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「辺野古が唯一の解決策」を考える。(2)-琉球新報社説より-

 安倍晋三首相は、いつもの調子で、「辺野古が唯一の解決策」、と言いきる。
彼の自分だけの切迫感は、いつしか大衆の心を支配していく。そんな絵面が、浮かんでくる。
 やはり、安倍晋三だけでなく日本の「辺野古が唯一の選択」を捉え直さなくてはならない。


 琉球新報は2017年3月6日に「『辺野古唯一』に代案 合理性を世論に訴えよう」、と社説を掲載した。
 琉球新報は、「辺野古の海の埋め立てが迫っている。沖縄側から辺野古に変わる案を構築し、日米の世論に訴えていく機運づくりが必要な時期だ。」、と主張する。
 この社説で、この問題を考える。
 琉球新報は、NDの「代替案」について、「米軍普天間飛行場の危険性除去には『辺野古が唯一の解決策』と安倍政権は言い続けている。それに論理立てて反論し、辺野古に代わる案を民間のシンクタンク『新外交イニシアティブ(ND)』が提言書にまとめた。普天間飛行場に代わる『場所』を探すのではなく、米軍自体の運用を変えることで解決策を得るという、発想の転換とも言える内容だ。合理性もある。」。、と評価する。
 また、NDの「代替案」について、次のように説明する。


(1)提言書は普天間飛行場を使う米海兵隊にとっての沖縄の位置付けから解き明かす。
(2)海兵隊の各部隊は約半年ごとのローテーションで沖縄に駐留している。沖縄はローテーション部隊と佐世保(長崎県)からの揚陸艦を合流させる「ランデブーポイント(落ち合い場所)」として機能している。提言は海兵隊が運用を見直すことで「ランデブーポイントは沖縄でなくてもよい」とした。
(3)海兵隊の役割がかつての「前線部隊」から「人道支援・災害救助」に変わったことも指摘する。米国は長期にわたるテロとの戦いの結果、紛争地での人道支援こそがテロの抑止になると政策を転換している。自衛隊が米軍の人道支援・災害救助任務に協力する枠組みをつくることで、アジアの国々との信頼関係の醸成、地域の安定化に向けた基盤構築につなげられる。


 さらに、「そもそも『辺野古が唯一』に確たる理由がある訳ではない。」、との主張の基に、次のことを指摘する。、


(1)鳩山政権時代の2010年、普天間飛行場の徳之島移設を断念する理由として、日本政府は、米軍のマニュアルで「航空部隊と陸上部隊は『65カイリ』(約120キロ)以内にないといけない」と説明してきた。鳩山政権はこの距離の問題で県内移設に立ち戻った。しかし後に在沖米海兵隊は本国にも確認した上で「海兵隊の公式な基準、規則にはない」と否定したのだ。
(2)米軍再編によって主力部隊がグアムなどに移転した後は、司令部機能と共に県内に残る第31海兵遠征部隊(31MEU)は約2千人程度でしかない。それを「抑止力」と言うのは神話であり、辺野古新基地を造るための後付けの理由でしかないという指摘は論理的だ。


 確かに、「辺野古が唯一の解決策」は、「米軍再編によって主力部隊がグアムなどに移転した後は、司令部機能と共に県内に残る第31海兵遠征部隊(31MEU)は約2千人程度でしかない。それを「抑止力」と言うのは神話であり、辺野古新基地を造るための後付けの理由でしかないという指摘は論理的だ。」(琉球新報)、と反論で潰える。
 あわせて、「辺野古の海の埋め立てが迫っている。沖縄側から辺野古に変わる案を構築し、日米の世論に訴えていく機運づくりが必要な時期だ。」(琉球新報)、ということが言える。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-09 07:41 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月8日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「全国青年司法書士協議会は7日までに、政府が推進する名護市辺野古の米軍新基地建設工事について『住民投票による合意がなく、憲法上の土台を欠く』と指摘し、中止した上で全国の自治体を候補地として国民全体の議論を深めることを求める会長声明を発表した。沖縄の基地問題については『沖縄県の固有の問題と考えて放置すれば、無意識にも【沖縄県は本土とは違う】という差別をしてしまうことにつながらないだろうか』と疑問を呈した。」、と琉球新報は伝える。
 どこか不思議な気がする、とまで思えてしまう。
 この考え方がまっとうであるにもかかわらず。
しかし、少しずつでも、変わってきている。
 「法的根拠が乏しいままに移設工事が進められることで、憲法の理念がないがしろにされていくことを看過できない」、「国民が自分の暮らす地域に問題が及ばないことを期待して見て見ぬふりを続けていれば、日米安全保障条約の利益を享受する一方で、負担を沖縄に偏在させることを暗に認めることになる」との指摘は、燦然と輝く。


 2017年3月8日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-辺野古海域の文化財調査を 名護市教委、国に要求-2017年3月8日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設予定地で、名護市教育委員会が沖縄防衛局に対し、大浦湾の埋め立て工事に入る前に海域の文化財調査を求めていることが7日までに分かった。建設予定地の米軍キャンプ・シュワブでは昨年7月に新たな遺跡として海域と陸域の両方にまたがる『長崎兼久遺物散布地』が認定された。文化財保護法に基づき、同散布地は海域も含めて工事で改変される前に調査が必要となっている。さらに市教委は、同散布地の範囲外の海域でも関連の文化財が存在する可能性も視野に海域の調査を求めている。調査の状況によっては工事スケジュールに影響する可能性もある。」
②「沖縄防衛局は本紙取材に『キャンプ・シュワブ内の文化財調査は県、市教委で調整してきた。今後も関係法令に従い、適切に対応する』と回答した。」
③「市教委は2015年度の文化財調査で土器や石器、陶器、碇石(いかりいし)など海域や陸域で発見し、県教育委員会が16年7月に新たな遺跡として認定した。市教委ではこれまで海域の文化財調査を実施した実績がほとんどない。しかし、今回は海域の調査が必要との見解で県教育庁文化財課の助言も受けながら調査方法の技術的な面や期間、範囲などの計画の取りまとめを急いでいる。市教委文化課は『(文化財が)陸上から海に流れている可能性もある』との見方を示し防衛局と調整を進めていることを説明した。」
④「碇石に詳しい沖縄考古学会の當眞嗣一会長は『水中にあっても埋蔵文化財の対象だ。碇石も見つかっている。海をなりわいにしていたということだ』と指摘。海域の文化財の範囲に関し『調査しないとどう広がるのかは分からない』と述べ、海域も広く調査する必要性が高いことを強調した。」(古堅一樹)


(2)琉球新報-新基地「全国を候補地に」 全国青年司法書士協議会が会長声明-2017年3月8日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「全国青年司法書士協議会は7日までに、政府が推進する名護市辺野古の米軍新基地建設工事について『住民投票による合意がなく、憲法上の土台を欠く』と指摘し、中止した上で全国の自治体を候補地として国民全体の議論を深めることを求める会長声明を発表した。沖縄の基地問題については『沖縄県の固有の問題と考えて放置すれば、無意識にも【沖縄県は本土とは違う】という差別をしてしまうことにつながらないだろうか』と疑問を呈した。」
②「声明は2月28日に、会長の梅垣晃一氏(当時)の名前で発表した。『法的根拠が乏しいままに移設工事が進められることで、憲法の理念がないがしろにされていくことを看過できない』と指摘。最終的に移設先を決める際には、憲法にのっとり国会での法律制定と当該自治体での住民投票による同意を得て決めるべきだとしている。」
③「沖縄の米軍基地問題を巡る現状については『国民が自分の暮らす地域に問題が及ばないことを期待して見て見ぬふりを続けていれば、日米安全保障条約の利益を享受する一方で、負担を沖縄に偏在させることを暗に認めることになる」と指摘した。」
④「基地建設は国政の重要事項に当たり、憲法41条で国権の最高機関と規定される国会での立法措置が必要になるとした。新基地建設により、自治体の都市計画など自治権が制限されるため、憲法92条の規定から、制限の範囲や代償措置などは法律で規定される必要があると指摘した。憲法95条で、特定の自治体のみに適用される特別法の制定には住民投票が必要とされていることにも言及している。辺野古への新基地建設の法的根拠としては2006年と10年の閣議決定しかなく、県や名護市の住民投票による同意も得ていないとした。」(沖田有吾)


(3)沖縄タイムス-抗議船と海保のゴムボート衝突 辺野古沖-2017年3月8日 11:28


 沖縄タイムスは、「8日午前9時20分ごろ、沖縄県名護市辺野古沖に張られたフロートの外で、新基地建設に抗議する市民の船と海上保安庁のゴムボートが衝突した。抗議船には1メートル以上のひびが入り、ゴムボートも破損が確認された。市民側は『海保側がぶつかってきた』と非難した。この日も大型作業船によるコンクリートブロック投下が確認された。カヌー7艇が抗議のためフロート内に入り、海保に一時拘束された。」、と報じた。
 また、「米軍キャンプ・シュワブゲート前では、市民ら約150人が座り込み、新基地建設反対を訴えた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-山城議長ら傷害などで争う方針 器物損害は認める 公判前整理手続き-2017年3月7日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍基地建設への反対運動で、公務執行妨害や威力業務妨害などで逮捕・起訴され、4カ月以上勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)ら3人の公判前整理手続きが6日、那覇地裁(潮海二郎裁判長)であった。山城議長の弁護側は手続き後、器物損壊罪について認める一方で、公務執行妨害、傷害、威力業務妨害罪については争う方針を示した。」
②「三宅俊司弁護士は、昨年8月に北部訓練場付近で、山城議長がフェンスを設置していた防衛局職員を転倒させたとして傷害と公務執行妨害罪に問われていることについて『国の高江の工事は違法で【公務】ではない』と反論。『加療約2週間とされる傷害結果も生まれていない』と指摘した。」
③「同年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前にコンクリートブロックを積み上げたとされる威力業務妨害罪については、『新基地建設に反対する表現の自由の一貫だ』と主張。罪に当たる行為はしていないとした。」
④「潮海裁判長は17日の初公判で、3人の罪状認否や冒頭陳述までを行うと決定。その後、山城議長と宜野座村の男性(66)が問われている威力業務妨害罪の審理を先に進める方針を固めた。第2回公判は27日、第3回は4月17日に開かれる。」


(5)琉球新報-稲葉さん釈放「ほっとしている」 3カ月以上勾留続く-2017年3月8日 13:38


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設に抗議活動により威力業務妨害罪で起訴され、3カ月以上勾留が続いていた稲葉博さん(66)が8日、那覇拘置所から釈放された。那覇地裁の裁判官が7日、保釈を決定した。保釈後、稲葉さんは『本当に限界だった。今はほっとしている』と語った。拘置所前などで自身らの釈放を求めて集まった人たちに対して『土日も含めて毎日声が聞こえてきて勇気づけられた。本当に有り難かった』と話した。一方で、勾留が続く山城博治沖縄平和運動センター議長については『弁護士以外との面会もできず、私よりももっときついだろう。想像するだけで胸が痛い』と話した。」、と報じた。


