2017年 08月 08日 ( 2 )

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年8月8日

日米軍副司令官は、オスプレイノ7沖縄県権での飛行について、「安全性を確認した上で、運用上必要だと判断した」(琉球新報)、と説明。 
はっきりしたことは、 日本政府関係者は、『米軍は今後も日本国内での飛行を継続する見通しだ』(琉球新報)と述べ、米軍側の「オスプレイ飛行『自粛』要請の拒否」と日本政府側の『安全面に最大限配慮するよう求めていきたい』という「現状の肯定」。
 どこに、日本側の主権があると言うのか。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年8月8日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-オスプレイ飛行自粛要請を拒否 米軍「運用上必要」-2017年8月7日 19:17


 琉球新報は、「米軍が日本政府の自粛要請にもかかわらず新型輸送機オスプレイを沖縄県内で飛行させたことに関し、日本政府関係者は7日『米軍は今後も日本国内での飛行を継続する見通しだ』と述べ、要請は事実上拒否されたとの考えを示した。シュローティ在日米軍副司令官は同日、小野寺五典防衛相に『安全性を確認した上で、運用上必要だと判断した』と説明した。」

 政府は、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイがオーストラリア沖で墜落した事故を受けて6日に飛行自粛を申し入れていた。

 沖縄県の富川盛武副知事は7日、県庁で防衛省沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長らに原因究明までの飛行中止を要求した。


(2)琉球新報-オスプレイが飛行を強行  県、国に飛行中止要求 知事「国民守る気概あるか」-2017年8月8日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が7日午前10時40分ごろ、同飛行場を離陸した。5日に普天間所属のオスプレイがオーストラリア東海岸で墜落した事故を受け、日本政府が米軍に求めていた飛行の『自粛』を無視して飛行を強行した形だ。日本政府は事実上黙認した状態で、県民の反発の声は一層強まりそうだ。」
②「離陸したオスプレイは宜野湾市の市街地や伊江村の伊江島補助飛行場、名護市辺野古で飛行したのが目撃された。7日午後1時すぎ、普天間飛行場に帰還した後は2度目の離陸は確認されていない。」
③「6日に米側に自粛を求めた小野寺五典防衛相は7日には『安全面に最大限配慮するよう求めていきたい』などと述べ、飛行を容認する発言をした。」
④「県は7日、県庁に外務省沖縄事務所の川田司大使、沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を呼び抗議し、事故原因が究明されるまでの飛行中止を求めた。宜野湾市は安全が確認されるまでの飛行停止を求めた。佐喜真淳宜野湾市長は『日本政府は自粛してもらいたいと再度要請するべきだ』と求めた。」
⑤「翁長雄志知事は7日、日本政府の飛行自粛要請を無視する形で在沖米軍がオスプレイの飛行を強行したことについて『日本政府には当事者能力がない。国民を守る気概があるのか』と述べた。墜落という重大事故にもかかわらず日本政府が『自粛』要請にとどまり、事実上、飛行再開を黙認している状況を厳しく批判した。米軍に対しても『ある意味、自由自在という状況だ』と語り、県民の不安を無視して県内を飛び交う姿勢に怒りを示した。」
⑥「5日に豪州東海岸で発生した墜落事故については『起こるべくして起きた』と指摘。普天間飛行場所属のオスプレイが、昨年12月の名護市安部沿岸部への墜落以降も緊急着陸など不具合が相次いでいることに触れ『とんでもない飛行機だ。原因究明も全くあてにならない』と述べた。過去の事故の詳細な原因究明もされぬままに運用され続けていることについて、政府の弱腰な対応を批判した。」


