2017年 12月 01日 ( 2 )

沖縄-辺野 高江-から-2017年12月1日

 「苦しみ72年、判決1分」(琉球新報)。
 何と腸を抉る言葉か。
 「沖縄戦被害国家賠償訴訟」の福岡高裁那覇支部による「控訴を棄却する」との判決があった。
 しかし、このことは、「裁判長の退席後も原告らはしばらく動けずにいた。司法は沖縄戦被害の実態に再び背を向けた。沖縄戦から72年、戦争被害者は苦悩を引きずったままだ。」(琉球新報)、ということでしかない。
 はっきりしているのは、「被害が甚大と認めながら救済を否定する不合理で不当な判決だ」(琉球新報)、ということである。
『私はもう何も言うことはありません』
『日本のゆがんだ国の方向性を正す機会にしたい』
この言葉の意味をかみしめる。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年12月1日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 (1)琉球新報-苦しみ72年、判決1分 沖縄戦国家賠償訴訟の高裁棄却 原告落胆-2017年12月1日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「開廷直後、裁判長は淡々と判決を言い渡した。『控訴を棄却する』。緊張感を漂わせて聞き入っていた原告席に座る原告らの表情は一瞬で落胆に転じ、ため息が漏れた。」
②「福岡高裁那覇支部で30日にあった『沖縄戦被害国家賠償訴訟』の控訴審判決の言い渡しは、わずか1分間だった。提訴から5年。「血も涙もねーん(ない)」「涙が出る」。裁判長の退席後も原告らはしばらく動けずにいた。司法は沖縄戦被害の実態に再び背を向けた。沖縄戦から72年、戦争被害者は苦悩を引きずったままだ。」
③「『何のために司法に助けを求めたのか』。野里千恵子原告団長(81)は怒気を込め、原告席を後にした。7月20日の最終弁論で、渡嘉敷島の『集団自決』(強制集団死)について証言した原告の金城恵美子さん(86)は、判決直後の取材に『裁判所は何を考えているのか。認められない』と憤った。」
④「判決の2時間後。原告は沖縄県政記者クラブで会見に臨んだ。野里原告団長は『私たちはいくばくもない命。今まで口を閉ざしていたことを勇気を振り絞って訴えてきた』と裁判への思いを語った。しかし、判決は非情だった。『国が起こした戦争を、国が責任を取らないことは理不尽だ』と怒りをあらわにし、軍人・軍属には補償し、一般の民間人の戦争被害を補償しない国に『本当に不平等だ』と訴えた。コメントを促された金城さんはハンカチで口元を押さえて眉間にしわを寄せ、『私はもう何も言うことはありません』と苦悶(くもん)の表情を見せた。」
⑤「72年間、苦しみが続く原告の間に落胆が広がった。車いすで傍聴した武島キヨさん(86)は沖縄戦中、砲弾の破片で左足などに大けがを負い、今も体内に破片が残る。ズボンのすそをめくり、左足の傷跡を記者に見せた武島さんは『戦争がなければ傷つく必要もなかった。何の補償もない』と声を落とした。沖縄戦で祖父母を失い、自身も足にけがを負った宜保千恵子さん(81)は『戦後長い間苦しんできた上に、訴訟は6年目に入る。亡くなった仲間の無念を思うとつらい』と言葉を詰まらせた。原告は上告の方針だ。野里原告団長は『日本のゆがんだ国の方向性を正す機会にしたい』と語り、国の謝罪と損害賠償の実現に向け前を見据えた。」