(6)琉球新報-抗議市民を一時拘束 辺野古新基地建設、ブロック投下作業進む-2017年3月8日 12:04


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、工事が予定される大浦湾の海域では8日午前9時ごろから、沖縄防衛局が汚濁防止膜の海底基礎となる大型コンクリートブロックの投下を始めている。午前11時までに少なくとも1個を投下した。」
②「市民らは抗議船4隻、カヌー約10艇で抗議をしている。そのうち、臨時制限区域に沿った支柱付きの浮具(フロート)内に入った抗議船1隻とカヌー3艇が海上保安官によって一時拘束された。抗議船を拘束するために海保のボートが横付けした際、船の左側面後方に傷が付いたとして、市民らは『賠償しろ』と抗議した。」
③「工事関係資材などの出入り口となる米軍キャンプ・シュワブのゲート前では反対する市民約170人が集会を行いながら、工事車両を警戒している。午前11時時点で工事車両の出入りはない。」


(7)琉球新報-飛行差し止め求め控訴 第3次嘉手納爆音原告団-2017年3月8日 13:55


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「第3次嘉手納爆音訴訟の原告団と弁護団は8日、米軍機の夜間飛行差し止め請求を棄却した2月23日の那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)判決を不服として、福岡高裁那覇支部に控訴した。控訴審で原告は、騒音被害が健康被害であることの立証に注力し、米軍機の夜間飛行差し止めや1審のおよそ1・5倍となる損害賠償額の増額、将来請求などを求める。」
②「1審判決は、健康被害の一部を認め、子どもや戦争体験者への爆音の悪影響に言及したほか、損害賠償基準額を過去最高水準に設定するなど前進も見られた。一方、米軍機の飛行差し止めについては、被告(国)の支配が及ばない第三者(米国)の行為の差し止めを請求するものだとして、従来の基地爆音訴訟と同様に『第三者行為論』を採用して棄却した。」
③「控訴前の事前決起集会で新川秀清原告団長は『今日から新たな戦いが始まる。静かな夜を取り戻し、子や孫に胸をはれるよう頑張ろう』と呼び掛けた。」


(8)琉球新報-菅氏「状況大きく変化」 普天間5年内停止-2017年3月8日 11:08


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「菅義偉官房長官は7日午後、宜野湾市の佐喜真淳市長から2019年2月までの普天間飛行場の運用停止(5年以内運用停止)の実現を要請された。その後の記者会見で、5年以内運用停止について『(国と県が合意した)当時と状況は大きく変わってきている』などと述べ、翁長雄志知事の姿勢などを理由に実現が困難になっているとの見解を改めて示した。」
②「菅氏は『(運用停止は)地元の協力が得られることが前提だ。しかしながら、翁長知事が埋め立て承認を取り消したことで政府と沖縄県の間で訴訟が起きた。大きな変化が生じている中で、5年以内の運用停止というのは、なかなか容易ではない』などと強調し、県との訴訟などを経たために、政府が仲井真弘多前知事と5年以内運用停止を合意した13年末当時とは状況が変わったとの考えを述べた。」
③「菅氏への要請後の佐喜真市長によると、菅氏は『地元の要望を重く受け止めていきたい』などと述べた上で、同飛行場の負担軽減策を話し合う『普天間飛行場負担軽減推進会議』の開催を検討する考えを示した。」
④「5年以内運用停止を巡り、安倍晋三首相は2月の衆院予算委員会で『残念ながら翁長知事に協力していただけていない。難しい状況だ』と述べ、実現は困難との見解を示している。佐喜真氏は鶴保庸介沖縄担当相にも運用停止を要請した。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-08 18:26 | 沖縄から | Comments(0)

「辺野古が唯一の解決策」を考える。(1)-沖縄タイムス社説より-

 安倍晋三首相は、いつもの調子で、「辺野古が唯一の解決策」、と言いきる。
彼の自分だけの切迫感は、いつしか大衆の心を支配していく。そんな絵面が、浮かんでくる。
 やはり、安倍晋三だけでなく日本の「辺野古が唯一の解決策」を捉え直さなくてはならない。


 沖縄タイムスは2017年2月28日に「[辺野古代替案提言]計画見直しのうねりを」、「『辺野古唯一』に代案 合理性を世論に訴えよう」、と社説を掲載した。
 まずは、この沖縄タイムスの社説で、この問題を考える。
 沖縄タイムスは、「米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について検討してきた民間のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」は27日、那覇市内でシンポジウムを開き、辺野古に代わる代替案を明らかにした。」、と伝える。
 また、その代替案について、「『辺野古が唯一の解決策ではない』『今こそ辺野古に代わる選択を』-シンポジウムに込められたメッセージは明瞭である。単なる願望の表明ではなく、日米双方にとってのメリットにも配慮した具体的提言になっているのが特徴だ。」
、と評価する。
 沖縄タイムスは、NDの「代替案」の内容について、「提言をきっかけに議論が深まり、辺野古に代わる解決策を求める声が国内外で高まるのを期待したい。」、とし、次のように説明する。。


(1)日米が合意した再編計画によると、沖縄の海兵隊のうち、主力の第4海兵連隊を含む約9000人をグアム、ハワイ、オーストラリアに移すことになっており、実戦部隊で沖縄に残るのは第31海兵遠征隊(31MEU)だけになる。
(2)31MEU(2000人規模)は、長崎県佐世保に配備されている揚陸艦に乗ってアジア太平洋地域を巡回し、非戦闘員救出や人道支援・災害救援、各国との共同訓練などに参加している。沖縄には1年の半分程度しかいない。
(3)代替案は、海兵隊の運用を見直し、31MEUの拠点を沖縄以外に移転することによって新基地を建設することなしに普天間返還を可能にする、というアイデアだ。海兵隊が担ってきた人道支援・災害救援の活動を自衛隊も分担し沖縄に連絡調整センターを置くことや、同活動のため日本が高速輸送船を提供する、ことなども盛り込んでいる。


 ただ、この「代替案」について、次のような押さえもする。


(1)このような提言に対しては、「海兵隊がいなくなると中国が沖縄を取りに来る」「中国に誤ったメッセージを送ることになる」との疑問や批判が直ちに起こりそうだ。
(2)そのような指摘は検証不可能なだけに一人歩きし、ネットを通して拡散しやすいが、柳澤協二・元内閣官房副長官補が指摘する別の側面を見逃すわけにはいかない。「米国が海兵隊を中国向けに使う、そのために辺野古が必要という誤ったメッセージのほうが、はるかに危険だ」(26日付本紙)。
(3)日米防衛協力のための指針(ガイドライン)では尖閣を含む離島防衛は主として自衛隊が担うことになっている。
(4)「中国の弾道ミサイルの発達で沖縄の米軍基地は脆弱(ぜいじゃく)になった」と、基地の分散化を主張するのはジョセフ・ナイ元米国防次官補である。「沖縄でなければ」という議論は成り立たなくなった。 


 最後に、沖縄タイムスは、次のようにまとめる。


(1)翁長雄志知事は、来県した岸田文雄外相に普天間飛行場の県外移設や5年以内の運用停止など12項目の要望をまとめ、文書で要請した。「辺野古移設に固執すると、今後の日米安保体制に禍根を残す」との翁長知事の指摘は、NDの提言とも基本認識で共通する。県も新たなステップを踏み出すときである。
(2)反対を主張するだけでは建設を止められない。米世論を動かし計画見直しの機運を作り出すためには、辺野古に代わる選択肢を県が何らかの形で示す必要がある。


 私たちは、長い間の労働問題の裁判闘争等の中で、被害者が立証責任を求められる、という理不尽さに辟易してきた。
 沖縄の問題も、また、「反対を主張するだけでは建設を止められない。米世論を動かし計画見直しの機運を作り出すためには、辺野古に代わる選択肢を県が何らかの形で示す必要がある。」(沖縄タイムス)、という構図から自由ではないということの覚悟がいるということなのかもしれない。
 まずは、「辺野古が唯一の解決策」を打ち切るためには、この地平に立つことが必要である、ということである。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-08 07:46 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月7日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「生徒の保護者が回答した世帯所得から『困窮世帯』『非困窮世帯』に分けると困窮世帯の割合が29・3%に上った。」(琉球新報)。
 これまでも、子どもの貧困の特集には注目をしてきたが、貧困問題、子どもの貧困の解消については緊急な課題である。


 2017年3月7日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-沖縄の高校生、3割が困窮  バイト「家計に」は34% 進路選択にも影響-2017年3月7日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「社会や経済の状況が高校生の進路や日常生活にどのように影響しているかについて沖縄県が実施した高校生調査の中間報告が6日、発表された。生徒の保護者が回答した世帯所得から『困窮世帯』『非困窮世帯』に分けると困窮世帯の割合が29・3%に上った。困窮世帯では生徒の32・6%が現在アルバイトをしており、非困窮世帯(16・7%)の約2倍となった。困窮世帯ではアルバイト代を「昼食代」(34・8%)、「家計の足し」(33・7%)、「通学のための交通費」(24・1%)に充てており、アルバイトで学校生活や家計を支える厳しい状況が明らかになった。」

②「同調査は、2016年11~12月に県内全公立高校60校の2年生とその保護者を対象に実施し、生徒・保護者がそろって回答した4311件(有効回答率59・1%)を分析した。算出方法が異なるため単純比較はできないが、2015年に県が明らかにした子どもの貧困率(29・9%)と同水準になった。」
③「大学や専門学校への進学は、非困窮世帯では78・9%の生徒が希望したのに対し困窮世帯では66・1%と差が開き、家庭の経済状況が生徒の進路選択に影響していることが分かった。希望する進路を『高校まで』とした生徒に理由を聞くと『進学に必要なお金が心配』『大学に進学できる学力がつかないと思う』が最も多く66・1%だった。」
③「保護者への調査では、44・4%が現在の生活を『やや苦しい』『大変苦しい』と答え、家計が『赤字』と答えた世帯は32・9%だった。中でもひとり親の親子世帯では過去1年間に食料を買えなかった経験がある人が45・6%に上った。」
④「調査票の作成や分析に協力した加藤彰彦沖縄大名誉教授、山野良一名寄市立大教授、湯澤直美立教大教授のほか、事業受託者の県子ども総合研究所の堀川愛所長、県子ども生活福祉部の金城弘昌部長、子ども未来政策課の喜舎場健太課長らが会見を開いて説明した。」
⑤「翁長雄志知事は、調査結果について『厳しい現状を深刻に受け止めている。性根を据えて課題の解決に取り組む』とコメントした。」
⑥困窮世帯の算出法:世帯の経済状況が子どもの育ちに影響していることを確認することを目的に、保護者が回答した世帯所得から推計した世帯収入を世帯人数で調整した「等価可処分所得」を算出。2013年度国民基礎調査による貧困ライン(122万円)を消費者物価指数で補正した127万円を基準に「困窮世帯」「非困窮世帯」を区分した。15年度に算出された「子どもの貧困率」(29・9%)は市町村が持つデータから算出している。


