2017年 05月 09日 ( 2 )

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年5月9日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 米軍キャンプ・シュワブ前の抗議集会で、「本格的な埋め立て工事と思われるものが昨日から始まったが、K9護岸のだけでもダンプ9千台分以上の砕石が必要だ。長期戦になることを見据え運動をする必要がある」、との呼びかけ。
 砕石を投下する作業が新たに始まった日に、「今日が(護岸工事の)着工だ」との声があがる日に、。
心を折られない闘いが続く。


 2017年5月9日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「長期戦見据え運動を」 辺野古新基地建設の座り込み-2017年5月9日 12:45


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブの『K9護岸』建設現場では9日午前、網袋に入っていない砕石の投下作業が昨日に引き続いて実施された。同護岸だけでもダンプ9千台分以上の砕石が必要とされており、建設に反対している人々が座り込むゲート前では『長期戦になることを見据え運動をする必要がある』との呼び掛けがあった。」
②「海上では新基地建設に反対する市民らが抗議船4隻、カヌー17艇で『工事を止めろ』などと抗議した。」
③「一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では約50人の市民らが新基地建設中止を訴えて座り込んだ。午前8時50分に砕石と土砂を積んだダンプや生コン車など25台がゲート内に入った。工事関係車両の出入りの際、市民らは計2回機動隊によって排除された。」
④「沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは『本格的な埋め立て工事と思われるものが昨日から始まったが、K9護岸のだけでもダンプ9千台分以上の砕石が必要だ。長期戦になることを見据え運動をする必要がある』と呼び掛けた。」


(2)琉球新報-辺野古「今日が本当の着工」 砕石投下で粉じん、白く濁る海-2017年5月9日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設計画で、沖縄防衛局は8日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の『K9護岸』に砕石を投下するなどの作業を行った。これまで網袋に入った砕石を護岸に並べていたが、網袋に入っていない砕石を投下する作業が新たに始まった。抗議する市民からは『今日が(護岸工事の)着工だ』との声が上がった。」
②「K9護岸では作業員が同日午後からダンプで砕石を海岸に運び、クレーンの先のかごに砕石を入れて投下した。少なくとも10回以上は投下し、投下の際には粉じんが舞い上がった。夕方が近づくにつれ潮が満ちてくると、積み上げられた砕石に波が当たり、水しぶきが上がる様子も確認された。」
③「建設に反対する抗議船船長の相馬由里さん(39)は、網袋に入れていない砕石が海に投下されたことに『海が壊されている。今日が(護岸工事の)着工だ。これまでのものはパフォーマンスだ』と批判した。投下するたびに粉じんが上がるのを見て『海の汚染を防ぐために一度洗ってから持ってくることになっていたはずだ。洗っていないのではないか』と疑問を呈した。」
④「カヌーで海上から抗議する柴田鉄也さん(29)は、間近まで接近して投下を確認した。大きい石は長さ1メートル程度だったという。『これまでの作業の延長だと思っていたら、いきなり投下したので驚いた』と話した。」
⑤「陸上のシュワブゲート前では新基地建設に反対する市民ら約100人が座り込んだ。8台の工事関係車両が3回にわたり計45台、基地内に入った。」


(3)琉球新報-〈解説〉復帰45年沖縄県民世論調査 基地の集中、県民に影-2017年5月9日 10:20


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「日本復帰45年を迎える県民世論調査で復帰を評価する回答は高い水準ながらも、同様の質問形式になった復帰25年の調査以来20年間で最も低くなった。一方『復帰して悪かった点』は『米軍基地の被害』が初めて最多となった。復帰以降、高まる基地の整理縮小の要求にもかかわらず、変わらぬ基地集中の実態が県民感情に大きく影を落とした格好だ。」
②「昨年末の米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落など米軍機の相次ぐ事故や、米軍属女性暴行殺人事件などの米軍関係者による事件・事故に加え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で政府による埋め立て作業強行なども重なった中での調査となった。20年前は全国の約75%の米軍専用施設面積が存在したが、現在もなお約70%が集中していいる。国や県に望む施策の中で『基地の整理縮小と跡地利用』を求める声が5年前に続いて最も多くを占め、さらに割合では過去最多となった。政府の言う『沖縄の負担軽減』とは裏腹に、県民が求めた形になっていないのが復帰45年の実態だ。」
③「普天間飛行場の辺野古移設を巡って政府は4月末、辺野古沖で『埋め立て工事着工』を演出し、作業の進展を内外に強調してみせた。その直後の調査にもかかわらず、普天間飛行場の県外・国外、撤去を求める声は74・1%で、容認・推進を大きく上回った。辺野古移設を拒否する民意が従来同様に強く、政府の作業強行が県民の『諦めムード』の惹起(じゃっき)にはつながっていないことがうかがえる。」
④「さらに翁長雄志知事への支持率は66・7%で、大田昌秀氏や稲嶺恵一氏、仲井真弘多氏らの34~37%を大きく上回った。辺野古沖の埋め立て承認の撤回へ翁長知事の決断を迫る声も高まるが、政府と対峙(たいじ)しようとする翁長知事を支える民意が改めて表出したと言える。」(滝本匠)


