2017年 04月 15日 ( 2 )

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年4月15日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)は14日までに、同基地で12日に沖縄が攻撃された場合を想定した反撃訓練を実施したと明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発に伴い朝鮮半島情勢の緊張が高まったことを受けた訓練の可能性がある。」(琉球新報)。
 まさしく、「基地」の構図。


 2017年4月15日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「沖縄、いつになったら平和に」 辺野古新基地建設 ゲート前の市民、歌で訴え-2017年4月15日 11:57


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設工事で、15日午前9時、建設に反対する市民ら約90人が米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込んだ。スピーチや歌を通し抗議の意思を示し、うるま市から参加した新里昭栄さん(65)は、沖縄戦を生き延びた人たちの心を歌った沖縄民謡『艦砲ぬ喰ぇー残さー』などを三線で披露した。座り込んだ市民らは『辺野古新基地NO』と書かれたプラカードを揺らしながら手拍子でこたえ、新里さんは『沖縄はいつになったら平和になるのか』と訴えた。
 大浦湾では抗議船4隻、カヌー12艇が海上で抗議行動をした。」、と報じた。


(2)琉球新報-辺野古、17日にも護岸着工 汚濁防止膜の配置完了 普天間問題、重大局面へ-2017年4月15日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設工事で、政府が早ければ17日にも本体埋め立て工事に着手することが分かった。第一段階として『K9護岸』を建設する。海上警備体制や天候などを考慮し、最終的には官邸が日程を判断する。護岸工事は、大量の石材などを海底に積み上げるもので、着手されると海の環境の原状回復は困難となる。1996年の日米合意後、多くの県民が県内移設に反対し続ける中、米軍普天間飛行場移設問題は重大な局面を迎える。」
②「沖縄防衛局は14日までに、土砂などが海中へ拡散するのを抑える汚濁防止膜を予定地に配置する作業を終えた。膜(カーテン)を海中に広げる作業を残すのみとみられる。
作業が順調に進めば17日にも護岸の着工が可能となる。護岸は、埋め立て区域の外枠となるもので、石や消波ブロックを海中に投入し壁を作る。一定程度護岸ができたら、土砂を海中に投入し区域を埋め立てていく。」
①「防衛省の武田博史報道官は14日の記者会見で『汚濁防止膜の設置を終え、現在護岸工事に必要な資機材の準備などを進めている。防衛省として一日も早い普天間飛行場の移設返還のため、工事を着実かつ早期に進めていきたい』と述べた。」


(3)琉球新報-米軍、沖縄攻撃想定の訓練 嘉手納基地、臨戦態勢誇示-2017年4月15日 12:43


 琉球新報は、「米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)は14日までに、同基地で12日に沖縄が攻撃された場合を想定した反撃訓練を実施したと明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発に伴い朝鮮半島情勢の緊張が高まったことを受けた訓練の可能性がある。」
 また、「沖縄では、過重な基地負担に加え、米軍基地のために攻撃にさらされる可能性があることへの不安が根強く、基地撤廃運動につながっている。空軍の公開写真によると、捜索救難ヘリコプターを先頭に多数のF15戦闘機や空中警戒管制機、空中給油機がゆっくりと滑走路を進む様子が映っている。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-米軍の流れ弾か? 沖縄・恩納村 車と水タンクに傷-2017年4月14日 21:03