(3)琉球新報-ノネコが「やんばる種」捕食 県調査 自然遺産登録へ足かせ-2017年8月8日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄本島北部のやんばる地域で、野生化した犬(ノイヌ)が少なくとも62匹、野生化した猫(ノネコ)が少なくとも47匹生息していることが県の調査で分かった。調査では、ノネコが絶滅寸前のやんばる固有種、オキナワトゲネズミ=写真・環境省やんばる野生生物保護センター提供=を捕食していたことも明らかになった。今年秋には世界自然遺産登録を見据えた国際自然保護連合(IUCN)の現地視察が予定されており、ノイヌやノネコが希少動物を襲う問題は、県が目指す世界自然遺産登録への足かせとなりそうだ。」
②「県はノイヌとノネコの生息数や行動範囲を把握するため2016年度、国頭、大宜味、東のやんばる3村の森林地帯にセンサーカメラを設置し調査した。自動撮影したデータを中心に県が報告書をまとめた。」
③「国頭村内で発見されたノネコのふんから、環境省レッドリストで最も絶滅の危険度が高い『絶滅危惧IA類』に指定されており、国頭村の限られた森林にしか生息していないオキナワトゲネズミの毛が検出された。琉球列島のほ乳類の保全を中心に研究している宮崎大の城ヶ原貴通研究員は『オキナワトゲネズミは日本で最も絶滅に近いネズミの1種。ノイヌやノネコをそのまま放置せず、外来ほ乳類を排除する策を最優先にとるべきだ』と警鐘を鳴らした。」
④「自動撮影された画像や動画から、ノイヌが国頭村内を西から東まで広範囲に移動していることや、子犬や出産直後のノイヌが複数いることも明らかになった。調査に関わったNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の金城道男副理事長は『ノイヌが群れで広範囲に移動してヤンバルクイナなどの希少種を餌として捕食すると、希少種の動物たちは一気にいなくなってしまう』と指摘した。」(阪口彩子)


(4)沖縄タイムス-墜落したオスプレイ、機体の一部発見 豪国防相声明 3人は依然不明-2017年8月8日 08:40


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「オーストラリアのペイン国防相は7日に声明を発表し、同国北東部沖で5日に起きた米海兵隊の新型輸送離着陸型輸送機MV22オスプレイの墜落事故について、『海に沈んだ機体の位置を特定した』と述べ、機体の残骸の一部を発見したと明らかにした。行方不明の米兵3人の安否は分かっていない。」
②「ペイン氏は、豪海軍の捜索船がブリスベンから北西約400マイル(約640キロ)の地点に沈んでいる機体の残骸の一部を発見したと述べた。オーストラリアの専門家は、沈んだオスプレイに不明の3人が沈められている可能性も指摘している。」
③「事故機は米軍普天間飛行場の所属機で、当地で行われた米豪軍事演習『タリスマン・セーバー』に参加するため、派遣されていた。」


(5)沖縄タイムス-辺野古差し止め仮処分:国、申し立て却下求める 第1回審尋-
2017年8月8日 06:45


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、無許可で岩礁破砕をするのは違法として、県が国を相手に破砕を伴う工事の禁止を求めている仮処分申請の第1回審尋が7日、那覇地裁(森鍵一裁判長)であった。無許可の破砕行為は県漁業調整規則に違反すると訴える県側に対し、国側は『裁判所の審判の対象外で不適法だ』などと反論。申し立ての却下を求めた。」
②「次回審尋は9月29日。本訴訟の第1回口頭弁論は10月10日で、第2回は11月14日。審尋での主な争点は、①県側の申し立てが『法律上の争訟(裁判所の審判対象)』に基づく適法なものか、②県が主張する県知事の差し止め請求権が民事保全法の定める『保全すべき権利』に当たるか、③名護漁協の一部放棄の特別決議は漁業法上の『放棄』に当たるのか、など。」
③「国側は4日付で答弁書と第1準備書面を提出。『県は水産資源の権利を何ら有しておらず、主張もしていない』と指摘。『漁業権が発生した後に権利を放棄するのは、漁業権者の意思に委ねられている』として、同漁協の特別決議は漁業法上の『放棄』に当たると主張している。」


