2017年 03月 29日 ( 4 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月29日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 渡嘉敷島で起こった「強制集団死」。
 慰霊祭でのこの言葉を、人らしくあるために引き継がなくてはならない。
「父と兄弟3人を亡くした。今でも胸が苦しい」
「多くの尊い命がこのような悲惨な形で失われたことは痛恨の極みである。歴史が続く限り子々孫々に至るまで伝える」


 2017年3月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-心の痛み 今も癒えず 「集団自決」72年 渡嘉敷で慰霊祭-017年3月29日 05:00


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「1945年3月28日、沖縄戦時に渡嘉敷島で起こった『集団自決』(強制集団死)から72年の28日、渡嘉敷村の白玉之塔で村主催の慰霊祭が開かれた。約60人の遺族、関係者らが参列した。参列者は沈痛な面持ちで手を合わせ、鎮魂の祈りをささげた。」
②「松本好勝渡嘉敷村長は式辞で『多くの尊い命がこのような悲惨な形で失われたことは痛恨の極みである。歴史が続く限り子々孫々に至るまで伝える』と決意を新たにした。」
③「渡嘉敷小中学校の児童生徒は折り鶴で『心』という字を表した作品を奉納した。『世界中の人たちが優しく穏やかな気持ちになるように』と気持ちを込めたという。」
④「玉城保弘村議会議長は『今日の平和と繁栄は尊い犠牲の上にあることを決して忘れない。事実を風化させないよう命の大切さを後世に語り継いでいく』」と強調した。参列した80代の男性は『父と兄弟3人を亡くした。今でも胸が苦しい』と涙ぐんだ。」


(2)琉球新報-国へ工事中断指示 県「計画の説明不十分」  辺野古新基地-2017年3月29日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に絡み、県は28日、沖縄防衛局に対し、汚濁防止膜の設置に伴うコンクリートブロックの海中への投下行為について、県に計画が十分説明がなされないまま工事が進んでいるとして一時中断を指示した。3月31日までに汚濁防止膜の敷設計画に関する資料を提出するよう求めている。」
②「前知事が出した岩礁破砕許可に基づく行政指導で、法的強制力はないが、県はこれまでの任意の要請から一段階強い手続きを取った。一方、防衛局は現場海域の漁業権が消滅したため許可は不要になったとの見解を示しており、指示に従わず作業を続ける方針。県側は今後、作業の状況を見て法的措置を検討する。」
③「県が指示を出したのは、2014年8月28日に仲井真弘多前知事が沖縄防衛局に辺野古沿岸部の岩礁破砕許可を出した際に付けた『条件』に基づく対応。条件は(1)漁業調整その他公益上の事由などで別途指示をする場合は、指示に従うこと(2)知事が工事の進捗(しんちょく)状況などについて説明を求めた場合は、遅滞なく資料を提供すること-などと定めている。県はコンクリートブロックの投下行為を含む汚濁防止膜の敷設計画について、当初県が承認した内容と、その後に作成された特記仕様書などで示された内容に違いがあるとして、その理由を説明するよう求めてきた。一方、防衛局側は、現在行っている投下作業は、当初県に承認を受けた時点と同じ内容になっており、変更はないと主張し、作業を継続している。」


(3)沖縄タイムス-金田法相も沖縄知事への賠償請求を示唆 「関係省庁とともに検討」-2017年3月29日 08:11


 沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事が前知事の辺野古新基地建設に関する埋め立て承認を撤回した場合に知事に対して損害賠償請求することについて、金田勝年法相は28日の閣議後会見で関係省庁と検討していると明かした。」
 また、「金田法相は『法務省としてもあらゆる事態を想定して損害賠償請求権の行使を含め法令に基づく所要の措置を講じることについて、防衛省など関係省庁とともに検討している』と答えた。鶴保庸介沖縄担当相はふたたび県と国の法廷闘争が予測されることについて『政府としては、そうならないことを望みつつも、いろんな手だてを考えていかざるを得ない』と述べた。」。と報じた。

 二階俊博自民党幹事長は「訴訟を起こすなどということは、一見歯切れがいいが、今後の審議にどう影響するかも考えなくてはいけない。成り行きを見守っていきたい」と述べるにとどめた。