(4)沖縄タイムス-水産庁が沖縄県に回答 辺野古岩礁破砕の許可は「不要」-2017年5月9日 12:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「水産庁は名護市辺野古の新基地建設の埋め立て海域の漁業権は消滅し、翁長雄志知事の岩礁破砕の許可は必要ないとの見解を文書で回答した。水産庁は1日に県に回答書を郵送、県が8日、内容を確認した。新たな解釈の見解などを照会していた県は『こちらが質問したことに答えていない』と指摘。今後の対応を検討するとした。」
②「水産庁は名護漁協が実施した漁業権の『放棄』には、知事の免許は不要とした。」
③「漁業権の一部放棄については、1971年の衆議院農林水産委員会の水産庁長官の答弁や過去の裁判を踏まえて『漁業権者が漁業権を一部放棄することができる』と示した。漁業法第22条は、漁業権の変更には、都道府県知事の免許が必要と記されている。同庁は『漁業法において、漁業権の変更および放棄は、明確に書き分けられている』と説明。その上で県に対し、漁業権の『変更』と『一部放棄』を混同しないよう求めた。」
④「県が漁業権について水産庁に照会するのは初めて。県は文書で4月18日の衆院安全保障委員会での赤嶺政賢氏(共産)と佐藤一雄水産庁長官のやりとりを取り上げ、過去の答弁との整合性など6点を質問。どのような漁業法の解釈の下、72年に県漁業調整規則を認可したのかについても照会していたが、これらに対する具体的な回答はなかった。」


(5)沖縄タイムス-辺野古新基地:沖縄県、工事の停止・協議求める 防衛局に文書送付-2017年5月9日 12:15


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県は8日、沖縄防衛局が実質的な協議をせずに名護市辺野古の新基地建設工事に着手したとして、防衛局に対して工事の停止と協議を求める文書を送付した。サンゴの分布状況を確認するため、立ち入り調査も再度求めた。」
②「県は、2013年12月の埋め立て承認時に付した留意事項に工事の実施設計や環境保全対策で県と協議を行うことが盛り込まれていると説明した。さらに、翁長雄志知事の変更承認を得ずに、サンゴ類の移植・移築などの環境保全措置を講じないまま工事に着手したことは『留意事項に違反している』と指摘。工事を止めて、サンゴ類の移植・移築を実施するか、環境保全措置の変更承認を翁長知事から受けるよう要望した。」
③「また、沖縄防衛局が4月24日に回答したサンゴの保全措置を踏まえ、小型サンゴの移植条件など10項目を再質問した。」





by asyagi-df-2014 | 2017-05-09 17:25 | 沖縄から | Comments(0)

「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」、とはあんまりだ。

 毎日新聞は2017年5月3日、標題に関して、「安倍晋三首相は3日、憲法改正推進派の民間団体が東京都内で開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、『2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている』と表明した。憲法9条をあげ、戦争放棄をうたった1項と戦力不保持を定めた2項を堅持した上で、自衛隊の存在を明記する条文を加えるよう主張。改憲による高等教育までの教育無償化にも前向きな考えを示した。」、と報じた。
 また、その安倍晋三首相のビデオメッセージの発言骨子について、「①国会議員が憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない時期だ、②9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する、③教育は極めて重要なテーマ。高等教育も全ての国民に開かれたものとしなければならない、④2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」、と伝えた。
 この問題について、沖縄タイムス、毎日新聞、信濃毎日新聞の各社説を基に考える。


 まずは、この時期に、改憲派の民間団体に向けたメ-セ-ジの中での表明という安部晋三政権の手法について、考えてみる。信濃毎日新聞でも、「『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と初めて具体的な時期を示している。なぜ、それほど急ぐのか。唐突な決意表明である。」、と指摘される問題部分である。
 このことについて、沖縄タイムスは2017年5月4日付けの社説で、次のように指摘する。


 「安倍首相は、読売新聞の3日付朝刊1面に掲載された単独インタビューでも、同じことを語っている。北朝鮮危機やテロの不安など、内外の政治状況を計算し尽くした上で、憲法施行70年という節目の日に合わせ、今後の憲法論議の方向性について自らアジェンダ(議題)を設定し、国民に示した。極めて巧妙なやり方である。ビデオメッセージで首相は、教育無償化にも前向きな姿勢を示した。これは日本維新の会が強い意欲を示している改正項目だ。公明党の引き込み、維新の会の協力、民進党の分裂、野党の足並みの乱れを一挙に誘う。そんな意図がメッセージに込められているのは明らかである。」


 こうした安部晋三政権の姑息な手法について、毎日新聞は「国会軽視の姿勢も問題だ。衆院の憲法審査会は参政権や国と地方などの課題を巡り有識者を呼んで議論している。自民党は野党第1党の民進党との調整を重視している。改憲案を審議する権限は憲法審査会にしかない。その頭越しで公明党などの改憲容認勢力さえ固めればいいという話ではないだろう。」、と批判する。
 したがって、「改憲派の会合での一方的なメッセージである。見過ごすことはできない。首相は自身の考えを国会できちんと説明する必要がある。」(信濃毎日新聞社説-2017年5月4日)、ということをきちんと行わさせなければならない。