(6)沖縄タイムス-オスプレイ:自粛要請も、政府の対応に限界 県は不信「主権国家と言えず」【深掘り】-2017年8月8日 16:09


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「わずか1日だった。オスプレイの墜落事故を受け、日本政府としては異例とも言える6日の『飛行自粛要請』だったが、米軍は翌7日、いとも簡単にオスプレイを飛ばした。小野寺五典防衛相はこれを受け、米軍幹部に懸念を伝えたが、対応に限界がにじむ。県は、結果的に米軍を止められず、飛行を強行しても米側を強く非難しない日本政府に対し『とても主権国家とは言えない』」と不信感を強めている。」(政経部・大野亨恭、東京報道部・大城大輔)
②「日本政府が米軍に飛行停止を求めることは少ない。『米軍の運用の問題』(防衛省関係者)だからだ。国民に実際に被害が及んでいなければなおさらだ。だが、オスプレイが参加予定の北海道での日米共同演習が10日に迫る。陸自オスプレイの配備を予定している佐賀県では地元漁協が反対を表明するなど、全国に不安が拡大している。『今回は海外で発生した事案で、まだ詳細も分からない。だが、国内でこれだけ不安が広がっている』(防衛省関係者)
③「対応が迫られる中、防衛省が出した答えが『飛行停止要求』よりも一段、落とした『自粛要請』だった。結果的には米側の判断に委ねることになり、あっさり飛行を許した。
④「『どうしても運用上必要なんだという説明だった』。シュローティ在日米軍副司令官と会談した後、小野寺氏は記者団にこう語った。飛行の必要性を唱えられると『安全面に最大限配慮してほしい』と返すしかなく、米軍の運用優先の実態が浮き彫りになった。政府関係者は『米軍は、もう少し配慮してほしかった。でもきょう飛んだのは1機だけだったようで……』と、深いため息をついた。」
⑤「『日本政府は日本国民を守る気概があるのか』。翁長雄志知事は7日の退庁時、飛行を止められなかった日本政府を痛烈に批判した。県が政府への不信感を募らせるのは、嘉手納基地を巡る“前例”がある。米軍は4、5月に実施したパラシュート降下訓練も、今年1月に移転完了したはずの旧海軍駐機場の継続使用も『日米合同委員会合意』を盾に正当化した。日本側は解釈や認識に違いがあるとして米側に反発したものの、『結果的に追随する形で、事実上容認したと言わざるを得ない』(県幹部)と対応に強い不満を抱いている。今回も、『自粛』を申し出たものの、米軍は『運用』を盾に飛行を継続し、日本政府は批判を避けた。県幹部の一人は『日本政府の本気度が正直分からない』と吐露。その上で、『結局、米軍を止められなければ、日本政府の強弁は空虚に映る。止められないことが不信につながっていることを認識すべきだ』と当事者意識に欠ける日本政府を批判した。」


(7)沖縄タイムス-辺野古新基地:抗議の撮影でもみ合い 工事車両など120台が出入り-2017年8月8日 14:28


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で8日、新基地建設に反対する約30人が座り込んで抗議行動を続けている。午前9時と午後1時ごろには、工事のための石材などを積んだ工事車両など延べ120台余が出入りした。県警機動隊による強制排除に対し、市民らは『防衛省の付属警察』『これ以上の差別は許さない』などと訴えた。」
②「抗議の様子を撮影していた女性警官に対し、70代の男性が『犯罪でもないのに撮影するのは違法だ』と主張。警官から『何か起こるかもしれないから撮っている』という趣旨の返答があったため、市民側が『犯罪者扱いするな』と声を上げて警官ともみ合い、騒然とする場面もあった。」
③「ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、5日にオーストラリア東部沖で起きた米軍普天間飛行場所属のオスプレイ墜落事故に触れ、『オスプレイは日本のどこの上空にも飛ばすなという決議をしよう』と呼び掛けた。また、辺野古崎の砂浜ではフロート設置の準備作業などが確認された。『N5』護岸建設予定地付近で、カヌーや抗議船に乗った人たちが新基地建設反対を訴えた。」


(8)沖縄タイムス-沖縄市議会、米兵の傷害事件で抗議決議を可決 再発防止など求める-2017年8月8日 10:22


 沖縄タイムスは、「沖縄市中央で7月21日に発生した米兵の傷害事件で、沖縄市議会(普久原朝健議長)は8日、臨時議会を開き、米軍人・軍属の綱紀粛正とリバティー制度の徹底などを求めた意見書案と抗議決議案を全会一致で可決した。抗議決議と意見書では(1)被害者への謝罪と補償(2)米軍人・軍属の教育徹底と再発防止策の公表(3)市と嘉手納基地18航空団が意見交換する協議会を定期的に開催すること―などを求めた。」7,と報じた。