(4)沖縄タイムス-「本土の山より過酷」陸自の“悲願”と米軍の思惑 安保法施行1年、沖縄で進む基地の共同使用-2017年3月29日 07:55


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「自衛隊による海外任務の拡大や日米同盟強化をうたった安全保障関連法の施行から29日で1年を迎えた。全国の在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄では、米軍との共同訓練を念頭に、自衛隊による米軍施設の『共同使用』が進む。日米の軍事一体化に加え、自衛隊を全面に出すことで反米感情を抑えたい米側と、狭隘(きょうあい)な沖縄で射撃訓練などが可能な訓練場を確保したい自衛隊の思惑が重なり、さらなる基地負担増が沖縄に暗い影を落とし始めている。(政経部・大野亨恭)」
②「『将来的にはキャンプ・シュワブで陸自が日本のオスプレイを使用するべきだ』。8日、キャンプ瑞慶覧で開いた地元報道機関との意見交換会で、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は、沖縄の全基地で共同使用が可能だと『私見』を披露した。」
③「共同使用と、共同訓練の推進-。この考えは日米の防衛当局で浸透している。訓練のための共同使用の先駆けとなったのは2006年の再編ロードマップに盛り込まれたキャンプ・ハンセンだ。08年の訓練開始後、今年2月まで陸自の訓練は射撃を中心に333回に上る。」
④「ハンセンは、日米地位協定2条4項aに基づく日米合同委員会合意が法的根拠だ。自衛隊は共同使用で合意していないシュワブや米軍北部訓練場などで水陸両用作戦、レンジャー訓練を『なし崩し的』に実施している。」

⑤「17日、国頭村の山中を飛び立ったヘリが陸自隊員11人を乗せ、那覇駐屯地に降りた。米軍北部訓練場で約4週間、レンジャー訓練を受けた隊員たちが、仲間の隊員や家族1500人余の拍手の中、“帰還”した。4日間、ほとんど眠らず、食糧や弾薬などを詰めた40~50キロのカバンを背負い山の中を進む。訓練は過酷で、当初参加した22人のうち11人は脱落した。訓練目的は『県民の安全・安心へ寄与し、不撓(ふとう)不屈の精神を養成する』ことだ。陸自幹部は、狭い沖縄の中で、ジャングル訓練ができる北部訓練場は唯一無二の存在だと明かす。レンジャー訓練経験がある別の幹部は、ツタが多く木々でうっそうとする沖縄の山中は『本土の山より過酷だ』と“メリット”を強調する。防衛省によると2012年1件だった北部訓練場でのジャングル訓練は、16年度は6件と増加している。」
⑥「ニコルソン氏は共同使用の前提として9千人の在沖米海兵隊のグアム、ハワイなどへの移転を挙げている。日米が合意した再編計画で米軍の主力部隊が国外へ移った後を自衛隊が使用することを想定した発言だ。狭隘な沖縄での訓練場確保は陸自の悲願だ。加えて、基地を自衛隊管理下に置けば、米軍専用施設面積の割合を低くできる、との日米の思惑も透けて見える。」
⑦「米軍再編では沖縄の負担軽減をうたうが、ふたを開ければ米軍が自衛隊にすり替わり、訓練を実施する-。結局、沖縄の軍事負担は残されたまま、『基地の島』であり続けることに懸念が残る。自衛隊による海外任務の拡大や、集団的自衛権行使を認めた安全保障関連法は29日に施行から1年を迎えた。北朝鮮の核・ミサイル開発が『新たな脅威』となる中、安保法を軸にした日米同盟強化を目指す。集団的自衛権を行使する事態を想定した共同訓練や演習を来年3月末までに初実施する方向だ。法運用が進む中、自衛隊のリスク増や戦争に巻き込まれる恐れを指摘する声は強まりそうだ。」
⑧「菅義偉官房長官は28日の記者会見で『日米間の連携をしっかり行うことができるようになった。法運用に万全を期す中で国民の安全を守っていく』と強調した。」


(5)琉球新報-翁長県知事の中断指示後も工事強行 辺野古新基地建設-2017年3月29日 13:29


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で29日、大浦湾海上では汚濁防止膜の設置に伴い大型クレーン船がコンクリートブロックを海中に投下する作業が確認された。翁長雄志知事は28日、前知事が出した岩礁破砕許可に基づく行政指導として、沖縄防衛局に対して工事の一時中断を指示したが、国は工事を強行している。」、と報じた。
 また、「基地建設に反対する市民らは抗議船やカヌーを繰り出して早朝から、海上での抗議行動を展開した。海上保安庁は浮具(フロート)の外側で抗議する船やカヌーも含めて一時拘束した。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では市民ら約100人超が、早朝から座り込みの抗議行動を実施している。」、と報じた。