(2)琉球新報-辺野古の護岸工事、5月着手 沖縄防衛局、ブロックの6割投下 岩礁破砕の不申請を県に伝達へ-2017年3月7日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「政府が沖縄県名護市辺野古の新基地建設で海上工事を再開してから、6日で1カ月が過ぎた。沖縄防衛局は埋め立ての初段階となる護岸工事に先立ち、周辺海域で汚濁防止膜の設置を進めている。汚濁防止膜を海底で固定する大型コンクリートブロックは、全228個の約6割の投下を終えた。政府は汚濁防止膜の設置を終えれば、大型連休明けの5月上旬にも護岸工事に着手する計画だ。」

②「防衛局は大浦湾の北側と南側でブロックの投下を進めている。今後は『長島部』と『作業ヤード部』と呼ばれる地点で投下する。長島部は周辺のサンゴ礁の生息調査を終えた後に投下する。調査は3月中旬ごろまで続く予定。」
③「ブロック投下について県は、サンゴ礁などへの影響を事前に確かめる必要があるとして、防衛局に詳細な情報提供を求めている。県は確認作業を終えるまで投下しないことも求めたが、防衛局は投下作業を続行している。一方、3月末に期限切れを迎える辺野古沿岸部の岩礁破砕許可について政府は、名護漁協に工事に伴う補償金を支払い、同漁協側が漁業権の放棄に同意したことを理由に、漁業権の存在を前提とした破砕許可を県から得る必要はないとしている。3月中に県に更新申請しないことを正式に伝達する方向。」
④「だが県側は、漁業権は公共財であり知事がその設定を決定するもので、漁業権を一部放棄する変更手続きには、地元漁協の内部決定だけでなく知事の同意が必要だとして、国の岩礁破砕許可の申請義務は消えていないと主張している。」


(3)沖縄タイムス-辺野古の海上警備会社、残業代1億円支払う 未払い90人余に-2017年3月7日 05:17


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備を請け負っているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)が、残業代を支払わずに沖縄労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、未払い対象者が90人余りとなり、支払総額は約1億円に上ったことが分かった。残業は毎月、慢性的に発生していたという。」(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)
②「海上警備の現場業務は、ライジング社の100%子会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が請け負っている。残業代未払い分の対象者は、漁船をチャーターする『警戒船』で約40人、会社が所有するクルーザーなどを使う『警備艇』で約50人。当初、労基署に訴え、勧告対象となった8人を合わせると90人余りに上る。」
③「期間は、大成建設(東京都)が受注した工事業務に含まれた海上警備業務をライジング社が再委託された2014年から、ライジング社が警備業務を単独で受注した15~16年まで。」
④「同社の残業代未払いは昨年5月、月最大200時間以上の残業代が支払われていないなどとして、従業員らが沖縄労基署に申告して発覚。会社側は是正勧告に応じて従業員らに支払っていた。その後も同社は14~16年の未払い分を算出し、退職者を含めて支払った。一方、従業員との雇用契約解除の際には合意書を交わし、(1)今後相互に誹謗(ひぼう)中傷しない(2)不利益となる情報を開示しない(3)第三者から退職原因を問われた場合、円満退職したことのみ告げる-などの内容が盛り込まれている。」
⑤「防衛省は昨年5月の参院外交防衛委員会で、勧告対象の8人以外について『未払い分があるとの情報には接していない』と述べていた。ライジング社は本紙の取材に『監督官庁の指導に沿って是正を完了した』とコメントしている。」


(4)沖縄タイムス-普天間飛行場5年内停止を要請 外務・防衛相に宜野湾市長-2017年3月7日 08:09


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「佐喜真淳宜野湾市長は6日、外務と防衛の両省を訪ね、米軍普天間飛行場の2019年2月までの運用停止を実現し、目に見える形で負担軽減するよう要請した。政府と県、宜野湾市でつくる普天間飛行場負担軽減推進会議と作業部会を再開し議論の場を設けるよう求めた。」
②「岸田文雄外相は、5年以内の運用停止は『辺野古移設へ地元の協力が得られることは大前提』と改めて説明。さらにティラーソン国務長官との会談で『辺野古への移設は、米軍の抑止力を維持しながら、普天間の危険性を一刻も早く除去する唯一の解決策であるとの考えを確認した』と伝えた。」
③「稲田朋美防衛相は『普天間飛行場の固定化を避けることが、問題の原点であると、しっかり心に刻みつけている』とし、協議会や作業部会の開催は適切に対応すると述べるにとどめた。」
④「普天間飛行場の危険性の除去の必要性は、政府と県、宜野湾市で一致しているが、対応策についてはそれぞれ思惑が異なる。安倍晋三首相は予算委員会で、翁長雄志知事が辺野古新基地建設に反対し、協力が得られていないことなどを理由に挙げ、5年以内の運用停止を困難視した。翁長知事に責任転嫁するような発言に批判の声が上がった。」
⑤「佐喜真市長は要請後記者団に『(安倍首相の)言葉を受けて危機感を持った。政府と県、市が三位一体となってやることが重要で、スピード感を持ち結果が残せる』と趣旨を説明。その上で『(翁長)県政になって2年以上なる。その間は結果が出ていない』と県に注文をつけた。」
⑥「5年以内の運用停止を協議する負担軽減会議は、昨年7月が最後の開催。夜間訓練の騒音防止策などを話し合う作業部会も昨年8月以来、開かれていない。」


(5)沖縄タイムス-普天間飛行場の文化財調査、足止め続く 日米環境補足協定の影響…本土司令部に許可権も一因か【深掘り】-2017年3月6日 10:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「日米両政府が2015年に環境補足協定を締結した影響で、県が普天間飛行場で埋蔵文化財を調査できない状況が続いている。協定が基地返還の約7カ月前から日本側の立ち入りを認める一方で、飛行場の返還日が決まっていないことが主な要因だ。謝花喜一郎知事公室長は3日の県議会予算特別委員会で、調査の許可を与える権限が、在沖米軍から東京の在日米軍司令部に移譲されたことも一因との見方を示した。『(調査を許可する主体が)現地ではなく、本土の司令官になったのが原因かと思う』。謝花氏は予算委で、立ち入り調査ができなくなった原因をこう分析した。」
②「県側は1999年から継続して文化財調査が認められてきたことを指摘。謝花氏は『協定ができるまで、米側も文化財調査には好意的だった』と強調した。その上で『外務省も良かれと思って(協定を)作ったのだろうが、現地(在沖米軍)の裁量で入ることができなくなってしまった。本部で判断することで、こうした事態になっていると思う』と指摘した。」
③「県議も問題意識を持っている。野党の山川典二氏(沖縄・自民)は『「協定の余白、伸びしろを追求する必要がある』と述べ、文化財調査を特例的に認めさせるよう働きかけを求めた。」
④「謝花氏は、わが意を得たりとばかりに『余白の部分という提言があったので、その発想で再度、防衛省と調整する』と同調。与党の宮城一郎氏(社民・社大・結)も『協定の壁を破って調査してほしい』と事態の打開を期待した。」
⑤「日米は15年の環境協定の締結時に『日米地位協定を補足する初の協定』と意義づけ、地元自治体による土壌汚染などの立ち入り調査が、円滑に実現するとの印象を強調していた。」
⑥【ことば】環境補足協定:2015年9月に、岸田文雄外相とカーター米国防長官が署名した。米軍施設や区域が返還される際、返還の約7カ月前から日本側に立ち入り調査を認める内容。両政府は沖縄の負担軽減につながると強調するが、県は少なくとも返還3年前までの立ち入りを要求していた。また、立ち入りは事前合意を前提にするなど、米側の裁量に委ねる要素が大きい。


(6)琉球新報-「全ての基地閉鎖を」 辺野古新基地建設 ゲート前で抗議市民30人を機動隊が排除-2017年3月7日 11:28


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局が大浦湾海上の臨時制限区域に汚濁防止膜を固定するアンカーとして大型コンクリートブロックの投下を開始してから7日で1カ月を迎えた。ブロック228個のうち約6割が投下を終えているとみられる。大浦湾海上の臨時制限区域では7日午前、大型クレーン船2隻が稼働し、ブロックを投下する作業が続いている。」、と報じた。
 また、「海上では新基地建設に反対する市民らが抗議船2隻、カヌー6艇を出して監視・抗議行動を実施している。一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では同日午前、新基地建設に反対する市民ら約30人が座り込んだ。機動隊約50人が市民らを排除した上で、資材を積んだ大型トラックなど15台がシュワブ内に入った。機動隊が抗議市民らをごぼう抜きする中、英語で『全ての基地閉鎖を』と書かれたプラカードを持って基地反対の意思を伝える女性の姿もあった。」、と報じた。


(7)琉球新報-公文書の開示取り消し命じる 東村高江の県道日米使用の協定書-2017年3月7日 12:07


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東村高江などを通る県道70号の日米共同使用を巡り、日米両政府と県が結んだ協定書などの公文書について、両政府の同意を得ずに県が開示決定したのは違法だとして、国が県に決定取り消しを求めた訴訟の判決が7日午前、那覇地裁(森鍵一裁判長)であった。森鍵裁判長は国の訴えを認め、県に開示決定を取り消すよう命じた。」
②「提訴は2015年3月。県道は米軍の提供区域内にあるが、日米地位協定に基づき両政府が1990年に共同使用を決めた。路側帯では米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯工事に反対する住民らが阻止活動を続けていた。」
③「防衛省が住民らの排除を目的に、県道を共同使用から米軍専用区域へ変更する手続きを進めているとされていたことから、工事に反対する男性が2015年1月に県に情報公開条例に基づく文書の開示を請求した。県は同年2月に開示決定していた。」


(8)沖縄タイムス-辺野古新基地:「弾圧やめろ」ゲート前で抗議-2017年3月7日 14:00


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で辺野古の新基地建設に反対する市民らは、7日午前から工事車両の搬入を阻止しようとゲート前で座り込みを続けている。午前9時と正午ごろ、市民約20人を機動隊員約40人以上が強制排除した。市民らは『県民運動を力でねじ伏せるな』「(市民運動は)憲法で保障されている。弾圧をやめろ」などと抗議。排除後には資材を積んだ工事関係車両10台が出入りした。」、と報じた。
 また、「シュワブ沖では、午前9時半ごろから市民らが船2隻とカヌー12艇で抗議。大型作業船は横付けした別の船から資材などをクレーンで運び入れていた。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-那覇軍港、早期返還へ 要請決議を可決 市議会-2017年3月7日 11:53