(9)沖縄タイムス-オスプレイ飛行強行 富川副知事が米軍へ抗議「沖縄として耐えがたい」-2017年8月8日 11:35


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイがオーストラリア北東部沖で墜落した問題で、沖縄県の富川盛武副知事は8日午前、北中城村のキャンプ瑞慶覧で在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官と面談し、抗議した。ニコルソン氏は飛行継続に関し運用上の必要性を強調した。明確な謝罪はなかったという。」
②「富川氏は『飛行は軍の論理だ』とした上で、『沖縄の視点からは耐えがたく、怒りを禁じ得ない』と批判した。面談後、記者団に語った。」
③「ニコルソン氏は『(オスプレイは)沖縄に限らず世界中で飛んでおり、軍の考えだ』と述べ、飛行停止を事実上否定した。事故原因の解明までには時間がかかるとする一方、近日中に日本側へ事故に関する何らかの報告をする意向を示したという。沖縄から反発が上がっていることに対しては『沖縄の憤りは分かる』と述べたという。」
④「富川氏は来週にも来県予定の小野寺五典防衛相に引き続き飛行停止などを申し入れる考えを示した。」


(10)沖縄タイムス-オスプレイ:宜野湾市長、事故原因の究明求める 防衛局長・沖縄大使に抗議-2017年8月8日 11:48


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「5日にオーストラリア東部沖で発生した米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイの墜落事故を受け、宜野湾市の佐喜真淳市長は7日、市役所に沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長、外務省沖縄事務所の川田司大使を呼び、オスプレイの飛行停止や事故原因の究明などを求めた。」
②「中嶋局長は『市民に新たな不安を与える事故で誠に遺憾。しっかりと対応させていただきたい』と述べ、改めてニコルソン四軍調整官に要請したことを説明した。」
③「佐喜真市長は『市民に対して不安や衝撃を与えていることは市長として看過できない』とし、原因究明や改善策の公表などを米側に強く申し入れるよう求めた。また、要請後に記者団の質問に答え、日本が飛行自粛要請をしている中、オスプレイが飛行したことに対し『米側も真剣に市民に配慮してほしかった。日本政府は再度自粛の要請をすべきだ』と話した。」


(11)沖縄タイムス-【解説】沖縄県側の具体的主張が焦点 辺野古差し止め仮処分-
2017年8月8日 11:02


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「辺野古差し止め仮処分の審尋で、国側は行政上の義務の履行を求める訴訟は裁判所の審判対象外とする『宝塚パチンコ訴訟』の最高裁判決を持ち出し、申し立てが不適法と反論した。仮処分で保全されるべき権利もないとして、『入り口論』での却下を求めている。今後沖縄県側は、翁長雄志知事に無許可で岩礁破砕をしようとする国の行為は、県のどのような財産上の権利を侵害しているのかを具体的に主張する必要がある。」
②「県側は申立書で『行政権の主体としてだけでなく、水産資源の保護などに強い利害関係を有する者の立場としても申し立てている』と指摘。宝塚訴訟最高裁判決に基づいて却下される可能性のある『行政権の主体』だけでなく『財産権の主体』としても訴えているとして、同判決の影響は及ばないとも主張している。」
③「ただ国側は『(県は)水産資源に関し、何ら自己に帰属する権利がなく、主張もしていない』と真っ向から反論。宝塚訴訟に沿って権利侵害を訴えるには、県側が県漁業調整規則に基づくとする『無許可で岩礁を破砕しようとする国に対し、許可を求める県の請求権』がどのように被保全権利として位置づけられるのか主張を尽くす必要がある。」
④「一方で、国側が主張の根拠とする同最高裁判決の『土俵』に乗らず、同判決の不当性を訴える手もある。行政行為が多様化している現在、宝塚訴訟最高裁判決のように行政の主体としての立場を明確に二分できるのか疑問視する学説も存在する。県側は『絶対的な自信を持っている』とされる漁業権の議論の前に、法律上の争訟と仮処分の要件という二つのハードルを越える必要がある。」(社会部・国吉聡志)




by asyagi-df-2014 | 2017-08-08 19:26 | 沖縄から | Comments(0)