(2)琉球新報-沖縄戦の国家賠償訴訟、住民上告へ 高裁、原告の訴え棄却 国の責任認めず-2017年12月1日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄戦で被害を受けた住民や遺族ら66人が国に謝罪と1人当たり1100万円の損害賠償を求めた『沖縄戦被害国家賠償訴訟』の控訴審判決が30日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。多見谷寿郎裁判長は日本兵の傷害行為や原告が抱える外傷性精神障害など戦争被害を認定しながらも、戦時の憲法下で『国の公権力の行使に対する賠償責任は認められない』などとして訴えを退けた一審の那覇地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。住民側は上告する方針。」
②「多見谷裁判長は判決理由で沖縄戦の被害について『軍の統制下で組織的に自殺を教唆、手助けしたことにより生じた特有のもの』と言及したが、戦争では全ての国民が被害を受けたとして『沖縄戦特有の事情から直ちに損害賠償や謝罪を請求することは認められない』と判断した。」
③「一方で、原告2人の受けた被害は日本兵による『傷害行為や自殺教唆行為の存在がうかがわれる』と言及。住民側が受けた外傷性精神障害などは『沖縄戦に起因する』とし、多くの原告住民らが「苦しんでいる」と一審判決にはなかった被害認定をした。ただ、住民側が訴えた国の使用者責任については、国家賠償法施行前だったため損害賠償の責任を負わないとする『国家無答責の法理』で退け、原告2人が受けた被害の責任は『軍人らが個人で負うしかない』と指摘した。」
④「被害補償については『援護法で何ら補償もされていない不合理な事態が生じないよう配慮されている』とし『民間被害者への補償の在り方が不平等だ』との住民側主張を認めなかった。」
⑤「瑞慶山茂弁護団長は『被害が甚大と認めながら救済を否定する不合理で不当な判決だ』と批判した。」


(3)沖縄タイムス-沖縄戦国賠訴訟:法的根拠がないからでは、何も進まない【解説】-2017年12月1日 08:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄戦国賠訴訟の二審判決は、原告となった体験者2人の被害が旧日本軍の加害行為による可能性が高いとしつつも、『明治憲法下には、国の賠償責任を認める法律がない』として、一審那覇地裁判決に続き請求を棄却した。原告が求める被害救済について、全く前進のない判決となった。」(社会部・国吉聡志)
②「誤った国家政策に伴う戦争被害という点で、民間人と軍人・軍属との間に本質的な違いはないはずだ。法的根拠がないことを理由に救済を否定するのは、民間の戦争被害者を不平等に放置することにほかならない。判決の考え方を援用すると、沖縄戦による民間の戦争被害者は、救済法が成立するまで永遠に救済されないことになる。」
③「このような状況において控訴審は、立法や行政府へ救済に向けて動くよう指摘する絶好の機会だった。だが一審に続き、言及はなかった。72年前、国は本土決戦を引き延ばすために沖縄戦を長期化させ、その結果、当時の県民の4人に1人が命を落とした。このような危険状態を形成しておきながら、戦後になって法の根拠がないのを理由に、国が責任を免れることは許されない。」


(4)沖縄タイムス-奥港使用許可取り消し:予期せぬ反発、焦る沖縄県 沈静化へ思惑にじむ-2017年12月1日 08:45


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る国頭村奥港の使用で、翁長雄志知事が30日、許可の取り消しに初めて言及した。背景には市民の予想外の反発に焦り、沈静化を急ぐ県の思惑がにじむ。知事の生命線とも言える辺野古問題で、情報を内部にとどめ、独自に判断した『県の甘さ』を指摘する声も漏れる。」
②「『申請の時点で県が情報を広く出せば、事態は大きく変わったはずだ』。県議会与党会派の一人は、県の対応への批判を強める。県が石材搬送業者に許可を出したのは今年9月。だが、表面化したのは約2カ月後の新聞報道で、知事を支える与党会派や市民団体、地元住民への事前説明はまったくなかった。県は時間をかけ、慎重に協議した結果、港湾法に基づき、許可するしかなく、埋め立て承認撤回という“大一番”を前に、法令順守の姿勢を保持する必要があるとの認識だった。」
③「だが、県が情報を発信しておけば奥区の反対決議の前倒しなど、不許可への道筋を探れたのではないか-。与党県議や新基地建設反対を訴える市民の間に、不満や不信感が渦巻く。」
④「県幹部は『新基地建設反対の姿勢は変わらないことを早急に示さないといけない』と語り、知事の取り消し発言は焦燥感の表れだと示唆した。」