 沖縄タイムスは、「那覇市議会(翁長俊英議長)は7日午前の2月市議会定例会で、米軍那覇港湾施設(軍港)の早期返還と、那覇港の早期開発に関する要請決議を賛成多数で可決した。那覇空港隣接地の産業用地の拡張や、那覇港の大型クルーズ船に対応する新施設の早期整備への支援を求める意見書も賛成多数で可決した。宛先はいずれも首相や防衛相、国土交通相など。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-07 17:44 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月5・6日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 沖縄では、政治は、私たちが考えているよりも身近にあるのかもしれない。
 「新基地に反対する県選出国会議員や県議などでつくる『止めよう辺野古新基地建設!議員団』は4日、那覇市内で総会を開き、辺野古での座り込み再開を決定した。」、と沖縄タイムスは伝える。
 「『報道で海にコンクリートブロックが投入されるのをみるたびに胸がつぶれる思いだ。力を合わせ創造的な運動を展開しよう」との呼び掛けは、厳しくも胸を打つ。


 2017年3月5・6日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-伊江島の基地強化に反対決議 集会に120人-2017年3月4日 16:09


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍の土地接収に対する住民の抵抗運動の先頭に立って平和を希求した運動家・阿波根昌鴻さんの思いを継承する「わびあいの里」は4日午後、伊江村の真謝公民館で、伊江島の米軍基地の機能強化に反対する集会を開いた。約120人が参加し、集会後は村内をデモ行進するなどした。伊江島の基地問題などについて学ぶ『第15回学習会【ゆずり合い 助け合い 学び合う会】』の一環。」
②「参加者は①MV22オスプレイ配備撤回②F35Bステルス戦闘機・CV22オスプレイの訓練計画撤回③伊江島補助飛行場着陸帯の拡張強化工事中止④米軍機による騒音被害への抗議⑤米軍艦船の伊江港入港・軍港化反対―の5項目を決議した。日米両政府に要求する。」
③「琉球大学工学部の渡嘉敷健准教授が講演し、米軍機から発生する騒音や低周波が及ぼす影響について説明した。オスプレイの騒音に低周波がどれだけ含まれているかを理解するため、オスプレイとCH46ヘリの音を再生し、その振動を受けた発泡スチロール片の動きを見せた。オスプレイの方でより大きく発泡スチロール片が動き、低周波の大きさを解説した。また渡嘉敷准教授は騒音被害の実例を羅列しながら『県条例として音景観条例を制定する必要がある』などの提言をした。」
④「学習会は5日も開催され、阿波根昌鴻資料調査会による活動報告などが予定されている。」


(2)沖縄タイムス-沖縄・国会議員ら、辺野古ゲート前で座り込み抗議再開へ-2017年3月5日 06:00


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設問題で国が工事を再開したことを受け、新基地に反対する県選出国会議員や県議などでつくる『止めよう辺野古新基地建設!議員団』は4日、那覇市内で総会を開き、辺野古での座り込み再開を決定した。11日を皮切りに、議員団が毎週土曜日午前7~10時にキャンプ・シュワブゲート前で座り込む。」、と報じた。
 また、「議員団は2015年3月に発足し、ゲート前の座り込みや1千人規模の大規模集会を主導。16年3月の県と国の『辺野古違法確認訴訟』の和解で国が工事を中断したため、議員団も活動を休止していた。共同代表の1人、照屋寛徳衆院議員(社民)は総会で『報道で海にコンクリートブロックが投入されるのをみるたびに胸がつぶれる思いだ。力を合わせ創造的な運動を展開しよう』と呼び掛けた。総会では昨年の参院選で初当選した伊波洋一氏(沖縄の風)の共同代表就任も決定した。」、と伝えた。


(3)琉球新報-移設阻止へ25日、大規模集会 辺野古で3千人規模計画-2017年3月6日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、政党や市民団体などでつくる「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」は5日までに、建設工事の再開に抗議する大規模集会を25日午前11時から辺野古の米軍キャンプ・シュワブのメインゲート前で開くことを決めた。3千人規模の集会を目指す。翁長雄志知事にも参加を打診する方向だ。」
②「辺野古埋め立て承認の取り消しを巡る最高裁判決が出て以降、初のゲート前集会となる。最高裁判決後も辺野古新基地建設反対の民意は変わっていないことを国内外に示す狙いがある。昨年12月20日の最高裁判決を受けて翁長知事は同月26日、辺野古沖の埋め立て承認の取り消し処分を取り消した。これを受けて沖縄防衛局は海上工事作業に着手、2月7日にはコンクリート製ブロックの海への投下を始めた。県は工事の中止を求めている。」


(4)琉球新報-基地再取材番組 13日放送 東京MX「ニュース女子」-2017年3月5日 07:30


 琉球新報は、「米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなどの内容を東京MXが放送した番組『ニュース女子』について、沖縄の米軍基地反対運動について再取材した番組を13日に東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)で放送する。また、DHCシアターのCS放送でも17日に放送する。DHCシアターから番組制作の委託を受けている制作会社ボーイズ(大阪市)が明らかにした。前回の番組放送後、外部からさまざまな指摘を受け『ニュース女子』のスタッフが独自に取材した内容だという。」。と報じた。


(5)琉球新報-「オスプレイ」が魚取りの網に-2017年3月5日 10:02


 琉球新報は、「環境省に準絶滅危惧種として登録されている猛禽(もうきん)類のミサゴが4日、那覇市古波蔵の国場川で魚取り用の網に引っかかっているのが発見された。沖縄野鳥研究会の比嘉邦昭代表らによって救助された。英語名では「オスプレイ」と呼ばれるミサゴは、越冬のために県内へ飛来したとみられる。網にかかった魚を補食しようとして、引っかかった可能性がある。比嘉代表は『雄雌の区別は分からないが、若い個体だ。けがなどはないので安心した』と話した。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-「辺野古強行は米国の民主尊重に反している」 元軍人ら米議員に協力要請-2017年3月6日 07:37


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「VFP(平和を求める元軍人の会)の琉球沖縄国際支部(ダグラス・ラミス代表)と琉球ワーキング・グループ(ピート・シマザキ・ドクター代表)、ワシントンDC支部のメンバーらは2、3の両日、名護市辺野古の新基地建設計画などを米政府が断念するよう米議員らに協力を求める書簡を届けた。」
②「書簡は、米軍普天間飛行場の辺野古移設は『唯一の解決策』ではないと主張。反民主主義的で差別的な計画は、沖縄に安全保障をもたらすものとなりえず、地元の経済成長の阻害要因でもあるなどと指摘し、米議員らに対して米政府に計画の断念を促すよう求めている。」
③「VFPメンバーらは、日系のメイジー・ヒロノ上院議員(ハワイ州選出、民主)や米先住民問題に理解を示すラウル・グリジャルバ下院議員(アリゾナ州、民主)らが名を連ねるアジア太平洋諸島系米国人幹部会議(CAPAC)メンバー50人の各事務所を2日間にわたって回り、外交や軍事関係担当の議員補佐官らに手渡した。」
④「VFPメンバーのアリス・クリマ・ニューベリーさんは、『日本の国内問題なので米議員が干渉するのは難しいと感じているなどと話す補佐官もいた』と指摘。その上で、『米軍はアメリカの軍隊であり、米政府は当事者。辺野古と高江に反対する多くの沖縄県民の民意を無視し続けるのは、民主主義を誇るアメリカの民主尊重に反している』と行動の意義を強調した。」


(7)沖縄タイムス-米空軍兵を緊急逮捕 タクシー無賃乗車の疑い 沖縄・嘉手納-2017年3月6日 05:00


 沖縄タイムスは、「沖縄県警嘉手納署は5日、タクシー料金3千円を支払わなかったとして、米軍嘉手納基地所属の2等軍曹(34)を詐欺の疑いで緊急逮捕した。『タクシーには乗っていない』と容疑を否認している。同署によると、5日午前2時45分ごろ、同容疑者は北谷町北谷でタクシーに乗り、嘉手納町水釜までの料金3千円を支払わなかった疑い。タクシー乗務員が嘉手納署まで連れて行ったが、乗務員が目を離した隙に逃走。署から約300メートル離れた住宅街を歩いていた同容疑者を署員が見つけ、逮捕した。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-オスプレイ6機が相次ぎ離陸 訓練移転のためか 普天間飛行場-2017年3月6日 04:40


 沖縄タイムスは、「5日午前10時50分ごろから同11時20分ごろにかけて、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)からオスプレイ6機が相次ぎ離陸した。同飛行場では通常、日曜日の離着陸は行われない。防衛省によると、沖縄の基地負担軽減のためとして、普天間のオスプレイなどが5~17日、横田基地(東京)を拠点に、群馬県内の日米合同演習などに参加する予定。離陸した6機は、岩国基地(山口県)経由で横田に向かったとみられる。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-辺野古の護岸建設 4月にも着手へ 本体工事1カ月、ブロック228個の大半設置-2017年3月6日 11:11


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に向け、沖縄防衛局が米軍キャンプ・シュワブ沿岸で埋め立て本体工事に着手して6日で1カ月となる。汚濁防止膜を固定するためのコンクリートブロック228個の大半は既に設置を終え、防衛局は早ければ4月にも護岸建設工事に着手する構えだ。」
■岩礁破砕許可は3月末に期限
②「防衛省関係者によると、ブロック設置作業や追加のボーリング調査は当初計画より早く進んでおり、大型掘削調査船「ポセイドン1」での作業は月内にも終わる見通しだという。県は埋め立て承認時の留意事項に付した工事前の事前協議がなされていないとして、工事の中止を求めているが、防衛局は協議は終えたとして工事を強行している。」
③「翁長雄志知事は昨年12月の辺野古違法確認訴訟での敗訴確定後も「あらゆる手法で建設を阻止する」と強調しており、3月末に期限を迎える岩礁破砕許可やサンゴの特別採捕許可、工事の設計変更申請の可否などの知事権限を行使し、工事を止める方針だ。一方、政府は工事の中断を警戒し、知事権限の効力を無力化する方針にかじを切った。本来、埋め立て工事を進めるためには岩礁破砕許可が必要だ。だが政府は、名護漁業協同組合がシュワブ沖の常時立ち入り禁止区域「臨時制限区域」(561ヘクタール)全ての漁業権を放棄する手続きを取ったことから、県漁業調整規則に基づき「漁業権が設定されていない漁場では許可は必要ない」と4月以降も岩礁破砕許可を申請しない方針だ。」
④「これに対し県は工事海域には現在も「漁業権が設定されている」と指摘。工事を進める上で岩礁破砕許可は必要だと防衛局へ文書で通知した。」
⑤「両者の見解は割れたままだ。県は4月1日以降に防衛局が許可を得ないまま工事を進めた場合は、県漁業調整規則違反に当たる可能性があるとして、行政指導や検察庁への告発などを含めた対抗策を打ち出すとみられる。」