(6)琉球新報-菅義偉官房長官が工事続行を明示 辺野古の岩礁破砕許可で-2017年3月29日 14:10


 琉球新報は、「県は汚濁防止膜設置に伴うコンクリートブロックの投下計画について防衛局の説明が不十分だとして中断を指示した。菅氏はブロック投下は2014年8月に仲井真弘多前知事から岩礁破砕許可を受けたもので、県から本年の5回を含め、60回以上の質問に『すべて誠実に回答している』と適切に進めていると主張した。県は設置計画が当初承認した内容とその後に作成された特記仕様書などの内容に違いがあるとして、防衛局に理由を求めている。」、と報じた。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 18:02 | 沖縄から | Comments(0)

安倍晋三政権は、「働き方改革実行計画」をまとめる。

 毎日新聞は2017年3月29日、標題について次のように報じた。


(1)政府は28日、「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)を開き、2017年度から10年間に実施する施策を盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめた。政府は秋の臨時国会に関連法案を提出し、2019年度施行を目指す。
(2)同一労働同一賃金では、時間外労働の割増率や各種手当に関しては同一の支給を求めた。一方、基本給では業績や能力などに応じた待遇差を認めた。ただし、待遇差に合理性があるかどうか、企業側に従業員に対する説明義務を課す。また、派遣労働者の賃金水準が派遣先の変更で変わることを防ぐ方策も盛り込んだ。派遣労働者を受け入れている企業が、派遣会社に対して賃金など待遇に関する情報を提供するよう義務付ける。派遣労働者の賃金水準を同業種の労働者と同等以上とすることを労使協定に盛り込むことなども求めている。
(3)長時間労働是正に関しては、「月45時間」などの残業時間の上限を法定化し、罰則を設ける。繁忙期でも「月100時間未満」などの規制を新たに設けた。ただし、運輸業と建設業、医師は施行から5年間は適用を猶予する。5年後には建設業は年720時間を適用するが運輸業は年960時間とする。医師は19年に結論を出す。研究開発職は適用除外を継続する。【阿部亮介】





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 12:06 | 書くことから-労働 | Comments(0)

大阪高等裁判所は2017年3月27日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた2016年3月の大津地裁の仮処分を取り消す。

 東京新聞は2017年3月29日、標題について次のように報じた。


(1)関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた昨年三月の大津地裁の仮処分について、大阪高裁は二十八日、関電の抗告を認めて取り消す決定をした。二基が法的に再び運転可能となり、稼働中の原発を止めた全国初の司法判断は約一年で覆った。
(2)関電の岩根茂樹社長は同日の記者会見で、二基の再稼働の時期は未定と説明したが、地元の了解を経て、早ければ四月下旬にも運転を再開する見通し。
(3)高裁の山下郁夫裁判長は決定理由で、東京電力福島第一原発事故後に策定された原子力規制委員会の新規制基準を「事故から得られた教訓を踏まえ、最新の科学・技術的知見に基づき策定された」と指摘。原発が新規制基準に適合した場合、危険性の立証責任は住民側にあるとした。地裁決定で「危惧すべき点がある」と指摘された過酷事故対策や基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の想定も、新規制基準に沿って適切に考慮され「事故時に炉心の著しい損傷を防ぐ確実性は高度なものになっている」と判断した。
(4)抗告審では地裁決定後に発生した熊本地震も争点となり、住民側が新たに「大きな揺れが連続して起きると想定していない」と主張。決定は「高浜原発で基準地震動規模の揺れが連続するとはほぼ考えられず、起きたとしても安全性は確保されている」と退けた。
(5)住民側は今後、特別抗告などの手続きで最高裁の判断を仰ぐことができるが、憲法違反などの要件が定められ、退けられた場合に全国の同種裁判へ与える影響も考慮して慎重に対応を検討する。
◆高裁 住民目線ほど遠く
(6)関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認めた二十八日の大阪高裁の決定は、原子力規制委員会の策定した新規制基準に全く疑いを挟まなかった。その姿勢に住民目線は感じられない。東京電力福島第一原発事故は、社会から要求される原発の安全水準を格段に高めたはずだ。一年前、稼働中だった原発を初めて止めた大津地裁の仮処分決定は、事故が起きれば長期にわたって暮らしを奪われる地元住民に寄り添い、新規制基準が納得できるものかどうかを厳しく問うた。
(7)福島の事故前、原発訴訟の判断を方向付けてきたのは、行政の設置許可を尊重した一九九二年の四国電力伊方原発訴訟の最高裁判決だった。昨年の大津地裁や同じく差し止めを認めた二〇一五年の福井地裁は、新規制基準の妥当性まで踏み込み、原発事故後の新しい司法のアプローチを示した。しかし今回の大阪高裁は規制委が自らつくった解説資料に依拠し、「新規制基準は合理的」と認定。専門家の意見に追随する事故前の枠組みに戻った。
(8)原発停止を求める大勢の人々が全国で訴えを起こしているのは、国も電力会社も再稼働に前のめりになる中、新基準をチェックする最後のとりでとしての役割を司法に求めるからだ。今回の決定後も原発訴訟はやまないだろう。事故の教訓を置き去りにするのか。司法の役割が問われている。(角雄記)」