「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」)を考える。

 東京新聞は2017年7月29日、「原発で使い終わった核燃料から出る『核のごみ(高レベル放射性廃棄物)』をめぐり経済産業省は二十八日、最終処分場を建設できそうな地域を色分けして示す地図『科学的特性マップ』をホームページ上で公開した。火山からの距離など自然条件を基に全国を四分類した結果、国土のうち沿岸部の約30%は『輸送面でも好ましい』とし適性が高い地域に分類。これらを含む約65%を建設できそうな地域と判断した。」、と報じた。
 「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」)とは何なのか。
 このことを2017年7月30日と31日に拾い上げることのできた南日本新聞、愛媛新聞、茨城新聞、朝日新聞、毎日新聞の5紙の社説・論説から考える。
まずは、各紙の概要は次のものである。


Ⅰ.「科学的特性マップ」とは。


(南日本新聞)
 火山や活断層が周囲にない適地は全国の都道府県に存在する。国土の約7割を占め、うち海岸から近く最適とされた地域のある自治体は全市区町村の過半数の約900が該当する。経産省は自治体名などを公表していないが、鹿児島県内で最適とされる地域が一定程度まとまって含まれるのは、南日本新聞社の集計で全43市町村のうち36市町村に上る。
経産省は、自治体に受け入れ判断を求めるものではないと説明する。候補地として手を挙げる自治体を待つ一方、国からも複数の自治体に調査への協力を求めながら段階的に処分場の建設地を絞り込んでいく考えのようだ。


(愛媛新聞)
 「科学的特性マップ」と名付けられた地図は、適地を「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」という持って回った言い方で塗り分けた。その結果、国土の7割弱が適地に該当するという。愛媛を見ても、中央構造線断層帯を線状に除いただけで、全20市町に適地が広がる上、どの市町も核のごみを搬入しやすい「輸送面でも好ましい」地域を含んでいる。結局最低限避けるべき地域を示したにすぎず、「科学的」と呼べるものではない。


(茨城新聞)
(1)国は2015年、処分のための調査受け入れについて、自治体から名乗りを上げてもらうそれまでの方式を改め、国が科学的な有望地を示した上で複数の自治体に申し入れる方針を明らかにした。今回の公表はその一環だが、有望地という言葉が誤解を招くとして「科学的特性マップ」と言い換えている。
(2)地図では、活断層や火山の周辺など地下の安定性に問題がある地域、資源探査などで今後地下利用があり得る地域などを塗り分けたが、地震や火山噴火などの地下の出来事を解明することには限界がある。未知の活断層による地盤の変動、火山噴火の規模や時期の想定は難しく、その他の地域が安全であることを意味しない。問題は国民にそれがどれだけ周知されているかだ。現状でリスクについて共通理解があるとは思えない。


(朝日新聞)
(1) 日本で商業原発の運転が始まって半世紀がたった。抱える使用済み燃料は2万トン近い。その燃料から出る高レベル放射性廃棄物は、放射能が十分安全なレベルに下がるまでに数万年~10万年を要する。だから、地下300メートルより深い地層に運び込み、坑道を埋めてふさぎ、ひたすら自然に委ねる。それが政府の考える最終処分だ。人間の想像力を超えた、途方もない未来にまで影響が及ぶ難題だが、避けては通れない。にもかかわらず、処分をあいまいにしたまま原発が生む電気を使い、恩恵だけを享受してきた。原発が「トイレなきマンション」とたとえられるゆえんだ。
(2)いつまでも先送りはできない。マップは国民一人ひとりにその重い現実を突きつける。


(毎日新聞)
(1)特性マップはその第一歩で、火山や活断層、遠い将来に掘り起こされる恐れのある油田や炭田などのある地域を避けた上で、輸送の利便性が高い沿岸部を最も好ましい場所と位置づけている。