(10)沖縄タイムス-辺野古新基地:ゲート前座り込み、2回強制排除 海上工事確認されず-2017年3月6日 12:31


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設に反対する市民ら約30人が6日午前、工事車両の搬入を阻止しようと米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込んだ。午前9時と同11時35分、機動隊員約50人が市民らを強制排除。重機や資材を積んだ大型車両計13台が基地内に入った。一方、沖縄防衛局による海上工事は午前11時半現在、確認されていない。」、と報じた。


(11)琉球新報-山城博治議長の初公判17日に決定 弁護側、保釈申し立てへ-2017年3月6日 12:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍基地建設の反対運動で、威力業務妨害や公務執行妨害、傷害、器物損壊の罪で逮捕、起訴され勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)ら3人の初公判について、那覇地裁は6日に2回目の公判前整理手続きを実施し、山城議長ら3人の初公判を17日午前10時から開くことを正式に決めた。弁護側は近日中に保釈を求めるとしている。」
②「弁護側によると、第2回公判は27日午後1時半から、第3回は4月17日午後1時半から開かれる。4回目以降は未定という。初公判では3人の罪状認否と冒頭陳述までが行われる。2回目以降は名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前でブロック1486個を積み上げたとする威力業務妨害の罪についての審理を先行する。」
①「山城議長はこれまでにも那覇地裁に保釈を請求したが棄却され、特別抗告も最高裁に退けられた。市民団体や国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも即時釈放を求めている。弁護人は『争点整理が終わり、証拠の採否もあらかた明らかになった。この段階で証拠隠滅の恐れもへったくれもない』と話し、近日中にあらためて保釈を請求する方針を明らかにした。」





by asyagi-df-2014 | 2017-03-06 17:12 | 沖縄から | Comments(0)

第3次嘉手納爆音訴訟(5)-各紙社説より-

 琉球新報は2017年2月23日、第3次嘉手納爆音訴訟の判決について、「米軍嘉手納飛行場の周辺住民2万2048人が国を相手に、夜間・早朝の米軍機飛行差し止めや騒音被害に損害賠償を求めた第3次嘉手納爆音訴訟の判決が23日午前、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で言い渡された。藤倉裁判長は差し止めの訴えを退け、過去分の損害賠償の支払いのみを命じた。」、と報じた。
 第3次嘉手納爆音訴訟の判決結果について、信濃毎日新聞「嘉手納訴訟 抜本解決は政治の務め」、北國新聞「嘉手納基地訴訟 国に騒音対策と説明責任」、神戸新聞「嘉手納爆音訴訟/政治は被害を放置するな」、東京新聞「嘉手納判決『静かな夜』はほど遠い」、とそれぞれその社説で批判的論評を行った。
 国の賠償責任については、「違法な騒音被害を放置してきたという司法の指摘も重い」(北國新聞)等のかたちで四紙とも批判的論評を行っている。
 ただ、飛行差し止めの問題については、北國新聞のみが「国の安全保障に責任を持つ政府にとって、飛行差し止め請求の棄却は妥当な判決であろう」、としている。
 なお、2017年2月24日現在、他紙では第3次嘉手納爆音訴訟の判決に関する論評は確認できなかった。
 まずは、各紙の社説を要約する。


Ⅰ.判決の意味

(信濃毎日新聞)

(1)米軍機の騒音で健康を害したとして夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた訴訟だ。基地の周辺住民約2万2千人が2011年4月に提訴した。睡眠妨害や聴覚被害を訴え、憲法が保障する平穏な生活を営む権利が侵害されていると主張していた。
(2)那覇地裁沖縄支部は、約301億9800万円を支払うよう命じている。同種の訴訟の賠償額では第4次厚木基地訴訟の約82億円を大きく上回り、過去最高だ。原告の多さ、巨額の賠償金が被害の深刻さを浮かび上がらせる。
(3)飛行差し止めについては「日本政府は基地における米軍機の運航を規制できる立場にない」として訴えを退けた。従来の最高裁判例に従う内容である。原告の一部が起こした米国を相手取っての訴訟は「不適法」と却下された。
(4)判決は「1970年代ごろには基地周辺で騒音の影響が社会問題となっていたにもかかわらず、米国と日本政府は今日まで抜本的な防止策を取っていない」と批判した。「違法な被害が漫然と放置されている」とも指摘する

(北國新聞)

 原告側は控訴する方針であり、判決の確定はまだ先になるが、国側は米軍基地の騒音軽減策と賠償金の負担について米政府と協議を進めるとともに、賠償金の支払いについて国民に説明し、理解を得る責任を負ったと受け止めなければなるまい。

(神戸新聞)

(1)那覇地裁沖縄支部は、2万2005人の原告住民に対する国の賠償責任を認め、自衛隊や米軍基地の騒音を巡る訴訟では過去最高となる総額約301億9800万円の支払いを命じた。原告の数も過去最大だったが、既に確定している第2次訴訟の約2倍の賠償水準を認めたことが総額を大きく膨らませた。
(2)1次提訴から35年、これまでに住民の一人一人が被ってきた健康被害を積み上げれば、金額が膨らむのは当然だ。過去最高の賠償水準は、司法が被害の大きさを認めたことの表れだろう。

(東京新聞)

 沖縄の米軍嘉手納基地をめぐる騒音訴訟で過去最高の約三百二億円の損害賠償を認める判決が出た。だが、嘉手納の空に静けさが戻るわけではない。国も司法も米軍も思考停止しているのでないか。


Ⅱ.残されたままの問題点

(信濃毎日新聞)

(1)住民側は判決を不服として控訴する方針だ。嘉手納の第1次提訴は1982年2月だった。今回の原告には1、2次提訴に参加した住民も含まれている。35年たってもなお爆音の苦痛や不安にさいなまれ、法廷闘争を続けなくてはならない。
(2)賠償金が支払われても、静かな夜を得られるわけではない。しかも、賠償が認められるのは過去に生じた被害分だけだ。これから先も住民は、受けた被害に対して提訴を重ねるしかない。

(北國新聞)

(1)米軍機の飛行差し止め請求については、日本側に運航を制限する権限はないとの司法判断が定着しており、今回も判例に沿った判決が下された。国の安全保障に責任を持つ政府にとって、飛行差し止め請求の棄却は妥当な判決であろう。が、基地騒音訴訟で過去最高額の損害賠償命令は重く、その負担を米側にも求める交渉をあらためて迫られている。
(2)米軍が公務中、第三者に与えた損害の賠償は、日米両政府が分担すると日米地位協定第18条に定められている。しかし、基地騒音の損害賠償に関して米側は分担に応じず、日本側が肩代わりする状況が続いている。この一点においても、米軍駐留経費の日本負担増という米側の要求には無理があると思わざるを得ないのだが、政府としては、損害賠償に関する地位協定の履行を米側に要求する一方、税金によって賄わざるを得ない基地騒音の賠償金支払いについて、安全保障のコストとして国民の理解を得る必要がある。
(3)違法な騒音被害を放置してきたという司法の指摘も重い。日米両政府が締結した嘉手納基地の騒音防止協定では、深夜・早朝の飛行制限や人口密集地上空の飛行回避、夜間のジェットエンジンテスト禁止などの対策が定められている。しかし、協定違反の飛行が絶えず、嘉手納基地の所属機以外の外来機も増えているとして、嘉手納町議会は昨年12月、騒音激化に抗議する意見書・決議を採択し、政府や米軍に提出している。

(神戸新聞)

(1)判決は「国民全体が利益を受ける一方、一部少数者に特別の犠牲が強いられていると言わざるを得ない」と述べている。その上で「米国と日本政府は抜本的な防止策を取らず、違法な被害が漫然と放置されている」と断じた。
(2)認定された健康被害は多岐にわたる。日常生活の精神的苦痛、睡眠妨害、高血圧症などの健康上のリスク増大…。被害を救済するには、一部でも夜間と早朝の飛行を差し止めることしかない。司法判断もそれを促している。
(3)一方で、原告の飛行差し止めの訴えは今回も退けられた。日本政府には第三者の米軍の行為を制約する権限はない。これまでの「第三者行為論」を踏襲した。判決の中で、解決に向けて動こうとしない政府の姿勢を厳しく批判しながら、司法自身も次の一歩を示そうとしない。では、静かな夜を取り戻したいと願う住民は一体、どうすればいいのだろうか。

(東京新聞)

(1)米軍基地に絡む騒音被害の訴訟は今やワンパターン化しているといえる。騒音被害の賠償は認めるけれど、米軍機の飛行差し止めは退ける-そんな形式である。これは一九九三年に最高裁が、国に米軍機の運用を制限する権限はないと判断したことを根拠としているのだろう。
(2)第四次厚木基地騒音訴訟では自衛隊機についてのみ、夜間と早朝の飛行を差し止める判断が出たものの、最高裁で取り消された。昨年十二月に飛行差し止めを認めない判断が確定している。だから、いよいよ賠償は認めるが飛行差し止めはなしという形式が明確化している。それに従えば、今回の判決も容易に予想できた。嘉手納町などに住む原告のほぼ全員にあたる二万二千五人について、過去の騒音被害を認めて国に賠償するよう命じたのである。
(3)賠償額は原告によって異なる。国が住宅防音工事を行う基準である「うるささ指数」(W値)をものさしにしている。W値七五の原告には一カ月あたり七千円。W値九五だと三万五千円…。だが、国がお金を払えば済む問題ではない。騒音は人間の生活や生存そのものを脅かす公害だからだ。
(4)もともと九六年に嘉手納基地の午後十時から午前六時までの飛行制限については、日米両政府の合意がなされたはずである。ところが実際には昼夜を問わぬ爆音にさらされている。滑走路に近い地区では二〇一五年度に夜間・早朝に月平均で一七五・七回もの騒音が発生しているという。


Ⅲ.主張

(信濃毎日新聞)

(1)いつまで訴えを繰り返さなければならないのか。原告らはやりきれない思いだろう。
沖縄県の米軍嘉手納基地を巡る第3次爆音訴訟の判決はこれまで同様、国に損害賠償だけを命じるものだった。司法による救済に限界があるなら、抜本解決を図るのは政治の務めだ。
(2)基地の爆音を巡り、各地で訴訟が繰り返され、国への賠償命令が続いている。政府は切実な訴えを重く受け止め、違法な状態の解消に努める責任がある。
(3)判決後、菅義偉官房長官は記者会見で「可能な限りの配慮を米軍に申し入れ、住宅の防音工事など負担低減に全力で取り組む」と述べている。言葉だけでなく、きちんと実行しなくてはならない。まずは睡眠妨害をなくすことが急務だ。全国の基地で夜間、早朝の飛行を止めるよう、米側と交渉すべきである。

(北國新聞)

 日米両政府は、騒音防止協定を徹底し、さらなる対策の検討も進めてもらいたい。

(神戸新聞)

