 2017年2月10日(金)に、「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性のある長時間労働の規制を求める院内集会」が衆議院第一議員会館で開催されました。
 この集会の様子を、主催者は、「300人収容の会場でしたが、会場に入りきらない350名を超える参加者の方々にお集まりいただきました。かなり遠方からお越しいただいた方もいらっしゃいます。お集まりいただきました皆さま、ご参加いただき発言を下さいました国会議員の皆さま、誠にありがとうございます。深く御礼申し上げます。」、と日本労働弁護団のホームページで報告しています。
 また、この院内集会で、「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会」アピールが採択されました。
 このアピールから安倍晋三政権の「働き方改革」について考えます。
まず、このアピールの指摘についてまとめます。


Ⅰ.長時間労働が引き起こしているもの


(1)日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。
(2)2014年6月20日に「過労死等防止対策推進法」が満場一致で可決、成立したが、これは何よりも過労死・過労自死が蔓延する社会を変えたいという、数多くの過労死等の家族と国民の切実な声を受け止めた結果に他ならない。にもかかわらず、「過労死等防止対策推進法」が施行された後も、一向に過労死等の命と健康の被害は無くならない。このことは、本集会に寄せられた当事者の声で改めて確認された。
(3)長時間労働の弊害は、労働者の生命と健康被害にとどまらない。長時間労働は男性を職場に縛り付ける一方で、女性を家庭に縛り付けて真の女性の活躍を阻害し、家事や育児に関わりたいと考える男性の家庭での生活時間を奪ってきた。さらには労働者が地域社会で活動する機会をも奪っている。


Ⅱ.政府の「働き方改革」が本来目指さなければならないもの


 政府が「働き方改革」として長時間労働の是正に取り組む方針を掲げるのも、このような長時間労働による様々な弊害を、ようやく認識したからであろう。本集会に寄せられた当事者の声に真摯に耳を傾ければ、今求められているのは、日本の雇用社会から過労死・過労自死を根絶するとともに、労働者にゆとりのある生活時間を取り戻せるような、厳格且つ実効性のある労働時間規制であることは明らかである。


Ⅲ.安倍晋三政権の「働き方改革」の実像


(1)現在報道されている政府が検討している長時間労働の規制策は、労働基準法を改正し、時間外労働の上限を原則として「月45時間」「年間360時間」と規定するものの、その一方で企業の繁忙期に対応できるよう6か月は例外を設け、「月最大100時間」「2か月平均80時間」の時間外労働を認めるものになっている。
(2)私たちも、長時間労働を是正するために労働基準法を改正し、36協定でも超えることができない時間外労働の上限を定め、違反企業に罰則を科すことは賛成である。
(2)しかし、「月最大100時間」「2か月平均80時間」という例外は、厚生労働省が定めた「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」に達するものであり、到底認めることはできない。これでは過労死・過労自死の根絶どころか、労働者の命と健康を守ることができず、労働者の十分な生活時間を確保できない。
(3)しかも、現在国会で継続審議となっている「労働基準法改正案」で政府が導入しようとしている「高度プロフェッショナル制度」は、一部の専門職の労働者を労働基準法の労働時間規制から適用除外とするホワイトカラー・エグゼンプションであり、さらに改正案は企画業務型裁量労働制度も大幅に拡大するものとなっている。これらの改正は労働時間規制を大きく緩和するものであり、長時間労働を助長するものに他ならない。政府の労働時間政策は完全に矛盾し、破たんしている。


Ⅳ.主張


(1)わが国の雇用社会に蔓延する長時間労働をなくすために真に実効性のある規制は、労働時間の上限規制はもちろん、勤務間インターバル規制を導入し、使用者に罰則付きで全ての労働者の労働時間記録義務を課する労基法の改正である。
(2)我々は、日本社会で働く全ての労働者の命と健康を守り、生活時間を取り戻すため、政府が国会に提出し継続審議となっている「労基法改正案」を白紙に戻し、真に実効性ある長時間労働規制を強く求める。


 私たちがまず確認しなければならないことは、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、ということです。
 この上で、現在の長時間労働が引き起こす問題を克服するために、安倍晋三政権の掲げる「働き方改革」が有効なものであるかかどうかという判断を求められます。
 次に、もしも、この「働き方改革」が有効な政策にはならないとするなら、何が必要になるのかを明確にする必要がある、ということになります。