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の米軍キャンプ・ハンセン内で恩納村が進める安富祖ダム工事現場で、銃弾のような物が見つかり、近くの水タンクや日本人作業員の車などに傷がついていたことが14日、分かった。沖縄防衛局によると米軍の流れ弾の可能性があるという。」
②「同日、沖縄防衛局が恩納村から連絡を受けて発覚。防衛局によるとけが人はいない。見つかった銃弾のような物はいずれも米軍が回収し、事実関係を調査しているという。防衛局は在沖米海兵隊に抗議し、原因究明と再発防止を求めた。」
③「銃銃弾のようなものが見つかったのは、ハンセン内にある同村発注のダム工事現場。6日は現場にあった水タンクに穴が開き、タンクの中から長さ数センチ、直径数ミリの銃弾のような物が見つかった。」
④「13日は作業員が止めていた車両に傷がついており、近くに同サイズの銃弾のような物が落ちていた。石川署によると14日午後3時ごろ、同村から『弾らしき物が発見された。調査して連絡する』との通報があったという。」
⑤「県警幹部は、車両の被害状況について『穴は空いておらず、傷の特徴から弾痕と断定できていない』という。流弾による被害かどうかについては『事実関係をしっかり調べる必要がある』として、現場での捜査が必要との考えを示した。ハンセンに近い金武町の伊芸区では2008年12月、住宅に止めていた乗用車のナンバープレートから流弾とみられる50口径の銃弾が見つかる事件があった。米軍は『最近の訓練とは関係ない』と認めず、真相は究明できなかった。」


(5)沖縄タイムス-米軍流弾:政府、うるま市長選・辺野古埋め立てへの影響懸念-2017年4月15日 13:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍キャンプ・ハンセン内の工事現場で銃弾のようなものが見つかった問題に関し、政府や自民党関係者らは、直前に迫った名護市辺野古の新基地建設工事やうるま市長選への影響について、限定的との見方を示す一方、一定の影響を懸念する声も上がった。」
②「政府関係者は来週にも着手する辺野古の本体工事への影響について『(発生が)基地内なので、まったく関係ない。基地の外だったらある程度違うかもしれないが』と冷静に見極めた。」
③「別の政府関係者は『けが人が出てないならよかったが、(発生した恩納村がうるま市の隣なので)気になる。影響しないといいが』と、23日に投開票される市長選に影響が及ばないか懸念する。」
④「自民党関係者は『米軍はどこで訓練していたのか。流弾と断定されておらず基地内であっても、県民からしたら気になるところだろう』と悩ましげに語った。」


(6)沖縄タイムス-ニュース女子:制作会社がBPO調査に応じず-2017年4月15日 12:37


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は14日、東京MXテレビの番組『ニュース女子』で米軍ヘリパッド建設への抗議行動を取り上げた放送について審議した。番組の制作会社が同委の聞き取り調査に応じていないことが報告された。同委は審議を継続する。」
②「会合後、記者団の取材に応じた川端和治委員長(弁護士)によると、制作会社は『「MXテレビに全て委ねている』との姿勢を示した。同委がMX側に聞き取りへの協力を求めたが、MX側は『書面で申し入れてほしい。(制作会社から)回答があるかどうか分からない』としているという。」
③「制作会社のDHCシアターは1日付で社名をDHCテレビジョンに変更した。」


(7)沖縄タイムス-米軍流弾:「いまだ飛んでくるとは」住民に恐怖 農作業で立ち入りも-2017年4月15日 12:12


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「流れ弾が飛んだとみられる事件は、沖縄県恩納村の安富祖ダムの建設現場で起きた。フェンスで遮られた米軍キャンプ・ハンセンの提供区域内だが黙認耕作地もあり、普段から住民が農作業で立ち入る場所とも近い。集落内のプレハブ事務所に泊まり込む建設作業員らは一様に『分からない』と口をつぐんだ。日常的に射撃訓練の音を聞かされている地元住民には不安が募る。」
②「14日午後8時、ダム建設を請け負っていた工事会社の作業所には、作業員の男性ら数人の姿があった。だが、かん口令を敷かれたかのように『分かりません』とだけ。事務所のカーテンを閉め、鍵を掛けた。会社の社長は何も知らず、その場で現場責任者に電話で確認。事情を把握すると『事実関係が分からないので答えられない』と本紙の取材に繰り返した。」
③「地元住民によると、現場から数百メートル離れた黙認耕作地にはサトウキビ畑やミカン畑が広がる。地主3人が普段から出入りしているという。14日午前、農作業をしていた男性(67)は『まさかここに弾が飛んでくるとは思わない。確かに怖いが土地を捨てるわけにはいかない』と話した。」
④「提供区域の近くに住む男性(54)は『物に当たったから流れ弾だと分かった。もっと多くの弾が飛び交っているかもしれない。いまだにこんな事故があるとは…』とショックを受けた様子だった。近くの住人(35)は『午後11時をすぎても山から夜間訓練の音が聞こえる。今回はたまたま人に当たらなかったけど、もしもと考えるとぞっとする』と不安げに語った。」