(5)沖縄タイムス-奥港使用許可取り消し言及:小野寺防衛相「業者と十分協議し対応」-2017年12月1日 10:14


 沖縄タイムスは、「【東京】小野寺五典防衛相は1日の記者会見で、沖縄県が名護市辺野古の新基地建設に関連して、国頭村奥港の適正な使用を受注業者に文書で求めたことに、『内容をよく精査し、工事受注者とも十分協議をした上で対応したい』との考えを示した。」、と報じた。
 また、「奥港の使用については翁長雄志知事が11月30日に地域生活に影響が出ているとして、使用許可取り消しに言及している。防衛省は県から奥港の使用許可を得て、11月13日に辺野古の工事に使う石材を奥港で船に積載し、搬出した。その際に騒音が発生したことや、地域住民の通行が制限されたことから奥区が使用反対を決議。県は30日に、使用許可の際に村が付した安全管理計画などの条件が順守されていないなどとして業者に通知文書を出した。」、と報じた。 


(6)琉球新報-【電子号外】米軍属 無期懲役 那覇地裁、殺人罪認定-2017年12月1日 14:52


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた元海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)の裁判員裁判判決公判が1日午後2時半から、那覇地裁で開かれた。柴田寿宏裁判長は無期懲役を言い渡した。」
②「ケネス被告は公判で殺意を否認し、殺人罪の成否が争点となっていた。判決はケネス被告が被害者の後頭部を打撃棒で殴ったり腕や手で首を絞めたりしたほか、ナイフで首を刺したとして、殺意が認められると判断し、殺人罪を認定した。」
③「検察側は逮捕直後に一連の犯行を説明したケネス被告の供述は信用性があるとして、命を奪う危険性が高いと分かりながら一連の行為に及んでいると指摘していた。一方、弁護側は暴行現場でケネス被告が被害者を抱きかかえ倒れ込んだ時に、被害者は頭を強く打ち死亡した可能性が否定できないとして殺人罪は成立しないとした。逮捕直後の供述は信用性に疑問があると主張していた。ケネス被告は公判で黙秘権を行使し供述を拒否していた。」


(7)琉球新報-那覇市議会が全会一致で抗議決議 米兵飲酒運転死亡事故で再発防止求める 高江ヘリ炎上も全会一致-2017年12月1日 12:21


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「11月19日に発生した在沖米海兵隊員による飲酒運転死亡事故について、那覇市議会(翁長俊英議長)は1日、12月定例会本会議を開き抗議決議と意見書案を全会一致で可決した。抗議決議と意見書では、(1)被害者家族への謝罪と完全補償(2)米軍車両を飲酒した米兵が運転できた経緯の説明(3)在沖米軍人・軍属の綱紀粛正と再発防止(4)日米地位協定の抜本的改定と在沖米軍基地の整理・縮小―の4項目を求めた。」、と報じた。
 また、「東村高江の民間地で発生した米軍ヘリ不時着、炎上した事故に抗議する決議・意見書についても、全会一致で可決した。(1)地主への完全補償(2)事故の原因究明と根本的な事故防止策を講じること(3)安全対策が確認できるまでの民間地上空および水源地上空での米軍機の飛行中止(4)日米地位協定の抜本的改定―の4項目を求めた。抗議決議の宛先はいずれも米国大統領、在日米軍司令官、在沖米軍4軍調整官など。意見書のあて先はいずれも衆参両院議長、内閣総理大臣など。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-「沖縄に安心・安全ない」 米F35パネル落下疑い 住民や首長ら怒りと不安-2017年12月1日 12:15


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍嘉手納基地に最新鋭ステルス戦闘機F35Aが暫定配備されてから約3週間。激しい爆音が住民を苦しめる中で、今度はパネル落下の疑いが浮かび上がった。繰り返される米軍による航空機事故や騒音被害、米兵や元軍属による事件…。『沖縄に安心・安全は存在しない』。爆音訴訟原告団長や首長から怒りと不安の声が上がった。」
②「第3次嘉手納爆音差し止め訴訟原告団の新川秀清団長(80)は、ここ2年足らずの間だけみても頻発する米軍絡みの事件や事故、外来機による騒音被害は異常事態だと指摘する。」
③「2016年4月のうるま市の事件では若い女性が命を奪われ、ことし11月には那覇市で米兵による飲酒運転の事故で会社員男性が亡くなった。新川団長は米軍機のパネル落下が事実だとすると重大事故となることを指摘し『陸も空も海も県民は命の危険にさらされている。米軍基地の存在を問わないと人間が住む場所でなくなる』と訴えた。」
④「沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる『嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)』会長の桑江朝千夫市長も『暫定配備後、米軍は安全面には配慮し飛ばすと説明していたが、パネルを落下したのなら全く安全ではない。遺憾だ』と指摘。『どこに部品を落としたのか、どんな訓練をしたときに落としたのか、原因究明をして早急に公表してほしい』と求めた。」