 結局、現在報道されている政府が検討している長時間労働の規制策が、「労働基準法を改正し、時間外労働の上限を原則として『月45時間』『年間360時間』と規定するものの、その一方で企業の繁忙期に対応できるよう6か月は例外を設け、『月最大100時間』『2か月平均80時間』の時間外労働を認める」ものであるなら、この例外が、、「厚生労働省が定めた『脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準』に達するもの」であることから、到底現在の長時間労働の解決策にはとどきません。。
 このアピールが指摘するように、「過労死・過労自死の根絶どころか、労働者の命と健康を守ることができず、労働者の十分な生活時間を確保できない。」政策に過ぎないもであり、今回の安倍晋三政権の掲げる「働き方改革」は長時間労働の規制を謳っているにもかかわらず、逆に、労働者の命と健康をこれまで以上に奪うものでしかありません。
 また、あわせて、安倍晋三政権は、一方では「労働基準法改正案」を継続審議したままであり、「高度プロフェッショナル制度」の導入を強く意図しています。
 このことは、このアピールでも「『労働基準法改正案』で政府が導入しようとしている『高度プロフェッショナル制度』は、一部の専門職の労働者を労働基準法の労働時間規制から適用除外とするホワイトカラー・エグゼンプションであり、さらに改正案は企画業務型裁量労働制度も大幅に拡大するものとなっている。これらの改正は労働時間規制を大きく緩和するものであり、長時間労働を助長するものに他ならない。」、と指摘されています。
 つまり、安倍晋三政権の労働時間政策は「完全に矛盾し、破たんしている。」のです。
 

 であるとしたら、今後の労働政策について、次のことに取り組むことが必要です。


Ⅰ.「わが国の雇用社会に蔓延する長時間労働をなくすために真に実効性のある規制は、労働時間の上限規制はもちろん、勤務間インターバル規制を導入し、使用者に罰則付きで全ての労働者の労働時間記録義務を課する労基法の改正である。」。
Ⅱ.したがって、日本社会で働く全ての労働者の命と健康を守り、労働者が人らしくあるための生活時間を取り戻すために、「政府が国会に提出し継続審議となっている「労基法改正案」を白紙に戻し、真に実効性ある長時間労働規制を強く求める。」、ことに取り組む。





by asyagi-df-2014 | 2017-02-27 08:06 | 書くことから-労働 | Comments(0)

プリントパック社は、「ブラック企業大賞2016」業界賞受賞を理由に、労働組合活動に圧力。

 ブラック企業大賞実行委員会(以下、実行委員会とする。)は2017年1月13日、「プリントパック社の『ブラック企業大賞2016』業界賞受賞を理由に労働組合活動に圧力をかけていることに対する声明」、を発表した。
 「声明」は、ブラック企業株式会社プリントパックの不当な行為を次のように告発する。


「『ブラック企業大賞2016』業界賞を受賞した株式会社プリントパックが、2017年1月11日付で、『ブラック企業大賞2016』授賞式に出席した従業員(労働組合委員長)に対して、『ブラック企業大賞2016』の選考にはたらきかけていたかのような嫌疑をかけ『呼び出し状』を出し、さらには懲戒処分をほのめかすという驚くべき事態が生じている。」


 このことについて、実行委員会は次のように反論している。


(1)ブラック企業大賞は、ブラック企業の被害をなくすために、特別に人権侵害的な労働環境をつくっている企業についてノミネート・表彰をおこなってきた。ノミネート企業や受賞企業の選考は、ブラック企業大賞実行委員会が責任をもっておこなっている。
(2)その選考理由については、ウェブサイトで公表しているとおりである。また、実行委員会は、弁護士、労働運動関係者、ジャーナリスト、研究者などによって構成され、構成メンバーもウェブサイトで公開している。
(3)したがって、たとえ何者かの働きかけを受けたとしても、それを理由として当該企業をノミネートすることなどあり得ないことを、ここに宣言しておく。


 また、実行委員会は、株式会社プリントパックに向けてこのように宣言する。


(1)今回の株式会社プリントパックの「呼び出し状」でかけられている嫌疑は、事実とまったく異なることであり、邪推も甚だしく、実行委員一同呆れ果てているところである。と、同時に、こうした行為が、むしろ自らが「ブラック企業」であることを証明することになっている点に、どうして気づかないのか、不思議に感じているところでもある。
(2)株式会社プリントパックは、「ブラック企業大賞2016」において「業界賞」を受賞されたが、「ブラック企業大賞2017」の「大賞」を狙っておられるのだろうか?
(3)さまざまな労働条件について、労働組合と使用者とが話し合うことは、まともな企業であれば常識である。当実行委員会としては、株式会社プリントパックが邪推に基づき労働組合役員に圧力をかけることなどなく、一日も早く正常な労使関係を構築されることを願うものである。