(1)判決のたびに国の責任が指摘されるが、政治は動かない。「願いがかなうまで、声を上げ続ける。そうでないと『(現状を)認めた』『受け入れた』と言われかねない」。原告住民の言葉は重い。今度こそ国は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
(2)沖縄だけでなく厚木、岩国、横田など各地で、基地の騒音による健康被害救済を求める訴えが広がる。特別な犠牲を、違法な被害を強いられている住民を放置してはならない。

(東京新聞)

(1)原告が真に求めているのは「静かな夜」である。その点を国も司法も米軍も、どれだけ真剣に考えているだろうか。
(2)確かに那覇地裁沖縄支部は「周辺住民に生じている違法な被害が漫然と放置されている」と国の対応を非難した。ならばもっと強く騒音被害の改善を図るよう国に迫るべきであろう。国も日米間の合意に基づいて、日米合同委員会などの場で米国側に強く働きかけるべきである。
(3)約三百二億円という史上最高の賠償額を国はもっと深刻に受け止めるべきである。「静かな夜」で眠りたいという、人間としての当たり前の求めに真摯(しんし)に応答しないといけない。



 今回の判決への評価は、「原告の飛行差し止めの訴えは今回も退けられた。日本政府には第三者の米軍の行為を制約する権限はない。これまでの『第三者行為論』を踏襲した。判決の中で、解決に向けて動こうとしない政府の姿勢を厳しく批判しながら、司法自身も次の一歩を示そうとしない。では、静かな夜を取り戻したいと願う住民は一体、どうすればいいのだろうか。」(神戸新聞)、という指摘に尽きる。
 安倍晋三政権へは、やはり、「W値七五の原告には一カ月あたり七千円。W値九五だと三万五千円…。だが、国がお金を払えば済む問題ではない。騒音は人間の生活や生存そのものを脅かす公害だからだ。」(東京新聞)、との怒りを突きつけなけねばならない。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-05 06:14 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月4日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 2017年3月4日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 そうなのだ。
 「名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟で県と国が和解してから4日で1年」になった。
 このことを、沖縄タイムスは、「国は、昨年末の辺野古違法確認訴訟で勝訴し工事を再開したが、翁長雄志知事はあらゆる手法で阻止する姿勢をみせる。」、と伝え、その背景を「違法確認訴訟に至る和解条項の『判決に従い、互いに協力して誠実に対応する』という文言を巡る見解の相違があ。」、と説明する。
 これまでの経過を見た時、確かに、「国は一方的な『解釈』のもと、新基地建設工事を強行」するという、あざとい安倍晋三政権の手法が際立つ。


(1)琉球新報-文化の力で基地建設止める 辺野古ゲート前、三線と琉球舞踊披露 きょう「さんしんの日」-2017年3月4日 11:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古への新基地建設阻止に向けて市民が抗議行動を続ける米軍キャンプ・シュワブゲート前で4日午前「さんしんの日」に合わせた三線演奏会が始まった。三線や箏の奏者20人の演奏による『かぎやで風』の踊りで幕開けし、ゲート前に集まった100人以上の市民も『てぃんさぐぬ花』の合唱やカチャーシーで盛り上がった。若者たちの歌など芸能の披露が続き、正午の全県一斉の三線合奏にも加わった。」
②「飛び入りで参加した彫刻家の金城実さんは『滝落とし』の演奏に乗せて、げたを持って踊る『げた踊り』を勇壮に披露した。金城さんは『太刀を持つことが許されなかった琉球の人たちが、薩摩の役人の横暴から逃れるためにげたを持った。攻撃のためではなく身を守るための文化だ』と紹介した。」
③「ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は『ゲート前のさんしんの日演奏は3年目になる。沖縄には文化の力がある。どんな妨害があろうと、政府が辺野古の基地建設をあきらめるまで何度でもやる』と語った。」
①「午前10時半時点で工事関係車両の基地内への出入りはなく、約150人の市民がゲート前の沿道に集まっている。海上では新基地建設に反対する市民らが抗議船2隻とカヌー10艇で工事の様子を警戒しているが、作業の様子は確認されていない。」



(2)琉球新報-「民主主義問われる」 辺野古新基地で志位委員長 名護市長と面談-2017年3月4日 14:17


 琉球新報は、「共産党の志位和夫委員長は4日午前、名護市役所に稲嶺進名護市長を訪ね、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に向けた連携を確認した。志位氏は辺野古新基地建設阻止を掲げる県や市、市民らの動きに関し『日本の民主主義が問われる闘いだ』と述べた。解散・総選挙の可能性が指摘される衆院選、来年の名護市長選や知事選などで野党共闘を結束させ、勝利を目指す考えを示した。稲嶺市長は『野党共闘を成功させてほしい』と期待した。」、と報じた。
 また、「志位氏は辺野古の浜テントや米軍キャンプ・シュワブゲート前も訪れ、辺野古新基地建設に反対する市民らにあいさつし、国会や各種選挙で基地建設阻止へ尽力することを誓った。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-経団連会長「返還は効果大きい」 普天間飛行場の跡地利用に協力示唆-2017年3月4日 09:16


 沖縄タイムスは、「日本経済団体連合会(榊原定征会長)と九州経済連合会(麻生泰会長)の役員らが3日、宜野湾市役所を訪ね、同市の佐喜真淳市長から米軍普天間飛行場の現状と跡地利用に向けた取り組みなどについて説明を受けた。会合は非公開だったが、終了後、榊原会長は記者団に対し『返還後は年間8千億円の経済効果があるという。(跡地の)有効活用は県民全体に効果が大きい』と経済界としても普天間の跡地利用に協力する考えを示した。」、と報じた。
 また、「佐喜真氏は、市がふるさと納税や寄付金なども活用し2017年度中の設立を構想する、跡地利用や人材育成などのための基金についても協力を求めた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古訴訟、県と国の和解から1年 条項、割れる見解-2017年3月4日 09:13


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟で県と国が和解してから4日で1年になった。国は、昨年末の辺野古違法確認訴訟で勝訴し工事を再開したが、翁長雄志知事はあらゆる手法で阻止する姿勢をみせる。背景には、違法確認訴訟に至る和解条項の「判決に従い、互いに協力して誠実に対応する」という文言を巡る見解の相違がある。」(政経部・大野亨恭、東京報道部・上地一姫)
②「2016年3月4日、翁長知事と安倍晋三首相は、福岡高裁那覇支部が示した(1)埋め立て工事を直ちに中止する(2)判決が確定するまで円満解決に向け協議する(3)確定判決には従う-ことが柱の和解を受け入れた。一審、福岡高裁那覇支部判決で国が勝訴した後、12月の最高裁弁論で、県は違法確認訴訟を和解の「枠外」とする一方、国は「枠内」と主張した。国が枠内を主張する背景には、和解条項を盾に撤回などの知事権限の“封印”を狙う国の思惑が透けて見える。」
③「国は『判決に従い、互いに協力して誠実に対応する』との文言を利用し、知事は埋め立て承認を復活させ、その後も知事権限などは行使しない-と県の動きを縛ることを狙う。
一方、県は、最高裁判決は数ある知事権限の一つへの判断にすぎないとし、和解にある「互いに協力」という文言は今後の知事権限を縛るものではないと反発する。和解で想定していたのは『是正指示取り消し訴訟』だったが、実際に県と国が争ったのは違法確認訴訟だったため、そもそも和解条項は適用外との認識だ。」
④「だが国は、『法治国家であり、判決や和解に従い埋め立て工事を進める』(菅義偉官房長官)と繰り返す。国は一方的な「解釈」のもと、新基地建設工事を強行している。」


(5)沖縄タイムス-「政治色が強い」会場使用認めず 孫崎享さん勉強会「沖縄とトランプ大統領」-2017年3月4日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「県立博物館・美術館を運営する指定管理者『沖縄美ら島財団』(花城良廣理事長)は3日までに、『沖縄とトランプ大統領』をテーマに元外務省国際情報局長の孫崎享さんを招いた勉強会(主催・東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター)の会場使用について、『政治色が強すぎる』などの理由で申請を認めない決定を出した。主催者の緒方修センター長は『過去に講演会やシンポジウムを開いているが、なぜ今回はだめなのかが分からない。孫崎さんの現政権批判の論調が理由なら、言論の自由に関わる問題だ』と批判している。」
②「緒方センター長によると、20日に予定していた勉強会はトランプ米大統領の就任と、名護市辺野古の新基地建設や中国脅威論に固執する安倍政権とのはざまで沖縄はどうするべきかを考える趣旨だった。2月中旬、同館に会場の申請を出したが、担当者から『中身がそぐわないので貸すことができない』との連絡があったという。緒方センター長は『米国と安倍政権に翻弄(ほんろう)される沖縄、基地問題について、県民が知りたいテーマでもある』と指摘。『孫崎さんの勉強会の、どこがそぐわないのかが分からない。今回のような対応がまん延すれば、次第に公共的な施設では自由な言論は禁止になりかねない』と訴え、同館に文書での回答を求めた。」
③「一方、昨年4月から同館施設を運営する指定管理者の美ら島財団の担当者は、孫崎さんの勉強会を『政治色が強い』との理由で会場使用を不許可にしたことについて『同館設置の趣旨に則していなかった。政治色の判断基準は決まっていないので難しいが、統括と班長、担当者3人の計5人でさまざまな観点から判断した』と説明した。県と協議した結果、4月以降の施設利用について『土日、祝日は設置目的に沿った事業への利用を優先し、仮予約の時点で内容や趣旨などを精査することに決まった』と説明。勉強会の予定が3月中にもかかわらず、4月以降の利用基準で判断したことについては『担当者の誤りだった』と同センターに謝罪した。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-04 17:22 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第66回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「ヒロジを返せ! 県民大集会」。
この報告で、三上さんが最も訴えたかったことの一つは、次のことです。


 「アノヒトタチ、無責任だわ。中国が攻めてきたらどうするの?」と沖縄の基地反対運動を白い目で見る人々が増えているようだが、中国の脅威より先に、一人ひとりの人権が守れない国になっている恐怖になぜ鈍感でいられるのだろうか。弾圧が始まっている危機になぜ気づかないのだろうか。国の都合で人権が奪われても仕方がない人がいる、なんてことを認めてしまったら、どれだけ恐ろしい社会が復活してしまうのか想像できているだろうか。それは、こんな不当な長期勾留を傍観しているあなたがたが作り出してしまう社会なのだ。」