 「原発が新規制基準に適合した場合、危険性の立証責任は住民側にある」とする考え方は、まさしく「安全神話」の復活である。
 またもや、日本の司法は、その独立性を損ねた。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 10:10 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄の「決断」。「撤回」を考える。-沖縄タイムス20170326-(1)

 琉球新報電子版は2017年3月25日、翁長雄志沖縄県知事による「撤回」発言について、次のように報じた。


 「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設計画に反対する「違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会」(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が25日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれ、主催者発表で3500人超が参加した。
 出席した翁長雄志知事は新基地建設に必要な辺野古沖の埋め立て承認について「撤回を力強く、必ずやる」と述べ、埋め立て承認の撤回を初めて明言した。翁長知事が辺野古での市民集会に参加するのは就任以来初めて。」


 また、このことに対応して、沖縄タイムスは、「『撤回と訴訟』新基地阻止の切り札 表明に集会の場を選んだ知事」、と2017年3月26日に記事を掲載した。
 これを基に、沖縄の「決断」、この「撤回」を考える。
 まず、沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事は25日、埋め立て承認の撤回を表明する場として、県民集会の大舞台を選んだ。知事は国が岩礁破砕許可を得ずに新基地建設工事を進めた場合、工事の差し止め訴訟を提起する方針も示している。「新基地阻止」を実現できていない知事は、撤回と訴訟の二大カードをてこに、反転攻勢を期す構えだ。撤回と訴訟は早ければ4月中にも実現する可能性がある。4月はくしくも、辺野古で基地建設に反対する市民の座り込み行動から、千日を迎える節目。行政、市民とも、年度開け早々に闘争のヤマ場を迎える。」、と伝えた。
 また、この県民集会での翁長雄志沖縄県知事あいさつは次のように報じた。


(1)辺野古新基地阻止の闘争は、新たなステージに入っている。今日は山城博治さんの姿もあったようだ。今日を期して沖縄の新しい戦いが始まる、という意味で私も参加した。国のやり方は、米軍占領下を思い出す。銃剣とブルドーザーで家屋敷をたたき壊し、新しい基地を造って県民の住む場所を奪った。まったく同じ手法で、あの美しい大浦湾を埋め立てようとしている。
(2)米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因だ。本土の人はよく「あんたがたは基地で食べてるんでしょ」「だから基地を預かるのは当たり前じゃないか」と言う。では、抑止力のために菅義偉官房長官のふるさとである秋田県の十和田湖を埋めるのか。宮城県の松島を埋めるのか。びわ湖を埋めるのか。本州と四国を結ぶ橋は1本1兆円、九州の新幹線も1兆円だ。那覇空港の第2滑走路に関しては「沖縄が基地を預かっているから特別に造ってあげてるんだ」という話をする人がいる。四国も九州も、米軍基地を預かってるから橋を架け、新幹線を走らせるのか。こういう話はやめてほしい。
(3)私たちは心を一つにして包容力を持ち、新辺野古基地は絶対に造らせないとやっていきたい。国は岩礁破砕の許可も無視をして通り過ぎようとしている。私はあらゆる手法を持って、撤回を力強く、必ずやる。チバラナヤーサイ(頑張りましょう)、ナマカラルヤイビンドー(これからですよ)。