 そうなのだ、実は、日本の働く者を取り囲む状況は、「さまざまな労働条件について、労働組合と使用者とが話し合うことは、まともな企業であれば常識である。」、ということがすでに失われているのだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-16 18:07 | 書くことから-労働 | Comments(0)

労働問題-福井労働局敦賀労働基準監督署は、関西電力課長過労自殺に対して、関電社長を出頭させ、指導票を公布。

 朝日新聞は2017年1月17日、標題について次のように報じた。


①「運転開始40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長を巡り、原子力規制委員会による審査に対応していた関電課長の40代男性が昨年4月に自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、管理職を含む全社員の労働時間管理の徹底を求める指導票を交付していたことが分かった。」
②「関係者によると、今月6日に福井労働局への出頭要請があり、同日中に岩根社長が同局に出向き、指導票を直接受け取った。指導票では、全社員の労働時間の適正な把握や長時間労働者に対する産業医による面談の確実な実施などを求めているという。過労死問題に詳しい森岡孝二・関西大名誉教授は『業界全体に指導するのではなく、特定の企業のトップを呼び出して指示するのは非常に珍しい』としている。自殺した課長は管理職に適用される『管理監督者』に該当するとされ、労働基準法による労働時間の規制から外れていた。管理監督者についても会社側は健康状態を管理し、過重労働とならないよう努めなければならないが、労務管理はおろそかになりがちだとの指摘がある。」
③「高浜1、2号機は昨年7月7日までに原子力規制委の審査手続きを終えなければ廃炉になる可能性が高かった。課長は工事計画認可申請を担当し、規制委への説明や対応にあたっていた。昨年4月に出張先だった東京都内のホテルで自殺しているのが見つかり、その後、敦賀労基署が労災を認定している。関電広報室は、課長の自殺については『プライバシーの問題もあるので回答を控えている』とし、労基署の指導については『真摯に受け止め、引き続き適正な労働時間の管理に努める』としている。」


 このことは、ただ単に、関西電力の企業体質として把握するのではなく、日本の働く者の環境が壊されている実態そのものであると、理解する必要がある。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-16 11:47 | 書くことから-労働 | Comments(0)

神奈川労働局藤沢労働基準監督署は、三菱電機と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検。

 電通に続き、大手企業の違法性が明らかになる。
 このことは、企業の無法ぶりだけでなく、実は、日本の労働行政が、労働者の命や生活を守るのでなく、逆に企業の利潤追求のための手段となってきたのかを物語っている。

 毎日新聞は2017年1月11日、「大手電機メーカー三菱電機が新入社員だった男性(31)に労使協定で定めた上限を超える違法な長時間残業をさせたとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署は11日、法人としての同社と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検した。広告大手の電通も昨年末に違法な長時間労働を理由に送検されたばかりで、男性は取材に『これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい』と話した。」、と報じた。また、「書類送検容疑は、2014年1月16日~2月15日、神奈川県鎌倉市の同社研究所で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当していた男性に、上限(月60時間)を超える時間外労働をさせたとしている。藤沢労基署は昨年11月に適応障害を発症した男性の労災を認めた際、月100時間超の残業があったとしたが、今回は証拠に基づき時間外労働は約78時間と認定したという。」、と報じた。
 毎日新聞は、このことについて、2016年11月26日に「元社員の労災認定『月160時間残業』 上司命令で過少申告」、として次のように伝えていた。


(1)入社2年目の三菱電機の男性(31)が違法な長時間残業を強いられて適応障害を発症したとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署が24日、労災と認定した。東京都内で25日に記者会見した男性によると、「過労死ライン」とされる80時間の2倍に当たる約160時間の残業をした月もあったが、上司の命令で少なく申告させられていた。
(2)男性は「不眠と意欲低下で『早く死んで楽になりたい』『逃げたい』とばかり考えた。過労自殺した電通の新入社員と自分は紙一重」と話した。男性は休職期間満了後の今年6月に解雇され、現在はうつ病と診断されて療養中。今後、三菱電機に解雇撤回を求めるという。
(3)認定などによると、男性は2013年4月に入社し、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当した。14年1月以降に月100時間超の残業を強いられ、同年4月上旬ごろに適応障害を発症した。同社の入退室記録によると、繁忙期の同年1月16日から1カ月間の残業は約160時間に及んだ。しかし上司の命令に応じて59時間半と過少申告した。
(4)同社広報部は「労基署の判断を確認のうえ、対応を検討する」とコメントした。


 被害者の男性は、「これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい」、と話している。
 安倍晋三政権が、今最も受けとめなくてはならないことの一つが、この訴えにある。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 20:01 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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