(9)沖縄タイムス-「きれいごと」翁長知事は反発 国が日米地位協定の「順調運用」強調-2017年12月1日 12:05


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「全国知事会の米軍基地負担に関する研究会(座長・上田清司埼玉県知事)の第4回会合が30日、東京都内で開かれた。日米地位協定について、外務省地位協定室の入谷貴之室長の説明に対し、翁長雄志知事は『合点がいかない』と反発した。」
②「非公開の会合後、知事によると、入谷氏は『地位協定は順調に運用されている』との趣旨を説明。運用改善で環境補足協定や軍属補足協定を結んだことも成果として挙げたという。」
③「知事は『沖縄からするときれいごとだ』と批判。環境補足協定は返還予定の基地内への立ち入りを返還の約7カ月前から認める。しかし、これまで返還が決まっていなくても米軍との調整で立ち入り可能だったが、協定締結で逆に認められなくなり、『今までよりも調査が窮屈になっている』と指摘した。」
④「軍属の範囲を明確化した補足協定は締結後、『軍属の数や基準も分からないままだ』と実態を報告した。また、東村高江の米軍CH53Eヘリ炎上事故で米軍が民間地の土壌を搬出したことや、米兵による飲酒死亡事故で、地位協定に基づき事故車両が米軍に返却され、捜査の障壁になっていることを説明した。 知事の説明に京都府の山田啓二知事も『米軍が土壌まで持っていくのはおかしいのではないか』と同調したという。」


(10)沖縄タイムス-米兵飲酒死亡事故:浦添市議会も抗議決議 「市民への不安、看過できず」-2017年12月1日 11:36


 沖縄タイムスは、「沖縄県浦添市議会(島尻忠明議長)は1日に開会した12月定例会本会議で、在沖縄米海兵隊員が飲酒運転し那覇市内で死亡事故を起こしたことへの抗議決議案と意見書案の両案を、全会一致で可決した。抗議決議と意見書では、『米軍車両を運転していたのは、米軍牧港補給地区所属の海兵隊上等兵であり、市民に大きな不安を与えていることを到底看過できない』と批判した。『県民の尊い命が失われたことは極めて遺憾』とし、被害者遺族への謝罪と補償や実効性のある抜本的な施策の実施、在沖海兵隊の国外・県外移転、在沖米軍基地の整理・縮小などを求めている。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-01 18:36 | 沖縄から | Comments(0)

福井県知事が、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に合意。

 福井県の西川一誠知事は、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機の再稼働への同意を表明した。
このことについて、毎日新聞は、次のように報じた。


(1)「関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、福井県の西川一誠知事は27日、県庁で記者会見し、『再稼働は地域のためになる。日本にとっても有意義だ』と述べ、再稼働への同意を表明した。世耕弘成経済産業相に電話で意向を伝えた。おおい町長・町議会と福井県議会も既に同意しており、地元同意手続きは完了した。関電は3号機を来年1月中旬、4号機を3月中旬に再稼働させる計画だ。」
(2)「東京電力福島第1原発事故を受けて策定された原子力規制委員会の新規制基準の下で、西川知事が原発の再稼働に同意したのは、稼働中の関電高浜原発3、4号機(福井県高浜町)に続き2例目。知事同意は▽九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)▽四国電力伊方原発3号機(愛媛県)▽高浜原発3、4号機▽九電玄海原発3、4号機(佐賀県)--に続き全国で5例目となる。」
(3)「大飯3、4号機は5月に規制委の安全審査に合格。西川知事は今月22日、福井県原子力安全専門委員会から2基の安全性を評価する報告書を受け取った。26日には世耕氏と面会し、原発の必要性を訴える国の姿勢を確認した。一方、県外立地を求めている使用済み核燃料中間貯蔵施設については、23日に関電の岩根茂樹社長から『来年には具体的な計画地点を示す』との回答を引き出した。」
(4)「大飯3、4号機を巡っては、福井地裁が2014年5月の判決で、原発から250キロ圏内の住民は『運転により人格権が侵害される危険がある』とし、関電に運転差し止めを命じ、関電側が控訴した。名古屋高裁金沢支部での控訴審は今月20日に結審したが、判決期日は未定。運転差し止め判決が確定しない限り、2基は再稼働できる。」
【岸川弘明、立野将弘】