Ⅱ.「科学的特性マップ」への問題意識。


(南日本新聞)
(1)核のごみが存在する以上、最終処分をどうするかの検討は避けて通れない。マップの公表をきっかけに国民的議論を喚起しようという国の狙いは理解できる。しかし、真に国民の理解を得ようとするなら、徹底的な原子力政策の見直しが欠かせない。なぜなら、処分場立地促進の目的は原発推進にあるからだ。
(2)最終処分は2000年に法律が制定された。地下300メートルより深い岩盤にガラス固化体として埋め、放射線量が低くなる数万年から約10万年先まで生活環境から隔離して処分するという考え方だ。適地とされた鹿児島県内の地質について、研究者からは「火山噴火や断層の知見が十分反映されず、科学的とはいえない」「活断層が潜む可能性を否定できない場所が多数あり、調査が進んでいない」といった指摘が出ている。
(3)そもそも万年単位の超長期間、安全に地層処分ができるのかどうかは誰にも分からない。国はまず、秋以降に最適とされた地域で重点的に説明会を開く段取りだ。候補地選定へ向けた調査への理解を広げる糸口になるのか第1の関門が待ち受ける。


(愛媛新聞)
(1)原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を巡って、経済産業省は最終処分場の候補地となり得る地域を示した地図を公表した。だがその内容はあまりにも漠然としており、選定に向けた「長い道のりの最初の一歩」(経産省)になるかは疑わしい。
(2)分類の根拠となる基準も明確でない。決めたのは経産省職員が人選した委員会。意見を聞いたという相手も原子力委員会などの「内輪」に限られている。オープンな議論からは程遠く、到底納得できない。
(3)地震や火山噴火の将来予測は難しく、専門家でも議論が分かれている。理解を得るにはまず専門家による透明性のある議論の場を設け、国民に投げ掛け、共に論じることが欠かせない。
(4)国は今後、自治体からの応募を待つ一方、複数の自治体に調査への協力を求めるというが、具体的な道筋は示していない。「これまで以上に対話活動を充実させる。やがて関心を持つ地域が現れると期待する」。世耕弘成経産相は取り組みの加速を強調したが、このままでは受け入れに対する自治体の不安や反発は解消できまい。過疎高齢化に悩む地域が増える中、経産省関係者からは、調査や建設に伴う多額の交付金を目当てに誘致したい自治体はあるはずだ、とのもくろみも聞かれる。足元を見て助成金で「買収」するかのよう


(茨城新聞)
(1)原発稼働に伴うさまざまな問題の中で核のごみ処分を単独で解決することはできない。当初計画では、20年までに発生するガラス固化体を処分するとしていたが、11年の東京電力福島第1原発事故で原発の多くは停止。処分場に置かれる廃棄物の総量は推定できなくなった。
(2)高速増殖原型炉もんじゅの廃炉決定などで核燃料サイクル政策も行き詰まった。使用済み核燃料を再処理せずに処分する「ワンススルー方式」も視野に入る。地層処分の前提となる原子力政策、エネルギー政策の行く末はあまりにも不確かだ。
(3)政府が原発再稼働を推し進めるのに最大の障害は、トイレなきマンションと評される核のごみ処分の不備だ。今回のマップ公表には成果としてわずかな進捗(しんちょく)を強調することでそうした批判をかわす意図はないのか。この現状では、自治体に調査を申し入れても立地が進むとは到底思えない。自治体を名指しすれば、過去に各地で起こったような、受け入れの可否を巡る住民の分断、政治的な大混乱が繰り返されるのは必至だろう。


(朝日新聞)
(1)根本的な疑問がある。いまの原子力政策の維持・継続を前提に、最終処分地問題を進めようとしている点だ。
(2)使用済み燃料を再処理してプルトニウムやウランを取り出し、燃料に使う。残った廃棄物をガラスで固め、最終処分地に埋める。これが核燃料サイクルの概要である。しかし、サイクル事業の破綻(はたん)は明らかだ。1兆円超をつぎ込みながら、失敗続きで廃炉に追い込まれた高速増殖原型炉「もんじゅ」がそれを象徴する。
(3)最終処分地が決まったフィンランドやスウェーデンは、使用済み燃料をそのまま廃棄物として埋める「直接処分」を採用している。日本も現実的に対応していくべきだ。そして、原発を動かせば使用済み燃料も増えていくという事実を直視しなければならない。