(8)沖縄タイムス-米軍流弾:1972年の本土復帰後27件 被害「氷山の一角」米軍が否定も-2017年4月15日 12:30


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「戦後、県内では米軍演習による跳弾・流弾事件が繰り返し発生している。米軍キャンプ・ハンセンのある金武町では過去、庭で遊んでいた幼児が負傷し、民家の屋根を貫通して女性が重傷を負う事件も発生。2008年の金武町伊芸区であった直近の事件では、県警が再三要望した基地内の立ち入り調査を米軍側が拒否する問題にも発展した。」
②「県の『米軍基地から派生する被弾事故』(2013年)によると本土復帰後、27件発生しているが、被害が繰り返される地域住民からは『氷山の一角だ』との声も上がる。」
③「金武町伊芸区では1979年5月に沖縄自動車道伊芸サービスエリア(SA)の駐車場に砲弾破片が落下。88年10月にはライフル弾8発、軽機関銃弾1発が民家や伊芸SA内で発見され、うち2発はレンジ6からの流弾と確認された。」
④「跳弾・流弾事件は金武町以外でも発生。名護市許田では78年12月、民家に重機関銃が乱射され軒のトタンを貫通、屋根瓦が割れた。伊江村真謝区では81年2月、米軍ヘリから銃弾2発が民家の壁に被弾。87年10月には恩納村瀬良垣の国道58号で、機関銃の弾丸が走行中のタクシー右側面前部を貫通した。」
⑤「米軍が演習による跳弾・流弾であることを認めないケースも多くある。2008年12月に金武町伊芸区であった直近の流弾事件では、県警の鑑定で米軍使用の弾芯と同種であることが確認されたが、米軍は『最近の訓練とは直接関係ない』と否定。県警は約1年後に立ち入り調査し、被疑者不詳のまま軽犯罪法違反容疑で書類送検したが、那覇地検は不起訴とした。」


(9)沖縄タイムス-辺野古新基地:150人が座り込み抗議「埋め立て許さない状況つくる」-2017年4月15日 12:33


 沖縄タイムスは、「15日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前には新基地建設に反対する約150人の市民が座り込み、『埋め立てを絶対に許さない状況をつくっていく』と抗議の声を上げた。うるま市の新里昭栄さん(65)が三線を弾き、『海の声』『平和の願い』など5曲を披露。『歌を通じて沖縄の現状を知ってほしい』と訴えた。シュワブ沖でも市民らは船4隻、カヌー12艇を出し抗議した。午前中、工事用車両の出入りなどはなく、海上でも沖縄防衛局の作業は確認されなかった。」、と報じた。


(10)沖縄タイムス-衰弱したアオウミガメを保護 辺野古のカヌー市民「国の工事のせい」-2017年4月15日 13:16


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖で、新基地建設に抗議するカヌーに乗った市民が14日、弱り切った子どものアオウミガメを助け、本部町の沖縄美ら島財団の動物管理チームに引き渡した。第一発見者は、カメが衰弱していた理由を『国が工事で海を壊したから』と推察した。」
②「同日午後3時すぎ、11艇のカヌーに乗った一人、同市の島袋正さん(56)がオイルフェンスそばに漂うカメを見つけた。甲羅の長さ約40センチで推定2、3歳。泳ぐそぶりも見せないほど衰弱していたため、海水を掛けながら船で連れ帰り、動物管理チームに連絡した。同チームによると海水温が低い冬から春、子ガメが弱って漂流する例は多いという。ただ、島袋さんは辺野古の海の変容にこそ理由があるとみる。」
③「国が新基地工事を始め、沖で白波が立ってもフェンスなどで区切る内側はべたなぎの状態。『見た目以上に生物の【ふるさと】は壊されている。工事の船が急増し、水面下も汚濁防止膜がカーテン状に広がり、自由な往来を断つ』と語る。」
④「市民から『頑張れ』と送り出された子ガメは同日夕、無事に保護施設に着き、手当てを受けた。放流して海に返すことを目指す。」





by asyagi-df-2014 | 2017-04-15 17:30 | 沖縄から | Comments(0)