 三上さんの66回目の報告です。


(1)「ヒロジを返せ! 県民大集会」の熱気を伝えます。


 「ヒロジを返せ!ヒロジを返せ!」
 裁判所の職員が制止するのを振り切って数百人が敷地になだれ込んだ。「代表だけにしてください!」「プラカードはだめです!」

 しかし、集会参加者の熱を抑え込むことは、もうできなかった。
 2月24日。裁判所前で開かれた博治さんら3人の即時釈放を求める大集会で、那覇地裁の阿部正幸所長あての即時釈放を求める抗議文を決議した。代表がそれを提出するために裁判所の敷地に入っていくときのことである。
 集まった人々の思いは強く、沖縄県警もなすすべがない。裁判所の玄関を埋め尽くした人々の歌「今こそ立ち上がろう」を聞いているしかなかった。右奥の建物には、沖縄の平和運動を牽引してきた唯一無二のリーダー・山城博治さんが勾留されている。もう四カ月も、家族に会うことさえできぬまま、手紙も受け取れない、人権を侵された状態で囚われの身となっている。
 でも、この日は1000人を超える人たちのシュプレヒコールが、冷たいコンクリートに囲まれた空間にも届いただろう。博治さんは自分で作詞した「今こそ立ち上がろう」の合唱を聞いて、3畳の部屋でむせび泣いていたかもしれない。参加者の目にも涙があった。何人も泣いていた。「ヒロジ」と書かれたプラカードが空につきあげられ、抗議の声は途絶えることなく那覇に街に響き渡っていた。「われらのリーダーを返せ!」の声は長い列となって、重い冬曇りの国際通りを練り歩いた。


(2)三上さんは、今回の逮捕劇の愚かさを報告します。


 一本千数百円しかしない有刺鉄線を二本切った。それで逮捕拘束された例があるだろうか。器物損壊といってもごく微罪である。その後、辺野古のゲート前にブロックを積んだこと、防衛局員を揺さぶってけがを負わせたこと、いろいろ合わせて威力業務妨害と傷害容疑だという。証拠隠滅もできない、逃亡の恐れもない博治さんを4カ月も勾留するに足る正当な理由など全く見当たらない。それなのに最高裁は保釈を認めなかった。人権の最後の砦であるはずの司法は、またも沖縄のためには機能しなかった。これは明らかに、国の方針に背く表現などは認めませんよ、という権力を使った恫喝である。反対運動するとこうなりますよ、という表現行為の萎縮を狙った見せしめ行為に裁判所がお墨付きを与えたも同然であり、これは日本国民の表現の自由の一角が確実に崩れ始めている姿そのものである。


(3)さて、山城博治さんについては、こんな報告です。


 博治さんは稀有なリーダーである。よく泣く。人前でわんわん泣く。怒鳴るし怒るけど、豪快に笑う。すぐ踊る。大衆の抵抗運動を指揮する軍師としての才能は、いうまでもない。非暴力でありながらひるまずに実力阻止をする体制を次々と編み出して、ケガ人も逮捕者も極力出さない中で、継続可能な抵抗の形を維持する。何よりも、圧倒的に不利な状況にあるときにこそ、「今日はこちらが勝っているぞ! なぜなら…」と意気消沈する仲間を鼓舞する天才なのだ。小さな勝利を見つけるのがうまくて、小さな勝機を最大限に活かす。一緒にいると、もっと頑張れるという気持ちを全員が持てる。明日も来ようという楽しさまで生まれてくる。

 その中でも、私が博治さんを突出したリーダーだと思うのは、常連であれ初心者であれ、地元からだろうと本土からだろうと、まったく分け隔てなく来てくれる人たちを大切にする細やかさだ。名前を覚える。役割を与える。短気で怒鳴ったときでも、後で必ず頭を下げ、言い過ぎた、という。何より同じうちなーんちゅだろう? という姿勢で沖縄県警にも防衛局員にも、警備のアルソックにも話しかける。対立しながら、本当の敵はお前たちではない。こっち側に来たかったらいつでも大歓迎だ。電話してこい! と携帯番号も叫ぶ。そんな博治さんだから、悪性リンパ腫で入院生活に入るときにも、いつもは激しくぶつかり合っている沖縄県警のなじみの警官たちが心配して駆け寄ってきた。

 「新聞で読んだよ」「知らなかったよ」

 中には肩に手を当てて、一刻も早く良くなって。また戻ってこられるように…と言ってくれた警官もいたという。その日の様子は撮影できなかったが、6月23日の慰霊の日に合わせて、博治さんが抗がん剤治療のスケジュールの合間に、入院先から一度ゲートに戻った日に私はカメラを回していた。頭に毛がなくなり、マスクをして、両脇を抱えられるように歩く博治さんだったが、ゲート前まで来ると県警の3人が近づいてきた。

 「元気そうだね…」「嬉しいような。難しいね」と言って笑いあっていた。「高江からだから、もう長いもんな。情が移らないと言ったら、うそになるよな」。そういう博治さんも嬉しそうだった。名護署員だったと思う。サングラスをしていて目は見えなかったが、彼も嬉しそうだった。そしてこう言った。

 「元気になってから、また、お互い暴れましょう」

 彼に会ったことがある人は、30分で彼を好きになるだろう。私は15年博治さんを見てきたが、彼のことはよく知ってるつもりだ。でも今、モザイクをかけ、意図的に編集した博治さんの携帯電話レベルの動画が流布され、辺野古の過激派リーダーという虚像が作り上げられている。趣味の悪い戯言と言っていられないほど出回って、ついにテレビ番組で無批判に取り上げられる世の中になった。逮捕されても仕方がない悪人であると思い込みたい人たちも視聴者の中にはたくさんいるようで、沖縄ヘイトが一つの社会現象にまでなった感がある。


(4)三上さんは、こんな取り組みを。


 『標的の村』『戦場ぬ止み』、いずれを見ていただいても、リーダー山城博治の魅力は伝わると思う。間もなく25日から公開になる(沖縄は11日から)『標的の島 風かたか』も、さらに人間臭い博治さんの姿が見る人の心をとらえるだろう。それでも、世の中の人たちが「ニュース女子」のような番組を見て基地反対運動を分かったかのような態度で切り捨てていく現象に歯止めがかけられない、追い付かない、と焦りが募る。

 私は考えた。一つ、私にできることとして、博治さんの魅力を25分にまとめたVTRを作った。そして、今月発売になるDVD『戦場ぬ止み』の特典映像とした。すでにこの映画を見た人でも、未公開映像25分『不死鳥 山城博治』を見るために、また手に取ってくれるかもしれない。DVDなら、自宅でゆっくり何度でも見ることができる。誰かにあげることもできる。そういう場所に、ちゃんと正面から博治さんをとらえた映像を、置いておきたかった。そこには、入院する前のゲート前最後の日の映像から、退院して歌と踊りで迎えられた2015年9月20日の復活の日、正月の大演説まで、人間・山城博治の名シーンが詰まっている。私たち映画スタッフから博治さん救済のためにできることはこんなことしかないが、最大の愛を込めて作った。

 今、予約販売をネットで受け付けているので、予約だとずいぶん安く、3000円ちょっとで買える。沖縄の平和運動を誤解しているかもしれない人がいたら、ぜひ紹介してほしい。このマガジン9の読者はここで私の動画でたくさん見てくれているかもしれないが、いずれもニュースでは全く流れてないものばかりである。どんな思いで基地建設に反対しているのか、どんな人たちが毎日踏ん張っているのか。日当をもらっているとか、外国人ばかりとか、まったくのデマを信じ込まされる前に、映像を見てほしい。


(5)最後に、金沢の地で三上さんが得たもの。「決意」について。


 ところで、私は今日金沢に来ている。昨夜遅くまでかかって、新しい映画の最後の作業を東京で終えて、その足でやってきた。石川県は3年前、県内9カ所で連続して『標的の村』上映活動を大成功させてくれた土地だ。まだ放送局員だった私に、こんな風に熱烈な支援で、沖縄も、動画製作者も支えようという人々がいることを力強く示してくれた場所だった。それは、アメリカ軍の試射場の建設問題と闘って勝った内灘とか、珠洲の原発反対運動に勝ったとか、そこに至る苦労をよく知る土地柄だったことと無縁ではない。

 内灘闘争のあった土地に生きるある女性が「金は一年 土地は万年」と書かれたむしろ旗を沖縄の闘争現場に持って行ったとき、博治さんがすかさず「内灘からですか」と笑顔で言ってくれたそうだ。彼女はすっかり感激し、博治ファンになったという。博治さんは日本各地の住民闘争について深い思いを持っていた。だから沖縄だけが被害者であるような言い方もしなかったし、遠くから来てくれる方々の思いに報いたいと懸命だった。

 この女性が言っていた。初めて辺野古に行っておろおろしていた時に、やさしく声をかけてくれたのが博治さんだった。そして、いつも来る人たちに対して、「周りを良く見てほしい。一人でいる人がいないか。遠くから一人でも来てくれている仲間を大切にしてほしい。目配りをしてほしい」と。

 私は今夜その話が聞けてとても嬉しかった。遠い金沢で、博治さんを知る人がたくさんいて、そのすごさを口々に語るのを見て誇らしかった。過激派呼ばわりされ貶められ幽閉されたままの今の状況に焦って空回りしていたけれど、全国には博治さんのことをちゃんと知ってる人がたくさんいる。自分のことのように心配してくれている人がたくさんいる。山城博治は沖縄県民の誇りであるだけでなく、日本中のがんばっている人たちの誇りでもあるのだ。また不死鳥のように現場に舞い戻ってくるその日まで、自分のやるべきことをやろう。彼の分まで頑張ろうと歯を食いしばっているたくさんの仲間たちと同じように。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第66回の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-03-04 08:07 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月3日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 2017年3月3日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「沖縄は基地が異常に多い」 ゲート前に東京のオールズ 辺野古新基地建設-2017年3月3日 11:44


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題で、移設に反対する市民ら約30人が3日午前、米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込んでいる。午前8時40分ごろ、機動隊約30人が市民らを排除し、8時47分までに資材を積んだ大型トラックなど8台がシュワブ内に入った。」
②「ゲート前には東京都のJR巣鴨駅を中心に活動している『OLDs(オールズ)』のメンバー5人が駆けつけ、新基地建設反対を訴えている。60歳以上のメンバーで構成される同団体は、安全保障関連法に反対して活動していた若者グループ『SEALDs(シールズ)』に影響を受け『高齢』を意味する『OLD』から『オールズ』と名付けた。メンバーは2日から8日まで沖縄に滞在する。共同代表の家森健さん(64)=東京=は『10年前にも沖縄を訪れたが、基地が異常に多い状態は変わっていない。さらに新基地を辺野古に造るとは何事か。許してはいけない』と訴えた。」
③「2015年7月に活動を開始した同団体は安保法案や福島原発について、政府の姿勢を批判してきた。毎週土曜日に巣鴨駅前で、ビラ配りや署名活動をするなどして、抗議活動を展開している。主要メンバーは10人程度だが、これまでの集会に最大で約300人が集まった。家森さんは『ゲート前に座り込んでいる人の多くは高齢者だが仕方ない。若い人には仕事がある』と話す。『私も60歳までは仕事ばっかりだったが、頭の中に【沖縄の基地問題】がずっとあった。これまで沖縄に任せっきりだった。基地問題や福島の原発問題には差別が集約されている』と指摘した。」
④「一方、大浦湾では午前10時半までにコンクリートブロックが少なくとも5個投下された。新基地建設に反対する市民らは抗議船2隻とカヌー隊約10艇で工事の様子を監視している。」