(毎日新聞)
(1)この地図で適性が高くても、土地利用の状況など社会的要因を加味すると不適格という場所もある。確定的なものでないことは十分な説明がいるが、国民が関心を示さなければ意味のない地図に終わってしまう。


Ⅲ.主張


(南日本新聞)
 福島第1原発事故後の「原発回帰」路線を転換し、再生可能エネルギーなど原発に頼らない社会に向けて中長期的な方針を明確に打ち出すことが先決である。脱原発にかじを切れば、国民の処分への姿勢も変わりうる。今の方針では過去の処分場選定の取り組み同様、地域社会の分断を招き計画が頓挫する可能性は高いと言わざるを得ない。


(愛媛新聞)
(1)国は長年、核のごみという避けて通れない問題を先送りして原発政策を進め、東京電力福島第1原発の事故後もなお再稼働を推進してきた。問題のこれ以上の放置は許されない。「国が前面に立って選定に取り組む」のは当然の責務だ。安全な処分を追究、国民に真摯(しんし)に説明して深い討議を重ねた末に候補地を絞っていかなければならない。
(2)にもかかわらず、地図からは本気度がうかがえない。そればかりか、取り組みの前進をアピールし、近く見直し議論が始まるエネルギー基本計画に原発新増設を盛り込みたいとの思惑が見えることを危惧する。
(3)信頼がなければ協力は得られないと自覚すべきだ。無責任な原発推進を省み、国民の過半が望む脱原発へと政策を転換し、再生エネルギー政策を具体的に示すことが解決への大前提。原発を稼働させれば核のごみは増え続ける。その事実に向き合わないで処分を押しつけるのでは理解を得られるはずがない。


(茨城新聞)
(1)原発の高レベル放射性廃棄物について経済産業省は、最終処分に適している地質環境かどうかを基準に日本全国を塗り分けた地図を公表した。経産相は「処分実現に向けた長い道のりの最初の一歩」としたが、このように物議を醸すだけの施策では何も決まらない。いったん立ち止まり、選定の在り方を一から考え直す必要がある。
(2)まずはマップの塗り分けの意味を、リスクを含めて丁寧に説明し、科学の最新の知見によって基準や処分方法を常に検証すること。そのプロセスをオープンにして国民の疑問や不安に繰り返し答えることが、遠回りでも先決だ。コンセンサスづくりと誘致活動を中途半端に並行させては、進むものも進まない。
(3)核のごみは、政府が国策として推進し、電力会社が事業として発電を行った結果として生まれた産業廃棄物であることを再確認したい。発生責任は国と電力会社にある。そのための合意形成の負担が「国民的課題」の名の下に自治体や住民に押しつけられることがあってはならない。日本学術会議は15年、高レベル放射性廃棄物を50年間は地上で保管し、時間をかけて社会的合意を図ることを提言した。このような難しい課題を解決するには当然の考え方であり、地道で息の長い取り組みこそが求められる。


(朝日新聞)
(1)マップができたとはいえ、最終処分は候補地が見つかっても調査だけで20年程度かかるという。使用済み燃料をできるだけ増やさないために、並行して脱原発への道筋を示すことが不可欠である。
(2)処分すべき廃棄物の量の上限を定め、それ以上は原発を運転させないという考え方は検討に値する。原発を守るために最終処分地を確保するというのでは、国民の理解は得られまい。 経済産業省と原子力発電環境整備機構は今後、「輸送面でも好ましい」とされた海側の地域を中心に対話に取り組み、調査の候補地探しを本格化させる。
(3)注文がある。最終処分地を巡って想定されるリスクや不確実性を包み隠さず説明する。そして、経済面の恩恵や地域振興と引き換えに受け入れを迫るような手法をとらないことだ。経産省と機構は、マップ公表に先立つ一般向け説明会などで「(廃棄物を地中に埋める)地層処分は技術的に確立している」と繰り返し、10万年後のシミュレーション結果を示しながら安全性は十分と強調した。だが、万全を期してもリスクはゼロにはならない。「安全神話」から決別することが、福島第一原発事故の教訓だ。
(4)処分地選びは原発政策と切り離せない関係にあり、政策への国民の信頼がなければ進まない。福島の事故で原発への信頼が失われた以上、政策の抜本的な見直しが欠かせない。