米国の正義を問う。(1)

 米国トランプ政権は2017年4月6日、「化学兵器による攻撃をしたシリアの航空施設に標的を定めた軍事攻撃を命じた」と明らかにした。」(朝日新聞2017年4月8日)、と他国(シリアのアサド政権)への単独の武力介入を行った。
果たして、米国にどんな正義があるというのか。
朝日新聞は2017年4月11日、「(耕論)米国に正義はあるのか 最上敏樹さん、青山弘之さん」を掲載した。
 この記事から、この問題を考える。


朝日新聞は、青山弘之東京外国語大学教授(以下、青山教授とする)による、米国の中東への関わり方と今回のシリアへの武力介入の意味について、次のように指摘している。


(1)米国は1991年の湾岸戦争以降、自国の経済安全保障を保つため、中東に関わり続けてきました。石油を安定供給させるため、中東の政治的秩序を保つ必要があったからです。
(2)中東に関わる際に、米国は常に二つの基準をてんびんにかけてきました。一つは中東を混乱させないこと。もう一つは、米国に単独で対抗できるような国家や勢力をこの地域につくらないということでした。だからこそ、2003年のイラク戦争では強くなりすぎたフセイン政権を倒したのです。
(3)シリアのアサド大統領は、イラクでフセイン政権が崩壊したあと、米国に盾突くことのできる唯一の統治者になりました。米国にとっては目の上のコブです。それだけに、「アラブの春」以降にシリアで民主化を求めるデモが強まり、国内が混乱に陥ったことを、米国はアサド政権弱体化のいいチャンスだと考えていたはずです。ただ、米国は、仮にアサド政権が崩れる場合にその後のシリアを誰がどう統治するのか、青写真を描けずにいました。そんななかで政権が完全に崩壊すれば、中東に強い混乱を及ぼしかねない。だから、弱くも強くもないシリアが求められていたのです。
(4)この矛盾にはさまれ、オバマ前政権はシリアに対し、中途半端な対応しかとってこられませんでした。アサド政権への直接的な軍事行動はとらず、反体制派への支援を通じ、政権の弱体化を図ろうとしていたのはその表れです。ただこの手法は、アルカイダ系に近い反体制派組織を米国が支援するという結果を生みました。01年の米同時多発テロを起こしたアルカイダ系は、米国にとって本来は最大の敵です。その組織を支援していたオバマ政権時代のシリア政策は、完全に破綻(はたん)していました。それだけに、トランプ大統領はこうした反体制派組織への関わりを、嫌悪していました。だから、トランプ政権はシリア国内の反体制派支援から、「イスラム国」(IS)そのものに対する軍事作戦に軸足を移しつつあり、シリアでの米国の影響力は低下していました。またシリア国内のIS掃討作戦でも、主導権を握っていたのはシリアとロシアでした。このままいけば、仮にシリアでISを掃討できても、シリアとロシアに利益を握られてしまう。それはトランプ政権にとって対シリア政策の失敗を意味していました。
(5)米国は、ISとの戦いにおいて主導権を取り戻したいと考えていました。そのためには、シリアとロシアの両国を揺さぶる必要があった。アサド政権による化学兵器の使用は、米国にとって格好の口実になったのだと思います。起死回生の一打としての、ミサイル攻撃だったのではないでしょうか。