(2)沖縄タイムス-辺野古新基地:ブロック5個、海中に投下 ゲート前で40人座り込み-2017年3月3日 12:18


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事で、沖縄防衛局は3日も作業を進めた。午前11時半までに、米軍キャンプ・シュワブ沖で大型作業船から5個のコンクリートブロックを海中に投下された。シュワブゲート前では、約40人の市民が座り込んだ。午前8時45分、市民らが機動隊に排除され、クレーン付きトラックやダンプカーなど計8台がゲート内に入った。午前11時、基地内に入った工事関係車両が出る際に再び市民らが排除された。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-翁長沖縄知事、森友学園HPに不快感 誤った情報「こうやって拡散していくんだな」-2017年3月3日 07:28


 沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事は2日の県議会一般質問で、大阪市の学校法人『森友学園』の籠池(かごいけ)泰典理事長がホームページに掲載していた、知事に関し『中共の手先かもしれない』などとする書き込みに反論した。その上で『責任のある立場の方々は、事実関係を確認した上で発言するべきだ』と苦言を呈した。籠池氏は知事に対して「親中華人民共和国派」「娘婿も支那の人」などと事実誤認の書き込みをしていた。」、と報じた。
 また、「知事は『私の娘は一度も中国に行ったことがない』などと強調。書き込みを報道で知ったとして『大変びっくりした。このようにして(誤った情報が)拡散していくんだなと思った。ネットに一度載ってしまったら、(印象が固定化され)大変なことになる』と述べ、不快感を示した。瑞慶覧功氏(おきなわ)の質問に答えた。」、と伝えた。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-03 20:01 | 沖縄から | Comments(0)

第3次嘉手納爆音訴訟(4)-沖縄タイムス・琉球新報社説より-

 琉球新報は2017年2月23日、第3次嘉手納爆音訴訟の判決について、「米軍嘉手納飛行場の周辺住民2万2048人が国を相手に、夜間・早朝の米軍機飛行差し止めや騒音被害に損害賠償を求めた第3次嘉手納爆音訴訟の判決が23日午前、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で言い渡された。藤倉裁判長は差し止めの訴えを退け、過去分の損害賠償の支払いのみを命じた。」、と報じた。
 第3次嘉手納爆音訴訟の判決結果を琉球新報と沖縄タイムスは、その社説で、「嘉手納爆音訴訟判決 夜間飛行容認許されぬ 差し止めぬなら基地撤去を」「[嘉手納爆音訴訟判決]日米の無策 司法が助長 」、とそれぞれ批判した。
 まずは、二紙の社説を要約する。


Ⅰ.判決の意味

(琉球新報)
(1)米軍機の飛行差し止めを回避する判決がまたも繰り返された。米軍基地運用に司法は口を挟めないという思考停止を脱しない限り、基地被害は永久に救済されない。第3次嘉手納爆音訴訟の那覇地裁沖縄支部判決は米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めを認めず、将来分の損害賠償も退けた。
(2)第2次訴訟で退けられた読谷村座喜味以北の原告への賠償が認められたことを「前進」とする声も原告団にある。しかし安眠を妨げる夜間・早朝の飛行差し止めに踏み込まない限り、爆音被害の抜本的な改善にはほど遠い。米軍基地の自由使用を容認する国策追従の判決と言わざるを得ない。

(沖縄タイムス)
(1)住民の健康に被害を及ぼすほどの爆音が発生しているのに、国や裁判所はそれを止められない-。第3次嘉手納爆音訴訟の判決を一言で説明するとこうなる。
(2)那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は、深夜・早朝の米軍機飛行差し止め請求を棄却する一方、原告2万2005人に対し損害賠償を認め、国に合計301億9862万円の支払いを命じた。かつてない巨額の賠償は、第1・第2次、普天間、厚木・横田などを含む過去の基地騒音訴訟の賠償総額をも大幅に上回った。
(3)判決は、高血圧症の発症など爆音による健康被害を普天間に続き認め、第2次訴訟では防衛省の騒音測定調査(コンター)外として対象外とされた読谷村座喜味以北の被害認定に踏み込んだ。騒音が子どもにより大きな影響を及ぼしている可能性を示唆し、戦争を経験した高齢者は爆音で戦争時の記憶をよみがえらせ大きな不安を与えるであろうことも認定した。米軍機が戦争PTSDに悪影響を及ぼす可能性に触れた形で、被害認定の前進と言える。


Ⅱ.残されたままの問題点

(琉球新報)
(1)最大の被害は米軍機の夜間飛行の爆音だ。最近でも昨年10月19日の午前2時半にF16機6機が離陸し最大100・2デシベルを計測した。住民が熟睡する深夜に「電車が通るガード下」に相当する爆音が基地周辺住民の安眠を奪う「殺人的な爆音」が日常化している。第2次訴訟の控訴審判決は「飛行差し止めの司法救済が閉ざされている以上、国は騒音改善の政治的な責務を負う」と国の騒音改善の責任を指摘した。しかし夜間飛行の横行は何ら改まっていない。今回の判決も「午後10時から午前6時の飛行制限が十分に履行されず、違法な被害が漫然と放置されている」と国の怠慢を厳しく批判している。
(2)であれば飛行差し止めに踏み込むべきではなかったか。国の無作為で夜間飛行が放置され、その実態を知りつつ、地裁判決は飛行差し止めを回避した。被害救済を放棄する国と司法の無作為、無責任の連鎖と言うしかない。
(3)厚木基地訴訟の2014年5月の横浜地裁判決は初めて自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じ、15年7月の東京高裁判決は将来分の賠償をも認める初判断を下した。しかし昨年12月の最高裁判決は自衛隊機の飛行差し止め、将来の賠償のいずれも退けた。それを受け那覇地裁も将来の賠償を退けた。住民保護に傾きかけた東京高裁判決から後退する司法の反動に那覇地裁も追従した。
(4)米軍機の飛行差し止めを回避する裁判所の論理は「国は米軍機運航を制限できない」とする「第三者行為論」と、その背後にある「高度の政治性を有する安保条約は司法判断になじまない」とする統治行為論である。統治行為論は米軍駐留を違憲とする一審を破棄した1959年の「砂川事件」最高裁判決が源流だ。しかし同判決は近年、当時の最高裁長官が日米両政府の圧力を受けていたことが米公文書で判明している。

(沖縄タイムス)

(1)一方、飛行差し止め請求は従来通り門前払いした。静かな夜を勝ち取ろうと、原告が爆音による健康被害の立証に重きを置いた結果、裁判所は、被害の一部を認めざるを得なくなった。それにもかかわらず差し止めは請求できないという矛盾の理由はまたも、米軍の行為を国は制限できないとする「第三者行為論」である。
(2)日米安保条約と地位協定は国の権限を定めておらず、そのため国に飛行制限の手立てはないとする。そうであれば、この条約や協定にはそもそも不備があるのではないか。第三者行為論はこうした不備を司法が追認することに等しい。
(3)「対米訴訟」後初の本訴となる今回、原告は、米国への訴訟が退けられる中での第三者行為論が、裁判を受ける権利を侵害するとも主張した。裁判所は、棄却そのものが権利の行使であり、侵害には当たらないとする。米国に訴状を届けもせず棄却した事実をもって「裁判権を保障した」というのは暴論だ。
(3)騒音対策への国の対応について裁判所は、効果がないばかりか、努力の跡もみられないなど厳しく批判した。しかしそうした国の無策を助長しているのは、この間の司法判断ではないか。第三者行為論や対米訴訟で国や米国を免責しておきながら、爆音対策の履行を求めたとしても実現するとはとても思えない。


Ⅲ.主張

(琉球新報)

(1)終戦後の米国の影響下で日本の司法が歪(ゆが)められたのである。「国は米軍に口出しできない」「司法は高度の政治問題を判断できない」との論理は日本の主権と司法の独立の否定にほかならない。
(2)米軍が夜間飛行を続け国がこれを漫然と放置し、司法も救済しないのなら、爆音の発生源の基地撤去を求めるしか手だてはないのではないか。
(3)沖縄国際大学の友知政樹教授は、嘉手納基地返還後の跡地利用の「直接経済効果」を年間1兆4600億円と試算する。嘉手納基地は沖縄戦時に日本軍が飛行場を建設し、占領米軍が基地として接収した。故郷を奪われた住民は周辺に移り住み、今なお爆音禍に苦しみ爆音訴訟の原告に名を連ねている。基地撤去の要求を不当とは決して言えない。
(4)嘉手納基地の爆音被害を放置する政府と司法に対しては、基地撤去要求をも辞さない強い決意で爆音解消を訴え続けねばならない。全国の米軍基地、自衛隊基地の騒音訴訟原告団との連携も重要だ。政府の無作為を突き動かし、司法の「第三者行為論」を突き破る理論武装が必要だ。将来の基地撤去をも視野に置く、たゆまぬ裁判闘争を原告団に期待したい。

(沖縄タイムス)

(1)第1次訴訟の確定から19年が経過した。今判決では、遡(さかのぼ)ること1970年代には爆音が社会問題化していたと触れるが、国が真摯(しんし)に向き合った形跡はみられない。その結果、被害は蓄積して多くの住民の健康と生活の安心を奪い続け、賠償額はいまや300億円超となった。地位協定は米側が75%を負担すると定めるが、これまで国が米側に請求したことはない。全てに国税が充てられることを考えれば、国と司法の無策ほど高く付くものはない。


 この判決を、まさしく言い当てているのは、「騒音対策への国の対応について裁判所は、効果がないばかりか、努力の跡もみられないなど厳しく批判した。しかしそうした国の無策を助長しているのは、この間の司法判断ではないか。第三者行為論や対米訴訟で国や米国を免責しておきながら、爆音対策の履行を求めたとしても実現するとはとても思えない。」、との沖縄タイムスの批判であろう。
 また、「国が真摯(しんし)に向き合った形跡はみられない。その結果、被害は蓄積して多くの住民の健康と生活の安心を奪い続け、賠償額はいまや300億円超となった。地位協定は米側が75%を負担すると定めるが、これまで国が米側に請求したことはない。全てに国税が充てられることを考えれば、国と司法の無策ほど高く付くものはない。」、との沖縄タイムスの指摘は、思いのほか重要である。
 最後に、琉球新報は「将来の基地撤去をも視野に置く、たゆまぬ裁判闘争を原告団に期待したい。」、とその社説を結ぶ。
 そこに、沖縄の荒ぶる情念と前を見つめる剛さを思う。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-03 07:11 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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