 こうした一連の翁長沖縄県知事の思惑について、次のように解説する。


Ⅰ.知事はなぜ、県民集会をこれほど重視したのか。


(1)今月16日。知事は工事差し止め訴訟の検討を表明した記者会見で、記者から「県が撤回権限を行使しないことに県民のいら立ちが募っている」と問われ、「いら立ちもあると思う。全部耳に入っている」と認めた。
(2)新基地建設を阻止する闘争で、知事が最重視するのは世論の支持だ。国の海上工事が進み、知事は有権者による不信の高まりを肌感覚でとらえていた。知事はもともと昨年末の最高裁敗訴を機に、基地建設の阻止闘争が「第2ステージに進む」と宣言し、周囲は「行政の長から政治家への軸足を移す」と解説。市民集会に積極的に参加する方向へかじを切っていた。工事の進捗(しんちょく)で知事の危機感はさらに高まり、集会への参加と撤回の表明に踏み切ることが必要だったのだ。
(3)国は早ければ4月下旬にも辺野古海域で護岸工事に着手する。撤回カードを切るタイミングを模索する県は、国が岩礁破砕許可を得ずに工事を進めたり、前知事が埋め立て承認した際に付した留意事項にある事前協議が不十分だったりする「信義則違反」の積み重ねを、撤回処分の根拠にすることを検討している。
(4)知事は集会で撤回に言及する直前、こう述べた。「(国は)いろんな申請を無視して通り過ぎようとしている。その一つ一つが私の胸に貯金として入っている」。
(5)「撤回と訴訟」新基地阻止の切り札 表明に集会の場を選んだ知事。


Ⅱ.知事発言の意味


(1)翁長雄志知事が辺野古の県民集会に初めて参加し、さらに埋め立て承認の撤回を明言した背景には、国による新基地建設工事が着々と進むことで低下した求心力を回復する狙いがある。行政の長としての立場と市民運動を区分してきた従来の姿勢を転換し、県民との一体感を重視することで、新基地建設の阻止闘争で国に対して後手に回ってきた印象を払拭(ふっしょく)したい考えだ。
(2)知事は2015年に那覇市のセルラースタジアムで新基地建設阻止を掲げる県民大会に参加したが、辺野古集会への出席には慎重な姿勢を保っていた。知事周辺はこれまで「建設現場の辺野古に赴き、県民の期待感を高めた後に基地建設が進んでしまえば、期待が失望に変わるリスクが大きい」と理由を解説してきた。ただ、昨年末の最高裁敗訴で埋め立て承認の取り消しを取り消さざるを得なくなり、国は2月に辺野古海域へコンクリートブロックを投入。海上工事に着手した。早ければ4月末にも護岸工事を始める見通しだ。
知事公約の一丁目一番地である新基地建設阻止で有効な手だてが打てず、25日の集会前、知事を支持する県民の間にもいら立ちが強まっていた。
(3)こうした世論の動きを知事は敏感に察知しており、辺野古集会への参加だけではなく、県民に待望論が強い撤回の表明が不可欠と判断した。焦点は撤回要件の確立と、処分へと踏み切る時期に移る。
(4)撤回カードを切ったとしても、国による代執行訴訟が待ち構えるのは確実。県は二の矢、三の矢を放つ中長期戦略を練る必要性にも迫られる。


 さて、新垣勉弁護士の説明によって、この「撤回」については、次のことを学んできた。


Ⅰ.最高裁判決は、前知事が行った埋立承認には「裁量権の逸脱」はなく許される一つの  政策判断であったと判断した。しかし、この司法判断は前知事が「適切な判断」を行  ったことを意味するものではない。単にそれが「違法・不当」ではなかったと判断し  たにとどまる。「違法・不当」でないということとそれが「適切な判断」であったか  どうかとは異なる。
Ⅱ.埋立承認に「違法・不当がないと判断された現在、残された課題は埋立承認を「今後  も維持するのか、撤回するのか」の判断である。
Ⅲ.埋立承認が「適切であったか否か」を問う最も直接的な法的対抗措置は、県民の民意  を根拠とする「撤回」処分ある。この撤回処分は、埋立承認後の新知事誕生に伴う政  策変更(民意)を理由とするものであり、法的に十分理由が存在するものである。
Ⅳ.この場合の「撤回」の法理は、「埋立承認を撤回することにより生じる国の不利益」  と「撤回して新基地建設を行わないことにより生じる県民の公益性」を比較考慮し、  公社の必要性が前者を上回ると評価できれば、法的に「撤回」を行うことができるこ  とを示す。また、「埋立承認は維持すべきでない」との判断の是非を司法の場で判断  してもらうためには、「撤回」処分が効果的であり有用である。
Ⅴ.知事の権限としての埋立承認の「撤回」権限に基づく「撤回」処分は、「埋立承認を  将来に向かって取り消す行政行為」である。また、この「撤回」処分は、「これまで  の一連の判決の影響を受けない「新しい処分」である。



 確かに、埋立承認の「撤回」は、沖縄県の判断である。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-29 07:34 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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