 青山教授は、こうした分析のうえで、今回のシリアへの武力介入の意味について、次のように指摘します。


Ⅰ.今回の米国のミサイル攻撃は、アサド政権の化学兵器使用に対する懲罰行動なのでしょうが、長期的には米国にとって失敗に終わる可能性が高いといえます。
Ⅱ.米国は今回のミサイル攻撃について、アサド政権が化学兵器を使用したことへの対抗措置だと説明しています。仮にこの通りだとしても、今回の攻撃は極めて意味がないと思います。対抗措置であれば本来、化学兵器が再び使われることがないよう、その能力を低下させなければなりません。今回、ミサイル攻撃したのは一つの航空基地のみです。塩素ガスなどの毒ガスを製造できる拠点が攻撃対象に含まれていなかったことには、首をかしげざるを得ません。
Ⅲ.今回の攻撃の結果、米国の思惑とは全く違う結果が生まれるのではないかと思います。アサド政権に実害はなく、一方でアサド政権やロシアは「テロとの戦いの強化」という形で、米国が支援してきた反体制派などに大規模に報復する口実を得た。シリアでのロシアの影響力を強める結果にもつながるのではないでしょうか。


 一方、最上敏樹早稲田大学教授(以下、最上教授とする)は、シリアへの武力介入について、「トランプ政権の攻撃は正義の武力行使とは、とてもいえません。人道的介入が許されるかどうかの議論の入り口にすら至ることがない」と評し、①「これ見よがしの誇示に近い」、②「シリアの人道的な危機が本当によくなるのかという効果の面でも非常に疑わしい」、と指摘している。
 特に、その問題点を次のように挙げている。


Ⅰ.武力行使は様々な方策が尽くされた後の最後の手段で、国連安全保障理事会の決議を踏まえるべきだとされています。今回の攻撃は十分な手続きがなされておらず、国際法上、違法な軍事行動といえます。
Ⅱ.国連安保理決議を通すといった努力を飛ばして、根拠のない武力行使をすることはどの国にも許されませんし、世界を不安定にします。大勢の子供たちが犠牲になったといったことを持ち出せば、武力行使をしても許されるといった緩い構造にはなっていないのです。


 また、最上峡中は、その背景とその影響について、このように触れている。


Ⅰ.唐突かつ拙速に米国が攻撃に踏み切った背景に何があるのか。現状では推測の域を出ませんが、米国の政権内のポストに空席が多いこともあって、本来ならば、国際法上の問題点を指摘するといった政権内からの歯止めが働かなかったのかも知れません。
Ⅱ.今回の攻撃で、トランプ政権が世界の安全保障の問題に武力をもって関与するということが示されました。北朝鮮のような国家が行動を自重するのではないかと期待する声が上がることも予想できますが、そうとは思えません。むしろ、米国が自ら国際法というルールを無視したことで、他国による違法な武力行使に拍車をかける危険性もあります。そもそも、現在、人びとの安全保障上の大きな脅威になっているのはテロリスト組織に代表されるような人間の集団、つまり主権国家ではない非国家主体です。どんなに強大な国が圧力をかけても、非国家主体が従わず、テロリズムが発生するという現象を私たちはここ十数年、ずっと見てきています。


 さらに、今後のシリア情勢についても、このようにまとめている。


Ⅰ.ニューヨークで国連加盟国による大きな会議を開くだけでなく、NPOやNGOという非国家主体も含めた当事者の話し合いが必要です。シリアの子供たち、一般の人びとがどれだけ苦しみ、厳しい状況に置かれているかを最も理解しているのが非国家主体でもあります。
Ⅱ.シリア政府の要請を受けて、安保理の常任理事国として、拒否権を行使できるロシアがシリア国内で様々な武力行使を行っています。両国の行動に問題は多く、国際社会は有効な手を打つことができません。現在の国際法や国連システムの限界は確かにあります。しかし、無力を嘆くだけでなく、現実的な改革を考えるべきです。
Ⅲ.例えば、スイスなどの国々が提唱しているように、人道問題に関しては、五つの常任理事国が拒否権を使うべきでないと国連総会で決議することは重要で現実的な提案です。拒否権発動ができないように国連憲章を改正するのは、拒否権の壁があって非現実的ですが、総会決議は全加盟国の多数決で採択できます。常任理事国に対する拘束力を持ちませんが、道徳的な力で将来の人道危機を防ぐことになります。


 青山教授、最上教授の指摘を受けて、確かに、他国への単独の武力介入には、なんら正義は見つけられない。




by asyagi-df-2014 | 2017-04-15 06:47 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