(毎日新聞)
(1)原発政策を進めてきた日本には、すでに核のごみが大量にある。原発への賛否によらず最終処分は必要であり、国民の幅広い理解が欠かせない。この地図を多くの人に興味を持ってもらうきっかけとしたい。
(2)適性が低いと判断された地域の人も日本全体の課題として関心を持ち続けてもらいたい。処分場選定を進めるには、政府や事業主体への信頼が欠かせない。福島の原発事故で安全神話が崩れ、処分場政策にも不信感を抱く人たちは少なからずいる。地震・火山国で未知の断層も抱える日本に不安材料があるのも確かだ。そうした懸念にも納得のいく説明を重ね、新たな知見に応じた計画の見直しも怠らないでほしい。
(2)マップを示したからといって急に国民の合意形成が進むわけではない。一定の期間、地上で「暫定保管」することも選択肢の一つだろう。その検討も進める必要がある。
(3)核のごみの総量を一定に抑えることは処分場選定を前進させる重要な要素だ。再稼働を進めれば核のごみは増え続ける。そのマイナスも考慮に入れ原発政策を考えるべきだ。



 確かに、「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」)を発表した政府の思惑は、朝日新聞の「火山や活断層、地下資源の有無など自然条件から全国を『好ましい』と『「好ましくない』に大別しつつ4区分した。住まいや故郷がある市区町村が気になって調べた人もいるだろう。ひと安心、心配、警戒……。国土全体の6割もが『好ましい』とされただけに、『私の所は関係ない』」と、ひとごととして受け流したかもしれない。」との指摘にあるのではないか。一つのイメージ戦略である。
 私自身も、自分の居住地ををまずこのマップに当てはめてみてしまった。
 実は、「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」)を考える時、まず大事なのは、南日本新聞が指摘する次のことである。
Ⅰ.核のごみが存在する以上、最終処分をどうするかの検討は避けて通れない。
Ⅱ.マップの公表をきっかけに国民的議論を喚起しようという国の狙いは理解できる。
Ⅲ.しかし、真に国民の理解を得ようとするなら、徹底的な原子力政策の見直しが欠かせない。なぜなら、処分場立地促進の目的は原発推進にあるからだ。
つまり、「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」)の前提には、「福島第1原発事故後の「原発回帰」路線を転換し、再生可能エネルギーなど原発に頼らない社会に向けて中長期的な方針を明確に打ち出すことが先決である。」、という基本理念が背景にあるかどうかが重要になってくる。
 逆に言えば、政府の「核のごみマップ」(「科学的特性マップ」には、朝日新聞の「根本的な疑問がある。いまの原子力政策の維持・継続を前提に、最終処分地問題を進めようとしている点だ。」、との欺瞞が透けて見える。
 当然、こうしたイメージ戦略では、「原発を稼働させれば核のごみは増え続ける。その事実に向き合わないで処分を押しつけるのでは理解を得られるはずがない。」(愛媛新聞)、との指摘を超えられないことは明らかである。
 このことは、朝日新聞が、「処分地選びは原発政策と切り離せない関係にあり、政策への国民の信頼がなければ進まない。福島の事故で原発への信頼が失われた以上、政策の抜本的な見直しが欠かせない。」、と触れるところでもある。
 また、「科学的特性マップ」の科学性についても、愛媛新聞の「『科学的特性マップ』と名付けられた地図は、適地を『好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い』という持って回った言い方で塗り分けた。その結果、国土の7割弱が適地に該当するという。愛媛を見ても、中央構造線断層帯を線状に除いただけで、全20市町に適地が広がる上、どの市町も核のごみを搬入しやすい『輸送面でも好ましい』地域を含んでいる。結局最低限避けるべき地域を示したにすぎず、『科学的』と呼べるものではない。」との指摘が言い当てている。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-08 05:56 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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