 さて、このメ-セ-ジの本質的問題についてである。
 まず、沖縄タイムスは次の疑問を挙げる。


(1)政府の9条解釈では、自衛隊は憲法9条にうたわれた「戦力」には該当せず、「自衛のための必要最小限度の実力組織」と位置づけている。その解釈はどうなるのか。
(2)戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条1項、2項を変えずに、自衛隊の根拠規定だけを新たに追加することは、まっとうに考える限りほとんど不可能だ。
このような「ヌエ的な9条改正」が実現すれば、いずれ集団的自衛権もなし崩しで拡大されていくに違いない。
(3)日本の安全保障は「9条プラス日米安保」で成り立っている。沖縄県民は復帰後も、この日本特有の安保体制の負担を強いられてきた。これほど長期にわたって安全保障の負担と犠牲を一地域だけに過剰に強いる例は、ほかにない。9条改正によって、日米安保条約はどうなるのか。沖縄に常駐する地上兵力の海兵隊は撤去されるのか。そのような根本的な議論もないまま、「9条は改正するが、安保・地位協定・米軍基地はそのまま」ということになりかねないのである。そうなれば、沖縄の負担が半永久的に固定化し、米軍・自衛隊が一体となった「不沈空母」と化すのは避けられないだろう。


次に、毎日新聞は、次のように押さえる。いささか歯切れの悪い論調であるが。


(1)首相が施行時期を東京五輪開催年に重ねたことだ。両者は何の関係もない。自民党総裁の3選を見据え、任期中に改憲を実現したい思いからの後付けの理屈に聞こえる。
(2)首相は9条改正について1項の戦争放棄と2項の戦力不保持を堅持しつつ「自衛隊を明文で書き込む」ことを提起した。2項を抜本改正し国防軍などを創設するという従来の考え方からは退いたように見える。 自衛隊は政府解釈で合憲とされ、災害派遣や国連平和維持活動(PKO)などを通じて国民に定着し、高く評価されている。にもかかわらず、首相は一部の憲法学者らの「自衛隊違憲論」を引き合いに9条改正を主張した。これは説得力に欠けるのではないか。
(3)今の自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」を超え、違憲となる「戦力」に相当するという議論もある。明記される自衛隊の位置付けが戦力不保持の規定とどう整理されるか、はっきりしない。
(4)首相が言う「新しい憲法」という表現からは、米国による「押しつけ憲法」から脱却したいことへのこだわりもにじむ。


 信濃毎日新聞は、次のように指摘する。


(1)憲法を尊重し、擁護する義務を負う首相が憲法記念日に改憲を主張する。強い違和感を抱かせる発言である
(2)改憲時期について「半世紀ぶりに夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ」とし、20年施行という目標を明示した。期限をはっきりさせることで論議を加速させたいのか。衆参両院の憲法審査会では各党の主張の隔たりが大きい。改憲項目の絞り込みが進まず、国民的な議論も熟していない状況で3年後に施行とはあまりにも性急な提示だ。
(3)「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定める2項を残し、どのように書き込もうというのか。専守防衛の枠から自衛隊が踏み出すことにならないか。疑問は尽きない。
(4)安倍政権は一内閣の判断で憲法解釈を変更し、違憲との批判を顧みることなく集団的自衛権行使の安全保障関連法を定めた。立憲主義を軽んじる首相の提案に乗ることはできない。
(5)首相は、未来と国民に責任を持つ政党として憲法審査会での「具体的な議論」をリードし、歴史的使命を果たしていきたいとも述べた。世論調査では、安倍政権下での改憲に過半数が反対と答えている。自身の悲願を果たしたいだけの身勝手な使命感ではないか。


 もちろん、この問題の本質は、「憲法を尊重し、擁護する義務を負う首相が憲法記念日に改憲を主張する。強い違和感を抱かせる発言である」、と信濃毎日新聞は主張するが、日本国憲法99条に関わる首相による重大な「憲法違反」であるということに尽きる。


 最後に、「改憲による高等教育までの教育無償化」についてである。
 戦後の長い間の教育条件整備や義務教育費無償化の運動の中で、学校教育法や義務教育費国庫負担法等の改正を要求してはきたが、このことに関しての憲法改正を唱えてきたわけではない。むしろ、日本国憲法にきちんと位置づけられているにもかかわらず、実現できていない行政の側の不作為を追求してきた。
 「2020」を唱えることによって、義務教育費無償化の運動側に対して、常に財源問題を持ち出して「否」としてきた側が、利用できるものはすべて利用するという思惑がはっきり見えている。
 結局、「改憲による高等教育までの教育無償化」は、「できてしまえば、いつでも、自らの手の中で。」、ということに過ぎない。




by asyagi-df-2014 | 2017-05-09 05:55 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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