 さて、問題は、どうして「再稼働は地域のためになる。日本にとっても有意義だ」と福井県知事は言い切ることができるのか、ということだ。
 これに関して、朝日新聞は2017年11月30日、「関電大飯原発 課題はまた置き去りか」、とその社悦で論評した。
朝日新聞は、「再稼働はとうてい容認できない。」との見解の基に、次のように指摘する。


(1)「福井県の西川一誠知事が、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働への同意を表明した。『地元同意』の手続きはこれで終わり、関電は年明け以降、2基を順次稼働させる方針だ。」
(2)「自治体の避難計画作りの対象となる原発から30キロ圏には15万9千人が暮らす。その圏内で、大飯原発から西に14キロの関電高浜原発では、3、4号機が今年5~6月から稼働している。だが、両原発が同時に事故を起こすことを想定した住民避難計画はできていない。重い課題がまたも置き去りだ。再稼働はとうてい容認できない。」
(3)「関電は、運転開始から40年を超えた高浜1、2号機と美浜原発3号機をあと20年使うと決めた。再来年で40年になる大飯1、2号機も存廃は未定だ。福井の若狭湾沿いに多くの原発が集中する状況は当分続く。」
(4)「もし原発事故が起きれば、周辺住民の大半がマイカーで避難する想定だ。これまでの避難訓練で、限られた避難ルートで渋滞が起きないか、悪天候時に一部の地域が孤立しないかといった懸念が浮かんでいる。近接する原発が同時に事故を起こせば、住民の混乱は必至だ。さまざまな展開を想定して計画を練り、住民に周知することが最低限、必要だろう。それがないまま再稼働を進める関電や国はもちろん、同意した自治体も無責任というしかない。」
(5)「30キロ圏に住民がいる滋賀県知事が『容認できる環境にない』と述べるなど、周辺自治体の懸念は根強い。だが関電は、福井県と原発が立地する町以外に『同意権』を認めないままだ。」
(6)「関電の原発は使用済み核燃料プールが満杯に近い。岩根茂樹社長は今月、福井県外につくるとしている中間貯蔵施設について「来年中に計画地点を示す」と述べた。ただ、関西の電力消費地では、多くの自治体が受け入れを拒む構えだ。関電の思惑通りに進むか予断を許さない。」
(7)「関電は高浜原発で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を用いるプルサーマル発電をしており、大飯でも実施の可能性を探るという。だが、使用済みMOX燃料を再処理する国の構想は白紙の状態だ。当面、各原発で保管し続けるしかない。」
(8)「こうした課題の多くは全国のほかの原発にも共通し、しかも繰り返し指摘されてきた。ところが電力会社と国、多くの立地自治体は、真剣に向き合う姿勢をいっこうに見せない。」
(9)「懸念が積み重なるなかで、再稼働だけが既成事実になっていくことを憂える。」


 この朝日新聞の指摘だけから見ても、今回の福井県知事の再稼働承認には、次の問題がある。


Ⅰ.両原発が同時に事故を起こすことを想定した住民避難計画はできていない。重い課題がまたも置き去りだ。
Ⅱ.開催電力は、福井県と原発が立地する町以外に『同意権』を認めないままだ。
Ⅲ.使用済み核燃料について、使用済みMOX燃料を再処理する国の構想は白紙の状態だ。当面、各原発で保管し続けるしかない。


 結局、「ところが電力会社と国、多くの立地自治体は、真剣に向き合う姿勢をいっこうに見せない。懸念が積み重なるなかで、再稼働だけが既成事実になっていくことを憂える。」、という朝日新聞の警告が、日本政府の原発行政のあり方を撃つのである。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-01 06:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